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特開2024-91203処理装置、処理プログラム及び処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091203
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】処理装置、処理プログラム及び処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0631 20230101AFI20240626BHJP
【FI】
G06Q10/0631
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023021147
(22)【出願日】2023-02-14
(31)【優先権主張番号】P 2022204809
(32)【優先日】2022-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.公開1 (1)ウェブサイトの掲載日 令和4年10月1日、令和4年10月31日、令和4年11月4日、令和4年11月24日及び令和4年12月12日 (2)ウェブサイトのアドレス [令和4年10月1日] アドレス1:https://document.uniforce-cloud.com/Uniforce-IPO_service_outline_material.pdf [令和4年10月31日] アドレス2:https://ipo.uniforce-cloud.com/ アドレス3:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000014.000090278.html アドレス4:https://uniforce.co.jp/ [令和4年11月4日] アドレス5:https://ipo.prd.uniforce-cloud.com/dashboard [令和4年11月24日] アドレス6:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000090278.html [令和4年12月12日] アドレス7:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000090278.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (3)公開者 Uniforce株式会社 (4)公開された発明の内容 ア.Uniforce株式会社が、上記アドレス1のUniforce株式会社のウェブサイトにて、東川 寿充及び小川 卓也が発明した処理プログラム等に係るサービス紹介資料及び営業資料を公開した。 イ.Uniforce株式会社が、上記アドレス2のUniforce株式会社のサービスサイトにて、東川 寿充及び小川 卓也が発明した処理プログラム等に係るサービスを公開した。 ウ.株式会社PR TIMESが、上記アドレス3、6及び7の株式会社PR TIMESのウェブサイトを通じて、東川 寿充及び小川 卓也が発明した処理プログラム等に係るサービスを公開した。 エ.Uniforce株式会社が、上記アドレス4のUniforce株式会社のウェブサイトにて、東川 寿充及び小川 卓也が発明した処理プログラム等に係るサービスを公開した。 オ.Uniforce株式会社が、上記アドレス5のUniforce株式会社のウェブサイトにて、東川 寿充及び小川 卓也が発明した処理プログラム等に係るサービスを公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】521497110
【氏名又は名称】Uniforce株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230121016
【弁護士】
【氏名又は名称】小笠原 匡隆
(72)【発明者】
【氏名】東川 寿充
(72)【発明者】
【氏名】小川 卓也
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA09
5L049AA09
(57)【要約】      (修正有)
【課題】企業に対して所定の資格を付与するための審査に係るタスクのための新たな処理装置、処理プログラム及び処理方法を提供する。
【解決手段】上場審査がされる企業内に設置された端末装置と、受け付けた指示入力に基づいてタスクの管理を行うサーバ装置とが、ネットワークを介して通信可能に接続する処理システムにおいて、サーバ装置は、企業に対する審査において評価対象となる項目に係る複数のタスクのスケジュールを作成するため少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、少なくとも一つのプロセッサは、審査が予定される期日情報を受信すると期日情報から複数のタスク毎に作業期間の開始期限又は終了期限を設定し、設定した開始期限又は終了期限及び複数のタスク毎に設定された標準作業期間に基づいてタスク毎に作業期間を設定し、複数のタスクの夫々に対して設定された作業期間を複数のタスク毎に出力するための処理を実行する。
【選択図】図7A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
企業に対する審査において評価対象となる項目に係る複数のタスクのスケジュールを作成するため少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記審査が予定される期日情報を受信すると前記期日情報から前記複数のタスクごとに作業期間の開始期限又は終了期限を設定し、
設定された前記開始期限又は前記終了期限及び前記複数のタスクごとに設定された標準作業期間に基づいて前記タスクごとに作業期間を設定し、
前記複数のタスクのそれぞれに対して設定された前記作業期間を前記複数のタスクごとに出力する、
ための処理を実行するように構成された処理装置。
【請求項2】
前記審査は前記企業が発行する有価証券の取引に係る審査である、請求項1に記載の処理装置。
【請求項3】
前記審査は前記企業が証券取引所において新規に上場する場合に行われる審査である。請求項1に記載の処理装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つのプロセッサは、前記複数のタスクのそれぞれに担当者を割り当てる、請求項1に記載の処理装置。
【請求項5】
前記担当者は、前記担当者の部署及び職位に基づいて割り当てられる、請求項4に記載の処理装置。
【請求項6】
前記担当者は、前記複数のタスクにおいて互いに関連するタスクであることを示す関連タスク情報に基づいて割り当てられる、請求項4に記載の処理装置。
【請求項7】
前記少なくとも一つのプロセッサは、
前記複数のタスクのそれぞれのステータスを示すステータス情報を記憶し、
前記ステータス情報に基づいて、前記複数のタスクのそれぞれについて終了してから所定期間が経過したか否かを判定し、
前記所定期間が経過した場合には、前記所定期間が経過したタスクの現在の状況を確認の要求をするための確認要求を出力する、
請求項1に記載の処理装置。
【請求項8】
前記確認要求に基づいて新たなタスクに関する新規タスク情報を受信すると、受信した前記新規タスク情報が新たなタスクとして登録される、請求項7に記載の処理装置。
【請求項9】
企業に対する審査において評価対象となる項目に係る複数のタスクのスケジュールを作成するための処理を実行するために、少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて、前記少なくとも一つのプロセッサを、
前記審査が予定される期日情報を受信すると前記期日情報から前記複数のタスクごとに作業期間の開始期限又は終了期限を設定し、
設定された前記開始期限又は前記終了期限及び前記複数のタスクごとに設定された標準作業期間に基づいて前記タスクごとに作業期間を設定し、
前記複数のタスクのそれぞれに対して設定された前記作業期間を前記複数のタスクごとに出力する、
ように機能させる処理プログラム。
【請求項10】
企業に対する審査において評価対象となる項目に係る複数のタスクのスケジュールを作成するための処理を実行するために、少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて、前記少なくとも一つのプロセッサにより実行される処理方法であって、
前記審査が予定される期日情報を受信すると前記期日情報から前記複数のタスクごとに作業期間の開始期限又は終了期限を設定する段階と、
設定された前記開始期限又は前記終了期限及び前記複数のタスクごとに設定された標準作業期間に基づいて前記タスクごとに作業期間を設定する段階と、
前記複数のタスクのそれぞれに対して設定された前記作業期間を前記複数のタスクごとに出力する段階と、
を含む処理方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、企業に対して所定の資格を付与するための審査に係るタスクのための処理装置、処理プログラム及び処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、設備保全業務などの業界において、必要なタスクとその期限を自動で管理可能な設備保存支援システムが知られていた。例えば、特許文献1には、受付システム、モバイルシステム、ネットシステム及び基盤システムを備えた設備保全支援システムであって、前記基盤システムは、複数のタスクが規定されたタスク管理テーブルを有しており前記受付システムは、前記タスク管理テーブルに基づいて、前記複数のタスクの内の任意の第1のタスクについて、次のタスクである第2のタスクに遷移するための条件が充足されたとの通知を前記モバイルシステム又は前記ネットシステムから受信した場合には、前記受付システム、前記モバイルシステム及び前記ネットシステムの状態を次のタスクである前記第2のタスクに自動的に遷移させる手段を有することを特徴とする設備保全支援システムが記載されている。
【0003】
設備保全業務のような場合、各タスクは明確に分離可能であり、タスク自体の数量及び種類が膨大になることは一般的にはない。また、各タスクに必要とされる書類が互いに関連することも多くはなく、各タスクに必要な書類の作成が一般的に容易に行えた。このため、設備保全業務に関して、期限管理は容易に実現可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-114098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上述した背景からなされたものであり、企業に対して所定の資格を付与するための審査に係るタスクのための新たな処理装置、処理プログラム及び処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、「企業に対する審査において評価対象となる項目に係る複数のタスクのスケジュールを作成するため少なくとも一つのプロセッサを具備する処理装置であって、前記少なくとも一つのプロセッサは、前記審査が予定される期日情報を受信すると前記期日情報から前記複数のタスクごとに作業期間の開始期限又は終了期限を設定し、設定された前記開始期限又は前記終了期限及び前記複数のタスクごとに設定された標準作業期間に基づいて前記タスクごとに作業期間を設定し、前記複数のタスクのそれぞれに対して設定された前記作業期間を前記複数のタスクごとに出力する、ための処理を実行するように構成された処理装置」が提供される。
【0007】
本開示の一態様によれば、「企業に対する審査において評価対象となる項目に係る複数のタスクのスケジュールを作成するための処理を実行するために、少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて、前記少なくとも一つのプロセッサを、前記審査が予定される期日情報を受信すると前記期日情報から前記複数のタスクごとに作業期間の開始期限又は終了期限を設定し、設定された前記開始期限又は前記終了期限及び前記複数のタスクごとに設定された標準作業期間に基づいて前記タスクごとに作業期間を設定し、前記複数のタスクのそれぞれに対して設定された前記作業期間を前記複数のタスクごとに出力する、ように機能させる処理プログラム」が提供される。
【0008】
本開示の一態様によれば、「企業に対する審査において評価対象となる項目に係る複数のタスクのスケジュールを作成するための処理を実行するために、少なくとも一つのプロセッサを具備するコンピュータにおいて、前記少なくとも一つのプロセッサにより実行される処理方法であって、前記審査が予定される期日情報を受信すると前記期日情報から前記複数のタスクごとに作業期間の開始期限又は終了期限を設定する段階と、設定された前記開始期限又は前記終了期限及び前記複数のタスクごとに設定された標準作業期間に基づいて前記タスクごとに作業期間を設定する段階と、前記複数のタスクのそれぞれに対して設定された前記作業期間を前記複数のタスクごとに出力する段階と、を含む処理方法」が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、企業に対して所定の資格を付与するための審査に係るタスクのための新たな処理装置、処理プログラム及び処理方法を提供することができる。
【0010】
なお、上記効果は説明の便宜のための例示的なものであるにすぎず、限定的なものではない。上記効果に加えて、又は上記効果に代えて、本開示中に記載されたいかなる効果や当業者であれば明らかな効果を奏することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本開示の実施形態に係る処理システム1に係る期限管理処理の概要を概略的に示す図である。
図2図2は、本開示の実施形態に係る処理システム1の構成を概略的に示す概念図である。
図3図3は、本開示の実施形態に係る端末装置100の構成の例を示すブロック図である。
図4図4は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200の構成の例を示すブロック図である。
図5A図5Aは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される整備タスク管理テーブルを概念的に示す図である。
図5B図5Bは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される担当者管理テーブルを概念的に示す図である。
図5C図5Cは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される運用タスク管理テーブルを概念的に示す図である。
図5D図5Dは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される課題タスク管理テーブルを概念的に示す図である。
図6A図6Aは、本開示の実施形態に係る端末装置100とサーバ装置200との間で実行される処理シーケンスを示す図である。
図6B図6Bは、本開示の実施形態に係る端末装置100とサーバ装置200との間で実行される処理シーケンスを示す図である。
図7A図7Aは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。
図7B図7Bは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。
図7C図7Cは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。
図8A図8Aは、本開示の実施形態に係る端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
図8B図8Bは、本開示の実施形態に係る端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
図8C図8Cは、本開示の実施形態に係る端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
図8D図8Dは、本開示の実施形態に係る端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
図8E図8Eは、本開示の実施形態に係る端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
図8F図8Fは、本開示の実施形態に係る端末装置100に出力される画面の例を示す図である。
図9図9は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行されるスケジュール作成処理の一例の概要を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。なお、図面における共通する構成要素には同一の参照符号が付されている。
1.本開示に係る処理システム1の概要
本開示に係る処理システム1は、一例としては、企業に対して所定の資格を付与するための審査において評価対象となる項目に係るタスクについて、作業期間を設定し、各タスクのスケジュール管理を実施するために用いられる。このような処理システムは、特に当該企業が発行する有価証券の取引を可能にするために、当該企業が特定の証券取引所に上場する場合に行われる審査(いわゆる上場審査)に関するタスクの管理に用いられる。なお、タスクの例としては、当然に上場審査に関するタスクのみには限られない。このようなタスクの例としては、ISO(国際標準化機構)が定める各種規格に対する審査、国の省庁や地方公共団体などが管轄する各種認証における審査、公的又は民間の格付け機関や評価機関による審査、企業に対して事業資金の投入や貸付等をする際に行われる審査などの様々な審査におけるタスクが挙げられる。なお、以下においては、これらのうちの一例として、上場審査に関するタスクの管理をする場合について説明する。
【0013】
処理システム1は、企業から、当該企業が将来上場を予定している期日(例えば、2022年)及び当該企業の決算日(例えば、12月31日)を示す情報を受信すると、当該情報に基づいて上場審査において処理することが求められる複数のタスクと、各タスクの開始期限(開始予定日)又は終了期限(終了予定日)を設定する。そして、設定された当該開始期限又は終了期限とタスクごとに設定された標準作業期間とに基づいて、タスクごとに作業期間を設定する。また、当該作業期間の設定に際して、処理システム1は、複数のタスクに設定された処理順序も考慮されており、タスクの期限管理の最適化を図っている。
【0014】
さらに、処理システム1は、終了したタスクに関して、実際にそれが適切に運用されているどうかの確認要求を企業に対して行い、その結果に基づいて新たなタスクの管理を行う。
【0015】
図1は、本開示の実施形態に係る処理システム1に係る期限管理処理の概要を概略的に示す図である。具体的には、ユーザが所属する企業であるA社から上場審査における評価項目に係るタスクの管理の依頼があった場合が示されている。図1によれば、A社は2022年度に上場を予定するとともに、当該A社の決算日は12月31日である。
【0016】
処理システム1を構成するサーバ装置は、取得した上場年度及び決算日に基づいて、上場審査における各評価項目に係る各タスクのスケジュールを作成する。そして、処理システム1は、作成したスケジュールに基づいてタスクの作業期間をダッシュボード化したA社用のタスク管理表をA社に対して提供する。特に、本開示に係る処理システム1は、ダッシュボード化した情報に基づいて、ユーザによるタスクの期限管理の把握を簡単にして、期限管理自体も容易に行えるようにしている。
【0017】
また、処理システム1においては、各評価項目あるタスクについてその整備が終了すると、整備されたタスクついて実際に運用状況を把握して、運用することによって明らかになった課題の入力をA社から受け付けると、当該課題に対するタスクについても管理することが可能である。例えば、タスクとして「職務発明規程の整備」が設定された場合、実際に当該規程に則って運用が開始される。そして運用が開始されてから所定の期間が経過したときに、当該運用状況の確認を促す。この確認によって、例えば、「一部従業者に対する職務発明規程の説明会の未実施」が課題として受け付けられると、新たなタスクとして「一部従業者に対する職務発明規程の説明会の実施」という新たなタスクが登録される。このように、単に上場審査における評価項目に係るタスクの進捗を管理するだけでなく、その運用状況を管理し、さらに新たに露見した課題とそれに対する対応状況も管理することが可能となる。
【0018】
なお、本開示において、「タスク」とは上場審査における評価項目に係る仕事及び作業といった意味に過ぎない。特に、本開示において、「タスク」は上場審査に関する専門的な知識に基づいて細分化されており、数10以上の膨大なタスクが設定されている。ただし、「タスク」の内容及び数量は固定されるものでなく、内容及び数量は適宜設定することができる。
【0019】
また、本開示の実施形態において、「指定期限」として上場予定の年度及び決算日に基づいて自動的に設定される場合を例示して説明する。しかし、当該指定期限は日付に限定されることなく、週又は時間単位で設定されてもよい。同様に、本開示の実施形態においては、「オフセット値」としてサーバ装置側においてタスクごとにあらかじめ設定する日付を例示して説明するが、「オフセット値」は日付に限定されることなく、週又は時間単位で設定されてもよい。そして、本開示の実施形態において、各タスクの終了期限として当該指定期限から当該オフセット値を差し引いて算出した日付を例示して説明するが、当該終了期限は日付に限定されることなく、週又は時間単位で設定されてもよい。同様に、本開示における各タスクの開始期限も、開始日に限定されずに、週又は時間単位で設定されてもよい。すなわち、本開示においては、上場審査における評価項目に係るタスクのスケジュールは、日単位、週単位、又は時間単位によって管理可能である。
【0020】
また、本開示の実施形態において、「指定期限」及び「タスクの終了期限」として社内的な日付を例示して説明するが、企業等の会社の内部に関する日付に限定されない。すなわち、本開示においては、「指定期限」、「タスクの終了期限」、及び「タスクの開始期限」は、企業の内外に係る日付などの期限に限定されず、一般的な会社のみならず、一定の組織内(例えば、士業)に係る日付を含む。換言すると、本開示の上場審査業務に係るタスクのスケジュール管理は、会社以外の事務所、法人等の一定の組織内で行われることもある。
【0021】
なお、本開示においては、各装置につけられた呼称は、各装置を互いに区別するために用いられているに過ぎず、各装置の機能に応じては他の呼称がなされてもよい。
【0022】
また、本開示において、「第1」や「第2」等の記載がなされていたとしても、これらが付された二つの要素のみに限定されることを意味するわけではない。当然に、「第3」、「第4」及びそれ以上の複数の要素が含まれてもよい。
2.処理システム1の構成
図2は、本開示の実施形態に係る処理システム1の構成を概略的に示す概念図である。図2に示すように、処理システム1は、上場審査がされる企業内に設置された端末装置100、及び端末装置100において受け付けられた指示入力に基づいてタスクの管理を行うサーバ装置200を含んでいる。ここで、端末装置100とサーバ装置200とは、ネットワーク300を介して双方向に通信可能に接続されている。ネットワーク300は、例えばインターネットである。すなわち、端末装置100及びサーバ装置200は、有線又は無線によってインターネット回線に接続され、各種の情報等の送受信が可能である。
【0023】
なお、図2の例では、端末装置100は1台しか記載されていないが、上場審査がされる企業に設置されるか、当該企業の従業員等が利用可能な複数台の端末装置100がネットワーク300を介して通信可能に接続されてもよい。
【0024】
また、サーバ装置200は単一のものとして記載されているが、サーバ装置200の各構成要素及び処理を複数のサーバ装置やクラウドサーバ装置に分配することも可能である。
【0025】
また、処理装置の一例としてサーバ装置200を記載しているが、当該処理装置はサーバ装置200以外であってもよい。例えば、企業において上場審査を実施する担当者が使用している端末装置や、上場審査を行う審査機関や上場に係る一連の手続き等をサポートする証券会社、監査法人、各種士業の事務所等に設置された端末装置などであってもよい。
3.端末装置100の構成
図3は、本開示の実施形態に係る端末装置100の構成の例を示すブロック図である。端末装置100は、図3に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。
【0026】
端末装置100は、典型的には、ラップトップパソコン又はデスクトップパソコンに代表される無線通信可能な端末装置が挙げられるが、当該装置のみには当然限られない。例えば、端末装置100としては、スマートフォン、フィーチャーフォン、携帯情報端末、PDAなど、本開示に係るプログラムを実行可能な装置であれば、いずれでも好適に適用することが可能である。また、上記のとおり、複数の端末装置100がサーバ装置200と通信可能である場合に、端末装置100のそれぞれは、常に同種又は同じ端末装置である必要はなく、互いに異なる種類の端末装置であってもよい。
【0027】
図3によると、端末装置100は、出力インターフェイス111、プロセッサ112、RAM、ROM、又は不揮発性メモリ(場合によっては、HDD)等を含むメモリ113、通信処理回路及びアンテナを含む通信インターフェイス114、並びにマウス115a及びキーボード115bを含む入力インターフェイス115を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0028】
出力インターフェイス111は、プロセッサ112の指示に応じて、本開示に係るプログラムを実行することによってサーバ装置200から受信する表示情報を、ディスプレイやプリンタ等の機器に出力する出力部として機能する。なお、このようなディスプレイは、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ又は電子ペーパー等から構成される。
【0029】
プロセッサ112は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ113に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御する制御部として機能する。具体的には、プロセッサ112は、各種のアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ113から読み出して実行する。本開示においては、プロセッサ112は、特に、後述する処理シーケンスで記載された処理の一部を実行する。処理の詳細については、図6A以降の説明の際において詳細に説明する。なお、プロセッサ112は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUやGPUを組み合わせて構成しても良い。
【0030】
メモリ113は、ROM、RAM、不揮発性メモリ、HDD等から構成され、記憶部として機能する。ROMは、本開示に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ112により処理されている間、データの書き込み及び読み込みをするために用いられる。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。本開示においては、メモリ113は、特に、後述する処理シーケンスで記載された処理の一部を実行するプログラムを記憶する。処理の詳細については、図6A以降の説明の際に詳細に説明する。
【0031】
通信インターフェイス114は、通信処理回路及びアンテナを介して、遠隔に設置されたサーバ装置200との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、処理システム1において用いられるプログラムや各種情報等を処理の進行に応じて、サーバ装置200から情報を送受信するための処理をする。通信処理回路は、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、又は加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0032】
入力インターフェイス115は、例えば、マウス115a及びキーボード115bから構成され、本開示に係るプログラムの実行に係る指示入力や、様々な情報を登録するための操作入力等を受け付ける入力部として機能する。マウス115a及びキーボード115bは、プロセッサ112等を備える本体に無線又は有線で接続される。なお、入力インターフェイス115の構成はこれに限られず、タッチパネルや他のハードキー等を用いてもよい。例えば、タッチパネルを用いる場合、出力インターフェイス111を被覆するように当該タッチパネルが配置され、出力インターフェイス111からディスプレイに出力される画像のデータに対応する位置座標の情報を、プロセッサ112に送信する。タッチパネル方式としては、抵抗膜方式、静電容量結合方式、超音波表面弾性波方式など、公知の方式を利用することができる。本開示においては、タッチパネルは、指示体により出力インターフェイス111に表示された各アイコン等に対するスワイプ操作やタップ操作を検出する。
【0033】
4.サーバ装置200の構成
図4は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200の構成の例を示すブロック図である。サーバ装置200は、図4に示す構成要素の全てを備える必要はなく、一部を省略した構成をとることも可能であるし、他の構成要素を加えることも可能である。また、サーバ装置200は図4に図示するものを単一の筐体に備える必要はなく、サーバ装置200の各構成要素及び処理を複数のサーバ装置やクラウドサーバ装置に分配することも可能である。
【0034】
図4によると、サーバ装置200は、RAM、ROM、及び不揮発性メモリ、HDD等を含むメモリ211、CPU等から構成されるプロセッサ212、入出力インターフェイス213及び通信インターフェイス214を含む。そして、これらの各構成要素が制御ライン及びデータラインを介して互いに電気的に接続される。
【0035】
メモリ211は、RAM、ROM、不揮発性メモリ、HDDを含み、記憶部として機能する。ROMは、本開示に係るアプリケーションやOSを実行するための指示命令をプログラムとして記憶する。このようなプログラムは、プロセッサ212によってロードされ実行される。RAMは、ROMに記憶されたプログラムがプロセッサ212によって処理されている間、データの書き込み及び読み込みを実行するために用いられる。不揮発性メモリは、当該プログラムの実行によってデータの書き込み及び読み込みが実行されるメモリであって、ここに書き込まれたデータは、当該プログラムの実行が終了した後でも保存される。
【0036】
本開示において、メモリ211は、「審査が予定される期日情報を受信すると当該期日情報から複数のタスクごとに作業期間の開始期限又は終了期限を設定する処理」、「設定された開始期限又は前記終了期限及び複数のタスクごとに設定された標準作業期間に基づいてタスクごとに作業期間を設定する処理」、「複数のタスクのそれぞれに対して設定された作業期間を複数のタスクごとに出力する処理」、「複数のタスクのそれぞれに担当者を自動的に割り当てる処理」、「複数のタスクのそれぞれのステータスを示すステータス情報を記憶する処理」、「ステータス情報に基づいて複数のタスクのそれぞれについて終了してから所定期間が経過したか否かを判定する処理」、「所定期間が経過した場合には、所定期間が経過したタスクの現在の状況を確認の要求をするための確認要求を出力する処理」等のためのプログラムを記憶する。また、メモリ211は、サーバ装置200の使用が許可されたユーザに関する情報、各タスクに関する情報、上場審査に関する一般的な情報、及び上場審査業務に関する法的な情報を記憶する。
【0037】
プロセッサ212は、CPU(マイクロコンピュータ:マイコン)から構成され、メモリ211に記憶された各種プログラムに基づいて、接続された他の構成要素を制御するための制御部として機能する。具体的には、プロセッサ212は、本開示に係るアプリケーションを実行するためのプログラムやOSを実行するためのプログラムをメモリ211から読み出して実行する。本開示においては、プロセッサ212は、特に、「審査が予定される期日情報を受信すると当該期日情報から複数のタスクごとに作業期間の開始期限又は終了期限を設定する処理」、「設定された開始期限又は前記終了期限及び複数のタスクごとに設定された標準作業期間に基づいてタスクごとに作業期間を設定する処理」、「複数のタスクのそれぞれに対して設定された作業期間を複数のタスクごとに出力する処理」、「複数のタスクのそれぞれに担当者を自動的に割り当てる処理」、「複数のタスクのそれぞれのステータスを示すステータス情報を記憶する処理」、「ステータス情報に基づいて複数のタスクのそれぞれについて終了してから所定期間が経過したか否かを判定する処理」、「所定期間が経過した場合には、所定期間が経過したタスクの現在の状況を確認の要求をするための確認要求を出力する処理」等を実行する。なお、プロセッサ212は、単一のCPUで構成されても良いが、複数のCPUで構成しても良い。
【0038】
入出力インターフェイス213は、プロセッサ212の指示に応じて、本開示に係るプログラムを実行することによって端末装置100から受信する情報、及び上場審査に関する情報をディスプレイやプリンタ等の機器に出力する出力部として機能する。なお、このようなディスプレイは、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ又は電子ペーパー等から構成される。また、入出力インターフェイス213は、本開示に係るプログラムの実行に係る指示入力や、様々な情報を登録するための操作入力等を受け付ける入力部として機能する。例えば、マウス及びキーボードが、無線又は有線で接続される。なお、入出力インターフェイス213の構成はこれに限られず、タッチパネルや他のハードキー等を用いてもよい。タッチパネル方式としては、抵抗膜方式、静電容量結合方式、超音波表面弾性波方式など、公知の方式を利用することができる。
【0039】
通信インターフェイス214は、通信処理回路及びアンテナを介して、遠隔に設置された端末装置100や他のサーバ装置との間で情報の送受信をする通信部として機能する。通信処理回路は、処理システム1において用いられるプログラムや各種情報等を処理の進行に応じて、端末装置100や他のサーバ装置から情報を送受信するための処理をする。通信処理回路は、LTE方式に代表されるような広帯域の無線通信方式に基づいて処理されるが、IEEE802.11に代表されるような無線LANやBluetooth(登録商標)のような狭帯域の無線通信に関する方式や非接触無線通信に関する方式に基づいて処理することも可能である。また、無線通信に代えて、又は加えて、有線通信を用いることも可能である。
【0040】
なお、入出力インターフェイス213及び通信インターフェイス214は、同一規格の装置を使用する場合には共通のインターフェイスとして構成してもよい。例えば、入出力インターフェイス213が無線通信を行う接続装置とする場合には、通信インターフェイス214に入出力インターフェイス213を含めるようにしてもよい。
【0041】
5.サーバ装置200のメモリ211に記憶される情報
図5Aは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される整備タスク管理テーブルを概念的に示す図である。当該整備タスク管理テーブルに記憶される情報には、上位タスク、中位タスク、下位タスク、関連タスクID、部署、職位、標準作業期間、オフセット値、担当者、ステータス、開始日、終了日及び作業詳細が、タスクIDに対応付けて記憶される。これらのうち、オフセット値については、端末装置100から送信されるスケジュール管理の依頼有無にかかわらず、処理システム1の利用開始時から初期状態として登録されている情報である。また、担当者、ステータス、開始日、及び終了日については、端末装置100からサーバ装置200に対してスケジュール管理の依頼があった場合に、自動的に入力される情報であり、端末装置100から受信する追加情報及び更新情報によって変更が可能な情報である。また、作業詳細については、スケジュール管理が開始され、実際のタスクが進行している際に、端末装置100から受信する更新情報によって入力又は変更が可能な情報である。
【0042】
「タスクID」は、上場審査における評価項目に係る各タスクについて付与される識別番号である。なお、図5Aにおいて特に明確に図示はしていないが、タスクIDは2種類に分かれている。すなわち、後述する上位タスクに付されるものと、後述する中位タスク及び下位タスクに付されるものとは、IDの形式が異なっている。一例としては、当該上位タスクに該当するものには、例えば「xx」、「yy」のような符号が付される。一方、当該中位タスク及び下位タスクについては、上位タスクの符号の後にハイフン及び通し番号が付される(例えば、「xx-001」、「yy-001」)。これにより、当該上位タスクと、その構成タスクである中位タスク及び下位タスクとが、関連付けられることになり、タスクの識別が容易になる。なお、タスクIDの形式については、上記内容に限定されることはなく、各タスクを識別することが可能であれば、どのような形式が用いられてもよい。例えば、「xx」及び「yy」の部分については、数字、アルファベット、又は他の記号等を更に付加してもよい。
【0043】
上場審査における評価項目に係るタスクについては、評価項目の内容によって階層分けがなされ、「上位タスク」、「中位タスク」、「下位タスク」の3つの段階に分けられている。換言すると、評価項目の内容は、親タスク(上位タスク)、子タスク(中位タスク)、及び孫タスク(下位タスク)に分けられている。このため、上位タスクの中に複数の中位タスクが存在し、各中位タスクの中に複数の下位タスクが存在している。ただし、中位タスクの内容によっては、下位タスクが存在しないこともある。なお、タスクの階層については、3つの段階に限定されることなく、2つ又は、4つ以上に設定してもよく、ユーザの属する業種における評価項目に合わせて適宜変更してもよい。
【0044】
ここで、整備タスク管理テーブルには、上位タスク、中位タスク、及び下位タスクのそれぞれに対してタスク名が記憶されている。図5Aにおいては、便宜上のため上位タスク名として「B1」、「B2」、中位タスクとして「C1」、「C2」など、下位タスクとして「D1」、「D2」などを記載しているが、実際には上場審査業務の内容に関連したタスク名があらかじめ記憶されている。
【0045】
「上位タスク」は、上場審査における評価項目の内容及び進行を考慮して、大きな概念の位置付けとして設定されたタスクである。例えば、「職務分掌規程の整備・運用」、「外注管理規定の整備・運用」、「取締役会規程の整備・運用」、「職務発明規程の整備・運用」、及び「情報セキュリティ規程の整備・運用」が上位タスクとして設定される。なお、これらのタスクは、上場審査における評価項目に関して一般的に知られている代表的なタスクであるが、上位タスクの種別は上記5つに限定されることがない。
【0046】
「中位タスク」は、上場審査における評価項目の内容及び上位タスクとの関係を考慮して、当該上位タスクを実行するために必要となる中間的な位置づけとして設定されたタスクである。特に、「中位タスク」としては、上位タスクを行うための準備、必要な書類の作成、監査等に関連する内容が規定されている。このため、全ての中位タスクが終了すると、当該中位タスクの上層に位置する上位タスクが終了することになる。また、上位タスクのそれぞれに対しては、同一名の中位タスクが設定されていることもあるが、中位タスク自体の内容は上位タスクの内容に対応して異なっている。換言すると、中位タスクのタスク名が同一であっても、当該中位タスクに含まれる下位タスクが異なることになる。
【0047】
例えば、上位タスクが「情報セキュリティ規程の整備・運用」の場合には、「各部署の業務一覧の作成」、「テンプレートの作成」、「プロジェクトチームの発足」、「規程草案作成」、「取締役会の承認」等が中位タスクとして設定される。なお、これらのタスクについても、評価項目として一般的に知られている代表的なタスクであるが、中位タスクがこれらに限定されることはない。
【0048】
「下位タスク」は、上場審査における評価項目の内容及び中位タスクとの関係を考慮して、当該中位タスクを実行するために必要となる詳細な位置づけとして設定されたタスクである。特に、「下位タスク」としては、中位タスクを詳細かつ具体的に示したタスクが設定されており、書類の詳細事項、書類に対する対応内容、必要な各種の資料等が規定されている。このため、全ての下位タスクが終了すると、当該下位タスクの上層に位置する中位タスクが終了することになる。
【0049】
例えば、上位タスクが「情報セキュリティ規程の整備・運用」であって中位タスクが「プロジェクトチームの発足」である場合には、「プロジェクトメンバーの募集要項の作成」、「プロジェクトメンバーのアサイン」、「プロジェクトメンバーに対する説明会」、「プロジェクトチーム内の役割の設定」等が下位タスクとして設定される。なお、上記の下位タスクについては代表的な例示に過ぎず、実際には数10以上の膨大な下位タスクが設定されている。
【0050】
「関連タスクID」は、下位タスク同士で互いに内容に関連性がある場合に、当該関連性があるタスクのタスクIDである。すなわち、下位タスク同士において、業務上の関係性が高く、共通作業又は共通資料が存在したり、類似する業務フローであったりする場合等に、「関連タスクID」の欄には関連する他のタスクのタスクIDが記憶され、関連する他のタスクがない場合には空欄となる。なお、上位タスク及び中位タスクについては、タスクの内容が幅広く設定されているため、関連タスクIDが記憶されることはない。
【0051】
図5Aに示すように、関連タスクIDは、中位タスクが共通する場合に記憶されることがある。例えば、タスクID「xx-006」、「xx-007」の関連タスクIDの欄には、互いのタスクが関連していることを示すように、相手方のIDが記憶されている。これにより、タスクID「xx-006」とID「xx-007」とのタスクの関連性を確認することが可能となり、例えば、両タスクに対して同一の担当者を割当てることの判断材料が提供されることになる。
【0052】
また、上位タスク及び中位タスクが共通しない場合であっても、関連タスクIDが記憶されることがある。例えば、ID「xx-006」、「yy-002」の関連タスクIDの欄には、互いのタスクが関連していることを示すように、相手方のIDが記憶されている。すなわち、作業内容として全く異なる場合や、作成する書類が全く異なる場合であっても、作業又は書類の共通性等を総合的に判断して、関連タスクIDが記憶されることがある。このような場合にも、両タスクに対して同一の担当者を割当てることの判断材料が提供されることになり、特に下位タスクのタスク名を確認しただけでは関連性が低いと考えられる場に非常に有益な情報となる。
【0053】
「部署」は、各タスクを実際に行う部署の情報である。上場審査における評価項目に係るタスクの実行であるため、「部署」には、IR、経理、法務又は総務等の審査対応業務の実施が想定される部署名が記憶される。ただし、準備する書類又は資料によっては、技術部門や製造部門が担当することもある。なお、ユーザによっては実際の部署名が「部署」に記憶される名称と異なり、又は存在しないこともあるため、「部署」として記憶される情報は、ユーザ情報によって適宜変更することも可能であり、更には初期の設定から除外されるようにしてもよい。また、上位タスクについては、タスクの内容が幅広く設定されており、複数部署による対応も考えられるため、「部署」が記憶されない設定になっている。
【0054】
「職位」は、各タスクを実際に行うために必要となる役職の情報である。「職位」には、例えば、一般以上、主任以上、課長以上、部長以上等のように、タスクの重要度などに応じて実行できる者を限定する情報が記憶されている。なお、ユーザによっては実際の役職名が「職位」に記憶される名称と異なり、又は存在しないこともあるため、「職位」として記憶される情報は、ユーザ情報によって適宜変更することも可能であり、更には初期の設定から除外されるようにしてもよい。
【0055】
「標準作業期間」は、各タスクを実行するのに必要となる、業界の標準的な作業時間の情報である。このため、タスクを実行する者の能力や経験が考慮された情報ではなく、タスク終了までに一般的に必要となる時間(日数)が「標準作業期間」の欄に記憶されている。ここで、中位タスクについては、全ての下位タスクを実行することによって終了するため、中位タスクの標準作業期間は、当該中位タスクに含まれる下位タスクの標準作業時間の合計よりも大きくなる。なお、上位タスクについては、タスクの内容が幅広く設定されており、「標準作業期間」が記憶されない設定になっている。
【0056】
「オフセット値」は、各タスクの実行について、スケジュールの設定及び管理をするために設定されたものである。「オフセット値」は、例えば、中位タスク及び下位タスクの標準作業期間等を考慮して、各タスクに対してあらかじめ設定されている。当該設定については、サーバ装置200の管理者側において、適宜行われるものであり、ユーザ側が関与することはない。このような「オフセット値」を用いることにより、指定期日(第1の期限)の変更に対応する場合、スケジュールを複製する場合などにおいて、単なる作業期間の設定とは異なり、土曜日又は日曜日等の休日(非稼働日)が考慮されて作業期間、開始日、終了日が簡単に設定可能となる。
【0057】
「担当者」は、各タスクを実際に実行する者の氏名の情報である。「担当者」は、端末装置100からサーバ装置200に対してスケジュール管理の依頼があった場合に、自動的に設定され且つ記憶される情報である。ただし、ユーザの状況によっては、当該依頼があった際に該当者がいない場合もあり、このような場合には「割当てなし」と記憶される。また、端末装置100から担当者に関する追加情報をサーバ装置200が受信すると、「担当者」が新たに設定される又は更新されることになる。なお、上位タスクについては、タスクの内容が幅広く設定されており、「担当者」が記憶されない設定になっている。
【0058】
「ステータス」は、各タスクの進捗情報である。「ステータス」の欄には、「未着手」、「作業中」、又は「終了」のいずれかと、実際に終了した期日が記憶されることになる。タスクのスケジュール管理の開始においては、「未着手」が各タスクの状態として記憶されるが、端末装置100から受信する進捗に応じた報告に応じて、記憶された情報が「作業中」更には「終了」と変更されることになる。なお、上位タスクについては、タスクの内容が幅広く設定されており、「ステータス」が記憶されない設定になっている。
【0059】
「開始日」は各タスクの作業開始日の情報であり、「終了日」は各タスクの作業終了日の情報である。「開始日」及び「終了日」は、端末装置100からサーバ装置200に対してスケジュール管理の依頼があった場合に、自動的に設定され且つ記憶される情報である。ここで、当該自動的に設定される「終了日」は、終了期限である終了予定日のことであり、自動的に設定される「開始日」も当該終了予定日と作業期間とから算出された開始予定日のことである。ただし、端末装置100から受信する進捗に応じた報告に応じて、「開始日」及び「終了日」の日付は更新されることになる。ここで、中位タスクについては、全ての下位タスクを実行することによって完了するため、中位タスクの開始日は当該中位タスクに含まれる下位タスクの最も早い日付となり、中位タスクの終了日は当該中位タスクに含まれる下位タスクの最も遅い日付となる。なお、上位タスクについては、タスクの内容が幅広く設定されており、「開始日」及び「終了日」が記憶されない設定になっている。
【0060】
「作業詳細」は、各タスクを実行するにあたり、作業として必要となる詳細な情報である。
【0061】
図5Bは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される担当者管理テーブルを概念的に示す図である。当該担当者管理テーブルには、ユーザである企業の従業員の情報が含まれる。具体的には、「担当者」、「部署」、「職位」、及び「担当履歴」に関する情報が記憶される。ここで、「担当者」は、図5Aの整備タスク管理テーブルの「担当者」と同一の情報であり、整備タスク管理テーブルと担当者管理テーブルとを紐づける情報でもある。「部署」は、タスクの担当者が所属する部署名の情報であり、「経理」、「法務」、「総務」、又は「IR」等の部署名が記憶されている。また、「職位」は、タスクの担当者の職位に関する情報であり、「部長」、「課長」、「係長」、「主任」、「一般」等の役職名が記憶されている。これら情報は、ユーザである企業において人事異動や部門転換等があった場合に、更新されることになる。
【0062】
「担当履歴」とは、各担当者が今までに担当したタスクのタスクIDの情報である。すなわち、「担当履歴」には、各担当者が経験したタスク情報が記憶されている。「担当履歴」については、新たにタスクの担当者を自動又は手動にて割当てる際に、過去の実績を考慮して最適な担当者を決定することができる。また、同一タスクの過去実績がない場合であっても、上述した関連タスクIDの情報と合わせることにより、関連性のあるタスクの経験者を担当者として自動又は手動にて割り当てることも可能となり、担当者の選択幅が広がることにもなる。すなわち、タスクの割当の際に、「担当履歴」は非常に有益な情報となる。
【0063】
なお、メモリ211は、上述した整備タスク管理テーブル及び担当者管理テーブルを別々に記憶せず、2つのテーブルデータを組み合わせた管理テーブルを記憶してもよい。この場合には、サーバ装置200のプロセッサ212は、当該1つのテーブルから必要な情報から構成されるテーブルなどを適宜生成してもよい。
【0064】
サーバ装置200のメモリ211は、上述した整備タスク管理テーブル及び担当者管理テーブルに加えて、各企業の上場年度及び決算日を記憶している。上場年度及び決算日は、ユーザによる本システムの利用開始の段階(すなわち、初期設定段階)において、ユーザの指定による設定される。例えば、上場年度及び決算日に係る情報は、端末装置100からサーバ装置200に送信されて自動的にサーバ装置200において記憶されてもよく、又はサーバ装置200の管理者がユーザから別途連絡を受けた後にサーバ装置200において設定されてもよい。
【0065】
図5Cは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される運用タスク管理テーブルを概念的に示す図である。当該運用タスク管理テーブルには、上位タスク、中位タスク、下位タスク及び変更日が、タスクIDに対応付けて記憶される。当該運用タスク管理テーブルには、整備タスク管理テーブルに記憶された各上位タスクのうち、その下位の中位・下位タスクの全てにおいてステータスが「終了」に更新されると、その上位タスク、中位タスク、下位タスクのそれぞれとそれらに対応付けられたタスクIDが記憶される。したがって、運用タスク管理テーブルに記憶される上位タスク、中位タスク、下位タスクの各情報は図5Aに示す整備タスク管理テーブルの情報と同様である。
【0066】
「変更日」は、整備タスク管理テーブルに記憶されていた各タスクが、整備タスク管理テーブルに新たに記憶されるように、記憶されるテーブルが変更された日を示す情報である。すなわち、当該日付は、各上位タスクにおいて、その下位の中位・下位タスクの全てにおいて終了し、ステータスが「終了」に更新された日を示す。
【0067】
図5Dは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200に記憶される課題タスク管理テーブルを概念的に示す図である。当該課題タスク管理テーブルには、上位タスク、中位タスク、開始日、終了日、指摘日、指摘元、担当者、ステータス及び作業詳細が、タスクIDに対応付けて記憶される。これらのうち、中位タスク、開始日、終了日、指摘日、指摘元、担当者、作業詳細については、端末装置100からサーバ装置200に対して新規タスク情報を受信した場合に、当該情報に基づいて入力される。
【0068】
当該課題タスク管理テーブルには、整備タスク管理テーブルにおいて管理される各上位タスクに関して、運用上の新たな課題が発見され、新規タスクが生成されることにより記憶される。すなわち、課題タスク管理テーブルには、端末装置100から新規タスク情報を受信すると、その新規タスクを識別するタスクIDを生成するとともに、各種情報が記憶される。
【0069】
「タスクID」は、運用種別において新規に生成されたタスクであり、運用種別においてステータスやスケジュール等が管理される各タスクについて付与される識別番号である。当該タスクIDは、図5Aに示す整備タスク管理テーブルのタスクIDと同様に、上位タスクに付されるものとそれ以下の中位・下位タスクに付されるものの2種類の形式を有する(図6Cにおいては下位タスクを省略している。)。また、当該タスクIDは、図5Aに示す整備タスク管理テーブルのタスクIDと同様の階層を有する。
【0070】
「開始日」は各タスクの作業開始日の情報であり、「終了日」は各タスクの作業終了日の情報である。「開始日」及び「終了日」は、端末装置100においてユーザ等により入力された新規タスク情報に含まれる情報である。なお、図5Aに示す整備タスク管理テーブルと同様に、開始日及び終了日は、作業期間等の情報に基づいて自動的に設定されるようにしてもよい。
【0071】
「指摘日」は運用種別において課題として指摘され新規タスクとして新規タスク情報が生成された日の情報である。当該日付は、端末装置100においてユーザ等により新規タスク情報が生成される場合に、生成された日が自動的に入力される。なお、新規タスク情報が生成された日以外にも、新規タスク情報が送信された日や、ユーザ等により入力された日など、他の日付けが記憶されてもよい。
【0072】
「指摘元」は運用種別において課題として指摘され新規タスクとして新規タスク情報を生成した人又は団体等を識別するための情報である。当該情報は、端末装置100においてユーザ等により入力された新規タスク情報に含まれる。このような指摘元としては、例えば所属する会社の運用担当者や管理者以外にも、上場審査において一連の手続きをサポートする証券会社、監査法人、各種士業の事務所やその担当者等も該当し得る。
【0073】
「ステータス」は、各タスクの進捗情報である。「ステータス」の欄には、「未着手」、「対応中」、「レビュー中」、「修正中」及び終了のいずれかと、実際に終了した期日が記憶されることになる。タスクのスケジュール管理の開始においては、「未着手」が各タスクの状態として記憶されるが、端末装置100において各タスクのステータスを変更すする操作入力が受け付けられることによって、記憶された情報が「作業中」更には「終了」と変更されることになる。
【0074】
「作業詳細」は、各タスクを実行するにあたり、作業として必要となる詳細な情報である。
【0075】
6.処理システム1により実行される処理シーケンス
図6A及び6Bは、本開示の実施形態に係る端末装置100とサーバ装置200との間で実行される処理シーケンスを示す図である。以下において、各図面を参照しつつ、処理の流れ及びユーザに提供される情報について説明する。
【0076】
まず、図6Aは、本開示に係る処理システム1において、各タスクのスケジュールが設定され、各タスクの処理が実際に実行される段階の処理シーケンスを示す図である。図6Aに示すように、端末装置100は、タスクのスケジュール管理の依頼を開始するための起動処理を実行する(S11)。具体的には、端末装置100のプロセッサ112は、出力インターフェイス111を介して接続されたディスプレイにログイン画面を表示する。その後、端末装置100のプロセッサ112は、端末操作者(例えば、企業の従業員)によって入力されたログインID及びパスワード(以下、ログイン情報)を受信し、受信したログイン情報を通信インターフェイス114を介してサーバ装置200に送信する。すなわち、端末装置100のプロセッサ112は、処理システム1へのログイン要求をサーバ装置200に対して行う(T11)。
【0077】
サーバ装置200において、通信インターフェイス214を介してログイン情報が受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、認証処理を実行する(S12)。具体的に、サーバ装置200のプロセッサ212は、受信したログイン情報と、メモリ211に記憶されたユーザ情報と比較して両情報が一致するか否かを判定する。サーバ装置200のプロセッサ212は、通信インターフェイス114を介して認証結果を端末装置100に送信する(T12)。
【0078】
端末装置100において、ログイン要求を承認する認証結果が通信インターフェイス114を介して受信されると、端末装置100のディスプレイには、指定期限を入力するための画面が表示される。一方、ログイン要求を承認しないとする認証結果が通信インターフェイス114を介して受信されると、端末装置100のディスプレイには、再度のログイン情報の入力を要求する画面が表示される。ここでは、当然のことながらログイン要求が承認された場合を想定して説明する。
【0079】
端末装置100において、上場年度及び決算日の入力を要求する画面が表示された後に、ユーザの設定情報としてあらかじめ社内で決められている上場年度及び決算日が端末操作者によって入力される(S13)と、端末装置100のプロセッサ112は、上場年度及び決算日を受信する。そして、端末装置100のプロセッサ112は、受信した上場年度及び決算日を設定情報として、通信インターフェイス114を介してサーバ装置200に送信する(T13)。これにより、上場審査における評価項目に係るタスクのスケジュール管理の依頼が、端末装置100からサーバ装置200に対して実行されたことになる。
【0080】
サーバ装置200において、通信インターフェイス214を介して設定情報が受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、メモリ211に設定情報を記憶する(S14)。その後、サーバ装置200のプロセッサ212は、メモリ211に記憶されたプログラムを読み出し、設定情報を利用してスケジュール作成処理を実行し、上場年度及び決算日から決められる日付(例えば、上場年度が2022年度で決算日が12月31日の場合には2022年12月31日)から逆算して、タスクごとに作業期間を設定してスケジュール情報を作成する(S15)。具体的なスケジュール作成処理については、図7A及び図7Bを参照して後述する。ここで、スケジュール情報は、図8Aに示す全タスクのスケジュール表、図8Bに示すタスクの一覧表、図8Cに示す各タスクの詳細情報を含み、タスクの作業期間がダッシュボード化された情報になる。当該スケジュール情報は、端末装置100のディスプレイに表示されるため、その説明は後述する。
【0081】
その後、サーバ装置200のプロセッサ212は、作成したスケジュール情報を通信インターフェイス214を介して端末装置100に送信する(T14)。すなわち、上場審査の審査項目に係るタスクのスケジュール管理の依頼に対する応答が、サーバ装置200から端末装置100に対して実行されたことになる。
【0082】
端末装置100のプロセッサ112は、通信インターフェイス114を介して受信したスケジュール情報を出力インターフェイス111を介してディスプレイ等の表示部に表示する(S16)。具体的には、図8Aに示すように、各タスク(上位タスク、中位タスク、下位タスク)について、カレンダー上に作業期間が横棒グラフで表示されたスケジュール表が表示される。当該スケジュール表には、タスク名、タスクの開始日、終了日、ステータス、及び担当者も表示されている。また、図8Aにおいては、上位タスクの「情報セキュリティ規程の整備・運用」が選択された状態であり、更に当該「プロジェクトチームの発足」の中位タスクのそれぞれも選択されることによって下位タスクのそれぞれも表示されている。すなわち、タスク名の欄に表示された「上位タスク」及び「中位タスク」がマウス115aによってクリックされると、クリックしたタスクの下層に位置する各タスクが表示されることになる。
【0083】
S16において受信したスケジュール情報において、開始日及び終了日の欄には、S15において自動的に設定された開始予定の日付及び終了予定の日付が表示されている。また、担当者の欄については、S15において自動的に設定された部分については担当者名が表示され、自動的に設定されなかった部分については、該当者なしと表示されている。一方で、ステータスの欄については、S15において自動的に判定されず、「未着手」という初期状態が一律に表示されている。
【0084】
上述したように、上位タスク及び中位タスクについては、下層に含まれるタスクが全て終了すると上層のタスクが終了するため、上位タスク及び中位タスクの作業期間を示す棒グラフは、下層に含まれるタスクの作業期間を表記する棒グラフをつなげた状態で表示されている。これにより、詳細な下位タスクの各作業期間の把握が容易となりつつも、上層に位置づけられる上位タスク及び中位タスクである包括的なタスクの作業期間の把握も容易となる。すなわち、各担当者が把握すべき個別のタスクだけでなく、管理職等が把握すべきタスク全体のスケジュールも同時且つ容易に把握することが可能になる。
【0085】
また、端末装置100のディスプレイに表示される情報としては、図8Bに示すようなタスク一覧が含まれる。例えば、タブの切り替えによって図8Aの表示から図8Bの表示に切り替えが行われてもよく、図8Aのスケジュール表に併記してタスク一覧の表示が行われてもよい。図8Bに示すように、タスク一覧の表示には全タスクを表示させることが可能であり、条件を設定することによって一部のタスクを表示させることも可能である。具体的には、タスク種別、担当者、ステータス、開始日、終了日、及び更新期間について選択するための表示がなされている。また、キーワードが入力されることによってタスクのキーワード検索も可能になっている。
【0086】
そして、検索条件を選択する表示の下方には、検索結果としてのタスク一覧が表示される。タスクの表示項目としては、例えば、タスク名、種別、ステータス及び担当者が表示されるが、これに限定されることなく、タスクの表示項目は、端末装置100の端末操作者が適宜選択及び変更することができる。例えば、端末装置100の端末操作者は、担当者が割当てられていないタスクや、処理が進んでいないタスク(未着手のタスク)を抽出することが可能となり、担当者の新たな割当て、及びスケジュールの見直し等を容易に行うことが可能になる。
【0087】
更に、端末装置100のディスプレイに表示される情報としては、図8Cに示すようなタスク詳細が含まれる。例えば、図8Bの各タスクの名称を選択することにより、図8Cのタスク詳細の画面が表示されるようにしてもよい。また、タブの切り替えによって図8A又は図8Bの表示から図8Cの表示に切り替えが行われてもよく、図8A及び図8Bの表示に併記してタスク詳細の表示が行われてもよい。図8Cに示すように、タスク詳細の表示には、選択されているタスクの名称(業務フロー図の作成)が含まれるとともに、当該タスクの名称の上方には、当該タスクに関連する階層の表示(一覧へ戻る>業務フローの整備・運用>業務フロー図の作成)が含まれている。これにより、現状のタスク確認が容易に行われ、更には選択しているタスクから他のタスク及びタスク一覧への画面遷移が容易に行えることなる。
【0088】
選択したタスクの名称の下方には、ステータス、担当者、開始日、終了日、作業詳細、整備タスク、及び関連タスクが表示される。ステータス、担当者、開始日及び終了日については、図8Aのスケジュール表の記載と連動しており、各内容を適宜変更することができる。作業詳細及び作業タスクの欄は、実際のタスクが進んだ段階において、端末装置100の端末操作者が入力する項目になっている。
【0089】
そして、タスク詳細の情報には、関連タスク情報が含まれており、選択されているタスクと関連があるタスクの名称、作業期間、担当者、ステータスが表示されることになる。すなわち、選択されているタスクの詳細情報として、図5Aに示した関連タスクIDに関する情報(すなわち、関連性があるタスクの内容)が表示されることになる。これにより、選択したタスクの状況のみならず、関連性のあるタスクの状況も把握することが容易となり、端末装置100の端末操作者は、担当者が割り当てられていないタスクや、処理が進んでいないタスク(未着手のタスク)に対して、担当者の新たな割り当て、及びスケジュールの見直し等を容易に行うことが可能になる。特に、タスクの横断的な進捗状況の把握が可能となり、上位タスク及び中位タスクのスケジュール管理が高精度且つ容易に実現できることになる。
【0090】
また、当該表示には、選択されたタスクにおける種別を示す「整備」が表示されている。また、業務フロー図の作成よりもより下位のタスクが、整備タスクとして、種別ごとに表示されている。これにより、下位タスクとしてどのようなタスクが発生しているのかを容易に把握することが可能となる。
【0091】
端末装置100のディスプレイに表示されたスケジュール情報を端末操作者が確認し、追加及び修正すべき内容(追加設定情報)があると判定された場合に、追加設定情報が端末操作者によって入力され(S17)、端末装置100のプロセッサ112は、当該追加設定情報を受信する。当該追加設定情報としては、例えば、未設定の担当者、及び自動的に設定されたタスクの開始日並びに終了日が含まれる。そして、端末装置100のプロセッサ112は、受信した追加設定情報を通信インターフェイス114を介してサーバ装置200に送信する(T15)。これにより、上場審査における評価項目に係るタスクのスケジュール管理の設定変更要求が、端末装置100からサーバ装置200に対して実行されたことになる。
【0092】
サーバ装置200において、通信インターフェイス214を介して追加設定情報が受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、メモリ211に追加設定情報を記憶する(S18)。これにより、上場審査の審査項目に係るタスクのスケジュール管理の設定変更要求が承認され、ユーザによるスケジュール管理が開始されることになる。なお、追加設定情報がない場合には、S16の段階からタスクのスケジュール管理が開始されていることになる。なお、タスクの開始日及び終了日について修正が加えられた場合には、サーバ装置200のプロセッサ212は、再度のスケジュール作成処理を行ってもよい。すなわち、サーバ装置200のプロセッサ212は、変更されたタスクの開始日又は終了日を考慮し、他のタスクに関する作業期間の変更の必要性を判断し、1つ又は複数のタスクの作業期間を再設定してもよい。この場合に、サーバ装置200のプロセッサ212は、修正前の開始日及び終了日と修正された開始日及び終了日とを比較して、オフセット値の修正を行ってもよい。
【0093】
その後、タスク処理が進むと、タスクの更新情報が端末操作者によって入力され(S19)、端末装置100のプロセッサ112は、当該更新情報を受信する。当該更新情報としては、例えば、タスク処理が実際に開始された日付、終了した日付、及び新たに設定された担当者等の情報が含まれる。そして、端末装置100のプロセッサ112は、受信した更新情報を通信インターフェイス114を介してサーバ装置200に送信する(T16)。これにより、上場審査の審査項目に係るに係るタスクのスケジュール管理の更新要求が、端末装置100からサーバ装置200に対して実行されたことになる。
【0094】
サーバ装置200において、通信インターフェイス214を介して更新情報が受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、メモリ211に更新情報を記憶する(S20)。これにより、上場審査における評価項目に係るタスクのスケジュール管理の更新要求が承認され、スケジュール管理が最新状態に更新されることになる。なお、サーバ装置200のプロセッサ212は、その下位の中位・下位タスクの全てにおいてステータスが「終了」に更新されると、上位タスク及びその下位の中位・下位タスクの各情報を、整備タスク管理テーブルから運用タスク管理テーブルに変更して記憶する。そして、新規タスク情報を受信するまでは、当該整備タスク管理テーブルで各タスクを管理する。
【0095】
次に、図6Bは、本開示に係る処理システム1において、運用タスク管理テーブルで管理される各タスクにおいて現在の運用状況を確認する段階の処理シーケンスを示す図である。図6Bに示すように、サーバ装置200のプロセッサ212は、運用タスク管理テーブルを参照し、各タスクIDとそれに対応付けられた変更日の情報を読み出す。そして、プロセッサ212は、読み出されたタスクIDの中から、変更日から所定期間経過したかタスクがあるか否かを判定する。プロセッサ212は、所定期間が経過したと判定されたタスクを抽出し(S31)、当該タスク(上位タスク)に対する現在の運用状況を確認するための確認要求(T31)を、通信インターフェイス214を介して端末装置100に送信する。
【0096】
端末装置100のプロセッサ112は、確認要求を受信すると、受信した確認要求を出力インターフェイス111を介してディスプレイ等の表示部に表示する(S31)。具体的には、確認要求が受信されると端末装置100の表示部にプッシュ通知を受信したことを示す通知がなされる。そして、ユーザが入力インターフェイス115を介して当該通知をクリックすると、図8Dに示す確認要求通知画面が表示される。当該確認要求通知画面には通知内容とその受信日時が表示されている。例えば、上位タスクが「業務フローの整備・運用」である場合、中位・下位タスクがすべて終了されたため、変更日として2022年10月1日が記憶されていたとする。所定期間として2か月があらかじめ設定されていた場合、サーバ装置200のプロセッサ212は、2022年12月1日に、「業務フローが正しく運用されているか確認してください。」という内容の確認要求を生成し、端末装置100に送信する。したがって、端末装置100のディスプレイには、通知内容として「業務フローが正しく運用されているか確認してください。」という表示がされることとなる。
【0097】
次に、端末装置100のプロセッサ112は、入力インターフェイス115を介してユーザによる確認結果の入力を受け付ける(S32)。具体的には端末装置100のディスプレイ等の表示部に、図8Eに示す確認結果登録画面が表示され、当該表示画面においてユーザによる操作入力が受け付けられる。確認結果登録画面には、まず通知内容を確認したか否かの入力がなされる。ここでは、ユーザの操作入力により、確認したことを示す「はい」が選択されたことが示されている。なお、特に詳細には説明しないが、「いいえ」を選択した場合には、確認結果登録画面において受け付けられた各種情報の送信ボタンを無効化し、情報の送信ができないようになっている。
【0098】
また、通知内容を確認したことが選択された場合には、当該タスクの運用状況を踏まえた課題が発見され、これを是正するための新規タスクの登録があるか否かを確認するための操作入力が受け付けられる。仮にここで「いいえ」が選択された場合には、それ以降の新規タスク登録の入力ボックスを有効化することなく、サーバ装置200に確認結果情報を送信可能にする。他方で、「はい」が選択された場合には、新規タスクの登録ボックスが有効化され、ユーザによる操作入力が受け付けられる。具体的には、新規タスクの入力ボックスに、確認要求が送信されたタスク(上位タスク)に紐づく下位のタスク(中位タスク)の名称の入力が受け付けられる。また、当該新規タスクの開始日及び終了日の入力ボックスに対してそれぞれ対応する日付の選択が受け付けられる。整備タスク管理テーブルにおいては、開始日及び終了日は、上場年度、決算日、標準作業期間等の各情報から自動的に算出される場合を説明したが、ここではユーザによって日付が選択されることによって決定され得る。また、指摘元の入力ボックスに対して課題を指摘したユーザ(つまり、所属する会社の運用担当者や管理者、上場審査において一連の手続きをサポートする証券会社、監査法人、各種士業の事務所やその担当者等)を特定する情報の入力が受け付けられる。当該情報は、入力したユーザそのものの情報であってもよいし、指摘元のユーザと実際に入力したユーザが異なっていてもよい。また、担当者の入力ボックスに対して、当該タスクを実行する担当者を特定する情報の入力が受け付けられる。当該情報は必須ではなくサーバ装置200によって自動的に割り当てられてもよい。また、作業詳細の入力ボックスに対して、タスクを実行するにあたり作業として必要となる詳細な情報の入力が受け付けられる。
【0099】
このような新規タスク情報の一例としては、「業務フローの整備・運用」という上位タスクにおいて、確認要求を受けた結果、新たに「○○部署での業務フローの説明会の実施」という新規タスクを生成するとする。この場合、プロセッサ112は、表示部にタスクの新規登録に必要な各種項目の入力を表示する。そして、プロセッサ112は、新規タスクの入力ボックスに「○○部署での業務フローの説明会の実施」を、開始日及び終了日の入力ボックスに所望の日付を、指摘元、担当者及び作業詳細の入力ボックスにそれぞれ必要な情報の入力を受け付ける。
【0100】
再び図6Bに戻り、プロセッサ112は、通信インターフェイス114を介して、受け付けられたこれらの情報を新規タスク情報(T32)としてサーバ装置200に送信する。なお、確認結果登録画面において、新規タスク登録がないと選択された場合には、通知内容の確認が行われたこと及び新規タスク登録がないことを示す確認結果情報を送信する。そして、サーバ装置200は、特に図示しないものの、整備タスク管理テーブルンにおいて当該情報お受信した日と受信した確認結果情報を記憶する。
【0101】
一方、サーバ装置200のプロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して新規タスク情報を受信すると、新たにタスクID情報を生成して課題タスク管理テーブルに記憶する(S33)。そして、プロセッサ212は、記憶された新規タスクに対応付けて、当該新規タスクが生成された日付を指摘日として記憶する。プロセッサ212は、課題タスク管理テーブルに受信した新規タスク情報と生成された指摘日をタスクIDに対応付けて記憶すると、その旨を示す運用管理情報(T33)を端末装置100に通信インターフェイス214を介して送信する。なお、図示はしていないが、当該情報を受信した端末装置100のプロセッサ112は、表示部を介して受信した旨をユーザに通知する。
【0102】
ここで、図8Fは、端末装置100のディスプレイ等の表示部に表示される課題管理画面の一例を示す図である。図8Fによると、課題管理画面には、「課題管理」という画面の名称の下方に、担当者、指摘元、指摘日、開始日及び終了日の少なくともいずれかに基づいて、現在課題タスク管理テーブルにおいて管理されているタスクを絞り込むための選択ボックスが含まれる。各選択ボックスから絞り込み条件を選択することによって、さらに下方に表示されるステータス領域に表示されるタスクを絞り込むことが可能となる。
【0103】
各選択ボックスの下方には、「業務フローの整備・運用」、「情報セキュリティ規程の整備・運用」、「職務発明規程の整備・運用」等の上位タスクが選択可能に表示されている。このうち、図8Fでは、「業務フローの整備・運用」の上位タスクが選択されており、その表示の下方に、「未着手」、「対応中」、「レビュー」、「修正」及び「終了」の各ステータスに対応して、ステータス領域が表示されている。そして、「業務フローの整備・運用」の上位タスクの下位に登録された各中位タスクの中から、選択ボックスによって絞り込まれたタスクが現在のステータスに対応してステータス領域に表示されている。当該ステータス領域において、各タスクは1枚のタイル状のボックス枠で示されており、特に図示していないものの、当該ボックス枠中にはタスクごとに課題タスク管理テーブルに記憶される各種情報のうちの少なくとも一部が表示されている。そして、例えば、対応中であったタスクに関して担当者の対応が完了し、管理者のレビューになった場合には、「対応中」のステータス領域に表示されているタイルをユーザが「レビュー」のステータス領域にドラッグアンドドロップすることによって、ステータスを更新することができる。同様に、各ステータス領域に表示されているタイルは、ドラッグアンドドロップによってそのステータスを簡単に更新することが可能である。なお、各タイルの移動方法は、ドラッグアンドドロップは単なる一例であって、移動対象のタイルの選択と移動先の選択を行って移動させるなど、当然他の方法であってもよい。また、角タイルを選択すると、各タスクの詳細表示画面(図示しない)に移行するが、当該画面では、課題タスク管理テーブルに管理される情報のうちより多くの情報を表示することが可能である。
【0104】
再び図6Bに戻り、上記図8Fで説明した通りステータスの更新の処理シーケンスを説明する。課題タスク管理テーブルに記憶される各タスクについて、タスク処理が進むと、タスクの更新情報が端末操作者によって入力される(S38)。当該更新情報は、一例としては、図8Fで示した通り、タイルのドラッグアンドドロップによって、更新対象となるタスクの選択と更新されたステータスの情報等が含まれる。そして、端末装置100のプロセッサ112は、受信した更新情報を通信インターフェイス114を介してサーバ装置200に送信する(T35)。これにより、課題タスク管理テーブルに登録されているタスクのステータスの更新要求が、端末装置100からサーバ装置200に対して実行されたことになる。
【0105】
サーバ装置200において、通信インターフェイス214を介して更新情報が受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は、メモリ211に更新情報を記憶する(S39)。具体的には、課題タスク管理テーブルのステータスを更新し、当該テーブルに記憶される情報が最新状態に更新されることになる。なお、サーバ装置200のプロセッサ212は、上位タスクの下位の中位タスクの全てにおいてステータスが「終了」に更新されると、上位タスク及び中位タスクの各情報を、課題タスク管理テーブルから運用タスク管理テーブルに変更して記憶する。以上により、当該処理シーケンスに係る処理を終了する。
【0106】
このように、単に上場審査における評価項目に係るタスクを処理するだけではなく、タスクが処理されて運用が開始されて以降の運用状況についても適切に管理することが可能となる。さらに、運用状況が確認され課題が認められると、当該課題を解決するための新たなタスクを生成し、当該タスクも同様にスケジュール等の管理が可能となる。そのため、タスクに対する処理・運用・課題の発掘に至る一連のサイクルを効率よく管理することができる。
7.サーバ装置200において実行される処理フロー
以下、図6Aに記載されたスケジュール作成処理(S15)ついて、サーバ装置200において実行される処理フローを具体的に説明する。
【0107】
図7Aは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。当該処理フローは、主にサーバ装置200のプロセッサ212がメモリ211に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより行われる。また、図9は、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行されるスケジュール作成処理の一例の概要を概略的に示す図である。
【0108】
図7Aに示すように、プロセッサ212は、通信インターフェイス214を介して、端末装置100から上場年度及び決算日を含む設定情報を受信したか否かを判定する(S101)。当該設定情報を受信しない場合(S101:No)、本処理フローは終了する。一方、当該設定情報を受信した場合(S101:Yes)、プロセッサ212は、当該設定情報に含まれる上場年度及び決済日から特定される日付を指定期限として設定し、メモリ211に記憶する(S102)。以下においては、図9に示すように、指定期限(期日)として2022年12月31日が設定された場合を想定して説明を行う。
【0109】
次に、プロセッサ212は、記憶した指定期限からあらかじめタスクごとに設定されたオフセット値を差し引き、各タスクの社内的な終了期限である終了日をタスクごとに算出して設定する(S103)。具体的に、プロセッサ212は、受信した指定期限からメモリ211に記憶された各タスクのオフセット値を差し引き、各タスクの終了期限を当該指定期限よりも前に設定し、指定期限までに全タスクが完了するようしている。例えば、図9に示すように、プロセッサ212は、「プロジェクトチーム内の役割の設定」のタスクに対して、指定期限(期日)である12月31日から設定されたオフセット値である106日を差し引き、タスクの終了期限である終了日を9月16日に設定する。ここで、「プロジェクトチーム内の役割の設定」のタスクは「プロジェクトメンバーのアサイン」のタスクが終了した後でなければ実行できないタスクであるが、タスクの終了順序が考慮された日数がオフセット値に設定さているため、指定期限からオフセット値を差し引くだけで、適切な終了日を設定することができる。ここで、オフセット値には実稼働日のみ(月曜日から金曜日)が対象となるように設定されているため、設定される終了日は更に前倒しで設定されることになる。例えば、9月17日(土曜)、9月18日(日曜)が休日であるため両日はオフセットから除外されるため、あるタスクの終了日は、指定期限である12月31日の106日前である9月16日となる。なお、当該実稼働日のみを対象とするために、メモリ211には一般的なカレンダー情報が記憶されており、プロセッサ212は当該カレンダー情報を利用して作業期間を設定している。
【0110】
次に、プロセッサ212は、S103にて設定した各タスクの終了日、及びメモリ211に記憶された各タスクの標準作業期間から、各タスクの作業の予定期間(初期設定時の作業期間)を設定し、メモリ211に記憶する(S104)。具体的に、プロセッサ212は、「プロジェクトチーム内の役割の設定」のタスクに対して、設定した終了日である9月16日と、メモリ211に記憶された標準作業期間1日とに基づき、作業期間を9月16日の1日と設定する。ここで、作業期間の設定についてもオフセット値の取り扱いと同様に、実稼働日のみを対象とするように設定されているため、作業期間内に休日が含まれる場合に、作業期間は標準作業期間よりも長く設定される。そして、本開示の実施形態においては、図5Aにおける各タスクの開始日及び終了日の欄に、上記処理にて算出された終了日と作業期間の初日である開始日が記憶される。
【0111】
次に、プロセッサ212は、設定した各タスクの作業期間をダッシュボード化した情報を生成して、メモリ211に記憶する(S105)。すなわち、プロセッサ212は、S34の段階において、各タンスの作業期間の数値データのみを設定しているが、当該数値データを用いて図8Aに示すようなスケジュールのグラフ表記に関する情報を生成する。また、プロセッサ212は、各タスクの担当者の自動割当に係る処理を実行し、スケジュール情報としてメモリ211に記憶する(S106)。例えば、プロセッサ212は、メモリ211に記憶された関連タスクID、部署、職位、及び担当履歴の情報に基づいて自動割当を行う。当該自動割当については、図7Bを参照して後述する。
【0112】
その後、プロセッサ212は、担当者が自動割当された状態のスケジュール情報を、通信インターフェイス214を介して、端末装置100に送信する(S107)。
【0113】
次に、図7Bを参照しつつS106に係る詳細な処理フローを説明する。図7Bは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。当該処理フローは、主にサーバ装置200のプロセッサ212がメモリ211に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより行われる。
【0114】
先ず、プロセッサ212は、メモリ211に記憶されたタスクから担当者を割当るタスクを1つ選択する(S301)。当該選択の対象タスクは、中位タスク及び下位タスクとなるため、例えば、プロセッサ212は、上位タスクを除いたタスクについて、タスクIDの順番にて選択を行う。
【0115】
次に、プロセッサ212は、選択したタスクについて、部署及び職位を考慮して担当可能な人数を計算する(S302)。具体的に、プロセッサ212は、メモリ211に記憶された担当者、部署及び職位の情報に基づいて、対象者をカウントすることになる。プロセッサ212は、担当可能な人数が1人の場合、該当者を担当者として自動割当し(S305)、本処理フローを終了する。一方、プロセッサ212は、担当可能な人数が0人の場合には、当該タスクに自動割当ができないため、割当なしを選択し(S306)、本処理フローを終了する。
【0116】
部署及び職位を考慮して算出した該当者が複数いる場合に、プロセッサ212は、S301において選択したタスクに関連する関連タスクについて、担当履歴で最多の担当者が1人に限定されるかを判定する(S303)。具体的に、プロセッサ212は、メモリ211に記憶された担当職歴を含む担当者の情報に基づいて、対象者をカウントすることになる。プロセッサ212は、該当者が1人の場合、その該当者を担当者として自動割当し(S305)、本処理フローを終了する。
【0117】
その後、関連タスクの担当履歴を考慮して該当者が複数いる場合に、プロセッサ212は、該当者の職位、他の担当履歴、関連タスクの内容などを総合判断して特定の1人に絞り込む。そして、絞り込まれた該当者を担当者として自動割当し(S306)、本処理フローを終了する。例えば、職位、他の担当履歴、及び関連タスクについて、あらかじめ重み付けが設定されていることにより、プロセッサ212は当該重み付けに関する数値に基づいて、最適者を該当者として抽出してもよく、又は職位の高い従業員を単純に選択してもよい。更に、当該総合判断については、機械学習又は深層学習等の技術を用いて、判定精度を高めてもよい。
【0118】
なお、上述した担当者の自動割当フローは、一例に過ぎず、更に追加的な判断項目を追加してもよく、又は一部の判断項目を削除してもよい。例えば、関連タスクに関する判断を取り入れず、部署、職位、過去の担当履歴を総合的に判断して、担当者の自動割当を実施してもよい。
【0119】
次に、図6Bに記載された新規タスクの登録等に係る処理ついて、サーバ装置200において実行される処理フローを具体的に説明する。
【0120】
図7Cは、本開示の実施形態に係るサーバ装置200において実行される処理フローを示す図である。当該処理フローは、主にサーバ装置200のプロセッサ212がメモリ211に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより行われる。
【0121】
図7Cによると、プロセッサ212は、運用タスク管理テーブルを参照し、各タスクIDとそれに対応付けられた変更日の情報を読み出す。そして、プロセッサ212は、読み出されたタスクの中から、変更日から所定期間が経過したタスクがあるか否かを判断する。その結果、「ない」と判定された場合(S401:No)、本処理フローを終了する。他方、所定期間が経過したタスクが「あり」と判定された場合(S401:Yes)、プロセッサ212は、現在の運用状況を確認する対象となるタスクとして、当該タスクのタスクID等を抽出する(S402)。そして、プロセッサ212は、抽出されたタスクのタスクIDに対応付けて、当該タスクに対する現在の運用状況を確認するための確認要求を、通信インターフェイス214を介して端末装置100に送信する(S403)。なお、ここで送信される確認要求は図6B及び図8Dにおいて説明した通りである。
【0122】
次に、プロセッサ212は、端末装置100において確認要求がなされることによってユーザにより入力された新たなタスクに関する新規タスク情報を受信したか否かを判定する(S404)。当該新規タスク情報は、図6Bで説明した通りである。そして、プロセッサは、新規タスク情報が受信されていない場合(S404:No)、本処理フローを終了する。他方、新規タスク情報を受信すると(S404:Yes)、プロセッサ212は、新たにタスクID情報を生成して課題タスク管理テーブルに記憶する(S405)。この際、プロセッサ212は、記憶された新規タスクに対応付けて、当該新規タスクが生成された日付を指摘日としてさらに記憶する。次に、プロセッサ212は、記憶された新規タスクを含む課題タスク管理テーブルに記憶されている各タスクについて、ダッシュボード化する(S406)。具体的には、図8Fに示す課題管理画面を端末装置100のディスプレイ等に表示可能なように、当該画面を描画するためのデータを生成する。そして、プロセッサ112は、新規タスクが課題タスク管理テーブルに登録された旨と、課題管理画面を描画するためのデータを含む運用管理情報を、通信インターフェイス214を介して、端末装置100に送信する。これにより、一連の処理フローを終了する。
8.その他
ここで、例えば上場審査などにおいては、証券会社や監査法人などから模擬的な審査や進捗状況の確認(いわゆる、ショートレビュー)が行われることがある。本開示に係る処理システム1においては、このような模擬的な審査や進捗状況の確認に際して、あらかじめ模擬的なショートレビューを各企業が実施することが可能である。例えば、模擬的なショートレビューを実施するための実施要求を端末装置100において受け付けると、端末装置100は通信インターフェイス114を介してサーバ装置200に当該実施要求を送信する。サーバ装置200において実施要求が受信されると、サーバ装置200のプロセッサ212は整備タスク管理テーブル、運用タスク管理テーブル及び課題タスク管理テーブルを参照して、実施要求において指定された各タスクのステータスから各タスクの進捗状況を生成する。例えばプロセッサ212は、実施要求で指定された複数のタスクについて1行ずつに各タスクをリスト化し、各タスクについてその担当者及び進捗状況、開始日、終了日の各種情報を一覧として出力する。このように、あらかじめショートレビューを模した出力を行うことによって、ショートレビューにおける対策をより効率よく講じることが可能となる。
【0123】
以上、本実施形態においては、企業に対して所定の資格を付与するための審査に係るタスクのための新たな処理装置、処理プログラム及び処理方法を提供することが可能となる。
【0124】
9.変形例
上述した実施形態においては、設定された指定期日は変更されることがないことを前提としていが、各タスクの作業中において、当該指定期日は変更されてもよい。この場合には、指定期日を再設定し、再度のスケジュール作成処理を実施することになる。このような場合であっても、各タスクに対してオフセット値が設定されているため、指定期限からオフセット値を差し引くことによって各タスクの終了日が簡単に設定され、更には土日等の休日を考慮したスケジュールの再作成が容易に行えることになる。また、この際には、完了したタスクの作業期間が考慮され、未完了部分のタスクに係るスケジュールが作成されてもよい。
【0125】
上述した実施形態においては、指定期日からタスクごとに設定されたオフセット値を差し引いて各タスクの終了日を設定し、当該終了日と各タスクの標準作業期間とからタスクごとに作業期間を設定していたが、作業期間の設定方法はこれに限定されない。具体的には、指定期限からタスクごとに設定されたオフセット日数を差し引いて、各タスクの開始期限である開始日を設定し、当該開始日と各タスクの標準作業期間とからタスクごとに作業期間を設定してもよい。すなわち、オフセット値に標準作業期間が含まれるような数値が設定されている場合には、各タスクの作業の開始予定日を設定した後に、各タスクの作業期間を設定してもよい。換言すると、タスクの開始期限である開始日を基準にタスクの作業期間を設定してもよい。このような場合であっても、各タスクに対してオフセット値が設定されているため、指定期限からオフセット値を差し引くことによって各タスクの終了日が簡単に設定され、更には土日等の休日を考慮したスケジュールの再作成が容易に行えることになる。
【0126】
本明細書で説明される処理及び手順は、本開示において明示的に説明されたものによってのみならず、ソフトウェア、ハードウェア又はこれらの組み合わせによっても実現可能である。具体的には、本明細書で説明された処理及び手順は、集積回路、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ストレージ等の媒体に、当該処理に相当するロジックを実装することによって実現される。また、本明細書で説明される処理及び手順は、それらの処理・手順をコンピュータプログラムとして実装し、端末装置やサーバ装置を含む各種のコンピュータに実行させることが可能である。
【0127】
本明細書中で説明される処理及び手順が単一の装置、ソフトウェア、コンポーネント、モジュールによって実行される旨が説明されたとしても、そのような処理又は手順は、複数の装置、複数のソフトウェア、複数のコンポーネント、及び/又は、複数のモジュールによって実行されるものとすることができる。また、本明細書中で説明される各種情報が単一のメモリや記憶部に格納される旨が説明されたとしても、そのような情報は、単一の装置に備えられた複数のメモリ又は複数の装置に分散して配置された複数のメモリに分散して格納されるものとすることができる。さらに、本明細書において説明されるソフトウェア及びハードウェアの要素は、それらをより少ない構成要素に統合して、又は、より多い構成要素に分解することによって実現されるものとすることができる。
【符号の説明】
【0128】
100 端末装置
200 サーバ装置(処理装置)
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図9