(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091209
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】多機能ピペット及び自動検査機
(51)【国際特許分類】
B01L 3/02 20060101AFI20240627BHJP
G01N 35/00 20060101ALI20240627BHJP
G01N 35/10 20060101ALI20240627BHJP
G01N 1/00 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B01L3/02 D
G01N35/00 B
G01N35/10 G
G01N1/00 101K
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023033652
(22)【出願日】2023-03-06
(31)【優先権主張番号】111149577
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504429600
【氏名又は名称】緯創資通股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WISTRON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】張志成
(72)【発明者】
【氏名】朱峙穎
(72)【発明者】
【氏名】林志冠
【テーマコード(参考)】
2G052
2G058
4G057
【Fターム(参考)】
2G052CA20
2G052CA21
2G052CA28
2G052CA30
2G052CA33
2G052DA06
2G052EB11
2G052FB02
2G052FB10
2G058BB02
2G058BB06
2G058CA01
2G058CC02
2G058EA07
2G058EB02
2G058ED35
2G058FA02
4G057AB16
(57)【要約】
【課題】迅速な自動操作と省スペース化を果たせる多機能ピペット及び自動検査機を提供する。
【解決手段】加熱モジュールは第1の接合部を備え、加熱モジュールは第1の接合部を介して少なくとも1つの複数のストローアダプターと接続され、ピペットモジュールに可能に取り付けられ、磁気モジュールは第2の接合部を備え、磁気モジュールは第2の接合部を介して少なくとも1つのストローアダプターと接続され、ピペットモジュールに着脱可能に取り付けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピペットモジュールと、加熱モジュールと、磁気モジュールとを備えた多機能ピペットにおいて、
前記ピペットモジュールは複数のストローアダプターを備え、
前記加熱モジュールは第1の接合部を備え、前記加熱モジュールは前記第1の接合部を介して少なくとも1つの前記複数のストローアダプターと接続され、前記ピペットモジュールに着脱可能に取り付けられ、
前記磁気モジュールは第2の接合部を備え、前記磁気モジュールは前記第2の接合部を介して前記少なくとも1つのストローアダプターと接続され、前記ピペットモジュールに着脱可能に取り付けられる
ことを特徴とする多機能ピペット。
【請求項2】
前記ピペットモジュールは、複数のピストンアッセンブリーと、ピペットハウジングを含み、
前記ピストンアッセンブリーは複数の空気通路と複数のピストンロッドを含み、各前記複数の空気通路の一端はそれぞれ開口を備え、各前記ピストンロッドはそれぞれ各前記複数の空気通路の他端から各前記複数の空気通路内に軸方向に往復可能に挿入され、各前記ピストンアッセンブリーはそれぞれ前記開口を介して対応する各前記複数のストローアダプターに接続され、
前記ピペットハウジングは、前記複数のピストンアッセンブリーが前記ピペットハウジング内に位置し、前記複数のピストンアッセンブリーの前記開口は前記ピペットハウジングの一方の側の近くに設けられ、前記複数のストローアダプターは前記ピペットハウジングに固定される
ことを特徴とする請求項1に記載の多機能ピペット。
【請求項3】
前記加熱モジュールは、給電端部と、複数の加熱棒と、複数の第1の連接端部とを備え、
前記複数の給電端部は、前記ピペットハウジング上に設けられ、
前記複数の第1の連接端部はそれぞれ前記複数の給電端部に対応し、且つ、前記複数の加熱棒に電気的に接続される
ことを特徴とする請求項2に記載の多機能ピペット。
【請求項4】
前記磁気モジュールは、複数の接続バレルと、複数の永久磁石棒を備え、
前記接続バレルは、前記第2の接合部を備え、前記第2の接合部は複数のバレル凹部から構成され、各前記複数のバレル凹部は各前記複数の接続バレルの一端にそれぞれ位置し、
前記複数の永久磁石棒は対応する前記複数の接続バレルの他端上にそれぞれ設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の多機能ピペット。
【請求項5】
検出プラットフォームと、多機能ピペットと、移動機構と、収納ベースとを備えた自動検査機において、
前記検出プラットフォームは複数の作業エリアを備え、
前記多機能ピペットは、ピペットモジュールと、加熱モジュールと、磁気モジュールとを備え、
前記ピペットモジュールは複数のストローアダプターを備え、
前記加熱モジュールは第1の接合部を備え、前記加熱モジュールは前記第1の接合部を介して少なくとも1つの前記複数のストローアダプターと接続され、前記ピペットモジュールに着脱可能に取り付けられ、
前記磁気モジュールは第2の接合部を備え、前記磁気モジュールは前記第2の接合部を介して少なくとも1つの前記複数のストローアダプターと接続され、前記ピペットモジュールに着脱可能に取り付けられ、
前記移動機構は、前記多機能ピペットに連接され、前記多機能ピペットを帯同して前記複数の作業エリアの間で移動するために用いられ、
前記収納ベースは、前記複数の作業エリアのいずれか1つに位置し、前記加熱モジュール或いは前記磁気モジュールを収納するために用いられ、
前記加熱モジュールは、前記ピペットモジュールに連接されておらず、前記磁気モジュールは必要に応じて前記ピペットモジュールに着脱可能に連接され、前記磁気モジュールは前記ピペットモジュールに接続されておらず、前記加熱モジュールは必要に応じて前記ピペットモジュールに着脱可能に連接される
ことを特徴とする自動検査機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は多機能ピペット及び自動検査機に関し、特に、迅速に検査でき、省スペース化も実現し得る多機能ピペット及び自動検査機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、検出実験では少量の液体を吸引して実験容器に滴下するために、ピペットが広く使用される。そのため、ピペットは実験室の実務者が種々の実験を行うのに欠かせない実験器具である。
【0003】
また、実験分析の過程では、ピペットで液体を吸引・吐出する動作の他にも、撹拌、加熱、混合、磁気吸引等の動作が必要になる場合がある。したがって、分析プロセス全体に必要な動作を完了するのを支援するために、多くのツールまたは機器が必要になることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、テストするサンプルの数が増えると、手動による分析をしていたのでは速度に限界がある。したがって、さまざまな検出実験のニーズを満たす自動検出デバイスをどのようにして提供するかが関係者の間で課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような問題に鑑みて以下の構成を備える。即ち、
ピペットモジュールと、加熱モジュールと、磁気モジュールとを備えた多機能ピペットにおいて、
前記ピペットモジュールは複数のストローアダプターを備え、
前記加熱モジュールは第1の接合部を備え、前記加熱モジュールは前記第1の接合部を介して少なくとも1つの前記複数のストローアダプターと接続され、前記ピペットモジュールに着脱可能に取り付けられ、
前記磁気モジュールは第2の接合部を備え、前記磁気モジュールは前記第2の接合部を介して前記少なくとも1つのストローアダプターと接続され、前記ピペットモジュールに着脱可能に取り付けられる。
【0006】
また、前記ピペットモジュールは、複数のピストンアッセンブリーと、ピペットハウジングを含み、
前記ピストンアッセンブリーは複数の空気通路と複数のピストンロッドを含み、各前記複数の空気通路の一端はそれぞれ開口を備え、各前記ピストンロッドはそれぞれ各前記複数の空気通路の他端から各前記複数の空気通路内に軸方向に往復可能に挿入され、各前記ピストンアッセンブリーはそれぞれ前記開口を介して対応する各前記複数のストローアダプターに接続され、
前記ピペットハウジングは、前記複数のピストンアッセンブリーが前記ピペットハウジング内に位置し、前記複数のピストンアッセンブリーの前記開口は前記ピペットハウジングの一方の側の近くに設けられ、前記複数のストローアダプターは前記ピペットハウジングに固定される。
【0007】
また、前記加熱モジュールは、給電端部と、複数の加熱棒と、複数の第1の連接端部とを備え、
前記複数の給電端部は、前記ピペットハウジング上に設けられ、
前記複数の第1の連接端部はそれぞれ前記複数の給電端部に対応し、且つ、前記複数の加熱棒に電気的に接続される。
【0008】
また、前記磁気モジュールは、複数の接続バレルと、複数の永久磁石棒を備え、
前記接続バレルは、前記第2の接合部を備え、前記第2の接合部は複数のバレル凹部から構成され、各前記複数のバレル凹部は各前記複数の接続バレルの一端にそれぞれ位置し、
前記複数の永久磁石棒は対応する前記複数の接続バレルの他端上にそれぞれ設けられる。
【0009】
また、検出プラットフォームと、多機能ピペットと、移動機構と、収納ベースとを備えた自動検査機において、
前記検出プラットフォームは複数の作業エリアを備え、
前記多機能ピペットは、ピペットモジュールと、加熱モジュールと、磁気モジュールとを備え、
前記ピペットモジュールは複数のストローアダプターを備え、
前記加熱モジュールは第1の接合部を備え、前記加熱モジュールは前記第1の接合部を介して少なくとも1つの前記複数のストローアダプターと接続され、前記ピペットモジュールに着脱可能に取り付けられ、
前記磁気モジュールは第2の接合部を備え、前記磁気モジュールは前記第2の接合部を介して少なくとも1つの前記複数のストローアダプターと接続され、前記ピペットモジュールに着脱可能に取り付けられ、
前記移動機構は、前記多機能ピペットに連接され、前記多機能ピペットを帯同して前記複数の作業エリアの間で移動するために用いられ、
前記収納ベースは、前記複数の作業エリアのいずれか1つに位置し、前記加熱モジュール或いは前記磁気モジュールを収納するために用いられ、
前記加熱モジュールは、前記ピペットモジュールに連接されておらず、前記磁気モジュールは必要に応じて前記ピペットモジュールに着脱可能に連接され、前記磁気モジュールは前記ピペットモジュールに接続されておらず、前記加熱モジュールは必要に応じて前記ピペットモジュールに着脱可能に連接される。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明の実施形態によれば、吸引と排出の機能に加えて、多機能ピペットには、サンプルを加熱し、攪拌または磁力を提供するための加熱モジュールまたは磁気モジュールが着脱可能に組み立てられる。したがって、単一のツール(工具)でありながら複数の処理機能を提供することができ、測定分析に必要なツールおよび/または機器を簡素化できるので、操作ステップを簡素化し、操作スペースを必要以上にとらずに測定分析ができる。
【0011】
また、本実施形態によれば、多機能ピペットは、自動検査機に適用することができ、多機能ピペットは、便利で迅速な検査を提供するために、移動機構によって駆動されることにより、さまざまな機能間で自動的に組み立てと交換ができ、操作スペースが節約できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】多機能ピペットの第1の使用状態の斜視図である。
【
図2】
図1のピペットモジュールの内部の斜視図である。
【
図3】
図1における加熱モジュールの機能ブロック図である。
【
図4】
図1における加熱モジュールの要部の斜視図である。
【
図5】多機能ピペットの第2の使用状態の斜視図である。
【
図6】多機能ピペットの第2の使用状態の斜視図である。
【
図7】多機能ピペットの第2の使用状態の斜視図である。
【
図8】
図7における磁気モジュールの機能ブロック図である。
【
図9】
図7における磁気モジュールの要部斜視図である。
【
図10】
図1-2と
図5-7におけるピペットモジュールの内部の斜視図である。
【
図11】
図10におけるピペットモジュールの背面側の斜視図である。
【
図12】
図10におけるピペットモジュールの分解斜視図である。
【
図15】多機能ピペットの手動形式の斜視図である。
【
図16】多機能ピペットの第3の使用状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図13と
図1を参照して本発明の実施形態を説明する。
図13は本実施形態の自動検査機の斜視図であり、
図1は多機能ピペットの第1の実施形態の斜視図である。
【0014】
本実施形態では、
図13に示すように、多機能ピペット42は、ピペットモジュール1、加熱モジュール2、および磁気モジュール3を含む。
図1と
図13に示す加熱モジュール2がピペットモジュール1に接続されていないとき、磁気モジュール3は、必要に応じてピペットモジュール1に着脱可能に接続される。また、磁気モジュール3がピペットモジュール1に接続されていないとき、加熱モジュール2は、必要に応じてピペットモジュール1に着脱可能に接続される。
【0015】
多機能ピペット42は、3つの使用状態(以下、それぞれ第1の使用状態、第2の使用状態、第3の使用状態という)を有する。第1の使用状態では、多機能ピペット42は加熱機能を有する。第2の使用状態では、多機能ピペット42は磁力および攪拌機能を有する。第3の使用状態では多機能ピペット42は液体移動機能(ピペッティング機能)を有する。
【0016】
ここでは、第1の使用状態について説明する。多機能ピペット42には次のものが含まれる。ピペットモジュール1と加熱モジュール2(図 1と
図2に示すように、加熱モジュール2が取り付けられているピペットモジュール1は分解斜視図によって示される)。
【0017】
ピペットモジュール1は、複数の垂直方向に延伸するストローアダプター13と、複数のピストンアセンブリー12と、ピペットハウジング11を含む。
【0018】
ストローアダプター13は、ピストンアッセンブリー12にそれぞれ対応し、各ストローアダプター13は、対応するピストンアッセンブリー12の一端に配置される。また、ピストンアッセンブリー12の数は、ストローアダプター13の数と同様である。
【0019】
図1の実施形態では、8個のピストンピストンアッセンブリー12と8個のストローアダプター13を備えている。しかし、ピストンアセンブリー12とストローアダプター13の数は、2、3、4、5、6、7、又は8より多い数等、実際の必要に基づいて他の数に適宜変更できる。
【0020】
図1と
図2を参照すると、ピストンアセンブリー12は、垂直方向に延伸しストローアダプター13より長い複数の中空管状の空気通路122と垂直方向に延伸する複数のピストンロッド123を含む。ピストンロッド123は、空気通路122の径より細く形成されると共に空気通路122の上側の端部である第1の端部から垂直方向に往復移動可能に空気通路122内に挿入される。空気通路122の第1の端部とは反対側に位置する下側の端部である第2の端部には開口121が形成され、開口121には対応するストローアダプター13が接続される。
【0021】
換言すると、各ピストンアセンブリー12は対応するストローアダプター13にそれぞれ結合される。ここで、ピストンロッド123が空気通路122内を往復運動するとき、すなわちピストンが動くとき、ピストンアセンブリー12は、液体をマイクロピペットチップ5(
図13を参照)に吸引したり、マイクロピペットチップ5から液体を排出したりすることができる。
【0022】
本実施形態では、ピストンアセンブリー12の全ての空気通路122をシリンダー111に統合することができる(
図2に示すように、シリンダー111はピペットハウジング11内に配置される)。
【0023】
空気通路122は、シリンダー111の内部において、垂直方向とは直交する水平方向へ互いに間隔を隔てて平行に配置され、各空気通路122はシリンダー111を上から下まで貫通し、各空気通路122の第1の端部は上側に開口(符号なし)を形成する。各空気通路122の第2の端部は、シリンダー111の下側に他の開口121を形成する。
【0024】
開口121は、ピペットハウジング11の一方の側の近くに設けられる。各ストローアダプター13はピペットハウジング11に固定されている。
【0025】
ここで、加熱モジュール2は、
図4に示し、ピペットモジュールに面する第1の接合部2121と、
図2に示し下側に位置する加熱モジュール2に向いて突出する複数の給電端子14と、第1の接合部2121とは反対側である下側へ延伸する複数の加熱棒22と、水平方向の両端からそれぞれ上側に向いて突起する一対の第1の連接端部23と、加熱棒22の上側の端部を覆うように略直方体に形成された耐熱ハウジング21とを含む。
【0026】
本実施形態では、加熱モジュール2は、ピペットモジュール1に着脱可能に接続できるように、第1の接合部分2121を介して少なくとも1つのストローアダプター13に結合される。詳細には、複数のストローアダプター13は、複数の第1の凹部211に対向し、両者を接続する際の形状が一致する。
【0027】
第1の接合部2121には複数の第1の凹部211が形成される。複数の第1の凹部211のそれぞれは対応する複数のストローアダプター13のそれぞれと一致する。
【0028】
具体的には、第1の凹部211が分布する位置は、ピペットモジュール1と加熱モジュール2とが互いに近接している場合、ピペットハウジング11上に設けられた対応するストローアダプター13が分布する位置と対応している。即ち、ストローアダプター13の各々は、それぞれ対応する第1の凹部211内に挿入することができる。
【0029】
第1の凹部211は、ストローアダプター13を受け入れるために使用される。第1の凹部211の形状は、ストローアダプター13の位置を定められる構造に設計され、例えば、第1の凹部211の内面は凹状である。
【0030】
これにより、ピペットモジュール1に取り付けられた加熱モジュール 2のずれが回避されるので、ピペットモジュール1に加熱モジュール2を取り付けると、各第1の凹部211の中心軸は、いずれかのストローアダプター13の中心軸と一致する。
【0031】
本実施形態において、第1の凹部211の数は、ストローアダプター13の数と同じかまたはそれよりも少なくても良い。ストローアダプター13が第1の凹部211に1対1の関係で結合される場合、ストローアダプター13の数と、第1の凹部211の数は2つ以上であることが好ましい。
【0032】
図1、2に示す給電端部14は、その上側の端部がピペットハウジング11に埋め込まれている。
図1および
図2に示すように、給電端部14とストローアダプター13と同じく垂直方向に向かって延伸しており、いずれも加熱モジュール2に面している。本実施形態では、給電端部14は正接点と負接点を含む。
【0033】
第1の接合部2121は、耐熱ハウジング21の上側の一面に位置する。第1の接合部2121と複数の加熱棒22は、耐熱ハウジング21の異なる面に配置することが必要であり、好ましくは、第1の接合部2121は複数の加熱棒22と反対側の面に配置する。
【0034】
また、複数(本実施形態では2本)の第1の連接端部23が耐熱ハウジング21に埋め込まれており、第1の連接端部23は、複数の給電端部14にそれぞれ対応し、複数の加熱棒22に電気的に接続される。これらの第1の連接端部23は、後述する延伸アーム213を介して向きが変えられ第1の接合部2121と同じく上方向を向く。
【0035】
ここで、加熱棒22は、それぞれ第1の凹部211と位置合わせされる。具体的には、各加熱棒22の中心軸は、対応する第1の凹部211の中心軸と一致する。本実施形態では、加熱ロッド22の数は、ストローアダプター13の数と同じか又はそれより少なくても良い。
【0036】
なお、
図1、
図2、および
図4は、8つの第1の凹部211と8つの加熱棒22を示しているが、第1の凹部211の数と加熱ロッド22の数は、1、2、3、4、5、6、7、または8より多い数等、実際の必要性に応じて他の数に適宜変更できる。
【0037】
耐熱ハウジング21は、固定ベース212と少なくとも2つの延伸アーム213をさらに含む。固定ベース212は、第1の接合部2122が形成された第1の表面(符号なし)と、第2の表面2122と第3の表面2123と、第4の表面2124を含む。
【0038】
具体的には、第1の接合部2121が形成された第1の表面と第2の表面2122とが対向するように配置され、第3の表面2123と第4面2124は、それぞれ第1の接合部2121と第2の表面2122とを長手方向における両側面(面積が狭い方の両面)から両者を接続するように形成される。複数の加熱棒22は、一端側が第2の表面2122に嵌め込まれ、他端側が第2の表面2122から下側へ突出するように延伸する。
【0039】
本実施形態では、2つの延伸アーム213があり、一方の延伸アーム213の一端が第3の表面2123に接続され、他方の延伸アーム213の一端が第4の表面2124に接続される。
【0040】
各延伸アーム213の他端は
図1、
図2、及び
図4に示すようにピペットモジュール1に面する第1の接合部2121と同じ方向を向いている。各第1の連接端部23は、延伸アーム213の他端の端面に位置する。本実施形態では、延伸アーム213の立体形状は略L字形である。
【0041】
本実施形態では、耐熱ハウジング21の許容温度(すなわち、耐熱ハウジング21の材料を変化させない温度)は、加熱棒22を加熱させる際の最高温度よりも更に高い。
【0042】
ここで、加熱モジュール2がストローアダプター13に嵌合する第1の凹部211を介してピペットモジュール1に着脱可能に取り付けられると、一対の第1の連接端部23が複数の給電端部14(
図3に示す)に電気的に接続される。これにより、
図3に示すように、給電端部14と加熱棒22は第1の連接端部23を介して接続される。
【0043】
各ストローアダプター13を対応する第1の凹部211に挿入して係合させることにより、加熱モジュール2がピペットモジュール1に取り付けられると同時に、各給電端部14の電気接点は、対応する第1の接続端部23の電気接点に取り付けられて電気的に接続される。
【0044】
したがって、第1の使用状態では、ピペットモジュール1は、給電端部14と第1の連接端部23との間の電気的な接続によって加熱モジュール2の加熱棒22を駆動し、加熱棒22を発熱させることができる。
【0045】
ピペッティング(液体の移動)が必要な場合、ピペットモジュール1のストローアダプター13は、
図13に示すマイクロピペットチップ5にソケットされる。このため、液体がピストンアセンブリー12によってマイクロピペットチップ5に吸い込まれ、またはマイクロピペットチップ5から排出され得る。
【0046】
加熱が必要な場合、ストローアダプター13に装着されたマイクロピペットチップ5を分離して交換し、ピペットモジュール1に加熱モジュール2を組み立てるために第1の凹部211に装着する。同様に、再びピペッティングが必要な場合、ストローアダプター13に取り付けられた加熱モジュール2を分離し、必要なサイズのマイクロピペットチップ5と交換することができる。
【0047】
次に、
図5~
図7を参照して、第2の使用状態について説明する。ここで、
図5~
図7は多機能ピペットの第2の使用状態の斜視図である。また、
図7は多機能ピペットの第2の使用状態の斜視図である。
【0048】
ピペットモジュール1に取り付けられた磁気モジュール3は、分解斜視図で示されている。
【0049】
図5を参照すると、磁気モジュール3は、ピペットモジュール1に着脱可能に接続するために、磁気モジュール3を8つのストローアダプター13と結合する第2の接合部311を含む。
【0050】
ここで、ピペットモジュール1の構造と機能は、上述の実施形態のいずれかと実質的に同じなので、ここでは詳細を省略する。磁気モジュール3は、8個の中空管状に形成されて垂直方向に延伸する接続バレル31と8個の永久磁石棒32とを含む。接続バレル31は、第2の接合部311を含む。
【0051】
第2の接合部311は、8個のバレル凹部3111から構成され、これらのバレル凹部3111は、接続バレル31の上側の端部にそれぞれ位置している。ここで、8つのストローアダプター13は、これらの複数のストローアダプター13は、対応する8つのスリーブ凹部3111に対向し、両者を接続すると形状が一致する。
【0052】
8個のバレル凹部3111は、対応する8個のストローアダプター13にそれぞれ対応する。各接続バレル31の中心軸は、ストローアダプター13の中心軸と一致するので、ピペットモジュール1と磁気モジュール3が互いに接近すると、ストローアダプター13は、対応するバレル凹部3111に1つずつ挿入することができる。バレル凹部3111は、ストローアダプター13を収容するために使用される。また、8本の永久磁石棒32は、対応する8本の接続バレル31の他端にそれぞれ設けられる。
【0053】
本実施形態では、接続バレル31の数は、ストローアダプター13の数と同じか又はそれより少なくても良い。
【0054】
本実施形態において、
図6を参照すると、磁気モジュール3は、固定ベース33と8つの永久磁石棒34を含む。固定ベース33は、互いに対向する第2の接合部331と第2の表面332とを有し、第2の接合部331は略直方体状の固定ベース33の上側の面であり、第2の表面332は、底面側の面である。
【0055】
複数のストローアダプター13は、対応する8つの第2の凹部3311に対向し、両者を接続すると形状が一致する。第2の接合部331は、8個の円形の凹部である第2の凹部3311を有し、これらの第2の凹部3311をマッチさせて、対応するストローアダプター13に嵌め合わせる。
【0056】
第2の表面332には8本の永久磁石棒34が設けられ、8本の永久磁石棒34はそれぞれ8個の第2の凹部3311と対応している。8個のストローアダプター13の中心軸は、いずれかの第2の凹部3311の中心軸と一致する。
【0057】
具体的には、固定ベース33における第2の凹部3311の分布位置は、ピペットハウジング11における対応するストローアダプター13の分布位置と同じなので、ピペットモジュール1と磁気モジュール3を互いに近づけると、ストローアダプター13は、対応する第2の凹部3311に1つずつ挿入可能できる。第2の凹部3311は、ストローアダプター13を受け入れるために使用される。
【0058】
また、本実施形態において、第2の凹部3311の数は、ストローアダプター13の数と同じか又はそれよりも少なくても良い。
【0059】
続いて、
図7に加えて、
図8と
図9を参照して説明する。ここで、上述した
図7は多機能ピペットの第2の使用状態の斜視図であり、
図8は
図7における磁気モジュールの機能ブロック図であり、
図9は
図7における磁気モジュールの要部斜視図である。
【0060】
磁気モジュール3は、
図9に示した第2の接合部3521に位置する8つの第2の凹部351と、
図7に示したピペットハウジング11に設けられた一対の給電端子14と、第2の接合部3521に対して設けられた8つの電磁石棒36と、一対の第2の連接端部37を含む。
【0061】
図7に示す8個のストローアダプター13は、対応する8個の第2の凹部351に対向し、両者を接続すると形状が一致する。一対の第2の接続端37は一対の給電端部14にそれぞれ対応し、電磁石棒36に電気的に接続され、第2の連接端部37の電気接点は、給電端部14の電気接点に取り付けられて電気的に接続される。つまり、
図8に示すように、給電端部14と電磁石棒36は第2の連接端部37を介して接続される。
【0062】
ここで、磁気モジュール3は、8個のストローアダプター13に嵌合した8個の第2の凹部351によってピペットモジュール1に着脱可能に取り付けられると、一対の第2の連接端部37は、一対の給電端部14にそれぞれ電気的に接続される。ここで、一対の第2の連接端部37は、
図9の第2の接合部3521と同じ方向である上側に向いている。
【0063】
さらに、接続ハウジング35における第2の凹部351の分布位置は、ピペットハウジング11における対応するストローアダプター13の分布位置と同じであるため、ピペットモジュール1と磁気モジュール3が互いに接近しているとき、ストローアダプター13は、対応する第2の凹部351に1つずつ挿入することができる。第2の凹部351は、ストローアダプター13を受け入れるために使用される。
【0064】
上述した
図6に示した第2の凹部3311と、
図7及び
図9に示した第2の凹部351(及び
図5に示したバレル凹部3111)の形状は、ストローアダプター13を位置決めする構造を呈し、例えば、
図6の第2の凹部3311、
図7の第2の凹部351(及び
図5のバレル凹部3111)の内面は凹状に形成される。
【0065】
ピペットモジュール1に取り付けられた磁気モジュール3のずれを避けるため、すなわち、磁気モジュール3がピペットモジュール1に取り付けられたとき、凹状に形成された第2の凹部3311、第2の凹部351(及びバレル凹部3111)の中心軸は、いずれかのストローアダプター13の中心軸と一致する。
【0066】
本実施形態では、第2の凹部3311、第2の凹部351(及びバレル凹部3111)の数と、永久磁石棒34又は電磁石棒36の数は、ストローアダプター13の数と同じか、またはそれよりも少なくても良い。
【0067】
図6、
図7ではそれぞれ8個の第2の凹部3311、第2の凹部351(及び
図5ではバレル凹部3111)と8個の電磁石棒36又は永久磁石32、永久磁石34が存在するが、第2の凹部3311、第2の凹部351(及びバレル凹部3111)の数量と、電磁石ロッド36又は永久磁石32、永久磁石34の数量は、例えば1、2、3、4、5、6、7、又は9個以上等、実際の要求に基づいて他の数量に適宜変更できる。
【0068】
磁気モジュール3は、接続ハウジング35をさらに含む。8個の電磁石棒36は、接続ハウジング35の底面側(後述する第2の表面3522)に設けられ、それぞれ8個の第2の凹部351と位置合わせされる。 一対の第2の連接端部37は、接続ハウジング35の長手方向の両端に形成された後述する延伸アーム353に埋め込まれ、それぞれ8本の電磁石棒36に電気的に接続される。
【0069】
本実施形態において、
図9を参照すると、接続ハウジング35は、固定ベース352と2つの上述した一対の延伸アーム353を含む。固定ベース352は、上側に形成された第1の表面(符号なし)と、第2の表面3522と、第3の表面3523と、第4の表面3524を含む。
【0070】
第1の表面(符号なし)は要するに第2の接合部3521のことである。第2の接合部3521は第2の表面3522と互いに対向するように設けられる。第3の表面3523と第4の表面3524は、第2の接合部3521と第2の表面3522の間を略直方体状に形成された固定ベース352の長手方向における両側からそれぞれ接続する。
【0071】
第2の接合部3521には8個の第2の凹部351が形成され、第2の表面3522には8個の電磁石棒36が設けられる。また、一方の延伸アーム353の一端は第3の表面3523に接続され、他方の延伸アーム353の一端は第4の表面3524に接続される。
【0072】
各延伸アーム353の他端は、第2の接合部3521と同じ方向を向いている。ここで、各第2の連接端部37は、延伸アーム353の他端の端面に位置する。本実施形態では、延伸アーム353の立体形状は略L字形である。
【0073】
したがって、第2の使用状態では、磁気モジュール3は、第2の接合部311、331、3521を介して少なくとも1つの複数のストローアダプター13と結合することにより、ピペットモジュール1に着脱可能に接続され、
図13に示す多機能ピペット42に磁力付与機能と撹拌機能を持たせることができる。
【0074】
図5に示す本実施形態において、対応する接続バレル31の下側である他端側に永久磁石棒32を配置することにより、磁気モジュール3に接続されたピペットモジュール1に、必要な磁力、撹拌、及びその他の機能を提供することができる。
【0075】
図6に示すように、他の実施形態では、永久磁石棒34は、固定ベース33上に配置され、固定ベース33の第2の接合部331を介してストローアダプター13に結合され、磁気モジュール3に接続されたピペットモジュール1に必要な磁力を提供する機能と、撹拌機能を具備させる。
【0076】
更に、
図7と
図8に示す他の実施形態では、ピペットモジュール1は、給電端部14を介して第2の連接端部37に電気的に接続され、磁気モジュール3の電磁石棒36を駆動することで、電磁石棒36が磁場を生成できる。
【0077】
ピペット操作が必要なとき、ピペットモジュール1のストローアダプター13が、
図13に示すマイクロピペットチップ5に装着され、ピストンアセンブリー12を介してマイクロピペットチップ5から液体を吸引しまたは排出する。
【0078】
操作プロセスが磁場を必要とするとき、ストローアダプター13にソケット(接続)された
図13に示すマイクロピペットチップ5が分離され、ピペットモジュール1に磁気モジュール3を組み立てるためにソケットされた
図7、
図9に示す第2の凹部351(または、
図6に示す第2の凹部3311と交換し、又は
図5に示すバレル凹部3111と交換する)と交換することができる。
【0079】
同様に、再びピペッティング(ピペット操作)が必要な場合、ストローアダプター13に装着された磁気モジュール3を分離し、必要なサイズのマイクロピペットチップ5と交換する。
【0080】
本実施形態では、給電端子14と
図1等に示した第1の連接端部23(および
図7等に示した給電端子14と第2の連接端部37)は、スプリングプローブ又はポゴピン(spring probe又はpogo pin)とガイドプレートを合わせることで実現できる。
【0081】
例えば、給電端部14がスプリングプローブのとき、
図1等の対応する第1の連接端部23(および対応する
図7等の第2の接続端37)はガイドプレートである。逆に、給電端部14がガイド板のとき、対応する第1の連接端部23(および対応する第2の接続端37)はスプリングプローブである。
【0082】
本実施形態において、
図10から
図12を参照して説明する。ここで、
図10は
図1~2と
図5~7におけるピペットモジュールの内部の斜視図であり、
図11は
図10におけるピペットモジュールの背面側の斜視図である。なお、
図12は
図10におけるピペットモジュールの分解斜視図であるが、その内容は後述する。
【0083】
ピペットモジュール1は、リニアガイド15とリンク部16を更に含む。リンク部16は、リニアガイド15と各ピストンアッセンブリー12(
図10~
図12においては符号を省略している)とを接続する。ここで、リンク部16は、各ピストンアッセンブリー12を駆動してリニアガイド15に沿って往復運動させるために使用される。
【0084】
具体的には、リンク部16は、全てのピストンアッセンブリー12のピストンロッド123に連結される。ピペッティングが必要なとき、リンク部16は、全てのピストンアッセンブリー12のピストンロッド123を空気通路122から同時に引き出すことができるので、
図13の多機能ピペット42は、その上に取り付けられたマイクロピペットチップ5の液体を吸引する。
【0085】
又は、リンク部16は、全てのピストンアッセンブリー12のピストンロッド123を同時に空気流路122に押し込むことができるので、
図13に示す多機能ピペット42は、その上に取り付けられたマイクロピペットチップ5内から液体を排出することができる。
【0086】
本実施形態において、同時に
図10から
図12を参照すると、ピペットモジュール1は、位置決めアッセンブリー17を更に含み、位置決めアッセンブリー17はリンク部16に接続されている。
【0087】
ここで、位置決めアッセンブリー17は、リンク部16の移動距離を制限するために使用される。これに基づいて、
図13に示す多機能ピペット42は、吸引または排出する液体の量を正確に制御できる。
【0088】
本実施形態では、位置決めアッセンブリー17は、
図11に示されるように、上位置決め部171と下位置決め部172を更に含む。ここで、上位置決め部171はリンク部16の可動範囲の上限に位置し、下位置決め部172はリンク部16の可動範囲の下限に位置する。
【0089】
本実施形態では、多機能ピペット42は、自動化された形態であっても良い。
図10と
図11を同時に参照すると、ピペットモジュール1は更にモーター18を含み、モーター18はピペットハウジング11の片側(本実施形態では上側)に配置される。ここで、モーター18は、各ピストンアッセンブリー12を駆動するために使用することができる。
【0090】
例えば、モーター18はリンク部16に連結される。モーター18がリンク部16をストローアダプター13から引き離すと、リンク部16はリニアガイド15に沿って上位置決め部171から下位置決め部172まで移動可能であり、これにより、全てのピストンアッセンブリー12のピストンロッド123が空気通路122から引き抜かれる。
【0091】
モーター18がリンク部16をストローアダプター13に向かって押すと、リンク部16はリニアガイド15に沿って下位置決め部172から上位置決め部171まで移動可能なので、全てのピストンアッセンブリー12のピストンロッド123が空気通路122内に押し込まれる。
【0092】
このように、使用者は、モーター18の作動を制御することにより、ピペッティング操作を行うことができる。
【0093】
次に、
図12を参照して本発明の実施形態を説明する。ここで、
図12は、上述したように
図10におけるピペットモジュールの分解斜視図であるが、
図12において
図10及び
図11と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0094】
本実施形態において、
図12を参照すると、ピペットモジュール1は、出口構造19、リンクピース112、一対のスクリュー113、一対の弾性部114、一対の当接部115を更に含む。
【0095】
出口構造19はストローアダプター13(
図12においては符号を省略しているが、
図11で説明したものと同様である。)に隣接して配置されている。出口構造19は等間隔に一直線上に並べられた複数の穿孔191を有し、穿孔191の数は、ストローアダプター13の数と同じである。以下、8つの穿孔191を例として説明する。
【0096】
出口構造19には8つの穿孔191が開けられており、各穿孔191はそれぞれ各ストローアダプター13を周りから囲む。
【0097】
リンクピース112は、シリンダー111の上方に設けられる。リンクピース112の一端は一方のスクリュー113に連結され、リンクピース112の他端は他方のスクリュー113に連結される。シリンダー111は、各スクリュー113の間に配置されている。
【0098】
一対の当接部115の水平方向における位置は、各スクリュー113の水平方向における位置と同じである。一対の当接部115と各スクリュー113との間にはリンクピース112が設けられている。
図12と
図10に示すように、一対のスクリュー113は、出口構造19にそれぞれ接続されている。
【0099】
一対の弾性部114は、スクリュー113の外表面を覆うように巻き付けられている。リンクピース112は、ピストンアッセンブリー12が往復移動する位置に配置され、そして、各ピストンアッセンブリー12はリンクピース112を通過し、各ピストンアッセンブリー12は部分的にシリンダー111の内側に配置される。
【0100】
リンク部16は、8つのピストンアッセンブリー12を駆動して、リニアガイド15に沿って往復運動させる。リンク部16がリニアガイド15に沿って
図11の下位置決め部172まで移動し、リンクピース112に当接すると、リンクピース112がスクリュー113に連動してスクリュー113を出口構造19側に変位させる。
【0101】
このとき、スクリュー113の一端には出口構造19が連結されているので、出口構造19は、スクリュー113の変位によってピペットハウジング11から分離され、ストローアダプター13にある対象物(マイクロピペットチップ5、加熱モジュール2または磁気モジュール3)をストローアダプター13から押し離す。
【0102】
このとき、スクリュー113の変位により弾性部114が押しつぶされ、弾性部114に弾性ポテンシャルエネルギーが蓄えられる。
【0103】
リンク部16がリニアガイド15に沿って
図11の下位置決め部172から離れ、リンクピース112に当接しなくなると、弾性部114に蓄えられた弾性ポテンシャルエネルギーが対象物の運動エネルギーに変換され、スクリュー113が当接部115側に変位し、当接部115に当接する。
【0104】
このとき、スクリュー113の変位により、スクリュー113に接続された出口構造19は、出口構造19をピペットハウジング11の方向に移動させてピペットハウジング11に当接させる。このとき、出口構造19は各ストローアダプター13に隣接して配置される。
【0105】
本実施形態では、自動形式の多機能ピペット42を自動検査機4に適用することができる。
【0106】
図13を参照して本発明の実施形態を説明する。ここで、
図13は本実施形態の自動検査機の斜視図である。本実施形態では、
図13を参照すると、自動検査機4は、検出プラットフォーム41、多機能ピペット42、移動機構43、及び収納ベース44を含む。検出プラットフォーム41は、複数の作業エリア411を有する。
【0107】
移動機構43は、多機能ピペット42に接続され、多機能ピペット42を駆動して作業エリア411間を移動させるために使用される。本実施形態では、移動機構43によって駆動される多機能ピペット42の移動方向は、X軸方向、Y軸方向、および/またはZ軸方向である。
【0108】
ここで、多機能ピペット42の構造と機能は、上述の実施形態のいずれかと実質的に同じであるので、ここでは詳細を繰り返さない。なお、自動検査機4はコンピュータ装置をも備えている。
【0109】
本実施形態では、自動検査機4は収納ベース44を更に含む。以下、10個の作業エリア411が説明のための例として取り上げられる。収納ベース44は10個の作業エリア411のうちの1つに位置する。
【0110】
ここで、作業エリア411は、直方体状の容器のものが8個と、角度の関係で一部が隠れているが、
図13における加熱モジュール2の付近に一つと、マイクロピペットチップ5の下側に取り出されているものが一つで、合計10個存在する。
【0111】
収納ベース44は後述する
図14に示すように、加熱モジュール2および/または磁気モジュール3を収容することができる。ここで、
図14は
図13における収納ベースの分解斜視図である。
【0112】
作業エリア411の数は、本発明の数に限られるものではなく、実際の必要に応じて適応的に変更できる。
【0113】
例えば、自動検査機4をDNA(Deoxyribonucleic acid)精製に応用した実験において、検出プラットフォーム41の作業エリア411の1つにウェルプレート(図示せず)を載置すると、検出プラットフォーム41を回転させて、ウェルプレートを加熱モジュール2に取り付けられた多機能ピペット42の下に移動させる。すなわち、加熱モジュール2が取り付けられた多機能ピペット42の軸方向(X軸方向)は作業エリア411に対して垂直である。
【0114】
加熱モジュール2は、ウェルプレート内のサンプルを目標温度まで加熱するために使用される。加熱モジュール2は、サンプルを加熱して二本鎖DNAを変性させて一本鎖DNAを生成し、精製された一本鎖DNAをその後の実験分析に適用する。
【0115】
更に、加熱モジュール2は、ウェルプレート内のサンプルを目標温度に維持するために使用され、これにより、サンプルはその後の実験のために目標温度に維持される。
【0116】
ウェルプレートが検出プラットフォーム41の作業エリア411の1つに配置されると、検出プラットフォーム41が回転して、ウェルプレートを、磁気モジュール3が組み込まれた多機能ピペット42の底部に移動させる。
【0117】
ウェルプレート内のサンプルに磁気ビーズ(図示せず)を添加し、磁気ビーズがターゲットDNAを吸着すると、磁気モジュール3は、精製ステップ中にターゲットDNAを保持するように、磁気ビーズをターゲットDNAに引き付けるための磁力を提供する。
【0118】
さらに、磁気モジュール3が磁力を提供してターゲットDNAを含む磁気ビーズを引き付けている間、移動機構43は磁気モジュール3に組み立てられた多機能ピペット42を他の作業エリア411に駆動し、次いで、磁気モジュール3によって引き付けられたターゲットDNAを有する磁気ビーズは、他の作業エリア411に移動する。
【0119】
ウェルプレートが検出プラットフォーム41の作業エリア411の1つに配置されると、検出プラットフォーム41を回転させて、作業エリア411を、磁気モジュール3と組み立てられた多機能ピペット42の下に移動させる。
【0120】
磁気モジュール3は、ウェルプレート内のサンプルと分析溶液を振動又は攪拌する磁力を提供し、サンプルと分析溶液が振動し又は混合されるようにする。
【0121】
本実施形態では、機械の全体容積の最適化評価において、86×75×60cm3である従来の機械の容積と比較して、上記実施形態の自動検査機4は、必要に応じて加熱モジュール2と磁気モジュール3をピペットモジュール1に着脱自在に取り付けて作動ので、自動検査機4の容積は73×75×50cm3に縮小できる。
【0122】
換言すると、従来の自動検査機の容積と比較して、本実施形態の自動検査機4の容積は、機械の容積を29%削減できる。
【0123】
本実施形態では、多機能ピペット42は手動形式で提供しても良い。後述する
図15を参照すると、ピペットハウジング11は、ストローアダプター13とは反対側でグリップ6に連結されている。ここで、
図15は多機能ピペットの手動形式の斜視図である。
【0124】
ここで、グリップ6は、使用者の手で保持することができ、ピストンアッセンブリー12のピストン運動を制御し、加熱モジュール2(および磁気モジュール3)の駆動を調整することができる。これにより、自動検査機4が外部環境で多機能ピペット42を保持し、又は使用するのを容易にできる。
【0125】
次に、
図16を参照して第3の使用状態について説明する。ここで、
図16は多機能ピペットの第3の使用状態の斜視図である。ストローアダプター13の下側の端部には
図16に示されるように、様々なサイズの取り外し可能に組み立てられたマイクロピペットチップ5(Tip)が取り付けられている。
【0126】
マイクロピペットチップ5がストローアダプター13に装着されると、ピストンアッセンブリー12のピストンは、マイクロピペットチップ5の外側の液体をマイクロピペットチップ5内に吸引することができ、若しくは、マイクロピペットチップ5内の液体をマイクロピペットチップ5内から排出することができる。
【0127】
本発明に関連する当業者であれば市販されているマイクロピペットチップ5を理解できる。
【0128】
詳細には、リンク部16は、全てのピストンアッセンブリー12のピストンロッド123を同時に空気通路122から引き出すことができるので、多機能ピペット42は、それに取り付けられたマイクロピペットチップ5の液体を吸引することができる。
【0129】
或いは、リンク部16は、全てのピストンアッセンブリー12のピストンロッド123を同時に空気通路122に押し込むことができるので、多機能ピペット42は、それに取り付けられたマイクロピペットチップ5から液体を排出できる。
【0130】
以上のように、本発明の複数の実施形態によれば、吸引および排出の機能に加えて、多機能ピペット42は、検体を加熱するための加熱モジュール2に組み立てることもでき、或いは、磁気モジュール3を組み立てて、検体に磁場、振動、攪拌等の動作をさせることができる。
【0131】
したがって、単一の工具でありながら、複数の処理機能を提供でき、定量的に測定する分析に必要な工具及び/又は機器を簡素化し、操作ステップを単純化でき作業エリアを省スペース化できる。
【0132】
本実施形態によれば、多機能ピペット42は、自動検査機4に適用することができ、多機能ピペット42は、移動機構43によって駆動されることによって、様々な機能を実現するために自動的に交換するように取り付けられる。このため、定量的に測定する分析において便利で迅速な自動操作を提供でき、同時に操作スペースを節約できる。
【符号の説明】
【0133】
1 ピペットモジュール
11 ピペットハウジング
12 ピストンアッセンブリー
121 開口
122 空気通路
123 ピストンロッド
13 ストローアダプター
14 給電端部
15 リニアガイド
16 リンク部
17 位置決めアッセンブリー
171 上位置決め部
172 下位置決め部
18 モーター
19 出口構造
191 穿孔
111 シリンダー
112 リンクピース
113 スクリュー
114 弾性部
115 当接部
2 加熱モジュール
21 耐熱ハウジング
22 加熱棒
23 第1の連接端部
211 第1の凹部
212 固定ベース
213 延伸アーム
2121 第1の接合部
2122 第2の表面
2122 第2の表面
2123 第3の表面
2124 第4の表面
3 磁気モジュール
31 接続バレル
311 第2の接合部
3111 バレル凹部
32 永久磁石棒
33 固定ベース
331 第2の接合部
332 第2の表面
3311 第2の凹部
34 永久磁石棒
35 接続ハウジング
36 電磁石棒
37 第2の連接端部
351 第2の凹部
352 固定ベース
353 延伸アーム
3521 第2の接合部
3522 第2の表面
3523 第3の表面
3524 第4の表面
4 自動検査機
41 検出プラットフォーム
42 多機能ピペット
43 移動機構
44 収納ベース
411 作業エリア
5 マイクロピペットチップ
6 グリップ
X X軸方向
Y Y軸方向
Z Z軸方向