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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091210
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】光学積層体及び画像表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20240627BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20240627BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
G02B5/30
C09J7/38
G02F1/1335 510
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037525
(22)【出願日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】P 2022206836
(32)【優先日】2022-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520487808
【氏名又は名称】シャープディスプレイテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】山田 晋太郎
(72)【発明者】
【氏名】河村 篤志
(72)【発明者】
【氏名】本保 すみれ
【テーマコード(参考)】
2H149
2H291
4J004
【Fターム(参考)】
2H149AA02
2H149AB18
2H149BA02
2H149FA61
2H149FA66
2H291FA22X
2H291FA22Z
2H291FA25X
2H291FA25Z
2H291FA95X
2H291FA95Z
2H291FC05
2H291FC08
2H291FD09
2H291FD13
2H291GA19
2H291GA23
2H291HA11
2H291HA15
4J004AA05
4J004AA08
4J004AA10
4J004AA11
4J004AA14
4J004AA15
4J004AB01
4J004CA02
4J004CA03
4J004CB03
4J004CC02
4J004CC03
4J004CE01
4J004CE03
4J004DB02
4J004FA01
4J004FA08
(57)【要約】
【課題】表示パネルの反りを充分に低減することができ、かつゆず肌の発生も充分に防止することができる光学積層体、及び、これを用いた画像表示装置を提供する。また、表示パネルの形状を容易に維持することができ、支持フレームへの負担軽減を図ることができる画像表示装置も提供する。
【解決手段】画像表示装置に用いられる光学積層体であって、上記光学積層体は、光学フィルムと粘着剤層とを備え、上記粘着剤層は、関係式(1):G>G(式中、Gは、前記粘着剤層のうち前記画像表示装置の表示領域に相当する領域の中央部の貯蔵弾性率を表す。Gは、前記粘着剤層のうち前記画像表示装置の表示領域に相当する領域の端部の貯蔵弾性率を表す。G及びGのいずれも、使用環境温度での貯蔵弾性率を表す。)を満たす、光学積層体。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示装置に用いられる光学積層体であって、
前記光学積層体は、光学フィルムと粘着剤層とを備え、
前記粘着剤層は、下記関係式(1):
>G (1)
(式中、Gは、前記粘着剤層のうち前記画像表示装置の表示領域に相当する領域の中央部の貯蔵弾性率を表す。Gは、前記粘着剤層のうち前記画像表示装置の表示領域に相当する領域の端部の貯蔵弾性率を表す。G及びGのいずれも、使用環境温度での貯蔵弾性率を表す。)を満たすことを特徴とする光学積層体。
【請求項2】
前記光学フィルムは、偏光板であることを特徴とする請求項1に記載の光学積層体。
【請求項3】
前記Gは、{(-5.7×10×T)+(1.2×10)}Pa以上、{(-5.7×10×T)+(1.25×10)}Pa以下である(但し、Tは、使用環境温度を表し、単位は℃である。最高使用温度は95℃である。)ことを特徴とする請求項1に記載の光学積層体。
【請求項4】
前記Gは、{(-5.7×10×T)+(7.5×10)}Pa以上、{(-5.7×10×T)+(8.0×10)}Pa以下である(但し、Tは、使用環境温度を表し、単位は℃である。最高使用温度は95℃である。)ことを特徴とする請求項1に記載の光学積層体。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の光学積層体と、表示パネルとを備えることを特徴とする画像表示装置。
【請求項6】
前記表示パネルの両面に前記光学積層体を備えることを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記表示パネルは、液晶パネルであることを特徴とする請求項5に記載の画像表示装置。
【請求項8】
第一の光学積層体と、表示パネルと、第二の光学積層体と、を備える画像表示装置であって、
前記第一の光学積層体及び前記第二の光学積層体はそれぞれ、光学フィルムと、粘着剤層と、を備え、
前記第一の光学積層体の粘着剤層及び前記第二の光学積層体の粘着剤層は、下記関係式(2)及び(3):
11>G22 (2)
21>G22 (3)
(式中、G11は、前記第一の光学積層体の粘着剤層のうち前記画像表示装置の表示領域に相当する領域の中央部の貯蔵弾性率を表す。G21は、前記第二の光学積層体の粘着剤層のうち前記画像表示装置の表示領域に相当する領域の中央部の貯蔵弾性率を表す。G22は、前記第二の光学積層体の粘着剤層のうち前記画像表示装置の表示領域に相当する領域の端部の貯蔵弾性率を表す。G11、G21及びG22のいずれも、使用環境温度での貯蔵弾性率を表す。)を満たすことを特徴とする画像表示装置。
【請求項9】
前記表示パネルは、断面視において表示面が湾曲形状であることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記第一の光学積層体が、前記表示パネルの凹状側に位置し、
前記第二の光学積層体が、前記表示パネルの凸状側に位置することを特徴とする請求項9に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記光学フィルムは、偏光板であることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項12】
前記G11及びG21は、それぞれ、{(-5.7×10×T)+(1.2×10)}Pa以上、{(-5.7×10×T)+(1.25×10)}Pa以下である(但し、Tは、使用環境温度を表し、単位は℃である。最高使用温度は95℃である。)ことを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項13】
前記G22は、{(-5.7×10×T)+(7.5×10)}Pa以上、{(-5.7×10×T)+(8.0×10)}Pa以下である(但し、Tは、使用環境温度を表し、単位は℃である。最高使用温度は95℃である。)ことを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
【請求項14】
前記表示パネルは、液晶パネルであることを特徴とする請求項8~13のいずれかに記載の画像表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
以下の開示は、光学積層体及び画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネル等の表示パネルを備える画像表示装置は、テレビ、携帯電話、PC用ディスプレイ等の種々様々な機器に広く普及している。画像表示装置は一般に、偏光板等の光学フィルムを表示パネルに貼合した構成からなる。例えば液晶表示装置は、一対の偏光板で液晶パネルを挟持した構造が代表的である。
【0003】
画像表示装置の製造時や使用時には通常、高温環境下に曝されることが多々ある。だが、その際に光学フィルムが熱収縮し、表示パネルに応力がかかり反りが発生することがある。この反りを軽減する技術として、光学フィルムと表示パネルとの接着に用いる粘着剤に着目し、その物性値を調整する手法等が開示されている(特許文献1~3参照)。
【0004】
ところで近年、画像表示装置の利用用途が拡大する中で、表面を湾曲させた形状の表示パネルを備える画像表示装置が開発されている。例えば特許文献4、5には、外力を加え続けることなく、表面を容易に湾曲させたり湾曲形状を維持させたりする手法が開示されている。特許文献6には、液晶パネルの基板を湾曲させる手段等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-186617号公報
【特許文献2】特開2021-85995号公報
【特許文献3】特開2020-90587号公報
【特許文献4】特開2017-83595号公報
【特許文献5】特開2009-92884号公報
【特許文献6】特開2016-65910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した通り画像表示装置においては、偏光板等の光学フィルムの熱収縮により表示パネルに反りが発生することが課題となっている。例えば偏光板としては、ポリビニルアルコール(PVAとも称す)を強く延伸させたものが主流であり、延伸させた方向が吸収軸方向となる。PVAに熱をかけると、延伸状態から戻ろうとするいわゆる収縮応力が発生するため、偏光板を貼合した表示パネルにおいて、吸収軸方向の反りが大きくなる(後述の試験例6参照)。
【0007】
表示パネルに反りが発生すると、表示品位が損なわれる。そこで、特許文献1~3では、粘着剤の物性値を調整することによって熱収縮による応力を緩和させ、反り低減を図っている。即ち基本的には粘着剤層が柔らかくなるようにその物性値を調整している。しかしながら、粘着剤層が柔らかいと、画像表示装置の表示面が凹凸に見える、いわゆる「ゆず肌」と称される現象が発生し、表示品位を損ねる懸念がある。
【0008】
また湾曲形状の表示パネルでは、高温環境下に曝されることに起因して湾曲形状を維持することが困難になる場合がある。画像表示装置では、表示パネルを保護するためにその外縁に沿って支持フレームを配置することが一般的であるが、表示パネルがその形状を維持できないと支持フレームへの負担が増すため、改善が望まれる。
【0009】
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、表示パネルの反りを充分に低減することができ、かつゆず肌の発生も充分に防止することができる光学積層体、及び、これを用いた画像表示装置を提供することを目的とする。本発明はまた、表示パネルの形状を容易に維持することができ、支持フレームへの負担軽減を図ることができる画像表示装置を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の一実施形態は、画像表示装置に用いられる光学積層体であって、上記光学積層体は、光学フィルムと粘着剤層とを備え、上記粘着剤層は、下記関係式(1):
>G (1)
(式中、Gは、上記粘着剤層のうち上記画像表示装置の表示領域に相当する領域の中央部の貯蔵弾性率を表す。Gは、上記粘着剤層のうち上記画像表示装置の表示領域に相当する領域の端部の貯蔵弾性率を表す。G及びGのいずれも、使用環境温度での貯蔵弾性率を表す。)を満たす、光学積層体。
【0011】
(2)また、本発明のある実施形態は、上記(1)の構成に加え、上記光学フィルムは、偏光板である、光学積層体。
【0012】
(3)また、本発明のある実施形態は、上記(1)又は上記(2)の構成に加え、上記Gは、{(-5.7×10×T)+(1.2×10)}Pa以上、{(-5.7×10×T)+(1.25×10)}Pa以下である(但し、Tは、使用環境温度を表し、単位は℃である。最高使用温度は95℃である)、光学積層体。
【0013】
(4)また、本発明のある実施形態は、上記(1)、上記(2)又は上記(3)の構成に加え、上記Gは、{(-5.7×10×T)+(7.5×10)}Pa以上、{(-5.7×10×T)+(8.0×10)}Pa以下である(但し、Tは、使用環境温度を表し、単位は℃である。最高使用温度は95℃である。)、光学積層体。
【0014】
(5)また、本発明の他の実施形態は、上記(1)、上記(2)、上記(3)又は上記(4)に記載の光学積層体と、表示パネルとを備える、画像表示装置。
【0015】
(6)また、本発明のある実施形態は、上記(5)の構成に加え、上記表示パネルの両面に上記光学積層体を備える、画像表示装置。
【0016】
(7)また、本発明のある実施形態は、上記(5)又は上記(6)の構成に加え、上記表示パネルは、液晶パネルである、画像表示装置。
【0017】
(8)また、本発明の他の実施形態は、第一の光学積層体と、表示パネルと、第二の光学積層体と、を備える画像表示装置であって、上記第一の光学積層体及び上記第二の光学積層体はそれぞれ、光学フィルムと、粘着剤層と、を備え、上記第一の光学積層体の粘着剤層及び上記第二の光学積層体の粘着剤層は、下記関係式(2)及び(3):
11>G22 (2)
21>G22 (3)
(式中、G11は、上記第一の光学積層体の粘着剤層のうち上記画像表示装置の表示領域に相当する領域の中央部の貯蔵弾性率を表す。G21は、上記第二の光学積層体の粘着剤層のうち上記画像表示装置の表示領域に相当する領域の中央部の貯蔵弾性率を表す。G22は、上記第二の光学積層体の粘着剤層のうち上記画像表示装置の表示領域に相当する領域の端部の貯蔵弾性率を表す。G11、G21及びG22のいずれも、使用環境温度での貯蔵弾性率を表す。)を満たす、画像表示装置。
【0018】
(9)また、本発明のある実施形態は、上記(8)の構成に加え、上記表示パネルは、断面視において表示面が湾曲形状である、画像表示装置。
【0019】
(10)また、本発明のある実施形態は、上記(9)の構成に加え、上記第一の光学積層体が、上記表示パネルの凹状側に位置し、上記第二の光学積層体が、上記表示パネルの凸状側に位置する、画像表示装置。
【0020】
(11)また、本発明のある実施形態は、上記(8)、上記(9)又は上記(10)の構成に加え、上記光学フィルムは、偏光板である、画像表示装置。
【0021】
(12)また、本発明のある実施形態は、上記(8)、上記(9)、上記(10)又は上記(11)の構成に加え、上記G11及びG21は、それぞれ、{(-5.7×10×T)+(1.2×10)}Pa以上、{(-5.7×10×T)+(1.25×10)}Pa以下である(但し、Tは、使用環境温度を表し、単位は℃である。最高使用温度は95℃である。)、画像表示装置。
【0022】
(13)また、本発明のある実施形態は、上記(8)、上記(9)、上記(10)、上記(11)又は上記(12)の構成に加え、上記G22は、{(-5.7×10×T)+(7.5×10)}Pa以上、{(-5.7×10×T)+(8.0×10)}Pa以下である(但し、Tは、使用環境温度を表し、単位は℃である。最高使用温度は95℃である。)、画像表示装置。
【0023】
(14)また、本発明のある実施形態は、上記(8)、上記(9)、上記(10)、上記(11)、上記(12)又は上記(13)の構成に加え、上記表示パネルは、液晶パネルである、画像表示装置。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、表示パネルの反りを充分に低減することができ、かつゆず肌の発生も充分に防止することができる光学積層体、及び、これを用いた画像表示装置を提供することができる。また本発明によれば、表示パネルの形状を容易に維持することができ、支持フレームへの負担軽減を図ることができる画像表示装置を提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態1、2、4~7に係る光学積層体の断面模式図である。
図2】実施形態1、2、4~7に係る光学積層体を、その粘着剤層側から見たときの平面模式図である。
図3】粘着剤層の設計を説明するための概念図である。
図4】実施形態1に関して、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aと、貯蔵弾性率Gを有する端部Aとの配置関係(平面視)を概念的に示す図である。
図5】実施形態1~7の画像表示装置の断面模式図である。
図6】実施形態1~7の画像表示装置を、観察面側から見たときの平面模式図である。
図7】実施形態1~4の画像表示装置がバックライト30を備える場合の断面模式図である。
図8】実施形態2に関して、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aと、貯蔵弾性率Gを有する端部Aとの配置関係(平面視)を概念的に示す図である。
図9】実施形態3に関して、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aと、貯蔵弾性率Gを有する端部Aとの配置関係(平面視)を概念的に示す図である。
図10】実施形態4において、偏光板40の吸収軸方向(又は反射軸方向)aとの関係で、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aと、貯蔵弾性率Gを有する端部Aとの配置関係(平面視)を検討した概念図である。
図11】実施形態4において、偏光板40の吸収軸方向(又は反射軸方向)aとの関係で、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aと、貯蔵弾性率Gを有する端部Aとの配置関係(平面視)を検討した概念図である。
図12】実施形態5、6に関して、第一の光学積層体が有する粘着剤層において、貯蔵弾性率G11を有する部分A11を概念的に示す図である。
図13】実施形態5に関して、第二の光学積層体が有する粘着剤層において、貯蔵弾性率G21を有する中央部A21と、貯蔵弾性率G22を有する端部A22との配置関係(平面視)を概念的に示す図である。
図14】湾曲形状の表示パネルの両面に働く力を説明するための図である。
図15】実施形態6に関して、第二の光学積層体が有する粘着剤層において、貯蔵弾性率G21を有する中央部A21と、貯蔵弾性率G22を有する端部A22との配置関係(平面視)を概念的に示す図である。
図16】実施形態7に関して、第一の光学積層体が有する粘着剤層において、貯蔵弾性率G11を有する中央部A11と、貯蔵弾性率G12を有する端部A12との配置関係(平面視)を概念的に示す図である。
図17】実施形態7に関して、第二の光学積層体が有する粘着剤層において、貯蔵弾性率G21を有する中央部A21と、貯蔵弾性率G22を有する端部A22との配置関係(平面視)を概念的に示す図である。
図18】試験例1~5で使用した評価サンプルの断面模式図である。
図19】試験例1~5の結果を、粘着剤の貯蔵弾性率と表示パネルの反り量との関係で検討したグラフである。
図20】試験例6の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(用語の定義)
本明細書中、観察面側とは、画像表示装置の画面(表示面)に対してより近い側を意味し、背面側とは、画像表示装置の画面(表示面)に対してより遠い側を意味する。
【0027】
貯蔵弾性率は、JIS K7244-10(2005年)に従い、回転式レオメータを用いて求められる値である。
【0028】
「平行」とは、両者のなす角度(絶対値)が0°±10°の範囲内であることを意味する。好ましくは0±5°の範囲内であり、より好ましくは0±3°の範囲内であり、更に好ましくは0±1°の範囲内であり、特に好ましくは0°(完全に平行)である。
【0029】
「直交」とは、両者のなす角度(絶対値)が90°±10°の範囲内であることを意味する。好ましくは90±5°の範囲内であり、より好ましくは90±3°の範囲内であり、更に好ましくは90±1°の範囲内であり、特に好ましくは90°(完全に直交)である。
【0030】
「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの総称を意味する。従って、例えば「(メタ)アクリル酸エステル」とは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの総称である。「(メタ)」との表記を含む他の化合物も同様である。
【0031】
以下、本発明の実施形態に係る光学積層体及び画像表示装置について説明する。本発明は、以下の実施形態に記載された内容に限定されるものではなく、本発明の構成を充足する範囲内で適宜設計変更を行うことが可能である。
【0032】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る光学積層体の断面模式図である。図2は、本実施形態に係る光学積層体を、その粘着剤層側から見たときの平面模式図である。図3は、粘着剤層の設計を説明するための概念図である。図4は、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aと、貯蔵弾性率Gを有する端部Aとの配置関係(平面視)を概念的に示す図である。
【0033】
図1に示す通り、光学積層体10は、光学フィルム40と粘着剤層50とを備える。また、光学積層体10を備える画像表示装置1は、後述する通り、表示領域110と、表示領域110の外縁に配置された額縁領域120とを有するが(図6参照)、光学積層体10が備える粘着剤層50は、画像表示装置1の表示領域110に相当する領域510と、画像表示装置1の額縁領域120に相当する領域520と、を有する(図2参照)。
【0034】
本発明は、光学積層体10を備える画像表示装置1の面内位置によって、光学積層体10が有する粘着剤層50の貯蔵弾性率を異ならせたことに、重要な特徴を有する。具体的には、例えば図3に示すように、平面視で長方形となる画像表示装置1を想定した場合に、画像表示装置1の長方形の頂点から引いた一対の対角線の交点(中心点x)から、画像表示装置1のエッジ(端)にかけて、粘着剤層50の貯蔵弾性率が小さくなるように設計する。これを、下記関係式(1)で具現化した。即ち本発明者はまず、粘着剤の貯蔵弾性率が上昇するにつれ、表示パネルの反り量が大きくなることを見出した(後述の試験例1~5参照)。そして、粘着剤の貯蔵弾性率が低いとゆず肌が発生しやすいことに着目し、粘着剤層50において、反りの発生に影響しにくい中央部Aを高貯蔵弾性率にすることでゆず肌の発生を防止する一方、反りの発生に影響する端部Aを低貯蔵弾性率にすることで、反り低減とゆず肌の発生防止との両立を実現した。粘着剤層50をこのような構成にすることで、高温環境下での表示パネルの反りを低減するとともに、表示面のゆず肌と称される凹凸の発生を防止している。また、表示パネルの反りが低減されると、黒表示にしたときに生じ得る端部(例えば四隅)の白浮き現象が低減することにも繋がるため、良好な表示品位を保つことができる。
【0035】
粘着剤層50は、下記関係式(1)を満たす。
>G (1)
式中、Gは、粘着剤層50のうち画像表示装置1の表示領域110に相当する領域510の中央部の貯蔵弾性率を表す。Gは、粘着剤層50のうち該領域510の端部の貯蔵弾性率を表す。G及びGのいずれも、使用環境温度での貯蔵弾性率を表す。
即ち粘着剤層50は、貯蔵弾性率Gを有する部分A(中央部)と、貯蔵弾性率がGよりも小さいGを有する部分A(端部)とを有する。
【0036】
使用環境温度とは、画像表示装置を使用するときの温度(℃)を意味する。最高使用温度は95℃とする。使用環境温度は通常、-30~95℃である。本発明では、-30~95℃のうちいずれかの温度で上記関係式(1)を満たせばよいが、少なくとも60℃で上記関係式(1)を満たすことが好ましい。より好ましくは、-30~95℃の全範囲で上記関係式(1)を満たすことである。
【0037】
上記中央部Aとは、粘着剤層50における画像表示装置1の表示領域110に相当する領域510のうち、領域510の厳密な中心点(中心点xと称す)を含む部分を意味する。好ましくは、領域510の厳密な中心点xを含み、かつ領域510の総面積100%に対し面積が30%以上90%以下となる部分である。この面積の下限は50%以上であることがより好ましく、50%を超えることが更に好ましい。また、この面積の上限は80%以下であることがより好ましい。
【0038】
上記端部Aとは、中心点xを含まず、かつ領域510の端を含む部分を意味する。領域510の端を含む部分とは、領域510が平面視で多角形状である場合、少なくともその一辺以上を含む部分を意味する。例えば領域510が平面視で長方形(矩形)である場合、少なくともその一辺以上を含む部分を意味する。好ましくは、中心点xを含まず、領域510の端を含み、かつ領域510の平面視での総面積100%に対し面積(平面視)が10%以上70%以下となる部分である。この面積の上限は50%以下であることがより好ましく、50%未満であることが更に好ましい。また、この面積の下限は20%以上であることがより好ましい。
【0039】
粘着剤層50は、中央部Aと端部Aとの間に、貯蔵弾性率がG及びGと異なる部分を1以上有してもよい。その場合も、中央部Aから端部Aにかけて、貯蔵弾性率が小さくなるように設計する(図3参照)。即ち例えば、中央部Aと端部Aとの間に、使用環境温度での貯蔵弾性率GがG>G>Gとなる部分Aを有してもよい。
【0040】
本実施形態では、粘着剤層50のうち領域510は、図4に示すように平面視で長方形である。この長方形の頂点から引いた一対の対角線の交点(これが「領域510の厳密な中心点x」に相当する。)からの距離で、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aと、貯蔵弾性率Gを有する端部Aとを区別している。本実施形態では、対角線の交点(中心点x)から各頂点までの線分を3:1で区切り、中心点xを含む部分を中央部Aとし、それ以外の部分を端部Aとしている。なお、上記線分の区切り方は特に限定されないが、例えば線分比(A:A)を0.8~20:1の範囲内で調整することが好ましい。より好ましくは1~10:1である。
【0041】
中央部Aと端部Aとの配置は、中心点xを中心として点対称な配置とすることが好適である。本実施形態では、点対称な配置としている(図4参照)。これにより、反り低減とゆず肌の発生防止とを両立するという本発明の効果がより充分に発揮され、画像表示装置の表示品位がより高いものとなる。
【0042】
上述した通り、中央部Aの貯蔵弾性率Gは、端部Aの貯蔵弾性率Gよりも大きい。使用環境温度(単位:℃)をTと表記すると、Gは、{(-5.7×10×T)+(1.2×10)}Pa以上であることが好ましい。また、{(-5.7×10×T)+(1.25×10)}Pa以下であることが好ましい。Gは、{(-5.7×10×T)+(7.5×10)}Pa以上であることが好ましい。また、{(-5.7×10×T)+(8.0×10)}Pa以下であることが好ましい。なお、少なくとも使用環境温度が60℃においてG及びGが上記範囲内となることが好適である。より好ましくは、-30~95℃の全範囲でG及びGがこれらの範囲内となることである。
【0043】
例えば使用環境温度が60℃である場合、Gは、8.5×10Pa以上、9.0×10Pa以下であることが好適であり、Gは、4.0×10Pa以上、4.5×10Pa以下であることが好適である。
【0044】
粘着剤層50は、粘着剤組成物により形成される。中央部Aと端部Aとで貯蔵弾性率を異ならせる方法は特に限定されないが、本実施形態では、貯蔵弾性率が異なる粘着剤組成物を使用する方法を採用する。具体的には、貯蔵弾性率が異なる2種類の粘着剤組成物を準備し、このうち貯蔵弾性率が高い方の粘着剤組成物で中央部Aを構成し、貯蔵弾性率が低い方の粘着剤組成物で端部Aを構成することが好ましい。
【0045】
粘着剤組成物としては特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ウレタン系樹脂、エステル系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂等の樹脂を主成分とする樹脂組成物が好適である。中でも、透明性、耐候性、耐熱性及び貯蔵弾性率の観点から、(メタ)アクリル系樹脂をベースポリマーとする粘着剤組成物を用いることが好適である。粘着剤組成物は、活性エネルギー線硬化型又は熱硬化型のいずれであってもよい。
【0046】
ベースポリマーとしての(メタ)アクリル系樹脂は、1種又は2種以上の(メタ)アクリル酸エステルをモノマーとする重合体又は共重合体であることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルとしては、アルキル基の炭素数が1~20である(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好適である。アルキル基の炭素数は、好ましくは1~8である。具体的には例えば、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル等が好適である。
【0047】
上記ベースポリマーには、極性モノマーを共重合させてもよい。極性モノマーとは、例えばカルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、及び/又は、エポキシ基等の極性基を有するモノマーである。具体的には例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が好適である。
【0048】
粘着剤組成物は、上記ベースポリマーのみを含むものであってもよいが、架橋剤を更に含有するものであってもよい。架橋剤としては特に限定されず、例えば、カルボキシル基との間でカルボン酸金属塩を形成し得る2価以上の金属イオン;カルボキシル基との間でアミド結合を形成し得るポリアミン化合物;カルボキシル基との間でエステル結合を形成し得るポリエポキシ化合物又はポリオール;カルボキシル基との間でアミド結合を形成し得るポリイソシアネート化合物;等が挙げられる。中でも、ポリイソシアネート化合物が好適である。
【0049】
粘着剤組成物はまた、各種添加剤を1種又は2種以上含んでもよい。添加剤は特に限定されず、例えば、ガラス繊維、ガラスビーズ、樹脂ビーズ、充填材、顔料、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等が挙げられる。
【0050】
粘着剤層50の厚み(乾燥膜の厚み)は、例えば、100μm以下であることが好ましい。より好ましくは60μm以下、更に好ましくは50μm以下、特に好ましくは30μm以下、最も好ましくは20μm以下である。また下限は、1μm以上であることが好ましい。より好ましくは2μm以上、更に好ましくは3μm以上、特に好ましくは5μm以上、最も好ましくは10μm以上である。
【0051】
光学フィルム40としては特に限定されず、例えば、偏光板、位相差板、光学補償フィルム、輝度向上フィルム及びこれらの積層体等が好適である。中でも、偏光板であることが好ましい。光学フィルム40として偏光板を用いる場合、光学積層体10は、粘着剤層付き偏光板となる。
以下では、光学フィルム40の一例である偏光板40について説明する。
【0052】
偏光板40は、例えば、偏光層(偏光子とも称す)420の観察面側及び背面側の少なくとも一方に、保護層410を有するものが好適である。本実施形態の画像表示装置1では、図5に示すように、偏光層420の両面に保護層410を有するものを、偏光板40として使用する。
【0053】
偏光層420としては特に限定されず、従来公知のものを使用することができる。具体的には例えば、親水性高分子フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の異方性材料を吸着させて一軸延伸したものや、ポリビニルアルコールの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン系配向フィルム等が挙げられる。
【0054】
保護層410としては特に限定されないが、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム等の保護フィルムが好ましく例示される。保護層410は、任意の適切な接着層(図示せず)を介して偏光層420に貼り付けられる。
【0055】
接着層は、隣り合う光学素子や層の面と面とを接合し、実用上充分な接着力と接着時間で一体化させる層である。接着層を形成する材料としては、例えば、接着剤、アンカーコート剤が挙げられる。接着層は、被着体の表面にアンカーコート層が形成され、その上に接着層が形成されたような多層構造であってもよい。また、肉眼的に認知できないような薄い層であってもよい。
【0056】
偏光板40は、円偏光板であってもよいし、直線偏光板であってもよいが、直線偏光板が好適である。また、吸収型偏光板であってもよいし、反射型偏光板であってもよいが、吸収型偏光板が好適である。
【0057】
本実施形態の光学積層体10の製造方法は特に限定されず、例えば、各層を貼合することにより製造することができる。具体的には、まず粘着シートを得た後に光学フィルム40に貼合する方法等によって得ることができる。粘着シートは、例えば、剥離シートの剥離面に、粘着剤組成物を有機溶剤に溶解又は分散させた粘着剤液を塗布してシート状に形成した後、形成された粘着剤層上に更に別の剥離シートを貼合することによって得ることができる。このようにして得た粘着シートは、2枚の剥離シートで粘着剤層が挟持された構造からなる。この粘着シートから一方の剥離シートを剥離して、光学フィルム40(例えば偏光板)に貼合することで、光学積層体10を得ることができる。画像表示装置1を得る際には、粘着シートからもう一方の剥離シートを剥離して、表示パネル20に貼り合わせればよい。但し、この製造方法に限定されるものではない。
【0058】
上記粘着剤液を塗布する方法としては特に限定されず、例えば、バーコート法、ナイフコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法等の通常の塗布法を採用することができる。塗布時には、例えばダイコーター、カンマコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、ワイヤーバーコーター、ドクターブレードコーター、エアドクターコーター等を適宜使用すればよい。本実施形態では、貯蔵弾性率が異なる2種の粘着剤組成物を用いて、この塗布時に、中央部Aと端部Aとに塗り分ける。具体的には例えば、塗布する領域ごとにコーターの入れ替えを行うことで、塗り分けることができる。
【0059】
以下では、本実施形態の光学積層体を備える画像表示装置(本実施形態の画像表示装置とも称す)を例に挙げて説明する。図5は、本実施形態の画像表示装置の断面模式図である。図6は、本実施形態の画像表示装置を、観察面側から見たときの平面模式図である。
以下では、光学積層体10が備える光学フィルム40として、偏光板を用いる場合を例にして説明する。
【0060】
ここで、表示パネル20の観察面側に配置される光学積層体10と、表示パネル20の背面側に配置される光学積層体10とを区別するために、それぞれ光学積層体11、光学積層体12とも称す。光学積層体11が備える粘着剤層50と光学積層体12が備える粘着剤層50とを区別するために、それぞれ粘着剤層51、粘着剤層52とも称す。光学積層体11が備える偏光板40を偏光板41とも称し、光学積層体12が備える偏光板40を偏光板42とも称す。
【0061】
図5に示す通り、本実施形態の画像表示装置1は、表示パネル20の両面(即ち、観察面側及び背面側の両面)に、光学積層体11、12をそれぞれ備える。光学積層体11、12はそれぞれ、粘着剤層51、52が表示パネル20側に配置される。画像表示装置1は、図6に示す通り、表示領域110と、表示領域110の外縁に配置された額縁領域120とを有する。表示領域110は、任意の画像等が表示される領域である。つまり、光源点灯時に、画像表示装置1の観察面側から視認される領域である。一方、額縁領域120は、表示領域110の外縁に額縁状に配置された領域である。額縁領域120は、光を透過しなくてもよい。
【0062】
光学積層体11、12は、上述した本実施形態の光学積層体である限り、互いに同じものであってもよいし、異なるもの(後述の実施形態4を参照)であってもよい。本実施形態では、光学積層体11が備える粘着剤層51と、光学積層体12が備える粘着剤層52とは、同じ構成とした。
【0063】
光学積層体11が有する偏光板41と、光学積層体12が有する偏光板42とは、透過軸が互いに平行になるように配置されてもよいし、互いに直交するように配置されてもよい。即ち偏光板41、42の配置は、パラレルニコル配置でもよいし、クロスニコル配置でもよい。中でも、クロスニコル配置が好ましい。
【0064】
偏光板41、42は、上述したように吸収型偏光板であってもよいし、反射型偏光板であってもよい。両方が吸収型偏光板であってもよいし、一方が反射型偏光板であり、かつ他方が吸収型偏光板であってもよい。
【0065】
表示パネル20は、画像を表示する機能を有するものであればよい。表示パネル20は、画像表示のオン・オフが可能である。表示パネル20としては例えば、液晶パネルや、自発光パネル等が好ましい。表示パネル20として液晶パネルを用いる場合、画像表示装置1は、液晶表示装置となる。
以下では、表示パネル20として液晶パネルを用いる場合を例にして説明する。
【0066】
液晶パネル20は、液晶層を有する表示パネルである。液晶パネル20の構成は特に限定されないが、例えば図5に示す通り、一対の基板230で液晶層240を挟持した構成が挙げられる。具体的には例えば、一方の基板に画素電極及び共通電極が形成された一対の基板間に液晶層を狭持し、画素電極及び共通電極の間に電圧を印加して液晶層に横電界(フリンジ電界を含む)を印加することで表示を行うもの;一方の基板に画素電極、他方の基板に共通電極が形成された一対の基板間に液晶層を狭持し、画素電極及び共通電極の間に電圧を印加して液晶層に縦電界を印加することで表示を行うもの;等が挙げられる。より具体的には、横電界方式としては、電圧無印加時に液晶層中の液晶分子が基板面に対して平行に配向する、FFS(Fringe Field Switching)モードやIPS(In Plane Switching)モード等が挙げられ、縦電界方式としては、電圧無印加時に液晶層中の液晶分子が基板面に対して垂直に配向する、垂直配向(VA:Vertical Alignment)等が挙げられる。
【0067】
液晶パネル20の液晶モードは特に限定されず、液晶層240中の液晶分子を基板面に垂直に配向させることで黒表示を行うものであってもよいし、液晶層240中の液晶分子を基板面に平行又は垂直でも平行でもない方向に配向させることで黒表示を行うものであってもよい。また、液晶パネルの駆動形式としては、TFT方式(アクティブマトリクス方式)の他、単純マトリクス方式(パッシブマトリクス方式)、プラズマアドレス方式等であってもよい。
【0068】
本実施形態の画像表示装置1の製造方法は特に限定されず、例えば、光学積層体10を表示パネル20に貼合することにより製造することができる。その際、表示パネル20に、光学積層体10が有する粘着剤層50が接するように、光学積層体10を配置する。
【0069】
本実施形態の画像表示装置1はまた、光源を有してもよい。表示パネル20として液晶パネルを用いる場合、バックライト30を有することが好適である。図7は、本実施形態の画像表示装置1がバックライト30を備える場合の断面模式図である。
【0070】
光源は、光を照射するものであれば特に限定されず、直下型やエッジ型やその他のどの方式でもよい。具体的には、導光板及び光源を含む光源ユニットと、反射シートと、拡散シートとを備えるものが好ましい。光源としては、例えば、発光ダイオード(LED)を用いることができる。
【0071】
本実施形態の画像表示装置1は、最も観察面側にカバーガラスを有してもよい。本実施形態では、上述した光学積層体10を用いることで、高温環境下でも表示パネル20の反りが充分に抑制されるため、例えば、カバーガラスを貼り付ける際に不良が生じるおそれを充分に排除することができる。
【0072】
本実施形態の画像表示装置1は、上述した部材等の他、TCP(テープ・キャリア・パッケージ)、PCB(プリント配線基板)等の外部回路;視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム等の光学フィルム;ベゼル(フレーム);等の複数の部材により構成されるものであり、部材によっては、他の部材に組み込まれていてもよい。既に説明した部材以外の部材については特に限定されず、画像表示装置の分野において通常使用されるものを用いることができるので、説明を省略する。
【0073】
(実施形態2)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、上記実施形態1と重複する内容については説明を省略する。本実施形態は、粘着剤層50における中央部Aと端部Aとの配置以外は、実施形態1と実質的に同じである。
【0074】
図1は、本実施形態に係る光学積層体の断面模式図でもある。図2は、本実施形態に係る光学積層体を、その粘着剤層側から見たときの平面模式図でもある。図8は、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aと、貯蔵弾性率Gを有する端部Aとの配置関係(平面視)を概念的に示す図である。図5は、本実施形態の画像表示装置の断面模式図でもある。図6は、本実施形態の画像表示装置を、観察面側から見たときの平面模式図でもある。
【0075】
本実施形態では、粘着剤層50のうち領域510は、図8に示すように平面視で長方形である。この長方形の短辺側の端部を、貯蔵弾性率Gを有する端部Aとし、その他の中心点xを含む部分を、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aとして区別している(図8参照)。本実施形態では、長辺の中点から頂点までの線分を3:1で区切り、長辺の中点を含む部分を中央部Aとし、それ以外の部分(つまり短辺側の部分)を端部Aとしている。上記線分の区切り方は特に限定されないが、例えば、線分比(A:A)を0.8~20:1の範囲内で調整することが好ましい。より好ましくは1~10:1である。
【0076】
本実施形態の光学積層体10の製造方法は特に限定されず、例えば上述したように、粘着シートを得た後に光学フィルム40に貼合する方法等によって得ることができる。本実施形態では、上記粘着剤液を塗布する際に、塗布する領域ごとにコーターの入れ替えを行う必要がない。例えば、コーターに2種類の粘着剤組成物をセットした後、短辺方向に1回で塗布するだけで、貯蔵弾性率が異なる2種の粘着剤組成物を、中央部Aと端部Aとに塗り分けることができる。それゆえ、本実施形態は、実施形態1よりも工数を減らすことができ、製造面でより有利である。コスト面でもより有利である。
【0077】
(実施形態3)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、上記実施形態1と重複する内容については説明を省略する。本実施形態は、表示パネル20に光学積層体10を貼合する際に、該光学積層体10が備える粘着剤層50が上記関係式(1)を満たすことになること以外は、実施形態1と実質的に同じである。即ち、光学積層体と表示パネルとを備える画像表示装置を製造する方法であって、上記光学積層体は光学フィルムと粘着剤層とを備え、上記製造方法は、上記表示パネルに上記光学積層体を貼付する貼付工程を含み、上記貼付工程は、上記粘着剤層が上記関係式(1)を満たすように行われる、画像表示装置の製造方法も、本発明の一実施形態である。また、光学積層体と表示パネルとを備える画像表示装置であって、上記光学積層体は光学フィルムと粘着剤層とを備え、上記粘着剤層は上記関係式(1)を満たす、画像表示装置も、本発明の一実施形態である。
【0078】
図5は、本実施形態の画像表示装置の断面模式図でもある。図6は、本実施形態の画像表示装置を、観察面側から見たときの平面模式図でもある。図9は、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aと、貯蔵弾性率Gを有する端部Aとの配置関係(平面視)を概念的に示す図である。
【0079】
本実施形態では、表示パネル20に光学積層体10を貼合する工程(貼合工程とも称す)を、光学積層体10が備える粘着剤層50が上記関係式(1)を満たすように行われる。貼合工程に供される光学積層体10は、上記関係式(1)を満たさなくてもよい。本実施形態では、粘着剤層50を与える粘着剤組成物の貯蔵弾性率の調整や、粘着剤組成物の塗り分けが不要になるため、製造が容易になる。また、後工程によって、エリア毎に貯蔵弾性率の違いを持たせることが可能になる。
【0080】
貼合工程としては例えば、以下の工程が好ましい態様として挙げられる。だが、以下の工程のみに限定されない。
(i)粘着剤層50を与える粘着剤組成物として活性エネルギー線硬化型組成物を使用し、粘着剤層50が表示パネル20側に配置されるように光学積層体10を重ね合わせた後、この全体に活性エネルギー線を照射し、更に粘着剤層50の中央部にのみ活性エネルギー線の追加照射を行う工程。
(ii)粘着剤層50を与える粘着剤組成物として熱硬化型組成物を使用し、粘着剤層50が表示パネル20側に配置されるように光学積層体10を重ね合わせた後、熱硬化を行う工程であって、粘着剤層50の中央部の熱硬化を端部よりも長時間行う工程。
(iii)表示パネル20の粘着剤層50側の表面(本実施形態では基板230)のうち、粘着剤層50の中央部に対応する部分に、硬化剤を塗布した後、粘着剤層50が該表面側に配置されるように光学積層体10を重ね合わせ、その後、硬化させる工程。
【0081】
粘着剤層50の中央部とは、粘着剤層50における画像表示装置1の表示領域110に相当する領域510のうち、領域510の厳密な中心点(中心点xと称す)を含む部分を意味する。即ち貼合工程後に、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aとなる部分である。好ましくは、領域510の厳密な中心点xを含み、かつ領域510の総面積100%に対し面積が30%以上90%以下となる部分である。この面積の下限は50%以上であることがより好ましく、50%を超えることが更に好ましい。また、この面積の上限は80%以下であることがより好ましい。
【0082】
上記工程(i)に関し、活性エネルギー線としては特に限定されないが、例えば、紫外線(UV)が好ましい。紫外線硬化により得られる硬化物の貯蔵弾性率は、紫外線照射量によって異なる。温度に関わらず(例えば-20~120℃のどの温度においても)、紫外線照射量が大きいほど貯蔵弾性率が上昇する。それゆえ、紫外線が追加照射された部分のみ貯蔵弾性率が大きくなるため、当該工程後の粘着剤層50は、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aと、貯蔵弾性率がGよりも小さいGを有する端部Aとを有することになる。紫外線照射量は特に限定されず、例えば0を超えて780mJ/cm以下の範囲内で適宜設定すればよい。
【0083】
上記工程(ii)に関し、熱硬化により得られる硬化物の貯蔵弾性率は、熱硬化時間によって異なる。即ち加熱時間が長いほど、貯蔵弾性率が上昇する。それゆえ、加熱時間を長く行った部分のみ貯蔵弾性率が大きくなるため、当該工程後の粘着剤層50は、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aと、貯蔵弾性率がGよりも小さいGを有する端部Aとを有することになる。加熱温度は特に限定されず、例えば100~300℃の範囲内で適宜設定すればよい。加熱時間も特に限定されず、例えば5~1000分の範囲内で適宜設定すればよい。
【0084】
上記工程(iii)では、硬化剤が塗布された部分で部分的に架橋が促進される。それゆえ、当該工程後の粘着剤層50は、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aと、貯蔵弾性率がGよりも小さいGを有する端部Aとを有することになる。硬化剤としては特に限定されず、用いる粘着剤組成物の主成分に応じて適切なものを使用すればよい。具体的には、例えば、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤等が好適であり、1種又は2種以上用いることができる。
【0085】
イソシアネート系硬化剤としては例えば、ポリイソシアネート化合物、ポリイソシアネート化合物の三量体、ポリイソシアネート化合物とポリオール化合物とを反応させて得られるイソシアネート基を末端に有するウレタンプレポリマー、ウレタンプレポリマーの三量体等が挙げられる。ポリイソシアネート化合物としては例えば、2,4-トリレンジイソシアネート、2,5-トリレンジイソシアネート、1,3-キシリレンジイソシアネート、1,4-キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン-4,4′-ジイソシアネート、3-メチルジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4′-ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-2,4′-ジイソシアネート、リジンイソシアネート等が挙げられる。なお、2~6官能のイソシアネート系硬化剤も好適であり、例えば、3官能のトリメチロールプロパン変性トルエンジイソシアネートアダクト、3官能のトルエンジイソシアネートトライマー、トリメチロールプロパン変性キシレンジイソシアネートアダクト、6官能トリメチロールプロパン変性トルエンジイソシアネート、6官能イソシアヌレート変性トルエンジイソシアネート等が挙げられる。
【0086】
エポキシ系硬化剤としては例えば、ビスフェノールAエピクロロヒドリン型エポキシ樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリブタジエンジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)ベンゼン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン等が挙げられる。
【0087】
(実施形態4)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、上記実施形態1と重複する内容については説明を省略する。本実施形態では、光学積層体11が備える粘着剤層と光学積層体12が備える粘着剤層とを異なる構成としたこと以外は、実施形態1と実質的に同じである。光学積層体11が備える粘着剤層50と光学積層体12が備える粘着剤層50とを区別するために、それぞれ粘着剤層51、粘着剤層52とも称す。
【0088】
図1は、本実施形態に係る光学積層体の断面模式図でもある。図2は、本実施形態に係る光学積層体を、その粘着剤層側から見たときの平面模式図でもある。図5は、本実施形態の画像表示装置の断面模式図でもある。図6は、本実施形態の画像表示装置を、観察面側から見たときの平面模式図でもある。
【0089】
ここで、光学フィルム40として偏光板を用い、これを表示パネル20に貼合した場合には、上述したように、表示パネル20において、偏光板40の吸収軸方向の反りが大きくなると考えられる。また偏光板40として反射型偏光板を用いた場合は、反射軸方向の反りが大きくなると考えられる。そこで本実施形態では、粘着剤層50(粘着剤層51、52)はそれぞれ、貼合する偏光板40の吸収軸方向(又は反射軸方向)aを考慮して、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aと、貯蔵弾性率Gを有する端部Aとを設定する。具体的には、端部Aの領域が、偏光板40の吸収軸方向(又は反射軸方向)aと平行な方向に広くなる(つまり中心点xに近づく方向に広くなる)ように設計する。これにより、反りを更に低減することが可能になる。
【0090】
例えば、図10及び図11で示すように、粘着剤層50の領域510が平面視で長方形であり、中央部Aも平面視で長方形であって、かつ中央部Aの周囲(即ち領域510の四辺を含む部分)を端部Aとする場合を例にして説明する。ここでは、領域510の中心点xから長辺の中点までの線分をL:1で、かつ領域510の中心点xから短辺の中点までの線分をL:1で区切り、該中心点xを含む部分を中央部Aとし、それ以外の部分を端部Aとする。貼合する偏光板40の吸収軸方向(又は反射軸方向)aが領域510の長辺と平行である場合は、L>Lとなるように設計する(図10参照)。一方、貼合する偏光板40の吸収軸方向(又は反射軸方向)aが領域510の短辺と平行である場合は、L>Lとなるように設計する(図11参照)。図10及び図11は、偏光板40の吸収軸方向(又は反射軸方向)aとの関係で、貯蔵弾性率Gを有する中央部Aと、貯蔵弾性率Gを有する端部Aとの配置関係(平面視)を検討した概念図である。
【0091】
本実施形態の画像表示装置1において、光学積層体11が有する偏光板41と、光学積層体12が有する偏光板42とをクロスニコル配置にする場合は、光学積層体11が有する粘着剤層51又は光学積層体12が有する粘着剤層52のいずれか一方が、図10で示される構成となり、その他方が、図11で示される構成となるようにする。
【0092】
(実施形態5)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、上記実施形態1と重複する内容については説明を省略する。本実施形態の画像表示装置は、光学積層体11が備える粘着剤層と光学積層体12が備える粘着剤層とを異なる構成とし、かつ表示パネル20として、断面視において表示面が湾曲形状であるものを用いること以外は、実施形態1で述べた画像表示装置と実質的に同じである。
【0093】
図1は、本実施形態の画像表示装置に用いる光学積層体の断面模式図でもある。図2は、実施形態の画像表示装置に用いる光学積層体を、その粘着剤層側から見たときの平面模式図でもある。図5は、本実施形態の画像表示装置の断面模式図でもある。図6は、本実施形態の画像表示装置を、観察面側から見たときの平面模式図でもある。
【0094】
図5に示す通り、本実施形態の画像表示装置1は、観察面側から背面側に向かって順に、光学積層体(第一の光学積層体とも称す)11と、表示パネル20と、光学積層体(第二の光学積層体とも称す)12と、を備える。光学積層体11、12はそれぞれ、光学フィルム40と粘着剤層50とを備えるが(図1参照)、光学積層体11が備える粘着剤層50と光学積層体12が備える粘着剤層50とを区別するために、それぞれ粘着剤層51、粘着剤層52とも称す。光学積層体11が備える偏光板40を偏光板41とも称し、光学積層体12が備える偏光板40を偏光板42とも称す。光学積層体11、12はそれぞれ、粘着剤層51、52が表示パネル20側に配置される。
【0095】
画像表示装置1は、図6に示す通り、表示領域110と、表示領域110の外縁に配置された額縁領域120とを有する。光学積層体11、12が備える粘着剤層51、52はそれぞれ、画像表示装置1の表示領域110に相当する領域510と、画像表示装置1の額縁領域120に相当する領域520と、を有する(図2参照)。
【0096】
第一の光学積層体11が有する粘着剤層51及び第二の光学積層体12が有する粘着剤層52は、下記関係式(2)及び(3)を満たす。
11>G22 (2)
21>G22 (3)
式中、G11は、粘着剤層51のうち領域510の中央部の貯蔵弾性率を表す。G21は、粘着剤層52のうち領域510の中央部の貯蔵弾性率を表す。G22は、粘着剤層52のうち該領域510の端部の貯蔵弾性率を表す。G11、G21及びG22のいずれも、使用環境温度での貯蔵弾性率を表す。即ち粘着剤層52は、貯蔵弾性率G21を有する部分A21(中央部)と、貯蔵弾性率がG21よりも小さいG22を有する部分A22(端部)と、を有し、かつ粘着剤層51は、その少なくとも中央部に、粘着剤層52の端部A22の貯蔵弾性率G22よりも大きい貯蔵弾性率G11を有する部分A11を有する。
【0097】
粘着剤層51のうち領域510は、図12に示すように平面視で長方形である。本実施形態では、この領域510は、貯蔵弾性率G11を有する部分A11のみからなる(図12参照)。即ち粘着剤層51として、その全面が貯蔵弾性率G11を示すものを用いる。図12は、図13と対比しやすいように、第一の光学積層体が有する粘着剤層において、貯蔵弾性率G11を有する部分A11を概念的に示す図である。
【0098】
粘着剤層52のうち領域510は、図13に示すように平面視で長方形である。この長方形の短辺側の端部を、貯蔵弾性率G22を有する端部A22とし、その他の中心点xを含む部分を、貯蔵弾性率G21を有する中央部A21として区別している(図13参照)。本実施形態では、長辺の中点から頂点までの線分を3:1で区切り、長辺の中点を含む部分を中央部A21とし、それ以外の部分(つまり短辺側の部分)を端部A22としている。上記線分の区切り方は特に限定されないが、例えば、線分比(A21:A22)を0.8~20:1の範囲内で調整することが好ましい。より好ましくは1~10:1である。図13は、第二の光学積層体が有する粘着剤層において、貯蔵弾性率G21を有する中央部A21と、貯蔵弾性率G22を有する端部A22との配置関係(平面視)を概念的に示す図である。
【0099】
上述した通り、粘着剤層52の中央部A21の貯蔵弾性率G21は、粘着剤層52の端部A22の貯蔵弾性率G22よりも大きい。また、粘着剤層51の部分A11(本実施形態では粘着剤層51全面に該当する。)の貯蔵弾性率G11もまた、粘着剤層52の端部A22の貯蔵弾性率G22よりも大きい。使用環境温度(単位:℃)をTと表記すると、G11及びG21は、それぞれ、{(-5.7×10×T)+(1.2×10)}Pa以上であることが好ましい。また、{(-5.7×10×T)+(1.25×10)}Pa以下であることが好ましい。G22は、{(-5.7×10×T)+(7.5×10)}Pa以上であることが好ましい。G22はまた、{(-5.7×10×T)+(8.0×10)}Pa以下であることが好ましい。なお、少なくとも使用環境温度が60℃において、G11、G21及びG22が上記範囲内となることが好適である。より好ましくは、-30~95℃の全範囲で、G11、G21及びG22がこれらの範囲内となることである。
【0100】
例えば使用環境温度が95℃である場合に、G11及びG21は、それぞれ、6.58×10Pa以上、7.08×10Pa以下であることが好適であり、G22は、2.08×10Pa以上、2.58×10Pa以下であることが好適である。また、使用環境温度が60℃である場合には、G11及びG21は、それぞれ、8.5×10Pa以上、9.0×10Pa以下であることが好適であり、G22は、4.0×10Pa以上、4.5×10Pa以下であることが好適である。
【0101】
11とG21とは、同じ値であってもよいし、異なっていてもよい。中でも、同じ値であることが好ましい。即ち粘着剤層51及び粘着剤層52は、更に下記関係式(4)を満たすことがより好適である。
11=G21 (4)
【0102】
粘着剤層52及びこれを備える第二の光学積層体12について、本実施形態で詳述した内容以外の好ましい形態や製法等は、実施形態2で述べたそれらと同様である。粘着剤層51及びこれを備える第一の光学積層体11の好ましい形態や製法等は、粘着剤層51の全面が貯蔵弾性率G11を示すこと以外は、実施形態1で述べた粘着剤層50のそれらと同様である。
【0103】
表示パネル20としては、断面視において表示面が湾曲形状であるものを用いる。本実施形態では特に、断面視において、表示パネル20の観察面側が凹状、背面側が凸状となる湾曲形状を想定している。即ち本実施形態では、第一の光学積層体11が、表示パネル20の凹状側に位置し、第二の光学積層体12が、表示パネル20の凸状側に位置する。
【0104】
ここで、湾曲形状の表示パネル(湾曲パネルとも称す)では、断面視で平面形状の表示パネルとは異なって、凹状側(内側とも称す)に圧縮応力が働き、凸状側(外側とも称る)には引っ張り応力が働いている。例えば湾曲パネル20の両面に偏光板41、42が貼付された構造の積層体を例にして説明すると、図14に示すように、湾曲パネル20の内側に配置された偏光板41には、湾曲パネル20を構成する基板(例えばガラス板)によって圧縮応力Yが働いている。一方で、湾曲パネル20の外側に配置された偏光板42には、湾曲パネル20を構成する基板(例えばガラス板)によって引張応力Xが働いている。この状態の湾曲パネル20を、高温環境下にて例えばエージングした場合、湾曲パネル20内側の偏光板41では、熱によって偏光板41が収縮するため、圧縮応力Yが次第に緩和される。一方で、湾曲パネル20外側の偏光板42では、熱により偏光板42が収縮するため、上記の引張応力(張力とも称す)Xに加えて、更に張力が増加する。それゆえ、湾曲パネル20が湾曲形状を保持することが困難になることがある。この場合、湾曲形状を保持させるために強制的に外力をかける必要が生じたり、また、湾曲パネル20に支持フレームを取り付ける際に支持フレームへの負担が大きくなったりすることが懸念される。図14は、湾曲形状の表示パネルの両面に働く力を説明するための図である。
【0105】
だが本実施形態の画像表示装置1では、表示パネル20の凹状側に位置する光学積層体11が有する粘着剤層51と、凸状側に位置する光学積層体12が有する粘着剤層52とが、上記関係式(2)及び(3)を満たすことで、凸状側(本実施形態では背面側)では、粘着剤層52の端部A22の貯蔵弾性率G22によって張力Xが逃がされ、凹状側(本実施形態では観察面側)では、表示パネル20が湾曲した状態で偏光板41に圧縮応力Yがかからない状態になる。これにより、高温環境下で湾曲パネル20の湾曲形状を保持でき、高温環境下に暴露した後にもその形状を充分に保持することが可能になる。このように本実施形態の画像表示装置1は、外力を要することなく表示パネル20の湾曲形状を容易に保持でき、しかも表示パネル20を支持フレームに取り付けする際に支持フレームへの負担を軽減することができるため、極めて有用である。このような画像表示装置1はまた、表示面のゆず肌の発生防止効果も期待できる。
【0106】
(実施形態5の変形例1)
上記実施形態5では、断面視において、観察面側が凹状、背面側が凸状となる湾曲形状の表示パネル20を用いるが、表示パネル20の観察面側が凸状、背面側が凹状となる湾曲形状であってもよい。本変形例は、断面視において、観察面側が凸状、背面側が凹状となる湾曲形状の表示パネル20を用いる例である。本変形例では、表示パネル20の凸状側(本変形例では観察面側)に、上記実施形態5でいう第二の光学積層体12を配置し、表示パネル20の凹状側(本変形例では観察面側)に、上記実施形態5でいう第一の光学積層体11を配置する。即ち本実施形態でも、第一の光学積層体11が、表示パネル20の凹状側に位置し、第二の光学積層体12が、表示パネル20の凸状側に位置する。
【0107】
(実施形態5の変形例2)
上記実施形態5では、第一の光学積層体11が有する粘着剤層51は、画像表示装置1の表示領域110に相当する領域510が貯蔵弾性率G11を有する部分A11のみからなる。だが、粘着剤層51は、領域510が貯蔵弾性率G11を有する部分A11(中央部)と、貯蔵弾性率がG11よりも小さいG12を有する部分A12(端部)と、を有するものであってもよい。本変形例は、このような粘着剤層51を備える例である。即ち変形例では、第一の光学積層体11が有する粘着剤層51は、下記関係式(5)を満たす。
11>G12 (5)
式中、G11は、粘着剤層51のうち領域510の中央部の貯蔵弾性率を表す。G12は、粘着剤層51のうち該領域510の端部の貯蔵弾性率を表す。G11及びG12のいずれも、使用環境温度での貯蔵弾性率を表す。従って、粘着剤層51は、貯蔵弾性率G11を有する部分A11(中央部)と、貯蔵弾性率がG11よりも小さいG12を有する部分A12(端部)と、を有する。
【0108】
上述した通り、粘着剤層51の中央部A11の貯蔵弾性率G11は、粘着剤層51の端部A12の貯蔵弾性率G12よりも大きい。使用環境温度(単位:℃)をTと表記すると、G12は、{(-5.7×10×T)+(7.5×10)}Pa以上であることが好ましい。また、{(-5.7×10×T)+(8.0×10)}Pa以下であることが好ましい。なお、少なくとも使用環境温度が60℃において、G12が上記範囲内となることが好適である。より好ましくは、-30~95℃の全範囲で、G12が上記範囲内となることである。例えば使用環境温度が95℃である場合、G12は、2.08×10Pa以上、2.58×10Pa以下であることが好適である。また、使用環境温度が60℃である場合には、G12は、4.0×10Pa以上、4.5×10Pa以下であることが好適である。
【0109】
粘着剤層51のうち領域510の端部A12の貯蔵弾性率G12はまた、第二の光学積層体12が有する粘着剤層52のうち領域510の中央部A21の貯蔵弾性率G21との関係で、下記関係式(6)を満たすことが好適である。即ち本変形例では、更に、第一の光学積層体11が有する粘着剤層51及び第二の光学積層体12が有する粘着剤層52が、下記関係式(6)を満たすことが好ましい。
21>G12 (6)
なお、G12と、第二の光学積層体12が有する粘着剤層52のうち領域510の端部A22の貯蔵弾性率G22と、の大小関係は、特に限定されない。両者が同じ値であってもよいし、異なっていてもよい。
【0110】
粘着剤層51における中央部A11と端部A12との配置関係は特に限定されない。例えば、実施形態1で述べた粘着剤層50(図4参照)と同様の形態や、実施形態2で述べた粘着剤層50(図8参照)と同様の形態等が挙げられる。粘着剤層51及びこれを備える第一の光学積層体11について、実施形態5及び本変形例で詳述した内容以外の好ましい形態や製法等は、実施形態1及び2で述べたそれらと同様である。
【0111】
(実施形態6)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、上記実施形態5及び実施形態1と重複する内容については説明を省略する。本実施形態は、第二の光学積層体12が有する粘着剤層52における中央部A21と端部A22との配置以外は、上記実施形態5と実質的に同じである。
【0112】
図1は、本実施形態の画像表示装置に用いる光学積層体の断面模式図でもある。図2は、実施形態の画像表示装置に用いる光学積層体を、その粘着剤層側から見たときの平面模式図でもある。図5は、本実施形態の画像表示装置の断面模式図でもある。図6は、本実施形態の画像表示装置を、観察面側から見たときの平面模式図でもある。図12は、第一の光学積層体が有する粘着剤層において、貯蔵弾性率G11を有する部分A11を概念的に示す図である。
【0113】
粘着剤層52のうち領域510は、図15に示すように平面視で長方形である。この長方形の頂点から引いた一対の対角線の交点(これが「領域510の厳密な中心点x」に相当する。)からの距離で、貯蔵弾性率G21を有する中央部A21と、貯蔵弾性率G22を有する端部A22とを区別している。本実施形態では、対角線の交点(中心点x)から各頂点までの線分を3:1で区切り、中心点xを含む部分を中央部A21とし、それ以外の部分を端部A22としている。なお、上記線分の区切り方は特に限定されないが、例えば線分比(A21:A22)を0.8~20:1の範囲内で調整することが好ましい。より好ましくは1~10:1である。但し、線分の比率はこれらの比率に限定されず、中央部A21の貯蔵弾性率G21が、端部A22の貯蔵弾性率G22よりも大きければよい。図15は、第二の光学積層体が有する粘着剤層において、貯蔵弾性率G21を有する中央部A21と、貯蔵弾性率G22を有する端部A22との配置関係(平面視)を概念的に示す図である。
【0114】
ここで、光学フィルム40(図5中の41、42)として偏光板を用いる場合について検討する。本実施形態では、表示パネル20の観察面側に位置する光学積層体11が有する粘着剤層51は、全面が同じ貯蔵弾性率であるため(図12参照)、背面側に位置する光学積層体12が有する粘着剤層52にのみ、貯蔵弾性率が異なる部分が存在する(図15参照)。このような光学積層体12が備える偏光板42の吸収軸方向(又は反射軸方向)aが、例えば領域510の短辺と平行である場合には、この短辺方向に反りが発生する可能性が考えられる。だが本実施形態では、粘着剤層52における中央部A21と端部A22との配置関係が図15に示す形態(即ち、図13に示す形態とは異なって、短辺側付近だけでなく長辺側付近にも貯蔵弾性率G22を有する端部A22が存在する形態)となるように粘着剤組成物を塗布することで、上記実施形態5(図13参照)よりも、この反りの発生をより充分に抑制することが可能になる。従って、本実施形態の画像表示装置1は、表示パネル20の反りを低減し、かつ表示面のゆず肌と称される凹凸の発生を防止できると同時に、表示パネル20として湾曲パネルを使用した際に外力を要することなくその湾曲形状を容易に保持できるという点で、著しく優れた効果を発揮できるものである。
【0115】
粘着剤層52及びこれを備える第二の光学積層体12について、実施形態5及び本実施形態で詳述した内容以外の好ましい形態や製法等は、実施形態1で述べた粘着剤層50のそれらと同様である。
【0116】
(実施形態7)
本実施形態では、本実施形態に特有の特徴について主に説明し、上記実施形態5及び実施形態1と重複する内容については説明を省略する。本実施形態は、第一の光学積層体11が有する粘着剤層51も上記関係式(1)(即ち上記関係式(5))を満たすこと、第二の光学積層体12が有する粘着剤層52における中央部A21と端部A22との配置関係、及び、大型サイズの画像表示装置を想定していること、以外は、上記実施形態5と実質的に同じである。
【0117】
図1は、本実施形態の画像表示装置に用いる光学積層体の断面模式図でもある。図2は、実施形態の画像表示装置に用いる光学積層体を、その粘着剤層側から見たときの平面模式図でもある。図5は、本実施形態の画像表示装置の断面模式図でもある。図6は、本実施形態の画像表示装置を、観察面側から見たときの平面模式図でもある。
【0118】
画像表示装置1が60インチや70インチ等の大型サイズである場合、例えば12インチ程度の中小型サイズに比べ、高温環境下での熱収縮(例えば高温エージングによる偏光板の収縮)が大きくなる傾向がある。従って、表示パネル20の反りを更に低減するために、本実施形態では、表示パネル20の両面に位置する粘着剤層50(即ち粘着剤層51及び52)のいずれをも、上記関係式(1)を満たすものとする。即ち第一の光学積層体11が有する粘着剤層51及び第二の光学積層体12が有する粘着剤層52は、下記関係式(2)、(3)及び(5)を満たす。各記号はそれぞれ上述した通りであり、好ましい数値範囲もそれぞれ上述した通りである。
11>G22 (2)
21>G22 (3)
11>G12 (5)
【0119】
中でも、下記関係式(4)を満たすことが好ましく、また、下記関係式(6)を満たすことが好ましい。より好ましくは、下記関係式(4)及び(6)を満たすことである。
11=G21 (4)
21>G12 (6)
【0120】
ここで、上述したように表示パネル20では、偏光板として吸収型偏光板を用いた場合は吸収軸方向aの反りが大きくなり、反射型偏光板を用いた場合は反射軸方向aの反りが大きくなると考えられる。これは湾曲形状の表示パネル20にも当てはまる。それゆえ、粘着剤層51、52はそれぞれ、貼合する偏光板41、42の吸収軸方向(又は反射軸方向)aを考慮して、貯蔵弾性率G11、G21を有する中央部A11、A21と、貯蔵弾性率G12、G22を有する端部A12、A22とを設定することが好ましい。
【0121】
一般的な湾曲形状の表示パネル20は、平面視で長方形であり、その横方向が長辺方向となる。この形状を考慮すると、表示パネル20の観察面側に位置する偏光板41は、その吸収軸方向又は反射軸方向aが、表示パネル20の長辺方向に平行な方向となるように配置されると考えられる。従って、粘着剤層51では、短辺側付近の端部A12の貯蔵弾性率G12を、中央部A11の貯蔵弾性率G11よりも低くすることが好ましい(図16参照)。一方、クロスニコル配置の場合、表示パネル20の背面側に位置する偏光板42は、その吸収軸方向又は反射軸方向aが、表示パネル20の短辺方向に平行な方向となるように配置される。この場合、短辺方向に反りが発生してしまう可能性がある。そこで、表示パネル20の背面側に位置する粘着剤層52では、短辺側付近の端部A12だけでなく、長辺側付近の端部A12も、中央部A11の貯蔵弾性率G11よりも低くすることが好ましい(図17参照)。
【0122】
粘着剤層51のうち領域510は、図16に示すように平面視で長方形である。この長方形の短辺側の端部を、貯蔵弾性率G12を有する端部A12とし、その他の中心点xを含む部分を、貯蔵弾性率G11を有する中央部A11として区別する(図16参照)。図16は、第一の光学積層体が有する粘着剤層において、貯蔵弾性率G11を有する中央部A11と、貯蔵弾性率G12を有する端部A12との配置関係(平面視)を概念的に示す図である。
【0123】
粘着剤層52のうち領域510は、図17に示すように平面視で長方形である。中央部A21も平面視で長方形とし、中央部A21の周囲(即ち領域510の四辺を含む部分)を端部A22とする(図17参照)。図17は、第二の光学積層体が有する粘着剤層において、貯蔵弾性率G21を有する中央部A21と、貯蔵弾性率G22を有する端部A22との配置関係(平面視)を概念的に示す図である。
【0124】
粘着剤層51及びこれを備える第一の光学積層体11、並びに、粘着剤層52及びこれを備える第二の光学積層体12について、本実施形態で詳述した内容以外の好ましい形態や製法等は、実施形態1及び2で述べたそれらと同様である。
【0125】
(実施形態7の変形例1)
上記実施形態7では、上記実施形態5において述べた通り、断面視において、観察面側が凹状、背面側が凸状となる湾曲形状の表示パネル20を用いるが、表示パネル20の観察面側が凸状、背面側が凹状となる湾曲形状であってもよい。本変形例は、断面視において、観察面側が凸状、背面側が凹状となる湾曲形状の表示パネル20を用いる例である。本変形例では、表示パネル20の凸状側(本変形例では観察面側)に、上記実施形態7でいう第二の光学積層体12を配置し、表示パネル20の凹状側(本変形例では観察面側)に、上記実施形態7でいう第一の光学積層体11を配置する。即ち本実施形態でも、第一の光学積層体11が、表示パネル20の凹状側に位置し、第二の光学積層体12が、表示パネル20の凸状側に位置する。
【0126】
以上、本発明の実施形態について説明したが、説明された個々の事項は、すべて本発明全般に対して適用され得るものである。
【0127】
以下に実施例及び比較例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、以下の示す実施例では、特に断りのない限り、表示パネル20として、平面形状が長方形であり、かつ一対のガラス板(基板)で液晶層が挟持された構造の液晶パネルを用い、また、偏光板41、42として吸収型直線偏光板を用いる。
【0128】
(試験例1~5)
粘着剤の貯蔵弾性率と表示パネルの反り量との相関を調べるために、以下の評価試験を行った。
(1)評価サンプル
図18で示される構造を有するサンプルを使用した。
即ち評価サンプルは、図18で示されるように、粘着剤層50の一方の面に偏光板40が貼合され、他方の面にガラス板230が貼合された構成からなる。ガラス板230のサイズは、297mm×120mm×0.55mmである。偏光板40として吸収型直線偏光板を用いた。
(2)粘着剤の種類
各試験例において、表1に示すNo.1~No.5の5種類の粘着剤(粘着シート)をそれぞれ用いた。各粘着シートの厚みと60℃での貯蔵弾性率を表1に示す。
(3)評価方法
恒温槽の温度を60℃に設定し、各評価サンプルをこの恒温槽の中に投入した。投入から2週間後(即ち336時間後)に評価サンプルを取り出して、反り量(mm)を測定した。結果を、図19のグラフに示す。図19は、試験例1~5の結果を、粘着剤の貯蔵弾性率と表示パネルの反り量との関係で検討したグラフである。
【0129】
【表1】
【0130】
図19より、粘着剤の貯蔵弾性率が上昇するにつれ、表示パネルの反り量が大きくなるということが分かる。
【0131】
(試験例6)
偏光板40の吸収軸方向aの反り量と、偏光板40の透過軸方向bの反り量とを比較検討するために、以下の評価試験を行った。
(1)評価サンプル
評価サンプルは、厚さ0.3mmのガラスの片面に吸収型直線偏光板(日東電工社製)を貼合したものである。吸収軸方向aの反り量と透過軸方向bの反り量とをそれぞれ個別に調査するために、以下のサンプル1及びサンプル2をそれぞれ作製して、各々評価した。
サンプル1:平面の大きさが5mm×90mmである、細長い形状とする。この平面の長辺(長さ90mmの辺)方向と偏光板の吸収軸方向aとが平行で、かつ短辺(長さ5mmの辺)方向と偏光板の透過軸方向bとが平行になるように、偏光板を配置する。
サンプル2:平面の大きさが5mm×90mmである、細長い形状とする。この平面の長辺(長さ90mmの辺)方向と偏光板の透過軸方向bとが平行で、かつ短辺(長さ5mmの辺)方向と偏光板の吸収軸方向aとが平行になるように、偏光板を配置する。
(2)評価方法
恒温槽の温度を95℃に設定し、各評価サンプルをこの恒温槽の中に投入し、95℃で2時間放置した後、25℃環境下で1時間放置した。評価サンプルを取り出して、反り量(mm)を測定した。測定は、定盤上に、反りの凸面を下にして設置し、評価サンプル端部と定盤との隙間をシックネスゲージで測定するものとする。結果を図20に示す。図20は、試験例6の結果を示すグラフである。図20中、aは、サンプル1の結果(即ち、吸収軸方向aの反り量に該当する。)であり、bは、サンプル2の結果(即ち、透過軸方向bの反り量に該当する。)である。
【0132】
図20より、透過軸方向bの反り量よりも、吸収軸方向aの反り量が大きいことが分かる。なお、反射型偏光板でも、透過軸方向bの反り量よりも、反射軸方向aの反り量が大きくなる。
【0133】
(実施例1)
本例の光学積層体及び画像表示装置はそれぞれ、上記実施形態1の光学積層体及び画像表示装置に対応する(図1図2図4図5図6及び図7参照)。
【0134】
本例の画像表示装置1は、観察面側から背面側に向かって順に、光学積層体11、表示パネル20、光学積層体12及びバックライト30を備える。光学積層体11、12はそれぞれ、偏光板41、42と粘着剤層50とを備える。偏光板41、42はそれぞれ、偏光層420の両面に保護層410を有する構成からなる。光学積層体11、12は、これらが有する偏光板41、42の透過軸が互いに直交するように配置されている。光学積層体11、12は、これらが有する粘着剤層50が、表示パネル20が備える一対の基板(ガラス板)230に接するように配置されている。
【0135】
光学積層体11、12を作製する際には、これらが有する粘着剤層50はいずれも、領域510が、図4に示すように平面視で長方形であり、また、中心点xから各頂点までの線分を3:1で区切り、中心点xを含む部分を中央部Aとし、それ以外の部分を端部Aとする。中央部Aの貯蔵弾性率(60℃)は、8.5×10Pa以上、9.0×10Pa以下になるように調整し、端部Aの貯蔵弾性率(60℃)は、4.08×10Pa以上、4.58×10Pa以下になるように調整する。
【0136】
(実施例2)
本例の光学積層体及び画像表示装置はそれぞれ、上記実施形態2の光学積層体及び画像表示装置に対応する(図1図2図5図6図7及び図8参照)。
【0137】
本例は、光学積層体11、12が有する粘着剤層50における中央部Aと端部Aとの配置以外は、実施例1と実質的に同じである。光学積層体11、12が有する粘着剤層50はいずれも、領域510が、図8に示すように平面視で長方形であり、また、長辺の中点から頂点までの線分を3:1で区切り、長辺の中点を含む部分を中央部Aとし、それ以外の部分(つまり短辺側の部分)を端部Aとする。中央部Aの貯蔵弾性率(60℃)は、8.5×10Pa以上、9.0×10Pa以下になるように調整し、端部Aの貯蔵弾性率(60℃)は、4.08×10Pa以上、4.58×10Pa以下になるように調整する。
【0138】
(実施例3-1)
実施例3-1の画像表示装置は、上記実施形態3の画像表示装置に対応する(図5図6図7及び図9参照)。
【0139】
まず光学積層体10を2個(光学積層体11、12)作製した。光学積層体11、12はそれぞれ、偏光板40(偏光板41、42)と粘着剤層50とを備える。偏光板41、42はそれぞれ、偏光層420の両面に保護層410を有する構成からなる。本例では、粘着剤層50を与える粘着剤組成物として紫外線硬化型組成物を1種類用い、粘着剤層50において塗り分けは行わない。即ち光学積層体11、12が有する粘着剤層50の貯蔵弾性率は、それぞれ面内で均一なものとする。
【0140】
得られる光学積層体11、12を表示パネル20に貼合する。具体的にはまず、粘着剤層50が、表示パネル20が備える一対の基板(ガラス板)230に接するように、光学積層体11、12と表示パネル20とを重ね合わせる。重ね合わせる際には、光学積層体11が有する偏光板41の透過軸と、光学積層体12が有する偏光板42の透過軸とが互いに直交するようにする。その後、この全体に紫外線を照射し、更に粘着剤層50の中央部にのみ紫外線の追加照射を行う。その際、追加照射した部分の貯蔵弾性率(60℃)が8.5×10Pa以上、9.0×10Pa以下になるように調整し、追加照射しない部分の貯蔵弾性率(60℃)が4.08×10Pa以上、4.58×10Pa以下になるように調整する。最後に、バックライト30を背面側に配置する。
【0141】
このようにして得られる画像表示装置1は、観察面側から背面側に向かって順に、光学積層体11、表示パネル20、光学積層体12及びバックライト30を備える。光学積層体11、12はそれぞれ、偏光板41、42と粘着剤層50とを備える。偏光板41、42はそれぞれ、偏光層420の両面に保護層410を有する構成からなる。光学積層体11、12は、これらが有する偏光板41、42の透過軸が互いに直交するように配置されている。光学積層体11、12は、これらが有する粘着剤層50が、表示パネル20が備える一対の基板(ガラス板)230に接するように配置されている。
【0142】
(実施例3-2)
実施例3-2の画像表示装置は、上記実施形態3の画像表示装置に対応する(図5図6図7及び図9参照)。
【0143】
まず光学積層体10を2個作製した(光学積層体11、12)。光学積層体11、12はそれぞれ、偏光板40(偏光板41、42)と粘着剤層50とを備える。偏光板41、42はそれぞれ、偏光層420の両面に保護層410を有する構成からなる。本例では、粘着剤層50を与える粘着剤組成物として熱硬化型組成物を1種類用い、粘着剤層50において塗り分けは行わない。即ち光学積層体11、12が有する粘着剤層50の貯蔵弾性率は、それぞれ面内で均一なものとする。
【0144】
得られる光学積層体11、12を表示パネル20に貼合する。具体的にはまず、粘着剤層50が、表示パネル20が備える一対の基板(ガラス板)230に接するように、光学積層体11、12と表示パネル20とを重ね合わせる。重ね合わせる際には、光学積層体11が有する偏光板41の透過軸と、光学積層体12が有する偏光板42の透過軸とが互いに直交するようにする。その後、この全体を加熱し、更に粘着剤層50の中央部にのみ熱硬化を続けて行う。その際、熱硬化を長時間行った部分の貯蔵弾性率(60℃)が8.5×10Pa以上、9.0×10Pa以下になるように調整し、それ以外の部分の貯蔵弾性率(60℃)が4.08×10Pa以上、4.58×10Pa以下になるように調整する。最後に、バックライト30を背面側に配置する。
【0145】
このようにして得られる画像表示装置1は、観察面側から背面側に向かって順に、光学積層体11、表示パネル20、光学積層体12及びバックライト30を備える。光学積層体11、12はそれぞれ、偏光板41、42と粘着剤層50とを備える。偏光板41、42はそれぞれ、偏光層420の両面に保護層410を有する構成からなる。光学積層体11、12は、これらが有する偏光板41、42の透過軸が互いに直交するように配置されている。光学積層体11、12は、これらが有する粘着剤層50が、表示パネル20が備える一対の基板(ガラス板)230に接するように配置されている。
【0146】
(実施例3-3)
実施例3-3の画像表示装置は、上記実施形態3の画像表示装置に対応する(図5図6図7及び図9参照)。
【0147】
まず光学積層体10を2個(光学積層体11、12)作製した。光学積層体11、12はそれぞれ、偏光板40(偏光板41、42)と粘着剤層50とを備える。偏光板41、42はそれぞれ、偏光層420の両面に保護層410を有する構成からなる。本例では、粘着剤層50を与える粘着剤組成物を1種類のみ用い、粘着剤層50において塗り分けは行わない。即ち光学積層体11、12が有する粘着剤層50の貯蔵弾性率は、それぞれ面内で均一なものとする。
【0148】
得られる光学積層体11、12を表示パネル20に貼合する。具体的にはまず、粘着剤層50が、表示パネル20が備える一対の基板(ガラス板)230に接するように、光学積層体11、12と表示パネル20とを重ね合わせる。なお、重ね合わせる前に、表示パネル20の各表面のうち、光学積層体11、12を重ね合わせたときに光学積層体11、12が有する各粘着剤層50の中央部に対応する部分に、それぞれ、硬化剤を塗布しておく。また、重ね合わせる際には、光学積層体11が有する偏光板41の透過軸と、光学積層体12が有する偏光板42の透過軸とが互いに直交するようにする。その後、この全体を硬化させる。このような貼合工程では、硬化剤を塗布した部分に対応する部分の貯蔵弾性率(60℃)が8.5×10Pa以上、9.0×10Pa以下になるように調整し、それ以外の部分の貯蔵弾性率(60℃)が4.08×10Pa以上、4.58×10Pa以下になるように調整する。最後に、バックライト30を背面側に配置する。
【0149】
このようにして得た画像表示装置1は、観察面側から背面側に向かって順に、光学積層体11、表示パネル20、光学積層体12及びバックライト30を備える。光学積層体11、12はそれぞれ、偏光板41、42と粘着剤層50とを備える。偏光板41、42はそれぞれ、偏光層420の両面に保護層410を有する構成からなる。光学積層体11、12は、これらが有する偏光板41、42の透過軸が互いに直交するように配置されている。光学積層体11、12は、これらが有する粘着剤層50が、表示パネル20が備える一対の基板(ガラス板)230に接するように配置されている。
【0150】
(実施例4)
本例の光学積層体及び画像表示装置はそれぞれ、上記実施形態4の光学積層体及び画像表示装置に対応する(図1図2図5図6図10及び図11参照)。
【0151】
本例の画像表示装置1は、観察面側から背面側に向かって順に、光学積層体11、表示パネル20、光学積層体12及びバックライト30を備える。光学積層体11、12はそれぞれ、偏光板41、42と粘着剤層50とを備える。偏光板41、42はそれぞれ、偏光層420の両面に保護層410を有する構成からなる。光学積層体11、12は、これらが有する偏光板41、42の透過軸が互いに直交するように配置されている。光学積層体11、12は、これらが有する粘着剤層50が、表示パネル20が備える一対の基板(ガラス板)230に接するように配置されている。
【0152】
光学積層体11、12が有する粘着剤層50はいずれも、領域510が、図10及び図11で示すように、平面視で長方形である。光学積層体11は、貼合する偏光板40の吸収軸方向aが領域510の長辺と平行であり、中央部Aも平面視で四角形である(図10参照)。光学積層体11が備える粘着剤層50では、図10で示すように、領域510の中心点xから長辺の中点までの線分をL:1で、かつ領域510の中心点xから短辺の中点までの線分をL:1で区切り、該中心点xを含む部分を中央部Aとし、それ以外の部分を端部Aとする(但し、L>Lとなるようにする)。一方、光学積層体12は、貼合する偏光板40の吸収軸方向aが領域510の短辺と平行であり、中央部Aも平面視で四角形である(図11参照)。光学積層体12が備える粘着剤層50では、図11で示すように、領域510の中心点xから長辺の中点までの線分をL:1で、かつ領域510の中心点xから短辺の中点までの線分をL:1で区切り、該中心点xを含む部分を中央部Aとし、それ以外の部分を端部Aとする(但し、L>Lとなるようにする)。光学積層体11、12のいずれも、中央部Aの貯蔵弾性率(60℃)は、8.5×10Pa以上、9.0×10Pa以下になるように調整し、端部Aの貯蔵弾性率(60℃)は、4.08×10Pa以上、4.58×10Pa以下になるように調整する。
【0153】
(実施例5)
本例の画像表示装置は、上記実施形態5の画像表示装置に対応する(図5図6図7図12及び図13参照)。なお、表示パネル20として、平面視では長方形であり、断面視では観察面側が凹状、背面側が凸状となる湾曲形状であって、一対のガラス板(基板)で液晶層が挟持された構造の液晶パネルを用いる。
【0154】
本例の画像表示装置1は、観察面側から背面側に向かって順に、光学積層体11、表示パネル20、光学積層体12及びバックライト30を備える。光学積層体11は、偏光板41と粘着剤層51とを備え、光学積層体12は、偏光板42と粘着剤層52とを備える。偏光板41、42はそれぞれ、偏光層420の両面に保護層410を有する構成からなる。光学積層体11、12は、これらが有する偏光板41、42の透過軸が互いに直交するように配置されている。光学積層体11、12は、粘着剤層51、52が、表示パネル20が備える一対の基板(ガラス板)230に接するように配置されている。
【0155】
光学積層体11が有する粘着剤層51は、領域510が、図12に示すように平面視で長方形であり、貯蔵弾性率G11を有する中央部A11のみからなる(図12参照)。即ち粘着剤層51として、その全面が貯蔵弾性率G11を示すものを用いる。貯蔵弾性率G11(95℃)は、6.58×10Pa以上、7.08×10Pa以下になるように調整する。
【0156】
光学積層体12が有する粘着剤層52は、領域510が、図13に示すように平面視で長方形であり、また、長辺の中点から頂点までの線分を3:1で区切り、長辺の中点を含む部分を中央部A21とし、それ以外の部分(つまり短辺側の部分)を端部A22とする。中央部A21の貯蔵弾性率G21(95℃)は、粘着剤層51の全面の貯蔵弾性率G11(95℃)と同等の値になるように調整し、端部A22の貯蔵弾性率G22(95℃)は、2.08×10Pa以上、2.58×10Pa以下で、かつG11及びG21よりも低くなるように調整する。
【0157】
(実施例6)
本例の画像表示装置は、上記実施形態6の画像表示装置に対応する(図5図6図7図15及び図16参照)。
【0158】
本例は、光学積層体12が有する粘着剤層52における中央部Aと端部Aとの配置以外は、実施例5と実質的に同じである。光学積層体12が有する粘着剤層52は、領域510が、図15に示すように平面視で長方形であり、また、中心点xから各頂点までの線分を3:1で区切り、中心点xを含む部分を中央部A21とし、それ以外の部分を端部A22とする。中央部A21の貯蔵弾性率G21は、粘着剤層51の全面の貯蔵弾性率G11と同等の値に調整し、端部A22の貯蔵弾性率G22(95℃)は、2.08×10Pa以上、2.58×10Pa以下で、かつG11及びG21よりも低くなるように調整する。
【0159】
(実施例7)
本例の画像表示装置は、上記実施形態7の画像表示装置に対応する(図5図6図7図17及び図18参照)。なお、表示パネル20として、平面視では長方形であり、断面視では観察面側が凹状、背面側が凸状となる湾曲形状であって、一対のガラス板(基板)で液晶層が挟持された構造の液晶パネルを用いる。
【0160】
本例の画像表示装置1は、観察面側から背面側に向かって順に、光学積層体11、表示パネル20、光学積層体12及びバックライト30を備える。光学積層体11は、偏光板41と粘着剤層51とを備え、光学積層体12は、偏光板42と粘着剤層52とを備える。偏光板41、42はそれぞれ、偏光層420の両面に保護層410を有する構成からなる。光学積層体11、12は、これらが有する偏光板41、42の透過軸が互いに直交するように配置されている。光学積層体11、12は、粘着剤層51、52が、表示パネル20が備える一対の基板(ガラス板)230に接するように配置されている。
【0161】
光学積層体11が有する粘着剤層51は、領域510が、図16に示すように平面視で長方形であり、また、長辺の中点から頂点までの線分を3:1で区切り、長辺の中点を含む部分を中央部A11とし、それ以外の部分(つまり短辺側の部分)を端部A12とする。中央部A11の貯蔵弾性率G11(95℃)は、6.58×10Pa以上、7.08×10Pa以下になるように調整し、端部A12の貯蔵弾性率G12(95℃)は、2.08×10Pa以上、2.58×10Pa以下で、かつG11よりも低くなるように調整する。
【0162】
光学積層体12が有する粘着剤層52は、領域510が、図17に示すように平面視で長方形である。中央部A21も平面視で長方形とし、中央部A21の周囲(即ち領域510の四辺を含む部分)を端部A22とする(図17参照)。中央部A22の貯蔵弾性率G21(95℃)は、6.58×10Pa以上、7.08×10Pa以下になるように調整し、端部A22の貯蔵弾性率G22(95℃)は、2.08×10Pa以上、2.58×10Pa以下で、かつG21よりも低くなるように調整する。
【0163】
以上に示した本発明の各態様は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0164】
1 :画像表示装置
10、11、12 :光学積層体
20 :表示パネル(液晶パネル等)
30 :バックライト
40、41、42 :光学フィルム(偏光板等)
50、51、52 :粘着剤層
110 :画像表示装置の表示領域
120 :画像表示装置の額縁領域
230 :基板
240 :液晶層
410 :保護層
420 :偏光層
510 :画像表示装置の表示領域に相当する領域
520 :画像表示装置の額縁領域に相当する領域
:貯蔵弾性率Gを有する中央部
:貯蔵弾性率Gを有する端部
11 :貯蔵弾性率G11を有する中央部(又は部分)
12 :貯蔵弾性率G12を有する端部
21 :貯蔵弾性率G21を有する中央部
22 :貯蔵弾性率G22を有する端部
a :偏光板の吸収軸方向又は反射軸方向
b :偏光板の透過軸方向
x :中心点
X :引張応力
Y :圧縮応力

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20