(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091212
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】車両用シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/90 20180101AFI20240627BHJP
B60N 2/75 20180101ALI20240627BHJP
B60N 2/64 20060101ALI20240627BHJP
A47C 7/54 20060101ALI20240627BHJP
A47C 7/50 20060101ALI20240627BHJP
A47C 7/40 20060101ALI20240627BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/75
B60N2/64
A47C7/54 A
A47C7/50 A
A47C7/40
A47C7/62 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023044255
(22)【出願日】2023-03-20
(31)【優先権主張番号】63/477,011
(32)【優先日】2022-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】三好 晃
(72)【発明者】
【氏名】小島 正信
(72)【発明者】
【氏名】北山 恵一
【テーマコード(参考)】
3B084
3B087
【Fターム(参考)】
3B084EC06
3B084JC04
3B087DC04
3B087DE08
(57)【要約】
【課題】乗員支持部材が適切に取り付けられているかを認識できる車両用シートを提供する。
【解決手段】車両用シートSは、車体または車両用シートSに設けられたロック機構7に対してロックされる乗員支持部材としての第1部材6A及び第2部材6Bと、第1部材6Aのロック状態を示す第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)と、第2部材6Bのロック状態を示す第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体または車両用シートに設けられたロック機構に対してロックされる乗員支持部材としての第1部材及び第2部材と、
前記第1部材のロック状態を示す第1インジケーターと、
前記第2部材のロック状態を示す第2インジケーターと、
を備える、車両用シート。
【請求項2】
前記第1部材は、前記車両用シートにおける一方側に設けられ、
前記第2部材は、前記車両用シートにおける他方側に設けられ、
前記第1インジケーターは、前記車両用シートにおける一方側に設けられ、
前記第2インジケーターは、前記車両用シートにおける他方側に設けられる、請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記第1インジケーター及び前記第2インジケーターは、隣り合って設けられる、請求項1に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記第1インジケーターと前記第2インジケーターとの距離は、前記第1部材と前記第2部材間の距離よりも短い、請求項1に記載の車両用シート。
【請求項5】
シートクッションを備え、
前記第1インジケーター及び前記第2インジケーターは、前記シートクッションにおける前記車両用シートの前側、且つ車両内の中央側に設けられる、請求項1に記載の車両用シート。
【請求項6】
第1インジケーターは、第1カバー部材で覆われており、
第2インジケーターは、第2カバー部材で覆われている、請求項2に記載の車両用シート。
【請求項7】
第1インジケーター及び第2インジケーターは、共通のカバー部材で覆われている、請求項3に記載の車両用シート。
【請求項8】
第1インジケーターと、前記ロック機構のうち前記第1部材がロックされる第1ロック機構とを接続する第1接続部材を備え、
第1インジケーターは、
前記第1部材と前記第1ロック機構とのアンロック状態を表示する第1表示部と、
前記第1部材と前記第1ロック機構とのロック状態を表示する第2表示部と、
前記第1表示部が表示されるように付勢する付勢部材と、
を備え、
前記第1部材が前記第1ロック機構にロックされた場合、前記第1接続部材が前記第1ロック機構側に牽引されることにより、前記付勢部材に抗して前記第1表示部を表示しない一方で、前記第2表示部を表示し、
第2インジケーターと、前記ロック機構のうち前記第2部材がロックされる第2ロック機構とを接続する第2接続部材を備え、
第2インジケーターは、
前記第2部材と前記第2ロック機構とのアンロック状態を表示する第3表示部と、
前記第2部材と前記第2ロック機構とのロック状態を表示する第4表示部と、
前記第3表示部が表示されるように付勢する付勢部材と、
を備え、
前記第2部材が前記第2ロック機構にロックされた場合、前記第2接続部材が前記第2ロック機構側に牽引されることにより、前記付勢部材に抗して前記第3表示部を表示しない一方で、前記第4表示部を表示する、請求項1に記載の車両用シート。
【請求項9】
前記第1部材及び前記第2部材は、アームレストである、請求項1に記載の車両用シート。
【請求項10】
前記第1部材及び前記第2部材は、サイドサポートである、請求項1に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用シートが備えるオットマンを着脱可能な構成とし、取り外したオットマンをシートクッションやシートバックに取り付けることが可能である車両用シートが知られている。この場合、当該オットマンは、乗員支持部材として機能し得る。
【0003】
例えば、特許文献1には、車両用シートが備えるオットマンを着脱可能なプレート部材として適用することが記載されている。
具体的には、オットマン(プレート部材)をシートバックやシートクッションに取り付けて、車両用シートに載置した荷物の荷崩れの防止や、コーナリング時などにおける乗員同士のぶつかりを防止することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2019/065773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、車両の乗員等のユーザーは、オットマン(プレート部材)が、適切にシートバックやシートクッションに取り付けられているか否かを把握する方法がなかった。そのため、ユーザーがオットマンをシートバックやシートクッションに取り付けたつもりであっても、適切に取り付けられていないという状況が発生する可能性があった。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、乗員支持部材が適切に取り付けられているかを認識できる車両用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の車両用シートは、
車体または車両用シートに設けられたロック機構に対してロックされる乗員支持部材としての第1部材及び第2部材と、
前記第1部材のロック状態を示す第1インジケーターと、
前記第2部材のロック状態を示す第2インジケーターと、
を備える。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、
前記第1部材は、前記車両用シートにおける一方側に設けられ、
前記第2部材は、前記車両用シートにおける他方側に設けられ、
前記第1インジケーターは、前記車両用シートにおける一方側に設けられ、
前記第2インジケーターは、前記車両用シートにおける他方側に設けられる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、
前記第1インジケーター及び前記第2インジケーターは、隣り合って設けられる。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、
前記第1インジケーターと前記第2インジケーターとの距離は、前記第1部材と前記第2部材間の距離よりも短い。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、
シートクッションを備え、
前記第1インジケーター及び前記第2インジケーターは、前記シートクッションにおける前記車両用シートの前側、且つ車両内の中央側に設けられる。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項2に記載の車両用シートにおいて、
第1インジケーターは、第1カバー部材で覆われており、
第2インジケーターは、第2カバー部材で覆われている。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項3に記載の車両用シートにおいて、
第1インジケーター及び第2インジケーターは、共通のカバー部材で覆われている。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、
第1インジケーターと、前記ロック機構のうち前記第1部材がロックされる第1ロック機構とを接続する第1接続部材を備え、
第1インジケーターは、
前記第1部材と前記第1ロック機構とのアンロック状態を表示する第1表示部と、
前記第1部材と前記第1ロック機構とののロック状態を表示する第2表示部と、
前記第1表示部が表示されるように付勢する付勢部材と、
を備え、
前記第1部材が前記第1ロック機構にロックされた場合、前記第1接続部材が前記第1ロック機構側に牽引されることにより、前記付勢部材に抗して前記第1表示部を表示しない一方で、前記第2表示部を表示し、
第2インジケーターと、前記ロック機構のうち前記第2部材がロックされる第2ロック機構とを接続する第2接続部材を備え、
第2インジケーターは、
前記第2部材と前記第2ロック機構とのアンロック状態を表示する第3表示部と、
前記第2部材と前記第2ロック機構とのロック状態を表示する第4表示部と、
前記第3表示部が表示されるように付勢する付勢部材と、
を備え、
前記第2部材が前記第2ロック機構にロックされた場合、前記第2接続部材が前記第2ロック機構側に牽引されることにより、前記付勢部材に抗して前記第3表示部を表示しない一方で、前記第4表示部を表示する。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、
前記第1部材及び前記第2部材は、アームレストである。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載の車両用シートにおいて、
前記第1部材及び前記第2部材は、サイドサポートである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、第1部材及び第2部材のロック機構に対するロック状態をそれぞれ示すことができる。つまり、乗員等のユーザーは、乗員支持部材(第1部材及び第2部材)が適切に取り付けられているかを認識できる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、一方側に設けられた第1部材と第1インジケーターとの位置関係、及び他方側に設けられた第2部材と第2インジケーターとの位置関係が整合する。そのため、ユーザーは、第1部材及び第2部材のロック状態を認識しやすい。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザーは、第1インジケーター及び第2インジケーターを一度に認識できる。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、第1インジケーター及び第2インジケーターは、所定距離内である近い領域に配置されるため、ユーザーは、第1インジケーター及び第2インジケーターを一度に認識できる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、車両用シートの前方向から第1インジケーター及び第2インジケーターを確認する場合、車両用シートの前方向にいるユーザーは、第1インジケーター及び第2インジケーターを認識しやすい。
上記の場合は、例えば、運転席から後部座席である車両用シートが備える第1インジケーター及び第2インジケーターを確認する場合等である。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、第1インジケーター及び第2インジケーターをそれぞれ別個のカバー部材で覆う構成とすることができる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、第1インジケーター及び第2インジケーターをそれぞれ別個のカバー部材で覆う構成と比較して、部品点数を減らすことができる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、インジケーターを簡素な構成とすることができる。
【0025】
請求項9に記載の発明によれば、第1部材及び第2部材をアームレストとして機能させた場合のロック機構に対するロック状態をそれぞれ示すことができる。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、第1部材及び第2部材をサイドサポートとして機能させた場合のロック機構に対するロック状態をそれぞれ示すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本実施形態に係るオットマンを有する車両用シートの斜視図である。
【
図2】本実施形態に係るアームレストを有する車両用シートの斜視図である。
【
図3】本実施形態に係るサイドサポートを有する車両用シートの斜視図である。
【
図5】車両用シートが有するシートフレームを示す図である。
【
図12A】アンロック状態のロック機構及びインジケーターの概略図である。
【
図12B】ロック状態のロック機構及びインジケーターの概略図である。
【
図14】
図13に示す断面線XIV-XIVにおける断面図である。
【
図15】
図13に示す断面線XV-XVにおける断面図である。
【
図16】車両用シートが有するシートフレームの別例を示す図である。
【
図17】
図16に示す断面線XVII-XVIIにおける断面図である。
【
図19】
図18に示す断面線XIX-XIXにおける断面図である。
【
図20】
図18に示す断面線XX-XXにおける断面図である。
【
図21】取付部カバーを有する車両用シートを上方向から見た図である。
【
図22A】第1部材または第2部材を示す一例である。
【
図22B】第1部材または第2部材を示す一例である。
【
図22C】第1部材または第2部材を示す一例である。
【
図22D】第1部材または第2部材を示す一例である。
【
図24】インジケーターを有するインストルメントパネルを示す図である。
【
図25】第1車両用シート及び第2車両用シートの正面図である。
【
図26】オットマン仕様モードである車両用シートの正面図である。
【
図27】アームレスト仕様モードである車両用シートの側面図である。
【
図28A】アンロック状態のロック機構及びインジケーターの一例を示す図である。
【
図28B】ロック状態のロック機構及びインジケーターの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本実施形態に係る車両用シートの構成について図面を参照しながら説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
また、以下の説明中、シート構成部品の材質、形状及び大きさに関する内容は、あくまでも具体例の一つに過ぎず、本発明を限定するものではない。
【0029】
なお、以下では、車両用シートの一例として車両用シートを挙げ、その構成例について説明することとする。ただし、本発明は、車両用シート以外の車両用シート、例えば、船舶や航空機に搭載されるシートにも適用され得る。
【0030】
また、以下の説明中、「前後方向」とは、車両用シートの前後方向(換言すると、シート本体の前後方向)であり、手動運転による車両走行時の進行方向と一致する方向である。また、「シート幅方向」とは、車両用シートの横幅方向(換言すると、シート本体の幅方向)であり、車両用シートに着座した乗員から見た左右方向と一致する方向である。また、「上下方向」とは、車両用シートの上下方向であり、車両が水平面を走行しているときには鉛直方向と一致する方向である。
【0031】
また、シート幅方向の「車外側」とは、車体の外側により近い方(分かり易くは、最寄りのドアに近い側)を意味し、「車内側」とは、車体の内側により近い方(分かり易くは、最寄りのドアから離れている側)を意味している。
【0032】
まず、本実施形態に係る車両用シートSの構成について説明する。
図1~
図3は、車両用シートSの斜視図である。
図4は、
図1に示す車両用シートSの側面図である。
図5は、車両用シートSが有するシートフレーム(シートバックフレーム10及びシートクッションフレーム20)を示す図である。
【0033】
車両用シートSは、車体フロアの上に載置され、車両の乗員が着座するシートである。本実施形態において、車両用シートSは、車両の後部座席に相当するリアシートとして利用される。ただし、これに限定されるものではなく、車両用シートSは、前後方向に三列のシートを備える車両において二列目のミドルシートや三列目のリアシートとしても利用可能である。
【0034】
車両用シートSは、
図1~
図5に示すように、その本体部分をなすシート本体Shと、支持部材9aと、ベースカバー9とを有する。
支持部材9aは、車体フロア上に固定され、且つシートバック1を支持する。
ベースカバー9は、当該シート本体Shの下方位置に配置され、支持部材9aを上方から覆う。
シート本体Shは、
図1~
図4に示すように、シートバック1、シートクッション2及びヘッドレスト3を備える。
【0035】
シートバック1は、シートに着座した乗員(以下、着座者という)の腰部及び背部を支持する。
シートバック1は、シートバック1の骨格をなす金属製のシートバックフレーム10と、クッションパッド(不図示)と、カバーとを備える。
シートバックフレーム10は、ウレタンフォーム等の比較的軟質な樹脂発泡材からなるクッションパッドによって被覆されている。
シートバック1のクッションパッドは、皮革、織布等からなるカバーによって被覆されている。
【0036】
シートクッション2は、着座者の臀部及び大腿部を支持する。
シートクッション2は、シートクッション2の骨格をなす金属製のシートクッションフレーム20と、クッションパッド(不図示)と、カバーとを備える。
シートクッションフレーム20は、ウレタンフォーム等の比較的軟質な樹脂発泡材からなるクッションパッドによって被覆されている。
シートクッション2のクッションパッドは、シートバック1と同様に、皮革、織布等からなるカバーによって被覆されている。
シートクッション2は、その後端部がシートバック1の下端部に連結部材5により連結されている。
【0037】
また、車両用シートSは、表皮部材4と、着脱可能な第1部材6A及び第2部材6Bと、ロック機構7とを有する。
図1、
図4に示す例においては、第1部材6A及び第2部材6Bは、乗員支持部材としてのオットマンとして機能する。
図1、
図4に示す車両用シートSのモードをオットマン仕様モードとする。
また、
図2に示す例においては、第1部材6A及び第2部材6Bは、乗員支持部材としてのアームレストとして機能する。
図2に示す車両用シートSのモードをアームレスト仕様モードとする。
また、
図3に示す例においては、第1部材6A及び第2部材6Bは、乗員支持部材としてのサイドサポートとして機能する。
図3に示す車両用シートSのモードをサイドサポート仕様モードとする。
【0038】
第1部材6A及び第2部材6Bは、
図6に示すように、それぞれ連結部61と、クッション部62とを備える。
連結部61は、ロック機構7と連結するためのU字形状のストライカである。
本実施形態において、第1部材6A及び第2部材6Bは、
図6に示すように、それぞれU字形状のストライカを2つずつ有する。
クッション部62は、金属製のフレーム(不図示)と、フレームを被覆するクッションパッド(不図示)と、クッションパッドを被覆するカバーとを備える。
【0039】
ロック機構7は、
図7に示すように、ラッチ71と、ラチェット72と、接続部材74と、ベースプレート75等を有する。
ベースプレート75は、第1部材6Aまたは第2部材6Bの連結部61が進入する進入溝75aを有する。進入溝75aは長さ方向の一方のみを開口させている。
ベースプレート75には、ラッチ71が回転軸71bにより回転可能に取り付けられている。ラッチ71は、引っ張りコイルばね等である図示しない付勢部材により
図7において時計回転方向に付勢されている。
ラッチ71は、第1部材6Aまたは第2部材6Bの連結部61と当接係合する係合溝71aを有する。
【0040】
ラチェット72は、回転軸72aを中心に、ベースプレート75に対して回動可能に構成されている。
ラチェット72は、ラッチ71に係合することでロック状態を維持し、ラッチ71から離脱することでアンロック状態を維持する部材である。
【0041】
アンロック状態において、連結部61をベースプレート75の進入溝75aに進入させると、連結部61はラッチ71の係合溝71aの内周に当接し、ラッチ71は上記図示しない付勢部材の弾力に抗して
図7において反時計回転し、ラチェット72に係合してロック状態となる。そして、ラチェット72によりラッチ71の回動が規制される。
【0042】
接続部材74は、一端部がラチェット72に接続され、他端部が後述するインジケーター8(
図8~
図12A、
図12B参照)に接続されており、インジケーター8にラチェット72の動作を伝える部材である。
接続部材74として、例えば、ケーブル、ロッド等が用いられる。
【0043】
ロック機構7は、
図5に示すロック機構7A~7Fを含む。
ロック機構7A~7Fは、
図5に示すように、シートバックフレーム10またはシートクッションフレーム20に固定されている。
【0044】
具体的には、オットマン仕様モードにおいて第1部材6Aの連結部61と連結するロック機構7Aは、進入溝75aが形成された側と反対側において、シートクッションフレーム20の前部分の右側に固定されている。
そして、オットマン仕様モードにおいて第2部材6Bの連結部61と連結するロック機構7Bは、進入溝75aが形成された側と反対側において、シートクッションフレーム20の前部分の左側に固定されている。
そして、ロック機構7A、7Bは、
図5に示すように、シートクッションフレーム20であるパイプフレームの前面に固定されている。
【0045】
また、アームレスト仕様モードにおいて第1部材6Aの連結部61と連結するロック機構7Cは、進入溝75aが形成された側と反対側において、シートクッションフレーム20の右部分に固定されている。
そして、アームレスト仕様モードにおいて第2部材6Bの連結部61と連結するロック機構7Dは、進入溝75aが形成された側と反対側において、シートクッションフレーム20の左部分に固定されている。
そして、ロック機構7C、7Dは、
図5に示すように、シートクッションフレーム20であるパイプフレームの上面に固定されている。
【0046】
また、サイドサポート仕様モードにおいて第1部材6Aの連結部61と連結するロック機構7Eは、進入溝75aが形成された側と反対側において、シートバックフレーム10の右部分に固定されている。
そして、サイドサポート仕様モードにおいて第2部材6Bの連結部61と連結するロック機構7Fは、進入溝75aが形成された側と反対側において、シートバックフレーム10の左部分に固定されている。
そして、ロック機構7E、7Fは、
図5に示すように、シートバックフレーム10であるパイプフレームの前面に固定されている。
【0047】
つまり、第1部材6Aは、ロック機構7A、ロック機構7C、またはロック機構7Eに連結する。すなわち、第1部材6Aは、車両用シートSにおける一方側(右側)に設けられる。
また、第2部材6Bは、ロック機構7B、ロック機構7D、またはロック機構7Fに連結する。すなわち、第2部材6Bは、車両用シートSにおける他方側(左側)に設けられる。
【0048】
なお、オットマン仕様モードにおいて、ロック機構7Aに連結された第1部材6A、及びロック機構7Bに連結された第2部材6Bは、
図4に示すように、シートクッション2に対する角度を変更可能に構成されてもよい。
【0049】
表皮部材4は、例えば、皮革、織布等のカバーと同様の材料からなる。
オットマン仕様モードにおいて、表皮部材4は、
図1、
図4に示すように、一端部がシートクッション2に、他端部が第1部材6A及び第2部材6Bに、ファスナー(面状、線状)等の公知の方法により付替可能に固定される。この場合、表皮部材4により、連結部61とロック機構7の連結部分が上方向及び前方向から見えないようになっている。
また、アームレスト仕様モード及びサイドサポート仕様モードにおいて、表皮部材4は、
図2、
図3に示すように、一端部及び他端部がシートクッション2にファスナー(面状、線状)等の公知の方法により付替可能に固定される。
【0050】
また、車両用シートSは、
図8~
図11に示すように、インジケーター8を有する。
図8は、
図1に示すオットマン仕様モードの車両用シートSの正面図である。
図9は、
図2に示すアームレスト仕様モードの車両用シートSの正面図である。
図10は、
図3に示すサイドサポート仕様モードの車両用シートSの正面図である。
図11は、
図2に示すアームレスト仕様モードの車両用シートSの正面図の別例である。
図8~
図11において、車両用シートSの右側をシート幅方向の車外側とし、車両用シートSの左側をシート幅方向の車内側とする。
インジケーター8は、
図8~
図11に示すように、インジケーター8A~8Fを含む。
【0051】
インジケーター8Aは、第1部材6Aの連結部61とロック機構7Aとが適切に連結しているか否かを示す。
図8~
図10に示す例においては、インジケーター8Aは、シートクッション2の右側に設けられる。
また、インジケーター8Bは、第2部材6Bの連結部61とロック機構7Bとが適切に連結しているか否かを示す。
図8~
図10に示す例においては、インジケーター8Bは、シートクッション2の左側に設けられる。
【0052】
また、インジケーター8Cは、第1部材6Aの連結部61とロック機構7Cとが適切に連結しているか否かを示す。
図8~
図10に示す例においては、インジケーター8Cは、シートクッション2の右側且つインジケーター8Aの上側に設けられる。
また、インジケーター8Dは、第2部材6Bの連結部61とロック機構7Dとが適切に連結しているか否かを示す。
図8~
図10に示す例においては、インジケーター8Dは、シートクッション2の左側且つインジケーター8Bの上側に設けられる。
【0053】
また、インジケーター8Eは、第1部材6Aの連結部61とロック機構7Eとが適切に連結しているか否かを示す。
図8~
図10に示す例においては、インジケーター8Eは、シートバック1の右側に設けられる。
また、インジケーター8Fは、第2部材6Bの連結部61とロック機構7Fとが適切に連結しているか否かを示す。
図8~
図10に示す例においては、インジケーター8Fは、シートバック1の左側に設けられる。
【0054】
つまり、第1インジケーター(インジケーター8A、インジケーター8C、インジケーター8E)は、車両用シートSにおける一方側(右側)に設けられる。
また、第2インジケーター(インジケーター8B、インジケーター8D、インジケーター8F)は、車両用シートSにおける他方側(左側)に設けられる。
したがって、一方側に設けられた第1部材6Aと第1インジケーターとの位置関係、及び他方側に設けられた第2部材6Bと第2インジケーターとの位置関係が整合する。そのため、ユーザーは、第1部材6A及び第2部材6Bのロック状態を認識しやすい。
【0055】
また、インジケーター8A~8Dは、シートクッション2の前面部に設けられる。そして、インジケーター8E及びインジケーター8Fは、シートバック1の前面部に設けられる。これにより、運転者等のユーザーは、車両用シートSの前方向から容易にインジケーター8A~8Fの表示を視認できる。
【0056】
なお、インジケーター8が設けられる位置は、上記の例に限らない。インジケーター8は、シートバック1の下方の前面部や、ベースカバー9の前面部等に設けられてもよい。この場合においても、運転者等のユーザーは、車両用シートSの前方向から容易にインジケーター8A~8Fの表示を視認できる。
【0057】
また、インジケーター8A~8Fのうちの少なくともいずれか2つのインジケーター8は、車両用シートSにおいて隣り合って設けられてもよい。
つまり、インジケーター8A~8Fのうちの第1インジケーター及び第2インジケーターは、隣り合って設けられる。
【0058】
図11に、第1インジケーター及び第2インジケーターが隣り合って設けられている、アームレスト仕様モードの車両用シートSの正面図を示す。
図11に示す例において、インジケーター8Aとインジケーター8Bが隣り合い、インジケーター8Cとインジケーター8Dが隣り合い、インジケーター8Eとインジケーター8Fが隣り合って、車両用シートSに設けられている。
これにより、ユーザーは、第1インジケーター及び第2インジケーターを一度に認識できる。
【0059】
また、インジケーター8A~8Fのうちの少なくともいずれか2つのインジケーター8は、第1部材6Aと第2部材6B間の距離よりも短い間隔で車両用シートSに設けられてもよい。
つまり、車両用シートSに設けられたインジケーター8A~8Fのうちの第1インジケーターと第2インジケーターとの距離は、第1部材6Aと第2部材6B間の距離よりも短い。
これにより、第1インジケーター及び第2インジケーターは、所定距離内である近い領域に配置されるため、ユーザーは、第1インジケーター及び第2インジケーターを一度に認識できる。
【0060】
また、
図11に示す例において、インジケーター8A~8Fは、車両用シートSにおける車内側に設けられている。
つまり、第1インジケーター及び第2インジケーターは、シートクッション2における車両用シートSの前側、且つ車両内の中央側(車内側)に設けられる。
これにより、運転者等のユーザーは、車両用シートSの前方向から容易にインジケーター8A~8Fの表示を視認できる。
【0061】
次に、インジケーター8の表示について説明する。
インジケーター8は、連結部61とロック機構7が適切に連結している場合、その旨を示す「LOCKED」を表示する。
一方、インジケーター8は、連結部61とロック機構7が連結していない場合、その旨を示す「UNLOCK」を表示する。
【0062】
図8に示す例においては、第1部材6Aの連結部61とロック機構7Aとが適切に連結しているため、インジケーター8Aは、「LOCKED」を表示する。
また、第2部材6Bの連結部61とロック機構7Bとが適切に連結しているため、インジケーター8Bは、「LOCKED」を表示する。
そして、ロック機構7C~7Fには連結部61が連結されていないため、インジケーター8C~8Fは、「UNLOCK」を表示する。
【0063】
図9、
図11に示す例においては、第1部材6Aの連結部61とロック機構7Cとが適切に連結しているため、インジケーター8Cは、「LOCKED」を表示する。
また、第2部材6Bの連結部61とロック機構7Dとが適切に連結しているため、インジケーター8Dは、「LOCKED」を表示する。
そして、ロック機構7A、7B、7E、7Fには連結部61が連結されていないため、インジケーター8A、8B、8E、8Fは、「UNLOCK」を表示する。
【0064】
図10に示す例においては、第1部材6Aの連結部61とロック機構7Eとが適切に連結しているため、インジケーター8Eは、「LOCKED」を表示する。
また、第2部材6Bの連結部61とロック機構7Fとが適切に連結しているため、インジケーター8Fは、「LOCKED」を表示する。
そして、ロック機構7A~7Dには連結部61が連結されていないため、インジケーター8A~8Dは、「UNLOCK」を表示する。
【0065】
次に、
図12Aに、連結部61が連結されていないアンロック状態のロック機構7、及びインジケーター8の概略図を示す。また、
図12Bに、連結部61が連結されたロック状態のロック機構7、及びインジケーター8の概略図を示す。
【0066】
インジケーター8は、
図12A、
図12Bに示すように、アンロック表示部81と、ロック表示部82と、回動ギア83と、ばねやゴム等である付勢部材84と、カバー部材85等を備える。
カバー部材85は、少なくともアンロック表示部81及びロック表示部82の一部を覆っている。
カバー部材85は、さらに、回動ギア83及び付勢部材84を覆っている。
【0067】
アンロック表示部81は、連結部61とロック機構7とが連結していないことを示す「UNLOCK」を表示する部材である。
ロック表示部82は、連結部61とロック機構7とが適切に連結していることを示す「LOCKED」を表示する部材である。
【0068】
アンロック表示部81は、ロック表示部82側に従動ギア81aを有する。
ロック表示部82は、アンロック表示部81側に従動ギア82aを有する。
従動ギア81a及び従動ギア82aは、それぞれ、カバー部材85に覆われた領域で軸支された回動ギア83に係合している。
アンロック表示部81は、カバー部材85に覆われた領域に配置された付勢部材84によりカバー部材85の開口部85aからカバー部材85に覆われた領域外に出る方向に付勢されている。つまり、付勢部材84は、アンロック表示部81により「UNLOCK」が表示される方向に、アンロック表示部81を付勢する。
ラチェット72に接続された接続部材74は、ラチェット72側に牽引された場合、回動ギア83を時計周りに回動させるように、回動ギア83に接続されている。
【0069】
図12Aに示すアンロック表示部81がカバー部材85に覆われた領域外に出ている状態から、
図12Bに示すように、連結部61がロック機構7のラッチ71と係合すると、ラッチ71が回転軸71bを中心に反時計回転する。
そして、ラッチ71が回転軸71bを中心に反時計回転することにより、ラチェット72に係合し、それとともに、ラチェット72は、回転軸72aを中心に反時計回転する。これにより、接続部材74がロック機構7側に牽引されることで回動ギア83は時計周りに回動する。
この際に、回動ギア83の回動動作が従動ギア81aに伝わり、アンロック表示部81は、付勢部材84の付勢力に抗してカバー部材85に覆われる領域に収納される。
そして、回動ギア83の回動動作が従動ギア82aに伝わり、ロック表示部82が開口部85aからカバー部材85に覆われた領域外に出る。
図12Bに示すラッチ71により連結部61が係合されたロック状態では、ロック機構7は、常に接続部材74をロック機構7側に引き続けるため、ロック表示部82はカバー部材85に覆われた領域外に出続ける。つまり、ロック表示部82により「LOCKED」が表示され続ける。
【0070】
また、連結部61がラッチ71に対して適切に係合していない場合、ロック表示部82はカバー部材85に覆われた領域外に出ないため、「LOCKED」が表示されない。
これにより、ユーザー(車両の乗員等)は、第1部材6Aまたは第2部材6Bをロック機構7に取り付けたつもりでも、連結部61がラッチ71に対して適切に係合していない場合において、その状態を認識することが出来る。
【0071】
また、
図12Bに示すロック表示部82がカバー部材85に覆われた領域外に出ている状態において、ユーザーが、ロック表示部82をカバー部材85に覆われる領域に収納される方向に押し込む場合を説明する。
この場合、ロック表示部82は、カバー部材85に覆われる領域に収納されるため、「LOCKED」は表示されない。
また、ロック表示部82がカバー部材85に覆われる領域に収納されることに伴い、回動ギア83は反時計周りに回動する。
そして、回動ギア83が反時計周りに回動することで、付勢部材84が付勢力を発揮し、アンロック表示部81が開口部85aからカバー部材85に覆われた領域外に出ることにより、「UNLOCK」が表示される。
また、回動ギア83が反時計周りに回動することで、接続部材74が回動ギア83側に牽引されることにより、ラチェット72は回転軸72aを中心に時計回転する。そして、ラチェット72がラッチ71から離脱すると、ラッチは回転軸71bを中心に時計周りに回転し、連結部61を開放する。これにより、ロック機構7から連結部61を取り外すことができる。
【0072】
なお、ロック機構7及びインジケーター8の構成は上記例に限らない。例えば、ラッチ71とラチェット72との係合を甘くすることで、ユーザーがロック表示部82をカバー部材85に覆われる領域内に押し込まなくとも、ロック機構7から連結部61を取り外すことができるように構成してもよい。
【0073】
つまり、車両用シートSは、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)と、ロック機構7のうち第1部材6Aがロックされる第1ロック機構(ロック機構7A、7C、7E)とを接続する第1接続部材(接続部材74)を備える。
そして、第1インジケーターは、第1部材6Aと第1ロック機構とのアンロック状態を表示する第1表示部(アンロック表示部81)と、第1部材6Aと第1ロック機構とのロック状態を表示する第2表示部(ロック表示部82)と、第1表示部が表示されるように付勢する付勢部材84と、を備える。
そして、第1インジケーターは、第1部材6Aが第1ロック機構にロックされた場合、第1接続部材が第1ロック機構側に牽引されることにより、付勢部材84に抗して第1表示部を表示しない一方で、第2表示部を表示する。
【0074】
また、車両用シートSは、第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)と、ロック機構7のうち第2部材6Bがロックされる第2ロック機構(ロック機構7B、7D、7F)とを接続する第2接続部材(接続部材74)を備える。
そして、第2インジケーターは、第2部材6Bと第2ロック機構とのアンロック状態を表示する第3表示部(アンロック表示部81)と、第2部材6Bと第2ロック機構とのロック状態を表示する第4表示部(ロック表示部82)と、第3表示部が表示されるように付勢する付勢部材84と、を備える。
そして、第2インジケーターは、第2部材6Bが第2ロック機構にロックされた場合、第2接続部材が第2ロック機構側に牽引されることにより、付勢部材84に抗して第3表示部を表示しない一方で、第4表示部を表示する。
【0075】
次に、接続部材74の配策構造を説明する。
図13は、接続部材74である第1接続部材74a及び第2接続部材74bの配策構造を示す図である。
【0076】
図13に示すように、シートクッションフレーム20は、受圧部材21を備える。
受圧部材21は、車両用シートSに着座する乗員の荷重を受ける金属製または樹脂製の板材からなる部材である。
【0077】
図13に示す例において、第1接続部材74aは、インジケーター8Cと、第1部材6Aがロックされるロック機構7Cとを接続する。
また、第2接続部材74bは、インジケーター8Dと、第2部材6Bがロックされるロック機構7Dとを接続する。
第1接続部材74a及び第2接続部材74bの一部は、受圧部材21の下方向側の面(裏面)に配置される。
図13では、第1接続部材74a及び第2接続部材74bの受圧部材21の裏面に配置されている部分を破線で示す。
【0078】
図14に、
図13に示す断面線XIV-XIVにおける断面図を示す。
図15に、
図13に示す断面線XV-XVにおける断面図を示す。
図14、
図15に示すように、受圧部材21には、左右方向に並列に、且つ前後方向に長尺な2つの凹部21aが形成されている。
凹部21aには、それぞれ前後方向に並列に2つのクリップ係止孔21bが形成されている。なお、クリップ係止孔21bの数は
図14、
図15に示す例に限らない。
これらのクリップ係止孔21bに対し、第1接続部材74aまたは第2接続部材74bに取り付けられたクリップ21cがそれぞれ圧入されている。これにより、第1接続部材74a及び第2接続部材74bが受圧部材21の裏面に取り付けられる。このとき、クリップ21cは、受圧部材21の裏面から圧入され、受圧部材21の表面(上方向側の面)にクリップ21cが突出する構成である。
クリップ21cの受圧部材21の表面から上方向に突出している部分の高さは、凹部21aの深さと略同等である。
【0079】
また、
図15に示すように、受圧部材21は、前方向から後方向に下方傾斜するように設けられている。
クリップ21cにより取り付けられた第1接続部材74a及び第2接続部材74bは、前方向から後方向に下方傾斜する受圧部材21の裏面に沿って配置されている。つまり、第1接続部材74a及び第2接続部材74bを、受圧部材21の下側の空間に配置することで、当該受圧部材21の下側の空間を有効活用することができる。
【0080】
また、
図16に、車両用シートSが有するシートフレーム(シートバックフレーム10及びシートクッションフレーム20)の別例を示す。
図17に、
図16に示す断面線XVII-XVIIにおける断面図を示す。なお、
図16では、ロック機構7は省略されている。
【0081】
図16、
図17に示す例において、シートクッションフレーム20は、受圧部材21Aを備える。
受圧部材21Aは、例えば鉄又はアルミ等の金属製の板状部材をプレス成型することにより形成された部材、またはFRP(繊維強化プラスチック)等の樹脂製部材から形成された部材である。
図17に示すように、受圧部材21Aは下方に凹む形状を有しており、車両用シートSに着座した乗員の臀部を受圧部材21A全体で支持するよう構成されている。
より詳細には、受圧部材21Aは、左右方向の中央部において、他部分より高さが低い位置に設けられた底部21Aaを有している。また、底部21Aaの右側部から、右方向に向かうにつれて上方に傾斜する傾斜部21Abを有している。また、底部21Aaの左側部から、左方向に向かうにつれて上方に傾斜する傾斜部21Acを有している。
【0082】
図17に示すように、第1接続部材74aは、傾斜部21Abの裏面(下方向側の面)に取り付けられる。
また、第2接続部材74bは、傾斜部21Acの裏面(下方向側の面)に取り付けられる。
【0083】
図18に、第1接続部材74a及び第2接続部材74bの配策構造の別例を示す。
図18に示すように、シートクッションフレーム20は、右側部にサイドフレーム22a、及び左側部にサイドフレーム22bを備える。
サイドフレーム22a、22bは、基本的に左右対称の構成とされた部材であり、シート前後方向に延出して設けられている。
【0084】
図18に示すように、第1接続部材74aは、サイドフレーム22aの内側(左側)に沿って配策され、第2接続部材74bは、サイドフレーム22bの内側(右側)に沿って配策される。
図18において、第2接続部材74bの見えない位置に配置されている部分は破線で示す。
【0085】
図19に、
図18に示す断面線XIX-XIXにおける断面図を示す。
図20に、
図18に示す断面線XX-XXにおける断面図を示す。
図19、
図20に示すように、第1接続部材74aは、電装品用ハーネス30とともに、サイドフレーム22aに沿って配策され、連結部材40によりサイドフレーム22aに固定される。
電装品用ハーネス30は、例えば、車両用シートSに備えられたシートヒーター用のハーネス等である。
連結部材40は、例えば、結束バンド等である。
また、第2接続部材74bは、第1接続部材74aと同様にして、電装品用ハーネス30とともに、サイドフレーム22bに沿って配策され、連結部材40によりサイドフレーム22bに固定される。
このように、第1接続部材74a及び第2接続部材74bは、電装品用ハーネス30等の他のハーネスと共に配策することができる。したがって、第1接続部材74a及び第2接続部材74bと他の部品とが干渉するリスクを低減することができる。
【0086】
なお、
図12A、
図12Bに示したカバー部材85は、インジケーター8A~8Fごとに設けても良いし、インジケーター8が隣り合って設けられている場合等においては複数のインジケーター8を覆う共通のカバー部材として設けてもよい。
つまり、カバー部材85がインジケーター8A~8Fごとに設けられる場合、インジケーター8A~8Fのうちの第1インジケーターは、第1カバー部材で覆われており、インジケーター8A~8Fのうちの第2インジケーターは、第2カバー部材で覆われている。
また、カバー部材85が複数のインジケーター8を覆う共通のカバー部材として設けられる場合、インジケーター8A~8Fのうちの第1インジケーター(例えば、インジケーター8A)及び第2インジケーター(例えば、インジケーター8B)は、共通のカバー部材で覆われている。
【0087】
また、上記実施形態では、第1部材6Aまたは第2部材6Bが有する2つのストライカ(連結部61)のうちの一つのストライカがロック機構7のラッチ71と係合し、当該ロック機構7に接続されたインジケーター8において、連結部61とロック機構7とが適切に連結しているか否かを示す例を示したがこれに限らない。
車両用シートSは、第1部材6A及び第2部材6Bが有する2つのストライカ(連結部61)にそれぞれ連結するロック機構7と、それぞれのロック機構7に接続されたインジケーター8とを備えてもよい。つまり、車両用シートSは、第1部材6Aまたは第2部材6Bに対応するロック機構7及びインジケーター8を2つずつ備えてもよい。
または、車両用シートSは、第1部材6Aまたは第2部材6Bが有する2つのストライカ(連結部61)にそれぞれ連結するロック機構7を備え、当該2つのロック機構7は連動する構成であり、当該連動する2つのロック機構7に接続されたインジケーター8を一つ備える構成であってもよい。
【0088】
また、インジケーター8は、上記のようにロック機構7に接続部材74により物理的に接続される構成に限らない。インジケーター8は、ロック機構7と電気的に接続されてもよい。
【0089】
また、車両用シートSは、第1部材6Aまたは第2部材6Bの連結部61とロック機構7とが適切に連結しているか否かを音声により車両の乗員等のユーザーに通知する通知部を備えてもよい。
また、車両用シートSは、インジケーター8を備えず、上記通知部を備える構成であってもよい。
【0090】
また、車両用シートSは、
図21に示すように、取付部カバー11を有する。
図21は、車両用シートSを上方向から見た図である。
取付部カバー11は、オットマン仕様モード及びアームレスト仕様モードにおいて、シートクッション2に設けられる。換言すると、取付部カバー11は、ロック機構7に第1部材6Aまたは第2部材6Bを連結した際に、シートクッション2と、第1部材6Aまたは第2部材6Bとの間に位置する。
また、取付部カバー11は、サイドサポート仕様モードにおいて、シートバック1に設けられる。換言すると、取付部カバー11は、ロック機構7に第1部材6Aまたは第2部材6Bを連結した際に、シートバック1と、第1部材6Aまたは第2部材6Bとの間に位置する。
【0091】
また、取付部カバー11は、第1部材6Aまたは第2部材6Bの連結部61を挿入するための取付孔11aを有する。
第1部材6Aまたは第2部材6Bの連結部61をロック機構7に連結する際に、取付孔11aは目印(ガイド)となるため、第1部材6Aまたは第2部材6Bの取付作業性を向上させることができる。
【0092】
なお、第1部材6Aまたは第2部材6Bにおけるクッション部62に対する連結部61(ストライカ)の向きは、
図6に示す例に限らない。そして、取付部カバー11に対する取付孔11aの向きは
図21に示す例に限らない。
取付孔11aの向きは、第1部材6Aまたは第2部材6Bが有するストライカ(連結部61)の向きに対応した向きであればよい。
【0093】
【0094】
図22Aに示すように、第1部材6A及び第2部材6Bが有する2つの連結部61が側面視(左右方向から見た場合)においてU字形状である場合、
図23Aに示すように、取付部カバー11が有する2つの取付孔11aの長尺方向は前後方向である。
この場合、取付部カバー11は、左右方向において小型化が可能である。
【0095】
また、
図22Bに示すように、第1部材6A及び第2部材6Bが有する2つの連結部61が正面視(前後方向から見た場合)においてU字形状である場合、
図23Bに示すように、取付部カバー11が有する2つの取付孔11aの長尺方向は左右方向である。
この場合、取付部カバー11は、前後方向において小型化が可能である。
【0096】
また、
図22C、
図22Dに示すように、第1部材6A及び第2部材6Bが有する一方の連結部61が側面視(左右方向から見た場合)においてU字形状であり、他方の連結部61が正面視(前後方向から見た場合)においてU字形状である場合を説明する。
この場合、連結部61がロック機構7にロックされた際に、連結部61は前後方向及び左右方向において位置決めされる。そのため、連結部61のロック機構7に対するがたつきを抑制できる。
【0097】
また、
図24に示すように、車両用シートSが設けられた車両100が備えるインストルメントパネルIにインジケーター8を設けてもよい。なお、車両100に設けられた車両用シートSAは、運転席である。
図24に示す例においては、車両用シートSに第1部材6Aが設けられておらず、第2部材6Bが車両用シートSの左側のアームレストとして設けられている。この場合、
図24に示すように、インジケーター8Cは、「UNLOCK」を表示し、インジケーター8Dは、「LOCKED」を表示する。
また、インジケーター8CA及びインジケーター8DAは、インストルメントパネルIに設けられている。
インジケーター8CAは、車両用シートSに設けられたインジケーター8Cと、ワイヤやケーブル等により物理的または電気的に接続され、連動している。
したがって、インジケーター8CAは、インジケーター8Cと同様に「UNLOCK」を表示する。
また、インジケーター8DAは、車両用シートSに設けられたインジケーター8Dと、ワイヤやケーブル等により物理的または電気的に接続され、連動している。
したがって、インジケーター8DAは、インジケーター8Dと同様に「LOCKED」を表示する。
【0098】
また、
図25に示すように、車両100は、第1車両用シートS1及び第2車両用シートS2を備えてもよい。
第1車両用シートS1は、車両用シートSと同様に、シート本体Shと、表皮部材4と、連結部材5と、着脱可能な第1部材6A及び第2部材6Bと、ロック機構7と、インジケーター8と、ベースカバー9と、支持部材9aと、取付部カバー11と、を有する。
具体的には、第1車両用シートS1は、インジケーター8である、第1部材6Aの連結部61とロック機構7とが適切に連結しているか否かを示すインジケーター8Aa(第1インジケーター)を有する。
また、第1車両用シートS1は、インジケーター8である、第2部材6Bの連結部61とロック機構7とが適切に連結しているか否かを示すインジケーター8Ba(第2インジケーター)を有する。
【0099】
図25に示すように、第1部材6Aは、第1車両用シートS1の一方側(右側)に設けられる。
第2部材6Bは、第1車両用シートS1の他方側(左側)に設けられる。
また、インジケーター8Aa(第1インジケーター)は、第1車両用シートS1のシートクッション2の前側、且つ車両内の中央側であって、インジケーター8Ba(第2インジケーター)よりも第1車両用シートS1の一方側(右側)に設けられる。
また、インジケーター8Ba(第2インジケーター)は、第1車両用シートS1のシートクッション2の前側、且つ車両内の中央側であって、インジケーター8Aa(第1インジケーター)よりも第1車両用シートS1の他方側(左側)に設けられる。
【0100】
また、第2車両用シートS2は、シート本体Shと、表皮部材4と、連結部材5と、着脱可能な第3部材6C及び第4部材6Dと、ロック機構7と、インジケーター8と、ベースカバー9と、支持部材9aと、取付部カバー11と、を有する。第3部材6C及び第4部材6Dは、第1部材6A及び第2部材6Bと同様の構成である。
具体的には、第2車両用シートS2は、インジケーター8である、第3部材6Cの連結部61とロック機構7とが適切に連結しているか否かを示すインジケーター8Ca(第3インジケーター)を有する。
また、第2車両用シートS2は、インジケーター8である、第4部材6Dの連結部61とロック機構7とが適切に連結しているか否かを示すインジケーター8Da(第4インジケーター)を有する。
【0101】
図25に示すように、第3部材6Cは、第2車両用シートS2の一方側(右側)に設けられる。
第4部材6Dは、第2車両用シートS2の他方側(左側)に設けられる。
また、インジケーター8Ca(第3インジケーター)は、第2車両用シートS2のシートクッション2の前側、且つ車両内の中央側であって、インジケーター8Da(第4インジケーター)よりも第2車両用シートS2の一方側(右側)に設けられる。
また、インジケーター8Da(第4インジケーター)は、第2車両用シートS2のシートクッション2の前側、且つ車両内の中央側であって、インジケーター8Ca(第3インジケーター)よりも第2車両用シートS2の他方側(左側)に設けられる。
【0102】
以上の構成により、運転者等のユーザーは、車両用シートSの前方向から第1インジケーター、第2インジケーター、第3インジケーター及び第4インジケーターを一度に認識できる。
【0103】
なお、ロック機構7は、車両100の車体に設けられてもよい。この場合、第1部材6A、第2部材6B、第3部材6C及び第4部材6Dは、車体に設けられたロック機構7に連結される。
【0104】
つまり、車両100は、車体または第1車両用シートS1に設けられたロック機構7に対してロックされる乗員支持部材としての第1部材6A及び第2部材6Bと、第1部材6Aのロック状態を示す第1インジケーター(インジケーター8Aa)と、第2部材6Bのロック状態を示す第2インジケーター(インジケーター8Ba)と、を備える第1車両用シートS1を備える。
そして、車両100は、車体または第2車両用シートS2に設けられたロック機構7に対してロックされる乗員支持部材としての第3部材6C及び第4部材6Dと、第3部材6Cのロック状態を示す第3インジケーター(インジケーター8Ca)と、第4部材6Dのロック状態を示す第4インジケーター(インジケーター8Da)と、を備える第2車両用シートS2を備える。
そして、第1部材6Aは、第1車両用シートS1における一方側に設けられ、第3部材6Cは、第2車両用シートS2における一方側に設けられる。
そして、第2部材6Bは、第1車両用シートS1における他方側に設けられ、第4部材6Dは、第2車両用シートS2における他方側に設けられる。
そして、第1インジケーター(インジケーター8Aa)は、第2インジケーター(インジケーター8Ba)よりも第1車両用シートS1の一方側に設けられる。第3インジケーター(インジケーター8Ca)は、第4インジケーター(インジケーター8Da)よりも第2車両用シートS2の一方側に設けられる。
そして、第2インジケーター(インジケーター8Ba)は、第1インジケーター(インジケーター8Aa)よりも第1車両用シートS1の他方側に設けられる。第4インジケーター(インジケーター8Da)は、第3インジケーター(インジケーター8Ca)よりも第2車両用シートS2の他方側に設けられる。
そして、第1インジケーター(インジケーター8Aa)、第2インジケーター(インジケーター8Ba)、第3インジケーター(インジケーター8Ca)及び第4インジケーター(インジケーター8Da)は、シートクッション2の前側、且つ車両内の中央側に設けられる。
【0105】
次に、車両用シートSの製造方法について説明する。
作業者は、まず、ロック機構7を車両用シートSに設ける(第1工程)。
次に、作業者は、車両用シートSに、第1部材6Aのロック状態を示す第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)、及び第2部材6Bのロック状態を示す第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)を設ける(第2工程)。
なお、第1工程、第2工程の順序は、上記の例に限らない。
【0106】
そして、作業者は、第1部材6Aを車両用シートSにおける一方側(例えば、右側)に設け、第2部材6Bを車両用シートSにおける他方側(例えば、左側)に設ける(第3工程)。
なお、第2工程において、作業者は、第1インジケーターを、車両用シートSにおける一方側に設け、第2インジケーターを、車両用シートSにおける他方側に設ける。
【0107】
また、第2工程において、作業者は、第1インジケーター及び第2インジケーターを隣り合って設けてもよい。
【0108】
また、第2工程において、作業者は、第1インジケーターと第2インジケーターとの距離が、第1部材6Aと第2部材6B間の距離よりも短くなるように、第1インジケーター及び第2インジケーターを設けてもよい。
【0109】
また、第2工程において、作業者は、第1インジケーター及び第2インジケーターを、車両用シートSが備えるシートクッションの前側、且つ車両内の中央側に設けてもよい。
【0110】
また、第2工程において、作業者は、第1カバー部材(カバー部材85)で覆われた第1インジケーター、及び第2カバー部材(カバー部材85)で覆われた第2インジケーターを設ける。
【0111】
また、第2工程において、作業者は、共通のカバー部材で覆われた第1インジケーター及び第2インジケーターを設けてもよい。
【0112】
また、第2工程において、作業者は、車両用シートSに、第1インジケーターと、ロック機構7のうち第1部材6Aがロックされる第1ロック機構(ロック機構7A、7C、7E)とを接続する第1接続部材(接続部材74)を設ける。
なお、第1インジケーターは、第1部材6Aと第1ロック機構とのアンロック状態を表示する第1表示部(アンロック表示部81)と、第1部材6Aと第1ロック機構とのロック状態を表示する第2表示部(ロック表示部82)と、第1表示部が表示されるように付勢する付勢部材84と、を備える。
そして、第1インジケーターは、第1部材6Aが第1ロック機構にロックされた場合、第1接続部材が第1ロック機構側に牽引されることにより、付勢部材84に抗して第1表示部を表示しない一方で、第2表示部を表示する。
また、第2工程において、作業者は、車両用シートSに、第2インジケーターと、ロック機構のうち第2部材6Bがロックされる第2ロック機構(ロック機構7B、7D、7F)とを接続する第2接続部材(接続部材74)を設ける。
なお、第2インジケーターは、第2部材6Bと第2ロック機構とのアンロック状態を表示する第3表示部(アンロック表示部81)と、第2部材6Bと第2ロック機構とのロック状態を表示する第4表示部(ロック表示部82)と、第3表示部が表示されるように付勢する付勢部材84と、を備える。
そして、第2インジケーターは、第2部材6Bが第2ロック機構にロックされた場合、第2接続部材が第2ロック機構側に牽引されることにより、付勢部材84に抗して第3表示部を表示しない一方で、第4表示部を表示する。
【0113】
また、第3工程において、作業者は、第1部材6A及び第2部材6Bをアームレストとして機能するように設けてもよい。
【0114】
また、第3工程において、作業者は、第1部材6A及び第2部材6Bをサイドサポートとして機能するように設けてもよい。
【0115】
以上により、車両用シートSが製造される。
なお、作業者は、ロック機構7を車体に設けてもよい。この場合、作業者は、車体に設けられたロック機構7に第1部材6A及び第2部材6Bを連結する。
【0116】
以上、説明したとおり、本実施形態における車両用シートSは、車体または車両用シートSに設けられたロック機構7に対してロックされる乗員支持部材としての第1部材6A及び第2部材6Bと、第1部材6Aのロック状態を示す第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)と、第2部材6Bのロック状態を示す第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)と、を備える。
したがって、第1部材6A及び第2部材6Bのロック機構7に対するロック状態をそれぞれ示すことができる。つまり、乗員等のユーザーは、乗員支持部材(第1部材6A及び第2部材6B)が適切に取り付けられているかを認識できる。
【0117】
また、本実施形態における車両用シートSにおいて、第1部材6Aは、車両用シートSにおける一方側に設けられ、第2部材6Bは、車両用シートSにおける他方側に設けられ、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)は、車両用シートSにおける一方側に設けられ、第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)は、車両用シートSにおける他方側に設けられる。
したがって、一方側に設けられた第1部材6Aと第1インジケーターとの位置関係、及び他方側に設けられた第2部材6Bと第2インジケーターとの位置関係が整合する。そのため、ユーザーは、第1部材6A及び第2部材6Bのロック状態を認識しやすい。
【0118】
また、本実施形態における車両用シートSにおいて、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)及び第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)は、隣り合って設けられる。
これにより、ユーザーは、第1インジケーター及び第2インジケーターを一度に認識できる。
【0119】
また、本実施形態における車両用シートSにおいて、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)と第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)との距離は、第1部材6Aと第2部材6B間の距離よりも短い。
これにより、第1インジケーター及び第2インジケーターは、所定距離内である近い領域に配置されるため、ユーザーは、第1インジケーター及び第2インジケーターを一度に認識できる。
【0120】
また、本実施形態における車両用シートSは、シートクッション2を備え、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)及び第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)は、シートクッション2における車両用シートSの前側、且つ車両内の中央側に設けられる。
これにより、車両用シートSの前方向から第1インジケーター及び第2インジケーターを確認する場合、車両用シートSの前方向にいるユーザーは、第1インジケーター及び第2インジケーターを認識しやすい。
上記の場合は、例えば、運転席から後部座席である車両用シートSが備える第1インジケーター及び第2インジケーターを確認する場合等である。
つまり、運転者等のユーザーは、容易に第1インジケーター及び第2インジケーターの表示を視認できる。
【0121】
また、本実施形態における車両用シートSにおいて、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)は、第1カバー部材(カバー部材85)で覆われており、第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)は、第2カバー部材(カバー部材85)で覆われている。
したがって、第1インジケーター及び第2インジケーターをそれぞれ別個のカバー部材85で覆う構成とすることができる。
【0122】
また、本実施形態における車両用シートSにおいて、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)及び第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)は、共通のカバー部材で覆われている。
これにより、第1インジケーター及び第2インジケーターをそれぞれ別個のカバー部材で覆う構成と比較して、部品点数を減らすことができる。
【0123】
また、本実施形態における車両用シートSは、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)と、ロック機構7のうち第1部材6Aがロックされる第1ロック機構(ロック機構7A、7C、7E)とを接続する第1接続部材(接続部材74)を備え、第1インジケーターは、第1部材6Aと第1ロック機構とのアンロック状態を表示する第1表示部(アンロック表示部81)と、第1部材6Aと第1ロック機構とのロック状態を表示する第2表示部(ロック表示部82)と、第1表示部が表示されるように付勢する付勢部材84と、を備え、第1部材6Aが第1ロック機構にロックされた場合、第1接続部材が第1ロック機構側に牽引されることにより、付勢部材84に抗して第1表示部を表示しない一方で、第2表示部を表示し、第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)と、ロック機構7のうち第2部材6Bがロックされる第2ロック機構(ロック機構7B、7D、7F)とを接続する第2接続部材(接続部材74)を備え、第2インジケーターは、第2部材6Bと第2ロック機構とのアンロック状態を表示する第3表示部(アンロック表示部81)と、第2部材6Bと第2ロック機構とのロック状態を表示する第4表示部(ロック表示部82)と、第3表示部が表示されるように付勢する付勢部材84と、を備え、第2部材6Bが第2ロック機構にロックされた場合、第2接続部材が第2ロック機構側に牽引されることにより、付勢部材84に抗して第3表示部を表示しない一方で、第4表示部を表示する。
したがって、インジケーター8を簡素な構成とすることができる。
【0124】
また、本実施形態における車両用シートSにおいて、第1部材6A及び第2部材6Bは、アームレストである。
これにより、第1部材6A及び第2部材6Bをアームレストとして機能させた場合のロック機構7に対するロック状態をそれぞれ示すことができる。
【0125】
また、本実施形態における車両用シートSにおいて、第1部材6A及び第2部材6Bは、サイドサポートである。
これにより、第1部材6A及び第2部材6Bをサイドサポートとして機能させた場合のロック機構7に対するロック状態をそれぞれ示すことができる。
【0126】
また、本実施形態における車両用シートSの製造方法について説明する。すなわち、車体または車両用シートSに設けられたロック機構7に対してロックされる乗員支持部材としての第1部材6A及び第2部材6Bと、第1部材6Aのロック状態を示す第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)と、第2部材6Bのロック状態を示す第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)と、を備える車両用シートSの製造方法であって、ロック機構7を車両用シートSに設ける第1工程と、第1インジケーター及び第2インジケーターを車両用シートSに設ける第2工程とを含む。
したがって、車両用シートSにおいて、第1部材6A及び第2部材6Bのロック機構7に対するロック状態をそれぞれ示すことができる。つまり、乗員等のユーザーが、乗員支持部材(第1部材6A及び第2部材6B)が適切に取り付けられているかを認識できる、車両用シートSを製造できる。
【0127】
また、本実施形態における車両用シートSの製造方法において、第1部材6Aは、車両用シートSにおける一方側に設けられ、第2部材6Bは、車両用シートSにおける他方側に設けられ、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)は、車両用シートSにおける一方側に設けられ、第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)は、車両用シートSにおける他方側に設けられる。
したがって、車両用シートSにおいて、一方側に設けられた第1部材6Aと第1インジケーターとの位置関係、及び他方側に設けられた第2部材6Bと第2インジケーターとの位置関係が整合する。そのため、ユーザーが、第1部材6A及び第2部材6Bのロック状態を認識しやすい、車両用シートSを製造できる。
【0128】
また、本実施形態における車両用シートSの製造方法において、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)及び第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)は、隣り合って設けられる。
これにより、ユーザーが、第1インジケーター及び第2インジケーターを一度に認識できる、車両用シートSを製造できる。
【0129】
また、本実施形態における車両用シートSの製造方法において、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)と第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)との距離は、第1部材6Aと第2部材6B間の距離よりも短い。
これにより、車両用シートSにおいて、第1インジケーター及び第2インジケーターは、所定距離内である近い領域に配置される。したがって、ユーザーが、第1インジケーター及び第2インジケーターを一度に認識できる、車両用シートSを製造できる。
【0130】
また、本実施形態における車両用シートSの製造方法において、車両用シートSは、シートクッション2を備え、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)及び第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)は、シートクッション2における車両用シートSの前側、且つ車両内の中央側に設けられる。
これにより、車両用シートSの前方向から第1インジケーター及び第2インジケーターを確認する場合、車両用シートSの前方向にいるユーザーは、第1インジケーター及び第2インジケーターを認識しやすい。
上記の場合は、例えば、運転席から後部座席である車両用シートSが備える第1インジケーター及び第2インジケーターを確認する場合等である。
つまり、運転者等のユーザーが容易に第1インジケーター及び第2インジケーターの表示を視認できる、車両用シートSを製造できる。
【0131】
また、本実施形態における車両用シートSの製造方法において、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)は、第1カバー部材(カバー部材85)で覆われており、第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)は、第2カバー部材(カバー部材85)で覆われている。
これにより、第1インジケーター及び第2インジケーターをそれぞれ別個のカバー部材85で覆う構成である、車両用シートSを製造できる。
【0132】
また、本実施形態における車両用シートSの製造方法において、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)及び第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)は、共通のカバー部材で覆われている。
これにより、第1インジケーター及び第2インジケーターをそれぞれ別個のカバー部材で覆う構成と比較して、部品点数が少ない、車両用シートSを製造できる。
【0133】
また、本実施形態における車両用シートSの製造方法において、車両用シートSは、第1インジケーター(インジケーター8A、8C、8E)と、ロック機構7のうち第1部材6Aがロックされる第1ロック機構(ロック機構7A、7C、7E)とを接続する第1接続部材(接続部材74)を備え、第1インジケーターは、第1部材6Aと第1ロック機構とのアンロック状態を表示する第1表示部(アンロック表示部81)と、第1部材6Aと第1ロック機構とのロック状態を表示する第2表示部(ロック表示部82)と、第1表示部が表示されるように付勢する付勢部材84と、を備え、第1部材6Aが第1ロック機構にロックされた場合、第1接続部材が第1ロック機構側に牽引されることにより、付勢部材84に抗して第1表示部を表示しない一方で、第2表示部を表示し、第2インジケーター(インジケーター8B、8D、8F)と、ロック機構7のうち第2部材6Bがロックされる第2ロック機構(ロック機構7B、7D、7F)とを接続する第2接続部材(接続部材74)を備え、第2インジケーターは、第2部材6Bと第2ロック機構とのアンロック状態を表示する第3表示部(アンロック表示部81)と、第2部材6Bと第2ロック機構とのロック状態を表示する第4表示部(ロック表示部82)と、第3表示部が表示されるように付勢する付勢部材84と、を備え、第2部材6Bが第2ロック機構にロックされた場合、第2接続部材が第2ロック機構側に牽引されることにより、付勢部材84に抗して第3表示部を表示しない一方で、第4表示部を表示する。
したがって、インジケーター8が簡素な構成である、車両用シートSを製造できる。
【0134】
また、本実施形態における車両用シートSの製造方法において、第1部材6A及び第2部材6Bは、アームレストである。
これにより、第1部材6A及び第2部材6Bをアームレストとして機能させた場合のロック機構7に対するロック状態をそれぞれ示すことができる、車両用シートSを製造できる。
【0135】
また、本実施形態における車両用シートSの製造方法において、第1部材6A及び第2部材6Bは、サイドサポートである。
これにより、第1部材6A及び第2部材6Bをサイドサポートとして機能させた場合のロック機構7に対するロック状態をそれぞれ示すことができる、車両用シートSを製造できる。
【0136】
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態において、第1部材6Aは、車両用シートSにおける右側に設けられ、第2部材6Bは、車両用シートSにおける左側に設けられるとしたがこれに限らない。
第1部材6Aは、車両用シートSにおける上側に設けられ、第2部材6Bは、車両用シートSにおける下側に設けられるとしてもよい。
図26に、この場合のオットマン仕様モードの車両用シートSの正面図を示す。
また、第1部材6Aは、車両用シートSにおける前側に設けられ、第2部材6Bは、車両用シートSにおける後ろ側に設けられるとしてもよい。
図27に、この場合のアームレスト仕様モードの車両用シートSの側面図を示す。
【0137】
また、上記実施形態において、シートバックフレーム10及びシートクッションフレーム20は、パイプフレームであるとしたがこれに限らない。
シートバックフレーム10及びシートクッションフレーム20は、板状のサイドフレームであってもよい。
この場合、ロック機構7は、当該サイドフレームの上面(または側面)に固定される。
【0138】
また、
図28Aに、連結部61が連結されていないアンロック状態のロック機構7、及びインジケーター8の別例を示す。また、
図28Bに、連結部61が連結されたロック状態のロック機構7、及びインジケーター8の別例を示す。
図28A、
図28Bに示す例において、ロック機構7は、接続部材74に接続されたラッチ71Aを備える。
図28Aに示すアンロック状態から、
図28Bに示すように連結部61をラッチ71Aの係合溝71Aaに挿入すると、ラッチ71Aは回転軸71Abを中心に時計回転する。ラッチ71Aが回転軸71Abを中心に時計回転することで、接続部材74がラッチ71A側に牽引されることにより回動ギア83は時計周りに回動する。
この際に、回動ギア83の回動動作が従動ギア81aに伝わり、アンロック表示部81は、付勢部材84の付勢力に抗してカバー部材85に覆われる領域に収納される。
そして、回動ギア83の回動動作が従動ギア82aに伝わり、ロック表示部82が開口部85aからカバー部材85に覆われた領域外に出ることにより、「LOCKED」を表示する。
【符号の説明】
【0139】
1 シートバック
2 シートクッション
3 ヘッドレスト
4 表皮部材
5 連結部材
6A 第1部材
6B 第2部材
6C 第3部材
6D 第4部材
61 連結部
62 クッション部
7、7A~7F ロック機構
71、71A ラッチ
71a、71Aa 係合溝
71b、71Ab 回転軸
72 ラチェット
72a 回転軸
74 接続部材
74a 第1接続部材
74b 第2接続部材
75 ベースプレート
75a 進入溝
8、8A~8F、8CA、8DA、8Aa~8Da インジケーター
81 アンロック表示部
81a 従動ギア
82 ロック表示部
82a 従動ギア
83 回動ギア
84 付勢部材
85 カバー部材
85a 開口部
9 ベースカバー
9a 支持部材
10 シートバックフレーム
11 取付部カバー
11a 取付孔
20 シートクッションフレーム
21 受圧部材
21a 凹部
21b クリップ係止孔
21c クリップ
21A 受圧部材
21Aa 底部
21Ab、21Ac 傾斜部
22a、22b サイドフレーム
30 電装品用ハーネス
40 連結部材
S 車両用シート
S1 第1車両用シート
S2 第2車両用シート
Sh シート本体