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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091222
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】カメラユニット
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20210101AFI20240627BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20240627BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20240627BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20240627BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B30/00
H04N23/50
H04N23/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068469
(22)【出願日】2023-04-19
(31)【優先権主張番号】P 2022206229
(32)【優先日】2022-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000001225
【氏名又は名称】ニデックプレシジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西川 信宏
(72)【発明者】
【氏名】高橋 繁実
【テーマコード(参考)】
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2K005AA20
2K005BA52
2K005CA04
2K005CA23
2K005CA24
2K005CA34
2K005CA42
5C122DA01
5C122EA41
5C122FB03
5C122FC00
5C122GE04
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
5C122GE18
5C122HA82
(57)【要約】      (修正有)
【課題】カメラモジュールの動きを阻害する要因が削減されたカメラユニットを提供する。
【解決手段】カメラユニットは、複数の端子15を備えている基板13を含むカメラモジュールと、カメラモジュールが収容されている可動部材と、可動部材が収容されているケース50と、複数の端子82を備え、ケース50に固定されている基板80と、基板13の複数の端子15と、基板80の複数の端子82とにそれぞれ電気的に接続されている複数のワイヤ81と、を有している。複数のワイヤ81のそれぞれは、基板13の動作に応じて、かつ、互いに独立して変位が可能な状態で基板13および基板80のそれぞれに接続されている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の第1端子を備えている第1基板と、前記第1基板に搭載された撮像素子と、前記撮像素子に光を集光させる光学素子と、を含むカメラモジュールと、
前記カメラモジュールが収容されている可動部材と、
前記可動部材が収容されている収容部材と、
複数の第2端子を備え、前記収容部材に固定されている第2基板と、
前記光学素子の光軸と交差する軸を回転軸として前記可動部材を前記収容部材に対して回転可能に支持する支持機構と、
前記可動部材を前記収容部材に対して回転させる駆動機構と、
前記第1基板の前記複数の第1端子と、前記第2基板の前記複数の第2端子とにそれぞれ電気的に接続されている複数のワイヤと、
前記第2基板に接続され、前記撮像素子から出力される信号を伝送する配線基板と、を有し、
前記複数の第1端子のそれぞれは、前記撮像素子と電気的に接続され、
前記複数のワイヤのそれぞれは、前記可動部材の回転に伴う前記第1基板の動作に応じて、かつ、互いに独立して変位が可能な状態で前記第1基板および前記第2基板のそれぞれに接続されている、カメラユニット。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数のワイヤのそれぞれは、
第1半田部材を介して前記複数の第1端子のうちの一つに接続されている第1端部と、
第2半田部材を介して前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている第2端部と、
を有している、カメラユニット。
【請求項3】
請求項1において、
前記複数のワイヤは、金属材料から成る金属ワイヤであり、
前記複数のワイヤのそれぞれは、
前記複数の第1端子のうちの一つに接続されている第1端部と、
前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている第2端部と、
前記第1端部と前記第2端部との間に挟まれている線形部と、
を備え、
前記線形部は、前記第1基板の動作に応じて変形可能である、カメラユニット。
【請求項4】
請求項1において、
前記複数のワイヤのそれぞれは、
前記複数の第1端子のうちの一つに接続されている第1端部と、
前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている第2端部と、
を有し、
前記第1端部および前記第2端部のうち少なくとも一方は、ボール形状を成すボール部から成り、
前記複数の第1端子および前記複数の第2端子のうち少なくとも一方は、前記ボール部を回転可能な状態で保持しているガイド部に接続されている、カメラユニット。
【請求項5】
請求項4において、
前記第1端部および前記第2端部のうちの一方は、前記ボール部から成り、かつ、前記ガイド部に保持され、
前記第1端部および前記第2端部のうちの他方は、半田部材を介して前記複数の第1端子のうちの一つまたは前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている、カメラユニット。
【請求項6】
請求項4において、
前記ガイド部は、
前記第1基板の上、または前記第2基板の上に固定されているボール保持部と、
前記ボール保持部の上に開閉可能な状態で固定されている蓋部と、
を有し、
前記ボール保持部は、
前記ボール部の一部を収容可能な第1収容部と、
前記第1収容部の内壁を覆うように配置され、前記第1端子または前記第2端子と電気的に接続されている第1金属膜と、
を備え、
前記蓋部は、
前記ボール部の他の一部を収容可能な第2収容部と、
前記第2収容部の内壁を覆うように配置されている第2金属膜と、
を備えている、カメラユニット。
【請求項7】
請求項4または6において、
前記ボール部と前記ガイド部との間には、導電性潤滑剤が介在している、カメラユニット。
【請求項8】
請求項4または6において、
前記複数のワイヤのそれぞれは、金属材料から成る金属ワイヤであり、
前記複数のワイヤのそれぞれは、前記第1端部と前記第2端部との間に挟まれている線形部を備え、
前記第1基板の動作に応じて前記ガイド部内で前記ボール部が回転することにより、前記線形部と前記第2基板とが成す角度が変化する、カメラユニット。
【請求項9】
請求項1において、
前記複数のワイヤのそれぞれは、
第1半田部材を介して前記複数の第1端子のうちの一つに接続されている第1端部と、
第2半田部材を介して前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている第2端部と、
を有し、
前記複数の第1端子および前記複数の第2端子のそれぞれは、第1方向に沿って配列され、
前記第1基板は、前記第1方向に沿って延びるように配置されている第1円柱部材を有し、
前記第1円柱部材は、前記第1基板と離間する位置に固定され、
平面視において、前記複数の第1端子のそれぞれは、前記第1円柱部材と前記複数の第2端子との間に配置され、
前記複数のワイヤのうちの第1ワイヤは、前記第1端部と前記第2端部との間に、前記第1円柱部材の円周に沿うように配置されている第1迂回部を有している、カメラユニット。
【請求項10】
請求項9において、
前記第1円柱部材は、円周方向に延びている第1溝部を有し、
前記第1溝部には、前記第1ワイヤが配置されている、カメラユニット。
【請求項11】
請求項9において、
前記第1円柱部材は、円周方向に延び、かつ互いに離間するように前記第1方向に沿って配列されている複数の第1溝部を有し、
前記複数の第1溝部のそれぞれには、前記複数のワイヤが1本ずつ配置されている、カメラユニット。
【請求項12】
請求項9~11のいずれか1項において、
前記第1円柱部材は、円柱の中心線を回転軸として回転自在な状態で前記第1基板と離間する位置に固定されている、カメラユニット。
【請求項13】
請求項9~11のいずれか1項において、
前記第2基板は、前記第1方向に沿って延びるように配置されている第2円柱部材を有し、
前記第2円柱部材は、前記第2基板と離間する位置に固定され、
平面視において、前記複数の第2端子のそれぞれは、前記第2円柱部材と前記複数の第1端子との間に配置され、
前記第1ワイヤは、前記第1端部と前記第2端部との間に、前記第2円柱部材の円周に沿うように配置されている第2迂回部を有している、カメラユニット。
【請求項14】
請求項13において、
前記第2円柱部材は、円周方向に沿って延びている第2溝部を有し、
前記第2溝部には、前記第1ワイヤが配置されている、カメラユニット。
【請求項15】
請求項13において、
前記第2円柱部材は、円周方向に延び、かつ互いに離間するように前記第1方向に沿って配列されている複数の第2溝部を有し、
前記複数の第2溝部のそれぞれには、前記複数のワイヤが1本ずつ配置されている、カメラユニット。
【請求項16】
請求項13において、
前記第2円柱部材は、円柱の中心線を回転軸として回転自在な状態で前記第2基板と離間する位置に固定されている、カメラユニット。
【請求項17】
請求項1において、
前記複数のワイヤのそれぞれは、
第1半田部材を介して前記複数の第1端子のうちの一つに接続されている第1端部と、
第2半田部材を介して前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている第2端部と、
を有し、
前記複数の第1端子および前記複数の第2端子のそれぞれは、第1方向に沿って配列され、
前記第2基板は、前記第1方向に沿って延びるように配置されている第1円柱部材を有し、
前記第1円柱部材は、前記第2基板と離間する位置に固定され、
平面視において、前記複数の第2端子のそれぞれは、前記第1円柱部材と前記複数の第1端子との間に配置され、
前記複数のワイヤのうちの第1ワイヤは、前記第1端部と前記第2端部との間に、前記第1円柱部材の円周に沿うように配置されている第1迂回部を有している、カメラユニット。
【請求項18】
請求項1において、
前記複数のワイヤのそれぞれは、
第1半田部材を介して前記複数の第1端子のうちの一つに接続されている第1端部と、
第2半田部材を介して前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている第2端部と、
前記第1端部と前記第2端部との間にある第1線形部と、
前記第1線形部と前記第2端部との間にある第2線形部と、
前記第1線形部と前記第2線形部との間にある第3線形部と、
前記第3線形部と前記第2線形部との間にある第4線形部と、
を有し、
前記第1半田部材、前記第2半田部材、前記第1線形部、および前記第2線形部のそれぞれは、硬化した樹脂から成る第1絶縁層に封止され、
前記第3線形部および前記第4線形部のそれぞれは、前記第1絶縁層上に積層され、かつ、第1の粘度を有する第1ゲル層に封止されている、カメラユニット。
【請求項19】
請求項18において、
前記複数のワイヤのそれぞれは、
前記第3線形部と前記第4線形部との間にある第5線形部と、
前記第5線形部と前記第4線形部との間にある第6線形部と、
を更に有し、
前記第5線形部および前記第6線形部のそれぞれは、前記第1ゲル層上に積層され、かつ、前記第1の粘度と異なる第2の粘度を有する第2ゲル層に封止されている、カメラユニット。
【請求項20】
請求項19において、
前記第2の粘度は、前記第1の粘度よりも低い、カメラユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
光学機器として、補正用の撮影ユニット駆動機構を備える撮影用光学装置がある(特許文献1参照)。特許文献1では、撮影ユニットを変位させて振れを補正するにあたって、撮影ユニットは、計4本のサスペンションワイヤによって固定体に支持されている。光軸を間に挟む両側2箇所には、2つが対になった第1撮影ユニット駆動機構および第2撮影ユニット駆動機構がそれぞれ設けられており、これらの撮影ユニット駆動機構では、可動体側である撮影ユニット側に撮影ユニット駆動用マグネットが保持され、固定体側に撮影ユニット駆動用コイルが保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-288770号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
傾斜揺動可能なカメラモジュールを備えるカメラユニットでは、カメラモジュールの動きを阻害する要因をなるべく少なくすることが望ましい。
【0005】
本発明の目的は、カメラモジュールの動きを阻害する要因が削減されたカメラユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態に係るカメラユニットは、複数の第1端子を備えている第1基板と、前記第1基板に搭載された撮像素子と、前記撮像素子に光を集光させる光学素子と、を含むカメラモジュールと、前記カメラモジュールが収容されている可動部材と、前記可動部材が収容されている収容部材と、複数の第2端子を備え、前記収容部材に固定されている第2基板と、前記光学素子の光軸と交差する軸を回転軸として前記可動部材を前記収容部材に対して回転可能に支持する支持機構と、前記可動部材を前記収容部材に対して回転させる駆動機構と、前記第1基板の前記複数の第1端子と、前記第2基板の前記複数の第2端子とにそれぞれ電気的に接続されている複数のワイヤと、前記第2基板に接続され、前記撮像素子から出力される信号を伝送する配線基板と、を有している。前記複数の第1端子のそれぞれは、前記撮像素子と電気的に接続されている。前記複数のワイヤのそれぞれは、前記可動部材の回転に伴う前記第1基板の動作に応じて、かつ、互いに独立して変位が可能な状態で前記第1基板および前記第2基板のそれぞれに接続されている。
【発明の効果】
【0007】
カメラモジュールの動きを阻害する要因が削減されたカメラユニットが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、一実施形態に係るカメラユニットを示す斜視図である。
図2図2は、図1に示すカメラユニットの平面図である。
図3図3は、図1に示すカメラユニットの分解図である。
図4図4は、図3に示すホルダと、図1に示すケースおよびストッパプレートを示す斜視図である。
図5図5は、図3に示すセンサ基板と固定基板とが複数のワイヤを介して電気的に接続されている状態を示す平面図である。
図6図6は、図5のA-A線に沿った断面図である。
図7図7は、図3に示す駆動機構を作動させることにより図6に示すセンサ基板が傾斜した状態の例を示す断面図である。
図8図8は、図5に示す端子とワイヤとの接続部分の変形例を示す拡大平面図である。
図9図9は、図8のB-B線に沿った拡大断面図である。
図10図10は、図9に示すセンサ基板がチルト動作した時のワイヤの変位を示す拡大断面図である。
図11図11は、図8に示す端子とワイヤとの接続部分の変形例を示す拡大平面図である。
図12図12は、図11のC-C線に沿った拡大断面図である。
図13図13は、図9に対する変形例を示す拡大断面図である。
図14図14は、図9に対する他の変形例を示す拡大断面図である。
図15図15は、図5に示す端子とワイヤとの接続部分の他の変形例を示す拡大平面図である。
図16図16は、図15のD-D線に沿った拡大断面図である。
図17図17は、図15のE-E線に沿った拡大断面図である。
図18図18は、図15に対する変形例を示す拡大平面図である。
図19図19は、図18のF-F線に沿った拡大断面図である。
図20図20は、図15に対する他の変形例を示す拡大平面図である。
図21図21は、図20のH-H線に沿った拡大断面図である。
図22図22は、図20のG-G線に沿った拡大断面図である。
図23図23は、図18に対する変形例を示す拡大平面図である。
図24図24は、図23のK-K線に沿った拡大断面図である。
図25図25は、図23のM-M線に沿った拡大断面図である。
図26図26は、図5に示す端子とワイヤとの接続部分の他の変形例を示す拡大平面図である。
図27図27は、図26のN-N線に沿った拡大断面図である。
図28図28は、図26のP-P線に沿った拡大断面図である。
図29図29は、図27に対する変形例を示す拡大断面図である。
図30図30は、図28に対する変形例を示す拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施形態を説明するために参照する全ての図面において、同一又は実質的に同一の構成や要素には同一の符号を用いる。また、一度説明した構成や要素については、原則として繰り返しの説明は行わない。
【0010】
<カメラユニットの概要>
図1図2に示されているカメラユニット1Aは、カメラモジュール10,配線基板20,モジュール保持機構30等から構成されている。カメラユニット1Aは、スマートフォン,タブレット型PC,ノート型PC等の携帯型情報端末への搭載に適しているが、カメラユニット1Aの用途に制限はない。
【0011】
図1において、一点鎖線で図示されている光軸Lは、カメラモジュール10が備える光学素子の光軸である。図2において、一点鎖線で図示されている軸L1は、図1に示されている光軸Lと交差する第1の軸を示しており、一点鎖線で図示されている軸L2は、光軸Lと交差する第2の軸を示している。
【0012】
図1図2に示されているZ軸は光軸Lと平行であり、X軸はヨーイングの回転軸と平行であり、Y軸はピッチングの回転軸と平行である。以下の説明では、ヨーイングの回転軸を“ヨーイング軸”と呼び、ピッチングの回転軸を“ピッチング軸”と呼ぶ場合がある。
【0013】
<カメラモジュール>
図3に示されるように、カメラモジュール10は、レンズ11,撮像素子(撮像センサ,イメージセンサ)12,基板13等から構成されている。レンズ11は、カメラモジュール10が備える光学素子の1つであって、撮像素子12の受光面に光を集光させる。言い換えれば、レンズ11は、撮像素子12の受光面上に被写体の像をつくる結像光学系であるか、少なくとも結像光学系を構成する光学素子の1つである。
【0014】
撮像素子12は、レンズ11によって受光面上につくられた被写体像の明暗を電荷量に変換し、変換された電荷量に応じた電圧(信号)を出力する。撮像素子12は、基板13の一方の主面(面13a)に搭載されている。
【0015】
レンズ11は、矩形箱形のハウジング14内に収容されている。もっとも、レンズ11の一部(上部)は、ハウジング14の上面から突出している。ハウジング14内には、AF(オートフォーカス)機能を実現するためにレンズ11を進退させるアクチュエータ等も収容されている。
【0016】
基板13は、光学センサである撮像素子12が搭載されているセンサ基板である。基板13は、撮像素子12が実装された実装面である面13aと、面13aの反対側の面13bと、を有している。基板13は、ハウジング14の下方に、面13aを上向きにして配置されている。この結果、面13aに搭載されている撮像素子12は、レンズ11の出射面と対向している。さらに、レンズ11の光軸L(図1)は、撮像素子12の中心を貫いている。
【0017】
基板13は、複数の端子15を備えている。複数の端子15は、基板13に搭載されている撮像素子12と電気的に接続されている。例えば、基板13には、複数の配線パターンが形成され、複数の端子15は基板13の配線パターンを介して撮像素子12と電気的に接続されている。
【0018】
複数の端子15のそれぞれは、図3に示すワイヤ81を介して基板80の端子82と電気的に接続されている。ワイヤ81を介して端子15と端子82とを電気的に接続する構造の詳細は、後述する。
【0019】
<モジュール保持機構>
図1図3に示されているモジュール保持機構30は、カメラモジュール10のヨーイングおよびピッチングを補正する機能を備えている。つまり、本実施形態のカメラユニット1Aは、手振れ補正機能を有している。
【0020】
図3に示されるように、モジュール保持機構30は、カメラモジュール10が収容されている可動部材としてのホルダ40と、ホルダ40が収容されている収容部材としてのケース50と、ホルダ40を支持する支持機構60と、ホルダ40を駆動する駆動機構70と、を有する。
【0021】
<可動部材および固定部材>
図4に示されるように、ホルダ40は、全体として矩形枠状の外観を呈する樹脂成形品である。ケース50も樹脂成形品であって、ホルダ40の外形に対応した収容空間51を備えている。ホルダ40は、カメラモジュール10が収容され、回転可能な状態で支持機構60に支持されている可動部材の一例である。ケース50は、カメラモジュール10が収容された状態のホルダ40が収容された、収容部材の一例である。駆動機構70を駆動させた時、可動部材であるホルダ40は動作するが、ケース50は動作せず、固定されている。したがって、ホルダ40が可動部材とすると、ケース50は固定部材、あるいは非可動部材である。
【0022】
ホルダ40は、ケース50の収容空間51の内側に図4に示されている向きで収容されており、ホルダ40の底面41の少なくとも一部と、ケース50の底部に固定されている基板80の少なくとも一部とは互いに対向している。もっとも、通常、ホルダ40の底面41とケース50の底部に固定された基板80とは接触していない。つまり、ホルダ40は、フローティング状態でケース50に収容されている。
【0023】
<支持機構>
図3に示されている支持機構60は、光軸L(図1)と交差する1または複数の軸を回転軸としてホルダ40がケース50に対して回転可能となるように、ホルダ40を支持している。より特定的には、支持機構60は、少なくとも図2に示されている軸L1および軸L2を回転軸としてホルダ40がケース50に対して回転可能となるように、ホルダ40を支持している。
【0024】
図3に示されるように、支持機構60は、ジンバル61や支持部材62等から構成されている。図1図2に示されるように、ジンバル61は、レンズ11を取り囲む円形開口部63aが形成されたジンバル本体63と、ジンバル本体63の四隅に設けられた4本の腕を有する。一対の腕64a,64bは、ジンバル本体63の一組の対角にそれぞれ設けられ、他の一対の腕65a,65bは、ジンバル本体63の他の一組の対角にそれぞれ設けられている。
【0025】
図2に示されるように、ジンバル61は、腕64a,64bが軸L1に沿って配置され、腕65a,65bが軸L2に沿って配置されるように搭載されている。尚、ジンバル61のそれぞれの腕64a,64b,65a,65bは、ジンバル本体63に対して略90度折り曲げられている。また、それぞれの腕64a,64b,65a,65bの端部には、半球状の凹部が形成されている。
【0026】
ジンバル61の2本の腕64a,64bは、図3に示されている2つの支持部材62を介してケース50に接続されている。一方、ジンバル61の2本の腕65a,65bは、図3に示されている他の2つの支持部材62を介してホルダ40に接続されている。
【0027】
図4に示されるように、ケース50(収容空間51)の向かい合う2つの角には挿入溝53が設けられており、それぞれ挿入溝53内に支持部材62(図3)が配置されている。同様に、ホルダ40の向かい合う2つの角には挿入溝42が設けられており、それぞれ挿入溝42内に支持部材62(図3)が配置されている。
【0028】
図1図2に示されているジンバル61の腕64a,64bは、ケース50の挿入溝53内に配置されている支持部材62の手前(内側)に挿入されている。一方、図1図2に示されているジンバル61の腕65a,65bは、ホルダ40の挿入溝42内に配置されている支持部材62の手前(内側)に挿入されている。
【0029】
それぞれの支持部材62には金属製のボールが溶接されている。図4に示されている挿入溝53内に配置される支持部材62に溶接されているボールは、当該挿入溝53に挿入されたジンバル61の腕64a,64bに形成されている半球状の凹部に嵌合する。また、図4に示されている挿入溝42内に配置される支持部材62に溶接されているボールは、当該挿入溝42に挿入されたジンバル61の腕65a,65bに設けられている半球状の凹部に嵌合する。
【0030】
以上のように、ジンバル61は、ケース50に支持されている。同時に、ジンバル61は、カメラモジュール10を収容しているホルダ40を保持している。別の見方をすると、カメラモジュール10を収容しているホルダ40は、ケース50に支持されているジンバル61に吊られている。この結果、ホルダ40およびこれに収容されているカメラモジュール10は、ヨーイング方向およびピッチング方向を含む複数の方向に回転可能(傾斜可能)となっている。
【0031】
<ストッパプレート>
図1図2に示されるように、ケース50には、ホルダ40を覆うストッパプレート66が装着されている。図4に示されるように、ストッパプレート66は、少なくともレンズ11およびジンバル本体63を露出させる開口部67が形成された板金である。また、ストッパプレート66の開口部67の四隅には、ジンバル61の腕64a,64b,65a,65bとの干渉を回避するための切欠き68が設けられている。
【0032】
ケース50に装着されたストッパプレート66は、ホルダ40の上面44の全部又は一部と対向する。この結果、ストッパプレート66によってホルダ40の過剰な回転が規制される。具体的には、ホルダ40の回転角度が所定角度に達すると、ホルダ40の上面44がストッパプレート66に当接し、それ以上の回転が規制される。また、ストッパプレート66は、落下時の衝撃などによってホルダ40がケース50から飛び出すことを防止する。さらに、ストッパプレート66は、ホルダ40やケース50の内側に異物や埃などが侵入することを防止する防塵カバーとしても機能する。尚、他の実施形態では、ホルダ40がケース50に当接することにより、ホルダ40の過剰な回転が規制されることもある。
【0033】
<駆動機構>
図3に示されている駆動機構70は、カメラモジュール10のヨーイングおよびピッチングを補正するために、当該カメラモジュール10が収容されているホルダ40をケース50に対して回転させる。例えば、駆動機構70は、ヨーイング軸およびピッチング軸を回転軸として、ホルダ40をケース50に対して回転させる。
【0034】
駆動機構70は、コイルや永久磁石などから構成されており、ホルダ40をケース50に対して回転させる力(推力)を発生させる。本実施形態の駆動機構70は、2つの巻線コイル(空芯コイル)71,72を備えている。また、本実施形態の駆動機構70は、巻線コイル71に対応する永久磁石73と、巻線コイル72に対応する永久磁石74と、を備えている。尚、他の実施形態では、巻線コイル71,72に代えて基板コイル等の他の種類のコイルが用いられる。
【0035】
図4に示されるように、ホルダ40の隣り合う2つの側壁の外面には、磁石装着溝43a,43bがそれぞれ形成されている。図3に示されている永久磁石73は、図4に示されている磁石装着溝43aに収容される。一方、図3に示されている永久磁石74は、図4に示されている磁石装着溝43bに収容される。
【0036】
図4に示されるように、磁石装着溝43a,43bが形成されているホルダ40の側壁と対向するケース50の側壁には、コイル装着部54a,54bがそれぞれ形成されている。図3に示されている巻線コイル71は、図4に示されているコイル装着部54aに固定され、図3に示されている巻線コイル72は、図4に示されているコイル装着部54bに固定される。
【0037】
ケース50内にホルダ40が収容されると、巻線コイル71と永久磁石73とが対向し、巻線コイル72と永久磁石74とが対向する。そして、磁気センサ(例えば、ホール素子)によってカメラモジュール10のヨーイングやピッチング等が検知されると、巻線コイル71および/又は巻線コイル72に電力が供給される。この結果、ホルダ40がケース50に対して回転(傾斜)する。
【0038】
尚、カメラユニット1Aが搭載される携帯型情報端末に搭載されているジャイロセンサから出力されるジャイロ信号に基づいて巻線コイル71および/又は巻線コイル72に電力が供給される実施形態もある。
【0039】
いずれにしても、駆動機構70は、所定のセンサから出力される信号に基づいて巻線コイル71,72に電力を供給し、ホルダ40をケース50に対して回転させる。より具体的には、カメラモジュール10のヨーイングやピッチング等が打ち消される方向に当該カメラモジュール10が傾くように、ホルダ40をケース50に対して回転させる。
【0040】
<配線基板>
図1図2図3に示されている配線基板20は、ケース50内でカメラモジュール10に電気的に接続されている。より特定的には、配線基板20は、ケース50内に固定されている基板80(図3参照)に搭載されたコネクタ80c(図3参照)に接続されている。配線基板20は、基板80に搭載されたコネクタ80cを介して基板80の複数の端子82と電気的に接続されている。後述する図5に示すように、基板80の複数の端子82と、基板13の複数の端子15とは、複数のワイヤ81を介してそれぞれが電気的に接続されている。また、複数の端子15は、撮像素子12と電気的に接続されている。したがって、配線基板20は、基板80および複数のワイヤ81を介して、基板13に搭載された撮像素子12と電気的に接続されている。配線基板20は、撮像素子12から出力される信号を外部機器に伝送する。なお、配線基板20によって外部に伝送される信号は、カメラユニット1Aが搭載されている携帯型情報端末が備える画像処理回路などに入力され、処理される。また、配線基板20は、撮像素子12に対する電力供給や制御信号の入力などにも利用可能である。
【0041】
配線基板20は、複数の配線を備えている。配線基板20は、複数の配線が絶縁層により覆われ、一体化された基板である。配線基板20は、コネクタ80cを介して固定基板である基板80に接続されているので、ホルダ40の動作に追従させる必要がない。したがって、配線基板20としては、例えばリジット基板を用いることができる。あるいは、配線基板20として、可撓性を備えたフレキシブル回路基板(FPC/Flexible Printed Circuits)を用いる場合もある。
【0042】
<固定基板およびワイヤ>
図3および図4に示す基板80は、複数の端子82を備え、ケース50に固定されている。図5に例示するように、平面視において、基板80は、基板13の周囲を囲むように配置された枠形状を成す。平面視において、基板80は、第1方向(図5に示す例ではX軸方向)に延びている辺80s1と、辺80s1の反対側にあり、第1方向に延びている辺80s2とを有している。また、図5に示す例では、平面視において、基板80は、第1方向に交差する第2方向(図5に示す例ではY軸方向)に延びている辺80s3と、辺80s3の反対側にあり、第2方向に延びている辺80s4とを有している。基板80の複数の端子82は、基板80の辺80s1,80s2,80s3,80s4のそれぞれに沿って配列されている。複数の端子82は、基板80の面80aの上に配置されている。
【0043】
一方、撮像素子12が搭載されたセンサ基板である基板13の面13aには、複数の端子15が形成されている。複数の端子15と基板80の複数の端子82とは、収容空間51を介して互いに対向している。
【0044】
図6に示すように、基板80は、基板13の面13aと同じ方向を向いた面80aと、面80aの反対側の面80bを有している。本実施の形態の例では、基板13の複数の端子15のそれぞれは、面13aに配置されている。また、基板80の複数の端子82のそれぞれは、面80aに配置されている。ただし、端子15および端子82が形成されている面は、図5図7に示す例に限定されず、種々の変形例が適用できる。例えば、複数の端子15が基板13の面13bに配置され、複数の端子82が基板80の面80bに配置されている場合がある。また、別の変形例として、複数の端子15が基板13の面13aに配置され、複数の端子82が基板80の面80bに配置されている場合がある。また、さらに別の変形例として、複数の端子15が基板13の面13bに配置され、複数の端子82が基板80の面80aに配置されている場合がある。
【0045】
図6に示すように、基板80は、面80bがケース50の底部52に支持され、ケース50に固定されている。基板80の固定方法は特に限定されないが、例えば、接着剤により接着固定する方法を例示できる。また、図6に対する変形例としてケース50が底部52を有していない場合には、基板80はケース50の側面に接着固定される。いずれの方法であっても、基板80がケース50に固定されていればよく、固定方法は特に限定されない。
【0046】
複数のワイヤ81は、基板13の複数の端子15と、基板80の複数の端子82とにそれぞれ電気的に接続されている。複数のワイヤ81のそれぞれは、線状に形成された金属から成る金属ワイヤである。ワイヤ81を構成する金属としては、例えば銅、金、銀、アルミニウム、あるいは上記金属を母材として母材とは異なる元素が添加された合金などを例示することができる。
【0047】
図6に示すように複数のワイヤ81のそれぞれは、一方の端部81e1および他方の端部81e2を有している。一方の端部81e1は、基板13の複数の端子15のうちの一つに接続され、他方の端部81e2は基板80の複数の端子82のうちの一つに接続されている。
【0048】
ワイヤ81の接続方法には種々の方法が適用可能である。例えば、図6に示す例では、ワイヤ81の端部81e1は、半田部材16を介して端子15に接続されている。また、ワイヤ81の端部81e2は、半田部材83を介して端子82に接続されている。他の例では、ワイヤ81の端部81e1が端子15に直接的に接合され、端部81e2が端子82に直接的に接合されている場合がある。後述するように、ワイヤ81は、可動部材であるホルダ40(図3参照)の回転に伴う基板13の動作に応じて変位する。したがって、ワイヤ81の変位に伴って生じる応力を緩和する観点からは、ワイヤ81が半田部材16を介して端子15に接続され、半田部材83を介して端子82に接続されていることが好ましい。半田部材16,83は、ワイヤ81自身よりも柔らかく、錫(Sn)を主成分として含んでいる。このため、ワイヤ81が変形して応力が生じた場合、ワイヤ81から伝達された応力は半田部材16,83により緩和される。半田部材16,83で応力を緩和することにより、ワイヤ81の損傷を抑制できる。特に、ワイヤ81を直接的に端子15,82に接合する場合と比較して、端子15,82とワイヤ81との接続部分の損傷を抑制できる。他の接続方法については変形例として後述する。
【0049】
<ワイヤの変位>
次に、図3に示す駆動機構70を作動させることにより可動部材が回転することに伴って基板13が動作した時のワイヤ81の変位について説明する。
【0050】
上記したように、駆動機構70は、カメラモジュール10のヨーイングやピッチング等が打ち消される方向に当該カメラモジュール10が傾くように、ホルダ40をケース50に対して回転させる。この時、図3に示す基板13は、ホルダ40に固定されているので、ホルダ40が回転すると、基板13もホルダ40の回転方向と同じ方向に回転する。すなわち、基板13はホルダ40の回転に伴って動作する。
【0051】
図6に示す例は、駆動機構70が作動していない状態、言い換えれば、静止状態を示している。静止状態において、基板13の面13bと基板80の面80bとは互いに平行な状態である。可動部材であるホルダ40は、図4を用いて説明した巻線コイル71および巻線コイル72に電力が供給されていない状態では、基板13の面13bと基板80の面80bとが互いに平行になるように構成されている。
【0052】
図7に示す例は、駆動機構70が作動することにより、基板13の面13bと基板80の面80bとが非平行になった状態を示している。本実施の形態の場合、基板13の面13bと基板80の面80bとが成す角度θ1は、-10°以上+10°以下を想定している。角度θ1の事をチルト角度と呼ぶ場合がある。図7に示す例では、基板13の周縁部のうち、基板80の辺80s1に近い辺は基板80よりも高い位置に上昇し、基板80の辺80s2に近い辺は基板80よりも低い位置に下降している。
【0053】
一方、ケース50は、固定されており、駆動機構70が作動した場合でもケース50は変位しない。したがって、ケース50に固定されている基板80および基板80に接続されている配線基板20のそれぞれは、駆動機構70が作動した場合でも変位しない。
【0054】
ここで、本実施の形態に対する検討例として、基板13に直接的に配線基板20(図5参照)が接続されている場合について検討する。配線基板20が基板13に接続されている場合、基板13の動作に追従して配線基板20が変位する。配線基板20は、上記したように複数の配線を絶縁層により一体化させた構造物なので、仮に、配線基板20が可撓性を備えたフレキシブル基板である場合でも剛性が高い。このため、駆動機構70を作動させた場合、配線基板20は基板13の変位に追従して変形するが、配線基板20の剛性が高いことにより、駆動機構70には抵抗力が作用する。この結果、所定のチルト角度になるまでホルダ40を回転させるために要する電力が上記抵抗力に起因して増大する。すなわち、カメラユニット1Aの消費電力を低減させる観点からは、配線基板20を基板13に接続することにより生じる抵抗力を削減することが好ましい。
【0055】
本実施の形態の場合、上記したように配線基板20は固定基板である基板80に接続されているので、駆動機構70が作動した場合でも配線基板20は変位しない。駆動機構70が作動した場合に変位するのは、端子15に接続されたワイヤ81である。図5に示す複数のワイヤ81のそれぞれは、可動部材であるホルダ40(図3参照)の回転に伴う基板13の動作に応じて、かつ、互いに独立して変位が可能な状態で基板13および基板80のそれぞれに接続されている。図7に示す例の場合、ホルダ40(図3参照)の動作に伴って基板13がチルト動作する(傾斜すること)と、複数のワイヤ81のそれぞれが、チルト角度に応じて変形する。
【0056】
なお、ワイヤ81の変位とは、ワイヤ81の少なくとも一部分の位置が変化することを言う。本実施の形態のように、ワイヤ81が変形すると、ワイヤ81の位置が静止状態における位置から変化する。ワイヤ81の変形は、ワイヤ81の変位の一態様と考えることができる。また、変形例として後述するように、ワイヤ81の変位は、ワイヤ81自身は変形せずにワイヤ81の一部分の位置が変化する場合も含む。
【0057】
本実施の形態の場合、複数のワイヤ81のそれぞれは、互いに独立して変位が可能である。複数のワイヤ81は、それぞれが基板13および基板80に接続されているが、複数本のワイヤ81を一括して封止する樹脂などの封止体は存在しない。このため、複数のワイヤ81のそれぞれが互いに独立して変位することが可能となる。このため、ワイヤ81全体としての剛性は、配線基板20と比較して低い。このため、基板13のチルト動作に応じて複数のワイヤ81が変位した場合でも、ワイヤ81の変位に伴って生じる抵抗力は、上記したように配線基板20を基板13に接続した場合に生じる抵抗力と比較して低減される。
【0058】
上記したように、本実施の形態によれば、配線基板20が基板13に直接的に接続されず、ケース50に固定された基板80および複数のワイヤ81を介して基板13に電気的に接続されているので、カメラモジュールの動きを阻害する要因を削減させることができる。
【0059】
ところで、図7に示す例のように、ワイヤ81が変形する場合、変形に伴ってワイヤ81に張力が印加され、この張力によりワイヤ81が損傷することを防止することが好ましい。このため、図6に示すように、ワイヤ81の長さL81は、変形を考慮して長くなっていることが好ましい。図6に示す例では、ワイヤ81の長さL81は、静止状態(すなわち、図3の駆動機構70が作動していない状態)における端子15と端子82との最短距離G81よりも長い。ここで、図6に示すようにワイヤ81が半田部材16,83に接続されている場合には、長さL81は、ワイヤ81のうち半田部材16,83から露出した部分の経路距離として定義される。一方、ワイヤ81が端子15,82に直接的に接合されている場合には、長さL81は、ワイヤ81のうち端子15に接合されている部分から端子82に接合されている部分までの経路距離として定義される。
【0060】
また、本実施の形態のように複数のワイヤ81が変形する構造は以下のように表現できる。すなわち、複数のワイヤ81のそれぞれは、金属材料から成る金属ワイヤである。複数のワイヤ81のそれぞれは、端部81e1と端部81e2との間に挟まれている線形部81aを備えている。線形部81aは、可動部材であるホルダ40(図3参照)の動作に応じて変形可能である。
【0061】
<端子接続部分の変形例1>
次に、図6を用いて説明した端子15,82とワイヤ81との接続部分の変形例について説明する。図8図9および図10に示すカメラユニット1Bは、端子15,82とワイヤ81との接続構造が図5に示すカメラユニット1Aと相違する。
【0062】
詳しくは、ワイヤ81は、端子15に接続されている端部81e1と、端子82に接続されている端部81e2とを有している。また、ワイヤ81は、端部81e1と端部81e2との間に挟まれている線形部81aを備えている。この点は、図5に示すカメラユニット1Aと同様である。本変形例の場合、ワイヤ81の端部81e1および端部81e2のそれぞれがボール形状(球形)を成すボール部81bから成る点で図5に示すカメラユニット1Aと相違する。本変形例の場合、端子15および端子82のそれぞれは、ボール部81bを回転可能な状態で保持しているガイド部84に接続されている。
【0063】
図9は、図3に示す駆動機構70が作動していない静止状態における拡大断面図である。図10は、図3に示す駆動機構70が作動したことにより、基板13がチルト動作した状態を示す拡大断面図である。図10に示す例におけるチルト角度は例えば相対されている最大値である10°である。
【0064】
図9図10を比較して判るように、本変形例の場合、基板13の動作(チルト動作)に応じてガイド部84内でボール部81bが回転することにより、線形部81aと基板80とが成す角度θ2が変化する。例えば、図9に示す例の場合、線形部81aと基板80の面80bとは平行である。言い換えれば、線形部81aと基板80とが成す角度θ2(図10参照)は0°である。一方、図10に示す例では、ワイヤ81の線形部81aが基板13のチルト動作に追従して傾斜している。このため、線形部81aと基板80とが成す角度θ2は10°に変化している。
【0065】
このように、本変形例の場合、ワイヤ81のボール部81bがガイド部84内で自在に回転することによりワイヤ81の線形部81aの傾斜角度を容易に変化させることができる。この場合、線形部81aの形状は変形しない、あるいは、仮に変形したとしてもその変形の程度は無視できる程小さい。このため、基板13のチルト動作に伴ってワイヤ81が繰り返し変位した場合でも、ワイヤ81に印加される応力は、図6に示す接続構造と比較すると小さくすることができる。この結果、本変形例によれば、ワイヤ81の繰り返し変位に伴うワイヤ81の損傷を抑制できる。言い換えれば、本変形例によればワイヤ81の寿命を延長させることができる。
【0066】
また、図6に示す例も同様であるが、本変形例の場合も複数のワイヤ81は、絶縁膜により被覆されていない。ワイヤ81が変形する場合、隣り合うワイヤ81同士が接触することにより信号伝送経路が短絡する懸念がある。これを回避するためには、隣り合うワイヤ81の離間距離を十分に確保する必要がある。一方、本変形例の場合、ワイヤ81が変形しない、あるいはワイヤ81の変形の程度は無視できる程小さいので、仮に隣り合うワイヤ81の距離を近づけたとしても隣り合うワイヤ81が短絡することを防止できる。
【0067】
また、図8に示すようにガイド部84は、ワイヤ81の線形部81aが配置されている位置に開口部84aを有している。開口部84aの開口面積は、少なくともワイヤ81の線形部81aの径方向(延在方向に直交する方向)の断面積よりも大きい。また、ワイヤ81の線形部81aの径方向において、開口部84aの開口径(開口形状を円形とした場合の直径)は、少なくとも線形部81aの線径よりも大きい。図8に示す例では、ワイヤ81の線形部81aの線径は、0.04mm~0.2mm程度である。開口部84aの開口径は、ワイヤ81の線形部81aの線径に対して2~10倍程度である。開口部84aの大きさは、想定されるワイヤ81の傾斜角度(例えば-10°以上+10°以下)が最大値に達した場合であっても、線形部81aとガイド部84とが接触しない程度の大きさになっている。このため、ボール部81bは、ワイヤ81の傾斜角度が予め設定された値の範囲内であれば、ガイド部84内で自在に回転することが可能である。
【0068】
なお、図8図10に示す例では、端部81e1および端部81e2の両方がボール部81bから成る例を示している。同様に、端子15および端子82のそれぞれがガイド部84に接続されている例を示している。ただし変形例として、端部81e1および端部81e2のいずれか一方が、ボール部81bから成り、他方は、例えば図6に示す接続構造(半田部材16,83を介して端子15,82とワイヤ81とが接続されている構造)である場合がある。すなわち、本変形例の場合、ワイヤ81の端部81e1および端部81e2のうち少なくとも一方がボール形状(球形)を成すボール部81bから成る。また、本変形例の場合、端子15および端子82のうち少なくとも一方は、ボール部81bを回転可能な状態で保持しているガイド部84に接続されている。
【0069】
ワイヤ81の端部81e1および端部81e2の一方がボール形状(球形)を成すボール部81bから成り、他方が図6に示す接続構造になっている場合、図9および図10に示す例と比較すれば、ワイヤ81の線形部81aに変形が生じやすい。ただし、その変形の程度は図6に示す例と比較すると小さい。したがって、図6に示す例と比較すれば、ワイヤ81の寿命を延長させることができる。
【0070】
ただし、ワイヤ81の損傷を低減させて寿命を延長させる観点からは、図8図10に示すように、ワイヤ81の端部81e1および端部81e2の両方がボール形状を成すボール部81bから成ることが特に好ましい。
【0071】
ところで、図8に示すように、ワイヤ81の線形部81aの延在方向に対して直交する方向において、ガイド部84の幅84Wは、ボール部81bの幅81bWよりも小さい。言い換えれば、ガイド部84は、ボール部81bを収容する部分の側面に開口部84bを有している。ワイヤ81のボール部81bに接続する際には、ガイド部84の側面に設けられた開口部84bからボール部81bを挿入することによりガイド部84内にボール部81bを収容することができる。
【0072】
図8図10に示すカメラユニット1Bは、上記した相違点を除き、図1図7を用いて説明したカメラユニット1Aと同様である。したがって重複する説明は省略する。
【0073】
<端子接続部分の変形例2>
次に、図6を用いて説明した端子15,82とワイヤ81との接続部分の他の変形例について説明する。図11および図12に示すカメラユニット1Cは、ガイド部の構造が図8図10に示すカメラユニット1Bと相違する。
【0074】
図12に示すガイド部85は、基板13の上、または基板80の上に固定されているボール保持部85Aと、ボール保持部85Aの上に開閉可能な状態で固定されている蓋部85Bと、を有している。ボール保持部85Aは、ボール部81bの一部を収容可能な収容部86aと、収容部86aの内壁を覆うように配置され、端子15または端子82と電気的に接続されている金属膜87aと、を備えている。蓋部85Bは、ボール部81bの他の一部を収容可能な収容部86bと、収容部86bの内壁を覆うように配置されている金属膜87bと、を備えている。
【0075】
ボール保持部85Aと蓋部85Bとは、ヒンジなどの連結部材89を介して連結されている。蓋部85Bを閉じた状態では、図12に実線で記載されているように、ボール保持部85Aは、蓋部85Bに覆われている。言い換えれば、蓋部85Bは、ボール保持部85Aの上に配置されている。一方、図12に点線で記載されているように、蓋部85Bを開いた状態では、ボール保持部85Aの上面側は、開放状態になる。このため、蓋部85Bを開いた状態で、ワイヤ81のボール部81bをボール保持部85Aの収容部86aに収容し、その後、蓋部85Bを閉じれば、図12に示すようにボール部81bがガイド部85内に収容された構造が得られる。
【0076】
金属膜87a,87bは、図8図10を用いて説明したガイド部84に対応している。金属膜87a,87bは、収容部86a,86bの内壁を覆うように形成されている。蓋部85Bを閉じた状態では、金属膜87a,87bは、図9に示すガイド部84と同様な形状になる。ただし、本変形例の場合には、蓋部85Bを開けることによりワイヤ81を容易に接続することができるので、図8に示す開口部84bは形成されていない。
【0077】
一方、図3に示す駆動機構70を作動させた時のワイヤ81の変位は、図9および図10を用いて説明したワイヤ81の変位と同様である。このため、ガイド部85は、図9に示すガイド部84と同様に開口部84aを有している。
【0078】
本変形例の場合、図8図10に示した変形例と比較してワイヤ81の着脱がさらに容易である。このため、例えば、複数のワイヤ81のうちの一部が損傷した場合、あるいは一部の電気的特性の低下が認められた場合に、選択的にワイヤ81を交換することも容易である。
【0079】
なお、本変形例の場合にも、端部81e1および端部81e2の両方がボール部81bから成る例を示している。同様に、端子15および端子82のそれぞれがガイド部85に接続されている例を示している。ただし変形例として、後述する図13または図14に示すように、端部81e1および端部81e2のいずれか一方が、ボール部81bから成り、他方は、例えば図6に示す接続構造(半田部材16,83を介して端子15,82とワイヤ81とが接続されている構造)である場合がある。すなわち、本変形例の場合、ワイヤ81の端部81e1および端部81e2のうち少なくとも一方がボール形状(球形)を成すボール部81bから成る。また、本変形例の場合、端子15および端子82のうち少なくとも一方は、ボール部81bを回転可能な状態で保持しているガイド部85に接続されている。
【0080】
図11および図12に示すカメラユニット1Cは、上記した相違点および以下で説明する導電性グリス88の有無を除き、図8図10を用いて説明したカメラユニット1Bと同様である。したがって重複する説明は省略する。
【0081】
<ボール部とガイド部との界面の変形例>
ところで、図12に示す例の場合、ボール部81bとガイド部85との間、特に詳しくは、ボール部81bとガイド部85の金属膜87a,87bとの間には、導電性グリス88が介在している。導電性グリス88は、潤滑剤中に複数の導電性粒子(例えば金属粒子)が混合された導電性潤滑剤である。潤滑剤の例としては、グリス(油脂)を例示できるが、グリスの他、種々の変形例を適用可能である。
【0082】
変形例としては、図9に示すガイド部84と同様に金属膜87a,87bと、ボール部81bとの間に導電性グリス88が介在していない場合もある。あるいは、図9に示すカメラユニット1Bに対する変形例として、ガイド部84とボール部81bとの間に、図12と同様に導電性グリス88が介在している場合もある。
【0083】
ガイド部84またはガイド部85とボール部81bとの間に導電性グリス88が介在している場合、ガイド部84,85とボール部81bとの電気的な接続界面に導電性の流体が介在することになる。この結果、ワイヤ81とガイド部84,85との電気的な接続部分の特性を向上させることができる。
【0084】
電気的な接続部分の特性としては、例えば、ワイヤ81とガイド部84,85との接続界面における抵抗が挙げられる。上記したようにボール部81bは、ガイド部84,85内で自在に回転するので、ボール部81bとガイド部84,85との間にはわずかなクリアランスが必要である。本変形例の場合、このクリアランスを埋めるように導電性グリス88が配置されているので、電気的な経路中の抵抗を低減させることができる。
【0085】
また、ワイヤ81とガイド部84,85との間に潤滑剤が介在することにより、ボール部81bの回転動作に伴って、ボール部81b、ガイド部84、あるいはガイド部85の金属膜87a、87bが削られ難くなる。このため、ワイヤ81とガイド部84,85との間に金属屑が積層することに伴う電気的な接続信頼性の低下を防止することができる。
【0086】
<その他の変形例>
上記した実施の形態および変形例では、複数のワイヤ81が1本ずつ分離されている例について説明した。他の変形例としては、複数のワイヤ81のうち、2本ずつ、あるいは3本ずつ程度のワイヤ81が絶縁材料を介して束ねられている場合がある。ただし、束ねられたワイヤ81の本数が多くなれば、ワイヤ81を束ねた構造体の剛性が高くなるので、駆動機構70(図3参照)の駆動力に対する抵抗力が大きくなる。したがって、仮に複数のワイヤ81を束ねる場合であっても、2本または3本程度が好ましく、図5に示すように、複数のワイヤ81が束ねられていないことが特に好ましい。
【0087】
また、上記した実施の形態および変形例では、カメラモジュール10,配線基板20,モジュール保持機構30等から構成されているカメラユニット1Aに適用した例について説明した。上記した技術は、カメラユニット1A以外にも、チルト動作をさせることが可能な種々の電子装置に適用することができる。例えば、図3を用いて説明したレンズ11および撮像素子12の部分を、ミラーおよびレーザ出力素子に置き換えて、ガルバノスキャナとして利用することができる。あるいは、超音波スピーカや指向性マイクなど、指向性が要求される電子装置に上記した技術を適用することにより、角度が変化するモジュールの動きを阻害する要因が削減された電子装置が得られる。
【0088】
また、図8図12では、端部81e1および端部81e2の両方がボール部81bになっている実施態様について説明したが、図13または図14に示すような変形例の場合がある。すなわち、端部81e1および端部81e2のうちの一方は、ボール部81bから成り、かつ、ガイド部84に保持されている。また、端部81e1および端部81e2のうちの他方は、半田部材16,83を介して複数の端子15のうちの一つまたは複数の端子82のうちの一つに接続されている。図13に示す例では、端部81e2がボール部81bであり、かつ、ガイド部84に保持されている。図13に示す端部81e1は、ボール形状ではなく、半田部材16を介して端子15に接続されている。図14に示す例では、端部81e1がボール部81bであり、かつ、ガイド部84に保持されている。図14に示す端部81e2は、ボール形状ではなく、半田部材83を介して端子82に接続されている。
【0089】
<端子接続部分の変形例3>
次に、図6を用いて説明した端子15,82とワイヤ81との接続部分周辺の他の変形例について説明する。図15図16および図17に示すカメラユニット1Dは、端子とワイヤとの接続部分の周辺に、円柱部材が配置されている点で図5に示すカメラユニット1Aと相違する。図15は、図5に示す端子とワイヤとの接続部分の他の変形例を示す拡大平面図である。図16は、図15のD-D線に沿った拡大断面図である。図17は、図15のE-E線に沿った拡大断面図である。
【0090】
図6を用いて説明した実施態様と同様に、本変形例の場合も、複数の複数のワイヤ81のそれぞれは、半田部材16を介して複数の端子15のうちの一つに接続されている端部81e1(図16参照)と、半田部材83を介して複数の端子82のうちの一つに接続されている端部81e2(図16参照)と、を有している。
【0091】
図15に示すように、複数の端子15および複数の端子82のそれぞれは、第1方向(図15に示す例ではX軸方向)に沿って配列されている。基板13は、第1方向に沿って延びるように配置されている円柱部材90を有している。
【0092】
図16に示すように、円柱部材90は、基板13と離間する位置に固定されている。図16に模式的に示すように、円柱部材90は、円柱の中心線を回転軸として回転自在な状態で基板13と離間する位置に固定されている。ただし、変形例としては、円柱部材90が回転しない場合もある。
【0093】
また、図15に示すように、平面視において、複数の端子15のそれぞれは、円柱部材90と複数の端子82との間に配置されている。複数のワイヤ81のうちの少なくとも一つは、端部81e1と端部81e2との間に、円柱部材90の円周に沿うように配置されている迂回部81cを有している。
【0094】
図7を用いて説明したように、基板13がチルト動作する(傾斜すること)と、複数のワイヤ81のそれぞれが、チルト角度に応じて変形する。図16に示すように、本変形例の場合、ワイヤ81は、迂回部81cを有している。また、図15に示すように、平面視において端子15は円柱部材90と端子82との間にある。言い換えれば、平面視において端子15は迂回部81cと端子82との間にある。このため、図15に示す基板13がチルト動作した場合に、端部81e1と半田部材16との接合部に印加される応力を低減させることができる。この結果、ワイヤ81と端子15との接続信頼性を向上させることができる。
【0095】
図15に示す例では、一つの円柱部材90に複数のワイヤ81が巻かれている。複数のワイヤ81は、第1方向に沿って配列されている。詳しくは、複数のワイヤ81のそれぞれが有している迂回部81cは、円柱部材90が延びている方向(図15に示す例ではX軸方向)に沿って配列されている。
【0096】
本変形例の場合、図17に示すように、円柱部材90は、円周方向に延び、かつ互いに離間するように第1方向(図17に示す例ではX軸方向)に沿って配列されている複数の溝部91を有している。複数の溝部91のそれぞれには、複数のワイヤ81が1本ずつ配置されている。
【0097】
「溝部91にワイヤ81が配置されている」とは、図17に示すように溝部91の側壁と底面とに囲まれた空間内に、少なくともワイヤ81(詳しくは迂回部81c)の一部分が収容されていることを意味する。また、「溝部91にワイヤ81が配置されている」状態には、ワイヤ81の一部分と溝部91とが接触している状態の他、ワイヤ81と溝部91とが接触しない状態も含まれる。
【0098】
溝部91にワイヤ81が配置されている場合、ワイヤ81が変形した場合に、ワイヤ81の変形方向、あるいはワイヤ81の移動方向は、溝部91により制限される。すなわち、溝部91は、ワイヤ81の変形方向または移動方向を制御するガイドとして機能する。
【0099】
図示は省略するが、本変形例に対する別の変形例として、図15および図17に示す溝部91が設けられていない場合がある。隣り合うワイヤ81の離間距離が十分に確保できれば、溝部91が設けられていない場合でも隣り合うワイヤ81同士の接触を回避することができる。
【0100】
ただし、図17に示すように、複数の溝部91が設けられ、各溝部91に1本のワイヤ81が収容されている場合、隣り合うワイヤ81同士の接触を確実に防止できる点で好ましい。また、本変形例の場合には、隣り合うワイヤ81同士の接触を溝部91により防止できるので、隣り合うワイヤ81の離間距離を小さくすることができる。言い換えれば、複数のワイヤ81を高密度で配置することができる。
【0101】
図示は省略するが、本変形例に対するさらに別の変形例として、円柱部材90が動作しないように固定されている場合がある。一方、本変形例の場合、図16に矢印を付して模式的に示すように、円柱部材90は、円柱の中心線(図17に示す中心線CL1)を回転軸として回転自在な状態で基板13と離間する位置に固定されている。
【0102】
本変形例のように、円柱部材90が回転自在な状態で固定されている場合、基板13がチルト動作することにより、ワイヤ81に変形が生じた場合でも、この変形により生じた応力を、円柱部材90の回転動作により緩和させることができる。この結果、図16に示す端部81e1と半田部材16との接合部に印加される応力を更に低減させることができる。
【0103】
図18は、図15に対する変形例を示す拡大平面図である。図19は、図18のF-F線に沿った拡大断面図である。なお、図18のE-E線に沿った拡大断面図は、図17と同様である。また、図18のG-G線に沿った拡大断面図は、後述する図22と同様である。図18および図19に示すカメラユニット1Eは、互いに離間する基板のそれぞれに円柱部材が配置されている点で図15から図17に示すカメラユニット1Dと相違する。
【0104】
カメラユニット1Eが有している基板80は、第1方向(図18ではX軸方向)に沿って延びるように配置されている円柱部材92を有している。円柱部材92は、基板80と離間する位置に固定されている。平面視において、複数の端子82のそれぞれは、円柱部材92と複数の端子15との間に配置されている。ワイヤ81は、端部81e1と端部81e2との間に、円柱部材92の円周に沿うように配置されている迂回部81dを有している。
【0105】
図15図17を用いて説明したように、カメラユニット1Dの場合、図15に示す基板13がチルト動作した場合に、端部81e1(図16参照)と半田部材16との接合部に印加される応力を低減させることができる。チルト動作による応力が、特に端部81e1と半田部材16との接合部に発生し易い場合には有効な応力対策である。
【0106】
ただし、チルト動作により、端部81e1および端部81e2のどちらに応力が印加されるか不明な場合には、端部81e1および端部81e2の両方に対して応力緩和対策を施すことが好ましい。図18および図19に示すカメラユニット1Eの場合、円柱部材90に加えて、円柱部材92が設けられている。基板13がチルト動作した場合に、端部81e1と半田部材16との接合部に印加される応力、および端部81e2と半田部材83との接合部に印加される応力のそれぞれを低減させることができる。この結果、ワイヤ81と端子15との接続信頼性に加え、ワイヤ81と端子82との接続信頼性を向上させることができる。
【0107】
図18に示す例では、一つの円柱部材92に複数のワイヤ81が巻かれている。複数のワイヤ81は、第1方向(図18ではX軸方向)に沿って配列されている。詳しくは、複数のワイヤ81のそれぞれが有している迂回部81dは、円柱部材92が延びている方向(図18に示す例ではX軸方向)に沿って配列されている。
【0108】
本変形例の場合、図18に示すように、円柱部材92は、円周方向に延び、かつ互いに離間するように第1方向(図18に示す例ではX軸方向)に沿って配列されている複数の溝部93を有している。複数の溝部93のそれぞれには、複数のワイヤ81が1本ずつ配置されている。
【0109】
図18に示すように、円柱部材92に複数の溝部93が設けられ、各溝部93に1本のワイヤ81が収容されている。この場合、図15から図17を用いて説明した円柱部材90の場合と同様に、隣り合うワイヤ81同士の接触を確実に防止できる点で好ましい。また、本変形例の場合には、隣り合うワイヤ81同士の接触を溝部93により防止できるので、隣り合うワイヤ81の離間距離を小さくすることができる。言い換えれば、複数のワイヤ81を高密度で配置することができる。
【0110】
また、本変形例の場合、図19に矢印を付して模式的に示すように、円柱部材92は、円柱の中心線(図22に示す中心線CL2)を回転軸として回転自在な状態で基板13と離間する位置に固定されている。
【0111】
本変形例のように、円柱部材92が回転自在な状態で固定されている場合、基板13がチルト動作することにより、ワイヤ81に変形が生じた場合でも、この変形により生じた応力を、円柱部材92の回転動作により緩和させることができる。この結果、図19に示す端部81e1と半田部材16との接合部に印加される応力を更に低減させることができる。
【0112】
なお、図示は省略するが、本変形例に対する別の変形例として、図18に示す溝部93が設けられていない場合がある。隣り合うワイヤ81の離間距離が十分に確保できれば、溝部93が設けられていない場合でも隣り合うワイヤ81同士の接触を回避することができる。また、図示は省略するが、本変形例に対するさらに別の変形例として、円柱部材92が動作しないように固定されている場合がある。
【0113】
図15から図17では、チルト動作が可能な基板13に円柱部材90が固定され、ケース50(図4参照)の底部に固定されている基板80には円柱部材が固定されていない実施態様について説明した。円柱部材90は、基板13に固定されているので、基板13の動作に従って動作する。また、図18および図19では、基板13に円柱部材90が固定され、基板80には、円柱部材92が固定されている実施態様について説明した。図15から図17に示すカメラユニット1Dおよび図18および図19に示すカメラユニット1Eとは別の変形例として、図20から図22に示すカメラユニット1Fについて説明する。
【0114】
図20は、図15に対する他の変形例を示す拡大平面図である。図21は、図20のH-H線に沿った拡大断面図である。図22は、図20のG-G線に沿った拡大断面図である。図20から図22に示すカメラユニット1Fは、チルト動作が可能な基板13に円柱部材90が設けられず、ケース50(図4参照)の底部に固定されている基板80には円柱部材92が固定されている点で図15から図17に示すカメラユニット1Dと相違する。
【0115】
なお、円柱部材92の構造は、図18図19、および図22を用いて説明したカメラユニット1Eが有する円柱部材92と同様なので、重複する説明は省略する。図20から図22に示すカメラユニット1Fの場合、図15に示す基板13がチルト動作した場合に、基板80に配置されている端部81e2(図21参照)と半田部材83との接合部に印加される応力を低減させることができる。チルト動作による応力が、特に端部81e2と半田部材83との接合部に発生し易い場合には有効な応力対策である。
【0116】
図23は、図18に対する変形例を示す拡大平面図である。図24は、図23のK-K線に沿った拡大断面図である。図25は、図23のM-M線に沿った拡大断面図である。なお、図23のF-F線に沿った拡大断面図は、図19と同様である。図23に示すカメラユニット1Gは、複数のワイヤ81に対応して、基板13に複数の円柱部材90が設けられている点、および複数のワイヤ81に対応して、基板80に複数の円柱部材92が設けられている点で、図18に示すカメラユニット1Eと相違する。
【0117】
複数の円柱部材90は、第1方向(図23および図24ではX軸方向)に沿って配列されている。同様に、複数の円柱部材92は、第1方向(図23および図25ではX軸方向)に沿って配列されている。
【0118】
複数の円柱部材90のそれぞれには、溝部91が設けられている。複数の溝部91のそれぞれには、1本のワイヤ81が配置されている。同様に、複数の円柱部材92のそれぞれには、溝部93が設けられている。複数の溝部93のそれぞれには、1本のワイヤ81が配置されている。
【0119】
複数の円柱部材90のうちの一つに着目すると、以下のように表現できる。すなわち、円柱部材90には、溝部91が設けられている。溝部91には、第1ワイヤ(複数のワイヤ81のうちの一つ)が配置されている。同様に、複数の円柱部材92のうちの一つに着目すると、以下のように表現できる。すなわち、円柱部材92には、溝部93が設けられている。溝部93には、第1ワイヤ(複数のワイヤ81のうちの一つ)が配置されている。
【0120】
なお、図23から図25では、基板13に複数の円柱部材90が固定され、基板18に複数の円柱部材92が固定されている実施態様について説明したが、カメラユニット1Gの構造には種々の変形例がある。例えば、カメラユニット1Gの構造と、図15から図17を用いて説明したカメラユニット1Dの構造とを組み合わせて、基板80には、円柱部材92(図23参照)が設けられていない場合がある。あるいは、カメラユニット1Gの構造と、図20から図22を用いて説明したカメラユニット1Fの構造とを組み合わせて、基板13には、円柱部材90(図23参照)が設けられていない場合がある。
【0121】
<端子接続部分の変形例4>
次に、図6を用いて説明した端子15,82とワイヤ81との接続部分周辺の他の変形例について説明する。図26図27、および図28に示すカメラユニット1Hは、端子とワイヤとの接続部分が絶縁層95およびゲル層96に封止されている点で図5に示すカメラユニット1Aと相違する。図26は、図5に示す端子とワイヤとの接続部分の他の変形例を示す拡大平面図である。図27は、図26のN-N線に沿った拡大断面図である。図28は、図26のP-P線に沿った拡大断面図である。
【0122】
図6を用いて説明した実施態様と同様に、本変形例の場合も、複数のワイヤ81のそれぞれは、半田部材16を介して複数の端子15のうちの一つに接続されている端部81e1(図27参照)と、半田部材83を介して複数の端子82のうちの一つに接続されている端部81e2(図28参照)と、を有している。
【0123】
本変形例のカメラユニット1Hの場合、図26に示す複数のワイヤ81のそれぞれは、端部81e1(図27参照)と端部81e2(図28参照)との間にある線形部81a1(図27)と、線形部81a1と端部81e2との間にある線形部81a2(図28参照)と、線形部81a1と線形部81a2との間にある線形部81a3と、線形部81a3と線形部81a2との間にある線形部81a4と、をさらに有している。
【0124】
半田部材16、半田部材83、線形部81a1および線形部81a2のそれぞれは、硬化した樹脂から成る絶縁層95に封止されている。絶縁層95は、例えば熱硬化性樹脂を硬化させることにより得られる。熱硬化性樹脂の例としてはエポキシ樹脂を例示できる。
【0125】
線形部81a3および線形部81a4のそれぞれは、絶縁層95上に積層され、かつ、第1の粘度を有するゲル層96に封止されている。ゲル層96は、絶縁層95よりも高い流動性を有する絶縁性の樹脂材料から成る。ゲル層96は、常温においてゲル状態である。ゲル層96を構成する材料には種々の変形例があるが、例えば、シリコン樹脂(シロキサン結合による主骨格を持つ、合成高分子化合物)を含んでいる。
【0126】
絶縁層95およびゲル層96のそれぞれは、図26に示すように端子15または端子82の周囲を連続的に囲むように設けられた壁部材98で囲まれた空間内に配置されている。
【0127】
図7を用いて説明したように、基板13がチルト動作する(傾斜すること)と、複数のワイヤ81のそれぞれが、チルト角度に応じて変形する。本変形例の場合、ワイヤ81の一部分(線形部81a3および線形部81a4)は、ゲル層96に封止されている。この場合、ワイヤ81の変形により生じた応力の一部は、ゲル層96に伝達される。また、ワイヤ81の他の一部分(線形部81a1および線形部81a2)は、絶縁層95に封止されている。この場合、ワイヤ81の変形により生じた応力の一部は、絶縁層95に伝達される。この結果、ワイヤ81と半田部材16との接合部分(すなわち、図27に示す端部81e1と半田部材16との接合界面)に伝達される応力を低減させることができる。同様に、ワイヤ81と半田部材83との接合部分(すなわち、図28に示す端部81e2と半田部材83との接合界面)に伝達される応力を低減させることができる。言い換えれば、本変形例の場合、ワイヤ81の変形により生じた応力は、絶縁層95およびゲル層96により緩和される。この結果、ワイヤ81と端子15との接続信頼性(およびワイヤ81と端子82との接続信頼性)を向上させることができる。
【0128】
図29は、図27に対する変形例を示す拡大断面図である。図30は、図28に対する変形例を示す拡大断面図である。図29および図30に示すカメラユニット1Kは、粘度の異なる複数層のゲル層が積層されている点で、図26から図28に示すカメラユニット1Hと相違する。
【0129】
本変形例の場合、複数のワイヤ81のそれぞれは、線形部81a3(図29参照)と線形部81a4(図30参照)との間にある線形部81a5(図29参照)と、線形部81a5と線形部81a4との間にある線形部81a6(図30参照)と、を更に有している。線形部81a5および線形部81a6のそれぞれは、ゲル層96上に積層され、かつ、第1の粘度と異なる第2の粘度を有するゲル層97に封止されている。
【0130】
カメラユニット1Hのように、粘度の異なる複数層のゲル層によりワイヤ81の一部分が封止されている場合、ワイヤ81の変形の振動数と、ゲル層の固有振動数とが共振することを防止できる。
【0131】
また、カメラユニット1Kの場合、上記した第2の粘度は、上記した第1の粘度よりも低い。言い換えれば、ゲル層97の粘度は、ゲル層96の粘度よりも低い。この場合、ワイヤ81が変形することにより生じた応力を端部81e1または端部81e2に近づくにつれて徐々に低減させることができる。この場合、応力を緩和する際に新たな歪みが生じることを抑制できる。
【0132】
なお、図29および図30では、粘度の異なる複数層のゲル層が積層されているカメラユニットの例として、2層構造の例を取り上げて説明したが、変形例として3層以上のゲル層が積層されている場合がある。ただし、ゲル層の積層数が増加すれば、製造工程が増加する。したがって、製造効率を向上させ、かつ、ワイヤ81の接続信頼性を向上させる観点からは、カメラユニット1Kのように2層のゲル層が積層されている構造が好ましい。
【0133】
なお、本技術は、以下のような構成をとることが可能である。
【0134】
(1)複数の第1端子を備えている第1基板と、前記第1基板に搭載された撮像素子と、前記撮像素子に光を集光させる光学素子と、を含むカメラモジュールと、
前記カメラモジュールが収容されている可動部材と、
前記可動部材が収容されている収容部材と、
複数の第2端子を備え、前記収容部材に固定されている第2基板と、
前記光学素子の光軸と交差する軸を回転軸として前記可動部材を前記収容部材に対して回転可能に支持する支持機構と、
前記可動部材を前記収容部材に対して回転させる駆動機構と、
前記第1基板の前記複数の第1端子と、前記第2基板の前記複数の第2端子とにそれぞれ電気的に接続されている複数のワイヤと、
前記第2基板に接続され、前記撮像素子から出力される信号を伝送する配線基板と、を有し、
前記複数の第1端子のそれぞれは、前記撮像素子と電気的に接続され、
前記複数のワイヤのそれぞれは、前記可動部材の回転に伴う前記第1基板の動作に応じて、かつ、互いに独立して変位が可能な状態で前記第1基板および前記第2基板のそれぞれに接続されている、カメラユニット。
【0135】
(2)前記複数のワイヤは、金属材料から成る金属ワイヤであり、
前記複数のワイヤのそれぞれは、
前記複数の第1端子のうちの一つに接続されている第1端部と、
前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている第2端部と、
前記第1端部と前記第2端部との間に挟まれている線形部と、
を備え、
前記線形部は、前記第1基板の動作に応じて変形可能である、(1)に記載のカメラユニット。
【0136】
(3)前記複数のワイヤのそれぞれは、
前記複数の第1端子のうちの一つに接続されている第1端部と、
前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている第2端部と、
を有し、
前記第1端部および前記第2端部のうち少なくとも一方は、ボール形状を成すボール部から成り、
前記複数の第1端子および前記複数の第2端子のうち少なくとも一方は、前記ボール部を回転可能な状態で保持しているガイド部に接続されている、(1)または(2)に記載のカメラユニット。
【0137】
(4)前記複数のワイヤのそれぞれは、
前記複数の第1端子のうちの一つに接続されている第1端部と、
前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている第2端部と、
を有し、
前記第1端部および前記第2端部のうちの一方は、ボール部から成り、かつ、前記ガイド部に保持され、
前記第1端部および前記第2端部のうちの他方は、半田部材を介して前記複数の第1端子のうちの一つまたは前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている、(3)に記載のカメラユニット。
【0138】
(5)前記ガイド部は、
前記第1基板の上、または前記第2基板の上に固定されているボール保持部と、
前記ボール保持部の上に開閉可能な状態で固定されている蓋部と、
を有し、
前記ボール保持部は、
前記ボール部の一部を収容可能な第1収容部と、
前記第1収容部の内壁を覆うように配置され、前記第1端子または前記第2端子と電気的に接続されている第1金属膜と、
を備え、
前記蓋部は、
前記ボール部の他の一部を収容可能な第2収容部と、
前記第2収容部の内壁を覆うように配置されている第2金属膜と、
を備えている、(3)または(4)に記載のカメラユニット。
【0139】
(6)前記ボール部と前記ガイド部との間には、導電性潤滑剤が介在している、(3)から(5)のいずれかに記載のカメラユニット。
【0140】
(7)前記複数のワイヤのそれぞれは、金属材料から成る金属ワイヤであり、
前記複数のワイヤのそれぞれは、前記第1端部と前記第2端部との間に挟まれている線形部を備え、
前記第1基板の動作に応じて前記ガイド部内で前記ボール部が回転することにより、前記線形部と前記第2基板とが成す角度が変化する、(3)から(6)のいずれかに記載のカメラユニット。
【0141】
(8)前記複数のワイヤのそれぞれは、
第1半田部材を介して前記複数の第1端子のうちの一つに接続されている第1端部と、
第2半田部材を介して前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている第2端部と、
を有し、
前記複数の第1端子および前記複数の第2端子のそれぞれは、第1方向に沿って配列され、
前記第2基板は、前記第1方向に沿って延びるように配置されている第1円柱部材を有し、
前記第1円柱部材は、前記第2基板と離間する位置に固定され、
平面視において、前記複数の第2端子のそれぞれは、前記第1円柱部材と前記複数の第1端子との間に配置され、
前記複数のワイヤのうちの第1ワイヤは、前記第1端部と前記第2端部との間に、前記第1円柱部材の円周に沿うように配置されている第1迂回部を有している、(1)または(2)に記載のカメラユニット。
【0142】
(9)前記第1円柱部材は、円周方向に延びている第1溝部を有し、
前記第1溝部には、前記第1ワイヤが配置されている、(8)に記載のカメラユニット。
【0143】
(10)前記第1円柱部材は、円周方向に延び、かつ互いに離間するように前記第1方向に沿って配列されている複数の第1溝部を有し、
前記複数の第1溝部のそれぞれには、前記複数のワイヤが1本ずつ配置されている、(8)に記載のカメラユニット。
【0144】
(11)前記第1円柱部材は、円柱の中心線を回転軸として回転自在な状態で前記第2基板と離間する位置に固定されている、(8)~(10)のいずれかに記載のカメラユニット。
【0145】
(12)前記複数のワイヤのそれぞれは、
第1半田部材を介して前記複数の第1端子のうちの一つに接続されている第1端部と、
第2半田部材を介して前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている第2端部と、
を有し、
前記複数の第1端子および前記複数の第2端子のそれぞれは、第1方向に沿って配列され、
前記第1基板は、前記第1方向に沿って延びるように配置されている第1円柱部材を有し、
前記第1円柱部材は、前記第1基板と離間する位置に固定され、
平面視において、前記複数の第1端子のそれぞれは、前記第1円柱部材と前記複数の第2端子との間に配置され、
前記複数のワイヤのうちの第1ワイヤは、前記第1端部と前記第2端部との間に、前記第1円柱部材の円周に沿うように配置されている第1迂回部を有している、(1)または(2)に記載のカメラユニット。
【0146】
(13)前記第1円柱部材は、円周方向に延びている第1溝部を有し、
前記第1溝部には、前記第1ワイヤが配置されている、(12)に記載のカメラユニット。
【0147】
(14)前記第1円柱部材は、円周方向に延び、かつ互いに離間するように前記第1方向に沿って配列されている複数の第1溝部を有し、
前記複数の第1溝部のそれぞれには、前記複数のワイヤが1本ずつ配置されている、(12)に記載のカメラユニット。
【0148】
(15)前記第1円柱部材は、円柱の中心線を回転軸として回転自在な状態で前記第1基板と離間する位置に固定されている、(12)~(14)のいずれかに記載のカメラユニット。
【0149】
(16)前記第2基板は、前記第1方向に沿って延びるように配置されている第2円柱部材を有し、
前記第2円柱部材は、前記第2基板と離間する位置に固定され、
平面視において、前記複数の第2端子のそれぞれは、前記第2円柱部材と前記複数の第1端子との間に配置され、
前記第1ワイヤは、前記第1端部と前記第2端部との間に、前記第2円柱部材の円周に沿うように配置されている第2迂回部を有している、(12)~(15)のいずれかに記載のカメラユニット。
【0150】
(17)前記第2円柱部材は、円周方向に沿って延びている第2溝部を有し、
前記第2溝部には、前記第1ワイヤが配置されている、(16)に記載のカメラユニット。
【0151】
(18)前記第2円柱部材は、円周方向に延び、かつ互いに離間するように前記第1方向に沿って配列されている複数の第2溝部を有し、
前記複数の第2溝部のそれぞれには、前記複数のワイヤが1本ずつ配置されている、(16)に記載のカメラユニット。
【0152】
(19)前記第2円柱部材は、円柱の中心線を回転軸として回転自在な状態で前記第2基板と離間する位置に固定されている、(16)~(18)のいずれかに記載のカメラユニット。
【0153】
(20)前記複数のワイヤのそれぞれは、
第1半田部材を介して前記複数の第1端子のうちの一つに接続されている第1端部と、
第2半田部材を介して前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている第2端部と、
を有し、
前記複数の第1端子および前記複数の第2端子のそれぞれは、第1方向に沿って配列され、
前記第2基板は、前記第1方向に沿って延びるように配置されている第1円柱部材を有し、
前記第1円柱部材は、前記第2基板と離間する位置に固定され、
平面視において、前記複数の第2端子のそれぞれは、前記第1円柱部材と前記複数の第1端子との間に配置され、
前記複数のワイヤのうちの第1ワイヤは、前記第1端部と前記第2端部との間に、前記第1円柱部材の円周に沿うように配置されている第1迂回部を有している、カメラユニット。
【0154】
(21)前記複数のワイヤのそれぞれは、
第1半田部材を介して前記複数の第1端子のうちの一つに接続されている第1端部と、
第2半田部材を介して前記複数の第2端子のうちの一つに接続されている第2端部と、
前記第1端部と前記第2端部との間にある第1線形部と、
前記第1線形部と前記第2端部との間にある第2線形部と、
前記第1線形部と前記第2線形部との間にある第3線形部と、
前記第3線形部と前記第2線形部との間にある第4線形部と、
を有し、
前記第1半田部材、前記第2半田部材、前記第1線形部、および前記第2線形部のそれぞれは、硬化した樹脂から成る第1絶縁層に封止され、
前記第3線形部および前記第4線形部のそれぞれは、前記第1絶縁層上に積層され、かつ、第1の粘度を有する第1ゲル層に封止されている、(1)または(2)に記載のカメラユニット。
【0155】
(22)前記複数のワイヤのそれぞれは、
前記第3線形部と前記第4線形部との間にある第5線形部と、
前記第5線形部と前記第4線形部との間にある第6線形部と、
を更に有し、
前記第5線形部および前記第6線形部のそれぞれは、前記第1ゲル層上に積層され、かつ、前記第1の粘度と異なる第2の粘度を有する第2ゲル層に封止されている、(21)に記載のカメラユニット。
【0156】
(23)前記第2の粘度は、前記第1の粘度よりも低い、(22)に記載のカメラユニット。
【符号の説明】
【0157】
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G,1H,1K…カメラユニット、10…カメラモジュール、11…レンズ、12…撮像素子、13,80…基板、13a,13b,80a,80b…面、14…ハウジング、15,82…端子、16,83…半田部材、20…配線基板、30…モジュール保持機構、40…ホルダ(可動部材)、41…底面、42,53…挿入溝、43a,43b…磁石装着溝、44…上面、50…ケース、51…収容空間、54a,54b…コイル装着部、60…支持機構、61…ジンバル、62…支持部材、63…ジンバル本体、63a…円形開口部、64a,64b,65a,65b…腕、66…ストッパプレート、67… 開口部、70…駆動機構、71,72…巻線コイル、73,74…永久磁石、80c…コネクタ、81…ワイヤ、81a…線形部、81b…ボール部、81c,81d…迂回部、81e1,81e2…端部、84,85…ガイド部、85A…ボール保持部、85B…蓋部、86a,86b…収容部、87a,87b…金属膜、88…導電性グリス、89…連結部材、90,92…円柱部材、91,93…溝部、CL1,CL2…中心線、G81…最短距離、L…光軸、L1,L2…軸、θ1,θ2…角度
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