(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009124
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】電力制御装置、蓄電池システム、蓄電池の充電電力制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 7/35 20060101AFI20240112BHJP
H02J 3/32 20060101ALI20240112BHJP
H02J 3/38 20060101ALI20240112BHJP
【FI】
H02J7/35 K
H02J3/32
H02J3/38 130
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023196521
(22)【出願日】2023-11-20
(62)【分割の表示】P 2019154987の分割
【原出願日】2019-08-27
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大内 祐介
(72)【発明者】
【氏名】小林 健二
(57)【要約】
【課題】蓄電池への充電を制御する電力制御装置において、複雑な演算処理を行わずに、供給される電力に応じて自動で蓄電池への充電電力を設定することができる技術を提供する。
【解決手段】蓄電池へ出力する電力の値を、予め設定される複数の異なる出力電力値から選択可能な出力電力切り換え手段を備える蓄電池接続部と、外部からの電力の供給を受けつける電力入力部と、前記蓄電池へ出力する電力の値を決定する充電電力制御手段と、を有し、前記充電電力制御手段は、前記蓄電池への出力電力値を決定する充電電力設定モード実行時において、前記出力電力切り換え手段により、出力電力値を、より高いものへと切り換えて選択し、前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が所定の第1条件を満たした場合に選択されていた出力電力値よりも、低い値の出力電力値を前記蓄電池への充電電力値として決定する電力制御装置。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも蓄電池への電力の充電を制御する電力制御装置であって、
前記蓄電池に対して出力する電力の値を、予め設定される複数の異なる出力電力値から選択可能な出力電力切り換え手段を備える、蓄電池接続部と、
前記蓄電池とは異なる負荷へ電力を出力する負荷接続部と、
外部からの電力の供給を受けつける電力入力部と、
前記電力入力部から入力された電力を前記負荷接続部及び前記蓄電池接続部へ供給する電力供給回路と、
前記複数の異なる出力電力値から前記蓄電池に出力される一の出力電力値を選択することにより、前記蓄電池へ出力する電力の値を決定する充電電力制御手段と、を有し、
前記充電電力制御手段は、前記蓄電池への出力電力値を決定する充電電力設定モードを実行し、その実行時において、前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が所定の第1条件を満たすまでは、前記出力電力切り換え手段によって所定時間毎に出力電力値をより高い値に切り換えて電力を出力し、前記第1条件を満たした場合に、当該第1条件を満たした際に選択されていた出力電力値よりも低い値の出力電力値を前記蓄電池への充電電力値として決定する、
ことを特徴とする電力制御装置。
【請求項2】
前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が、前記電力入力部に供給される電力の安定供給水準を超える、ことが前記第1条件であって、
前記電力入力部へ供給される電力の電圧値及び/又は電流値を計測する入力部センサをさらに有しており、
前記充電電力制御手段は、
前記入力部センサが出力する電圧値が所定の第1の閾値以下となった場合、
前記入力部センサが出力する電流値が所定の第2の閾値以上となった場合、
前記入力部センサが出力する電力値が所定の第3の閾値以上となった場合、
の少なくともいずれかの場合に、前記第1条件を満たしたと判定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電力制御措置。
【請求項3】
前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が、前記電力入力部に供給される電力の安定供給水準を超える、ことが前記第1条件であって、
前記負荷接続部から出力される電力の電流値を計測する負荷出力センサをさらに有しており、
前記充電電力制御手段は、
前記負荷出力センサが出力する電流値が所定の第4の閾値以上となった場合に、前記第1条件を満たしたと判定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項4】
前記充電電力設定モードには、
前記装置の運転開始時に実行される第1の充電電力設定モードと、
前記装置の運転中に所定時間毎に実行される第2の充電電力設定モードと、
前記装置の運転中に前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が所定の第2条件を満たした場合に実行される、第3の充電電力設定モードと、が含まれる、
ことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項5】
前記充電電力制御手段は、
前記第1の充電電力設定モードでは、前記複数の異なる出力電力値のうち最も低い電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行し、
前記第2の充電電力設定モードでは、当該第2の充電電力設定モード実行時に選択され
ている電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行し、
前記第3の充電電力設定モードでは、一旦前記蓄電池への電力の出力を停止した後に、前記複数の異なる出力電力値のうち最も低い電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行する、
ことを特徴とする、請求項4に記載の電力制御装置。
【請求項6】
前記充電電力制御手段は、一の前記所定時間の開始時とその次の前記所定時間の開始時との間において、前記蓄電池への出力電力値を一旦低減させる処理を実行する、
ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項7】
蓄電池と、
前記蓄電池及び前記蓄電池とは異なる負荷に電気的に接続され、少なくとも前記蓄電池への電力の充電を制御する蓄電制御装置と、
前記蓄電制御装置へ、商用電力系統とは異なる電力源からの電力を供給する自立電力供給設備と、を有する蓄電池システムであって、
前記蓄電制御装置は、
前記蓄電池との接続部において、蓄電池に対して出力する電力の値を、予め設定される複数の異なる出力電力値から選択可能な出力電力切り換え手段を備え、
前記蓄電池への出力電力値を決定する充電電力設定モードを実行し、その実行時において、前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が所定の第1条件を満たすまでは、前記出力電力切り換え手段によって所定時間毎に出力電力値をより高い値に切り換えて電力を出力し、前記第1条件を満たした場合に、当該所定の第1条件を満たした際に選択されていた出力電力値よりも低い出力電力値を、前記蓄電池への充電電力値として決定する、
ことを特徴とする、蓄電池システム。
【請求項8】
前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が、前記自立電力供給設備から供給される電力の安定供給水準を超える、ことが前記第1条件であって、
前記蓄電制御装置は、
前記負荷に対して出力される電力の電流値が所定の第1の閾値以上となった場合、前記負荷に対して出力される電力の電力値が所定の第2の閾値以上となった場合、のいずれかを含む場合に、前記第1条件を満たしたと、判定する
ことを特徴とする請求項7に記載の蓄電池システム。
【請求項9】
前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が、前記自立電力供給設備から供給される電力の安定供給水準を超える、ことが前記第1条件であって、
前記自立電力供給設備は、DC/DCコンバータ及びDC/ACインバータを備えるパワーコンディショナを含んでおり、
前記蓄電制御装置は、
前記パワーコンディショナから出力される電力の電圧値が所定の第3の閾値以下となった場合、
前記パワーコンディショナから出力される電力の電流値が所定の第4の閾値以上となった場合、
前記パワーコンディショナから出力される電力の電力値が所定の第5の閾値以上となった場合、
前記DC/DCコンバータから出力される電力の電圧値が所定の第6の閾値以下となった場合、
前記DC/DCコンバータから出力される電力の電圧値の偏差が所定の第7の閾値以上となった場合、
のいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項7に記載の蓄電池システム。
【請求項10】
前記充電電力設定モードには、
前記装置運転開始時に実行される第1の充電電力設定モードと、
前記装置の運転中に断続的に実行される第2の充電電力設定モードと、
前記装置の運転中に前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が所定の第2の条件を満たした場合に実行される、第3の充電電力設定モードと、が含まれる、
ことを特徴とする、請求項7から9のいずれか一項に記載の蓄電池システム。
【請求項11】
前記蓄電制御装置は、
前記第1の充電電力設定モードでは、前記複数の異なる出力電力値のうち最も低い電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行し、
前記第2の充電電力設定モードでは、当該第2の充電電力設定モード実行時に選択されている電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行し、
前記第3の充電電力設定モードでは、一旦前記蓄電池への電力の出力を停止した後に、前記複数の異なる出力電力値のうち最も低い電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行する、
ことを特徴とする請求項10に記載の蓄電池システム。
【請求項12】
前記蓄電制御装置は、一の前記所定時間の開始時とその次の前記所定時間の開始時との間において、前記蓄電池への出力電力値を一旦低減させる処理を実行する、
ことを特徴とする、請求項7から11のいずれか一項に記載の蓄電池システム。
【請求項13】
出力する電力の値を予め設定される複数の異なる出力電力値から選択可能な出力電力切り換え手段、を備える蓄電制御装置を用いて蓄電池の充電電力を制御する方法であって、
前記複数の異なる出力電力値から、いずれかの出力電力値を選択するステップと、
前記選択した電力値で、所定時間前記蓄電池に電力を供給するステップと、
前記蓄電制御装置に供給される電力が所定の条件を満たすか判定するステップと、
前記所定の条件を満たすと判定された場合には、当該判定された際に選択されていた出力電力値よりも低い出力電力値を、前記蓄電池への充電電力として定めるステップと、
を有する、蓄電池の充電電力制御方法。
【請求項14】
請求項13に記載の各ステップを、制御端末に実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力制御装置、蓄電池システム、蓄電池の充電電力制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、太陽光などの発電装置と蓄電池を併設した分散型発電システムが知られている。発電装置のみを備えるシステムであれば、商用電力系統(以下、単に系統ともいう)が停電してしまうと、発電装置で発電した電力を系統へ逆潮させることができなくなるため、発電した電力が無駄になる場合がある。一方、上記のような蓄電池を備えるシステムにおいては発電した電力を無駄にしないよう、併設されている蓄電池へ充電させて活用することができる。
【0003】
しかしながら、蓄電池へ充電する電力を手動で設定する仕組みでは、刻一刻と変化する発電装置の発電可能量がわからないため、電力設定が煩雑であり、充電可能な電力を無駄にしてしまうという問題があった。
【0004】
これに対して、太陽光発電装置と、蓄電池と、その他の負荷を備えるシステムにおいて、その他の負荷に対して供給すべき要求負荷電力を求め、前記要求負荷電力が、太陽稿発電装置が供給可能な発電電力に対応する基準電力以下のときに前記蓄電池に電力を供給し、前記負荷電力が前記基準電力より大きいときに前記蓄電池に電力を供給しないように、充電電力の調整を行う、電力制御システムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術によれば、基準となる電力を定める必要があるとともに、太陽光発電装置の発電電力、要求負荷電力を求めて、発電電力に対応する基準電力の値と負荷電力の値とから、蓄電池に充電するか否か及び、充電する電力の値を算出することになる。このような処理を行うため、制御装置の行う処理が複雑化してしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、蓄電池への充電を制御する電力制御装置において、複雑な演算処理を行わずに、供給される電力に応じて自動で蓄電池への充電電力を設定することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
少なくとも蓄電池への電力の充電を制御する電力制御装置であって、
前記蓄電池に対して出力する電力の値を、予め設定される複数の異なる出力電力値から選択可能な出力電力切り換え手段を備える、蓄電池接続部と、
前記蓄電池とは異なる負荷へ電力を出力する負荷接続部と、
外部からの電力の供給を受けつける電力入力部と、
前記電力入力部から入力された電力を前記負荷接続部及び前記蓄電池接続部へ供給する電力供給回路と、
前記複数の異なる出力電力値から前記蓄電池に出力される一の出力電力値を選択することにより、前記蓄電池へ出力する電力の値を決定する充電電力制御手段と、を有し、
前記充電電力制御手段は、前記蓄電池への出力電力値を決定する充電電力設定モードを実行し、その実行時において、前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が所定の第1条件を満たすまでは、前記出力電力切り換え手段によって所定時間毎に出力電力値をより高い値に切り換えて電力を出力し、前記第1条件を満たした場合に、当該第1条件を満たした際に選択されていた出力電力値よりも低い値の出力電力値を前記蓄電池への充電電力値として決定する、
ことを特徴とする。
【0009】
ここで、「出力電力切り換え手段」は、例えば、負荷時タップ切り換え変圧器(LTC)の2次側出力端などとすることができる。また、当該出力端には、電力が出力されない、即ち0Wの端子を含むこともできる。また、「蓄電池とは異なる負荷」とは、特定負荷に限らず、一般負荷であってもよい。また、「電力入力部」については、商用電力系統とは別の電力源からの自立電力用の入力端子であってもよいし、商用電力系統とも接続され得る入出力端子であってもよい。
【0010】
なお、「所定時間毎に出力電力値をより高い値に切り換えて電力を出力」とは、所定時間が経過するまで蓄電池への出力値を維持しつつ、所定時間経過後に出力電力値をより高いものに切り換えることに限定されない。例えば、ある電力値で一定時間電力を出力した後、所定のインターバル(蓄電池への電力出力を停止、又は低減させる時間)を挟んだ後に、インターバル開始前に出力していた電力値よりも高い電力値で一定時間電力を出力し、インターバルを挟んだ後、当該インターバル開始前に出力していた電力値よりも高い電力値で一定時間電力を出力する、という処理を繰り返すことも含む。即ち、この場合における「所定時間」とは、上記の一定時間にインターバルの時間を加えた時間となる。
【0011】
このような構成の電力制御装置によると、第1条件の内容を、供給される電力が蓄電池の充電と負荷への電力供給に対して不足(の予兆がある)状態と設定しておくことで、蓄電池への充電のための出力電力を一段階下げることができ、無駄を最小限にしつつ、安定的に充電池及び負荷へ電力を供給することができる。
【0012】
また、前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が、前記電力入力部に供給される電力の安定供給水準を超える、ことが前記第1条件であって、前記電力入力部へ供給される電力の電圧値及び/又は電流値を計測する入力部センサをさらに有しており、前記充電電力制御手段は、前記入力部センサが出力する電圧値が所定の第1の閾値以下となった場合、前記入力部センサが出力する電流値が所定の第2の閾値以上となった場合、前記入力部センサが出力する電力値が所定の第3の閾値以上となった場合、の少なくともいずれかの場合に、前記第1条件を満たしたと判定する、ものであってもよい。また、同様に、前記負荷接続部から出力される電力の電流値を計測する負荷出力センサをさらに有しており、前記充電電力制御手段は、前記負荷出力センサが出力する電流値が所定の第4の閾値以上となった場合に、前記第1条件を満たしたと判定する、ものであってもよい。
【0013】
ここで、安定供給水準とは、供給される電力が蓄電池と負荷へ出力される電力の和よりも余裕のある状態を指し、例えば発電装置から電力の供給を受ける場合には、当該発電装置の発電量を下回らない状態である。なお、上記の第1から第4の閾値は一部或いはすべてが同じ値となることを妨げない。このような構成によれば、特に複雑な演算処理を行うことなく、センサが検知する電圧値及び/又は電流値に基づいて、蓄電池への充電電力の制御を行うことが可能になるため、電力制御の安定性を高めることができる。
【0014】
また、前記充電電力設定モードには、前記装置の運転開始時に実行される第1の充電電
力設定モードと、前記装置の運転中に所定時間毎に実行される第2の充電電力設定モードと、前記装置の運転中に前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が所定の第2条件を満たした場合に実行される、第3の充電電力設定モードと、が含まれていてもよい。
【0015】
なお、上記の第2条件は、第1条件と同じ条件であってもよいし、第1の条件よりもさらに安全マージンを持たせた条件であってもよい。このような構成であると、装置の稼働状況に合わせて最適化された処理を実行することができる。
【0016】
また、前記充電電力制御手段は、前記第1の充電電力設定モードでは、前記複数の異なる出力電力値のうち最も低い電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行し、前記第2の充電電力設定モードでは、当該第2の充電電力設定モード実行時に選択されている電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行し、前記第3の充電電力設定モードでは、一旦前記蓄電池への電力の出力を停止した後に、前記複数の異なる出力電力値のうち最も低い電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行するものであってもよい。
【0017】
このような構成であると、装置の立ち上げ時に自動で蓄電池への充電電力の設定を行い、装置が運転中である場合も定期的に充電電力が適切かを見直して必要に応じて再設定を行い、また、充電及び負荷への出力に対して安定的な電力の供給が保証できなくなってきた場合には、蓄電池への充電電力を下げるようにすることもできる。これによって、装置の立ち上げ時から自動的かつ効率的に蓄電池への充電電力を設定することができるため、専門的な知識を有さないユーザーであっても装置を運用することができる。
【0018】
また、前記充電電力制御手段は、一の前記所定時間の開始時とその次の前記所定時間の開始時との間において、前記蓄電池への出力電力値を一旦低減させる処理を実行してもよい。
【0019】
また、本発明に係る蓄電池システムは、
蓄電池と、
前記蓄電池及び前記蓄電池とは異なる負荷に電気的に接続され、少なくとも前記蓄電池への電力の充電を制御する蓄電制御装置と、
前記蓄電制御装置へ、商用電力系統とは異なる電力源からの電力を供給する自立電力供給設備と、を有する蓄電池システムであって、
前記蓄電制御装置は、
前記蓄電池との接続部において、蓄電池に対して出力する電力の値を、予め設定される複数の異なる出力電力値から選択可能な出力電力切り換え手段を備え、
前記蓄電池への出力電力値を決定する充電電力設定モードを実行し、その実行時において、前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が所定の第1条件を満たすまでは、所定時間毎に前記出力電力切り換え手段によって出力電力値をより高い値に切り換えて電力を出力し、前記第1条件を満たした場合に、当該所定の第1条件を満たした際に選択されていた出力電力値よりも低い出力電力値を、前記蓄電池への充電電力値として決定する、
ことを特徴とする。
【0020】
なお、自立電力供給設備、とは太陽光発電装置などの再生可能エネルギーの発電装置、燃料電池、蓄電池、及びこれらの制御装置などを含むことができる。
【0021】
また、前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が、前記自立電力供給設備から供給される電力の安定供給水準を超える、ことが前記第1条件であって、前記蓄電制御装置は、前記負荷に対して出力される電力の電流値が所定の第1の閾値以上となった場合、
前記負荷に対して出力される電力の電力値が所定の第2の閾値以上となった場合、のいずれかを含む場合に、前記第1条件を満たしたと、判定するものであってもよい。
【0022】
また、前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が、前記自立電力供給設備から供給される電力の安定供給水準を超える、ことが前記第1条件であって、前記自立電力供給設備は、DC/DCコンバータ及びDC/ACインバータを備えるパワーコンディショナを含んでおり、前記蓄電制御装置は、前記パワーコンディショナから出力される電力の電圧値が所定の第3の閾値以下となった場合、前記パワーコンディショナから出力される電力の電流値が所定の第4の閾値以上となった場合、前記パワーコンディショナから出力される電力の電力値が所定の第5の閾値以上となった場合、前記DC/DCコンバータから出力される電力の電圧値が所定の第6の閾値以下となった場合、前記DC/DCコンバータから出力される電力の電圧値の偏差が所定の第7の閾値以上となった場合、のいずれかを含むものであってもよい。
【0023】
なお、ここでいう第1から第7の閾値は一部または全てが同じ値となることを妨げない。このような構成であると、自立電力供給設備におけるパワーコンディショナ(以下、単に自立電力パワコンともいう)の挙動(出力)に基づいて蓄電池への充電電力制御を行うことができるため、自立電力パワコンが過負荷になって停止することを防止することができる。
【0024】
また、前記充電電力設定モードには、前記装置運転開始時に実行される第1の充電電力設定モードと、前記装置の運転中に断続的に実行される第2の充電電力設定モードと、前記装置の運転中に前記入力部センサから出力される値が所定の第2の条件を満たした場合に実行される、第3の充電電力設定モードと、が含まれていてもよい。
【0025】
また、前記蓄電制御装置は、前記第1の充電電力設定モードでは、前記複数の異なる出力電力値のうち最も低い電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行し、前記第2の充電電力設定モードでは、当該第2の充電電力設定モード実行時に選択されている電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行し、前記第3の充電電力設定モードでは、一旦前記蓄電池への電力の出力を停止した後に、前記複数の異なる出力電力値のうち最も低い電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行する、ものであってもよい。
【0026】
また、前記蓄電制御装置は、一の前記所定時間の開始時とその次の前記所定時間の開始時との間において、前記蓄電池への出力電力値を一旦低減させる処理を実行してもよい。
【0027】
また、本発明に係る電力制御方法は、出力する電力の値を予め設定される複数の異なる出力電力値から選択可能な出力電力切り換え手段、を備える蓄電制御装置を用いて蓄電池の充電電力を制御する方法であって、前記複数の異なる出力電力値から、いずれかの出力電力値を選択するステップと、前記選択した電力値で、所定時間前記蓄電池に電力を供給するステップと、前記蓄電制御装置に供給される電力が所定の条件を満たすか判定するステップと、前記所定の条件を満たすと判定された場合には、当該判定された際に選択されていた出力電力値よりも低い出力電力値を、前記蓄電池への充電電力として定めるステップと、を有する。
【0028】
また、本発明は、上記の方法を蓄電池の制御装置に実行させるためのプログラム、そのようなプログラムを非一時的に記録したコンピュータ読取可能な記録媒体として捉えることもできる。
【0029】
また、上記構成及び処理の各々は技術的な矛盾が生じない限り互いに組み合わせて本発
明を構成することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、蓄電池への充電を制御する電力制御装置において、複雑な演算処理を行わずに、供給される電力に応じて自動で蓄電池への充電電力を設定することができる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本発明の適用例に係る電力制御装置910の概略構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態1に係る蓄電池システム10の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態1に係る蓄電パワコンで行わる充電電力設定制御の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施形態1の充電電力設定制御の処理における第1のサブルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態1の充電電力設定制御の処理における第1のサブルーチン時の制御タイミングを示すタイミングチャートである。
【
図6】
図6は、実施形態1の充電電力設定制御における、過負荷検出時の制御タイミングを示すタイミングチャートである。
【
図7】
図7は、実施形態1の充電電力設定制御の処理における第2のサブルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態1の変形例の充電電力設定制御における、充電電力設定時の処理のタイミングを示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0033】
<適用例>
(適用例の構成)
本発明は例えば、
図1に示すような電力制御装置910に適用することができる。
図1は本適用例に係る電力制御装置910の概略構成、及び電力制御装置910に接続される蓄電池920、負荷930、自立電力供給源940の関係を示すブロック図である。本適用例に係る電力制御装置910は、直流電力を交流電力に変換して出力する、いわゆるパワーコンディショナに該当する。以下では、直流のことをDC(Direct Current)、交流のことをAC(Alternating Current)、パワーコンディショナのことをパワコン、とも表記する。
【0034】
電力制御装置910は、蓄電制御部911、蓄電池接続部912、負荷接続部913、電力入力部914、双方向DC/DCコンバータ915、双方向DC/ACインバータ916、電力回路919を備えている。
【0035】
蓄電池920は、例えばリチウムイオン電池などの二次電池であり、蓄電池接続部912を介して、電力制御装置910と接続される。また、蓄電池920には、図示しないが電圧、温度などを監視するセンサが設けられており、当該センサの出力値は、電力制御装置910の蓄電制御部911に送信される。
【0036】
負荷930は、電力を消費する一般的な機器等であり、負荷接続部913を介して電力制御装置910と接続され、電力制御装置910から電力の供給を受ける。具体的には、例えば家庭内で使用されるエアコン、電子レンジ、テレビ等の各種電器製品や、商工業施
設で使用される空調機や照明器具などの機械、照明設備等である。
【0037】
自立電力供給源940は、太陽光発電装置、風力発電装置などの再生可能エネルギーの発電装置、燃料電池、蓄電池、及びこれらの電力をDC/AC変換するパワコンなどであり、電力入力部914を介して電力制御装置910に電力を供給する。電力制御装置910に入力された電力は蓄電池920及び負荷930に供給される。
【0038】
(電力制御装置の構成)
蓄電制御部911は、例えば、マイクロコンピュータであり、制御プログラムを格納する記憶媒体や制御プログラムにしたがって制御手順を実行するプロセッサを有する。蓄電制御部911は、本適用例において、充電電力制御手段に該当し、後述するように装置内に設けられた各種センサから情報を取得し、これらセンサが取得した情報に基づいて、蓄電池接続部912をはじめとする電力制御装置910の各構成を制御する。
【0039】
蓄電池接続部912は、蓄電池920と電力の入出力を行う端子を含んで構成される。また、当該出力端子は、出力する電力の値が異なる複数の出力用接続点(以下、タップともいう)を備える構成となっており、蓄電制御部911の制御により、接続するタップを切り換えることで、蓄電池920に対して出力される電力の値を切り換えることができる。具体的には、例えば負荷時タップ切り換え変圧器の2次側出力端などとすることができ、これに一定の電流を出力することで、出力電力値を切り換える。出力電力値をどのように設定するかについては任意であるが、例えば0W、250W、500W・・・1250W、1500Wなどと、250W刻みで設定することができる。なお、当該複数の出力用接続点が、本発明における出力電力切り換え手段に該当する。
【0040】
負荷接続部913は、負荷930へ電力を出力する端子、及び図示しない電流計を含んで構成される。電流計によって計測された電流値は、蓄電制御部911に送信される。
【0041】
電力入力部914は、自立電力供給源940から供給される電力を入力する端子、及び、図示しない電圧計、電流計を含んで構成される。電圧計、電流計によって計測されたそれぞれの値は、蓄電制御部911に送信される。
【0042】
また、双方向DC/DCコンバータ915は、双方向DC/ACインバータ916から出力される直流電圧を減圧して蓄電池接続部912に出力し、また、蓄電池920からの入力(放電)された直流の電圧を昇圧して双方向DC/ACインバータ916に出力する。
【0043】
双方向DC/ACインバータ916は、自立電力供給源940から供給される交流を直流に変換して双方向DC/DCコンバータ915に出力し、また、双方向DC/DCコンバータ915を介して蓄電池920から入力(放電)された直流を交流に変換して負荷接続部913へ出力する。
【0044】
電力回路919は、電力制御装置910内の蓄電池接続部912、負荷接続部913、電力入力部914、双方向DC/DCコンバータ915、双方向DC/ACインバータ916間で、伝送される電力のための回路である。なお、当該電力回路が、本発明における電力供給回路に該当する。
【0045】
(充電電力制御方法)
以上のような構成を有する電力制御装置910において、蓄電池920への充電制御を実行する処理について説明する。まず、装置の運転開始時において、自立電力供給源940からの電力供給量判定を実行し、当該供給量に対してある程度のマージンが確保できる
ように、蓄電池920への充電電力を決定する。
【0046】
具体的には、蓄電池接続部912の接続タップを、一番低い電力値のタップを一定時間(例えば10秒)接続した後、高い電力値のタップ(例えば、一段階高い電力値のタップ)に接続を切り換えていき、電力入力部914へ供給される電力の電圧値が低下する電力値のタップを探索する。
【0047】
電力入力部914へ供給される電力の電圧値が低下した場合には、自立電力供給源940が過負荷の状態にあると考えられるため、一旦蓄電池接続部912の接続タップを0Wのタップに切り換えて、蓄電池920への電力の供給を停止する。そして、電力入力部914のセンサによって検出される電圧(或いは電流、電力)の値から、自立電力供給源940が過負荷の状態から回復したと判断できる場合には、電力入力部914へ供給される電力の電圧値が低下した際に接続されていた電力値のタップよりも低い電力値のタップ(例えば、一段階低い電力値のタップ)を選択し、これによって蓄電池920への充電電力を決定する。
【0048】
また、上記のようにして一旦充電電力を決定した後であっても、電力制御装置910の運転中には随時、充電電力の見直しを実行する。具体的には、一定時間毎(例えば30分毎)に、現在接続されているタップの電力値よりも一段階高い電力値のタップへと切り換える制御を行い、所定時間(例えば10秒)経過後に、電力入力部914へ供給される電力の電圧値が低下するか否かを判断する。ここで、電圧値が低下すれば、自立電力供給源940の過負荷の状態からの回復を待って、従前接続されていたタップへと再度切り換える制御を行い、従前の電力値を充電電力として引き続き運転を行う。一方、電圧値が低下しなければ、さらに高い電力値のタップへと順次切り換えていき、電力入力部914へ供給される電力の電圧値が低下した場合に、その際に接続されてタップよりも低い電力値のタップを選択し、当該電力値を充電電力として運転を継続する。なお、充電電力値の見直しの処理は、必ずしも現在接続されているタップの電力値を基準にする必要はなく、一定時間毎に接続するタップを0Wに戻し、充電電力の決定を行うのと同様の処理を行うようにしてもよい。
【0049】
また、負荷930への供給の増加や、自立電力供給源940の供給電力の低下などで、運転中に自立電力供給源940が過負荷の状態になった場合には、蓄電制御部911は一旦0Wのタップへ接続を切り換え、過負荷の状態が回復した場合には、装置の運転開始時と同様の処理を実行して、充電電力の再設定を行うようにする。
【0050】
以上、説明したような電力制御装置910の構成によると、電力供給源と蓄電池とを備える構成のシステムにおいて、負荷への電力供給と蓄電池の充電を並行して行う場合に、蓄電池への充電電力の設定を自動で行うことができる。また、電力制御装置へ入力される電力の電圧値に基づいて、タップを段階的に切り換えることにより蓄電池への充電電力を決定するため、複雑な演算処理なく充電電力を決定することができる。
【0051】
<実施形態1>
次に、本発明の実施形態の一例である蓄電池システム10について説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0052】
(システム構成)
図2を参照して、本発明の実施形態に係る蓄電池システム10の全体構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る蓄電池システム10の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、蓄電池システム10は、蓄電池120、蓄電パワコン110、負荷
130、太陽電池140、PV(Photovoltaic)パワコン141、を含んで構成され、蓄電パワコン110、負荷130、PVパワコン141は、商用電力系統150と接続している。
【0053】
当該システムにおいて、太陽電池140が発電した電力はPVパワコン141を介して負荷130、蓄電パワコン110に供給され、蓄電パワコン110に供給された電力はさらに蓄電池120へと出力されて、蓄電池120を充電するために用いられる。また、負荷130及び、蓄電池120への充電で消費される電力が少なく、太陽電池140が発電した電力に余剰がある場合には、当該余剰電力は商用電力系統150へ逆潮流される。
【0054】
また、太陽電池140で発電される電力が、負荷130での電力の消費分に不足する場合には、商用電力系統150から負荷130に当該不足分の電力が供給される。また、夜間など電力料金が低い時間帯に、蓄電池120のSOC(States Of Charge)が十分でない場合には、商用電力系統150から電力の供給を受けて、蓄電池120が充電される。
【0055】
なお、蓄電池120、負荷130、については適用例において説明したものと同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0056】
蓄電パワコン110は、蓄電制御部111、蓄電池接続部112、系統側接続部113、双方向DC/DCコンバータ115、双方向DC/ACインバータ116及び電力回路を備えている。即ち、本実施形態における蓄電パワコン110は適用例の電力制御装置910と比べて、負荷接続部913、電力入力部914が無い点と、系統側接続部113を備えている点で異なっている。系統側接続部113は、電力の入出力端子、及び電圧計、電流計(共に図示しない)を備えており、図示しない分電盤を介して、負荷130及び商用電力系統150へ電力を出力したり、及びPVパワコン141、商用電力系統150から電力の供給を受けたりする。
【0057】
その他の点は、適用例に係る電力制御装置と概ね同様である。即ち、蓄電制御部111は、本適用例において、充電電力制御手段に該当し、電力線、通信線を介してシステム内の各種センサから情報を取得する。そして、取得した情報に基づいて、蓄電池接続部112をはじめとする蓄電パワコン110の各構成を制御する。
【0058】
なお、蓄電池接続部112、DC/DCコンバータ115、双方向DC/ACインバータ116については詳細な説明は省略する。
【0059】
太陽電池140は、例えば、光電変換セルを有する発電部がマトリクス状に接続され、所定の短絡電流を出力するように構成される。太陽電池140は、シリコン系多結晶太陽電池、シリコン系単結晶太陽電池、カルコパイライト系太陽電池、ペロブスカイト型太陽電池等、光電変換可能なものであれば、その種類は特に制限されない。
【0060】
また、PVパワコン141は、PV電力入力部142、PV電力出力部143、PV制御部144、DC/DCコンバータ145、DC/ACインバータ146を備えており、太陽電池140が発電した発電電力から取り出す電力を制御する。
【0061】
PV電力入力部142は、電力入力端子、電圧計、電流計(いずれも図示せず)を備えており、太陽電池140が出力した直流の電力をPVパワコン内に取り込む構成である。また、PV電力出力部143は、電力出力端子、電圧計、電流計(いずれも図示せず)を備えており、後述するように交流に変換された電力を、蓄電パワコン110、負荷130、商用電力系統150へ出力する。
【0062】
DC/DCコンバータ145は太陽電池140の直流電圧を昇圧し、DC/ACインバータ146は、DC/DCコンバータ145から出力された直流電圧を交流に変換し、PV電力出力部143へと出力する。例えば、直流電圧は、一般家庭用に、単相3線式正弦波出力の100V/200Vに変換される。
【0063】
PV制御部144は、例えば、マイクロコンピュータであり、制御プログラムを格納する記憶媒体や制御プログラムに従って制御手順を実行するプロセッサを有する。PV制御部144は、PVパワコン140の制御を司る構成であり、例えば、DC/DCコンバータ145とDC/ACインバータ146に対しこれらの動作を制御するための制御信号を出力する。なお、PV制御部140は、太陽電池140からの出力電力が最大となるようMPPT(Maximum Power Point Tracking:最大電力追従)制御を行うようにしてもよい。
【0064】
(蓄電池への充電電力制御の処理)
次に、商用電力系統150からの電力供給が停電するなど、商用電力系統150との連系が遮断された場合での自立運転時に、蓄電パワコン110が蓄電池120への充電電力を制御する処理の流れについて説明する。
図3は、自立運転時の蓄電パワコン110の充電電力制御の処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
図3に示すように、自立運転の開始時において、蓄電パワコン110の蓄電制御部111は、まず運転開始時の充電電力設定処理、即ち、PVパワコン141から出力される電力のうちどれだけの電力を蓄電池120への充電に用いるのかを設定する処理を行う(ステップS101)。
【0066】
図4は、運転開始時の充電電力設定処理の流れを示すフローチャートである。
図4に示すように、蓄電制御部111はまず、蓄電池接続部112の接続タップを、一番低い電力値のタップにする(ステップS201)。そして、例えばPV電力出力部143から検出される電圧値が低下している、或いは検出される電流値が過電流である等の所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS202)。これによって、接続されたタップの電力値の電力を蓄電池120に充電すると、PVパワコン141が過負荷になるか否かが判断される。
【0067】
ステップS202で、所定の条件を満たさない、即ち、PVパワコン141が過負荷でないと判断された場合には、所定時間(例えば10秒)の経過を待って(ステップS203)、現在接続されているタップが最大の電力値のタップであるか否かを判定する(ステップS204)。ここで、最大電力のタップであると判断された場合には、ステップS209に進み、蓄電池への充電電力を現在接続されているタップの電力値に決定する。一方、ステップS204で、現在接続されているタップが最大電力値のタップではないと判断された場合には、蓄電制御部111は一段階高い電力値のタップへ切り換え(ステップS205)、ステップS202に戻ってその後の処理を繰り返す。
【0068】
ステップS202において、所定の条件を満たす、即ちPVパワコン141が過負荷であると判断された場合には、蓄電制御部111は一旦蓄電池接続部112の接続タップを0Wのタップに切り換えて、蓄電池120の充電を停止する(ステップS206)。そして、蓄電制御部111はPVパワコン141の過負荷状態からの回復を待って(ステップS207)、過負荷と判断された際に接続されていた電力値のタップから、一段階低い電力値のタップを選択する(ステップS208)。そして、当該選択されたタップの電力値を蓄電池120への充電電力として決定し(ステップS209)、運転開始時の充電電力設定処理のサブルーチンを終了する。
図5に、運転開始時の充電電力設定処理のタイミン
グを示すタイミングチャートを例示する。なお、ステップS208において選択されるタップが0Wのタップとなる場合には、蓄電池120への充電は行われない。
【0069】
蓄電制御部111は、ステップS101で運転開始時の充電電力設定を終えた後も、PVパワコン141が過負荷(例えば、負荷130の消費電力と充電電力の和が太陽電池140の出力を超える状態)になっていないかを継続して監視する。具体的には、例えば、PV電力出力部143における電圧計の出力信号を受信し、PVパワコン141からの出力電圧の低下を検知することによりPVパワコン114が過負荷か否かを判定する(ステップS102)。ここで、過負荷でないと判断された場合には、ステップS106に進む。
【0070】
一方、ステップS102においてPVパワコン141が過負荷の状態であると判断された場合には、蓄電制御部111は蓄電池接続部112のタップを0Wのタップに切り換えて、蓄電池120への充電を一旦停止する(ステップS103)。そして、PVパワコン141が過負荷の状態から回復するまで待機し、回復後に蓄電池120への充電電力の再設定処理を実行する(ステップS104、S105)。
図6に、蓄電パワコン110の運転中に、PVパワコン141の過負荷を検出した際の処理のタイミングを示すタイミングチャートを例示する。なお、再設定処理の詳細は、運転開始時の充電電力設定の処理と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0071】
また、蓄電制御部111は、自立運転中は定期的(例えば30分毎)に、太陽電池140の発電電力を最も無駄なく活用できるよう蓄電池120への充電電力が適正かを見直し、調整する処理を行う(ステップS106、ステップS107)。
図7は、自立運転中に充電電力の適正化調整を実施する際の処理の流れを示すフローチャートである。
【0072】
図7に示すように、蓄電制御部111はまず、現在選択されているタップが最大電力値のタップか否かを判定する(ステップS301)。ここで、最大電力値のタップであると判断された場合には、当該電力値を引き続き充電電力値として決定し、処理を終了する(ステップS307)。
【0073】
一方、ステップS301で最大電力値のタップでないと判断された場合には、現在選択されているタップよりも一段階高い電力値のタップを選択する(ステップS302)。そして、例えばPV電力出力部143から検出される電圧値が低下している、或いは検出される電流値が過電流である等の所定の条件を満たすか否かを判定する(ステップS303)。これによって、接続されたタップの電力値の電力を蓄電池120に充電すると、PVパワコン141が過負荷になるか否かが判断される。
【0074】
ステップS303で、所定の条件を満たさない、即ち、PVパワコン141が過負荷でないと判断された場合には、所定時間(例えば10秒)の経過を待って、ステップS301に戻り、その後の処理を繰り返す。
【0075】
一方、ステップS303において、所定の条件を満たす、即ちPVパワコン141が過負荷であると判断された場合には、蓄電制御部111は一旦蓄電池接続部112の接続タップを0Wのタップに切り換えて、蓄電池120の充電を停止する(ステップS304)。そして、蓄電制御部111はPVパワコン141の過負荷状態からの回復を待って(ステップS305)、過負荷と判断された際に接続されていた電力値のタップから、一段階低い電力値のタップを選択する(ステップS306)。そして、当該選択されたタップの電力値を蓄電池120への充電電力として決定し(ステップS307)、自立運転中充電電力調整処理のサブルーチンを終了する。
【0076】
蓄電制御部111は、自立運転中はステップS102からステップS107の処理を継続的に実行し、自立運転が終了すると、一連のルーティンを終了する(ステップS108)。なお、本実施形態におけるステップS101の処理が本発明における第1の充電電力設定モードに、ステップS107の処理が本発明における第2の充電電力設定モードに、ステップS103からステップS105の処理が本発明における第3の充電電力設定モードに相当する。
【0077】
なお、上記の実施形態において、第1から第3の充電電力設定モードでは、PVパワコン141が過負荷であると判定された場合、その際に接続されていた電力値のタップから、一段階低い電力値のタップが選択されるようになっていたが、それよりもさらに低い電力値のタップが選択されるのであってもよい。即ち、過負荷であると判定された電力値よりも低い値の電力が蓄電池への出力電力値として選択されるようになっていればよい。
【0078】
以上、説明したような蓄電システムによると、商用電力系統150との連系が遮断された場合であっても、太陽光発電設備の発電電力を、負荷に安定的に供給しつつ、余剰電力がある場合には蓄電池への充電を行う分散型発電システムを構築することができる。また、蓄電池への充電電力の設定が自動で実行されるため、ユーザーが煩雑な設定処理を行う必要がない。さらに、充電電力の設定をPVパワコンの出力する電圧などに基づいて蓄電池との接続部におけるタップを切り換えることにより行うため、複雑な演算処理を必要とせず、安定した蓄電パワコンの動作を得ることができる。
【0079】
<その他>
上記の実施形態は、本発明を例示的に説明するものに過ぎず、本発明は上記の具体的な形態には限定されない。本発明はその技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、充電電力切り換えモードにおいて一段階高い値のタップに切り換えて、蓄電池120の出力電力値を一段階ずつ高くしていたが、2段階以上高い値のタップに切り換えるようにしてもよい。また、上記実施形態では、PVパワコン140が過負荷になる電力値が判明した場合に、過負荷となった際に接続されていたタップの電力値よりも、一段階低い電力値のタップを選択し、蓄電池120への充電電力値を決定していたが、さらに低い電力値のタップを選択するようにしてもよい。
【0080】
また、上記の実施形態では、充電電力切り換えモードでは蓄電池120への充電を継続しながらより高い電力値のタップへ切り換えていたが、蓄電池への出力電力の切り換えをタップ以外の構成・手段により行うようにしてもよい。例えば、蓄電池接続部112の電力出力端子を、無段階的に出力電力値が切り換え可能な端子とすることができる。
【0081】
また、充電電力切り換えモードにおいて、蓄電池120への充電を断続的に実行するようにしてもよい。例えば、所定時間ある電力値で蓄電池12への充電を行った後、一定時間充電を待機するインターバルを挟んで、インターバル前の充電電力値よりも高い電力値で、所定時間蓄電池120に充電を実行するようにしてもよい。
図8にそのような充電電力切り換え処理を行う場合のタイミングを示す。なお、上記のインターバルでは、蓄電池への充電を待機、即ち電力出力を停止していたが、蓄電池への出力電力値をインターバル開始時よりも低い値とするのであってもよい。
【0082】
このような処理を行うことで、蓄電池120への充電電力を設定するための処理時に、PVパワコン141が過負荷の状態となる時間を短縮することができ、蓄電池120への充電電力値を決定するための処理を原因として、PVパワコン141が過負荷となって停止してしまうことを抑止することができる。
【0083】
また、上記の実施形態においては、PVパワコン140から出力される電圧、電流に基
づいて、PVパワコン140の過負荷を判定する構成となっていたが、電圧計・電流計及び通信回路を適宜配置することにより、他の情報に基づいて、PVパワコン10の過負荷を検知してもよい。例えば、太陽電池の出力電圧又は出力電流、特定負荷への出力電流、PVパワコン内のDC/DCコンバータの出力電圧、出力電圧の偏差、などに基づいて、過負荷を検知することも考えられる。
【0084】
また、上記実施形態のシステム構成についても、多様な構成とすることができる。例えば、実施形態1の構成に加えて、さらに、蓄電パワコン110と接続される、特定負荷などが設けられるシステム構成であってもよい。
【0085】
また、上記の実施形態においては、太陽光発電システムを例としたが、その他の自立電力供給設備、例えば、風力発電装置などの他の再生可能エネルギーの発電装置、燃料電池、複数の蓄電池などに適用することもできる。
【0086】
また、上記の実施形態では、商用電力系統150からシステムが遮断された場合における蓄電パワコンの電力制御を例に説明したが、システムと商用電力系統150とが遮断されていない状態で同様の制御を行うことを妨げるものではない。
【0087】
本発明の一の態様は、
少なくとも蓄電池への電力の充電を制御する電力制御装置(910)であって、
前記蓄電池に対して出力する電力の値を、予め設定される複数の異なる出力電力値から選択可能な出力電力切り換え手段を備える、蓄電池接続部(912)と、
前記蓄電池とは異なる負荷へ電力を出力する負荷接続部(913)と、
外部からの電力の供給を受けつける電力入力部(914)と、
前記電力入力部から入力された電力を前記負荷接続部及び前記蓄電池接続部へ供給する電力供給回路(919)と、
前記複数の異なる出力電力値から前記蓄電池に出力される一の出力電力値を選択することにより、前記蓄電池へ出力する電力の値を決定する充電電力制御手段(911)と、を有し、
前記充電電力制御手段は、前記蓄電池への出力電力値を決定する充電電力設定モードを実行し、その実行時において、前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が所定の第1条件を満たすまでは、前記出力電力切り換え手段によって所定時間毎に出力電力値をより高い値に切り換えて電力を出力し、前記第1条件を満たした場合に、当該第1条件を満たした際に選択されていた出力電力値よりも低い値の出力電力値を前記蓄電池への充電電力値として決定する、
ことを特徴とする。
【0088】
また、本発明の他の一の態様は、
蓄電池(120)と、
前記蓄電池及び前記蓄電池とは異なる負荷に電気的に接続され、少なくとも前記蓄電池への電力の充電を制御する蓄電制御装置(110)と、
前記蓄電制御装置へ、商用電力系統とは異なる電力源からの電力を供給する自立電力供給設備(140;141)と、を有する蓄電池システム(10)であって、
前記蓄電制御装置は、
前記蓄電池との接続部において、蓄電池に対して出力する電力の値を、予め設定される複数の異なる出力電力値から選択可能な出力電力切り換え手段を備え、
前記蓄電池への出力電力値を決定する充電電力設定モードを実行し、その実行時において、前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が所定の第1条件を満たすまでは、前記出力電力切り換え手段によって所定時間毎に出力電力値をより高い値に切り換えて電力を出力し、前記第1条件を満たした場合に、当該所定の第1条件を満たした際に選択さ
れていた出力電力値よりも低い出力電力値を、前記蓄電池への充電電力値として決定する、
ことを特徴とする。
【0089】
また、本発明のさらに他の一の態様は、
出力する電力の値を予め設定される複数の異なる出力電力値から選択可能な出力電力切り換え手段、を備える蓄電制御装置を用いて蓄電池の充電電力を制御する方法であって、
前記複数の異なる出力電力値から、いずれかの出力電力値を選択するステップ(S201)と、
前記選択した電力値で、所定時間前記蓄電池に電力を供給するステップ(S203)と、
前記蓄電制御装置に供給される電力が所定の条件を満たすか判定するステップ(S202)と、
前記所定の条件を満たすと判定された場合には、当該判定された際に選択されていた出力電力値よりも低い出力電力値を、前記蓄電池への充電電力として定めるステップ(S209)と、
を有する。
【符号の説明】
【0090】
10・・・蓄電池システム
110・・・蓄電パワコン
111、911・・・蓄電制御部
112、912・・・蓄電池接続部
113・・・系統側接続部
115、915・・・双方向DC/DCコンバータ
116、916・・・双方向DC/ACインバータ
120、920・・・蓄電池
130、930・・・負荷
140・・・太陽電池
141・・・PVパワコン
142・・・PV電力入力部
143・・・PV電力出力部
144・・・PV制御部
145・・・DC/DCコンバータ
146・・・DC/ACインバータ
150・・・商用電力系統
910・・・電力制御装置
913・・・負荷接続部
914・・・電力入力部
919・・・電力回路
【手続補正書】
【提出日】2023-12-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも蓄電池への電力の充電を制御する電力制御装置であって、
外部からの電力の供給を受けつける電力入力部と、
前記電力入力部から供給された電力を前記蓄電池に対して出力する、蓄電池接続部と、
前記電力入力部から供給された電力を前記蓄電池とは異なる負荷に対して出力する、負荷接続部と、
前記蓄電池へ供給する電力を制御する制御部と、を備え
前記蓄電池接続部は、前記蓄電池に対して出力する電力の値を、予め設定される複数の異なる出力電力値の中で切り換える出力電力切り換え手段を備え、
前記制御部は、前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が所定の第1条件を満たすまでは、前記出力電力切り換え手段によって所定時間毎に出力電力値をより高い値に切り換えて電力を出力し、前記第1条件を満たした場合に、当該第1条件を満たした際に選択されていた出力電力値よりも低い値の出力電力値を前記蓄電池への充電電力値として決定する充電電力設定モードを実行する、
ことを特徴とする電力制御装置。
【請求項2】
前記電力制御装置は前記電力入力部へ供給される電力の電圧値及び/又は電流値を計測する入力部センサを有し、
前記制御部は、
前記入力部センサから出力される電圧値が所定の第1の閾値以下となった場合、
前記入力部センサから出力される電流値が所定の第2の閾値以上となった場合、
前記入力部センサから出力される電力値が所定の第3の閾値以上となった場合、
の少なくともいずれかの場合に、前記第1条件を満たしたと判定する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電力制御装置。
【請求項3】
前記充電電力設定モードには、
前記電力制御装置の運転開始時に実行される第1の充電電力設定モードと、
前記電力制御装置の運転中に所定時間毎に実行される第2の充電電力設定モードと、
前記電力制御装置の運転中に前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が所定の第2条件を満たした場合に実行される、第3の充電電力設定モードと、が含まれる、
ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の電力制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記第1の充電電力設定モードでは、前記複数の異なる出力電力値のうち最も低い電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行し、
前記第2の充電電力設定モードでは、当該第2の充電電力設定モード実行時に選択されている電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行し、
前記第3の充電電力設定モードでは、一旦前記蓄電池への電力の出力を停止した後に、前記複数の異なる出力電力値のうち最も低い電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行する、
ことを特徴とする、請求項3に記載の電力制御装置。
【請求項5】
前記制御部は、一の前記所定時間の開始時とその次の前記所定時間の開始時との間において、前記蓄電池への出力電力値を一旦低減させる処理を実行する、
ことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の電力制御装置。
【請求項6】
蓄電池と、
前記蓄電池及び前記蓄電池とは異なる負荷に電気的に接続され、少なくとも前記蓄電池への電力の充電を制御する蓄電制御装置と、
前記蓄電制御装置へ、商用電力系統とは異なる電力源からの電力を供給する自立電力供給設備と、を有する蓄電池システムであって、
前記蓄電制御装置は、
前記蓄電池へ供給する電力を制御する制御部と、前記蓄電池との接続部において、蓄電池に対して出力する電力の値を、予め設定される複数の異なる出力電力値の中で切り換える出力電力切り換え手段と、を備え、
前記制御部は、前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が所定の第1条件を満たすまでは、前記出力電力切り換え手段によって所定時間毎に出力電力値をより高い値に切り換えて電力を出力し、前記第1条件を満たした場合に、当該所定の第1条件を満たした際に選択されていた出力電力値よりも低い出力電力値を、前記蓄電池への充電電力値として決定する充電電力設定モードを実行する、
ことを特徴とする、蓄電池システム。
【請求項7】
前記自立電力供給設備は、DC/DCコンバータ及びDC/ACインバータを備えるパワーコンディショナを含んでおり、
前記制御部は、
前記パワーコンディショナから出力される電力の電圧値が所定の第3の閾値以下となった場合、
前記パワーコンディショナから出力される電力の電流値が所定の第4の閾値以上となった場合、
前記パワーコンディショナから出力される電力の電力値が所定の第5の閾値以上となった場合、
前記DC/DCコンバータから出力される電力の電圧値が所定の第6の閾値以下となった場合、
前記DC/DCコンバータから出力される電力の電圧値の偏差が所定の第7の閾値以上となった場合、
の少なくともいずれかの場合に、前記第1条件を満たしたと判定する、
ことを特徴とする請求項6に記載の蓄電池システム。
【請求項8】
前記充電電力設定モードには、
前記蓄電制御装置の運転開始時に実行される第1の充電電力設定モードと、
前記蓄電制御装置の運転中に断続的に実行される第2の充電電力設定モードと、
前記蓄電制御装置の運転中に前記蓄電池及び前記負荷に対して出力される電力が所定の第2の条件を満たした場合に実行される、第3の充電電力設定モードと、が含まれる、
ことを特徴とする、請求項6又は7に記載の蓄電池システム。
【請求項9】
前記制御部は、
前記第1の充電電力設定モードでは、前記複数の異なる出力電力値のうち最も低い電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行し、
前記第2の充電電力設定モードでは、当該第2の充電電力設定モード実行時に選択されている電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行し、
前記第3の充電電力設定モードでは、一旦前記蓄電池への電力の出力を停止した後に、前記複数の異なる出力電力値のうち最も低い電力値から高い値の電力値へ出力電力値を切り換える制御を実行する、
ことを特徴とする請求項8に記載の蓄電池システム。
【請求項10】
前記制御部は、一の前記所定時間の開始時とその次の前記所定時間の開始時との間において、前記蓄電池への出力電力値を一旦低減させる処理を実行する、
ことを特徴とする、請求項6から9のいずれか一項に記載の蓄電池システム。
【請求項11】
蓄電池に対して出力する電力の値を予め設定される複数の異なる出力電力値の中で切り換える出力電力切り換え手段、を備える蓄電制御装置を用いて前記蓄電池への充電電力を制御する方法であって、
前記複数の異なる出力電力値から、いずれかの出力電力値を選択するステップと、
前記選択した電力値で、所定時間前記蓄電池に電力を供給するステップと、
前記蓄電制御装置に供給される電力が所定の条件を満たすか判定するステップと、
前記所定の条件を満たすと判定された場合には、当該判定された際に選択されていた出力電力値よりも低い出力電力値を、前記蓄電池への充電電力として定めるステップと、
を有する、蓄電池の充電電力制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載の各ステップを、制御端末に実行させるためのプログラム。