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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091441
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】ブレスレット留め金
(51)【国際特許分類】
   A44C 5/18 20060101AFI20240627BHJP
   A44B 11/06 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
A44C5/18 F
A44B11/06
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023186202
(22)【出願日】2023-10-31
(31)【優先権主張番号】22216204.2
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】アドリアン・ケラー
(72)【発明者】
【氏名】パウロ・ブラーボ
(72)【発明者】
【氏名】ティム・グロージャン
【テーマコード(参考)】
3B090
【Fターム(参考)】
3B090AA13
3B090AC07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ブレスレット留め金を提供すること。
【解決手段】第1の長辺および第2の長辺がそれぞれ第1のスパー1および第2のスパー2で形成されるベース要素10と、ベース要素10の第1の短辺および/または第2の短辺上でピボット可能で、関節でつながれたカバー5、6とを備える折畳み留め金タイプのブレスレット留め金に関し、カバー5、6は、ベース要素10の上に折り畳まれ、カバー5、6をベース要素10に引っ掛け、次に外すことができるボルト締めおよびボルト締め解除機構と結合された撓み部材に応答してその上に維持されるようになされている。ベース要素10は、第1のスパー1および第2のスパー2に結合された第1の開口および第2の開口を備え、スパー1、2の各々に、留め金に対して横方向に同時に圧力が加えられると、スパー1、2が弾性変形し、1つのカバー5、6のボルト締めを解除して、着用者が留め金を開くことを可能にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その第1の長辺および第2の長辺がそれぞれ第1のスパー(1)および第2のスパー(2)で形成されるベース要素(10)と、前記ベース要素(10)の第1の短辺および/または第2の短辺上でピボット可能で、関節でつながれた少なくとも1つのリーフレット(3、4)と、前記少なくとも1つのリーフレット(3、4)上でピボットし、関節でつながれた少なくとも1つのカバー(5、6)とを備える折畳み留め金タイプのブレスレット留め金であって、前記少なくとも1つのカバー(5、6)は、前記ベース要素(10)の上に折り畳まれ、前記ベース要素(10)および前記少なくとも1つのカバー(5、6)に影響を及ぼして、前記少なくとも1つのカバー(5、6)を前記ベース要素(10)に引っ掛け、次に外すことができるボルト締めおよびボルト締め解除機構と結合された撓み部材に応答してその上に維持されるようになされる、ブレスレット留め金において、前記ベース要素(10)が、前記第1のスパー(1)および第2のスパー(2)に結合された第1の開口(11)および第2の開口(12)を備え、したがってそれらが前記撓み部材を構成し、前記スパー(1、2)の各々に、前記留め金に対して横方向に同時に圧力が加えられると、前記スパー(1、2)が弾性変形し、前記ベース要素(10)の前記少なくとも1つのカバー(5、6)のボルト締めを解除して、着用者が前記留め金を開くことを可能にすることを特徴とするブレスレット留め金。
【請求項2】
前記ボルト締めおよびボルト締め解除機構が、前記少なくとも1つのカバー(5、6)が保持する少なくとも第1のフック(15)および第2のフック(16)を備え、前記少なくとも第1のフック(15)および第2のフック(16)が、それぞれ前記第1のスパー(1)および第2のスパー(2)が保持する少なくとも第1のボルト(13)および第2のボルト(14)上でクリップされるようになされることを特徴とする、請求項1に記載の留め金。
【請求項3】
前記第1のスパー(1)および第2のスパー(2)が、それぞれ第1のプッシュピース(7)および第2のプッシュピース(8)を保持することを特徴とする、請求項2に記載の留め金。
【請求項4】
前記第1のボルト(13)および第3のボルト(13’)が前記第1のプッシュピース(7)の両側に置かれ、前記第2のボルト(14)および第4のボルト(14’)が前記第2のプッシュピース(8)の両側に置かれる、請求項3に記載の留め金。
【請求項5】
前記第1の開口(11)および第2の開口(12)が、前記ベース要素(10)の長さより短く、また、前記プッシュピースおよび前記ボルトの全体の長さより長い長さを有する、請求項1に記載の留め金。
【請求項6】
前記第1のボルト(13)、第2のボルト(14)、第3のボルト(13’)および第4のボルト(14’)、ならびに前記第1のプッシュピース(7)および第2のプッシュピース(8)が前記ベース要素(10)とワンピースの要素を形成する、請求項1に記載の留め金。
【請求項7】
前記留め金が、前記プッシュピースの最大移動を制限するために、また、塑性変形閾値を超えないよう、前記スパーの変形を制限するために、前記スパー(1、2)の上に配置され、前記プッシュピース(7、8)に圧力が加えられるとリブ(17、18)と協同するようになされた支持要素(7’、8’)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の留め金。
【請求項8】
前記リブ(17、18)が前記ベース要素(10)と一体であり、前記開口(11、12)の直ぐ近くに形成されることを特徴とする、請求項7に記載の留め金。
【請求項9】
前記支持要素(7’、8’)が前記スパーと一体であり、前記プッシュピース(7、8)の背面に置かれることを特徴とする、請求項7に記載の留め金。
【請求項10】
前記支持要素(7’、8’)が、それぞれ、前記留め金の内側に向かって配向された下部傾斜平面(80、81)を有し、前記下部傾斜平面(80、81)が前記リブ(17、18)と協同するようになされることを特徴とする、請求項7に記載の留め金。
【請求項11】
前記支持要素(7’、8’)が、それぞれ、前記留め金の外側に向かって配向され、前記カバー(5、6)と協同するようになされた上部傾斜平面(82、83)を備えることを特徴とする、請求項7に記載の留め金。
【請求項12】
前記ベース要素(10)、前記第1のリーフレット(3)および第2のリーフレット(4)、ならびに前記第1のカバー(5)および第2のカバー(6)がセラミック充填塑性材料でできている、請求項1に記載の留め金。
【請求項13】
ブレスレットのストランドまたはリンクが前記第1のカバー(5)の複数の端部(50)のうちの1つに固定されること、また、前記ブレスレットのストランドまたはリンクが前記第2のカバーの複数の端部(60)のうちの1つに固定されることを特徴とする、請求項1に記載の留め金。
【請求項14】
単一のストランドが前記第1のカバー(5)の前記複数の端部(50)のうちの1つ、および前記第2のカバー(6)の前記複数の端部(60)のうちの1つに固定されることを特徴とする、請求項13に記載の留め金。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのリーフレットを装着したものであれ、あるいは単一のリーフレットを装着したものであれ、折畳み留め金タイプの留め金の分野に関し、この、またはこれらのリーフレットは、ベース要素上で関節でつながれている。
【背景技術】
【0002】
折畳みバックル・タイプの留め金は従来技術で知られており、前記留め金は、その第1の長辺および第2の長辺がそれぞれ第1のスパーおよび第2のスパーで形成される実質的に長方形のベース要素と、前記ベース要素の第1の側および第2の側でピボット可能で、関節でつながれた第1のリーフレットおよび第2のリーフレットとを備え、前記リーフレットは、前記ベース要素の上に折り畳まれ、前記ベース要素および前記リーフレットに影響を及ぼして、それぞれ前記第1のリーフレットおよび第2のリーフレットを前記ベース要素に引っ掛け、次に外すことができるボルト締めおよびボルト締め解除機構と結合された弾性デバイスに応答してその上に維持されるようになされている。
【0003】
文献EP1925227は、ベースで形成された留め金、およびベースの上に折り畳まれ、1つまたは2つのコイルばねから構成された弾性デバイスに応答してその上に維持されるようになされた2つのリーフレットを開示している。
【0004】
この、またはこれらのばねを回避し、留め金の構造を単純にするために、文献CH703294は、2つのリーフレットを折り込み、ベース要素を形成しているスパーに含まれる弾性の作用によって引っ掛けられた状態を維持することができるベース要素から構成された留め金を提案している。スパーと一体で形成されたプッシュピースを押すことにより、リーフレットが何らかの引っ掛けから解放され、留め金を開くことができる。
【0005】
文献CH703294によって提案されている解決法では、ベース要素に対する良好な構造的剛性を保証することができず、その一方で、ベース要素を形成しているスパーに、リーフレットをベース要素の上に適切に保持するために必要な弾性を付与し、また、前記スパーに力が加えられた際の前記リーフレットの解放を許容している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】EP1925227
【特許文献2】CH703294
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、とりわけ、従来技術の留め金の様々な欠点を克服することである。
【0008】
より詳細には、本発明の目的は、構造が単純で、信頼性が高く、その一方で不本意な開きを回避する良好な剛性を有する留め金を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明は、その第1の長辺および第2の長辺がそれぞれ第1のスパーおよび第2のスパーで形成されるベース要素と、ベース要素の第1の短辺および/または第2の短辺上でピボット可能で、関節でつながれた少なくとも1つのリーフレットと、少なくとも1つのリーフレット上でピボットし、関節でつながれた少なくとも1つのカバーとを備える折畳み留め金タイプのブレスレット留め金に関し、少なくとも1つのカバーは、ベース要素の上に折り畳まれ、ベース要素および少なくとも1つのカバーに影響を及ぼして、少なくとも1つのカバーをベース要素に引っ掛け、次に外すことができるボルト締めおよびボルト締め解除機構と結合された撓み部材に応答してその上に維持されるようになされている。
【0010】
本発明によれば、ベース要素は、第1のスパーおよび第2のスパーに結合された第1の開口および第2の開口を備え、したがってそれらは撓み部材を構成し、スパーの各々に、留め金に対して横方向に同時に圧力が加えられると、スパーが弾性変形し、ベース要素の少なくとも1つのカバーのボルト締めを解除して、着用者が留め金を開くことを可能にする。
【0011】
本発明の他の有利な変形形態によれば、
- ボルト締めおよびボルト締め解除機構は、少なくとも1つのカバーが保持する少なくとも第1のフックおよび第2のフックを備え、少なくとも第1のフックおよび第2のフックは、それぞれ第1のスパーおよび第2のスパーが保持する少なくとも第1のボルトおよび第2のボルトでクリップされるようになされている。
- 第1のスパーおよび第2のスパーは、それぞれ第1のプッシュピースおよび第2のプッシュピースを保持する。
- 第1のボルトおよび第3のボルトが第1のプッシュピースの両側に互いに隣り合って置かれ、また、第2のボルトおよび第4のボルトが第2のプッシュピースの両側に置かれている。
- 第1の開口および第2の開口は、ベース要素の長さより短く、また、プッシュピースおよびボルトの全体の長さより長い長さを有している。
- 第1のボルト、第2のボルト、第3のボルトおよび第4のボルト、ならびに第1のプッシュピースおよび第2のプッシュピースは、ベース要素とワンピースの要素を形成している。
- 留め金は、プッシュピースの最大移動を制限するために、また、塑性変形閾値を超えないよう、スパーの変形を制限するために、スパーの上に配置され、プッシュピースに圧力が加えられるとリブと協同するようになされた支持要素を備えている。
- リブはベース要素と一体であり、開口の直ぐ近くに形成されている。
- 支持要素はスパーと一体であり、プッシュピースの背面に置かれている。
- 支持要素は、それぞれ、留め金の内側に向かって配向された下部傾斜平面を有し、下部傾斜平面はリブと協同するようになされている。
- 支持要素は、それぞれ、留め金の外側に向かって配向され、カバーと協同するようになされた上部傾斜平面を備えている。
- ベース要素、第1のリーフレットおよび第2のリーフレット、ならびに第1のカバーおよび第2のカバーはセラミック充填塑性材料でできている。
- 第1のカバーの複数の端部のうちの1つはブレスレットの第1のストランドまたはリンクに固定され、また、第2のカバーの複数の端部のうちの1つはブレスレットの第2のストランドまたはリンクに固定されている。
【0012】
本発明は、本発明による留め金を装着したブレスレットに同じく関している。
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照してなされる、非限定例として与えられている以下の詳細な説明を読めば明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態による留め金の分解斜視上面図である。
図2】本発明の第1の実施形態による留め金の分解斜視底面図である。
図3】閉位置における本発明の第1の実施形態による留め金の上面図である。
図4図3の線B-Bに沿った本発明の第1の実施形態による留め金の断面図である。
図5a】本発明の第1の実施形態による留め金の内部の詳細図である。
図5b】本発明の第1の実施形態による留め金の外部の詳細図である。
図6】本発明の第2の実施形態による留め金の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1および図2は、折畳み留め金タイプのブレスレット留め金の分解斜視図である。
【0016】
以下の説明では、下部部分という用語は、留め金のうちの、着用者の手首と相対するようになされた部分を意味しており、また、上部部分という用語は、留め金のうちの、着用者が外部からアクセスすることができるようになされた部分を意味している。
【0017】
留め金は実質的に長方形のベース要素10を備えている。図示されているように、ベース要素10は、着用者の手首の曲率に適合するよう、僅かな曲率を有している。
【0018】
ベース要素10は、それぞれ第1のスパー1および第2のスパー2によって形成された第1の長辺および第2の長辺を備えている。留め金は、第1のリーフレット3および第2のリーフレット4を同じく備えており、これらは、第1のバー20および第2のバー21の周りで、ベース要素10のそれぞれ第1の短辺および第2の短辺上にピボット可能に取り付けられており、かつ、関節でつながれている。
【0019】
リーフレット3および4は、ベース要素10の上、より詳細には図4に示されているようにベース要素10の内側に折り畳まれるようになされている。
【0020】
留め金は、カバーと一体の接続要素51、61を貫通しているバー22、23の周りで、それぞれ第1のリーフレット3および第2のリーフレット4上でピボット可能で、関節でつながれた第1のカバー5および第2のカバー6をまた備えており、カバー5および6はベース要素10の上に折り畳まれるようになされている。
【0021】
カバー5および6は、ベース要素10およびカバー5、6に影響を及ぼして、それぞれ第1のカバー5および第2のカバー6をベース要素10に引っ掛け、次に外すことができるボルト締めおよびボルト締め解除機構と結合された弾性デバイスに応答してベース要素10上の折畳み位置に維持されている。
【0022】
本発明によれば、ベース要素10は、第1のスパー1および第2のスパー2に結合され、かつ、第1のスパー1および第2のスパー2のベースに配置された第1の開口11および第2の開口12を備えている。
【0023】
これらの開口11、12のおかげでスパー1、2は撓み部材を形成しており、スパー1、2の各々に同時に圧力が加えられると、スパー1、2が弾性変形し、ベース要素10のカバー5、6のボルト締めを解除する。
【0024】
図1および図2に示されているように、開口11、12は横長の形を有しており、ベース要素10中へのそれらの機械加工を容易にしている。長方形、円形、長円形または他の楕円形などの他の形も明らかに実現可能である。
【0025】
ボルト締めおよびボルト締め解除機構は、それぞれ、第1のカバー5および第2のカバー6をベース要素10に引っ掛け、また、第1のカバー5および第2のカバー6をベース要素10から外すために実装されている。図1および図2から分かるように、ボルト締めおよびボルト締め解除機構は、第1のカバー5が保持する第1のフック15および第2のフック16、および第2のカバー6が保持する第3のフック15’および第4のフック16’を備えており、第1のフック15および第2のフック16は、それぞれ、第1のスパーおよび第2のスパー1、2が保持する互いに反対側の第1のボルト13および第2のボルト14によってボルト締めされるようになされており、また、第3のフック15’および第4のフック16’は、それぞれ、同じく第1のスパーおよび第2のスパー1、2が保持する互いに反対側の第3のボルト13’および第4のボルト14’によってボルト締めされるようになされている。
【0026】
ボルト13、13’および14、14’は、ワンピース要素を形成し、より剛直な留め金を得るために、ベース要素10の第1のスパーおよび第2のスパー1、2の上にそれぞれ成形されている。これらのボルトはスパー1、2の上部部分に配置されていることが好ましい。
【0027】
スパー1および2の各々に同時に加えられる横方向の圧力は、相俟って、ボルト13および14ならびにボルト13’および14’に、それぞれ、第1のカバー5と一体のフック15および16、および第2のカバー6と一体のフック15’および16’を解放させることは理解されよう。次に留め金が開かれる。スパーの各々に加えられる手動アクションを促進するために、第1のプッシュピース7および第2のプッシュピース8がそれぞれ第1のスパー1および第2のスパー2の上に固定されている。
【0028】
本発明によれば、ボルト13、13’および14、14’は、図5bで見ることができるように、展開する輪郭を有している。ボルトの厚さは、ボルトがプッシュピース7および8から離れるにつれて徐々に薄くなる。このような構造により、スパーの変形を補償することができ、プッシュピースから離れる方向の移動を少なくする。
【0029】
図4で観察することができるように、リブ17、18はベース要素10の上に、開口11、12の直ぐ近くに形成されている。これらのリブ17、18により、一方ではベース要素10を硬くすることができ、また、他方では、スパーが変形して留め金のボルト締めを解除する際のスパー1、2のためのストップを形成することができる。
【0030】
さらに、支持要素7’、8’が、プッシュピースの背面の、留め金の内側に面しているスパーの部分に配置されている。これらの支持要素7’、8’は、プッシュピース7、8に圧力が加えられると、リブ17、18と協同するようになされている。支持要素およびスパー1、2がリブ17、18と協同することにより、プッシュピースの最大移動の範囲を定めることができ、また、それと同時に、スパー1、2の塑性変形閾値を超えないよう、それらの変形を制限することができる。着用者がプッシュピース7、8を押すと、スパー1、2が変形して、スパーの下部垂直フランクがベース要素10のリブ17、18に寄り掛かり、リブ17、18の垂直フランクがストップとして作用する。
【0031】
支持要素7’、8’は、それぞれ、留め金の内側に向かって配向された下部傾斜平面80、81を有し、下部傾斜平面80、81は、スパーの変形を導いて、スパーのねじれを防止するために、リブ17、18の上部部分と協同するようになされていることにまた留意されたい。
【0032】
また、支持要素7’、8’により、カバー5、6は、留め金が開くとベース要素10から離れる方向に移動することができ、支持要素7’、8’は、留め金の外側に向かって配向され、カバー5、6と協同するようになされた上部傾斜平面82、83を備えている。着用者がプッシュピース7、8を押すと、スパー1、2が変形し、カバーがボルトから解放されると、支持要素7’、8’の上部傾斜平面82、83がカバーをベース要素10の外側に向かって徐々に導く。
【0033】
第1のプッシュピース7および第2のプッシュピース8も同じく第1のスパー1および第2のスパー2の上に成形され、ボルト13、13’および14、14’の個々の対の間に置かれている。
【0034】
有利には、第1の開口11および第2の開口12は、ベース要素10の長さより短く、また、プッシュピースおよびボルトの全体の長さより長い長さを有している。このような構成により、偶然に開く危険を少なくすることができ、その一方で、着用者が留め金を開くことを希望した場合に、留め金のボルト締めを容易に解除するためのスパー1、2の十分な弾性変形を許容することができる。
【0035】
留め金をボルト締めするために、着用者は、フック15、16、15’、16’とボルト13、14、13’、14’を係合させるべく、カバー5、6をベース要素10に向かって折り畳む。ボルトは、ボルト上へのフックの係合を容易にするために傾斜を有しており、したがってベース要素10上を漸進的にカバーを導くことができ、次に、カバー5、6がベース要素10に押し付けられると、スパー1、2を漸進的に変形させて押し戻すことができる。
【0036】
フックがボルト上に係合され、すなわちクリップされると、スパー1、2はそれらの休止位置に戻り、カバー5、6がベース要素10の上にボルト締めされる。フックをボルトの上にクリップすることにより、留め金を閉じると着用者が知覚することができるノッチを得ることができ、留め金が適切にボルト締めされていることを保証することができる。
【0037】
図には示されていないが、ブレスレットの第1のストランドまたは第1のリンクは、第1のカバー5の複数の端部50のうちの1つに固定されていること、また、ブレスレットの第2のストランドまたは第2のリンクは、第2のカバー6の複数の端部60のうちの1つに固定されていることは言うまでもない。
【0038】
留め金を構成している様々な要素は、塑性材料、好ましくはセラミック粒子が充填された塑性材料でできている。
【0039】
留め金を製造するための他の材料として、例えば金属または金属合金なども可能である。
【0040】
当業者であれば、図6に示されている単一のリーフレットおよび単一のカバーを有する同様の留め金を使用するのは特に難しくないであろう。
【0041】
図6に示されているこの実施形態によれば、留め金は、それぞれ第1のスパー1および第2のスパー2によって形成された第1の長辺および第2の長辺を備えたベース要素10を備えている。留め金は、バー20の周りで、ベース要素10の第1の短辺または第2の短辺上にピボット可能に取り付けられ、かつ、関節でつながれたリーフレット3を備えている。
【0042】
リーフレット3は、ベース要素10の上、より詳細にはベース要素10の内側に折り畳まれるようになされている。
【0043】
留め金は、カバーと一体の接続要素を貫通しているバー22の周りで、リーフレット3上でピボット可能で、関節でつながれたカバー5も備えており、カバー5はベース要素10の上に折り畳まれるようになされている。ストランドまたはリンクはベース要素10に固定され、また、別のストランドまたはリンクはカバーの複数の端部50のうちの1つに固定されている。
【0044】
カバーは、ベース要素10およびカバーに影響を及ぼして、カバーをベース要素10に引っ掛け、次に外すことができるボルト締めおよびボルト締め解除機構と結合された弾性デバイスに応答してベース要素10上の折畳み位置に維持されている。
【0045】
ボルト締めおよびボルト締め解除機構は、カバーが保持する少なくとも第1のフック15および第2のフック16を備えており、第1のスパーおよび第2のスパー1、2が保持する互いに反対側の第1のボルト13および第2のボルト14によってそれぞれボルト締めされるようになされている。ボルト締め機構は、それぞれ、第1の縦方向のスパーおよび第2の縦方向のスパー1、2が保持する互いに反対側の第3のボルト13’および第4のボルト14’によってボルト締めされるようになされた第3のフック15’および第4のフック16’を同じく備えている。
【0046】
本発明は、本発明による留め金を装着したブレスレットに同じく関している。
【0047】
本発明は、本発明による留め金を装着した時計に同じく関している。
【符号の説明】
【0048】
1 第1のスパー
2 第2のスパー
3 第1のリーフレット
4 第2のリーフレット
5 第1のカバー
6 第2のカバー
7 第1のプッシュピース
8 第2のプッシュピース
7’、8’ 支持要素
10 ベース要素
11 第1の開口
12 第2の開口
13 第1のボルト
13’ 第3のボルト
14 第2のボルト
14’ 第4のボルト
15 第1のフック
15’ 第3のフック
16 第2のフック
16’ 第4のフック
17、18 リブ
20 第1のバー
21 第2のバー
22、23 バー
50 第1のカバーの端部
60 第2のカバーの端部
51、61 接続要素
80、81 下部傾斜平面
82、83 上部傾斜平面
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
【外国語明細書】