(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091446
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】シート処理装置及び画像形成システム
(51)【国際特許分類】
B65H 37/04 20060101AFI20240627BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20240627BHJP
B42B 5/00 20060101ALI20240627BHJP
B42B 4/00 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B65H37/04 D
G03G15/00 460
B42B5/00
B42B4/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023190678
(22)【出願日】2023-11-08
(31)【優先権主張番号】P 2022207678
(32)【優先日】2022-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2022207938
(32)【優先日】2022-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2023015730
(32)【優先日】2023-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 明
(72)【発明者】
【氏名】弦間 祐太
(72)【発明者】
【氏名】皆川 義彦
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 彩
(72)【発明者】
【氏名】日原 康太
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 隆
(72)【発明者】
【氏名】坂本 文秀
【テーマコード(参考)】
2H072
3F108
【Fターム(参考)】
2H072GA07
3F108GA01
3F108GB01
3F108HA02
3F108HA11
3F108HA32
(57)【要約】
【課題】装置のフロント側で針無し綴じユニットによる手差し綴じが可能なシート綴じ装置を提供する。
【解決手段】フロント側カバー121とシート積載台16との間に針無し綴じユニット27を配置し、フロント側カバー121の第1面121aに挿入口110を形成し装置フロント側から針無し綴じユニット27によるマニュアル綴じを実行可能とした。針無し綴じユニット27は、前後方向において交換位置に位置しているステープルユニット17と重なる位置に設けた。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに対して綴じ処理を施すシート処理装置であって、
シートが積載される積載部と、
針が装填されたカートリッジを着脱可能に有し、前記積載部に積載された複数枚のシートに対して綴じ処理を施す第1の綴じユニットであって、シートに対して綴じ処理を施す綴じ位置と、該綴じ位置よりも前記シート処理装置の前後方向において前側に位置し、前記カートリッジを交換する交換位置とに移動可能な第1の綴じユニットと、
前記シート処理装置の外側からシート束を挿入可能な挿入口を有し、前記前後方向において前記積載部および前記第1の綴じユニットよりも前側において前記シート処理装置の外装の一部を構成するカバーと、
前記挿入口から差し込まれたシート束に対して針を用いずに綴じ処理を施す第2の綴じユニットと、を備え、
前記第2の綴じユニットは、前記交換位置に位置している前記第1の綴じユニットと前記前後方向において重なる位置に設けられていることを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記カバーは、前記挿入口が設けられ前記第2の綴じユニットをカバーする第1カバー部と、前記第1カバー部に対して開閉可能であって前記交換位置に位置する前記第1の綴じユニットをカバーする第2カバー部であって、前記第1カバー部に対して開閉可能な第2カバー部と、前記第2の綴じユニットと前記交換位置に位置している前記第1の綴じユニットとの間に設けられた遮蔽部材と、を有することを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記遮蔽部材は、第1の綴じユニットから前記カートリッジが挿抜される際に前記カートリッジが通過する通過部を有し、
前記第1の綴じユニットが前記交換位置に位置している状態において、前記シート処理装置の前後方向において前記綴じユニットの一部が前記通過部と重なっている、ことを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記第2の綴じユニットによる綴じ処理の実行を指示するためにユーザにより操作される操作ボタンをさらに備え、
前記操作ボタンは、鉛直方向において前記挿入口よりも上側に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記第2の綴じユニットによる前記綴じ処理を実行する場合であって前記第1の綴じユニットによる綴じ処理が実行されている場合は、前記第1の綴じユニットによる綴じ処理が終了した後に前記第2の綴じユニットによる綴じ処理を実行する制御部をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2の綴じユニットによる針無し綴じ処理に関する実行を受け付けた場合であって所定時間以内に前記第1の綴じユニットによる前記綴じ処理が実行される場合、前記第1の綴じユニットによる綴じ処理を優先して実行し、前記第1の綴じユニットによる綴じ処理が終了した後に前記第2の綴じユニットによる綴じ処理を実行する、ことを特徴とする請求項5に記載のシート処理装置。
【請求項7】
前記挿入口に設けられ、前記挿入口を介して挿入されたシート束を押圧する押圧部をさらに備える、ことを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項8】
シートに画像形成する画像形成部を有する画像形成装置と、
前記画像形成装置によって画像が形成されたシートに対して綴じ処理を行う請求項1に記載のシート処理装置と、
鉛直方向において前記シート処理装置と重なる位置であって前記シート処理装置よりも下方に設けられ、前記画像形成装置へ供給するシートを収容する収容装置と、を備えることを特徴とする画像形成システム。
【請求項9】
前記画像形成装置は、鉛直方向において前記シート処理装置と前記収容装置の間に設けられ、前記画像形成部に搬送されるシートが積載される積載トレイをさらに有する、ことを特徴とする請求項8に記載の画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを綴じる綴じ処理を行うシート処理装置に関し、針を用いてシート束を綴じる綴じユニットと針を用いずにシート束を綴じる綴じユニットとを備えたものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機やプリンタなどの画像形成装置で画像形成された複数枚のシートに綴じ処理を施すシート処理装置が知られている。
このようなシート処理装置は、綴じ具として針を用いてシートを綴じる、いわゆる針綴じ方法と、綴じ具としての針を用いることなくシートを綴じる、いわゆる針無綴じ方法とが知られている。また、針無綴じ方法では、例えば、シートを圧着してシートの繊維を絡ませることで綴じる方法や、シートの一部を切り欠いて孔を開け、シートの切り欠いた部分を折り返して孔を通過させることでシートを綴じる方法がある。特開2015-16970号は針を用いてシート束に綴じ処理を施すステープルユニットと針を用いずにシート束に綴じ処理を施す針無し綴じユニットとを備えたシート綴じ装置であって、針無し綴じユニットが装置のリア側に配置された構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、針無し綴じユニットによる手差し綴じ(マニュアル綴じ)の要望がある。本発明は、その要望に対応するために装置のフロント側で針無し綴じユニットによる手差し綴じが可能なシート処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため本発明のシート処理装置は、シートが積載される積載部と、針が装填されたカートリッジを着脱可能に有し、前記積載部に積載された複数枚のシートに対して綴じ処理を施す第1の綴じユニットであって、シートに対して綴じ処理を施す綴じ位置と、該綴じ位置よりも前記シート処理装置の前後方向において前側に位置し、前記カートリッジを交換する交換位置とに移動可能な第1の綴じユニットと、前記シート処理装置の外側からシート束を挿入可能な挿入口を有し、前記前後方向において前記積載部および前記第1の綴じユニットよりも前側において前記シート処理装置の外装の一部を構成するカバーと、前記挿入口から差し込まれたシート束に対して針を用いずに綴じ処理を施す第2の綴じユニットと、を備え、前記第2の綴じユニットは、前記交換位置に位置している前記第1の綴じユニットと前記前後方向において重なる位置に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、装置のフロント側で針無し綴じユニットによる手差し綴じが可能なシート処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明に係わる画像形成システムの全体構成の説明図。
【
図2】
図1の画像形成システムにおけるシート処理装置の構成説明図。
【
図4】スタックトレイ及び処理トレイの上面図でステープルユニットがカートリッジ交換位置に位置付けられた状態を示す図。
【
図7】シート処理装置の正面図で開閉ドアを開けた状態を示す図。
【
図17】第4実施形態の画像形成システムの全体構成説明図。
【
図20】第4実施形態のシート処理装置の上面図で開閉ドアが開いた状態を示す図。
【
図21】第4実施形態のシート処理装置の斜視図で開閉ドアが開いた状態を示す図。
【
図22】第4実施形態のシート処理装置をスタックトレイ側から見た図。
【
図23】手差し挿入口のシート束挿入検知センサ機構を説明する図。
【
図24】第4実施形態のシート処理装置の動作説明図。
【
図28】手差し挿入口を上面カバーに設けた変形例を示す上面図。
【
図29】マニュアル綴じ処理を実行するためのボタンの押圧部のデザインを示す図。
【
図30】マニュアル綴じ処理を実行するためのボタンの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。添付図面において、同一又は類似の構成要素には、同様の参照符号を付して表す。
【0009】
[画像形成システム]
図1は、画像形成システム1000の構成全体を正面側から示した全体構成の説明図である。本明細書中において正面とは、特に断らない限り、
図1に示すように、ユーザが画像形成システム1000を操作する際に対向する側面である。つまり、ユーザが操作する操作部83が配置されている側面が、フロント側である。そして、本明細書中において左右とは、画像形成システム1000を正面から見た場合の左側及び右側(
図1の矢印X方向)のことを指し、上下とは画像形成システム1000を正面から見た場合の上側及び下側(
図1の矢印Y方向:鉛直方向)のことを指す。
【0010】
画像形成システム1000は、画像形成装置Aと、該画像形成装置により画像形成されたシートに処理を施す後処理装置としてのシート処理装置Bを備えている。本実施形態の画像形成システム1000は更に、画像形成装置Aにシートを供給する外付けの給送装置Dを備えている。
【0011】
[画像形成装置]
画像形成装置Aは、画像形成部A1と、画像読取部A2と、原稿給送部A3とを含む。画像形成部A1は、インクジェット印刷機構によりシート上に画像を形成する構成であり、本体給送部2と、画像形成部3と、搬送部4と、本体制御部(後述)とを備える。
画像形成部A1の上部には、画像読取ユニット5を内部に有する画像読取部A2と、画像読取部A2へ原稿を搬送する原稿送りユニットを有する原稿給送部A3とが設けられている。また、画像読取部A2よりも正面側には、ユーザによって給送先の選択等の設定を行うために操作可能な操作部83が設けられている。操作部83は、タッチパネル83aが設けられ、ユーザはタッチパネル83aをタッチ操作することで画像形成装置A及びシート処理装置Bへ処理内容を指示することが可能となっている。尚、本実施形態ではタッチパネル83aのみを有する操作部83を図示したが、操作部83には各種ハードキーを備えてもよい。
【0012】
本実施形態の画像形成装置Aは、所謂胴内排出型であり、画像形成部3と搬送部4と画像読取装置A2とが略コの字状に配置されている。したがって、画像形成装置Aの鉛直方向における画像形成部3と画像読取装置A2の間には、図中左側(シート処理装置B側)及び正面側に開放された胴内空間が配置されている。尚、本実施形態では、胴内空間に第1中継搬送ユニットA4が配設されている。第1中継搬送ユニットA4は、画像形成装置Aから排出されたシートをシート処理装置Bへ搬送するための搬送ユニットであり、画像形成装置Aとシート処理装置Bとを接続した画像形成システム10000を構成する際に画像形成装置Aに対して装着されるユニットである。画像形成装置Aの胴内空間は、第1中継搬送ユニットA4が装着されていない状態において、画像形成部3によって画像が形成されたシートを積載する所謂胴内排出の空間となる。
【0013】
本体給送部2は、複数段(本実施形態では2段)の給送カセット2a、2bが、着脱可能に設けられている。給送カセット2a、2bには、それぞれシートサイズが異なるシートを収容することも可能である。本体給送部2は、操作部83や外部機器を介してユーザから指示されたサイズのシートを、対応する給送カセットから給送し、給送経路8を介して画像形成部3へ送り出す。
【0014】
画像形成部A1には、本体給送部2に加えて、手差し給送部9が設けられている。手差し給送部9は、画像形成装置Aの左側面に設けられた手差しトレイ9aを有する。手差しトレイ9aは、正面側から見てその下端付近の回動軸54を中心に、開位置(
図1の実線)と閉位置(
図1の破線)との間で回動可能である。手差しトレイ9aは、開位置に位置している状態において、上面が概ね水平に開いており、画像形成ユニットA1に供給されるシートを積載するための載置面9bを有している。手差しトレイ9aの回動によって、画像形成装置Aの左側面に設けられた手差し給送口(図示せず)が開口する。手差しトレイ9aの不使用時には、
図1に破線で示すように、画像形成装置Aの左側面に沿う閉位置に戻し、手差し給送口を閉じることも可能となっている。
【0015】
開位置(給送位置)に位置した状態の手差しトレイ9aの載置面9bに積載されたシートは、画像形成装置Aの手差し給送口付近に設けられた給送ローラ(図示せず)によって画像形成部A1内部に給送され、給送経路8に合流し、画像形成ユニット3へ送り出される。手差しトレイ9aには、より多数枚のシートを揃えた状態で積載し得るように、給送機構を一体に設けることができる。
【0016】
給送装置Dは、手差し給送部9と同じく画像形成装置Aの左側面に取外し可能に接続される。給送装置Dは、本体給送部2の給送カセット2a,2bよりも多数枚(例えば、数百枚~数千枚)のシートを収容可能である。給送装置Dから給送されたシートは、手差し給送部9と同様に給送経路8に合流して画像形成部3に送り出される。
【0017】
更にシート処理装置Bには、画像形成ユニット3により片面に画像形成されたシートを反転させて、裏面にも画像形成するために、反転トレイ4fが設けられている。反転トレイ4fは、手差し給送部9と同じく画像形成装置Aの左側面であって、シート処理装置Bの内部に設けられ、一定のシート支持スペースを確保するように配置されている。なお、反転トレイ4fは、シート処理装置Bの内部ではなく、上下方向においてシート処理装置Bと手差し給送部9との間に配置してもよい。
【0018】
画像形成ユニット3は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック等の各色のユニットを有しており、搬送されるシートに対してそれぞれ画像形成可能となっている。本実施形態では、画像形成ユニット3は、色毎にそれぞれがユニット化されたインクジェットヘッドのことを示している。尚、画像形成部3は、本体給送部2、手差し給送部9や給送装置Dから給送されたシートに画像を形成するように構成されていればよく、種々の画像形成機構が採用可能である。本実施形態では、インクジェット方式の画像形成ユニットを示したが、電子写真方式、オフセット印刷方式、シルク印刷方式等、他の種々の画像形成機構を採用することも可能である。
【0019】
画像形成装置Aは、搬送部4に含まれる搬送路として、給送経路8、第1搬送路4a、第2搬送路4b、第3搬送路4c、第4搬送路4dを有している。給送経路8は、本体給送部2、手差し給送部9及び給送装置Dから給送されたシートが画像形成ユニット3による画像形成位置まで搬送される搬送経路である。第1搬送路4aは、画像形成ユニット3によって画像が形成されながらシートが搬送される搬送経路である。第2搬送路4bは、画像形成ユニット3によって片面に画像が形成されたシートが反転トレイ4fへと搬送される搬送経路である。第3搬送経路4cは、反転トレイ4fからスイッチバック搬送されて表裏が反転された状態のシートが画像形成部3へ再度搬送される搬送経路である。第4搬送経路4dは、片面もしくは両面に画像が形成されたシートが中継搬送ユニットA4へ搬送される搬送経路である。尚、説明を省略したが、それぞれの搬送路には図示するように複数の搬送ローラ対が設けられており、各搬送ローラ対によってシートを搬送している。
【0020】
第4搬送路4dは、中継搬送ユニットA4に設けられた中継搬送経路4eにシートを受け渡し可能となるように、中継搬送経路4eと接続されている。中継搬送経路4eは、シート搬送方向に沿って複数の搬送ローラ対が配設され、シート処理装置Bの給送口12(
図2)に向けてシートを搬送する搬送経路である。
【0021】
画像読取ユニットA2は、不図示のプラテンガラスの上に載置された原稿に光源から光を照射し、その反射光をCCDに入力することによって原稿画像を読み取ることができる。また、画像読取ユニットA2は、不図示の流し読み位置において停止することで、自動原稿送り部によって搬送される原稿の画像を読み取ることができる。読み取られた原稿画像は、電気信号に変換されて画像データとして画像形成部3に伝送される。上述した不図示のプラテンガラスは、原稿送り部を上方に回動することで露出する構成となっている。
[シート処理装置]
【0022】
シート処理装置Bは、
図1に示すように、画像形成装置Aの左上角部に支持されている。また、シート処理装置Bは、画像読取ユニットA2及び原稿給送ユニットA3に対して左側に位置するように画像形成装置Aに固定および支持されている。シート処理装置Bは、オート綴じ機能と、マニュアル綴じ機能とを備えている。オート綴じ機能は、画像形成装置Aから搬送されたシートに対してステープルユニット17で綴じ処理を行い、綴じ処理が施されたシートをスタックトレイ40に排出する。マニュアル綴じ機能は、ユーザによって装置外部から手差し挿入口に挿入されたシートに針無し綴じユニット27を用いて綴じ処理を施す。以下
図2、
図3、
図15を用いてその構成を説明する。本実施形態において、ステープルユニット17は第1の綴じユニットの一例であり、針無し綴じユニット27は第2の綴じユニットの一例である。
【0023】
「シート搬送経路」
シート処理装置Bは、中継搬送ユニットA4の中継排出口から排出されたシートを受け入れる搬入口12と、スタックトレイ40へシートを排出するシート排出口13を備えている。シート搬送経路11は、中継排出口から送られたシートを後述するスタックトレイ40に向けて移送する排出経路として構成され、経路中にはシートの先端と後端を検出するシート端検知センサSe1と、シートを搬送する搬送ローラ14a、14bと、搬送ローラ14a、14bで搬送されるシートをガイドする上側搬送パスガイド28及び下側搬送パスガイド29と、が適宜配置されている。尚、上側搬送パスガイド28および下側搬送パスガイド29は、対向して配置されていることでシート搬送経路を形成している。また、各搬送ローラ14a、14bには府寿司の駆動モータに接続され、駆動を受けることで回転する。また、図示のシート搬送経路11は略水平方向に略直線の経路で構成されている。このシート搬送経路11の排出口13に対して、上流側に処理部15が設けられ、下流側にスタックトレイ40設けられている。
【0024】
「処理トレイ」
図2に示すように、処理部15は、シート積載台16と、整合部材25fおよび25rと、ステープルユニット17と、後端規制ストッパ18を備えている。シート積載台16は、スタックトレイ40の積載面に対して段差を形成するように配置され、シートを積載支持する。整合部材25fおよび25rは、シート積載台16に積載されたシートの幅方向(
図3の矢印Z方向であり、シート処理装置Bのフロント-リア方向)に移動可能であって、シート積載台16に積載されたシートを幅方向に整合してシート束のずれを矯正する一対の整合部材である。ステープルユニット17は、シート積載台16に積載されたシートによって構成されるシート束に対して針を用いて綴じ処理を行う。後端規制ストッパ18は、後述する摩擦回転体19によるシートの搬送方向において下流側のシート端部の移動を規制する。処理部15において、シートは、スタックトレイ40とシート積載台16とにまたがった状態で支持(ブリッジ支持)されるように構成されている。このようにスタックトレイ40と処理部15を略同一平面に配置し、シートの先端側部分を一方のトレイで支持し、後端側部分を他方のトレイで支持することによって1つのトレイでシートを指示する構成場合に比べ装置を小型化することができる。
【0025】
シート積載台16には、シート後端を突き当て規制する後端規制ストッパ18と、シートの排出方向と直交する方向においてシートの幅寄せをして整合する整合部材25が配置されている。ここで、シートの幅方向を整合する整合機構は種々の機構が知られているが、本実施形態の整合部材25は、シート積載台16の積載面から突出した板状の部材(フロント整合板25f及びリア整合板25r)をシート幅方向に延びるガイド溝26に沿って移動させることでシートの幅寄せおよび整合が可能となっている。整合部材25により、シート積載台16上に搬入されたシートは、整合された位置で一旦位置決めされる。図示の装置はセンター基準で整合を行う構成を示している。
【0026】
処理部15には、シート積載台16に集積されたシート束を綴じ処理するステープルユニット17が後処理手段として配置されている。ステープルユニット17は、針カートリッジ170に装填された直線形状のステープル針をコの字状に折り曲げてシート束の上面から下面に刺入し、針先端を折り曲げる装置である(特開2015-124069号公報参照)。針カートリッジ170はステープルユニット17に対して着脱可能に構成されている。ユーザは、空になった針カートリッジ170をシート処理装置Bのフロント側から
図4の矢印EX方向(リア側からフロント側に向かう方向)にステープルユニット17に対して引き抜いて、新しく針が装填された針カートリッジ170を矢印EX方向(フロント側からリア側に向かう方向)にステープルユニット17に対して挿入して針補充(針交換)を行う。
【0027】
本実施形態のステープルユニット17は、
図3と
図4に示す通り、図の矢印Z方向であるフロントリア方向に移動可能に構成されている。ステープラユニット17は支持部材32の不図示のガイド溝に沿って移動することでフロントリア方向に移動する。ステープルユニット17はシート積載台16に形成されたシート束AS(
図9参照)に対してフロントコーナー綴じ、リアコーナー綴じ、2カ所平行綴じ等複数種類の綴じ処理を行うことができる。フロントコーナー綴じは、
図3の実線で示す綴じ位置においてステープルユニット17がシート束のフロント側角部に綴じ処理を施すものである。リアコーナー綴じは、
図3のリア側の破線で示す綴じ位置においてステープルユニット17がシート束のリア側角部に綴じ処理を施すものである。2カ所平行綴じは、後端規制ストッパ18が当接したシート端に沿う辺における2ヶ所に綴じ処理を施すものである(
図3においてフロント側の実線の位置およびリア側の破線の位置の間に破線で示したステープルユニット17の綴じ位置)。
【0028】
また、ステープルユニット17は
図4に示すカートリッジ交換位置にも移動可能に構成されている。本実施形態ではカートリッジ交換位置はフロントコーナー綴じの位置よりもフロント側に設定されているが、フロントコーナー綴じの位置で針補充を行うことも可能である。その場合は針カートリッジ170を装置のフロント側から抜き取りやすくするためにステープルユニット17の角度を変更してもよい。
【0029】
シート搬送経路11の排出口13には反転ローラ機構20が配置されている。この反転ローラ機構20は、シート後端(搬送ローラ14bによるシート搬送方向における上流側端部)がシート端検知センサSe1を通過して所定量搬送されて排出ローラ14cのニップを通過した段階で搬送方向を反転する。これによってシートは、排出ローラ14cの排出方向と反対方向に搬送され、処理部15のシート積載台16に沿って後端規制ストッパ18に案内される。
【0030】
処理部15は、排出口13に配置された反転ローラ機構20と協働してシートを後端規制ストッパ18に案内する摩擦回転体19を備えている。摩擦回転体19は、シート積載台16に積載されたシートに当接する位置に配置されている。摩擦回転体19は、掻込みローラ(ベルトであっても良い)として構成され、排出ローラ14cと一体に回転するように駆動ベルト(不図示)で伝動されている。そして、摩擦回転体19は、自重によりシート積載台16に積載されたシートに当接している。反転ローラ20により後端規制ストッパ18に近づく方向に搬送されるシートは、掻き込みローラである摩擦回転体19の回転によって、後端規制ストッパ18に搬送され、後端規制ストッパ18に突き当たる。
【0031】
「反転ローラ機構」
反転ローラ機構20は、搬送ローラ14cによって搬送されたシートの上面と当接する上部ローラ21と、搬送ローラ14cによって搬送されたシートの下面と当接する下部ローラ22を備えている。反転ローラ機構20は、搬送ローラ14cによる搬送方向と同じ方向であるシート排出方向へシートを搬送した後、搬送方向を逆方向に切り替えて、シートを処理部15に搬入する。上部ローラ21は装置フレームFに対して揺動可能に支持され、下部ローラ22に対して圧接した作動位置と離間した待機位置との間で昇降可能に構成されている。そして、上部ローラ21は、ローラ駆動モータ(正逆転モータ)の回転が伝達され、シートをスタックトレイ42に向けて排出する際の第1の回転方向(図示時計方向)と、第1の回転方向と反対方向である第2の回転方向(図示反時計方向)に回転可能になっている。
【0032】
シート処理装置Bの支持枠体である装置フレームFには、揺動支点23を中心に揺動可能に左右一対のローラブラケット(揺動アーム)24が支持されている。この一対のローラブラケット24にはローラ回転軸が軸受けを介して回転可能に支持されている。一対のローラブラケット24に支持される回転軸には上部ローラ21が嵌合されており、上部ローラ21は回転軸によって一対のローラブラケット24に対して回転可能となっている。揺動支点23は装置フレームFに回転可能若しくは固定手段で支持されている。ローラブラケット24は、揺動支点23に対して直接嵌合若しくはカラー部材を介して嵌合されている。これによって、一対のローラブラケット24に支持される上部ローラ21は揺動支点23を中心に任意の角度方向に揺動可能に支持されている。また、回転支軸23には、カラー部材が遊嵌され、このカラー部材には上部ローラ21の回転軸に回転を伝達する不図示の駆動プーリが連結されている。そして駆動プーリにはローラ駆動モータが連結されている。
【0033】
反転ローラ20はシートの排出モードとして「第1排出モード」または「第2排出モード」を有しており、各モードに基づいてシートをスタックトレイ40と処理部15に選択的に排出する。第1排出モードでは、シートを1枚ずつ上部ローラ21と下部ローラ22でニップして下流側のスタックトレイ40へ直接排出する。なお、第1排出モードは、スタックトレイ40上にシートを部毎に幅方向にずらした状態でスタックトレイに積載するように排出を行うシフト排出と、仕分けることなく搬出するストレイト搬出とがある。また、第2排出モードでは、排出口から送られたシートをシート積載台16と下部ローラ22の上に積層上に集積する。第2排出モードにおいて、シート積載台16に複数枚のシートを集積する場合、すでに集積されているシート束のうち最上のシートの上にさらにシートを搬送する。この場合、シート積載台16上のシート束のうち最上のシートの上にさらに搬送されるシートは、上部ローラ21で一度排出方向(シート積載台16からスタックトレイ42に向かう方向)に搬送された後、排出反対方向(シート積載台16から後端規制ストッパ18に向かう方向)に搬送する。つまり、シート積載台16上にシートを集積する場合、シートはスイッチバック搬送される。その後、シート積載台16に集積されて綴じ処理などの各種処理を施されたシート束は、を反転ローラ機構20によってシート積載台16からスタックトレイ40に排出される。
【0034】
なお処理部15に集積したシート束を綴じ処理した後、反転ローラ機構20でスタックトレイ40にシート束を搬送する構成を説明したが、このほか反転ローラ機構20と共に処理部15からシート束を搬出するコンベア機構を配置することも可能である。
【0035】
後端規制ストッパ18は、
図4に示すようにシート後端を突き当て規制する板状部材で構成され、シート幅方向に1カ所若しくは距離を隔てて複数箇所に配置する(
図4では、シート幅方向に距離を隔てて複数個所に後端規制ストッパ18を設けている)。このストッパは、ステープルユニット17と共にシート積載台16のシート後端側に配置されるため、ステープルユニットをシート幅方向に位置移動可能に構成する場合には、後端規制ストッパ18もステープルユニット17と連動してシート幅方向に位置移動するように構成されている。また、ステープルユニット17をシート幅方向に位置移動することなく固定して配置するときには、このステープルユニットに後端規制ストッパ18を一体形成することも可能である。
【0036】
[スタックトレイ]
次に、スタックトレイについて説明する。
図2に示すようにスタックトレイ40は排出口13の下流側に配置されている。そして搬送ローラ14cによるシート搬送方向において排出口13の上流側には前述した処理部15が配置されている。つまり、搬送ローラ14cによるシート搬送方向において処理トレイ15の下流側にスタックトレイ40が配置されている。
【0037】
スタックトレイ40は、トレイ架台41と、積載トレイ42で構成されている。トレイ架台41はシート処理装置BのフレームFに対して所定のストロークで昇降するように支持されている。積載トレイ42は、シートを積載するトレイ面を有するトレイ形状に構成されている。積載トレイ42は、トレイ架台41に支持されている。尚、積載トレイ42は、トレイ架台41に対しシート幅方向に所定量シフトするように後述するシフト機構が設けられている。
【0038】
「トレイ昇降機構」
図5にスタックトレイ40の昇降機構を示す。シート処理装置Bの装置フレームFにはシートの積載方向(上下方向)にガイドレール145が延設されている。そして、トレイ架台41のジョイントプレート144に固定したスライドコロ(不図示)が、ガイドレール145に嵌合されている。ガイドレール145は棒状ガイド、チャンネル鋼、H形鋼などで構成され、これにトレイ架台41が摺動可能に嵌合されている。
【0039】
トレイ架台41は、積載トレイ42とこれに積載されたシートの荷重を支える強度のフレーム構造に構成され、同様に堅固に構成されたガイドレールに片持支持されている。また、シート処理装置Bの装置フレームFにはガイドレール145の下端部に巻上げプーリ141aが固定され、ガイドレール145の上端部に懸架プーリ141bが固定されている。そして巻上げプーリ141aと懸架プーリ141bの間には、例えばワイヤや、歯付ベルトなどの牽引部材140が懸架されている。巻き上げプーリ141aには、装置フレームFのフロント側板金30f(
図3)に固定された巻き上げモータ(不図示)が減速機構を介して連結されている。
【0040】
これと同時にトレイ架台41には、ウエイト軽減用のコイルスプリング142がシート処理装置の装置フレームとの間に架け渡してある。つまりコイルスプリング142の一端143aが装置フレームFに固定してあり、他端143bは牽引プーリ143cを介してトレイ架台41に固定してある。このスプリング142には初張力が付加してある。従って、積載トレイ42とこれに積載されたシートはコイルスプリング142の弾性力に応じてその重量が軽減され巻上げモータの負荷トルクが低減される。このほかコイルスプリングの代わりに重錘を吊下げプーリから垂下させるウエイト軽減機構を採用しても良い。
【0041】
「積載トレイ」
積載トレイ42は、上方の排出口13から送られたシートを積層状に載置する積載面42aを備えている。積載面42aは水平面と平行であってもよいが、本実施形態では水平面に対して所定角度傾斜している。これは、載置面42aに排出されたシートが自重で排出方向後端側に移動することで載置トレイ42における整合性を保つためである。この積載面42aの傾斜角度は水平線に対しに30度以下のときにはシートが自重で戻らず、シートの姿勢修正が難しくなる。本実施形態においては、積載トレイ42は約45度に設定されている。排出口13から高速度で排出されたシートを受け止めて素早く後端側で規制させるために傾斜角度を大きく設定することで、より高速度での大量積載を可能とすることを目的としている。
【0042】
積載トレイ42はトレイ架台41に支持され、ガイドレール145に沿って上下動する。また装置フレームFにはシート後端部を規制する後端規制面48fを有するフェンスプレートが配置されている。このフェンスプレートは装置フレームに固定した壁面構造であっても良いが、図示のものは積載トレイ42がシート幅方向(フロントリア方向)に所定量シフトする構造のため、この積載トレイと同時に、フェンスプレートもシフトするように構成している。シフト機構は例えば、特開2014-47026号公報に記載の構成である。
【0043】
シート処理装置Bの各機構はシート処理装置Bの外装カバーよりも内側の位置で、フロント側板金30fとリア側板金30rを含む装置フレームFに支持されている。本実施形態では、装置フレームFを構成する要素のうちフロント側板金30fとリア側板金30rを図示しているが、装置フレームFは、不図示の支柱や底板等その他の金属部材をさらに有している。また、各機構を駆動するためのモータや基板は、シート処理装置Bの前後方向においてリア側板金30rのリア側の側面や、フロント側板金30fのフロント側の側面に支持されている。
【0044】
[マニュアル綴じユニット(針無し綴じユニット)]
次に、マニュアル綴じ機能について、
図6を用いて説明をする。シート処理装置Bは、ユーザによって装置外部から手差し挿入口に挿入されたシートに針無し綴じユニット27を用いて綴じ処理を施すマニュアル綴じ機能を備えている。なお、本実施形態ではオート綴じ機能を実行する際に用いるステープルユニット17とマニュアル綴じ機能を実行する際に用いる針無し綴じユニット27とがシート処理装置Bに収容されているが、それぞれ筐体を分けてもよい。針無し綴じユニット27は、シート処理装置Bのフロント側カバー10aとフロント側板金30fとの間に設けられている。針無し綴じユニット27は、シート処理装置Bの外側(フロント側)から挿入口110に挿入されたシート束MSの角部に対して針無し綴じ処理を行うためのものである。
【0045】
針無し綴じユニット27は、シート束のシート面を両面側から挟むことで綴じ処理を施す加圧部(クリンチ部)127と、シート束を加圧して綴じる綴じ位置とシート束から離れる離間位置とに間加圧部127を移動させるためのモータ128と、モータ128の動力を加圧部127に伝えるための駆動伝達部129と不図示のセンサ等を有している。
【0046】
また、フロント側カバー10aの内側(リア側)には、シート束MSが挿入口110に挿入されたことを検知する検知機構(詳細は後述する)が設けられている。この検知機構がシート束MSを検知した場合であってユーザによってボタン111が押下された場合に、針無し綴じユニット27はシート束MSに針無し綴じ処理を施す。ボタン111は、
図6に示すように、フロント側カバー10aのフロント側の側面であって鉛直方向において挿入口110の上方に設けられている。また、ボタン111は、矢印X方向における挿入口110の中央よりも右側突き当て部110a側で且つ右側突き当て部110aよりも左側に配置されている。本実施形態において、ボタン111は、マニュアルステイプル機能を実行する際にユーザによって操作される操作ボタンの一例である。
【0047】
ボタン111をこの位置に配置することで、ユーザはシート束MSを挿入口110に挿入してシート束MSの右側端部を右側突き当て部110aに突き当てた状態でシートを支えながら右手の親指でボタン111を押すことが容易となる。
【0048】
図5に示すように、ボタン111は、フロント側カバー10aの内側に配置された基板130にハーネス131aで接続されている。基板130はフロント側カバー10aと針無し綴じユニット27との間に配置されている。
【0049】
図4は、シート処理装置Bを上から見た状態の各ユニットの配置を説明する概略断面図である。
図5は、シート処理装置Bのフロント側の外装カバーを外した状態であってフロント側板金30fを正面から見た図である。フロント側板金30fのフロント側面には上述したトレイ昇降機構と、トレイを昇降するためのモータ147(
図4)、針無し綴じユニット27と、ステープルユニット17をフロントリア方向に移動するための駆動機構146と、が固定されている。フロント側板金30fにはフロント開口31fが形成されている。ステープルユニット17は、ユーザが針カートリッジ170を交換する際のカートリッジ交換位置において、針カートリッジ170の一部(少なくともユーザが操作する部分)がフロント開口31fを介してフロント側板金30fよりもフロント側に突出する。つまり、針カートリッジ170を含むステープルユニット17は、フロント開口31fを介してフロント側板金30fよりもフロント側に突出している。
【0050】
したがって、
図4に示すように、ステープルユニット17が最もフロント側に位置する状態であるカートリッジ交換位置において、針カートリッジ170を含むステープルユニット17は、フロント開口31fを介してフロント側板金30fよりもフロント側に突出している。本実施形態では、この構成において、針無し綴じユニット27をシート処理装置Bの前後方向においてカートリッジ交換位置に位置するステープルユニット17の一部(詳しくは針カートリッジ170)と重なる位置に配置している。これにより、最もフロント側に位置する状態のステープルユニット17よりもフロント側に針無し綴じユニット27を配置する構成と比べて、シート処理装置Bの前後方向のサイズを小さくすることができる。よって、シート処理装置Bのフロント側において針無し綴じユニットによる手差し綴じが可能であって、フロント側においてステープラユニット17の針交換が可能なシート処理装置を提供することができる。また、このようなシート処理装置Bにおいて、装置の前後方向のサイズを小さくすることができる。
【0051】
針無し綴じユニット27は、ユーザが針カートリッジ170を交換する際の操作性を低下させないよう、針カートリッジ170のうちユーザが操作する部分と重ならない位置において、フロント側板金30fに固定されている。また、基板130に接続されているハーネス131やその他の不図示のハーネスはフロント開口31fを避けてフロント側板金30fに支持および固定されている。また、フロント側板金30fに支持および固定されたハーネスは、開口132を通じてリア側板金30rのさらにリア側に配置されたメイン基板(不図示)に接続される。なお、針無し綴じユニット27及び基板130に接続されたハーネス131は不図示の中継基板に接続され、中継基板からメイン基板に接続されるようにしてもよい。
【0052】
本実施形態において、針無し綴じユニット27は、フロントリア方向においてスプリング142及び駆動機構146と重ならない位置に配置している。したがって、針なし綴じユニット28をフロントリア方向においてスプリング142及び駆動機構146と重なる位置に配置した構成と比べてフロントリア方向でシート処理装置Bのサイズを小さくすることができている。
【0053】
図6は、シート処理装置Bと中継搬送ユニットA4の斜視図である。
図7は、シート処理装置Bを正面側から見た正面図であり、後述する開閉カバー101が開いた状態を示す図である。シート処理装置Bは少なくともフロント側カバー10aと上面カバー10bと不図示のリア側カバーを含んでいる。なお、各カバーは平面である必要はなく、曲面を有していてもよい。本実施形態において、フロント側カバー10aは、フロント側板金30fよりもフロント側を覆う部分のカバーのことである。本実施形態では、1つの部材としてフロントカバー10aを示したが、カバーが複数に分割されているものであっても、フロント側板金30fよりもフロント側に位置する外装カバーのことをフロントカバーと称する。上面カバーも同様に、装置フレームFのうち上側に位置するフレーム(不図示)よりも上面をカバーする部材のすべてを上面カバーとする。また、リア側カバーも同様に、装置フレームFのリア側板金30rよりも後ろ側をカバーする部材のすべてをリア側カバーとする。
【0054】
フロント側カバー10aには開口部102(
図7)が形成されており、この開口部102を覆う開閉カバー101が設けられている。開閉カバー101には取っ手101aが設けられている。ユーザは、取っ手101aを操作することで開閉カバー101を開閉し、ステープルユニット17の針カートリッジ170へアクセスすることができる。また、開閉カバー101の矢印X方向における左側(処理部15上のシートをスタックトレイ40に排出する排出方向の下流側)には上述した挿入口110とボタン111が設けられている。
【0055】
挿入口110は、フロントカバー10aにおいて矢印X方向に延設されたスリット形状となっており、シート束MSの上面を規制する上側規制部110bとシート束MSの下面を規制する下側規制部110cとシート束MSの右側端部が突き当てられる右側突き当て部110aで構成される。
【0056】
開閉ドアの内側には凸部101bが設けられており、凸部101bの先端が凹部101cに嵌合するように構成されている。凸部101bは、開閉カバー101の閉状態においてフロント側カバー10aに設けられた凹部101cに挿入される。ここで、凸部101bが凹部101cに挿入されているか否かを検出する不図示の検出機構により開閉カバー101が開状態であるか閉状態であるかを検知している。
【0057】
ユーザが開閉カバー101を開状態とすることで、フロント側カバー10aに設けられた開口部102が露出される。この開口部102からリア側に向かって略筒状(トンネル状)の遮蔽部材103が形成されている。遮蔽部材103のリア側には開口部105が設けられている。遮蔽部材103の開口部105は、フロント側板金30fのフロント開口31fに対向した位置(フロント側)に形成されている。そして、針カートリッジ170は、開口部105を介して遮蔽部材103の略筒状の部分を通過して前記ステープラユニット17から取り外すことが可能となる。本実施形態において、フロント側カバー10aのうち開閉カバー101以外の部分が第1カバー部の一例であり、開閉カバー101が第2カバー部の一例である。また、遮蔽部材103の略筒状部は通過部の一例である。
【0058】
ステープルユニット17がカートリッジ交換位置に位置する場合、針カートリッジ170の一部が開口部105を介して突出しており、ユーザは開口部102から手を入れて針カートリッジ170にアクセス可能となっている。つまり、前後方向において開口部105と開口部102の間であって、遮蔽部材103で覆われている領域(針カートリッジ通過領域)104は針カートリッジ170の交換時に針カートリッジ170が通過する領域である。このように、ステープルユニット17がカートリッジ交換位置に位置している状態において、ステープルユニット17の一部(詳しくは針カートリッジ170)が開口部105よりもフロント側に位置しているため、ユーザが針カートリッジ170を交換する際の作業性を向上することができる。
【0059】
遮蔽部材103のうち、矢印X方向において左側の部分を遮蔽部103aとする。針無し綴じユニット27は、シート搬送方向(矢印X方向)において遮蔽部103aに対して針カートリッジ通過領域104の反対側に配置されている。これにより、ユーザが針カートリッジ170の交換を行う際に誤って針無し綴じユニット27に触れることがない。したがって、針カートリッジ170の交換をする際にユーザが誤って触れてしまうことによってハーネス131を抜いてしまうことや、針無し綴じユニット27の位置がずれてしまう虞がない。なお、遮蔽部材103は完全な壁部材であってもよいし、ユーザの手指が通らない程度の穴が開いていてもよく、ユーザが針カートリッジ170の交換作業を行う際に開口部102から手を入れた際に針無し綴じユニット27に触れられないように構成されていればよい。また、本実施形態では、上述したハーネス131は針カートリッジ通過領域104に対して遮蔽部材103の外側に配置されていることでユーザがハーネス131に触れられないようにしている。
【0060】
なお、遮蔽部材103の左側の遮蔽部103aを取り外しや開閉をすることができるようにして針無し綴じユニット27のメンテナンスを可能とする構成としてもよい。
【0061】
シート処理装置Bの上面カバー10bには、開閉カバー10cが設けられており、ユーザは取っ手10dを掴んで開閉カバー10cを開閉することができる。開閉カバー10cの開閉は不図示のリンク機構で上下方向や斜め方向に開閉してもよいし、不図示の回動軸を用いて反時計回り方向や時計回り方向に回動するように開閉してもよい。開閉カバー10cを開閉可能とすることで、シート搬送経路11でジャムが発生した場合に滞留したシートを取り除くことができる。
【0062】
[制御構成]
図1に示す画像形成システムの制御構成について
図8に従って説明する。画像形成装置Aには制御CPU75が設けられ、この制御CPU75には動作プログラムを記憶したROM76と、制御データを記憶したRAM77が接続されている。そして制御CPU75には給送制御部78と画像形成制御部79と、排出制御部80が設けられている。これと共に制御CPU75にはモード設定手段81と、入力手段82を備えたコントロールパネル83が接続されている。
【0063】
また、制御CPU75は、「プリントアウトモード」と「シフトモード」と「後処理モード」を選定するように構成されている。「プリントアウトモード」は、画像形成したシートに対していずれの処理もせずにスタックトレイ40に排出するモードである。「シフトモード」は、スタックトレイ40に排出されたシート束が、部毎にシート幅方向にずれた状態となるように排出するモードである。また「後処理モード」は画像形成したシートをシート積載台16に集積し、ステープルユニット17による綴じ処理を施した後にスタックトレイ40に排出するモードである。
【0064】
シート処理装置Bには、後処理制御CPU85が設けられ、排出動作制御部と、処理部15にシートを集積する集積動作制御部と、綴じ処理制御部と、針無し綴じユニット27による針無し綴じ処理制御部と、スタック制御部が接続されている。
【0065】
本実施形態のシート処理装置Bは針無し綴じユニット27がシート処理装置Bの処理部15よりもフロント側に設けられている。したがって、
図9に示すように「プリントアウトモード」、「シフトモード」や「後処理モード」の各動作を実行している最中に針無し綴じユニット27による針無し綴じ処理を実行可能である。
【0066】
尚、ステープルユニット17による針綴じ処理と針無し綴じユニット27による針無し綴じ処理とを同時に実行するとピーク電流がシート処理装置Bの電源仕様の最大値を超えてしまう場合もある。例えば、電源仕様のピーク電流の最大値が10Aである電源を使用した場合、針無し綴じ処理を実行してモータ128が加圧部127を綴じ位置に移動させたときのピーク電流は約3Aで、針綴じ処理実行中のピーク電流は約8Aであり、これらの処理を同時に実行すると電源仕様のピーク電流の上限値である10Aを超えてしまう。
【0067】
その場合、ステープルユニット17による針無し綴じ処理(オートステープル)と針無し綴じユニット27による針無し綴じ処理(マニュアル綴じ)とを同時に行うことを禁止してもよい。
図10は針無し綴じ処理(マニュアル綴じ)を実行する際のフローチャートである。
【0068】
後処理制御CPU85は、ボタン111が押されたこと又はシート束MSが挿入口110に挿入されてから所定時間経過したことを検知してマニュアル綴じ開始命令を受信すると(ステップSt1)、ステープルユニット17によるステープル(STP)動作が実行中か否かを判断する(ステップSt2)。ステープル動作が実行中の場合、ステップSt3でステープル動作が終了したか否かを判断する。ステープル動作が終了したら所定時間内(例えば2秒)次のステープル動作が始まるか否かを判断する(ステップSt4)。所定時間内にステープル動作が実行されない場合は針無し綴じユニット27によるマニュアル綴じを実行する(ステップSt5)。
【0069】
後処理制御CPU85は、ステップSt2においてステープル動作が実行中でないと判断したらステップSt4に進み所定時間内にステープル動作が開始されるか否かを判断する。ステップSt4で所定時間内にステープル動作が実行されると判断した場合は針無し綴じユニット27によるマニュアル綴じの実行を待って、ステープルユニット27による針綴じ処理を優先する。
【0070】
上述した所定時間は針無し綴じユニット27による針無し綴じ処理を実行している時間で、具体的にはモータ128が加圧部127を綴じ位置に移動させている間の時間である。加圧部127が綴じ位置から離間位置に移動させている間のピーク電流は加圧時に比べて低いため、加圧部127の離間動作をしている間はステープル処理と同時に実行しても問題ない。
【0071】
なお、電源仕様によっては針無し綴じ処理とシフトソート処理とを同時に行うと上限を超える場合があるため、その場合は針無し綴じ処理とシフトソート処理およびステープル処理を同時に行わないようにしてもよい。また、シートサイズによっては同時に稼働しているモータが異なるため同じ処理を行っていても針無し綴じ処理と同時に実行できる場合とできない場合がある。よってシートサイズによって同時実行の可否を判断するようにしてもよい。
【0072】
<第2実施形態>
図11から
図13はに示すシート処理装置は、挿入口110を処理部15のシート積載台16の角度と略平行となるように配置した実施形態である。尚、上述した第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付与して説明を省略する。この場合、
図5で図示した針無し綴じユニット27を時計周り方向に回転させた状態で配置することで加圧部127のシート当接面の角度をシート積載台16の角度と略平行とする。それにより加圧部127が矢印X方向の右側に配置されるため、開閉カバー101の形状が第1実施形態とは異なり、開閉カバー101の左上部分が挿入口110を逃げる形状となっている。
【0073】
またボタン111は上述した実施形態と同様に、挿入口110の上方で且つ挿入口110の中央部よりも矢印X方向の右側で且つ右側突き当て部110aよりも矢印X方向の左側に配置されている(フロント側カバー10a上に配置)。このような構成においても、ステープルユニット17がカートリッジ交換位置に位置している状態において、ステープルユニット17の一部(詳しくは針カートリッジ170)が開口部105よりもフロント側に位置しているため、ユーザが針カートリッジ170を交換する際の作業性を向上することができる。尚、本実施形態においても、フロント側カバー10aのうち開閉カバー101以外の部分が第1カバー部の一例であり、開閉カバー101が第2カバー部の一例である。
【0074】
また、針無し綴じユニット27をシート処理装置Bの前後方向においてカートリッジ交換位置に位置するステープルユニット17の一部(詳しくは針カートリッジ170)と重なる位置に配置している。これにより、最もフロント側に位置する状態のステープルユニット17よりもフロント側に針無し綴じユニット27を配置する構成と比べて、シート処理装置Bの前後方向のサイズを小さくすることができる。よって、シート処理装置Bのフロント側において針無し綴じユニットによる手差し綴じが可能であって、フロント側においてステープラユニット17の針交換が可能なシート処理装置を提供することができる。また、このようなシート処理装置Bにおいて、装置の前後方向のサイズを小さくすることができる。
【0075】
<第3実施形態>
図14から
図16は挿入口110の右側突き当て部110dと左側突き当て部110eとがフロント側カバー10aにおいて左側端部と開閉カバー101との間に配置された実施形態である。尚、上述した第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付与して説明を省略する。この場合、針無し綴じユニット27の加圧部127のフロント側カバー10aのカバー面と略平行となるように針無し綴じユニット27を配置し、シート束MSの角部を挿入口110に挿入してシート束MSの角部に略45度の綴じ痕を形成する。ユーザはシート束MSの角部を挿入口110に挿入した際にシート束MSの右側端部を右側突き当て部110dに、シート束MSの左側端部を左側突き当て部110eに突き当てるように挿入する。つまり、右側突き当て部110dの突き当て面の延長線と左側突き当て部110eの突き当て面の延長線とは略90度で交差する配置関係となっている。このように、挿入口110を他の実施形態よりも小さくすることで、どの位置までシート束を差し込むかが明確となるため、ユーザがマニュアル綴じをする際の操作性を向上することができる。
【0076】
また、ボタン111は挿入口110の中心の鉛直方向上方で上面カバー10bからフロント側カバー10aにわたって配置されている。このように、ユーザがボタン111を斜め方向に押下できるため、操作時の作業性を向上することができる。このような構成においても、ステープルユニット17がカートリッジ交換位置に位置している状態において、ステープルユニット17の一部(詳しくは針カートリッジ170)が開口部105よりもフロント側に位置しているため、ユーザが針カートリッジ170を交換する際の作業性を向上することができる。
【0077】
また、針無し綴じユニット27をシート処理装置Bの前後方向においてカートリッジ交換位置に位置するステープルユニット17の一部(詳しくは針カートリッジ170)と重なる位置に配置している。これにより、最もフロント側に位置する状態のステープルユニット17よりもフロント側に針無し綴じユニット27を配置する構成と比べて、シート処理装置Bの前後方向のサイズを小さくすることができる。よって、シート処理装置Bのフロント側において針無し綴じユニットによる手差し綴じが可能であって、フロント側においてステープラユニット17の針交換が可能なシート処理装置を提供することができる。また、このようなシート処理装置Bにおいて、装置の前後方向のサイズを小さくすることができる。
<第4実施形態>
【0078】
図17に示す第4実施形態の画像形成システム1001は、第1実施形態の画像形成システム1000と比べて、フロント側カバー10a、上面カバー10b、開閉カバー101及び遮蔽部材の構成が異なっている。その他の構成及び動作は第1実施形態の画像形成システム1000と同様であるため、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0079】
第4実施形態のシート処理装置Bの外装カバーは、
図18と
図19に示すように、フロント側カバー121と上面カバー120とリア側カバー123と本体側カバー124とスタックトレイ側カバー125とを有している。上面カバー120のうちフロント側の部分には水平面122が設けられており、ユーザは挿入口110に挿入するシート束MSをこの水平面122で揃えることができる。フロント側カバー121は、フロント側板金30fと略平行に配置され、挿入口110が形成された第1面121aと、第1面121aの右側で第1面121aからリア側に向かって傾斜した第2面121bと、第1面121aよりもリア側で第1面121aと略平行な第3面121cとで構成されている。また第1面121aの下側には、第1面121aよりもリア側に退避した退避面135が形成されている。
【0080】
フロント側カバー121の第1面121aには挿入口110が形成され、挿入口110の上部にボタン111が配置されている。第1面121aに挿入口110が形成されているため、針無し綴じユニット27の加圧部127は第1面121aとフロント側板金30fとの間に設けられている。尚、本実施形態においても、フロント側カバー121のうち開閉カバー101以外の部分が第1カバー部の一例であり、開閉カバー101が第2カバー部の一例である。
【0081】
図19と
図20はカートリッジ交換位置にある状態のステープルユニット17と針無し綴じユニット27の一部を上面から見た図である。フロント側板金30fにはブラケット126が固定されている。そして、ブラケット126には、マニュアル綴じユニット27が取り付けられている。マニュアル綴じユニット27は、加圧部127、モータ128、駆動伝達部129及び、基板1300を含む。
図19に示すように、カートリッジ交換位置にあるステープルユニット17の針カートリッジ170は、針無し綴じユニット27の加圧部127に対して右側(矢印X方向の右側)で矢印Z方向のリア側に配置されている。また、本実施形態においても針カートリッジ通過領域104が遮蔽部材103で形成されており、針無し綴じユニット27は遮蔽部材103のうち矢印X方向において左側の部分である遮蔽部103aによって、針カートリッジ通過領域104の反対側に配置されている。つまり、開閉カバー101を開いた状態において、装置の外部から針無し綴じユニット27が見えないよう遮蔽部材103によって遮蔽されている。よって、針カートリッジ通過領域104を通過する針カートリッジ170やユーザの手指が当接しない構成となっている。したがって、針カートリッジ170の交換をする際にユーザが誤って触れてしまうことによってハーネス(不図示)を抜いてしまうことや、針無し綴じユニット27の位置がずれてしまう虞がない。
【0082】
本実施形態の開閉カバー101は、フロント側カバー121の第2面121bから第3面121cにわたって形成された開口部102を塞ぐように設けられている。開閉カバー101は第2面121b側に回動軸を有し、回動軸を中心に
図19の時計回り方向に回動するとオープン状態(
図20)となり、反時計回り方向に回動して開口部102を塞ぐとクローズ状態(
図19)となる。
【0083】
本実施形態では第1面121aよりも右側(矢印X方向において針無し綴じユニット27よりも針カートリッジ通過領域104側)に第3面121cが配置されており、この第3面121cは第1面121aよりもリア側に配置され、第1面121aと第3面121cとをつなぐ第2面121bが設けられている。そして、その第2面から第3面にわたって開閉カバー101が設けられている。よって、第1実施形態に示したようなフロントリア方向において第1面121aと同じ位置に開閉カバー101(つまり開口部102)がある態様に比べて、開口部102からカートリッジ交換位置における針カートリッジ170までの最短距離が短くなっている。言い換えると、針カートリッジ通過領域104の矢印EX方向(カートリッジ抜き取り・挿入方向)における長さが短い。これにより、針交換時の操作性を向上することができる。
【0084】
図21は開閉カバー101がオープン状態のシート処理装置Bの斜視図である。開閉カバー101がオープン状態である場合、ユーザは開口部102から針カートリッジ通過領域104を介して、遮蔽部材103のリア側開口部105からフロント側に突出した針カートリッジ170を視認することができる。針カートリッジ通過領域104を形成する遮蔽部材103は左側遮蔽部103aの上方に、遮蔽部103aよりも右側に突出した凸部103bが形成されている。この凸部103bの内側(シート処理装置Bの内部)には、針無し綴じユニット27のモータ128が配置されている。
【0085】
モータ128は、鉛直方向においてカートリッジ交換位置における針カートリッジ170よりも上方に配置されているため、モータ128を装置外から遮蔽する凸部103bによって針カートリッジ通過領域104の上部が多少狭くなっていても針カートリッジ170はその下側を通過するため問題ない。したがって、ユーザが針カートリッジ170の交換をする際の作業性を損なうことなく、モータ128を保護することができる。
【0086】
開口部102の内側(リア側)には、開閉カバー101のオープン、クローズ状態を検知するための開閉検知センサ106(
図20)が配置されている。開閉検知センサ106はスイッチ式のセンサである。開閉検知センサ106は、リア側からフロント側に向かってバネ付勢された押圧ピン106aを有しており、押圧ピン106aが開閉ドア101に設けられた係止部107に押されて開閉検知センサ106に接触した状態の場合に開閉カバー101がクローズ状態であると判断する。これに対し、開閉カバー101が開かれると、係止部107による押圧ピン106aの押圧が解除されて押圧ピン106aはばねの付勢を受けフロント側へと突出する。これにより、押圧ピン106aが開閉検知センサ106から離間し、開閉カバー101がオープン状態であると判断する。
【0087】
本実施形態の画像形成システム1001はシート処理装置Bの下方に手差し給送部9が配置されている。ユーザはこの手差し給送部9の載置面9bにシートをセットするため、退避面135が形成されていることによって手差し給送部9への視認性が向上する。
【0088】
退避面135は、フロント側カバー121の第1面121aの下端部から下方且つリア側に向かって形成されており、
図18、
図22に示すような湾曲面であっても良いし、直線状に形成してもよい。また、退避面135は第1面121aの下端部から上面カバー122と略平行にリア側に向かい、そこから垂直に下方に折れ曲がるようにL字状に形成してもよい。本実施形態において、退避面135の内側(フロント側板金30f側)には、スタックトレイ40を昇降するためのガイドレール145、牽引部材140、巻き上げプーリ141a、スプリング142、スプリングの一端143a等、オート綴じユニットB1を動作させるための部材が配置されている。言い換えると、フロント側に突出した第1面121aの内側に針無し綴じユニット27を配置し、針無し綴じユニット27よりもリア側部分と、第1面121aよりもリア側に形成された第3面121cや退避面135の内側にはステープラユニット17を含む処理部15を配置している。
【0089】
図23は挿入口110を上方から見た概略断面図である。
図23には、シート束MSが挿入口110の綴じ位置にセットされているか否かを検知する挿入検知センサ機構112を示している。挿入検知センサ機構112は、右側センサ機構112aとリア側センサ機構112bとを有している。右側センサ機構112aとリア側センサ機構112bは、それぞれシートが当接するレバー113a、113bとセンサフラグ114a、114bと回転軸115a、115bとセンサ116a、116b(透過式センサ)とで構成されている。
【0090】
右側センサ機構112aは右側規制面110aに対応するセンサ機構であり、挿入口110に挿入されたシート束MSが右側規制面110a(もしくは可動規制面117)に突き当たっているか否かを検出する。リア側センサ機構112bは、リア側規制面110fに対応するセンサ機構であり、シート束MSがリア側規制面110fに突き当たっているか否かを検出する。後述する制御部は、両方のセンサ機構でシート束MSが各規制面に突き当たっていることを検出すると、シート束MSが正しい綴じ位置にセットされたと判断し、針無し綴じユニット27による針無し綴じ処理の実行が可能であると判断する。
【0091】
各センサ機構は同一の構成であるため、ここではリア側センサ機構112bを用いて説明をする。回転軸115bにはレバー113bとセンサフラグ114bとが形成されており、回転軸115bが回転するとレバー113bとセンサフラグ114bも回転する。回転軸115bには不図示のバネ部材が設けられており、シートが当たっていない状態だと
図23(a)の状態となるようバネ付勢されている。シート束MSが挿入口110に挿入され、シート束MSのリア側端部がレバー113bに当接すると(
図23(C))、回転軸115bがバネ部材の付勢力に対抗して回転し、センサフラグ114bがセンサ116bの光軸を遮断する位置に移動してシート束MSがリア側規制面110fに突き当てられたことが検出される。右側センサ機構112aも同様の機構となっており、センサフラグ114aがセンサ116aの光軸を遮断する位置に移動するとシート束MSが右側規制面110a(もしくは後述の可動規制面117)に突き当てられたことが検出される。
【0092】
可動規制面117は、矢印方向Xの左右方向に移動可能となっており、
図23(a)(c)に示す第1位置と
図23(b)(d)に示す第2位置とに移動可能となっている。可動規制面117が第1位置と第2位置に移動することで、加圧部127がシート束MSに当接する位置を距離L1分だけ異ならせることができる。例えば、針無し綴じ処理の締結力を強くしたい場合に、異なる2ヶ所で針無し綴じ処理を行うと締結力を強くすることができる。また、一度針無し綴じ処理をしたシート束MSの締結を一度解いて原稿として画像読取部A2に読み込ませて、もう一度針無し綴じ処理を施したい場合、全く同じ個所に針無し綴じ綴じ処理を施しても締結力が弱い。よって、その場合は位置をずらして針無し綴じ処理を施すことでもう一度シート束MSを締結させることができる(
図23(e)参照)。
【0093】
また、可動規制面117は右側センサ機構112aと一体で第1位置と第2位置とに移動する。これにより、第1位置においても第2位置においてもシート束MSの右側端部が正しい綴じ位置にセットされているか検出することができる。また、可動規制面117及び右側センサ機構112aの移動は不図示のレバーをフロント側カバー121に設けてユーザが手動で移動させてもよいし、別途駆動機構を設けてボタン操作で移動させてもよい。
【0094】
図24はシート束MSが一度は挿入検知センサ機構112で綴じ位置にセットされた後にユーザによってボタン111が押されて綴じ処理動作が実行された際にユーザがシート束MSを動かしてしまった場合の動作を説明する図である。
【0095】
まず、シート束MSが挿入検知センサ機構112によって綴じ位置にセットされたことを検出してその後ボタン111が押されると、制御部はモータ128を駆動して加圧部127を離間位置から綴じ位置に向けて移動させる。通常は綴じ位置に移動してシート束MSを綴じた後に再び離間位置に移動して綴じ処理動作が完了する。しかし、加圧部127が綴じ位置に移動してシート束MSを噛んでいる状態でユーザがシート束MSを移動させてしまうと、
図24(b)に示すように加圧部127がシート束MSを挟持した状態でシート束MSが引っ張られるのでシートが破けてしまう可能性がある。よって、制御部は、ボタン111が押されてから所定時間経過後、つまり
図24(c)に示す加圧部127がシート束MSに当接した状態(もしくは歯の先端同士が鉛直方向においてオーバーラップする状態)になった後に右側センサ機構112aもしくはリア側センサ機構112bがOFF状態となったら、モータ128を逆転駆動して加圧部127を離間位置に向けて移動する(
図24(d)。
【0096】
もし、ボタン111が押されてから所定時間経過前に挿入検知センサ機構112のいずれかがOFF状態となったら、制御部はモータ128の駆動を停止して、所定時間(例えば3秒)経過するまで挿入検知センサ機構112がON状態となるのを待つ(
図24(e))。そして制御部は、所定時間内に挿入検知センサ機構112がON状態となったら綴じ処理を実行する。所定時間が経過したらシート束MSが引き抜かれたと判断して加圧部127をホームポジションに戻して綴じエラーとする。
【0097】
図25は挿入口110を、スタックトレイ側カバー125を正面として見た拡大図であり、挿入口110に挿入されたシート束MSの下面を支持する支持部材118を表した図である。支持部材118は、フロント側カバー121の第1面121aからフロントリア方向に進退可能に構成されており、ユーザは支持部材118の先端部分(フロント側)に形成された凹部に指を引っかけて手動で支持位置(
図25(a))に引き出し可能となっている。また、使用しないときはリア側に押し込むことで収納位置(
図25(c))に収納可能となっている。
【0098】
この支持部材118により、薄紙のような腰の弱いシート束MSを挿入した際に下側規制部110cから外れた部分の垂れ下がりを軽減することができるので、マニュアル綴じをする際のユーザの操作性が良い。支持部材118が支持位置にある状態のフロント側端部の位置まで下側規制部110cとしてしまうと装置サイズがフロント側に大きくなってしまうので、必要な場合のみ支持部材118を引き出せる構成とすることで装置サイズをコンパクトにすることができる。
【0099】
図25(b)は、支持部材118が支持位置にある状態の上面図で、
図25(d)は支持部材118が収納位置にある状態の上面図である。この図からわかるように、支持部材118の右側端部は、挿入口110の右側規制面110aよりも距離L2分左側(矢印X方向の右側)に配置されている。この位置に支持部材118を配置することで、ユーザがシート束MSを挿入口110に挿入した際に、シート束MSを掴む右手が支持部材118に当たることを防いでいる。
【0100】
図26は挿入口110の変形例である。
図26に示す挿入口110の上側規制部110bと下側規制部110cとは、それぞれがフロント側からリア側に向けて下方に傾斜するように構成されている。よって、シート束MSを斜め下方向に向けて挿入してその状態でユーザはシート束MSを手で支持するため、下側規制部110cがフロントリア方向で水平となっている構成に比べてシート束MSの支持がしやすい。
【0101】
また、この変形例ではリア側規制面110f(
図23と同様)が略垂直に配置されているため、斜めに挿入されたシート束MSのリア側端部はリア側規制面110fに突き当てられ、シート束MSのリア側端部からフロント側に向けて若干湾曲した状態で支持される。これにより、シート束MSのコシが強くなり、ユーザはシート束MSを支持しやすくなる。なお、リア側規制面110fと加圧部127とを下側規制部110cの傾斜に合わせて傾斜させてもよい。
【0102】
図27は挿入口110の別の変形例である。
図27(a)(b)にはシート束MSが上述した挿入検知センサ機構112によって綴じ位置にセットされたことを検出されたら不図示の駆動(ソレノイド等)によって押圧部材119aが
図27(b)に示す押圧位置に移動して、押圧部材119aと下側規制部110cとでシート束MSを挟持する。これにより綴じ位置にセットされたシート束MSがずれることがなく確実に綴じ処理を実行することができる。
【0103】
また、押圧部材119aは矢印X方向において挿入口110の右半分のいずれかの位置に配置することが望ましい。それにより、押圧部材119aでシート束MSを押圧したらシート束MSから右手を離してボタン111を押すことができる。
【0104】
図27(c)に示す押圧部材119bは例えばマイラーのような可撓性の材質の押え部材で、上側規制部110bから下側規制部110cに向けて且つフロント側からリア側に向けて延設されている。この押圧部材119bはシート束MSの挿入を妨げず、挿入されたシート束MSの上面を押さえることで挿入されたシート束MSの位置が安定する。なお、この押圧部材119bは、綴じ処理が施されたシート束MSが挿入口110から引き抜かれる際にシート束MSの角部(綴じ処理が施された部分)が当たらないよう右側規制面110aから所定距離離間して配置されている。なお、押圧部材119bの先端を下側規制部110cから離間させるよう若干上方に向けて設置することで、綴じ処理が施されたシート束MSの角部が通過してもシート束MSの角部が押圧部材119bに引っ掛かることがない。
【0105】
上述した実施形態では挿入口110とボタン111がフロント側カバー121(10a)に配置された態様を示したが、
図28に示すように上面カバー122に挿入口110とボタン111とを配置してもよい。その場合、上面カバー122の水平面122aよりもフロント側に挿入口110を配置すると水平面122aで揃えたシート束MSの姿勢をほぼ変えることなく挿入口110に挿入することができる。
【0106】
挿入口110を上面カバー122に形成した場合、
図28に示すようシート束MSのシート面がフロント側を向いた状態で挿入できるように挿入口110を配置することが望ましい。また、シート束MSの挿入方向下流側端部を規制する下側規制面が左側から右側に向けて下方に傾斜することが望ましい。その場合、右側規制面も下側規制面の傾斜に合わせて下側規制面に対して直交する方向に形成するとシート束MSの角部が綴じ位置に位置決めされやすい。
【0107】
第1実施形態の針無し綴じユニット27はリア側板金30rに設けられた基板に接続され、シート後処理装置B全体の制御をその基板で行っていたが、ブラケット126に設けられた制御基板1300の制御部でマニュアル綴じの制御を行い、電源のみリア側板金30rに設けられた基板から供給されるようにしてもよい。その場合、マニュアル綴じを行う針無し綴じユニット27は画像形成装置Aともオート綴じユニットB1とも情報のやりとりを行わない所謂スタンドアローンタイプのシート綴じ装置となる。つまり、制御基板1300に針無し綴じユニット27のモータ128、駆動伝達部129のセンサ、ボタン111、挿入検知センサ機構112が接続されており、挿入検知センサ機構112でシートが挿入されたことを検知してさらにボタン111が押されたことを検知するとモータ128を駆動して挿入口110にセットされたシート束に対して針無し綴じ処理を施す。また、スタンドアローンタイプである場合、開閉カバー101が開かれたり、画像形成装置Aにジャムが発生して画像形成装置Aのジャム解カバーをオープンしたりしても電源が落とされない限り針無し綴じユニット27は綴じ動作を実行可能である。
【0108】
ここで、ボタン111に複数色に発光する発光部材を設け、制御基板1300と接続させて、マニュアル綴じユニットB2の状態をボタンの発光でユーザに報知するようにしてもよい。
【0109】
例えば、挿入検知センサ機構112でシートがセットされたことを検出したら制御部は発光部材を緑色に発光させてユーザに針無し綴じユニットがスタンバイ状態(綴じ処理の実行が可能)となった旨を伝える。その後、ユーザによってボタン111が押されたら、例えば綴じ処理が終了するまで点滅発光をして、綴じ処理中にシートを引き抜かないようユーザに注意を促す。そして綴じ処理が終了したら発光部材を消灯させるか、一度強く発光させたり別の色を発光させたりしてから消灯することで綴じ処理が終了した旨をユーザに報知する。また、綴じ処理が終了して挿入検知センサ機構がオフした(シートが引き抜かれた)ことを検知するまで発光させていてもよい。
【0110】
また、ボタン111が押されてモータ128を駆動しても加圧部127が動かないことを駆動伝達部129のセンサが検知すると制御部はエラーと判断して発光部材を赤色に発光させてユーザにエラーということを報知する。なお、制御基板1300よりもフロント側カバー121の第1面121a側に発光部材を配置し、発光部材が配置された部分に対向した第1面121aの一部を透光性の材質として、発光部材の発光状態をフロント側カバー121越しに確認できるようにしてもよい。
【0111】
図29(a)~(l)はボタン111の押圧部111aに施されるデザイン例を示している。
図30はボタン111を3つの方向から見た斜視図である。
【0112】
なお、第2実施形態ではフロント側カバー121の第1面121aの下方に退避面135を形成した態様を示したが、第1面121aを下方に伸ばして退避面135を形成しなくてもよい。
【0113】
なお、上述した実施形態では、フロント側カバー10a、121に設けられた開閉カバー101を開放することで針カートリッジ170の交換を行う構成としたが、この構成に限らなくてもよい。例えば、開閉カバー101を設けず、シート処理装置Bの外装を構成するフロントカバー10a、121を開放することで針カートリッジ170の交換が可能となる構成であってもよい。この場合、遮蔽部103はフロントカバー10a、121と一体的に設けるのではなく、フロント側板金30fに固定されていればよい。
【0114】
本明細書および図面は、以下の画像形成装置を開示する。
[構成1]
シートに対して綴じ処理を施すシート処理装置であって、
シートが積載される積載部と、
針が装填されたカートリッジを着脱可能に有し、前記積載部に積載された複数枚のシートに対して綴じ処理を施す第1の綴じユニットであって、シートに対して綴じ処理を施す綴じ位置と、該綴じ位置よりも前記シート処理装置の前後方向において前側に位置し、前記カートリッジを交換する交換位置とに移動可能な第1の綴じユニットと、
前記シート処理装置の外側からシート束を挿入可能な挿入口を有し、前記前後方向において前記積載部および前記第1の綴じユニットよりも前側において前記シート処理装置の外装の一部を構成するカバーと、
前記挿入口から差し込まれたシート束に対して針を用いずに綴じ処理を施す第2の綴じユニットと、を備え、
前記第2の綴じユニットは、前記交換位置に位置している前記第1の綴じユニットと前記前後方向において重なる位置に設けられていることを特徴とするシート処理装置。
【0115】
[構成2]
前記カバーは、前記挿入口が設けられ前記第2の綴じユニットをカバーする第1カバー部と、前記第1カバー部に対して開閉可能であって前記交換位置に位置する前記第1の綴じユニットをカバーする第2カバー部であって、前記第1カバー部に対して開閉可能な第2カバー部と、前記第2の綴じユニットと前記交換位置に位置している前記第1の綴じユニットとの間に設けられた遮蔽部材と、を有することを特徴とする構成1に記載のシート処理装置。
【0116】
[構成3]
前記遮蔽部材は、第1の綴じユニットから前記カートリッジが挿抜される際に前記カートリッジが通過する通過部を有し、
前記第1の綴じユニットが前記交換位置に位置している状態において、前記シート処理装置の前後方向において前記綴じユニットの一部が前記通過部と重なっている、ことを特徴とする構成2に記載のシート処理装置。
【0117】
[構成4]
前記第2の綴じユニットによる綴じ処理の実行を指示するためにユーザにより操作される操作ボタンをさらに備え、
前記操作ボタンは、鉛直方向において前記挿入口よりも上側に設けられている、ことを特徴とする構成1乃至3のいずれか1つに記載のシート処理装置。
【0118】
[構成5]
前記第2の綴じユニットによる前記綴じ処理を実行する場合であって前記第1の綴じユニットによる綴じ処理が実行されている場合は、前記第1の綴じユニットによる綴じ処理が終了した後に前記第2の綴じユニットによる綴じ処理を実行する制御部をさらに備える、ことを特徴とする構成1乃至4のいずれか1つに記載のシート処理装置。
【0119】
[構成6]
前記制御部は、前記第2の綴じユニットによる針無し綴じ処理に関する実行を受け付けた場合であって所定時間以内に前記第1の綴じユニットによる前記綴じ処理が実行される場合、前記第1の綴じユニットによる綴じ処理を優先して実行し、前記第1の綴じユニットによる綴じ処理が終了した後に前記第2の綴じユニットによる綴じ処理を実行する、ことを特徴とする構成5に記載のシート処理装置。
【0120】
[構成7]
前記挿入口に設けられ、前記挿入口を介して挿入されたシート束を押圧する押圧部をさらに備える、ことを特徴とする構成1乃至6のいずれか1つに記載のシート処理装置。
【0121】
[構成8]
シートに画像形成する画像形成部を有する画像形成装置と、
前記画像形成装置によって画像が形成されたシートに対して綴じ処理を行う構成1に記載のシート処理装置と、
鉛直方向において前記シート処理装置と重なる位置であって前記シート処理装置よりも下方に設けられ、前記画像形成装置へ供給するシートを収容する収容装置と、を備えることを特徴とする画像形成システム。
【0122】
[構成9]
前記画像形成装置は、鉛直方向において前記シート処理装置と前記収容装置の間に設けられ、前記画像形成部に搬送されるシートが積載される積載トレイをさらに有する、ことを特徴とする構成8に記載の画像形成システム。
【符号の説明】
【0123】
A 画像形成装置
B シート処理装置
17 ステープルユニット
27 針無し綴じユニット
40 スタックトレイ
101 開閉ドア
102 開口部
103 遮蔽部材
110 手差し挿入口
121 フロント側カバー
122 上面カバー