(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091448
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】腕時計の照明機能を調整するシステム
(51)【国際特許分類】
G04G 9/00 20060101AFI20240627BHJP
G04G 21/00 20100101ALI20240627BHJP
【FI】
G04G9/00 308Z
G04G21/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023191686
(22)【出願日】2023-11-09
(31)【優先権主張番号】22215940.2
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ユオ―マルシャン、 シルバン
(72)【発明者】
【氏名】デュビュニョン、 ドミニク
【テーマコード(参考)】
2F002
【Fターム(参考)】
2F002AA05
2F002AA06
2F002AA09
2F002AB06
2F002BB04
2F002EA02
2F002EA03
2F002EA04
2F002EH04
2F002GA06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】自律型照明デバイスを備える少なくとも一つの外部時計要素を含む腕時計の照明機能を制御/調整するシステムに関する。
【解決手段】通信ユニット25と、設定されるコントローラ24とを備える携帯型電子のデバイス110を含み、照明デバイス3は、一緒に接続された複数の積層された層のアセンブリから形成され、各層は、外部時計要素2a、2bの本体の可視面20aにおいて光を生成することができる光源4と、自給式電源ユニット21と、通信モジュール22と、光源のオン又はオフの切り替えを制御して通信モジュールを制御するべく設定される制御ユニット7とである機能要素のうちの一以上を含み、外部時計要素とデバイスとは互いに接続されて、外部時計要素の照明を調整するように設定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律型照明デバイス(3)を備える少なくとも一つの外部時計要素(2a、2b)を含む腕時計(1)の照明機能を調整するシステム(100)であって、
通信ユニット(25)と、この通信ユニット(25)を制御するべく設定されるコントローラ(24)とを備える携帯型電子のデバイス(110)を含み、
前記照明デバイス(3)は、一緒に接続された複数の積層された層(10、11、12、13、14)のアセンブリ(9a、9b)から形成され、各層は、
- 前記少なくとも一つの外部時計要素(2a、2b)の本体の可視面(20a)において光を生成することができる少なくとも一つの光源(4)と、
- 自給式電源ユニット(21)と、
- 通信モジュール(22)と、
- 前記少なくとも一つの光源(4)のオン又はオフの切り替えを制御して前記通信モジュール(22)を制御するべく設定される制御ユニット(7)と
である機能要素のうちの一以上を含み、
前記外部時計要素(2a、2b)と前記デバイス(110)とは互いに接続されて前記少なくとも一つの外部時計要素(2a、2b)の照明を調整するように設定される、システム(100)。
【請求項2】
前記デバイス(110)は、前記少なくとも一つの光源(4)からの照明を制御する少なくとも一つの命令を生成して前記外部時計要素(2a、2b)に送信するように設定される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記デバイス(110)は、前記少なくとも一つの光源(4)のための照明ルールを設定する少なくとも一つの命令を生成して前記外部時計要素(2a、2b)に送信するように設定される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記制御ユニット(7)は、前記少なくとも一つの光源(4)からの照明を制御するべく前記外部時計要素(2a、2b)が受信する前記少なくとも一つの命令の機能として、前記少なくとも一つの外部時計要素(2a、2b)の照明を制御するように設定される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記制御ユニット(7)は、前記少なくとも一つの光源(4)のための照明ルールを設定するべく前記外部時計要素(2a、2b)が受信する前記少なくとも一つの命令の機能として、前記少なくとも一つの外部時計要素(2a、2b)の照明を制御するように設定される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記コントローラ(24)は、
- 前記少なくとも一つの外部時計要素(2a、2b)の照明のための複数のモードであって、この外部時計要素(2a、2b)の前記少なくとも一つの光源(4)からの照明を制御する命令を構成し得る複数のモード、及び/又は
- 前記少なくとも一つの外部時計要素の照明のための複数のシナリオであって、この外部時計要素2a、2bの前記少なくとも一つの光源4のための照明ルールを設定する命令を構成し得る複数のシナリオ
を含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記通信ユニット(25)と前記通信モジュール(22)とは、無線通信、詳しくは近距離無線通信を確立することによって互いに接続されるように設定される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記アセンブリ(9a)は、
- 前記外部時計要素(2a、2b)の前記少なくとも一つの光源(4)を含む前記外部時計要素(2a、2b)の可視面(20a)を形成する第1の層(10)と、
- 前記自給式電源ユニット(21)の前記光起電力モジュール(5)を含む第2の層(11)と、
- 前記自給式電源ユニット(21)の電気蓄積器(6)を含む第3の層(12)と、
- 前記制御ユニット(7)及び前記通信モジュール(22)を含む前記外部時計要素(2a)の隠れ面(20b)を形成する第4の層(13)と
を含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記アセンブリ(9b)は、
- この外部時計要素(2a、2b)の前記少なくとも一つの光源(4)を含む前記外部時計要素(2b)の可視面(20a)を形成する第1の層(10)と、
- 前記自給式電源ユニット(21)の前記光起電力モジュール(5)を含む第2の層(11)と、
- 前記自給式電源ユニット(21)の電気蓄積器(6)、前記制御ユニット(7)、及び前記通信モジュール(22)を含む前記外部時計要素(2b)の隠れ面(20b)を形成する第3の層(14)と
を含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記アセンブリ(9a、9b)の第1の層(10)が、前記制御ユニット(7)に接続される少なくとも一つの事象センサを含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自律型照明デバイスを備える少なくとも一つの外部時計要素を含む腕時計の照明機能を制御/調整するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術において、腕時計に照明機能を与えるように意図された光源を制御するシステムが知られている。かかるシステムは典型的に、この光源に関連付けられた押しボタンを含む。押しボタンが押されると、必要に応じて光源がオン又はオフに切り替えられる。
【0003】
かかるシステムの大きな欠点の一つは、この機能専用の当該押しボタンが典型的に、腕時計ケースの周縁の所定位置に配置されているので、アクセスが困難なことが多く、腕時計の着用者が暗闇において手探りで位置を突き止めて操作するという複雑な操作を必要とすることである。
【0004】
さらに、かかる押しボタンを時計に組み込むには、腕時計ケースの中央に専用の孔を開ける必要があり、このケースの防水性にとってリスクとなり得る。
【0005】
他の欠点は、必要に応じて光源のオン/オフを切り替える2つの動作モードしかない場合が多いことにある。このようなモードでは、この腕時計が配置される環境の明るさに応じて光源の光強度を調整することができない。
【0006】
このような状況のもと、先行技術の欠点を克服する解決策を見出す必要があることが理解される。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、これらの欠点を、腕時計の照明機能を制御/調整するシステムを与えることによって克服することであり、このシステムは、使いやすく、堅牢で信頼性が高い。
【0008】
この目的のために、本発明は、自律型照明デバイスを備える少なくとも一つの外部時計要素を含む腕時計の照明機能を調整するシステムに関し、このシステムは、通信ユニットと、この通信ユニットを制御するべく設定されるコントローラとを備える携帯型電子デバイスを含み、この照明デバイスは、一緒に接続された複数の積層された層のアセンブリ(9a、9b)によって形成され、各積層は、
- 前記少なくとも一つの外部時計要素の本体の可視面において光を生成することができる少なくとも一つの光源と、
- 自給式電源ユニットと、
- 通信モジュールと、
- 前記少なくとも一つの光源のオン又はオフの切り替えを制御して通信モジュールを制御するべく設定される制御ユニットと
である機能要素のうちの一以上を含み、
前記外部時計要素と前記デバイスとは互いに接続されて前記少なくとも一つの外部時計要素の照明を調整するように設定される。
【0009】
他実施形態において、
- 前記デバイスは、前記少なくとも一つの光源からの照明を制御する少なくとも一つの命令を生成して前記外部時計要素に送信するように設定され、
- 前記装置は、前記少なくとも一つの光源の照明ルールを設定する少なくとも一つの命令を生成して前記外部時計要素に送信するように設定され、
- 制御ユニットは、前記少なくとも一つの光源からの照明を制御するべく外部時計要素が受信する前記少なくとも一つの命令の機能として、前記少なくとも一つの外部時計要素の照明を制御するように設定され、
- 制御ユニットは、前記少なくとも一つの光源の照明ルールを設定するべく外部時計要素が受信する前記少なくとも一つの命令の機能として、前記少なくとも一つの外部時計要素の照明を制御するように設定され、
- コントローラは、前記少なくとも一つの外部時計要素の照明のための複数のモードを含み、これらのモードは、この外部要素の前記少なくとも一つの光源からの照明を制御する命令を構成してよく、
- コントローラは、前記少なくとも一つの外部時計要素の照明のための複数のシナリオを含み、これらのシナリオは、この外部時計要素の前記少なくとも一つの光源のための照明ルールを設定する命令を構成してよく、
- 通信ユニット及び通信モジュールは、無線通信、詳しくは近距離無線通信、を確立することによって相互に接続されるように設定され、
- 前記アセンブリは、
・外部時計要素の前記少なくとも一つの光源を含む外部時計要素の可視面(20a)を形成する第1の層と、
・自給式電源ユニットの光起電力モジュールを含む第2の層と、
・自給式電源ユニットの電気蓄積器を含む第3の層と、
・制御ユニット及び通信モジュールを含む外部時計要素の隠れ面を形成する第4の層と
を含み、
- 前記アセンブリは、
・この外部時計要素の少なくとも一つの光源を含む外部時計要素の可視面を形成する第1の層と、
・自給式電源ユニットの光起電力モジュールを含む第2の層と、
・自給式電源ユニット、制御ユニット及び通信モジュールの電気蓄積器を含む外部時計要素の隠れ面を形成する第3の層と
を含み、
- アセンブリの第1の層は、制御ユニットに接続される少なくとも一つの事象センサを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明に係る腕時計の目的、利点及び特徴が、図面を介して示される少なくとも一つの非制限的な実施形態に基づいて与えられる以下の記載に明確に現れる。
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る、自律型照明デバイスを備える少なくとも一つの外部時計要素を含む腕時計の照明機能を制御/調整するシステムの模式的な表現である。
【
図2】自律型照明デバイスを備える文字盤のような前記外部時計要素を形成する4つの積層された層のアセンブリの第1代替実施形態の分解図を示す。前記層はそれぞれが、本発明の実施形態に係る照明デバイスの一以上のコンポーネント要素を含む。
【
図3】本発明の実施形態に係る自律型照明デバイスを備える文字盤を形成する複数層の前記アセンブリの模式的な図を示す。
【
図4】自律型照明デバイスを備える前記文字盤を形成する3つの積層された層を含む前記アセンブリの第2代替実施形態の分解図を示す。前記層はそれぞれが、本発明の実施形態に係る照明デバイスの一以上の機能要素を含む。
【
図5】本発明の実施形態に係る自律型照明デバイスを備える文字盤を形成する複数層の前記アセンブリのこの第2代替実施形態の模式的な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、自律型照明デバイスを備える少なくとも一つの外部時計要素を含む腕時計の照明機能を制御/調整するシステム100を示す。この腕時計のかかる照明機能は、特に、このシステム100の移動型又は携帯型の電子デバイス110から設定することができる。かかる電子デバイス110は詳しくは、この機能の調整を、後にわかるように、関連する命令の、この腕時計の前記少なくとも一つの外部時計要素に配列される自律型照明デバイスの制御ユニットへの送信によって許容する。理解されることだが、この機能をこのように調整することにより、この腕時計の外部時計要素のこの照明の特徴を、驚くべき機能的、美的及び/又は娯楽的な効果をもたらすべくこの時計のユーザの願望/希望に応じて変化させることができる。これは、この腕時計の外部時計要素の非照明部分とは対照的である。留意すべきことだが、この外部時計要素のかかる照明は、程度の差はあっても散乱性の、控えめな、柔らかい、及び快適な外観を有することができ、これらの特徴は、所望の審美的結果に応じて実質的に無限に変えられるので、これにより腕時計の最終的な審美的品質が向上する。
【0013】
かかるシステム100はそれゆえ、腕時計に加えて携帯型電子デバイスを含み、これら双方が、例えば近距離無線通信技術を実装することによって相互間でデータ交換を行い得る。
【0014】
この文脈において、腕時計は、例えば、電子式、電気機械式及び/又は機械式の腕時計であり、詳しくはスポーツウォッチ又はいわゆる「高級」腕時計としてよい。かかる腕時計1において、外部時計要素2a、2bは、ムーブメントを取り囲む腕時計のコンポーネント部分のすべてに対応し、詳しくは、その外部の見栄え、保護、固定及び制御に寄与する。これらの外部時計要素はさらに、この時計の美的外観及び様式を与え、その機能すべてが示されることを許容する。具体的には、
図1及び
図2を参照すると、ここで考慮されるこれらのコンポーネント部分は、非網羅的かつ非限定的な態様で、裏部、中間部31、文字盤2a、2b、ベゼル32、押しボタン、針、巻き取りボタン、及び/又は巻き取りボタンキャップ等を含む。
【0015】
以下の説明において、当業者にとって周知の腕時計の部品はすべて、簡単な態様でのみ説明される。
【0016】
図1において、腕時計はそれゆえ、ケース裏部及び文字盤2a、2bと一緒になってこの腕時計のケース30の内部容積を画定する中間部31を含む。ケース30は、クリスタルによって頂部が閉じられる。この説明の目的のために、腕時計が機械式腕時計であることと、そのムーブメントが腕時計ケース30の中間部31に配置されていることとが仮定される。この設定において、腕時計1の少なくとも一つの外部時計要素2a、2bは、少なくとも一つの光源4を備える自律型照明デバイス3を含む。前記少なくとも一つの光源4によって生成された光は、照明対象となる外部時計要素2a、2b、すなわち
図1~
図5に示される特定の実施形態における文字盤2a、2b、のすべて又は一部を照明する。
【0017】
留意すべきことだが、記載される発明のこの例示の実施形態において、時計ムーブメントは機械式ムーブメントである。一代替実施形態において、このムーブメントは、電子式ムーブメント又は電気機械式ムーブメントであってよい。腕時計は、ここで、そのムーブメントが機械式である場合に機械式と称され、電気機械式又は電子式ムーブメントそれぞれを含む場合に電気機械式又は電子式と称される。
【0018】
この設定において、時計ムーブメントは、当業者に知られる態様で、時針、分針、及び随意的に秒針を含むディスプレイを駆動する。これを目的として、文字盤2a、2bは、針の心棒を受容する貫通孔を含む。
【0019】
図1に示される特定の実施形態において、外部時計要素は、このケースでは文字盤は、自律型照明デバイスを含む。この照明デバイス3は、後にわかることだが、それ自身の電源手段を有する。かかる照明デバイス3は、特に腕時計1のムーブメントに関し、詳しくはこのムーブメントを駆動するエネルギー源に関し、自律型と称される。例えば、このエネルギー源は典型的に、電気機械式ムーブメント又は電子式ムーブメントにおいてのように電源である。これらの条件のもと、この照明デバイス3によって使用される電力が、かかるムーブメントの自律性を損なうことはないことが理解される。
【0020】
かかる照明デバイス3は、前記少なくとも一つの光源4、自給式電源ユニット21、通信モジュール22及び制御ユニット7のような機能要素を含む。
【0021】
この照明デバイス3において、電源ユニット21は、電気蓄積器6と、太陽電池とも称される少なくとも一つの光起電力セルを含む光起電力モジュール5とを含む。光起電力モジュール5は、
図3及び
図5において参照番号17b及び18が与えられる接続要素を介して電気蓄積器6に接続される。光起電力モジュール5は、並列又は直列に接続されたヘテロ接合又はマルチ接合タイプの一以上のユニットセルを含み得る。モジュールの各光起電力セルは、当業者に知られた態様で、銅、インジウム、ガリウム及びセレンを包含する半導体材料、テルル化カドミウムを包含する半導体材料、単結晶ガリウム砒素を包含する半導体材料、若しくは単結晶シリコン若しくは多結晶シリコンを包含する半導体材料、又はペロブスカイトから作られてよい。留意すべきことだが、これらの例は限定的ではなく、当業者は本発明に適したタイプの光起電力セルを見出し得る。
【0022】
この照明デバイス3において、マイクロコントローラとも称される制御ユニット7は電子回路8を含む。電子回路8は、ハードウェアリソース、詳しくは、メモリ要素並びにアドレスバス、データバス及び制御バスと協働する少なくとも一つのプロセッサ、を含む。この制御ユニット7は、そのメモリ素子の中に、前記少なくとも一つの光源4の発光を管理するアルゴリズムを含む。かかるアルゴリズムは、この制御ユニット7のプロセッサによって、前記少なくとも一つの光源4の動作を管理するべく、携帯型電子デバイスから受信した照明命令、及び/又は照明デバイス3及び/又は電子デバイス110に含まれる事象センサからのデータ、を考慮して実行される。
【0023】
留意すべきことだが、かかるデータは、例えば、これらのセンサによって検出される事象に関連する情報を与えてよい。前記事象は、前記少なくとも一つの光源4のオン/オフ切り替えに寄与する可能性が高い。これらの事象は、非限定的かつ非網羅的な態様で、腕時計の環境における特定輝度レベルの検出、特定音要素又は特定音レベルの検出、特定視対象の検出、腕時計及び/又は電子デバイスを着用するユーザの身体の一部によってなされる動きの検出、腕時計のユーザの、ひいては腕時計の、地理的位置の検出、電子デバイスの機能に関連する通知の検出、電子デバイスによって実行されるアプリケーションに関連する通知の検出、電子デバイスによるメッセージの受信の検出等を含み得る。
【0024】
この文脈において、この自律型照明デバイス3の事象センサは特に、非限定的かつ非網羅的な態様で、
- 周囲輝度レベルを検出する輝度センサ、
- ジャイロ及び/又は慣性電気機械的マイクロシステム回路タイプの電子コンポーネントの形態にあるジャイロ及び/又は慣性センサのような動きセンサ、
- マイクロフォンタイプの音センサ、及び/又は
- 写真センサタイプの光センサ、を含む。
【0025】
この制御ユニット7が、複数の光源4の動作を同時に及び/又は連続して管理/制御できることにさらに留意すべきである。さらに、各光源4は、この制御ユニットによって別個に管理/制御される。この文脈において、各光源4の動作の管理は、非限定的かつ非網羅的な態様で、この光源4のオン及びオフの切り替えからなり得る。
【0026】
かかる制御ユニット7はさらに、そのメモリ要素に、電気蓄積器6を管理するためのアルゴリズム、詳しくは光起電力モジュール5によるその充電を管理するための、及び前記光源4の電気消費を管理するためのアルゴリズム、を含んでよい。
【0027】
この照明デバイス3において、通信モジュール22は好ましくは無線であり、例えば、近距離かつ高周波無線の通信技術を実装する近距離無線通信(NFC)モジュールとしてよい。この通信モジュール22は例えば、高周波数HF周波数帯域で、例えば13.56MHzで、動作し得る。代替的に、かかる無線通信モジュール22は、ブルートゥース(登録商標)タイプの通信モジュールとしてよい。
【0028】
かかる通信モジュール22は、NFCタイプの場合、腕時計1と電子デバイス10との間の、詳しくは前記少なくとも一つの外部時計要素2a、2bと電子デバイス110との間の近距離を経由したデータ交換を許容する。かかる距離は、近似的に0と10cmとの間であり、好ましくは0と5cmとの間である。通信モジュール22は、電子デバイス110の通信デバイスによって送信される無線周波数により電力が供給される受動タイプとしてよい。代替的に、腕時計1の通信モジュール7は、照明デバイスの電源ユニット21から電力を受ける能動タイプとしてもよい。
【0029】
詳しくは、
図3を参照すると、通信モジュール22が、電子チップと、少なくとも一つのアンテナと、前記モジュール22を制御ユニット7に接続するためのコネクタ23とを含む。チップは、前記少なくとも一つのアンテナに接続され、ハードウェア及びソフトウェア要素を含む。この文脈において、チップのハードウェア及び/又はソフトウェア要素は、メモリ要素と協働する少なくとも一つのマイクロプロセッサを含む。
【0030】
このシステム100において、ユーザ端末とも称される携帯型電子デバイス110は、ユーザが着用して持ち運ぶことができるデバイスである。これは、例えばスマートフォン、ファブレット又はタブレットに当てはまる。言うまでもないことだが、主要電源を必要とするデバイス、例えばデスクトップコンピュータ、は、この定義から除外される。センサが無線又は有線で接続されるラップトップコンピュータのようなデバイス110もさらに、この定義から除外される。この電子デバイス110はケース27を含む。ケース27の中に電子回路26が配列される。この電子回路26は、コントローラ24、及び通信ユニット25、詳しくは近距離無線通信(NFC)ユニット25を含む。双方とも電池によって電力供給を受ける。このコントローラ24は、例えば、腕時計1との間で、特にその制御ユニット7との間で、要求/命令/データを処理するように設定されるコンピュータプログラムを実装する命令を実行することができる。電子デバイス110はさらに、カメラと、タッチスクリーン又はボタンのような入力インタフェイスを含み得る。
【0031】
上述したように、このデバイス110はさらに、
- 周囲輝度レベルを検出する輝度センサ、
- マイクロフォンタイプの音センサ、
- 写真センサタイプの光センサ、
- 位置決定センサ、
- 事象にリンクされたアラート又はアラームを生成するモジュールのような事象センサを含み、その事象は例えば、
・インスタントメッセージ、SMS(Short Message Service)メッセージ、iMessage(登録商標)、電子メッセージ、又はMMS(Multimedia Messaging Service)メッセージのようなメッセージのデバイス110による受信、
・デバイス110によって実行される「アプリ」とも称されるアプリケーション、時計機能(アラーム機能、カウントダウン機能、クロノグラフ機能等)、又はアクティビティ及び/若しくはヘルス機能(歩数計機能、心拍計機能、体温機能等)に関する通知である。
【0032】
さらに、かかるコントローラ24は、特に、例えば、照明デバイス3の制御ユニット7との間で受信/送信された要求/命令/データを処理するように設定されるコンピュータプログラムを実装する命令を実行することができる。
【0033】
さらに、このコントローラ24はまた、「アプリケーション」又は「アプリ」とも称されるコンピュータプログラムを実行することもできる。この文脈において具体的には、このアプリケーションは「腕時計の照明管理アプリケーション」である。コントローラ24によって実行される場合、このアプリケーションはそれゆえ、腕時計1の照明、特に前記少なくとも一つの外部時計要素2a、2bの照明、の即時又は自動の管理を確保することを目的とする少なくとも一つの命令を生成することができる。これを行うために、このコントローラ24のメモリ要素は、
- 前記少なくとも一つの外部時計要素の照明のための複数のモードであって、この外部時計要素2a、2bの前記少なくとも一つの光源4からの照明を制御する命令を構成し得る複数のモード、及び/又は
- 前記少なくとも一つの外部時計要素の照明のための複数のシナリオであって、この外部時計要素2a、2bの前記少なくとも一つの光源4のための照明ルールを設定する命令を構成し得る複数のシナリオを含む。
【0034】
留意すべきことだが、このアプリケーションが電子デバイス110によって実行されると、このアプリケーションの実行によって生成されたインタフェイスがこのデバイス110の画面に表示される。これによりユーザは、このインタフェイスと対話することによって照明モード及び/又はシナリオを設定することが許容される。
【0035】
この設定において、ユーザは、このモードに定義されるこの照明に対する管理設定に従って、少なくとも一つの光源4を即時に制御するように外部時計要素2a、2bのための照明モードを選択することができる。具体的には、各モードは、他のモードとは相違する照明管理設定を含む。非限定的かつ非網羅的な態様において、一以上の相違点は、
- 各光源4の動作パラメータ、すなわちその輝度、色等、の設定、
- 動作若しくは使用されるすべての光源4の選択、
- 動作若しくは使用される一の光源4の選択、及び/又は
- 一以上の光源4の動作範囲、すなわち、順次オン若しくはオフに切り替え、2以上の光源4を同時にオン若しくはオフに切り替え、一以上の光源4を点滅させ、若しくは各光源4の点滅周波数、各光源4の点滅持続時間、若しくは各光源4のオン若しくはオフ切り替え持続時間を定義すること、
- 等にある。
【0036】
その上、ユーザはさらに、外部時計要素2a、2bの照明シナリオを選択し、このシナリオに定義された照明の管理設定に従って前記少なくとも一つの光源4からの照明を自動的に制御することができる。このシナリオは、外部時計要素2a、2bに含まれる一以上の事象センサからの事象データに基づいて、前記少なくとも一つの光源4からの照明の自動管理を定義する。代替的又は付加的に、このデータは電子デバイス110からも得ることができる。電子デバイス110はそのデータを、デバイス110内の少なくとも一つの事象センサによって事象が検出されるとすぐに制御ユニット7に送信する。留意すべきことだが、各シナリオは、他のシナリオとは相違する照明管理設定を含む。非限定的かつ非網羅的な態様において、一以上の相違点は、
- 照明デバイス3及び/又はデバイス110において使用される一以上の事象センサの選択、
- 各光源4の動作パラメータ、すなわちその輝度、色等、の設定、
- 動作若しくは使用されるすべての光源4の選択、
- 動作若しくは使用される一の光源4の選択、及び/又は
- 一以上の光源4の動作範囲、すなわち、順次オン若しくはオフに切り替えること、2以上の光源4を同時にオン若しくはオフに切り替えること、一以上の光源4を点滅させること、若しくは各光源4の点滅周波数、各光源4の点滅持続時間、若しくは各光源4のオン若しくはオフ切り替え持続時間、
- 等にある。
【0037】
図2から
図5を参照すると、既に述べたように、自律型照明デバイス3はそれゆえ、外部時計要素2a、2bに含まれる。この構成において、この照明デバイス3の機能要素、すなわち光源4、電気蓄積器6、光起電力モジュール5、通信モジュール22及び制御ユニット7、が外部時計要素2a、2bを形成する一以上の層10、11、12、13、14に含まれる。換言すれば、この外部時計要素2a、2bの本体が、それぞれが照明デバイス3の一以上の機能要素を含む複数の積層された層10、11、12、13、14が一緒になるように接続されたアセンブリ9a、9bによって形成される。
【0038】
このアセンブリ9a、9bにおいて、層10、11、12、13、14は、一体化されるように接着物質のような接合要素によって一緒に接合され、モノリシックなアセンブリ9a、9bが得られ、ひいては一体型外部時計要素2a、2bが形成される。この接合素子は、クリップであってもよく、又はネジであってもよい。かかる層10、11、12、13、14は、アセンブリ9a、9bに積層され、画定された順序で一方が他方の上に配列される。
【0039】
すなわち、かかる一体型外部時計要素2a、2b(例えば、文字盤、ベゼル)は、時計1のケースに取り外し可能に取り付けられるという付加的な利点を、かかるケースの中に又は上に統合することが容易になるという利点に加えて有する。
【0040】
具体的には、第1代替実施形態及び第2代替実施形態において、このアセンブリ9a、9bは、外部時計要素2a、2bの可視面20aを形成/構成する第1の層10を含む。かかる第1の層10は、透明、半透明、少なくとも部分的に透明、又は少なくとも部分的に半透明の、剛性又は半剛性の基板によって形成される。かかる基板は、太陽放射、特にUVT(Ultra-Violet Transmission(「紫外線透過」))としても知られる紫外線放射、に対する透過率が65から95パーセントとなる材料から作られる。この透過率は好ましくは85パーセントである。かかる材料は透明又は半透明となり得る。この材料は、非網羅的かつ非限定的な態様で、ポリマー、ガラス又はセラミックとしてよい。
【0041】
この文脈において、この基板は、
- 前記少なくとも一つの光源によって生成された光が、外部時計要素2a、2bの外側、ひいては腕時計1の外側に逃げることができ、
- 腕時計1の環境からの光が、照明デバイス3の光起電力モジュール5の方向に外部時計要素2a、2bを透過することができ、この光は、天然起源の場合、太陽放射を含むように設定されることが理解される。
【0042】
換言すれば、この透明又は半透明の基板は、太陽放射のような光放射が透過して光起電力モジュール5に電力を供給するように設定され、光起電力モジュール5は、太陽エネルギーをこの放射から電気エネルギーに変換し得る。
【0043】
かかる第1の層10はそれゆえ、外部時計要素2a、2bの発光デバイス3の前記少なくとも一つの光源4を含む。
【0044】
このデバイス3において、発光要素のような任意のタイプの光源4、例えば、
- 頭文字語LECにより知られる発光キャパシタ、
- LED、OLED(有機発光ダイオード)、AMOLED(アクティブマトリックス式有機発光ダイオード)又はQLED(量子発光ダイオード)タイプの発光ダイオード、
- 局所電場によりアクティブにされる任意の発光材料、
- 電流によりアクティブにされる任意の発光材料、
- これらの発光要素の任意の組み合わせ、を使用することができる。
【0045】
この前記少なくとも一つの光源4は、第1の層10を形成する基板の上に又は中に特定の態様で配列される。光源4のかかる配列は、外部時計要素2a、2bの可視面20aのすべて又は一部を照明するように設定される。例えば、この外部時計要素2a、2bが文字盤である場合、この文字盤2a、2bの可視面20aのすべて又は一部を照明することができ、又は、この可視面20aの中に若しくは下面上に存在する少なくとも一つのグラフィック表現、例えば、
- 例えば、針の有無にかかわらず、時計情報/パラメータ、若しくはムーブメントに含まれるセンサ等によって測定された物理情報/パラメータの表示に寄与する数字、インデックス、線、又は点でさえもよい参照(又は表示)要素、
- 碑文、模様、テキスト、ロゴ等、を照明することができる。
【0046】
この照明は、光源4が基板に画定されるキャビティに配列される場合、バックライト又は半直接照明であってよい。具体的には、このキャビティは、この基板の下面に作られるブラインド開口としてよい。この設定において、このキャビティの底面がグラフィック表現を含む場合、この光源4によって生成された光放射又は光が、外部時計要素2a、2bの外側に、この要素2a、2bの可視面20aを介して逃げ得るので、少なくとも一つのグラフィック表現を暗闇で見ることができる。特に、可視面20aから逃げる光放射が、このグラフィック表現の輪郭を描く。この文脈において、第1の層10を形成する基板の上面上若しくは中に又は下面上若しくは中に含まれるこのグラフィック表現は、不透明又は非半透明若しくは非透明であることが好ましい。
【0047】
この照明は、光源4が基板に画定されたキャビティに配列される場合、直接照明としてよい。このキャビティは、この基板の下面に作られたブラインド開口としてよく、その底面にはいかなるグラフィック表現もない。この設定において、この光源4によって生成された光放射又は光は、このキャビティの底面を通って文字盤2aの外側に向かって逃げ、ひいてはこの文字盤2aの可視面20aを通って逃げ得る。
【0048】
この照明はまた、基板に作られたキャビティに光源4が配列される場合、直接照明としてよい。この文脈において、この開口は、第1の層10の基板の厚さを貫通し、その両端それぞれが、この基板の上面及び下面に開口する。この設定において、光源4のすべて又は一部が、この基板の上面から、ひいてはこの外部時計要素2a、2aの可視面20aから、突出し得る。
【0049】
かかる照明はまた、前記少なくとも一つの光源4が少なくとも一つの導波路に結合される場合、間接照明としてよい。この導波路は、光ガイドとも称され、光がガイドに入射した点から基板まで又はこの基板の上面近くの基板のエリア(例えば、キャビティ、貫通開口)まで光を伝達させ得る。かかる光ガイドは、光が通って逃げる光ファイバとしてよく、この光ファイバにより、基板に、例えば、発光要素とこの基板の上面近くの基板領域との間に、現れ得る任意の障害物をバイパスすることが許容される。この代替実施形態において、光はそれゆえ、発光要素から導波路を介して照明対象の基板のエリアまで伝送される。
【0050】
かかる設定において、導波路の第1端が光源4に結合され、この導波路の第2端が、
- この第1の層10の基板の下面に作られるブラインド開口となり得るキャビティ、又は
- 第1の層10の基板の厚さを通り抜ける貫通開口、及びこの基板の、ひいては第1の層10の上面及び下面の中に導波路の2つの端のそれぞれが入り込む開口、の中に配列されてよい。この第2端はそれゆえ、基板の上面から、ひいては外部時計要素2a、2bの可視面20aから、突出し得る。
【0051】
例示の設定において、間接照明は、この第1の層10の基板の下面に含まれる単一の光源4によって達成することができ、光源4が、第2端を含むいくつかの導波路に結合されるのは、これらの第2端が、
- それぞれがこの光源4から光放射を放射する複数のキャビティに配列される場合であって、この放射が外部時計要素2a、2bの外側へと、その可視面20aを介して逃げ、例えば、少なくとも一つのグラフィック表現が、特に暗闇の中で見えるように、このキャビティの底面に存在する場合、及び/又は
- インデックスタイプの参照要素のようなグラフィック表現を形成するべく、この層の上面から突出し又は突出しない複数の貫通開口であって、それぞれがこの光源4から光放射を放射する貫通開口に配列される場合である。
【0052】
この第1の層10の基板では、光源4は、前記キャビティにおいて、又は前述した貫通開口の内壁上において、印刷又は蒸着によりこの基板の下面に塗布/付着される。
【0053】
さらに留意すべきことだが、この第1の層10の下面は、第2の層11との接合に寄与し得るように、自己接着性を有し得る。
【0054】
外部時計要素2a、2bを形成するアセンブリ9a、9bにおいて、第2の層11は、光起電力モジュール5を含む基板を含む。この基板は可撓性又は柔軟性であることが好ましい。かかる基板は、この光起電モジュール5が配列されるフィルムとしてよく、例えば、この基板は、ポリマーファミリーに属する材料から作られてよい。かかる光起電モジュール5は好ましくは、第2の層11のこの基板の上面のいわゆるアクティブエリアの全体にわたって延びる。このアクティブエリアは、外部時計要素2a、2bの第1の層10の下面から入来する光を受けることができる基板のこの上面の一部である。第1の層10のすべて又は一部を通過したこの光は、外部時計要素2a、2bの外部環境、ひいては腕時計1の外部環境に由来し、この場合、それが天然起源であるとき主に太陽放射に由来する。留意すべきことだが、第1の層10は、視覚的に、特に人間の目にとって不透明に見えるように設定され得る一方、依然として太陽放射の通過を許容する。
【0055】
留意すべきことだが、光起電力モジュール5は、インクジェット若しくはスクリーン印刷プロセスを使用して、又は熱蒸着印刷プロセスを使用して、この基板の上面に塗布される。ここで、印刷された光起電力モジュールを含む第2の層11を、詳しくは第2の層11の基板に印刷された光起電力モジュールを、参照する。
【0056】
さらに、留意すべきことだが、ひとたび光起電力モジュール5が基板に塗布されると、この基板の上面及び/又は下面のすべて又は一部に自己接着性物質の層が堆積される。これらの条件のもと、第2の層11は、他の層10、12との、詳しくは、このアセンブリ9a、9bの第1の層10及び/又は第3の層12との、アセンブリ化/取り付け/接着を容易にするのに役立つ自己接着層としてよい。
【0057】
この第1代替実施形態において、アセンブリ9aはこの第3の層12を含み、この第3の層12はさらに、好ましくは可撓性の又は柔軟な基板を含む。この基板は、自律型照明デバイス3の電気蓄積器6を含む。この基板は、蓄積器6が配置されるフィルムとしてよい。かかる基板は、ポリマーファミリーに属する材料から作られてよい。
【0058】
留意すべきことだが、この蓄積器6は、リチウム電池又は半導体電池としてよい。かかる蓄積器6は、この基板の上面に、
- 可撓性ポリマー基板、例えばリチウム電池、への印刷プロセス、又は
- 例えばリチウム金属半導体電池のような半導体電池のための3次元印刷プロセス、のような先行技術において知られるプロセスを使用して塗布される。
【0059】
ここで、印刷された電気蓄積器6を含む第3の層12を、詳しくは第3の層12の基板に印刷された電気蓄積器6を、参照する。
【0060】
かかるプロセスは、可撓性かつ極薄のこの蓄積器6を含む第3の層12を得るべく使用される。
【0061】
さらに、留意すべきことだが、ひとたび蓄積器5が基板に塗布されると、この基板の上面及び/又は下面のすべて又は一部に自己接着性物質の層が堆積される。これらの条件のもと、第3の層12は、他の層11、13との、詳しくは、このアセンブリ9aの第2の層11及び/又は第4の層13との、アセンブリ化/取り付け/接着を容易にするのに役立つ自己接着層としてよい。
【0062】
留意すべきことだが、この蓄積器6は、光起電力モジュール5によって生成される電気エネルギーを貯蔵するために、及びその電気エネルギーを要求に応じて前記少なくとも一つの光源4に電力を供給するべく解放するために、使用される。
【0063】
図2及び
図3に示される第1代替実施形態において、このアセンブリ9aは、外部時計要素2aの隠れ面を形成するこの第4の層13を含む。この第4の層13は、制御ユニット7及び通信モジュール22を含む好ましくは可撓性の又は柔軟な基板によって形成される。かかる基板は、例えば、この制御ユニット7及び通信モジュール22が配列される可撓性PCBとしてよく、制御ユニット7及び通信モジュール22は、詳しくは、このPCBの、ひいては当該基板の、上面に配列される。この文脈において、通信モジュール22及び制御ユニット7は、3次元印刷プロセス又はポリマー印刷プロセスを使用して基板のこの上面に構築することができる。
【0064】
第2代替実施形態において、外部時計要素2bを形成するアセンブリ9bが、3つの相互接続層10、11、14を含む。留意すべきことだが、この第2代替実施形態は、第1代替実施形態のように4つとする代わりに3層10、11、14を含む点で第1代替実施形態とは異なる。この第2代替実施形態において、自律型照明デバイス3の電気蓄積器6がここでは、制御ユニット7及び通信モジュール22を有するこのアセンブリ9bの第3のかつ最終の層14に含まれる。
【0065】
外部時計要素2bの隠れ面を形成するこのような第3の層14は、好ましくは可撓性の又は柔軟な基板からなり、この基板に、好ましくはこの基板の上面に、蓄積器6、通信モジュール22、及び制御ユニット7を構成する電子回路8が構築される。このようにして、蓄積器6、通信モジュール22及び制御ユニット7を、3次元印刷プロセス又はポリマー印刷プロセスを使用して、基板のこの上面に構築することができる。留意すべきことだが、かかる基板は、例えば可撓性PCBとしてよい。
【0066】
要約すると、この第2代替実施形態において、アセンブリ9bはそれゆえ、
- 照明デバイス3の前記少なくとも一つの光源4を含む外部時計要素2bの可視面20aを形成する第1の層10と、
- 光起電力モジュール5を含む第2の層11と、
- 蓄積器6、通信モジュール22及び制御ユニット7を含む外部時計要素2bの隠れ面20bを形成する第3の層14と
を含む。
【0067】
留意すべきことだが、この第2代替実施形態において、第1及び第2の層10、11は、アセンブリ9aの第1代替実施形態のものと同様である。
【0068】
さらに、
図3及び
図5を参照すると、制御ユニット7の電子回路8は、第1の接続要素15aを含む。第1の接続要素15aは、前記少なくとも一つの光源4の接続要素16に、この光源4の動作を管理するように接続される。この電子回路8はさらに、蓄積器6の第1の接続要素17aに接続される第2の接続要素15bも含む。この蓄積器6はさらに、光起電力モジュール5の接続要素18に接続される第2の接続要素17bも含む。制御ユニット7の電子回路8はさらに、通信モジュール22の接続要素23に接続される第3の接続要素15cも含む。
【0069】
さらに留意すべきことだが、上述した照明デバイス3の事象センサは好ましくは、アセンブリ9a、9bの第1の層10及び/又は最終の層13、14に配列され、このデバイス3の制御ユニット7に接続される。
【0070】
図示しない第3代替実施形態において、外部時計要素を形成するアセンブリは、相互に接続された2つの層を含む。留意すべきことだが、この第3代替実施形態は、第2代替実施形態のように3つの層10、11、14の代わりに2つの層を含む点で第2代替実施形態とは異なる。この第3代替実施形態において、自律型照明デバイス3の光起電モジュール5がここでは、第1の層、特にこの第1の層を形成する基板の下面に含まれる。この光起電モジュール5は、インクジェット若しくはスクリーン印刷プロセスを使用して、又は熱蒸着印刷プロセスを使用して、この第1の層の基板の下面に塗布され得る。したがって、この第1の層がそれゆえ、この第3代替実施形態において第1の層が追加的に光起電モジュールを含むことを除き、第1代替実施形態及び第2代替実施形態の第1の層11と同様であることに留意すべきである。
【0071】
さらに、第3代替実施形態においても第2代替実施形態と同様に、自律型照明デバイス3の電気蓄積器6は、制御ユニット7とともにこのアセンブリの第2のかつ最終の層に含まれる。外部時計要素2bの隠れ面を形成するこのような第2の層14は、好ましくは可撓性の又は柔軟な基板からなり、この基板に、好ましくはこの基板の上面に、蓄積器6、及び制御ユニット7を構成する電子回路8が構築される。このようにして、蓄積器6及び制御ユニット7を、3次元印刷プロセス又はポリマー印刷プロセスを使用して、基板の上面に構築することができる。留意すべきことだが、かかる基板は、例えば可撓性PCBとしてよい。
【0072】
要約すると、この第3代替実施形態において、アセンブリはそれゆえ、
- 前記少なくとも一つの光源4と照明デバイス3の光起電モジュール5とを含む外部時計要素の可視面20aを形成する第1の層と、
- 前記蓄積器6と制御ユニット7とを含む外部時計要素の隠れ面20bを形成する第2の層と
を含む。
【0073】
このシステム100において、電子デバイス110及び腕時計1、詳しくは発光デバイス3が、これらの間の無線接続、好ましくは近距離無線接続を確立するように設定される。この接続は、この腕時計の電子デバイス110に対する位置が、かかる接続が確立されることを許容する距離において決定されてすぐに自動的に行われるようにしてよい。この接続がひとたび確立されると、このデバイス110とこの照明デバイス3とは、
- デバイス110を介して、前記少なくとも一つの光源4からの照明を制御するべく照明デバイス3が受信する少なくとも一つの命令を送信することによって、及び/又は
- デバイス110を介して、前記少なくとも一つの光源4のための照明ルールを設定するべく照明デバイス3が受信する少なくとも一つの命令を送信することによって、及び/又は
- 腕時計を介して、照明ルールを設定する前記少なくとも一つの命令の、制御ユニット7による実装を目的としてデバイス110の少なくとも一つの事象センサによって少なくとも一つの事象の検出の状態を確証するようにとの要求を送信することによって、データを交換し合うことができる。
【0074】
留意すべきことだが、これらのデータ交換は、このデバイス110と腕時計1との間に接続が確立されるとすぐに、特にアプリケーションが電子デバイス110のコントローラ24によって実行されるときに実装される。
【0075】
言うまでもないことだが、本発明は、上述した実施形態に限られることはなく、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲から逸脱することなく当業者によって様々な簡単な修正例及び代替実施形態が考慮され得る。
【手続補正書】
【提出日】2024-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律型照明デバイス(3)を備える少なくとも一つの外部時計要素(2a、2b)を含む腕時計(1)の照明機能を調整するシステム(100)であって、
通信ユニット(25)と、前記通信ユニット(25)を制御するべく設定されるコントローラ(24)とを備える携帯型電子のデバイス(110)を含み、
前記自律型照明デバイス(3)は、一緒に接続された複数の積層された層(10、11、12、13、14)のアセンブリ(9a、9b)から形成され、各層は、
前記少なくとも一つの外部時計要素(2a、2b)の本体の可視面(20a)において光を生成することができる少なくとも一つの光源(4)と、
自給式電源ユニット(21)と、
通信モジュール(22)と、
前記少なくとも一つの光源(4)のオン又はオフの切り替えを制御して前記通信モジュール(22)を制御するべく設定される制御ユニット(7)と
である機能要素のうちの一以上を含み、
前記外部時計要素(2a、2b)と前記デバイス(110)とは互いに接続されて前記少なくとも一つの外部時計要素(2a、2b)の照明を調整するように設定される、システム(100)。
【請求項2】
前記デバイス(110)は、前記少なくとも一つの光源(4)からの照明を制御する少なくとも一つの命令を生成して前記外部時計要素(2a、2b)に送信するように設定される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記デバイス(110)は、前記少なくとも一つの光源(4)のための照明ルールを設定する少なくとも一つの命令を生成して前記外部時計要素(2a、2b)に送信するように設定される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記制御ユニット(7)は、前記少なくとも一つの光源(4)からの照明を制御するべく前記外部時計要素(2a、2b)が受信する前記少なくとも一つの命令の機能として、前記少なくとも一つの外部時計要素(2a、2b)の照明を制御するように設定される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項5】
前記制御ユニット(7)は、前記少なくとも一つの光源(4)のための照明ルールを設定するべく前記外部時計要素(2a、2b)が受信する前記少なくとも一つの命令の機能として、前記少なくとも一つの外部時計要素(2a、2b)の照明を制御するように設定される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項6】
前記コントローラ(24)は、
前記少なくとも一つの外部時計要素(2a、2b)の照明のための複数のモードであって、前記外部時計要素(2a、2b)の前記少なくとも一つの光源(4)からの照明を制御する命令を構成し得る複数のモード、及び/又は
前記少なくとも一つの外部時計要素の照明のための複数のシナリオであって、前記外部時計要素2a、2bの前記少なくとも一つの光源4のための照明ルールを設定する命令を構成し得る複数のシナリオ
を含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項7】
前記通信ユニット(25)と前記通信モジュール(22)とは、無線通信、詳しくは近距離無線通信を確立することによって互いに接続されるように設定される、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項8】
前記アセンブリ(9a)は、
前記外部時計要素(2a、2b)の前記少なくとも一つの光源(4)を含む前記外部時計要素(2a、2b)の可視面(20a)を形成する第1の層(10)と、
前記自給式電源ユニット(21)の光起電力モジュール(5)を含む第2の層(11)と、
前記自給式電源ユニット(21)の電気蓄積器(6)を含む第3の層(12)と、
前記制御ユニット(7)及び前記通信モジュール(22)を含む前記外部時計要素(2a)の隠れ面(20b)を形成する第4の層(13)と
を含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項9】
前記アセンブリ(9b)は、
前記外部時計要素(2a、2b)の前記少なくとも一つの光源(4)を含む前記外部時計要素(2b)の可視面(20a)を形成する第1の層(10)と、
前記自給式電源ユニット(21)の光起電力モジュール(5)を含む第2の層(11)と、
前記自給式電源ユニット(21)の電気蓄積器(6)、前記制御ユニット(7)、及び前記通信モジュール(22)を含む前記外部時計要素(2b)の隠れ面(20b)を形成する第3の層(14)と
を含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項10】
前記アセンブリ(9a、9b)の第1の層(10)が、前記制御ユニット(7)に接続される少なくとも一つの事象センサを含む、請求項1に記載のシステム(100)。
【外国語明細書】