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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091449
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】時計外部要素を含む時計
(51)【国際特許分類】
   G04B 19/30 20060101AFI20240627BHJP
   G04G 9/00 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
G04B19/30 A
G04G9/00 308A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023191725
(22)【出願日】2023-11-09
(31)【優先権主張番号】22215944.4
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】591048416
【氏名又は名称】ウーテーアー・エス・アー・マニファクチュール・オロロジェール・スイス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ユオ―マルシャン、 シルバン
(72)【発明者】
【氏名】デュビュニョン、 ドミニク
【テーマコード(参考)】
2F002
【Fターム(参考)】
2F002AA06
2F002AB02
2F002AE01
2F002EA02
2F002EB06
2F002EH04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】自律型照明デバイスを備える透明又は半透明の本体によって形成される可視面を備える少なくとも一つの時計外部要素を含む時計に関する。
【解決手段】時計外部要素2aは、一緒に接続された複数の積層された層10,11,12,13のアセンブリ9aによって形成され、各層は、照明デバイス3の以下の機能要素、すなわち、・時計外部要素の可視面20aにおいて光を生成することができる少なくとも一つの光源4と、・自給式電源ユニット21と、・光源の動作を管理するべく構成される制御ユニット7とを備え、少なくとも一つの光源は、時計外部要素において局所的な照明をもたらすべく、時計外部要素の可視面の点又は準点エリア28において局所的な光をもたらすように設定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律型照明デバイス(3)を備える透明又は半透明の本体によって形成される可視面(20a)を備える少なくとも一つの時計外部要素(2a,2b,2c)を含む時計(1)であって、
前記時計外部要素(2a,2b,2c)は、一緒に接続された複数の積層された層(10,11,12,13,14)のアセンブリ(9a,9b)によって形成され、各層は、前記照明デバイス(3)の以下の機能要素、すなわち、
- 前記時計外部要素(2a,2b,2c)の前記可視面(20a)において光を生成することができる少なくとも一つの光源(4)と、
- 自給式電源ユニット(21)と、
- 前記光源(4)の動作を管理するべく構成される制御ユニット(7)と
を備え、
前記少なくとも一つの光源(4)は、前記時計外部要素(2a,2b,2c)において局所的な照明をもたらすべく、前記時計外部要素(2a,2b,2c)の前記可視面(20a)の点又は準点エリア(28)において局所的な光をもたらすように設定される、時計(1)。
【請求項2】
前記アセンブリ(9a,9b)は、前記少なくとも一つの点光源(4)を備える前記可視面(20a)を形成する第1の層(10)からなる、請求項1に記載の時計(1)。
【請求項3】
各点光源(4)が、
- 発光要素、
- 量子ドット又は量子箱である、請求項1及び2のいずれか一項に記載の時計(1)。
【請求項4】
前記アセンブリ(9a)は、前記第1の層(10)に加え、以下の連続する層、すなわち、
- 前記自給式電源ユニット(21)を構成する光起電力モジュールを備える第2の層(11)と、
- 前記自給式電源ユニット(21)を構成する電気蓄積器(6)を備える第3の層(12)と、
- 前記制御ユニット(7)を備える前記時計外部要素(2a,2c)の隠れ面(20b)を形成する第4の層と
を備える、請求項1に記載の時計(1)。
【請求項5】
前記アセンブリ(9b)は、前記第1の層(10)に加え、以下の連続する層、すなわち、
- 前記自給式電源ユニット(21)を構成する光起電力モジュールを備える第2の層(11)と、
- 前記制御ユニット(7)と前記自給式電源ユニット(21)を構成する電気蓄積器(6)とを備える前記時計外部要素(2b,2c)の隠れ面(20b)を形成する第3の層(14)と
を備える、請求項1に記載の時計。
【請求項6】
前記機能要素は、前記少なくとも一つの時計外部要素(2a,2b,2c)を形成する前記アセンブリ(9a,9b)の層(10,11,12,13,14)を構成する基板に印刷される、請求項1に記載の時計(1)。
【請求項7】
前記第1の層(10)は、前記アセンブリ(9a,9b)における可撓性の他の層(11,12,13,14)よりも剛性である、請求項1に記載の時計(1)。
【請求項8】
前記点光源(4)は、照明され得る前記可視面(20a)の各点又は準点エリア(28)が、単一の単色点光源(4)により照明され得るように設定される、請求項1に記載の時計(1)。
【請求項9】
前記点光源(4)は、照明され得る前記可視面(20a)の各点又は準点エリア(28)が、異なる光色を有するいくつかの点光源(4)により照明され得るように設定される、請求項1に記載の時計(1)。
【請求項10】
前記少なくとも一つの時計外部要素(2a,2b,2c)は、裏部(24)、中間部(23)、文字盤(32)、腕輪ストランド(30)、ベゼル(26)、フランジ、押しボタン、巻き取りボタン、及び/又はキャップがはめ込まれた巻き取りボタン、のうちの一つから選択される、請求項1に記載の時計(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、完全自律の照明デバイスを備える少なくとも一つの時計外部要素を含む局所的な照明を有する時計に関する。詳しくは、本発明は、機能的、美的及び/又は娯楽目的のためのオリジナルな局所的照明効果を特徴とする時計に関する。
【背景技術】
【0002】
改善された美的外観を有する腕時計のような時計を作ることは、時計製造業者にとって、特に、様々な外部要素を設計する責任者にとって、常に悩みの種である。できるだけきれいで見た目のよい外観を時計に与えるべく検討されてきたすべての解決策をここに列挙するには時間がかかりすぎる。例としては、文字盤に使用されるエンジン回転技術、文字盤アップリケ又は針の形状及び/又は色、並びに貴石や半貴石の追加がある。
【0003】
この文脈において、先行技術の欠点を有することのない解決策であって、美的、予想外及び機能的いずれもの外観の時計を顧客に提供することを目的とする解決策を見出す必要があることが理解される。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、局所的な照明をいくつかの点(point)に有する時計であって、機能的、美的、及び/又は娯楽的な目的のためのオリジナルな局所的照明効果を簡単に生成及び提供する時計を与えることによって、先行技術の欠点を克服する。
【0005】
この目的のために、本発明は、少なくとも一つの時計外部要素を含む時計に関し、この少なくとも一つの時計外部要素は、自律型照明デバイスを備える透明又は半透明の本体によって形成される可視面を備え、前記時計外部要素は、一緒に接続された複数の積層された層のアセンブリによって形成され、各層は、前記照明デバイスの以下の機能要素、すなわち、
- 時計外部要素の可視面において光を生成することができる少なくとも一つの光源と、
- 自給式電源ユニットと、
- 光源の動作を管理するべく構成される制御ユニットとのうちの一以上を含み、
前記少なくとも一つの光源は、前記時計外部要素において局所的な照明をもたらすべく、時計外部要素の可視面の点又は準点エリアにおいて局所的な光をもたらすように設定される。
【0006】
他実施形態において、
- 前記アセンブリは、前記少なくとも一つの点光源を備える可視面を形成する第1の層からなり、
- 各点光源は発光要素であり、
- 各点光源は量子ボックス又は量子ドットである。
- 前記アセンブリは、第1の層に加え、以下の連続する層、すなわち、
・自給式電源ユニットを構成する光起電力モジュールを備える第2の層と、
・自給式電源ユニットを構成する電気蓄積器を備える第3の層と、
・制御ユニットを備える時計外部要素の隠れ面を形成する第4の層と
を備え、
- 前記アセンブリは、第1の層に加え、以下の連続する層、すなわち、
・自給式電源ユニットを構成する光起電力モジュールを備える第2の層と、
・制御ユニットと自給式電源ユニットを構成する電気蓄積器とを備える時計外部要素の隠れ面を形成する第3の層と
を備え、
- 機能要素が、前記少なくとも一つの時計外部要素を形成するアセンブリの層を構成する基板に印刷され、
- 第1の層は、アセンブリにおける他の層と比べて剛性であり、
- 点光源は、照明され得る可視面の各点又は準点エリアが、単一の単色点光源により照明され得るように設定され、
- 点光源は、照明され得る可視面の各点又は準点エリアが、異なる光色を有するいくつかの点光源により照明され得るように設定され、
- 前記少なくとも一つの時計外部要素は、以下すなわち、裏部、中間部、文字盤、腕輪ストランド、ベゼル、フランジ、押しボタン、巻き取りボタン、及び/又はキャップがはめ込まれた巻き取りボタンのうちの一つから選択される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明に係る目的、利点及び特徴が、図面を介して示される少なくとも一つの非制限的な実施形地に基づいて以下の記載に明確に現れる。
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る自律型照明デバイスを備える文字盤のような時計外部要素を備える時計のケースの断面図である。
図2】自律型照明デバイスを備える前記文字盤を形成する4つの積層された層のアセンブリの第1代替実施形態の分解図を示す。前記層はそれぞれが、本発明の実施形態に係る照明デバイスの一以上のコンポーネント要素を備える。
図3】本発明の実施形態に係る自律型照明デバイスを備える文字盤を形成する複数層のアセンブリのこの第1代替実施形態の模式的な図を示す。
図4】自律型照明デバイスを備える前記文字盤を形成する3つの積層された層を備えるアセンブリの第2代替実施形態の分解図を示す。前記層はそれぞれが、本発明の実施形態に係る照明デバイスの一以上のコンポーネント要素を備える。
図5】本発明の実施形態に係る自律型照明デバイスを備える文字盤を形成する複数層のアセンブリのこの第2代替実施形態の模式的な図を示す。
図6】本発明の実施形態に係る複数の光源を備えるベゼルのような時計外部要素を備える時計の上面図である。
図7】本発明の実施形態に係る複数の光源を備えるベゼルのような時計外部要素を備える時計の上面図である。
図8】本発明の実施形態に係る複数の光源を備えるベゼルのような時計外部要素を備える時計の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、一以上の点光源4を時計1の少なくとも一つの時計外部要素2a、2b、2cに収容することからなる一般的な着想から引き出される。この時計外部要素2a、2b、2cは、「可視部分」又は「可視上部」とも称される透明又は半透明の本体によって形成される可視面20aを備え、さらには、隠れ面20bであって、それ以外にはこの要素2a、2b、2cの「隠れ部分」又は「隠れ下部」とも称される隠れ面20bも備える。この設定において、各光源4が生成した光は、当該時計外部要素2a、2b、2cのこの可視面20aの点又は準点エリア28に局所化され、前記時計外部要素2a、2b、2cへの局所的な照明をもたらす。これにより、局所的な照明をいくつかの点に有する時計であって、機能的、美的、及び/又は娯楽的な目的のためのオリジナルな局所的照明効果を簡単に生成及び提供する時計1が得られる。照明がオンになると、時計外部要素2a、2b、2cにおける局所的照明エリア28は、構造と設置された照明パワーに応じて、程度の差はあってもハードな(hard)散乱性の光を伝送するので、時計外部要素2a、2b、2cの非照明部分と比べて機能的及び/又は美的な効果をもたらす。
【0010】
留意すべきことだが、かかる照明は、程度の差はあっても散乱性の、控えめな、ソフトな、及び快適な外観を有することができ、これらの特徴は、所望の審美的結果に応じて実質的に無限に変えられるので、これにより時計1の最終的な審美的品質が向上する。
【0011】
本発明に係るそのような時計1は、例えば、電子式、電気機械式及び/又は機械式の腕時計であってよく、詳しくはスポーツウォッチ又はいわゆる「高級」腕時計としてよい。
【0012】
本発明の文脈において、「点又は準点エリア」とは、当該時計外部要素2a、2b、2cの本体の可視面20aの上/中における任意の局所的なエリアを意味するものと理解され、人間の目によって隣接エリアから分離して認識されるような寸法を有する。
【0013】
この時計において、時計外部要素2a、2b、2cは、ムーブメント31を取り囲む時計1のコンポーネント部品のすべてに対応し、ひいてはこの時計1にその美観及び様式を与え、さらにはその機能すべてが示されることも許容する。具体的には、図1及び図6を参照すると、ここで考慮されるこれらのコンポーネント部分は、非網羅的かつ非限定的な態様で、裏部24、中間部23、文字盤32、腕輪ストランド29、ベゼル26、押しボタン、フランジ、針、巻き取りボタン、及び/又は巻き取りボタンキャップを含む。
【0014】
以下の説明において、当業者にとって周知の時計1の部品はすべて、簡単な態様でのみ説明される。
【0015】
図1は中間部の断面図である。この中間部は、裏部24及び文字盤32と一緒になって、この時計1のケース22の内部容積を画定する。ケース22は、クリスタル25によって頂部が閉じられる。この説明の目的のために、時計1が機械式腕時計であることと、ムーブメント31がケース22の中に配置されていることとが仮定される。この設定において、この時計1の少なくとも一つの時計外部要素2a、2b、2cは、少なくとも一つの点光源4を備える自律型照明デバイス3(図1図2及び図4において可視)を備える。前記少なくとも一つの光源4によって発せられた光は、照明対象となる時計外部要素2a、2b、2c、すなわち、図1に示される特定の実施形態における文字盤32、又は図6図8に示される一実施形態におけるベゼル26、の点又は準点エリアを照明する。この目的のために、各点光源4が発した光が、例えば、任意の周囲のコリメーション手段又は合焦手段によって当該点又は準点エリア28に向けてコリメート又は合焦される。
【0016】
留意すべきことだが、記載される発明のこの例示の実施形態において、時計ムーブメント31は機械式ムーブメントである。一代替実施形態において、このムーブメント31は、電子式ムーブメント又は電気機械式ムーブメントであってよい。腕時計は、ここで、そのムーブメントが機械式である場合に機械式と称され、電気機械式又は電子式ムーブメントそれぞれを備える場合に電気機械式又は電子式と称される。
【0017】
この構成において、時計ムーブメント31は、当業者に知られる態様で、時針、分針、及び随意的に秒針を備える針27を駆動する。これを目的として、文字盤32、2a、2bは、針の心棒を受容する貫通孔を含む。
【0018】
図1に示される特定の実施形態において、時計外部要素2a、2b(この場合は文字盤32)が、自律型照明デバイス3を備える。この照明デバイス3は、後にわかることだが、それ自身の電源手段を有する。かかる照明デバイス3は、特に時計1のムーブメント31に関して、及びこのムーブメント31の動力源に関して、例えば、電気機械式ムーブメント又は電子式ムーブメントにおいてのように、この動力源が電源である場合に、自律的といえる。これらの条件のもと、この照明デバイス3によって使用される電力が、ムーブメント31の自律性を損なうようには使用されないことが理解される。
【0019】
この照明デバイス3は、以下の機能要素、前記すなわち少なくとも一つの点光源4、一の電源ユニット21、及び一の制御ユニット7を備える。
【0020】
この照明デバイス3において、電源ユニット21は、電気蓄積器6と、太陽電池とも称される光起電力モジュール5とを備える。光起電力モジュール5は、図3及び図5において参照番号17b及び18が与えられる接続要素を介して電気蓄積器6に接続される。光起電力モジュール5は、並列又は直列に接続されたヘテロ接合又はマルチ接合タイプの一以上のユニットセルを備え得る。このモジュール5の光起電力セルは、当業者に知られた態様で、銅、インジウム、ガリウム及びセレンを包含する半導体材料、テルル化カドミウムを包含する半導体材料、単結晶ガリウム砒素を包含する半導体材料、若しくは単結晶シリコン若しくは多結晶シリコンを包含する半導体材料、又はペロブスカイトから作られてよい。留意すべきことだが、これらの例は限定的ではなく、当業者は本発明に適したタイプの光起電力セルを見出し得る。
【0021】
この照明デバイス3において、マイクロコントローラとも称される制御ユニット7は電子回路8を備える。電子回路8は、ハードウェアリソース、特に、メモリ要素並びにアドレスバス、データバス及び制御バスと協働する少なくとも一つのプロセッサ、を含む。この制御ユニット7は、そのメモリ要素の中に、前記少なくとも一つの光源4の発光を管理するアルゴリズムを含む。かかるアルゴリズムは、この制御ユニット7のプロセッサによって、前記少なくとも一つの光源4の動作を管理するべく、特に照明デバイス3に含まれる事象センサからのデータを考慮して実行される。
【0022】
留意すべきことだが、かかるデータは、例えば、これらのセンサによって検出される事象に関連する情報を与えてよい。前記事象は、当該少なくとも一つの光源4の動作に寄与する可能性が高い。これらの事象は、時計1の環境における特定輝度レベルの検出、特定音要素又は特定音レベルの検出、特定視対象の検出、この時計1によりなされる動きの検出等を、非限定的かつ非網羅的な態様で含み得る。
【0023】
この文脈において、この自律型照明デバイス3の事象センサは特に、非限定的かつ非網羅的な態様で、
- 周囲輝度レベルを検出する輝度センサ、
- ジャイロ及び/又は慣性電気機械的マイクロシステム回路タイプの電子コンポーネントの形態にあるジャイロ及び/又は慣性センサのような動きセンサ、
- マイクロフォンタイプの音センサ、及び/又は
- 写真センサタイプの光センサ、を含む。
【0024】
この制御ユニット7が、複数の光源4の動作を同時に及び/又は連続して管理/制御できることにさらに留意すべきである。さらに、各光源4は、この制御ユニットによって別個に管理/制御される。この文脈において、各光源4の動作の管理は、非限定的かつ非網羅的な態様で、以下の動作、すなわち、2以上の光源4の順次のスイッチオン/オフ若しくは同時のスイッチオン/オフ、一以上の光源4の点滅、又は、各光源4の点滅周波数、各光源4の点滅時間、若しくは各発光源4のスイッチオン/オフ時間等の画定、からなり得る。
【0025】
かかる制御ユニット7はさらに、そのメモリ要素に、電気蓄積器6を管理するためのアルゴリズム、詳しくは光起電力モジュール5によるその充電を管理するための、及び前記光源4の電気消費を管理するためのアルゴリズム、を含んでよい。
【0026】
図2図8を参照すると、上述したように、自律型照明デバイス3はそれゆえ、時計外部要素2a、2b、2cに含まれる。この構成において、この照明デバイス3の機能要素が、すなわち光源4、電気蓄積器6、光起電力モジュール5及び制御ユニット7が、時計外部要素2a、2b、2cを形成する一以上の層10、11、12、13、14に含まれる。
【0027】
換言すれば、この時計外部要素2a、2b、2cの本体が、照明デバイス3の一以上の機能要素をそれぞれが備える複数の積層された層10、11、12、13、14が一緒になるように接続されたアセンブリ9a、9bによって形成される。
【0028】
このアセンブリ9a、9bにおいて、層10、11、12、13、14は、一体化されるように接着物質のような接合要素によって一緒に接合され、モノリシックなアセンブリ9a、9bが得られ、ひいては一体型時計外部要素2a、2bが形成される。かかる層10、11、12、13、14は、アセンブリ9a、9bに積層され、画定された順序で一方が他方の上に配列される。
【0029】
すなわち、かかる一体型時計外部要素2a、2b、2c(例えば、文字盤、ベゼル)は、時計1のケースにおいて取り外し可能に取り付けられるという付加的な利点を、かかるケースの中に又は上に統合することが容易になるという利点に加えて有する。
【0030】
具体的には、第1代替実施形態及び第2代替実施形態において、このアセンブリ9a、9bは、時計外部要素2a、2b、2cの可視面20aを形成/構成する第1の層10を備える。かかる第1の層10は、透明、半透明、少なくとも部分的に透明、又は少なくとも部分的に半透明の、剛性又は半剛性の基板によって形成される。かかる基板は、太陽放射、特にUVT(「紫外線透過」(Ultra-Violet Transmission))としても知られる紫外線放射、のような光放射に対する透過率が65から95パーセントとなる材料から作られる。この透過率は好ましくは85パーセントである。かかる材料は透明又は半透明となり得る。この材料は、非網羅的かつ非限定的な態様で、ポリマー、ガラス又はセラミックとしてよい。
【0031】
この文脈において、この基板は、
- 前記少なくとも一つの光源4によって生成された光が、時計外部要素2a、2b、2cの外側、ひいては時計1の外側に逃げることができ、
- 時計1の環境からの光が、照明デバイス3の光起電力モジュール5の方向に時計外部要素2a、2b、2cを透過することができ、この光は、天然起源の場合、太陽放射を備える。
【0032】
換言すれば、この透明又は半透明の基板は、太陽放射のような光放射が透過して光起電力モジュール5に電力を供給するように設定され、光起電力モジュール5は、太陽エネルギーをこの放射から電気エネルギーに変換し得る。
【0033】
かかる第1の層10は、時計外部要素2a、2b、2cの照明デバイス3の前記少なくとも一つの光源4を備える。
【0034】
このデバイス3において、発光要素のような任意のタイプの点光源4、例えば、
- 頭文字語LECにより知られる発光キャパシタ、
- LED、OLED(有機発光ダイオード)、AMOLED(アクティブマトリックス式有機発光ダイオード)又はQLED(量子発光ダイオード)タイプの発光ダイオード、
- 局所電場によりアクティブにされる任意の発光材料、
- 電流によりアクティブにされる任意の発光材料、
- これらの発光要素の任意の組み合わせ、を使用することができる。
【0035】
この前記少なくとも一つの光源4は、第1の層10を形成する基板の上に又は中に特定の態様で配列される。光源4のかかる配列は、時計外部要素2a、2b、2cの可視面20aのすべて又は一部を照明するように設定される。例えば、この時計外部要素2a、2b、2cが、図1に示される文字盤32、又は図6図8に示されるベゼル26である場合、この文字盤32、2a、2bの又はベゼル26、2cの可視面20aのすべて又は一部を照明することができ、又は、この可視面20aの中に若しくは下面上に存在する少なくとも一つのグラフィック表現、例えば、
- 例えば、針の有無にかかわらず、時計情報/パラメータ、若しくはムーブメント31に含まれるセンサ等によって測定された物理情報/パラメータの表示に寄与する数字、インデックス、線、又は点でさえもよい参照(又は表示)要素、
- 碑文、模様、テキスト、ロゴ等、を照明することができる。
【0036】
この照明は、光源4が基板に画定されるキャビティに配列される場合、バックライト又は半直接照明であってよい。具体的には、このキャビティは、この基板の下面に作られるブラインド開口としてよい。この設定において、このキャビティの底面がグラフィック表現を含む場合、この光源4によって生成された光放射又は光が、文字盤2aの外側に、この文字盤2aの可視面20aを介して逃げ得るので、少なくとも一つのグラフィック表現を暗闇で見ることができる。特に、可視面20aから逃げる光放射が、このグラフィック表現の輪郭を描く。この文脈において、第1の層10を形成する基板の上面上若しくは中に又は下面上若しくは中に含まれるこのグラフィック表現は、不透明又は非半透明若しくは非透明であることが好ましい。
【0037】
この照明は、光源4が基板に画定されたキャビティに配列される場合、直接照明としてよい。このキャビティは、この基板の下面に作られたブラインド開口としてよく、その底面にはいかなるグラフィック表現もない。この設定において、この光源4によって生成された光放射又は光は、このキャビティの底面を通って文字盤2aの外側に向かって逃げ、ひいてはこの文字盤2aの可視面20aを通って逃げ得る。
【0038】
この照明はまた、基板に作られたキャビティに光源4が配列される場合、直接照明としてよい。この文脈において、この開口は、第1の層10の基板の厚さを貫通し、その両端それぞれが、この基板の上面及び下面に開口する。この設定において、光源4のすべて又は一部が、この基板の上面から、ひいてはこの時計外部要素2a、2a、2cの可視面20aから、突出し得る。
【0039】
かかる照明はまた、前記少なくとも一つの光源4が少なくとも一つの導波路に結合される場合、間接照明としてよい。この導波路は、光ガイドとも称され、光がガイドに入射した場所から、照明対象の時計外部要素2a、2b、2cの点又は準点エリア28まで光を伝達させ得る。光ガイドは、例えば、光が通って逃げる光ファイバであり、この光ファイバにより、発光要素と基板の関連点又は準点エリア28との間で基板に現れ得る任意の障害物をバイパスすることが許容される。この代替実施形態において、光が、導波路を介して発光要素から、照明対象の基板の点又は準点エリアまで搬送される。
【0040】
かかる設定において、導波路の第1端が光源4に結合され、この導波路の第2端が、
- この第1の層10の基板の下面に作られるブラインド開口となり得るキャビティ、又は
- 第1の層10の基板の厚さを通り抜けてその2つの端のそれぞれにおいてこの基板の、ひいては第1の層10の上面及び下面に開口する貫通開口、の中に配列されてよい。この第2端はそれゆえ、基板の上面から、ひいては時計外部要素2a、2b、2cの可視面20aから、突出し得る。
【0041】
この文脈において、間接照明を、この第1の層10の基板の下面に含まれる単一の発光源4であって、いくつかの導波路に結合された単一の発光源4によって達成することができ、導波路の第2端は、
- それぞれがこの光源4から光放射を放射する複数のキャビティであって、この放射が時計外部要素2a、2b、2cの外側へと、その可視面20aを介して逃げ、それゆえ、少なくとも一つのグラフィック表現が、特に暗闇の中で見えるようにこのキャビティの底面に配置されている複数のキャビティに配列され、及び/又は
- マーカー要素のようなグラフィック表現を形成するべく、この第1の層10の基板の上面から突出し又は突出しない複数の貫通開口であって、それぞれがこの光源4から光放射を放射する貫通開口に配列される。
【0042】
この第1の層10の基板では、光源4は、前記キャビティにおいて、又は前述した貫通開口の内壁上において、印刷又は蒸着によりこの基板の下面に塗布/付着される。
【0043】
本発明の特定実施形態において、紫外、紫色、青色、白色又は赤外の光をそれぞれが発する複数の発光要素が、時計外部要素2a、2b、2cの可視面20aを形成する第1の層10の基板であって、蛍光性粒子及び/又は燐光性粒子が充填された少なくとも部分的に透明又は半透明の材料を備える第1の層10の基板、と組み合わせて使用される。第1の層10の基板は、当該基板の下面の中から又は当該基板の下面から光が逃げることが意図される一以上の場所において充填される。このようにして、蛍光性粒子及び/又は燐光性粒子が、各発光要素が発する放射を吸収して均質な可視光を再発光する。選択された蛍光性粒子及び/又は燐光性粒子のタイプに応じて、発光効果は、光源4がオフに切り替えられとすぐに停止し、又は残光効果の結果として継続する。代替的に、図には示されないが、点光源は、量子ドット又は量子箱としてよい。
【0044】
本発明の特定実施形態において、各点光源4は単色光源であり、照明され得る第1の層10の基板の各点又は準点エリア28は、単一の単色点光源4によって照明される。本発明の他実施形態において、点光源4は異なる光色を有するように設定され、照明され得る基板の各点又は準点エリア28が、この場合、これらの点光源4のうちのいくつかによって照明される。また、他実施形態において、各光源4は異なる色の間で変化し得ることにも留意すべきである。
【0045】
さらに、この第1の層10の下面は、第2の層11との組み付け(アセンブリ化)に寄与し得るように、自己接着性を有し得ることにも留意すべきである。
【0046】
時計外部要素2a、2b、2cを形成するアセンブリ9a、9bにおいて、第2の層11は、光起電力モジュール5を含む基板を備える。この基板は可撓性又は柔軟性であることが好ましい。かかる基板は、この光起電モジュール5が配列されるフィルムとしてよく、例えば、この基板は、ポリマーファミリーに属する材料から作られてよい。かかる光起電モジュール5は好ましくは、第2の層11のこの基板の上面のいわゆるアクティブエリアの全体にわたって延びる。このアクティブエリアは、時計外部要素2a、2b、2cの第1の層10の下面から入来する光を受光し得る基板のこの上面の一部である。第1の層10のすべて又は一部を通過したこの光は、時計外部要素2a、2b、2cの、ひいては時計1の外部環境に由来し、この場合、それが天然起源である場合には主に太陽放射に由来する。
【0047】
留意すべきことだが、光起電力モジュール5は、インクジェット若しくはスクリーン印刷プロセスを使用して、又は熱蒸着印刷プロセスを使用して、この基板の上面に塗布される。ここで、光起電力モジュール5を備える第2の層11を、詳しくは第2の層11の基板に印刷された光起電力モジュール5を、参照する。
【0048】
さらに、留意すべきことだが、ひとたび光起電力モジュール5が基板に塗布されると、この基板の上面及び/又は下面のすべて又は一部に自己接着物質の層が堆積される。これらの条件のもと、第2の層11は、他層との、詳しくは、このアセンブリ9a、9bの第1の層10及び/又は第3の層12との、アセンブリ化/取り付け/接着を容易にするのに役立つ自己接着層としてよい。
【0049】
この第1代替実施形態において、アセンブリ9aはこの第3の層12を備え、この第3の層12はさらに、好ましくは可撓性の又は柔軟な基板を備える。この基板は、自律型照明デバイス3の電気蓄積器6を備える。この基板は、蓄積器6が配置されるフィルムとしてよい。かかる基板は、ポリマーファミリーに属する材料から作られてよい。
【0050】
この蓄積器6は、リチウム電池又は半導体電池としてよい。かかる蓄積器6は、この基板の上面に、
- 可撓性ポリマー基板、例えばリチウム電池、への印刷プロセス、又は
- 例えばリチウム金属半導体電池のような半導体電池のための3次元印刷プロセス、のような先行技術において知られるプロセスを使用して塗布される。
【0051】
ここで、印刷された電気蓄積器6を備える第3の層12を、詳しくは第3の層12の基板に印刷された電気蓄積器6を、参照する。
【0052】
かかるプロセスは、可撓性かつ極薄のこの蓄積器6を備える第3の層12を得るべく使用される。
【0053】
さらに、留意すべきことだが、ひとたび蓄積器5が基板に塗布されると、この基板の上面及び/又は下面のすべて又は一部に自己接着物質の層が堆積される。これらの条件のもと、第3の層12は、他層との、詳しくは、このアセンブリ9aの第2の層11及び/又は第4の層13との、アセンブリ化/取り付け/接着を容易にするのに役立つ自己接着層としてよい。
【0054】
留意すべきことだが、この蓄積器6は、光起電力モジュール5によって生成される電気エネルギーを貯蔵するために、及びその電気エネルギーを要求に応じて前記少なくとも一つの光源4に電力を供給するべく解放するために、使用される。
【0055】
図1図2及び図3に示される第1代替実施形態において、このアセンブリ9aは、時計外部要素2a、2cの隠れ面20bを形成するこの第4の層13を備える。この第4の層13は、制御ユニットを備える好ましくは可撓性の又は柔軟な基板によって形成される。かかる基板は、例えば、この制御ユニット7が配列される可撓性PCBとしてよく、この制御ユニット7は、詳しくは、このPCBの、ひいては当該基板の、上面に配列される。この文脈において、制御ユニット7は、3次元印刷プロセス又はポリマー印刷プロセスを使用して基板のこの上面に構築することができる。
【0056】
図4及び図5に示される第2代替実施形態において、時計外部要素2b、2cを形成するアセンブリ9bが、3つの相互接続層10、11、14を備える。留意すべきことだが、この第2代替実施形態は、第1代替実施形態のように4層10、11、12、13とする代わりに3層10、11、14を備える点で第1代替実施形態とは異なる。この第2代替実施形態において、自律型照明デバイス3の電気蓄積器6がここでは、制御ユニット7を有するこのアセンブリ9bの第3のかつ最終の層14に含まれる。
【0057】
時計外部要素2bの隠れ面を形成するこのような第3の層14は、好ましくは可撓性の又は柔軟な基板からなり、この基板に、好ましくはこの基板の上面に、制御ユニット7を構成する蓄積器6及び電子回路8が構築される。このようにして、蓄積器6及び制御ユニット7を、3次元印刷プロセス又はポリマー印刷プロセスを使用して、基板のこの上面に構築することができる。留意すべきことだが、かかる基板は、例えば可撓性PCBとしてよい。
【0058】
要約すると、この第2代替実施形態において、アセンブリ9bはそれゆえ、
- 照明デバイス3の前記少なくとも一つの光源4を含む時計外部要素2b、2cの可視面20aを形成する第1の層10と、
- 光起電力モジュール5を含む第2の層11と、
- 蓄積器6及び制御ユニット7を含む時計外部要素2b、2cの隠れ面20bを形成する第3の層14と
を備える。
【0059】
留意すべきことだが、この第2代替実施形態において、第1及び第2の層10、11は、アセンブリ9aの第1代替実施形態のものと同様である。
【0060】
さらに、図3及び図5を参照すると、制御ユニット7の電子回路8は、第1の接続要素15aを備える。第1の接続要素15aは、前記少なくとも一つの光源4の接続要素16に、この光源4の動作を管理するように接続される。この電子回路8はさらに、蓄積器6の第1の接続要素17aに接続される第2の接続要素15bも備える。この蓄積器6はさらに、光起電力モジュール5の接続要素18に接続される第2の接続要素17bを備える。
【0061】
さらに留意すべきことだが、上述した照明デバイス3の事象センサは好ましくは、アセンブリ9a、9bの第1の層10及び/又は最終の層13、14に配列され、このデバイス3の制御ユニット7に接続される。
【0062】
さらに、図示しない代替実施形態において、時計外部要素がアセンブリ9a、9bを備えてよく、その第1の層10が、不透明材料から作られたインサートを含む一以上の透明又は半透明のセラミック材料から作られた基板を備えることに留意すべきである。また、インジェクション成形プロセス中に、特にバイインジェクション成形プロセスを介して、複数の色のセラミックを混合したセラミック材料から作られた基板を与えることもできる。これら複数の色のうちの少なくとも一つは、バイインジェクション成形プロセスによって生成された所定位置において光を透過させるように部分的に透明又は半透明である。
【0063】
図示しない他の代替実施形態によれば、時計外部要素2a、2b、2c、及び特にその第1の層10は、この層10のセラミック材料基板に、
(例えば、セラミックの中へ数10分の又は数100分の1ミリメートル凹ませるべく)機械的に又はレーザーエッチングにより基板の厚さを変えることによって、
又は、基板における内部エッチング方法によって、特にレーザーエッチングプロセスによって、
又は、セラミックの密度を変えることによって、
又は、セラミック時計外部要素の内側に又はその基板上に不透明若しくは半透明印刷をすることによって、
又は、時計外部要素の内側に又はその基板上にパターン状にされる物理蒸着(PVD)若しくは類似のものによって、又は
これらの方法の組み合わせによって、刻まれた照明対象の一以上のグラフィック表現と組み合わせることができるいくつかの点光源4を含み得る。
【0064】
すなわち、点光源4の発光がオンに切り替えられると、通常不可視のグラフィック表現が、バックライトによって時計外部要素2a、2b、2cの可視面に現れる。
【0065】
本発明に係る時計1が、有利には、時計1のユーザのための様々な機能アプリケーションを与えるように使用することができることにも留意すべきである。これを目的として、点光源4がオン及びオフに切り替えられることにより、時計1が、点光源4によって照明される時計外部要素2a、2b、2cにおいて、時計1に固有の機能の、及び/又は外部パラメータの測定値若しくは時計1のユーザに関するパラメータの測定値に関連する機能の、少なくとも一つの可視表示を有するようになる。点光源4のオン及び/又はオフの切り替えは、制御ユニット7によって同時に及び/又は順次に制御することができる。
【0066】
例えば、図6を参照すると、時計1に対する一つの可能な機能アプリケーションが示される。かかる時計1が電子式又は電気機械式の時計である場合、その時計外部要素2c、この場合はベゼル26、の制御ユニット7が、この時計1の動きに応じてデータを交換することができる通信モジュールを備える場合である。この時計外部要素2c、この場合は時計1のベゼル26、の点又は準点エリア28において、局所的な照明が、時すなわち図示の例では1時を示す。点又は準点エリア28は、時計1の文字盤32上の数字又はアップリケ30の位置に対応する。局所的な照明は、夜間に時刻を読み取ることを可能にする。
【0067】
この同じ時計1に対する他の可能な機能アプリケーションが、図7に示される。この時計1のベゼル26の第1の点又は準点エリア28aにおいて、第1の局所的な照明が、時すなわち図示の例では5時を示す。この時計1のベゼル26の第2の点又は準点エリア28bにおいて、第2の局所的な照明が、分すなわち図示の例では40分を示す。第2の照明(分に対応)は第1の照明(時に対応)と同時に行われてよい。第1及び第2の点又は準点エリア28a、28b上の光色は、(順次照明の場合)同じであってよく、(同時照明の場合)異なってよい。後者の場合、時計1のユーザは、時と分とを区別することができる。特に、第1及び第2の局所的な照明により、夜間に時及び分を読み取ることができる。
【0068】
この時計に対する他の可能な機能アプリケーションを図8に示す。この時計1のベゼル26の一以上の点又は準点エリア28において、この場合、図示の例の8つのエリアにおいて、いくつかの局所的な照明が、発光カウントダウン又はクロノグラフを示す。ベゼル上の点又は準点エリア28は、時間の経過とともにそれぞれ点灯又は消灯することができる。
【0069】
図6図8に示される例示の実施形態のそれぞれにおいて、時計外部要素2c、この場合はベゼル26、の第1の層10が典型的に、このベゼル26上の点又は準点エリア28を照明する12個の発光要素を備え、これらのエリア28は、それらが照明されるときにのみ可視となる。
【0070】
図6図8に示される例示の実施形態の代替として、局所的な照明の点又は準点エリア28を、ベゼル26上ではなく、この時計1の中間部23の周縁に設けることができる。
【0071】
図6のものと同様であるが図に示されない本発明に係る時計の他の可能な機能アプリケーションが、時計のベゼルの点又は準点エリア28上の局所的な照明を介して日付を表示することからなる。点又は準点エリア28は、時計1の文字盤上の数字又はアップリケ30の位置に対応する。「12」を超える日付は、日の2桁を順に表示してから月を従わせる(例えば、1月23日に対しては「2」の後に「3」とし、その後に「1」とする)ことができる。日と月とに対しては異なる光色を使用してよい。局所的な照明は、夜間に日付を読み取る場合に特に有用である。
【0072】
言うまでもないことだが、本発明は、上述した実施形態に限られることはなく、添付の特許請求の範囲によって定義された本発明の範囲から逸脱することなく当業者によって様々な簡単な修正例及び代替例が考慮され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2024-02-08
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律型照明デバイス(3)を備える透明又は半透明の本体によって形成される可視面(20a)を備える少なくとも一つの時計外部要素(2a,2b,2c)を含む時計(1)であって、
前記少なくとも一つの時計外部要素(2a,2b,2c)は、一緒に接続された複数の積層された層(10,11,12,13,14)のアセンブリ(9a,9b)によって形成され、各層は、前記自律型照明デバイス(3)の以下の機能要素、すなわち、
少なくとも一つの時計外部要素(2a,2b,2c)の前記可視面(20a)において光を生成することができる少なくとも一つの光源(4)と、
給式電源ユニット(21)と、
少なくとも一つの点光源(4)の動作を管理するべく構成される制御ユニット(7)と
を備え、
前記少なくとも一つの光源(4)は、前記少なくとも一つの時計外部要素(2a,2b,2c)において局所的な照明をもたらすべく、前記少なくとも一つの時計外部要素(2a,2b,2c)の前記可視面(20a)の点又は準点エリア(28)において局所的な光をもたらすように設定される、時計(1)。
【請求項2】
前記アセンブリ(9a,9b)は、前記少なくとも一つの点光源(4)を備える前記可視面(20a)を形成する第1の層(10)からなる、請求項1に記載の時計(1)。
【請求項3】
各点光源(4)が、
光要素、又は
子ドット若しくは量子箱である、請求項1及び2のいずれか一項に記載の時計(1)。
【請求項4】
前記アセンブリ(9a)は、前記第1の層(10)に加え、以下の連続する層、すなわち、
記自給式電源ユニット(21)を構成する光起電力モジュールを備える第2の層(11)と、
記自給式電源ユニット(21)を構成する電気蓄積器(6)を備える第3の層(12)と、
記制御ユニット(7)を備える前記少なくとも一つの時計外部要素(2a,2c)の隠れ面(20b)を形成する第4の層と
を備える、請求項に記載の時計(1)。
【請求項5】
前記アセンブリ(9b)は、前記第1の層(10)に加え、以下の連続する層、すなわち、
記自給式電源ユニット(21)を構成する光起電力モジュールを備える第2の層(11)と、
記制御ユニット(7)と前記自給式電源ユニット(21)を構成する電気蓄積器(6)とを備える前記少なくとも一つの時計外部要素(2b,2c)の隠れ面(20b)を形成する第3の層(14)と
を備える、請求項に記載の時計(1)
【請求項6】
前記機能要素は、前記少なくとも一つの時計外部要素(2a,2b,2c)を形成する前記アセンブリ(9a,9b)の層(10,11,12,13,14)を構成する基板に印刷される、請求項1に記載の時計(1)。
【請求項7】
前記第1の層(10)は、前記アセンブリ(9a,9b)における可撓性の他の層(11,12,13,14)よりも剛性である、請求項に記載の時計(1)。
【請求項8】
前記少なくとも一つの点光源(4)は、照明され得る前記可視面(20a)の各点又は準点エリア(28)が、単一の単色点光源(4)により照明され得るように設定される、請求項1に記載の時計(1)。
【請求項9】
前記少なくとも一つの点光源(4)は、照明され得る前記可視面(20a)の各点又は準点エリア(28)が、異なる光色を有するいくつかの点光源(4)により照明され得るように設定される、請求項1に記載の時計(1)。
【請求項10】
前記少なくとも一つの時計外部要素(2a,2b,2c)は、裏部(24)、中間部(23)、文字盤(32)、腕輪ストランド(30)、ベゼル(26)、フランジ、押しボタン、巻き取りボタン、及び/又はキャップがはめ込まれた巻き取りボタン、のうちの一つから選択される、請求項1に記載の時計(1)。
【外国語明細書】