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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091453
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】打ち込み工具
(51)【国際特許分類】
   B25C 1/00 20060101AFI20240627BHJP
   B25C 1/04 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B25C1/00 A
B25C1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192978
(22)【出願日】2023-11-13
(31)【優先権主張番号】P 2022205722
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森脇 康介
(72)【発明者】
【氏名】近藤 芳彦
【テーマコード(参考)】
3C068
【Fターム(参考)】
3C068AA01
3C068BB01
3C068CC02
3C068FF01
3C068FF24
3C068HH19
(57)【要約】
【課題】マガジンのキャップ部を開閉する操作を容易にしたマガジンキャップ部とドア部でマガジンを開閉する操作を容易にした釘打ち機を提供する。
【解決手段】釘打ち機1Aは、マガジン2と、本体部10とを備え、マガジン2は、釘が収容される収容部20と、収容部20を開閉するキャップ部22とを備え、本体部10は、キャップ部22の被係合部22eが係合可能な係合部23cを備え、マガジン2が本体部10に対して近づく第1の方向に移動することで、被係合部22eが係合部23cに係合し、マガジン2が本体部10に対して離れる第2の方向に移動することで、被係合部22eと係合部23cとの係合が解除される。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と、
ファスナが収容される収容部と、前記収容部を開閉するキャップ部とを有し、前記本体部に対して近づく第1の方向及び前記本体部に対して離れる第2の方向に移動可能なマガジンとを備え、
前記本体部は、前記キャップ部が閉じた状態で前記キャップ部に係合可能な係合部を有し、
前記キャップ部は、前記マガジンが前記第1の方向に移動することで前記係合部に係合し、前記係合部に係合されている状態から前記マガジンが前記第2の方向に移動することで前記係合部との係合が解除される
打ち込み工具。
【請求項2】
前記本体部は、ファスナが供給される射出通路を含むノーズ部を有し、
前記マガジンは、前記ノーズ部に対して前記第1の方向と前記第2の方向にスライド移動可能に支持される
請求項1に記載の打ち込み工具。
【請求項3】
前記マガジンは、前記キャップ部を開く方向に付勢する付勢部材を有する
請求項2に記載の打ち込み工具。
【請求項4】
ファスナを前記射出通路に送る送り部を備え、
前記送り部は、ファスナに係合し、ファスナを前記第1の方向に送る送り部材を有し、
前記送り部材は、前記キャップ部が開いた状態では外部に露出する
請求項3に記載の打ち込み工具。
【請求項5】
前記送り部材は、前記マガジンの移動と連動する
請求項4に記載の打ち込み工具。
【請求項6】
前記マガジンは、前記送り部を移動可能に支持する
請求項5に記載の打ち込み工具。
【請求項7】
前記マガジンは、前記第1の方向に移動することで、前記射出通路とつながり、前記第2の方向に移動することで、前記射出通路と分離される通路部を有する
請求項2に記載の打ち込み工具。
【請求項8】
前記ノーズ部は、前記射出通路とつながり、ファスナが通る第2の通路部を有し、
前記マガジンは、ファスナが通る第1の通路部であって、前記第1の方向に移動することで、前記第2の通路部がつながり、前記第2の方向に移動することで、前記第2の通路部と分離される第1の通路部を有する
請求項2に記載の打ち込み工具。
【請求項9】
前記ノーズ部は、閉じられた前記キャップ部をさらに押さえる押さえ部を有し、
前記押さえ部は、前記マガジンの移動と連動して、前記キャップ部を押さえる押さえ位置と、前記キャップ部の押さえを開放する開放位置との間を移動する
請求項2に記載の打ち込み工具。
【請求項10】
前記マガジンを移動させる操作を受ける操作部を備え、
前記操作部は、前記マガジンの位置を保持する保持部を備える
請求項1に記載の打ち込み工具。
【請求項11】
前記操作部は、前記マガジンを第2の方向に移動させる力を受けると、前記保持部による前記マガジンの位置の保持が解除される
請求項10に記載の打ち込み工具。
【請求項12】
圧縮空気が供給されることでファスナを打ち出す打撃部と、
前記打撃部への圧縮空気の供給の有無を切り替えるメインバルブと、
前記メインバルブを作動させる始動バルブと、
前記始動バルブを非作動とする第3の位置から、前記始動バルブを作動可能とする第4の位置へ移動可能に設けられ、前記第3の位置から前記第4の位置へ移動することで前記始動バルブを作動可能とするサインインの状態、及び、前記第3の位置で前記始動バルブを非作動とするサインオフの状態とを切り替えるコンタクト部と、
前記マガジンの位置に応じて、前記コンタクト部の前記第4の位置への移動を規制するコンタクト規制部とを備えた
請求項2に記載の打ち込み工具。
【請求項13】
前記コンタクト規制部は、前記マガジンが前記第2の方向に移動することで、前記コンタクト部の前記第3の位置から前記第4の位置への移動経路に突出して、前記コンタクト部の移動を規制し、前記マガジンが前記第1の方向に移動することで、前記コンタクト部の前記移動経路から退避して、前記コンタクト部の移動の規制を解除するコンタクト規制レバーを備えた
請求項12に記載の打ち込み工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファスナを収容可能なマガジンを備え、マガジンに収容されたファスナを射出する打ち込み工具に関する。
【背景技術】
【0002】
ネジや釘などのファスナを射出する打ち込み工具は、ファスナを収容するマガジンを備える。マガジンは、複数本のファスナが連結帯で連結されたファスナ連結体が収容される。このような工具では、ファスナが射出されるノーズ部と、マガジンにファスナ連結体を装填可能とするため、マガジンに設けたマガジンキャップ部と、ノーズ部に設けたドア部がそれぞれ開閉できる構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5482825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、マガジンに設けたマガジンキャップ部を開閉するためには、ノーズ部に設けたドア部を開閉する必要があり、マガジンキャップ部を閉じた状態で保持する別の部材の操作が必要である。このため、マガジンキャップ部を開閉する操作に手間が掛かる。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためなされたもので、マガジンのキャップ部を開閉する操作を容易にした打ち込み工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明は、本体部と、ファスナが収容される収容部と、収容部を開閉するキャップ部とを有し、本体部に対して近づく第1の方向及び本体部に対して離れる第2の方向に移動可能なマガジンとを備え、本体部は、キャップ部が閉じた状態でキャップ部に係合可能な係合部を有し、キャップ部は、マガジンが第1の方向に移動することで係合部に係合し、係合部に係合されている状態からマガジンが第2の方向に移動することで前記係合部との係合が解除される打ち込み工具である。
【0007】
本発明では、マガジンを第1の方向に移動させると、キャップ部が係合部に係合することで、キャップ部が収容部を閉じた状態で保持される。また、マガジンを第2の方向に移動させると、キャップ部と係合部との係合が解除され、キャップ部を開閉することが可能になる。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、マガジンを移動させる動作で、キャップ部と係合部との係合及び係合の解除を行うことができる。これにより、マガジンを移動させる動作で、キャップ部が収容部を閉じた状態で保持されることを解除でき、キャップ部を閉じた状態で保持する別の部材の操作が不要である。したがって、マガジンのキャップ部を開閉する操作が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す側面図である。
図1B】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す側面図である。
図2A】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す斜視図である。
図2B】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す斜視図である。
図3A】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部斜視図である。
図3B】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部斜視図である。
図4A】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す側断面図である。
図4B】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す側断面図である。
図5A】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部側断面図である。
図5B】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部側断面図である。
図6A】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部下面断面図である。
図6B】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部下面断面図である。
図7A】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部断面斜視図である。
図7B】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部断面斜視図である。
図8】本実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部分解斜視図である。
図9A】本実施の形態の変形例の釘打ち機の一例を示す要部斜視図である。
図9B】本実施の形態の変形例の釘打ち機の一例を示す要部斜視図である。
図10】第2の実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部斜視図である。
図11A】第2の実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部側面図である。
図11B】第2の実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部側面図である。
図12A】第2の実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部側面図である。
図12B】第2の実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の打ち込み工具の一例としての釘打ち機の実施の形態について説明する。
【0011】
<本実施の形態の釘打ち機の構成例>
図1Aは及び図1Bは、本実施の形態の釘打ち機の一例を示す側面図であり、図1Aは、マガジンを開閉するキャップ部が開いた状態を示す。また、図1Bは、キャップ部が閉じて保持された状態を示す。
【0012】
さらに、図2A及び図2Bは、本実施の形態の釘打ち機の一例を示す斜視図であり、図2Aは、キャップ部を開くことが可能な状態を示す。また、図2Bは、キャップ部が閉じて保持された状態を示す。
【0013】
さらに、図3A及び図3Bは、本実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部斜視図であり、図3Aは、キャップ部を開くことが可能な状態を示す。また、図3Bは、キャップ部が閉じて保持された状態を示す。
【0014】
さらに、図4A及び図4Bは、本実施の形態の釘打ち機の一例を示す側断面図であり、図4Aは、キャップ部を開くことが可能な状態を示す。また、図4Bは、キャップ部が閉じて保持された状態を示す。
【0015】
さらに、図5A及び図5Bは、本実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部側断面図であり、図5Aは、キャップ部を開くことが可能な状態を示す。また、図5Bは、キャップ部が閉じて保持された状態を示す。
【0016】
さらに、図6A及び図6Bは、本実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部下面断面図であり、図6Aは、キャップ部を開くことが可能な状態を示す。また、図6Bは、キャップ部が閉じて保持された状態を示す。
【0017】
さらに、図7A及び図7Bは、本実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部断面斜視図であり、図7Aは、キャップ部を開くことが可能な状態を示す。また、図7Bは、キャップ部が閉じて保持された状態を示す。
【0018】
さらに、図8は、本実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部分解斜視図である。
【0019】
釘打ち機1Aは、釘200を収容するマガジン2と、釘200を打ち出す機構、釘200を打ち出す操作を受ける機構、釘200の射出通路などを有した本体部10を備える。本体部10は、釘200を打ち出す打撃部3などが設けられる胴部11と、胴部11と交差する方向に延伸するハンドル部12を備える。また、本体部10は、マガジン2に収容された釘200が供給される射出通路13aなどを有したノーズ部13を備える。また、釘打ち機1Aは、釘200をノーズ部13の射出通路13aに送る送り部8を備える。釘打ち機1Aは、送り部8により射出通路13aに供給された釘200が、打撃部3で射出通路13aの射出口13dから打ち出される。射出通路13aは、打撃部3で打ち出される釘200が通る。
【0020】
釘打ち機1Aは、ノーズ部13が設けられる側である胴部11の延伸方向に沿った一方の側を下側とし、ノーズ部13が設けられる側と反対側である胴部11の延伸方向に沿った他方の側を上側とする。釘打ち機1Aは、ハンドル部12の下側にマガジン2が設けられる。
【0021】
釘打ち機1Aは、ファスナである複数本の釘200が図示しない連結帯で連結され、例えば渦巻き状に巻かれた形態の連結釘200aがマガジン2に収容される。
【0022】
次に、マガジン2及びマガジン2の開閉に関する機構について説明する。マガジン2は、釘200を射出通路13aに供給する供給部、及び、射出通路13aに供給された釘200を、射出口13d以外の部位から射出通路13aの外に退避させる退避部の一例で、連結釘200aの渦巻き状に巻かれた部位が収容される収容部20と、渦巻き状に巻かれた部位から引き出された部位が通る第1の通路部21を備える。
【0023】
収容部20は、連結釘200aの渦巻き状に巻かれた部位が収容可能な形状の空間で構成される。第1の通路部21は、収容部20からノーズ部13に向けて釘200の送り方向に沿って延伸する。マガジン2は、収容部20と第1の通路部21が一体に構成される。
【0024】
ノーズ部13は、射出通路13aとつながる第2の通路部13bを備える。第2の通路部13bは通路部の一例で、収容部20からノーズ部13に向かう釘200の送り方向に沿って延伸する。第2の通路部13bは、釘200の上述した送り方向の下流側が射出通路13aとつながり、釘200の上述した送り方向の上流側が第1の通路部21とつながる。なお、ノーズ部13に第2の通路部13bを備えず、マガジン2の第1の通路部21が射出通路13aとつながる構成でもよい。このような構成では、第1の通路部21が通路部の一例となる。
【0025】
マガジン2は、連結釘200aの渦巻き状に巻かれた部位を回転可能に支持するファスナ支持部20aを備える。ファスナ支持部20aは、連結釘200aの渦巻き状に巻かれた部位の中心部に挿入される支持軸20bを備える。
【0026】
マガジン2は、収容部20と、第1の通路部21及び第2の通路部13bの第1の通路部21に近い側の一部を開閉するキャップ部22を備える。キャップ部22は、収容部20を覆う第1部22aと、第1の通路部21及び第2の通路部13bの第1の通路部21に近い側の一部を覆う第2部22bが、一体に構成される。キャップ部22は、軸22cを支点とした回転動作で、収容部20と第1の通路部21及び第2の通路部13bの第1の通路部21に近い側の一部を開閉する。
【0027】
軸22cは、マガジン2において、収容部20に設けられた軸支持部20cに支持される。マガジン2は、収容部20の下側の面の一部を構成する壁部20dを備える。軸支持部20cは、壁部20dに設けられる。キャップ部22は、第1部22aの下側の面の一部を構成する壁部22dを備える。キャップ部22は、壁部22dが軸22cに支持される。また、ファスナ支持部20aは、支持軸20bの一方端部が軸22cに支持される。ファスナ支持部20aは、軸22cを支点に収容位置から装填位置まで回転する。
【0028】
ファスナ支持部20aは、キャップ部22を開く方向に付勢部材20eにより付勢される。ファスナ支持部20aは、キャップ部22を開く動作と連動して、付勢部材20eの付勢により、支持軸20bが収容部20から斜め方向に突出するように、軸22cを支点に装填位置まで回転する。キャップ部22は、付勢部材20eがファスナ支持部20aを付勢する力で開く方向に付勢され、開状態が保持される。
【0029】
釘打ち機1Aは、ノーズ部13の射出通路13a及び第2の通路部13bの射出通路13aに近い側の残部を開閉するドア部23を備える。ドア部23は、射出通路13aにおいて、釘200が打ち出される方向に対して交差した側部の一部または全部及び第1の通路部21において、キャップ部22の第2部22bで覆われる部分以外の残部を覆う形状で構成され、軸23aを支点とした回転動作で射出通路13a及び第2の通路部13bの残部を開閉する。なお、ドア部23をキャップ部22と一体で構成して、キャップ部22が収容部20を開閉する動作で、射出通路13a及び第2の通路部13bの残部を開閉するようにしてもよい。また、ドア部23がノーズ部13に固定され、開閉しない構成でもよい。
【0030】
軸23aは、ノーズ部13に設けられた軸支持部23bに支持される。軸支持部23bは、ノーズ部13において射出通路13aとつながる第2の通路部13bに対して反対側に設けられる。ドア部23は、閉状態の保持を解除する操作を受けるドア操作部23dを備える。ドア部23は、ドア操作部23dが操作されることで、閉状態での保持が解除され、軸23aを支点とした回転動作で、射出通路13a及び第2の通路部13bの残部の開閉が可能なる。
【0031】
釘打ち機1Aは、マガジン2を移動可能に支持するマガジン支持部24を備える。マガジン支持部24は供給部及び退避部の一例で、本例ではノーズ部13に設けられる。また、マガジン支持部24は、第2の通路部13bの一部を構成する。
【0032】
マガジン2は、マガジン支持部24の案内により、第1の通路部21及び第2の通路部13bにおける釘200の送り方向に沿って、矢印A1で示す第1の方向及び第1の方向と逆向きの矢印A2で示す第2の方向にスライド移動可能である。また、供給部及び退避部の一例である送り部8の後述する送り部材80は、マガジン2に取り付けられる。さらに、後述するフィードピストン81とフィードシリンダ82は、マガジン2に取り付けられる。また、後述する切替部83の切替シリンダ83aは、マガジン2に取り付けられる。これにより、マガジン2がマガジン支持部24のガイドにより移動すると、送り部8の送り部材80、フィードピストン81、フィードシリンダ82及び切替シリンダ83aが、マガジン2の移動方向と同じ方向にマガジン2と一緒に移動する。
【0033】
キャップ部22は、マガジン2に軸22cを介して連結されており、マガジン2と一緒に移動する。
【0034】
マガジン2は、キャップ部22が閉状態で保持される閉位置P1と、キャップ部22の閉状態での保持が解除されて開閉可能な開閉可能位置P2との間を移動する。閉位置P1は第1の位置であり、開閉可能位置P2は第2の位置である。
【0035】
マガジン2は、開閉可能位置P2から閉位置P1へ、矢印A1で示す第1の方向に移動する。第1の方向は、マガジン2が本体部10、本例ではノーズ部13に対して近づく方向である。また、マガジン2は、閉位置P1から開閉可能位置P2へ、矢印A2で示す第2の方向に移動する。第2の方向は、マガジン2が本体部10、本例ではノーズ部13に対して離れる方向である。
【0036】
ドア部23は、マガジン2が閉位置P1に移動した状態で、キャップ部22が係合する係合部23cを備える。また、キャップ部22は、マガジン2が閉位置P1に移動した状態で、係合部23cと係合する被係合部22eを備える。キャップ部22は、マガジン2が開閉可能位置P2に移動した状態で、マガジン2を閉じた状態では、第2部22bがマガジン2の移動方向に沿ってドア部23と対向する。被係合部22eは、マガジン2を閉じたキャップ部22において、ドア部23と対向する第2部22bに設けられる。被係合部22eは、第2部22bからドア部23に向けて、マガジン2の移動方向に沿って矢印A1方向に突出する。係合部23cは、射出通路13a及び第2の通路部13bの残部を閉じたドア部23において、マガジン2を閉じたキャップ部22の被係合部22eと対向する部位に設けられる。係合部23cは、マガジン2の移動方向に沿って延伸し、被係合部22eが挿抜可能な凹部を設けて構成される。
【0037】
これにより、マガジン2は、マガジン支持部24のガイドにより開閉可能位置P2から閉位置P1へ第1の方向に移動することで、キャップ部22の被係合部22eがドア部23の係合部23cに係合する。また、マガジン2は、閉位置P1から開閉可能位置P2へ第2の方向に移動することで、被係合部22eと係合部23cとの係合が解除される。
【0038】
ドア部23は、マガジン2を閉じたキャップ部22を押さえる押さえ部25を備える。押さえ部25は、キャップ部22の一部を覆う形状で構成され、軸25aを支点とした回転動作で、キャップ部22を押さえる押さえ位置と、キャップ部22の押さえを開放する開放位置との間を移動する。
【0039】
押さえ部25は、捩じりコイルバネ等の付勢部材25bで、押さえ位置から開放位置へ回転する方向に付勢される。
【0040】
押さえ部25は、被係合部22eに押される作用部25cを備える。作用部25cは、マガジン2の移動による被係合部22eの移動経路に設けられる。
【0041】
押さえ部25は、マガジン2の移動により作用部25cが被係合部22eに押され、軸25aを支点とした回転動作で、開放位置から押さえ位置に回転する。また、押さえ部25は、被係合部22eにより作用部25cが押されることで、押さえ位置で保持される。さらに、押さえ部25は、マガジン2の移動により作用部25cから被係合部22eが離れると、付勢部材25bの付勢により、押さえ位置から開放位置へ回転する。
【0042】
釘打ち機1Aは、マガジン2を移動させる操作を受ける操作部26を備える。操作部26は、軸26aを介してマガジン2の収容部20に取り付けられる。
【0043】
操作部26は、マガジン2を開位置P1と開閉可能位置P2で保持する保持部27を備える。
【0044】
保持部27は、マガジン2の移動方向に沿って延伸する長穴状で構成され、延伸方向の一方の端部に、保持部27の延伸方向に対して交差する方向に延伸する第1の係合凹部27aが設けられる。また、保持部27は、延伸方向の他方の端部に、保持部27の延伸方向に対して交差する方向に延伸する第2の係合凹部27bが設けられる。
【0045】
保持部27は、ハンドル部12側に設けた軸27cが挿入される。軸27cは、マガジン2の移動に対して動かない。これに対し、保持部27は、マガジン2が移動すること及び操作部26が軸26aを支点として回転することで、軸27cに対して変位する。
【0046】
保持部27は、マガジン2が閉位置P1に移動していると、第1の係合凹部27aが軸27cと対向する。保持部27は、操作部26が軸26aを支点として一の方向である矢印B1で示す第1の回転方向に回転すると、第1の係合凹部27aが軸27cと係合する。これにより、マガジン2は、閉位置P1で保持される。
【0047】
保持部27は、閉位置P1に移動している状態、かつ、第1の係合凹部27aが軸27cと係合している状態で、操作部26が軸26aを支点として他の方向である矢印B2で示す第2の回転方向に回転すると、第1の係合凹部27aと軸27cとの係合が解除される。これにより、マガジン2は、閉位置P1から開閉可能位置P2へ移動可能になる。よって、マガジン2は、閉位置P1に移動している状態で、操作部26を第2の回転方向に回転させてから、矢印A2で示す第2の方向に動かす力を加えることで、マガジン2及びキャップ部22が一体的に第2の方向に移動する。
【0048】
保持部27は、マガジン2が開閉可能位置P2に移動していると、第2の係合凹部27bが軸27cと対向する。保持部27は、操作部26が軸26aを支点として第1の回転方向に回転すると、第2の係合凹部27bが軸27cと係合する。これにより、マガジン2は、開閉可能位置P2で保持される。
【0049】
保持部27は、開閉可能位置P2に移動している状態、かつ、第2の係合凹部27bが軸27cと係合している状態で、操作部26が軸26aを支点として矢印B2で示す第2の回転方向に回転すると、第2の係合凹部27bと軸27cとの係合が解除される。これにより、マガジン2は、開閉可能位置P2から閉位置P1へ移動可能になる。よって、マガジン2は、開閉可能位置P2に移動している状態で、操作部26を第2の回転方向に回転させてから、矢印A1で示す第1の方向に動かす力を加えることで、マガジン2及びキャップ部22が一体的に第1の方向に移動する。
【0050】
釘打ち機1Aは、マガジン2が開閉可能位置P2に移動した状態で、キャップ部22が開くことを規制する副操作部28を備える。副操作部28は、マガジン2が開閉可能位置P2に移動した状態で、収容部20を閉じたキャップ部22を押さえることが可能に構成される。なお、副操作部28は、マガジン2が閉位置P1に移動した状態で、収容部20を閉じたキャップ部22を押さえることが可能で、かつ、マガジン2が閉位置P1から開閉可能位置P2に移動する動作で、副操作部28がキャップ部22を押さえた状態を維持したまま、マガジン2と一体に移動できるように構成してもよい。
【0051】
次に、釘200を打ち出す機構、釘200を打ち出す操作を受ける機構、釘200を送る機構などについて説明する。釘打ち機1Aは、打撃部3に対する圧縮空気の供給の有無を切り替えるメインバルブ4と、メインバルブ4を作動させる始動バルブ5と、始動バルブ5を作動可能とするサインインの状態、始動バルブ5を非作動とするサインオフの状態を切り替えるトリガ6を備える。また、釘打ち機1Aは、図示しない被打ち込み材と接触し、始動バルブ5を作動可能とするサインインの状態、始動バルブ5を非作動とするサインオフの状態を切り替えるコンタクト部7を備える。さらに、釘打ち機1Aは、釘200をノーズ部13の射出通路13aに送る送り部8を備える。釘打ち機1Aは、トリガ6が引かれる操作によって、始動バルブ5を作動可能とするサインインの状態となる。このサインインの状態から、コンタクト部7が図示しない被打ち込み材に押し付けられる操作によって、始動バルブ5が作動する。また、コンタクト部7が図示しない被打ち込み材に押し付けられる操作によって、始動バルブ5を作動可能とするサインインの状態となる。このサインインの状態から、トリガ6が引かれる操作によって、始動バルブ5が作動する。
【0052】
打撃部3は打ち出し部の一例で、圧縮空気が供給される打撃シリンダ30を備える。打撃シリンダ30は、上下に延伸する形態で、胴部11の内部に設けられる。打撃シリンダ30は、円筒状の内部の空間に、打撃ピストン31が擦動可能に設けられる。打撃部3は、打撃ピストン31の下側に突出する形態で、打撃ピストン31にドライバ32が取り付けられる。
【0053】
釘打ち機1Aは、打撃シリンダ30とつながるブローバックチャンバ33を備える。釘打ち機1Aは、打撃ピストン31が上死点位置から下死点位置に移動する動作で、打撃シリンダ30からブローバックチャンバ33に圧縮空気が供給される。そして、サインオフの状態となり、打撃シリンダ30の打撃ピストン31上の空気が排出されると、ブローバックチャンバ33内の圧縮空気が打撃シリンダ30を経由して排出されることで、ブローバックチャンバ33から打撃シリンダ30の打撃ピストン31下に供給された圧縮空気の空気圧で、打撃ピストン31を上死点位置に復帰させる。また、釘打ち機1Aは、ブローバックチャンバ33から送り部8に供給された圧縮空気の空気圧で、送り部8を作動させる。
【0054】
メインバルブ4は、図示しない外部のエアコンプレッサから圧縮空気が供給されるメインチャンバ34と、打撃シリンダ30をつなぐ空気流路を開閉する。始動バルブ5は、トリガ6の動作と、コンタクト部7を被打ち込み材に押し付ける動作の組み合わせでバルブステム50が押されることで、パイロットバルブ51が作動する。始動バルブ5は、パイロットバルブ51が作動することで、メインバルブ4に掛かる空気圧を変化させる。メインバルブ4は、メインバルブスプリング40の付勢力と、メインバルブ4に掛かる空気圧とのバランスにより作動する。
【0055】
送り部8は供給部及び退避部の一例で、連結釘200aを送る送り部材80と、送り部材80と連結されるフィードピストン81と、フィードピストン81を作動させるフィードシリンダ82を備える。また、送り部8は、ブローバックチャンバ33からフィードシリンダ82への圧縮空気の供給の有無を切り替える切替部83を備える。
【0056】
送り部材80は、第2の通路部13bに突出する爪部80aを備える。送り部材80は、爪部80aが釘200と係合する。送り部材80は、第2の通路部13bに対して移動可能に支持される。送り部材80は、ノーズ部13の射出通路13aに対して爪部80aが近づく方向及び離れる方向に移動可能に構成される。また、送り部材80は、軸80bを支点とした回転動作で、第2の通路部13bから爪部80aが突出する方向及び第2の通路部13bから爪部80aが退避する方向に移動可能に構成される。送り部材80は、キャップ部22の開閉可能な開閉可能位置P2にマガジン2が移動した状態では、爪部80aがドア部23より第2の方向に位置する。これにより、爪部80aは、キャップ部22が開くと、ドア部23が閉じた状態でも、第2の通路部13bに露出し、連結釘200aの装填が可能になる。なお、送り部材80は、連結釘200aの先頭の釘200が射出通路13aに位置している状態では、連結釘200aの2番目の釘200に爪部80aが係合する。
【0057】
フィードピストン81は、フィードシリンダ82内に擦動可能に支持される。フィードシリンダ82は、フィード流路84及び切替部83を介してブローバックチャンバ33とつながり、ブローバックチャンバ33から圧縮空気が供給される。
【0058】
フィードピストン81は、ブローバックチャンバ33から供給された圧縮空気の空気圧で作動して、送り部材80を射出通路13aに対して離れる方向に移動させる。また、フィードピストン81は、コイルバネ等の付勢部材85により送り部材80が射出通路13aに対して近づく方向に付勢される。フィードピストン81は、フィードシリンダ82内の空気がブローバックチャンバ33に流入して、打撃シリンダ30を経由して排出されることで、フィードシリンダ82内の空気圧が低下すると、付勢部材85による付勢で、送り部材80を射出通路13aに対して近づく方向に移動させる。
【0059】
切替部83は、フィード流路84とつながる切替シリンダ83aと、フィード流路84を開閉する切替バルブ83bを備える。切替部83は、切替シリンダ83a内に切替バルブ83bが擦動可能に支持される。切替部83は、切替シリンダ83aと切替バルブ83bの相対的な動きで、切替バルブ83bに形成された流出口83cがフィード流路84とつながるか、切替バルブ83bに設けたシール材83dが流出口83cとフィード流路84との間を封止するかが切り替えられる。
【0060】
送り部材80は、マガジン2に取り付けられる。また、フィードピストン81と、フィードシリンダ82は、マガジン2に取り付けられる。さらに、切替部83の切替シリンダ83aは、マガジン2に取り付けられる。これにより、送り部8は、マガジン2がマガジン支持部24のガイドにより第1の方向に移動すると、送り部材80、フィードピストン81、フィードシリンダ82及び切替シリンダ83aが、マガジン2と一緒に第1の方向に移動する。また、マガジン2がマガジン支持部24のガイドにより第2の方向に移動すると、送り部材80、フィードピストン81、フィードシリンダ82及び切替シリンダ83aが、マガジン2と一緒に第2の方向に移動する。
【0061】
また、切替部83の切替バルブ83bは、ノーズ部13に取り付けられる。これにより、マガジン2を移動させる動作で、切替シリンダ83aに対する切替バルブ83bの相対的な位置が変化することで、流出口83cとフィード流路84との連通の有無が切り替えられ、ブローバックチャンバ33からフィードシリンダ82への圧縮空気の供給の有無が切り替えられる。
【0062】
送り部材80は、マガジン2を閉位置P1から開閉可能位置P2へ移動させる動作で、マガジン2と一緒に移動することにより、送り動作位置P5から退避位置P6に移動する。送り部材80は、連結釘200aが係合した状態で送り動作位置P5に移動すると、連結釘200aを射出可能位置P3に移動させる。また、送り部材80は、連結釘200aが係合した状態で退避位置P6に移動すると、連結釘200aを取出可能位置P4に移動させる。
【0063】
これにより、釘打ち機1Aは、マガジン2を閉位置P1から開閉可能位置P2へ移動させる動作で、連結釘200aが射出可能位置P3から取出可能位置P4に移動する。連結釘200aは、射出可能位置P3に移動していると、先頭の釘200が射出通路13aに位置する。また、連結釘200aは、取出可能位置P4に移動すると、先頭の釘200が射出口13d以外の部位から射出通路13aの外へ退避する。さらに、連結釘200aは、取出可能位置P4に移動すると、マガジン2が開閉可能位置P2に移動した状態でキャップ部22が開くことで、第1の通路部21及び第2の通路部13bに露出する。
【0064】
送り部材80は、マガジン2が閉位置P1に移動していると、フィードピストン81が付勢部材85により付勢されることで、送り動作位置P5に移動する。送り部材80が送り動作位置P5に移動すると、送り部材80と係合した連結釘200aの先頭の釘200が、射出可能位置P3に移動する。
【0065】
釘打ち機1Aは、マガジン2が閉位置P1に移動していると、打撃部3で釘200を打ち込む動作と連動して、フィードシリンダ82に圧縮空気が供給されることで、送り部材80が送り動作位置P5から所定量第2の方向に移動した後、フィードシリンダ82内の空気圧の低下と、付勢部材85による付勢で第1の方向に移動して送り動作位置P5に戻る。
【0066】
これにより、送り動作位置P5は、打撃部3で釘200を打ち込む動作と連動した圧縮空気の供給による送り部材80の往復移動によって、釘200を射出可能位置P3に移動させる通常の釘送りが可能な位置である。
【0067】
送り部材80は、マガジン2が閉位置P1から開閉可能位置P2に移動すると、送り動作位置P5から退避位置P6に移動する。送り部材80が退避位置P6に移動すると、送り部材80と係合した連結釘200aの先頭の釘200が、射出可能位置P3から取出可能位置P4に移動する。取出可能位置P4は、射出通路13aを通るドライバ32の移動経路から釘200が第2の方向に所定量離れた位置である。
【0068】
これにより、退避位置P6は、連結釘200aを第1の通路部21及び第2の通路部13bから取り出し可能な位置である。また、退避位置P6は、連結釘200aの先頭の釘200が、ドライバ32が移動しても打ち込まれない位置である。このため、取出可能位置P4は、釘200の打ち出しが回避される射出回避位置とも称される。
【0069】
なお、マガジン2が閉位置P1に移動していると、切替シリンダ83aに対する切替バルブ83bの相対的な位置の変化で、流出口83cとフィード流路84がつながり、ブローバックチャンバ33からフィードシリンダ82へ圧縮空気の供給が可能になる。これに対し、マガジン2が閉位置P1から開閉可能位置P2に移動すると、流出口83cとフィード流路84との間が封止され、ブローバックチャンバ33からフィードシリンダ82へ圧縮空気の供給が遮断される。
【0070】
これにより、マガジン2が開閉可能位置P2に移動した状態では、打撃部3で釘200を打ち込む動作が行われても、送り部材80は退避位置P6に移動した状態で往復移動しない。これに対し、送り部材80に係合した連結釘200aの先頭の釘200が、射出可能位置P3まで移動しない範囲であれば、退避位置P6に移動した送り部材80が往復移動してもよい。この場合、マガジン2が閉位置P1から開閉可能位置P2に移動しても、ブローバックチャンバ33からフィードシリンダ82へ圧縮空気の供給が可能な構成でもよい。
【0071】
また、送り部材80は、マガジン2と同様に第1の方向と第2の方向に移動することで、送り動作位置P5と退避位置P6との間を移動するが、マガジン2と異なる方向に移動する構成でも良い。例えば、送り部材80を送り動作位置P5から退避位置P6に移動させるため、マガジン2とフィードシリンダ82が、第2の方向に対して徐序に離れる斜め方向に移動し、送り部材80が、第2の方向に移動するような構成でもよい。
【0072】
釘打ち機1Aは、上述したように、マガジン2が閉位置P1に移動している状態で、送り部材80が送り動作位置P5から所定量第2の方向に移動する際に、連結釘200aが射出通路13aから離れる方向へ移動することが規制される。
【0073】
そこで、送り部8は、図7Bに示す射出可能位置P3から、図7Aに示す取出可能位置P4へ、連結釘200aが移動することの規制の有無を切り替える規制部86を備える。
【0074】
規制部86は、釘200と係合する爪部86aを備える。規制部86は、軸86bを支点とした回転動作で、第2の通路部13bの穴部13cから爪部86a突出する方向へ、図示しない付勢部材により付勢される。
【0075】
規制部86は、爪部86aにおいて射出通路13aと対向する側に、連結釘200aの送り方向に対して略垂直な面で構成される規制面86cが形成される。また、規制部86は、爪部86aにおいて収容部20と対向する側に、連結釘200aの送り方向に対して、穴部13cからの突出量が収容部20に向かうに従い低くなる方向に傾斜した面で構成される斜面86dが形成される。
【0076】
規制部86は、図4Bに示すように、マガジン2が閉位置P1に移動していると、図7Bに示すように、爪部86aが第2の通路部13bの穴部13cと対向する。これにより、規制部86は、付勢部材86eにより付勢されることにより、軸86bを支点とした回転動作で、爪部86aが穴部13cから第2の通路部13bの表面側に突出した移動規制位置P7に移動する。
【0077】
規制部86は、マガジン2に取り付けられる。規制部86は、本例では、軸86bがフィードシリンダ82に支持されることで、マガジン2と一体に移動可能に構成される。規制部86は、図4Aに示すように、マガジン2が閉位置P1から開閉可能位置P2に移動すると、穴部13cの開口縁に爪部86aの斜面86dが押される。これにより、規制部86は、図7Aに示すように、軸86bを支点とした回転動作で、第2の通路部13bの裏側に退避した規制解除位置P8に移動する。
【0078】
<マガジンの開閉動作例>
次に、キャップ部22の開閉動作の一例を説明する。
【0079】
マガジン2は、閉位置P1に移動していると、キャップ部22が収容部20を閉じ、かつ、キャップ部22が収容部20を閉じた状態で保持されている。すなわち、マガジン2は、キャップ部22の被係合部22eがドア部23の係合部23cに係合している。
【0080】
また、マガジン2が閉位置P1に移動していると、操作部26の保持部27は、第1の係合凹部27aが軸27cと対向する。そして、保持部27は、操作部26が軸26aを支点として第1の回転方向に回転することで、第1の係合凹部27aが軸27cと係合する。
【0081】
さらに、マガジン2が閉位置P1に移動していると、押さえ部25は、作用部25cが被係合部22eに押され、軸25aを支点とした回転動作で、開放位置から押さえ位置に回転し、押さえ位置で保持される。これにより、マガジン2は、閉位置P1で保持される。
【0082】
さらに、マガジン2が閉位置P1に移動していると、送り部8は、切替部83の切替シリンダ83aと切替バルブ83bとの相対的な動きで、流出口83cがフィード流路84とつながる。
【0083】
キャップ部22を開けるためには、マガジン2を第2の方向に移動させる。そのため、まず、マガジン2が第2の方向に移動する方向へ、操作部26を動かす。マガジン2を第2の方向に移動させる力を操作部26が受けると、操作部26は、軸26aを支点として第2の回転方向に回転する。操作部26が第2の回転方向に回転すると、第1の係合凹部27aと軸27cとの係合が解除される。これにより、マガジン2は、閉位置P1から開閉可能位置P2へ移動可能になる。
【0084】
マガジン2は、操作部26をさらに第2の方向に動かす動作で、収容部20及びキャップ部22が一体に第2の方向に移動する。マガジン2は、閉位置P1から開閉可能位置P2へ移動すると、被係合部22eが係合部23cから外れ、被係合部22eと係合部23cとの係合が解除される。このように、マガジン2が第2の方向に移動する方向へ、操作部26を動かすことで、第1の係合凹部27aと軸27cとの係合を解除する動作と、マガジン2を閉位置P1から開閉可能位置P2へ移動させる動作が同時に行える。
【0085】
また、マガジン2が閉位置P1から開閉可能位置P2へ移動すると、押さえ部25は、作用部25cから被係合部22eが離れ、付勢部材25bの付勢により、押さえ位置から開放位置へ回転する。
【0086】
これにより、キャップ部22を収容部20に対して開くことができるようになる。なお、釘200がマガジン2に収容されていない状態では、ファスナ支持部20aがキャップ部22を開く方向に付勢部材20eにより付勢されることで、ファスナ支持部20aと連動してキャップ部22が開く。
【0087】
また、マガジン2が閉位置P1から開閉可能位置P2に移動すると、第1の通路部21が第2の通路部13bと分離する。さらに、マガジン2が閉位置P1から開閉可能位置P2に移動すると、送り部8は、送り部材80がマガジン2と連動して第2の方向に移動する。また、規制部86は、マガジン2が閉位置P1から開閉可能位置P2に移動すると、爪部86aが第2の通路部13bの裏側に退避した規制解除位置P8に移動する。これにより、釘200がマガジン2に収容されている状態で、マガジン2が開閉可能位置P2に移動すると、爪部80aに釘200が係合していることで、連結釘200aが第2の方向に移動し、先頭の釘200が射出通路13aから第1の通路部21側に移動して、射出通路13aから退避する。
【0088】
また、マガジン2が開閉可能位置P2に移動すると、送り部8は、切替部83の切替シリンダ83aと切替バルブ83bとの相対的な動きで、シール材83dで流出口83cとフィード流路84との間が封止される。これにより、マガジン2が開閉可能位置P2に移動している状態では、釘打ち機1Aが作動しても、圧縮空気が送り部8に供給されず、送り部8が作動しない。
【0089】
さらに、マガジン2が開閉可能位置P2に移動し、第2の係合凹部27bが軸27cと対向している状態で、マガジン2を第2の方向に移動させる力が操作部26に掛からなくなると、操作部26は、軸26aを支点として第1の回転方向に回転する。操作部26が第1の回転方向に回転すると、第2の係合凹部27bが軸27cと係合する。これにより、マガジン2は、開閉可能位置P2で保持される。
【0090】
マガジン2に釘200を装填するには、連結釘200aの渦巻き状に巻かれた部位を、ファスナ支持部20aの支持軸20bに挿入する。ファスナ支持部20aは、連結釘200aが装填されることにより、連結釘200aの重量で収容位置に回転する。
【0091】
また、マガジン2に釘200を装填するには、連結釘200aの渦巻き状に巻かれた部位から引き出された部位を第1の通路部21及び第2の通路部13bに装填する。キャップ部22を開いた状態では、送り部材80は、爪部80aが第2の通路部13bに露出する。これにより、連結釘200aにおいて、渦巻き状に巻かれた部位から引き出された部位を第1の通路部21及び第2の通路部13bに装填する動作で、釘200が爪部80aに係合する。連結釘200aを第1の通路部21及び第2の通路部13bに装填する動作では、先頭の釘200を、ノーズ部13の射出通路13aに装填する必要はない。
【0092】
マガジン2に釘200を装填した後、キャップ部22を閉じる。マガジン2が開閉可能位置P2に移動している状態では、キャップ部22を閉じても、キャップ部22が閉じた状態で保持されない。
【0093】
キャップ部22を閉じた後、マガジン2を第1の方向に移動させる。そのため、まず、操作部26を、軸26aを支点として第2の回転方向に回転させる。操作部26が第2の回転方向に回転すると、第2の係合凹部27bと軸27cとの係合が解除される。これにより、マガジン2は、第1の方向に移動する方向へ操作部26を動かすことで、開閉可能位置P2から閉位置P1へ移動可能になる。なお、キャップ部22を閉じた後、マガジン2を直接押して、第1の方向に移動させる力を加えると、所定の荷重がかかるまでは、第2の係合凹部27bと軸27cとの係合が保持される。マガジン2を直接押して、所定の荷重がかかることで、操作部26が軸26aを支点として第2の回転方向に回転し、第2の係合凹部27bと軸27cとの係合が解除される。これにより、マガジン2を第1の方向に移動する方向へ直接押すことでも、マガジン2は、開閉可能位置P2から閉位置P1へ移動可能になる。
【0094】
マガジン2は、操作部26をさらに第1の方向に動かす動作で、収容部20及びキャップ部22が一体に第1の方向に移動する。マガジン2は、キャップ部22が閉じた状態で、開閉可能位置P2から閉位置P1へ移動すると、被係合部22eが押さえ部25の作用部25cを押す。押さえ部25は、作用部25cが被係合部22eに押されることで、軸25aを支点とした回転動作で、開放位置から押さえ位置に回転する。また、押さえ部25は、被係合部22eにより作用部25cが押されることで、押さえ位置で保持される。
【0095】
また、マガジン2は、キャップ部22が閉じた状態で、開閉可能位置P2から閉位置P1へ移動すると、被係合部22eが係合部23cと係合する。これにより、マガジン2は、閉位置P1に移動することで、キャップ部22が収容部20を閉じた状態で保持される。また、閉じた状態のキャップ部22が押さえ部25で押さえられる。
【0096】
さらに、マガジン2が開閉可能位置P2から閉位置P1に移動すると、第1の通路部21と第2の通路部13bがつながる。また、マガジン2が開閉可能位置P2から閉位置P1に移動すると、送り部8は、送り部材80がマガジン2と連動して第1の方向に移動する。これにより、釘200がマガジン2に収容されている状態で、マガジン2が閉位置P1に移動すると、爪部80aに釘200が係合していることで、釘200が第1の方向に移動し、先頭の釘200が射出通路13aに移動する。
【0097】
さらに、マガジン2が開閉可能位置P2から閉位置P1に移動すると、規制部86は、爪部86aが穴部13cから第2の通路部13bの表面側に突出した移動規制位置P7に移動する。これにより、規制部86は、連結釘200aが射出通路13aから離れる方向に移動することを規制する。
【0098】
また、マガジン2が閉位置P1に移動すると、送り部8は、切替部83の切替シリンダ83aと切替バルブ83bとの相対的な動きで、流出口83cがフィード流路84とつながる。これにより、マガジン2が閉位置P1に移動している状態では、釘打ち機1Aが作動すると、所定のタイミングで圧縮空気が送り部8に供給され、送り部8が作動する。
【0099】
そして、マガジン2が閉位置P1に移動し、第1の係合凹部27aが軸27cと対向している状態で、マガジン2を第1の方向に移動させる力が操作部26に掛からなくなると、操作部26は、軸26aを支点として第1の回転方向に回転する。操作部26が第1の回転方向に回転すると、第1の係合凹部27aが軸27cと係合する。これにより、マガジン2は、閉位置P1で保持される。
【0100】
なお、釘打ち機1Aは、従来の構成と同様に、ドア操作部23dの操作でドア部23の閉状態での保持を解除し、ドア部23を開けることで、キャップ部22を開く操作も可能である。すなわち、ドア部23を開けると、係合部23cが被係合部22eと係合する位置から外れると共に、押さえ部25がキャップ部22を押さえる位置から外れる。これにより、ドア部23を開けることで、キャップ部22が開き、送り部材80の爪部80aが露出する。
【0101】
また、途中まで使用した連結釘200aを交換などのため取り出す場合、上述したように、マガジン2を閉位置P1から開閉可能位置P2に移動させ、キャップ部22を開く。
【0102】
釘打ち機1Aは、連結釘200aが射出可能位置P3に移動している状態で、マガジン2が開閉可能位置P2に移動すると、連結釘200aが取出可能位置P4に移動する。連結釘200aが取出可能位置P4に移動すると、連結釘200aの先頭の釘200が射出通路13aから第1の通路部21側に移動して、射出通路13aから退避する。また、連結釘200aが第1の通路部21及び第2の通路部13bに露出する。
【0103】
これにより、連結釘200aの渦巻き状に巻かれた部位から引き出された部位を第1の通路部21及び第2の通路部13bから取り出し、連結釘200aの渦巻き状に巻かれた部位をファスナ支持部20aから取り外して、収容部20から取り出すことができる。
【0104】
<本実施の形態の釘打ち機の釘打ち動作例>
次に、釘打ち機1Aで釘200を打つ動作について説明する。上述したように、マガジン2を開閉可能位置P2から閉位置P1に移動させる動作で、マガジン2に釘200が装填されると、先頭の釘200が射出通路13aに位置している。
【0105】
作業者は、釘打ち機1Aで釘200を打つ場合、コンタクト部7を図示しない被打ち込み材に押し付けると共に、トリガ6を操作する。
【0106】
始動バルブ5は、トリガ6の動作と、コンタクト部7を被打ち込み材に押し付ける動作の組み合わせで、バルブステム50が押される。始動バルブ5は、バルブステム50が待機位置から移動すると、パイロットバルブ51に掛かる圧縮空気の空気圧のバランスが変化することによりパイロットバルブ51が作動して、パイロットバルブ51が待機位置から移動する。
【0107】
メインバルブ4は、パイロットバルブ51が待機位置から移動すると、メインバルブ4に掛かる圧縮空気の空気圧とメインバルブスプリング40の付勢力とのバランスが変化することにより開く。
【0108】
打撃部3は、メインバルブ4が開くことにより、圧縮空気が打撃シリンダ30に供給される。打撃部3は、圧縮空気が打撃シリンダ30に供給されると、ドライバ32が取り付けられた打撃ピストン31が空気圧で押され、上死点位置から下死点位置まで下方向に移動する。打撃部3は、打撃ピストン31が上死点位置から下死点位置まで移動することにより、射出通路13aに位置する釘200をドライバ32で被打ち込み材に打ち込む。
【0109】
ブローバックチャンバ33は、釘200を打ち込む動作で打撃ピストン31が上死点位置から下方向に移動すると、打撃ピストン31の上側の空気が供給され、ブローバックチャンバ33内の圧力が上昇する。
【0110】
打撃部3は、ブローバックチャンバ33内の圧力が上昇すると、ブローバックチャンバ33内の圧縮空気がフィード流路84からフィードシリンダ82に供給される。これにより、送り部8は、フィードピストン81と連結された送り部材80が、射出通路13aから離れる第2の方向に移動する。
【0111】
マガジン2が閉位置P1に移動していると、規制部86は、図7Bに示すように、爪部86aが穴部13cから第2の通路部13bの表面側に突出した移動規制位置P7に移動する。送り部材80が射出通路13aから離れる方向に移動すると、規制部86は、釘200が爪部86aの規制面86cに接する。これにより、規制部86は、連結釘200aが射出通路13aから離れる方向に移動することを規制する。
【0112】
送り部8は、連結釘200aが射出通路13aから離れる方向に移動することが規制部86により規制された状態で、送り部材80が射出通路13aから離れる方向に移動すると、爪部80aが釘200に押され、軸80bを支点とした回転動作で、第2の通路部13bから退避する。送り部8は、爪部80aが先頭の釘200を通過する位置まで送り部材80が移動すると、爪部80aが第2の通路部13bに突出し、次の釘200に係合される。
【0113】
釘200の打ち込みが終了すると、作業者は、釘打ち機1Aを被打ち込み材から離れる方向に移動させる。また、トリガ6の操作を終了する。
【0114】
釘打ち機1Aが被打ち込み材から離れる方向に移動することにより、コンタクト部7が被打ち込み材から離れて待機位置に復帰するか、トリガ6の操作が終了すると、始動バルブ5は、バルブステム50が待機位置に復帰する。始動バルブ5は、バルブステム50が待機位置に復帰すると、パイロットバルブ51に掛かる圧縮空気の空気圧のバランスが変化することにより、パイロットバルブ51が待機位置に復帰する。
【0115】
メインバルブ4は、パイロットバルブ51が待機位置に復帰すると、メインバルブ4に掛かる圧縮空気の空気圧とメインバルブスプリング40の付勢力とのバランスが変化することにより閉じる。
【0116】
打撃部3は、メインバルブ4が閉じると、打撃シリンダ30に対する圧縮空気の供給が停止されると共に、打撃シリンダ30内の空気が排出され、打撃シリンダ30内の圧力が低下する。打撃部3は、打撃シリンダ30内の圧力が低下すると、ブローバックチャンバ33内の圧縮空気が打撃ピストン31の下側の空間に供給され、打撃ピストン31が上死点位置まで移動する。
【0117】
ブローバックチャンバ33は、圧縮空気がブローバックチャンバ33から打撃シリンダ30に供給されると、ブローバックチャンバ33内の圧力が低下する。
【0118】
ブローバックチャンバ33内の圧縮空気が打撃シリンダ30に供給され、ブローバックチャンバ33内の圧力が低下すると、送り部8は、フィードシリンダ82内の空気がブローバックチャンバ33に流入して、打撃シリンダ30を経由して排出されることで、フィードシリンダ82内の空気圧が低下する。送り部8は、フィードシリンダ82内の空気圧が低下すると、フィードピストン81に掛かる空気圧が低下し、フィードピストン81に連結された送り部材80が、付勢部材85の付勢により射出通路13aに近づく方向に移動する。送り部8は、送り部材80が射出通路13aに近づく方向に移動すると、爪部80aに係合した次の釘200を射出通路13aに送る。
【0119】
次の釘200が射出通路13aに送られる動作で、規制部86は、連結釘200aのさらに次の釘200が、爪部86aの斜面86dに接する。これにより、規制部86は、爪部86aの斜面86dが釘200に押され、第2の通路部13bから退避する。規制部86は、連結釘200aの先頭の釘200が、射出通路13aに位置するまで送られ、爪部86aを釘200が通過すると、爪部86aが第2の通路部13bに突出し、連結釘200aが射出通路13aから離れる方向に移動することを規制する。これにより、次の釘200の打ち出しが可能な状態になる。
【0120】
<本実施の形態の釘打ち機の変形例>
図9A及び図9Bは、本実施の形態の変形例の釘打ち機の一例を示す要部斜視図であり、図9Aは、キャップ部を開くことが可能な状態を示す。また、図9Bは、キャップ部が閉じて保持された状態を示す。
【0121】
押さえ部25を備えた釘打ち機1Aでは、押さえ部25がキャップ部22の押さえを開放する開放位置に移動することで、キャップ部22を開く動作での被係合部22eの移動経路から、押さえ部25が退避する。これにより被係合部22eと係合部23cとの係合が外れるまでのマガジン2の移動量を減らしている。また、閉じた状態のキャップ部22を保持する力を、被係合部22eと係合部23cとの係合と、押さえ部25がキャップ部22を押さえる力で分散している。このため、被係合部22eと係合部23cが係合する部位の長さを短くしても、被係合部22eと係合部23cとの係合で、閉じた状態のキャップ部22を保持する力が確保できる。そこで、被係合部22eの長さを短くすることで、被係合部22eと係合部23cとの係合が外れるまでのマガジン2の移動量を減らしている。
【0122】
これに対し、変形例の釘打ち機1Bは、押さえ部25を備えていないことで、被係合部22eの長さを長くすることで、被係合部22eと係合部23cが係合する部位の長さを長くして、被係合部22eと係合部23cとの係合で、閉じた状態のキャップ部22を保持する力を確保する。そして、押さえ部25を備えないことで、可動する部品点数を減らすことができる。
【0123】
図10は、第2の実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部斜視図、図11A図11B図12A図12Bは、第2の実施の形態の釘打ち機の一例を示す要部側面図である。第2の実施の形態の釘打ち機1Cにおいて、第1の実施の形態の釘打ち機1Aと同様の構成については、同じ符号を付して説明する。また、図11A図11Bは、マガジン2の位置に応じてコンタクト部7の移動の規制が解除された状態、図12A図12Bは、マガジン2の位置に応じてコンタクト部7の移動が規制された状態を示す。
【0124】
釘打ち機1Cは、マガジン2の位置に応じて、コンタクト部7の移動を規制するコンタクト規制部70を備える。コンタクト部7は、図4Aなどに示す始動バルブ5を非作動とする第3の位置から、始動バルブ5を作動可能とする第4の位置へ、射出通路13aの延伸方向に沿って第3の方向に移動可能、かつ、第4の位置から第3の位置へ、第3の方向と反対の第4の方向に移動可能に設けられる。コンタクト部7が待機位置に移動していると、トリガ6が操作されても、始動バルブ5が作動しない。このため、第3の位置は、例えば待機位置である。但し、第3の位置は、トリガ6が操作されても始動バルブ5が非作動な範囲であれば、待機位置から第3の方向に移動した位置でもよい。また、コンタクト部7が上死点位置まで移動すると、始動バルブ5を作動可能とするサインインの状態となる構成であれば、第4の位置は、例えば上死点位置である。但し、コンタクト部7が第3の位置から第3の方向へ移動し、上死点位置に到達する手前の位置で、サインインの状態となる構成も考えられる。このため、第4の位置は、サインインの状態となる範囲であれば、上死点位置から第4の方向に移動した位置でも良い。そして、コンタクト部7は、第3の位置で始動バルブ5を非作動とするサインオフの状態、及び、第3の位置から第4の位置へ第3の方向に移動することで、始動バルブ5を作動可能とするサインインの状態を切り替える。コンタクト規制部70は、第4の位置へのコンタクト部7の移動を規制する。
【0125】
コンタクト規制部70は、コンタクト規制レバー71と、コンタクト規制レバー71を付勢する付勢部材72を備える。コンタクト規制レバー71は、軸73を介してノーズ部13に支持され、軸73を支点として回転する。軸73が延伸する軸方向は、マガジン2が移動する方向と交差する方向である。
【0126】
コンタクト部7は、コンタクト規制レバー71に係合する被係合部7bを備える。被係合部7bは、コンタクト部7において射出通路13aを覆うノーズ部13の外周に位置する部位で構成される。マガジン2は、コンタクト規制レバー71を作動させる係合部2aを備える。係合部2aは、マガジン2においてマガジン支持部24に支持される部位で構成される。係合部2aは、ノーズ部13に対して離れる方向および近づく方向に、マガジン支持部24に沿ってマガジン2と一体的に移動する。
【0127】
釘打ち機1Cは、被係合部7bが通る移動経路7aを備える。移動経路7aは、射出通路13aの延伸方向に沿った部位で、射出通路13aを覆うノーズ部13の外周に形成される。被係合部7bは、コンタクト部7が第3の位置から第4の位置へ第3の方向に移動する動作及び第4の位置から第3の位置へ第4の方向に移動する動作で、移動経路7aを通る。また、釘打ち機1Cは、係合部2aが通る移動経路24aを備える。移動経路24aは、マガジン支持部24の案内により移動するマガジン2の移動方向に沿った部位に形成される。係合部2aは、マガジン2が閉位置P1から開閉可能位置P2へ第1の方向に移動する動作及び開閉可能位置P2から閉位置P1へ第2の方向に移動する動作で、移動経路24aを通る。
【0128】
コンタクト規制レバー71は、コンタクト部7の移動経路7aに対して突出及び退避し、コンタクト部7の被係合部7bと係合可能な突出部71aと、マガジン2の移動経路24aに対して突出及び退避し、マガジン2の係合部2aと係合及び係合の解除が可能な被係合部71bを備える。突出部71aは、軸73に支持される部位から、軸73と交差する一の方向に延伸する形状である。被係合部71bは、軸73に支持される部位から、軸73と交差すると共に、一の方向と異なる他の方向に延伸する形状である。
【0129】
コンタクト規制レバー71は、本例では、マガジン2の移動方向に沿って突出部71aと被係合部71bが同じ方向に移動するように構成される。そこで、コンタクト規制レバー71は、例えば、突出部71aの延伸する方向と、被係合部71bが延伸する方向とのなす角が鋭角である。これにより、コンタクト規制レバー71は、突出部71aが移動経路7aの外側から移動経路7aに向かう矢印C1方向に、軸73を支点に回転すると、突出部71aと被係合部71bが同じ矢印C1方向に移動する。また、コンタクト規制レバー71は、突出部71aが移動経路7aから移動経路7aの外側に向かう矢印C2方向に、軸73を支点に回転すると、突出部71aと被係合部71bが同じ矢印C2方向に移動する。
【0130】
コンタクト規制レバー71は、コンタクト部7の移動を規制する規制位置と、コンタクト部7の移動の規制を解除する規制解除位置との間を、軸73を支点とした回転動作で移動する。すなわち、コンタクト規制レバー71は、規制解除位置から矢印C1方向に回転することで規制位置に移動する。コンタクト規制レバー71が規制位置に移動すると、突出部71aの延伸する方向が、コンタクト部7の移動する方向と沿った向きとなって、突出部71aが移動経路7aに突出する位置に移動する。突出部71aが移動経路7aに突出すると、例えば、図示しない被打ち込み材にコンタクト部7が押し付けられる動作で、コンタクト部7が第3の位置から第3の方向へ移動しようとしても、コンタクト部7の被係合部7bが突出部71aに当接し、コンタクト部7の第4の位置への移動が規制される。また、コンタクト規制レバー71が同方向に回転すると、被係合部71bが移動経路24aに突出する位置に移動する。
【0131】
これに対し、コンタクト規制レバー71は、規制位置から矢印C2方向に回転することで規制解除位置に移動する。コンタクト規制レバー71が規制解除位置に移動すると、突出部71aの延伸する方向が、コンタクト部7の移動する方向に対して傾いた向きとなって、突出部71aが移動経路7aから外側に退避する位置に移動する。突出部71aが移動経路7aから外側に退避すると、例えば、図示しない被打ち込み材にコンタクト部7が押し付けられる動作で、コンタクト部7が第3の位置から第3の方向へ移動する際に、コンタクト部7の被係合部7bが突出部71aに当接せず、コンタクト部7の第4の位置への移動の規制が解除される。また、コンタクト規制レバー71が同方向に回転すると、被係合部71bが移動経路24aから外側に退避する位置に移動する。
【0132】
付勢部材72は、捩じりコイルバネなどで構成され、コンタクト規制レバー71を矢印C1方向に付勢する。
【0133】
マガジン2は、閉位置P1から開閉可能位置P2に移動する動作、開閉可能位置P2から閉位置P1に移動する動作で、係合部2aが移動経路24aに沿って移動する。
【0134】
係合部2aは、マガジン2が開閉可能位置P2から閉位置P1へ第2の方向に移動する動作では、コンタクト規制レバー71の被係合部71bに近づく方向へ移動する。これにより、係合部2aは、マガジン2が閉位置P1に移動すると、コンタクト規制レバー71の被係合部71bに係合する。
【0135】
また、係合部2aは、マガジン2が閉位置P1から開閉可能位置P2へ第1の方向に移動する動作では、コンタクト規制レバー71の被係合部71bから離れる方向へ移動する。これにより、係合部2aは、マガジン2が開閉可能位置P2に移動すると、コンタクト規制レバー71の被係合部71bとの係合が解除される。
【0136】
次に、第2の実施の形態の釘打ち機1Cにおいて、マガジン2の位置に応じてコンタクト部7の移動の規制の有無を切り替える動作について説明する。釘打ち機1Cは、マガジン2が開閉可能位置P2から閉位置P1に移動する動作で、コンタクト規制レバー71の被係合部71bにマガジン2の係合部2aが係合する。
【0137】
コンタクト規制レバー71は、被係合部71bにマガジン2の係合部2aが係合すると、マガジン2が開閉可能位置P2から閉位置P1に移動する動作で、被係合部71bが移動経路24aから外側に退避する方向に押される。
【0138】
コンタクト規制レバー71は、被係合部71bが移動経路24aから外側に退避する方向に押されると、軸73を支点として矢印C2方向に回転する。これにより、マガジン2が閉位置P1に移動すると、コンタクト規制レバー71は、図11Aに示すように、突出部71aが移動経路7aから外側に退避する規制解除位置に移動する。よって、図示しない被打ち込み材にコンタクト部7が押し付けられる動作で、コンタクト部7が第3の位置から第3の方向へ移動する際に、コンタクト部7の被係合部7bが突出部71aに当接せず、コンタクト部7が、始動バルブ5を作動可能とするサインインが可能な第4の位置に移動可能になる。
【0139】
したがって、マガジン2が閉位置P1に移動した状態では、コンタクト部7を図示しない被打ち込み材に押し付けることで、図11Bに示すようにコンタクト部7が上方に移動して、サインインの状態となる。そして、さらにトリガ6は操作されると、コンタクト部7の操作とトリガ6の操作との協動で、始動バルブ5を作動させて、釘を打つことができる。
【0140】
これに対し、釘打ち機1Cは、マガジン2が閉位置P1から開閉可能位置P2に移動する動作で、コンタクト規制レバー71の被係合部71bからマガジン2の係合部2aが離れ、被係合部71bと係合部2aとの係合が解除される。
【0141】
コンタクト規制レバー71は、被係合部71bからマガジン2の係合部2aが離れる方向に移動すると、被係合部71bが移動経路24aに突出する方向へ回転可能となる。
【0142】
これにより、コンタクト規制レバー71は、マガジン2が閉位置P1から開閉可能位置P2に移動すると、付勢部材72の付勢により、軸73を支点として矢印C1方向に回転する。したがって、マガジン2が開閉可能位置P2に移動すると、コンタクト規制レバー71は、図12Aに示すように、突出部71aが移動経路7aに突出する規制位置に移動する。よって、図示しない被打ち込み材にコンタクト部7が押し付けられる動作で、コンタクト部7が第3の位置から第3の方向へ移動しようとすると、コンタクト部7の被係合部7bが突出部71aに当接し、コンタクト部7の第4の位置への移動が規制される。
【0143】
上述したように、送り部材80は、マガジン2が閉位置P1から開閉可能位置P2に移動すると、送り動作位置P5から退避位置P6に移動する。送り部材80が退避位置P6に移動すると、送り部材80と係合した連結釘200aの先頭の釘200が、射出可能位置P3から取出可能位置P4に移動する。これにより、マガジン2が開閉可能位置P2に移動すると、連結釘200aの先頭の釘200が、ドライバ32が移動しても打ち込まれない位置に移動する。
【0144】
このように、マガジン2が開閉可能位置P2に移動し、連結釘200aの先頭の釘200が、ドライバ32が移動しても打ち込まれない位置に移動した状態で、コンタクト部7を移動させようとする操作でサインインの状態となる場合を考える。この場合、さらにトリガ6が操作されると、始動バルブ5が作動して、打撃部3で釘200を打ち込む動作が行われる。このように、ドライバ32の移動経路に釘200が存在せずに打ち込み動作が行われると、所謂空打ちと称す状態なる。釘打ち機では、空打ちが行われると、打撃部3、ノーズ部13などに過負荷が掛かる場合がある。
【0145】
そこで、マガジン2が開閉可能位置P2に移動すると、コンタクト規制レバー71を規制位置に移動させて、コンタクト部7の移動を規制できるようにした。これにより、マガジン2が開閉可能位置P2に移動した状態では、コンタクト部7を図示しない被打ち込み材に押し付けても、図12Bに示すようにコンタクト部7が移動することが規制される。よって、コンタクト部7を移動させようとする操作ではサインインの状態とならず、トリガ6が操作されても、始動バルブ5が作動しない。したがって、空打ちなどの釘打ち機1Cの誤作動を防止できる。なお、マガジン2が開閉可能位置P2に移動した状態で、トリガ6が操作されるとサインインの状態となる。但し、コンタクト部7が移動することが規制されることで、コンタクト部7を移動させようとする操作で始動バルブ5が作動しない。したがって、空打ちなどの釘打ち機1Cの誤作動を防止できる。
【0146】
なお、コンタクト規制レバー71が規制位置に移動した状態では、コンタクト部7を図示しない被打ち込み材に押し付けても、サインインの状態とならない範囲であれば、コンタクト部7が移動してもよい。
【0147】
また、コンタクト規制レバー71は、軸73を支点に回転する構成としたが、マガジン2の移動方向に沿った直動で、規制位置と規制解除位置との間を移動する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0148】
1A、1B、1C・・・釘打ち機、10・・・本体部、11・・・胴部、12・・・ハンドル部、13・・・ノーズ部、13a・・・射出通路、13b・・・第2の通路部、13d・・・射出口、2・・・マガジン(供給部、退避部)、2a・・・係合部、20・・・収容部、20a・・・ファスナ支持部、20b・・・支持軸、20c・・・軸支持部、20d・・・壁部、20e・・・付勢部材、21・・・第1の通路部、22・・・キャップ部、22a・・・第1部、22b・・・第2部、22c・・・軸、22d・・・壁部、22e・・・被係合部、23・・・ドア部、23a・・・軸、23b・・・軸支持部、23c・・・係合部、23d・・・ドア操作部、24・・・マガジン支持部(供給部、退避部)、24a・・・移動経路、25・・・押さえ部、25a・・・軸、25b・・・付勢部材、25c・・・作用部、26・・・操作部、26a・・・軸、27・・・保持部、27a・・・第1の係合凹部、27b・・・第2の係合凹部、27c・・・軸、28・・・副操作部、3・・・打撃部、30・・・打撃シリンダ、31・・・打撃ピストン、32・・・ドライバ、33・・・ブローバックチャンバ、4・・・メインバルブ、40・・・メインバルブスプリング、5・・・始動バルブ、50・・・バルブステム、51・・・パイロットバルブ、6・・・トリガ、7・・・コンタクト部、7a・・・移動経路、7b・・・被係合部、70・・・コンタクト規制部、71・・・コンタクト規制レバー、71a・・・突出部、71b・・・被係合部、72・・・付勢部材、73・・・軸、8・・・送り部(供給部、退避部)、80・・・送り部材、80a・・・爪部、81・・・フィードピストン、82・・・フィードシリンダ、83・・・切替部、83a・・・切替シリンダ、83b・・・切替バルブ、83c・・・流出口、83d・・・シール材、84・・・フィード流路、85・・・付勢部材、86・・・規制部、86a・・・爪部、86b・・・軸、86c・・・規制面、86d・・・斜面、200・・・釘、200a・・・連結釘
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B