(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091470
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】高速被駆動平衡反転回復撮像において画像コントラストを改善するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
A61B5/055 311
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023202711
(22)【出願日】2023-11-30
(31)【優先権主張番号】22216530
(32)【優先日】2022-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】516252425
【氏名又は名称】ジーメンス ヘルスケア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Siemens Healthcare GmbH
【住所又は居所原語表記】Henkestrase 127, D-91052 Erlangen, Germany
(71)【出願人】
【識別番号】523453341
【氏名又は名称】バルグリスト キャンパス アー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Balgrist Campus AG
【住所又は居所原語表記】Lengghalde 5, 8008 Zuerich, Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル ナンツ
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンティン フォン ドイスター
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB39
4C096AC06
4C096AC07
4C096AC08
4C096AD06
4C096BA05
4C096BA23
4C096BB06
4C096BB08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】検査領域内の対象物を撮像する際に、磁化により生成されたMRI信号を改善する。
【解決手段】MRI装置により、連続する3つのRF要素、すなわち、反転回復パルスシーケンスである第1要素と、励起RFパルス及びこれに続く少なくとも1つの画像符号化勾配および少なくとも1つのデータ収集を有する前記反転時間で開始されるパルスシーケンスである第2要素と、当該第2要素に続く第3要素とを含むパルスシーケンスを実行することと;MRI装置により、各TR中に前記対象物により生成されて、画像読み出し期間に収集したMRI信号を取得することと;前記MRI信号から前記対象物の画像を再構成することと;を含むMRI方法において、第3要素は、正のz軸およびB0磁場方向に対して整列した状態で、関心磁化の横方向磁化成分を正の縦方向磁化へ変換するように構成した修正被駆動平衡パルスシーケンスであることを特徴とする、MRI方法。
【選択図】
図6A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MRIシステム(100)の検査ボリューム内に配置された対象物(106)を撮像する際に、関心磁化によって生成されたMRI信号を改善するための磁気共鳴撮像(以下“MRI”とする)方法であって、前記方法が、
-前記MRIシステム(100)により、連続する3つの無線周波数(以下“RF”とする)の要素、すなわち、反転時間(TI)によって特徴付けられる反転回復パルスシーケンスである第1の要素(610)と、励起RFパルス(EXC)およびこれに続く少なくとも1つの画像符号化勾配および少なくとも1つのデータサンプリングを有する前記反転時間(TI)で開始される画像符号化パルスシーケンスである第2の要素(620)と、該第2の要素に続く第3の要素(630)とを含むMRIパルスシーケンス(600)を実行すること(201)と;
-前記MRIシステム(100)により、各反復時間(TR)中に前記MRIシステム(100)によって前記対象物(106)に適用され、前記対象物(106)によって生成されて、画像読み出しブロックによってサンプリングされたMRI信号を取得すること(202)と;
-前記MRI信号から前記対象物(106)の画像を再構成すること(203)と;
を含む、MRI方法において、
前記第3の要素(630)は、正のz軸およびB0フィールド方向に対してアライメントされた状態で、関心磁化の横断方向磁化成分の、正の縦方向磁化への変換を達成するように構成された修正被駆動平衡(以下“mDE”とする)パルスシーケンスである
ことを特徴とする、MRI方法。
【請求項2】
前記mDEパルスシーケンスは、+90°フリップ角によって特徴付けられる位相シフトフリップバックパルス(632)で終了する、請求項1記載のMRI方法。
【請求項3】
前記フリップバックパルス(632)は、再集束RFパルス(+y)に対する90°位相シフト(+x)によって特徴付けられているか、または前記励起RFパルス(+x)に対する非位相シフトによって特徴付けられているか、または被駆動平衡パルスシーケンス(DE)のフリップバックパルス(-x)に対する180°位相シフトによって特徴付けられている、請求項2記載のMRI方法。
【請求項4】
前記第1の要素(610)はSTIRパルスシーケンスである、請求項1から3までのいずれか1項記載のMRI方法。
【請求項5】
前記第2の要素(620)は、単一のもしくは複数のデータサンプリングを含む、請求項1から4までのいずれか1項記載のMRI方法。
【請求項6】
前記第2の要素(620)は、1つもしくは複数の勾配エコーまたはスピンエコーを生成するように構成されたシーケンスである、請求項1から5までのいずれか1項記載のMRI方法。
【請求項7】
前記第2の要素(620)は、勾配エコーとスピンエコーとの組み合わせを生成するように構成されたシーケンスである、請求項1から5までのいずれか1項記載のMRI方法。
【請求項8】
前記第2の要素(620)はTSEパルスシーケンスである、請求項1から5までのいずれか1項記載のMRI方法。
【請求項9】
前記mDEパルスシーケンスは、+90°フリップバックパルス(632)が印加される時点と前記磁化が再集束された最後の時点とを分離する期間の時間的な中間位置にある第1のRFパルス(631)を含む、請求項2から8までのいずれか1項記載のMRI方法。
【請求項10】
前記mDEパルスシーケンスは、エコートレインの最後のエコー信号の後のエコー間隔(ES)の1/2に等しい時点で印加される180°RFパルスである第1のRFパルス(631)を含み、
前記+90°フリップバックパルス(632)は、前記第1の180°RFパルス(631)の後のエコー間隔(ES)の1/2に等しい時点で印加される、
請求項2から5までのいずれか1項記載のMRI方法。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載のMRI方法を実行するように構成されたMRIシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴撮像(MRI)システムおよびMRI方法の分野に属する。特に、本発明は、MRIでの高速被駆動平衡反転回復撮像において画像コントラストを改善するための方法およびシステムに関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、短いタウ反転(short-TI)回復(STIR,[1,2])によるロバストな脂肪信号抑制を伴う体液感応型の高速スピンエコーMRIまたはターボスピンエコーベースMRI(FSE-MRIまたはTSE-MRI)に必要な取得時間が長いという問題に取り組むものである。
【0003】
上記の問題の中心は縦方向体液磁化の緩慢な回復であり、つまり、スペクトル非選択のSTIR反転準備パルスとターボスピンエコー読み出しの無線周波数(RF)パルスとの後に再生のための長い時間が必要となることである。低粘性体液の特徴的な回復時間TIは、臨床スキャナの磁界強度(例えば1.5~7テスラ)で数秒の範囲にある。さらに、脂肪TI時間が比較的短く、例えば3テスラのときに約380msであっても、反転パルスの印加後、画像読み出しの開始時に脂肪磁化のゼロ通過を待機しなければならない、比較的長い反転回復時間(TI)も依然として存在する。
【0004】
2Dシーケンスでは、一方のスライスにおけるスライス選択反転と他方のスライスにおける撮像読み出し列とを交互に使用することによって、上記の問題を緩和することができる。しかし、こうした手法は対応する3D画像取得においては不可能であり、したがって、例えば筋骨格系の体液検出のための広範囲の臨床使用にはきわめて長い時間がかかる。例えば、研究報告では、低減された視野およびきわめて短い反復時間(TR)を用いる、最も多くは神経を標的とした小さな解剖学的構造であって、第一義的に強い正の体液コントラストが要求されなくても、撮像に長いスキャン時間がかかることが示されている[3]。にもかかわらず、3D STIRシーケンスは、筋骨格系の評価のため、例えば股関節、膝関節もしくは肩関節における金属インプラントの周囲の炎症の評価のために有意であると考えられている。
【0005】
現時点では、適切な解決手段は存在しない。すなわち、2D STIRの取得は、典型的に比較的長い時間がかかり、対応する例えばプロトン密度強調(PDw)TSEスキャンよりも低い空間分解能で行われ、3D STIRシーケンスは、標準的な臨床関節撮像において多くの場合に適用不能なほど長い時間がかかり、体液の検出可能感度が主たる目的ではない特殊な用途、例えば子宮頸神経叢もしくは腰椎神経叢のMRニューログラフィ(神経視覚化)にしか使用できない。
【0006】
また、反転回復準備なしでの短いTRシーケンスで取得された画像における体液信号を増強するために、「非駆動平衡」DE、すなわちパルスシーケンス要素を用いて縦方向体液磁化の回復を加速することも提案されている。この技術はまずNMR分光法[4]~[9]で行われ、その後、MRIにも適用されている([9]を参照)。DEパルスシーケンス要素を含むこうしたシーケンスは、「高速回復高速スピンエコー」、「レストアTSE」、または「駆動」シーケンスなどの用語で称されている。基本的な着想は
図3にまとめられており、ここでは、上側シーケンス表現Aが基本TSEシーケンスを示しており、下側シーケンス表現Bが後続の「被駆動平衡」パルスシーケンス要素を有する基本TSEシーケンスを示している。
【0007】
それぞれのシーケンスの過程を通した、体液磁化(横断方向緩和である長いT1、長いT2-T2)、組織磁化(中程度のT1、中程度のT2、例えば筋肉組織)および脂肪磁化(短いT1、長い“TSE-”T2)の運命を、各シーケンスの図のもとに概説する。次の励起パルスの印加前には、TR期間の終了時の下側シーケンス表現Bにおいて、著しく大きい縦方向体液磁化(上側シーケンス表現Aにおける時点4に対する下側シーケンス表現Bにおける時点5)を観察することができる。このことは、次のTSEトレインを有する次のTR期間中により大きな信号が生じることを意味する。大きさの増強は、撮像エコートレインの終了時に残留している横断方向磁化を再集束させてこれを90°の「フリップバック」パルスによって縦方向磁化へと変換する被駆動平衡要素によって達成される。ここでのパルスの位相は、再集束パルスの位相が初期励起パルスの位相(“+x”)に対して90°(“+/-y”)の差を有する場合、当該初期励起パルスの位相とは(180°(“-x”))異なっているはずである。下側シーケンス表現Bにおける時点1から時点4までの間に印加されるRFパルスは、共に、低粘性体液などの十分に長い緩和時間を有するオン共鳴磁化のための複合0°パルスであるとみなすことができる。図中、次の略記号、すなわち、Inv:反転パルス、TI:反転(回復)時間、Exc:励起パルス、Ref:再集束パルス、ES:エコー間隔、Acq:取得、ET:エコートレイン、ETL:エコートレイン長、eq:平衡、TF:ターボ係数、nPhE:位相エンコーディングステップ数、TR:反復時間、が用いられている。
【0008】
この場合、DE要素がある場合とない場合とでの3D取得からの画像の例が
図4に示されており、ここで、左側画像Aもしくは右側画像Bに、それぞれ撮像シーケンスに付属する被駆動平衡パルスシーケンス要素がある場合とない場合とで取得された3D高速/ターボスピンエコー画像(TR/TE211/60ms)が示されている。(体液感応型スピンエコーシーケンスの場合)短いTR時間(211ms)にもかかわらず、左側画像Aと比較して、右側画像B(矢印41を参照)では、髄液CSFのより強い信号およびより明るいアピアランスが得られている。これらのシーケンスから得られた画像では、磁化の準備なしに明るい皮下脂肪信号を観察できることも指摘しておく。
図4の画像は、引用文献[10]によるものである。
【0009】
低粘性体液のように長いT1(および典型的には長いT2)時間で脂肪信号を最小化して磁化を強調しようとするSTIR撮像では、状況が異なる。この場合、撮像シーケンスに180°反転パルスが先行し、その後に回復期間TIが続く。当該回復時間は、3テスラの磁界強度で約380~400msの最も速く緩和する脂肪信号成分T1がそのゼロ交差TIzc(縦方向脂肪磁化が最大値に達したときに完全な180°反転パルスが印加されると仮定して、TIzc=T1*ln(2)=T1*0.693)に達するように調整される。実際には、多くの場合、画像の読み出しを支援するために、(i)取得が高速化され、(ii)例えば骨髄の残留脂肪信号が含まれるように、STIR撮像においてより短いTI時間が選択される。
【0010】
体液磁化は脂肪よりも大幅に長い(1オーダー大きい範囲の)T1時間を有するので、この体液磁化は、反転パルスの印加前に、正のz軸に沿って相当の大きさを有していた場合、励起パルスが印加される時点で負のz軸に沿ってアライメントされることになる。つまり、
図3に示されているような従来のDE要素は、体液磁化をフリップバックさせて負のz軸を形成し、これによりさらには縦方向体液磁化の回復を遅延させてしまう。したがって、動的平衡における縦方向の体液磁化はより小さくなり、増強された信号ではなく減衰された体液信号へと変換される。
【0011】
このことは
図5により詳細に示されており、
図5には、調整されていない、すなわち従来技術の「被駆動平衡」パルスシーケンス要素を有する基本STIR-TSEシーケンスが、
図3の下側シーケンス表現Bと同様に概略的に示されている。体液磁化が励起パルス(時点3)の前に負のz軸に沿ってアライメントされ、時点3と時点6との間のRFパルスが複合0°パルスとして機能するので、体液磁化も、完全に緩和された最大熱力学的平衡値から大きく離れて、時点6での負のz軸によってアライメントされることになる。体液磁化の場合、時点1と時点6との間に印加されるRFパルスは複合180°回転に接近し、これが十分に短いTRによって連続して反復される場合、動的平衡における体液磁化の大きさが小さくなる。体液信号を増強する代わりに、
図5に示されているように、修正されていない被駆動平衡要素は実際に体液信号の強度を低減する。
【0012】
上記の導入部は体液感応型画像の問題に焦点を当てているが、本発明はより一般的なコンテキストの内にあり、臨床用途への適性を維持しつつ、関心磁化のための画像コントラストを改善することのできるシステムおよび方法を見出すことを目的としている。特に、本発明によるシステムおよび方法は、コントラストが改善され、好ましくは脂肪信号を減衰するもしくは抑制することができ、臨床用途に適した体液感応型MRI画像を提供することができる。臨床用途に適していることにより、上記のシステムおよび方法が関心磁化(例えば体液磁化)に関する高い信号強度を維持しながら撮像時間を短縮できることを理解されたい。
【0013】
上記の目的は、本発明により、独立請求項の目的に従って、高速被駆動平衡反転回復撮像、特にマルチエコー撮像において画像コントラストを改善するためのシステムおよび方法によって達成される。各従属請求項は、本発明のさらなる利点を提示する。
【0014】
本発明は、MRIシステムの検査ボリューム内に配置された対象物を撮像する際に、関心磁化(magnetization of interest)に関するMRI信号を改善するためのMRI方法、すなわち前記関心磁化に関する画像コントラストを改善するためのMRI方法であって、当該方法は、次の各ステップを含む。すなわち、
-MRIシステムにより、連続する3つの無線周波数(“RF”)要素、すなわち、反転(回復)時間TIによって特徴付けられる反転回復パルスシーケンスである第1の要素と、励起RFパルスおよびこれに続く少なくとも1つの画像符号化勾配および少なくとも1つのデータサンプリングを有する前記反転時間TIで開始される画像符号化パルスシーケンスである第2の要素とを含むMRIパルスシーケンスを実行するステップが含まれる。特に、前記データサンプリングは、超短エコー時間でのMRI信号のラジアルサンプリングを含む。代替的には、前記データサンプリングは、1つもしくは複数の勾配エコーの形成中、または1つもしくは複数のスピンエコーの形成中、または勾配エコーとスピンエコーとの組み合わせの形成中に発生するMRI信号のサンプリングである。例えば、前記励起RFパルスに続いて、再集束RFパルス、撮像符号化勾配およびデータサンプリングを配置することができる。別の例によれば、前記励起RFパルスに続いて、再集束RFパルス、撮像符号化勾配およびデータサンプリングのトレインを配置することができる。次いで、前記第2の要素に続いて、正のz軸およびB0フィールドに対してアライメントされた状態で、関心磁化の横断方向磁化成分の、正の縦方向磁化への変換を達成するように構成された修正被駆動平衡(modified driven-equilibrium、以下“mDE”とする)パルスシーケンスである第3の要素が配置され、これは、対照的に、横断方向被駆動平衡パルスシーケンスの印加により、B0フィールド方向に対して反対の負のz軸に沿ってアライメントされた状態で、負の縦方向磁化へ変換される。特に、本発明によるmDEパルスシーケンスは、位相シフトフリップバックパルスによって終了し、この位相シフトフリップバックパルスは、再集束パルス(+y)に対する90°フリップ角、好ましくは90°位相シフト(+x)、または励起RFパルス(+x)(すなわち励起RFパルス(+x)と同じ位相)に対する非位相シフト、または従来技術のDEフリップバックパルス(+x)に対する180°位相シフトによって特徴付けられており、ここで、前記MRIパルスシーケンスの実行は、MRIシステムにより、反復時間TRに従って巡回的に反復される。換言すれば、本発明によるmDEパルスシーケンスは、次の前記MRIパルスシーケンスが開始されて印加される前に、すなわち反転回復パルスシーケンスの180°反転パルスの後に、縦方向磁化を増大させるために、関心磁化、特に体液磁化の横断方向磁化成分の残留を正の縦方向磁化へ変換するように構成された、位相シフトDE(従来技術のDEに比較して「位相シフト」された)パルスシーケンスであり、これは、反転回復パルスシーケンスがない状況と比較して180°位相シフトを示すように形成された反転回復パルスシーケンスである。好ましくは、本発明によるMRIパルスシーケンスは、STIR-TSEシーケンスまたはSTIR-SEシーケンス、およびこれに続く、前記位相シフトフリップバックパルスを含む修正被駆動平衡パルスシーケンス要素である。有利には、第2の要素の後に当該技術分野において公知のDEパルスシーケンスを印加する(これにより、MRIパルスシーケンスが180°複合パルスとして作用する)ことと比較して、MRIパルスシーケンスの前記第2の要素の後にmDEパルスシーケンスを印加することにより、mDEパルスシーケンスが、縦方向の関心磁化(すなわち関心磁化の縦方向磁化成分)、例えば縦方向の体液磁化についての複合0°パルスとして作用する。
-さらに、前記MRIシステムにより、各反復時間TR中に前記MRIシステムにより前記対象物に適用され、前記対象物により生成されて、画像読み出しブロックでサンプリングされたMRI信号を取得するステップが含まれる。MRI信号を取得することにより、画像読み出しブロックによってサンプリングされたMRI信号データが画像再構成のために収集されることを特に理解されたい。前記対象物によって生成されたMRI信号は、特に、関心磁化によって生成されたMRI信号を含む。
-さらに、前記MRI信号から前記対象物の画像を再構成するステップが含まれる。
【0015】
本発明はまた、生体対象物を撮像するように構成されており、上述した方法の各ステップを実行するように構成されたMRIシステムまたはMRI装置に関する。
【0016】
上記のことは、当業者が以下の詳細な説明をより良く理解できるよう、本開示の特徴および技術的利点を概説したものである。
【0017】
特許請求の範囲の対象を成す本開示の付加的な特徴および利点を以下において説明する。当業者であれば、開示のコンセプトおよび特定の実施形態が本開示と同じ目的を達成するために他の構造を修正もしくは設計する基礎として容易に使用可能となることを理解するであろう。
【0018】
本開示およびその利点のより完全な理解のために、ここで、添付の図面と関連した以下の説明を参照されたい。図面において、類似の参照符号は類似の対象を表している。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明によるMRIシステムの概略図である。
【
図2】本発明による方法を示すフローチャートである。
【
図3】基本TSEシーケンス(上側シーケンス表現A)と「被駆動平衡」パルスシーケンス要素を有する基本TSEシーケンス(下側シーケンス表現B)とを示す概略図である。
【
図4】被駆動平衡パルスシーケンス要素なしで(左側画像A)取得された3D高速/ターボスピンエコー画像(TR/TE211/60ms)と、撮像シーケンスに付属する被駆動平衡パルスシーケンス要素あり(右側画像B)で取得された3D高速/ターボスピンエコー画像(TR/TE211/60ms)とを示す図である。
【
図5】
図3の(B)に示されているような、調整されていない「被駆動平衡」パルスシーケンス要素を有する基本STIR-TSEシーケンスを示す概略図である。
【
図6A】本発明によるMRIパルスシーケンスの好ましい実施形態を示す概略図である。
【
図6B】
図6Aの時点t1~t7での体液磁化(点線矢印)、組織磁化(直線矢印)および脂肪磁化(点線矢印)の運命を示す概略図である。
【
図7】DEを使用せず、またDEを使用して、さらに本発明による方法を使用した場合と使用しない場合とで取得された2D STIR画像の比較を示す図である。
【
図8】本発明による方法を用いて取得された3D STIR画像と、用いずに取得された3D STIR画像との比較を示す図である。
【
図9】本発明によるMRIパルスシーケンスの別の好ましい実施形態を示す概略図である。
【0020】
図1には、本発明によるMRIシステム100、すなわち、本発明による方法を実現する際に、高速被駆動平衡反転回復マルチエコー撮像において画像コントラストを改善することができ、特に脂肪信号の抑制を改善することのできるMRIシステム100の好ましい実施形態が示されている。MRIシステム100は、特に、生体対象物106からMRI信号を取得するために磁場およびRFパルスを生成するように構成された種々のコイル101とそれぞれのコイルコントローラとを備える。例えば、MRIシステム100は、
-軸線方向磁場コイルおよび前記軸線方向磁場コイルによって生成された軸線方向磁場B
0を制御する軸線方向磁場コイルコントローラと、
-勾配コイルおよび前記勾配コイルによって生成された磁場勾配Gを制御するように構成された勾配コイルコントローラと、
-RFコイルおよび当該RFコイルによって生成されたRF磁場B1を制御するように構成されたRFコイルコントローラと、
-RFコイルと同じであってよく、撮像すべき生体対象物106の磁化の変化を検出して受信コイルコントローラに前記変化を通信するように構成された受信コイル、RFコイルコントローラと同じであってよく、MRI信号を出力する受信コイルコントローラ、ならびにプロセッサおよびメモリ103を含み、前記生体対象物の画像を再構成するために出力されたMRI信号を処理する処理ユニット102と、
-再構成された画像を表示するディスプレイ104と
を備える。
【0021】
図3および
図5に示されているMRIパルスシーケンスを有しかつ本発明の導入部において既に論じた従来技術のMRIシステムとは異なり、本発明によるMRIシステム100は、新規のパルスシーケンスを実行するように構成されている。前記新規のパルスシーケンスの好ましい実施形態は
図6Aに概略的に示されており、さらに
図6Bにおいて特徴付けられている。前記新規のパルスシーケンスの別の好ましい実施形態は
図9にも概略的に示されており、そこでは、時点t1~t7での体液磁化、組織磁化および脂肪磁化の運命が、
図6Bによってさらに特徴付けられている。本発明による方法を実行するために、MRIシステム100は、実行時に本発明による対象物106を撮像するための方法を実現すべく軸線方向磁場コイルコントローラ、勾配コイルコントローラ、RFコイルコントローラおよび受信コイルコントローラを協働させるための命令を符号化した非一時的なコンピュータ可読媒体、例えばメモリを含みうる。ここで、
図6Aおよび
図6Bの好ましい実施形態に即してより詳細に説明される前記方法は、特に以下のステップを含む。
【0022】
MRIシステム100、例えばそのRFコイルコントローラは、ステップ201においてMRIパルスシーケンス600を実行するように構成されており、ここで、各TR期間のために反復されるパルス列は、関心磁化、典型的にはT1値およびT2値を有する体液磁化のための複合0°パルスを模倣する。スピンエコーシーケンスのケースとしては
図6Aに、勾配エコーシーケンスのケースとしては
図9に概略的に表されている前記MRIパルスシーケンス600は、時間に関する関数としてのRFパルス列を含む。本発明によれば、MRIパルスシーケンス600は、3つの連続するRF要素、すなわち第1の要素610、第2の要素620および第3の要素630を含む。第1の要素610は、反転回復パルスシーケンス、例えばSTIRパルスシーケンスである。これは180°反転パルスINVを含む。第2の要素620は、画像符号化パルスシーケンス、例えばTSEパルスシーケンスである。これは、励起RFパルスEXCで開始される。180°反転パルスINVと励起RFパルスEXC(典型的には90°RFパルス)とを分離する時間が、反転時間TIである。
図6Aのケースでは、次いで、従来技術から知られているように、励起RFパルスEXCに続き、再集束RFパルスREF、撮像符号化勾配およびデータサンプリングのトレインが配置されている。エコー間隔ESは、前記第2の要素620の複数のエコーシーケンスにおけるエコー間の時間を表現しており、ES/2(すなわちエコー間隔時間の1/2)は、再集束RFパルスREFから励起RFパルスEXCを分離する時間であり、エコートレイン長ETLまたはターボ係数TFは、前記第2の要素620中のエコーの数を表現しており、位相符号化ステップの数は、N
PhEによって表現されている。特に、本発明によれば、エコーの最小数(ETLまたはTF)は1に等しい。MRIパルスシーケンス600の各反復間の時間間隔は、反復時間TRである。時間の関数としての信号取得ACQも
図6Aに概略的に示されており、ここで、誘導信号Sのピークは、再集束RFパルスREFの後の時点ES/2で生じる。
【0023】
既存のDEモジュールとは異なり、第3の要素630は、+x軸に沿った+90°のフリップバックパルス632で終了するという点で、mDEパルスシーケンスモジュールである。特に、mDEパルスシーケンスモジュールは、前記エコートレインの最後のエコー信号後の時間ΔTの箇所で(すなわち、第1のRFパルス631と前記エコートレインの最後のエコー信号とを分離する時間遅延または期間がΔTに等しい。なお、後述するように、
図9に提示されている勾配エコーのケースとは異なる)印加される第1のRFパルス631を含み、前記+90°フリップバックパルス632は、前記関心磁化を正のz軸に沿って正の縦方向配向へとフリップバックするために、前記180°のRFパルス631後の時間ΔTの箇所で(すなわち、第1のRFパルス631と前記+90°フリップバックパルス632とを分離する時間遅延または期間がΔTに等しい)、すなわち、関心磁化のスピンエコーまたはRFエコーが発生したときに、印加される。特に、前記時間ΔTは最小化され、すなわち好ましくは1/2ESとなる傾向にあり、さらに好ましくは1/2ES(すなわち、ΔT=1/2ES)に等しい最小値を取る。このことは、体液磁化(長いT1、長いT2)、組織磁化(中間T1、中間T2、例えば筋肉組織)および脂肪磁化(短いT1、長い“TSE T2”)の運命を示している
図6Bを考慮すれば、MRIパルスシーケンス600の過程を通して、すなわち
図6Aの時点t1~t7の関数として、より良好に説明される。
【0024】
当業者によって理解されるように、本発明では、励起RFパルスEXCと再集束RFパルスREFとフリップバックパルス632との間の位相差が有意である。特に、励起RFパルスEXC(x)と再集束RFパルスREF(+/-y)の全てとの間に90°の位相差が存在する限り、前記mDEパルスシーケンスにおいて、励起RFパルスEXC(すなわち+x)と同じ位相を有する90°フリップバックパルスが使用されることになるが、従来のDEでは、90°DEパルスと90°RFパルスとの間の180°位相差が使用される。例えば、90°励起RFパルスが180°(-x)位相を有し、かつ再集束180°RFパルスREFが90°(+y)位相を有する場合、フリップバックパルスは、180°(-x)位相を有する90°パルスでなければならない。
【0025】
図6Bでは、体液磁化(点線矢印)、組織磁化(直線矢印)および脂肪磁化(点線矢印)の成分の時間的展開が、基準軸(XYZ)を有するデカルト座標系に関して概略的に表現されており、z軸は主静磁場B0に対してアライメントされており、前記磁化の成分は、
図6Aに示されている7つの連続する異なる時点t1~t7に対して表現されている。
【0026】
時点t1では、すなわち反転パルスINVが印加される直前には、体液磁化、脂肪磁化および組織磁化の成分が、それぞれz方向に沿って、すなわち主静磁場B0に対して平行に、アライメントされている。第1のTR期間においてまさに第1の反転パルスが印加される前には、当該初期の縦方向磁化が、熱力学的平衡にある対象物106の全ての生体材料の磁化(M0)に対応する。後続のTR期間では、材料のT1時間に関連するTRの値に応じて、これらの磁化の大きさが、後続のTR期間において後のTR期間で定常値に達するまで小さくなる可能性がある。ただし、時点t1において縦方向磁化成分が関心磁化であることは不変である。
【0027】
時点t2では、すなわち反転パルスINVが印加された直後には、体液、組織および脂肪の縦方向磁化すなわち前記初期磁化が、主磁場B0の方向とは反対方向を向くように180°の角度に従ってフリップされ、これにより、負のz軸に対してアライメントされる。
【0028】
時点t3では、すなわち反転時間TIの終了時であって、ただし励起RFパルスEXCが印加される前には、組織磁化、体液磁化および脂肪磁化の成分は依然として負のz軸に対してアライメントされているが、T1緩和に従ってそれぞれ自身の速度で減少し、これにより、脂肪磁化よりも大きい組織磁化と、組織磁化よりも大きい体液磁化とが生じる。励起パルスEXCの印加により、縦方向磁化がXY平面へとフリップされ、横断方向磁化が生じている。
【0029】
時点t4では、前記横断方向磁化が、体液、組織および脂肪について概略的に示されている。グラフに描かれているように、脂肪磁化はきわめて小さいかまたはゼロである。
【0030】
エコートレイン中、T2緩和が生じる。このことは、t5のグラフにより、すなわち、当該時点でのエコートレインの最後のエコーの直後に概略的に示されており、組織のT2時間に関連したエコートレイン長に応じて、体液磁化が最大の大きさを有する一方、横断方向組織磁化は著しく減衰しており、脂肪磁化はほぼゼロの振幅を有する。
【0031】
本発明による、励起パルスEXCと同じ位相を有する+90°フリップバックパルス632を印加することによって、t6のグラフに示されているように、B0に対してアライメントされた状態で、(t5のグラフに対応する)横断方向磁化の、正の縦方向磁化への変換がもたらされる。このように、mDE要素は、時点t6で縦方向体液磁化を発生させ、その結果、時点t6と時点t7との間の緩和後、時点t7においても、mDE要素が存在しない場合に有しうるよりも大きな大きさを有する。このことは、
図5の時点t6における磁化と
図6Bの時点t6における磁化との比較によって明確に示されており、この場合、+90°フリップバックパルス632により横断方向磁化を正の縦方向磁化へと変換することができるが、
図5に示されている従来のDEでは、前記磁化は負の縦方向磁化(負のz軸)へと変換され、その結果、関心信号に関連付けられた縦方向磁化が次のパルスシーケンス中に最小信号の生成を可能にする正の最小値に達するまでにかかる時間が増大する。これとは逆に、本発明によるmDEでは、縦方向磁化が最小の大きさに達するまでにかかる必要最小回復時間を短縮することができ、これにより、次のパルスシーケンスショット中の最小信号の生成が可能となる。したがって、本発明によるmDEにより、関心組織からの信号を減少させることなく増大させることができる。例えば、前記mDEにより、STIR準備ターボスピンエコートレインの終了時に体液磁化が正のz軸にフリップバックされることが保証され、したがって、回復のための有利な開始点を得ることができる。
【0032】
図9には、本発明による前記新規のパルスシーケンスの別の好ましい実施形態が示されている。
図9のケースでは、
図6Aに示されている第2の要素620における励起RFパルスEXC後に現れるスピンエコーシーケンスが、勾配エコーシーケンスに置換されている。既に言及したように、本発明は、単一の(スピンまたは勾配)エコーを含むエコーシーケンス、ならびに複数の(スピンおよび/または勾配)エコーを含むエコーシーケンスに対して作用する。
図9には、前記第2の要素620内に含まれる複数の勾配エコーのケースが示されており、ここで、第3の要素630は、横断方向磁化を再集束させ、その平衡を駆動するように構成されている。
図9に示されているように、第1の180°RFパルス631が励起RFパルスEXC後の時間ΔT’の箇所で印加され、
図6Aのスピンエコーシーケンスのケースと同様に、次いで、+90°のフリップバックパルス632が第1の180°RFパルス631後の時間ΔT’の箇所で印加される。換言すれば、最後の誘導信号S(
図9の信号取得ACQを参照)が取得された後、第3のモジュール630が前記第1のRFパルス631で開始され、この第1のRFパルス631は、90°フリップバックパルス632が印加される時点と関心磁化(成分)が再集束された最後の時点とを分離する期間の時間的な中間位置にあり、これは、勾配エコーシーケンスのケースの時点t4に対応する(
図6Aに示されている時点t5に対応する)。
【0033】
MRIシステム100は、ステップ202で、前記対象物106によって生成されたMRI信号を取得するように構成されている。当該技術分野において公知のように、前記MRI信号は、各反復時間TR中にMRIシステム100によって前記対象物106に適用され、画像読み出しブロックによってサンプリングされたものであってよい。
【0034】
MRIシステム100または計算システムは、ステップ203で、前記MRI信号から前記対象物106の画像を再構成するように構成されており、ここで、前記画像再構成のために、MRI信号データが典型的にはループ形式でステップ201およびステップ202を反復することによって収集される。実際には、従来技術において知られているように、MRIシステム100または前記計算システムは、複数のMRI信号が取得され、次いで前記MRIシステム100または計算システムによって前記対象物106の前記画像再構成に使用可能となるよう、選択された数のTR期間にわたってステップ201およびステップ202を反復するように構成することができる。
【0035】
本発明の利点は
図7および
図8に示されており、これらの図には、本発明によるMRIパルスシーケンス600の体液信号の増強効果の例が腰椎内での2D STIR撮像および3D STIR撮像の特定のケースで示されている。腰椎の2D STIR画像(
図7を参照)は、DEフリップバックパルスを用いずに、3テスラで、2340msの著しく短いTR時間で(A)、また、磁化準備されていないシーケンスに対して最適化された従来のフリップバックパルスを用いて(B)、さらに、本発明によるmDEを用いて(C)、取得されたものである。画像(A)では脊柱管内のCSFの信号強度および信号輝度が比較的低く、画像(B)ではこれらの信号強度および信号輝度がさらに低下しており、対して画像(C)では明らかに高くなっていることが明瞭に観察できる。特に、被駆動平衡を用いないSTIR撮像において最大体液信号の少なくとも95%を観察するためには、体液磁化のT1時間の少なくとも3倍の長さ、すなわち約3.5秒よりも確実に長いTR時間が望ましいが、これは臨床用途にとって多くの場合に長すぎ、より小さい信号とより短いTR時間とでの妥協点が求められることが多い。
【0036】
図8には、さらに短い1500msのTR時間で、被駆動平衡フリップバックパルスを用いずに(A)、また本発明によるmDEを用いて(B)、3テスラで取得された、腰椎の3D STIR画像が示されている。この場合も、画像(A)と比較した画像(B)において、明らかに高い髄液の信号強度を観察することができる。
【0037】
結論として、本発明による方法により、前記関心磁化からのMRI信号、すなわち前記関心磁化によって生成されたMRI信号を改善することができる。前記改善を達成するために、mDEを含む新たなMRIパルスシーケンス600を提案しているが、このMRIパルスシーケンス600は特に体液撮像に適しており、これにより、画像取得を加速するために短いTR時間を使用する場合にも体液信号の明確な増強が得られる。このことは、2D STIR撮像において可能な反転準備とデータ取得TSEパルストレインとを交互に行うことのできない3D STIR撮像にとって、特に有益である。しかも、本発明によれば、特に少数の2Dスライスが測定される場合、良好な体液感度を依然として提供しながら、いっそう高速な2D STIR撮像を実現することができる。3D STIRシーケンスは、筋骨格系の評価、例えば股関節、膝関節もしくは肩関節における金属インプラントの周囲の炎症の評価のために、特に有意である。
【0038】
引用文献リスト
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【手続補正書】
【提出日】2024-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MRIシステム(100)の検査ボリューム内に配置された対象物(106)を撮像する際に、関心磁化によって生成されたMRI信号を改善するための磁気共鳴撮像(以下“MRI”とする)方法であって、前記方法が、
-前記MRIシステム(100)により、連続する3つの無線周波数(以下“RF”とする)の要素、すなわち、反転時間(TI)によって特徴付けられる反転回復パルスシーケンスである第1の要素(610)と、励起RFパルス(EXC)およびこれに続く少なくとも1つの画像符号化勾配および少なくとも1つのデータサンプリングを有する前記反転時間(TI)で開始される画像符号化パルスシーケンスである第2の要素(620)と、該第2の要素に続く第3の要素(630)とを含むMRIパルスシーケンス(600)を実行すること(201)と;
-前記MRIシステム(100)により、各反復時間(TR)中に前記MRIシステム(100)によって前記対象物(106)に適用され、前記対象物(106)によって生成されて、画像読み出しブロックによってサンプリングされたMRI信号を取得すること(202)と;
-前記MRI信号から前記対象物(106)の画像を再構成すること(203)と;
を含む、MRI方法において、
前記第3の要素(630)は、正のz軸およびB0フィールド方向に対してアライメントされた状態で、関心磁化の横断方向磁化成分の、正の縦方向磁化への変換を達成するように構成された修正被駆動平衡(以下“mDE”とする)パルスシーケンスである
ことを特徴とする、MRI方法。
【請求項2】
前記mDEパルスシーケンスは、+90°フリップ角によって特徴付けられる位相シフトフリップバックパルス(632)で終了する、請求項1記載のMRI方法。
【請求項3】
前記フリップバックパルス(632)は、再集束RFパルス(+y)に対する90°位相シフト(+x)によって特徴付けられているか、または前記励起RFパルス(+x)に対する非位相シフトによって特徴付けられているか、または被駆動平衡パルスシーケンス(DE)のフリップバックパルス(-x)に対する180°位相シフトによって特徴付けられている、請求項2記載のMRI方法。
【請求項4】
前記第1の要素(610)はSTIRパルスシーケンスである、請求項1記載のMRI方法。
【請求項5】
前記第2の要素(620)は、単一のもしくは複数のデータサンプリングを含む、請求項1記載のMRI方法。
【請求項6】
前記第2の要素(620)は、1つもしくは複数の勾配エコーまたはスピンエコーを生成するように構成されたシーケンスである、請求項1記載のMRI方法。
【請求項7】
前記第2の要素(620)は、勾配エコーとスピンエコーとの組み合わせを生成するように構成されたシーケンスである、請求項1記載のMRI方法。
【請求項8】
前記第2の要素(620)はTSEパルスシーケンスである、請求項1記載のMRI方法。
【請求項9】
前記mDEパルスシーケンスは、+90°フリップバックパルス(632)が印加される時点と前記磁化が再集束された最後の時点とを分離する期間の時間的な中間位置にある第1のRFパルス(631)を含む、請求項2記載のMRI方法。
【請求項10】
前記mDEパルスシーケンスは、エコートレインの最後のエコー信号の後のエコー間隔(ES)の1/2に等しい時点で印加される180°RFパルスである第1のRFパルス(631)を含み、
前記+90°フリップバックパルス(632)は、前記第1の180°RFパルス(631)の後のエコー間隔(ES)の1/2に等しい時点で印加される、
請求項2記載のMRI方法。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項記載のMRI方法を実行するように構成されたMRIシステム(100)。
【外国語明細書】