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  • 特開-時計用デュワー装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091483
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】時計用デュワー装置
(51)【国際特許分類】
   G04G 9/00 20060101AFI20240627BHJP
   G04B 37/02 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
G04G9/00 308Z
G04B37/02
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023204827
(22)【出願日】2023-12-04
(31)【優先権主張番号】22216515.1
(32)【優先日】2022-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】507276380
【氏名又は名称】オメガ・エス アー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】ウンメル、 アントワーヌ
【テーマコード(参考)】
2F002
【Fターム(参考)】
2F002AA00
2F002AA06
2F002AB06
2F002AC03
2F002BB05
2F002EA04
2F002EF01
2F002GA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】時計の機械部品及び/又は機能部品のデュワー装置を提供する。
【解決手段】デュワー装置(1)は、筐体(4)を有するケース(2)を含み、時計(10)のケース(12)を着脱可能に配置することができ、ケースは時刻表示又は時計(10)によって実行される機能に関する情報を表示することができる表示装置を有し、表示装置はケース(2)の透明カバー(6)に対向して配置され、デュワー装置(1)は、可変光度透明カバー(6)を含む時計(10)の表示装置のコントラストを動的に調整するためのシステム(3)と、時計(10)の表示装置のコントラストを制御するように構成された制御ユニット(8)とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計(10)の機械部品(5)及び/又は機能部品(5)に用いるデュワー装置(1)であって、筐体(4)を有するケース(2)を含み、前記ケースは前記時計(10)のケース(12)を着脱可能に配置することができ、前記ケースは時刻表示又は時計(10)によって実行される機能に関する情報を表示することができる表示装置を有し、前記表示装置は、前記ケース(2)の透明カバー(6)に対向して配置され、前記デュワー装置(1)は前記時計(10)の前記表示装置のコントラストを動的に調整するためのシステム(3)を含み、前記システム(3)は、前記可変光度透明カバー(6)と、前記時計(10)の前記表示装置のコントラストを制御するように構成された制御ユニット(8)とを含む装置(1)。
【請求項2】
前記透明カバー(6)は、透明な光度可変要素(7)を含む請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記制御ユニット(8)は、前記透明カバー(6)の光度可変要素(7)に接続要素(14)を介して接続された請求項1に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記透明カバー(6)は透明基板を含み、その下面は光度可変要素(7)を含む請求項1に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記透明カバー(6)は光度可変要素(7)を含む透明基板を含み、前記光度可変要素(7)は前記基板の本体に含まれた請求項1に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記基板は2層の透明材料で形成され、その層間に有機エレクトロルミネッセンス材料の透明機能層のスタックから構成された前記光度可変要素(7)が配置された請求項1に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記制御ユニット(8)は少なくとも1つのイベントセンサを含み、前記イベントは前記デュワー装置(1)の外部環境における光度の変化を引き起こすことが可能であり、前記センサは光度センサである請求項1に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記透明カバー(6)は光度可変要素(7)を含み、前記光度可変要素(7)は透明であり、前記透明カバー(6)の光度可変要素(7)は照明要素、特にOLEDタイプの透明照明要素である請求項1に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記時計(10)のケース(12)を前記筐体(4)内に固定するとともに、前記時計(10)のケース(12)をこの筐体(2)の中間部(9a)、背部(9b)及び光度可変透明カバー(6)を含むこの筐体(4)を形成する機能要素(15)から遠ざける着脱可能な固定装置(13)を含む請求項1記載の装置(1)。
【請求項10】
前記筐体(4)は、真空又は真空に近い状態にある請求項1に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記透明カバー(6)は、前記時計ケース(10)の透明カバー(11)の表面よりも実質的に大きいか又は厳密に大きい表面を有する請求項1に記載の装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計の機械部品及び/又は機能部品のためのデュワー装置に関し、この装置は、デュワー装置のケース内に配置された腕時計の文字盤のような表示装置のコントラストを動的に調整するためのシステムを含んでいる。
【背景技術】
【0002】
電子時計は、従来、腕に巻くバンドと、いくつかの電気部品又は電子部品を含む時計ケースとを含んでいる。これらの部品の中には、極端な温度に耐えられないものがあり、このような温度では正常に動作しなくなることが先行技術で知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような条件下では、時計、特に電子時計を、このような極端な温度が支配することがある環境で使用できるようにする必要があり、特に、このような使用の状況において、このような時計の表示装置に存在する情報を正確かつ効率的に読み取ることができるようにする必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的のために、本発明は、時計の機械部品及び/又は機能部品に用いるデュワー装置に関し、時計のケースを着脱可能に配置することができる筐体を有するケースを含み、前記ケースは、時刻表示又は時計によって実装される機能に関連する情報を表示することができる表示装置を備え、表示装置は、前記ケースの透明カバーに対向して配置され、デュワー装置は、時計の表示装置のコントラストを動的に調整/調節するシステムを含み、前記システムは、可変光度透明カバーと、時計の表示装置のコントラストを制御するように構成された制御ユニットとを含む。
【0005】
他の実施形態では
透明カバーは、透明である光度/照明可変要素を含み、
制御部は、接続要素を介して、透明カバーの光度を変化させるための要素に接続され、
透明カバーは透明基板を含み、その下面は光度可変要素を含み、
透明カバーは透明基板を含み、光度可変要素を含む透明基板を含み、光度可変要素は基板の本体にあり、
基板は、2層の透明材料によって形成され、その層間に、有機エレクトロルミネッセンス材料の透明機能層の積層から構成された光度可変要素が配置され、
制御ユニットは、少なくとも1つのイベントセンサを含み、イベントは、デュワー装置の外部環境における光度の変化を引き起こすことが可能であり、センサは、光度センサであり、
透明カバーの光度を変化させる要素は照明要素であり、特にOLEDタイプの透明照明要素であり、
デュワー装置は、時計ケースを筐体内に固定するとともに、時計ケースを機能要素から遠ざける着脱可能な固定装置を含み、この筐体は、このケースの中間部、背部、及び可変光度透明カバーを含み、
筐体は、真空又は真空に近い状態にあり、
透明カバーは、時計ケースの透明カバーよりも実質的に大きいか、厳密に大きい表面を有する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
その他の特徴及び利点は、添付の図を参照しながら指示的かつ非限定的な態様で以下の説明から明らかになるであろう。
図1図1は、本発明の実施形態による、このケース内に配置された腕時計の表示装置の光度を変化させるための要素を含む透明カバーを備えるケースを備えるデュワー装置の上面の概略図である。
図2図2は、本発明の実施形態による、図1の時計の概略図の軸II-IIに沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1及び図2は、時計10の機械部品及び/又は機能部品5のための時計用デュワー装置1を示している。この時計用デュワー装置1は、「等温時計装置」又はより簡単に「デュワー装置」とも呼ばれ、「等温ケース」又は「デュワーケース」とも呼ばれる熱保護ケース2を備えている。時計10の機械部品及び/又は機能部品5のためのこのような熱保護デュワー装置1は、時計10の機械部品及び/又は機能部品5に良好な熱絶縁を提供することができ、これらの部品5にこのような熱絶縁を提供するためには、このケース2の筐体4内にケース12を配置する必要がある。言い換えれば、このケース2は、特に、これらの機械部品及び/又は機能部品5に適切な断熱を提供するために、その機能要素15と時計10のケース11との組み合わせによって形成される。この筐体4を形成するケース2のこれらの機能要素15は、透明カバー6、このケース2の中間部9a及び背部9bの内周壁17からなる。この構成において、時計10のケースは、この筐体4を形成するケース2の機能要素15から遠ざけられるか、又はこの筐体4から距離を置かれながら、筐体4内に配置される。この中間部の内周壁17は、筐体4のものでもあることに留意されたい。
【0008】
このデュワー装置1では、ケース2が、時計10の文字盤のような表示装置のコントラストを動的に調整するシステム3を構成している。このようなシステム3は、表示装置のコントラストを自動的に設定するのに役立ちます。このようなコントラスト調整により、デュワー装置1の環境に存在する光度を考慮して、この表示装置によって表示される情報の読みやすさを向上させることができる。特に、このシステム3により、情報に関連する1つ又は複数のグラフィック表現と、それぞれの背景との間に最適なコントラストを設定できることに留意されたい。
【0009】
この目的のために、このシステム3は、ケース2の透明カバー6から構成され、この透明カバー6は、時計10の表示装置の方を向いた可変光度を有する透明な透明カバー6であり、この透明カバー6に接続された制御ユニット8は、この光度を制御/管理するように構成されている。
【0010】
このような構成において、制御ユニット8は、ハードウェア資源、特に、メモリ要素及びデータ及び制御アドレスバスと協働する少なくとも1つのプロセッサを備えるコントローラと、別様にバッテリと呼ばれるエネルギー蓄積器とを含む電子回路を含む。この制御装置8は、時計10の表示装置の動的コントラスト調整を管理するためのアルゴリズムをメモリ要素に含んでいる。このようなアルゴリズムは、この制御ユニット8のプロセッサによって実行され、特に、このディスプレイ装置のコントラストの管理を確実にするために、制御ユニット8に構成されたイベントセンサからのデータを考慮する。このようなデータは、例えば、これらのセンサによって検出されたイベントに関連する情報を提供する可能性があり、このようなイベントは、デュワー装置1の環境において優勢な周囲光度の変化に寄与する/導く/発生させる可能性が高く、ディスプレイ装置内に存在する情報の読み取りを妨害する/変化させる可能性があることに留意すべきである。このようなイベントは、非限定的かつ非網羅的な方法で、デュワー装置1の環境における特定のレベルの光度の検出、特に太陽放射などで構成される可能性がある。
【0011】
このような構成において、イベントセンサは、特に、非限定的かつ非網羅的な態様において、太陽放射センサ及び/又は赤外線太陽放射センサ及び/又は紫外線太陽放射センサを含む光度センサから構成される。
【0012】
イベントセンサは、制御ユニット8の一部を構成し、このユニットのコントローラに接続されていることに留意すべきである。光度センサは、デュワー装置1、ひいてはケース2の外側の環境から来る光に曝されるように、ケース2内、特にこのケース2の機能要素15の少なくとも1つに配置される。一例として、この光度センサは、ケース2の透明カバー6の本体内及び/又はこの透明カバー6の内側面16に配置することができる。
【0013】
このデュワー装置1では、制御ユニット8は、その電子回路が配置されたフレキシブルPCBのような基板で構成されるが、光度センサは例外であり、透明カバー6内又はケース2のこの透明カバー6の内側面に配置することができる。この文脈では、回路は、三次元印刷法又はポリマー印刷法を使用してこの基板上に構築することができる。この基板は、筐体4内で、背部9bや筐体4の内周壁17などの機能要素15の1つに配置されることに留意すべきである。
【0014】
上述のように、制御ユニット8、特にそのコントローラは、接続要素14を介してケース2の透明カバー6に連結/接続されている。このような透明カバー6は、基板と、この基板内又は基板上に配置された透明な光度/照明可変要素7とによって形成されている。この基板は、ミネラルガラス、アクリルガラス、光学セラミック又はサファイアガラスなどのガラスなどの材料からなる。この透明カバー6において、このような光度可変要素7は、例えば、透明な照明要素であり、特に、OLEDの略称で知られる有機発光ダイオード照明要素である。
【0015】
このようなOLEDタイプの照明要素は、このスタックの、一般に第1及び第2の導電層の形態の透明電極によって電気を供給される有機エレクトロルミネッセンス材料の層からなる透明機能層のスタックを含み、この/これらの材料の層を挟む。このようなOLEDタイプの照明要素7は、CIE XYZ 1931比色図における座標(x1、y1)によって0°で定義される多色放射を放出するように設計することができる。この透明照明要素7は、ディスプレイ装置の方向に光放射を放出するように、又はディスプレイ装置に向けて光放射を放出するように構成される。
【0016】
非限定的かつ非網羅的な態様において、エレクトロルミネッセンス層は、SM-OLED(Small Molecule Organic Light Emitting Diodes)として知られる低分子、又はPLED(Polymer Light Emitting Diodes)として知られる高分子から構成することができる。)
【0017】
ケース2の透明カバー6の第1の変形例では、光度可変要素7は、基板の下面に配置/塗布/印刷/蒸着され、したがって、この透明カバー6の内側面16を形成する。
【0018】
ケース2の透明カバー6の第2の変形例では、光度可変要素7は、ケース2のこの透明カバー6を形成する基板の本体内に構成される。この文脈において、この基板は、ガラスのような透明材料の2つの層によって形成することができ、これらの層の間に、光度可変要素7が配置される。
【0019】
透明カバー体6を構成する基板内又は基板上に光度可変要素7が存在しても、ケース2のこの透明カバー体6の透過率特性は変化しないことに留意すべきである。
【0020】
この文脈では、したがって、制御ユニット8は、光度可変要素7の第1及び第2の導電層に印加される電気電圧の変化を制御/管理することによって、ディスプレイ装置に印加される照明/光強度、特にこのディスプレイ装置上の照明/光強度の分布を変化させることができることが理解される。このようにして、制御ユニット8は、この表示装置の読み取りを容易にし、及び/又はこのデュワー装置1の使用者に読みやすさを提供することを目的として、周囲の光度に適合した表示装置のコントラストを構成することができる。
【0021】
光度可変要素7によって生成されるこの照明の変化(別称、光強度の変化)は、2つの状態の間で行われる。最大光度に関する第一の状態と、ゼロ光度に関する第二の状態である。
【0022】
さらに、前述したように、時計10のケース12は、ケース2の可逆的な固定装置13のおかげで、筐体4の内周壁17から離間しているか、さもなければ間隔19に維持された状態で、このデュワー装置1のケース2内に配置される。換言すれば、このような固定装置13は、ケース12と筐体4を形成するケース2の機能要素15との間の間隔19を構成することができる。この構成において、固定装置13は、中間部9aの(又は筐体4の)内周壁17及び/又は背部9b及び/又は透明カバー6と時計10のケース12との間の、特にこのケース12の外側の全体的な面との間の熱伝導を減少させるか、あるいはなくすのに役立つ。この外側全体の面は、この時計10のケース12の透明カバー11を構成する上側の面と、ケース12の背部を構成する下側の面と、このケース12の中間部の外周壁とを含む。
【0023】
この構成において、時計10のケース12をケース2の筐体4の内周壁17に可逆的に固定するための固定装置13は、
時計10のケース12とこのケース2の筐体4の内周壁17とにそれぞれ接続可能な第1及び第2の端部を有する接続部材であって、各部材の本体は、デュワー装置1のケース2の外部環境への熱損失を低減し、したがって時計10ケース12内の安定した内部温度を確保するのに役立つ特定の構造を有するもの、及び/又は
筐体4内での時計10ケース12の磁気浮上を確保するように構成された接続部材であって、実際、これらの接続部材は、ケース12と、ケース2の筐体4を形成する機能要素15との間の間隔19を確保し、維持するように構成され、このような接続部材は、中間部9a及び/又は背部9b及び/又は透明カバー11の内周壁17と時計10のケース12との間、特にこのケース12の外側の全体的な面との間の熱伝導を減少させるか、あるいは排除するのに役立つもの
を含んでよい。
【0024】
ケース12は時計10に構成され、時計10はクオーツ時計のような電子時計であっても、機械式時計又は電気機械式時計であってもよいことに留意されたい。
【0025】
時計10の上述の機械的及び/又は機能的構成要素5は、非限定的かつ非網羅的な態様において、時計ムーブメント、文字盤、針、リング、ジョイント等の表示装置、及び/又は電子的及び/又は電気的構成要素から構成される。特に、このような電子部品及び/又は電気部品には、例えば、表示装置、プロセッサ、メモリ、エネルギー貯蔵部品、モータ、集積回路及び電子発振器などが含まれることに留意されたい。
【0026】
このような構成において、この装置1は、従って、このデュワー装置1の使用者が着用することを可能にするベルト9cが取り付けられた中間部9aを含むケース2から構成される。このケース2には、前述の透明カバー6と背部9bも含まれている。この装置1では、透明カバー6が、好ましくは、時計10のケース12の透明カバー11よりも実質的に大きいか又は厳密に大きい表面からなることに留意されたい。換言すれば、透明カバー6の内側面16は、時計10の透明カバー11の上側面の表面よりも実質的に大きいか又は厳密に大きい表面を有する。
【0027】
このように、この装置1の透明カバー6、中間部9a及び背部9bのような機能要素15は、一緒になって、時計10のケース12を収容することができるこのケース2の筐体4を画定する。ケース2のこれら3つの要素15、すなわち中間部9a、透明カバー6及び背部9bは、この筐体4を構成するために一緒に接合される別々の要素であってもよい。あるいは、ケース2の中間部9aと背部9bは一緒になって一体部品を形成してもよく、この一体部品は、背部9bに対向する開口部を規定し、この開口部は、透明カバー6によって可逆的かつ密閉的に閉じられることができる。あるいは、時計10のケース2の中間部9aと透明カバー6は一緒になって一体部品を形成することができ、一体部品は、透明カバー6に対向する開口部を画定し、この開口部は、背部9bによって、同じく可逆的に、密封された密閉状態で閉じることができる。
【0028】
中間部9a及び背部9bは、好ましくは、非限定的かつ非網羅的な方法で、金属材料、ガラス、又は炭素繊維もしくは透明カバー繊維で強化された熱硬化性もしくは熱可塑性ポリマー樹脂、又は他のセラミック材料で作られる。中間部9a及び背部9bが例えばガラス製で透明又は半透明である場合、中間部9aの内側周壁17及び背部9bの内側面18は、例えば銀の層のような金属又は類似の反射コーティングで被覆されていてもよいことに留意すべきである。
【0029】
さらに、この装置では、時計10のケース12がケース2の筐体4内に配置されるとき、このケース12と中間部9aの内周壁17、背部9b及び透明カバー6との間に画定される空間は、材料がないか、ほとんどない。言い換えれば、筐体4は真空又は真空に近い状態にある。
【0030】
したがって、この構成では、このデュワー装置1は、従来技術でよく知られているデュワー管/容器と同じ特性及び特徴を有することが理解される。既に述べたように、このデュワー装置1の特性と特徴は、このような装置1が配置される可能性のある外部環境において支配する可能性のある極端な温度に関して、この装置に良好な断熱性を与えるのに役立つ。
【0031】
さらに、時計10の機械部品及び/又は機能部品5は非磁性であること、及び/又は時計10のケース2は、これらの部品を磁場から隔離することができる材料で作られているか、又はコーティングで覆われていることに留意すべきである。
【0032】
さらに、固定装置13は、この時計10のケース12の透明カバー11がケース2の透明カバー6に面して配置されるように、この時計10のケース12をこのケース2内に配置するのに役立ち、これにより、この時計10の文字盤及び/又は表示インターフェース上に構成された情報を、デュワー装置1を装着したユーザがケース2の透明な透明カバー6を通して認識することができる。
【0033】
このように、このようなデュワー装置1は、時計10の機械的及び/又は機能的構成要素5に、外部環境から非常に良好な断熱性を提供し、時計10のケース12内に配置された構成要素からの放射による熱損失を長期間に亘って低減し、又は防止することさえできる。従って、装置1の外部の温度が極端な値、典型的には-125℃から+125℃のオーダーに達した場合、筐体4の内部の温度は、時計10がケース2内に配置されたときに時計10のケース12内に存在する温度、典型的には約20℃と実質的に等しいままである。デュワー装置1の環境に存在する温度条件にかかわらず、時計10のケース12内の温度は、時計10の正しい動作を妨げない温度であることに留意すべきである。この温度は、このような温度、特に極端な温度が存在する環境(つまり、デュワー装置1のケース2の外側にある場合)に直接置かれた場合に、このような時計10のケース12がその構成部品の動作温度を維持できる期間よりも2倍から18倍長い期間にわたって維持される。したがって、このような構成により、時計10の機械部品及び/又は機能部品5を保護し、極端な外部温度条件下でも最適に動作するようにすることができると考えられる。
【0034】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって様々な簡単な修正及び変形が考えられることは言うまでもない。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2024-01-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計(10)の機械部品(5)及び/又は機能部品(5)に用いるデュワー装置(1)であって、筐体(4)を有するケース(2)を含み、前記ケースは前記時計(10)のケース(12)を着脱可能に配置することができ、前記ケースは時刻表示又は時計(10)によって実行される機能に関する情報を表示することができる表示装置を有し、前記表示装置は、前記ケース(2)の可変光度透明カバー(6)に対向して配置され、前記デュワー装置(1)は前記時計(10)の前記表示装置のコントラストを動的に調整するためのシステム(3)を含み、前記システム(3)は、前記可変光度透明カバー(6)と、前記時計(10)の前記表示装置のコントラストを制御するように構成された制御ユニット(8)とを含む装置(1)。
【請求項2】
前記可変光度透明カバー(6)は、透明な光度可変要素(7)を含む請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記制御ユニット(8)は、前記可変光度透明カバー(6)の光度可変要素(7)に接続要素(14)を介して接続された請求項1に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記可変光度透明カバー(6)は透明基板を含み、その下面は光度可変要素(7)を含む請求項1に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記可変光度透明カバー(6)は光度可変要素(7)を含む透明基板を含み、前記光度可変要素(7)は前記透明基板の本体に含まれた請求項1に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記透明基板は2層の透明材料で形成され、その層間に有機エレクトロルミネッセンス材料の透明機能層のスタックから構成された前記光度可変要素(7)が配置された請求項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記制御ユニット(8)は少なくとも1つのイベントセンサを含み、前記イベントセンサのイベントは前記デュワー装置(1)の外部環境における光度の変化を引き起こすことが可能であり、前記イベントセンサは光度センサである請求項1に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記可変光度透明カバー(6)は光度可変要素(7)を含み、前記光度可変要素(7)は透明であり、前記可変光度透明カバー(6)の光度可変要素(7)は照明要素、特にOLEDタイプの透明照明要素である請求項1に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記時計(10)のケース(12)を前記筐体(4)内に固定するとともに、前記時計(10)のケース(12)をこの筐体(2)の中間部(9a)、背部(9b)及び光度可変透明カバー(6)を含むこの筐体(4)を形成する機能要素(15)から遠ざける着脱可能な固定装置(13)を含む請求項1記載の装置(1)。
【請求項10】
前記筐体(4)は、真空又は真空に近い状態にある請求項1に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記可変光度透明カバー(6)は、前記時計(10)のケース(12)の透明カバー(11)の表面よりも実質的に大きいか又は厳密に大きい表面を有する請求項1に記載の装置(1)。
【外国語明細書】