(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091486
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】リフトトラック用の一体化されたモーターマウント及びコンプレッサーマウント
(51)【国際特許分類】
B60K 25/02 20060101AFI20240627BHJP
F02B 67/04 20060101ALI20240627BHJP
F02F 7/00 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B60K25/02
F02B67/04 G
F02F7/00 N
F02F7/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023205716
(22)【出願日】2023-12-05
(31)【優先権主張番号】18/145039
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523460349
【氏名又は名称】マーチン シート メタル インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ シー マーチン
【テーマコード(参考)】
3D037
3G024
【Fターム(参考)】
3D037CA01
3D037CB06
3D037CB09
3D037CB19
3D037CB36
3G024AA49
3G024BA29
3G024EA01
3G024FA14
3G024HA04
(57)【要約】
【課題】リフトトラックにコンプレッサーを取付けできるブラケットの提供。
【解決手段】本発明によるブラケット(13)は、ベースプレート(14)と、延長部(16又は17)を有し、ベースプレート(14)がボルト(11)によりエンジンブロックの側面にボルト付けされ、延長部(16又は17)は、ベースプレート(14)から足部(18)へ延び、足部(18)は、モーターをマウントするためのボルトの開口部(19)を有し、エンジンブロックの前方側に足部を拡張して、エンジンブロックのクランクシャフトに対し垂直な平面内に、足部の延長部であるガセット(22、23)を設け、ガセット(22、23)にはコンプレッサー(26)をマウントするための複数のボルト(24)穴が備えられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リフトトラックのエンジンに取り付けるブラケットであって、ベースプレートと、少なくとも1つの延長部とを有し、
前記ベースプレートは、エンジンブロックの側面のネジ穴と一列に整列するように構成された前記ベースプレートの孔を通過する複数のボルトによりエンジンブロックの前記側面にボルト付けされ、
前記少なくとも1つの延長部は前記ベースプレートから開口部を有する足部へ延在し、
前記開口部は、エラストマーのモーターマウントと関連付けられたボルトを受け入れるように配置され、
前記足部は、前記エンジンブロックの前方に延在する拡張部を有し、
前記拡張部は、前記少なくとも1つの延長部によって支持され、前記エンジンのクランクシャフトに対し垂直な平面内にある、複数のガセットからなる表面要素を有し、
前記複数の表面要素は、コンプレッサーのハウジングの取付穴と一列に整列される、複数のボルトを受け入れるための複数の穴を有することを特徴とするブラケット。
【請求項2】
前記ベースプレートの取付け要素として前記ガセットは、前記エンジンブロックの前部にボルト付けするための穴を備えることを特徴とする請求項1に記載のブラケット。
【請求項3】
前記少なくとも1つの延長部と別の延長部とが、前記ベースプレートの対向する端部に位置することを特徴とする請求項1に記載のブラケット。
【請求項4】
前記ベースプレートが前記エンジンブロックにボルト付けされ、前記エンジンが操作方向を向いており、前記少なくとも1つの延長部が鉛直面内にあることを特徴とする請求項1に記載のブラケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフトトラック用の一体化されたモーターマウント及びコンプレッサーマウントに関する。
【背景技術】
【0002】
リフトトラックは、一般には、極端な寒さや暑さのような大気条件から運転者を保護する運転台を設けずに製造されている。周囲を覆った運転台がない場合、リフトトラックメーカーがエアコンを提供する理由はなかった。一定のユーザーが、特に多数のリフトトラックのユーザーは、リフトトラックメーカーがエアコンの付いた運転台を提供することを求めている。
【0003】
自動車用途のために提供される従来のエアコンシステムは、車両用モーターによって機械的に駆動される冷媒コンプレッサーを使用している。リフトトラックは通常、エアコンシステムを設けて製造されないため、そのエンジンにはコンプレッサーを取り付ける機能が与えられていない。このような状況から、従来のリフトトラックのエンジンに設けるコンプレッサーのための、実用的な取り付け装置が必要とされている。コンプレッサーマウントによって、今あるエンジンに対する機械加工や変更が必要とならないことが理想である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本発明は、ボルトで固定される複数プレート(14、16、17、18)を有するブラケットを提供するものである。この複数プレートを有するブラケットは、エラストマーのモーターマウントとともに機能し、かつコンプレッサーをその軸がモータークランクシャフトと平行になるよう一列に整列させるための複数の表面(ガセット22、23の表面)を備える。開示されているように、前記ブラケットは、一体成形の鋼溶接物である。前記ブラケットの一部は、エンジンを取り付ける目的のためエンジンメーカーがエンジンブロックに設けたもとから存在する止まりネジ穴と一列に整列される取り付け用の穴(ボルト11に対応する穴)を有する。コンプレッサー上の複数の取り付け用部分(ボルト24に対応する部分)と係合する複数の表面要素(ガセット22、23)は、ブラケットのエンジン取り付け部(14)に強固に取り付けられる。開示されているように、本発明のブラケットは、コンプレッサーの支持を専ら行なうものである。
【0006】
開示されているコンプレッサーは、クランクシャフトの端部にある駆動プーリーの周囲に巻かれたサーペンタインベルトまたは多重溝ベルトによって駆動される。本発明のブラケットは、コンプレッサープーリーの180度以上の周囲において前記ベルトを案内するように配置されたアイドラープーリー用の取り付け中心(31の中心)を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、運転者を基準とした、リフトトラックのエンジンブロックの右側を示す。図示のエンジンは、三菱製キャタピラーリフトトラックのGC35K~GC355Kシリーズで使用されている。右側のエンジンブロック10は、ボルト11を受け入れる3つの雌ネジボスを有して製造されており、ボルト11を受け入れた雌ネジボス2つが
図1に示されている。同様に,エンジンブロック10の前部には,ボルト12を受け入れる2つの雌ネジボスがある。
【0009】
一体化されたモーターマウントと冷媒コンプレッサーマウントのブラケット13は、ブラケット13の穴を通過して受け入れられたボルト11、12で、エンジンブロック10に固定される。図示されたブラケット13は、鋼溶接物として製作されているが、鋼鋳物または他の適切な金属の鋳物でもあり得る。
【0010】
ブラケット13のさまざまなプレートは、厚さを3/8インチとすることができる。ブラケット13のベースプレート14は、エンジンブロック10に接して、適切なボルト11を受け入れるための雌ネジボスと一列に整列された穴を有する。ベースプレート14から突き出た2つのプレート(延長部)16、17は、角度を有するプレート(足部)18まで延在する。角度を有するプレート(足部)18は、従来のエラストマーのモーターマウントの中央ボルトを受け入れる開口部19を有する。
【0011】
モーターマウントのエラストマーのパッドは、角度を有するプレート(足部)18の各面に1つずつ組み付けられる。パッドのうちの下側のパッドは、エンジンの重量とトルク力に耐えるよう、リフトトラックのフレームの一部と係合する。プレート(足部)18は、図示の設計では、エンジンブロック10の前方の位置まで延在される。延在されたプレート(足部)18の拡張部は、溶接されたガセット22、23で補強されている。ガセットの1つであるガセット22は、エンジンブロック10の前部まで延び、その位置でボルト12により固定される。
【0012】
モータークランクシャフトに対し垂直な複数の平面内にある、2つの平行なガセット22、23は、プレート(足部)18の向こう側まで延在しており、コンプレッサー26の取り付けフランジを受けるための複数の表面を有する。また、対応するボルト24を受け入れるための複数のネジ穴を有する。ガセット22、23の表面により、コンプレッサープーリー27とクランクシャフトプーリー(図示せず)が、一列に整列され、そのためコンプレッサープーリー27とクランクシャフトプーリーが共通の平面内に存在する。前方に向かうガセット23上の円筒形のボス31の中央穴は、コンプレッサープーリーの周囲の少なくとも1/2の部分でサーペンタインベルトを案内する、アイドラープーリー32のための取り付け中心を提供する。
【0013】
本開示は例示であり、本開示に含まれる教示の公正な範囲から逸脱することなく、細部を追加、修正、または削除など様々な変更を本開示に加えることができることは明らかである。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲がやむを得ず限定される範囲を除き、本開示の特定の詳細にまで限定されるものではない。
【符号の説明】
【0014】
10 エンジンブロック
11 ボルト
12 ボルト
13 ブラケット
14 ベースプレート
16 プレート(延長部)
17 プレート(延長部)
18 プレート(足部)
19 開口部
22 ガセット
23 ガセット
24 ボルト
26 コンプレッサー
27 コンプレッサープーリー
31 ボス
32 アイドラープーリー