(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091526
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】グラフェンデバイスおよびグラフェンデバイスを金属化する方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/28 20060101AFI20240627BHJP
H01L 21/285 20060101ALI20240627BHJP
H01L 21/288 20060101ALI20240627BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240627BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240627BHJP
H01L 21/60 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
H01L21/28 301B
H01L21/285 S
H01L21/285 C
H01L21/288 E
H01L21/285 P
H01L21/28 E
H01L29/78 618B
H01L29/78 616K
H01L21/60 301P
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023211767
(22)【出願日】2023-12-15
(31)【優先権主張番号】22383280
(32)【優先日】2022-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】523473040
【氏名又は名称】グラフェネア セミコンダクター エス.エル.ユー.
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】トーレス アロンソ エリアス
【テーマコード(参考)】
4M104
5F044
5F110
【Fターム(参考)】
4M104AA10
4M104BB01
4M104BB02
4M104BB04
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4M104GG12
5F044EE11
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5F044EE21
5F110BB09
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5F110HK31
5F110HK32
5F110HK33
5F110HK34
5F110HK35
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板と、基板上に配置された少なくとも1つのグラフェンチャネルとを備える固体デバイスを金属化する方法を提供する。
【解決手段】方法は、電子ダイまたはウェハ10上の少なくとも1つの第1の金属構造104’を堆積させるための第1の金属堆積工程を適用する。少なくとも1つの第1の金属構造104’は、グラフェン層101を部分的に占有し、基板100を部分的に占有し、少なくとも1つの第1の金属構造104’を堆積するために、プラズマを使用しない金属堆積技術が使用され、グラフェンチャネル101上に堆積されていない少なくとも1つの第1の金属構造104’の領域上に少なくとも1つの第2の金属構造108’を堆積させるための第2の金属堆積工程を適用する。上記の少なくとも1つのグラフェンベースの固体デバイスを含むダイをソケット内にパッケージングする。
【選択図】
図6B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(100)と、前記基板(100)上に配置された少なくとも1つのグラフェンチャネル(101)と、を備える固体デバイスを金属化する方法において、
少なくとも1つの第1の金属構造(104’)を堆積させるための第1の金属堆積工程を適用するステップであって、少なくとも1つの第1の金属構造(104’)は、グラフェン層(101)を部分的に占め、基板(100)を部分的に占め、少なくとも1つの第1の金属構造(104’)を堆積するために、プラズマを使用しない金属堆積技術が使用されるステップと、
グラフェンチャネル(101)上に堆積されていない少なくとも1つの第1の金属構造(104’)の領域上に少なくとも1つの第2の金属構造(108’)を堆積させるための第2の金属堆積工程を適用するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
第1の金属堆積工程は、
グラフェンチャネル(101)および基板(100)上に、堆積される少なくとも1つの金属構造の幾何学形状をパターニングするステップと、
少なくとも1つの第1の金属構造(104’)を、適用されたパターン上に堆積させるステップと、
によって行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
パターニングは、
グラフェン層(101)上およびグラフェン層(101)によって覆われていない基板(100)上にマスク層(102)を堆積するステップと、
金属が堆積される領域(95)のマスク層(102)を除去し、保護される領域にマスク層(102’)を残すことによって、マスク層(102)に反転パターンを作成するステップと、
によって行われることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの第1の金属構造(104’)は、金属層の塗布(104)及び残留するマスク層(102’)をリフトオフすることで、残留するマスク層(102’)上に堆積された金属並びに基板(100)および/またはグラフェン層(101)と金属が直接接触する領域(95)のみに残っている少なくとも1つの金属構造(104’)を除去して堆積されることを特徴とする請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
第1の金属堆積工程は、蒸発によって、または電着によって、または電気めっきによって行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
第1の金属堆積工程において堆積された少なくとも1つの金属構造(104’)は、0.1~1000ナノメートルの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
第2の金属堆積工程は、少なくとも1つの第1の金属構造(104’)および基板(100)上に堆積される少なくとも1つの第2の金属構造(108’)の幾何学的形状をパターニングするステップと、
少なくとも1つの第2の金属構造(108’)を、適用されたパターン上に堆積させるステップと、
によって行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
パターニングは、
第1のマスク層(105)を堆積させるステップと、
第1のマスク層(106)上に第2のマスク層(106)を堆積させるステップと、
金属が堆積される領域(107)内のマスク層(105、106)を除去することによって、マスク層(105、106)内に反転パターンを作成するステップと、
によって行われることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
第2のマスク層106は、第1のマスク層105よりも現像速度が高く、リフトオフを容易にするアンダーカット構造を形成することを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
少なくとも1つの第2の金属構造(108’)は、
金属層の塗布(108)及び残留するマスク層(105’、106’)をリフトオフすることで、残留するマスク層(105’、106’)上に堆積された金属を除去し、その結果、少なくとも1つの第2の金属構造(108’)は、基板(100)および/または少なくとも1つの第1の金属構造(104’)と金属が直接接触する領域のみに残るように堆積されることを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
第2の金属堆積工程には、CVD、MOCVD、MOVPE、PECVD、ALD、PEALD、DCダイオードスパッタリングなどのスパッタリング、RFスパッタリング、マグネトロンスパッタリング、反応性スパッタリング、高出力インパルスマグネトロンスパッタリング、イオンビーム堆積および電気めっきの金属堆積技術のうちの1つが適用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
第2の金属堆積工程において堆積された少なくとも1つの第2の金属構造(108’)は、100ナノメートル~1000ミクロンの範囲の厚さを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
基板(100)と、前記基板(100)上に配置された少なくとも1つのグラフェンチャネル(101)とを含む固体デバイスであって、
少なくとも1つの第1の金属構造(104’)が、グラフェン層(101)及び基板(100)を部分的に占め、少なくとも1つの第1の金属構造(104’)は、プラズマを使用しない金属堆積技術に従って堆積され、
少なくとも1つの第2の金属構造(108’)が、グラフェンチャネル(101)上に堆積されていない少なくとも1つの第1の金属構造(104’)の領域上に部分的に堆積されていることを特徴とする固体デバイス。
【請求項14】
少なくとも1つのグラフェンベースの固体デバイスの少なくとも第2の金属構造(108’)の各々をソケットの対応する接点にワイヤボンディングするステップを含む、請求項13に記載の少なくとも1つのグラフェンベースの固体デバイスを含むダイ(10)をソケット内にパッケージングする方法。
【請求項15】
パッケージであって、
請求項13に記載の少なくとも1つのグラフェンベースの固体デバイスを含むダイ(10)と、ソケットと、を備え、
少なくとも1つのグラフェンベースの固体デバイスの少なくとも第2の金属構造(108’)の各々は、ソケットの対応する接点にワイヤボンディングされていることを特徴とするパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体及びエレクトロニクス産業の分野に関し、特に、例えばプリント回路基板(PCB)に後で集積又は組み立てるための、集積回路(IC)などの半導体デバイスとそのパッケージとの間の相互接続に関する。より具体的には、本発明は、グラフェンを含む半導体デバイスを金属化する方法に関する。適用された金属化工程は、半導体デバイスとそのパッケージとの間のその後の相互接続を可能にする。
【背景技術】
【0002】
半導体およびエレクトロニクス産業の分野では、典型的にはチップまたはダイに組み込まれるICは、通常、PCBに後で集積するためにパッケージに組み立てられる。現在の傾向は、部品およびパッケージの機能性を増大させながら部品およびパッケージの小型化に向かっている。したがって、高密度パッケージがますます求められており、例えばPCBへのパッケージの組立てプロセスを困難にする。高密度パッケージの需要はまた、ICをパッケージの外部接点に接続するプロセスを困難にする。
【0003】
ワイヤボンディングは、半導体装置の製造時にIC(一般には半導体装置)とそのパッケージとの配線を行う技術である。ワイヤボンディングはまた、ICを他の電子機器に接続するために、または1つのPCBから別のPCBに接続するために使用することもできる。その費用対効果および柔軟性のために、ワイヤボンディングは、半導体パッケージの大部分を組み立てるために使用される。ワイヤボンディング方法は、チップ接点からパッケージ上又はPCB上の既存の接点まで、又は3Dパッケージングの場合、チップ接点と別のチップの接点との間に非常に薄い相互接続ワイヤを作成することからなる。これらのボンディングワイヤは、通常、アルミニウム(Al)、銅(Cu)または金(Au)からなる。
【0004】
21世紀初頭におけるその発見以来、グラフェンは、高い電子移動度、異常な熱伝導率、高い強度、柔軟性および透明性などのその特性に起因して、多くの注目を集めている。これらの特性に起因して、幾つかの例を挙げると、光電子工学における透明導電性電極および光活性層、低磁場感知のためのホール効果センサ、ダイオード、超大規模集積(VLSI)半導体プロセスにおける相互接続の銅の代替品、ならびにバイオセンシング、バイオテクノロジー、およびヘルスケアなど、多くの多様な使用および用途が研究されている。
【0005】
特に、グラフェンの単層構造は、その表面における静電摂動に敏感である。この感度の観測は、ダイオード、トランジスタおよびサイリスタなどのグラフェン固体デバイスに基づくグラフェンベースの化学および生物学的センサの開発を可能にした。その動作は、ターゲットとなる化学物質または生物学的薬剤に曝露されたときの電気的特性の変化に基づくものである。感度が高いことで、適切な分子およびバイオコンジュゲートがグラフェンに作用することについて選択的であり得る。これは、結合される選択されたバイオマーカーのための特異的結合部位を生成する。このように、バイオマーカーがプローブ分子と相互作用すると、それらは結合し、プローブおよびリンカー分子の電子状態の変化を生じる。これは、グラフェンチャネルへの電荷移動をもたらし、その導電性を変化させる。この結果、グラフェンのコンダクタンスが変化し、出力信号である例えばトランジスタに流れる電流が変化する。クロマトグラフィーまたは光学的観察に対向して電気的観察を得ることは、信号の電気的分析のための周知の技術を適用して利益を得ることを可能にする。したがって、1つまたは複数のグラフェン固体デバイスを有するチップなどのグラフェンセンサまたはグラフェンチップは、ヘルスケア分野、とりわけ診断分野を破壊する大きな可能性を有する。
【0006】
グラフェン固体デバイスを製造する様々な方法が存在する。グラフェンセンサ及びその製造プロセスは、例えばWO2022/096640A1に開示されている。
【0007】
1つ以上のグラフェン固体デバイスを有するチップとそのパッケージとの間に物理的相互接続を形成するための既に導入されたワイヤボンディングプロセスは、各グラフェン固体デバイス上、特にそのグラフェンチャネル上に金属を堆積することを必要とする。グラフェンを含む固体製造プロセスにおいて金属(金属接点)を堆積させるための様々な技術がある。既存の金属堆積技術の中には、グラフェン固体デバイスの大多数に広く使用されている2つがある。これらの技術は、スパッタリングおよび熱蒸発である。底部接点は、通常、これらの技法のいずれかに従って堆積され得るが、高速ワイヤボンディングに適していなければならない上部接点の金属化は、厚さ等の条件を満たすことを保証しなければならない。
【0008】
スパッタ堆積は、例えば、Braun M.(2015)Magnetron Sputtering Techniqueに開示されるように、ターゲットから材料をスパッタリングし、それを基板上に堆積させることによって、材料(例えば、金属)の薄膜を堆積させる物理蒸着(PVD)方法である(Nee A.(eds)Handbook of Manufacturing Engineering and Technology.Springer,London.https://doi.org/10.1007/978-1-4471-4670-4_28)。
【0009】
スパッタリングは、堆積を補助するためにプラズマガスを必要とし、非常に厚い膜を効率的に堆積させる可能性を有する等方性の蒸発をもたらす。その等方性のために、それは通常、二重層レジストパターニングスキームと組み合わせて使用され、イメージングレジスト(imaging resist)およびリフトオフ犠牲レジスト(LOR)を使用してアンダーカットを形成し、側壁への堆積を防止し、DMF、DMSOおよびNMPなどの強力な溶媒を使用して清浄なリフトオフを可能にする。
【0010】
しかしながら、この方法をグラフェン固体デバイスに適用する場合には2つの問題を伴う。第1に、堆積を補助するために使用されるプラズマは、堆積の初期工程中にグラフェンを損傷し、堆積された金属によって接触されるグラフェン膜に大きな損傷をもたらす。第2に、リフトオフプロセスに関与する溶媒、特にLORを除去するための溶媒は、グラフェンを損傷し、基板からのグラフェンの剥離を引き起こす。これらの問題によって、グラフェン固体デバイスを金属化するために、特に上部接点を金属化するためにスパッタリングを用いることは不適切である。
【0011】
上部接点のための標準的なリフトオフ技術を熱蒸発によって実施することでこの問題を克服することができる。熱蒸発は、物理蒸着(PVD)の方法である。これは薄膜堆積の1つの方法であり、純粋な材料(例えば金属)のコーティングを物体の表面に塗布するための真空技術である(Safarian, J., Engh, T.A. Vacuum Evaporation of Pure Metals. Metall Mater Trans A 44, 747-753 (2013). https://doi.org/10.1007/s11661-012-1464-2)。熱蒸発は、所望の金属の加熱に依拠し、通常、電子ビームまたは抵抗要素を介して所望の金属をその気相にし、次いで、所望の金属を標的基板上に凝縮させる。グラフェン固体デバイスに適用されたときに、グラフェン膜の完全性を保ち、良好な接触抵抗を保証する穏やかな堆積を可能にする。しかしながら、この技術は、リフトオフの制限により、金属堆積または金属接触の最大厚さは約200nm(ナノメートル、10-9m)、場合によっては100nmに限定される。この厚さは、パッケージングのための固体グラフェンデバイスの後処理工程において必須であるワイヤボンディング技術のほとんどと適合しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Nee A.(eds)Handbook of Manufacturing Engineering and Technology. Springer, London. https://doi.org/10.1007/978-1-4471-4670-4_28
【非特許文献2】Safarian, J., Engh, T.A. Vacuum Evaporation of Pure Metals. Metall Mater Trans A 44, 747-753 (2013). https://doi.org/10.1007/s11661-012-1464-2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
したがって、上述の欠点を克服するグラフェン固体デバイスを金属化する新しい方法を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、グラフェン固体デバイスが構築されるダイの後処理及びその後のソケット及び/又は家庭用電化製品への統合(パッケージング)を可能にしながら、堆積された金属とグラフェンとの間の信頼性のある接触を可能にする新しいグラフェンベース固体デバイス及びグラフェンベース固体デバイスを金属化する新しい方法を提供する。提案された方法は、グラフェン固体デバイスへの上部接点の金属化に特に適しており、その理由は、上部接点は、グラフェン固体デバイスのグラフェンチャネルの完全性が保証されなければならない一方で、後続のワイヤボンディングプロセスを支持するために、堆積された金属について所定の最小厚さを必要とするからである。これはまた、上部接点と底部接点の両方を有するグラフェンデバイスにも適している。
【0016】
ダイ(電子ダイまたはチップとも呼ばれる)は、半導体材料の小さなブロックであり、その上に所与の機能回路が製造される。ダイという用語は、通常、ウェハから切り出された集積回路(IC)を含む半導体材料のブロックを示す。本発明の文脈において、「ダイ」、「ウェハ」および「チップ」という用語は互換的に使用される。
【0017】
本発明は、グラフェンを含む固体デバイス(半導体デバイスとも呼ばれる)の金属化プロセスを提供する。半導体デバイスは、シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ素または有機半導体などの半導体材料から構成することができる。半導体導電率は、電場または磁場の導入によって、光または熱の暴露によって、または他の手段によって制御することができ、その結果、半導体材料は、センサとして機能することができる。半導体内の電流の流れは、電荷キャリアとも呼ばれる自由電子の移動度によって生じる。グラフェンベースの固体デバイスは、半導体材料がグラフェン、例えばグラフェンチャネルである任意の固体デバイスであり得る。本発明の金属化プロセスが適用可能なグラフェン系半導体デバイスは、ダイオードなどの2端子デバイス、またはトランジスタなどの3端子デバイス、またはN端子デバイスであり得る。金属化工程が適用可能なグラフェンベースの固体デバイスの非限定的な例は、ダイオード、トリオード、バイポーラ接合トランジスタ、電界効果トランジスタ、金属酸化物半導体、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、サイリスタ、バリスタ、メモリスタ、バラクタ、pn接合、pin接合、発光ダイオード、光検出器、磁気抵抗デバイス、スピンバルブ、スピントルクデバイス、ボロメータおよびハイブリッド遷移金属ジカルコゲナイド/グラフェン系ヘテロ構造である。
【0018】
本発明の開示を通して、グラフェンベースの固体デバイス(グラフェンベースのSSD)は、基板上に堆積または成長されたグラフェン層および2つの接点(金属堆積または金属接点)によって概略的に表される。いくつかのグラフェンベースのSSDは、単一の基板上に実装することができる。グラフェン層は、グラフェンベースの半導体デバイスの1つ以上のグラフェンチャネルを形成する。当業者は、基板、グラフェン層および2つの金属接点とは、グラフェンデバイスの包括的な表現であることを理解するであろうが、グラフェンベースのSSDは、そのタイプに応じて、基板、グラフェンチャネルおよび金属接点以外の他の構成要素(例えば、誘電体層)を含み得ることを意味する。言い換えれば、グラフェン層の金属化工程に関与するグラフェンSSDの構成要素のみが本開示において明示的に言及される。
【0019】
グラフェンSSD、または1つ以上のグラフェンSSDを含むチップが、PCBまたは他の電子デバイスに後で組み込むためにパッケージまたはソケットに組み立てられるためには、グラフェンSSDのグラフェンチャネルとソケット、パッケージなどの外部接点との間の必要な相互接続を行うためにワイヤボンディングを適用する必要がある。これらの相互接続を構築するために、グラフェン層は、本発明の方法に従って金属化される必要がある。グラフェンSSDは通常、(例えば、グラフェンSSDの使用において、またはグラフェンSSDがソケットに組み立てられる場合に)少なくとも2つの電気接点、すなわち(例えば電圧源の)電気負極への接続を可能にする1つの接点と、(例えば電圧源の)電気正極への接続を可能にする別の接点とを必要とする。例えば、ハイブリッドデバイスであるグラフェンデバイスに適用可能な特定の状況では、2つの電気接点の一方のみがグラフェン層と接触しており、第2の電気接点はグラフェンとは異なる材料と接触している。
【0020】
この方法は、金属堆積物をパターニングすることを含む。本発明の文脈において、パターニングは、レジスト堆積、マスク露光および現像の工程を含む。グラフェンSSDに適用される金属堆積物のパターン(幾何学的形状またはプロファイル)は、CADソフトウェアなどのコンピュータ支援技術を用いて事前に設計されている。コンピュータ支援設計は、その上に金属化が堆積されるダイの表面上のエリアまたは領域を画定することを可能にする。
【0021】
本発明において、金属化の堆積(グラフェンSSDの電気接点)は、2つの工程で行われる。第1工程では、グラフェンSSDおよび基板を部分的に覆う1つまたは複数の第1の金属構造が堆積される。第2の工程では、それぞれの第1の金属構造および基板を部分的に覆う1つまたは複数の対応する第2の金属構造が堆積される。
【0022】
本発明の第1の態様では、基板と、基板上に配置された少なくとも1つのグラフェンチャネルとを備える固体デバイスを金属化する方法が提供される。本方法は、少なくとも1つの第1の金属構造を堆積させるための第1の金属堆積工程を適用することを含み、少なくとも1つの第1の金属構造は、グラフェン層を部分的に占有し、基板を部分的に占有し、プラズマを使用しない金属堆積技法が、少なくとも1つの第1の金属構造を堆積させるために使用される。本方法はまた、グラフェンチャネル上に堆積されていない少なくとも1つの第1の金属構造体の領域上に少なくとも1つの第2の金属構造体を堆積させるための第2の金属堆積工程を適用することを含む。
【0023】
本発明の実施形態において、少なくとも1つのグラフェンチャネルは、基板上に堆積または成長される。
【0024】
いくつかの実施形態では、基板は犠牲基板である。これは、グラフェンデバイスが犠牲基板上に作製され、次いで別の基板に転写され得ることを意味する。基板材料が異なる製造ステップに適合することを条件として、任意の適切な基板材料を犠牲基板として使用することができる。
【0025】
本発明の実施形態において、第1の金属堆積工程は、堆積される少なくとも1つの金属構造の幾何学的形状をグラフェンチャネルおよび基板上にパターニングするステップと、少なくとも1つの第1の金属構造を、適用されたパターン上に堆積させるステップと、によって行われる。
【0026】
本発明の実施形態において、パターニングは、グラフェン層上およびグラフェン層によって覆われていない基板上にマスク層を堆積させるステップと、金属が堆積されるべき領域のマスク層を除去し、保護されるべき領域のマスク層を残すことによって、マスク層に反転パターンを作成するステップと、によって行われる。
【0027】
本発明の実施形態において、少なくとも1つの第1の金属構造は、金属層を塗布するステップと、残りのマスク層をリフトオフし、残りのマスク層上に堆積された金属、および基板および/またはグラフェン層と直接接触する領域のみに金属が残っている少なくとも1つの金属構造を除去するステップと、によって堆積される。
【0028】
本発明の実施形態において、第1の金属堆積工程は、蒸発によって、または電着によって、または電気めっきによって作製される。
【0029】
本発明の実施形態において、第1の金属堆積工程において堆積される少なくとも1つの金属構造は、0.1~1000ナノメートルの範囲の厚さを有する。
【0030】
本発明の実施形態において、第2の金属堆積工程は、堆積される少なくとも1つの第2の金属構造体の形状を少なくとも1つの第1の金属構造体および基板上にパターニングするステップと、少なくとも1つの第2の金属構造を、適用されたパターン上に堆積させるステップと、によって行われる。
【0031】
本発明の実施形態において、パターニングは、第1のマスク層を堆積するステップと、第1のマスク層上に第2のマスク層を堆積するステップと、金属が堆積される領域内のマスク層を除去することによって、マスク層内に反転パターンを作成するステップと、によって行われる。
【0032】
本発明の実施形態において、第2のマスク層は、第1のマスク層よりも現像速度が高く、リフトオフを容易にするアンダーカット構造を形成する。
【0033】
本発明の実施形態において、金属層を塗布するステップと、残りのマスク層をリフトオフし、残りのマスク層上に堆積された金属を除去するステップと、を行い、その結果、少なくとも1つの第2の金属構造は、基板および/または少なくとも1つの第1の金属構造と直接接触する領域のみに金属が残るように堆積される。
【0034】
本発明の実施形態において、第2の金属堆積工程は、CVD、MOCVD、MOVPE、PECVD、ALD、PEALD、DCダイオードスパッタリングなどのスパッタリング、RFスパッタリング、マグネトロンスパッタリング、反応性スパッタリング、高出力インパルスマグネトロンスパッタリング、イオンビーム堆積および電気めっきの金属堆積技術のうちの1つによって作製される。
【0035】
本発明の実施形態において、第2の金属堆積工程において堆積される少なくとも1つの第2の金属構造は、100ナノメートル~1000ミクロンの範囲の厚さを有する。
【0036】
本発明の実施形態において、基板は、ガラス、石英、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、炭化シリコン、ガリウムヒ素、有機半導体、SiO2/Si、SiO2、Al2O3、ZrO2、HfO2、HfSiO4、Ta2O5、La2O3、LaAlO3、Nb2O5、TiO2、BaTiO3、SrTiO3、CaCu3Ti4O12、Si3N4、ZrSiO4、Y2O3、CaO、MgO、BaO、WO3、MoO3、Sc2O3、Li2OまたはSrOの少なくとも1つからなる。
【0037】
本発明の実施形態では、少なくとも1つの第1の金属構造および少なくとも1つの第2の金属構造のうちの少なくとも1つは、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、TaN、(窒化タンタル)、TiN(窒化チタン)、シリコン(Si)、ドープシリコン(ドープSi)、ポリシリコン(poly-Si)、コバルトモノシリサイド(CoSi)白金(Pt)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、Co/Fe合金、およびこれらの材料の組み合わせ/合金からなる。
【0038】
本発明の第2の態様では、グラフェンベースの固体デバイスが提供される。それは、基板と、基板上に配置された少なくとも1つのグラフェンチャネルと、を含む。ソリッドステートデバイスは、グラフェン層を部分的に占有し、基板を部分的に占有し、プラズマを使用しない金属堆積技術に従って堆積された少なくとも1つの第1の金属構造と、グラフェンチャネル上に堆積されていない少なくとも1つの第1の金属構造体の領域上に部分的に堆積された少なくとも1つの第2の金属構造体と、を含む。
【0039】
本発明の第3の態様では、ソケット内にダイをパッケージングする方法が提供される。ダイは、本発明の第2の態様による少なくとも1つのグラフェンベースの固体デバイスを含む。本方法は、少なくとも1つのグラフェンベースの固体デバイスの少なくとも第2の金属構造の各々をソケットの対応する接点にワイヤボンディングするステップを含む。
【0040】
本発明の第4の態様では、パッケージが提供される。パッケージは、本発明の第2の態様による少なくとも1つのグラフェンベースの固体デバイスを含むダイ(10)と、ソケットと、を含む。少なくとも1つのグラフェンベースの固体デバイスの少なくとも第2の金属構造の各々は、ソケットの対応する接点にワイヤボンディングされる。
【0041】
2つの金属化ステップの組み合わせは、グラフェンを損傷することなく、グラフェンへの信頼性の高い上部接点を可能にする一方で、ダイの後処理およびその後の消費者へ提供される電子機器におけるパッケージングを通じた集積を可能にする。
【0042】
本発明のさらなる利点および特徴は、以下の詳細な説明から明らかになり、添付の特許請求の範囲において特に指摘される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
説明を行い、本発明のより良い理解を提供するために、図面のセットが提供される。図面は、説明の不可欠な部分を形成し、本発明の実施形態を示すが、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではなく、本発明をどのように実施することができるかの単なる例として解釈されるべきである。
【
図1A】基板上に堆積されたグラフェン膜の上面図および断面図を示す。
【
図1B】基板上に堆積されたグラフェン膜の上面図および断面図を示す。
【
図2A】本発明の一実施形態による、グラフェン層および基板の上に後で堆積される第1の堆積工程の金属接点をパターニングすることに関与する工程の上面図、断面図、および上面図を示す。
【
図2B】本発明の一実施形態による、グラフェン層および基板の上に後で堆積される第1の堆積工程の金属接点をパターニングすることに関与する工程の上面図、断面図、および上面図を示す。
【
図2C】本発明の一実施形態による、グラフェン層および基板の上に後で堆積される第1の堆積工程の金属接点をパターニングすることに関与する工程の上面図、断面図、および上面図を示す。
【
図3A】本発明の一実施形態による、事前にパターン化されたグラフェン層および基板上に適用された金属化層の上面図および断面図を示す。
【
図3B】本発明の一実施形態による、事前にパターン化されたグラフェン層および基板上に適用された金属化層の上面図および断面図を示す。
【
図4A】先に堆積された犠牲層が除去された後のウェハ上に堆積された2つの金属構造または経路の上面図および断面図を示す。
【
図4B】先に堆積された犠牲層が除去された後のウェハ上に堆積された2つの金属構造または経路の上面図および断面図を示す。
【
図5A】本発明の実施形態における、後に第1の金属構造上に堆積される第2の堆積工程の金属接点をパターニングすることに関与する工程の断面図、別の断面図、上面図、およびさらに別の断面図を示す。
【
図5B】本発明の実施形態における、後に第1の金属構造上に堆積される第2の堆積工程の金属接点をパターニングすることに関与する工程の断面図、別の断面図、上面図、およびさらに別の断面図を示す。
【
図5C】本発明の実施形態における、後に第1の金属構造上に堆積される第2の堆積工程の金属接点をパターニングすることに関与する工程の断面図、別の断面図、上面図、およびさらに別の断面図を示す。
【
図5D】本発明の実施形態における、後に第1の金属構造上に堆積される第2の堆積工程の金属接点をパターニングすることに関与する工程の断面図、別の断面図、上面図、およびさらに別の断面図を示す。
【
図6A】本発明の実施形態における第2の金属化工程の断面図、上面図、および別の断面図を示す。
【
図6B】本発明の実施形態における第2の金属化工程の断面図、上面図、および別の断面図を示す。
【
図6C】本発明の実施形態における第2の金属化工程の断面図、上面図、および別の断面図を示す。
【
図7A】3プローブグラフェンデバイスの2つの金属化工程を概略的に示す。
【
図7B】3プローブグラフェンデバイスの2つの金属化工程を概略的に示す。
【
図7C】3プローブグラフェンデバイスの2つの金属化工程を概略的に示す。
【
図7D】3プローブグラフェンデバイスの2つの金属化工程を概略的に示す。
【
図8A】Nプローブグラフェンデバイスのための2つの金属化工程を概略的に示す。
【
図8B】Nプローブグラフェンデバイスのための2つの金属化工程を概略的に示す。
【
図8C】Nプローブグラフェンデバイスのための2つの金属化工程を概略的に示す。
【
図8D】Nプローブグラフェンデバイスのための2つの金属化工程を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下の説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本発明の広い原理を説明する目的でのみ与えられる。本発明の実施形態は、本発明による装置および結果を示す図面を参照して、例として説明される。
【0045】
図1A~
図6Cは、本発明の実施形態による、電子ダイまたはウェハ10に実装されたグラフェンを含む固体デバイスの金属化プロセスを概略的に示す。
図1A(上面図)および
図1B(断面図)では、基板100上に堆積または成長したグラフェン層101が示されている。基板は、ガラス、石英、シリコン(Si)、ゲルマニウム(Ge)、炭化ケイ素、酸化ケイ素、ヒ化ガリウム、有機半導体、SiO
2/Si、SiO
2、Al
2O
3、ZrO
2、HfO
2、HfSiO
4、Ta
2O
5、La
2O
3、LaAlO
3、Nb
2O
5、TiO
2、BaTiO
3、SrTiO
3、CaCu
3Ti
4O
12、Si
3N
4、ZrSiO
4、Y
2O
3、CaO、MgO、BaO、WO
3、MoO
3、Sc
2O
3、Li
2OまたはSrOなどの半導体材料を含むことができる。
【0046】
本発明の実施形態では、基板は、2つの層(上層および下層)によって形成されてもよい。下層は、シリコン、酸化シリコン、ガラス、石英、及びポリマー材料のうちの1つから作製され得る。上層は、例えば、ガラス、石英、Si、SiO2/Si、SiO2、Al2O3、ZrO2、HfO2、HfSiO4、Ta2O5、La2O3、LaAlO3、Nb2O5、TiO2、BaTiO3、SrTiO3、CaCu3Ti4O12、Si3N4、ZrSiO4、Y2O3、CaO、MgO、BaO、WO3、MoO3、Sc2O3、Li2OまたはSrOで構成することができる。例えば、基板は、ドープされたシリカ(n++Si)から得られたシリコン基板層上に堆積された二酸化ケイ素層によって形成され得る。グラフェン層101は、グラフェンの堆積または転写の任意の従来のプロセスによって基板100上に堆積または成長されている。このようなプロセスは、本発明の範囲外である。グラフェンを堆積または転写する方法の例は、参照により本明細書に組み込まれるEP2937313B1、EP3367423B1、EP2679540A1及びEP3135631A1に開示されている。
【0047】
プロセスフローは以下の通りである。すなわち、金属接点は、例えば標準的なリソグラフィ技術に従ってパターニングすることができるグラフェン膜上の半導体リソグラフィ技術によって画定される。ダイ(グラフェンデバイス)上に適用される金属堆積物のパターンは、CADソフトウェアなどのコンピュータ支援技術を用いて予め設計されている。コンピュータ支援設計は、その上に金属化が堆積されるダイの表面上のエリアまたは領域を画定することを可能にする。金属化プロセスは、グラフェンSSD内に、(例えば、電圧源の)電気負極への接続を可能にする1つの接点、および、(例えば、電圧源の)電気正極への接続を可能にする別の接点の2つの電気接点を形成することを目的とする。金属化プロセスは、以下の2つの工程で行われる。第1工程では、穏やかな堆積が適用され、グラフェンを損傷せず、良好な接触抵抗を保証する。第2の工程では、厚い堆積が適用され、ソケット/チップキャリア/PCBとのワイヤボンディングを実行することを可能にする。次に、金属化処理について詳細に説明する。
【0048】
第1工程において、後に堆積される金属接点は、例えば、半導体リソグラフィ技術に従って、グラフェン層101上にパターニングまたは画定される。この工程において、堆積される金属構造の幾何学的形状は、グラフェンチャネル(または層)101および基板100上にパターニングされる。このプロセス(例えば、半導体リソグラフィプロセス)を適用することによって、回路パターンをグラフェン層上に露出させることができる。言い換えれば、グラフェン層の一部は、後に堆積される金属に適用する構造(幾何学的形状、形状など)でパターニングされる。リソグラフィは、例えば、光または電子を使用して、フォトマスクから基板(この場合、グラフェン層)上に形成された感光性化学レジスト(フォトレジストとも呼ばれる)に幾何学的パターンを転写する。すなわち、まず基板及びグラフェン上に感光性化学レジストを配置し、パターンを露光してグラフェンに転写する。使用することができる半導体リソグラフィ技術の非限定的な例は、X線リソグラフィ、電子ビームリソグラフィ、集束イオンビームリソグラフィ、光学投影リソグラフィ、電子およびイオン投影リソグラフィ、ナノインプリントリソグラフィ、近接プローブリソグラフィ、および近接場光リソグラフィである。
【0049】
金属被覆は、リフトオフプロセスを使用して作製することができる。リフトオフ法は、マスク材(例えば、フォトレジスト)を用いて、表面(グラフェン層および部分基板)にターゲット材(金属)のパターンを形成するアディティブ法である。リフトオフは、金属堆積を行う前にウェハ10にフォトリソグラフィを実行し、次いで、例えば化学エッチングを用いて、適用されたフォトレジストを除去することによって行うことができる。
【0050】
パターニングプロセスを
図2A~2Cに示す。まず、
図2Aに示すように、マスク層またはレジスト(例えば、フォトレジスト)102を基板100およびグラフェン層101の表面上に堆積させる。マスク層102の厚さは、50nm(ナノメートル、10
-9m)~500μm(ミクロン、10
-6m)であり得る。このようにして、堆積される金属を表す幾何学的パターンがフォトマスクから感光性マスク材料に転写される。次いで、金属が位置する領域においてフォトレジストが除去され、反転パターンが形成される。言い換えれば、マスク層102を貫通する開口部を除去する(例えば、現像する)ことによって、最終パターンが作成される領域においてターゲット材料(金属)は基板100および/またはグラフェン層101の表面に到達することができる。グラフェン層101及び基板100は、マスク層102の現像によって除去されない。
図2B~
図2Cは、反転パターンが作成され、開口部95が現像された後の残りのマスク層102’を示す。マスク材料に応じて、極紫外線リソグラフィ(EUVL)、電子ビームリソグラフィ(EBL)、近接リソグラフィ、接触リソグラフィまたは液浸リソグラフィなどの様々な方法を使用することができる。
【0051】
次いで、
図3A~
図3Bに示すように、グラフェンSSDは、例えば、熱蒸発または電子ビーム蒸発などの金属の蒸発による、または電着による、または電気めっきによるなど、上部接点の形成方法に従って金属化される。グラフェンチャネル101にこの第1の金属化を施すために、グラフェンチャネル101が損傷を受けないように、任意の非積極的な堆積技術を使用することができる。特に、プラズマを用いない成膜技術であればよい。この第1の金属化プロセスでは、金属化技術(蒸発、電着、または電気めっきなど)がプラズマを必要とせず、グラフェンチャネル101に損傷を与えない。堆積プロセスにおいて使用される金属または金属化合物の非限定的な例は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、TaN、シリコン(Si)、ドープシリコン(ドープSi)、ポリシリコン(poly-Si)、コバルトモノシリサイド(CoSi)、白金(Pt)、銅(Cu)銀(Ag)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、コバルト鉄(CoFe)、およびこれらの材料または化合物の組み合わせ/合金である。
【0052】
この金属化工程において、金属層104は、通常は薄い金属層であり、ダイ10の全領域にわたって堆積され、エッチングされた領域95において基板100および/またはグラフェン層101の表面に到達し、以前に現像されなかった領域においてマスク層102’の上部に留まる。金属層104の厚さは、0.1~1000nm、例えば1~100nmである。言い換えれば、この層104は、残留しているレジスト102’及び現像ステップでレジストが除去されたウェハの部分(基板100および/またはグラフェン層101)を覆う。その後、マスク層102’(例えば、レジストまたはフォトレジスト)が洗い流される(例えば、溶媒中のフォトレジスト)と、マスク層102’の上部の金属がリフトオフされ、下のマスク層102’と共に除去される。リフトオフの後、堆積された材料(金属)104は、基板100および/またはグラフェン層101(
図4A~4Bの堆積された金属104’)と直接接触した領域95にのみ残る。各金属経路104’(例えば、
図4Aを参照)は、グラフェンチャネル101を越え、すなわち、グラフェンチャネル101の一部分およびグラフェンチャネルの近傍の基板100の一部を占有し、したがって、第2の金属堆積工程は、基板上に配置され、グラフェンチャネルから分離された金属経路104’の一部分上で行うことができる。要するに、下地層(基板/グラフェン層)と直接接触する開口部95にあった金属材料のみが残留する。1つ以上の金属構造104’の厚さは、0.1~1000nmの間、例えば1~100ナノメートルの間の範囲内である。この穏やかな金属の堆積は、プラズマを使用しないのでグラフェンを損傷せず、良好な接触抵抗を保証する。これらは、電気的接触の品質およびデバイスへの電子注入を特徴付けるために使用される物理的特徴である。
【0053】
図4A~
図4Bは、マスク層102’が除去され、マスク層102’上に堆積された金属も除去された後にダイ10上に堆積された2つの金属構造または経路104’を示す。リフトオフの後、堆積された材料(金属)は、金属が基板100および/またはグラフェン層101と直接接触した領域95にのみ残る(
図4A~
図4Bの堆積された金属104’)。
図4Aに示されるように、この第1の金属堆積工程において、各金属経路104’は、グラフェン層101上に部分的に堆積され、基板100上に部分的に堆積される。これによって、第2の金属堆積工程において、グラフェン層101が損傷しないように保存され、基板100上に配置された金属経路104’の部分上に金属が堆積され得ることが重要である。
図4Aに示す例では、2つの金属構造体104’の各々は、グラフェンチャネル101上に堆積された部分と基板100上に堆積された部分とを有する細長い金属構造体である。グラフェンチャネル101上に金属構造の一部を有することは、グラフェンチャネル101との電気的接触を可能にするために不可欠である。次に、基板100上に金属構造の一部を有することが製造プロセスにおいて必要とされ、後続の金属堆積はより厚くなければならないが、そうでなければ第2の金属堆積によって損傷を受けるグラフェンチャネル101上では行われない。したがって、各細長い金属構造104’は、グラフェンチャネル101と、グラフェンチャネルが堆積または成長していない基板100上の領域と、を接続する金属経路である。
図4Aでは、各細長い金属構造体104’の両端部は、基板100上に配置されている(グラフェンチャネル101上には配置されていない)が、他の実施形態では、各細長い金属構造体104’の端部の一方が基板100上に配置されていれば足りる。
【0054】
図に示すように、2つの金属構造体104’が作製されている。2つの金属構造104’は、好ましくは、グラフェンSSD上に作製される。1つの金属構造は、グラフェンSDDの(例えば、電圧源(図示せず)の)電気負極への接続を可能にし、別の金属構造は、グラフェンSSDの(例えば、電圧源(図示せず)の)電気正極への接続を可能にする。しかしながら、本発明の金属化プロセスは、例えば、グラフェンデバイスがハイブリッドデバイスである場合に、グラフェンデバイスがソケット、PCBなどへの単一の電気的接続を必要とする場合、代替的に単一の金属構造104’を含むことができる。
【0055】
これまで、金属の第1の堆積が行われており、グラフェンチャネル101とグラフェンを含まない基板100上の領域とを接続する少なくとも1つの金属経路104’または第1の接点をもたらした。
【0056】
その後、厚い金属層が堆積される別の堆積工程が実行される。厚い金属堆積は、ウェハが組み立てられるソケットまたはPCB内の接点とのワイヤボンディングによる最終的な接続を可能にする。この第2の金属堆積を行うために使用される技術の非限定的な例は、CVD、MOCVD、MOVPE、PECVD、ALD、PEALD、DCダイオードスパッタリングなどのスパッタリング、RFスパッタリング、マグネトロンスパッタリング、反応性スパッタリングまたは高出力インパルスマグネトロンスパッタリング、イオンビーム堆積および電気めっきなどである。第2の堆積工程は、好ましくは、金属の厚い堆積を可能にするスパッタ堆積の技術を使用して作製される。厚い金属層の効率的な堆積を可能にする任意の他の堆積技術を代わりに使用することができる。第2の堆積物の厚さは、100nm~1000μmの範囲であり、好ましくは200nm~20μmである。
【0057】
これを行うために、別のリソグラフィステージが実行されて、1つ以上の第2の金属堆積(先に堆積された金属構造104’当たり1つの第2の金属堆積)を画定またはパターン化する。1つ以上の第2の金属堆積物は、グラフェン層101を損傷することなく、パッケージ、ソケット、PCBまたは別のチップ上の既存の接点との電気的接続を可能にする。第2の金属堆積物の各々とパッケージ等上の対応する既存の接点との間の接続は、相互接続ワイヤ(ボンディングワイヤ)を使用して行われる。本発明の範囲外であるボンディングワイヤは、典型的には金属である。ボンディングワイヤが作製される材料の非限定的な例は、アルミニウム(Al)、銅(Cu)または金(Au)である。このリソグラフィ工程は、好ましくは、二層レジストパターニングスキームを適用して行われ、結像レジスト(imaging resist)およびリフトオフ犠牲レジスト(LOR)を使用してアンダーカットを形成し、金属堆積中に側壁への金属堆積を防止し、金属堆積後に他の有機溶媒の中でもDMF、DMSOおよびNMPなどの強力な溶媒を使用して二層レジストのクリーンなリフトオフを可能にする。
【0058】
既に説明したように、ダイ上に定義されるパターンは、CADソフトウェアなどのコンピュータ支援技術を用いて予め設計されている。コンピュータ支援設計は、その上に金属化(この場合、第2の金属化)が堆積されるウェハ表面上のエリアまたは領域を画定することを可能にする。
【0059】
第1に、第2の金属堆積はパターニングされなければならず、レジストを堆積させ、マスクを露光し、レジストを現像する完全なプロセスを伴う。
図5A~
図5Dは、本発明の一実施形態において、第1の金属構造上に少なくとも部分的に後で堆積されるように第2の堆積工程の金属接点をパターニングすることに関与する工程を示す。
【0060】
図5A~
図5Dに示す実施形態では、第2のリソグラフィ工程は、2つのマスク層105、106が堆積される二重層リフトオフプロセスである。まず、第1の金属構造体104’、グラフェンチャネル101の金属で覆われていない部分、及び基板100のグラフェン又は金属で覆われていない部分を覆うリフトオフマスク層(リフトオフマスクレジスト、LOR)105をウェハ10の全域に堆積する。第1のリフトオフマスク層105の厚さは、100nm~1000μmである。このマスク層105の材料は、例えばポリジメチルグルタルイミド(PMGI)である。これは
図5Aに示される。次いで、第2のリフトオフレジスト106がLOR105上に堆積される。これは
図5Bに示される。第2のリフトオフレジスト106の厚さは、10nm~1000nmである。ネガ型レジストでもポジ型レジストでもよい。層106は、層105よりも現像レートが高い。これにより、リフトオフを容易にするアンダーカット構造が形成される。グラフェン101がリフトオフレジストで覆われ、これによって金属の堆積後に事前にパターニングされたものとは異なる領域から金属を除去するために使用されるリフトオフ溶媒から保護されることによって、LORプロセスが可能になる。
【0061】
例えば、レジストを露光および現像することによって、犠牲層105、106に反転パターンが生成される。レジスト105、106は、金属が配置される領域において除去され、反転パターンを生成する。
図5Cは、第2の金属堆積工程において金属がそのように配置される領域109を示す。言い換えれば、レジスト105、106を貫通する開口部を除去する(例えば、現像する)ことによって、後に金属が堆積されるときに、金属が堆積されなければならないウェハ(基板100および/または第1の金属構造104’)の表面109に金属は到達することができる。
図5Dは、反転パターンが作成され、開口部107がエッチングされた後の残りのレジスト層105、106を示す。さらに、この二重層リフトオフプロセスは、グラフェンがレジストによって保護され、事前に堆積された接触金属104’のみが露出されることによって可能になる。例えば、リフトオフおよびスパッタリングによって非常に厚い金属化を可能にする。
【0062】
次に、
図6A~
図6Cに示すように、金属の第2の堆積が適用される。金属の厚い堆積を可能にする限り、金属堆積のための任意の技術を適用することができる。適用され得る堆積技術の非限定的な例は、CVD、MOCVD、MOVPE、PECVD、ALD、PEALD、スパッタリング(例えば、DCダイオードスパッタリング、RFスパッタリング、マグネトロンスパッタリング、反応性スパッタリングまたは高電力インパルスマグネトロンスパッタリングである)、イオンビーム堆積および電気めっきである。金属の第2の堆積は、好ましくはスパッタ堆積が適用される。スパッタ堆積プロセスで使用される金属または金属化合物の非限定的な例は、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、金(Au)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、窒化チタン(TiN)、シリコン(Si)、ドープシリコン(ドープSi)、ポリシリコン(poly-Si)、コバルトモノシリサイド(CoSi)、白金(Pt)銅(Cu)、銀(Ag)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、コバルト鉄(CoFe)、およびこれらの材料の組み合わせ/合金である。
【0063】
第2の金属化工程において、金属材料108は、ウェハ10の上面全体にわたって堆積され、エッチングされた領域(
図5Dの開口部107)において基板100および/または第1の金属構造104’の表面に到達し、事前にエッチングされなかった領域107においてレジスト層106の上部に留まる。第2の金属層108の厚さは、100nm~1000μmの範囲であり、好ましくは200nm~20μmである。言い換えれば、この金属層108は、残留しているレジスト106、及び事前の現像ステップにおいてレジストが除去されたウェハの部分(基板100および/または金属構造104’)を覆う。続いて、レジスト層105、106を(例えば、溶媒を用いて)除去すると、層106の上部の金属がリフトオフされ、下の層105、106と共に除去される。リフトオフ後、堆積された材料(金属)は、基板100および/または金属構造104’(
図6B~6Cに示す厚い金属堆積物108’)と直接接触した領域にのみ残る。言い換えれば、基板および/または第1の金属構造体と直接接触した開口部107内にあった金属材料のみが残留する。
【0064】
図6B~
図6Cに示すように、グラフェンデバイスのための提案された金属化プロセスは、薄い金属構造104’をグラフェンチャネル101と接触状態に維持しながら、ソケット、PCBなどにおける対応する接点とのワイヤボンディングをその後可能にするのに充分な厚さの金属接点108’を保証する。したがって、グラフェンデバイスは損傷をうけない。
【0065】
図1A~
図6Cを参照して開示される実施形態は、2プローブデバイス(2つのそれぞれのプローブまたはソケットなどの接点に接続される2つの金属接点を必要とするデバイス)を指す。そのような2プローブグラフェンデバイスの例は、
図6Bの上面図に概略的に示されるように、グラフェン光検出器またはグラフェンボロメータである。しかしながら、提案されたグラフェンデバイスの金属化方法は、3プローブデバイスまたはNプローブデバイスに拡張することができる。例えば、
図7A~7Dは、3プローブグラフェンデバイスのための2つの金属化ステップを概略的に示す。このような3プローブグラフェン素子としては、例えば、GFET(graphene-based FET)、トリオード、バリスタ、バラクタ等のトランジスタが挙げられる。
図7A~7Dでは、バックゲート3プローブグラフェンデバイスが示されている(これは、ゲート接点が底部接点であるGFETである)。この場合、3つの第1の金属構造104’が堆積され、次いで、3つの第2の厚い金属接点108’が堆積される。
図8A~8Dには、別の例として、Nプローブグラフェンデバイスが示される(Nは自然数である)。図示の例では、N=5である。すなわち、5つの上部接点を有する5プローブグラフェンデバイスである。この場合、5つの第1の金属構造104’が堆積され、次いで5つの厚い第2の金属接点108’が堆積される。3つ以上の接点またはプローブを必要とするグラフェンデバイスは、例えば、伝送線測定を行うためのデバイスである。
【0066】
本発明の実施形態において、ダイまたはウェハ10は、複数のグラフェンデバイスを含む。例えば、複数のグラフェンデバイスを有するセンサは、単一のダイに実装することができる。この場合、N個の金属接点(プローブ)が必要であり、N個の金属トラック(経路)がグラフェンデバイスを接点またはプローブに接続する。一例では、センサは、例えばチップの中央領域に配置された複数のグラフェントランジスタGFETによって形成され得る。各グラフェン電界効果トランジスタは、少なくとも1つのグラフェンチャネルと、ソース接点と、ドレイン接点と、グラフェンチャネルに容量結合されたゲート接点とを有する。各GFETにおいて、グラフェン層またはグラフェン層の一部は、電流がグラフェンチャネルに注入され、グラフェンチャネルから収集されることを可能にする、両側の2つの電極、すなわちソース電極およびドレイン電極に接続される。ゲートのための追加の接点またはプローブも必要である。
【0067】
本文では、「備える(comprises)」という用語及びその派生語(「備える(comprising)」など)は、排他的な意味で理解されるべきではなく、すなわち、これらの用語は、説明され定義されるものがさらなる要素、ステップなどを含み得る可能性を排除するものとして解釈されるべきではない。
【0068】
本発明の文脈において、用語「略」およびそのファミリーの用語(例えば、「およそ」など)は、前述の用語に付随する値に非常に近い値を示すものとして理解されるべきである。すなわち、当業者は、示された値からのずれが、測定の不正確さなどに起因して不可避であることを理解し、正確な値からの妥当な限界内の逸脱が容認されるべきである。同じことが、「約」および「おおよそ」および「実質的に」という用語にも当てはまる。
【0069】
本発明は、明らかに、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲に定義される本発明の一般的な範囲内で、(例えば、材料、寸法、構成要素、構成などの選択に関して)当業者によって考慮され得る任意の変形例も包含する。
【0070】
[発明の構成]
[構成1]
基板(100)と、前記基板(100)上に配置された少なくとも1つのグラフェンチャネル(101)と、を備える固体デバイスを金属化する方法において、
少なくとも1つの第1の金属構造(104’)を堆積させるための第1の金属堆積工程を適用するステップであって、少なくとも1つの第1の金属構造(104’)は、グラフェン層(101)を部分的に占め、基板(100)を部分的に占め、少なくとも1つの第1の金属構造(104’)を堆積するために、プラズマを使用しない金属堆積技術が使用されるステップと、
グラフェンチャネル(101)上に堆積されていない少なくとも1つの第1の金属構造(104’)の領域上に少なくとも1つの第2の金属構造(108’)を堆積させるための第2の金属堆積工程を適用するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
[構成2]
第1の金属堆積工程は、
グラフェンチャネル(101)および基板(100)上に、堆積される少なくとも1つの金属構造の幾何学形状をパターニングするステップと、
少なくとも1つの第1の金属構造(104’)を、適用されたパターン上に堆積させるステップと、
によって行われることを特徴とする構成1に記載の方法。
[構成3]
パターニングは、
グラフェン層(101)上およびグラフェン層(101)によって覆われていない基板(100)上にマスク層(102)を堆積するステップと、
金属が堆積される領域(95)のマスク層(102)を除去し、保護される領域にマスク層(102’)を残すことによって、マスク層(102)に反転パターンを作成するステップと、
によって行われることを特徴とする構成2に記載の方法。
[構成4]
少なくとも1つの第1の金属構造(104’)は、金属層の塗布(104)及び残留するマスク層(102’)をリフトオフすることで、残留するマスク層(102’)上に堆積された金属並びに基板(100)および/またはグラフェン層(101)と金属が直接接触する領域(95)のみに残っている少なくとも1つの金属構造(104’)を除去して堆積されることを特徴とする構成2または3に記載の方法。
[構成5]
第1の金属堆積工程は、蒸発によって、または電着によって、または電気めっきによって行われることを特徴とする構成1~4のいずれか1項に記載の方法。
[構成6]
第1の金属堆積工程において堆積された少なくとも1つの金属構造(104’)は、0.1~1000ナノメートルの範囲の厚さを有することを特徴とする構成1~5のいずれか1項に記載の方法。
[構成7]
第2の金属堆積工程は、少なくとも1つの第1の金属構造(104’)および基板(100)上に堆積される少なくとも1つの第2の金属構造(108’)の幾何学的形状をパターニングするステップと、
少なくとも1つの第2の金属構造(108’)を、適用されたパターン上に堆積させるステップと、
によって行われることを特徴とする構成1~6のいずれか1項に記載の方法。
[構成8]
パターニングは、
第1のマスク層(105)を堆積させるステップと、
第1のマスク層(106)上に第2のマスク層(106)を堆積させるステップと、
金属が堆積される領域(107)内のマスク層(105、106)を除去することによって、マスク層(105、106)内に反転パターンを作成するステップと、
によって行われることを特徴とする構成7に記載の方法。
[構成9]
第2のマスク層106は、第1のマスク層105よりも現像速度が高く、リフトオフを容易にするアンダーカット構造を形成することを特徴とする構成8に記載の方法。
[構成10]
少なくとも1つの第2の金属構造(108’)は、
金属層の塗布(108)及び残留するマスク層(105’、106’)をリフトオフすることで、残留するマスク層(105’、106’)上に堆積された金属を除去し、その結果、少なくとも1つの第2の金属構造(108’)は、基板(100)および/または少なくとも1つの第1の金属構造(104’)と金属が直接接触する領域のみに残るように堆積されることを特徴とする構成8または9に記載の方法。
[構成11]
第2の金属堆積工程には、CVD、MOCVD、MOVPE、PECVD、ALD、PEALD、DCダイオードスパッタリングなどのスパッタリング、RFスパッタリング、マグネトロンスパッタリング、反応性スパッタリング、高出力インパルスマグネトロンスパッタリング、イオンビーム堆積および電気めっきの金属堆積技術のうちの1つが適用されることを特徴とする構成1~10のいずれか1項に記載の方法。
[構成12]
第2の金属堆積工程において堆積された少なくとも1つの第2の金属構造(108’)は、100ナノメートル~1000ミクロンの範囲の厚さを有することを特徴とする構成1~11のいずれか1項に記載の方法。
[構成13]
基板(100)と、前記基板(100)上に配置された少なくとも1つのグラフェンチャネル(101)とを含む固体デバイスであって、
少なくとも1つの第1の金属構造(104’)が、グラフェン層(101)及び基板(100)を部分的に占め、少なくとも1つの第1の金属構造(104’)は、プラズマを使用しない金属堆積技術に従って堆積され、
少なくとも1つの第2の金属構造(108’)が、グラフェンチャネル(101)上に堆積されていない少なくとも1つの第1の金属構造(104’)の領域上に部分的に堆積されていることを特徴とする固体デバイス。
[構成14]
少なくとも1つのグラフェンベースの固体デバイスの少なくとも第2の金属構造(108’)の各々をソケットの対応する接点にワイヤボンディングするステップを含む、構成13に記載の少なくとも1つのグラフェンベースの固体デバイスを含むダイ(10)をソケット内にパッケージングする方法。
[構成15]
パッケージであって、
構成13に記載の少なくとも1つのグラフェンベースの固体デバイスを含むダイ(10)と、ソケットと、を備え、
少なくとも1つのグラフェンベースの固体デバイスの少なくとも第2の金属構造(108’)の各々は、ソケットの対応する接点にワイヤボンディングされていることを特徴とするパッケージ。