(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091538
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】冷水帯探知方法および冷水帯探知システム
(51)【国際特許分類】
G01W 1/08 20060101AFI20240627BHJP
G01V 3/16 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
G01W1/08 P
G01V3/16
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023212640
(22)【出願日】2023-12-18
(31)【優先権主張番号】10-2022-0183275
(32)【優先日】2022-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518304915
【氏名又は名称】コリア インスティテュート オブ オーシャン サイエンス テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,チャン・ス
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ウォン・ジュン
【テーマコード(参考)】
2G105
【Fターム(参考)】
2G105AA02
2G105BB16
2G105CC04
2G105DD01
2G105EE06
2G105FF15
2G105LL01
(57)【要約】
【課題】ターゲット領域を分割し、分割領域をクラスタリングして群集を設定し、標準偏差を用いて冷水帯を判断することができる冷水帯探知方法および冷水帯探知システムを提供する。
【解決手段】ターゲット領域の海面温度データを収集し生成するステップS100と、ターゲット領域を分割し分割領域を生成するステップS200と、分割領域の群集を設定するステップS300と、冷水帯候補群を選別し冷水帯を探知するステップS400と、を含むことを特徴とする冷水帯探知方法、および、ターゲット領域の海面温度データを収集し生成するデータ収集及び生成部と、ターゲット領域を分割し分割領域を生成する領域分割部と、分割領域の群集を設定する群集設定部と、冷水帯候補群を選別し冷水帯を探知する冷水帯判断部と、を含むことを特徴とする冷水帯探知システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ターゲット領域の海面温度データを収集し生成するステップと、
前記ターゲット領域を分割し分割領域を生成するステップと、
前記分割領域の群集を設定するステップと、
冷水帯候補群を選別し冷水帯を探知するステップと、を含むことを特徴とする冷水帯探知方法。
【請求項2】
前記分割領域の群集を設定するステップは、
前記分割領域の群集を設定するクラスタリング値を設定するステップと、
前記分割領域の群集数を設定するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の冷水帯探知方法。
【請求項3】
前記クラスタリング値は、1km解像度の海面温度であることを特徴とする請求項2に記載の冷水帯探知方法。
【請求項4】
前記冷水帯候補群を選別し冷水帯を探知するステップは、前記ターゲット領域を分割し分割領域を生成するステップで分割された分割領域で第1次候補群を分類するステップと、
前記第1次候補群の中で第2次候補群を分類するステップと、を含み、
前記第1次候補群を分類するステップは、分割領域の全体標準偏差が0.6℃以上である場合、分割領域を第1次候補群に分類し、
前記第2次候補群を分類するステップは、第1次候補群に分類された分割領域の各群集の中で最も高い温度の群集の平均温度から最も低い温度の群集の平均温度を引いた値が2℃以上である場合、第2次候補群に分類することを特徴とする請求項3に記載の冷水帯探知方法。
【請求項5】
前記冷水帯候補群を選別し冷水帯を探知するステップは、前記第2次候補群と浮標情報を確認して冷水帯を確定するステップをさらに含み、
前記第2次候補群の群集位置の浮標情報を確認し、当該浮標の水温情報が当該第2次候補群の水温範囲内である場合、冷水帯として確定することを特徴とする請求項4に記載の冷水帯探知方法。
【請求項6】
ターゲット領域の海面温度データを収集し生成するデータ収集及び生成部と、
前記ターゲット領域を分割し分割領域を生成する領域分割部と、
前記分割領域の群集を設定する群集設定部と、
冷水帯候補群を選別し冷水帯を探知する冷水帯判断部と、を含むことを特徴とする冷水帯探知システム。
【請求項7】
前記群集設定部は、前記分割領域の群集を設定するクラスタリング値を設定するクラスタリング値設定モジュールと、
前記分割領域の群集数を設定する群集数設定モジュールと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の冷水帯探知システム。
【請求項8】
前記クラスタリング値は、1km解像度の海面温度であることを特徴とする請求項7に記載の冷水帯探知システム。
【請求項9】
前記冷水帯判断部は、前記領域分割部で分割された分割領域で第1次候補群を分類する第1次候補群分類モジュールと、
前記第1次候補群分類モジュールで分類された第1次候補群の中で第2次候補群を分類する第2次候補群分類モジュールと、を含み、
前記第1次候補群分類モジュールは、分割領域の全体標準偏差が0.6℃以上である場合、分割領域を第1次候補群に分類し、
前記第2次候補群分類モジュールは、第1次候補群に分類された分割領域の各群集の中で最も高い温度の群集の平均温度から最も低い温度の群集の平均温度を引いた値が2℃以上である場合、第2次候補群に分類することを特徴とする請求項8に記載の冷水帯探知システム。
【請求項10】
前記冷水帯判断部は、前記第2次候補群と浮標情報を確認して冷水帯を確定する冷水帯確定モジュールをさらに含み、
前記冷水帯確定モジュールは、前記第2次候補群の群集位置の浮標情報を確認し、当該浮標の水温情報が当該第2次候補群の水温範囲内である場合、冷水帯として確定することを特徴とする請求項9に記載の冷水帯探知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷水帯(Cold pool)探知方法及びシステムに関し、特に、具体的には、ターゲット領域を分割し、分割領域をクラスタリングして群集を設定し、標準偏差を用いて冷水帯を判定する冷水帯探知方法および冷水帯探知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
大気と海洋間においては、海面を介した熱交換を行うことにより対流が活発になり、このような相互作用によって、熱、エネルギー、水蒸気などを海洋に伝達して大気と海洋間の熱平衡を維持する。
【0003】
しかしながら、水温が気温より高いときは、海水から熱が大気に伝導し、水温が 気温より低いときは、大気から海水に熱が伝導する顕熱が発生する。
【0004】
このように、大気と海洋間のエネルギー交換は、シノプティックスケール(synoptic scale)の気象現象のみではなく、メソケール(mesoscale)の気象現象を説明する要因として非常に重要であるため、継続的研究が行われている。
【0005】
一方、海洋は、大気の下部境界として作用しながら大気に各種の物理的な変化を引き起こす要因として作用し、特に、海面温度は、海面上を通る気流の下部に熱的な変質を引き起こす主な要因として知られている。
【0006】
一般的に、海は、水深が深くなるほど温度が低くなり、海洋深層部での水温は、海洋表層での水温に比べて非常に低くなる。
【0007】
このような現象は、海水の密度と水温との関連性に起因するため、海の温度は垂直構造を有することになる。
【0008】
冷水帯(Cold pool)は、海面の水温が周辺に比べて5℃以上低い海域を意味し、大韓民国においては、主に東海南部側の海岸線周辺で発生する。
【0009】
冷水帯の発生原因は、風と海流との関係にある。
【0010】
夏に南風系の季節風が吹くと、エクマン螺旋運動(Ekman transport)によって沿岸の表層海水が遠い海側に移動することになる。この際、これを補うために沿岸深層にあった低水温の海水が海洋表層に上がる湧昇(upwelling)現象が発生し、過剰な湧昇現象が冷水帯を形成する。
【0011】
冷水帯は、急激な水温変化を引き起こすため、養殖魚類の大量死、海洋スポーツ関連事故の誘発、濃い海霧を発生させて船舶の安全脅威及び亜熱帯性スコールを誘発するなどの様々な海洋災難及び海洋災害の原因となるため、これを探知し予測する技術の開発が求められている。
【0012】
今まで、冷水帯現象の観測は、表層水温の現場資料、Geostationary Ocean Color Imager(GOCI)及び静止軌道気象衛星などの地球観測衛星映像を利用してきた。
【0013】
現場資料は、一部定点に対して冷水帯を観測するため、空間上の分析は行えないという限界がある。
【0014】
これを補完するために近年では地球観測衛星を活発に活用しているが、表層で反射された太陽放射エネルギー又は地球放射エネルギーに関する情報だけを取得する地球観測衛星だけを活用するには限界がある。
【0015】
したがって、冷水帯を効率的に探知できる新しい技術開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1319370号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、本発明の目的は、ターゲット領域を分割し、分割領域をクラスタリングして群集を設定し、標準偏差を用いて冷水帯を判断することができる冷水帯探知方法および冷水帯探知システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記の課題を達成するための本発明による冷水帯探知方法は、ターゲット領域の海面温度データを収集し生成するステップと、前記ターゲット領域を分割し、分割領域を生成するステップと、前記分割領域の群集を設定するステップと、冷水帯候補群を選別し冷水帯を探知するステップと、を含む点にその特徴がある。
【0019】
ここで、特に、前記分割領域の群集を設定するステップは、前記分割領域の群集を設定するクラスタリング値を設定するステップと、前記分割領域の群集数を設定するステップと、を含む点にその特徴がある。
【0020】
ここで、特に、前記クラスタリング値は、1km解像度の海面温度である点にその特徴がある。
【0021】
ここで、特に、前記冷水帯候補群を選別し、冷水帯を探知するステップは、前記ターゲット領域を分割し分割領域を生成するステップで分割された分割領域で第1次候補群を分類するステップと、前記第1次候補群の中で第2次候補群を分類するステップと、を含み、前記第1次候補群を分類するステップは、分割領域の全体標準偏差が0.6℃以上である場合、第1次候補群に分類し、前記第2次候補群を分類するステップは、第1次候補群に分類された分割領域の各群集の中で最も高い温度の群集の平均温度から最も低い温度の群集の平均温度を引いた値が2℃以上である場合、第2次候補群に分類する点にその特徴がある。
【0022】
ここで、特に、前記冷水帯候補群を選別し、冷水帯を探知するステップは、前記第2次候補群と浮標(buoy)情報を確認して冷水帯を確定するステップをさらに含み、前記第2次候補群の群集位置の浮標情報を確認し、当該浮標の水温情報が当該第2次候補群の水温範囲内である場合、冷水帯として確定する点にその特徴がある。
【0023】
また、上記の課題を解決するための本発明による冷水帯探知システムは、ターゲット領域の海面温度データを収集し生成するデータ収集及び生成部と、前記ターゲット領域を分割し分割領域を生成する領域分割部と、前記分割領域の群集を設定する群集設定部と、冷水帯候補群を選別し冷水帯を探知する冷水帯判断部と、を含む点にその特徴がある。
【0024】
ここで、特に、前記群集設定部は、前記分割領域の群集を設定するクラスタリング値を設定するクラスタリング値設定モジュールと、前記分割領域の群集数を設定する群集数設定モジュールと、を含む点にその特徴がある。
【0025】
ここで、特に、前記クラスタリング値は、1km解像度の海面温度である点にその特徴がある。
【0026】
ここで、特に、前記冷水帯判断部は、前記領域分割部で分割された分割領域で第1次候補群を分類する第1次候補群分類モジュールと、前記第1次候補群分類モジュールで分類された第1次候補群の中で第2次候補群を分類する第2次候補群分類モジュールと、を含み、前記第1次候補群分類モジュールは、分割領域の全体標準偏差が0.6℃以上である場合、第1次候補群に分類し、前記第2次候補群分類モジュールは、第1次候補群に分類された分割領域の各群集の中で最も高い温度の群集の平均温度から最も低い温度の群集の平均温度を引いた値が2℃以上である場合、第2次候補群に分類する点にその特徴がある。
【0027】
ここで、特に、前記冷水帯判断部は、前記第2次候補群と浮標情報を確認して冷水帯を確定する冷水帯確定モジュールをさらに含み、前記冷水帯確定モジュールは、前記第2次候補群の群集位置の浮標情報を確認し、当該浮標の水温情報が当該第2次候補群の水温範囲内である場合、冷水帯として確定する点にその特徴がある。
【発明の効果】
【0028】
本発明によると、ターゲット領域を分割し、分割領域をクラスタリングして群集を設定し、標準偏差を用いて冷水帯を判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施形態による冷水帯探知方法の全体的なアルゴリズムを示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるターゲット領域の1km解像度の海面温度を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるターゲット領域の分割を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態による分割領域の群集の設定を説明する図である。
【
図5】本発明の一実施形態による冷水帯探知システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の望ましい実施形態について添付の図面を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態による冷水帯探知方法の全体的なアルゴリズムを示す図である。
図2は、本発明の一実施形態によるターゲット領域の1km解像度の海面温度を示す図である。
図3は、本発明の一実施形態によるターゲット領域の分割を示す図である。
図4は、本発明の一実施形態による分割領域の群集の設定を説明する図である。
【0032】
図1~
図4を参照すると、本発明による冷水帯探知方法は、先ず、ターゲット領域の海面温度データを収集し生成するステップ(S100)が行われる。より具体的には、前記ステップS100では、多種人工衛星を用いてターゲット領域の1km解像度の海面温度データを生成することができる。
【0033】
ターゲット領域は、冷水帯を探知しようとする領域を意味する。
【0034】
続いて、ターゲット領域を分割し分割領域を生成するステップ(S200)が行われる。前記ターゲット領域の分割は、緯度及び経度の設定によって分割することができる。分割された各領域は、緯度及び経度が重なるように設定することができる。
【0035】
より具体的には、
図3のように、ターゲット領域を大韓民国の東海岸とすると、前記ステップS200でターゲット領域を3つの領域に分割することができる。分割された領域を第1領域、第2領域、第3領域とすると、第1領域は、大韓民国の東海北部として緯度34.87~38.60、経度128.40~131.69、第2領域は、東海中部 として緯度35.70~37.80、経度128.80~130.30、第3領域は、東海南部 として緯度34.87~36.30、経度129.00~130.19に設定することができる。
【0036】
ステップS200のターゲット領域の分割は設定によって定めることができることは自明であるが、本発明では、東海岸領域を3つに分割して第1領域(東海北部)、第2領域(東海中部)、第3領域(東海南部)に分割したことを基準に説明する。
【0037】
続いて、各分割領域の群集を設定するステップ(S300)が行われる。前記ステップS300は、冷水帯候補群を設定するための前のステップであり、K-means Clustering方式によりクラスタリングを行う。
【0038】
ステップS300は、各分割領域の群集を設定するクラスタリング値を設定するステップ(S310)及び各分割領域の群集数を設定するステップ(S320)を含むことができる。
【0039】
一実施形態として、ステップS310で各分割領域の群集を設定するクラスタリング値は、例えば、“1km解像度の海面温度”である。
【0040】
一実施形態として、ステップS310で各分割領域の群集を設定するクラスタリング値は、例えば、“1km解像度の海面温度”、緯度及び経度である。
【0041】
ステップS320は、K-means Clustering方式による場合、Kの値を設定するものであり、本発明では、K=3にして説明するが、K値は設定によって変更することができることは自明である。
【0042】
より具体的には、
図4を参照すると、
図4aは、分割された領域の中で第1領域であって、左側が陸であり、右側が海で、前記海は、温度によって異なる色で示されている。これをステップS310でクラスタリング値を“1km解像度の海面温度”のみに設定し、ステップS320で群集数を3に設定すると
図4bのようになる。
図4bの右側の海の部分は、クラスタリングによってA,B,Cの3つの群集に分けられた。
【0043】
また、ステップS310でクラスタリング値を“1km解像度の海面温度”、緯度及び経度に設定し、ステップS320で群集数を3に設定すると
図4cのようになる。
図4cの右側の海の部分は、クラスタリングによってA,B,Cの3つの群集に分けられたが、
図4bと差異点のあることが分かる。これは、クラスタリング値が異なるためであり、クラスタリング値をどのように設定するかによって群集結果が変わることが分かる。
【0044】
ターゲット領域を3つに分割して群集数を3に設定すると、ステップS100~S300が行われながら、各領域に対してA,B,Cの3つの群集が生成されることになる。これを、第1領域-A,第1領域-B,第1領域-C,第2領域-A,第2領域-B,第2領域-C,第3領域-A,第3領域-B,第3領域-Cとする。
【0045】
各領域に対して生成された群集の水温範囲は、各分割領域ごとに異なり得る。例えば、第1領域のA,B,Cの群集の水温範囲は22℃~23.9℃(第1領域-A)、24℃~25.9℃(第1領域-B)、26℃~27.9℃(第1領域-C)であり、第2領域のA,B,Cの群集の水温範囲は、20℃~23.9℃(第2領域-A)、24℃~27.9℃(第2領域-B)、28℃~32℃(第2領域-C)になる。同様に、第3領域のA,B,Cの群集の水温範囲は、22℃~25.9℃(第3領域-A)、26℃~29.9℃(第3領域-B)、30℃~38℃(第3領域-C)になる。
【0046】
続いて、冷水帯候補群を選別し冷水帯を探知するステップ(S400)が行われる。
【0047】
前記ステップS400は、ステップS200で分割された分割領域で第1次候補群を分類するステップ(S410)、前記第1次候補群の中で第2次候補群を分類するステップ(S420)及び前記第2次候補群と浮標情報を確認して冷水帯を確定するステップ(S430)を含む。
【0048】
前記ステップS410は、各分割領域全体の標準偏差が0.6℃以上であるかを判断し、前記分割領域の全体標準偏差が0.6℃以上である場合、第1次候補群に分類する。同様に、前記分割領域の全体標準偏差が0.6℃未満であると、第1次候補群から脱落する。例えば、第1領域の全体標準偏差が0.6℃以上であると、第1領域を1次候補群に分類する。同様に、第1領域の全体標準偏差が0.6℃未満であると、第1領域は、第1候補群から脱落して冷水帯候補から除外する。
【0049】
前記ステップS420は、第1次候補群に分類された分割領域の各群集の中で最も高い温度の群集の平均温度から最も低い温度の群集の平均温度を引いた値が2℃以上である場合、第2次候補群に分類する。同様に、第1次候補群に分類された分割領域の各群集の中で最も高い温度の群集の平均温度から最も低い温度群集の平均温度を引いた値が2℃未満である場合、第2次候補群から脱落する。
【0050】
続いて、ステップS430では、第2次候補群の群集位置の浮標情報を確認し、当該浮標の水温情報が当該第2次候補群の水温範囲内である場合、冷水帯として確定することができる。例えば、第2次候補群が第1領域に分類された場合、第1領域の浮標情報を確認し、当該浮標の水温情報が第1領域の水温範囲内であると、第1領域を冷水帯として確定することができる。
【0051】
図5は、本発明の一実施形態による冷水帯探知システムの構成を示す図である。
【0052】
本発明による冷水帯判断方法は、冷水帯探知システムによる。
【0053】
図5を参照すると、本発明による冷水帯探知システムは、データ収集及び生成部100、領域分割部200、群集設定部300、及び冷水帯判断部400を含んで生成される。
【0054】
前記データ収集及び生成部100は、ターゲット領域の海面温度データを収集し生成する。より具体的には、前記データ収集及び生成部100は、多種人工衛星を用いてターゲット領域の1km解像度の海面温度データを生成することができる。
【0055】
前記領域分割部200は、ターゲット領域を分割し分割領域を生成する。前記ターゲット領域の分割は、緯度及び経度の設定によって分割することができる。分割された各領域は、緯度及び経度が重なるように設定することができる。
【0056】
より具体的には、
図3のようにターゲット領域を大韓民国の東海岸とすると、前記領域分割部200でターゲット領域を3つの領域に分割することができる。分割された領域を第1領域,第2領域,第3領域とすると、第1領域は、東海北部として緯度34.87~38.60、経度128.40~131.69、第2領域は、東海中部として緯度35.70~37.80、経度128.80~130.30、第3領域は、東海南部として緯度34.87~36.30、経度129.00~130.19に設定することができる。
【0057】
前記ターゲット領域の分割は、設定によって定めることができることは自明であるが、本発明では、東海岸領域を3つに分割して第1領域(東海北部)、第2領域(東海中部)、第3領域(東海南部)に分割したことを基準に説明する。
【0058】
前記群集設定部300は、前記分割領域の群集を設定する。前記群集設定部300は、K-means Clustering方式によりクラスタリングを行うことができる。
【0059】
前記群集設定部300は、クラスタリング値設定モジュール310及び群集数設定モジュール320を含んで構成される。
【0060】
前記クラスタリング値設定モジュール310は、各分割領域の群集を設定することができる。
【0061】
前記群集数設定モジュール320は、各分割領域の群集数を設定することができる。
【0062】
一実施形態として、各分割領域の群集を設定するクラスタリング値は、例えば、“1km解像度の海面温度”である。
【0063】
一実施形態として、各分割領域の群集を設定するクラスタリング値は、例えば、“1km解像度の海面温度”、緯度及び経度である。詳細な説明は、前記ステップS300の説明を参照する。
【0064】
前記冷水帯判断部400は、冷水帯候補群を選別し冷水帯を探知する。
【0065】
前記冷水帯判断部400は、第1次候補群分類モジュール410、第2次候補群分類モジュール420、及び冷水帯確定モジュール430を含んで構成される。
【0066】
前記第1次候補群分類モジュール410は、前記領域分割部200で分割された分割領域で第1次候補群を分類する。
【0067】
より具体的には、第1次候補群分類モジュール410は、各分割領域の全体標準偏差が0.6℃以上であるかを判断し、前記分割領域の全体標準偏差が0.6℃以上である場合、第1次候補群に分類する。同様に、前記分割領域の全体標準偏差が0.6℃未満であると、第1次候補群から脱落する。例えば、第1領域の全体標準偏差が0.6℃以上であると、第1領域を1次候補群に分類する。同様に、第1領域の全体標準偏差が0.6℃未満であると、第1領域は、第1次候補群から脱落して冷水帯候補から除外する。
【0068】
前記第2次候補群分類モジュール420は、第1次候補群分類モジュール410で第1次候補群に分類された分割領域の各群集の中で最も高い温度の群集の平均温度から最も低い温度の群集の平均温度を引いた値が2℃以上である場合、第2次候補群に分類する。同様に、第1次候補群に分類された分割領域の各群集の中で最も高い温度の群集の平均温度から最も低い温度の群集の平均温度を引いた値が2℃未満である場合、第2次候補群から脱落する。すなわち、冷水帯候補から除外される。
【0069】
前記冷水帯確定モジュール430は、前記第2次候補群と浮標情報を確認して冷水帯を確定する。より具体的には、第2次候補群の群集位置の浮標情報を確認し、当該浮標の水温情報が当該第2次候補群の水温範囲内である場合、冷水帯として確定することができる。例えば、第2次候補群が第1領域に分類された場合、第1領域の浮標情報を確認し、当該浮標の水温情報が第1領域の水温範囲内であると、第1領域を冷水帯として確定することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、冷水帯(Cold pool)探知方法及びシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0071】
100 データ収集及び生成部
200 領域分割部
300 群集設定部
310 クラスタリング値設定モジュール
320 群集数設定モジュール
400 冷水帯判断部
410 第1次候補群分類モジュール
420 第2次候補群分類モジュール
430 冷水帯確定モジュール