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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091546
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】センサ
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240627BHJP
   G06F 3/044 20060101ALN20240627BHJP
【FI】
G06F3/041 512
G06F3/041 522
G06F3/044 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023213799
(22)【出願日】2023-12-19
(31)【優先権主張番号】10-2022-0182806
(32)【優先日】2022-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】内野 聡
(72)【発明者】
【氏名】松元 一浩
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 昌彦
(57)【要約】
【課題】本発明はセンシング性能が向上されたセンサ及びセンサ駆動方法を提供することを目的とする。
【解決手段】センサは、第1電極と第2電極とを含むセンサ層と、前記センサ層から受信した感知信号をデータに変換する信号検出回路と、前記データに基づいて前記感知信号の状態を検出する信号状態検出器と、前記感知信号の状態によって前記データを復元し、復元データを出力する信号復元器と、前記データまたは前記復元データに基づいて座標を計算する座標計算機と、を含むが、前記信号復元器は2次元正規分布波形を利用して前記データを前記復元データに復元する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極と第2電極とを含むセンサ層と、
前記センサ層から受信した感知信号をデータに変換する信号検出回路と、
前記データに基づいて前記感知信号の状態を検出する信号状態検出器と、
前記感知信号の状態によって前記データを復元し、復元データを出力する信号復元器と、
前記データまたは前記復元データに基づいて座標を計算する座標計算機と、を含み、
前記信号復元器は2次元正規分布波形を利用して前記データを前記復元データに復元するセンサ。
【請求項2】
前記信号復元器は、
前記データからノイズを除去して第1中間データを生成する第1フィルタと、
前記第1中間データから中心位置を算出する中心位置算出部と、
累積値を前記第1中間データに反映して第2中間データを生成する第2フィルタと、
前記第2中間データに前記2次元正規分布波形を演算して前記復元データを生成する演算部と、を含む請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記演算部は前記第2中間データと前記2次元正規分布波形の中心位置を合わせ、前記第2中間データの中心位置と前記2次元正規分布波形をかけて前記復元データを生成する請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記第2フィルタはIIR時間フィルタである請求項2に記載のセンサ。
【請求項5】
前記第2フィルタは前記第1中間データと前記累積値を所定の比率で混合して前記第2中間データを出力し、
前記所定の比率はa:(1-a)であり、前記aは0以上0.9以下の値である請求項2に記載のセンサ。
【請求項6】
前記信号復元器は前記第1中間データのオフセットを調整し、調整された第1中間データを前記第2フィルタに提供するオフセット調整部を更に含む請求項2に記載のセンサ。
【請求項7】
前記信号復元器は前記復元データに前記復元データに対する周辺信号を利用して前記復元データのノイズを除去する第3フィルタを更に含む請求項2に記載のセンサ。
【請求項8】
前記信号復元器は前記復元データのゲインを調整するゲイン補正部を更に含む請求項2に記載のセンサ。
【請求項9】
前記信号状態検出器は、前記第1電極と前記第2電極との間の相互キャパシタンスを測定したローデータから獲得された統計値を周期的に更新するように構成され、
前記統計値は、前記ローデータの平均値、最大値、最小値、及び標準偏差のうち少なくともいずれか一つを含み、
前記信号状態検出器は、前記データと前記統計値に基づいて決定された少なくとも一つの境界値を比較して前記データの状態を判断するように構成され、
前記少なくとも一つの境界値は周期的に更新される請求項1に記載のセンサ。
【請求項10】
前記感知信号の状態は復元が必要な第1状態と復元が不必要な第2状態とに区分され、前記2次元正規分布波形は前記第2状態の前記データによって生成され、
前記第2状態の前記データの最大範囲及び最小範囲を算出し、前記最大範囲が前記第1状態の前記データのサイズと同じくなるように前記第2状態の前記データが量子化され、
量子化された2次元データで平均(μ)及びx、y方向の分散(σx^2,σy^2)を算出し、それを利用して以下の計算式、
【数1】

n=2、共分散行列Σ=[[σx^2,σxy],[σxy,σy^2]],σxy:xyの共分散、
で前記2次元正規分布波形を生成するように構成される請求項1に記載のセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセンシング性能が向上されたセンサ及びセンサ駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テレビ、携帯電話、タブレットPC、ナビゲーション、ゲーム機、車両用ディスプレイなどのようなマルチメディア電子装置は映像を表示し、ボタン、キーボード、マウスなどの通常の入力方式以外にユーザが容易に情報または命令を直観的で便利に入力するようにするタッチ基盤の入力方式を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-198607号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-1953319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はセンシング性能が向上されたセンサ及びセンサ駆動方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施例によるセンサは、第1電極と第2電極とを含むセンサ層と、前記センサ層から受信した感知信号をデータに変換する信号検出回路と、前記データに基づいて前記感知信号の状態を検出する信号状態検出器と、前記感知信号の状態によって前記データを復元し、復元データを出力する信号復元器と、前記データまたは前記復元データに基づいて座標を計算する座標計算機と、を含み、前記信号復元器は2次元正規分布波形を利用して前記データを前記復元データに復元する。
【0006】
前記信号復元器は、前記データからノイズを除去して第1中間データを生成する第1フィルタと、前記第1中間データから中心位置を算出する中心位置算出部と、累積値を前記第1中間データに反映して第2中間データを生成する第2フィルタと、前記第2中間データに前記2次元正規分布波形を演算して前記復元データを生成する演算部と、を含む。
【0007】
前記演算部は前記第2中間データと前記2次元正規分布波形の中心位置を合わせ、前記第2中間データと前記2次元正規分布波形をかけて前記復元データを生成する。
【0008】
前記第2フィルタはIIR時間フィルタである。
【0009】
前記第2フィルタは前記第1中間データと前記累積値を所定の比率で混合して前記第2中間データを出力する。
【0010】
前記所定の比率はa:(1-a)であり、前記aは0以上0.9以下の値である。
【0011】
前記信号復元器は前記第1中間データのオフセットを調整して前記第2フィルタに提供するオフセット調整部を更に含む。
【0012】
前記信号復元器は前記復元データに前記復元データに対する周辺信号を利用して前記復元データのノイズを除去する第3フィルタを更に含む。
【0013】
前記信号復元器は前記復元データのゲインを調整するゲイン補正部を更に含む。
【0014】
前記信号状態検出器は、前記第1電極と前記第2電極との間の相互キャパシタンスを測定したローデータから獲得された統計値を周期的に更新するように構成される。
【0015】
前記統計値は、前記ローデータの平均値、最大値、最小値、及び標準偏差のうち少なくともいずれか一つを含む。
【0016】
前記センサ層は複数の領域に区画され、前記統計値は前記複数の領域別に分類されて保存される。
【0017】
前記信号状態検出器は、前記データと前記統計値に基づいて決定された少なくとも一つの境界値を比較して前記データの状態を判断するように構成される。
【0018】
前記少なくとも一つの境界値は周期的に更新される。
【0019】
前記信号状態検出器は、人工知能基盤の画像認識及び分類技術を利用して前記データの状態を判断するように構成される。
【0020】
前記感知信号の状態は復元が必要な第1状態と復元が不必要な第2状態とに区分され、前記2次元正規分布波形は前記第2状態の前記データによって生成される。
【0021】
前記第2状態の前記データの最大範囲及び最小範囲を算出し、前記最大範囲が前記第1状態の前記データのサイズと同じくなるように前記第2状態の前記データが量子化され、量子化された2次元データで平均(μ)及びx、y方向の分散(σx^2,σy^2)を算出し、それを利用して以下の計算式、
【0022】
【数1】
【0023】
n=2、共分散行列Σ=[[σx^2,σxy],[σxy,σy^2]],σxy:xyの共分散で前記2次元正規分布波形を生成するように構成される。
【0024】
前記センサ層は複数の領域に区画され、前記2次元正規分布波形は前記複数の領域別に分類されて保存される。
【0025】
本発明の一実施例によるセンサの駆動方法は、受信した感知信号をデータに変換するステップと、前記データに基づいて前記感知信号の状態を検出するステップと、前記感知信号の状態によって前記データを復元し、復元したデータを出力するステップと、前記データまたは前記復元データに基づいて座標を計算するステップと、を含むが、前記信号データを出力するステップは2次元正規分布波形を利用して前記データを前記復元データに復元する。
【0026】
前記復元データを出力するステップは、前記データからノイズを除去して第1中間データを生成するステップと、前記第1中間データから中心位置を算出するステップと、前記第1中間データと累積値をa:(1-a)の割合(aは0以上0.9以下)に混合して第2中間データを生成するステップと、前記第2中間データに前記2次元正規分布波形の中心位置を合わせ、前記第2中間データと前記2次元正規分布波形をかけて前記復元データを生成するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0027】
上述によると、センサは感知信号の状態を検出し、感知信号が弱信号と判断されれば、感知信号のピークが明瞭になるように感知信号を復元する。例えば、センサは感知信号を2次元正規分布波形を利用して復元する。復元された信号のピークは明瞭になり、信号の位置が安定化されて、位置精密度が向上される。弱信号を復元することで、センサに入力される入力に対する信号対雑音比が向上される。また、センシング感度の向上によって近接、ホバリング検出範囲が広くなる。また、センサは相互静電容量信号データのみで信号を復元するため、座標計算アルゴリズムが簡素化される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1a】本発明の一実施例による電子装置の使用状態を示す図である。
図1b】本発明の一実施例による電子装置の使用状態を示す図である。
図2a図1aの使用状態から獲得した信号のサンプルを示す図である。
図2b図1bの使用形態から獲得した信号のサンプルを示す図である。
図3】本発明の一実施例による電子装置のブロック図である。
図4】本発明の一実施例によるセンサを示す図である。
図5】本発明の一実施例によるセンサ駆動部のブロック図である。
図6】センサの駆動方法を説明するための順序図である。
図7】本発明の一実施例による信号復元器のブロック図である。
図8】本発明の一実施例による信号復元器を説明するための図である。
図9】本発明の一実施例による2次元正規分布波形を生成する方法を説明するための図である。
図10】本発明の一実施例による信号復元器のブロック図である。
図11】本発明の一実施例による信号復元器のブロック図である。
図12a】本発明の一実施例による信号復元器のブロック図である。
図12b】本発明の一実施例による復元データのゲイン調整を説明するための図である。
図13】本発明の一実施例による信号復元を説明するための図である。
図14a】第1状態の信号のサンプルを示す図である。
図14b】復元された信号のサンプルを示す図である。
図15a】復元されていないデータから算出された座標に対する軌跡を示す図である。
図15b】復元されたデータから算出された座標に対する軌跡を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本明細書において、ある構成要素(または領域、層、部分など)が他の構成要素の「上にある」、「結合される」、または「結合される」と言及されれば、それは他の構成要素の上に直接配置・連結・結合され得るか、またはそれらの間に第3の構成要素が配置され得ることを意味する。
【0030】
同じ図面符号は同じ構成要素を指す。また、図面において、構成要素の厚さ、割合、及び寸法は技術的内容の効果的な説明のために誇張されている。「及び/または」は、関連する構成要素が定義する一つ以上の組み合わせを全て含む。
【0031】
第1、第2などの用語は多様な構成要素を説明するのに使用されるが、前記構成要素は前記用語に限らない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しないながらも第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、類似して第2構成要素も第1構成要素と命名されてもよい。単数の表面は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0032】
また、「下に」、「下側に」、「上に」、「上側に」などの用語は、図面に示した構成要素の連関関係を説明するために使用される。前記用語は相対的な概念であって、図面に示した方向を基準に説明される。
【0033】
「含む」または「有する」などの用語は明細書の上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないと理解すべきである。
【0034】
「部(part)」、「ユニット」という用語は特定機能を行うソフトウェア構成要素(component)またはハードウェア構成要素を意味する。ハードウェア構成要素は、例えば、FPGA(field-programmable gate array)またはASIC(application-specific integrated circuit)を含む。ソフトウェア構成要素は、実行可能なコード及び/またはアドレス可能な保存媒体内の実行可能コードによって使用されるデータを称する。よって、ソフトウェア構成要素は、例えば、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素、及び作業構成要素であり、プロセス、機能、属性、手順、サブルーチン、プログラムコードセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、配列、または変数を含む。
【0035】
異なるように定義されない限り、本明細書で使用された全ての用語(技術的及び科学的用語を含む)は、本発明の属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるようなものと同じ意味を有する。また、一般的に使用される辞書で定義された用語のような用語は、関連技術の脈絡で有する意味と一致する意味を有すると解釈すべきであって、ここで明示的に定義されない限り、過度に理想的であるか形式的な意味で解釈してはならない。
【0036】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0037】
図1aは、本発明の一実施例による電子装置1000の使用状態を示す図である。図1bは、本発明の一実施例による電子装置1000の使用状態を示す図である。
【0038】
図1a及び図1bを参照すると、電子装置1000は電気的信号によって活性化される装置である。例えば、電子装置1000は携帯電話、タブレット、またはゲーム機などであるが、これに限らない。図1a及び図1bでは電子装置1000が携帯電話であることを例示的に示している。
【0039】
電子装置1000にはアクティブ領域1000Aと周辺領域1000NAが定義される。電子装置1000はアクティブ領域1000Aを介して映像を表示する。アクティブ領域1000Aは第1方向DR1と第2方向DR2によって定義される面を含む。周辺領域1000NAはアクティブ領域1000Aの周辺を囲む。
【0040】
電子装置1000の厚さ方向は第1方向DR1及び第2方向DR2と交差する第3方向DR3と並んでいる。よって、電子装置1000を構成する部材の前面(または上面)と背面(または下面)は第3方向DR3を基準に定義される。
【0041】
電子装置1000は外部から印加される入力を感知する。例えば、電子装置1000はタッチ2000によるパッシブ入力を感知する。タッチ2000はユーザの身体、パッシブペンのように静電容量に変化を提供する入力手段を全て含む。但し、これに限らず、電子装置1000は駆動信号を提供するアクティブタイプの入力手段(例えば、アクティブペン)による入力も感知する。
【0042】
図1aに示した第1使用状態ST1(または第1状態)は電子装置1000を片手でタッチする状態である。第1使用状態ST1は電子装置1000を握っていない状態、例えば、デーブルの上に乗せた状態で操作する状態である。この場合、電子装置1000の接地GD1とタッチ2000を提供するユーザの接地GD2は分離され、電子装置1000は第1使用状態ST1で十分な接地状態を有することができない。
【0043】
図1bに示した第2使用状態ST2(または第2状態)は電子装置1000をユーザが握って2000a、タッチ2000を提供する状態である。図1bでは電子装置1000を操作するに当たって両手を使用することを例示的に示したが、これに限らない。例えば、電子装置1000を片手で握った状態で握った手の指を利用してタッチ2000を提供する場合も第2状態ST2とみなされる。この場合、電子装置1000の接地GDCとタッチ2000を提供するユーザの接地GDCは共通の接地状態であって、いずれも地面に連結される。よって、電子装置1000は第2使用状態ST2で十分な接地状態を有することができる。
【0044】
第1使用状態ST1は低い接地質量(Low Ground Mass、LGM)状態を引き起こし、第2使用状態ST2は高い接地質量(High Ground Mass、HGM)状態を引き起こす。
【0045】
図2aは、図1aの使用状態から獲得した信号SC1のサンプルを示す図である。図2bは、図1bの使用形態から獲得した信号SC2のサンプルを示す図である。
【0046】
図1a及び図2aを参照すると、電子装置1000の接地GD1とタッチ2000を提供するユーザの接地GD2は互いに異なる。よって、静電容量の変化を検出する信号が不安定になる恐れがある。第1使用状態ST1で獲得された信号SC1はタッチ2000の接触面積及び/またはタッチ2000する方法によって中心(またはピーク)が窪んだ波形を有する。第1使用状態ST1で獲得された信号SC1のサンプルを見ると、中央が窪んだ状態で周辺に信号ピークが分散された状態を有する。この場合、それぞれのピークを別途の信号と誤って認識し、タッチ座標の正確性が下がる恐れがある。
【0047】
図1b及び図2bを参照すると、電子装置1000とタッチ2000を提供するユーザの接地GDCは共通している。よって、第2使用状態ST2で獲得された信号SC2のサンプルを見ると中央に向かう信号SC2のピークが明確に表れている。
【0048】
本発明によると、第1使用状態ST1で獲得された信号SC1は第2使用状態ST2で獲得された信号SC2のように信号のピークが明瞭になるように復元される。例えば、第1使用状態ST1で獲得された信号SC1を2次元正規分布波形を利用して復元する。復元された信号のピークは明瞭になり、信号の位置が安定化されて、位置精密度が向上される。また、本発明の一実施例によると、相互静電容量信号データのみで信号を復元するため、座標計算アルゴリズムが簡素化される。それに関する具体的な説明は後述される。
【0049】
図3は、本発明の一実施例による電子装置1000のブロック図である。
【0050】
図3を参照すると、電子装置1000は、表示パネル100と、センサ200と、表示駆動部100Cと、メイン駆動部1000Cとを含む。センサ200はセンサ層200Lとセンサ駆動部200Cとを含む。
【0051】
表示パネル100は映像を実質的に生成する構成である。表示パネル100は発光型表示層であり、例えば、表示パネル100は有機発光表示層、無機発光表示層、有機-無機発光表示層、量子ドット表示層、マイクロLED表示層、またはナノLED表示層である。
【0052】
センサ層200Lは表示パネル100の上に配置される。センサ層200Lは外部から印加される外部入力を感知する。外部入力は静電容量に変化を提供する入力手段を全て含む。例えば、センサ層200Lはユーザの身体のようなパッシブ型の入力手段だけでなく、駆動信号を提供するアクティブ型の入力手段による入力も感知する。
【0053】
メイン駆動部1000Cは表示装置1000の全般的な動作を制御する。例えば、メイン駆動部1000Cは表示駆動部100C及びセンサ駆動部200Cの動作を制御する。メイン駆動部1000Cは少なくとも一つのマイクロプロセッサを含み、グラフィックコントローラを更に含む。メイン駆動部1000Cはアプリケーションプロセッサ、中央処理装置、またはメインプロセッサと称される。
【0054】
表示駆動部100cは表示パネル100を駆動する。表示駆動部100Cはメイン駆動部1000Cから映像データRGB及び制御信号D-CSを受信する。制御信号D-CSは多様な信号を含む。例えば、制御信号D-CSは入力垂直同期信号、入力水平同期信号、メインクロック、及びデータイネーブル信号などを含む。表示駆動部100Cは、制御信号D-CSに基づいて表示パネル100に信号を提供するタイミングを制御するための垂直同期信号及び水平同期信号を生成する。
【0055】
センサ駆動部200Cはセンサ層200Lを駆動する。センサ駆動部200Cはメイン駆動部1000Cから制御信号I-CSを受信する。制御信号I-CSはクロック信号を含む。センサ駆動部200Cはセンサ層200Lから受信した信号に基づいて入力の座標情報を算出し、座標情報を有する座標信号I-SSをメイン駆動部1000Cに提供する。メイン駆動部1000Cは座標信号I-SSに基づいてユーザ入力に対応する動作を実行させる。例えば、メイン駆動部1000Cは表示パネル100に新しいアプリケーション画像が表示されるように表示駆動部100Cを動作させる。
【0056】
図4は、本発明の一実施例によるセンサ200を示す図である。
【0057】
図4を参照すると、センサ層200Lは、複数の第1電極210と複数の第2電極220とを含む。第1電極210それぞれは第1方向DR1に沿って延長され、第1電極210は第2方向DR2に離隔されて配列される。第2電極220それぞれは第2方向DR2に沿って延長され、第2電極220は第1方向DR1に離隔されて配列される。第1電極210は第2電極220と交差する。図示していないが、センサ層200Lは複数の第1電極210及び複数の第2電極220それぞれに連結される複数のトレースラインを更に含む。
【0058】
第1電極210それぞれは感知パータン211とブリッジパターン212とを含む。互いに隣接した2つの感知パータン211は2つのブリッジパターン212によって互いに電気的に連結されるが、特にこれに限らない。感知パータン211とブリッジパターン212は異なる層の上に配置される。
【0059】
第2電極220それぞれは第1部分221と第2部分222とを含む。第1部分221と第2部分222は互いに一体の形状を有し、同じ層の上に配置される。例えば、第1部分221及び第2部分222は感知パータン211と同じ層の上に配置される。2つのブリッジパターン212は第2部分222と絶縁交差する。
【0060】
センサ駆動部200Cはメイン駆動部1000C(図3を参照)から制御信号I-CSを受信する。センサ駆動部200Cはメイン駆動部1000Cに座標信号I-SS提供する。センサ駆動部200Cは集積回路(Integrated circuit,IC)で具現されてセンサ層200Lの所定領域に直接実装されるか、別途のプリント回路基板にチップオンフィルム(Chip on film:COF)方式で実装されてセンサ層200Lと電気的に連結される。
【0061】
センサ駆動部200Cは伝送信号TXを第1電極210に出力し、感知信号RXを第2電極220から受信する。但し、これに限らない。例えば、センサ駆動部200Cは伝送信号TXを第2電極220に出力し、感知信号RXを第1電極210から受信してもよい。
【0062】
図5は、本発明の一実施例によるセンサ駆動部200Cのブロック図である。
【0063】
図4及び図5を参照すると、センサ駆動部200Cは、信号検出回路210Cと、信号状態検出器220Cと、信号復元器230Cと、座標計算機240Cとを含む。
【0064】
信号検出回路210Cはセンサ層200Lから受信した感知信号RXをデータSDに変換する。信号検出回路210Cはアナログフロントエンドを含む。感知信号RXはアナログ信号であり、データSDはデジタル信号である。
【0065】
信号状態検出器220CはデータSDに基づいて感知信号RXの状態を検出する。例えば、信号状態検出器220Cは感知信号RXが弱信号(weak signal)であるのかを検出する。弱信号であるのかを判断する基準としては多様な方法が適用される。
【0066】
本発明の一実施例において、信号状態検出器220Cは、第1電極210と第2電極220との間の相互キャパシタンスを測定したローデータから獲得された統計値から少なくとも一つの境界値(または閾値)を算出する。前記統計値は、前記ローデータの平均値、最大値、最小値、及び標準偏差のうち少なくともいずれか一つを含む。
【0067】
信号状態検出器220Cは前記少なくとも一つの境界値とデータSDを比較してデータSDの状態を判断する。信号状態検出器220CはデータSDの信号対雑音比、最大値、最小値、平均値の分布、及びセンシング形状など、及び前記統計値と比較算出した様々な種類の境界値を総合的に考慮してデータSDの状態を判定する。つまり、信号状態検出器220Cは前記少なくとも一つの境界値とデータSDを比較してデータSDが弱信号であるのかを検出する。
【0068】
信号状態検出器220Cは予め複数のサンプルから取得したデフォルト統計値を保存する。よって、初期のデータSDは前記デフォルト統計値を使用して状態を判断する。前記少なくとも一つの境界値は周期的に更新される。前記少なくとも一つの境界値が更新される周期は多様に設定される。例えば、前記少なくとも一つの境界値はデータSDが弱信号ではないと判断されるたびに更新されてもよく、特定時間間隔で更新されてもよい。
【0069】
前記統計値はセンサ層200L全体から獲得された一つの統計値であるが、これに限らない。例えば、センサ層200Lは複数の領域に区画され、統計値は複数の領域からそれぞれ獲得されてもよい。よって、複数の領域それぞれに対応する複数の統計値が複数の領域別に分類されて保存される。
【0070】
本発明の一実施例において、信号状態検出器220Cは人工知能基盤の画像認識及び分類技術を利用してデータSDの状態を判断するように構成されてもよい。
【0071】
信号復元器230Cは感知信号RXの状態によってデータSDを復元し、復元データSDcを出力する。例えば、データSDが図2aに示した信号SC1に対応する第1状態のデータSD1であれば、信号復元器230CはデータSD1を復元して復元データSDcを出力する。また、データSDが図2bに示した信号SC2に対応する第2状態のデータSD2であれば、データSD2は座標計算機240Cに提供される。
【0072】
信号復元器230Cは2次元正規分布波形を利用してデータSD1を復元データSDcに復元する。復元データSDcに対応する復元された信号はピークが明瞭になる。よって、ピークの位置が安定化されて、位置精密度が向上される。
【0073】
本発明の実施例によると、弱信号を復元するために自己静電容量信号を使用せずに、相互静電容量信号データのみで信号を復元する。よって、センサ200の座標計算アルゴリズムが簡素化される。また、信号の復元において、自己静電容量信号を生成しないため、センサ200は自己静電容量センシング用ハードウェアが省略される。また、信号の復元に自己静電容量信号を使用する比較例に比べ、本発明は相互静電容量信号のみを使用して信号を復元するため、センシング駆動時間が減少されて信号復元遅延が改善される。
【0074】
座標計算機240CはデータSD2または復元データSDcに基づいて座標を計算する。座標計算機240Cは座標情報を有する座標信号I-SSを生成する。
【0075】
図6は、センサ200(図4を参照)の駆動方法を説明するための順序図である。
【0076】
図5及び図6を参照すると、センサ駆動部200Cはセンサ層200Lから感知信号RXを受信する(S100)。信号状態検出器220Cは感知信号RXの状態を検出する(S200)。信号状態検出器220Cは感知信号RXの状態が第1状態であるのかを判断する(S300)。
【0077】
感知信号RXの状態が第2状態であれば、センサ駆動部200CはデータSD2から統計値を取得する(S400)。データSD2は第2状態の感知信号RXをデジタル変換したデータである。センサ駆動部200Cは統計値から2次元正規分布波形を更新する(S500)。または、センサ駆動部200CはデータSD2を学習データとして獲得してもよい。
【0078】
信号状態検出器220Cが感知信号RXの状態が第1状態、つまり、弱信号であると判断すれば、統計値の取得及び更新は一時的に中止され、以下の復元動作が実施される。
【0079】
感知信号RXの状態が第1状態であれば、信号復元器230CはデータSD1復元動作を行う(S600)。信号復元器230Cは2次元正規分布波形を利用して第1状態のデータSD1を復元する。データSD1を復元した復元データSDcは信号復元器230Cに累積される(S700)。復元データSDcの累積は毎回更新される。過去に累積された復元データは第1状態のデータSD1を復元する際に利用される。
【0080】
復元データSDcの累積は特定状態で破棄されて更に更新される。例えば、累積された復元データと新規復元データの差が大きくなれば、従来累積された復元データSDcは破棄されて更に更新される。または、電子装置1000の使用状態が第1使用状態ST1(図1aを参照)から第2使用状態ST2(図1bを参照)に変化すれば、累積された復元データSDcは破棄される。
【0081】
座標計算機240Cは復元データSDcに基づいて座標を計算し、それに関する情報を有する座標信号I-SSを出力する(S800)。また、感知信号RXの状態が第2状態であれば、座標計算機240CはデータSD2に基づいて座標を計算し、それに関する情報を有する座標信号I-SSを出力する(S800)。
【0082】
図7は、本発明の一実施例による信号復元器230Cのブロック図である。図8は、本発明の一実施例による信号復元器を説明するための図である。
【0083】
図7及び図8を参照すると、信号復元器230Cは、第1フィルタ231と、中心位置算出部232と、第2フィルタ233と、演算部234とを含む。
【0084】
第1フィルタ231はデータSD1からノイズを除去して第1中間データDT1を生成する。弱信号は通常の信号に比べ中心信号は低く、周辺信号は大きくなる傾向がある。また、データSD1も偏差があるか特定の位置に偏る場合がある。よって、データSD1全体にフィルタ処理を行う。例えば、周辺データを利用してデータSD1を平均化する。この場合、データSD1から不必要なノイズが除去されて後述する中心位置の算出が容易になる。
【0085】
中心位置算出部232は第1中間データDT1から中心位置を算出する。弱信号の復元は、弱信号を通常状態の信号と類似するように信号の中心がピーク値を有するように復元することである。よって、復元の対象となるデータSD1と2次元正規分布波形NDの中心を合わせて復元する。第1中間データDT1の中心位置の算出は、弱信号状態で境界値を算出し、境界条件で形状を把握して中心位置を判断する形態で行われる。
【0086】
第2フィルタ233は累積値ASDcを第1中間データDT1に反映して第2中間データDT2を生成する。累積値ASDsは過去に獲得した復元データが累積されたデータである。第2フィルタ233はIIR時間フィルタである。第2フィルタ233は第1中間データDT1と累積値ASDcを所定の比率で混合して第2中間データDT2出力する。前記所定の比率はa:(1-a)であるが、前記aは0以上0.9以下の値である。
【0087】
第2中間データ=第1中間データ*a+累積値*(1-a)
【0088】
累積値ASDcは毎回の復元ごとに更新される。累積値ASDcを第1中間データDT1に反映する場合、信号波形の時間的変化(例えば、移動量)による中心位置が補正される。例えば、信号復元器230Cは過去信号の中心位置と時間的変化をベクトル情報として保存する。よって、現在信号だけでなく、過去の位置変化を鑑みて中心位置が計算される。つまり、過去の位置変化を共にトラッキングすれば、座標の精密度が向上され、信号移動の時間的変化によって中心位置が補正される。
【0089】
演算部234は第2中間データDT2に2次元正規分布波形NDを演算して復元データSDcを生成する。つまり、前処理された弱信号の中心位置と2次元正規分布波形NDの中心位置を合わせ、2つをかけて第2中間データDT2の形状を復元する。つまり、演算部234は第2中間データDT2と2次元正規分布波形NDの中心位置を合わせ、第2中間データDT2と2次元正規分布波形NDをかけて復元データSDcを生成する。
【0090】
データSD1は理想的な信号ピークを有する2次元正規分布波形NDだけでなく、時間方向の累積値ASDcが反映されて復元データSDcに復元される。つまり、2次元正規分布波形NDを利用して復元する前に、累積値ASDcを利用して第1中間データDT1を第2中間データDT2に変換する。よって、第1中間データDT1に累積値ASDcが先に反映されることで突発的なノイズが1次的に除去され、復元データSDcの安定性が更に向上される。
【0091】
図9は、本発明の一実施例による2次元正規分布波形NDを生成する方法を説明するための図である。
【0092】
図8及び図9を参照すると、感知信号RX(図4を参照)の状態は復元が必要な第1状態と不必要な第2状態とに区分される。2次元正規分布波形NDは第2状態の感知信号RXによって生成される。2次元正規分布波形NDは信号サンプルの形状及び信号の強度などを補正するのに利用される。
【0093】
第2状態の感知信号RXから統計値が獲得される。前記統計値は標準偏差と、最大ピークと、平均値とを含む。第2状態の感知信号RXの最大範囲及び最小範囲を算出する。次に、最大範囲が復元対象のウィンドウサイズ、例えば、第1状態のデータSD1のサイズと同じくなるように第2状態の感知信号RXを量子化する。量子化された2次元データSD2aで平均(μ)及びピーク(PK)を中心にx、y方向の分散(σx^2,σy^2)を算出する。次に、獲得された平均(μ)及びx、y方向の分散(σx^2,σy^2)、及び以下の計算式を利用して2次元正規分布波形NDを生成する。
【0094】
【数2】
【0095】
n=2、共分散行列Σ=[[σx^2,σxy],[σxy,σy^2]],σxy:xyの共分散
【0096】
本発明の一実施例において、2次元正規分布波形NDは信号ピークの分散を最小化するために、共分散行列を補正した計算結果を使用してもよい。
【0097】
2次元正規分布波形NDはセンサ層200L全体から獲得された一つの2次元正規分布波形NDであるが、特にこれに限らない。例えば、センサ層200Lは数の領域に区画され、2次元正規分布波形NDは複数の領域からそれぞれ獲得されてもよい。よって、複数の領域それぞれに対応する複数2次元正規分布波形NDが複数の領域別に分類されて保存される。
【0098】
図10は、本発明の一実施例による信号復元器230Caのブロック図である。図10を説明するに当たって、図7で説明された構成要素については同じ図面符号を併記し、それに関する説明は省略する。
【0099】
図10を参照すると、信号復元器230Caはオフセット調整部235を更に含む。オフセット調整部235は第1中間データDT1のオフセットを調整し、第1-1中間データDT1’を第2フィルタ233に提供する。
【0100】
データSD1が弱信号としてマイナスの値を含むことがある。オフセット調整部235はマイナスの値のような異常値を復元する際に反映しないように提供される。オフセットを調整するための方法としては多様な方法が適用される。例えば、補正対象信号、第1中間データDT1で境界値(または閾値)を計算し、その閾値に及ばない信号に対して補正を行う。例えば、閾値に及ばない信号に対してオフセット数値を加算する。オフセット数値は信号の最小値から計算される。例えば、オフセット数値は信号の最小値の絶対値の2倍であるが、特にこれに限らない。
【0101】
図11は、本発明の一実施例による信号復元器230Cbのブロック図である。図11を説明するに当たって、図7で説明された構成要素については同じ図面符号を併記し、それに関する説明は省略する。
【0102】
図11を参照すると、信号復元器230Cbは第3フィルタ236を更に含む。第3フィルタ236は復元データSDcに対する周辺信号を利用して復元データSDcのノイズを除去し、後処理復元データSDc’を出力する。例えば、第3フィルタ236はぼかしフィルタである。
【0103】
図12aは、本発明の一実施例による信号復元器230Ccのブロック図である。図12bは、本発明の一実施例による復元データのゲイン調整を説明するための図である。図12aを説明するに当たって、図7で説明された構成要素については同じ図面符号を併記し、それに関する説明は省略する。
【0104】
図12a及び図12bを参照すると、信号復元器230Ccはゲイン補正部237を更に含む。
【0105】
ゲイン補正部237は復元された第1信号SScの信号範囲と累積された第2状態の信号の最大値を比較し、復元された信号SScが過去の統計値に及ばなければ、復元された第1信号SScを期待値レベルの第2信号SScaに補正する。つまり、第2信号SScaは第1信号SScにレンジ補正を追加に反映した信号である。
【0106】
図13は、本発明の一実施例による信号復元を説明するための図である。
【0107】
図5図7図10図11図12a、及び図13を参照すると、信号復元器230Cが第1フィルタ231と、中心位置算出部232と、第2フィルタ233と、演算部234と、オフセット調整部235と、第3フィルタ236と、ゲイン補正部237をいずれも含む場合の信号復元を説明する図である。
【0108】
第1フィルタ231はデータSD1からノイズを除去して第1中間データDT1を生成する。
【0109】
オフセット調整部235は第1中間データDT1のオフセットの調整が必要であれば、第1中間データDT1のオフセットを調整し、第1-1中間データDT1’を生成する。
【0110】
第2フィルタ233は累積値ASDcを第1-1中間データDT1’に反映して第2中間データDT2を生成する。演算部234は第2中間データDT2に2次元正規分布波形NDを演算して復元データSDcを生成する。
【0111】
復元データSDcのノイズ除去が更に必要と判断されれば、第3フィルタ236は復元データSDcに対する周辺信号を利用して復元データSDcのノイズを除去し、後処理復元データSDc’を出力する。
【0112】
復元データSDcのレンジ補正が必要と判断されれば、ゲイン補正部237は復元データSDcのレンジを補正し、後処理復元データSDc’’を出力する。後処理復元データSDc’及びSDc’’は累積値ASDcとして累積される。
【0113】
座標計算機240CはデータSD2または後処理復元データSDc’及びSDc’’に基づいて座標を計算する。座標計算機240Cは座標情報を有する座標信号I-SSを生成する。
【0114】
図14aは、第1状態の信号SC1のサンプルを示す図である。図14bは、復元された信号SCcのサンプルを示す図である。
【0115】
図14aは第1状態の信号SC1の波形を3Dで示しており、図14bは第1状態の信号SC1を復元した復元信号SCcの波形を3Dで示している。図14aにおいて、ピークが不明瞭であった信号SC1は図14bでピークが明瞭な波形を有する復元信号SCcに復元されていることが分かる。
【0116】
図15aは、復元されていないデータから算出された座標に対する第1軌跡CD1を示す図である。図15bは、復元されたデータから算出された座標に対する第2軌跡CD2を示す図である。
【0117】
図15a及び図15bを参照すると、第1軌跡CD1と第2軌跡CD2を比較すると、第2軌跡CD2は第1軌跡CD1に比べ軌跡のずれが減少されて座標の精密度が改善されていることがわかる。
【0118】
本発明の実施例によると、弱信号を復元することで、センサ層200L(図4を参照)に入力される入力(例えば、パッシブ入力またはアクティブ入力)に対する信号対雑音比が向上される。つまり、センシング感度の向上によって近接、ホバリング検出範囲が広くなる。
【0119】
これまで本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野における熟練した当業者または該当技術分野における通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更し得ることを理解できるはずである。よって、本発明の技術的範囲は明細書の詳細な説明に記載されている内容に限らず、特許請求の範囲によって決められるべきである。
【符号の説明】
【0120】
200:センサ 200L:センサ層
200C:センサ駆動部 210C:信号検出回路
220C:信号状態検出器 230C:信号復元器
240C:座標計算機
図1a
図1b
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12a
図12b
図13
図14a
図14b
図15a
図15b