(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091550
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01L 29/41 20060101AFI20240627BHJP
H01L 21/28 20060101ALI20240627BHJP
H01L 21/283 20060101ALI20240627BHJP
H01L 29/417 20060101ALI20240627BHJP
H01L 21/338 20060101ALN20240627BHJP
【FI】
H01L29/44 S
H01L21/28 301R
H01L21/283 C
H01L29/50 J
H01L29/80 H
H01L29/80 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023214006
(22)【出願日】2023-12-19
(31)【優先権主張番号】P 2022207148
(32)【優先日】2022-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000154325
【氏名又は名称】住友電工デバイス・イノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 健一
【テーマコード(参考)】
4M104
5F102
【Fターム(参考)】
4M104AA03
4M104BB02
4M104BB05
4M104BB13
4M104CC03
4M104DD34
4M104DD37
4M104DD51
4M104DD63
4M104DD68
4M104DD77
4M104DD79
4M104EE06
4M104EE17
4M104FF06
4M104FF18
4M104GG20
4M104HH09
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GJ02
5F102GL04
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GV06
5F102GV08
5F102HC01
5F102HC11
5F102HC15
5F102HC19
5F102HC30
(57)【要約】
【課題】絶縁層の剥離を抑制できる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体装置は、基板と、前記基板の上に設けられた第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に設けられた第1金属層と、前記第1金属層の上に設けられた第2金属層と、前記第1金属層および前記第2金属層を覆う第2絶縁層と、を有し、前記第1金属層の上面は、前記第2金属層が接触する第1領域と、前記第2金属層から離れた第2領域と、を有し、前記第2絶縁層は、前記第1金属層の側面および前記第2領域と、前記第2金属層の上面および側面とに直接接触し、前記第1金属層の幅は、前記基板に平行な方向において、前記第2金属層の幅以上である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上に設けられた第1絶縁層と、
前記第1絶縁層の上に設けられた第1金属層と、
前記第1金属層の上に設けられた第2金属層と、
前記第1金属層および前記第2金属層を覆う第2絶縁層と、
を有し、
前記第1金属層の上面は、
前記第2金属層が接触する第1領域と、
前記第2金属層から離れた第2領域と、
を有し、
前記第2絶縁層は、前記第1金属層の側面および前記第2領域と、前記第2金属層の上面および側面とに直接接触し、
前記第1金属層の幅は、前記基板に平行な方向において、前記第2金属層の幅以上である、半導体装置。
【請求項2】
前記第2絶縁層と前記第1金属層との間の密着性は、前記第2絶縁層と前記第2金属層との密着性よりも高い、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第2金属層は、金層である、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1金属層は、チタン層、チタンタングステン合金層、タンタル層、クロム層、モリブデン層またはニオブ層である、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記第2絶縁層は、窒化シリコン層である、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1金属層の上面に垂直な方向からの平面視で、前記第2領域は、幅の平均値が0.10μm以上の環状の形状を有する、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2金属層の側面は曲面を有し、
前記曲面は、前記第2金属層からみて当該曲面の内側に接触円の中心が位置する方向に湾曲している、請求項1または請求項2に記載の半導体装置。
【請求項8】
基板の上に第1絶縁層を形成する工程と、
前記第1絶縁層の上に第1金属層を形成する工程と、
前記第1金属層の上にシード層を形成する工程と、
前記シード層の上にめっき層を形成して、前記シード層および前記めっき層を含む第2金属層を得る工程と、
前記第1金属層の上面が、前記第2金属層が接触する第1領域と、前記第2金属層から離れた第2領域と、を有するように、前記第2金属層をエッチングする工程と、
前記第1金属層の側面および前記第2領域と、前記第2金属層の上面および側面とに直接接触する第2絶縁層を形成する工程と、
を有する、半導体装置の製造方法。
【請求項9】
基板の上に第1絶縁層を形成する工程と、
前記第1絶縁層の上に第3金属層を形成する工程と、
前記第3金属層の上に第2金属層を形成する工程と、
前記第2金属層を覆うエッチングマスクを形成する工程と、
前記エッチングマスクから露出する前記第3金属層をエッチングして、前記第2金属層が接触する第1領域と、前記第2金属層から離れた第2領域と、を有する上面を有する第1金属層を前記第3金属層から形成する工程と、
前記エッチングマスクを除去する工程と、
前記第1金属層の側面および前記第2領域と、前記第2金属層の上面および側面とに直接接触する第2絶縁層を形成する工程と、
を有する、半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記第2金属層をエッチングする工程のエッチングは、ヨウ素系のエッチャントを用いたウェットエッチングである、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記シード層を形成する工程において、形成された前記シード層の幅は、前記基板に平行な方向において、前記第1金属層の幅以下である、請求項8に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記第1金属層を前記第3金属層から形成する工程において、形成された前記第1金属層の幅は、前記基板に平行な方向において、前記第2金属層の幅以上である、請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置および半導体装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体層の上に絶縁層が形成され、絶縁層の上に密着層が形成され、密着層の上にシード層が形成され、シード層の上にめっき層が形成された半導体装置がある。密着層、シード層およびめっき層の積層構造体は表面保護用の絶縁層に覆われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の半導体装置では、表面保護用の絶縁層が、積層構造体から剥離することがある。表面保護用の絶縁層の剥離は、水分の侵入等による電気的特性の劣化を引き起こし得る。
【0005】
本開示は、絶縁層の剥離を抑制できる半導体装置および半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の半導体装置は、基板と、前記基板の上に設けられた第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に設けられた第1金属層と、前記第1金属層の上に設けられた第2金属層と、前記第1金属層および前記第2金属層を覆う第2絶縁層と、を有し、前記第1金属層の上面は、前記第2金属層が接触する第1領域と、前記第2金属層から離れた第2領域と、を有し、前記第2絶縁層は、前記第1金属層の側面および前記第2領域と、前記第2金属層の上面および側面とに直接接触し、前記第1金属層の幅は、前記基板に平行な方向において、前記第2金属層の幅以上である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、絶縁層の剥離を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態における密着層の上面の構成を示す上面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その4)である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その5)である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その6)である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その7)である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その8)である。
【
図11】
図11は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その9)である。
【
図12】
図12は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その10)である。
【
図13】
図13は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その11)である。
【
図14】
図14は、第1実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その12)である。
【
図15】
図15は、第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その1)である。
【
図17】
図17は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その2)である。
【
図18】
図18は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その3)である。
【
図19】
図19は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その4)である。
【
図20】
図20は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その5)である。
【
図21】
図21は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その6)である。
【
図22】
図22は、第2実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図(その7)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
〔1〕 本開示の一態様に係る半導体装置は、基板と、前記基板の上に設けられた第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に設けられた第1金属層と、前記第1金属層の上に設けられた第2金属層と、前記第1金属層および前記第2金属層を覆う第2絶縁層と、を有し、前記第1金属層の上面は、前記第2金属層が接触する第1領域と、前記第2金属層から離れた第2領域と、を有し、前記第2絶縁層は、前記第1金属層の側面および前記第2領域と、前記第2金属層の上面および側面とに直接接触し、前記第1金属層の幅は、前記基板に平行な方向において、前記第2金属層の幅以上である。
【0011】
第1金属層の上面が第2金属層から離れた第2領域を有し、第2絶縁層が第2領域にも直接接触する。従って、第2絶縁層が第1金属層の上面に直接接触しない場合と比較して、第2絶縁層と第1金属層との間の接触面積が大きく、第1金属層および第2金属層の積層構造体と第2絶縁層との間に良好な密着性が得られる。このため、第2絶縁層の第1金属層および第2金属層の積層構造体からの剥離を抑制できる。
【0012】
〔2〕 〔1〕において、前記第2絶縁層と前記第1金属層との間の密着性は、前記第2絶縁層と前記第2金属層との密着性よりも高くてもよい。この場合、第2絶縁層と第2金属層との間の密着性が低い場合であっても、第1金属層および第2金属層の積層構造体と第2絶縁層との間に良好な密着性が得られる。
【0013】
〔3〕 〔1〕または〔2〕において、前記第2金属層は、金層であってもよい。この場合、第2金属層に低い電気抵抗を得やすい。
【0014】
〔4〕 〔3〕において、前記第1金属層は、チタン層、チタンタングステン合金層、タンタル層、クロム層、モリブデン層またはニオブ層であってもよい。この場合、第1金属層によって第1絶縁層と第2金属層との間に良好な密着性を得やすい。
【0015】
〔5〕 〔1〕から〔4〕のいずれかにおいて、前記第2絶縁層は、窒化シリコン層であってもよい。この場合、第1金属層および第2金属層を水分の侵入等から保護しやすい。
【0016】
〔6〕 〔1〕から〔5〕のいずれかにおいて、前記第1金属層の上面に垂直な方向からの平面視で、前記第2領域は、幅の平均値が0.10μm以上の環状の形状を有してもよい。この場合、第1金属層と第2絶縁層との間に十分な接触面積が得られやすい。
【0017】
〔7〕 〔1〕から〔6〕のいずれかにおいて、前記第2金属層の側面は曲面を有し、前記曲面は、前記第2金属層からみて当該曲面の内側に接触円の中心が位置する方向に湾曲していてもよい。この場合、第2金属層を第2領域から離しやすい。
【0018】
〔8〕 本開示の他の一態様に係る半導体装置の製造方法は、基板の上に第1絶縁層を形成する工程と、前記第1絶縁層の上に第1金属層を形成する工程と、前記第1金属層の上にシード層を形成する工程と、前記シード層の上にめっき層を形成して、前記シード層および前記めっき層を含む第2金属層を得る工程と、前記第1金属層の上面が、前記第2金属層が接触する第1領域と、前記第2金属層から離れた第2領域と、を有するように、前記第2金属層をエッチングする工程と、前記第1金属層の側面および前記第2領域と、前記第2金属層の上面および側面とに直接接触する第2絶縁層を形成する工程と、を有する。
【0019】
第2絶縁層が第2領域にも直接接触するため、第2絶縁層の第1金属層および第2金属層の積層構造体からの剥離を抑制できる。
【0020】
〔9〕 本開示の更に他の一態様に係る半導体装置の製造方法は、基板の上に第1絶縁層を形成する工程と、前記第1絶縁層の上に第3金属層を形成する工程と、前記第3金属層の上に第2金属層を形成する工程と、前記第2金属層を覆うエッチングマスクを形成する工程と、前記エッチングマスクから露出する前記第3金属層をエッチングして、前記第2金属層が接触する第1領域と、前記第2金属層から離れた第2領域と、を有する上面を有する第1金属層を前記第3金属層から形成する工程と、前記エッチングマスクを除去する工程と、前記第1金属層の側面および前記第2領域と、前記第2金属層の上面および側面とに直接接触する第2絶縁層を形成する工程と、を有する。
【0021】
この場合も、第2絶縁層が第2領域にも直接接触するため、第2絶縁層の第1金属層および第2金属層の積層構造体からの剥離を抑制できる。
【0022】
〔10〕 〔8〕において、前記第2金属層をエッチングする工程のエッチングは、ヨウ素系のエッチャントを用いたウェットエッチングであってもよい。この場合、ウェットエッチングにより不純物が凝集した部分がめっき層から除去されるため、めっき層と第2絶縁層との間の密着性を向上できる。
【0023】
〔11〕 〔8〕において、前記シード層を形成する工程において、形成された前記シード層の幅は、前記基板に平行な方向において、前記第1金属層の幅以下であってもよい。この場合も、第2絶縁層の第1金属層および第2金属層の積層構造体からの剥離を抑制できる。
【0024】
〔12〕 〔9〕において、前記第1金属層を前記第3金属層から形成する工程において、形成された前記第1金属層の幅は、前記基板に平行な方向において、前記第2金属層の幅以上であってもよい。この場合も、第2絶縁層の第1金属層および第2金属層の積層構造体からの剥離を抑制できる。
【0025】
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の実施形態について詳細に説明するが、本開示はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省くことがある。また、以下の説明では、XYZ直交座標系を用いるが、当該座標系は、説明のために定めるものであって、半導体装置の姿勢について限定するものではない。また、任意の点からみて、+Z側を上方、上側または上ということがあり、-Z側を下方、下側または下ということがある。本開示において、「平面視」とは、対象物を上方か見ることをいい、「平面形状」とは、対象物を上方から見た形状のことをいう。
【0026】
(第1実施形態)
第1実施形態について説明する。第1実施形態はGaN系高電子移動度トランジスタ(high electron mobility transistor:HEMT)を含む半導体装置に関する。
図1は、第1実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
図2は、第1実施形態における密着層の上面の構成を示す上面図である。
図1は、
図2中のI-I線に沿った断面図に相当する。
【0027】
図1および
図2に示すように、第1実施形態に係る半導体装置1は、主として、基板11と、半導体層12と、ゲート電極21Gと、ソース電極21Sと、ドレイン電極21Dとを有する。半導体装置1は、更に、バリアメタル層22Sおよび22Dと、密着層23Sおよび23Dと、シード層24Sおよび24Dと、めっき層25Sおよび25Dと、絶縁層31、32および34とを有する。
【0028】
基板11は、例えば炭化珪素(SiC)基板である。半導体層12は基板11の上に設けられている。半導体層12は、例えばガリウム(Ga)を含む窒化物半導体層である。窒化物半導体層は、電子走行層(チャネル層)および電子供給層(バリア層)等の高電子移動度トランジスタの一部を構成する。
【0029】
ソース電極21Sおよびドレイン電極21Dは半導体層12の上に設けられている。ソース電極21Sおよびドレイン電極21DはY軸方向に平行に延びる。ソース電極21Sおよびドレイン電極21Dは半導体層12にオーミック接触している。ソース電極21Sおよびドレイン電極21Dは、例えばアルミニウム(Al)電極である。
【0030】
絶縁層31は半導体層12の上に設けられている。絶縁層31はソース電極21Sおよびドレイン電極21Dを覆う。絶縁層31に、ソース電極21Sの一部が露出する開口部31Sと、ドレイン電極21Dの一部が露出する開口部31Dとが形成されている。開口部31Sおよび31DはY軸方向に平行に延びる。絶縁層31は、例えば窒化シリコン(SiN)層である。
【0031】
バリアメタル層22Sは、開口部31Sの内側において、ソース電極21Sの上に設けられている。バリアメタル層22Dは、開口部31Dの内側において、ドレイン電極21Dの上に設けられている。バリアメタル層22Sおよび22DはY軸方向に平行に延びる。バリアメタル層22Sおよび22Dは、例えばチタンタングステン(TiW)合金層である。
【0032】
絶縁層32は絶縁層31の上に設けられている。絶縁層32はバリアメタル層22Sおよび22Dを覆う。絶縁層32に、バリアメタル層22Sの一部が露出する開口部32Sと、バリアメタル層22Dの一部が露出する開口部32Dとが形成されている。開口部32Sおよび32DはY軸方向に平行に延びる。絶縁層32は、例えば窒化シリコン(SiN)層である。絶縁層31および32は層間絶縁膜33に含まれる。絶縁層32は第1絶縁層の一例である。
【0033】
密着層23Sは絶縁層32の上に開口部32Sを通じてバリアメタル層22Sに接触するように形成されている。密着層23Sは、開口部32Sの内側においてバリアメタル層22Sの上面に直接接触する。密着層23Sは、更に、開口部32Sの内壁面と、絶縁層32の上面とに直接接触する。密着層23Dは絶縁層32の上に開口部32Dを通じてバリアメタル層22Dに接触するように形成されている。密着層23Dは、開口部32Dの内側においてバリアメタル層22Dの上面に直接接触する。密着層23Dは、更に、開口部32Dの内壁面と、絶縁層32の上面とに直接接触する。密着層23Sおよび23DはY軸方向に平行に延びる。密着層23Sおよび23Dは、例えばチタン(Ti)層である。密着層23Sおよび23Dが、チタンタングステン(TiW)合金層、タンタル(Ta)層、クロム(Cr)層、モリブデン(Mo)層またはニオブ(Nb)層であってもよい。密着層23Sおよび23Dは第1金属層の一例である。
【0034】
シード層24Sは密着層23Sの上に設けられている。シード層24Dは密着層23Dの上に設けられている。シード層24Sおよび24Dは、例えば金(Au)層である。シード層24Sおよび24Dの厚さは、例えば100nm程度である。
【0035】
めっき層25Sはシード層24Sの上に設けられている。めっき層25Dはシード層24Dの上に設けられている。めっき層25Sおよび25Dは、例えば金(Au)層である。めっき層25Sおよび25Dの厚さは、例えば4μm程度である。シード層24Sおよびめっき層25Sは金属積層体26Sに含まれる。シード層24Dおよびめっき層25Dは金属積層体26Dに含まれる。例えば、絶縁層34と密着層23Sとの間の密着性は絶縁層34と金属積層体26Sとの密着性より高く、絶縁層34と密着層23Dとの間の密着性は絶縁層34と金属積層体26Dとの密着性より高い。基板11に平行な方向において、密着層23Sの幅WS1は、金属積層体26Sの幅WS2と等しく、密着層23Dの幅WD1は、金属積層体26Dの幅WD2と等しい。金属積層体26Sおよび26Dは第2金属層の一例である。
【0036】
図2に示すように、密着層23Sの上面40Sは、第1領域41Sと、第2領域42Sとを有し、密着層23Dの上面40Dは、第1領域41Dと、第2領域42Dとを有する。平面視で、第2領域42Sは環状の形状を有し、第2領域42Sは第1領域41Sを包囲する。第2領域42Sの幅WSの平均値は、例えば0.10μm以上である。平面視で、第2領域42Dは環状の形状を有し、第2領域42Dは第1領域41Dを包囲する。第2領域42Dの幅WDの平均値は、例えば0.10μm以上である。
【0037】
金属積層体26Sは、密着層23Sの上面40Sの第1領域41Sに接触し、第2領域42Sからは離れている。別の見方をすると、第1領域41Sは金属積層体26Sに接触し、第2領域42Sは金属積層体26Sから離れている。金属積層体26Dは、密着層23Dの上面40Dの第1領域41Dに接触し、第2領域42Dからは離れている。別の見方をすると、第1領域41Dは金属積層体26Dに接触し、第2領域42Dは金属積層体26Dから離れている。
【0038】
金属積層体26Sの側面70Sは、例えば曲面71Sを有する。曲面71Sは、金属積層体26Sからみて当該曲面71Sの内側に接触円の中心が位置する方向に湾曲している。曲面71Sの下端は密着層23Sの上面40Sに接触している。曲面71Sの下端が接触する部分が、第1領域41Sと第2領域42Sとの境界に一致する。金属積層体26Dの側面70Dは、例えば曲面71Dを有する。曲面71Dは、金属積層体26Dからみて当該曲面71Dの内側に接触円の中心が位置する方向に湾曲している。曲面71Dの下端は密着層23Dの上面40Dに接触している。曲面71Dの下端が接触する部分が、第1領域41Dと第2領域42Dとの境界に一致する。
【0039】
層間絶縁膜33に開口部33Gが形成されている。開口部33GはY軸方向に平行に延びる。開口部33Gは、平面視でソース電極21Sとドレイン電極21Dとの間にある。ゲート電極21Gは層間絶縁膜33の上に設けられており、開口部33Gを通じて半導体層12にショットキー接触している。ゲート電極21GはY軸方向に平行に延びる。ゲート電極21Gは、例えば、上方に向かって順に積層されたニッケル(Ni)層、パラジウム(Pd)層および金(Au)層を有する。
【0040】
絶縁層34は絶縁層32の上に設けられている。絶縁層34は、金属積層体26Sと、密着層23Sと、金属積層体26Dと、密着層23Dと、ゲート電極21Gとを覆う。絶縁層34は、密着層23Sの側面50Sおよび第2領域42Sと、金属積層体26Sの上面60Sおよび側面70Sとに直接接触する。絶縁層34は、密着層23Dの側面50Dおよび第2領域42Dと、金属積層体26Dの上面60Dおよび側面70Dとに直接接触する。絶縁層34は、例えば窒化シリコン(SiN)層である。絶縁層34は第2絶縁層の一例である。
【0041】
次に、第1実施形態に係る半導体装置1の製造方法について説明する。
図3から
図14は、第1実施形態に係る半導体装置1の製造方法を示す断面図である。
【0042】
まず、
図3に示すように、例えば有機金属気相成長(metal organic chemical vapor deposition:MOCVD)法により、基板11の上に半導体層12を形成する。次に、半導体層12の上にソース電極21Sおよびドレイン電極21Dを形成する。ソース電極21Sおよびドレイン電極21Dの形成では、成長マスクを用いた蒸着法による金属層、例えばAl層の成長を行い、その後に成長マスクを除去する。つまり、ソース電極21Sおよびドレイン電極21Dは、例えば蒸着およびリフトオフにより形成できる。次に、ソース電極21Sおよびドレイン電極21Dを覆う絶縁層31を半導体層12の上に形成する。絶縁層31は、例えばプラズマCVD法により形成できる。
【0043】
次に、
図4に示すように、絶縁層31に開口部31Sおよび31Dを形成する。開口部31Sおよび31Dの形成では、例えばレジストパターンをマスクとして用いた反応性イオンエッチング(reactive ion etching:RIE)を行う。絶縁層31のエッチングには、例えばフッ素(F)を含む反応性ガスが用いられる。絶縁層31のエッチング後にレジストパターンを除去する。
【0044】
次に、
図5に示すように、開口部31Sの内側においてソース電極21Sの上にバリアメタル層22Sを形成し、開口部31Dの内側においてドレイン電極21Dの上にバリアメタル層22Dを形成する。バリアメタル層22Sおよび22Dの形成では、例えばスパッタ法による金属層、例えばTiW層の形成を行い、エッチングマスクを用いたエッチングによるパターニングを行う。バリアメタル層22Sおよび22Dのエッチング後にエッチングマスクを除去する。
【0045】
次に、
図6に示すように、バリアメタル層22Sおよび22Dを覆う絶縁層32を絶縁層31の上に形成する。絶縁層32は、例えばプラズマCVD法により形成できる。次に、絶縁層32に開口部32Sおよび32Dを形成する。開口部32Sおよび32Dの形成では、例えばレジストパターンをマスクとして用いたRIEを行う。絶縁層32のエッチングには、例えばFを含む反応性ガスが用いられる。絶縁層32のエッチング後にレジストパターンを除去する。
【0046】
次に、
図7に示すように、レジストパターン101を絶縁層32の上に形成する。レジストパターン101は、平面視でめっき層25Sを形成する領域よりも若干広い開口部101Sと、平面視でめっき層25Dを形成する領域よりも若干広い開口部101Dとを有する。次に、上側の全面に、密着層23Sおよび23Dとなる金属層123、例えばTi層と、シード層24Sおよび24Dとなる金属層124、例えばAu層とをこの順で形成する。金属層123および124は、例えばスパッタ法により形成できる。
【0047】
次に、
図8に示すように、レジストパターン102を金属層124の上に形成する。レジストパターン101は、めっき層25Sが形成される開口部102Sと、めっき層25Dが形成される開口部102Dとを有する。
【0048】
次に、
図9に示すように、開口部102Sの内側において金属層124の上にめっき層25Sを形成し、開口部102Dの内側において金属層124の上にめっき層25Dを形成する。めっき層25Sおよび25Dの形成では、例えば金属層124を給電経路として用いた電解めっきを行う。
【0049】
次に、
図10に示すように、レジストパターン102を除去する。次に、金属層124および123のめっき層25Sまたは25Dのいずれにも覆われていない部分をエッチングにより除去する。この結果、金属層123から密着層23Sおよび23Dが形成され、金属層124からシード層24Sおよび24Dが形成される。基板11に平行な方向において、密着層23Sの幅はシード層24Sの幅と等しく、密着層23Dの幅はシード層24Dの幅と等しい。
【0050】
次に、
図11に示すように、レジストパターン101を除去する。次に、熱処理を行う。例えば、熱処理の温度は350℃程度とし、熱処理の時間は30分間程度とする。熱処理の結果、めっき層25S中の不純物、例えば炭素(C)がめっき層25Sの表面の近傍に凝集し、めっき層25D中の不純物、例えばCがめっき層25Dの表面の近傍に凝集する。
【0051】
次に、ウェットエッチングにより、めっき層25Sおよびシード層24Sを含む金属積層体26Sの表層部と、めっき層25Dおよびシード層24Dを含む金属積層体26Dの表層部とを除去する。金属積層体26Sおよび26DがAuから構成されている場合、例えばヨウ素系のエッチャントが用いられる。ウェットエッチングの結果、不純物が凝集した部分がめっき層25Sおよび25Dから除去される。この時、エッチャントは、密着層23Sと金属積層体26Sとの界面と、密着層23Dと金属積層体26Dとの界面とに浸透しやすい。このため、
図12に示すように、金属積層体26Sの下部および金属積層体26Dの下部が優先的にエッチングされ、金属積層体26Sの側面70Sに曲面71Sが形成され、金属積層体26Dの側面70Dに曲面71Dが形成される。この結果、密着層23Sの上面40Sは、金属積層体26Sが接触する第1領域41Sと、金属積層体26Sから離れた第2領域42Sとを有するようになる。同じく、密着層23Dの上面40Dは、金属積層体26Dが接触する第1領域41Dと、金属積層体26Dから離れた第2領域42Dとを有するようになる。
【0052】
次に、
図13に示すように、絶縁層31および32を含む層間絶縁膜33に開口部33Gを形成する。開口部33Gの形成では、例えばレジストパターンをマスクとして用いたRIEを行う。層間絶縁膜33のエッチングには、例えばFを含む反応性ガスが用いられる。層間絶縁膜33のエッチング後にレジストパターンを除去する。次に、絶縁層32の上に、開口部33Gを通じて半導体層12にショットキー接触するゲート電極21Gを形成する。ゲート電極21Gの形成では、成長マスクを用いた蒸着法による金属層の成長を行い、その後に成長マスクを除去する。つまり、ゲート電極21Gは、例えば蒸着およびリフトオフにより形成できる。
【0053】
次に、
図14に示すように、絶縁層34を絶縁層32の上に形成する。絶縁層34は、例えばプラズマCVD法により形成できる。絶縁層34は、金属積層体26Sと、密着層23Sと、金属積層体26Dと、密着層23Dと、ゲート電極21Gとを覆う。絶縁層34は、密着層23Sの側面50Sおよび第2領域42Sと、金属積層体26Sの上面60Sおよび側面70Sとに直接接触する。絶縁層34は、密着層23Dの側面50Dおよび第2領域42Dと、金属積層体26Dの上面60Dおよび側面70Dとに直接接触する。
【0054】
このようにして、第1実施形態に係る半導体装置1を製造できる。
【0055】
第1実施形態に係る半導体装置1においては、密着層23Sの上面40Sが金属積層体26Sから離れた第2領域42Sを有し、絶縁層34が第2領域42Sにも直接接触する。従って、絶縁層34が密着層23Sの上面40Sに直接接触しない場合と比較して、絶縁層34と密着層23Sとの間の接触面積が大きく、密着層23Sおよび金属積層体26Sの積層構造体と絶縁層34との間に良好な密着性が得られる。このため、絶縁層34の密着層23Sおよび金属積層体26Sの積層構造体からの剥離を抑制できる。
【0056】
同じく、密着層23Dの上面40Dが金属積層体26Dから離れた第2領域42Dを有し、絶縁層34が第2領域42Dにも直接接触する。従って、絶縁層34が密着層23Dの上面40Dに直接接触しない場合と比較して、絶縁層34と密着層23Dとの間の接触面積が大きく、密着層23Dおよび金属積層体26Dの積層構造体と絶縁層34との間に良好な密着性が得られる。このため、絶縁層34の密着層23Dおよび金属積層体26Dの積層構造体からの剥離を抑制できる。
【0057】
また、密着層23Sにより絶縁層32と金属積層体26Sとの間に良好な密着性が得られ、密着層23Dにより絶縁層32と金属積層体26Dとの間に良好な密着性が得られる。
【0058】
絶縁層34と密着層23Sとの間の密着性が絶縁層34と金属積層体26Sとの密着性より高いことで、絶縁層34と金属積層体26Sとの間の密着性が低い場合であっても、密着層23Sおよび金属積層体26Sの積層構造体と絶縁層34との間に良好な密着性が得られる。同じく、絶縁層34と密着層23Dとの間の密着性が絶縁層34と金属積層体26Dとの密着性より高いことで、絶縁層34と金属積層体26Dとの間の密着性が低い場合であっても、密着層23Dおよび金属積層体26Dの積層構造体と絶縁層34との間に良好な密着性が得られる。
【0059】
金属積層体26SがAu層であることで、金属積層体26Sに低い電気抵抗を得やすく、金属積層体26DがAu層であることで、金属積層体26Dに低い電気抵抗を得やすい。また、密着層23SがTi層、TiW合金層、Ta層、Cr層、Mo層またはNb層であることで、絶縁層32と金属積層体26Sとの間に良好な密着性が得やすく、密着層23DがTi層、TiW合金層、Ta層、Cr層、Mo層またはNb層であることで、絶縁層32と金属積層体26Dとの間に良好な密着性が得やすい。
【0060】
絶縁層34がSiN層であることで、金属積層体26S、金属積層体26D、密着層23Sおよび密着層23Dを水分の侵入等から保護しやすい。
【0061】
平面視で、第2領域42Sが幅WSの平均値が0.10μm以上の環状の形状をすることで、密着層23Sと絶縁層34との間に十分な接触面積が得られやすく、平面視で、第2領域42Dが幅WDの平均値が0.10μm以上の環状の形状をすることで、密着層23Dと絶縁層34との間に十分な接触面積が得られやすい。第2領域42Sの幅WSの平均値および第2領域42Dの幅WDの平均値が0.15μm以上であってもよく、0.20μm以上であってもよく、0.30μm以上であってもよく、0.50μm以上であってもよい。第2領域42Sの幅WSの平均値および第2領域42Dの幅WDの平均値が大きいほど、密着層23Sおよび23Dと絶縁層34との間に大きな接触面積が得られやすい。
【0062】
金属積層体26Sの側面70Sの曲面71Sが金属積層体26Sからみて当該曲面71Sの内側に接触円の中心が位置する方向に湾曲していることで、金属積層体26Sを第2領域42Sから離しやすい。同じく、金属積層体26Dの側面70Dの曲面71Dが金属積層体26Dからみて当該曲面71Dの内側に接触円の中心が位置する方向に湾曲していることで、金属積層体26Dを第2領域42Dから離しやすい。
【0063】
また、ウェットエッチングにより不純物が凝集した部分がめっき層25Sおよび25Dから除去されるため、めっき層25Sおよび25Dと絶縁層34との間の密着性を向上できる。
【0064】
(第2実施形態)
第2実施形態について説明する。第2実施形態は、主として密着層および金属積層体の構成の点で第1実施形態と相違する。
図15は、第2実施形態に係る半導体装置を示す断面図である。
【0065】
図15に示すように、第2実施形態に係る半導体装置2では、平面視で、密着層23Sの側面50Sが金属積層体26Sの側面の外側にあり、密着層23Dの側面50Dが金属積層体26Dの側面の外側にある。つまり、基板11に平行な方向において、密着層23Sの幅WS1は金属積層体26Sの幅WS2よりも大きく、密着層23Dの幅WD1は金属積層体26Dの幅WD2よりも大きい。金属積層体26Sの側面70Sは曲面71Sを有しておらず、金属積層体26Dの側面70Dは曲面71Dを有していない。
【0066】
他の構成は第1実施形態と同じである。
【0067】
例えば、密着層23Sの上面40Sは、第1領域41Sと、第2領域42Sとを有し、密着層23Dの上面40Dは、第1領域41Dと、第2領域42Dとを有する。金属積層体26Sは、密着層23Sの上面40Sの第1領域41Sに接触し、第2領域42Sからは離れている。別の見方をすると、第1領域41Sは金属積層体26Sに接触し、第2領域42Sは金属積層体26Sから離れている。金属積層体26Dは、密着層23Dの上面40Dの第1領域41Dに接触し、第2領域42Dからは離れている。別の見方をすると、第1領域41Dは金属積層体26Dに接触し、第2領域42Dは金属積層体26Dから離れている。
【0068】
また、絶縁層34は、密着層23Sの側面50Sおよび第2領域42Sと、金属積層体26Sの上面60Sおよび側面70Sとに直接接触する。絶縁層34は、密着層23Dの側面50Dおよび第2領域42Dと、金属積層体26Dの上面60Dおよび側面70Dとに直接接触する。
【0069】
次に、第2実施形態に係る半導体装置2の製造方法について説明する。
図16から
図22は、第2実施形態に係る半導体装置2の製造方法を示す断面図である。
【0070】
まず、第1実施形態と同じく、開口部32Sおよび32Dの形成までの処理を行う(
図6参照)。次に、
図16に示すように、レジストパターン101に代えてレジストパターン201を絶縁層32の上に形成する。レジストパターン201は、レジストパターン101の開口部101Sよりも若干広い開口部201Sと、レジストパターン101の開口部101Dよりも若干広い開口部201Dとを有する。次に、第1実施形態と同じく、金属層123および金属層124をこの順で形成する。金属層123および124は、例えばスパッタ法により形成できる。
【0071】
次に、
図17に示すように、第1実施形態と同じく、レジストパターン102を金属層124の上に形成し、開口部102Sの内側において金属層124の上にめっき層25Sを形成し、開口部102Dの内側において金属層124の上にめっき層25Dを形成する。
【0072】
次に、
図18に示すように、第1実施形態と同じく、レジストパターン102を除去し、金属層124のめっき層25Sおよび25Dに覆われていない部分をエッチングにより除去する。この結果、金属層124からシード層24Sおよび24Dが形成される。ただし、第1実施形態とは異なり、金属層123は残しておく。第2実施形態における金属層123は第3金属層の一例である。
【0073】
次に、
図19に示すように、めっき層25Sおよびシード層24Sを含む金属積層体26Sの表面を覆うエッチングマスク203Sと、めっき層25Dおよびシード層24Dを含む金属積層体26Dの表面を覆うエッチングマスク203Dとを金属層123の上に形成する。エッチングマスク203Sは、密着層23Sの上面40Sの第2領域42Sとなる部分をも覆い、エッチングマスク203Dは、密着層23Dの上面40Dの第2領域42Dとなる部分をも覆う。エッチングマスク203Sおよび203Dは、例えばレジストマスクである。
【0074】
次に、
図20に示すように、金属層123のエッチングマスク203Sまたは203Dのいずれにも覆われていない部分をエッチングにより除去する。この結果、金属層123から密着層23Sおよび23Dが形成される。基板11に平行な方向において、密着層23Sの幅はシード層24Sの幅よりも大きく、密着層23Dの幅はシード層24Dの幅はよりも大きい。また、基板11に平行な方向において、密着層23Sの幅は金属積層体26Sの幅よりも大きく、密着層23Dの幅は金属積層体26Dの幅はよりも大きい。
【0075】
次に、
図21に示すように、レジストパターン201と、エッチングマスク203Sと、エッチングマスク203Dとを除去する。次に、第1実施形態と同じく、熱処理を行う。熱処理の結果、めっき層25S中の不純物、例えばCがめっき層25Sの表面の近傍に凝集し、めっき層25D中の不純物、例えばCがめっき層25Dの表面の近傍に凝集する。次に、ドライエッチングにより、めっき層25Sおよびシード層24Sを含む金属積層体26Sの表層部と、めっき層25Dおよびシード層24Dを含む金属積層体26Dの表層部とを除去する。ドライエッチングの結果、不純物が凝集した部分がめっき層25Sおよび25Dから除去される。
【0076】
次に、
図22に示すように、第1実施形態と同じく、開口部33Gの形成以降の処理を行う。
【0077】
このようにして、第2実施形態に係る半導体装置2を製造できる。
【0078】
第2実施形態に係る半導体装置2によっても第1実施形態と同じ効果が得られる。
【0079】
また、ドライエッチングにより不純物が凝集した部分がめっき層25Sおよび25Dから除去されるため、めっき層25Sおよび25Dと絶縁層34との間の密着性を向上できる。
【0080】
以上、実施形態について詳述したが、本開示は特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0081】
1、2:半導体装置
11:基板
12:半導体層
21D:ドレイン電極
21G:ゲート電極
21S:ソース電極
22D、22S:バリアメタル層
23D、23S:密着層
24D、24S:シード層
25D、25S:めっき層
26D、26S:金属積層体
31、32、34:絶縁層
31D、31S、32D、32S、33G:開口部
33:層間絶縁膜
40D、40S:上面
41D、41S:第1領域
42D、42S:第2領域
50D、50S:側面
60D、60S:上面
70D、70S:側面
71D、71S:曲面
101、102、201:レジストパターン
101D、101S、102D、102S、201D、201S:開口部
123、124:金属層
203D、203S:エッチングマスク