特開 2024-91562 電気外科用ジェネレータ

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024091562

(43)【公開日】2024-07-04

(54)【発明の名称】電気外科用ジェネレータ

(51)【国際特許分類】

   A61B 18/12 20060101AFI20240627BHJP

   H02M 7/48 20070101ALI20240627BHJP

【ＦＩ】

A61B18/12

H02M7/48 Z

【審査請求】未請求

【請求項の数】16

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023214766

(22)【出願日】2023-12-20

(31)【優先権主張番号】63/434,975

(32)【優先日】2022-12-23

(33)【優先権主張国・地域又は機関】US

(71)【出願人】

【識別番号】516236908

【氏名又は名称】オリンパス・ヴィンター・ウント・イベ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング

【氏名又は名称原語表記】ＯＬＹＭＰＵＳ ＷＩＮＴＥＲ ＆ ＩＢＥ ＧｍｂＨ

(74)【代理人】

【識別番号】110002147

【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所

(72)【発明者】

【氏名】イェンス クリューガー

(72)【発明者】

【氏名】シュテファン ディートリヒ

(72)【発明者】

【氏名】ファビアン シュトップ

【テーマコード（参考）】

4C160

5H770

【Ｆターム（参考）】

4C160KK01

4C160KK02

4C160KK03

4C160KK04

4C160KK24

4C160KK25

4C160KK30

5H770AA29

5H770CA02

5H770DA01

5H770HA02Y

5H770HA03Y

5H770QA27

(57)【要約】

【課題】拡張およびアップグレードされた出力ソケットおよび／またはインバータユニットをより容易に提供する。
【解決手段】電気外科用ジェネレータにおいて、インバータユニットおよび／または出力ソケットは、交換可能なモジュールとして構成される。モジュールは、高周波電圧用の電力セクションと、（ｉ）モジュールの使用に関するモード、および（ｉｉ）モジュールの動作データがユーザインターフェース上にどのように表示されるかを定義する表現規則であって、主制御ユニットに動作可能に接続される表現規則に関するデータセットを記憶している独立メモリデバイスを備えるデータセクションとを備える。
【選択図】図２

【特許請求の範囲】

【請求項1】

高周波交流電圧を電気外科用器具に出力するように構成された電気外科用ジェネレータであって、電源ユニットと、前記電気外科用器具の接続のために少なくとも１つの出力ソケットに出力される高周波電圧を生成するインバータユニットと、前記電気外科用ジェネレータの動作を制御するように構成された主制御ユニットと、前記主制御ユニットに機能的に接続されたユーザ入力／出力用のユーザインターフェースとを備え、
前記インバータユニットおよび／または前記出力ソケットは、交換可能なモジュールとして構成され、前記モジュールは、
高周波電圧用の電力セクションと、
（ｉ）前記モジュールの使用に関するモード、および
（ｉｉ）前記モジュールの動作データが前記ユーザインターフェース上にどのように表示されるかを定義する表現規則であって、前記主制御ユニットに動作可能に接続される表現規則に関するデータセットを記憶している独立メモリデバイスを備えるデータセクションとを備える、電気外科用ジェネレータ。

【請求項2】

少なくとも前記出力ソケット用の前記モジュールは、ユーザによって交換可能である、請求項１に記載の電気外科用ジェネレータ。

【請求項3】

前記主制御ユニットは、前記データセクションから検索されたモードに従って前記高周波電圧を前記出力ソケットに供給するように前記インバータユニットを動作させる、請求項１に記載の電気外科用ジェネレータ。

【請求項4】

前記ユーザインターフェースは、前記モジュールの前記データセクションに記憶された前記表現規則に従って前記モジュールに関するデータおよび情報を示すように構成されたディスプレイマネージャを備える、請求項１に記載の電気外科用ジェネレータ。

【請求項5】

前記ディスプレイマネージャは、２つ以上のセクションを有する区画化されたディスプレイを提供することを可能にされ、前記セクションの各々は、複数の前記モジュールのうちの１つに割り当てられる、請求項４に記載の電気外科用ジェネレータ。

【請求項6】

前記セクションの各々におけるグラフィック表現は、割り当てられた前記モジュールに関する実際のデータを用いて、前記割り当てられた前記モジュールに記憶された前記表現規則によって定義されるように生成および表示される、請求項５に記載の電気外科用ジェネレータ。

【請求項7】

前記独立メモリデバイスは、前記モジュールに関するデータおよび状態情報であって、起動およびエラートーン、グラフィック情報である前記ユーザインターフェース上に表示されるメニューおよび／またはカラースキームの構造の触覚的、音響的、および視覚的表現に関するデータブロックを記憶する、請求項１に記載の電気外科用ジェネレータ。

【請求項8】

前記独立メモリデバイスは、ユーザ対話である手および／またはペダルスイッチの起動に対して実施されるアクションに関するデータセットをさらに記憶する、請求項７に記載の電気外科用ジェネレータ。

【請求項9】

前記独立メモリデバイスは、静的情報であって、オンスクリーンユーザマニュアル、および／または対話型情報である対話型ユーザガイドに関するデータセットをさらに記憶する、請求項７に記載の電気外科用ジェネレータ。

【請求項10】

前記独立メモリデバイスは、追加の機能性であって、モードおよび／またはモードシーケンスに関するデータブロックをさらに記憶する、請求項７に記載の電気外科用ジェネレータ。

【請求項11】

前記独立メモリデバイスは、他のモジュールの存在に応じた追加の機能、制限、限定に関するデータブロックをさらに記憶する、請求項７に記載の電気外科用ジェネレータ。

【請求項12】

前記独立メモリデバイスは、使用回数、使用履歴、最後の使用時間、洗浄サイクル、器具の適合状態、および／またはモジュールの適合状態についてのデータフィールドを備える書き込み可能セクションを有する、請求項１に記載の電気外科用ジェネレータ。

【請求項13】

前記データセクションは、前記独立メモリデバイスにアクセスするように構成されたマイクロコントローラと、前記主制御ユニットと通信するための信号伝達デバイスとをさらに備える、請求項１に記載の電気外科用ジェネレータ。

【請求項14】

前記マイクロコントローラは、前記独立メモリデバイスから対話に関するデータセットを検索し、対話条件であるハンドスイッチ作動または器具起動が満たされているかどうかをローカルに判定し、判定を前記主制御ユニットに通信するように構成される、請求項１３に記載の電気外科用ジェネレータ。

【請求項15】

前記インバータユニット用の前記モジュールの前記電力セクションは、前記電気外科用ジェネレータの前記インバータユニットであって、二次インバータユニットである超音波ＨＦ電圧を提供するための追加のインバータを形成する、請求項１に記載の電気外科用ジェネレータ。

【請求項16】

前記電力セクションは、ポンプ、モータ駆動器具用の制御型駆動装置、または前記電気外科用器具のガス供給用の制御型ガス供給源を形成する、請求項１に記載の電気外科用ジェネレータ。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、高周波交流電圧を電気外科用器具に出力するように設計された電気外科用ジェネレータに関する。電気外科用ジェネレータは、主制御ユニットと、電気外科用器具の接続のために出力ソケットに供給される可変周波数および振幅を有する高周波電圧を生成する高電圧用インバータとを備える。

【背景技術】

【0002】

電気外科手術または高周波外科手術では、電気メスなどの電気外科用器具を使用して、高周波交流電流を人体の組織に印加する。通常、約２００ｋＨｚ～最大４，０００ｋＨｚの無線周波数範囲の高周波が使用される。高周波交流電流により、組織が局所的に加熱される。それにより、組織が加熱によって切断または分断され、組織は熱切除によって除去される。この主な利点は、罹患した血管を閉じることによって切断と同時に出血を止めることができ、凝固などの他の用途に電気外科用器具を使用することができることである。

【0003】

様々な医療分野に電気外科用ジェネレータを提供するためには、異なる構成要素を有し、異なる機能性を特徴とする異なるタイプの電気外科用ジェネレータが必要とされる。それらは、いくつか例を挙げると、泌尿器科、婦人科、胃腸科、呼吸器科、ＥＮＴ（耳、鼻、喉）、静脈科、および内臓外科などの異なる外科分野における様々なタスクに使用される。電気外科用ジェネレータの機能は、医療分野および手元のタスクに応じて異なる。特に、これらの機能は、電力を電気外科用器具に提供する方法が異なる。電気外科用器具に電力を供給するための様々な方法は、典型的には、当業者によって「モード」と呼ばれる。組織の切断のみが達成されるべきである場合、切断モードが選択され、連続的に中電圧を電気外科用器具に提供する。凝固がより重要である場合、異なるモード、例えば、低デューティサイクルでかなり高い電圧を使用するスプレーまたは凝固モードが選択される。他の種類の用途には、さらに多くの異なるモードが存在する。

【0004】

このため、所望の機能性に応じて、とりわけ異なる出力ソケットを必要とする異なる種類の電気外科用器具が提供される。例えば、モノポーラおよびバイポーラ出力ソケットを必要とするモノポーラおよびバイポーラ器具が存在する。さらに、モノポーラならびにバイポーラ電気外科用器具を受け入れるように特別に構成されたユニバーサル出力ソケットも存在する。

【0005】

これはすべて、それぞれの電気外科用ジェネレータの主制御ユニットによって管理される。主制御ユニットは、出力ソケットおよび電気外科用器具に印加される高周波電圧を含む電気外科用ジェネレータの実際の動作を制御し、必要なデータをユーザに示すユーザインターフェースを管理し、ユーザ入力を処理する。ユーザによる動作を容易にし、使用される機能および出力ソケットによって器具に実際に供給されるものについての混乱を回避するために、用いられる出力ソケットで使用される実際の機能に応じて異なる提示スタイルを使用することが一般的である。したがって、標準的な「ＣＵＴ」モードの視覚的、音響的、および機能的表現は黄色系であり、標準的な「ＣＯＡＧ」（凝固）モードの視覚的、音響的、および機能的表現は青色系であるが、他のモードは異なる系である。

【0006】

これは、ユーザに知覚フィードバックを提供するという利点を有する協調システムである。しかしながら、協調システムは、拡張またはアップグレードが困難な閉鎖システムでもある。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0007】

【特許文献1】米国特許第９６６６９７４明細書

【特許文献2】欧州特許出願公開第３７５８１５７号明細書

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0008】

本発明の目的は、拡張およびアップグレードされた出力ソケットおよび／またはインバータユニットをより容易に提供することができる改善された電気外科用ジェネレータを提供することである。

【課題を解決するための手段】

【0009】

本発明による解決策は、独立請求項の特徴に見出される。有利な発展形態は、従属請求項の主題である。

【0010】

高周波交流電圧を電気外科用器具に出力するように構成された電気外科用ジェネレータであって、電源ユニットと、電気外科用器具の接続のために少なくとも１つの出力ソケットに出力される高周波電圧を生成するインバータユニットと、電気外科用ジェネレータの動作を制御するように構成された主制御ユニットと、主制御ユニットに機能的に接続されたユーザ入力／出力用のユーザインターフェースとを備える電気外科用ジェネレータにおいて、本発明によれば、インバータユニットおよび／または出力ソケットは、交換可能なモジュールとして構成され、モジュールは、高周波電圧用の電力セクションと、（ｉ）モジュールの使用に関するモード、および（ｉｉ）モジュールの動作データがユーザインターフェース上にどのように表示されるかを定義する表現規則であって、主制御ユニットに動作可能に接続される表現規則に関するデータセットを記憶している独立メモリデバイスを備えるデータセクションとを備えることが提供される。

【0011】

まず、いくつかの用語を以下に説明する。

【0012】

インバータユニットは、出力ソケットに接続される外科用器具に対して実際の高周波電圧出力を提供するデバイスである。インバータという用語はかなり広く、実際のインバータ技術ならびにコンバータおよび増幅器を含む。

【0013】

本出願の文脈では、「高周波」という用語は、電気外科用ジェネレータのインバータによって生成される２００ｋＨｚ～４０００ｋＨｚの無線周波数範囲の周波数に関する。しかしながら、超音波器具を駆動することが可能な電気外科用ジェネレータについて、「高周波」という用語はまた、典型的には２０ｋＨｚ～２００ｋＨｚ（超音波外科用ジェネレータ）の範囲の超音波周波数範囲に関する。本特許の文脈において高電圧と見なされる高周波電圧は、高電圧範囲の、特に最大１０ｋＶ、好ましくは最大４０００ボルト、さらに好ましくは１００ボルトを超える振幅を有することができる。

【0014】

本発明の核心は、２つの特定のセクションを有する交換可能なモジュールとして出力ソケットおよび／またはインバータユニットを構成することである。２つの特定のセクションは、それぞれのモジュールのコアとなる機能性を実施する、すなわちインバータユニットの場合には高電圧を生成し、または出力ソケットの場合には生成された電圧を適切な方式で電気外科用器具に供給する「電力セクション」、およびそれぞれのモジュールに統合され、電気外科用ジェネレータによってモジュールを動作させるために、かつ電気外科用ジェネレータのユーザインターフェース上への適切な表現のために必要なデータを記憶している独自のメモリデバイスを有する「データセクション」である。そのようなモジュールが電気外科用ジェネレータに装着されると、独立メモリデバイスに記憶されたデータおよび情報は、電気外科用ジェネレータ、特にその主制御ユニットおよびユーザインターフェースによってアクセスすることができる。この目的のために、独立メモリデバイスを有するモジュールは、記憶されたデータセットを、前記記憶されたデータセットを検索するように構成された受信機を備える主制御ユニットに転送するように構成される。それにより、主制御ユニットおよびユーザインターフェースは、それぞれのモジュールの適切な使用および電気外科用器具のユーザインターフェース、特にディスプレイ上の前記それぞれのモジュールの適切な表現に必要な情報およびデータを取得する。

【0015】

したがって、出力ソケットおよびインバータユニット用の交換可能なモジュールは、前記交換可能なモジュールを適切かつ十分に使用するために主制御ユニットおよびユーザインターフェースによって必要とされるすべての情報をもたらす。よって、新しい改善された交換可能なモジュールを提供することは、主制御ユニットまたはユーザインターフェースに既に存在する機能から独立するようになる。これにより、後の時点における改善された交換可能なモジュールによるアップグレード、または既に製造された電気外科用ジェネレータにはるかに後に開発されて市場に出される交換可能なモジュールを備えることが非常に容易になる。データセクション内の独立メモリデバイスにより、拡張モジュールは、その動作に必要なすべてのデータおよび情報をもたらして電気外科用ジェネレータに提供する。この「内蔵型」メモリデバイスにより、将来のアップグレードの範囲が拡大され、かつアップグレードがさらに容易になるという点で、大幅な向上がもたらされる。

【0016】

これは、例えば出力ソケットの場合、交換可能なモジュールがユーザ交換可能である際に特に当てはまる。しかしながら、例えば高電圧インバータユニットの場合、交換可能なモジュールが訓練されたサービス技術者によって交換される必要がある場合にも適用される。いずれの場合も、新しいモジュールは、それぞれのモジュールを適切に使用するために必要なデータおよび情報、および該当する場合には任意の強化した機能性を自動的にもたらす。

【0017】

本発明は、交換可能なモジュールと主制御ユニットならびにユーザインターフェースとの間でデータ転送をどのように実施するかに関して柔軟である。これは、標準的なＵＳＢ接続、とにかくＣＡＮが電気外科用ジェネレータの内部データバスに既に使用されている場合に特に有用なＣＡＮインターフェース、イーサネット（登録商標）、または任意の他の有線もしくは無線技術を使用して実施することができる。無線技術を用いることは、ガルバニック絶縁されたデータ転送を可能にするという利点を提供することができる。

【0018】

有利な実施形態では、主制御ユニットは、前記出力ソケット用のモジュールのデータセクションから検索されたモードに従って高周波電圧をそれぞれの出力ソケット用のモジュールに供給するようにインバータユニットを動作させる。したがって、通常はちょうど受信端にある出力ソケットは、この場合、インバータユニットを特別な方法で動作させるために、データ、すなわち特定の出力ソケットに差し込まれた電気外科用器具によってその独立メモリデバイスから主制御ユニットに適用される特定のモードを提供する。それにより、その独立メモリデバイスを有する出力ソケットは、電気外科用ジェネレータの動作に能動的に影響を及ぼす。これは、特に後に設計される出力ソケットおよびそれらのそれぞれの電気外科用器具によって提供される追加のモードに関して、使用分野および柔軟性を大幅に広げる。

【0019】

有利には、ユーザインターフェースは、それぞれのモジュールのデータセクションに記憶された表現規則に従ってそれぞれのモジュールに関するデータおよび情報を示すように構成されたディスプレイマネージャを備える。ユーザは、そのディスプレイとのユーザインターフェースによって電気外科用ジェネレータと対話し、ディスプレイから必要な情報を取得する。さらに、ディスプレイとしてタッチスクリーンデバイスを使用する現代のユーザインターフェースでは、ユーザはタッチスクリーンデバイスにより自分の入力も入力する（ただし、これは必要条件ではなく、従来のキーまたはボタンタイプの入力も可能である）。提示されるデータのタイプおよび可能な入力は、異なる電気外科用器具と異なる出力ソケットとの間で異なる。出力ソケットによって提供され、その独立メモリデバイスに記憶された新しいオプション、例えば、新しいモードは、異なる種類のデータの提示および／または異なる種類の入力パラメータとの異なる種類の対話を必要とする場合がある。これを処理するために、独立メモリデバイスは、それぞれの表現規則に関するデータを備え、このデータを読み出すと、ディスプレイマネージャがそれに応じてデータまたは情報を提示する。複数の出力ソケットを有する電気外科用ジェネレータに関して、複数の出力ソケットをユーザが一度に見ることができれば有益である。これを可能にするために、ディスプレイマネージャは、好ましくは、２つ以上のセクションを有する区画化されたディスプレイを提供することを可能にされ、セクションの各々は、モジュールのうちの１つに割り当てられる。それにより、電気外科用ジェネレータの実際の機器に応じて、実際に設置されているモジュールに応じてユーザに与えられる提示および概要を適合させることができる。

【0020】

好ましくは、セクションの各々におけるグラフィック表現は、好ましくはそれぞれの割り当てられたモジュールに関する実際のデータを用いて、それぞれの割り当てられたモジュールに記憶された表現規則によって定義されるように生成および表示される。それにより、大きく異なるモジュール、出力ソケット、およびインバータユニットであっても、特にそれぞれのモジュールに属するそれぞれのセクションにおいて、特定の調整された表現をユーザインターフェース上に提供することができる。

【0021】

有利には、独立メモリデバイスは、それぞれのモジュールに関するデータおよび状態情報、好ましくは起動およびエラートーン、グラフィック情報、特にユーザインターフェース上に表示されるメニューおよび／またはカラースキームの構造の触覚的、音響的、および視覚的表現に関する記憶されたデータブロックを記憶する。これにより、別個の新しい情報が可能になり、それによってユーザは、どのモジュール、例えばどの出力ソケットが実際に作動されているか、またはどのモジュールが実際にエラー条件にさらされているかを明確に区別することができる。これにより、電気外科用ジェネレータおよびその主制御ユニットが開発および製造された時点では予測されていなかった新しい機能性を追加することが可能になる。

【0022】

好ましくは、独立メモリデバイスは、好ましくはユーザ対話、特に手および／またはペダルスイッチの起動に対して実施されるアクションに関する、対話に関するデータセットをさらに記憶する。それにより、ユーザによる新しいまたは変更されたタイプの必要な対話を実施することができ、対応するデータを電気外科用ジェネレータの主制御ユニットに伝達することができ、それによって高度な電気外科用器具またはモードの適切な制御を可能にする。

【0023】

さらに好ましくは、独立メモリデバイスは、静的情報、好ましくはオンスクリーンユーザマニュアル、および／または対話型情報、好ましくは対話型ユーザガイドに関するデータセットをさらに記憶する。これにより、それぞれのモジュールの適切な動作に必要な追加の情報への便利で直接的なアクセスが可能になる。これは、アクセスを容易にするためだけでなく、それ自体のユーザマニュアルを持ち運ぶことによって、正しいユーザマニュアルまたは他のそれぞれの情報、すなわち特定のモジュールに属するものが使用されることが保証されるため、使用の安全性のためにも大きな利点である。それによって、異なる適用不可能なマニュアルまたは他の情報への混乱または偶発的な参照が効果的に回避される。有利な実施形態では、オンスクリーンユーザマニュアルは、例えば、ｐｄｆファイルもしくはハイパーテキストファイルとして直接的に、または例えば、ウェブサイトのマニュアルへのリンクによって間接的に記憶することができる。これにより、ユーザによる便利なアクセスが可能になる。ウェブサイトへのリンクの後者のオプションは、さらに利点を有し、それによって最新の更新バージョンへのアクセスを保証することができる。

【0024】

有利には、独立メモリデバイスは、追加の機能性、例えば、モードおよび／またはモードシーケンスに関する記憶されたデータブロックをさらに記憶する。好ましくは、独立メモリデバイスは、他のモジュールの存在に応じた追加の機能、制限、限定に関するデータブロックをさらに記憶する。それにより、利用可能なモード（シーケンス）およびそれらの機能性の範囲を拡大することができる。そのようなモードシーケンスについての一例は、モードアルゴリズムとも呼ばれる所定のモードシーケンスである。そのような一連の異なる設定モードは、制御された段階的な方式ではるかに複雑なタスクを実施することを可能にする。

【0025】

有利には、独立メモリデバイスは、使用回数、使用履歴、最後の使用時間、洗浄サイクル、器具の適合状態、および／またはモジュールの適合状態についてのデータフィールドを備える書き込み可能セクションを有する。これは、ユーザ交換可能なモジュールに特に有用である。それにより、この特定のモジュールが異なる電気外科用ジェネレータに載置されていても、それぞれのモジュールの使用状態を制御することができる。これにより、この特定のモジュールの使用を、モジュールが使用された電気外科用ジェネレータの数とは無関係に監視することができ、保守または他のサービスが必要であるという指示を提供することが可能である。

【0026】

好ましくは、データセクションは、独立メモリデバイスにアクセスするように構成されたマイクロコントローラと、主制御ユニットと通信するための信号伝達デバイスとをさらに備える。出力ソケットの場合にはソケットモジュールコントローラとすることができる前記マイクロコントローラは、ローカル独立メモリデバイスを管理し、動作に必要なデータを検索し、主制御ユニットとの間の通信を処理する。有利には、マイクロコントローラは、独立メモリデバイスから対話に関するデータセットを検索し、対話条件、例えば、ハンドスイッチ作動または器具起動が満たされているかどうかをローカルに判定し、判定を主制御ユニットに通信するように構成される。さらに、特に新しいモード、モードシーケンス、または他の機能性に特有の特別なタスクは、前記マイクロコントローラによって、例えば、新しいモード、モードシーケンス、または他の機能のいずれかにより発生し得る新しい故障条件を監視することによってモジュールでローカルに処理することができる。そうである場合、一般的な故障信号を主制御ユニットに通信することができる。したがって、ローカルマイクロコントローラは、特に新しいモード、モードシーケンス、または他の機能性、および新しい外科用器具に関する機能の処理を容易にする。

【0027】

さらに、独立した保護に値することができる好ましい実施形態では、マイクロコントローラは、高周波電圧をそれぞれの出力ソケットに供給するインバータユニットの動作を管理するように構成され、前記出力ソケットに属するユーザインターフェースのディスプレイの内容、特にディスプレイ上に示されるもの、およびユーザがどのように対話することができるかをさらに管理することができる。このシナリオでは、主制御ユニットは、ディスプレイとのユーザインターフェースへのアクセスを含む基本的な機能性を提供するだけに縮小される。ディスプレイの場合、これは、いくつかのセクションへのディスプレイの区画化が集中的にユーザインターフェースによって処理され、セクションのいずれかの内容の入力がそれぞれのモジュール（出力ソケット）のローカルマイクロコントローラによって制御されていることを意味し得る。この目的のために、ローカルマイクロコントローラは、好ましくは、メニュー構造、表示される能動要素、カラースキーム、およびスタイルシートを定義するグラフィック言語用のインタープリタを備える。これは、特にタッチスクリーンディスプレイの場合、データの提示および入力の受け入れがそれぞれの出力ソケットモジュールのマイクロコントローラによって処理され、このモジュールによって提供される特別なモードに関するデータセットがローカル独立メモリデバイスに記憶されるという利点を有する。したがって、主制御ユニットは、基本的なサービスを提供するために縮小され、電気外科用ジェネレータ全体に影響を及ぼす一般的な設定を可能にする。それぞれのモジュール（出力ソケット）に関する事項は、ローカル独立メモリデバイスと協働して前記モジュールのマイクロコントローラによって処理される。それにより、異なるモジュール（出力ソケット）を備えることによって異なる機能性の電気外科用ジェネレータをカスタマイズし、アップグレードされたモジュール（出力ソケット）を提供することによってそれらを最新化することが非常に容易になる。同様の理論的根拠は、インバータユニットモジュールなどのような他の機能性を有するモジュールにも当てはまる。

【0028】

好ましくは、インバータ用のモジュールの電力セクションは、電気外科用ジェネレータのインバータユニット、好ましくは二次インバータユニット、例えば、超音波ＨＦ電圧を提供するための追加のインバータを形成する。これまでの説明の多くは出力ソケットであるモジュールに関してなされているが、モジュールを（追加の）インバータユニットとして構成することも可能である。それにより、電気外科用ジェネレータに第２または第３のインバータユニットを設けることができる。さらに、それにより異なる周波数および種類の高周波電圧を生成することが可能にされる。これにより、例えば、２つのバイポーラ器具のような異なる器具の真の二重起動が可能になる。さらに、これにより、例えば、無線周波数範囲および超音波範囲で異なる種類のＨＦ周波数を生成することが可能になる。それにより、そのような複雑な多周波電圧供給を必要とする高度な器具も用いることができる。

【0029】

インバータユニットや出力ソケットに加えて、異なる種類の電力セクションをモジュールに用いることができる。有利には、電力セクションは、ポンプ、モータ駆動器具用の制御型駆動装置、または特に電気外科用器具のガス供給用の制御型ガス供給源を形成する。これらのモジュールを駆動するために必要な手順およびデータは、独立メモリデバイスによって供給することができ、したがって、電気外科用ジェネレータの主制御ユニットの元のプログラミングから独立するので、本発明の概念に従って、これまでにない様々な異なるモジュールを使用することができる。

【0030】

本発明は、有利な例示的な実施形態を参照して以下により詳細に説明される。図は、以下の通りである。

【図面の簡単な説明】

【0031】

【図1】電気外科用器具が取り付けられた例示的な実施形態による電気外科用ジェネレータを示す図である。

【図2】図１による電気外科用ジェネレータの概略機能図である。

【図3】出力ソケットモジュールの概略機能図である。

【図4】図３の出力ソケットモジュールについての概略的な信号および電力のフロー図である。

【図5A】異なる構成の電気外科用ジェネレータのサンプル表示内容を示す図である。

【図5B】異なる構成の電気外科用ジェネレータのサンプル表示内容を示す図である。

【図6】インバータユニットモジュールについての概略的な信号および電力のフロー図である。

【図7】電気外科用ジェネレータにおけるモジュールの概略概要図である。

【発明を実施するための形態】

【0032】

本発明の例示的な実施形態による電気外科用ジェネレータが、図１に示される。電気外科用ジェネレータは、ユーザインターフェース４と、電気外科用器具９の接続のための少なくとも１つの出力ソケット３（図示の例示的な実施形態では、合計３つの出力ソケット３、３’、３’’）とを有するハウジングを備える。また、電気外科用ジェネレータには、建物内のＡＣ幹線のような電力網、または車両もしくは移動病院内の１２ボルトもしくは２４ボルト電池のような電気エネルギーのオフグリッド源であり得る電力源に接続可能な電源ケーブル１１が設けられる。さらに、ユーザインターフェース４は、ユーザによる入力のためのノブ４０のような入力デバイスと、任意選択でタッチスクリーンとして構成することができ、それによって入力デバイスとしても機能するディスプレイ４１とを備える。ディスプレイ４１は、ユーザによって行われた入力および電気外科用ジェネレータの状態に関する情報を示す。ユーザインターフェース４によって、ユーザは、出力ソケット３によって放出されるＡＣ電圧の周波数および電圧、ならびに動作モードを含め、電気外科用ジェネレータおよびその構成要素の動作を制御する主制御ユニット１に指令およびコマンドを発行することができる。

【0033】

前記電気外科用器具９は、電気外科用器具９の動作のために高周波交流電圧を供給するために、出力ソケットのうちの１つ、図示の実施形態では出力ソケット３にプラグインされる高電圧プラグ９４を有するケーブル９３を備える。

【0034】

図２は、電気外科用ジェネレータの内部回路２の概略機能図を示す。内部回路２は、電源ケーブル１１による電気エネルギーによって供給が行われる電源ユニット２２を備え、電源ユニット２２は、数キロボルトの高電圧範囲の高周波交流電流を生成するように構成されたインバータユニット２４に接続されたＤＣバス２３に供給を行う。インバータユニット２４の動作は、主制御ユニット１によって管理され、主制御ユニット１は、ユーザが電気外科用ジェネレータの動作のための指令およびコマンドを発行することができるように、ユーザインターフェース４と接続される。

【0035】

主制御ユニット１は、対応する制御信号を生成し、これらの命令およびコマンドに従って内部回路２の関連する構成要素を管理する。これにより、インバータユニット２４は、電気外科用器具９に供給される高周波交流電圧を生成する。これを達成するために、インバータユニット２４によって放出される高周波高電圧出力は、出力接続部２５を介して出力ソケット３における電力コネクタ３２にルーティングされる。出力接続部２５は、典型的には、一方が中性電極ＮＥ用であり、他方が能動電極ＡＥ用である２つの導体を備え、その導体内にＤＣブロッキングコンデンサ２６を備える。そのケーブル９３および取り付けられたプラグ９４を有する電気外科用器具９は、出力ソケット３に差し込むことができる。出力ソケット３に供給される高周波交流電圧の実際の電圧および電流は、電圧／電流センサ１８によって測定される。その測定信号は、フィードバックユニット１９によって電気外科用ジェネレータの主制御ユニット１にフィードバックされる。

【0036】

異なる構成であり、例えば、ユニポーラまたはバイポーラであり、様々な異なる出力ソケット３、３’、３’’のうちの１つに取り付けられる異なるプラグ９４を有する異なる種類の様々な電気外科用器具９が存在する。プラグ９４は、異なる構成であってもよく、特に、ユニポーラ電気外科用器具９であるかバイポーラ電気外科用器具９であるかに応じて、高周波交流電圧用の１つまたは２つのプロング９５を有してもよい。さらに、データ信号のために任意選択の追加のプロング９６を設けることができるが、電気外科用器具９へのデータ伝送は非接触であってもよい。

【0037】

様々な種類の出力ソケット３、３’、３’’が存在し、例示的なリストには、ユニポーラ、バイポーラ、およびユニバーサル出力ソケットが挙げられる（ただし、これらに限定されない）。

【0038】

出力ソケット３、３’、３’’の各々は、交換可能なモジュール５であるように構成される。モジュール５は、電気外科用器具９を駆動するために使用される高周波電圧用の電力セクション５１と、データセクション５５とを備える。電力セクション５１は、電気外科用器具９のプラグ９４用のレセプタクルとして構成された前面プラグソケット３４にコネクタ３２からの電力をルーティングするための電力線セット３５を備える。

【0039】

データセクション５５は、独立メモリデバイス６と、任意選択のマイクロコントローラ７とをさらに備える。独立メモリデバイス６は、電気外科用ジェネレータ内の出力ソケット３としてのその容量でモジュール５を動作させるためのデータを記憶しているデータブロックを備える。独立メモリデバイス６に記憶されたデータおよび情報は、電気外科用ジェネレータ、特にその主制御ユニット１によってアクセスすることができる。この目的のために、モジュール５は、例示的に、ＵＳＢインターフェース、ＣＡＮインターフェース、またはイーサネット（登録商標）インターフェースとして構成することができる通信インターフェース５０を備える。通信インターフェースはまた、例えば、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ（登録商標）無線接続のための無線インターフェース５０’として構成されてもよい。それにより、主制御ユニット１は、それぞれのモジュール５の適切な使用に必要な情報およびデータを独立メモリデバイス６から検索することができる。

【0040】

独立メモリデバイス６は、それぞれのモジュール５の動作に関するデータと、それぞれのモジュール５の動作データが、特にそのディスプレイ４１のためにユーザインターフェース上にどのように表示されるかを定義する表現規則に関するデータとを記憶する。この目的のために、独立メモリデバイス６は、それぞれの出力ソケット３に接続された電気外科用器具９の使用時に電気外科用ジェネレータおよびそのインバータユニット２４によって実施されるモードなどの特定の機能性、および一連の異なるモード設定である追加の機能性、例えば、モードシーケンスに関するデータブロック６１を記憶する。

【0041】

さらに、独立メモリデバイス６は、それぞれのモジュール５およびそれに接続された電気外科用器具９に関するデータおよび状態情報の視覚的表現に関するデータブロック６２を記憶する。データブロック６２は、特に、ユーザインターフェース４のスクリーン上にそれぞれのモジュール５および電気外科用器具９に関するデータおよび情報を示すためのグラフィック情報、ならびにユーザインターフェース４によってユーザに提供される起動トーンを備える。しかしながら、データブロック６２はまた、特に周囲のライトガイドによって対応するプラグソケット３４を照明するために多色ＬＥＤ３６によってどの色が使用されるべきかに関して、他の提示データを備えることができる。これは、どの出力ソケット３が起動され、かつバイポーラの場合は青色、モノポーラの場合は黄色、または特別なモードの場合（例えば、サンダービート器具の場合）は紫色など、電気外科用器具９に対してどのモードが選択されているかが照明によってユーザに明確に通知されるため、重要な安全性の特徴である。

【0042】

またさらに、独立メモリデバイス６は、好ましくはユーザが電気外科用器具９のハンドスイッチ９１および／または電気外科用ジェネレータのペダルスイッチ（図示せず）を起動するような対話に関するデータセット６３を記憶することができる。またさらに、独立メモリデバイス６は、静的情報、特にオンスクリーンユーザマニュアル、または対話型ユーザガイドに関するデータセット６４を記憶することができる。さらに、独立メモリデバイス６は、特に電気外科用ジェネレータの他のデバイスの存在または状態に応じて、条件付きであり得る追加の機能または制限に関するデータブロック６５を記憶してもよい。例えば、第２のインバータユニットの存在が検出された場合、追加の機能性を起動することが可能である。加えて、独立メモリデバイス６は、それぞれのモジュール５および／または取り付けられた電気外科用器具９の使用履歴、使用回数、最後の使用時間、洗浄サイクル、および適合日に関するデータフィールドを備える書き込み可能セクション６７を備える。

【0043】

任意選択のマイクロコントローラ７を設けることによって、モジュール５の機能性の範囲を拡張することができる。マイクロコントローラ７は、独立メモリデバイス６と対話し、そこからデータブロックおよびデータセットを検索する。それにより、それぞれのモジュール５上でローカルに機能の処理を実施することが可能になる。器具インターフェース５６と組み合わせて電気外科用器具９上のハンドスイッチ９１の起動を検出するようなかなり単純なタスクとは別に、マイクロコントローラ７は、それぞれのモジュール５上の通信インターフェース５０を介してインバータユニット２４と連携して特定のモードまたはモードシーケンスを実行することによるより複雑なタスクを含むことが可能である。重要なことに、マイクロコントローラ７はまた、独立メモリデバイス６から選択および検索されるモードまたは主制御ユニット１との通信の結果に応じて、保護リレー５３の起動によって電気外科用器具９への高周波電圧の伝達を可能にするべきかどうか、およびいつ可能にするべきかを制御することができる。これは、特にかなり複雑なモードおよびモードシーケンスと組み合わせて、安全性の特徴の改善を可能にする重要な態様である。

【0044】

独立メモリデバイス６に記憶されている表現規則に従った表示に関して、図５Ａおよび図５Ｂを参照する。ユーザインターフェース４は、ディスプレイ４１上の電気外科用ジェネレータおよびその構成要素の動作に関するデータおよび情報を示すように構成されたディスプレイマネージャ４２（図２参照）を備える。モジュール５として構成され、前記モジュール５の動作データがどのように表示されるかを定義するその独立メモリデバイス６における表現規則を備える出力ソケット３に関して、一例が図５Ａに示されている。最下部には、電気外科用ジェネレータ全体に関するシステム情報４３が表されている。図示の例では、さらなる情報にアクセスするため、ペダルスイッチ（またはハンドスイッチ）を構成するため、手順を呼び出すため、および一般設定のための４つの異なるフィールドが存在する。これは、一般に、電気外科用ジェネレータのユーザインターフェース４によって集中的に制御される。モジュール５、この場合は「ユニバーサル１」に関する出力ソケット３が、ディスプレイ４１の上部セクション４５に示されている。しかしながら、モジュール５のデータのグラフィック表現のために、ディスプレイマネージャ４２は、１つまたは複数のセクション４４を提供する。

【0045】

それぞれのセクション４４に表示される内容は、関連するモジュール５の独立メモリデバイス６のデータブロックに記憶された表現規則によって定義される。それにより、どの種類のグラフィックユーザインターフェースを使用するべきか、どのオーディオ信号、使用されるモード、および対応する参照文書、特にそれぞれのマニュアルが提供されるかが管理される。図示の実施形態では、２つのモード「Ｘ」および「Ｚ」が提供され、それぞれ、１つは切断用、もう１つは封止用である。独立メモリデバイス６に記憶された表現規則に従って、エネルギーレベルの指示（「２００」および「１２０」）、および選択された効果のさらなる指示（「３」および「２」）が提供される。さらに、独立メモリデバイス６に記憶されたＧＵＩについての表現規則に従って、いずれかのモードに関してクリックボタンが提供され、図示の実施形態では、３つのクリックボタン（エネルギーレベル指示の右側）が提供される。セクション４４で与えられる提示は、その内容がそれぞれのモジュール５の独立メモリデバイス６に記憶されているグラフィック表現規則によって定義されているにすぎないため、別の出力ソケット３（または別のモジュール５全般）について完全に異なる可能性があることに留意されたい。

【0046】

図５Ｂには、独立メモリデバイス６を有するモジュール５として構成された６つの出力ソケット３を備える電気外科用ジェネレータに関する変形例が示されている。ディスプレイマネージャ４２は、出力ソケット３のいずれかにディスプレイ４１上のセクション４４を提供し、図５Ｂに図示されるように、セクション４４’は、その時点で能動的に使用されていない出力ソケット３用である。能動的に使用されるのは、「バイポーラ」および「モノポーラ２」用の出力ソケット３であり、それぞれのセクション４４内のそれらのグラフィック表現は、上記で説明したように、いずれの場合もそれぞれの独立メモリデバイス６によって定義される。セクション４４のうちの１つを選択することによって、特定の出力ソケット３が前面に配置され、図５Ａのものと同様のグラフィック表現が、それぞれのモジュール５の独立メモリデバイス６および任意選択のマイクロコントローラ７によって管理されるように与えられる。

【0047】

上記はモジュール５として構成される出力ソケット３に適用されるが、電気外科用ジェネレータの他の構成要素もモジュールとして構成することがさらに可能である。例えば、インバータユニット２４は、モジュール５’として構成することができる。

【0048】

これは図６に示されており、以下で簡単に説明される。一般的な原理は、図４に示すモジュール５としての出力ソケット３の原理に従う。同じまたは同様の機能を有する要素は、同じ参照番号を有する。モジュール５’はまた、インバータユニット２４として動作するために、本例では異なる構成であってもよい独立メモリデバイス６’を備える。この目的のために、独立メモリデバイス６’は、インバータユニット２４によって生成される高周波電圧が供給されるそれぞれの出力ソケット３に接続された電気外科用器具９の使用時に実施されるモードのような特定の機能性に関するデータブロック６１を記憶する。さらに、独立メモリデバイス６’は、ディスプレイ４１上のインバータユニット２４に関するデータおよび状態情報の視覚的表現に関するデータブロック６２を記憶する。このデータブロック６２は、ユーザインターフェース４によってユーザに提供される起動トーンを含む。さらにまた、独立メモリデバイス６’では、オンスクリーンユーザマニュアルまたは対話型ユーザガイドについての静的情報は、データセット６４として記憶され、特にプラグインされた特定の出力ソケットまたは電気外科用器具９に関する追加の機能または制限に関するデータは、データブロック６５として記憶される。最後に、独立メモリデバイス６’には、インバータユニット２４の使用履歴、使用回数、生成されたエネルギーの総量、および他の適合データに関するデータフィールドを備える書き込み可能セクション６７が設けられる。これに合わせて、また、通信インターフェース５０を介した主制御ユニット１との通信を考慮して、マイクロコントローラ７は、電気外科用器具９の起動を検出するように構成された起動検出装置５７によって電気外科用器具９の起動を検出すると、起動リレー５４を通電することによってインバータユニット２４の動作を制御する。

【0049】

異なる種類のいくつかのモジュールを備える電気外科用ジェネレータの一実施形態の概要を、図７に示す。電気外科用ジェネレータは、モジュール５として構成された複数（図示の実施形態では４つ）の出力ソケット３を備え、インバータユニット２４は、モジュール５’として構成され、出力接続部２５によって接続される。モジュール５，５’および主制御ユニット１は、通信ハブ２７によって通信可能に接続されている。さらに、制御型ガス供給源、特に切断／封止部位へのアルゴンのような希ガス用の（またはモータ駆動器具の制御型駆動装置用の）モジュール５’’のような追加のモジュールを設けることができる。

【0050】

主制御ユニット１は、通信ハブ２７を介して様々なモジュールと通信する。通信ハブ２７、主制御ユニット１、および様々なモジュール５，５’，５’’の間の通信線は、直接的にまたはＵＳＢのようなバス２８を介して、またはイーサネット（登録商標）もしくはＣＡＮのようなネットワークを介して行うことができる。

【0051】

このような構成によって、同じインターフェースを有する標準化された基本要素としてモジュールを使用して、異なるタイプの電気外科用ジェネレータを構築することができる。これにより、多種多様な異なる電気外科用ジェネレータの迅速かつ効率的な製造が可能になる。

【符号の説明】

【0052】

１ 主制御ユニット
２ 内部回路
３，３’，３’’ 出力ソケット
４ ユーザインターフェース
５，５’，５’’ モジュール
６，６’ 独立メモリデバイス
７ マイクロコントローラ
９ 電気外科用器具
１１ 電源ケーブル
１８ 電圧／電流センサ
１９ フィードバックユニット
２２ 電源ユニット
２３ ＤＣバス
２４ インバータユニット
２５ 出力接続部
２６ ＤＣブロッキングコンデンサ
２７ 通信ハブ
２８ バス
３２ 電力コネクタ
３４ 前面プラグソケット
３５ 電力線セット
３６ 多色ＬＥＤ
４０ ノブ
４１ ディスプレイ
４２ ディスプレイマネージャ
４３ システム情報
４４，４４’ セクション
４５ 上部セクション
５０ 通信インターフェース
５０’ 無線インターフェース
５１ 電力セクション
５３ 保護リレー
５４ 起動リレー
５５ データセクション
５６ 器具インターフェース
５７ 起動検出装置
６１，６２，６５ データブロック
６３，６４ データセット
６７ 書き込み可能セクション
９１ ハンドスイッチ
９３ ケーブル
９４ 高電圧プラグ
９５，９６ プロング

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5A】

【図5B】

【図6】

【図7】