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特開2024-91564インクジェットプリントヘッド(INKJET PRINTHEAD)
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091564
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】インクジェットプリントヘッド(INKJET PRINTHEAD)
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/06 20060101AFI20240627BHJP
   B41J 2/14 20060101ALI20240627BHJP
   B41J 2/145 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B41J2/06
B41J2/14 611
B41J2/14 607
B41J2/14 501
B41J2/145
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215076
(22)【出願日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】10-2022-0181558
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2023-0182683
(32)【優先日】2023-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519314685
【氏名又は名称】ウンジェット カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ビョン ド ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リム ビョンジク
(72)【発明者】
【氏名】モヒュディン カリル シャヒール
(72)【発明者】
【氏名】セオン ベク ホーン
(72)【発明者】
【氏名】ジュン, ジーウー
(72)【発明者】
【氏名】チョイ ジェヨン
【テーマコード(参考)】
2C057
【Fターム(参考)】
2C057AF40
2C057AG04
2C057AG12
2C057AG93
2C057BA05
2C057BA15
2C057DC19
(57)【要約】      (修正有)
【解決手段】本発明は、インクジェットプリントヘッドに関するもので、本発明に係るインクジェットプリントヘッドは、複数のノズルを有して電気水力学方式で溶液を吐出させるインクジェットプリントヘッドにおいて、複数のノズル各々に対して形成され、電気水力学方式で溶液を吐出させる電圧が印加される第1電極、前記第1電極に電圧を印加する第1電圧制御器、および各ノズルに形成された第1電極の間に離隔配置されて接地され、各ノズルの間の電界干渉を防止する第2電極を含むことを特徴とする。
【効果】本発明のインクジェットプリントヘッドによれば、電気水力学方式で複数のノズルで液滴を吐出させ、隣合うノズルの間に電界干渉を最小化して制御が容易でかつ均一に液滴を吐出させることができるという長所がある。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のノズルを有して電気水力学方式で溶液を吐出させるインクジェットプリントヘッドにおいて、
複数の前記ノズル各々に対して形成され、電気水力学方式で前記溶液を吐出させる電圧が印加される第1電極と、
該第1電極に電圧を印加する第1電圧制御器と、
各前記ノズルに形成された前記第1電極の間に離隔配置されて接地され、各前記ノズルの間の電界干渉を防止する第2電極とを備えることを特徴とするインクジェットプリントヘッド。
【請求項2】
前記インクジェットプリントヘッドは、
各前記ノズルに対して供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバと、
該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させるノズル孔が形成されたノズル層とを備え、
前記第1電極は前記ノズルチャンバの内側面に形成され、前記第2電極は前記ノズル層の上側面に形成されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項3】
前記第1電極と前記第2電極との間の距離は、前記ノズルの下端と被印刷物との間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項4】
前記インクジェットプリントヘッドは、
各前記ノズルに対して供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバと、
該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させるノズル孔が形成されたノズル層とを備え、
該ノズル層の上側面には下方に掘られた溝が形成され、前記第2電極は前記溝の内部に形成されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項5】
絶縁体で形成され、前記溝を覆って前記第2電極が前記溝の外部に露出することを遮断する遮断部をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項6】
前記インクジェットプリントヘッドは、
各前記ノズルに対して供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバと、
該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させるノズル孔が形成されたノズル層とを備え、
前記第1電極は前記ノズルチャンバの内側面に形成され、前記第2電極は前記ノズル層の下側面に形成されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項7】
各前記ノズルに対して前記ノズル層の下端部には、突出して下端に前記ノズル孔が形成された突出部が形成され、前記第2電極は前記突出部の間の凹面に形成されることを特徴とする請求項6に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項8】
前記ノズルの下端と前記第2電極との間の距離は、前記ノズルの下端と被印刷物との間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項9】
前記インクジェットプリントヘッドは、
各前記ノズルに対して供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバと、
該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させるノズル孔が形成されたノズル層とを備え、
前記ノズル層の下側面には上方に掘られた溝が形成され、前記第2電極は前記溝の内部に形成されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項10】
絶縁体で形成され、前記溝を覆って前記第2電極が前記溝の外部に露出することを遮断する遮断部をさらに備えることを特徴とする請求項9に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項11】
前記インクジェットプリントヘッドは、
各前記ノズルに対して供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバと、
該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させるノズル孔が形成されたノズル層と、
該ノズル層の上部に配置され、前記ノズルチャンバと連結される流路が貫通形成される離隔層とを備え、
前記第1電極は前記ノズルチャンバの内側面に形成され、前記第2電極は前記離隔層の上側面に形成されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項12】
前記第2電極は、前記ノズル層の下側面にも形成されることを特徴とする請求項11に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項13】
前記インクジェットプリントヘッドは、
各前記ノズルに対して供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバと、
該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させるノズル孔が形成されたノズル層と、
該ノズル層の上部に配置され、前記ノズルチャンバと連結される流路が貫通形成される離隔層とを備え、
該離隔層の上側面には下方に掘られた溝が形成され、前記第2電極は前記溝の内部に形成されることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項14】
絶縁体で形成され、前記溝を覆って前記第2電極が前記溝の外部に露出することを遮断する遮断部をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項15】
前記ノズル層は、
各前記ノズルに対して供給された前記インクが貯蔵される複数の前記ノズルチャンバおよび該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させる前記ノズル孔が形成され、前記ノズルチャンバの内側面に前記第1電極が形成される第1ノズル層と、
該第1ノズル層の上部に形成され、前記ノズルチャンバと連通する複数の連通チャンバが形成され、該連通チャンバの内側面に電気水力学方式で前記溶液を吐出させる電圧が印加される第3電極が形成される第2ノズル層とを備えることを特徴とする請求項2、4、6、9、11および13のいずれか1項に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項16】
複数の前記ノズルは行列で配置され、行方向または列方向のうちのいずれかの一方向に配列される前記第1電極は電気的に連結されて、前記第1電圧制御器によって一方向に配列される前記第1電極が選択的に同時に電圧が印加され、
行方向または列方向のうちの他方向に配列される前記第3電極は電気的に連結されて、電圧を印加させる第2電圧制御器によって他方向に配列される前記第3電極が選択的に同時に電圧が印加されることを特徴とする請求項15に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項17】
複数のノズルを有して電気水力学方式で溶液を吐出させるインクジェットプリントヘッドにおいて、
複数の前記ノズル各々に対して形成され、電気水力学方式で前記溶液を吐出させる電圧が印加されるか接地される第1電極と、
該第1電極に電圧を印加する第1電圧制御器と、
前記第1電極を接地させるか、前記第1電圧制御器から電圧が印加されるように制御する制御部とを備え、
複数の前記ノズルのうち選択的に前記溶液を吐出させるとき、前記制御部は、前記溶液が吐出される前記ノズルの前記第1電極は前記第1電圧制御器と連結させて電圧を印加させ、前記溶液が吐出される前記ノズルに隣接する前記溶液が吐出されない前記ノズルの前記第1電極は接地させることを特徴とするインクジェットプリントヘッド。
【請求項18】
複数の前記ノズルのうち選択的に前記溶液を吐出させるとき、前記制御部は、前記溶液が吐出される前記ノズルの前記第1電極は前記第1電圧制御器と連結させて電圧を印加させ、
残りの前記溶液が吐出されない前記ノズルの前記第1電極は接地させることを特徴とする請求項17に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項19】
前記インクジェットプリントヘッドは、
各前記ノズルに対して供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバと、
該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させるノズル孔が形成されたノズル層とを備え、
前記第1電極は、前記ノズルチャンバの内側面に形成されることを特徴とする請求項17に記載のインクジェットプリントヘッド。
【請求項20】
隣合う前記ノズルの前記第1電極の間の距離は、前記ノズルの下端と被印刷物との間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項19に記載のインクジェットプリントヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はインクジェットプリントヘッドに関する。より詳細には、複数のノズルを有して電気水力学方式で溶液を吐出させるインクジェットプリントヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、インクジェットプリントヘッドは、インクの微小な液滴(droplet)を印刷媒体の所望の位置に吐出させて印刷媒体表面に所定の色の画像を印刷する装置である。インクジェットプリントヘッドは、最近、液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)と有機発光素子(OLED;Organic Light Emitting Device)などのような平板ディスプレイ分野、電子ペーパー(E-Paper)などのようなフレキシブルディスプレイ分野、金属配線などのような印刷電子工学(Printed electronics)分野、およびバイオ分野などのような様々な分野に応用範囲が拡大している。
【0003】
Drop-on-demand(DOD)方式のインクジェットプリントヘッドには、吐出方式に応じて圧電体の変形による圧力波でインクを吐出させる圧電方式(piezoelectric)のインクジェットプリントヘッドと、静電気力によってインクを吐出させる電気水力学方式(electrohydrodynamics)のインクジェットプリントヘッドが知られている。
【0004】
圧電方式のインクジェットプリントヘッドは、メンブレンを圧電体で振動させてインクを収容するチャンバに圧力を加えてインクを吐出させる方式である。一般的に、ノズル表面のインクの表面張力および粘性を克服できる程度の圧力を加えると液滴が吐出され、追加的に加えられる圧力はこれらの液滴を印刷媒体上に正確に安着させることができる速度に放出液滴を加速させるために十分に大きくなければならない。圧電駆動方式のインクジェットプリントヘッドでは、数ピコリットル以下の液滴を具現するために圧力チャンバ内での変形エネルギー量を減少させることが必要であるが、この場合吐出される液滴の単位体積当たり吐出エネルギーも減ることになって、その結果、液滴の吐出速度が減ることになる。このように液滴の吐出速度が減ると、所望の位置に液滴が正確に吐出されなくなるという問題点が発生する。
【0005】
圧電方式のインクジェットプリントヘッドは、プリンティング作業を制御することが容易であり、圧電体の機械的な変形によって吐出エネルギーを提供するので、使用されるインクに制約がないという長所がある。しかし、圧電方式のインクジェットプリントヘッドは、数ピコリットル(picoliter)以下の超微細液滴を具現するには困難があり、通常10cPs水準の粘度のインクのみを吐出させることができ、高粘度のインクは吐出できないという限界がある。また、吐出エネルギーの限界によって80ピコリットル以上の大きな液滴を吐出させることに困難がある。特にディスプレイなど印刷電子工程に適用するためには、従来のグラフィック印刷とは異なり、複数のノズル間の吐出液滴の体積均一度が非常に重要であるにもかかわらず、圧電方式のインクジェットプリントヘッドは限界がある。
【0006】
電気水力学インクジェット方式のインクジェットプリントヘッドは、ノズル先端に形成されるインクの液面に静電気力を印加して吐出エネルギーを提供するので、数ピコリットル以下またはフェムトリットルの超微細液滴を具現することができ、1,000cPs水準の高粘度のインクの液滴も吐出できるという長所がある。また、80ピコリットル以上の大きな液滴を形成することもできる。ノズルに形成する電界の分布を用いて制御するため、駆動方式も単純であり、吐出されたインク液滴の方向性にも優れ、精密プリンティングに有利であるという長所がある。
【0007】
しかし、電気水力学インクジェット方式のインクジェットプリントヘッドに複数のノズルを形成する場合、隣合うノズルの間に電界干渉が発生し、複数のノズルを介して吐出される液滴の大きさが均一でなく、印刷品質が低下する問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第1310759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明の目的は、このような従来の問題点を解決するためのものであって、複数のノズルを有して電気水力学方式で液滴を吐出させるインクジェットプリントヘッドにおいて、各ノズルに形成されて電気水力学方式で液滴を吐出させるための第1電極の間に接地される第2電極を離隔配置させ、各ノズルの間に電界干渉を防止することができるインクジェットプリントヘッドを提供することにある。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は以下の記載から当業者に明確に理解されるものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的は、本発明により、複数のノズルを有して電気水力学方式で溶液を吐出させるインクジェットプリントヘッドにおいて、複数の前記ノズル各々に対して形成され、電気水力学方式で前記溶液を吐出させる電圧が印加される第1電極と、該第1電極に電圧を印加する第1電圧制御器と、各前記ノズルに形成された前記第1電極の間に離隔配置されて接地され、各前記ノズルの間の電界干渉を防止する第2電極とを備えることを特徴とするインクジェットプリントヘッドによって達成されることができる。
【0012】
ここで、前記インクジェットプリントヘッドは、各前記ノズルに対して供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバと、該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させるノズル孔が形成されたノズル層とを備え、前記第1電極は前記ノズルチャンバの内側面に形成され、前記第2電極は前記ノズル層の上側面に形成されることができる。
【0013】
ここで、前記第1電極と前記第2電極との間の距離は、前記ノズルの下端と被印刷物との間の距離よりも大きいことが好ましい。
【0014】
ここで、前記インクジェットプリントヘッドは、各前記ノズルに対して供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバと、該ノズルチャンバの下端に溶液を吐出させるノズル孔が形成されたノズル層を備え、該ノズル層の上側面には下方に掘られた溝が形成され、前記第2電極は前記溝の内部に形成されることができる。
【0015】
ここで、絶縁体で形成され、前記溝を覆って前記第2電極が前記溝の外部に露出することを遮断する遮断部をさらに備えることができる。
【0016】
ここで、前記インクジェットプリントヘッドは、各前記ノズルに対して供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバと、該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させるノズル孔が形成されたノズル層とを備え、前記第1電極は前記ノズルチャンバの内側面に形成され、前記第2電極は前記ノズル層の下側面に形成されることができる。
【0017】
ここで、各前記ノズルに対して前記ノズル層の下端部には、突出して下端に前記ノズル孔が形成された突出部が形成され、前記第2電極は前記突出部の間の凹面に形成されることができる。
【0018】
ここで、前記ノズルの下端と前記第2電極との間の距離は、前記ノズルの下端と被印刷物との間の距離よりも大きいことが好ましい。
【0019】
ここで、前記インクジェットプリントヘッドは、各前記ノズルに対して供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバと、該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させるノズル孔が形成されたノズル層とを備え、該ノズル層の下側面には上方に掘られた溝が形成され、前記第2電極は前記溝の内部に形成されることができる。
【0020】
ここで、絶縁体で形成され、前記溝を覆って前記第2電極が前記溝の外部に露出することを遮断する遮断部をさらに備えることができる。
【0021】
ここで、前記インクジェットプリントヘッドは、各前記ノズルに対して供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバと、該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させるノズル孔が形成されたノズル層と、該ノズル層の上部に配置され、前記ノズルチャンバと連結される流路が貫通形成される離隔層とを備え、前記第1電極は前記ノズルチャンバの内側面に形成され、前記第2電極は前記離隔層の上側面に形成されることができる。
【0022】
ここで、前記第2電極は、前記ノズル層の下側面にも形成されることができる。
【0023】
ここで、前記インクジェットプリントヘッドは、各前記ノズルに対して供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバと、該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させるノズル孔が形成されたノズル層と、該ノズル層の上部に配置され、前記ノズルチャンバと連結される流路が貫通形成される離隔層とを備え、該離隔層の上側面には下方に掘られた溝が形成され、前記第2電極は前記溝の内部に形成されることができる。
【0024】
ここで、絶縁体で形成され、前記溝を覆って前記第2電極が前記溝の外部に露出することを遮断する遮断部をさらに備えることができる。
【0025】
ここで、前記ノズル層は、各前記ノズルに対して供給された前記インクが貯蔵される複数の前記ノズルチャンバおよび該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させる前記ノズル孔が形成され、前記ノズルチャンバの内側面に前記第1電極が形成される第1ノズル層と、該第1ノズル層の上部に形成され、前記ノズルチャンバと連動する複数の連通チャンバが形成され、該連通チャンバの内側面に電気水力学方式で前記溶液を吐出させる電圧が印加される第3電極が形成される第2ノズル層とを備えることができる。
【0026】
ここで、複数の前記ノズルは行列で配置され、行方向または列方向のうちのいずれかの一方向に配列される前記第1電極は電気的に連結されて、前記第1電圧制御器によって一方向に配列される前記第1電極が選択的に同時に電圧が印加され、行方向または列方向のうちの他方向に配列される前記第3電極は電気的に連結されて、電圧を印加させる第2電圧制御器によって他方向に配列される前記第3電極が選択的に同時に電圧が印加されることができる。
【0027】
また、上記目的は、本発明によって、複数のノズルを有して電気水力学方式で溶液を吐出させるインクジェットプリントヘッドにおいて、複数の前記ノズル各々に対して形成され、電気水力学方式で前記溶液を吐出させる電圧が印加されるか接地される第1電極と、該第1電極に電圧を印加する第1電圧制御器と、前記第1電極を接地させるか、前記第1電圧制御器から電圧が印加されるように制御する制御部とを備え、複数の前記ノズルのうち選択的に前記溶液を吐出させるとき、前記制御部は、前記溶液が吐出される前記ノズルの前記第1電極は前記第1電圧制御器と連結させて電圧を印加させ、前記溶液が吐出される前記ノズルに隣接する前記溶液が吐出されない前記ノズルの前記第1電極は接地させることを特徴とするインクジェットプリントヘッドによって達成されることができる。
【0028】
ここで、複数の前記ノズルのうち選択的に前記溶液を吐出させるとき、前記制御部は、前記溶液が吐出される前記ノズルの前記第1電極は前記第1電圧制御器と連結させて電圧を印加させ、残りの前記溶液が吐出されない前記ノズルの前記第1電極は接地させることができる。
【0029】
ここで、前記インクジェットプリントヘッドは、各前記ノズルに対して供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバと、該ノズルチャンバの下端に前記溶液を吐出させるノズル孔が形成されたノズル層とを備え、前記第1電極は、前記ノズルチャンバの内側面に形成されることができる。
【0030】
ここで、隣合う前記ノズルの前記第1電極の間の距離は、前記ノズルの下端と被印刷物との間の距離よりも大きいことが好ましい。
【発明の効果】
【0031】
上記のような本発明のインクジェットプリントヘッドによれば、電気水力学方式で複数のノズルで液滴を吐出させ、隣合うノズルの間に電界干渉を最小化して制御が容易でかつ均一に液滴を吐出させることができるという長所がある。
【0032】
また、各ノズルに対して個別の制御によって液滴を吐出させることができるという長所もある。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の第1実施例に係るプリントヘッドの概略的な構造を示す図である。
図2】本発明の第2実施例に係るプリントヘッドの概略的な構造を示す図である。
図3】本発明の第3実施例に係るプリントヘッドの概略的な構造を示す図である。
図4】本発明の第4実施例に係るプリントヘッドの概略的な構造を示す図である。
図5】本発明の第5実施例に係るプリントヘッドの概略的な構造を示す図である。
図6】本発明の第6実施例に係るプリントヘッドの概略的な構造を示す図である。
図7図6において、第1電極と第3電極との電圧印加構造を示す図である。
図8図7の動作の一例を示す図である。
図9】本発明の第7実施例に係るプリントヘッドの概略的な構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
実施例の具体的な事項は、詳細な説明および図面に含まれている。
【0035】
本発明の利点および特徴、そしてそれを達成する方法は、添付した図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば明確になる。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現されることができ、単に本実施例は、本発明の開示が完全になるようにして、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は、請求項の範疇によって定義されるだけである。明細書全体にわたって同一の参照符号は、同一の構成要素を指す。
【0036】
以下、本発明の実施例によってインクジェットプリントヘッドを説明するための図面を参考して本発明について説明する。
【0037】
図1は、本発明の第1実施例に係るプリントヘッドの概略的な構造を示す図である。
【0038】
本発明の第1実施例に係るインクジェットプリントヘッドは、複数のノズル100を備え、各ノズル100では、電気水力学方式で静電気力によって溶液を吐出させることができる。図面では、水平方向に左右2つのノズル100が形成されていることを示しているが、これは説明のためのものであって、より多くの数のノズル100が形成されることができる。また、前後紙面方向へも複数のノズル100が配置されてマトリックス状に複数のノズル100が形成されることができる。
【0039】
複数のノズル100はノズル層110に形成されることができる。ノズル層110には、外部から供給されたインクが貯蔵される複数のノズルチャンバ112が離隔形成され、ノズルチャンバ112の下端には溶液を吐出させるノズル孔114が形成される。このとき、ノズルチャンバ112は、図示のように下部に行くほど断面の大きさが小さくなるように内側に傾斜面が形成された円錐台の形態で形成され得るが、これに限定されず円柱状に形成されることもできる。
【0040】
各ノズル100に対してノズル層110の下端部は突出して突出部115が形成されることができ、突出部115の下端にノズル孔114が形成されることができる。
【0041】
第1電極120は、複数のノズル100の各々に対して配置され、電気水力学方式で溶液を吐出させるための電圧が印加される。図示のように、第1電極120はノズルチャンバ112の内側面に形成されることができる。図面では、ノズルチャンバ112の内側面全体に対して形成されているが、一部に部分的に形成されることもできる。また、第1電極120の上端部は、ノズル層110の上面に一部延長形成されることもできる。
【0042】
図示していないが、第1電極120は絶縁層でコーティングされることもできる。第1電極120が絶縁層でコーティングされた場合、第1電極120に電圧が印加されるとき、ノズルチャンバ112の内部に流入した溶液は誘導電圧により誘導されて荷電されることができ、第1電極120が形成する電界による力でノズル孔114を介して外部に吐出されることができる。
【0043】
第1電極120は、各ノズル100に対して個別に形成されることができる。また、複数のノズル100に対して第1電極120は一体的に形成されることもできる。さらに、図7から図8を参照して説明するように、第1電極120は、行方向または列方向に一列に配列された複数のノズル100に対して一体的に形成されることもできる。
【0044】
第1電圧制御器150は、第1電極120に電気水力学方式で溶液を吐出させるための電圧を印加させる。
【0045】
被印刷物Sの下には、第1電極120に印加される電圧の極性と反対の極性の電圧が印加されるか接地される接地電極200が形成されることができる。さらに、接地電極200は電気的に連結されないこともあり得る。また、接地電極200は省略してもよい。接地電極200は、第1電極120と電位差を形成し、ノズル100と被印刷物Sとの間に電気水力学方式の吐出のための電界をより均一に形成するようにする。
【0046】
第2電極130は、各ノズル100に形成される第1電極120の間に離隔配置されて接地されている。各ノズル100の間に接地される第2電極130が配置されることによって、隣合うノズル100の間の電界干渉を最小化することができる。
【0047】
このとき、本実施例において、第2電極130は、ノズル層110の上側面に各ノズル100の間に第1電極120と離隔された位置に形成されることができる。
【0048】
このとき、図1の拡大図に示すように、第1電極120と第2電極130との間の距離Bは、ノズル100の下端と被印刷物Sとの間の距離Aよりも大きいことが好ましい。この場合、隣合うノズル100の間の電界干渉を最小化することができるため、各ノズル100に対して個別的な制御によって溶液を吐出させることができる。第1電極120と第2電極130との間の距離Bがノズル100の下端と被印刷物Sとの間の距離Aよりも小さい場合、いずれか1つのノズル100の第1電極120で発生する電界は、ターゲット基板(targen substrate)に向かって液滴を吐出することよりも隣接するノズル100により大きな影響を及ぼし、各ノズル100を介して溶液が個別的に吐出されるように制御することが難しくなる。もちろん、個別的制御のためには、第1電極120は複数のノズル100に対して一体的に形成されずに個別で形成されなければならない。ここで、第1電極120と第2電極130との間の距離Bとは、第1電極120と第2電極130の先端との間の最小距離を意味することができる。
【0049】
第1電極120と第2電極130との間の距離Bは、製造時に固定された値であるため、本実施例に係るインクジェットプリントヘッドを使用する場合、Bより小さい値の範囲でノズル100の下端と被印刷物Sとの間の距離Aを制御してプリンティングを行うことが好ましい。
【0050】
参考として、図1では、複数の第1電極120のうちの1つの第1電極120のみ第1電圧制御器150が連結されているが、実際には全ての第1電極120が第1電圧制御器150と各々連結されている。また、図1では、1つの第2電極130のみ接地されていることを示しているが、実際には全ての第2電極130が接地されている。後述する残りの図面においても同様である。
【0051】
図2は本発明の第2実施例に係るプリントヘッドの概略的な構造を示す図である。
以下の説明では、図1を参照して前述した実施例との差異点を中心に説明することにする。
【0052】
本実施例において、ノズル層110、第1電極120の形状および構造は、前述した実施例と同一である。
【0053】
本実施例において、ノズル層110の上側面に下方に掘られた溝111が各ノズル100の間に形成されることができる。前記溝111は、幅に比べて長さが長い形態で形成することができるが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0054】
このとき、接地される第2電極130は、溝111の内部に形成されることができる。また、溝111の内部に第2電極130を形成した後、溝111を覆って第2電極130が溝111の外部に露出することを遮断する遮断部119が追加で形成されることもできる。遮断部119は絶縁体で形成されることが好ましい。
【0055】
このような構造で接地される第2電極130が絶縁体で覆われた溝111の内部に形成されることによって隣合うノズル100の間の電界干渉を最小化することができる。
【0056】
図3は本発明の第3実施例に係るプリントヘッドの概略的な構造を示す図である。
以下の説明では、図1を参照して前述した実施例との差異点を中心に説明することにする。
【0057】
本実施例において、ノズル層110、第1電極120の形状および構造は、前述した実施例と同一である。
【0058】
本実施例において、第2電極130は、ノズル層110の下側面に各ノズル100の間に形成されることができる。このとき、前述したように、各ノズル100に対してノズル層110の下には、突出部115が形成されるので、突出部115の間の凹面上に第2電極130が形成されることができる。
【0059】
本実施例において、ノズル100の下端と第2電極130との間の距離Bは、ノズル100の下端と被印刷物Sとの間の距離Aよりも大きいことが好ましい。この場合、隣合うノズル100の間の電界干渉を最小化することができるため、各ノズル100に対して個別的な制御によって溶液を吐出させることができ、Wettingが発生しない。しかし、ノズル100の下端と第2電極130との間の距離Bがノズル100の下端と被印刷物Sとの間の距離Aより小さい場合、各ノズル100を介して溶液が個別的に吐出されるように制御することが難しく、Wettingが発生し得る。ここで、ノズル100の下端と第2電極130との間の距離Bとは、第2電極130の先端とノズル100の下端との間の最小距離を意味することができる。
【0060】
本実施例においても、ノズル100の下端と第2電極130との間の距離Bは、製造時に固定された値であるため、本実施例に係るインクジェットプリントヘッドを使用する場合、Bより小さい値の範囲でノズル100の下端と被印刷物Sとの間の距離Aを制御してプリンティングを行うことが好ましい。
【0061】
図示していないが、図2を参照して説明したように、ノズル層110の下側面に上方に掘られた溝111を形成し、溝111の内部に第2電極130が形成されることもできる。同様に、溝111を絶縁体である遮断部119で覆って第2電極130が外部に露出しないようにすることが好ましい。
【0062】
図4は本発明の第4実施例に係るプリントヘッドの概略的な構造を示す図である。
以下の説明においても、図1を参照して前述した実施例との差異点を中心に説明することにする。
【0063】
本実施例において、ノズル層110、第1電極120の形状および構造は、前述した実施例と同一である。
本実施例において、ノズル層110の上部に離隔層140をさらに備えることができる。離隔層140は、ノズル層110の上部に配置され、ノズルチャンバ112と連結される流路142が貫通形成される。流路142の内部には第1電極120が形成されていない。離隔層140は所定の厚さのウェハで形成されることができる。
このとき、離隔層140の上側面に接地される第2電極130が形成されることができる。第2電極130によって隣合うノズル100の間の電界干渉を防止することができる。
【0064】
第1実施例と比較して本実施例では、離隔層140によって第1電極120と第2電極130との間の距離Bを相対的に遠く維持することができるので、ノズル100の下端と被印刷物Sとの間の距離Aをさらに遠く維持して個別的な制御によってプリンティングを行うことができる。
【0065】
図示していないが、図2を参照して説明したように、離隔層140の上側面に下方に掘られた溝111を形成し、溝111の内部に第2電極130が形成されることもできる。同様に、溝111を絶縁体である遮断部119で覆って第2電極130が外部に露出しないようにすることが好ましい。
【0066】
図5は本発明の第5実施例に係るプリントヘッドの概略的な構造を示す図である。
以下の説明においても、図1図4を参照して前述した実施例との差異点を中心に説明することにする。
【0067】
本実施例において、ノズル層110、第1電極120の形状および構造は、前述した実施例と同一である。さらに、ノズル層110の上部に離隔層140が形成され、離隔層140の上側面に第2電極130が形成される点で図4を参照して前述した実施例と同一である。本実施例では、図4を参照して前述した実施例と比較して、図3の実施例と同じく、ノズル層110の下側面にも接地される第2電極130が形成される。
【0068】
すなわち、本実施例では接地される第2電極130b、130aが離隔層140の上側面およびノズル層110の下側面に各々形成され、隣合うノズル100の間の電界干渉を防止するようにする。
【0069】
図示していないが、図2を参照して説明したように、離隔層140の上側面に下方に掘られた溝を形成し、溝の内部に第2電極130bを形成させるか、ノズル層110の下側面に上方に掘られた溝を形成し、溝の内部に第2電極130aを配置させることもできる。同様に、離隔層140またはノズル層110に形成される溝は絶縁体である遮断部で覆って第2電極130a、130bが外部に露出することを遮断することが好ましい。
【0070】
図6は本発明の第6実施例に係るプリントヘッドの概略的な構造を示す図であり、図7図6において、第1電極120と第3電極との電圧印加構造を示す図であり、図8図7の動作の一例を示す。
【0071】
本実施例において、ノズル層110は、第1ノズル層110_1と第2ノズル層110_2とに分離形成されることができる。
【0072】
第1ノズル層110_1は、第2ノズル層110_2の下に位置してインクが貯蔵される複数のノズルチャンバ112が形成され、各ノズルチャンバ112の下端には溶液を吐出させるノズル孔114が形成される。また、ノズルチャンバ112の内側面には、第1電極120_1が形成されることができる。
【0073】
第2ノズル層110_2は、第1ノズル層110_1の上部に形成され、第1ノズル層110_1のノズルチャンバ112と連通する連通チャンバ116が貫通形成され、連通チャンバ116の内側面には、電気水力学方式で溶液を吐出させる電圧が印加される第3電極120_2が形成される。第1電極120_1と第3電極120_2とが、分離して互いに連結されず、第1電極120_1は、第1電圧制御器150_1に連結されて電圧が印加され、第3電極120_2は、第2電圧制御器150_2に連結されて電圧が印加されることができる。
【0074】
第1電極120_1および第3電極120_2は、すべて電気水力学方式で溶液を吐出させるためにノズル100と被印刷物Sとの間に電界を形成する電極であり得る。
【0075】
また、第2ノズル層110_2の上部には、前述した離隔層140が形成されることができる。離隔層140の上側面には、接地される第2電極130が形成され、隣合うノズル100の間の電界干渉を防止することができる。
【0076】
図示していないが、図1でと同様に、第1ノズル層110_1の上側面に第1電極120_1と離隔されて接地される第2電極130が形成されることもできる。また、第2ノズル層110_2の上側面にも、第3電極120_2と離隔されて接地される第2電極130が形成されることもできる。また、図示していないが、図3でと同様に、第2ノズル層110_2の下側面に接地される第2電極130が形成されることもできる。また、図2を参考して説明したように、第1ノズル層110_1、第2ノズル層110_2に溝111を形成し、溝111の内部に第2電極130を配置させることもできる。
【0077】
本実施例において、電圧が印加される第1電極120_1と第3電極120_2とは各々同期化されて電気水力学方式で溶液を吐出させることができる。
【0078】
前述したように、本実施例に係るインクジェットプリントヘッドは、行方向および列方向に複数のノズル100が行列形態で配列されることができる。図8では、3行7列の形態で配列される複数のノズル100に対する第1電極120_1と第3電極120_2との連結構造を例示的に示したものであって、これに限定されるものではない。
【0079】
このとき、行方向または列方向のうちのいずれかの一方向に配列される複数の第3電極120_2は、一直線形態で電気的に連結されることができる。図7および図8では、行方向の7つの第3電極120_2各々が電気的に連結(a、b、cで表示)され、3行で第2電圧制御器150_2と連結されることを示している。また、第1電極120_1も行方向または列方向のうちのいずれかの一方向に配列される複数の第1電極120_1は、一直線形態で電気的に連結されることができる。このとき、第1電極120_1と第3電極120_2とは、直交する形態で第3電極120_2が行方向に連結されるとき、第1電極120_1は、列方向に電気的に連結されることができる。図7および図8では、列方向の3つの第1電極120_1各々が電気的に連結(1、2、3、4、5、6、7で表示)され、7列で第1電圧制御器150_1に連結される。
【0080】
複数の第1電極120_1と第3電極120_2とが各々第1電圧制御器150_1および第2電圧制御器150_2に個別的に連結される場合、電圧連結構造(回路)が複雑になり得る。電圧連結構造が複雑になると、各ノズル100の間の距離が遠くなるため、コンパクトに複数のノズル100を配置させることができなくなる。さらに、第1電極120_1と第3電極120_2とには電圧が印加されるが、各電極に個別的に電圧を印加させる場合、電圧制御器150の容量に負担を与えることがある。しかし、本実施例のように、複数の第1電極120_1と第3電極120_2とに対して行方向または列方向に配置される複数の電極を電気的に連結させることによって、電圧連結構造が簡単になり、電圧制御器150の容量負担を緩和させることができる。
【0081】
複数配置されるノズル100のうちの一部のノズル100を介して液滴を吐出させる場合、該当ノズル100に対応する第1電極120_1および第3電極120_2に連結されるラインに電圧を印加させて液滴を吐出させることができる。
【0082】
例えば、図8では、すなわち、b、5ラインはオン状態であり、残りのa、c、1、2、3、4、6、7ラインは、オフ状態であり得る。このとき、b、5ラインが交差する地点のノズル100でのみ溶液が吐出されることができる。このように、第1電極120_1と第3電極120_2とを各々行方向または列方向に一直線形態で電気的に連結し、各行または各列に選択的に電圧を印加させることによって、複数のノズル100に対して選択的に溶液を吐出させることができる。
【0083】
図9は本発明の第7実施例に係るインクジェットプリンタヘッドの概略的な構造を示す図である。
【0084】
本実施例に係るインクジェットプリンタヘッドは、第1電極120、第1電圧制御器150および制御部160を備えて構成されることができる。
【0085】
前述の実施例と同様に、本実施例のインクジェットプリンタヘッドは複数のノズル100を有し、各ノズル100は電気水力学方式で静電気力によって溶液を吐出させることができる。
【0086】
複数のノズル100はノズル層110に形成されることができる。ノズル層110の構成は、前述の実施例と同一であるため省略する。
【0087】
第1電極120は、複数のノズル100の各々に対して配置され、電気水力学方式で溶液を吐出させるための電圧が印加される。前述の実施例と同様に、第1電極120はノズルチャンバ112の内側面に形成されることができる。また、絶縁層でコーティングされることができる。
【0088】
本実施例では、第1電極120は、第1電圧制御器150から電圧が印加されるか接地されることができる。
【0089】
第1電圧制御器150は、第1電極120に電気水力学方式で溶液を吐出させるための電圧を印加させる。
【0090】
制御部160は、第1電極120を接地させるか、第1電圧制御器150から電圧が印加されるように制御することができる。図9に示すように、制御部160は、第1電極120と第1電圧制御器150との間に形成されたスイッチを制御し、スイッチによって第1電極120と第1電圧制御器150とを電気的に連結させるか、第1電極120が接地連結されるように制御することができる。
【0091】
本実施例では、複数のノズル100のうち選択的に溶液を吐出させるとき、制御部160は、溶液が吐出されるノズル100の第1電極120は第1電圧制御器150と連結させて、電圧が印加されるようにし、溶液が吐出されるノズル100に隣接し、溶液が吐出されないノズル100の第1電極120は接地されるように制御することができる。図9において、制御部160により左側のノズル100の第1電極120は第1電圧制御器150と連結させ、右側のノズル100の第1電極120は接地させ、左側ノズル100でのみ電気水力学方式によって溶液が吐出されるようにする。
【0092】
前述の実施例と比較し、本実施例では接地される第2電極130はない。代わりに、本実施例では、溶液が吐出されるノズル100に隣合う溶液が吐出されないノズル100の第1電極120を接地させて溶液が吐出されるノズル100の間の電界干渉を最小化することができる。
【0093】
このとき、制御部160は、溶液が吐出されるノズル100の隣合うノズル100だけでなく、溶液が吐出されない残りの全てのノズル100の第1電極120が接地されるように制御することもできる。
【0094】
このとき、図9に示すように、隣合うノズル100の第1電極120の間の距離Bは、ノズル100の下端と被印刷物Sとの間の距離Aよりも大きいことが好ましい。この場合、隣合うノズル100の間の電界干渉を最小化することができるので、各ノズル100に対して個別的な制御によって溶液を吐出させることができる。
【0095】
隣合うノズル100の第1電極120の間の距離Bは、製造時に固定された値であるため、本実施例に係るインクジェットプリントヘッドを使用する場合、Bより小さい値の範囲でノズル100の下端と被印刷物Sとの間の距離Aを制御してプリンティングを行うことが好ましい。
【0096】
本発明の権利範囲は、前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲内で様々な形態の実施例で具現することができる。特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば誰でも変形可能な多様な範囲まで本発明の請求範囲の記載の範囲内にあるものとみなす。
【符号の説明】
【0097】
100 ノズル
110 ノズル層
111 溝
112 ノズルチャンバ
114 ノズル孔
115 突出部
116 連通チャンバ
119 遮断部
120 第1電極
130 第2電極
140 離隔層
150 第1電圧制御器
160 制御部
200 接地電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9