(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091570
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】ネックを備える容器用の破断可能なロックキャップ
(51)【国際特許分類】
B65D 51/20 20060101AFI20240627BHJP
B65D 55/02 20060101ALI20240627BHJP
B65D 55/08 20060101ALI20240627BHJP
A61J 1/05 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
B65D51/20
B65D55/02
B65D55/08 100
A61J1/05 315D
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215618
(22)【出願日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】2214266
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】505003193
【氏名又は名称】アー レイモンド エ シー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソフィアン ハマデン
(72)【発明者】
【氏名】ステファニー プレ
【テーマコード(参考)】
3E084
4C047
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB05
3E084BA03
3E084CA01
3E084CC03
3E084CC05
3E084DA01
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3E084DC05
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3E084FA09
3E084FC13
3E084GB07
3E084GB08
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3E084GB21
3E084HA10
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3E084KB01
3E084LA05
3E084LA17
3E084LA18
3E084LB02
3E084LB07
4C047AA05
4C047BB17
4C047BB20
4C047DD04
4C047DD05
4C047DD06
(57)【要約】
【課題】人間工学的で確実かつ反復可能な取り外しを可能にするロックキャップを提供する。
【解決手段】本発明は、ネックを備える容器のためのロックキャップ(100)に関し、上面及び円筒壁によって画定され、上面から円筒壁の自由端まで延びる破断可能なストリップ(35)を含む外側本体(30)と、上面に配置され、破断可能なストリップ(35)に堅固に接続されたカプセル(40)と、外側本体(30)内にロックされ、略円筒形状を有し、隣接する分岐を接続する複数のブリッジと、一端がブリッジに堅固に接続され、別の自由端が上方に向けられた可撓性部材(27)とを備えるケージ(20)であって、可撓性部材(27)がブリッジの脆弱点に隣接する、ケージ(20)と、を含む。キャップ(100)は、ケージ(20)の可撓性部材(27)が外側本体(30)の破断可能なストリップ(35)に堅固に接続されている。
【選択図】
図2b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネックを備える容器(200)のためのロックキャップ(100)であって、前記キャップは、前記容器(200)の前記ネック(201)内でストッパ(10)をブロックするように意図されており、
- 上面(30a)と主軸(z)を中心とする円筒壁(30b)とによって画定される外側本体(30)であって、前記上面(30a)から前記円筒壁(30b)の自由端まで延びる破断可能なストリップ(35)を有する、外側本体(30)と、
- 前記上面(30a)上に配置され、前記破断可能なストリップ(35)に堅固に接続されたカプセル(40)と、
- 前記外側本体(30)内にロックされ、前記キャップ(100)のロック位置において前記容器(200)の前記ネック(201)のカラー(202)を取り囲むように意図されたケージ(20)であって、前記ケージ(20)は、前記ストッパ(10)が前記ケージ(20)内に配置されたときに前記ストッパ(10)が当接することを意図された上部リング(21)と、前記上部リング(21)に接続され、前記上部リング(21)と共に前記ケージ(20)の略円筒形状を画定する複数の分岐(22)と、各々が2つの隣接する分岐(22)を相互接続する複数のブリッジ(25、26)と、一端がブリッジ(25、26)に堅固に接続され、別の自由端が前記上部リング(21)に向かって配向される可撓性部材(27)であって、前記可撓性部材(27)が前記ブリッジ(25、26)の脆弱点(28)に隣接する、可撓性部材(27)と、を備える、ケージ(20)と、を備え、
前記ケージ(20)の前記可撓性部材(27)が、前記外側本体(30)の前記破断可能なストリップ(35)に堅固に接続されていることを特徴とする、ロックキャップ(100)。
【請求項2】
前記脆弱点(28)は、前記可撓性部材(27)を支持する前記ブリッジ(25、26)上に設けられたノッチ又はスロットに対応する、請求項1に記載のロックキャップ(100)。
【請求項3】
- 前記カプセル(40)は、第1の固定領域(F1)において前記破断可能なストリップ(35)に堅固に接続され、
- 前記可撓性部材(27)は、第2の固定領域(F2)において前記破断可能なストリップ(35)に堅固に接続され、
- 前記第1の固定領域(F1)及び/又は前記第2の固定領域(F2)は、互いに堅固に接続されて協働する各要素上に配置された機械的保持手段によって形成される、請求項1~2のいずれか一項に記載のロックキャップ(100)。
【請求項4】
- 前記カプセル(40)は、第1の固定領域(F1)において前記破断可能なストリップ(35)に堅固に接続され、
- 前記可撓性部材(27)は、第2の固定領域(F2)において前記破断可能なストリップ(35)に堅固に接続され、
- 前記第1の固定領域(F1)及び/又は前記第2の固定領域(F2)は、強固に接続される要素の材料間の化学接着を伴う、請求項1~3のいずれか一項に記載のロックキャップ(100)。
【請求項5】
前記機械的保持手段は、フランジ、ショルダ、又はダブテールシステムを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のロックキャップ(100)。
【請求項6】
前記第2の固定領域(F2)は、前記主軸(z)に沿った高さにおいて、前記外側本体(30)の前記上面(30a)と前記外側本体(30)の前記円筒壁(30b)の高さの半分との間に位置する、請求項3~5のいずれか一項に記載のロックキャップ(100)。
【請求項7】
- 前記外側本体(30)が第1の材料及び第2の材料から作られ、前記第1の材料が前記破断可能なストリップ(35)を形成し、前記第2の材料が前記外側本体(30)の残りの部分を形成し、
- 前記カプセル(40)は、前記第1の材料から製造される、請求項1~6のいずれか一項に記載のロックキャップ(100)。
【請求項8】
前記カプセル(40)は、ポリプロピレンから形成される、請求項1~7のいずれか1項に記載のロックキャップ(100)。
【請求項9】
前記外側本体(30)は、ポリプロピレン及びポリブチレンテレフタレートの中から選択される1つ以上の材料から形成される、請求項1~8のいずれか一項に記載のロックキャップ(100)。
【請求項10】
前記ケージ(20)は、ポリカーボネートから形成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のロックキャップ(100)。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のロックキャップ(100)を製造するための方法であって、
- 前記カプセル(40)及び前記外側本体(30)、並びに
- 前記外側本体(30)及び前記ケージ(20)
を共に成形し及び結合するための少なくとも1つのオーバーモールドステップを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネックを備える容器のためのキャップであって、当該容器のネックにおいてストッパをブロックするように意図されたキャップに関する。本発明は、特に、製品を抽出又は再構成するためにキャップ、次いでストッパを完全に取り外す必要がある、例えば医薬品用のボトルに適したロックキャップに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許第2814752号が知られており、これは、ネックを含む容器にストッパをロックするための完全に取り外し可能な装置を提案している。この装置は、ストッパを覆い、容器のネックの上部カラーを取り囲むように成形された外側リングを備える。それはまた、外側リング内に堅固に接続されることが可能であり、容器に取り付けられるために上記のカラーの下を支えるように意図された下側内部ノッチが設けられた環状内側リングを備える。このようなキャップは、ストッパを容器のネック内にロックし、したがって容器を密封状態に保つことを可能にする。
【0003】
これらのロック装置は、通常、医薬品をボトルなどの容器に保管するために使用される。いくつかの製品は、ロック装置の上部の保護カプセル(capsule de protection)を除去した後、エラストマーストッパを通して挿入されるシリンジを使用して引き出される。他の製品では、ボトルから取り出すか又は再構成するために、ボトルを完全に開ける必要がある。
【0004】
この最後のシナリオに対処するために、上述の文献は、ロック装置の外側リングの領域に脆弱領域を提供しており、この脆弱領域は、当該リングが開かれてボトルのカラーに対して引き抜かれることを可能にするために破断されることが可能である。内側リングには、変形可能かつ破断可能なブリッジが設けられており、このブリッジは、当該リングを引き抜くことができるように破断することができ、したがって、ストッパにアクセスすることができ、ストッパを容器のネックから引き抜くことができる。
【0005】
この解決策の欠点は、開口の再現性及び人間工学の欠如に起因し、変形可能かつ破断可能なブリッジが破断するまで内側リングを繰り返し引っ張ることが困難であることに関連している。
【0006】
欧州特許第3763635号は、破断可能な部分を有する外側本体と、外側本体内に軸方向に係合してロックするように構成され、キャップのロック位置において容器のネックのカラーを取り囲むようにも適合されたケージとを備えるロックキャップを実装することによって、この問題に少なくとも部分的に対処している。ケージは、破断可能領域と、当該破断可能領域に隣接する可撓性開口タブとを備える。タブに張力を加えることにより、破断可能領域において再現可能に破断を生じさせることができる。
【0007】
しかしながら、特に手袋を着用している場合(ボトルに収容された製品を使用するためにボトルの開口を行う作業者にとって典型的な場合である)、薄い開口タブを把持して保持することが困難な場合がある。したがって、医薬品用のボトルのロックキャップの完全な開口の人間工学を単純化し、改善する必要がある。
【0008】
発明の目的
本発明は、従来技術の欠点の全て又はいくつかを改善することを目的とする解決策を提案する。本発明は、エラストマーストッパの抜き取り及び容器の内容物へのアクセスを可能にするように、上記のキャップの人間工学的で確実かつ反復可能な取り外しを可能にするロックキャップに関する。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、ネックを備えた容器のためのロックキャップであって、容器のネック内でストッパをブロックするように意図されたロックキャップに関する。
- 上面と主軸を中心とする円筒壁によって画定される外側本体であって、上面から円筒壁の自由端まで延びる破断可能なストリップを有する、外側本体と、
- 上面に配置され、破断可能なストリップに堅固に接続されたカプセルと、
- 外側本体内にロックされ、キャップのロック位置において容器のネックのカラーを取り囲むように意図されたケージであって、ケージは、ストッパがケージ内に配置されたときにストッパが当接することを意図された上部リングと、上部リングに接続され、上部リングと共にケージの略円筒形状を画定する複数の分岐(branch)と、各々が2つの隣接する分岐を相互接続する複数のブリッジと、一端がブリッジに堅固に接続され、他端が上部リングに向かって配向された可撓性部材であって、ブリッジの脆弱点に隣接する可撓性部材とを備える、ケージと、を含む。
【0010】
ロックキャップは、ケージの可撓性部材が外側本体の破断可能なストリップに堅固に接続される点で注目に値する。
【0011】
【0012】
本発明はまた、上記のようなロックキャップを製造するための方法に関し、この方法は:
- カプセル及び外側本体と、
- 外側本体及びケージとを成形し堅固に接続するための少なくとも1つのオーバーモールドステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図を参照した本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【
図1a】中間保持位置にある、本発明によるロックキャップ及びネック内に部分的に押し込まれたストッパを有するネックを備える容器の断面図を示す。
【
図1b】ロック位置にある、本発明によるロックキャップ及びネック内に押し込まれたストッパを有するネックを備える容器の断面図を示す。
【
図2a】本発明によるロックキャップの要素の「分解」図を示す。
【
図2b】堅固に接続された要素(カプセル、外側本体及びケージ)を有する本発明によるロックキャップの断面図を示す。
【
図3a】本発明によるロックキャップのケージの斜視図を示す。
【
図3b】本発明によるロックキャップのケージの斜視図を示す。
【
図4a】本発明によるロックキャップとロックされた容器との分離プロセスのステップを示す。
【
図4b】本発明によるロックキャップとロックされた容器との分離プロセスのステップを示す。
【
図4c】本発明によるロックキャップとロックされた容器との分離プロセスのステップを示す。
【
図4d】本発明によるロックキャップとロックされた容器との分離プロセスのステップを示す。
【
図4e】本発明によるロックキャップとロックされた容器との分離プロセスのステップを示す。
【0014】
図中の同じ参照番号は、同じタイプの要素に対して使用され得る。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、ネックを備える容器200のためのロックキャップ100であって、当該容器200のネック201内でストッパ10をブロックするように意図されたロックキャップ100に関する。容器200は、特に、円形開口を有するネック201を備えるボトルの形態をとることができ、円形開口は、ネック201の外周に対してフレア状であるカラー202で終端する(
図1a)。医薬用途の分野では、容器200のネック201の内径に関して規格があり、13mm及び20mmがこの例である。
【0016】
ストッパ10は、円形断面と、ヘッド11及び足部12を有するT字形とを有し、ヘッド11は、足部12よりも大きい直径を有する。したがって、ストッパ10の足部12がネック201内に完全に押し込まれると、ヘッド11はカラー202に対してブロックされる。
【0017】
ボトルの内容物が凍結乾燥されることが意図される場合、ストッパ10は、ストッパ10の足部12がネック201内に完全に押し込まれない限り、蒸発流の通過を可能にする開口をその足部12に有することに留意されたい。
【0018】
ロックキャップ100は、ストッパ10に接続されると、容器200上で2つの位置をとることができる。第1の位置は、中間保持位置と呼ばれ、ストッパ10がネック201内に部分的に押し込まれる(
図1a)。ストッパ10が部分的に押し込まれることにより、蒸発流が当該ストッパの足部12に形成された開口を通過することが可能になるので、容器200が凍結乾燥ステップを受けることができるのはこの位置である。
【0019】
ストッパ10に関連付けられたキャップ100はまた、ロック位置と呼ばれる第2の位置をとることができ、ストッパ10は、キャップ100によってネック201内に完全に押し込まれてロックされる(
図1b)。この位置では、ストッパ10は容器200を密閉し、足部12は容器200のネック201によって完全に取り囲まれている。
【0020】
ロックキャップ100は、カプセル40と、外側本体30と、ケージ20とを備える(
図2a、
図2b)。外側本体30は、ケージ20を完全に取り囲むように構成され、キャップ100がストッパ10を容器200にロックするときに、外側から当該ケージ20へのいかなるアクセスも防止する。
【0021】
外側本体30は、略円筒形状を有する。それは、上面30aと、主軸zを中心とする円筒壁30bとによって画定される。円筒壁30bの自由端は、キャップ100を容器200のネック上に位置決めする前にケージ20及びストッパ10を収容するように適合された開口を画定する。
【0022】
外側本体30は、
図4b及び
図4cに見ることができる破断可能なストリップ35を有する。破断可能なストリップ35は、上面30aから円筒壁30bの自由端まで延びている。それは、例えば、円筒壁30bの一部に続く、上面30aの半径方向部分からなってもよく、当該部分は、外側本体30の厚さが低減される二重溝によって画定される。
【0023】
カプセル40(
図2a)は、外側本体30の上面30a上に配置され、第1の固定領域F1(
図1a、
図1b、
図2b)において破断可能なストリップ35に強固に接続される。
【0024】
この取り付けを実行するために、堅固に接続される要素、すなわちカプセル40及び外側本体30は、協働して第1の固定領域F1を形成することができる機械的保持手段を備えることができる。機械的保持手段は、特に、フランジ又はショルダ、ダブテールシステムなどからなってもよい(
図2b)。例えば、カプセル40は、外側本体30の上面30a上に、特に破断可能なストリップ35に属する部分に存在するオリフィスを通過するように意図されたほぞ(tenon)を備えることができる。カプセル40及び外側本体30は、熱積層によって互いに取り付けることができる。また、オーバーモールド技術によってカプセル40及び外側本体30を形成することによっても得ることができる。
【0025】
第1の固定領域F1は、堅固に接続される要素の材料間の化学的接着を含んでもよい。例えば、カプセル40及び外側本体30は、オーバーモールド技術によって、同じ又は異なるプラスチック材料から形成され得るが、互いに接着することができる。
【0026】
カプセル40と外側本体30とを堅固に接続するためのこれらの2つの選択肢(機械的及び化学的)は、もちろん、第1の固定領域F1を形成するために一緒に実装されてもよい。
【0027】
ロックキャップ100のケージ20は、上部リング21と、上部リング21に接続され、上部リング21と共にケージ20の略円筒形状を画定する複数の分岐22とを備え、その中心軸は主軸z(
図3a、
図3b)である。ケージ20が外側本体30内にロックされると、上部リング21が上面30aの内面に押し付けられる。ストッパ10は、
図1a及び
図1bに見られるように、上部リング21の他方の側に当接する(appui contre)ように意図されている。本体30内のケージ20のロックは、例えば、本体30の内壁に設けられた相補的な溝301内の突起221の協働によって行われる(
図2a、
図2b)。
【0028】
ケージ20はまた、複数のブリッジ25、26を備え、各ブリッジは、2つの隣接する分岐22を相互接続する。
図3a及び
図3bに示される例では、ケージは、6つの分岐22及び6つのブリッジ25を備えるが、当然ながら、異なる数が実装され得る。
【0029】
2つのタイプのブリッジ25、26がケージ20の周囲に優先的に存在することに留意されたい。第1のブリッジ25は、上部リング21と分岐22の端との間の中間高さに配置されるか、又は中間高さに達する。第2のブリッジ26は、隣接する分岐22の端を接続し、前述の中間高度よりも低い高度に位置付けられるか、又はそれに達する(
図3a、
図3b)。好ましくは、ケージ20の周囲に第1及び第2のブリッジ(25、26)が交互に配置される。有利には、第1のブリッジ25は、ケージ20の周囲の20%~40%、例えば30%を占める。第2のブリッジ26は、外周の40%~70%、例えば60%を占める。100%に達する残りの周囲は、分岐22によって占められる。
【0030】
凍結乾燥ステップを実装するのに特に適した一実施形態によれば、各第1のブリッジ25は、キャップ100がその中間保持位置(
図3b)にあるときに、それ自体とカラー202との間に開放空間251を提供するように設計される。したがって、ケージ20は、ケージ20の周囲にわたって分布される開放空間251を有し、凍結乾燥ステップ中に蒸発流が効率的に排出されることを可能にする。
【0031】
あるいは、第1のブリッジ25は、開放空間251なしで設けられてもよく(したがって、分岐22の自由端まで中実である)、又はガス流を排出するために使用されないが、例えば機械的理由若しくは部品の設計に関連する理由のため、若しくは把持のために有用である、はるかに制限された空間が設けられてもよい。
【0032】
好ましくは、ケージ20は、それぞれが第1のブリッジ25によって支持されている複数の第1のタブ23を備える。各第1のタブ23は可撓性であり、上部リング21の方向に20°~60°、有利には約45°の角度でケージ20の内側に向かって分岐22に対して傾斜している。これらの第1のタブ23は、ストッパ10がキャップ100に接続されるときに、上部リング21に対してケージ20の内側でストッパ10をブロックするように意図されている。第1のタブ23は、ストッパ10がケージ20内に導入されるときにストッパ10のヘッド11が通過することを可能にするように屈曲し、ストッパ10が当該ケージ20から引き抜かれることを防止するためにヘッド11の下でブロックされるようになる。
【0033】
これらの第1のタブ23により、ストッパ10はキャップ100に固定されたままであり、ストッパ10及びキャップ100は、特にキャップ100が容器200上のその中間保持位置にあるときに、偶発的に分離することができない。
【0034】
ケージ20は、有利には、複数の第2のタブ24を備え、それぞれが第2のブリッジ26によって支持されている。各第2のタブ24は可撓性であり、上部リング21の方向に20°~60°、有利には約30°の角度でケージ20の内側に向かって分岐22に対して傾斜している。これらの第2のタブ24は、キャップ100が中間保持位置(
図1a)にあるときに、カラー202の上方に留まるか、わずかに持ち上げられるか、又はそれと接触するように意図されている。この中間保持位置において、第2のブリッジ26及び分岐22は、カラー202を少なくとも部分的に取り囲むように意図されている。この構成は、ストッパ10/キャップ100アセンブリが、潜在的な凍結乾燥ステップ中に、より安定して確実に機械的に保持されることを可能にする。
【0035】
更に、第2のタブ24は、キャップ100がロック位置にあるとき(
図1b)、容器200のネック201のカラー202の下に当接するように意図されている。実際、ロック位置に移動するとき、ストッパ10/キャップ100アセンブリは、容器200のネック201の中/周りに下降して、ストッパ10のヘッド11がカラー202上に載るまで、ストッパ10の足部12をネック201の中に完全に押し込む。押し込まれている間、第2のタブ24は撓み、脇に移動してカラー202を通過させ、当該カラーの下でブロックされるようになり、したがってストッパ10を容器200上にロックする。ロック位置において、第1のタブ23は、カラー202の周縁に当接しているので、脇に移動することに留意されたい。したがって、それらはストッパ10のヘッド11の下に留まらず、ヘッドをカラー202に当接させる。次いで、第1のブリッジ25は、カラー202の周縁を取り囲む。
【0036】
ケージ20は、少なくとも1つの可撓性部材27を備え、可撓性部材27の一端は、ブリッジ25、26に堅く接続され、可撓性部材27の別の自由端は、上部リング21の方に向けられる。可撓性部材27は、ケージ20の外側に向かって撓むことができる。図示の例では、第2のブリッジ26に堅固に接続されているが、この構成は限定的なものではない。可撓性部材27が第1のブリッジ25によって支持されることは十分に可能である。
【0037】
可撓性部材27は更に、当該部材27を支持するブリッジ25、26に設けられた脆弱点28に隣接している。脆弱点28は、上記のブリッジ25、26上に配置されたノッチ(
図3a)又は部分的若しくは全体的なスロット(
図3b)に対応し得る。この脆弱点28は、特に可撓性部材27を介してブリッジ25、26に力が加えられたときに好ましい破断点を構成する。
【0038】
本発明によれば、ケージ20の可撓性部材27は、第2の固定領域F2(
図2b)において外側本体30の破断可能なストリップ35に堅固に接続される。
【0039】
この取り付けを実行するために、堅固に接続される要素、すなわち可撓性部材27及び外側本体30は、協働して第2の固定領域F2を形成することができる機械的保持手段を備えることができる。例えば、機械的保持手段は、フランジ、ショルダ271(外側本体30内の相補的凹部と協働するように可撓性部材27上に配置される)、又はオーバーモールド技法によって可撓性部材27及び外側本体30を形成することによって得られるダブテールシステムから成ってもよい。
【0040】
第1の固定領域F1に関して述べたように、第2の固定領域F2は、堅固に接続される要素の材料間の化学接着を含んでもよい。例えば、可撓性部材27及び外側本体30は、オーバーモールド技術によって、同じ又は異なるプラスチック材料から形成され得るが、互いに接着することができる。
【0041】
可撓性部材27と外側本体30とを堅固に接続するためのこれらの2つの選択肢(機械的及び化学的)は、もちろん、第2の固定領域F2を形成するために一緒に実装されてもよい。
【0042】
有利には、第2の固定領域F2は、主軸zに沿った高さにおいて、外側本体30の上面30aと外側本体30の円筒壁30bの高さの半分との間に位置し、これは、ロックキャップ100を完全に取り外すプロセス中のレバーアームの利点につながる。もちろん、第2の固定領域F2は、代替的に、可撓性部材27を支持するブリッジ25、26と上部リング21との間の任意の高さに位置してもよい。
【0043】
本発明によるロックキャップ100は、完全に取り外し可能であり、したがって、容器200を完全に開口するためにストッパ10を引き抜くことができる。
【0044】
実際には、誰かが容器200の内容物にアクセスしようとするとき、カプセル40の縁を持ち上げてそれを把持し、引き裂き力を加える。有利には、特に
図2b及び
図4aに示されるように、局所的な把持領域43は、キャップ100の周辺部分におけるカプセル40及び本体30の相互形状によって画定される。この力はカプセル40から破断可能なストリップ35に伝達され、これら2つの要素は堅固に接続されている(
図4b)。引き裂き力が十分である場合、引き裂き力は、破断可能なストリップ35の全範囲にわたって、破断可能なストリップ35と外側本体30の残りの部分との間に(例えば、厚さが減少した二重溝において)破断を引き起こす(
図4c)。次に、外側本体30が開かれ、破断可能なストリップ35が当該本体30の残りの部分から完全に分離される。したがって、本体30の残りの部分は、ロックキャップ100(カプセル40、破断可能なストリップ35及びケージ20)及び容器200の他の要素から容易に分離することができる。
【0045】
有利には、ヒンジ又は可撓性ヒンジ領域32は、本体30の円筒壁30bにおいて、破断可能なストリップ35に対応する円筒壁部分30bの正反対の領域に配置することができる。これは、外側本体30の2つの部分への分離、したがって容器200からの外側本体30の分離を容易にする。
【0046】
カプセル40及び破断可能なストリップ35は、第2の固定点F2においてケージ20の可撓性部材27に堅固に接続されたままである(
図4d)。ケージ20の外側に向けられたカプセル40-可撓性部材27への力の印加を続けると、可撓性部材27を支持するブリッジ25、26の脆弱点28において引裂き応力が伝達される。脆弱点28がノッチ又は部分的なスロットである場合、加えられた力は、当該ノッチ又は部分的なスロットの延長部においてブリッジ25、26の破断28’を引き起こし、破断したブリッジ26’をケージ20の外側に向かって変形させる。脆弱点28が完全なスロットである場合、加えられる力は、ブリッジ26’の変形及びケージ20の外側に向かうその分離を引き起こす。
【0047】
全ての場合において、ケージ20は、次いで、容器200のネック201から容易に取り外され得、ストッパ10への自由なアクセスを残し(
図4e)、ストッパ10は、次に、医薬品にアクセスするために取り外され得る。
【0048】
本発明によるロックキャップ100の特徴により、ストッパ10が医薬品にアクセスするために開かれるときに、ロックキャップ100を容器200から取り外すことが容易である。カプセル40の把持は単純かつ人間工学的であり、このカプセル40が外側本体30の破断可能なストリップ35だけでなくケージ20の可撓性部材27にも堅固に接続されているという事実は、本体30とケージ20との連続的な分離を容易にする。カプセル40、場合によってはカプセル40及び破断可能なストリップ35の把持は、把持面が分離された可撓性部材27と比較して比較的大きいので、手袋を着用している操作者にとって実用的であり、非常に適している。力の印加及びその再現性は、これらの把持人間工学によって容易になる。
【0049】
本発明によるキャップ100を形成する様々な要素(ケージ20、外側本体30、カプセル40)は、対象となる医療用途及び他の滅菌制約に適合するプラスチック材料を成形することによって優先的に作製される。
【0050】
上述したように、これらの3つの要素は、有利には、それらを成形し、第1の固定領域F1及び第2の固定領域F2において互いに直接強固に接続するために、1つ又は複数のオーバーモールドステップ中に製造することができる。例として、カプセル40を外側本体30上にオーバーモールドすることができ、次いで、本体30-カプセル40アセンブリをケージ20上にオーバーモールドすることができる。もちろん、オーバーモールドステップは、従来技術から知られている任意の方法によって、別の順序で実行することもできる。
【0051】
ケージ20、外側本体30、及びカプセル40は、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、又はポリブチレンテレフタレート(PBT)などの材料で作製されてもよい。有利には、カプセル40は、把持をより容易にするために、ポリプロピレン(PP)などの可撓性プラスチック材料から形成されてもよい。2つの異なる材料、すなわち、破断可能なストリップ35を形成するための第1の材料であって、カプセル40を形成するために選択することもできる第1の材料と、外側本体30の残りの部分を形成するための、任意選択でより剛性である第2の材料とから外側本体30を開発するように選択することも可能である。一例として、第1の材料はポリプロピレンであってもよく、第2の材料はポリブチレンテレフタレートであってもよい。
【0052】
当然ながら、本発明は、説明された実施形態に限定されず、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、変形実施形態をそれに追加することができる。