IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ローレルバンクマシン株式会社の特許一覧 ▶ ローレル機械株式会社の特許一覧 ▶ ローレル精機株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091574
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】棒金収納装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 9/00 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
G07D9/00 481Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023215709
(22)【出願日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】P 2022205318
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱田 卓郎
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA08
3E141BA06
3E141GA06
3E141GB03
3E141JA20
3E141KA05
3E141LA10
3E141LA44
3E141LA61
3E141LA70
(57)【要約】
【課題】棒金が棒金収納装置に乱雑に配置されることを抑制する。
【解決手段】棒金収納装置は、棒金RCを収納するための複数の収納部SPが設けられた棒金収納庫120と、複数の収納部SPの中から、棒金RCを収納する作業又は棒金RCを取り出す作業である特定作業の対象とすべき対象収納部SPtを特定する特定部412と、特定作業が行われる場合に、特定作業が対象収納部SPtに対して行われたか否かを判定する判定部414と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒金を収納するための複数の収納部が設けられた収納庫と、
前記複数の収納部の中から、棒金を収納する作業又は棒金を取り出す作業である特定作業の対象とすべき対象収納部を特定する特定部と、
前記特定作業が行われる場合に、前記特定作業が前記対象収納部に対して行われたか否かを判定する判定部と、
を備える棒金収納装置。
【請求項2】
前記特定作業の対象となる棒金の金種及び本数を示す作業情報を受け付ける受付部をさらに有し、
前記特定部は、前記作業情報に基づいて、前記対象収納部を特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の棒金収納装置。
【請求項3】
前記収納庫は、
前記棒金収納装置の筐体から第1方向に引き出し可能であり、
前記棒金収納装置が収納可能な複数の金種に対応する複数の区画に区分され、
前記複数の収納部は、
2以上の収納部が前記第1方向に沿って配列される複数の収納列を構成し、
前記複数の区画の各々には、
前記複数の収納列のうちの少なくとも1つの収納列が配置され、
前記特定部は、
前記特定作業の対象となる棒金の金種に対応する区画に配置された全ての収納部のうち、前記第1方向の反対方向の収納部から順に棒金が収納され、前記第1方向の収納部から順に棒金が取り出されるように、前記対象収納部を特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の棒金収納装置。
【請求項4】
案内部をさらに有し、
前記収納庫は、
前記棒金収納装置が収納可能な複数の金種に対応する複数の区画に区分され、
前記複数の区画の各々には、
前記複数の収納部のうちの2以上の収納部が配置され、
前記案内部は、
前記複数の区画のうち、前記対象収納部が配置された区画を案内する、
ことを特徴とする請求項1に記載の棒金収納装置。
【請求項5】
前記対象収納部を案内する案内部をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の棒金収納装置。
【請求項6】
前記棒金収納装置の状態を、前記特定作業の実施が制限される第1状態、及び、前記特定作業の実施の制限が解除される第2状態を含む複数の状態のうちのいずれかに設定する状態設定部をさらに有し、
前記状態設定部は、
前記特定作業が開始される場合、前記棒金収納装置の状態を前記第2状態に設定し、
前記特定作業が開始された後、前記判定部の判定結果が肯定である場合、前記棒金収納装置の状態を前記第2状態から前記第1状態に遷移させ、
前記特定作業が開始された後、前記判定部の判定結果が否定である場合、前記棒金収納装置の状態を前記第2状態に維持する、
ことを特徴とする請求項1に記載の棒金収納装置。
【請求項7】
前記収納庫は、
前記棒金収納装置の筐体から所定方向に引き出し可能であり、
前記第1状態は、
前記筐体に収納された前記収納庫が前記筐体から引き出されないように前記筐体に固定される状態であり、
前記第2状態は、
前記収納庫が前記所定方向に沿って移動可能な状態で前記筐体に保持される状態である、
ことを特徴とする請求項6に記載の棒金収納装置。
【請求項8】
前記収納庫に収納されている棒金の配置状態を表示装置に表示させる表示制御部をさらに有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の棒金収納装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、
前記配置状態とともに、前記対象収納部を示す情報を前記表示装置に表示させる、
ことを特徴とする請求項8に記載の棒金収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒金収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
棒金を収納する複数の収納部を有する棒金収納装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-192080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の棒金収納装置では、棒金収納装置への棒金の収納、又は、棒金収納装置からの棒金の取り出しを行うオペレータによっては、棒金収納装置に収納された棒金の配置が乱雑になる場合がある。このため、棒金が棒金収納装置に乱雑に配置されることを抑制することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の好適な態様に係る棒金収納装置は、棒金を収納するための複数の収納部が設けられた収納庫と、前記複数の収納部の中から、棒金を収納する作業又は棒金を取り出す作業である特定作業の対象とすべき対象収納部を特定する特定部と、前記特定作業が行われる場合に、前記特定作業が前記対象収納部に対して行われたか否かを判定する判定部と、を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、棒金が棒金収納装置に乱雑に配置されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る棒金収納装置の概要を説明するための説明図である。
図2図1に示した棒金収納装置の一例を説明するための説明図である。
図3図2に示した棒金収納庫の平面図である。
図4図2に示した棒金収納庫の断面図である。
図5図1に示した制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図6図5に示した特定部の動作の概要を説明するための説明図である。
図7図1に示した制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図8図1に示した制御装置の動作の別の例を示すフローチャートである。
図9】操作画面の一例を説明するための説明図である。
図10】操作画面の別の例を説明するための説明図である。
図11】操作画面の別の例を説明するための説明図である。
図12】操作画面の別の例を説明するための説明図である。
図13】操作画面の別の例を説明するための説明図である。
図14】操作画面の別の例を説明するための説明図である。
図15】操作画面の別の例を説明するための説明図である。
図16】操作画面の別の例を説明するための説明図である。
図17】操作画面の別の例を説明するための説明図である。
図18】操作画面の別の例を説明するための説明図である。
図19】操作画面の別の例を説明するための説明図である。
図20】第1変形例に係る操作画面の一例を説明するための説明図である。
図21】第2変形例に係る操作画面の一例を説明するための説明図である。
図22】第2変形例に係る操作画面の別の例を説明するための説明図である。
図23】第3変形例に係る棒金収納庫の概要を説明するための説明図である。
図24】第4変形例に係る棒金収納庫の概要を説明するための説明図である。
図25】第5変形例に係る棒金収納庫の概要を説明するための説明図である。
図26】第11変形例に係る棒金収納庫の一例を説明するための説明図である。
図27】第11変形例に係る棒金収納庫の別の例を説明するための説明図である。
図28】第11変形例に係る棒金収納庫の別の例を説明するための説明図である。
図29】第11変形例に係る棒金収納庫の別の例を説明するための説明図である。
図30】第11変形例に係る棒金収納庫の別の例を説明するための説明図である。
図31】第11変形例に係る操作画面の一例を説明するための説明図である。
図32】第12変形例に係る棒金収納庫の概要を説明するための説明図である。
図33】第13変形例に係る棒金収納装置の概要を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0009】
[1.実施形態]
先ず、図1を参照しながら、実施形態に係る棒金処理装置100の概要の一例について説明する。
【0010】
図1は、実施形態に係る棒金処理装置100の概要を説明するための説明図である。なお、図1では、棒金処理装置100を含む現金管理装置10の斜視図が示されている。現金管理装置10は、紙幣及び硬貨を含む貨幣を管理する装置である。現金管理装置10としては、例えば、紙幣硬貨入出金機等が該当する。なお、現金管理装置10は、紙幣硬貨入出金機に限定されない。例えば、現金管理装置10は、釣銭機であってもよい。
【0011】
なお、以下では、説明の便宜上、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を有する3軸の直交座標系を導入する。また、以下では、図1に示すように、X軸に沿う一方向はX1方向とも称され、X1方向の反対方向はX2方向とも称される。同様に、Y軸に沿う一方向はY1方向とも称され、Y1方向の反対方向はY2方向とも称される。Z軸に沿う一方向はZ1方向とも称され、Z1方向の反対方向はZ2方向とも称される。Y2方向は、「第1方向」及び「所定方向」の一例である。以下では、X1方向及びX2方向を特に区別することなく、X方向と称し、Y1方向及びY2方向を、特に区別することなく、Y方向と称する場合がある。また、Z1方向及びZ2方向を、特に区別することなく、Z方向と称する場合がある。
【0012】
また、以下では、Z軸に垂直な平面は、X-Y平面とも称され、Y軸に垂直な平面は、X-Z平面とも称される。例えば、本実施形態では、X-Y平面に平行な面に現金管理装置10が設置される場合を想定する。以下では、Z1方向を上方向又は上側と称し、Z2方向を下方向又は下側と称し、Z方向を上下方向と称する場合がある。また、Y1方向を奥側と称し、Y2方向を手前側と称する場合がる。また、以下では、特定の方向から対象物をみることを、平面視と称する場合がある。
【0013】
現金管理装置10は、例えば、棒金処理装置100、硬貨処理装置200、紙幣処理装置300、制御装置400及び操作表示装置700を有する。
【0014】
棒金処理装置100は、棒金RC(後述する図2参照)を管理するための装置である。棒金RCは、例えば、単一金種の規定枚数(例えば、50枚)の硬貨が集積され、樹脂フィルム又は紙等の包装シートで棒状(略円柱状)に包装されたものである。棒金処理装置100は、棒金RCを収納する棒金収納庫120等を有する。棒金収納庫120は、「収納庫」の一例である。なお、棒金処理装置100の詳細については、図2以降において説明される。
【0015】
硬貨処理装置200は、硬貨を管理するための装置である。例えば、硬貨処理装置200は、硬貨を入金するための硬貨入金口240と、硬貨入金口240から入金された硬貨を保管するための硬貨収納庫(図示せず)と、硬貨収納庫に保管された硬貨を出金するための硬貨出金口260とを有する。
【0016】
紙幣処理装置300は、紙幣を管理するための装置である。例えば、紙幣処理装置300は、紙幣入出金口340と、紙幣入出金口340から入金された紙幣を保管するための紙幣収納庫(図示せず)と、紙幣入金リジェクト口360と、紙幣出金リジェクト庫380とを有する。なお、紙幣収納庫に保管された紙幣は、紙幣入出金口340から出金される。また、紙幣入金リジェクト口360は、入金処理において受け入れ不可と識別された紙幣の返却口である。また、紙幣出金リジェクト庫380には、出金処理において異常と判別された紙幣が保管される。
【0017】
制御装置400は、現金管理装置10の各部を制御するためのハードウェアである。なお、本実施形態では、制御装置が、現金管理装置10の筐体12に収納される制御基板により実現される場合を想定する。このため、図1では、説明の便宜上、制御装置400を破線の矩形で示している。但し、制御装置400は、現金管理装置10の筐体12の外部に配置される端末装置であってもよい。また、本実施形態では、棒金処理装置100の各部も制御装置400により制御される場合を想定する。なお、棒金処理装置100及び制御装置400(より詳細には、後述する図5に示す処理装置410)を含むシステムは、「棒金収納装置」の一例である。操作表示装置700は、表示装置500及び入力装置600が一対となったハードウェア(例えば、タッチパネル等)である。表示装置500は、各種情報を表示するためのハードウェアである。入力装置600は、現金管理装置10のオペレータからの入力を受け付けるためのハードウェアである。なお、現金管理装置10のオペレータは、棒金処理装置100のオペレータを含む。また、表示装置500及び入力装置600は、互いに別体で構成されてもよい。
【0018】
ここで、棒金収納庫120、硬貨収納庫及び紙幣収納庫は、例えば、現金管理装置10の筐体12に収納される。また、棒金収納庫120、硬貨収納庫及び紙幣収納庫は、筐体12からY2方向に引き出し可能である。なお、図1では、棒金処理装置100の筐体と、硬貨処理装置200の筐体と、紙幣処理装置300の筐体とが一体に形成された筐体12が例示されているが、筐体12の構成は、図1に示す例に限定されない。例えば、筐体12として、棒金処理装置100の筐体と、硬貨処理装置200の筐体と、紙幣処理装置300の筐体とが個別に設けられてもよい。筐体12(より詳細には、筐体12のうち、棒金収納庫120を収納する部分)は、「棒金収納装置の筐体」の一例である。
【0019】
次に、図2から図4を参照しながら、棒金処理装置100の構成の一例について説明する。
【0020】
図2は、図1に示した棒金処理装置100の一例を説明するための説明図である。なお、図2では、棒金収納庫120が筐体12からY2方向に引き出された状態の現金管理装置10が示されている。
【0021】
図2では、棒金RCの金種を区別するために、棒金RCの符号の末尾に小文字のアルファベット(a、b、c、d、e又はf)が付されている。例えば、棒金RCaは1円の棒金RCを示し、棒金RCbは5円の棒金RCを示し、棒金RCcは10円の棒金RCを示している。また、棒金RCdは50円の棒金RCを示し、棒金RCeは100円の棒金RCを示し、棒金RCfは500円の棒金RCを示している。
【0022】
棒金収納庫120は、例えば、複数の棒金RCを立位状態で収納するための底部122と、底部122の手前側(Y2方向)に設けられた壁部124と、底部122の奥側(Y1方向)に設けられた壁部126と、複数のセンサ基板128とを有する。棒金RCを立位状態で収納するとは、例えば、棒金RCの延在方向が上下方向(Z方向)となるように、棒金RCを収納することである。
【0023】
底部122は、Y方向において壁部124及び126の間に位置し、壁部124及び126に固定される。また、底部122には、棒金RCを立位状態で収納するための複数の収納部SP(後述する図3参照)が設けられている。本実施形態では、棒金収納庫120が引き出される方向であるY2方向に沿って同じ金種の棒金RCが配置されるように、棒金RCが収納部SPに収納される。これにより、本実施形態では、各金種の棒金RCを棒金収納庫120の手前側から順に容易に取り出すことができる。また、本実施形態では、各金種の棒金RCを棒金収納庫120の奥側から順に容易に収納することができる。
【0024】
図2に示す例では、Y方向に沿って配置される1円の棒金RCaの列は、3列分確保され、Y方向に沿って配置される5円の棒金RCbの列は、1列分確保されている。同様に、Y方向に沿って配置される10円の棒金RCcの列は、3列分確保され、Y方向に沿って配置される50円の棒金RCdの列は、1列分確保されている。そして、Y方向に沿って配置される100円の棒金RCeの列は、3列分確保され、Y方向に沿って配置される500円の棒金RCfの列は、1列分確保されている。
【0025】
本実施形態では、棒金RCが立位状態で棒金収納庫120に収納されるため、棒金RCの上面に見える硬貨の表面又は裏面の図柄により、棒金RCの金種をオペレータが容易に把握することができる。なお、棒金RCの上面は、例えば、棒金収納庫120に立位状態で収納された棒金RCをZ1方向から見た場合に把握される面である。
【0026】
次に、図3を参照しながら、収納部SPの配置の一例について説明する。
【0027】
図3は、図2に示した棒金収納庫120の平面図である。なお、図3では、棒金収納庫120をZ1方向から平面視した場合の棒金収納庫120の平面図が示されている。
【0028】
複数の収納部SPの各々は、例えば、底部122の上面UF1に設けられた凹部Hを含む。棒金RCは、立位状態で凹部Hに挿入されることにより、立位状態で保持される。例えば、凹部Hの開口は、Z1方向から平面視した場合、円として把握される。
【0029】
本実施形態では、複数の収納部SPがX方向及びY方向に沿ってマトリックス状に配列される場合を想定している。例えば、複数の収納部SPは、2以上の収納部SPがY方向に沿って配列された複数の収納列SLを構成する。図3では、複数の収納列SLを互いに区別するために、収納列SLの符号の末尾に小文字のアルファベット(a、b、c、d、e、f、g、h、i、j、k又はl)が付されている。例えば、X方向に沿って配置された複数の収納列SLのうち、収納列SLaは、他の収納列SLよりもX2方向に位置し、収納列SLlは、他の収納列SLよりもX1方向に位置する。
【0030】
棒金収納庫120は、棒金処理装置100が収納可能な複数の金種に対応する複数の区画CPに区分される。本実施形態では、棒金処理装置100が1円、5円、10円、50円、100円及び500円の6金種の棒金RCを収納可能である場合を想定する。従って、本実施形態では、棒金収納庫120は、区画CP1、CP2、CP3、CP4、CP5及びCP6の6つの区画CPに区分される。複数の区画CPの各々には、複数の収納列SLのうちの少なくとも1つの収納列SLが配置される。
【0031】
図3に示す例では、区画CP1には3つの収納列SLa、SLb及びSLcが配置され、区画CP2には収納列SLdが配置され、区画CP3には3つの収納列SLe、SLf及びSLgが配置される。また、区画CP4には収納列SLhが配置され、区画CP5には3つの収納列SLi、SLj及びSLkが配置され、区画CP6には収納列SLlが配置される。
【0032】
例えば、区画CP1に配置された収納列SLa、SLb及びSLcの各々に含まれる複数の収納部SPの各々には、1円の棒金RCが収納される。区画CP2に配置された収納列SLdに含まれる複数の収納部SPの各々には、5円の棒金RCが収納される。区画CP3に配置された収納列SLe、SLf及びSLgの各々に含まれる複数の収納部SPの各々には、10円の棒金RCが収納される。区画CP4に配置された収納列SLhに含まれる複数の収納部SPの各々には、50円の棒金RCが収納される。区画CP5に配置された収納列SLi、SLj及びSLkの各々に含まれる複数の収納部SPの各々には、100円の棒金RCが収納される。そして、区画CP6に配置された収納列SLlに含まれる複数の収納部SPの各々には、500円の棒金RCが収納される。
【0033】
本実施形態では、各区画CPに配置された複数の収納部SPの各々において、凹部Hの開口の径Rが、当該区画CPに対応する金種の棒金RCの径よりも大きな径の棒金RCが挿入されない程度の径である場合を想定する。この場合、誤った金種の棒金RCが収納部SPに収納されることを抑制することができる。なお、凹部Hの開口の径Rは、区画CPに拘わらず、複数の収納部SPで互いに同じであってもよい。
【0034】
また、本実施形態では、棒金RCを収納する作業の対象となる棒金RCの金種に対応する区画CPに配置された全ての収納部SPのうち、奥側(Y1方向)の収納部SPから順に棒金RCが収納されたか否かを、後述する図5に示す判定部414が判定する。また、判定部414は、棒金RCを取り出す作業の対象となる棒金RCの金種に対応する区画CPに配置された全ての収納部SPのうち、手前側(Y2方向)の収納部SPから順に棒金RCが取り出されたか否かを判定する。これにより、本実施形態では、棒金RCが棒金処理装置100(より詳細には、棒金収納庫120)に乱雑に配置されることを抑制することができる。以下では、棒金RCを収納する作業は、棒金RCの収納作業とも称され、棒金RCを取り出す作業は、棒金RCの取り出し作業とも称される。また、以下では、棒金RCの収納作業、及び、棒金RCの取り出し作業は、特定作業とも称される。
【0035】
また、棒金収納庫120は、図2において説明したように、複数のセンサ基板128を有する。複数のセンサ基板128は、Y方向に沿って延在する。また、各センサ基板128は、Y方向に沿う側面SD1及びSD2を有する。側面SD1は、X1方向からセンサ基板128を見た場合に把握される面であり、側面SD2は、X2方向からセンサ基板128を見た場合に把握される面である。
【0036】
複数のセンサ基板128は、互いに隣接するセンサ基板128の間に複数の収納列SLのいずれかが位置するように、配置される。図3では、複数のセンサ基板128のうち、センサ基板128erは、互いに隣接する収納列SLの間に配置されたセンサ基板128を示している。また、複数のセンサ基板128のうち、センサ基板128eは、収納列SLaよりもX2方向の位置に配置されたセンサ基板128を示している。そして、複数のセンサ基板128のうち、センサ基板128rは、収納列SLlよりもX1方向の位置に配置されたセンサ基板128を示している。
【0037】
また、棒金収納庫120は、複数の収納部SPと1対1に対応する複数の光学センサSEを有する。各光学センサSEは、LED(Light Emitting Diode)等の発光素子LE及びフォトダイオード等の受光素子LRを含み、当該光学センサSEに対応する収納部SPに棒金RCが収納されているか否かを検出する。例えば、各光学センサSEに含まれる発光素子LE及び受光素子LRは、Z1方向からの平面視において、当該光学センサSEに対応する収納部SPが発光素子LEと受光素子LRとの間に位置するように、センサ基板128に設けられる。図3に示す例では、複数のセンサ基板128のうち、センサ基板128rを除くセンサ基板128の各々において、複数の発光素子LEが側面SD1に設けられる。また、複数のセンサ基板128のうち、センサ基板128eを除くセンサ基板128の各々において、複数の受光素子LRが側面SD2設けられる。
【0038】
ここで、例えば、各センサ基板128erに設けられた発光素子LE及び受光素子LRは、各センサ基板128erのY1方向の端部に設けられたコネクタCTを介して、図1に示した制御装置400に電気的に接続される。同様に、センサ基板128eに設けられた発光素子LEは、センサ基板128eのY1方向の端部に設けられたコネクタCTを介して、制御装置400に電気的に接続される。また、センサ基板128rに設けられた受光素子LRは、センサ基板128rのY1方向の端部に設けられたコネクタCTを介して、制御装置400に電気的に接続される。
【0039】
次に、図4を参照しながら、収納部SPに棒金RCが収納されたか否かの光学センサSEによる検出の概要について説明する。
【0040】
図4は、図2に示した棒金収納庫120の断面図である。なお、図4では、凹部Hを含むように棒金収納庫120をX-Z平面に沿って切断した場合の棒金収納庫120の一部の断面が模式的に示されている。図4では、説明を分かり易くするために、凹部Hに棒金RCが挿入された収納部SP(図4の左側の収納部SP)と、凹部Hに棒金RCが挿入されていない収納部SP(図4の右側の収納部SP)とが示されている。
【0041】
光学センサSEは、発光素子LEから発せられた光を受光素子LRが受けるか否によって、収納部SPに棒金RCが収納されていないか否かを検出する。発光素子LEの発光及び消灯は、例えば、制御装置400により制御される。例えば、発光素子LEは、制御装置400による制御のもとで、光を発する。また、発光素子LEから発せられた光を受光素子LRが受けたか否かを示す情報は、光学センサSEによる検出結果として、制御装置400に出力される。
【0042】
例えば、凹部Hに棒金RCが挿入されていない収納部SPに対応する光学センサSE(図4の右側の光学センサSE)では、発光素子LEから発せられた光は、受光素子LRに到達する。従って、凹部Hに棒金RCが挿入されていない収納部SPに対応する光学センサSEでは、受光素子LRは、発光素子LEから発せられた光を受ける。従って、制御装置400は、光学センサSEによる検出結果が、受光素子LRが受光したことを示す場合、当該光学センサSEに対応する収納部SPに棒金RCが収納されていないと判定する。
【0043】
これに対し、凹部Hに棒金RCが挿入された収納部SPに対応する光学センサSE(図4の左側の光学センサSE)では、発光素子LEから発せられた光は、棒金RCに遮られるため、受光素子LRに到達しない。従って、凹部Hに棒金RCが挿入された収納部SPに対応する光学センサSEでは、受光素子LRは、発光素子LEから発せられた光を受けない。従って、制御装置400は、光学センサSEによる検出結果が、受光素子LRが受光していないことを示す場合、当該光学センサSEに対応する収納部SPに棒金RCが収納されていると判定する。
【0044】
ここで、凹部Hの深さDPは、凹部Hに挿入された棒金RCが立位状態で保持される程度の深さであり、かつ、発光素子LEから発せられた光が凹部Hに挿入された棒金RCにより遮られる程度の深さである。
【0045】
このように、本実施形態では、凹部Hに挿入された棒金RCが立位状態で保持される。このため、本実施形態では、筐体12から引き出された棒金収納庫120を筐体12に戻した場合に、棒金収納庫120内で棒金RCが他の収納部SPに移動することを、棒金RCが横向きに収納される場合に比べて、抑制することができる。なお、棒金RCを横向きに収納するとは、例えば、棒金RCの延在方向がX-Y平面と平行になるように、棒金RCを収納することである。
【0046】
なお、棒金収納庫120の構成は、図3及び図4に示した例に限定されない。例えば、センサ基板128の側面SD2に発光素子LEが設けられ、センサ基板128の側面SD1に受光素子LRが設けられてもよい。また、例えば、発光素子LE及び受光素子LRは、凹部Hを規定する面(収納部SPの内面)に設けられてもよい。また、センサ基板128e及び128rの一方又は両方に代えて、センサ基板128erが用いられてもよい。この場合、棒金処理装置100に用いられる専用部品の種類が減るため、棒金処理装置100の保守及び製造に用いられる部品点数を減らすことができる。
【0047】
次に、図5を参照しながら、制御装置400の構成について説明する。
【0048】
図5は、図1に示した制御装置400の構成の一例を示すブロック図である。なお、図5では、処理装置410により実現される複数の機能ブロックのうち、棒金処理装置100の制御に関する機能ブロックが示されている。
【0049】
制御装置400は、棒金処理装置100の各部を制御する処理装置410と、各種情報を記憶する記憶装置440とを有する。
【0050】
記憶装置440は、例えば、処理装置410の作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと、制御プログラムPGa等の各種情報を記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリとの、一方又は両方を含む。なお、記憶装置440は、制御装置400に着脱可能であってもよい。具体的には、記憶装置440は、制御装置400に着脱されるメモリカード等の記憶媒体であってもよい。また、記憶装置440は、例えば、制御装置400とネットワーク等を介して通信可能に接続された記憶装置(例えば、オンラインストレージ)であってもよい。
【0051】
本実施形態では、制御プログラムPGaは、例えば、棒金処理装置100の各部を制御するためのアプリケーションプログラムを含む。但し、制御プログラムPGaは、例えば、処理装置410が現金管理装置10の各部を制御するためのプログラムを含んでもよい。
【0052】
処理装置410は、現金管理装置10の全体を制御するプロセッサであり、例えば、1又は複数のCPU(Central Processing Unit)を含んで構成される。処理装置410は、例えば、記憶装置440に記憶された制御プログラムPGaを実行し、制御プログラムPGaに従って動作することで、棒金処理装置100の各部を制御する。例えば、処理装置410は、制御プログラムPGaに従って動作することで、特定部412、判定部414、受付部416、状態設定部418及び表示制御部420として機能する。なお、制御プログラムPGaは、ネットワーク等を介して他の装置から送信されてもよい。
【0053】
また、例えば、処理装置410が複数のCPUを含んで構成される場合、処理装置410の機能の一部又は全部は、これら複数のCPUが制御プログラムPGa等のプログラムに従って協働して動作することで実現されてもよい。また、処理装置410は、1又は複数のCPUに加え、又は、1又は複数のCPUのうち一部又は全部に代えて、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、又は、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されるものであってもよい。この場合、処理装置410の機能の一部又は全部は、DSP等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0054】
特定部412は、複数の収納部SPの中から、棒金RCを収納する作業又は棒金RCを取り出す作業である特定作業の対象とすべき収納部SPを特定する。以下では、特定作業の対象とすべき収納部SPは、対象収納部SPtとも称される(後述する図6参照)。例えば、特定部412は、特定作業の対象となる棒金RCの金種に対応する区画CPに配置された全ての収納部SPのうち、奥側の収納部SPから順に棒金RCが収納され、手前側の収納部SPから順に棒金RCが取り出されるように、対象収納部SPtを特定する。なお、特定部412により特定される対象収納部SPtについては、後述する図6において説明される。
【0055】
判定部414は、特定作業が行われる場合に、特定作業が対象収納部SPtに対して行われたか否かを判定する。
【0056】
受付部416は、現金管理装置10のオペレータによる入力装置600からの入力を受け付ける。例えば、受付部416は、特定作業の対象となる棒金RCの金種及び本数を示す作業情報を受け付ける。受付部416が受け付けた作業情報は、例えば、特定部412による対象収納部SPtの特定に用いられる。すなわち、特定部412は、受付部416が受け付けた作業情報に基づいて、対象収納部SPtを特定する。
【0057】
状態設定部418は、棒金処理装置100の状態を、特定作業の実施が制限される第1状態、及び、特定作業の実施の制限が解除される第2状態を含む複数の状態のうちのいずれかに設定する。第1状態は、例えば、筐体12に収納された棒金収納庫120が筐体12から引き出されないように筐体12に固定される状態である。第2状態は、例えば、棒金収納庫120がY方向に沿って移動可能な状態で筐体12に保持される状態である。
【0058】
例えば、状態設定部418は、特定作業が開始される場合、棒金処理装置100の状態を第2状態に設定する。なお、特定作業は、オペレータの正当性が認証された後に開始される。すなわち、状態設定部418は、認証されたオペレータにより特定作業が開始される場合に、棒金処理装置100の状態を第2状態に設定する。そして、状態設定部418は、特定作業が開始された後、判定部414の判定結果が肯定である場合、棒金処理装置100の状態を第2状態から第1状態に遷移させる。例えば、状態設定部418は、特定作業が開始された後、判定部414の判定結果が肯定である場合、棒金処理装置100の状態を第1状態に設定する。これにより、棒金収納庫120は、筐体12から引き出されないように筐体12に固定される。なお、状態設定部418は、特定作業が開始された後、判定部414の判定結果が否定である場合、棒金処理装置100の状態を第2状態に維持する。すなわち、判定部414の判定結果が否定である場合、特定作業を正常に終了させることができない。換言すれば、特定作業が対象収納部SPtに対して行われるまで、特定作業を正常に終了させることができない。これにより、本実施形態では、特定作業が対象収納部SPtに対して行われずに終了することを抑制することができる。
【0059】
表示制御部420は、表示装置500を制御する。例えば、表示制御部420は、特定作業を行うためのメニュー画面等を、表示装置500に表示させる。
【0060】
なお、制御装置400の構成は、図5に示す例に限定されない。例えば、制御装置400は、表示装置500を含んでもよい。あるいは、制御装置400は、表示装置500及び入力装置600が一対となったタッチパネルを含んでもよい。また、発光素子LEから光を発せさせるか否かの制御、及び、受光素子LRが光を受けたか否かを示す情報の取得等の光学センサSEの制御は、例えば、特定部412、判定部414及び表示制御部420のいずれかにより実行されてもよい。あるいは、処理装置410は、特定部412、判定部414及び表示制御部420とは別に、光学センサSEの制御を実行するための機能ブロックとして機能してもよい。
【0061】
次に、図6を参照しながら、特定部412の動作の概要について説明する。
【0062】
図6は、図5に示した特定部412の動作の概要を説明するための説明図である。なお、図6では、棒金収納庫120をZ1方向から平面視した場合の棒金収納庫120の平面図が示されている。また、図6では、複数の区画CPの区別を容易にするために、区画CP1、CP3及びCP5に網掛けが付されている。また、図の黒丸は、棒金RCが収納された収納部SPを示している。なお、白抜きの星印が左下に付された黒丸は、各区画CPにおいて、1本の棒金RCが取り出される場合の対象収納部SPtを示している。また、図の白抜きの丸は、棒金RCが収納されていない収納部SPを示している。黒の星印が左下に付された白抜きの丸は、各区画CPにおいて、1本の棒金RCが収納される場合の対象収納部SPtを示している。以下では、棒金RCが収納されていない収納部SPは、空の収納部SPとも称される。また、図6では、収納部SPの場所の説明を容易にするために、複数の収納部SPのうち、奥側(Y1方向)の収納部SPから順に数えた番号を用いる場合がある。
【0063】
図6では、1本の棒金RCの収納又は取り出しが行われる場合の特定部412の動作を中心に説明する。
【0064】
特定部412は、図5において説明したように、各区画CPにおいて、奥側の収納部SPから順に棒金RCが収納され、手前側の収納部SPから順に棒金RCが取り出されるように、対象収納部SPtを特定する。例えば、特定部412は、特定作業が行われる前に、棒金収納庫120内の棒金RCの現時点における配置状態を光学センサSEによる検出結果に基づいて特定する。なお、特定部412は、棒金収納庫120内の棒金RCの現時点における配置状態の代わりに、特定作業の対象となる区画CP内の棒金RCの現時点における配置状態を、光学センサSEによる検出結果に基づいて特定してもよい。また、特定部412は、特定した棒金RCの配置状態と、受付部416が受け付けた作業情報とに基づいて、対象収納部SPtを特定する。
【0065】
例えば、受付部416が受け付けた作業情報が、1円の棒金RCを1本取り出すことを示す場合、特定部412は、1円の棒金RCが収納された複数の収納部SPのうち、最も手前側(Y2方向)に配置された収納部SPを対象収納部SPtとして特定する。本実施形態では、図3において説明したように、1円の棒金RCは、区画CP1に配置された収納列SLa、SLb及びSLcのいずれかに含まれる収納部SPに収納される。図6に示す例では、受付部416が作業情報を受け付けた時点では、収納列SLaの1番目から5番目の収納部SP、収納列SLbの1番目から4番目の収納部SP、及び、収納列SLcの1番目から4番目の収納部SPに、1円の棒金RCが収納されている。この場合、特定部412は、1円の棒金RCが収納された複数の収納部SPのうち、最も手前側に配置された収納部SPである収納列SLaの5番目の収納部SPを、対象収納部SPtとして特定する。例えば、収納列SLaの5番目の収納部SPから棒金RCが取り出され、他の収納部SPから棒金RCが取り出されない場合、判定部414は、特定作業が対象収納部SPtに対して行われたと判定する。なお、棒金RCの取り出し作業(特定作業)が対象収納部SPtに対して行われたと判定される条件に、他の収納部SPへの棒金RCの収納(挿入)が行われないことが追加されてもよい。以下では、各収納列SLのn番目(nは自然数)の収納部SPをn行目の収納部SPと称する場合がある。
【0066】
また、例えば、受付部416が受け付けた作業情報が、1円の棒金RCを1本収納することを示す場合、特定部412は、区画CP1内の空の収納部SPのうち、最も奥側(Y1方向)に配置された収納部SPを対象収納部SPtとして特定する。図6に示す例では、特定部412は、区画CP1内の空の収納部SPのうち、最も奥側に配置された収納部SPである収納列SLb及びSLcの5番目の収納部SPを、対象収納部SPtとして特定する。この場合、棒金RCは、収納列SLb及びSLcの5番目の収納部SPのうちのいずれに収納されてもよい。従って、例えば、判定部414は、収納列SLb及びSLcの5番目の収納部SPのうちの1つに棒金RCが収納された場合、特定作業が対象収納部SPtに対して行われたと判定する。なお、棒金RCの収納作業(特定作業)が対象収納部SPtに対して行われたと判定される条件に、他の収納部SPからの棒金RCの取り出しが行われないことが追加されてもよい。
【0067】
特定作業の対象となる棒金RCの金種が、5円、10円、50円、100円又は500円である場合も、特定作業の対象となる棒金RCの金種が1円である場合と同様に、対象収納部SPtが特定される。
【0068】
このように、本実施形態では、特定部412は、特定作業の対象となる棒金RCの金種に対応する区画CPに配置された全ての収納部SPのうち、奥側の収納部SPから順に棒金RCが収納され、手前側の収納部SPから順に棒金RCが取り出されるように、対象収納部SPtを特定する。これにより、本実施形態では、各区画CPにおいて、奥側の収納部SPから順に棒金RCが配置されるため、棒金RCが棒金収納庫120に乱雑に配置されることを抑制することができる。
【0069】
ここで、例えば、棒金RCが乱雑に配置されている場合、棒金RCが整然と配置されている場合に比べて、棒金RCの収納作業において、棒金RCの収納先として正しい収納部SPをオペレータが容易に視認することができない。同様に、棒金RCが乱雑に配置されている場合、棒金RCが整然と配置されている場合に比べて、棒金RCの取り出し作業において、取り出し対象の棒金RCが収納された収納部SPをオペレータが容易に視認することができない。作業対象の収納部SPをオペレータが容易に視認することができない場合、棒金RCの収納又は取り出しの作業効率が低下する。
【0070】
これに対し、本実施形態では、上述したように、棒金RCは、各区画CPにおいて整然と配置される。このため、本実施形態では、特定作業の対象となる対象収納部SPtをオペレータが容易に視認することができる。この結果、本実施形態では、棒金処理装置100に対する特定作業(棒金RCの収納及び取り出し等)の効率が低下することを抑制することができる。また、本実施形態では、棒金RCの金種を識別するセンサを用いることなく、各区画CPにおいて棒金RCを整然と配置させることができる。これにより、本実施形態では、棒金RCの金種を識別するセンサが用いられる態様に比べて、棒金処理装置100のコストを低減することができる。また、本実施形態では、棒金RCの金種を識別するセンサが用いられる態様に比べて、部品点数が少ないため、故障が発生する可能性のある個所が少なくなる。この結果、本実施形態では、棒金処理装置100の故障リスクを低減することができる。
【0071】
なお、特定部412は、対象収納部SPtの候補となる収納部SPの数が特定作業の対象となる収納部SPの数より多い場合、特定作業の対象となる収納部SPの数と一致する数に限定して、対象収納部SPtを特定してもよい。すなわち、特定部412は、対象収納部SPtの候補となる複数の収納部SPのうち、特定作業の対象となる収納部SPの数と同数の収納部SPを、対象収納部SPtとして特定してもよい。具体的には、例えば、特定作業が、1円の棒金RCを1本収納する収納作業である場合、特定部412は、収納列SLb及びSLcの5番目の収納部SPのうちの1つを対象収納部SPtとして特定してもよい。この場合、特定部412は、対象収納部SPtの候補となる複数の収納部SPのうち、X1方向から順に対象収納部SPtを特定してもよいし、X2方向から順に対象収納部SPtを特定してもよい。
【0072】
また、図6では、特定作業の対象となる棒金RCの本数が1本である場合を例にして、特定部412の動作を説明したが、特定作業の対象となる棒金RCの本数が2本以上である場合も、特定部412の動作は、上述した動作と同様である。但し、特定作業が複数の対象収納部SPtに対して行われたか否かの判定において、複数の対象収納部SPtに対して優先順位が考慮される場合がある。
【0073】
例えば、1円の棒金RCが2本取り出される特定作業では、特定部412は、収納列SLaの5番目の収納部SPを第1の対象収納部SPtとして特定する。さらに、特定部412は、1円の棒金RCが収納された複数の収納部SPのうち、収納列SLaの5番目の収納部SPの次に手前側に配置された収納部SPである収納列SLa、SLb及びSLcの4番目の収納部SPを、第2の対象収納部SPtとして特定する。第1の対象収納部SPtは、特定作業において、第2の対象収納部SPtよりも優先して、棒金RCが収納又は取り出される収納部SPである。例えば、判定部414は、収納列SLaの5番目の収納部SPから棒金RCが取り出され、収納列SLa、SLb及びSLcの4番目の収納部SPのうちの1つから棒金RCが取り出された場合、特定作業が対象収納部SPtに対して行われたと判定する。また、例えば、判定部414は、収納列SLaの5番目の収納部SPから棒金RCが取り出されずに、収納列SLa、SLb及びSLcの4番目の収納部SPのうちの2つから2本の棒金RCがそれぞれ取り出された場合、特定作業が対象収納部SPtに対して行われていないと判定する。
【0074】
また、例えば、1円の棒金RCが3本収納される特定作業では、特定部412は、収納列SLb及びSLcの5番目の収納部SPの2つを、第1の対象収納部SPtとして特定する。さらに、特定部412は、区画CP1内の空の収納部SPのうち、収納列SLb及びSLcの5番目の収納部SPの次に奥側に配置された収納部SPである収納列SLa、SLb及びSLcの6番目の収納部SPを、第2の対象収納部SPtとして特定する。そして、判定部414は、収納列SLb及びSLcの5番目の収納部SPの2つに2本の棒金RCがそれぞれ収納され、収納列SLa、SLb及びSLcの6番目の収納部SPのうちの1つに棒金RCが収納された場合、特定作業が対象収納部SPtに対して行われたと判定する。また、例えば、判定部414は、収納列SLb及びSLcの5番目の収納部SPのうちの少なくとも1つに棒金RCが収納されずに、収納列SLa、SLb及びSLcの6番目の収納部SPのうちの2つ又は3つに棒金RCが収納された場合、特定作業が対象収納部SPtに対して行われていないと判定する。
【0075】
このように、特定部412により特定された複数の対象収納部SPtに対して特定作業が行われた場合においても、優先順位の高い対象収納部SPtに対して特定作業が行われない場合、判定部414は、特定作業が対象収納部SPtに対して行われていないと判定する。
【0076】
また、同金種の収納列SLが複数ある場合、特定部412は、1列毎に対象収納部SPtを特定してもよい。例えば、特定部412は、1円の棒金RCが11本収納される場合、収納列SLaに10本の棒金RCが収納され、収納列SLbの1番目の収納部SPに1本の棒金RCが収納されるように、対象収納部SPtを特定してもよい。
【0077】
次に、図7を参照しながら、棒金RCの収納作業が棒金処理装置100に対して行われる場合の制御装置400の動作の一例について説明する。
【0078】
図7は、図1に示した制御装置400の動作の一例を示すフローチャートである。なお、図7には、棒金RCの収納作業が棒金処理装置100に対して行われる場合の制御装置400の動作が示されている。図7に示す動作は、例えば、認証されたオペレータが棒金RCの収納を行う場合に、実行される。具体的には、例えば、制御装置400の処理装置410がオペレータによる入力装置600からの入力を受け付ける受付部416として機能し、棒金RCの収納を示す作業情報を受付部416が受け付けた場合に、図7に示す動作が実行される。
【0079】
先ず、ステップS100において、処理装置410は、特定部412として機能し、受付部416が受け付けた作業情報を収納情報として取得する。すなわち、特定部412は、棒金RCの収納と、棒金収納庫120に新たに収納する棒金RCの金種及び本数とを示す作業情報を受付部416が受け付けた場合、受付部416が受け付けた作業情報を収納情報として取得する。
【0080】
次に、ステップS120において、処理装置410は、特定部412として機能し、図6において説明したように、棒金RCを収納する収納作業(特定作業)の対象とすべき対象収納部SPtを収納情報(作業情報)に基づいて特定する。
【0081】
次に、ステップS140において、処理装置410は、状態設定部418として機能し、棒金収納庫120のロックを解除する。すなわち、状態設定部418は、棒金処理装置100の状態を、棒金収納庫120が筐体12から引き出されないように筐体12に固定される第1状態から、棒金収納庫120がY方向に沿って移動可能な状態で筐体12に保持される第2状態に遷移させる。
【0082】
次に、ステップS160において、処理装置410は、判定部414として機能し、収納作業が終了したか否かを判定する。例えば、判定部414は、後述する図13に示す完了ボタンBT27が押下された場合、収納作業が終了したと判定してもよい。あるいは、判定部414は、筐体12から引き出された棒金収納庫120が筐体12に収納された場合、収納作業が終了したと判定してもよい。あるいは、判定部414は、棒金収納庫120に収納された棒金RCの数が、収納作業により収納される棒金RCの数と、収納作業が行われる前に棒金収納庫120に収納されていた棒金RCの数との和に一致した場合、収納作業が終了したと判定してもよい。収納作業により収納される棒金RCの数は、収納情報により示される。また、棒金収納庫120に収納された棒金RCの数は、光学センサSEによる検出結果に基づいて特定される。なお、収納作業が終了したか否かの判定方法として、上述の3つの例のうちの1つのみが用いられてもよいし、上述の3つの例のうちの複数が用いられてもよい。また、上述の3つの例のうちのいずれかの条件が満たされた場合に収納作業が終了したと判定されてもよい。また、収納作業が終了したか否かの判定方法は、上述の3つの例に限定されない。
【0083】
ステップS160における判定の結果が肯定の場合、処理装置410は、処理をステップS180に進める。一方、ステップS160における判定の結果が否定の場合、処理装置410は、処理をステップS160に戻す。なお、判定部414は、収納作業が終了したか否かを棒金収納庫120に収納された棒金RCの数に基づいて判定する場合、処理をステップS160に戻す前に、収納情報により示される数の棒金RCが収納されていないことをオペレータに通知してもよい。
【0084】
ステップS180において、処理装置410は、判定部414として機能し、特定部412により特定された対象収納部SPtに棒金RCが収納されているか否かを光学センサSEによる検出結果に基づいて判定する。すなわち、判定部414は、収納情報により示される数の棒金RCの各々が対象収納部SPtに収納されているか否かを判定する。これにより、特定作業が対象収納部SPtに対して行われたか否かが判定される。ステップS180における判定の結果が肯定の場合、処理装置410は、処理をステップS220に進める。一方、ステップS180における判定の結果が否定の場合、処理装置410は、処理をステップS200に進める。
【0085】
ステップS200において、処理装置410は、表示制御部420として機能し、棒金RCが対象収納部SPtに収納されていないことをオペレータに通知する。例えば、表示制御部420は、棒金RCの収納場所が正しくないこと、及び、棒金RCの正しい収納場所を示す通知情報を、表示装置500に表示させる。なお、処理装置410は、棒金処理装置100が警報装置を有する場合、通知情報の表示に加え、又は、通知情報の表示に代えて、棒金RCが対象収納部SPtに収納されていないことを警報装置によりオペレータに通知してもよい。警報装置としては、例えば、ランプ、警報ブザー及びスピーカー等が該当する。例えば、音声による指示がスピーカーから出力されてもよいし、異常及び正常等を認識させるための音がスピーカーから出力されてもよい。処理装置410は、棒金RCが対象収納部SPtに収納されていないことを、警報装置を用いて通知する場合、例えば、警報装置を制御する警報制御部として機能する。処理装置410は、ステップS200の処理を実行した後、処理をステップS160に戻す。
【0086】
ステップS220において、処理装置410は、状態設定部418として機能し、棒金収納庫120をロックする。すなわち、状態設定部418は、棒金処理装置100の状態を、棒金収納庫120がY方向に沿って移動可能な状態で筐体12に保持される第2状態から、棒金収納庫120が筐体12から引き出されないように筐体12に固定される第1状態に遷移させる。ステップS220の処理が終了することにより、棒金RCの収納に関する制御装置400の動作が終了する。
【0087】
このように、本実施形態では、特定部412により特定された対象収納部SPtに棒金RCが正しく収納されるまで、棒金収納庫120がロックされないため、オペレータは、棒金RCの収納場所が正しいか否かを容易に認識することができる。さらに、本実施形態では、棒金RCが対象収納部SPtに正しく収納されるまで、棒金RCが対象収納部SPtに正しく収納されていないことがオペレータに通知されることでも、オペレータは、棒金RCの収納場所が正しいか否かを容易に認識することができる。このように、オペレータは、棒金RCの収納場所が正しいか否かを容易に認識することができるため、特定部412により特定された対象収納部SPtに棒金RCを正しく収納することができる。この結果、本実施形態では、棒金RCが棒金処理装置100に乱雑に配置されることを抑制することができる。
【0088】
なお、棒金RCの収納に関する制御装置400の動作は、図7に示す例に限定されない。例えば、棒金処理装置100に新たに収納する棒金RCの本数が空の収納部SPの数よりも多い場合、処理装置410は、ステップS120以降の処理を実行せずに、棒金RCの収納に関する動作を終了してもよい。すなわち、棒金RCが収納されるべき空の収納部SPが足りない場合、処理装置410は、ステップS120以降の処理を実行せずに、棒金RCの収納に関する動作を終了してもよい。この場合、処理装置410は、棒金RCが収納されるべき空の収納部SPが足りないことをオペレータに通知してもよい。
【0089】
また、図7に示す例では、収納作業により複数の棒金RCが収納される場合、ステップS120からステップS220までの一連の処理が、複数の棒金RCを対象にまとめて実行される。但し、収納作業により複数の棒金RCが収納される場合、ステップS120からステップS220までの一連の処理が、棒金RC毎に実行されてもよい。すなわち、棒金RC毎に実行されるステップS120からステップS220までの一連の処理が、収納作業により収納される棒金RCの数と一致する回数だけ繰り返されてもよい。あるいは、ステップS120からステップS220までの一連の処理は、収納される棒金RCの金種毎に実行されてもよい。
【0090】
また、ステップS200の処理は、省かれてもよい。この場合、オペレータは、棒金収納庫120がロックされていないことを認識することにより、棒金RCの収納場所が正しくないことを認識することができる。なお、ステップS200の処理が省かれる場合、第2状態では、棒金収納庫120が筐体12に収納された状態で保持されずに、棒金収納庫120の一部が筐体12からはみ出る状態になることが好ましい。棒金収納庫120が筐体12に収納された状態で保持されないことにより、オペレータは、棒金RCの収納場所が正しくないことを認識することができる。
【0091】
また、ステップS220の処理が実行された後に、特定作業が対象収納部SPtに対して正しく行われたことをオペレータに通知してもよい。この場合、ステップS200の処理は、省かれてもよい。オペレータは、特定作業が対象収納部SPtに対して正しく行われたことの通知がないこと、又は、棒金収納庫120がロックされていないことを認識することにより、棒金RCの収納場所が正しくないことを認識することができる。
【0092】
また、ステップS160の処理(収納作業の終了判定)は、省かれてもよい。また、ステップS180の処理(棒金RCが対象収納部SPtに収納されたかの判定)は、ステップS220の処理(棒金収納庫120のロック)の後に実行されてもよい。ステップS180の処理がステップS220の処理の後に実行されるフローでは、ステップS180における判定の結果が否定の場合、処理装置410は、処理をステップS140に戻す。また、ステップS180の処理がステップS220の処理の後に実行されるフローにおいても、ステップS160の処理は、省かれてもよい。
【0093】
次に、図8を参照しながら、棒金RCの取り出し作業が棒金処理装置100に対して行われる場合の制御装置400の動作の一例について説明する。
【0094】
図8は、図1に示した制御装置400の動作の別の例を示すフローチャートである。なお、図8には、棒金RCの取り出し作業が棒金処理装置100に対して行われる場合の制御装置400の動作が示されている。図8に示す動作は、例えば、認証されたオペレータが棒金RCの取り出しを行う場合に、実行される。具体的には、例えば、制御装置400の処理装置410がオペレータによる入力装置600からの入力を受け付ける受付部416として機能し、棒金RCの取り出しを示す作業情報を受付部416が受け付けた場合に、図8に示す動作が実行される。
【0095】
先ず、ステップS102において、処理装置410は、特定部412として機能し、受付部416が受け付けた作業情報を取り出し情報として取得する。すなわち、特定部412は、棒金RCの取り出しと、棒金収納庫120から取り出す棒金RCの金種及び本数とを示す作業情報を受付部416が受け付けた場合、受付部416が受け付けた作業情報を取り出し情報として取得する。
【0096】
次に、ステップS120において、処理装置410は、特定部412として機能し、図6において説明したように、棒金RCを取り出す取り出し作業(特定作業)の対象とすべき対象収納部SPtを取り出し情報(作業情報)に基づいて特定する。
【0097】
次に、ステップS140において、処理装置410は、状態設定部418として機能し、棒金収納庫120のロックを解除する。
【0098】
次に、ステップS162において、処理装置410は、判定部414として機能し、取り出し作業が終了したか否かを判定する。例えば、判定部414は、後述する図18に示す完了ボタンBT37が押下された場合、収納作業が終了したと判定してもよい。あるいは、判定部414は、筐体12から引き出された棒金収納庫120が筐体12に収納された場合、取り出し作業が終了したと判定してもよい。あるいは、判定部414は、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの数が、取り出し作業が行われる前に棒金収納庫120に収納されていた棒金RCの数から、取り出し情報により示される棒金RCの数を減算した値に一致した場合、取り出し作業が終了したと判定してもよい。棒金収納庫120に収納された棒金RCの数は、図7のステップS160において説明したように、光学センサSEによる検出結果に基づいて特定される。なお、取り出し作業が終了したか否かの判定方法として、上述の3つの例のうちの1つのみが用いられてもよいし、上述の3つの例のうちの複数が用いられてもよい。また、上述の3つの例のうちのいずれかの条件が満たされた場合に取り出し作業が終了したと判定されてもよい。また、取り出し作業が終了したか否かの判定方法は、上述の3つの例に限定されない。
【0099】
ステップS162における判定の結果が肯定の場合、処理装置410は、処理をステップS182に進める。一方、ステップS162における判定の結果が否定の場合、処理装置410は、処理をステップS162に戻す。なお、判定部414は、取り出し作業が終了したか否かを棒金収納庫120に収納された棒金RCの数に基づいて判定する場合、処理をステップS162に戻す前に、取り出し情報により示される数の棒金RCが取り出されていないことをオペレータに通知してもよい。
【0100】
ステップS182において、処理装置410は、判定部414として機能し、特定部412により特定された対象収納部SPtから棒金RCが取り出されたか否かを光学センサSEによる検出結果に基づいて判定する。すなわち、判定部414は、取り出し情報により示される数の棒金RCの各々が対象収納部SPtから取り出されたか否かを判定する。これにより、特定作業が対象収納部SPtに対して行われたか否かが判定される。ステップS182における判定の結果が肯定の場合、処理装置410は、処理をステップS220に進める。一方、ステップS182における判定の結果が否定の場合、処理装置410は、処理をステップS200に進める。
【0101】
ステップS200において、処理装置410は、表示制御部420として機能し、棒金RCが対象収納部SPtから取り出されていないことをオペレータに通知する。例えば、表示制御部420は、棒金RCの取り出し場所が正しくないこと、及び、棒金RCの正しい取り出し場所を示す通知情報を、表示装置500に表示させる。なお、処理装置410は、棒金処理装置100が警報装置を有する場合、通知情報の表示に加え、又は、通知情報の表示に代えて、棒金RCが対象収納部SPtから取り出されていないことを警報装置によりオペレータに通知してもよい。処理装置410は、ステップS200の処理を実行した後、処理をステップS162に戻す。
【0102】
ステップS220において、処理装置410は、状態設定部418として機能し、棒金収納庫120をロックする。ステップS220の処理が終了することにより、棒金RCの取り出しに関する制御装置400の動作が終了する。
【0103】
このように、本実施形態では、特定部412により特定された対象収納部SPtから棒金RCが正しく取り出されるまで、棒金収納庫120がロックされないため、オペレータは、棒金RCの取り出し場所が正しいか否かを容易に認識することができる。さらに、本実施形態では、棒金RCが対象収納部SPtから正しく取り出されるまで、棒金RCが対象収納部SPtから正しく取り出されていないことがオペレータに通知されることでも、オペレータは、棒金RCの取り出し場所が正しいか否かを容易に認識することができる。このように、オペレータは、棒金RCの取り出し場所が正しいか否かを容易に認識することができるため、特定部412により特定された対象収納部SPtから棒金RCを正しく取り出すことができる。この結果、本実施形態では、棒金RCが棒金処理装置100に乱雑に配置されることを抑制することができる。
【0104】
なお、棒金RCの取り出しに関する制御装置400の動作は、図8に示す例に限定されない。例えば、取り出し対象の金種において、棒金収納庫120から取り出す棒金RCの本数が棒金収納庫120に収納されている棒金RCの本数よりも多い場合、処理装置410は、ステップS120以降の処理を実行せずに、棒金RCの取り出しに関する動作を終了してもよい。すなわち、棒金収納庫120から取り出されるべき棒金RCが足りない場合、処理装置410は、ステップS120以降の処理を実行せずに、棒金RCの取り出しに関する動作を終了してもよい。この場合、処理装置410は、棒金収納庫120から取り出されるべき棒金RCが足りないことをオペレータに通知してもよい。
【0105】
また、図8に示す例では、取り出し作業により複数の棒金RCが棒金収納庫120から取り出される場合、ステップS120からステップS220までの一連の処理が、複数の棒金RCを対象にまとめて実行される。但し、取り出し作業により複数の棒金RCが棒金収納庫120から取り出される場合、ステップS120からステップS220までの一連の処理が、棒金RC毎に実行されてもよい。すなわち、棒金RC毎に実行されるステップS120からステップS220までの一連の処理が、取り出し作業により棒金収納庫120から取り出される棒金RCの数と一致する回数だけ繰り返されてもよい。あるいは、ステップS120からステップS220までの一連の処理は、取り出される棒金RCの金種毎に実行されてもよい。
【0106】
また、ステップS200の処理は、省かれてもよい。この場合、オペレータは、棒金収納庫120がロックされていないことを認識することにより、棒金RCの取り出し場所が正しくないことを認識することができる。なお、ステップS200の処理が省かれる場合、第2状態では、棒金収納庫120が筐体12に収納された状態で保持されずに、棒金収納庫120の一部が筐体12からはみ出る状態になることが好ましい。棒金収納庫120が筐体12に収納された状態で保持されないことにより、オペレータは、棒金RCの取り出し場所が正しくないことを認識することができる。
【0107】
また、ステップS220の処理が実行された後に、特定作業が対象収納部SPtに対して正しく行われたことをオペレータに通知してもよい。この場合、ステップS200の処理は、省かれてもよい。オペレータは、特定作業が対象収納部SPtに対して正しく行われたことの通知がないこと、又は、棒金収納庫120がロックされていないことを認識することにより、棒金RCの取り出し場所が正しくないことを認識することができる。
【0108】
また、ステップS162の処理(取り出し作業の終了判定)は、省かれてもよい。また、ステップS182の処理(棒金RCが対象収納部SPtから取り出されたかの判定)は、ステップS220の処理(棒金収納庫120のロック)の後に実行されてもよい。ステップS182の処理がステップS220の処理の後に実行されるフローでは、ステップS182における判定の結果が否定の場合、処理装置410は、処理をステップS140に戻す。また、ステップS182の処理がステップS220の処理の後に実行されるフローにおいても、ステップS162の処理は、省かれてもよい。
【0109】
次に、図9から図19を参照しながら、表示装置500に表示される操作画面G(G10、G20、G22、G24、G26、G30、G31、G32、G34、G36及びG38)の一例について説明する。本実施形態では、制御装置400の処理装置410が表示制御部420として機能し、表示制御部420が表示装置500に対して、図9から図19に示される操作画面Gを表示させる場合を想定する。また、図9から図19では、説明を容易にするために、表示装置500がタッチパネルである場合を想定する。
【0110】
図9は、操作画面Gの一例を説明するための説明図である。図9に示す操作画面G10は、例えば、オペレータが現金管理装置10に対して行う作業を選択するためのメインメニューとして、表示装置500に表示される画面である。例えば、操作画面G10は、オペレータの認証が終了した後に、表示装置500に表示される。
【0111】
操作画面G10は、オペレータが行う操作の説明文等が表示されるテキスト領域TXと、戻るボタンBT0と、現金管理装置10に対して行われる複数の作業に対応する複数のメニューボタンBT10とを有する。
【0112】
戻るボタンBT0は、例えば、表示装置500に表示される操作画面Gを、現在表示されている操作画面G(図9では、操作画面G10)の前に表示装置500に表示されていた操作画面Gに戻すボタンである。例えば、戻るボタンBT0が選択された場合、表示装置500に表示される操作画面Gは、操作画面G10から、操作画面G10の前に表示装置500に表示されていた操作画面Gに遷移する。具体的には、例えば、戻るボタンBT0が選択された場合、オペレータの認証が解除され、オペレータを認証するための操作画面Gが表示装置500に表示される。
【0113】
なお、戻るボタンBT0等のボタンの選択は、例えば、マウス等のポインティングデバイスにより実現されてもよい。あるいは、戻るボタンBT0等のボタンの選択は、表示装置500に表示された操作画面Gのうちの当該ボタン(より正確には、当該ボタンを示す画像)に指等の物体が接触すること、又は、当該ボタンが押下されることにより実現されてもよい。以下では、ボタンの選択がボタンの押下により実現される場合を想定する。
【0114】
各メニューボタンBT10は、当該メニューボタンBT10に対応付けられた作業を選択するためのボタンである。例えば、オペレータは、棒金RCの収納作業を行う場合、棒金RCの収納作業を含む補充作業に対応する「補充」のメニューボタンBT10を押下する。また、オペレータは、棒金RCの取り出し作業を行う場合、棒金RCの取り出し作業を含む回収作業に対応する「回収」のメニューボタンBT10を押下する。「補充」のメニューボタンBT10が押下された場合、表示装置500に表示される操作画面Gは、操作画面G10から、図10に示す操作画面G20に遷移する。また、「回収」のメニューボタンBT10が押下された場合、表示装置500に表示される操作画面Gは、操作画面G10から、図14に示す操作画面G30に遷移する。
【0115】
図10は、操作画面Gの別の例を説明するための説明図である。図10に示す操作画面G20は、例えば、図9に示した操作画面G10において、「補充」のメニューボタンBT10が押下された場合に、補充作業の内容を選択するための補充メニューとして、表示装置500に表示される画面である。
【0116】
操作画面G20は、テキスト領域TXと、戻るボタンBT0と、補充作業の内容に対応する複数のメニューボタンBT20とを有する。図10に示す例では、複数のメニューボタンBT20は、紙幣又は硬貨を現金管理装置10に補充するための「紙幣・硬貨補充」のメニューボタンBT20と、棒金RCを棒金処理装置100に補充するための「棒金手補充」のメニューボタンBT20とを含む。なお、棒金RCを棒金処理装置100に補充することは、棒金RCを棒金処理装置100に収納することに該当する。例えば、オペレータは、棒金RCの収納作業を行う場合、「棒金手補充」のメニューボタンBT20を押下する。「棒金手補充」のメニューボタンBT20が押下された場合、表示装置500に表示される操作画面Gは、操作画面G20から、図11に示す操作画面G22に遷移する。
【0117】
図11は、操作画面Gの別の例を説明するための説明図である。図11に示す操作画面G22は、例えば、図10に示した操作画面G20において、「棒金手補充」のメニューボタンBT20が押下された場合に、棒金RCを棒金処理装置100に収納するための操作画面Gとして、表示装置500に表示される。
【0118】
操作画面G22は、テキスト領域TXと、明細領域DS1と、入力インターフェースKYと、戻るボタンBT0と、取消ボタンBT22と、実行ボタンBT23とを有する。
【0119】
明細領域DS1には、棒金RCの複数の金種に対応する複数の金種ボタンBTdが配置されている。また、明細領域DS1には、収納可能明細及び金種別補充明細を示す情報が表示される。収納可能明細は、棒金処理装置100に収納可能な棒金RCの最大本数及び総額を棒金RCの金種毎に示す。金種別補充明細は、棒金処理装置100に新たに収納する各金種の棒金RCの本数及び金額と、棒金処理装置100に新たに収納する棒金RCの総額とを示す。棒金処理装置100に新たに収納する棒金RCの金種は、複数の金種ボタンBTdのうち、新たに収納する棒金RCの金種に対応する金種ボタンBTdが押下されることにより、選択される。また、新たに収納する棒金RCの本数は、入力インターフェースKYを介して入力される。以下では、新たに収納される棒金RCの本数は、補充数とも称される。
【0120】
入力インターフェースKYは、例えば、棒金処理装置100に新たに収納する棒金RCの本数を入力するためのGUI(Graphical User Interface)である。例えば、入力インターフェースKYは、新たに収納する棒金RCの本数を入力するための数字ボタンBTk1と、数字ボタンBTk1により入力された情報(数値)を取り消すためのクリアボタンBTk2と、確定ボタンBTk3と、表示部DIとを含む。表示部DIには、例えば、数字ボタンBTk1により入力された情報(数値)が表示される。
【0121】
例えば、オペレータは、新たに収納する棒金RCの金種に対応する金種ボタンBTdを押下することにより、入力インターフェースKYにより補充数が入力される棒金RCの金種を選択する。そして、オペレータは、金種ボタンBTdにより選択した金種の棒金RCの補充数を、数字ボタンBTk1を押下することにより入力する。オペレータは、数字ボタンBTk1等により入力された補充数を確定する場合、確定ボタンBTk3を押下する。なお、例えば、確定ボタンBTk3の押下により、棒金RCの補充数が確定された後でも、「CL」のクリアボタンBTk2が押下された場合、金種ボタンBTdにより選択した金種の棒金RCの補充数が“0”にリセットされる。これにより、オペレータは、棒金RCの補充数を再入力することができる。
【0122】
図11に示す例では、5円、10円、50円、100円及び500円の棒金RCの補充数が確定され、1円の棒金RCの補充数が入力されている状態が示されている。図11に示す状態において、確定ボタンBTk3が押下された場合、1円の棒金RCの補充数が1本に確定される。
【0123】
取消ボタンBT22は、金種ボタンBTd及び入力インターフェースKY等により確定した棒金RCの金種及び本数を初期状態にリセットするためのボタンである。
【0124】
実行ボタンBT23は、金種ボタンBTd及び入力インターフェースKY等により確定した棒金RCの金種及び本数の収納作業を棒金処理装置100に対して実行することを決定するためのボタンである。例えば、オペレータは、新たに収納する棒金RCの全ての金種に対して補充数を確定した後、実行ボタンBT23を押下する。実行ボタンBT23が押下された場合、例えば、棒金収納庫120のロックが解除される。図11に示す例では、実行ボタンBT23が押下されることにより、図7に示したステップS100からステップS140までの一連の処理が実行される。また、実行ボタンBT23が押下された場合、表示装置500に表示される操作画面Gは、操作画面G22から、図12に示す操作画面G24に遷移する。
【0125】
図12は、操作画面Gの別の例を説明するための説明図である。図12に示す操作画面G24は、例えば、図11に示した操作画面G22において、実行ボタンBT23が押下された場合に、棒金RCを棒金処理装置100に収納するための手順を説明するために、表示装置500に表示される。
【0126】
操作画面G24は、テキスト領域TXと、明細領域DS2と、棒金RCの収納作業の手順を示す説明図及び説明文等が表示される説明領域PAsとを有する。
【0127】
明細領域DS2には、図11に示した明細領域DS1と同様に、収納可能明細及び金種別補充明細を示す情報が表示される。なお、金種別補充明細により示される情報(棒金処理装置100に新たに収納する各金種の棒金RCの本数及び金額等)は、図11に示した操作画面G22を用いて確定された情報である。
【0128】
また、図12に示す例では、説明領域PAsに表示された手順のうちの1番目の手順に対応する「棒金収納庫を引き出してください。」という文がテキスト領域TXに表示されている。棒金収納庫120が筐体12から引き出された場合、テキスト領域TXに表示さる文は、説明領域PAsに表示された手順のうちの2番目及び3番目の手順に対応する文に変更される。なお、棒金収納庫120が筐体12から引き出されたか否かの判定は、図5に示した判定部414、状態設定部418及び表示制御部420のいずれかにより実行されてもよい。あるいは、処理装置410は、判定部414、状態設定部418及び表示制御部420とは別に、棒金収納庫120が筐体12から引き出されたか否かの判定を実行するための機能ブロックとして機能してもよい。
【0129】
ここで、棒金収納庫120が筐体12から引き出された場合、上述したように、説明領域PAsに表示された手順のうちの2番目及び3番目の手順に対応する文、例えば、「棒金を収納して棒金収納庫を戻してください。」という文がテキスト領域TXに表示される。例えば、オペレータは、棒金RCを対象収納部SPtに収納した後、棒金収納庫120を筐体12に戻す。これにより、棒金収納庫120が筐体12に収納される。
【0130】
棒金収納庫120が筐体12に戻された場合、表示装置500に表示される操作画面Gは、操作画面G24から、図13に示す操作画面G26に遷移する。なお、棒金収納庫120が筐体12に戻されたか否かの判定は、図5に示した判定部414、状態設定部418及び表示制御部420のいずれかにより実行されてもよい。あるいは、処理装置410は、判定部414、状態設定部418及び表示制御部420とは別に、棒金収納庫120が筐体12に戻されたか否かの判定を実行するための機能ブロックとして機能してもよい。
【0131】
図13は、操作画面Gの別の例を説明するための説明図である。図13に示す操作画面G26は、例えば、棒金RCの収納作業において棒金収納庫120が筐体12に戻された場合に、棒金RCの収納作業を終了するための手順を説明するために、表示装置500に表示される。
【0132】
操作画面G26は、テキスト領域TXと、明細領域DS3と、入力インターフェースKYと、実行ボタンBT26と、完了ボタンBT27とを有する。明細領域DS3及び入力インターフェースKYは、図11に示した操作画面G22の明細領域DS1及び入力インターフェースKYと同様である。但し、明細領域DS3の金種別補充明細により示される情報(棒金処理装置100に新たに収納する各金種の棒金RCの本数及び金額等)は、図11に示した操作画面G22を用いて確定された情報である。
【0133】
実行ボタンBT26は、例えば、棒金収納庫120を筐体12から押し出すためのボタンである。例えば、実行ボタンBT26が押下された場合、棒金収納庫120が筐体12から押し出される。これにより、棒金収納庫120が筐体12から引き出された状態になる。なお、棒金収納庫120をオペレータが手動で筐体12から引き出すことができる場合、実行ボタンBT26は、省かれてもよい。
【0134】
完了ボタンBT27は、例えば、棒金RCの収納作業を終了するためのボタンである。例えば、オペレータは、完了ボタンBT27を押下することにより、棒金RCの収納作業を終了する。図13に示す例では、完了ボタンBT27が押下されることにより、棒金RCの収納作業が終了したと判定部414により判定され、図7に示したステップS180の処理が実行される。従って、棒金RCが対象収納部SPtに収納されている状態で、完了ボタンBT27が押下された場合、例えば、棒金収納庫120がロックされる。一方、棒金RCが対象収納部SPtに収納されていない状態で、完了ボタンBT27が押下された場合、棒金収納庫120はロックされない。例えば、棒金RCが対象収納部SPtに収納されていない状態で、完了ボタンBT27が押下された場合、図7において説明したように、棒金RCが対象収納部SPtに収納されていないことがオペレータに通知される。また、棒金RCが対象収納部SPtに収納されていない状態で、完了ボタンBT27が押下された場合、例えば、棒金収納庫120が筐体12から押し出され、棒金RCの収納作業のやり直しが指示されてもよい。
【0135】
次に、図14を参照しながら、図9に示した操作画面G10において「回収」のメニューボタンBT10が押下された場合に表示装置500に表示される操作画面G30の一例について説明する。
【0136】
図14は、操作画面Gの別の例を説明するための説明図である。図14に示す操作画面G30は、例えば、図9に示した操作画面G10において、「回収」のメニューボタンBT10が押下された場合に、回収作業の内容を選択するための回収メニューとして、表示装置500に表示される画面である。
【0137】
操作画面G30は、テキスト領域TXと、戻るボタンBT0と、回収作業の内容に対応する複数のメニューボタンBT30とを有する。図14に示す例では、複数のメニューボタンBT30は、「紙幣回収」のメニューボタンBT30、「硬貨回収」のメニューボタンBT30、「棒金回収」のメニューボタンBT30、及び、「ポスト回収」のメニューボタンBT30を含む。
【0138】
例えば、「紙幣回収」のメニューボタンBT30は、紙幣を紙幣処理装置300から回収する場合に選択され、「硬貨回収」のメニューボタンBT30は、硬貨を硬貨処理装置200から回収する場合に選択される。また、「棒金回収」のメニューボタンBT30は、棒金RCを棒金処理装置100から回収する場合に選択される。「ポスト回収」のメニューボタンBT30は、例えば、現金管理装置10が硬貨処理装置200、紙幣処理装置300及び棒金処理装置100以外の収納ポストを有する場合に操作画面G30に表示される。例えば、「ポスト回収」のメニューボタンBT30は、収納ポストに収納された物品を回収する場合に選択される。
【0139】
なお、棒金RCを棒金処理装置100から回収することは、棒金RCを棒金処理装置100から取り出すことに該当する。例えば、オペレータは、棒金RCの取り出し作業を行う場合、「棒金回収」のメニューボタンBT30を押下する。「棒金回収」のメニューボタンBT30が押下された場合、表示装置500に表示される操作画面Gは、操作画面G30から、図15に示す操作画面G31に遷移する。以下では、棒金RCの取り出し作業を棒金RCの回収作業と称する場合がある。
【0140】
図15は、操作画面Gの別の例を説明するための説明図である。図15に示す操作画面G31は、例えば、図14に示した操作画面G30において、「棒金回収」のメニューボタンBT30が押下された場合に、棒金RCの回収作業(取り出し作業)の内容を選択するための回収メニューとして、表示装置500に表示される画面である。
【0141】
操作画面G31は、テキスト領域TXと、戻るボタンBT0と、棒金RCの回収作業(取り出し作業)の内容に対応する複数のメニューボタンBT31とを有する。図15に示す例では、複数のメニューボタンBT31は、「棒金一部回収」のメニューボタンBT31、及び、「棒金全回収」のメニューボタンBT31を含む。「棒金一部回収」のメニューボタンBT31は、例えば、棒金処理装置100に収納されている棒金RCの一部を取り出す場合に選択される。また、「棒金全回収」のメニューボタンBT31は、例えば、棒金処理装置100に収納されている棒金RCの全てを取り出す場合に選択される。なお、「棒金全回収」のメニューボタンBT31が押下された場合、棒金収納庫120ごと回収されてもよい。
【0142】
例えば、オペレータは、棒金処理装置100に収納されている棒金RCの一部を取り出す場合、「棒金一部回収」のメニューボタンBT31を押下する。また、オペレータは、棒金処理装置100に収納されている棒金RCの全てを取り出す場合、「棒金全回収」のメニューボタンBT31を押下する。「棒金一部回収」のメニューボタンBT31が押下された場合、表示装置500に表示される操作画面Gは、操作画面G31から、図16に示す操作画面G32に遷移する。また、「棒金全回収」のメニューボタンBT31が押下された場合、表示装置500に表示される操作画面Gは、操作画面G31から、図19に示す操作画面G38に遷移する。
【0143】
図16は、操作画面Gの別の例を説明するための説明図である。図16に示す操作画面G32は、例えば、図15に示した操作画面G31において、「棒金一部回収」のメニューボタンBT31が押下された場合に、棒金RCを棒金処理装置100から取り出すための操作画面Gとして、表示装置500に表示される。
【0144】
操作画面G32は、テキスト領域TXと、明細領域DS4と、入力インターフェースKYと、戻るボタンBT0と、取消ボタンBT32と、実行ボタンBT33とを有する。
【0145】
明細領域DS4には、図11に示した明細領域DS1と同様に、棒金RCの複数の金種に対応する複数の金種ボタンBTdが配置されている。また、明細領域DS4には、棒金在高及び金種別回収明細を示す情報が表示される。棒金在高は、棒金処理装置100に現時点で収納されている棒金RCの本数及び総額を棒金RCの金種毎に示す。金種別回収明細は、棒金処理装置100から取り出す各金種の棒金RCの本数及び金額と、棒金処理装置100から取り出す棒金RCの総額(回収金額)とを示す。棒金処理装置100から取り出す棒金RCの金種は、複数の金種ボタンBTdのうち、棒金処理装置100から取り出す棒金RCの金種に対応する金種ボタンBTdが押下されることにより、選択される。また、棒金処理装置100から取り出す棒金RCの本数は、入力インターフェースKYを介して入力される。以下では、棒金処理装置100から取り出す棒金RCの本数は、回収数とも称される。
【0146】
入力インターフェースKYは、図11に示した入力インターフェースKYと同様である。例えば、オペレータは、棒金処理装置100から取り出す棒金RCの金種に対応する金種ボタンBTdを押下することにより、入力インターフェースKYにより回収数が入力される棒金RCの金種を選択する。そして、オペレータは、金種ボタンBTdにより選択した金種の棒金RCの回収数を、数字ボタンBTk1を押下することにより入力する。オペレータは、数字ボタンBTk1等により入力された回収数を確定する場合、確定ボタンBTk3を押下する。なお、例えば、確定ボタンBTk3の押下により、棒金RCの回収数が確定された後でも、「CL」のクリアボタンBTk2が押下された場合、金種ボタンBTdにより選択した金種の棒金RCの回収数が“0”にリセットされる。これにより、オペレータは、棒金RCの回収数を再入力することができる。
【0147】
図16に示す例では、5円、10円、50円、100円及び500円の棒金RCの回収数が確定され、1円の棒金RCの回収数が入力されている状態が示されている。図16に示す状態において、確定ボタンBTk3が押下された場合、1円の棒金RCの回収数が1本に確定される。
【0148】
取消ボタンBT32は、図11に示した取消ボタンBT22と同様に、金種ボタンBTd及び入力インターフェースKY等により確定した棒金RCの金種及び本数を初期状態にリセットするためのボタンである。
【0149】
実行ボタンBT33は、金種ボタンBTd及び入力インターフェースKY等により確定した棒金RCの金種及び本数の取り出し作業を棒金処理装置100に対して実行することを決定するためのボタンである。例えば、オペレータは、棒金処理装置100から取り出す棒金RCの全ての金種に対して回収数を確定した後、実行ボタンBT33を押下する。実行ボタンBT33が押下された場合、例えば、棒金収納庫120のロックが解除される。図16に示す例では、実行ボタンBT33が押下されることにより、図8に示したステップS102からステップS140までの一連の処理が実行される。また、実行ボタンBT33が押下された場合、表示装置500に表示される操作画面Gは、操作画面G32から、図17に示す操作画面G34に遷移する。
【0150】
図17は、操作画面Gの別の例を説明するための説明図である。図17に示す操作画面G34は、例えば、図16に示した操作画面G32において、実行ボタンBT33が押下された場合に、棒金RCを棒金処理装置100から取り出すための手順を説明するために、表示装置500に表示される。
【0151】
操作画面G34は、テキスト領域TXと、明細領域DS5と、棒金RCの取り出し作業の手順を示す説明図及び説明文等が表示される説明領域PAtとを有する。
【0152】
明細領域DS5には、金種別回収明細を示す情報が表示される。なお、金種別回収明細により示される情報(棒金処理装置100から取り出す各金種の棒金RCの本数及び金額等)は、図16に示した操作画面G32を用いて確定された情報である。
【0153】
また、図17に示す例では、説明領域PAtに表示された手順のうちの1番目の手順に対応する「棒金収納庫を引き出してください。」という文がテキスト領域TXに表示されている。そして、棒金収納庫120が筐体12から引き出された場合、説明領域PAtに表示された手順のうちの2番目及び3番目の手順に対応する「棒金を取り出して棒金収納庫を戻してください。」という文がテキスト領域TXに表示される。例えば、オペレータは、棒金RCを対象収納部SPtから取り出した後、棒金収納庫120を筐体12に戻す。これにより、棒金収納庫120が筐体12に収納される。
【0154】
棒金収納庫120が筐体12に戻された場合、表示装置500に表示される操作画面Gは、操作画面G34から、図18に示す操作画面G36に遷移する。
【0155】
図18は、操作画面Gの別の例を説明するための説明図である。図18に示す操作画面G36は、例えば、棒金RCの取り出し作業において棒金収納庫120が筐体12に戻された場合に、棒金RCの取り出し作業を終了するための手順を説明するために、表示装置500に表示される。
【0156】
操作画面G36は、テキスト領域TXと、明細領域DS6と、入力インターフェースKYと、実行ボタンBT36と、完了ボタンBT37とを有する。明細領域DS6及び入力インターフェースKYは、図16に示した操作画面G32の明細領域DS4及び入力インターフェースKYと同様である。但し、明細領域DS6の金種別回収明細により示される情報(棒金処理装置100から取り出す各金種の棒金RCの本数及び金額等)は、図16に示した操作画面G32を用いて確定された情報である。
【0157】
実行ボタンBT36は、例えば、棒金収納庫120を筐体12から押し出すためのボタンである。例えば、実行ボタンBT36が押下された場合、棒金収納庫120が筐体12から押し出される。これにより、棒金収納庫120が筐体12から引き出された状態になる。なお、棒金収納庫120をオペレータが手動で筐体12から引き出すことができる場合、実行ボタンBT36は、省かれてもよい。また、一度確定した本数の棒金RCが回収された後の完了待ちの場合では、実行ボタンBT36は、非表示でもよい。この場合、追加で回収本数が入力された場合に実行ボタンBT36が再表示されてもよい。
【0158】
完了ボタンBT37は、例えば、棒金RCの取り出し作業を終了するためのボタンである。例えば、オペレータは、完了ボタンBT37を押下することにより、棒金RCの取り出し作業を終了する。図18に示す例では、完了ボタンBT37が押下されることにより、棒金RCの取り出し作業が終了したと判定部414により判定され、図8に示したステップS182の処理が実行される。従って、棒金RCが対象収納部SPtから取り出された状態で、完了ボタンBT37が押下された場合、例えば、棒金収納庫120がロックされる。一方、棒金RCが対象収納部SPtから取り出されていない状態で、完了ボタンBT37が押下された場合、棒金収納庫120はロックされない。例えば、棒金RCが対象収納部SPtから取り出されていない状態で、完了ボタンBT37が押下された場合、図8において説明したように、棒金RCが対象収納部SPtから取り出されていないことがオペレータに通知される。また、棒金RCが対象収納部SPtから取り出されていない状態で、完了ボタンBT37が押下された場合、例えば、棒金収納庫120が筐体12から押し出され、棒金RCの取り出し作業のやり直しが指示されてもよい。
【0159】
次に、図19を参照しながら、図15に示した操作画面G31において「棒金全回収」のメニューボタンBT31が押下された場合に表示装置500に表示される操作画面G38の一例について説明する。
【0160】
図19は、操作画面Gの別の例を説明するための説明図である。図19に示す操作画面G38は、例えば、図15に示した操作画面G31において、「棒金全回収」のメニューボタンBT31が押下された場合に、棒金処理装置100に収納された全ての棒金RCを取り出すための操作画面Gとして、表示装置500に表示される。
【0161】
操作画面G38は、テキスト領域TXと、明細領域DS7と、説明領域PAtと、戻るボタンBT0と、実行ボタンBT38とを有する。明細領域DS7には、棒金処理装置100に現時点で収納されている棒金RCの本数及び総額を棒金RCの金種毎に示す棒金在高が表示される。また、説明領域PAtには、棒金処理装置100に収納された全ての棒金RCを取り出す場合の取り出し作業の手順を示す説明図及び説明文等が表示される。
【0162】
また、図19に示す例では、説明領域PAtに表示された手順のうちの1番目の手順に対応する「棒金全回収を開始する場合、[実行]を押してください。」という文がテキスト領域TXに表示されている。
【0163】
例えば、オペレータは、棒金処理装置100に収納されている全ての棒金RCを取り出す場合、実行ボタンBT38を押下する。そして、実行ボタンBT38が押下された場合、例えば、説明領域PAtに表示された手順の2番目の手順に対応する「棒金収納庫を引き出してください。」という文がテキスト領域TXに表示される。なお、実行ボタンBT38が押下された場合、戻るボタンBT0及び実行ボタンBT38は、非表示にされてもよい。
【0164】
また、例えば、棒金収納庫120が筐体12から引き出された場合、説明領域PAtに表示された手順の3番目及び4番目の手順に対応する「棒金を取り出して棒金収納庫を戻してください。」という文がテキスト領域TXに表示される。そして、棒金収納庫120が筐体12に戻された場合、操作画面G38に完了ボタン(例えば、図18の完了ボタンBT37と同様のボタン)が表示される。また、棒金収納庫120が筐体12に戻された場合、例えば、「[完了]を押してください。」という文がテキスト領域TXに表示されてもよい。
【0165】
完了ボタンは、例えば、棒金処理装置100から全ての棒金RCを取り出す作業を終了するためのボタンである。例えば、オペレータは、完了ボタンを押下することにより、棒金処理装置100から全ての棒金RCを取り出す作業を終了する。例えば、棒金処理装置100から全ての棒金RCが取り出された状態で、完了ボタンが押下された場合、棒金収納庫120がロックされる。一方、棒金処理装置100に棒金RCが残っている状態で、完了ボタンが押下された場合、棒金収納庫120はロックされない。例えば、棒金処理装置100に棒金RCが残っている状態で、完了ボタンが押下された場合、棒金処理装置100に棒金RCが残っていることがオペレータに通知されてもよい。また、棒金処理装置100に棒金RCが残っている状態で、完了ボタンが押下された場合、例えば、棒金収納庫120が筐体12から押し出され、棒金RCの取り出し作業のやり直しが指示されてもよい。
【0166】
以上、本実施形態では、棒金収納装置(棒金処理装置100及び処理装置410を含むシステム)は、棒金RCを収納するための複数の収納部SPが設けられた棒金収納庫120と、複数の収納部SPの中から、棒金RCを収納する作業又は棒金RCを取り出す作業である特定作業の対象とすべき対象収納部SPtを特定する特定部412と、特定作業が行われる場合に、特定作業が対象収納部SPtに対して行われたか否かを判定する判定部414と、を備える。
【0167】
このように、本実施形態では、判定部414は、特定部412により特定された対象収納部SPt(特定作業の対象とすべき対象収納部SPt)に対して特定作業が行われたか否かを判定する。これにより、例えば、棒金収納装置のオペレータは、特定作業が対象収納部SPtに対して行われたか否かを、判定部414の結果に基づいて容易に認識することができる。このため、本実施形態では、オペレータが対象収納部SPt以外の収納部SPに対して特定作業を行うことを抑制することができる。この結果、本実施形態では、棒金RCが棒金収納装置(より詳細には、棒金収納庫120)に乱雑に配置されることを抑制することができる。すなわち、本実施形態では、棒金RCを整然と配置させることができる。このように、本実施形態では、棒金RCを整然と配置させることができるため、例えば、棒金RCの配置場所を指定することにより、金種を識別するセンサ(以下、金種センサとも称する)を用いずに棒金収納装置の在高の管理を容易な構成で行うことができる。例えば、本実施形態では、金種センサの調整、及び、金種センサの検出結果を用いる金種判定プログラム等が不要になるため、棒金収納装置の制御が煩雑になることを抑制することができる。また、本実施形態では、金種センサにかかるコストを削減することができる。
【0168】
また、本実施形態では、棒金収納装置は、特定作業の対象となる棒金RCの金種及び本数を示す作業情報を受け付ける受付部416をさらに有する。特定部412は、作業情報に基づいて、対象収納部SPtを特定する。このように、本実施形態では、特定作業の対象となる棒金RCの金種及び本数に基づいて、特定作業の対象とすべき対象収納部SPtが特定される。このため、本実施形態では、特定作業の対象とすべき対象収納部SPtを金種毎に容易に特定することができる。この結果、本実施形態では、複数の金種の棒金RCが棒金収納装置に乱雑に配置されることを抑制することができる。
【0169】
また、本実施形態では、棒金収納庫120は、棒金収納装置の筐体12から第1方向(Y2方向)に引き出し可能であり、棒金収納装置が収納可能な複数の金種に対応する複数の区画CPに区分されている。複数の収納部SPは、2以上の収納部SPが第1方向に沿って配列される複数の収納列SLを構成する。複数の区画CPの各々には、複数の収納列SLのうちの少なくとも1つの収納列SLが配置される。特定部412は、特定作業の対象となる棒金RCの金種に対応する区画CPに配置された全ての収納部SPのうち、第1方向の反対方向(Y1方向)の収納部SPから順に棒金RCが収納され、第1方向の収納部SPから順に棒金RCが取り出されるように、対象収納部SPtを特定する。
【0170】
このように、本実施形態では、各区画CPにおいて、奥側(棒金収納庫120が引き出される第1方向の反対方向)から順に棒金RCが収納され、手前側(棒金収納庫120が引き出される第1方向)から順に棒金RCが取り出されるように、対象収納部SPtが特定される。すなわち、棒金RCが棒金収納庫120に収納される場合、各区画CPにおいて、空の収納部SPのうち、奥側から順に対象収納部SPtが特定される。また、棒金RCが棒金収納庫120から取り出される場合、各区画CPにおいて、棒金RCが収納された収納部SPのうち、手前側から順に対象収納部SPtが特定される。この結果、本実施形態では、複数の金種に対応する複数の区画CPにおいて、棒金RCが乱雑に配置されることを抑制することができる。
【0171】
また、本実施形態では、棒金収納装置は、棒金収納装置の状態を、特定作業の実施が制限される第1状態、及び、特定作業の実施の制限が解除される第2状態を含む複数の状態のうちのいずれかに設定する状態設定部418をさらに有する。状態設定部418は、特定作業が開始される場合、棒金収納装置の状態を第2状態に設定する。状態設定部418は、特定作業が開始された後、判定部414の判定結果が肯定である場合、棒金収納装置の状態を第2状態から第1状態に遷移させる。状態設定部418は、特定作業が開始された後、判定部414の判定結果が否定である場合、棒金収納装置の状態を第2状態に維持する。
【0172】
このように、本実施形態では、特定作業が対象収納部SPtに対して行われていない場合(判定部414の判定結果が否定である場合)、棒金収納装置の状態が第2状態に維持される。すなわち、本実施形態では、特定作業が対象収納部SPtに対して行われていない場合、棒金収納装置の状態は、特定作業の実施が制限される第1状態に設定されない。これにより、本実施形態では、例えば、特定作業が対象収納部SPtに対して行われたか否かをオペレータが容易に認識することができ、対象収納部SPtに対して特定作業を行うようにオペレータに促すことができる。この結果、本実施形態では、棒金RCが棒金収納装置に乱雑に配置されることを抑制することができる。
【0173】
また、本実施形態では、第1状態は、筐体12に収納された棒金収納庫120が筐体12から引き出されないように筐体12に固定される状態(例えば、棒金収納庫120がロックされた状態)である。第2状態は、棒金収納庫120が所定方向(Y方向)に沿って移動可能な状態で筐体12に保持される状態(例えば、棒金収納庫120がロックされていない状態)である。例えば、本実施形態では、特定作業が対象収納部SPtに対して行われていない場合、棒金収納庫120がロックされない。従って、本実施形態では、上述したように、棒金RCが棒金収納装置に乱雑に配置されることを抑制することができる。
【0174】
[2.変形例]
本発明は、以上に例示した実施形態に限定されない。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様を併合してもよい。
【0175】
[第1変形例]
上述した実施形態において、表示制御部420は、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの配置状態を表示装置500に表示させてもよい。
【0176】
図20は、第1変形例に係る操作画面G40の一例を説明するための説明図である。図20に示す操作画面G40は、例えば、棒金収納庫120に収納されている棒金RCを確認するための操作画面Gとして、表示装置500に表示される。例えば、図9に示した操作画面G10に、棒金収納庫120に収納されている棒金RCを確認するためのメニューボタンBT10が追加されてもよい。この場合、棒金収納庫120に収納されている棒金RCを確認するためのメニューボタンBT10が押下されることにより、操作画面G40が表示装置500に表示される。
【0177】
操作画面G40は、収納部SPの配置図AG10と、配置図AG10に用いられている絵(図)の補足情報EPと、棒金明細SG10と、戻るボタンBT0とを有する。
【0178】
配置図AG10は、棒金収納庫120をZ1方向から平面視した場合の収納部SPの配置を模式的に示している。図20に示す例では、筒の絵(図)により収納部SPが示されている。また、図20に示す例では、複数の収納部SPの配列の行及び列を示す情報(数字及びアルファベット)、及び、収納列SLに対応する金種が複数の収納部SPの配列(筒の絵の配列)の周囲に表示される。図20に示す配置図AG10では、複数の収納部SPのうち、1行目の収納部SPは、最も奥側の収納部SPであり、10行目の収納部SPは、最も手前側の収納部SPである。なお、配置図AG10に用いられる筒の絵の意味は、補足情報EPにより説明される。例えば、白抜きの筒は、棒金RCが収納されていない空の収納部SP(棒金RCを補充可能な収納部SP)を示し、黒の筒は、棒金RCが収納されている収納部SP(棒金RCを取り出し可能な収納部SP)を示している。なお、棒金収納庫120に収納されている棒金RCを黒の筒で示しているとも捉えられる。
【0179】
このように、本変形例では、配置図AG10により、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの配置状態が表示装置500に表示される。
【0180】
また、棒金明細SG10は、棒金収納庫120に現時点で収納されている棒金RCの本数、及び、補充可能な棒金RCの本数を、棒金RCの金種毎に示す。なお、図20に示す例では、複数の金種のうち、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの本数が少ない金種を、オペレータが視認可能に、棒金明細SG10が表示される。本変形例では、空の収納部SPが4行目に存在する区画CPに対応する金種が、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの本数が少ない金種として特定される。図20に示す例では、50円及び100円が、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの本数が少ない金種として特定される。このため、図20に示す棒金明細SG10では、50円及び100円の補充可能数に網掛けが付され、他の金種の補充可能数には網掛けが付されていない。
【0181】
なお、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの本数が少ない金種は、オペレータが視認可能に表示されればよく、網掛けに限定されない。例えば、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの本数が少ない金種の補充可能数は、他の金種の補充可能数と異なる色で表示されてもよい。また、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの本数が少ないとする判定基準は、オペレータが任意に設定可能であってもよい。さらに、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの本数が少ないとする判定基準は、金種毎に設定可能であってもよい。
【0182】
また、制御装置400は、操作画面G40を表示装置500に表示するための処理が実行される度に、光学センサSEによる検出結果に基づいて、棒金RCの配置状態を特定してもよい。あるいは、制御装置400は、特定作業が行われる度に、棒金RCの配置状態を示す配置情報が記憶装置440に記憶される場合、記憶装置440に記憶されている配置情報に基づいて、棒金RCの配置状態を特定してもよい。なお、棒金RCの配置状態の特定は、例えば、特定部412、判定部414及び表示制御部420のいずれかにより実行されてもよい。あるいは、処理装置410は、特定部412、判定部414及び表示制御部420とは別に、棒金RCの配置状態を特定するための機能ブロックとして機能してもよい。
【0183】
なお、操作画面G40は、図20に示す例に限定されない。例えば、光学センサSEの故障等により使用不可な収納部SPが存在する場合、使用不可な収納部SPが配置図AG10等を用いて、オペレータにより指定されてもよい。この場合、使用不可な収納部SPは、空の収納部SP、及び、棒金RCが収納されている収納部SPと識別可能な表示態様(例えば、白抜きの筒に重ねて×印を表示等)で配置図AG10に表示されてもよい。この場合、オペレータは、使用不可な収納部SPが光学センサSEの交換等により使用可能になるまで、使用不可な収納部SPを容易に認識することができる。使用不可から使用可能になる収納部SPが存在する場合、使用不可から使用可能になる収納部SPは、配置図AG10等を用いて、オペレータにより指定されてもよい。
【0184】
以上、本変形例においても、上述した実施形態と同様の効果を得ることができる。また、本変形例では、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの配置状態が表示装置500に表示される。これにより、オペレータは、棒金収納庫120を筐体12から引き出すことなく、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの配置状態を確認することができる。また、本変形例では、棒金RCの配置状態が表示装置500に表示されるため、オペレータは、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの実際の配置状態を容易にイメージできる。このように、本変形例では、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの配置状態をオペレータが容易に確認することができるため、棒金収納装置の使い勝手を向上することができる。
【0185】
[第2変形例]
上述した変形例において、表示制御部420は、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの配置状態とともに、対象収納部SPtを示す情報を表示装置500に表示させてもよい。
【0186】
図21は、第2変形例に係る操作画面Gの一例を説明するための説明図である。図21に示す操作画面G50は、例えば、棒金RCの収納作業が行われる場合に、棒金RCの収納場所を案内するための操作画面Gとして、表示装置500に表示される。例えば、操作画面G50は、図12に示した操作画面G24の次に、表示装置500に表示されてもよい。あるいは、操作画面G50は、操作画面G24の代わりに、表示装置500に表示されてもよい。
【0187】
操作画面G50は、収納部SPの配置図AG10と、補足情報EPと、指示情報MG10とを有する。
【0188】
配置図AG10及び補足情報EPは、図20に示した配置図AG10及び補足情報EPと同様である。但し、操作画面G50では、棒金RCが誤った場所の収納部SPに収納された場合、棒金RCが誤って収納された収納部SPを示す筒の絵(図)は、他の収納部SPを示す筒の絵と識別可能に表示されることが好ましい。誤った場所の収納部SPは、例えば、特定部412により特定された対象収納部SPt以外の収納部SPである。図21に示す例では、7行C列目、8行B列目、8行D列目、及び、9行C列目の収納部SPが、棒金RCが誤って収納された収納部SPであり、網掛けの筒の絵で示されている。
【0189】
さらに、棒金RCが誤った場所の収納部SPに収納された場合、棒金RCが収納されるべき正しい収納部SP(対象収納部SPt)を示す筒の絵は、他の収納部SPを示す筒の絵と識別可能に表示されることが好ましい。図21に示す例では、5行B列目、5行C列目、6行A列目、及び、6行D列目の収納部SPが、棒金RCが収納されるべき対象収納部SPtである。例えば、5行B列目、5行C列目、6行A列目、及び、6行D列目の収納部SP(対象収納部SPt)を示す筒の絵は、点滅してもよい。すなわち、図21に示す例では、筒の絵が点滅することにより、特定部412により特定された対象収納部SPtの場所が案内される。
【0190】
指示情報MG10は、誤った場所の収納部SPに収納された棒金RCの金種毎に、棒金RCが誤って収納された収納部SPの場所を示す情報を示す。さらに、指示情報MG10は、誤った場所の収納部SPに収納された棒金RCの金種毎に、棒金RCが収納されるべき正しい収納部SPの場所を示す情報を示す。すなわち、図21に示す例では、特定部412により特定された対象収納部SPtの場所を案内する情報が表示装置500に表示される。
【0191】
なお、図12に示した操作画面G24の後に、操作画面G50が表示装置500に表示される場合、指示情報MG10は、特定部412により特定された対象収納部SPtの場所を示す情報を示してもよい。また、対象収納部SPtの場所の案内は、指示情報MG10の表示に加え、又は、指示情報MG20の表示に代えて、対象収納部SPtの場所を案内する音声を示す音声データを再生することにより実現されてもよい。また、対象収納部SPtの場所の案内は、誤った場所の収納部SPの棒金アイコンを抜いて正しい場所の収納部SPに棒金アイコンを挿入させる矢印アニメーション等による指示であってもよい。
【0192】
次に、図22を参照しながら、棒金RCの取り出し作業が行われる場合に表示装置500に表示される操作画面Gの一例について説明する。
【0193】
図22は、第2変形例に係る操作画面Gの別の例を説明するための説明図である。図22に示す操作画面G60は、例えば、棒金RCの取り出し作業が行われる場合に、棒金RCの取り出し場所を案内するための操作画面Gとして、表示装置500に表示される。例えば、操作画面G60は、図17に示した操作画面G34の次に、表示装置500に表示されてもよい。あるいは、操作画面G60は、操作画面G34の代わりに、表示装置500に表示されてもよい。
【0194】
操作画面G60は、収納部SPの配置図AG10と、補足情報EPと、指示情報MG20とを有する。
【0195】
配置図AG10及び補足情報EPは、図20に示した配置図AG10及び補足情報EPと同様である。但し、操作画面G60では、棒金RCが誤った場所の収納部SPから取り出された場合、棒金RCが取り出されるべき正しい収納部SP(対象収納部SPt)を示す筒の絵は、他の収納部SPを示す筒の絵と識別可能に表示されることが好ましい。図22に示す例では、1行I列目、及び、4行L列目の収納部SPが、棒金RCが誤って取り出された収納部SPであり、4行I列目、及び、7行L列目の収納部SPが、棒金RCが取り出されるべき対象収納部SPtである。従って、例えば、4行I列目、及び、7行L列目の収納部SP(対象収納部SPt)を示す筒の絵は、点滅してもよい。すなわち、図22に示す例では、筒の絵が点滅することにより、特定部412により特定された対象収納部SPtの場所が案内される。
【0196】
なお、棒金RCが誤った場所の収納部SPから取り出された場合、棒金RCが誤って取り出された収納部SPを示す筒の絵(図)は、他の収納部SPを示す筒の絵と識別可能に表示されてもよい。例えば、1行I列目、及び、4行L列目の収納部SPを示す筒の輪郭(線)が点滅し、4行I列目、及び、7行L列目の収納部SP(対象収納部SPt)を示す筒の絵の全体が点滅してもよい。
【0197】
また、指示情報MG20は、誤った場所の収納部SPから取り出された棒金RCの金種毎に、棒金RCが誤って取り出された収納部SPの場所を示す情報を示す。さらに、指示情報MG20は、誤った場所の収納部SPから取り出された棒金RCの金種毎に、棒金RCが取り出されるべき正しい収納部SPの場所を示す情報を示す。すなわち、図22に示す例では、特定部412により特定された対象収納部SPtの場所を案内する情報が表示装置500に表示される。
【0198】
なお、図17に示した操作画面G34の後に、操作画面G60が表示装置500に表示される場合、指示情報MG20は、特定部412により特定された対象収納部SPtの場所を示す情報を示してもよい。また、対象収納部SPtの場所の案内は、指示情報MG20の表示に加え、又は、指示情報MG20の表示に代えて、対象収納部SPtの場所を案内する音声を示す音声データを再生することにより実現されてもよい。ここで、例えば、誤った場所の収納部SPから棒金RCが取り出された場合の案内の内容として、下記の2つの例が考えられる。第1の例では、誤って取り出された棒金RCを元の収納部SPに戻して、正しい場所の収納部SP(対象収納部SPt)から棒金RCを取り出すように案内される。この例では、間違えを正すという観点からのオペレーションとなり、不慣れなオペレータが混乱することを抑制することができる。第2の例では、正しい場所の収納部SP(対象収納部SPt)から棒金RCを取り出し、正しい場所の収納部SPから取り出した棒金Cを、誤った場所の収納部SPに挿入するように案内される。この例では、誤って取り出された棒金RCがそのまま使用されるため、奥の棒金RCが使用されない状態が長くなることを抑制することができる。なお、誤った場所の収納部SPから棒金RCが取り出された場合の案内の内容は、上述の2つの例に限定されない。
【0199】
以上、本変形例においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。また、本変形例では、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの配置状態とともに、対象収納部SPtを示す情報が表示装置500に表示される。これにより、オペレータは、例えば、収納作業において棒金RCが収納されるべき対象収納部SPt、又は、取り出し作業において棒金RCが取り出されるべき対象収納部SPtを、容易に認識することができる。この結果、本変形例では、棒金収納装置の使い勝手を向上することができる。
【0200】
[第3変形例]
上述した実施形態及び変形例において、棒金処理装置100は、複数の区画CPのうち、対象収納部SPtが配置された区画CPを案内する案内部を有してもよい。なお、案内部は、対象収納部SPtが配置された区画CPを音声により案内するものであってもよいし、後述する図23に示す案内部LAcであってもよい。
【0201】
第3変形例に係る処理装置410は、例えば、記憶装置440に記憶された制御プログラムPGaに従って動作することで、図5に示した特定部412、判定部414、受付部416、状態設定部418及び表示制御部420として機能する他に、案内制御部としても機能する。案内制御部は、案内部、例えば、後述する図23に示す案内部LAcを制御する。
【0202】
図23は、第3変形例に係る棒金収納庫120の概要を説明するための説明図である。なお、図23では、棒金収納庫120をZ1方向から平面視した場合の棒金収納庫120の平面図が示されている。
【0203】
図23に示す棒金収納庫120は、複数の区画CPに対応する複数の案内部LAc(LAc1、LAc2、LAc3、LAc4、LAc5及びLAc6)が設けられることを除いて、図3に示した棒金収納庫120と同様である。
【0204】
複数の案内部LAcの各々は、例えば、LED等の光源を含み、案内制御部として機能する処理装置410による制御のもとで、光を発する。例えば、各案内部LAcは、棒金収納庫120のうち、オペレータがZ1方向(上側)から棒金収納庫120を見た場合に案内部LAcの発光を視認可能な場所に、区画CPに対応して配置される。図23に示す例では、各案内部LAcは、X方向の配置位置が当該案内部LAcに対応する区画CPの中央付近になるように、壁部124の上面UF2に配置される。なお、案内部LAcの上面UF3は、壁部124の上面UF2よりも上側に位置しないことが好ましい。例えば、案内部LAcの上面UF3と壁部124の上面UF2とが同一の平面内(所謂面一)に位置してもよいし、案内部LAcの上面UF3が、壁部124の上面UF2よりもZ2方向(下側)に位置してもよい。
【0205】
例えば、案内部LAcは、複数の区画CPのうち、対象収納部SPtが配置された区画CPを案内する。具体的には、複数の案内部LAcのうち、対象収納部SPtが配置された区画CPに対応する案内部LAcが発光し、他の案内部LAcが消灯することにより、対象収納部SPtが配置された区画CPが案内される。例えば、案内制御部として機能する処理装置410は、特定部412により特定された対象収納部SPtが配置された区画CPに対応する案内部LAcを発光させ、他の案内部LAcは発光させない。このように、複数の案内部LAcの各々の発光及び消灯は、案内制御部として機能する処理装置410により制御される。
【0206】
なお、図23に示す例では、各案内部LAcは、当該案内部LAcに対応する区画CPに収納される棒金RCの金種を示す情報(数字)が上面UF3に表示されるように、構成されている。これにより、オペレータは、各案内部LAcと金種との関係を容易に認識することができる。なお、棒金RCの金種を示す情報(数字)は、案内部LAcの上面UF3に表示されなくてもよい。また、対象収納部SPtが配置された区画CPの案内は、当該区画CPを案内する音声を示す音声データを再生することにより、実現されてもよい。
【0207】
以上、本変形例においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。また、本変形例においても、棒金収納庫120は、棒金処理装置100が収納可能な複数の金種に対応する複数の区画CPに区分され、複数の区画CPの各々には、複数の収納部SPのうちの2以上の収納部SPが配置される。そして、本変形例では、棒金処理装置100は、案内部LAcをさらに有する。案内部LAcは、複数の区画CPのうち、対象収納部SPtが配置された区画CPを案内する。
【0208】
このように、本変形例では、複数の区画CPのうち、対象収納部SPtが配置された区画CPが、案内部LAcにより案内される。これにより、オペレータは、例えば、収納作業において棒金RCが収納されるべき対象収納部SPtが配置された区画CP、又は、取り出し作業において棒金RCが取り出されるべき対象収納部SPtが配置された区画CPを、容易に認識することができる。この結果、本変形例では、棒金収納装置の使い勝手を向上することができる。
【0209】
[第4変形例]
上述した実施形態及び変形例において、棒金処理装置100は、特定部412により特定された対象収納部SPtを案内する案内部を有してもよい。なお、案内部は、特定部412により特定された対象収納部SPtを音声により案内するものであってもよいし、後述する図24に示す案内部LAsであってもよい。
【0210】
図24は、第4変形例に係る棒金収納庫120の概要を説明するための説明図である。なお、図24では、棒金収納庫120をZ1方向から平面視した場合の棒金収納庫120の平面図と、平面図におけるA1-A2線に沿う棒金収納庫120の断面図とが示されている。
【0211】
図24に示す棒金収納庫120は、複数の収納部SPに対応する複数の案内部LAsが設けられることを除いて、図3等に示した棒金収納庫120と同様である。なお、本変形例においても、上述した第3変形例と同様に、処理装置410は、特定部412、判定部414、受付部416、状態設定部418、表示制御部420及び案内制御部として機能する。但し、案内制御部は、各光学センサSEに含まれる発光素子LEの発光及び消灯を制御する。また、本変形例では、発光素子LEは、可視光を発する。
【0212】
複数の案内部LAsの各々は、例えば、プリズムPRMと、プリズムPRMの上に配置された導光部材LGPとを有する。プリズムPRMは、光学センサSEの発光素子LE及び受光素子LR間に配置され、発光素子LEから発せられた光を、受光素子LRに向かう光と、上側(Z1方向)に向かう光とに分離する。例えば、プリズムPRMは、Z1方向からの平面視において発光素子LEと収納部SPとの間に位置するように、棒金収納庫120の底部122の上面UF1に配置される。
【0213】
また、導光部材LGPは、発光素子LEから発せられた光のうち、プリズムPRMで上側に反射した光を、上方(Z1方向)に導く。導光部材LGPは、例えば、導光板であってもよい。導光部材LGPにより、オペレータは、発光素子LEから発せられた光を容易に視認することができる。
【0214】
例えば、案内制御部として機能する処理装置410は、複数の案内部LAsのうち、特定部412により対象収納部SPtとして特定された収納部SPに対応する案内部LAsを発光させ、他の案内部LAsは発光させない。このように、本変形例では、複数の案内部LAsのうち、対象収納部SPtに対応する案内部LAsが発光し、他の案内部LAsが消灯することにより、対象収納部SPtが案内される。
【0215】
なお、図24に示す例では、各案内部LAsは、図24の平面図に示すように、Z1方向から棒金収納庫120を見た場合に、光が発する部分(以下、発光部分とも称する)が三角形として把握されるように、構成されている。これにより、オペレータは、対象収納部SPtを容易に認識することができる。なお、Z1方向から棒金収納庫120を見た場合に把握される案内部LAsの発光部分は、三角形に限定されない。
【0216】
また、棒金収納庫120の構成は、図24に示す例に限定されない。例えば、棒金収納庫120は、複数の案内部LAsに加えて、図23に示した複数の案内部LAcを有してもよい。この場合、案内制御部として機能する処理装置410は、各案内部LAcの発光及び消灯と、各光学センサSEに含まれる発光素子LEの発光及び消灯とを制御する。また、案内部LAsの構成は、図24に示す例に限定されない。例えば、導光部材LGPは省かれてもよい。また、対象収納部SPtの場所の案内は、当該対象収納部SPtの場所を案内する音声を示す音声データを再生することにより、実現されてもよい。
【0217】
以上、本変形例においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。また、本変形例では、棒金処理装置100は、対象収納部SPtを案内する案内部LAsをさらに有する。すなわち、本変形例では、特定部412により特定された対象収納部SPtが案内部LAsにより案内される。これにより、オペレータは、例えば、収納作業において棒金RCが収納されるべき対象収納部SPt、又は、取り出し作業において棒金RCが取り出されるべき対象収納部SPtを、容易に認識することができる。この結果、本変形例では、棒金収納装置の使い勝手を向上することができる。また、本変形例では、光学センサSEの発光素子LEを利用して対象収納部SPtが案内されるため、対象収納部SPtを案内するための発光部材を、発光素子LEとは別に設ける必要がない。このため、本変形例では、複数の収納部SPに対応する複数の発光部材が発光素子LEとは別に設けられる態様に比べて、棒金処理装置100及び制御装置400間の信号配線等が煩雑になることを抑制することができる。
【0218】
[第5変形例]
上述した実施形態及び変形例では、棒金収納庫120が複数の収納部SPと1対1に対応する複数の光学センサSEを有する場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、棒金収納庫120は、複数の収納部SPと1対1に対応する複数の光学センサSEの代わりに、複数の収納列SLと1対1に対応する複数の測距センサSE2(後述する図25参照)を有してもよい。
【0219】
図25は、第5変形例に係る棒金収納庫120の概要を説明するための説明図である。なお、図25では、棒金収納庫120をZ1方向から平面視した場合の棒金収納庫120の平面図が示されている。
【0220】
図25に示す棒金収納庫120は、複数の収納列SLと1対1に対応する複数の測距センサSE2が設けられたセンサ基板128Aを図3に示したセンサ基板128の代わりに有することを除いて、図3に示した棒金収納庫120と同様である。すなわち、本変形例では、複数の光学センサSEの代わりに複数の測距センサSE2が、収納部SPに棒金RCが収納されているか否かの検出に用いられる。
【0221】
センサ基板128Aは、X方向に沿って延在する。例えば、センサ基板128Aは、最も手前側(Y2方向)に配置された収納部SPと壁部124との間に位置するように、底部122の上面UF1に配置される。また、センサ基板128Aは、X方向に沿う側面SD3を有する。側面SD3は、Y1方向からセンサ基板128を見た場合に把握される面である。センサ基板128Aの側面SD3には、複数の測距センサSE2が設けられる。
【0222】
各測距センサSE2は、発光素子LE及び受光素子LRを含む。例えば、各測距センサSE2の受光素子LRは、当該測距センサSE2に対応する収納列SLに棒金RCが収納されている場合、発光素子LEから発せられ、棒金RCで反射した光を受ける。従って、例えば、制御装置400は、各測距センサSE2の発光素子LEが発光してから受光素子LRが受光するまでの時間を計測することにより、当該測距センサSE2に対応する収納列SLにおいて発光素子LEに最も近い棒金RCの位置を算出できる。
【0223】
従って、各測距センサSE2は、発光素子LEから発せられ、棒金RCで反射した光が受光素子LRに到達するように、センサ基板128Aの側面SD3に設けられる。例えば、当該測距センサSE2のX方向における中心と当該測距センサSE2に対応する収納列SLのX方向における中心とが、X方向において一致又はほぼ一致するように、センサ基板128Aの側面SD3に設けられる。
【0224】
ここで、本変形例は、上述した実施形態及び変形例と同様に、各区画CPにおいて、奥側の収納部SPから順に棒金RCが収納される。このため、本変形例では、各測距センサSE2による検出結果に基づいて各収納列SLに収納された棒金RCのうちの最も手前側の棒金RCの位置を算出することにより、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの配置状態を特定することができる。
【0225】
なお、測距センサSE2の制御、及び、棒金RCの配置状態の特定等は、例えば、特定部412、判定部414及び表示制御部420のいずれかにより実行されてもよい。あるいは、処理装置410は、特定部412、判定部414及び表示制御部420とは別に、測距センサSE2の制御、及び、棒金RCの配置状態の特定等を実行するための機能ブロックとして機能してもよい。
【0226】
以上、本変形例においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。また、本変形例では、複数の収納部SPと1対1に対応する複数の光学センサSEの代わりに、複数の収納列SLと1対1に対応する複数の測距センサSE2を用いて、棒金収納庫120に収納されている棒金RCの配置状態が特定される。このため、本変形例では、複数の収納部SPと1対1に対応する複数の光学センサSEを有する態様に比べて、発光素子LE及び受光素子LR等の部品点数を少なくすることができる。これにより、本変形例では、故障が発生する可能性のある個所を少なくすることができるため、棒金処理装置100の故障リスクを低減することができる。
【0227】
[第6変形例]
上述した実施形態及び変形例では、棒金収納装置(棒金処理装置100及び処理装置410を含むシステム)が受付部416を有する場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、棒金収納装置は、受付部416を有さなくてもよい。本変形例では、例えば、特定部412は、各区画CPにおいて、収納されている棒金RCの本数が変化した場合、収納されている棒金RCの本数が変化する前の棒金RCの配置状態に基づいて、対象収納部SPtを特定する。
【0228】
例えば、特定部412は、各区画CPにおいて、収納されている棒金RCの本数が増加した場合、棒金RCの収納作業が行われたと判定する。そして、特定部412は、棒金RCの本数が増加する前の棒金RCの配置状態に基づいて特定される空の収納部SPの奥側から順に棒金RCが収納されるように、増加分に対応する棒金RCが収納されるべき対象収納部SPtを特定する。
【0229】
また、例えば、特定部412は、各区画CPにおいて、収納されている棒金RCの本数が減少した場合、棒金RCの取り出し作業が行われたと判定する。そして、特定部412は、棒金RCの本数が減少する前の棒金RCの配置状態において手前側の収納部SPから順に棒金RCが取り出されるように、減少分に対応する棒金RCが取り出されるべき対象収納部SPtを特定する。
【0230】
このように、本変形例においても、棒金RCが整然と配置されるように対象収納部SPtが特定される。このため、本変形例においても、棒金RCが棒金収納庫120に乱雑に配置されることを抑制することができる。
【0231】
[第7変形例]
上述した実施形態及び変形例では、棒金収納装置(棒金処理装置100及び処理装置410を含むシステム)の状態を状態設定部418が判定部414の判定結果に基づいて設定する場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、状態設定部418による棒金収納装置の状態の設定に、判定部414の判定結果が用いられなくてもよい。なお、本変形例では、状態設定部418は現金管理装置10に含まれてもよい。また、本変形例では、例えば、特定作業が対象収納部SPtに対して行われていない場合(判定部414の判定結果が否定である場合)、特定作業が対象収納部SPtに対して行われていないことを警報装置によりオペレータに通知してもよい。本変形例においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。
【0232】
[第8変形例]
上述した実施形態及び変形例において、棒金収納装置は、表示制御部420を含まずに定義されてよい。本変形例においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。
【0233】
[第9変形例]
上述した実施形態及び変形例では、特定部412等として機能する処理装置410を棒金処理装置100とは別体の制御装置400が有する場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、特定部412等として機能する処理装置410を棒金処理装置100が有してもよい。本変形例では、例えば、図5に示した機能ブロック(特定部412等)の一部又は全部が、棒金処理装置100が有する処理装置410により実現されてもよい。また、図5に示した処理装置410により実現される機能ブロック(特定部412等)の一部又は全部がハードウェアにより実現され、棒金処理装置100に含まれてもよい。本変形例においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。
【0234】
[第10変形例]
上述した実施形態及び変形例において、各区画CPは、Y方向ではなく、X方向に沿って延在してもよい。この場合、複数の区画CPは、Y方向に沿って配置されてもよい。また、1つの収納列SLに収納される棒金RCの金種は、1金種に限定されない。例えば、1つの収納列SLに複数の金種の棒金RCが収納されてもよい。本変形例においても、収納部SPに収納される棒金RCの金種が一定の規則に基づいて定められているため、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。
【0235】
[第11変形例]
上述した実施形態及び変形例において、棒金収納庫120は、複数の店舗にそれぞれ対応付けされた複数のエリアAR(後述する図26のエリアARa及びARb)を有してもよい。本変形例では、例えば、棒金収納庫120が有する複数のエリアARの各々において、上述した図7及び図8に示した動作が実行される。例えば、本変形例に係る制御装置400の動作は、上述した実施形態の説明において、上述した実施形態の棒金収納庫120が有する複数の収納部SPを、複数のエリアARの各々が有する複数の収納部SPに読み替えることにより、説明される。
【0236】
図26は、第11変形例に係る棒金収納庫120の一例を説明するための説明図である。なお、図26では、棒金収納庫120をZ1方向から平面視した場合の棒金収納庫120の平面図が示されている。なお、上述したように、n番目(nは自然数)の収納部SPは、n行目の収納部SPとも称される。
【0237】
図26に示す棒金収納庫120では、複数の収納部SPは、店舗A用のエリアARaと店舗B用のエリアARbとに分けられている。例えば、エリアARaは、1行目から5行目までの収納部SPを含み、エリアARbは、6行目から10行目までの収納部SPを含む。図26に示す例では、複数のエリアAR(ARa及びARb)は、互いに異なる色でそれぞれ色付けされている。これにより、オペレータは、作業対象のエリアARを容易に把握することができる。なお、各エリアARの色付けの方法は、特に限定されないが、棒金処理装置100の出荷後の店舗の入れ替えに柔軟に対応できる態様が好ましい。例えば、各エリアARの色付けは、色付きのシールの貼付、又は、色付きのパネルシートの設置により行われることが好ましい。但し、各エリアARの色付けの方法は、色付きの塗料の塗布により行われてもよい。
【0238】
また、図26に示す例では、各収納部SPに当該収納部SPの位置を示すアドレスが設定されている。例えば、白色の三角形が付された収納部SP(収納列SLcの4番目の収納部SP)の位置は、アドレス[4C]で示され、黒色の三角形が付された収納部SP(収納列SLbの7番目の収納部SP)の位置は、アドレス[7B]で示される。各収納部SPにアドレスが設定されることにより、例えば、制御装置400は、オペレータへの対象収納部SPtの通知等を簡易に実行できる。また、アドレスは、各エリアARに着目した場合に、オペレータが容易に位置を認識できるように設定されてもよい。例えば、図26の1行目から5行目までの収納部SPには、行アドレスとしてa1~a5が割り当てられ、6行目から10行目までの収納部SPには、行アドレスとしてb1~b5が割り当てられてもよい。この場合、白色の三角形が付された収納部SPの位置は、アドレス[a4C]で示され、黒色の三角形が付された収納部SPの位置は、アドレス[b2B]で示される。
【0239】
次に、図27を参照しながら、第11変形例に係る棒金収納庫120の別の例を説明する。
【0240】
図27は、第11変形例に係る棒金収納庫120の別の例を説明するための説明図である。なお、図27では、棒金収納庫120をZ1方向から平面視した場合の棒金収納庫120の平面図が示されている。
【0241】
図27に示す棒金収納庫120では、エリアARaとエリアARbとの境界を示す境界線LNがオペレータに視認可能に設けられている。これにより、オペレータは、作業対象のエリアARの境界を容易に把握することができる。なお、境界線LNを設ける方法は、特に限定されないが、棒金処理装置100の出荷後の店舗の入れ替えに柔軟に対応できる態様が好ましい。例えば、オペレータが視認可能なテープの貼付、又は、オペレータが視認可能な線状のシートの設置により、境界線LNが設けられることが好ましい。なお、塗料により、境界線LNが引かれてもよい。
【0242】
次に、図28を参照しながら、第11変形例に係る棒金収納庫120の別の例を説明する。
【0243】
図28は、第11変形例に係る棒金収納庫120の別の例を説明するための説明図である。なお、図28では、棒金収納庫120をZ1方向から平面視した場合の棒金収納庫120の平面図が示されている。
【0244】
図28に示す棒金収納庫120では、エリアARaを示す枠FMaとエリアARbを示す枠FMbとがオペレータに視認可能に設けられている。これにより、オペレータは、作業対象のエリアARを容易に把握することができる。なお、枠FM(FMa及びFMb)を設ける方法は、特に限定されないが、棒金処理装置100の出荷後の店舗の入れ替えに柔軟に対応できる態様が好ましい。例えば、オペレータが視認可能なテープの貼付、又は、オペレータが視認可能な枠状のシートの設置により、枠FMが設けられることが好ましい。なお、塗料により、枠FMが引かれてもよい。
【0245】
次に、図29を参照しながら、第11変形例に係る棒金収納庫120の別の例を説明する。
【0246】
図29は、第11変形例に係る棒金収納庫120の別の例を説明するための説明図である。なお、図29では、棒金収納庫120をZ1方向から平面視した場合の棒金収納庫120の平面図が示されている。
【0247】
図29に示す棒金収納庫120では、エリアARa及びARbをそれぞれ覆うカバーCVA及びCVbが設けられている。図29に示す例では、カバーCV(CVa及びCVb)の各々に、当該カバーCVにより覆われるエリアARに対応する店舗を示すシールSEL(SELa又はSELb)が貼付されている。これにより、オペレータは、作業対象のエリアARを容易に把握することができる。なお、シールSELは、貼付されなくてもよい。また、カバーCVは、透明でもよいし、透明でなくてもよい。また、図26図27又は図28に示した態様において、カバーCVが設けられてもよい。
【0248】
また、各カバーCVは、鍵付きであってもよい。この場合、作業対象のエリアARに対応する店舗のオペレータとは異なる人物により当該エリアARに対する作業が行われることを抑制することができる。また、鍵の解錠は、制御装置400により実行されてもよい。例えば、制御装置400は、操作画面G10等を操作するオペレータの所属する店舗を示す情報を取得し、取得した情報に基づいて、オペレータの所属する店舗に対応するエリアARのカバーCVの鍵を解錠してもよい。
【0249】
また、各カバーCVは、棒金処理装置100の出荷後のエリアARの範囲の変更に柔軟に対応できるように、取り換え可能であってもよい。
【0250】
次に、図30を参照しながら、第11変形例に係る棒金収納庫120の別の例を説明する。
【0251】
図30は、第11変形例に係る棒金収納庫120の別の例を説明するための説明図である。なお、図30では、現金管理装置10をZ1方向から平面視した場合の棒金収納庫120の平面図が示されている。
【0252】
図30に示す棒金収納庫120では、エリアARaに対応する店舗のオペレータとは異なる人物が、棒金収納庫120を引き出した場合に、エリアARaの収納部SPが露出しないように、棒金収納庫120の引き出しに制限がかかる。これにより、エリアARaに対応する店舗のオペレータとは異なる人物(例えば、エリアARbに対応する店舗のオペレータ)により、エリアARaに対する作業が行われることを抑制することができる。棒金収納庫120の引き出しの制限及び制限の解除は、例えば、制御装置400により実行される。例えば、制御装置400は、操作画面G10等を操作するオペレータの所属する店舗を示す情報を取得し、取得した情報がエリアARaに対応する店舗のオペレータとは異なるオペレータを示す場合、棒金収納庫120の引き出しを制限する。また、例えば、制御装置400は、操作画面G10等を操作するオペレータの所属する店舗を示す情報を取得し、取得した情報がエリアARaに対応する店舗のオペレータを示す場合、棒金収納庫120の引き出しの制限を解除する。
【0253】
なお、棒金収納庫120の引き出しが制限される場合の引き出し可能な範囲は、棒金処理装置100の出荷後のエリアARの範囲の変更に柔軟に対応できるように、変更可能であってもよい。
【0254】
また、図30では、図27に示した態様において、棒金収納庫120の引き出しが制限される場合が例示されているが、図26又は図28に示した態様において、棒金収納庫120の引き出しが制限されてもよい。また、本態様において、図29に示したカバーCVbが設けられてもよい。この場合、作業対象のエリアARに対応する店舗のオペレータとは異なる人物により当該エリアARに対する作業が行われることを抑制することができる。
【0255】
次に、図31を参照しながら、第11変形例に係る操作画面G70の一例を説明する。
【0256】
図31は、第11変形例に係る操作画面G70の一例を説明するための説明図である。図31に示す操作画面G70は、例えば、棒金収納庫120にエリアARを設定するための操作画面Gとして、表示装置500に表示される。
【0257】
操作画面G70は、収納部SPの配置図AG10と、棒金収納庫120にエリアARを設定するための指示情報MG70と、完了ボタンBT70とを有する。また、図31に示す配置図AG10には、エリアARを設定するための境界設定線BLNが表示されている。オペレータは、境界設定線BLNを移動させて、エリアARを設定する。本態様では、棒金処理装置100の出荷後においても、エリアARの範囲を柔軟に変更することができる。
【0258】
なお、本態様は、図26から図30に示した態様のいずれかと組み合わされてもよい。
【0259】
以上、本変形例においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。さらに、本変形例では、1つの棒金処理装置100で複数の店舗の棒金RCを扱うことができる。なお、本変形例では、棒金収納庫120が、2つのエリアARa及びARbに分けられる場合を例示したが、棒金収納庫120は、3つ以上のエリアARに分けられてもよい。また、本変形例では、棒金収納庫120が、奥側(Y1方向)と手前側(Y2方向)とに分けられる場合を例示したが、棒金収納庫120は、X1方向とX2方向とに分けられてもよい。また、本変形例では、エリアAR毎に棒金在高を管理してもよい。また、棒金収納庫120は、店舗とは異なるものに基づいて、複数のエリアARに分けられてもよい。例えば、棒金収納庫120は、棒金RCを管理する複数の管理部署に基づいて、複数のエリアARに分けられてもよい。この場合、複数のエリアARは、複数の管理部署にそれぞれ対応する。
【0260】
[第12変形例]
上述した実施形態及び変形例において、棒金処理装置100は、物理的に分かれた複数の棒金収納庫120を有してもよい。
【0261】
図32は、第12変形例に係る棒金収納庫120の概要を説明するための説明図である。なお、図32では、棒金収納庫120が筐体12からY2方向に引き出された状態の現金管理装置10の斜視図が示されている。但し、図32では、説明を分かり易くするために、後述する棒金収納庫121a及び121bの両方が引き出された状態が示されていが、通常は、棒金収納庫121a及び121bの一方が引き出される。
【0262】
図32に示す現金管理装置10は、棒金収納庫120として、店舗毎に個別に設けられた棒金収納庫121(121a及び121b)を有する。例えば、棒金収納庫121aは、店舗A用の棒金収納庫121であり、棒金収納庫121bは、店舗B用の棒金収納庫121である。本変形例では、棒金収納庫121aは、棒金収納庫121bと物理的に分かれている。従って、例えば、店舗Aのオペレータが特定作業を行う場合は、棒金収納庫121a及び121bのうち、棒金収納庫121aのロックが解除され、棒金収納庫121bのロックは解除されない。これにより、作業対象の棒金収納庫121に対応する店舗のオペレータとは異なる人物により当該棒金収納庫121に対する作業が行われることを抑制することができる。
【0263】
以上、本変形例においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。また、本変形例においても、1つの棒金処理装置100で複数の店舗の棒金RCを扱うことができる。なお、本変形例では、棒金収納庫120として、2つの棒金収納庫121が個別に設けられる場合を例示したが、棒金収納庫120として、3つ以上の棒金収納庫121が個別に設けられてもよい。また、本変形例では、個別に設けられた棒金収納庫121毎に棒金在高を管理してもよい。また、棒金処理装置100は、店舗とは異なるものに基づいて個別に設けられた複数の棒金収納庫121を有してもよい。例えば、棒金処理装置100は、棒金RCを管理する複数の管理部署に基づいて個別に設けられた複数の棒金収納庫121を有してもよい。この場合、複数の棒金収納庫121は、複数の管理部署にそれぞれ対応する。
【0264】
[第13変形例]
上述した実施形態及び変形例において、制御装置400は、外部の装置と通信可能であってもよい。
【0265】
図33は、第13変形例に係る棒金収納装置の概要を説明するための説明図である。
【0266】
図33に示す制御装置400は、外部の情報処理装置800と通信可能である。例えば、制御装置400は、有線及び無線の一方又は両方を用いて、情報処理装置800と通信可能に接続される。例えば、情報処理装置800は、現金管理装置10に含まれる棒金処理装置100等の各装置の現金の在高を管理してもよい。
【0267】
また、情報処理装置800が現金管理装置10の近くに配置される場合、現金管理装置10に対する作業を実行しているオペレータに対する指示等の通知を、情報処理装置800が実行してもよい。例えば、制御装置400は、棒金RCの収納作業、及び、棒金RCの取り出し作業が正しい収納部SP(対象収納部SPt)に対して行われたか否かを示す情報を、情報処理装置800に送信してもよい。具体的には、制御装置400は、例えば、棒金RCが誤った場所の収納部SPから取り出された場合、棒金RCが誤った場所の収納部SPから取り出されたことを示す情報を、情報処理装置800に送信してもよい。そして、情報処理装置800は、正しい収納部SPから棒金RCを取り出すようにオペレータに通知してもよい。この場合、オペレータは、正しい収納部SPから棒金RCを取り出すように、棒金RCの取り出し作業をやり直すことができる。
【0268】
また、本変形例では、制御装置400で実行できない処理等を、制御装置400の代わりに、情報処理装置800に実行させることができる。例えば、制御装置400が、図31において説明したエリアARを設定するための機能を有していない場合でも、図31において説明したエリアARを設定するための処理を、情報処理装置800に実行させることができる。
【0269】
以上、本変形例においても、上述した実施形態及び変形例と同様の効果を得ることができる。また、本変形例では、制御装置400が外部の情報処理装置800と通信可能であるため、現金管理装置10の使い勝手を向上させることができる。
【符号の説明】
【0270】
10…現金管理装置、12…筐体、100…棒金処理装置、120…棒金収納庫、122…底部、124、126…壁部、128、128A…センサ基板、200…硬貨処理装置、240…硬貨入金口、260…硬貨出金口、300…紙幣処理装置、340…紙幣入出金口、360…紙幣入金リジェクト口、380…紙幣出金リジェクト庫、400…制御装置、410…処理装置、412…特定部、414…判定部、416…受付部、418…状態設定部、420…表示制御部、440…記憶装置、500…表示装置、600…入力装置、CP…区画、LAc、LAs…案内部、LE…発光素子、LR…受光素子、RC…棒金、SE…光学センサ、SE2…測距センサ、SL…収納列、SP…収納部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33