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特開2024-91576伝導チャネルとソース領域およびドレイン領域の間に大きい接触面を備えるマイクロエレクトロニクスデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091576
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】伝導チャネルとソース領域およびドレイン領域の間に大きい接触面を備えるマイクロエレクトロニクスデバイス
(51)【国際特許分類】
   H10B 12/00 20230101AFI20240627BHJP
   H10B 53/30 20230101ALI20240627BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
H10B12/00 671C
H10B12/00 801
H10B53/30
H01L29/78 613B
H01L29/78 618B
H01L29/78 618E
H01L29/78 617T
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023215866
(22)【出願日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】2214254
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(31)【優先権主張番号】2214255
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シルヴァン・バロー
(72)【発明者】
【氏名】レミ・コカン
(72)【発明者】
【氏名】シャイ・リボー
【テーマコード(参考)】
5F083
5F110
【Fターム(参考)】
5F083AD02
5F083AD69
5F083FR05
5F083GA02
5F083GA05
5F083GA09
5F083GA10
5F083HA02
5F083JA03
5F083JA12
5F083JA32
5F083JA39
5F083JA40
5F083KA01
5F083KA05
5F083LA12
5F083LA16
5F083PR21
5F083PR22
5F110BB06
5F110BB11
5F110CC10
5F110DD05
5F110EE01
5F110EE04
5F110EE14
5F110EE22
5F110EE31
5F110EE44
5F110EE45
5F110FF01
5F110FF12
5F110GG02
5F110GG03
5F110GG04
5F110GG30
5F110GG43
5F110GG44
5F110HJ01
5F110NN03
5F110QQ04
5F110QQ05
5F110QQ19
(57)【要約】      (修正有)
【課題】構造が2D材料を含む任意のタイプの半導体材料と適合性があり、サイドコンタクト構成の欠点がないマイクロエレクトロニクスデバイスを提供する。
【解決手段】電子構成要素1000において、マイクロエレクトロニクスデバイスは、複数の半導体層の第1の区域122が積層されてチャネルを形成する半導体層120と、部分が各々ゲートの一部106、108と第1の区域のうちの1つとの間に配置される静電制御ゲート110及びゲート誘電体層又は強誘電体メモリ層112と、ゲートの側壁に対して配置される誘電体スペーサ114と、ソース領域/ドレイン領域と誘電体スペーサとの間及び/又は、基板102とソース領域/ドレイン領域の各々との間に延在する半導体層の第2の区域124によって第1の区域に電気的に結合されるソース領域116/ドレイン領域118と、を備え、第2の区域が層に対して直接配置されず、第1の区域と連続層を形成する。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
- 基板(102)と、
- 互いの上に積層されマイクロエレクトロニクスデバイス(100)の導電チャネルを形成するいくつかの第1の区域(122)を備える半導体層(120)と、
- 静電制御ゲート(110)と、
- ゲート誘電体層(112)または強誘電体メモリ層(112)の部分が各々前記静電制御ゲート(110)の一部(106,108)と前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)のうちの1つとの間に配置される、ゲート誘電体層(112)または強誘電体メモリ層(112)と、
- 前記静電制御ゲート(110)の側壁に対して配置される誘電体スペーサ(114)と、
- 前記半導体層(120)の第2の区域(124)によって前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)に電気的に結合されるソース領域(116)/ドレイン領域(118)であって、前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)が前記ソース領域(116)/ドレイン領域(118)と前記誘電体スペーサ(114)との間に延在する、ソース領域(116)/ドレイン領域(118)と
を備え、
前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)が、前記誘電体または強誘電体メモリ層(112)に対して直接、接触して配置され、前記第1の区域(122)と連続層を形成する、マイクロエレクトロニクスデバイス(100)。
【請求項2】
前記半導体層(120)が2次元材料を含む、請求項1に記載のマイクロエレクトロニクスデバイス(100)。
【請求項3】
- 前記ソース領域(116)/ドレイン領域(118)の各々が、少なくとも前記誘電体スペーサ(114)および少なくとも絶縁誘電体材料(128)によって、または、前記誘電体スペーサ(114)および隣接するマイクロエレクトロニクスデバイスのスペーサによって形成される横壁を備える空洞(150)中に配置され、
- 前記誘電体または強誘電体メモリ層(112)が、その中に前記ソース領域(116)/ドレイン領域(118)が配置される前記空洞(150)の底および前記横壁と接触し、
- 前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)が、前記空洞の前記壁、その中に前記ソース領域(116)/ドレイン領域(118)が配置される前記空洞(150)の前記底および前記横壁における前記誘電体または強誘電体メモリ層(112)をカバーする、請求項1または2に記載のマイクロエレクトロニクスデバイス(100)。
【請求項4】
前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)の各々が、同じ静電制御ゲート(110)によって、または、前記半導体層(120)の他の第1の区域(122)を囲むものとは異なる静電制御ゲート(110)によって囲まれる、請求項1から3のいずれか一項に記載のマイクロエレクトロニクスデバイス(100)。
【請求項5】
各々が前記半導体層(120)の2つの第1の区域(122)間に配置され、誘電体区画(126)の各々が前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)のうちの1つによって囲まれるような1つまたは複数の誘電体区画(126)をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロエレクトロニクスデバイス(100)。
【請求項6】
前記静電制御ゲート(110)の1つまたは複数の部分(108)の側壁に対して配置される内部誘電体スペーサ(115)をさらに含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のマイクロエレクトロニクスデバイス(100)。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載のいくつかのマイクロエレクトロニクスデバイス(100)を含むマイクロエレクトロニクス構成要素(1000)であって、
- 前記マイクロエレクトロニクスデバイス(100)のうちのいくつかのものの前記静電制御ゲート(110)が共通であって同じ材料区画によって形成され、および/または
- 前記ソース領域(116)/ドレイン領域(118)のうちの1つが、前記マイクロエレクトロニクスデバイス(100)のうちの2つの隣接するものに共通である、マイクロエレクトロニクス構成要素(1000)。
【請求項8】
少なくとも
(a)基板(102)を覆って、第1の材料の区画(136)と第2の材料の区画(138)との少なくとも1つの交互のスタック(134)を作製するステップであって、前記第1の材料と前記第2の材料を互いに対して選択的にエッチングすることができる、ステップ、次に
(b)前記スタック(134)の上面および横面の一部をカバーする一時的ゲート(142)を作製するステップ、次に
(c)前記一時的ゲート(142)の側壁に対して誘電体スペーサ(114)を作製するステップ、次に
(d)前記一時的ゲート(142)および前記誘電体スペーサ(114)でカバーされない前記スタック(134)の部分をエッチングするステップ、次に
(e)前記一時的ゲート(142)をエッチングするステップ、次に
(f)前記第2の材料の前記区画(138)に対して選択的に前記第1の材料の前記区画(136)をエッチングするステップ、次に
(g)前記誘電体スペーサ(114)が静電制御ゲート(110)の側壁に対して配置されるように、前記一時的ゲート(142)のエッチングによって形成される空間に前記静電制御ゲート(110)の少なくとも一部を作製するステップ、次に
(h)前記第2の材料の前記区画(138)をエッチングするステップ、次に
(i)マイクロエレクトロニクスデバイス(100)の導電チャネルを形成するように構成され、前記第2の材料の前記区画(138)のエッチングによって形成される場所で前記ゲート(110)に対して配置されるいくつかの第1の区域(122)を備える半導体層(120)を作製するステップであって、前記半導体層(120)が、前記誘電体スペーサ(114)の前記側壁の少なくとも一部をカバーし、前記静電制御ゲート(110)に対して直接配置されない第2の区域(124)を形成するときに、前記第1の区域(122)との不連続性がなく、延在する、ステップ、次に
(j)前記基板(102)を覆って、前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)によって前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)に電気的に結合されるソース領域(116)/ドレイン領域(118)を作製するステップであって、前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)が前記ソース領域(116)/ドレイン領域(118)の各々と前記誘電体スペーサ(114)の間に延在するように、前記ソース領域(116)/ドレイン領域(118)を作製するステップ
を含み、
ゲート誘電体層または強誘電体メモリ層が、
- ステップ(f)と(g)の間に、前記一時的ゲート(142)のエッチングによって形成される前記空間の中において実施されて、前記静電制御ゲート(110)が前記ゲート誘電体層(112)または前記強誘電体メモリ層(112)を覆ってその後作られる、および/または
- ステップ(h)と(i)の間に、前記第2の材料の前記区画(138)のエッチングによって形成される前記場所において実施されて、前記半導体層(120)が前記ゲート誘電体層(112)または前記強誘電体メモリ層(112)をカバーすることによってその後作られる、
前記ゲート誘電体層(112)または強誘電体メモリ層(112)を堆積するステップをさらに含む、マイクロエレクトロニクスデバイス(100)を作製するための方法。
【請求項9】
ステップ(d)とステップ(e)の間に、前記誘電体スペーサ(114)の周りに絶縁誘電体材料(128)を堆積するステップ、次に、空洞(150)の各々が前記誘電体スペーサ(114)のうちの1つによって形成される少なくとも1つの横壁を備えるように、前記絶縁誘電体材料(128)中の前記空洞(150)をエッチングするステップをさらに含み、
- ステップ(i)が、前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)が前記空洞(150)の前記横壁の少なくとも一部をカバーするように実施され、
- ステップ(j)が、前記ソース領域(116)/ドレイン領域(118)の各々が前記空洞(150)のうちの1つに配置されるように実施される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)が前記第2の材料の前記区画(138)のエッチングによって形成される前記場所の壁をカバーするようにステップ(i)が実施され、ステップ(i)と(j)の間に、誘電体区画(126)の各々が前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)によって囲まれるように、前記場所の残りの空間に、前記誘電体区画(126)を作製するステップをさらに含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)が前記第2の材料の前記区画(138)のエッチングによって形成される前記場所を完全に満たすようにステップ(i)が実施される、請求項8または9に記載の方法。
【請求項12】
ステップ(d)と(e)の間に、前記誘電体スペーサ(114)の直接上に配置される前記第1の材料の前記区画(136)の部分をエッチングするステップ、および、前記第1の材料の前記区画の前記エッチングした部分の代わりに内部誘電体スペーサ(115)を作製するステップをさらに含む、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記半導体層(120)を作製するステップが、MOCVCDまたはCVDまたはALDによる半導体材料の堆積の実施を含む、請求項8から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記ゲート誘電体層(112)または前記強誘電体メモリ層(112)が、ステップ(h)の後、ステップ(i)の前に、作製される構造の全体を覆った堆積によって作製され、前記半導体層(120)が、その後ステップ(i)で、前記ゲート誘電体層(112)または前記強誘電体メモリ層(112)をカバーすることによって前記構造の全体を覆って作製される、請求項8から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記半導体層(120)が、ステップ(i)で、前記ゲート誘電体層(112)または前記強誘電体メモリ層(112)だけを覆って形成される、請求項8から14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先進CMOS技術に適用されるマイクロエレクトロニクスデバイスの分野に関する。特に、本発明は、特に、スタックしたナノワイヤすなわち「nano-sheets」もしくはナノシートを有する、FETタイプ(英語で「Field-Effect Transistor」または電界効果トランジスタ)の、または、特に2次元材料すなわち2D材料または半導体酸化物に基づいたCFETタイプ(英語で「Complementary Field-Effect Transistor」または相補型電界効果トランジスタ)のマイクロエレクトロニクスデバイス、およびそのようなマイクロエレクトロニクスデバイスの作製をカバーする。本発明は、FeFETタイプメモリデバイス(英語で「Ferroelectric Field Effect Transistor」または強誘電効果トランジスタ)の分野およびそのようなメモリデバイスの作製にやはり関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化は、絶えず進んでいるが、当業界では、今や、シリコンなどの従来の材料についてのスケール限界が近づいている。最近では、2D材料は、原子または分子の唯一の層として作ることができるそれらの材料の層の、固有特性および非常に薄い厚さのために、小型エレクトロニクスおよび光エレクトロニクスデバイスで使用するための有望な候補として現れてきた。
【0003】
K.P.O’Brienらによる文書、「Advancing 2D Monolayer CMOS Through Contact, Channel and Interface Engineering」、2021 IEEE International Electron Devices Meeting(IEDM)、2021年、頁7.1.1~7.1.4は、伝導チャネルを形成するためMoS層を組み込むことによりMOSFETトランジスタを作ることを示唆している。この層は、金、パラジウム、TiN、タングステン、またはニッケルに基づいた、2つの金属ソース領域およびドレイン領域に接続される。背面ゲートは、SiO、HfO、またはAlに基づいた誘電体層の下の背面に位置決めされるドープシリコン層によって形成される。
【0004】
2D材料を覆ったソース領域およびドレイン領域の金属材料の堆積に関する制約を克服するために、2D材料層の上面上ではなく、2D材料層の側壁に対してこれらの領域を形成することが可能である。それにもかかわらず、いわゆる「サイドコンタクト」というこの構成は、2D材料層とソース領域およびドレイン領域の間の接触面が小さく、このことによって、2D材料層とソース領域およびドレイン領域の間の界面において、かなりの接触抵抗が生じるために問題がある。
【0005】
米国特許出願公開第2022/045176(A1)号という文書は、「ゲートラスト」タイプFETトランジスタを作製するためのいくつかの方法を記載しており、ここでは、シリコン部が、2D材料層の堆積のためのサポートとして働く。完成したトランジスタが「サイドコンタクト」タイプのチャネル/ソース-ドレイン界面を有するということに関する欠点の他に、2D材料を堆積するために使用されたシリコン部が2D材料との界面における潜在的な障壁を形成し、これは、電荷搬送のための部分が2D材料中ではなくむしろこれらのシリコン部に作られる可能性があるために、望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2022/045176(A1)号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】K.P.O’Brienらによる文書、「Advancing 2D Monolayer CMOS Through Contact, Channel and Interface Engineering」、2021 IEEE International Electron Devices Meeting(IEDM)、2021年、頁7.1.1~7.1.4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、その構造が、2D材料を含む任意のタイプの半導体材料と適合性があり、「サイドコンタクト」構成の欠点がないマイクロエレクトロニクスデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明は、少なくとも
- 基板と、
- 互いの上に積層されマイクロエレクトロニクスデバイスの導電チャネルを形成するいくつかの第1の区域を備える半導体層と、
- 静電制御ゲートと、
- ゲート誘電体層または強誘電体メモリ層の部分が各々静電制御ゲートの一部と半導体層の第1の区域のうちの1つとの間に配置される、ゲート誘電体層または強誘電体メモリ層と、
- 静電制御ゲートの側壁に対して配置される誘電体スペーサと、
- 半導体層の第2の区域によって半導体層の第1の区域に電気的に結合されるソース領域/ドレイン領域であって、半導体層の第2の区域がソース領域/ドレイン領域と誘電体スペーサとの間に延在する、ソース領域/ドレイン領域と
を備え、
半導体層の第2の区域が、静電制御ゲートに対して直接配置されず、第1の区域と連続層を形成する、マイクロエレクトロニクスデバイスを提供する。
【0010】
有利には、半導体層の第2の区域が誘電体または強誘電体メモリ層と接触する。
【0011】
有利には、半導体層の1つの面が誘電体または強誘電体メモリ層と全体に接触する。
【0012】
特に2D材料からできている半導体層は、典型的には均一な厚さを有しており、この層は、1つの単一材料上にできている。
【0013】
半導体層の第2の区域が半導体層の第1の区域によって形成されるチャネルとソース領域/ドレイン領域との間の電気的結合を実現することのおかげで、提案されるマイクロエレクトロニクスデバイスは、チャネルとソース領域/ドレイン領域との間に「サイドコンタクト」がないタイプの界面を含むアーキテクチャに基づく。ソース領域/ドレイン領域の横壁または側壁の少なくとも部分に対して延在する半導体層のこれらの第2の区域は、ソース領域/ドレイン領域との大きい接触面を形成し、このことによって、これらのソース領域/ドレイン領域の接触抵抗を減らすことが可能になる。したがって、チャネル中を流れる電流は、これらの接触抵抗のため減らず、このことによって、デバイスの性能が低下しない。
【0014】
加えて、提案されるアーキテクチャでは、半導体層は、静電制御ゲートの後でソース領域/ドレイン領域を作る直前、または、ソース領域/ドレイン領域の金属堆積の直前に作ることができる。したがって、伝導チャネルを形成することが意図される第1の区域を含む半導体層は、静電制御ゲートの作製またはGAA構造の内部スペーサの作製に関するステップによって劣化されない。これは、半導体層が2D材料を含むときに特に有利である。
【0015】
さらに、そのようなデバイスを作製するのに、チャネルを形成することが意図される半導体層を堆積するためのシリコン部を保持する必要はなく、それによって、半導体層の材料との界面における潜在的な障壁の問題がなくなる。
【0016】
マイクロエレクトロニクスデバイスは、「GAAスタックナノシート」タイプアーキテクチャ、すなわち、スタックナノシートおよび完全に包まれたゲートを有するアーキテクチャを含む。
【0017】
デバイスがゲート誘電体層を含む場合に、デバイスは、スタックしたナノワイヤまたは「ナノシート」を有するGAAタイプトランジスタ、すなわちCFETに対応することができる。デバイスが強誘電体メモリ層を含む場合に、デバイスは、FeFETタイプメモリデバイスに対応することができる。
【0018】
半導体層は、MOCVD(英語で「有機金属化学気相堆積」)、CVD(英語で「化学気相堆積」)、またはALD(英語で「原子層堆積」)によって堆積される2次元材料または任意の他の半導体材料を含むことができる。この場合、マイクロエレクトロニクスデバイスは、非常に小さい寸法で作製することができる。
【0019】
マイクロエレクトロニクスデバイスは、以下のようであってよい。
- ソース領域/ドレイン領域の各々が、少なくとも、誘電体スペーサおよび絶縁誘電体材料によって、または、誘電体スペーサおよび隣接するマイクロエレクトロニクスデバイスのスペーサによって形成される横壁を備える空洞中に配置され、
- 半導体層の第2の区域が、その中にソース領域/ドレイン領域が配置される空洞の壁の少なくとも部分をカバーする。
【0020】
好ましくは、誘電体または強誘電体メモリ層が、その中にソース領域/ドレイン領域が配置される空洞の底および前記横壁と接触し、半導体層の第2の区域が、ここでは、空洞の底および前記横壁で誘電体または強誘電体メモリ層をカバーする。
【0021】
これまでの構成において、ソース領域/ドレイン領域の半導体層との接触面は、空洞の壁の面、有利には空洞の壁の面の全体を使用することのおかげで最大化されて、半導体層の第2の区域とソース領域/ドレイン領域との間の接点を形成し、このことによって、ソース領域/ドレイン領域が非常に小さい接触抵抗を有すること、したがってより大きい電流がデバイスの伝導チャネルを通って流れることが可能になる。
【0022】
半導体層の第1の区域の各々が、同じ静電制御ゲートによって、または、半導体層の他の第1の区域を囲むものとは異なる静電制御ゲートによって囲まれることができる。
【0023】
第1の代替形態では、マイクロエレクトロニクスデバイスは、各々が半導体層の第1の区域のうちの1つによって囲まれる1つまたは複数の誘電体区画を、誘電体区画の各々が半導体層の第1の区域によって囲まれるようにさらに含むことができる。これらの誘電体区画は、半導体層の第1の区域間の1つまたは複数の空間を満たすために使用することができる。
【0024】
第2の代替形態では、半導体層の第1の区域の各々は、何ら誘電体区画を囲まない。
【0025】
デバイスは、静電制御ゲートの1つまたは複数の部分の側壁に対して配置される内部誘電体スペーサをさらに含むことができる。そのような内部スペーサは、それらによってデバイス内の寄生容量を減らすことが可能であるために有利である。
【0026】
有利には、本発明は、5nmおよびサブ5nm技術ノード用のCMOS構成要素を作製するため適用することができる。
【0027】
本発明は、以前に述べたようないくつかのマイクロエレクトロニクスデバイスを含むマイクロエレクトロニクス構成要素にやはり関し、
- マイクロエレクトロニクスデバイスのうちのいくつかのものの静電制御ゲートが共通であって同じ材料区画によって形成され、および/または
- ソース領域/ドレイン領域のうちの1つが、マイクロエレクトロニクスデバイスのうちの2つの隣接するものに共通である。
【0028】
本発明は、少なくとも1つのマイクロエレクトロニクスデバイスを作るための方法にやはり関し、少なくとも
(a)基板を覆って、第1の材料の区画と第2の材料の区画との少なくとも1つの交互のスタックを作製するステップであって、第1の材料および第2の材料を互いに対して選択的にエッチングすることができる、ステップ、次に
(b)スタックの上面および横面の一部をカバーする一時的ゲートを作製するステップ、次に
(c)一時的ゲートの側壁または横壁に対して誘電体スペーサを作製するステップ、次に
(d)一時的ゲートおよび誘電体スペーサでカバーされないスタックの部分をエッチングする(いわゆるゲートラスト手法にしたがった)ステップ、次に
(e)一時的ゲートをエッチングするステップ、次に
(f)第2の材料の区画に対して選択的に第1の材料の区画をエッチングするステップ、次に
(g)誘電体スペーサが静電制御ゲートの側壁に対して配置されるように、一時的ゲートのエッチングによって形成される空間に静電制御ゲートの少なくとも一部を作製するステップ、次に
(h)第2の材料の区画をエッチングするステップ、次に
(i)マイクロエレクトロニクスデバイスの導電チャネルを形成するように構成され、第2の材料の区画のエッチングによって形成される場所でゲートに対して配置されるいくつかの第1の区域を備えて、有利にはその厚さが1原子単位と5原子単位の間に含まれてよい2D材料である半導体層を作製するステップであって、半導体層が、誘電体スペーサの側壁の少なくとも一部をカバーし、静電制御ゲートに対して直接配置されない第2の区域を形成するときに、第1の区域との不連続性がなく、延在する、ステップ、次に
(j)基板を覆って、半導体層の第2の区域によって半導体層の第1の区域に電気的に結合されるソース領域/ドレイン領域を作製するステップであって、半導体層の第2の区域がソース領域/ドレイン領域の各々と誘電体スペーサの間に延在するように、ソース領域/ドレイン領域を作製するステップ
を含み、
- ステップ(f)と(g)の間に、一時的ゲートのエッチングによって形成される空間の中において実施されて、静電制御ゲートがゲート誘電体層または強誘電体メモリ層を覆ってその後作られる、および/または
- ステップ(h)と(i)の間に、第2の材料の区画のエッチングによって形成される場所において実施されて、半導体層がゲート誘電体層または強誘電体メモリ層をカバーすることによってその後作られる、
ゲート誘電体層または強誘電体メモリ層を堆積するステップをさらに含む。
【0029】
方法は、ステップ(c)の実施の前に、誘電体スペーサの周りに絶縁誘電体材料を堆積するステップ、次に、空洞の各々が誘電体スペーサのうちの1つによって形成される少なくとも1つの横壁を備えるように、絶縁誘電体材料中の空洞をエッチングするステップをさらに含むことができ、
- ステップ(i)は、半導体層の第2の区域が空洞の横壁の少なくとも一部をカバーするように実施することができ、
- ステップ(j)は、ソース領域/ドレイン領域の各々が空洞のうちの1つに配置されるように実施することができる。
【0030】
第1の代替形態によれば、ステップ(i)は、半導体層の第1の区域が、第2の材料の区画のエッチングによって形成される場所の壁をカバーするように実施することができ、方法が、ステップ(i)と(j)の間に、誘電体区画の各々が半導体層の第1の区域によって囲まれるように、場所の残りの空間に、誘電体区画を作製するステップをさらに含むことができる。
【0031】
第2の代替形態によれば、ステップ(i)は、半導体層の第1の区域が、第2の材料の区画のエッチングによって形成される場所を完全に満たすように実施することができる。
【0032】
方法は、ステップ(d)と(e)の間に、誘電体スペーサの直接上に配置される第1の材料の区画の部分をエッチングするステップ、および、第1の材料の区画のエッチングした部分の代わりに内部誘電体スペーサを作製するステップをさらに含むことができる。
【0033】
有利には、ゲート誘電体層または強誘電体メモリ層は、作製される構造の全体を覆った堆積によって作製され、半導体層は、ゲート誘電体層または強誘電体メモリ層の後にステップ(i)で、構造の全体を覆う一方でゲート誘電体層または強誘電体メモリ層をカバーして作製される。
【0034】
こうして、ゲート誘電体層または強誘電体メモリ層は、それを覆って有利には2D材料でできている半導体層が形成される固有の「バッファ」層を形成する。いくつかのものを覆うのではなく、むしろ単一材料を覆って半導体層を堆積することによって、2D材料の均一でより良好に制御された成長を得ることが可能になる。こうして、均一な厚さおよび良好に制御された特性を有する半導体材料層を得ることが可能になる。
【0035】
ゲート誘電体層がステップ(h)と(i)の間に堆積される場合に、半導体層は、ゲート誘電体層のものである1つの単一材料を覆って堆積される。半導体層は、ステップ(i)で、ゲート誘電体層または強誘電体メモリ層をのみ覆って形成することができる。
【0036】
文書全体を通して、「上」および「下」という用語は、この用語が関係する要素の空間的方位にかかわらず使用される。たとえば、「第1の基板の面の上の」特徴では、第1の基板のこの面は、必ずしも上向きに向けられるとは限らず、任意の方向にしたがって向けられる面に対応することができる。さらに、第2の要素の上の第1の要素の配置は、場合によって、第1の要素と第2の要素の間に何ら中間要素なしに、第2の要素に対して直接的な第1の要素の配置に対応する、または、場合によって、第1の要素と第2の要素の間に配置される1つまたは複数の中間要素を用いた第2の要素の上の第1の要素の配置に対応すると理解するべきである。
【0037】
文書全体を通して、「層」という用語は、1つの単層またはいくつかの層のスタックのことを呼ぶことができる。
【0038】
文書全体を通して、「電気的な結合」という表現は、直接的であってよい、または間接的であってよい(すなわち、1つまたは複数の中間の電気的要素を通して達成される)電気的接続のことを呼ぶために使用される。
【0039】
本出願の別の態様によれば、その構造が、2D材料を含む任意のタイプの半導体材料と適合性があり、「サイドコンタクト」構成の欠点がないマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法が提供される。
【0040】
この目的のために、少なくとも
(a)基板を覆って、第1の材料の区画と第2の材料の区画との少なくとも1つの交互のスタックを作製するステップであって、第1の材料と第2の材料を互いに対して選択的にエッチングすることができるステップ、次に
(b)スタックの上面および横面の一部をカバーする一時的ゲートを作製するステップ、次に
(c)一時的ゲートの側壁または横壁に対して誘電体スペーサを作製するステップ、次に
(d)一時的ゲートおよび誘電体スペーサでカバーされないスタックの部分をエッチングするステップ、次に
(e)誘電体スペーサの周りに絶縁誘電体材料を堆積するステップ、次に、
(f)一時的ゲートをエッチングする(いわゆるゲートラスト手法にしたがった)ステップ、次に
(g)第2の材料の区画に対して選択的に第1の材料の区画をエッチングするステップ、次に
(h)誘電体スペーサが静電制御ゲートの側壁に対して配置されるように、一時的ゲートのエッチングによって形成される空間に静電制御ゲートの少なくとも一部を作製するステップ、次に
(i)絶縁誘電体材料中の空洞をエッチングするステップ、次に
(j)第2の材料の区画をエッチングするステップ、次に
(k)マイクロエレクトロニクスデバイスの導電チャネルを形成するように構成され、第2の材料の区画のエッチングによって形成される場所に配置されるいくつかの第1の区域を備える半導体層を作製するステップであって、半導体層が、誘電体スペーサの側壁の少なくとも一部をカバーし、静電制御ゲートに対して直接配置されない第2の区域を形成するときに、第1の区域との不連続性がなく、延在する、ステップ、次に
(l)基板を覆って空洞中に、半導体層の第2の区域によって半導体層の第1の区域に電気的に結合される接触領域を作製するステップであって、半導体層の第2の区域が接触領域の各々と誘電体スペーサの間に延在するように、接触領域を作製するステップ
を含む、少なくとも1つのマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法が提供される。
【0041】
本方法の実装形態によって、そのアーキテクチャが、半導体層の第2の区域が半導体層の第1の区域によって形成されるチャネルと(たとえば、マイクロエレクトロニクスデバイスがトランジスタに対応するとき、ソース領域およびドレイン領域に対応する)接触領域との間の電気的結合を実現することのおかげで、チャネルと接触領域との間に「サイドコンタクト」タイプの界面を含まないマイクロエレクトロニクスデバイスを作製することが可能になる。接触領域の横壁または側壁の少なくとも部分に対して延在する半導体層のこれらの第2の区域は、接触領域との大きい接触面を形成し、このことによって、これらの領域の接触抵抗を減らすことが可能になる。したがって、チャネル中を流れる電流は、これらの接触抵抗のため減らず、このことによって、デバイスの性能が低下しない。
【0042】
加えて、この方法では、半導体層は、静電制御ゲートの後および第2の材料の区画をエッチングした後、接触領域を作る前に作製される。したがって、その第1の区域が伝導チャネルを形成することが意図される半導体層は、静電制御ゲートの作製に関するステップまたは内部スペーサが作製される場合の内部スペーサの作製によって劣化されない。これは、半導体層が2D材料を含むときに特に有利である。
【0043】
さらに、本方法は、チャネルを形成することが意図される半導体層を堆積するためのシリコン部を保持する必要はなく、それによって、半導体層の材料との界面における潜在的な障壁の問題が抑制される。
【0044】
本方法の実施によって得られるマイクロエレクトロニクスデバイスは、「GAAスタックナノシート」タイプアーキテクチャ、すなわち、スタックナノシートおよび完全に包まれたゲートを有するアーキテクチャを含むことができる。
【0045】
本文書を通して、「接触領域」という表現は、それを通してデバイスの伝導チャネルが電気的にアクセス可能なマイクロエレクトロニクスデバイスの伝導領域のことを呼ぶ。たとえば、マイクロエレクトロニクスデバイスがトランジスタまたはトランジスタの組に対応する場合、これらの接触領域は、ソース領域およびドレイン領域に対応する。これらのソース領域およびドレイン領域のうちの1つまたは複数がいくつかのトランジスタに共通であってよい。マイクロエレクトロニクスデバイスがメモリデバイスに対応する場合に、これらの接触領域のうちの1つがメモリデバイスのアクセス電極に対応し、他の接触領域が、メモリスタックすなわち情報を記録するように構成される材料のスタックを含むことができる。
【0046】
半導体層は、MOCVD(有機金属化学気相堆積、英語で「Metal Organic Chemical Vapor Deposition」)、CVD(化学気相堆積、英語で「Chemical Vapor Deposition」)、またはALD(原子層堆積、英語で「Atomic Layer Deposition」)によって堆積される2次元材料または任意の他の半導体材料を含むことができる。この場合、マイクロエレクトロニクスデバイスは、非常に小さい寸法で作製することができる。
【0047】
空洞は、各々が誘電体スペーサのうちの1つによって形成される少なくとも1つの横壁を備えるようにエッチングすることができ、半導体層の第2の区域が空洞の壁の少なくとも部分をカバーするようにステップ(k)が実施される。
【0048】
これまでの構成において、接触領域の半導体層との接触面は、空洞の壁の面、有利には空洞の壁の面の全体を使用することのおかげで最大化されて、半導体層の第2の区域と接触領域との間の接点を形成し、このことによって、接触領域が非常に小さい接触抵抗を有することが可能になり、したがってより大きい電流がデバイスの伝導チャネルを通って流れる。
【0049】
方法は、
- ステップ(g)と(h)の間に、一時的ゲートのエッチングによって形成される空間の中において実行されて、静電制御ゲートがゲート誘電体層を覆ってその後作られるステップ、および/または
- ステップ(i)と(k)の間に、第2の材料の区画のエッチングによって形成される場所において実施されて、半導体層がゲート誘電体層をカバーすることによってその後作られる
ゲート誘電体層を堆積するステップをさらに含むことができる。
【0050】
ゲート誘電体層がステップ(g)と(h)の間に堆積される場合に、静電制御ゲートがエッチングステップ(j)の期間に保護される。
【0051】
ゲート誘電体層がステップ(i)と(k)の間に堆積される場合に、半導体層は、ゲート誘電体層のものである1つの単一材料を覆って堆積される。
【0052】
半導体層の第1の区域の各々が、同じ静電制御ゲートによって、または、半導体層の他の第1の区域を囲むものとは異なる静電制御ゲートによって囲まれてよい。
【0053】
第1の代替形態では、ステップ(k)は、半導体層の第1の区域が、第2の材料の区画のエッチングによって形成される場所の壁をカバーするように実施することができ、方法が、ステップ(k)と(l)の間に、誘電体区画の各々が半導体層の第1の区域のうちの1つによって囲まれるように、場所の残りの空間に、誘電体区画を作製するステップをさらに含むことができる。これらの誘電体区画は、半導体層の第1の区域間で満たされない空間を満たすために使用することができる。
【0054】
第2の代替形態では、ステップ(i)は、半導体層の第1の区域が、第2の材料の区画のエッチングによって形成される場所を完全に満たすように実施することができる。
【0055】
方法は、ステップ(d)と(e)の間に、誘電体スペーサの直接上に配置される第1の材料の区画の部分をエッチングするステップ、および、第1の材料の区画のエッチングした部分の代わりに内部誘電体スペーサを作製するステップをさらに含むことができる。そのような内部スペーサは、それらによってデバイス内の寄生容量を減らすことが可能であるために有利である。
【0056】
接触領域の各々が、1つの導電材料または導電材料の組合せを含むことができ、マイクロエレクトロニクスデバイスのソース領域およびドレイン領域に対応することができる。この場合、マイクロエレクトロニクスデバイスは、1つまたは複数の電界効果トランジスタに対応することができる。
【0057】
別の構成では、接触領域のうちの1つは、それが少なくとも1つのメモリスタック、すなわち、メモリスタックを半導体層に電気的に接続する第1の伝導部分と、メモリスタックの電気接点を形成する第2の伝導部分との間に挿置され、情報を記憶することが可能な一連の材料を含むように作製することができる。この場合、マイクロエレクトロニクスデバイスは、1T1Cまたは1T1Rまたは2T1Cまたは2T1Rタイプのメモリデバイスを形成することができる。メモリスタックのメモリ層部分を作製するために使用される材料の性質に依存して、メモリデバイスは、たとえば、FeRAMまたはOxRAMまたはCBRAMタイプのものであってよい。たとえば、そのようなメモリスタックは、MIMタイプスタック(金属-絶縁体-金属)に対応する。
【0058】
メモリスタックは、強誘電体材料層または酸化物層またはイオン層を含むことができる。
【0059】
本発明は、マイクロエレクトロニクス構成要素を作製するための方法であって、これまで述べたような方法のステップを、いくつかのマイクロエレクトロニクスデバイスが基板上に集合的に作製されるように実施することができる方法にやはり関する。構成要素のマイクロエレクトロニクスデバイスは、同じ性質のものであってよく、または異なる機能を満たすように構成することができる。
【0060】
この場合、いくつかのマイクロエレクトロニクスデバイスの静電制御ゲートがこれらのマイクロエレクトロニクスデバイスに共通であって、同じ材料区画によって形成することができる。
【0061】
接触領域のうちの少なくとも1つが、2つの隣接するマイクロエレクトロニクスデバイスに共通であってよい。
【0062】
有利には、本発明は、5nmおよびサブ5nm技術ノード用のCMOS構成要素を作製するため適用することができる。
【0063】
本発明は、添付図面を参照して、単に表示目的であって限定しない目的で与えられる実施形態の記載を読めばよりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図2】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図3】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図4】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図5】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図6】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図7】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図8】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図9】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図10】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図11】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図12】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図13】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図14】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図15】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図16】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
図17】1つの変形形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップの部分を概略的に図示する図である。
図18】1つの変形形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップの部分を概略的に図示する図である。
図19】1つの変形形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップの部分を概略的に図示する図である。
図20】1つの変形形態にしたがった、本発明の目的のマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップの部分を概略的に図示する図である。
図21】別の変形形態にしたがった方法の実施によって得られる本発明の目的の、マイクロエレクトロニクスデバイスの一部を概略的に図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以降に記載される異なる図の同一、同様、または等価な部分は、1つの図から別のものへの移行を容易にするように、同じ参照数字を担う。
【0066】
図に図示される異なる部分は、図をより読み取れるようにするため、必ずしも、均一のスケールにしたがってプロットされない。
【0067】
異なる可能性(変形形態および実施形態)は、互いに排他的でなく、一緒に組み合わせることができるものとして理解するべきである。
【0068】
特定の実施形態にしたがった、マイクロエレクトロニクスデバイス100を作製するための方法の例が図1から図16を参照して以降で記載される。これらの図では、いくつかのマイクロエレクトロニクスデバイス100の同時作製が図示され、これらのデバイスは、電子構成要素1000の部分である。
【0069】
互いに対して選択的にエッチングすることが可能な第1の材料および第2の材料を含む層の交互のスタックが、最初に、基板102を覆って作製される。有利な例によれば、第1の材料と第2の材料は、それぞれ、SiとSiGeに対応する。SiGeとGe、GeとGeSn、SiOとアモルファスシリコン(a-Si)といった、第1の材料と第2の材料の他の対も可能である。より一般的に、第1の材料と第2の材料の層のこの交互を形成するため、互いに対して選択的にエッチングすることが可能な2つの半導体、または誘電体材料とアモルファス半導体を使用することを考えることができる。
【0070】
このスタックの層の数は、デバイス100のチャネルを形成するための所望の半導体材料レベルの数に依存する。図1から図16を参照して記載される実施形態では、層のスタックは、3つのSiGe層と交互にスタックされる4つのシリコン層を含む。有利には、第1の材料の層の数は、2と10の間に含まれ、第2の材料の層の数は、1と10の間に含まれる。
【0071】
たとえば、スタックの層の各々は、5nmと25nmの間に含まれる厚さを有し、たとえば、12nmに等しい。
【0072】
図1から図16を参照して記載される実施形態では、基板102は、SOI基板に対応し、すなわち、完成したスタックの第1の層を形成するシリコン表面層を備え、たとえばSiOを含む埋込み誘電体層130を覆って配置される。埋込み誘電体層130は、たとえばシリコンを含むサポート層132を覆って配置される。あるいは、基板102は、たとえば、「バルク」基板すなわち半導体(たとえばシリコン)のバルク基板といった、SOI以外のタイプの基板に対応することができる。
【0073】
その後、基板102を覆って(この例では、埋込み誘電体層130を覆って)、第1の材料の区画136と第2の材料の区画138の、少なくとも1つの交互のスタック134を形成するために、完成した層のスタックのエッチングが実施される。図1では、6つの別個のスタック134が図示され、各々が、互いの上に交互にスタックされる4つの区画136と3つの区画138を備える。
【0074】
スタック134の各々は、実質的に細長い形状を有する、すなわち、その幅(Y軸にしたがった寸法)よりも大きい長さ(X軸にしたがった寸法)を含む。各スタック134の幅は、たとえば、20nmと200nmの間に含まれ、各スタック134の長さは、たとえば、100nmより大きい。
【0075】
その後、その厚さが10nmより薄く、たとえば7nmまたは4nmに等しい薄い誘電体層140が、構造の全体を覆って共形に、すなわち、スタック134の上面および横面、ならびに、スタック134でカバーされない(記載される実施形態では、埋込み誘電体層130の)基板102の部分をカバーすることによって、堆積される。たとえば、誘電体層140は、TEOSから得ることができるSiOを含む。
【0076】
その後、少なくとも1つの一時的ゲート142が作製されて、スタック134の上面および横面の一部をカバーする。
【0077】
この目的のために、一時的ゲートを作製するのに好適な材料が構造の全体を覆って堆積される。有利には、堆積される材料は多結晶シリコンである。堆積される材料の厚さは、スタック134のうちの1つと誘電体層140の厚さの合計より大きく、たとえば、380nmに等しい。その後、たとえば70nmに等しい所与の厚さがスタック134の上に保存されるように、堆積された材料のたとえばCMP(化学機械平坦化)といった平坦化が実施される。その後、平坦化後の残った材料を覆ってハードマスク144が作製され、このハードマスクのパターンが、作製される一時的ゲート142のパターンを画定する。たとえば、ハードマスク144は、SiN/SiOなどといった、半導体窒化物/半導体酸化物二重層を含む。その後、一時的ゲートを作製するのに好適な残りの材料は、ハードマスク144によって画定されるパターンにしたがってエッチングされて一時的ゲート142を形成する。記載される例では、いくつかの一時的ゲート142が作製される(図2では3つの一時的ゲート142を見ることができ、各々は、6つのスタック134をカバーすることによって形成される)。
【0078】
たとえば、各一時的ゲート142の幅(図2において見ることができるX軸にしたがった寸法)は、たとえば、10nmと数百nmの間に含まれ、各一時的ゲート142の長さ(図2において見ることができるY軸にしたがった寸法)は、その上に一時的ゲート142を作製するべきスタック134の数に依存し、たとえば数十nmに等しい。
【0079】
その後、誘電体スペーサ114が一時的ゲート142の側壁に対して作製される。この目的のために、これらのスペーサ114を作製するのに好適な材料層が構造の全体を覆って、すなわち、スタック134、一時的ゲート142、およびハードマスク144の上面および横面、場所134および一時的ゲート142でカバーされない基板102(または記載される実施形態中の埋込み誘電体層130)の部分をカバーすることによって共形に堆積される。たとえば、誘電体スペーサ114を作製するのに好適なこの材料は、SiN、SiCO、または、SiBCNに対応する。たとえば、この層の厚さは、5nmと15nmの間に含まれる。
【0080】
その後、一時的ゲート142の側壁に対して配置されるこの層の残りの区画が誘電体スペーサ114を形成するように、この層の異方性エッチングが実施される(図3参照)。スタック134の側壁に対して配置されるこの層の残りの区画146は、このエッチングが完了したら保たれる、または有利に除去することができる。異方性エッチングは、一時的ゲート142およびスタック134の上面を覆う局在化した材料を除去するように実施される。さらに、このエッチングは、一時的ゲート142および誘電体スペーサ114でカバーされない層140の部分をやはり除去する。
【0081】
一時的ゲート142、誘電体スペーサ114、または残りの区画146でカバーされないスタック134の部分がエッチングされる。このエッチングは、埋込み誘電体層130でストップする。その後、誘電体スペーサ114の直接上に、区画138の残りの部分の端部の上下の空間148を形成するように、区画136の残りの部分は、区画138の残りの部分に関して部分的および選択的にエッチングされる(図4参照)。たとえば、区画136の残りの部分におけるエッチング深さ(図4におけるX軸にしたがった寸法)は、5nmと15nmの間に含まれる。
【0082】
その後、内部誘電体スペーサ115が、前に形成された空間148の中に作製される。これらの内部誘電体スペーサ115は、少なくとも空間148を満たすように、たとえば、SiN、SiBCN、または、SiCOといった誘電体材料を堆積することによって得られる。空間148の外側に堆積される材料は、内部誘電体スペーサ115だけを保つため、異方性エッチングされる(図5参照)。
【0083】
その後、たとえば、SiOといった絶縁誘電体材料128が誘電体スペーサ114の周りに堆積される。この目的のために、絶縁誘電体材料128が厚い厚さで堆積され、次いで、ハードマスク144に達するまで平坦化が実施される。その後、ハードマスク144は、たとえば、ウェットエッチングによって、たとえば、110℃の温度で使用される希釈したHPO溶液を使用して除去される。その後、一時的ゲート142は、たとえば、0.5%で希釈されたHF溶液と組み合わせた1%で希釈されたHCl溶液および5%のTMAH溶液を使用したエッチングによって除去される。このエッチングは、誘電体層140の残りの部分に達したらストップする(図6参照)。
【0084】
その後、誘電体層140の残りの部分がエッチングされ、次いで、区画136の残りの部分が、たとえば、ウェットエッチングを実施することによって、区画138の残りの部分に関して選択的にエッチングされる。このステージで得られる構造が図7に図示される。
【0085】
本明細書に記載される実施形態において、ゲート誘電体を形成することが意図される少なくとも1つの層112が、その後特に、誘電体スペーサ114および区画138の残りの部分によって形成される壁をカバーすることにより一時的ゲート142をエッチングすることによって形成される空間に、共形に堆積される。たとえば、この層112は、たとえばHfOなどの(高い誘電体誘電率を有する)高K誘電体材料を含む。あるいは、ゲート誘電体を形成することが意図されるこの層112は、SiOもしくはAlまたは任意の他の好適な材料もしくは材料の組合せを含むことができる。
【0086】
静電制御ゲート110は、その上にたとえば200nmに等しい厚さを有するタングステン層がスタックされる薄い(たとえば、3nmに等しい厚さの)TiN層の第1の堆積によって、ゲート誘電体を形成することが意図される層112を覆う1つまたは複数の伝導材料の堆積によって作製される。図8において見ることができる例では、ゲート110の各々が、区画138の残りの部分を取り囲む上部106および他の部分108を含む。ゲート110が、たとえば、ドープポリシリコンまたは任意の他の金属(Moなど)のような、TiNおよびW以外の1つまたは複数の材料を含むことがさらに可能である。
【0087】
一時的ゲート142のエッチングによって形成された空間の外側に堆積された、ゲート誘電体および静電制御ゲート110を形成することが意図される層112の材料を除去するために、絶縁誘電体材料128で停止する平坦化が実施される。
【0088】
その後、絶縁誘電体材料128の一部のエッチングは、誘電体スペーサ114、内部誘電体スペーサ115、および、ここで記載される例では、絶縁誘電体材料128の残りの区画によって形成される横壁を備える空洞150を形成するように実施される(図9参照)。これらの空洞150は、デバイス100のソース領域116/ドレイン領域118を作製するための場所を形成する。
【0089】
その後、区画138は、たとえば、区画138がSiGeを含むときにHf-H溶液を使用する化学的エッチングの実施によってエッチングされる(図10および図11参照)。図10に示される軸XX’にしたがった断面図を示す図11において見ることができるように、このエッチングは、その中にトランジスタのチャネルが作製されることが意図されるトンネル状の形状の空間を形成する。
【0090】
その後、半導体層120が、プロセスのこのステージで作製された構造の全体を覆って堆積される(図12および図13参照)。前に形成されたトンネル状の形状の空間に局在化したこの半導体層120の第1の区域122は、トランジスタのチャネルを形成することが意図され、ゲート誘電体に対して配置される。空洞150の壁(ここで記載される例では横壁および底壁)をカバーするこの半導体層120の第2の区域124は、以降で作製されるソース領域116/ドレイン領域118と接触することが意図される。堆積は、第1の区域122と第2の区域124の間で、不連続性なしで、または中断なしで実行される。
【0091】
有利には、半導体層120は、たとえば、MoSまたはWSeまたはWSまたはMoTeなどの遷移金属のダイカルコゲナイドといった、少なくとも1つの2D半導体材料を含む。半導体層120の材料が、IGZO、In、IWO、ITO、またはアモルファス半導体酸化物、または任意の他の好適な半導体材料に対応することがやはり可能である。
【0092】
その後、たとえばAl(もしくは、HfO)および/またはSiO(もしくは、低k誘電体、もしくは低誘電体誘電率を有し)を含む1つまたは複数の誘電体層が堆積され、次いで、トンネル状の形状の空間に局在化した区画126だけを保つために異方性エッチングされる(図14および図15参照)。これらの区画126が、半導体層120の第1の区域122のうちの1つによって各々囲まれる誘電体バーを形成する。したがって、半導体層120は、一連のバー126ならびにゲート110およびゲート誘電体の部分108を介して互いの上に積層されるいくつかの第1の区域122を含む。
【0093】
最後に、記載される例では、ソース領域/ドレイン領域は、空洞150中に1つまたは複数の金属材料を堆積することによって作製される。このまたはこれらの金属堆積の以前に、空洞150中にグラフェン層を堆積することが可能であり、このまたはこれらの金属は、グラフェン層を覆ってその後に堆積される。図16におけるこれらのソース層116およびドレイン層118は、ソース領域116/ドレイン領域118と誘電体スペーサ114の間、ならびに、空洞150中に局在化したソース領域116/ドレイン領域118の他の壁に対して延在する半導体層120の第2の区域124を介して、半導体層120の第1の区域122に電気的に結合される。空洞150の外側に堆積されるこれらの領域の材料は、絶縁誘電体材料128で停止する平坦化を実施することによって除去される。
【0094】
有利には、ソース領域116/ドレイン領域118は、金、パラジウム、TiN、W、Niなどといった、少なくとも1つの金属材料を含む。一実施形態によれば、ソース領域116/ドレイン領域118の各々は、その上にタングステン部が形成されるTiN層を含む。低い接触抵抗を選ぶために、たとえば、S、Bi、Sn、Pd、Ru、Cu、Ni、Ti、TiN、W、Auなどといった、異なる金属を使用して領域116、118を形成することができる。これらの材料は、(それらの特性を改善するために)後でたとえばドープステップの間に、修正することもできる。
【0095】
本プロセスの完了の際に得られるデバイスは、図16に示されるデバイス100に対応する。
【0096】
以前に記載した実施形態では、半導体層120は、区画138のエッチングによって形成される空間を完全には満たさず、誘電体区画126が、半導体層120の堆積後の残りの空間に作製される。
【0097】
第1の変形形態によれば、誘電体区画126を作製せず、半導体層120がこの場合、区画138のエッチングによって形成される残りの空間をその堆積の間に満たすことが可能である。この場合、半導体層120の第1の区域122中に、空気間隙すなわち凹部または空の空間の形成を観察することが可能である。それにもかかわらず、これらの空気間隙は、半導体層120の第1の区域122と第2の区域124の間の連続性を妨げない。
【0098】
(これまでの第1の変形形態と互換性がある)別の変形形態によれば、ゲート誘電体を形成する層112が、以前に述べたようにゲート110の作製の直前に堆積されず、この層が、半導体層120の堆積の直前に、区画138のエッチングによって形成された空間および空洞150中に堆積されることが可能である。この場合、層112は、その上に半導体層120の材料が堆積されることが意図される異なる壁をカバーし、それによって、その後半導体層120が堆積される表面したがって界面を均質化する。
【0099】
(上述の第1の変形形態と互換性がある)別の変形形態によれば、層112は、最初に図8を参照して以前に述べたようなゲート110作製する直前、次いで、半導体層120の堆積の直前に、区画138のエッチングによって形成された空間および空洞150中といった、2つの異なるステップにおいて堆積されることが可能である。この場合、ゲート110の直接上に局在化した層112の部分は、これらの部分が、2つの堆積ステップ期間に堆積される材料の厚さを積み重ねるために、層112の他の部分より厚い。
【0100】
以前に述べた実施形態では、空洞150の横壁の全部が、半導体層120の第2の区域124でカバーされる。あるいは、これらの横壁の一部のみが第2の区域124でカバーされることが可能である。
【0101】
図17から図20は、これまで述べた2つの変形形態を組み合わせた実施方法のステップの部分を概略的に示す。
【0102】
図1から図12を参照して以前に記載されたステップが最初に実施される。
【0103】
その後、半導体層120が堆積される以前の実施形態とは異なり、有利にはHfOなどといった高K誘電体材料を含むゲート誘電体を形成する層112が、構造の全体を覆って堆積される(図17参照)。この層112の部分は、前に形成されたトンネル状の形状の空間中に局在化し、それによってゲート誘電体が形成され、この層112の他の部分が空洞150の壁をカバーする。
【0104】
その後、半導体層120が構造の全体を覆って堆積される一方で、残りのトンネル状の形状の空間を完全に満たすように、ゲート誘電体を形成する層112をカバーする(図18参照)。半導体層120が層112を覆って、したがって1つの単一材料を覆って堆積される限り、このいわゆる「バッファ」層112によって、その後、より均一でより良好に制御される2D材料層120を得ることが可能になる。
【0105】
図18では、誘電体または強誘電体メモリ層112が、空洞150の底および横壁と接触する。半導体層120が、空洞の底および前記横壁で、誘電体または強誘電体メモリ層をカバーする。
【0106】
したがって、空洞150は、ゲート誘電体を形成する層120および層112の堆積によって完全には満たされない。
【0107】
その後、ソース領域116/ドレイン領域118は、たとえば、TiNの第1の堆積(たとえば、ALD)を実行すること(図19で参照符号154を担う)、次いで利用可能な空間の残りをタングステンで満たすこと(図20で参照符号156を担う)によって作製される。本明細書で記載される例では、このタングステン堆積によって、制御ゲート110の作製がやはり完成される。
【0108】
これまでの変形形態のうちの1つを、その他のものをそのようにすることなく実施することができる。たとえば、半導体層120の堆積前に、区画138のエッチングによって形成された空間中にゲート誘電体を形成する層112を堆積し、その空の空間が、半導体層120の堆積後にまた存在することが可能である。この場合、誘電体区画126は、図14および図15を参照して以前に述べたように作製することができる。
【0109】
図16に図示される実施形態では、制御ゲート110がいくつかのデバイス100に共通である。すなわち、これらの異なるデバイスを同時に制御し、それらの領域116、118は、絶縁誘電体材料128の区画によって、他の隣接するデバイス100のものから電気的に絶縁される。あるいは、完成したゲート110が異なる完成したデバイス100に共通でないことが可能である。
【0110】
さらに、半導体層120の第1の区域122の各々は、以前に述べた例の場合のように、同じ静電制御ゲート110によって、または、半導体層120の他の第1の区域122を囲むものとは異なる静電制御ゲートによって囲まれる場合がある。
【0111】
以前の実施形態では、完成したマイクロエレクトロニクスデバイス100は、MOSFETトランジスタに対応する。より具体的には、記載されるトランジスタは、「GAAスタックナノシート」タイプのものである。
【0112】
デバイス100を作製するための上で述べたステップは、完成したデバイス100がCFETタイプのものであるときに2回繰り返すことができる一方で、第1の構造にわたって局在化した第2の構造について、完成した半導体層の導電率が変更される。nタイプ半導体層120がはめ込まれる第1の構造とそれを覆ってpタイプ半導体層120がはめ込まれる第2の構造が作製される、またはその逆である、異なる構成を考えることができる。
【0113】
図16に図示される実施形態では、ソース領域/ドレイン領域116、118の各々は、誘電体スペーサ114、115、および絶縁誘電体材料128によって形成される横壁を備える空洞中に配置される。この構成では、半導体層120の第2の区域124は、その中にソース領域/ドレイン領域116、118が配置される空洞の横壁および底壁をカバーする。
【0114】
あるいは、ソース領域およびドレイン領域がいくつかのデバイス100に共通であることが可能である。たとえば、2つの隣接するデバイス100について、絶縁誘電体材料128が存在せず、そのため、同じソース領域/ドレイン領域、たとえばソース領域がこれらの2つの隣接するデバイス100のチャネルに電気的に結合されることが可能である。
【0115】
以前に述べた例および変形形態では、層112は、スタックしたナノワイヤまたは「ナノシート」を有するGAAタイプトランジスタ、すなわちCFETに対応する完成したデバイス100のゲート誘電体を形成することが意図される誘電体材料を含む。あるいは、層112がHfOまたはHfZrOなどの強誘電体材料を含み、この層112がこの場合には強誘電体メモリ層に対応することが可能である。完成したデバイス100は、FeFETタイプメモリ機能を有するマイクロエレクトロニクスデバイスに対応する。層112の作製の以前に述べた異なる変形形態は、強誘電体材料を含む層112にやはり適用される。さらに、層112が強誘電体材料を含むとき、層112は、半導体層120の堆積の直前または前に記載されたように2つの異なるステップ期間に堆積され、有利には、区画138のエッチングによって形成された空間中または空洞150の中に堆積される。したがって、層112によって形成される強誘電体材料面は、ゲート110を作製する直前だけに堆積される場合より大きく、このことによって、性能の点で、メモリのばらつきが低減する。
【0116】
別の可能な実施形態によれば、完成したデバイス100は、たとえば、1T1C、1T1R、2T1C、または2T1Rタイプのメモリデバイスに対応することができる。この場合、接触領域116、118のうちの1つは、少なくとも1つのメモリスタック158、すなわち、その中に情報を記録することが可能な材料のスタックを含む。このメモリスタック158は、この場合は強誘電体材料層を含むFeRAMタイプ、または、この場合は酸化物層を含むOxRAM、または、この場合はイオン層を含むCBRAMの材料のスタック、たとえば、MIMタイプ(金属-絶縁体-金属)スタックの形に対応することができる。
【0117】
この実施形態にしたがった例が図21に概略的に図示される。このメモリスタック158は、接触領域118の残りを形成する金属材料内に配置される。金属材料の一部は、メモリスタック158とその中に接触領域118が作製される空洞150中に局在化した半導体層120の部分との間に挿置される。こうして、メモリスタック158は、メモリスタック158を半導体層120に電気的に接続する接触領域118の第1の伝導部分157と、メモリスタック158の電気接点を形成する接触領域118の第2の伝導部分156との間に挿置される。
【符号の説明】
【0118】
100 マイクロエレクトロニクスデバイス
102 基板
106 静電制御ゲートの上部、部分
108 静電制御ゲートの部分
110 静電制御ゲート
112 ゲート誘電体層、強誘電体メモリ層
114 誘電体スペーサ
115 内部誘電体スペーサ
116 ソース領域、接触領域
118 ドレイン領域、接触領域
120 半導体層
122 第1の区域
124 第2の区域
126 誘電体区画、バー
128 絶縁誘電体材料
130 埋込み誘電体層
132 サポート層
134 スタック
136 第1の材料の区画
138 第2の材料の区画
140 誘電体層
142 一時的ゲート
144 ハードマスク
146 区画
148 空間
150 空洞
154 第1の堆積
156 第2の伝導部分
157 第1の伝導部分
158 メモリスタック
1000 電子構成要素、マイクロエレクトロニクス構成要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【外国語明細書】