IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ヴィルトゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特開-建設機械 図1
  • 特開-建設機械 図2
  • 特開-建設機械 図3
  • 特開-建設機械 図4
  • 特開-建設機械 図5
  • 特開-建設機械 図6
  • 特開-建設機械 図7
  • 特開-建設機械 図8a
  • 特開-建設機械 図8b
  • 特開-建設機械 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091577
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】建設機械
(51)【国際特許分類】
   E01C 21/00 20060101AFI20240627BHJP
【FI】
E01C21/00
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023215894
(22)【出願日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】10 2022 134 454.1
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】301064954
【氏名又は名称】ヴィルトゲン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Wirtgen GmbH
【住所又は居所原語表記】Reinhard-Wirtgen-Strasse 2, D-53578 Windhagen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ドラム
(72)【発明者】
【氏名】ローラント ラル
【テーマコード(参考)】
2D053
【Fターム(参考)】
2D053AA05
2D053AB03
2D053AC02
2D053BA01
(57)【要約】
【課題】機械フレームに対する加工装置の調節が改善された自走式建設機械を提供する。
【解決手段】走行装置により支持された機械フレームと、機械フレームに対して旋回するように取り付けられた、地面を加工する加工装置、特に粉砕/混合ローターと、少なくとも加工装置を駆動し、好ましくは走行装置を駆動する駆動装置、特に駆動エンジンと、各々が加工装置及び機械フレームに接続された少なくとも1つの第1及び第2の作動装置であって、作動装置を調節することにより加工装置が機械フレームに対して旋回可能である作動装置とを備える自走式建設機械、特にスタビライザー又はリサイクラーであって、第1及び第2の作動装置の調節移動量が互いに対して定められた差を有するように、作動装置の調節移動量を制御するように設計された制御装置が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置によって支持された機械フレームと、
前記機械フレームに対して旋回するように取り付けられた、地面を加工するための加工装置、特に粉砕/混合ローターと、
少なくとも前記加工装置を駆動し、好ましくは前記走行装置を駆動するための駆動装置、特に駆動エンジンと、
各々が前記加工装置及び前記機械フレームに接続された少なくとも1つの第1の作動装置及び少なくとも1つの第2の作動装置であって、前記加工装置が、前記作動装置を調節することによって前記機械フレームに対して旋回可能である、前記少なくとも1つの第1の作動装置及び少なくとも1つの第2の作動装置と、
を備える自走式建設機械、特にスタビライザー又はリサイクラーであって、
前記第1の作動装置及び前記第2の作動装置の調節移動量が互いに対して定められた差を有するように、前記油圧作動装置の調節移動量を制御するように設計された制御装置が設けられる、
ことを特徴とする自走式建設機械、特にスタビライザー又はリサイクラー。
【請求項2】
少なくとも1つのセンサ装置が、前記作動装置のそれぞれの上に又は中に設けられ、前記センサ装置は、前記作動装置の前記調節移動量を検出し、検出値を前記制御装置に送信するように設計されている、ことを特徴とする請求項1に記載の自走式建設機械。
【請求項3】
前記制御装置は、前記検出値を前記少なくとも1つのセンサ装置から受信し、前記作動装置の前記調節移動量を制御するために制御信号を前記作動装置に送信するように設計されている、ことを特徴とする請求項2に記載の自走式建設機械。
【請求項4】
駆動力を前記駆動装置の従動シャフトから前記加工装置まで伝達する少なくとも1つの機械的動力伝達装置が設けられている、ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の自走式建設機械。
【請求項5】
前記機械的動力伝達装置は、少なくとも1つのベルトドライブを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の自走式建設機械。
【請求項6】
前記機械的動力伝達装置は、旋回アーム間に取り付けられた前記加工装置と共に、旋回軸の周りに旋回可能である、ことを特徴とする請求項4又は5に記載の自走式建設機械。
【請求項7】
旋回軸は、好ましくは、前記駆動装置の従動シャフトと同軸に又は平行に配置されている、ことを特徴とする請求項3から5の何れか1項に記載の自走式建設機械。
【請求項8】
前記走行装置は、昇降装置を介して前記機械フレームに接続されることにより、前記昇降装置を作動することによって前記機械フレームが前記走行装置に対して高さ調節可能であり、前記昇降装置は、前記機械フレームの横断方向及び/又は長手方向の傾斜も前記昇降装置により調節可能であるように作動可能である、ことを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の自走式建設機械。
【請求項9】
前記制御装置は、前記作動装置の前記調節移動量の前記差が実質的にゼロであるように、前記作動装置の前記調節移動量を制御するように設計されている、ことを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の自走式建設機械。
【請求項10】
前記制御装置は、前記作動装置が同期して調節可能であるように、前記作動装置の前記調節移動量を制御するように設計されている、ことを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の自走式建設機械。
【請求項11】
前記第1の作動装置及び前記第2の作動装置の両方が、それぞれの第2の部分に対して調節可能である少なくとも1つの第1の部分を含み、それぞれの前記第1の部分は、前記加工装置に接続され、それぞれの前記第2の部分は、前記機械フレームに接続され、前記第1の作動装置及び前記第2の作動装置のそれぞれの前記第1の部分は、前記加工装置を介してのみ互いに接続される、ことを特徴とする請求項1から10の何れか1項に記載の自走式建設機械。
【請求項12】
自走式建設機械を用いて、耐荷重能力不足の土壌を安定化させ又は路面を再利用することによって舗道を設ける方法であって、
前記建設機械の機械フレームに対して旋回するように取り付けされた加工装置、特に粉砕/混合ローターを用いて地面を加工する段階を含み、
前記加工装置が、駆動装置を用いて駆動され、
前記加工装置が、前記機械フレームに対して第1の作動装置及び第2の作動装置を調節することによって旋回され、
前記作動装置の調節移動量が、前記第1の作動装置及び前記第2の作動装置の前記調節移動量が互いに対して定められた差を有するように、制御装置を用いて制御される、
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記作動装置の前記調節移動量は、それぞれ少なくとも1つのセンサ装置を用いて検出され、検出値は前記制御装置に送信される、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記制御装置は、それぞれの前記作動装置の前記調節移動量の前記調節を、前記調節移動量の検出値と前記調節移動量のそれぞれの前記所定の差との関数として制御する、ことを特徴とする請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
前記作動装置の前記調節移動量は、前記作動装置の前記調節移動量の互いに対して定められた差が実質的にゼロであるように、前記制御装置を用いて制御される、ことを特徴とする請求項12から14の何れか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記作動装置の前記調節移動量は、前記作動装置が同期して調節されるように、前記制御装置を用いて制御される、ことを特徴とする請求項12から15の何れか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載の自走式建設機械、及び、請求項12に記載の耐荷重能力不足の土壌の安定化又は路面の再利用により舗道を設ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
耐荷重能力不足の土壌を安定化させることにより又は路面を再利用することにより舗道を設けるための自走式建設機械は公知であり、その自走式建設機械は、走行装置によって支持された機械フレームを含む。機械フレームに対して旋回するように装着された加工装置(Arbeitseinrichtung)、特に、粉砕/混合ドラムが、地面を加工するために更に設けられる。駆動装置、特に、駆動エンジンが、加工装置を駆動するために設けられる。少なくとも1つの第1の油圧作動装置及び少なくとも1つの第2の油圧作動装置が設けられ、それらは、各々が加工装置及び機械フレームに接続され、加工装置は、作動装置を調節することによって機械フレームに対して旋回可能である。
【0003】
そのような機械は、例えば、独国特許出願公開第102018126672号明細書から公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許出願公開第102018126672号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在の技術水準では、加工装置は、常に機械フレームと平行に位置合わせされ、建設機械は、従って、常に加工装置の傾斜と同じ横断方向傾斜を有さなければならないが、最も稀な場合に、加工装置は、水平に位置合わせされなければならないという問題がある。加工装置は、通常は地面と平行に位置合わせされなければならず、殆どの場合に、従って、水平線からある一定の傾斜を示す。これは、逆に、建設機械全体が水平線に対して傾斜を示さなければならないことを意味する。
【0006】
しかし、これは、一部の欠点を有する。一方では、運転者は機械上の運転室にいるので、運転者も傾斜した位置にある。更に、タンクが、多くの場合に、例えば水又は燃料のために機械フレーム上に設けられる。液体の変位は、機械の重心のシフトをもたらし、これは、次に、走行装置の不均等な荷重に至る。これに加えて、そのような機械は、比較的狭い軌道幅を有し、かつそのような建設機械は、多くの場合に非常に高い重心を有するので、横断方向傾斜が増大すると、機械転倒のリスクがある。更に、自走式建設機械を用いる場合に、結合剤が、土壌を加工する時に再利用及び安定化するために添加される。横断方向傾斜は、結合剤が建設機械の幅にわたって均等に分配されないという問題を引き起こす場合がある。
【0007】
従って、本発明の目的は、機械フレームに対する加工装置の調節が改善された自走式建設機械を作り出すことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的は、請求項1及び12の特徴によって達成される。
【0009】
本発明は、有利なことに、第1の作動装置及び第2の作動装置の調節移動量が互いに対して定められた差を有するように、作動装置の調節移動量を制御するように設計された制御装置が設けられることを規定する。
【0010】
これにより、機械フレームに対する加工装置の正確な位置決めが可能になる。
【0011】
少なくとも1つの第1及び/又は第2の作動装置は、好ましくは、油圧作動装置であるのがよい。
【0012】
これに代えて、少なくとも1つの第1及び/又は第2の作動装置は、リニアモータ又はスピンドルドライブを用いて調節可能な作動装置であるのがよい。
【0013】
加工装置は、旋回アームに支持され、かつ旋回アームを用いて機械フレームに対して旋回軸の周りに旋回可能であるのがよい。加工装置は、作動装置を用いて旋回軸の周りに旋回されるのがよい。
【0014】
作動装置の各々は、加工装置に直接に又は間接的に接続され、機械フレームに直接に又は間接的に接続されるのがよい。
【0015】
建設機械は、更に、4つの走行装置を含むことができる。また、存在する全ての走行装置は、ステアリング可能であるのがよい。これに加えて、全ての走行装置が駆動されるのがよい。加工装置は、前部及び後部の走行装置の間に配置されるのがよい。前部走行装置は、前部車軸を形成することができる。後部走行装置は、後部車軸を形成することができる。駆動装置、特に、駆動エンジンは、横断方向に設置されるのがよい。
【0016】
本発明により、油圧作動装置の調節移動量を検出し、かつ検出値を制御装置に送信するように設計された少なくとも1つの各センサ装置が、それぞれの油圧作動装置上又は内に設けられるのがよい。
【0017】
このようにして、油圧作動装置のそれぞれの調節移動量を正確に制御することが可能である。
【0018】
本発明により、駆動力を駆動装置のドライブシャフトから加工装置まで伝達する少なくとも1つの機械的動力伝達装置が設けられるのがよい。
【0019】
機械的動力伝達装置は、少なくとも1つのベルトドライブを含むことができる。
【0020】
機械的動力伝達装置は、旋回アームの間に取り付けられた加工装置と共に、旋回軸の周りに旋回可能であるのがよい。
【0021】
すなわち、機械的動力伝達装置は、機械フレームに対して加工装置と共に旋回することができる。
【0022】
旋回軸は、好ましくは、駆動装置のドライブシャフトと同軸に又は平行に配置されるのがよい。
【0023】
機械的動力伝達装置の代わりとして、ドラムを油圧駆動してもよい。
【0024】
走行装置は、機械フレームが昇降装置を作動することによって走行装置に対して高さが調製可能とすることができるように、昇降装置を介して機械フレームに接続されるのがよい。昇降装置は、機械フレームの横断方向及び/又は長手方向傾斜が昇降装置を用いて調節可能であるように、作動可能であるのがよい。
【0025】
昇降装置は、例えば昇降装置を用いて機械フレームの横断方向及び長手方向傾斜を調節するために、個別に作動可能であるのがよい。これに代えて、昇降装置はまた、例えば昇降装置を用いて機械フレームの横断方向又は長手方向傾斜を調節するために、ペアで作動可能であるのがよい。
【0026】
制御装置は、油圧作動装置の調節移動量の差が実質的にゼロであるように、油圧作動装置の調節移動量を制御するように設計されるのがよい。
【0027】
制御装置は、油圧作動装置が本質的に同期して調節可能であるように、油圧作動装置の調節移動量を制御するように設計されるのがよい。
【0028】
同期調節可能であることの利点は、調節移動量の差が本質的に恒久的に一定に留まることである。この差がゼロに調節され、かつ作動装置が同期して調節される場合、1つの利点は、加工装置のジャムが殆どないことである。その結果、加工装置が支持されている要素は、有意に長い寿命を有する。
【0029】
本発明は、油圧作動装置の調節移動量を互いに一致させることができる利点を有する。
【0030】
第1及び第2の作動装置の両方の各々は、それぞれの第2の部分に対して調節可能である少なくとも1つの第1の部分を含むことができ、それぞれの第1の部分は、加工装置に接続され、それぞれの第2の部分は、機械フレームに接続され、第1及び第2の作動装置のそれぞれの第1の部分は、加工装置を介してのみ互いに接続される。
【0031】
また、機械フレーム上で旋回するように取り付けられた旋回アームは互いに結合されていないので、第1及び第2の作動装置は、加工装置を介してのみ互いに接続される。
【0032】
調節移動量の同期化を可能にするような、第1及び第2の作動装置間の追加の結合、特に、追加の機械的結合はない。同期化は、制御装置を用いてのみ行われる。
【0033】
第1及び第2の作動装置の機械的結合又は第1及び第2の作動装置の二重ロッドシリンダ又はフローデバイダを介した結合は、当技術分野で知られている。しかし、本発明によれば、結合は、制御装置を用いてのみ行うことができる。
【0034】
本発明によれば、自走式建設機械を用いて耐荷重能力不足の土壌を安定化させることによって又は路面を再利用することによって舗道を生成する方法を規定することができ、当該方法は、以下の段階を含む。
-建設機械の機械フレームに対して旋回するように取り付けられた加工装置、特に、粉砕/混合ローターを用いて地面を加工する段階であって、
-加工装置は、駆動装置を用いて駆動され、
-加工装置は、機械フレームに対して第1及び第2の作動装置を調節することによって旋回される、
地面を加工する段階。
【0035】
本発明によれば、第1の作動装置及び第2の作動装置の調節移動量が互いに対して定められた差を有するように、作動装置の調節移動量が制御装置を用いて制御されることが提供される。
【0036】
少なくとも1つの第1及び/又は第2の作動装置は、好ましくは、油圧作動装置であるのがよい。
【0037】
作動装置の調節移動量の各々は、少なくとも1つのセンサ装置を用いて検出されるのがよく、検出値は、制御装置に送信されるのがよい。
【0038】
制御装置は、それぞれの作動装置の調節移動量の調節を、それぞれの調節移動量の検出値と調節移動量の所定の差との関数として制御することができる。
【0039】
作動装置の調節移動量は、油圧作動装置の調節移動量の差が実質的にゼロであるように、制御装置を用いて制御されるのがよい。
【0040】
作動装置の調節移動量は、作動装置が同期して調節されるように、制御装置を用いて制御されるのがよい。
【0041】
駆動力は、少なくとも1つの機械的動力伝達装置を介して、駆動装置の従動シャフトによって加工装置に伝達されるのがよい。
【0042】
機械的動力伝達装置は、旋回アームに取り付けられた加工装置と共に、旋回軸の周りに旋回するのがよい。
【0043】
本発明は、2つの作動装置間及び/又は旋回アーム間の機械的結合要素のような追加の結合要素が、調節移動量を互いに一致させるのに必要ではないという利点を有する。従って、機械フレーム内においてそれらの結合要素のために設置スペースを使用する必要がないので、設置スペースを節約することができる。これは、機械フレームも、タンクのような機械フレーム内の部品も、2つの作動装置間の結合を確立するように適合させる必要がないことを意味する。
【0044】
本発明の意味での制御装置は、プロセッサ、コンピュータ可読媒体、データベース、及び入力/出力モジュール又はディスプレイを有する制御パネルを含む場合があり、又はこれらに割り当てられるのがよい。同じく、制御装置は、キーボード、ジョイスティック、又は他のユーザインタフェースのような入力/出力デバイスを含む場合があり、又はこれらは、人間のオペレータが命令を制御装置に入力することができるように制御装置に割り当てることができる。本明細書に記載された制御装置は、記載された機能全体を含む単一制御装置であってもよく、又は、複数の制御装置を含んでもよく、記載された機能が複数の制御装置に分散されていてもよいことが理解される。
【0045】
制御装置が本発明の意味で実行することができる異なる作動、段階、又はアルゴリズムは、例えば、ハードウエアにおいて、プロセッサによって実行されるソフトウエアモジュールのようなコンピュータプログラムにおいて、又はその両方の組合せにおいて、直接に具現化されるのがよい。コンピュータプログラムは、例えば、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブル媒体、又は当技術分野で知られている任意の他の形態のコンピュータ可読媒体に配置することができる。コンピュータ可読媒体の例は、例えば、プロセッサが情報をメモリ/ストレージ媒体から読み取ることができ、かつ情報をそれらの上に書き込むことができるように、プロセッサに結合されるのがよい。これに代えて、媒体は、プロセッサに統合されてもよい。プロセッサ及び媒体は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)に配置されるのがよい。ASICは、ユーザ端末デバイスに配置されるのがよい。これに代えて、プロセッサ及び媒体は、個別構成要素としてユーザ端末装置に配置してもよい。
【0046】
本明細書において使用される用語「プロセッサ」は、当業者が理解することができるように、少なくとも、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、及び有限状態機械などを含むがこれらに限定されない、汎用又は専用処理デバイス及び/又は論理部を指すことができる。プロセッサはまた、コンピュータデバイスの組合せ、例えば、DSP及びマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1又は複数のマイクロプロセッサ、又は他のそのような構成として実施されてもよい。
【0047】
作動装置の調節移動量を検出し、かつ検出値を制御装置に送信するように設計された少なくとも1つのセンサ装置は、それぞれの作動装置上に又は内に設けることができる。
【0048】
制御装置は、検出値を少なくとも1つのセンサ装置から受信し、作動装置の伸長を制御するために制御信号を作動装置に送信することができるように、設計又はプログラムすることができる。
【0049】
以下で図面を参照して本発明の実施形態をより詳細に例示する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図1】加工ドラムがアイドル位置にある、本発明による建設機械の側面図である。
図2】加工ドラムが加工位置にある、図1による建設機械を示す図である。
図3】加工装置を駆動するためのドライブトレーンを示す図である。
図4】加工装置が機械フレームに対して傾斜している、機械の概略後面図である。
図5】第1の作動装置を示す、図4による建設機械の概略側面図である。
図6】第2の作動装置を示す、図4による建設機械の更に別の概略側面図である。
図7】加工装置が機械フレームと平行に位置合わせされた概略後面図である。
図8a】第1及び第2の作動装置を示す、図7による建設機械の概略側面図である。
図8b】第1及び第2の作動装置を示す、図7による建設機械の概略側面図である。
図9】制御装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
図1は、自走式建設機械1、特に、スタビライザー又はリサイクラーを示している。建設機械は、走行装置2及び4によって支持された機械フレーム6を備える。走行装置2、4は、図示されているように車輪を備えてもよい。これに代えて、クローラを備えてもよい。
【0052】
建設機械1は、更に、機械フレーム6に対して旋回するように取り付けられた加工装置8を備える。加工装置8は、特に、地面を加工するのに使用される粉砕及び/又は混合ローターであるのがよい。加工装置8は、好ましくは、ハウジング24によって取り囲まれる。ハウジング24によって取り囲まれた空間は、混合チャンバ23と呼ばれる。粉砕/混合ローターとして設計された加工装置8は、耐荷重能力不足の土壌や舗道を粉砕するのに使用することができる。
【0053】
建設機械1は、図示した実施形態に示すように、昇降装置12を更に備えてもよく、それを用いて走行装置2又は4は、それぞれ、機械フレーム6に対して高さ調節可能であり、機械フレーム6は、従って、地面14に対して高さ調節可能である。
【0054】
建設機械1は、図示した実施形態に示すように、4つの走行装置2、4を更に備えることができる。また、存在する全ての走行装置2、4は、ステアリング可能であるのがよい。これに加えて、全ての走行装置2、4が、駆動されるのがよい。加工装置8は、図示されているように、前部及び後部の走行装置2,4間に配置することができる。前部の走行装置2は、前部車軸を形成することができる。後部の走行装置4は、後部車軸を形成することができる。駆動装置8、特に、駆動エンジンは、横断方向に設置されるのがよい。
【0055】
本発明によれば、少なくとも1つの第1の油圧作動装置10及び1つの第2の油圧作動装置11が設けられ、これらは、各々が一方で加工装置8に、他方で機械フレーム6に、直接に又は間接的に接続される。図1は、第1の油圧作動装置10のみを示している。第2の油圧作動装置は、建設機械1の反対側に配置される。加工装置8は、作動装置10、11を調節することによって機械フレーム6に対して旋回することができる。
【0056】
加工装置8は、旋回アーム30、31の間に装着することができる。図示されているように、機械的動力伝達装置20が、建設機械1の少なくとも一方の側に更に設けられるのがよい。機械的動力伝達装置20は、ハウジング21によって覆われる。機械的動力伝達は、例えば、ベルトドライブであるのがよい。この設計では、駆動力は、駆動装置26の従動シャフト25によって加工装置8に伝達される。加工装置8は、軸28を有し、ベルトドライブが軸28の上を走行する。本実施形態では、旋回アーム30は、ハウジング21によって形成される。旋回アーム31は、建設機械の反対側に配置され、かつ旋回軸52と同軸に配置された旋回軸の周りに同様に旋回する。
【0057】
好ましくは、ギアボックスが、機械的動力伝達装置20と加工装置8の間に設けられるのがよい。このギアボックスは、例えば、遊星ギアボックスであるのがよい。機械的動力伝達装置20は、旋回アーム30、31間に取り付けられた加工装置8と共に、旋回軸52の周りに旋回することができる。本実施形態では、旋回軸52は、駆動装置26の従動シャフト25と同軸に配置される。これに代えて、旋回軸52が駆動装置26の従動シャフト25と平行に配置されることも可能である。
【0058】
図2では、加工装置8は、作動位置に描かれている。この場合、作動装置10、11が作動され、加工装置8が地面14を粉砕することができるように、加工装置8が機械フレーム6に対して旋回軸52の周りに旋回している。更に、図2では、地面が再利用又は安定化されたことが示されている。このために、粉砕された物質は、ハウジング24の内側の混合チャンバ23に蓄積される。結合剤が、混合チャンバ23内の粉砕物質に添加されるのがよい。粉砕物質は、添加された結合剤と共に、スクレーパ装置を用いて平らにされるのがよく、その後、加工地面15として地表面上に残る。結合剤と混合された加工地面15は、依然として非常に緩く、従って、走行装置4は、図示されているように地面に沈み込む場合がある。
【0059】
更に、自走式建設機械1上に制御装置50が配置されており、制御装置50は、第1の油圧作動装置10及び第2の油圧作動装置11の調節移動量が互いに対して定められた差を有するように、油圧作動装置の調節移動量を制御するように設計されている。
【0060】
図3は、概略的なドライブトレーンを描いている。好ましくは内燃機関とすることができる駆動装置26は、好ましくは、横断方向に設置することができる。クラッチ62が、駆動装置26と加工装置8の間に設けられるのがよい。
【0061】
加工装置8を駆動するための機械的動力伝達装置20が、クラッチ62と加工装置8の間に配置される。機械的動力伝達装置20は、例えば、ベルトドライブであるのがよい。更に、ギアボックス、特に、遊星ギアボックスが、動力伝達装置20と加工装置8の間に配置されるのがよい。
【0062】
図4は、本発明による建設機械の概略後面図を示している。実施形態において、加工装置8が機械フレーム6に対して所定の傾斜を有することが示されている。昇降装置は、機械フレームが重力方向に対して実質的に垂直に位置合わせされるように延伸される。図4は単なる概略図であるので、第1及び第2の油圧作動装置は描かれていない。しかし、第1及び第2の油圧作動装置は、加工装置8が地表面に対して実質的に平行に位置合わせされるように、異なる調節移動量を有している。従って、加工装置8は、機械フレーム6に対して所定の傾斜を有している。
【0063】
建設機械の異なる側、従って第1の油圧作動装置10及び第2の油圧作動装置11のそれぞれ異なる調節移動量L1及びL2が、それぞれ、図5及び図6に描かれている。
【0064】
図7は、図4に示すものと同様の実施形態を示しているが、この実施形態では、油圧作動装置10、11の移動量は同一であり、従って、油圧作動装置10、11の調節移動量の差は、実質的にゼロである。
【0065】
従って、制御装置50は、油圧作動装置10、11の調節移動量の差が実質的にゼロであるような方式で油圧作動装置10、11の調節移動量を制御するように設計することができる。
【0066】
更に、制御装置50は、油圧作動装置10、11が同期して調節可能であるように、油圧作動装置10、11の調節移動量を制御するように設計されるのがよい。
【0067】
図7においては、加工装置8が機械フレーム6に対して平行に配置されているので、油圧作動装置10、11の調節移動量の差が実質的にゼロであるように油圧作動装置10、11が調節されていることが分かる。その後油圧作動装置10、11が同期的に調節される場合、加工装置8は、機械フレーム6に対して平行に配置されたままとなる。
【0068】
図8aに作動装置10を示す。第2の作動装置11は、建設機械1の反対側に配置され、図8bに示されている。第2の作動装置11の調節移動量は、第1の作動装置10の調節移動量に実質的に対応する。
【0069】
本発明によれば、図面に示すようにセンサ装置60を設けるのがよく、センサ装置60は、それぞれの油圧作動装置10、11に設けられ、油圧作動装置10、11の調節移動量を検出して検出値を制御装置50に送信するように設計されている。
【0070】
図9に例示的に描かれているように、制御装置50は、制御装置202であってもよい。本発明の意味での制御装置202は、プロセッサ204、コンピュータ可読媒体206、データベース208、及び入力/出力モジュール又はディスプレイ212を有する制御パネル210を備えてもよく、又はこれらに割り当てられてもよい。また、制御装置は、キーボード、ジョイスティック、又は他のユーザインタフェースのような入力/出力デバイス214を含んでもよく、又はこれらは、人間のオペレータが命令を制御装置に入力することができるように制御装置に割り当てられてもよい。本明細書に記載される制御装置202は、記載されている機能全体を含む単一制御装置であってもよく、複数の制御装置を含んでいてもよく、記載されている機能は、複数の制御装置に分散されてもよいことが理解される。
【0071】
本発明の意味において制御装置202が実行することができる異なる作動、段階、又はアルゴリズムは、例えば、ハードウエアにおいて、プロセッサ204によって実行されるソフトウエアモジュールのようなコンピュータプログラム216において、又はその両方の組合せにおいて、直接に具現化されるのがよい。コンピュータプログラム216は、例えば、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブル媒体、又は当技術分野で知られている任意の他の形態のコンピュータ可読媒体206に配置されるのがよい。コンピュータ可読媒体206の例は、例えば、プロセッサがメモリ/ストレージ媒体から情報を読み取ることができ、かつその上に情報を書き込むことができるように、プロセッサ204に結合されるのがよい。これに代えて、媒体は、プロセッサに統合されてもよい。プロセッサ及び媒体は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)に配置されるのがよい。ASICは、ユーザ端末デバイスに配置されるのがよい。これに代えて、プロセッサ及び媒体は、個別の構成要素としてユーザ端末装置に配置してもよい。
【0072】
本明細書において使用される用語「プロセッサ」は、当業者が理解することができるように、少なくとも、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、及び有限状態機械などを含むがこれらに限定されない汎用又は専用処理デバイス及び/又は論理部を指すことができる。プロセッサはまた、コンピュータデバイスの組合せ、例えば、DSP及びマイクロプロセッサの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1又は複数のマイクロプロセッサ、又は他のそのような構成として実施されてもよい。
【0073】
作動装置10、11の調節移動量を検出し、かつ検出値を制御装置202に送信するように設計された少なくとも1つのセンサ装置60は、それぞれの作動装置10、11上に又は内に設けることができる。
【0074】
制御装置50、202は、検出値を少なくとも1つのセンサ装置60から受信し、作動装置10、11の伸長、ひいては作動装置の調節移動量を制御するために、制御信号を作動装置に送信することができるようにプログラムすることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9
【手続補正書】
【提出日】2024-04-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置によって支持された機械フレームと、
前記機械フレームに対して旋回するように取り付けられた、地面を加工するための加工装置と
少なくとも前記加工装置を駆動するための駆動装置と
各々が前記加工装置及び前記機械フレームに接続された少なくとも1つの第1の作動装置及び少なくとも1つの第2の作動装置であって、前記加工装置が、前記作動装置を調節することによって前記機械フレームに対して旋回可能である、前記少なくとも1つの第1の作動装置及び少なくとも1つの第2の作動装置と、
を備える自走式建設機械であって、
前記第1の作動装置及び前記第2の作動装置の調節移動量が互いに対して定められた差を有するように、前記油圧作動装置の調節移動量を制御するように設計された制御装置が設けられる、
ことを特徴とする自走式建設機械。
【請求項2】
少なくとも1つのセンサ装置が、前記作動装置のそれぞれの上に又は中に設けられ、前記センサ装置は、前記作動装置の前記調節移動量を検出し、検出値を前記制御装置に送信するように設計されている、ことを特徴とする請求項1に記載の自走式建設機械。
【請求項3】
前記制御装置は、前記検出値を前記少なくとも1つのセンサ装置から受信し、前記作動装置の前記調節移動量を制御するために制御信号を前記作動装置に送信するように設計されている、ことを特徴とする請求項2に記載の自走式建設機械。
【請求項4】
駆動力を前記駆動装置の従動シャフトから前記加工装置まで伝達する少なくとも1つの機械的動力伝達装置が設けられている、ことを特徴とする請求項に記載の自走式建設機械。
【請求項5】
前記機械的動力伝達装置は、少なくとも1つのベルトドライブを含む、ことを特徴とする請求項4に記載の自走式建設機械。
【請求項6】
前記機械的動力伝達装置は、旋回アーム間に取り付けられた前記加工装置と共に、旋回軸の周りに旋回可能である、ことを特徴とする請求項に記載の自走式建設機械。
【請求項7】
旋回軸は、前記駆動装置の従動シャフトと同軸に又は平行に配置されている、ことを特徴とする請求項に記載の自走式建設機械。
【請求項8】
前記走行装置は、昇降装置を介して前記機械フレームに接続されることにより、前記昇降装置を作動することによって前記機械フレームが前記走行装置に対して高さ調節可能であり、前記昇降装置は、前記機械フレームの横断方向及び/又は長手方向の傾斜も前記昇降装置により調節可能であるように作動可能である、ことを特徴とする請求項に記載の自走式建設機械。
【請求項9】
前記制御装置は、前記作動装置の前記調節移動量の前記差が実質的にゼロであるように、前記作動装置の前記調節移動量を制御するように設計されている、ことを特徴とする請求項に記載の自走式建設機械。
【請求項10】
前記制御装置は、前記作動装置が同期して調節可能であるように、前記作動装置の前記調節移動量を制御するように設計されている、ことを特徴とする請求項に記載の自走式建設機械。
【請求項11】
前記第1の作動装置及び前記第2の作動装置の両方が、それぞれの第2の部分に対して調節可能である少なくとも1つの第1の部分を含み、それぞれの前記第1の部分は、前記加工装置に接続され、それぞれの前記第2の部分は、前記機械フレームに接続され、前記第1の作動装置及び前記第2の作動装置のそれぞれの前記第1の部分は、前記加工装置を介してのみ互いに接続される、ことを特徴とする請求項に記載の自走式建設機械。
【請求項12】
自走式建設機械を用いて、耐荷重能力不足の土壌を安定化させ又は路面を再利用することによって舗道を設ける方法であって、
前記建設機械の機械フレームに対して旋回するように取り付けされた加工装置を用いて地面を加工する段階を含み、
前記加工装置が、駆動装置を用いて駆動され、
前記加工装置が、前記機械フレームに対して第1の作動装置及び第2の作動装置を調節することによって旋回され、
前記作動装置の調節移動量が、前記第1の作動装置及び前記第2の作動装置の前記調節移動量が互いに対して定められた差を有するように、制御装置を用いて制御される、
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
前記作動装置の前記調節移動量は、それぞれ少なくとも1つのセンサ装置を用いて検出され、検出値は前記制御装置に送信される、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記制御装置は、それぞれの前記作動装置の前記調節移動量の前記調節を、前記調節移動量の検出値と前記調節移動量のそれぞれの前記所定の差との関数として制御する、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記作動装置の前記調節移動量は、前記作動装置の前記調節移動量の互いに対して定められた差が実質的にゼロであるように、前記制御装置を用いて制御される、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記作動装置の前記調節移動量は、前記作動装置が同期して調節されるように、前記制御装置を用いて制御される、ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【外国語明細書】