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特開2024-91578アブレーションカテーテルを使用した光学的な分析および接触安定性のためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091578
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】アブレーションカテーテルを使用した光学的な分析および接触安定性のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/00 20060101AFI20240627BHJP
   A61B 18/20 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
A61B18/00
A61B18/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023216000
(22)【出願日】2023-12-21
(31)【優先権主張番号】22383258
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.JAVASCRIPT
(71)【出願人】
【識別番号】513148565
【氏名又は名称】メドルミクス,エセ.エレ.
【氏名又は名称原語表記】MEDLUMICS,S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100145791
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 志麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【弁理士】
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】フアン サンチョ
(72)【発明者】
【氏名】デービッド へランズ
(72)【発明者】
【氏名】マシュー デュペロン
(72)【発明者】
【氏名】クリストフ ベイレウル
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ グリーン
【テーマコード(参考)】
4C026
4C160
【Fターム(参考)】
4C026AA02
4C026AA03
4C026GG08
4C160JJ02
4C160JJ12
4C160JK01
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK23
4C160KK24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】カテーテル先端部とターゲット組織との間の接触の品質を査定するための改善された方法および/またはデバイスを提供する。
【解決手段】ビューポートを有するカテーテルを使用して組織アブレーションのための光信号を分析する方法は、ビューポートを介してターゲット組織に向けて照射を伝送するステップを含む。また本方法はターゲット組織から第1の散乱された照射を受け取るステップと、その照射に基づいて第1の測定信号を発生させるステップとを含む。また、本方法は、第1の散乱された照射を受け取るステップの後に、ターゲット組織から第2の散乱された照射を受け取るステップと、その照射に基づいて第2の測定信号を発生させるステップとを含む。また、本方法は、第1の測定信号と第2の測定信号との間の第1の差が第1の閾値を満たすかまたは超えるかに基づいてビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかを決定するステップを含む。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、前記システムは、
カテーテルであって、
近位部分、
遠位部分、
前記近位セクションと前記遠位セクションとの間に連結されているシース、および、
複数のビューポートであって、前記複数のビューポートは、前記遠位部分に配設されており、ターゲット組織に照射を伝送するように構成されており、散乱された照射を前記ターゲット組織から受け取るように構成されている、複数のビューポート
を含む、カテーテルと、
検出システムであって、前記検出システムは、前記複数のビューポートのうちの第1のビューポートを介して、前記ターゲット組織から第1および第2の散乱された照射を受け取るように構成されており、前記第1および第2の散乱された照射に基づいて、第1および第2の測定信号をそれぞれ発生させるように構成されている、検出システムと、
前記第1の測定信号と前記第2の測定信号との間の第1の差が第1の閾値を満たすかまたは第1の閾値を超えるかに基づいて、前記第1のビューポートが前記ターゲット組織と接触しているかどうかを決定するように構成されている処理デバイスと
を含む、システム。
【請求項2】
前記処理デバイスは、接触力測定とは無関係に、前記第1のビューポートが前記ターゲットに接触しているかどうか前記決定を実施するようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記検出システムは、前記第1のビューポートを介して、前記ターゲット組織から第3の散乱された照射を受け取るように、および、前記第3の散乱された照射に基づいて第3の測定信号を発生させるようにさらに構成されており、
前記処理デバイスは、前記第1の差、および前記第2の測定信号と前記第3の測定信号との間の第2の差が第2の閾値を満たすかまたは第2の閾値を超えるかに基づいて、前記第1のビューポートと前記ターゲット組織との間の接触が安定しているかどうかを決定するようにさらに構成されている、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記処理デバイスは、接触力測定とは無関係に、前記第1のビューポートと前記ターゲット組織との間の接触が安定しているかどうかの前記決定を実施するようにさらに構成されている、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記検出システムは、前記第1のビューポートからの距離に対する散乱された照射強度のデータを含む前記第1および第2の測定信号を発生させるようにさらに構成されており、
前記処理デバイスは、前記第1のビューポートからの前記距離に対する前記散乱された照射強度のシフトに基づいて、前記第1の測定信号と前記第2の測定信号との間の差を評価するようにさらに構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の測定信号は、前記第1のビューポートからの距離の関数としての第1の大きさプロファイルを含み、
前記第2の測定信号は、前記第1のビューポートからの距離の関数としての第2の大きさプロファイルを含み、
前記第1の測定信号と前記第2の測定信号との間の差は、前記第1の大きさプロファイルと前記第2の大きさプロファイルとの間の差に基づいている、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記検出システムは、前記複数のビューポートのうちの第2のビューポートを介して、前記ターゲット組織から第3および第4の散乱された照射を受け取るように、ならびに前記第3および第4の散乱された照射に基づいて、第3および第4の測定信号をそれぞれ発生させるようにさらに構成されており、
前記処理デバイスは、
前記第3および第4の測定信号の分析に基づいて、前記第2のビューポートが前記ターゲット組織と接触しているかどうかを決定することと、
前記第1および第2のビューポートが前記ターゲット組織と接触しているかどうかの前記決定に基づいて、前記カテーテルの前記遠位部分が前記ターゲット組織とソフトな接触をしているかまたは強力な接触をしているかを決定することであって、強力な接触は、2つ以上のビューポートが前記ターゲット組織と接触していることに関連付けられる、決定することとをするようにさらに構成されている、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、表示デバイスをさらに含み、前記表示デバイスは、グラフィカルユーザーインターフェースを介して、前記第1のビューポートが前記ターゲット組織と接触しているかどうかのインディケーションを表示するように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記表示デバイスは、前記グラフィカルユーザーインターフェースを介して、前記ビューポートと前記ターゲット組織との間の接触が安定しているかどうかのインディケーションを表示するようにさらに構成されている、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記表示デバイスは、前記グラフィカルユーザーインターフェースを介して、前記接触がソフトな接触であるかまたは強力な接触であるかのインディケーションを表示するようにさらに構成されている、請求項8または9に記載のシステム。
【請求項11】
前記表示デバイスは、前記グラフィカルユーザーインターフェースを介して、前記第2のビューポートが前記ターゲット組織と接触しているかどうかを表示するようにさらに構成されている、請求項8から10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記表示デバイスは、前記グラフィカルユーザーインターフェースを介して、複屈折データ、位相データ、および/または病変深さデータを表示するようにさらに構成されている、請求項8から11のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の態様は、組織アブレーション(tissue ablations)を実施するコンポーネント、システム、および方法に関する。例示的な実装形態は、光信号分析と、組織アブレーションのための病変深さを予測することと、カテーテル先端部と組織サンプルとの間の接触の安定性を決定することとを含むことが可能である。
【背景技術】
【0002】
アブレーションは、組織壊死を作り出すための医療技法である。それは、なかでも、癌、バレット食道、または心臓不整脈を含む、さまざまな病態を治療することを助けるために使用される。ラジオ周波数(RF)アブレーションに関して、数百kHzを上回る発振周波数を有する交流電流の印加は、ジュール効果によって熱を送達している間に、興奮性組織の刺激を回避する。組織温度の上昇は、タンパク質(たとえば、コラーゲン、ミオシン、またはエラスチンなど)を含む生体分子の変性を作り出す。従来、RFアブレーションは、患者の身体の上に外部電極を設置すること、および、患者の身体の中の治療されることとなる組織と接触して設置されているカテーテルの先端部に交流電位を印加することによって行われる。
【0003】
いくつかのケースでは、冷凍アブレーションのための極低温冷却、ラジオ周波数、マイクロ波、レーザー、光音響、超音波、またはパルス場などを含む、さまざまなエネルギー供給源がアブレーションのために利用されることが可能である。いくつかのケースでは、冷凍アブレーションは、組織をアブレートするために、極めて低い温度を使用することが可能であり、一方では、エレクトロポレーションアブレーションは、心房細動の治療のために特定の組織をアブレートするためにパルス電界を使用することが可能である。
【0004】
アブレーション効果は、印加される電力、電気的接触の品質、局所組織特性、組織表面の近くの血流の存在、および、灌漑の効果を含む、多くの要因に依存する。これらのパラメーターの変動性に起因して、一貫した結果を取得することが困難である場合があり、また、アブレーションのための現在のシステムおよび方法を使用して組織の中のアブレーション効果を理解することは困難である場合がある。
【0005】
したがって、そのようなシステムおよび方法は、たとえば、組織の中に形成された病変を識別すること、および、カテーテルを通して病変のさまざまな特性を決定することなど、組織の中のアブレーションの結果を査定する際の困難および課題に起因して制限される場合がある。アブレーションは、(たとえば、光コヒーレンス断層撮影法を使用して)アブレートされた組織を検査するための光学器具とペアにされることが可能である。光学器具とターゲット組織との間の接触の品質は、光学的測定値の精度に影響を与える可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2021/0212569号明細書
【発明の概要】
【0007】
したがって、カテーテル先端部とターゲット組織との間の接触の品質を査定するための改善された方法および/またはデバイスが、本明細書で開示されている。
【0008】
本明細書で開示されている実施形態の1つまたは複数の態様は、時間の経過に伴う光学的特性の変化をモニタリングするために、および、組織の中の病変深さを予測するために、光学的特性(たとえば、組織の複屈折、偏光、および/または位相遅延)を理解するための光学システム、コンソール、または処理デバイス、カテーテル、および光学的測定値に向けられることが可能である。
【0009】
いくつかの態様において、方法は、カテーテルの遠位部分に配設されているビューポートを介してターゲット組織の複数の光学的測定を実施するステップを含むことが可能である。複数の光学的測定を実施するステップは、ビューポートを介してターゲット組織に向けて照射を伝送するステップを含むことが可能である。複数の光学的測定を実施するステップは、ビューポートにおいて、ターゲット組織から第1の散乱された照射を受け取るステップをさらに含むことが可能である。複数の光学的測定を実施するステップは、第1の散乱された照射に基づいて第1の測定信号を発生させるステップをさらに含むことが可能である。複数の光学的測定を実施するステップは、第1の散乱された照射を受け取るステップの後に、ビューポートにおいて、ターゲット組織から第2の散乱された照射を受け取るステップをさらに含むことが可能である。複数の光学的測定を実施するステップは、第2の散乱された照射に基づいて第2の測定信号を発生させるステップをさらに含むことが可能である。本方法は、複数の光学的測定を分析するステップをさらに含むことが可能である。分析するステップは、複数の光学的測定の間の第1の差が第1の閾値を満たすかまたは第1の閾値を超えるかに基づいて、ビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかを決定するステップを含むことが可能である。第1の差は、第1の測定信号と第2の測定信号との間の差を含む。
【0010】
いくつかの態様において、システムは、近位部分と、遠位部分と、シースと、複数のビューポートとを含む、カテーテルを含むことが可能である。シースは、近位セクションと遠位セクションとの間に連結されることが可能である。複数のビューポートは、遠位部分に配設されることが可能であり、ターゲット組織に照射を伝送するように構成されており、散乱された照射をターゲット組織から受け取るように構成されている。システムは、検出システムをさらに含むことが可能であり、検出システムは、複数のビューポートのうちの第1のビューポートを介して、ターゲット組織から第1および第2の散乱された照射を受け取るように構成されており、第1および第2の散乱された照射に基づいて、第1および第2の測定信号をそれぞれ発生させるように構成されている。システムは、処理デバイスをさらに含むことが可能であり、処理デバイスは、第1の測定信号と第2の測定信号との間の第1の差が第1の閾値を満たすかまたは第1の閾値を超えるかに基づいて、第1のビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかを決定するように構成されている。
【0011】
さまざまな態様のさらなる特徴は、添付の図面を参照して下記に詳細に説明されている。本明細書で説明されている特定の態様は、限定することを意図していないということが留意される。そのような態様は、例示目的のみのために本明細書に提示されている。追加的な態様は、本明細書に含有される教示に基づいて、当業者に明らかになることとなる。
【0012】
添付の図面(それは、本明細書に組み込まれており、本明細書の一部を形成している)は、説明とともに本開示の態様を図示しており、本開示の原理を説明する役割をさらに果たしており、当業者が本開示を作製および使用することを可能にする役割をさらに果たしている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】いくつかの態様によるカテーテルを示す図である。
図2】いくつかの態様によるカテーテルの断面を示す図である。
図3】いくつかの態様による、アブレーションおよび病変予測のためのシステムを示す図である。
図4】いくつかの態様による、サンプルの光学的な検査のための光学システムを示す図である。
図5】いくつかの態様による、組織の光学的測定値からのデータのプロットを示す図である。
図6】いくつかの態様による、サンプルの光学的な検査を介して獲得される情報を表示するためのグラフィカルユーザーインターフェースを示す図である。
図7図7Aは、いくつかの態様による、ターゲット組織に対して異なる構成にあるカテーテルを示す図である。図7Bは、いくつかの態様による、図7Aに示されているカテーテル構成に対応するA-スキャングラフである。
図8図8Aは、いくつかの態様による、ターゲット組織に対して異なる構成にあるカテーテルを示す図である。図8Bは、いくつかの態様による、図8Aに示されているカテーテル構成に対応するA-スキャングラフである。
図9】いくつかの態様による、ターゲット組織に対して異なる構成にあるカテーテルを示す図である。
図10】いくつかの態様による方法のフローチャートである。
図11】いくつかの態様によるコンピューターシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本開示の態様は、添付の図面を参照して説明されることとなる。
【0015】
特定の構成および配置が議論されているが、これは例示目的のみのために行われているということが理解されるべきである。当業者は、他の構成および配置が本開示の精神および範囲から逸脱することなく使用され得るということを認識することとなる。本開示はさまざまな他の用途においても用いられ得るということが当業者に明らかになることとなる。
【0016】
本明細書における「1つの態様」、「ある態様」、「例示的な態様」、または「いくつかの態様」などへの言及は、説明されている態様が、特定の特徴、構造体、または特質を含むことが可能であるが、すべての態様が、その特定の特徴、構造体、または特質を必ずしも含むとは限らないということを示しているということが留意される。そのうえ、そのような語句は、必ずしも同じ態様を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造体、または特質が、態様に関連して説明されているときには、明示的に説明されているかどうかにかかわらず、他の態様に関連してそのような特徴、構造体、または特質を実現することは、当業者の知識の範囲内にあることとなる。
【0017】
本出願は、具体的に心臓アブレーションに言及している可能性があるが、本明細書で説明されている態様は、同様に、アブレーションのための追加的なエネルギー供給源(極低温、RF、マイクロ波、レーザー、超音波、およびパルス電界を含むがそれに限定されない)とともに、他の病態をターゲットにすることも可能であるということが留意されるべきである。他の病態を治療するためにエネルギーを使用する原理は同様であり、したがって、エネルギーを印加するために使用される技法も同様である。
【0018】
本明細書において、「電磁放射線」、「光」、「放射線のビーム」、または「照射」などの用語は、さまざまな説明されているエレメントおよびシステムを通って伝播する電磁信号を説明するために使用されることが可能である。
【0019】
例示的なカテーテル
【0020】
図1は、いくつかの態様によるカテーテル100を示している。いくつかの態様において、カテーテル100は、近位セクション102(または、近位部)と、遠位セクション104(または、遠位部)と、近位セクション102と遠位セクション104との間に連結されているシース106とを含むことが可能である。「セクション」、「部分」、「パーツ」、または「コンポーネント」などのような用語は、より大きな構造体の特定の/より小さなセクション(たとえば、カテーテルの遠位セクション)、全体の一部(たとえば、放射線の一部分)などを説明するために使用されることが可能である。シース106は、ナビゲーション目的のための1つまたは複数のX線不透過性のマーカーを含むことが可能である。カテーテル100は、カテーテル100と処理デバイス108との間に通信インターフェース110をさらに含むことが可能である。通信インターフェース110は、処理デバイス108とカテーテル100との間に1つまたは複数の光ファイバーおよびコネクターを含むことが可能である。通信インターフェース110は、インターフェースコンポーネント(たとえば、無線通信(たとえば、Bluetooth、WiFi、およびセルラーなど)のためのコンポーネント)をさらに含み、カテーテルシステムの中のカテーテル100または他の処理コンポーネントと通信することが可能である。
【0021】
いくつかの態様において、シース106および遠位セクション104は、使い捨てであることが可能である。近位セクション102は、新しい手順が実施されるたびに、新しいシース106および遠位セクション104を取り付けることによって再使用されることが可能である。いくつかの態様において、近位セクション102も、使い捨てであることが可能である。
【0022】
いくつかの態様において、近位セクション102は、カテーテル100の動作において使用されるさまざまな電気コンポーネントおよび光学コンポーネントを収容することが可能である。第1の光学的供給源は、近位セクション102の中に含まれ、放射線の供給源ビームを発生させることが可能である。供給源放射線は、サンプル組織の光学的な評価のために使用されることが可能である。「サンプル」、「組織」、または「ターゲット組織」などのような用語は、アブレーションおよび/または光学的な検査プロセスのターゲットであるサンプル(たとえば、組織サンプル)を指すために、本明細書で使用される可能性がある。第1の光学的供給源は、1つまたは複数のレーザーダイオードまたは発光ダイオード(LED)を含むことが可能である。非限定的な例において、光学的供給源によって発生させられる放射線のビームは、赤外線範囲の中の波長を有することが可能である。非限定的な例において、放射線のビームは、1.3μmの中心波長を有することが可能である。光学的供給源は、単一の波長のみにおいて放射線のビームを出力するように設計されることが可能であり、または、それは、所定の範囲の異なる波長を出力するための掃引供給源(swept source)であることが可能である。
【0023】
いくつかの態様において、発生させられる放射線のビームは、シース106の中で近位セクション102と遠位セクション104との間に接続されている光学的伝送媒体を介しては、遠位セクション104に向けてガイドされることが可能である。光学的伝送媒体のいくつかの例は、シングルモード光ファイバーおよび/またはマルチモード光ファイバーを含むことが可能である。いくつかの態様において、電気的伝送媒体および光学的伝送媒体は、電気信号と光信号の両方の伝播を可能にする同じハイブリッド媒体によって提供される。
【0024】
いくつかの態様において、近位セクション102は、第2の光学的供給源(たとえば、レーザーエネルギー供給源など)を含み、組織アブレーションのために遠位セクション104において印加されるレーザーエネルギーを発生させることが可能である。レーザーエネルギー供給源は、980nmの波長においてまたは1060nmの波長において、レーザーエネルギーのアブレーションビームを放出することが可能である。近位セクション102における供給源からのレーザーエネルギーは、シース106の中で近位セクション102と遠位セクション104との間に接続されている光学的伝送媒体を介して、カテーテル100を伝播することが可能である。レーザーエネルギーは、カテーテル100の遠位セクション104からターゲット組織へ出力されることが可能であり、それによって、ターゲット組織をアブレートする。たとえば、供給源からのレーザーエネルギーは、20~30秒にわたってターゲット組織に印加される5Wから12Wの光学的パワーを作り出し、心臓組織の中に貫壁性の病変を作り出すことが可能である。別の例では、供給源からのレーザーエネルギーは、60~90秒にわたってターゲット組織に印加される30Wから50Wの光学的パワーを作り出すことが可能である。
【0025】
いくつかの態様において、処理デバイス108は、本明細書で説明されているような光学回路/システムの検出器、電子機器、および/または他のコンポーネントなどのような、1つまたは複数のコンポーネントを含むことが可能である。1つまたは複数のコンポーネント(たとえば、光学回路/システムの検出器、電子機器、および/または他のコンポーネント)は、近位セクション102の中に含まれることが可能である。
【0026】
いくつかの態様において、上記に説明されているレーザーアブレーションの例は、限定するものとして解釈されるべきではない。他のアブレーション技法が、本明細書で説明されており、いくつかの態様の想定される実装形態である。1つの非限定的な例は、パルス場アブレーション(PFA)である。本明細書で説明されているカテーテルの態様は、実装されているアブレーションのタイプにしたがってアブレーションエネルギーを送達するためのハードウェアを含むことが可能であるということを当業者は認識することとなる。
【0027】
いくつかの態様において、近位セクション102は、第2の光学的供給源から発生させられる光を使用して低コヒーレンス干渉法(LCI)を実施するために、干渉計の1つまたは複数のコンポーネントを含むことが可能である。干渉計のデータ分析の性質に起因して、遠位セクション104へおよび遠位セクション104から光をガイドするために使用される光学的伝送媒体は、光の偏光の状態および程度に影響を与えないことが可能である。いくつかの態様において、光学的伝送媒体は、一定の可逆的な方式で、偏光に影響を与えることが可能である。
【0028】
いくつかの態様において、近位セクション102は、インターフェースエレメントをさらに含むことが可能であり、カテーテル100のユーザーは、インターフェースエレメントによって、カテーテル100の動作を制御するために使用することが可能である。たとえば、近位セクション102は、偏向制御メカニズムを含むことが可能であり、偏向制御メカニズムは、遠位セクション104の偏向角度を制御する。偏向制御メカニズムは、近位セクション102の上のエレメントの機械的な移動によって活性化させられることが可能であり、または、偏向制御メカニズムは、遠位セクション104の移動を制御するために電気的な接続を使用することが可能である。近位セクション102は、さまざまなボタンまたはスイッチを含むことが可能であり、ボタンまたはスイッチは、遠位セクション104においてレーザーエネルギーが印加されるときに、または、放射線のビームが遠位セクション104から伝送されるときに、ユーザーが制御することを可能にし、光学データの獲得を可能にする。
【0029】
いくつかの態様において、近位セクション102は、遠位セクション104に連結されている1つまたは複数のプルワイヤーを制御するための偏向制御メカニズムを含むことが可能である。偏向制御メカニズムおよび1つまたは複数のプルワイヤーは、カテーテル100の遠位セクションの操舵を可能にすることができ、アブレーションのために特定の組織領域を操縦してターゲットにするようになっている。
【0030】
いくつかの態様において、遠位セクション104は、複数の光学ビューポート(たとえば、オリフィス)を含むことが可能である。光学ビューポートのうちの1つまたは複数は、遠位セクション104の外側本体部の中へ機械加工されることが可能である。光学ビューポートは、遠位セクション104の外側にわたって分配されており、複数の個別の視認方向を結果として生じさせる。
【0031】
いくつかの態様において、光学ビューポートは、遠位セクション104からさまざまな角度において光(たとえば、光信号)を伝送および収集することが可能である。また、光学ビューポートは、光学ビューポートのうちの1つまたは複数を通してレーザーエネルギーが組織アブレーションのために方向付けられ得る複数の方向(たとえば、ビーム方向)を可能にする。複数の視認方向のそれぞれは、実質的に同一平面上になくてもよい。また、光学ビューポートは、アブレーションの間に遠位セクション104および周囲組織を冷却するための灌漑機能性を備えて設計されることが可能である。
【0032】
図2Aおよび図2Bは、いくつかの態様によるシース106の断面を示している。シース106は、近位セクション102を遠位セクション104と相互接続するエレメントのすべてを含むことが可能である。シース106aは、灌漑チャネル202、偏向メカニズム206、電気的な接続208、および光学的伝送媒体210を収容する態様を図示している。図2Aは、電気的な接続208と光学的伝送媒体210の両方に巻き付けた保護カバー212を図示している。電気的な接続208は、遠位セクション104の中に位置付けされている光学的な変調コンポーネントに信号を提供するために使用されることが可能である。
【0033】
いくつかの態様において、光学的伝送媒体210および他のコンポーネントは、保護カバーの中に位置付けされることが可能であり、保護カバーは、電気的な接続208がその中に収容されている保護カバー212とは別個になっている。光学的伝送媒体210のうちの1つまたは複数は、光学的供給源(暴露光)から遠位セクション104に向けて発生させられる光をガイドすることが可能である。いくつかの態様において、光学的伝送媒体210の別のサブセットは、遠位セクション104から戻る光(散乱光または反射光)を近位セクション102に戻すようにガイドすることが可能である。別の例では、同じ1つまたは複数の光学的伝送媒体210は、両方の方向に光をガイドする。いくつかの態様において、光学的伝送媒体210は、1つまたは複数のシングルモード光ファイバー、1つまたは複数のマルチモード光ファイバー、または、シングルモードおよびマルチモード光ファイバーの組み合わせを含むことが可能である。
【0034】
いくつかの態様において、灌漑チャネル202は、冷却流体を遠位セクション104に向けてガイドするために使用される中空のチューブであることが可能である。灌漑チャネル202は、流体の温度に影響を与えるためにチャネルに沿って配設されている加熱および/または冷却エレメントを含むことが可能である。また、灌漑チャネル202は、遠位セクション104を取り囲む流体を吸引するために、または、近位セクション102に向けて引き戻すために使用されることが可能である。
【0035】
いくつかの態様において、偏向メカニズム206は、遠位セクション104の偏向角度を変化させるために、遠位セクション104に信号を提供するように設計されている電気的なまたは機械的なエレメントを含むことが可能である。偏向システムは、近位セクション102の中に設置されている機械的な制御を作動させることによって、遠位セクション104の案内を可能にすることができる。このシステムは、近位セクション102における偏向メカニズム制御を遠位セクション104におけるカテーテル先端部と接続するワイヤーと組み合わせた、遠位セクション104の一方向の偏向を提供することを目的としたシース106の中の一連の位置合わせされて均一に間隔を置いて配置されたカットアウトに基づくことが可能である。このように、近位セクションの特定の移動は、遠位セクションに投影されることが可能である。カテーテル先端部に取り付けられているいくつかの制御ワイヤーの組み合わせを含む他の態様は、異なる方向に沿ったカテーテル先端部の偏向を可能にすることができる。
【0036】
図2Bは、シース106bの断面を図示している。シース106bは、電気的な接続208が存在していないことを除いて、図2Aからのシース106aと同じエレメントのほとんどを有する態様を示している。シース106bは、発生させられた放射線のビームの変調(たとえば、多重化)が近位セクション102において実施される状況において使用されることが可能である。いくつかの態様において、シース106bは、レーザーまたは極低温アブレーションのために使用される診断カテーテルの中に実装されることが可能である。
【0037】
例示的なカテーテルシステム
【0038】
アブレーションカテーテルおよびコンソールシステムの態様が、本明細書で開示されており、それは、光コヒーレンス断層撮影法(OCT)および/または光コヒーレンス反射率測定法(OCR)、反射率測定法、または他の方法を使用し、組織アブレーションを実施し、リアルタイムで瘢痕形成を追跡し、組織の中の瘢痕パターンを直接に観察することによって病変幾何学形状および隔離をモニタリング/検証することが可能である。瘢痕が形成されているかどうかを査定するために、本明細書で説明されている方法、デバイス、およびシステムは、組織から光学的に反射/屈折された光を獲得し、(たとえば、強度および偏光を測定し、測定に基づいて組織の位相遅延および/または複屈折を計算することによって)反射光の光学的特性を決定し、変化をモニタリングすることが可能である。その理由は、健康な組織と比較して組織が瘢痕化されるときにこれらの光学的特性が変化するからである。組織の光学的特性の変化を識別することによって、組織の中の病変深さおよび変性時間は、本明細書で説明されているように、さまざまなアブレーション時間に関して予測されることが可能である。
【0039】
図3は、いくつかの態様による、アブレーションおよび病変予測を実施するためのシステム300を示している。いくつかの態様において、システム300は、カテーテル302、コンソール310、信号発生器320、ディスプレイ325、および灌漑ポンプ330を含むことが可能である。カテーテル302、コンソール310、信号発生器320、ディスプレイ325、および灌漑ポンプ330は、有線接続および/または無線接続を介して、一緒に通信可能に連結されることが可能である。カテーテル302は、図1に示されているカテーテル100の1つまたは複数の態様を表すことが可能である。カテーテル302の遠位セクションは、患者304の中の組織の一部分に位置決めされることが可能である。本明細書で説明されているいくつかの態様は、生体内でおよび/または生体外で実装されることが可能であるということが理解される。
【0040】
いくつかの態様において、カテーテル302は、信号発生器320によって発生させられるエネルギーを使用して、アブレーションの対象となる組織の一部分に位置決めされることが可能である。信号発生器320は、アブレーションのためのラジオ周波数(RF)、極低温、またはエレクトロポレーション(たとえば、パルス電界)信号を発生させるように構成された電子デバイスであることが可能である。信号発生器320は、(たとえば、コンソール310を介して)カテーテル302に連結されることが可能である。信号発生器320は、カテーテル302にエネルギーを送り、選択された組織部位において、組織の一部分をアブレートすることが可能である。
【0041】
いくつかの態様において、組織の一部分は、心筋組織、心臓筋肉組織、または骨格組織などを含むことが可能である。エネルギーは、カテーテル302の遠位セクションの中の光学ビューポートを通して、組織の一部分に印加されることが可能である。組織の中の構造的な変化が、カテーテル302の1つまたは複数の光学ビューポートを介して光信号を獲得することによって観察されることが可能である。
【0042】
いくつかの態様において、コンソール310は、コンピューティングデバイスを含むことが可能であり、コンピューティングデバイスは、カテーテル302から光信号を獲得するように構成されており、光信号を分析し、組織の光学的特性の変化を検出するように構成されている。コンソール310は、ハードウェア(たとえば、回路)、ファームウェア、ソフトウェア、または、それらの任意の組み合わせを含み、光信号の分析を実施し、本明細書で説明されているように、病変深さおよびアブレーション時間を予測するためのモデルを発生させることが可能である。
【0043】
いくつかの態様において、コンソール310は、それ自身の中の光学回路およびカテーテル302を通して組織の中へ光を送り、瘢痕の進行、組織とカテーテル302との間の接触、および、組織の他の特質をモニタリングすることが可能である。コンソール310は、本明細書では、制御コンソール、処理デバイス、および/またはコントローラーと称されることが可能である。コンソール310は、ディスプレイ325に連結されることが可能であり、ディスプレイ325は、光信号分析および病変予測からの結果を提示することが可能であり、カテーテル302、コンソール310、信号発生器320、および/または灌漑ポンプ330の動作に関係するパラメーターを、ユーザーが選択すること/見ること、修正すること、および/または制御することを可能にすることができる。システム300は、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を実装することが可能である。GUIは、ディスプレイ325に表示されることが可能である。
【0044】
いくつかの態様において、灌漑ポンプ330は、流体導管(たとえば、チュービング)を介してカテーテル302に連結されることが可能である。灌漑ポンプ330は、チュービングを通してポンプ送りされること、および、カテーテル302を通して(たとえば、光学ビューポートを通して、または、カテーテル302の遠位セクションにおける別個の灌漑スリットを通して)組織部位においてリリースされることを可能にすることができる。灌漑ポンプ330からの流体は、アブレーションの間にカテーテル302の遠位セクションおよび周囲組織を冷却することが可能であり、また、アブレーションの間および/または後に任意のデブリを洗い流すことが可能である。また、光学ポートは、このように閉塞を取り除かれることが可能である。
【0045】
いくつかの態様において、カテーテル302は、1つまたは複数の光学的な接続312および1つまたは複数の電気的な接続314を介して、コンソール310に連結されることが可能である。光学的な接続312は、さらなる分析のためにカテーテル302およびコンソール310からの光信号の獲得および/またはカテーテル302およびコンソール310への光信号の伝送を可能にするシングルモード光ファイバーおよび/またはマルチモード光ファイバーを含むことが可能である。電気的な接続314は、アブレーションのために信号発生器320からカテーテル302へパワーおよびエネルギーを供給するために使用される配線、ピン、および/またはコンポーネントを含むことが可能である。
【0046】
いくつかの態様において、光学的な接続312および電気的な接続314は、通信インターフェース316を介してコンソール310に接続されることが可能である。通信インターフェース316は、カテーテル302とコンソール310との間でさまざまな信号(たとえば、光学信号および電気信号)の伝送を可能にすることができる。通信インターフェース316は、カテーテル302とコンソール310との間での光ファイバーの適正なアライメントを促進させるコネクターを含むことが可能である。非限定的な例において、ピッグテールコネクターは、光ファイバーを接続するために使用されることが可能である。いくつかの態様において、コネクター設計は、電気的なエクステンションラインと光学的なエクステンションラインの両方を含むことが可能である。
【0047】
例示的な光学システム
【0048】
図4は、いくつかの態様による、サンプル420をイメージングするための光学システム401を示している。いくつかの態様において、光学システム401のコンポーネントは、コンソール310の中に実装され、カテーテル302を使用してサンプル420の光学的測定値を獲得することが可能である。いくつかの態様において、サンプル420は、患者の身体の組織表面であることが可能である。
【0049】
いくつかの態様において、光学システム401は、低コヒーレンス干渉法LCI、OCT、OCR、および/または他の光学的なモダリティーを利用し、光学的な検査(たとえば、組織のイメージング)を実施することが可能である。光学システム401は、光学的供給源402、偏光スプリッター403、カップリング/スプリッティングエレメント404、サンプルアーム406、偏光スイッチ407、参照アーム408、光学スイッチ409、出力ファイバー410、ディレイユニット412、および検出システム414を含むことが可能である。光学システム401は、任意の数の他の光学エレメントを含むことが可能であり、そのうちのいくつかは、明確化のために明示的に示されていない可能性があるということを当業者は認識することとなる。たとえば、光学システム401は、サンプルアーム406または参照アーム408の経路に沿って、ミラー、レンズ、グレーティング、スプリッター、および/または、マイクロ機械的なエレメントなどを含むことが可能である。
【0050】
いくつかの態様において、光学的供給源402は、1つまたは複数のファイバーを介してカップリング/スプリッティングエレメント404に連結されている放射線の供給源ビームを発生させることが可能である。カップリング/スプリッティングエレメント404は、光学的供給源402から受け取られた光をサンプルアーム406と参照アーム408の両方に方向付けるために使用されることが可能である。カップリング/スプリッティングエレメント404は、たとえば、カップリングエレメント(たとえば、双方向カップラー)、光学スプリッター、調節可能なスプリッティング比のカップラー、または、単一の光のビームを2つ以上の光のビームに変換する任意の他の変調光学デバイスであることが可能である。光学的供給源402からの光は、光学減衰器を通過することも可能である。
【0051】
いくつかの態様において、サンプルアーム406をトラベルする光は、偏光スイッチ407および光学スイッチ409を通ってトラベルすることによって、サンプル420の上に衝突することが可能である。偏光スイッチ407は、サンプルアーム406の上に含まれることが可能であるが、LCIシステムの入力に(たとえば、スプリッティング/カップリングエレメント404の前に)あることも可能である。偏光スイッチ407を通過した後に、光学スイッチ409は、複数の出力ファイバー410のうちの1つまたは複数に光を方向付けることが可能である。複数の出力ファイバー410は、コネクターを介してカテーテル302のファイバーに連結されているコンソール310におけるファイバーを表すことが可能である。
【0052】
いくつかの態様において、サンプル420は、イメージングされることとなる任意の適切なサンプル(たとえば、組織など)であることが可能である。光は、サンプル420の中のさまざまな深さから散乱および反射して戻り、散乱された/反射された放射線は、サンプルアーム406の中へ戻されて収集される。スキャン深さは、ディレイユニット412の中の光に課されるディレイを介して選ばれることが可能である。
【0053】
いくつかの態様において、ディレイユニット412は、さまざまな光変調エレメントを含むことが可能である。これらの変調エレメントは、位相および/または周波数変調を実施し、光の中の望ましくない光学的な効果を打ち消し、および/または、イメージングされることとなるサンプル420の1つまたは複数の深さを選択することが可能である。いくつかの態様において、ディレイユニット412は、参照アームの光の偏光を制御し、および/または、偏光を変調させることも可能である。参照アーム408の上の変調スキームは、参照アームの中のスイッチングエレメントの必要性を簡単化することが可能であり、時間多重化以外の多重化の形態(たとえば、周波数、位相、コード、および/または偏光多重化)を可能にすることができる。
【0054】
いくつかの態様において、ディレイユニット412は、参照アーム408の中に位置付けされることが可能である。しかし、ディレイユニット412は、その代わりに、サンプルアーム406の中に位置付けされてもよいということが理解されるべきである。代替的に、ディレイユニット412のさまざまなエレメントは、サンプルアーム406と参照アーム408の両方の中に存在していてもよい。たとえば、可変ディレイを光に導入するディレイユニット412のエレメントは、サンプルアーム406の中に位置付けされることが可能であり、一方では、光の異なる偏光モードを変調させるエレメントは、参照アーム408の中に位置付けされることが可能である。別の例では、光の異なる偏光モードを変調させるディレイユニット412のエレメントは、サンプルアーム406の中に位置付けされることが可能であり、一方では、可変ディレイを光に導入するエレメントは、参照アーム408の中に位置付けされることが可能である。1つの例において、サンプルアーム406および参照アーム408は、光ファイバーである。たとえば、光ファイバーシステム、自由空間光学システム、および/またはフォトニック集積回路など、他の実装形態も同様に考えられ得る。
【0055】
いくつかの態様において、光は、1つまたは複数のファイバーを介して光学的供給源402からカップリング/スプリッティングエレメント404へ連結されることが可能であり、また、光は、1つまたは複数のファイバーを介して、または、直接的な自由空間カップリングによって、スプリッティングエレメント404から偏光スプリッター403へ、そして検出システム414へ連結されることが可能である。
【0056】
いくつかの態様において、光学スイッチ409は、複数の出力ファイバー410を通る1つまたは複数のビームの選択を可能にすることができる。非限定的な例において、一度に1つのビームがアクティブになることが可能であり、サンプル420から戻ってくる信号が、参照アーム408と組み合わせられ、次いで、偏光スプリッター403を使用して検出システム414の中の異なるチャネルへとスプリットされることが可能であるようになっている。これは、組織の複屈折および他の光学的特性が一度に1つのチャネルから測定されることを可能にすることができる。他の態様において、複数のビームが、同時にアクティブになり、マルチプレクサーまたは他のタイプのビームスプリッターによってスプリットされることが可能であり、そこでは、それぞれの経路からのそれぞれのビームが、それらの周波数、波長、振幅、または、光の他の光学的な特質によって判別されることが可能である。
【0057】
いくつかの態様において、サンプルアーム406および参照アーム408の中の光は、カップリング/スプリッティングエレメント404によって(または、異なる光学的なカップリングエレメントによって)再び組み合わせられ、次いで、検出システム414において受け取られる前に、偏光スプリッター403によってスプリットされることが可能である。光は、カップリング/スプリッティングエレメント404によるカップリングの前に偏光されることが可能である。いくつかの態様において、光は、参照アーム408においてスプリットされることが可能である。検出システム414は、任意の数のフォトダイオード、電荷結合デバイス、および/またはCMOS構造体を含み、受け取られた光を電気信号へと変換することが可能である。電気信号は、サンプル420に関係付けられる深さ分解光学データを含有しており、さらなる分析および信号処理手順のために処理デバイスによって受け取られることが可能である。本明細書で使用されているように、「深さ分解」という用語は、イメージングされるサンプルの特定の深さに関係付けられるデータの1つまたは複数の部分が識別され得るデータを定義する。
【0058】
いくつかの態様において、光学的供給源402、検出システム414、およびディレイユニット412は、カテーテル100の近位部102の中に位置付けされている。代替的に、光学的供給源402、検出システム414、およびディレイユニット412は、処理デバイス108の中に位置付けされることが可能である。カップリング/スプリッティングエレメント404、偏光スプリッター403、偏光スイッチ407、光学スイッチ409、ならびに、サンプルアーム406および参照アーム408のうちの一方または両方の少なくとも一部は、処理デバイス108の中に位置付けされることが可能であるか、または、カテーテル100の近位部102もしくは遠位部104のいずれかの中に位置付けされることが可能である。光学システム401のコンポーネントは、処理デバイス108の中に位置付けされることが可能であるか、または、カテーテルシステム300(図3)のコンソール310の中に位置付けされることが可能である。
【0059】
いくつかの態様において、検出システム414は、カテーテル100のハンドルの中に位置付けされることが可能であり、一方では、光学的供給源402は、処理デバイス108の中に位置付けされることが可能である。光学的供給源402は、1つもしくは複数の発光ダイオード(LED)またはレーザーダイオードを含むことが可能である。たとえば、LEDは、時間領域および/またはスペクトル領域の分析を実施するときに使用されることが可能であり、一方では、チューナブルレーザーが、所定の範囲の波長にわたって光の波長を掃引するために使用されることが可能である。光学システム401のコンポーネントは、カテーテル100またはカテーテル302の外部に(たとえば、処理デバイス108の中に、または、コンソール310の中に)位置付けされることが可能である。
【0060】
いくつかの態様において、光学システム401は、Michelson干渉計と同様の干渉計設計として図示されている。しかし、Mach-Zehnder干渉計設計またはMireau干渉計設計を含む、他の干渉計設計も同様に可能である。光学システム401の中のコンポーネントは、スペクトル領域のOCT構成に適合されることが可能である。たとえば、光学的供給源402は、スーパールミネッセントダイオード(SLED)または発光ダイオード(LED)であることが可能であり、検出システム414は、組織の光学的分光法を実行するためにスペクトロメーターであることが可能である。
【0061】
光学的測定値の例示的な分析
【0062】
いくつかの態様において、光信号は、カテーテルによって取得されることが可能であり、コンソールの中の光学システムは、光信号の分析を実施し、本明細書で説明されているように、病変深さおよびアブレーション時間を予測するためのモデルを発生させることが可能である。予測される病変深さは、カテーテルによって組織の一部分に印加されるエネルギーによって形成される病変の高さおよび幅を表すことが可能である。
【0063】
図5Aおよび図5Bは、いくつかの態様による、組織の光学的測定値からのデータのプロットを示している。データを発生させるために、アブレートされた組織からの光学的特性測定値を使用して病変深さ予測アルゴリズムを開発するために、例示の研究が実行された。その研究では、組織サンプルが豚の心臓から摘出され、カテーテルの遠位端部が、マイクロ-ポジショナーを使用して組織の心内膜表面に垂直方向に位置決めされた。組織サンプルは、右心房自由壁部、上大静脈、左心房天蓋、僧帽弁輪、および左心耳を含んでいた。測定を行うために、カテーテルは、一定の接触力を維持するために、および、接触力の記録に対する外部機械的振動の影響を低減させるために、スプリングから組織の上方に吊り下げられた。マイクロ-ポジショナーは、所望の接触力値を実現するように調節され、力は、計量スケールを使用して測定された。
【0064】
本開示のいくつかの態様は、所与の品質のカテーテル-組織の接触を実現するために、従来の接触力測定から生じる問題を解決することに向けられている。本明細書で開示されているいくつかの態様は、接触力センサーへの依存を避けるために光学的測定値からのデータを使用することに向けられている。したがって、光学的測定値(たとえば、図5Aおよび図5Bに図示されているものなど)からのデータの中に見出される特徴およびマーカーを説明することは有益である。追加的な文脈のために、図5Aおよび図5Bに関するデータを発生させた組織の研究において、接触力測定がどのような役割を果たしたかを説明することも有益である。
【0065】
いくつかの態様において、カテーテルと組織との間の接触は、直接的な可視化(たとえば、光学システム401を使用する)およびスケールの上の力の変化によって分析されることが可能である。0グラム、2グラム、または10グラム、またはそれ以上の接触力は、カテーテルと組織との間の接触なし、ソフトな接触、または、強力な接触をそれぞれ示すことが可能である。マイクロ-ポジショナーによって測定されるプラスの距離は、組織がカテーテル先端部と接触していないということを示すことが可能であり、一方では、マイクロ-ポジショナーによって測定されるマイナスの距離は、カテーテル先端部が組織に導入されたということを示すことが可能である。
【0066】
いくつかの態様において、カテーテルの遠位端部からのRFエネルギーは、20Wから40Wの間のレベルにおけるパワーおよび5秒から45秒の間の範囲にあるRFアブレーション時間によって、組織サンプルに印加された。焦点RFアブレーションが、さまざまなパラメーター(たとえば、さまざまなパワー値、時間、灌漑流量、およびカテーテル接触力値を含む)の下で、右心房と左心房の両方において実施された。病変深さを予測するための関心の光学的なパラメーターを識別するために、組織の光学的測定値が、干渉法、OCT、および/またはOCR技法を使用して取得された。
【0067】
いくつかの態様において、そのような光学的測定値は、本明細書で説明されているように、図4の光学システム401を使用することによって取得されることが可能である。光学的測定値を介して獲得された情報は、ターゲット組織のイメージ(たとえば、2Dまたは3Dイメージ)を表すために使用されることが可能である。
【0068】
図5Aは、いくつかの態様による、例示的な構造的なイメージに対応するデータのグラフを図示している。この研究からの構造的なイメージは、5秒の時間窓におけるいわゆるAMスキャンの平均として計算された。いくつかの態様において、組織深さの関数としての光学的パワーは、光学的測定値から分析され、カテーテル灌漑流量および入射角度値(たとえば、カテーテルの遠位セクションにおける光学ビューポートのうちの1つまたは複数から退出するビームのビーム方向)に基づいて、組織の中の異なる場所におけるカテーテル先端部(たとえば、カテーテルの遠位セクションの端部)および組織距離および光信号品質をさらに査定することが可能である。
【0069】
いくつかの態様において、組織表面が検出されることが可能である。図5Aの中の2つの垂直方向の破線によって示されているように、レンズおよび組織インターフェース距離が、2つのピークの距離に基づいて評価されることが可能である。いくつかの態様において、最大イメージ深さ(たとえば、組織の中の光学的な浸透)は、図5Aに示されている第3の垂直方向の線(実線)によって示されているように、光学的パワーがノイズ背景を5dB上回っているときの深さに関する第1の組織インターフェースの間の距離の関数として計算されることが可能である。線形回帰モデル(たとえば、局所的に推定される散布図平滑化(LOESS:locally estimated scatterplot smoothing)曲線フィッティング回帰など)が、データに適用されることが可能である。
【0070】
図5Bは、いくつかの態様による、構造的なイメージのいわゆるAスキャンの平均として計算される例示的な平均位相遅延のグラフを図示している。いくつかの態様において、位相遅延傾きは、最大位相遅延を有する(図5Bに示されている2つの垂直方向の線によって示されているような)組織インターフェースから測定される傾きと対応することが可能である。
【0071】
いくつかの態様において、システム(たとえば、カテーテルシステム300および光学システム401)は、組織によって散乱された放射線の強度および偏光を測定することが可能であり、位相遅延データおよび組織特性(たとえば、複屈折など)が、それから抽出されることが可能である。組織の中の構造的な変化は、Aスキャンおよび/または強度測定に関係付けられることが可能である。位相遅延データは、組織の中の病変深さおよび構造的な変化に関する情報(たとえば、壊死および組織変性など)を含む、組織についての情報を提供することが可能である。とりわけ、心臓壁部は、3つの層(外側の心外膜、中間の心筋、および、内側の心内膜)を含み、そのうちの心筋は、心臓の筋肉組織であり、心臓筋肉細胞(心筋細胞)から構成されている。心臓筋肉細胞は、ブランチ状の筋原線維およびサルコメアを有する高度に組織化された細胞構造体を有している。顕微鏡的には、心臓筋肉の中のサルコメアおよび筋原線維の配置は、筋状の外観を結果として生じさせる。
【0072】
いくつかの態様において、アブレートされていない未治療の心筋組織は、高レベルの細胞組織を有することが可能であり、それは、反平行の偏光状態の間の有意な位相遅延(PR)を示す。高レベルの細胞組織は、累積的な位相遅延の上にπの周りで位相がラップする偏光された光を反射することにつながる可能性がある。いくつかの態様において、複屈折の大きさに比例するレートで光が心筋組織を通ってより深くトラベルするにつれて、位相遅延は累積することが可能である。したがって、心臓筋肉組織の筋肉構造体の中の組織化が少ないことは、組織複屈折の特性に対する直接的な影響を有する可能性がある。
【0073】
図5Bは、0からπ(位相ラッピング)の間の組織表面に対するそれぞれの深さにおける累積された位相遅延を示している。いくつかの態様において、平均位相遅延は、5秒の時間窓におけるAスキャンの平均として計算されることが可能である。平均PRにおいて取得された情報は、次いで、心臓組織の中のコラーゲンおよび細胞の量および配置に関係付けられることが可能である。
【0074】
いくつかの態様において、位相遅延データの傾きにおける変曲点が、組織表面の数百ミクロン後に識別されることが可能である。この深さは、組織の中の心内膜(コラーゲン)と心筋(主に、心筋細胞)との間の移行に対応することが可能である。平均PR傾き、R値、二乗平均平方根誤差(RMSE)値、および、心内膜壁部の推定の終わりから最大値まで計算された最大PRと最小PRとの間の比率は、心筋の中の心筋細胞の配置に関連付けられることが可能である。
【0075】
いくつかの態様において、組織の組織学的分析(たとえば、染色技法を使用する)が、偏光感受性光コヒーレンス反射率測定法(PS-OCR)を組織の中の筋線維の配置と相関付けるために実施されることが可能であり、たとえば、PS-OCRイメージの中のコラーゲンおよび心筋細胞を識別すること、ならびに、線形回帰モデルにおいて使用される測定値から任意の異常な微細解剖学を除外することなどが可能である。
【0076】
いくつかの態様において、線形回帰モデルに関連付けられるR値および二乗平均平方根誤差(RMSE)は、組織の中の細胞組織に関係付けられることが可能であり、したがって、小さいR値(たとえば、<0.8)または高いRMSE値(たとえば、>0.025)は、細胞外マトリックスの中の過剰なコラーゲンまたは心内膜の厚い壁部を示すことが可能であり、それは、細胞組織を低減させる可能性がある。
【0077】
図6は、いくつかの態様による、予測される病変深さを示すGUI600を示している。いくつかの態様において、GUI600は、コンソール310に連結されているディスプレイ325の上に提示されることが可能であり(図3)、コンソール310の中では、光学的な測定データが、光学システム401によって取得されることが可能である(図4)。GUI600は、アブレーションプロセスのために、リアルタイムでまたはほぼリアルタイムで、(たとえば、コンソール310(図3)によって処理されるような)光学的な測定データを表示することが可能である。GUI600は、カテーテル先端部のさまざまな光学ビューポートに対応する異なるセクション604~606を示す、カテーテル先端部の正面図602を表示することが可能である。
【0078】
いくつかの態様において、正面図602は、カテーテル先端部のどの光学ビューポートが組織と接触しているかということ、および、異なる光学ビューポートからのどのビームが動作中であるかということを示すことが可能である。たとえば、正面図602の濃い灰色のセクション604は、カテーテルと組織との間の強力な接触を示すことが可能であり、薄い灰色のセクション605は、カテーテルと組織との間の最小のまたは中間の接触を示すことが可能であり、白色のセクション606は、接触がないことを示すことが可能である。また、セクション604~606は、組織から光学的測定値を取得するために、どのビームがスイッチオンまたはスイッチオフされているかということを示すことが可能である。濃い灰色のセクション604および薄い灰色のセクション605は、対応する光学ビューポートからのビームがターンオンされているということを示すことが可能であり、一方では、白色のセクション606は、対応する光学ビューポートがターンオフされているということを示すことが可能である。ここで説明されているカラースキームは、例の目的のために提供されており、限定的であることを意図していない。接触のさまざまな特質のインディケーションは、任意の適切な視覚的インディケーターを介して提供されることが可能である。
【0079】
いくつかの態様において、GUI600は、カテーテルの中のそれぞれの光学ビューポートセクションの光学的な読み取り値を示すための複数のインディケーター608を示すことが可能である。複数のインディケーター608は、異なるセクション604~606にそれぞれ対応することが可能である。それぞれのインディケーター608は、カテーテルの中のそれぞれの光学ビューポートセクションから取得される光学的測定値からの光信号をコンソールによって処理することから結果として生じるイメージを表すことが可能である。個々のインディケーター608は、特定の光学ビューポートセクションが所与の時間においてアクティブであることに基づいて、スイッチオンまたはスイッチオフされることが可能である(または、出現するかもしくは消失することが可能である)。
【0080】
いくつかの態様において、GUI600は、アブレーションエネルギーデータ(たとえば、RFまたはPFAパワー)、複屈折データ、位相データ、および予測される病変深さデータを示す、1つまたは複数のグラフ610を含むことが可能である。GUI100は、カテーテル先端部と組織との間の接触が安定しているかどうか、複屈折の損失、アブレーションエネルギーのステータス(たとえば、オン/オフ)、および、予測される病変深さを示す、1つまたは複数のパネルまたはインディケーター612を含むことが可能である。GUI600のエレメントは、混合されるか、重ね合わせられるか、または、その他の方法で再配置されることが可能であるということが認識されるべきである。たとえば、接触安定性インディケーターは、正面図602および/またはインディケーター608の中へ組み入れられることが可能である。ソフトな接触(カテーテルが組織に単に触れること)および/または強力な接触(たとえば、カテーテル接触は、組織の圧痕を引き起こす)に関するインディケーターが存在していることも可能である。
【0081】
いくつかの態様において、GUI600は、アブレーションのために、または、アブレーションの間にカテーテルを動作させるために選択されるパラメーターのユーザー選択および/またはカスタマイゼーションを可能にする、1つまたは複数のボタンまたはテキストボックスを含むことが可能である。
【0082】
光学的測定値およびGUI実装形態の他の例は、(2021年1月13日に出願された)米国特許出願公開第2021/0212569号明細書に見出されることが可能であり、それは、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0083】
光学的測定値に基づく例示的なカテーテル-組織の接触分析
【0084】
いくつかの態様において、カテーテル-組織の接触の安定性は、アブレーションの試みの成功に大きく影響を与える可能性がある。組織の変性された病変体積のサイズおよび形状は、カテーテルと組織との間の接触の安定性によって影響を与えられることが可能である。従来の方法は、現在では、カテーテルによって組織に印加される力を測定するために、力センサーを使用している。しかし、この方法によって得られる情報は、接触安定性の目的のためには非常に制限される可能性がある。たとえば、力センサーは、方向に関して制限される可能性がある(たとえば、一方向)。拍動している心臓における力測定は、フィルタリングに大きく依存する可能性がある。力測定は、ターゲット組織へのカテーテルの入射角度によってバイアスされる可能性がある。通常、アブレーションの間に15グラムから20グラムの力によって力センサーを使用することが推奨されるが、接触が安定しているかどうか(たとえば、起こり得る人為的なミス)についての判断を最終的に行うのは、医師である可能性がある。
【0085】
いくつかの態様において、カテーテルと組織との間の接触の安定性の決定を行うために、光学的測定値からのデータ(たとえば、複屈折データ)が分析される可能性がある。このように、力センサーの使用およびその欠点は、回避されるか、または、2次的な確認を提供するように委ねられる可能性がある。
【0086】
図7Aは、いくつかの態様による、ターゲット組織706から異なる距離に配設されているカテーテル700を示している。図7Bは、いくつかの態様による、カテーテル700の異なる位置に対応するデータを伴うグラフを示している。いくつかの態様において、カテーテル700は、本明細書で開示されている他のカテーテル(たとえば、カテーテル100、302(図1図3))に対応することが可能であり、本明細書で開示されているシステム(たとえば、システム300、401(図3図4))に関連して使用されることが可能である。
【0087】
いくつかの態様において、カテーテル700は、軸線方向708(たとえば、軸線方向708に対して垂直な横方向とは対照的に、ターゲット組織706に向かう方向またはターゲット組織706から離れる方向)によって示されている、光学軸に沿って移動されることが可能である。軸線方向708に沿った移動は、カテーテル700の軸線方向移動と称されることが可能である。カテーテル700は、遠位部分702を含むことが可能であり、遠位部分702は、ターゲット組織706と接触することが可能である。
【0088】
いくつかの態様において、図7Aに示されている2つのカテーテル構成のうち、左側にある構成は、構成710-aと称されることが可能である。構成710-aは、カテーテル700がターゲット組織706のより近くにあることまたはターゲット組織706と接触していること(たとえば、第1の位置に配設されていること)に対応している。それとは対照的に、右側にある構成(構成710-b)は、カテーテル700がターゲット組織706からさらなる距離に配設されていること(たとえば、第2の位置に配設されていること)に対応することが可能である。参照番号において使用される接尾辞「a」および「b」は、構成710-aまたは構成710-bのいずれかへの対応を示すために使用されている。
【0089】
いくつかの態様において、照射704-aは、カテーテルがターゲット組織706に対して第1の位置に配設されている間に、ターゲット組織706によって散乱された照射を表すことが可能である。照射704-bは、カテーテルがターゲット組織706に対して第2の位置に配設されている間に、ターゲット組織706によって散乱された照射を表すことが可能である。散乱された照射は、システム401(図4)の中の検出システムにおいて受け取られることが可能であり、それは、次いで、処理デバイス108(図1)によって分析されることとなる対応する測定信号を発生させる。図7Bのプロットライン712-aは、構成710-aに関連付けられる測定信号(たとえば、第1の測定信号)のグラフィカルな表現であることが可能である。図7Bのプロットライン712-bは、構成710-bに関連付けられる測定信号(たとえば、第2の測定信号)のグラフィカルな表現であることが可能である。プロットの垂直方向軸は、A-スキャンの特質(たとえば、信号強度または信号位相など)を表すことが可能である。プロットの水平方向軸は、距離(たとえば、カテーテル先端部に対して測定されるときの深さ)を表すことが可能である。複数の測定信号は、他の構成にしたがって発生させられることが可能である(たとえば、第1の、第2の、および第3などの測定信号)。
【0090】
いくつかの態様において、プロットライン712-aによって表されるデータは、識別可能な特質を含むことが可能であり、それは、たとえば、特徴714-a(たとえば、最大、最小、または変曲など)として図示されている。ここで、特徴は、ピークとして示されている。同様に、特徴714-bは、プロットライン712-bに対応している。これらは、特徴およびデータのグラフィカルな表現であるが、そのような特徴およびデータは、さまざまな形態で利用可能であり得るということが理解されるべきである。たとえば、識別可能な特質は、処理デバイス108(図1)によって解釈されるようなデジタル値などで、測定信号の電磁的形態(たとえば、強度または位相シフトの高低)で存在することが可能である。
【0091】
いくつかの態様において、プロットラインのピーク位置は、図7Bに示されているように、図7Aに示されている光学軸708に沿ったカテーテル700の運動の結果としてシフトすることが可能である。プロットラインのシフティングは、複数の測定信号の間の差(たとえば、第1の測定信号と第2の測定信号との間の差)を表している。たとえば、カテーテル700がターゲット組織706のより近くに(たとえば、構成710-bに示されている位置から、構成710-aに示されている位置へ)移動するときに、図7Bの中の対応するプロットラインは、場所に関して右から左へ(たとえば、プロットライン712-bからプロットライン712-aへ)シフトする。カテーテルがターゲット組織706から離れるように移動するときに、反対のことが起こることとなる。この信号は、カテーテル700が移動するときにリアルタイムで観察されることが可能であり、カテーテル700が実際にターゲット組織に対して移動していること、したがって、ターゲット組織と接触していないことを示している。
【0092】
しかし、カテーテル700がターゲット組織706と接触するとき、ターゲット組織706に向けてのカテーテル700の任意のさらなる移動は、単に、組織ターゲット706の表面を押すだけである(すなわち、カテーテル700およびターゲット組織706の表面の相対的位置は変化しない)。その結果は、プロットライン712-a/712-bのシフティングが、安定化または停止することが可能であるということである(たとえば、複数の測定信号の間の差が縮小または消失する)。換言すれば、カテーテル700のビューポートがターゲット組織706と接触しているかどうかを決定することは、複数の光学的測定値の間の差が閾値を満たすかまたは閾値を超えるかに基づくことが可能である。このように、カテーテル700のビューポートがターゲット組織706と接触しているかどうかを決定することは、接触力測定とは無関係であることが可能である。
【0093】
いくつかの態様において、カテーテル700とターゲット組織706との間の接触の安定性を査定することも有用である可能性がある。安定性を査定するために、追加的な光学的測定値が分析されることが可能である。たとえば、処理デバイス108(図1)は、3つ以上の光学的測定値を分析することが可能である。接触の決定は、第1の差を分析することによって、上記に説明されているように実施されることが可能であり、第1の差は、第1および第2の光学的測定値に関するものである(たとえば、ほとんど差がないこと、または、全く差がないことは、(たとえば、所定の閾値における差または所定の閾値を下回る差など)は、接触=真と関連付けられる)。接触の決定は、第2の差を分析することによって実施されることも可能であり、第2の差は、第2および第3の光学的測定値に関するものである。第1および第2の差が両方とも接触=真として評価される場合には、システム300(図3)は、カテーテル700とターゲット組織706との間の接触が安定しているというインディケーションを表示することが可能である。処理デバイス108は、カテーテル700がターゲット組織706と連続的に接触しているときには、安定性のインディケーションを提供することが可能であるが、カテーテル700がターゲット組織706と間欠的に接触しているときには、不安定性のインディケーションを提供することが可能である。たとえば、処理デバイス108は、オーディオ信号がリアルタイムフィードバックとして鳴ることを引き起こすことが可能であり、および/または、処理デバイス108は、図6に関して議論されているものなど、グラフィカルユーザーインターフェースが接触安定性の視覚的インディケーターを出力することを引き起こすことが可能である。
【0094】
図8Aは、いくつかの態様による、ターゲット組織806の表面に沿って異なる場所に配設されているカテーテル800を示している。図8Bは、いくつかの態様による、カテーテル800の異なる位置に対応するデータを伴うグラフを示している。いくつかの態様において、カテーテル800は、本明細書で開示されている他のカテーテル(たとえば、カテーテル100、302、700(図1図3図7))に対応することが可能であり、本明細書で開示されているシステム(たとえば、システム300、401(図3図4))に関連して使用されることが可能である。図7Aは、軸線方向708に沿ったカテーテル運動を図示していたが、図8Aは、カテーテル800の横方向運動(たとえば、光学軸に対して概して垂直の運動)を図示している。そのような横方向移動は、厳密に線形の運動ではなく、組織の表面に沿った任意の移動を含むことが可能であるということを当業者は認識することとなる。
【0095】
いくつかの態様において、図7A図7Bおよび図8A図8Bとの間で重複する可能性のあるエレメントは、右端の2桁の数字を共有する参照数字を有する可能性がある。そのようなエレメントは、たとえば、カテーテル800、遠位部分802、照射804-a、照射804-b、ターゲット組織806、構成810-a、構成810-b、プロットライン812-a、およびプロットライン812-bを含むことが可能である。これらのエレメントの構造、機能、および/または特質は、図7A図7Bの説明から推論されることが可能である。図7A図7Bおよび図8A図8Bのエレメント間のいくつかの差は、カテーテルの運動の方向の差に起因する可能性があるということが認識されるべきである。
【0096】
いくつかの態様において、横方向808’は、軸線方向708(図7A)に対して垂直であることが可能である。第1の光学的測定値は、組織806の表面の第1の位置(構成810-a)においてカテーテル800を使用して実施されることが可能である。第1の位置におけるターゲット組織806の第1の部分は、第1の構造を有することが可能である。ターゲット組織806の第1の部分に対応する測定信号は、図8Bのプロットライン812-aによって表されることが可能である。すなわち、プロットライン812-aは、図8Aのカテーテル構成810-aから結果として生じる測定信号のシグネチャーを表すことが可能である。シグネチャーは、プロットライン812-aによって示されているように、深さ(たとえば、ビューポートからの距離)の関数としての大きさプロファイルを含むことが可能である。カテーテル800が第2の位置(図8Aの構成810-b)に移動されるときに、測定信号は、図8Bのプロットライン812-bによって表されるように変化する可能性があり、それは、第2の位置におけるターゲット組織806の第2の部分に対応している(ここでの組織構造は、第2の組織構造であることが可能である)。図7Aの軸線方向運動(たとえば、図7Bに示されている深さに対するピークシフト)とは対照的に、プロットライン812-aおよび812-bに対応する測定信号における差は、ターゲット組織806の第1の部分と第2の部分との間の構造的な差により依存し得る。
【0097】
たとえば、いくつかの態様において、処理デバイスは、特徴の生成、消失、および/または、大きさの変化などのような(そのような特徴は、たとえば、最大、最小、変曲、立ち上がりエッジ、または立ち下がりエッジなどを含むことが可能である)、差に関する測定信号を分析することが可能である。換言すれば、処理デバイスは、測定値の大きさプロファイルが光学的測定値間において変化したかどうかを評価することが可能である。大きさプロファイルは、2つ以上のタイプの表現を有することが可能であるということが認識されるべきである。たとえば、プロットライン812-aおよび812-bは、グラフィカルな表現である。測定信号のアナログ形態は、大きさプロファイルの電磁的表現を伝えることが可能である。処理デバイスは、電磁的表現をデジタル表現に変換することが可能である。
【0098】
したがって、図8Aおよび図8Bは、カテーテル800がターゲット組織806の表面に沿って(たとえば、位置804-aから位置804-bへ)横方向にシフトするときに、結果として生じる光信号のプロファイル(たとえば、形状)も(たとえば、プロットライン812-aからプロットライン812bへ)シフトするということを図示している。この信号シフトは、カテーテル800が移動するときにリアルタイムで観察されることが可能であり、カテーテル800が実際にターゲット組織に対して移動していること、したがって、ターゲット組織と安定して接触していないことを示している。しかし、カテーテル800が移動することを低減または停止するときに、プロットライン812-aとプロットライン812-bとの間のシフティングも安定化または停止することが可能である(たとえば、連続する測定信号の間の差が縮小または消失する)。換言すれば、横方向移動が最小であるかまたは存在していないように、カテーテル800のビューポートがターゲット組織806と安定的に接触しているかどうかを決定することは、連続するプロットライン812-aおよび812-bにおける複数の光学的測定値の間の差が閾値を満たすかまたは閾値を超えるかに基づくことが可能である。
【0099】
いくつかの態様において、カテーテルの横方向運動を使用した接触および接触安定性の決定は、単独で使用されることが可能であり、または、カテーテルの軸線方向運動に関して上記に説明されている方法と組み合わせられることが可能である。
【0100】
図9は、いくつかの態様による、ターゲット組織906から異なる距離に配設されているカテーテル900を示している。いくつかの態様において、カテーテル900は、本明細書で開示されている他のカテーテル(たとえば、カテーテル100、302、700、800(図1図3図7図8))に対応することが可能であり、本明細書で開示されているシステム(たとえば、システム300、401(図3図4))に関連して使用されることが可能である。図7Aおよび図8Aは、単一のビューポート接触を図示していたが、図9は、ターゲット組織906と接触しているカテーテル900の複数のビューポートを図示している。
【0101】
いくつかの態様において、図7A図8A、および図9の間で重複する可能性のあるエレメントは、右端の2桁の数字を共有する参照数字を有する可能性がある。そのようなエレメントは、たとえば、カテーテル900、遠位部分902、照射904-a、照射904-b、ターゲット組織906、構成910-a、および構成910-bを含むことが可能である。これらのエレメントの構造、機能、および/または特質は、図7Aおよび図8Aの説明から推論されることが可能である。図7A図8A、および図9のエレメント間のいくつかの差は、カテーテルの運動の差に起因する可能性があるということが認識されるべきである。
【0102】
いくつかの態様において、構成910-aは、カテーテル900の単一のビューポートがターゲット組織906と接触している配置に対応することが可能である。照射904-aは、遠位部分902の先端部におけるビューポートに対応することが可能であり、このビューポートは、ターゲット組織906と接触している(接触=真)。照射904-aは、この例では、(たとえば、真っ直ぐに前を見て)遠位部分902の光学軸に対して平行になっていることが可能である。照射916-aおよび918-aは、遠位セクション902の光学軸に対して異なる角度で方向付けられた他のビューポートに対応することが可能である。照射916-aおよび918-aは、接触=偽として処理デバイス108(図1)によって解釈される測定信号に対応することが可能である。単一のビューポートがターゲット組織906と接触しているというこのシナリオでは、システム300(図3)は、カテーテル900がターゲット組織906とソフトな接触をしているということを、ユーザーに示すことが可能である。
【0103】
いくつかの態様において、構成910-bは、カテーテル900の複数のビューポートがターゲット組織906と接触している配置に対応することが可能である。すなわち、カテーテル900は、遠位部分902がターゲット組織906の中に圧痕を生成させるように、ターゲット組織906に向けて移動されている。照射904-b、916-b、および918-bは、接触=真として処理デバイス108(図1)によって解釈される測定信号に対応することが可能である。複数のビューポートが接触しているというこのシナリオでは、システム300(図3)は、カテーテル900がターゲット組織906と強力な接触をしているということを、ユーザーに示すことが可能である。ソフトな接触および強力な接触の異なる定義が使用されることが可能である(たとえば、ソフトな接触=2つ以下のポートが接触している、一方では、強力な接触=3つ以上のポートが接触している)ということを当業者は認識することとなる。
【0104】
いくつかの態様において、接触の決定、安定した接触の決定、および/または、ソフトな/強力な接触の決定は、ディスプレイ325(図3)の上にGUI600(図6)を介して表示されることが可能である。
【0105】
例示的な動作の方法
【0106】
本明細書で説明されているカテーテル、コンソール、およびシステムは、組織の光学的な分析および病変深さ予測を実施するために使用されることが可能である。本明細書で説明されている光学的な分析および病変予測方法を利用することによって、本明細書で開示されているカテーテルおよび光学システム(たとえば、カテーテルシステム300および光学システム401)は、精度、感度、および特異性の値が90%を上回る値(たとえば、それぞれ、93.5%、92.9%、および96.6%)の状態で、リアルタイムでまたはほぼリアルタイムで、組織の中の病変形成の評価を可能にすることができる。
【0107】
これまでに説明されているカテーテルおよびシステムのさまざまな方法および他の態様は、たとえば、図1に示されているカテーテル100、図3に示されているシステム300(カテーテル302およびコンソール310を含む)、図4に示されている光学システム401、および、図5図9に示されている態様を使用して、実装されることが可能である。
【0108】
図10は、いくつかの態様による、カテーテルとターゲット組織との間の接触の特質を決定するための方法1000を示している。いくつかの態様において、ターゲット組織の複数の光学的測定は、カテーテルの遠位端部に配設されているビューポートを介して実施されることが可能である。複数の光学的測定を実施することは、ステップS1002、S1004、S1006、S1008、およびS1010を含むことが可能である。複数の光学的測定値は、次いで、ステップS1012に説明されているように分析されることが可能である。
【0109】
いくつかの態様において、ステップS1002において、照射が、ビューポートを介してターゲット組織に向けて伝送されることが可能である。照射は、離散的な時間フレーム(たとえば、パルス)で提供されることが可能である。照射は、ターゲット組織によって散乱および反射され、ビューポートに向けて戻されることが可能である。ビューポートは、カテーテルの複数のビューポートのうちの1つであることが可能である。ビューポートは、カテーテルの遠位部分に配設されることが可能である。ステップS1004において、ターゲット組織からの第1の散乱された照射が、ビューポートを介して受け取られることが可能である。ステップS1006において、第1の測定信号が、第1の散乱された照射の受け取りに基づいて、検出システムによって発生させられることが可能である。ステップS1008において、ターゲット組織からの第2の散乱された照射が、ビューポートを介して受け取られることが可能である。ステップS1010において、第2の測定信号が、第2の散乱された照射の受け取りに基づいて、検出システムによって発生させられることが可能である。
【0110】
いくつかの態様において、第1の光学的測定は、ステップS1004およびS1006を含むことが可能であり、第2の光学的測定は、ステップS1008およびS1010を含むことが可能である。そのようなステップは、第3の光学的測定値および第4の光学的測定値などを実施するために繰り返されることが可能である。いくつかの態様において、ステップS1106およびS1010は、信号プロセッサー(たとえば、処理デバイス108など)によって実施されることが可能である。
【0111】
いくつかの態様において、ステップS1012において、処理デバイス(たとえば、処理デバイス108など)は、複数の光学的測定値の間の第1の差が第1の閾値を満たすかまたは第1の閾値を超えるかということに基づいて、ビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかを決定することが可能である。いくつかの態様において、第1の差は、第1の測定信号と第2の測定信号との間の差を含むことが可能である。1つの非限定的な例では、第1の差は、第1および第2の測定信号における識別可能な特徴におけるシフト(たとえば、特徴714-aと特徴714-b(図7B)との間のシフトなどのような、最大強度におけるシフト)に対応することが可能である。または、第1の差は、第1および第2の測定信号の構造における差に対応することが可能である(図8Bおよびカテーテルの横方向運動について示唆する)。たとえば、第1の測定信号は、第1のデータ特徴(たとえば、最小または最大など)を含むことが可能であり、第2の測定信号は、第2のデータ特徴を含むことが可能である。第1のデータ特徴は、第1の散乱された照射のシグネチャーとして作用することが可能であり、第2のデータ特徴は、第2の散乱された照射のシグネチャーとして作用することが可能である。第1の測定信号と第2の測定信号との間の差は、第1および第2の散乱された照射のシグネチャー間の差に基づいて評価されることが可能である(A-スキャン差分測定と称されることも可能である)。
【0112】
いくつかの態様において、軸線方向移動と横方向移動の両方は、同じ第1および第2の測定信号から決定される。たとえば、第1の測定信号と第2の測定信号との間の注目すべき特徴の軸線に沿った場所のシフティングは、図7Aおよび図7Bに関して議論されているように、軸線方向の接触および/または接触安定性を決定するために使用されることが可能であり、一方では、第1および第2の測定信号のプロファイル間の変化は、図8Aおよび図8Bに関して議論されているように、横方向の接触安定性を決定するために使用されることが可能である。したがって、接触安定性の決定は、軸線方向移動と横方向移動の両方の評価に一緒に基づくか、軸線方向移動のみの評価に基づくか、または、横方向移動のみの評価に基づくことが可能である。
【0113】
いくつかの態様において、以前に述べられた閾値は、システムの過大感度を防止するために実装されることが可能である。非限定的な例において、カテーテルがターゲット組織と接触していないときには、システムは、測定信号における特徴の変化を予期するようにプログラムされることが可能である(たとえば、図7Bを参照して説明されているようなデータの中のピークのシフトを予期する)。測定信号における予期される変化は、閾値に関して基礎を形成することが可能である。カテーテルは、移動されることが可能であり、測定信号における測定された差が閾値条件を満たすかまたは超える(たとえば、閾値にあるかまたは閾値よりも大きい)場合には、システムは、カテーテルがターゲット組織と接触していないと評価することが可能である。逆に、カテーテルが移動され、測定信号における測定された差が、反対側の閾値条件を満たすかまたは超える(たとえば、閾値を下回る)場合には、システムは、カテーテルがターゲット組織と接触していると評価することが可能である。閾値および条件は、本明細書で説明されている接触分析を実現するために、当業者に明らかな複数の適切な方式で定義されることが可能であるということが認識されるべきである。
【0114】
図10の方法ステップは、任意の考えられる順序で実施されることが可能であり、すべてのステップが実施されることは必要とされない。そのうえ、上記に説明されている図10の方法ステップは、単にステップの例を反映しており、限定するものではない。すなわち、さらなる方法ステップおよび機能は、図1図9を参照して説明されている実施形態に基づいて想定されることが可能である。たとえば、その方法は、グラフィカルユーザーインターフェースにおいて、ビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかのインディケーション、ビューポートとターゲット組織との間の接触が安定しているかどうかのインディケーション、および/または、接触がソフトな接触であるかまたは強力な接触であるかのインディケーションを表示するステップをさらに含むことが可能である。また、その方法は、(図9を参照して説明されているように)複数のビューポートから収集されたデータを使用することによって、接触がソフトな接触であるかまたは強力な接触であるかを決定するステップを含むことも可能である。
【0115】
例示的なコンピューターシステム
【0116】
図11は、コンピューターシステム1100の例示的なコンポーネントのブロック図である。1つまたは複数のコンピューターシステム1100は、たとえば、本明細書で議論されている態様のいずれか、ならびに、その組み合わせおよびサブコンビネーションを実装するために使用されることが可能である。いくつかの態様において、1つまたは複数のコンピューターシステム1100は、図10に示されている方法1000、ならびに/または、本明細書で説明されているような処理デバイス108、コンソール310、信号発生器320、および/もしくはディスプレイ325を実装するために使用されることが可能である。コンピューターシステム1100は、1つまたは複数のプロセッサー(中央処理装置またはCPUとも呼ばれる)(たとえば、プロセッサー1104など)を含むことが可能である。プロセッサー1104は、通信インフラストラクチャーまたはバス1106に接続されることが可能である。
【0117】
また、いくつかの態様において、コンピューターシステム1100は、ユーザー入力/出力インターフェース1102(たとえば、モニター、キーボード、ポインティングデバイスなど)を含むことが可能であり、それは、ユーザー入力/出力インターフェース1103を通して通信インフラストラクチャー1106と通信することが可能である。
【0118】
いくつかの態様において、プロセッサー1104のうちの1つまたは複数は、グラフィックス処理ユニット(GPU)であることが可能である。GPUは、数学的に集約的なアプリケーションを処理するために設計された特殊化した電子回路であるプロセッサーであることが可能である。GPUは、大きいブロックのデータ(たとえば、コンピューターグラフィックスアプリケーション、イメージ、ビデオなどに共通の数学的に集約的なデータ)の並列処理に効率的である並列構造体を有することが可能である。
【0119】
また、いくつかの態様において、コンピューターシステム1100は、メインメモリーまたは1次メモリー1108(たとえば、ランダムアクセスメモリー(RAM)など)を含むことが可能である。メインメモリー1108は、1つまたは複数のレベルのキャッシュを含むことが可能である。メインメモリー1108は、その中に記憶された制御ロジック(すなわち、コンピューターソフトウェア)および/またはデータを有することが可能である。いくつかの態様において、メインメモリー1108は、カテーテルによって組織から取得される光学的測定値の分析を実施するように、および、病変予測を決定するように構成されている光学的なロジックを含むことが可能である。
【0120】
また、いくつかの態様において、コンピューターシステム1100は、1つまたは複数の2次ストレージデバイスまたはメモリー1110を含むことが可能である。2次メモリー1110は、たとえば、ハードディスクドライブ1112および/またはリムーバブルストレージドライブ1114を含むことが可能である。
【0121】
いくつかの態様において、リムーバブルストレージドライブ1114は、リムーバブルストレージユニット1118と相互作用することが可能である。リムーバブルストレージユニット1118は、コンピューター使用可能なまたは読み取り可能なストレージデバイスを含むことが可能であり、ストレージデバイスは、その中に記憶されたコンピューターソフトウェア(制御ロジック)および/またはデータを有している。リムーバブルストレージユニット1118は、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース(たとえば、ビデオゲームデバイスの中に見られるものなど)、リムーバブルメモリーチップ(たとえば、EPROMまたはPROMなど)および関連のソケット、メモリースティックおよびUSBポート、メモリーカードおよび関連のメモリーカードスロット、ならびに/または、任意の他のリムーバブルストレージユニットおよび関連のインターフェースであることが可能である。リムーバブルストレージドライブ1114は、リムーバブルストレージユニット1118から読み取り、および/または、リムーバブルストレージユニット1118に書き込むことが可能である。
【0122】
いくつかの態様において、2次メモリー1110は、コンピュータープログラムおよび/または他のインストラクションおよび/またはデータがコンピューターシステム1100によってアクセスされることを可能にするための他の手段、デバイス、コンポーネント、道具、または、他のアプローチを含むことが可能である。そのような手段、デバイス、コンポーネント、道具、または、他のアプローチは、たとえば、リムーバブルストレージユニット1122およびインターフェース1120を含むことが可能である。リムーバブルストレージユニット1122およびインターフェース1120の例は、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース(たとえば、ビデオゲームデバイスにおいて見られるものなど)、リムーバブルメモリーチップ(たとえば、EPROMまたはPROMなど)および関連のソケット、メモリースティックおよびUSBポート、メモリーカードおよび関連のメモリーカードスロット、ならびに/または、任意の他のリムーバブルストレージユニットおよび関連のインターフェースを含むことが可能である。
【0123】
いくつかの態様において、コンピューターシステム1100は、通信またはネットワークインターフェース1124をさらに含むことが可能である。通信インターフェース1124は、(個別におよび集合的に(参照数字1128によって参照されている))外部デバイス、外部ネットワーク、外部エンティティーなどの任意の組み合わせとコンピューターシステム1100が通信および相互作用することを可能にすることができる。たとえば、通信インターフェース1124は、コンピューターシステム1100が通信経路1126を介して外部またはリモートデバイス1128と通信することを可能にすることができ、通信経路1126は、有線および/または無線(または、それらの組み合わせ)であることが可能であり、それは、LAN、WAN、インターネットなどの任意の組み合わせを含むことが可能である。制御ロジックおよび/またはデータは、通信経路1126を介して、コンピューターシステム1100へおよびコンピューターシステム1100から伝送されることが可能である。コンピューターシステム1100は、通信インターフェース1124におけるコネクターおよび光学的なおよび電気的な接続を介して(光ファイバーおよび電気配線、ピン、および/またはコンポーネントを含む)、カテーテルに連結されることが可能である。
【0124】
また、いくつかの態様において、コンピューターシステム1100は、いくつかの非限定的な例を挙げると、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、デスクトップワークステーション、ラップトップコンピューターまたはノートブックコンピューター、ネットブック、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチまたは他のウェアラブル、家電、インターネットオブシングスの一部、および/または、埋め込まれたシステム、または、それらの任意の組み合わせのいずれかであることが可能である。
【0125】
いくつかの態様において、コンピューターシステム1100は、クライアントまたはサーバーであることが可能であり、それに限定されないが、リモートまたは分散型のクラウドコンピューティングソリューション;ローカルまたはオンプレミスソフトウェア(「オンプレミス」クラウドベースのソリューション);「アズアサービス」モデル(たとえば、コンテンツアズアサービス(CaaS)、デジタルコンテンツアズアサービス(DCaaS)、ソフトウェアアズアサービス(SaaS)、マネージドソフトウェアアズアサービス(MSaaS)、プラットフォームアズアサービス(PaaS)、デスクトップアズアサービス(DaaS)、フレームワークアズアサービス(FaaS)、バックエンドアズアサービス(BaaS)、モバイルバックエンドアズアサービス(MBaaS)、インフラストラクチャーアズアサービス(IaaS)など);および/または、先述の例もしくは他のサービスもしくはデリバリーパラダイムの任意の組み合わせを含むハイブリッドモデルを含む、任意のデリバリーパラダイムを通して、任意のアプリケーションおよび/またはデータにアクセスまたはホストすることが可能である。
【0126】
いくつかの態様において、コンピューターシステム1100における任意の適用可能なデータ構造体、ファイルフォーマット、およびスキームは、それに限定されないが、JavaScript Object Notation(JSON)、Extensible Markup Language(XML)、Yet Another Markup Language(YAML)、Extensible Hypertext Markup Language(XHTML)、Wireless Markup Language(WML)、MessagePack、XML User Interface Language(XUL)、または、任意の他の機能的に同様の表現を単独でまたは組み合わせて含む、標準から導出されることが可能である。代替的に、排他的に、または、公知のもしくはオープンな標準と組み合わせてのいずれかで、独自のデータ構造体、フォーマット、またはスキームが使用されることが可能である。
【0127】
いくつかの態様において、その上に記憶された制御ロジック(ソフトウェア)を有する有形の非一時的なコンピューター使用可能なまたは読み取り可能な媒体を含む有形の非一時的な装置または製造の物品は、本明細書では、コンピュータープログラム製品またはプログラムストレージデバイスとも称されることが可能である。これは、コンピューターシステム1100、メインメモリー1108、2次メモリー1110、ならびに、リムーバブルストレージユニット1118および1122、ならびに、先述のものの任意の組み合わせを具現化する有形の製造の物品を含むが、それに限定されない。そのような制御ロジックは、1つまたは複数のデータ処理デバイス(たとえば、コンピューターシステム1100など)によって実行されるときに、そのようなデータ処理デバイスが本明細書で説明されているように動作することを引き起こすことが可能である。
【0128】
詳細な説明のセクション(および、発明の概要および要約のセクションではない)は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されているということが認識されるべきである。発明の概要および要約のセクションは、本発明者によって企図されているような本開示の1つまたは複数の(しかし、すべてではない)例示的な態様を記載する可能性があり、したがって、本開示および添付の特許請求の範囲を決して限定すること意図していない。
【0129】
本開示の態様は、その特定の機能および関係の実装を図示する機能的なビルディングブロックの補助によって上記に説明されてきた。これらの機能的なビルディングブロックの境界は、説明の便宜のために、本明細書において任意に定義されている。その特定の機能および関係が適切に実施される限りにおいて、代替的な境界が定義されることが可能である。
【0130】
特定の態様の先述の説明は、本開示の一般的な性質を十分に完全に明らかにすることとなるので、他の人は、当技術分野の技能の中の知識を適用することによって、過度の実験なしに、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、そのような特定の態様をさまざまな用途に関して容易に修正および/または適合させることが可能である。したがって、そのような適合例および修正例は、本明細書に提示されている教示および指針に基づいて、開示されている態様の意味および均等物の範囲の中にあるということが意図される。本明細書における言い回しまたは専門用語は、説明の目的のためのものであり、限定のためのものではなく、本明細書の専門用語または言い回しが教示および指針に照らして当業者によって解釈されるべきであるようになっているということが理解されるべきである。
【0131】
本開示の広さおよび範囲は、上記に説明されている例示的な態様のいずれかによって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物のみにしたがって定義されるべきである。
【0132】
そのうえ、以下の態様は、以下の条項に明示的に開示されている。
1.カテーテルの遠位部分に配設されているビューポートを介してターゲット組織の複数の光学的測定を実施するステップを含む方法であって、
実施するステップは、
ビューポートを介してターゲット組織に向けて照射を伝送するステップと、
ビューポートにおいて、ターゲット組織から第1の散乱された照射を受け取るステップと、
第1の散乱された照射に基づいて第1の測定信号を発生させるステップと、
第1の散乱された照射を受け取るステップの後に、ビューポートにおいて、ターゲット組織から第2の散乱された照射を受け取るステップと、
第2の散乱された照射に基づいて第2の測定信号を発生させるステップと
を含み、
また、方法は、
複数の光学的測定を分析するステップを含み、
分析するステップは、
複数の光学的測定の間の第1の差が第1の閾値を満たすかまたは第1の閾値を超えるかに基づいて、ビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかを決定するステップであって、第1の差は、第1の測定信号と第2の測定信号との間の差を含む、決定するステップ
を含む、方法。
2.ビューポートがターゲットと接触しているかどうかの決定は、接触力測定とは無関係である、態様1に記載の方法。
3.複数の光学的測定を実施するステップは、
第2の散乱された照射を受け取るステップの後に、ビューポートにおいて、ターゲット組織から第3の散乱された照射を受け取るステップと、
第3の散乱された照射に基づいて第3の測定信号を発生させるステップと
をさらに含み、
分析するステップは、
第1の差、および複数の光学的測定の間の第2の差が第2の閾値を満たすかまたは第2の閾値を超えるかに基づいて、ビューポートとターゲット組織との間の接触が安定しているかどうかを決定するステップであって、第2の差は、第2の測定信号と第3の測定信号との間の差を含む、決定するステップ
をさらに含む、態様1または2に記載の方法。
4.接触が安定しているかどうかの決定は、接触力測定とは無関係である、態様3に記載の方法。
5.第1および第2の測定信号は、ビューポートからの距離の関数としての散乱された照射強度のデータを含み、
第1の測定信号と第2の測定信号との間の差は、ビューポートからの距離に対する散乱された照射強度のシフトに基づいて評価される、態様1から4のいずれか1つに記載の方法。
6.第1の測定信号は、ビューポートからの距離の関数としての第1の大きさプロファイルを含み、
第2の測定信号は、第1のビューポートからの距離の関数としての第2の大きさプロファイルを含み、
第1の測定信号と第2の測定信号との間の差は、第1の大きさプロファイルと第2の大きさプロファイルとの間の差に基づいている、態様1から5のいずれか1つに記載の方法。
7.ビューポートは、第1のビューポートであり、方法は、
カテーテルの遠位部分に配設されている第2のビューポートを介してターゲット組織の複数の光学的測定を実施するステップと、
第2のビューポートを介してターゲット組織の複数の光学的測定に基づいて、第2のビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかを決定するステップと、
第1および第2のビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかの決定に基づいて、カテーテルの遠位部分がターゲット組織とソフトな接触をしているかまたは強力な接触をしているかを決定するステップであって、強力な接触は、2つ以上のビューポートがターゲット組織と接触していることに関連付けられる、決定するステップと
をさらに含む、態様1から6のいずれか1つに記載の方法。
8.方法は、グラフィカルユーザーインターフェースにおいて、ビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかのインディケーションを表示するステップをさらに含む、態様1から6のいずれか1つに記載の方法。
9.方法は、グラフィカルユーザーインターフェースにおいて、ビューポートとターゲット組織との間の接触が安定しているかどうかのインディケーションを表示するステップをさらに含む、態様3から8のいずれか1つに記載の方法。
10.方法は、グラフィカルユーザーインターフェースにおいて、接触がソフトな接触であるかまたは強力な接触であるかのインディケーションを表示するステップをさらに含む、態様3から9のいずれか1つに記載の方法。
11.方法は、グラフィカルユーザーインターフェースにおいて、第2のビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかを表示するステップをさらに含む、態様7から10のいずれか1つに記載の方法。
12.方法は、グラフィカルユーザーインターフェースにおいて、複屈折データ、位相データ、および/または病変深さデータを表示するステップをさらに含む、態様3から11のいずれか1つに記載の方法。
13.システムであって、システムは、
カテーテルであって、
近位部分、
遠位部分、
近位セクションと遠位セクションとの間に連結されているシース、および、
複数のビューポートであって、複数のビューポートは、遠位部分に配設されており、ターゲット組織に照射を伝送するように構成されており、散乱された照射をターゲット組織から受け取るように構成されている、複数のビューポート
を含む、カテーテルと、
検出システムであって、検出システムは、複数のビューポートのうちの第1のビューポートを介して、ターゲット組織から第1および第2の散乱された照射を受け取るように構成されており、第1および第2の散乱された照射に基づいて、第1および第2の測定信号をそれぞれ発生させるように構成されている、検出システムと、
第1の測定信号と第2の測定信号との間の第1の差が第1の閾値を満たすかまたは第1の閾値を超えるかに基づいて、第1のビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかを決定するように構成されている処理デバイスと
を含む、システム。
14.処理デバイスは、接触力測定とは無関係に、第1のビューポートがターゲットに接触しているかどうかの決定を実施するようにさらに構成されている、態様13に記載のシステム。
15.検出システムは、第1のビューポートを介して、ターゲット組織から第3の散乱された照射を受け取るように、および、第3の散乱された照射に基づいて第3の測定信号を発生させるようにさらに構成されており、
処理デバイスは、第1の差、および第2の測定信号と第3の測定信号との間の第2の差が第2の閾値を満たすかまたは第2の閾値を超えるかに基づいて、第1のビューポートとターゲット組織との間の接触が安定しているかどうかを決定するようにさらに構成されている、態様13または14に記載のシステム。
16.処理デバイスは、接触力測定とは無関係に、第1のビューポートとターゲット組織との間の接触が安定しているかどうかの決定を実施するようにさらに構成されている、態様15に記載のシステム。
17.検出システムは、第1のビューポートからの距離に対する散乱された照射強度のデータを含む第1および第2の測定信号を発生させるようにさらに構成されており、
処理デバイスは、第1のビューポートからの距離に対する散乱された照射強度のシフトに基づいて、第1の測定信号と第2の測定信号との間の差を評価するようにさらに構成されている、態様13から16のいずれか1つに記載のシステム。
18.第1の測定信号は、第1のビューポートからの距離の関数としての第1の大きさプロファイルを含み、
第2の測定信号は、第1のビューポートからの距離の関数としての第2の大きさプロファイルを含み、
第1の測定信号と第2の測定信号との間の差は、第1の大きさプロファイルと第2の大きさプロファイルとの間の差に基づいている、態様13から17のいずれか1つに記載のシステム。
19.検出システムは、複数のビューポートのうちの第2のビューポートを介して、ターゲット組織から第3および第4の散乱された照射を受け取るように、ならびに第3および第4の散乱された照射に基づいて、第3および第4の測定信号をそれぞれ発生させるようにさらに構成されており、
処理デバイスは、
第3および第4の測定信号の分析に基づいて、第2のビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかを決定するようにさらに構成されており、
第1および第2のビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかの決定に基づいて、カテーテルの遠位部分がターゲット組織とソフトな接触をしているかまたは強力な接触をしているかを決定するようにさらに構成されており、強力な接触は、2つ以上のビューポートがターゲット組織と接触していることに関連付けられる、態様13から18のいずれか1つに記載のシステム。
20.システムは、表示デバイスをさらに含み、表示デバイスは、グラフィカルユーザーインターフェースを介して、第1のビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかのインディケーションを表示するように構成されている、態様13から19のいずれか1つに記載のシステム。
21.表示デバイスは、グラフィカルユーザーインターフェースを介して、ビューポートとターゲット組織との間の接触が安定しているかどうかのインディケーションを表示するようにさらに構成されている、態様15から20のいずれか1つに記載のシステム。
22.表示デバイスは、グラフィカルユーザーインターフェースを介して、接触がソフトな接触であるかまたは強力な接触であるかのインディケーションを表示するようにさらに構成されている、態様15から21のいずれか1つに記載のシステム。
23.表示デバイスは、グラフィカルユーザーインターフェースを介して、第2のビューポートがターゲット組織と接触しているかどうかを表示するようにさらに構成されている、態様15から22のいずれか1つに記載のシステム。
24.表示デバイスは、グラフィカルユーザーインターフェースを介して、複屈折データ、位相データ、および/または病変深さデータを表示するようにさらに構成されている、態様15から23のいずれか1つに記載のシステム。
【符号の説明】
【0133】
100 カテーテル
102 近位セクション
104 遠位セクション
106 シース
106a シース
106b シース
108 処理デバイス
110 通信インターフェース
202 灌漑チャネル
206 偏向メカニズム
208 電気的な接続
210 光学的伝送媒体
212 保護カバー
300 システム
302 カテーテル
304 患者
310 コンソール
312 光学的な接続
314 電気的な接続
316 通信インターフェース
320 信号発生器
325 ディスプレイ
330 灌漑ポンプ
401 光学システム
402 光学的供給源
403 偏光スプリッター
404 カップリング/スプリッティングエレメント
406 サンプルアーム
407 偏光スイッチ
408 参照アーム
409 光学スイッチ
410 出力ファイバー
412 ディレイユニット
414 検出システム
420 サンプル
600 グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)
602 正面図
604 濃い灰色のセクション
605 薄い灰色のセクション
606 白色のセクション
608 インディケーター
610 グラフ
612 パネル、インディケーター
700 カテーテル
702 遠位部分
704-a 照射
704-b 照射
706 ターゲット組織
708 軸線方向
710-a 構成
710-b 構成
712-a プロットライン
712-b プロットライン
714-a 特徴
714-b 特徴
800 カテーテル
802 遠位部分
804-a 照射
804-b 照射
806 ターゲット組織
808’ 横方向
810-a 構成
810-b 構成
812-a プロットライン
812-b プロットライン
900 カテーテル
902 遠位部分
904-a 照射
904-b 照射
906 ターゲット組織
910-a 構成
910-b 構成
916-a 照射
916-b 照射
918-a 照射
918-b 照射
1000 方法
1100 コンピューターシステム
1102 ユーザー入力/出力インターフェース
1103 ユーザー入力/出力インターフェース
1104 プロセッサー
1106 通信インフラストラクチャー、バス
1108 メインメモリー、1次メモリー
1110 2次ストレージデバイス、2次メモリー
1112 ハードディスクドライブ
1114 リムーバブルストレージドライブ
1118 リムーバブルストレージユニット
1120 インターフェース
1122 リムーバブルストレージユニット
1124 通信インターフェース
1126 通信経路
1128 外部またはリモートデバイス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】