(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091597
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】接続要素を備えたMEMSデバイス
(51)【国際特許分類】
H04R 17/00 20060101AFI20240627BHJP
B81B 3/00 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
H04R17/00
B81B3/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023216732
(22)【出願日】2023-12-22
(31)【優先権主張番号】10 2022 134 733.8
(32)【優先日】2022-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518063492
【氏名又は名称】ユーサウンド ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】USOUND GMBH
【住所又は居所原語表記】Kratkystrasse 2, 8020 Graz (AT)
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アンドレア ルスコーニ クレリチ ベルトラミ
(72)【発明者】
【氏名】フェルッチオ ボトーニ
(72)【発明者】
【氏名】サム ベンス ホルバト
【テーマコード(参考)】
3C081
5D004
【Fターム(参考)】
3C081AA01
3C081AA07
3C081BA22
3C081BA33
3C081BA43
3C081BA44
3C081BA45
3C081BA48
3C081BA55
3C081CA32
3C081DA03
3C081DA22
3C081EA01
3C081EA21
5D004AA07
5D004CD03
5D004CD07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外力の作用により損傷しにくいMEMSデバイス及び対応するMEMSデバイス用のMEMSユニット並びにMEMSデバイスを有する機器を提供する。
【解決手段】MEMSデバイス1は、ストローク軸3に沿って偏向可能なダイヤフラム2及びダイヤフラム2との間にキャビティ9が形成されるようにストローク軸3に沿ってダイヤフラム2から隔れて配置され、ダイヤフラム2のストローク運動を生成/検出するカンチレバーアーム8と、キャビティ9内に配置され、ダイヤフラム2に接続されたストローク構造12と、カンチレバーアーム8をストローク構造12に移動可能に接続する接続要素14と、を含むMEMSユニット7を有する。接続要素14は、接続要素14の横方向に延在する横スリットとして形成される1以上の凹部を有し、その結果、凹部が接続要素14の重量を軽減し、この領域に必要な弾性及び/又は可撓性を同時に確保することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストローク軸(3)に沿って偏向可能なダイヤフラム(2)と、
MEMSユニット(7)であって、
前記ダイヤフラム(2)との間にキャビティ(9)が形成されるように、前記ストローク軸(3)に沿って前記ダイヤフラム(2)から間隔をおいて配置され、前記ダイヤフラム(2)のストローク運動を生成及び/又は検出する少なくとも1つのカンチレバーアーム(8)と、
前記キャビティ(9)内に配置され、前記ダイヤフラム(2)に接続されたストローク構造(12)と、
前記カンチレバーアーム(8)を前記ストローク構造(12)に移動可能に接続する接続要素(14)とを含むMEMSユニット(7)と、を有する、特に音を生成及び/又は検出するためのMEMSデバイス(1)において、
前記接続要素(14)は、前記ストローク構造(12)の方向に少なくとも1つの領域で狭くなり、及び/又は少なくとも1つの領域で広くなり、及び/又は
前記接続要素(14)は、少なくとも1つの凹部(24、25)を有することを特徴とする、MEMSデバイス。
【請求項2】
前記カンチレバーアーム(8)は、単一の接続要素(14)のみを介して前記ストローク構造(12)に接続されることを特徴とする、先行する請求項に記載のMEMSデバイス。
【請求項3】
前記接続要素(14)の2つの対向する長手方向辺(26、27)及び/又は前記接続要素(14)の基本形状は、前記ストローク構造(12)の方向に台形の形状で先細になっていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項4】
前記接続要素(14)は、少なくとも1つのカンチレバー部分(28、29、30)を有し、前記少なくとも1つのカンチレバー部分(28、29、30)において、前記接続要素(14)は、前記接続要素(14)の2つの長手方向辺(26、27)のうちの1つに向かって前記接続要素(14)の横方向に延在する少なくとも1つのカンチレバー(31、32)を有することを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項5】
前記カンチレバー部分(28、29、30)は、互いに対向して位置する2つのカンチレバー(31、32)を含み、好ましくは、第1のカンチレバー(31)は、前記接続要素(14)の第1の長手方向辺(26)に向かって延在し、第2のカンチレバー(32)は、前記接続要素(14)の第2の長手方向辺(27)に向かって延在することを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項6】
前記少なくとも1つの凹部(24、25)は、前記ストローク軸(3)の方向に前記接続要素(14)を完全に貫通して延在し、
前記少なくとも1つの凹部(24、25)は、その周方向にリング状に閉じられ、及び/又は
前記少なくとも1つの凹部(24、25)は、前記少なくとも1つのカンチレバー部分(28、29)内に配置され、好ましくは、前記第1のカンチレバー(31)及び/又は前記第2のカンチレバー(32)内に延在することを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項7】
前記接続要素(14)は、特に、前記カンチレバーアーム(8)の横方向に延在する好ましくは単一の第1の接触領域(15)内においてのみ、前記カンチレバーアーム(8)に接続されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項8】
前記カンチレバーアーム(8)は、前記MEMSユニット(7)のキャリア(10)とは反対側を向く自由カンチレバーアーム端(11)を有し、及び/又は
前記第1の接触領域(15)は、前記自由カンチレバーアーム端(11)に配置され、及び/又は、前記カンチレバーアーム(8)の横方向に前記自由カンチレバーアーム端(11)より狭いことを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項9】
前記接続要素(14)は、特に、前記カンチレバーアーム(8)の横方向に延在する好ましくは単一の第2の接触領域(16)内においてのみ、前記ストローク構造(12)に接続されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項10】
前記第1の接触領域(15)は、前記カンチレバーアーム(8)の横方向に前記第2の接触領域(16)より広いことを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項11】
前記接続要素(14)は、少なくとも1つの架橋部分(38、39、40)を含み、前記少なくとも1つの架橋部分(38、39、40)は、好ましくは、前記少なくとも1つのカンチレバー部分(28、29、30)を前記第1の接触領域(15)、前記第2の接触領域(16)又は隣接する更なるカンチレバー部分(28、29、30)に接続することを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項12】
前記少なくとも1つの架橋部分(38、39、40)は、前記接続要素(14)の横方向に中心的に配置され、及び/又は、前記少なくとも1つのカンチレバー部分(28、29、30)より小さい幅を有することを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項13】
前記接続要素(14)は、モミの木の基本形状を有し、及び/又は
前記接続要素(14)は、前記接続要素(14)の長手方向に互いに間隔をおいて配置された複数のカンチレバー部分(28、29、30)を含み、そのうちの少なくとも1つのカンチレバー部分は、1つ又は複数の先行する請求項に記載のように設計されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項14】
前記カンチレバー部分(28、29、30)は、前記ストローク構造(12)までの距離が減少するにつれて、互いに小さくなる幅を有することを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項15】
前記接続要素(14)、特に前記架橋部分(38、39、40)において、前記接続要素(14)の2つの前記長手方向辺(26、27)のうちの一方から前記接続要素(14)内に延在する少なくとも1つの横方向切り口(41)を有することを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項16】
前記カンチレバーアーム(8)は、前記ストローク構造(12)の方向に先細になる台形状を有し、及び/又は、前記接続要素(14)は、前記ストローク構造(12)の方向にこの台形状を継続することを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項17】
前記MEMSユニット(7)は、複数のカンチレバーアーム(8)、特に6つのカンチレバーアーム(8)を有し、それぞれのカンチレバーアーム(8)が、好ましくは単一の接続要素(14)を介して前記ストローク構造(12)に接続されており、前記接続要素のうちの少なくとも1つ、特に全ての接続要素は、好ましくは、1つ又は複数の先行する請求項に記載のように設計されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス。
【請求項18】
ダイヤフラム(2)のストローク運動を生成及び/又は検出する少なくとも1つのカンチレバーアーム(8)と、
意図どおりの使用時に前記ダイヤフラム(2)に接続されるストローク構造(12)と、
前記カンチレバーアーム(8)を前記ストローク構造(12)に移動可能に接続する接続要素(14)とを有する、特に、先行する請求項のいずれか一項に記載のMEMSデバイス(1)用のMEMSユニット(7)であって、
前記接続要素(14)は、前記ストローク構造(12)の方向に少なくとも1つの部分で狭くなり、及び/又は広くなり、及び/又は
前記接続要素(14)は、少なくとも1つの凹部(24、25)を有することを特徴とする、MEMSユニット(7)。
【請求項19】
1つ又は複数の先行する請求項に記載のMEMSデバイス(1)を有する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMSデバイスに関し、特に、ストローク軸に沿って偏向可能なダイヤフラムと、MEMSユニットとを含む、音(好ましくは可聴音及び/又は超音波)を生成及び/又は検出するためのMEMSデバイスに関する。MEMSユニットは、ダイヤフラムとの間にキャビティが形成されるように、ストロークに沿ってダイヤフラムから間隔をおいて配置され、ダイヤフラムのストローク運動を生成及び/又は検出する少なくとも1つの、特に圧電カンチレバーアームと、キャビティ内に配置され、ダイヤフラムに接続されたストローク構造と、カンチレバーアームをストローク構造に移動可能に接続する接続要素と、を含む。本発明は更に、対応するMEMSデバイス用のMEMSユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
MEMSは、国際公開第2016/034665号から知られており、ダイヤフラムと、ダイヤフラムに結合されたストローク構造と、複数の相互に間隔をおいて配置された接続要素を介してストローク構造の複数の相互に間隔をおいて配置された接点に接続された少なくとも2つの圧電アクチュエータと、を含む。少なくとも2つの圧電アクチュエータは、ダイヤフラムを偏向させるためにストローク構造のストローク運動を誘導するように設計されている。更に、少なくとも2つの圧電アクチュエータのそれぞれは、少なくとも2つの相互に間隔をおいて配置された接続要素を介してストローク構造の少なくとも2つの相互に離間した接点に接続される。接続要素と接点は、外力の作用により損傷しやすいことが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来技術で知られている欠点を解消し、特に、外力の作用により損傷しにくいMEMSデバイス及びMEMSユニットを作製することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、独立特許請求項の特徴を有するMEMSデバイス及びMEMSユニットによって達成される。
【0006】
本発明は、MEMSデバイスに関し、特に音、具体的に好ましくは可聴音及び/又は超音波を生成及び/又は検出するためのMEMSデバイスに関する。MEMSデバイスは、特に、MEMSスピーカー、MEMSマイクロフォン及び/又はMEMSセンサーである。MEMSデバイスは、ストローク軸に沿って偏向可能なダイヤフラムを含む。MEMSデバイスはまた、MEMSユニットを含む。MEMSユニットは、ダイヤフラムのストローク運動を生成及び/又は検出する少なくとも1つの、特に圧電カンチレバーアームを含む。カンチレバーアームは、ダイヤフラムとの間にキャビティが形成されるように、ストローク軸に沿ってダイヤフラムから間隔をおいて配置される。MEMSユニットはまた、キャビティ内に配置され、ダイヤフラムに接続されたストローク構造を含む。したがって、ストローク構造は、意図どおりの使用時にダイヤフラムと共にストローク軸に沿って振動する。更に、MEMSユニットは、カンチレバーアームをストローク構造に移動可能に接続する接続要素を含む。
【0007】
有利には、接続要素は、ストローク構造の方向に少なくとも1つの部分で狭くなり、及び/又は少なくとも1つの部分で広くなる。接続要素が適切に広くなることにより、特に高い荷重を受ける部分を強化することができる。追加的又は代替的に、接続要素の弾性及び/又は可撓性を向上させるために、荷重の低下にさらされる領域を狭くしてもよい。
【0008】
追加的又は代替的に、有利には、接続要素は、少なくとも1つの凹部を有する。その結果、接続要素の重量を軽減することができ、それにより、接続要素に作用する力を小さくすることができる。更に、接続要素の弾性及び/又は可撓性は、凹部が配置された接続要素の領域で向上することができる。その結果、例えば、接続要素の領域は、幅を広くすることによってより堅固にすることができる。同時に、適切な凹部によって、この領域に必要な弾性及び/又は可撓性を確保することができる。
【0009】
有利には、カンチレバーアームは、単一の接続要素のみを介してストローク構造に接続される。有利には、実質上全ての利用可能な設置空間を1つの接続要素に使用できるため、このようにして接続要素を非常に堅固にすることができる。
【0010】
ストローク構造は、単一部品又は多部品の構造として形成することができる。多部品のストローク構造である場合、ストローク構造の少なくとも2つの部品は、相互に直接的に接続されてもよい。代替的に、少なくとも2つの部品は、それらの間に配置された追加の要素を介して相互に間接的に接続されてもよい。追加の要素は、例えば、ダイヤフラム、特にダイヤフラムの補強要素、又はストローク構造の2つの部品の間に延在する追加の結合要素であってもよい。ストローク構造の少なくとも2つの部品の間の接続は、固定接続であってもよく、可動接続であってもよい。
【0011】
有利には、接続要素の2つの対向する長手方向辺及び/又は接続要素の基本形状は、ストローク構造の方向に台形状で先細になっている。
【0012】
同様に有利には、接続要素は、少なくとも1つのカンチレバー部分を有し、少なくとも1つのカンチレバー部分において、接続要素は、接続要素の2つの長手方向辺のうちの1つに向かって接続要素の横方向に延在し、及び/又は接続要素の横方向に外向きに突出する、少なくとも1つのカンチレバーを有する。
【0013】
有利には、少なくとも1つのカンチレバーは、接続要素の縦軸に対して垂直に配向される。追加的又は代替的に、有利には、カンチレバーの2つの対向する長手方向辺は、接続要素の横軸に平行に延在する。
【0014】
更に、有利には、少なくとも1つのカンチレバーの自由カンチレバー端は、ストローク構造の方向に面取りされる。その結果、接続要素は、カンチレバー部分の領域でストローク構造の方向に先細になる。
【0015】
また有利には、カンチレバー部分は、互いに対向して位置する2つのカンチレバーを含み、好ましくは、第1のカンチレバーは、接続要素の第1の長手方向辺に向かって延在し、第2のカンチレバーは、接続要素の第2の長手方向辺に向かって延在する。
【0016】
また有利には、接続要素は、その縦中心軸に関して軸対称である。
【0017】
また有利には、少なくとも1つの凹部は、ストローク軸の方向に接続要素を完全に貫通して延在する。その結果、凹部は、互いに対向して位置する2つの開口部を有し、そのうちの1つの開口部は、接続要素の上側に位置し、もう1つの開口部は、接続要素の下側に位置する。追加的又は代替的に、有利には、少なくとも1つの凹部は、その周方向にリング状に閉じられる。
【0018】
また有利には、凹部は、接続要素の横方向に延在する横スリットとして形成される。好ましくは、横スリットは、接続要素の縦中心軸に対して垂直に配置される。
【0019】
更に、有利には、少なくとも1つの凹部は、少なくとも1つのカンチレバー部分に配置され、凹部は、好ましくは、第1のカンチレバー及び/又は第2のカンチレバー内に延在する。
【0020】
有利には、接続要素は、特に、カンチレバーアームの横方向に延在する好ましくは単一の第1の接触領域内においてのみ、カンチレバーアームに接続される。最先端の技術から知られているデバイスに関しては、高い荷重の下では、接点が非常に破損しやすいことが示されている。これに対して、より広い範囲にわたって延在する接触領域は、より高い圧縮強度を有する。
【0021】
また有利には、カンチレバーアームは、MEMSユニットのキャリア、特にキャリア基板に取り付けられ、キャリアとは反対側を向く自由カンチレバーアーム端を有する。
【0022】
有利には、第1の接触領域は、自由カンチレバーアーム端に配置され、及び/又は、カンチレバーアームの横方向に自由カンチレバーアーム端より狭い。
【0023】
また有利には、接続要素は、特に、カンチレバーアームの横方向に延在する好ましくは単一の第2の接触領域内においてのみ、ストローク構造に接続される。
【0024】
また有利には、第2の接触領域は、ストローク構造の側壁に配置され、及び/又は、カンチレバーアームの横方向にこの側壁に完全にわたって延在する。
【0025】
更に、有利には、第1の接触領域は、カンチレバーアームの横方向に第2の接触領域より広い。
【0026】
また有利には、接続要素は、少なくとも1つの架橋部分を含み、少なくとも1つの架橋部分は、好ましくは、少なくとも1つのカンチレバー部分を第1の接触領域、第2の接触領域又は隣接する更なるカンチレバー部分に接続する。
【0027】
有利には、少なくとも1つの架橋部分は、接続要素の横方向に中心的に配置され、及び/又は、少なくとも1つのカンチレバー部分より小さい幅を有する。
【0028】
同様に有利には、接続要素は、接続要素の長手方向に互いに間隔をおいて配置された複数の架橋部分を含む。これに関して、更に有利には、架橋部分は、ストローク構造までの距離が減少するにつれて、互いに小さくなる幅を有し、カンチレバーアーム側の架橋部分は、好ましくは、接続要素の横方向にストローク構造側の架橋部分より大きい幅を有する。
【0029】
また有利には、接続要素は、モミの木のような基本形状を有する。
【0030】
また有利には、接続要素は、接続要素の長手方向に互いに間隔をおいて配置された複数のカンチレバー部分を含み、そのうちの少なくとも1つのカンチレバー部分は、先行する記載に従って設計され、前述した特徴は、個別に存在してもよく、任意の組み合わせで存在してもよい。
【0031】
同様に有利には、カンチレバー部分は、ストローク構造までの距離が減少するにつれて、互いに小さくなる幅を有し、カンチレバーアーム側のカンチレバー部分は、好ましくは、接続要素の横方向にストローク構造側のカンチレバー部分より大きい幅を有する。
【0032】
有利には、接続要素の長手方向に互いに隣接する少なくとも2つのカンチレバー部分の自由カンチレバー端は、互いに一直線になっている。
【0033】
更に、有利には、接続要素、特に架橋部分において、接続要素の2つの長手方向辺のうちの一方から接続要素内に延在する少なくとも1つの横方向切り口を有する。
【0034】
同様に有利には、第1の接触領域において、接続要素のカンチレバー部分又は架橋部分は、自由カンチレバーアーム端に接続される。追加的又は代替的に、接続要素のカンチレバー部分又は架橋部分は、第2の接触領域でストローク構造に接続される。
【0035】
有利には、カンチレバーアームは、弾性キャリア層及び/又は少なくとも1つの圧電層を有する。
【0036】
カンチレバーアームのキャリア層、接続要素及びストローク構造のストローク構造ベース、特に、ダイヤフラムとは反対側を向くストローク構造端面の領域は、共通の、特にモノリシック層によって形成される場合、非常に経済的な製造が可能になる。
【0037】
更に、有利には、カンチレバーアームは、ストローク構造の方向に先細になる台形状を有する。追加的又は代替的に、有利には、接続要素は、ストローク構造の方向にこの台形状を継続する。
【0038】
有利には、MEMSユニットは、複数のカンチレバーアーム、特に6つのカンチレバーアームを有し、それぞれのカンチレバーアームが、好ましくは単一の接続要素を介してストローク構造に接続され、接続要素は、好ましくは、先行する記載に従って設計され、前述した特徴は、個別に存在してもよく、任意の組み合わせで存在してもよい。
【0039】
また有利には、接続要素は、ストローク構造の方向に少なくとも1つの部分で狭くなり、及び/又は広くなり、及び/又は、接続要素は、少なくとも1つの凹部を有する。
【0040】
本発明は、MEMSユニットに関し、特に、先行する記載に係るMEMSデバイス用のMEMSユニットに関し、MEMSユニットは、ダイヤフラムのストローク運動を生成及び/又は検出する少なくとも1つの、特に圧電カンチレバーアームと、意図どおりの使用時にダイヤフラムに接続されるストローク構造と、カンチレバーアームをストローク構造に移動可能に接続する接続要素と、を有する。有利には、接続要素は、ストローク構造の方向に少なくとも1つの部分で狭くなり、及び/又は広くなる。追加的又は代替的に、有利には、接続要素は、少なくとも1つの凹部を有する。
【0041】
有利には、MEMSユニットは、上記MEMSデバイスのMEMSユニットに従って設計され、前述した特徴は、個別に存在してもよく、任意の組み合わせで存在してもよい。
【0042】
本発明は、先行する記載に係るMEMSデバイスにおける先行する記載に係るMEMSユニットの使用に関し、前述した特徴は、個別に存在してもよく、任意の組み合わせで存在してもよい。
【0043】
本発明は、電子機器に関し、特にヘッドホン、眼鏡、携帯電話、タブレット及び/又はウェアラブルデバイスに関し、該電子機器は、先行する記載に係るMEMSデバイスを含み、前述した特徴は、個別に存在してもよく、任意の組み合わせで存在してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
本発明の更なる利点について、以下の例示的な実施形態において説明する。
【0045】
【
図1】
図1は、MEMSユニットを備えたMEMSデバイスの断面図を示す。
【
図2】
図2は、
図1に示すMEMSデバイスのMEMSユニットの上面図を示す。
【
図3】
図3は、
図2に示すMEMSユニットの接続要素及びストローク構造を備えた単一のカンチレバーアームの切り欠き詳細図を示す。
【
図4】
図4は、
図2に示すMEMSユニットのストローク構造及び接続要素の領域における非切り欠き詳細図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1~4は、本発明の、複数のカンチレバーアーム8を有する例示的な一実施形態を示す。代替的に、装置は、カンチレバーアーム8を1つのみ有してもよく、以下の説明は、同様である。
【0047】
図1は、MEMSデバイス1、特に音を生成及び/又は検出するためのMEMSデバイス1の断面図を示す。MEMSデバイス1は、特に、可聴音及び/又は超音波を生成及び/又は検出することができる。MEMSデバイス1は、好ましくは、MEMSスピーカー、MEMSマイクロフォン及び/又はMEMSセンサーである。MEMSデバイス1は、電子機器(図示せず)用である。電子機器は、好ましくは、頭又は体に装着できるように設計され得る。特に、電子機器は、ヘッドホン、眼鏡、ヘルメット、ヘッドバンド、携帯電話、タブレット、時計又はブレスレットである。また一方、代替的に、電子機器はまた、例えば車両などの他の装置に設置できるように設計され得る。
【0048】
図1に示すように、MEMSデバイス1は、ストローク軸3に沿って偏向が可能なダイヤフラム2を含む。ダイヤフラム2は、エッジ領域がダイヤフラムキャリア5に固定された弾性ダイヤフラム層4を含む。更に、ダイヤフラム2は、ダイヤフラム層4を介してダイヤフラムキャリア5に間接的に接続された補強要素6を有する。
【0049】
図1に示すMEMSデバイス1はまた、MEMSユニット7を含む。MEMSユニット7は、カンチレバーアーム8、特に圧電カンチレバーアーム8を含み、該カンチレバーアームにより、ダイヤフラム2のストローク軸3に沿ったストローク運動は、生成及び/又は検出することができる。「カンチレバーアーム」は、片側が取り付けられるとともに、偏向可能な自由端を有する可撓性のある要素であると考えられる。更に、MEMSユニット7は、少なくとも1つのカンチレバーアーム8が取り付けられたキャリア10、特にキャリア基板を含む。その結果、カンチレバーアーム8は、自由カンチレバーアーム端11を有し、該自由カンチレバーアーム端11は、キャリア10から離れ、ストローク軸3に沿って偏向することができる。
【0050】
少なくとも1つのカンチレバーアーム8は、ダイヤフラム2との間にキャビティ9が形成されるように、ストローク軸3に沿ってダイヤフラム2から間隔をおいて配置される。この場合、キャビティ9の少なくとも一部は、キャリア10に形成されるか又はキャリア10によって区切られる。
【0051】
図1から明らかなように、MEMSユニット7はまた、少なくとも一部がキャビティ9内に配置されたストローク構造12を含む。ストローク構造12は、ダイヤフラム2に接続される。この例示的な実施形態によれば、ストローク構造12は、この目的のために、接着剤13によってダイヤフラム2の補強要素6に接着される。ストローク構造12及びキャリア10は、製造上の理由により、好ましくは、同じ材料、具体的にはシリコンから形成される。ストローク構造12は、単一部品又は多部品の構造として形成することができる。多部品のストローク構造12である場合、ストローク構造12の少なくとも2つの部品は、相互に直接的に接続されてもよい。代替的に、少なくとも2つの部品は、それらの間に配置された追加の要素を介して相互に間接的に接続されてもよい。追加の要素は、例えば、ダイヤフラム2、特にダイヤフラム2の補強要素6、又はストローク構造12の2つの部品の間に延在する追加の結合要素(図示せず)であってもよい。ストローク構造12の少なくとも2つの部品の間の接続は、固定接続であってもよく、可動接続であってもよい。
【0052】
少なくとも1つのカンチレバーアーム8は、接続要素14を介してストローク構造12に間接的に移動可能に接続される。この接続要素14の設計は、以下の
図2、3及び4に詳細に示され説明される。意図どおりの使用時に、自由カンチレバーアーム端11は、ストローク軸3の方向に偏向する。自由カンチレバーアーム端11のこの湾曲した偏向中にストローク構造12及び/又はダイヤフラム2が傾斜することを避けるために、カンチレバーアーム8は、その自由カンチレバーアーム端11の領域で接続要素14を介してストローク構造12に間接的に接続される。この目的のために、接続要素14は、弾性及び/又は可撓性がある。
【0053】
カンチレバーアーム8の自由カンチレバーアーム端11は、第1の接触領域15で接続要素14に接続される。更に、ストローク構造12は、第2の接触領域16で接続要素14に接続される。特に、
図1から明らかなように、接続要素14は、ストローク構造12の1つの側壁17に接続される。
【0054】
カンチレバーアーム8は、多層構造である。このような多層構造は、弾性キャリア層18を含む。更に、カンチレバーアーム8は、圧電層19を有する。圧電層19は、2つの電子層(図示せず)の間に配置される。圧電層19は、
図1に示すように、キャリア層18の下に位置してもよい。また一方、代替的に、圧電層19は、示されるキャリア層18上に配置されてもよい。
【0055】
この例示的な実施形態では、MEMSユニット7は、それぞれが単一の接続要素14を介してストローク構造12に接続された複数のカンチレバーアーム8を有する。明確にするために、これらのカンチレバーアーム8のうち、それに対応する接続要素14を含む1つのみに、全ての参照符号を付している。経済的かつ迅速な製造を保証できるようにするために、有利には、カンチレバーアーム8のキャリア層18、接続要素14及びストローク構造12のストローク構造ベース20は、共通、特にモノリシック層によって形成される。ストローク構造ベース20は、好ましくは、ダイヤフラム2とは反対側を向くストローク構造端面21の領域に配置される。
【0056】
図1に示すように、MEMSデバイス1はまた、MEMSユニット7が配置された回路基板22を含む。回路基板22は、MEMSユニット7におけるキャビティ9に隣接する回路基板キャビティ23を有する。その結果、MEMSユニット7におけるキャビティ9と、回路基板キャビティ23とは、MEMSデバイス1内に共通の音響キャビティを形成する。カンチレバーアーム8及びストローク構造12は、ストローク軸3に沿って回路基板キャビティ23内に移動することができる。MEMSユニット7に加えて、ダイヤフラムキャリア5も回路基板22に固定される。
【0057】
図2は、MEMSユニット7の上面図を示す。この図では、キャリア10は、閉じられたリング及び/又は多角形リングとして形成されることが明らかである。カンチレバーアーム8は、円周方向に分散して半径方向に内向きに延在するようにキャリア10に配置される。ストローク構造12は、中央に配置される。ストローク構造12は、キャリア10に対応する形状、具体的にはこの場合、多角形の形状を有する。その結果、ストローク構造12は、それぞれがカンチレバーアーム8の1つに関連付けられた複数の側壁17を有する。カンチレバーアーム8は、ストローク構造12の方向に先細になる台形状を有する。この台形状は、ストローク構造12の方向に関連付けられた接続要素14によって継続されるため、接続要素14も台形の基本形状を有する。
【0058】
図3は、MEMSデバイス1のMEMSユニット7(
図2に示す)の1つのカンチレバーアーム8の自由カンチレバーアーム端11の領域における切り欠き詳細図を示す。単一のカンチレバーアーム8のみを有するように設計された例示的な実施形態も同様に設計されてもよい。上述したように、カンチレバーアーム8の自由カンチレバーアーム端11は、接続要素14を介してストローク構造12に移動可能に接続される。
図3から明らかなように、カンチレバーアーム8は、単一の接続要素14のみを介してストローク構造12に接続される。したがって、有利には、この単一の接続要素14に利用可能な設置空間を可能な限り最良の方法で利用できる。
【0059】
図3に示す上面図に示すように、接続要素14は、少なくとも1つの領域でストローク構造12の方向に狭くなる。更に、接続要素14は、少なくとも1つの領域で広くなる。接続要素14が適切に広くなることにより、特に高い荷重を受ける領域を強化することができる。追加的に、接続要素14の弾性及び/又は可撓性を向上させるために、荷重の低下にさらされる領域を狭くしてもよい。
【0060】
更に、接続要素14は、少なくとも1つの凹部24、25を有する。その結果、接続要素14の重量を軽減することができ、それにより、接続要素14に作用する力を小さくすることができる。更に、接続要素14の弾性及び/又は可撓性は、凹部24、25が配置された接続要素14の領域で向上することができる。その結果、例えば、接続要素14の領域は、広くなることによってより堅固にすることができる。適切な凹部24、25によって、この領域に必要な弾性及び/又は可撓性を同時に確保することができる。
【0061】
少なくとも1つの凹部24、25は、ストローク軸3の方向に接続要素14を完全に貫通して延在する。その結果、凹部24、25は、接続要素14の対向する両側に配置された2つの開口部を有する。更に、少なくとも1つの凹部24、25は、その長手方向にリング状に閉じられる。その結果、非常に高い安定性を確保することができる。この例示的な実施形態によれば、凹部24、25は、接続要素14の横方向に延在する横スリットとして形成される。
【0062】
図3に示す上面図に示すように、接続要素14の2つの対向する長手方向辺26、27は、ストローク構造12の方向に先細になる。接続要素14は、単一の第1の接触領域15においてのみ、カンチレバーアーム8に接続される。第1の接触領域15は、自由カンチレバーアーム端11に配置される。
図3から明らかなように、第1の接触領域15は、カンチレバーアーム8の横方向に自由カンチレバーアーム端11より狭い。
【0063】
図3に示す接続要素14は、単一の第2の接触領域16においてのみ、ストローク構造12に接続される。第2の接触領域16は、カンチレバーアーム8の横方向に延在する。第2の接触領域16は、上述したように、ストローク構造12の1つの側壁17に形成される。可能な限り堅固な接続を確保するために、第2の接触領域16は、
図3に示すように、ストローク構造12の対応する側壁17の幅の半分以上にわたって延在する。第1の接触領域15は、カンチレバーアーム8の横方向に第2の接触領域16より広い。
【0064】
図3に示すように、接続要素14は、少なくとも1つのカンチレバー部分28、29、30を有し、この例示的な実施形態における接続要素14は、3つのカンチレバー部分28、29、30を有する。これらの少なくとも1つのカンチレバー部分28、29、30では、接続要素14は、少なくとも1つのカンチレバー31、32を有する。少なくとも1つのカンチレバー31、32は、接続要素14の2つの長手方向辺26、27のうちの1つに向かって接続要素14の横方向に延在する。その結果、少なくとも1つのカンチレバー31、32は、接続要素14の横方向に外向きに突出する。少なくとも1つのカンチレバー31、32は、接続要素14の縦軸に対して垂直に配向される。
図3に示す上面図に示すように、カンチレバー31、32は、2つの対向する長手方向辺33、34を有する。少なくとも1つのカンチレバー31、32の2つの長手方向辺33、34は、互いに平行に配向され、及び/又は接続要素14の横軸に平行に延在する。少なくとも1つのカンチレバー31、32は、自由カンチレバー端35を有する。少なくとも1つのカンチレバー31、32の自由カンチレバー端35は、面取りされる。面取り部は、設計されるため、接続要素14は、ストローク構造12の方向に先細になる。更に、面取り部は、カンチレバーアーム8の1つの長手方向辺36、37と一直線になっている。
【0065】
この例示的な実施形態では、少なくとも1つのカンチレバー部分28、29、30は、2つの対向するカンチレバー31、32を有する。第1のカンチレバー31は、接続要素14の第1の長手方向辺26に向かって横方向に延在する。第2のカンチレバー32は、第1のカンチレバー31と対向して配向される。したがって、第2のカンチレバー32は、接続要素14の第2の長手方向辺27に向かって延在する。
【0066】
特に、
図3から明らかなように、少なくとも1つの凹部24、25は、少なくとも1つのカンチレバー部分28、29内に配置される。カンチレバー部分28、29に関連付けられた凹部24、25は、カンチレバー部分28、29の第1のカンチレバー31及び第2のカンチレバー32内に延在する。有利には、少なくとも1つのカンチレバー部分28、29は、閉じられたリングとして形成される。
【0067】
図3に示す例示的な実施形態では、接続要素14は、先行する記載に従って設計された第1のカンチレバー部分28及び第2のカンチレバー部分29を含む。したがって、第1のカンチレバー部分28及び第2のカンチレバー部分29は、それぞれ、2つの対向するカンチレバー31、32を有する。また、第1のカンチレバー部分28は、第1の凹部24を有し、第2のカンチレバー部分29は、第2の凹部25を有する。カンチレバーアーム側のカンチレバー部分28は、ストローク構造側のカンチレバー部分29より大きい横方向幅を有する。その結果、カンチレバー部分28、29、30は、自由カンチレバーアーム端11からの距離が増加するにつれて小さくなる幅を有する。また、
図3から明らかなように、第1のカンチレバー部分28及び第2のカンチレバー部分29の自由カンチレバー端35は、互いに一直線になっている。更に、これらの自由カンチレバー端35は、カンチレバーアーム8の関連付けられた長手方向辺36、37とも一直線になっている。その結果、接続要素14の2つのカンチレバー部分28、29とカンチレバーアーム8の長手方向辺36、37は、ストローク構造12の方向に先細になる台形の基本形状を有する。
【0068】
更に、
図3に示す例示的な実施形態によれば、接続要素14は、第3のカンチレバー部分30を有する。この第3のカンチレバー部分30も、それぞれが接続要素14の2つの長手方向辺26、27の1つに向かって延在する2つのカンチレバー31、32を有する。しかしながら、第1のカンチレバー部分28及び第2のカンチレバー部分29とは対照的に、第3のカンチレバー部分30はストローク構造12の方向に広くなる。この場合、第2の接触領域16が第3のカンチレバー部分30とストローク構造12との間に形成されるので、結果として第2の接触領域16の幅を非常に大きくすることができる。ストローク構造12に隣接する第3のカンチレバー部分30と他のカンチレバー部分28、29とのまた別の違いは、第3のカンチレバー部分30が凹部を有さず、表面全体にわたって閉じられることである。結果として、ストローク構造12に直接的に隣接する第3のカンチレバー部分30の安定性も向上することができる。
【0069】
図3に示すように、接続要素14は、少なくとも1つの架橋部分38、39、40を有する。この少なくとも1つの架橋部分38、39、40は、カンチレバー部分28、29、30のうちの1つをカンチレバーアーム側の第1の接触領域15、又は長手方向に隣接するカンチレバー部分28、29、30に接続する。少なくとも1つの架橋部分38、39、40は、接続要素14の横方向に中心的に配置される。更に、少なくとも1つの架橋部分38、39、40は、少なくとも1つの隣接するカンチレバー部分28、29、30より小さい幅を有する。少なくとも1つの架橋部分38、39、40は、好ましくは、凹状に湾曲した長手方向辺を有する。
【0070】
図3に示す例示的な実施形態では、接続要素14は、横方向切り口41を有する。横方向切り口41は、接続要素14の2つの長手方向辺26、27のうちの1つから接続要素14内に延在する。切り口41は、接続要素14の長手方向に架橋部分38、39、40の領域に配置される。したがって、架橋部分38、39、40は、それぞれ、その2つの長手方向辺に隣接する切り口41を有する。
【0071】
この例示的な実施形態では、接続要素14は、接続要素14の長手方向に自由カンチレバーアーム端11と第1のカンチレバー部分28との間に配置された第1の架橋部分38を有する。したがって、接続要素14は、第1の架橋部分38を介して自由カンチレバーアーム端11に接続される。その結果、第1の接触領域15は、自由カンチレバーアーム端11と第1の架橋部分38との間に形成される。第1の架橋部分38は、接続要素14の横方向に自由カンチレバーアーム端11より小さい幅を有する。
【0072】
第2の架橋部分39は、第1のカンチレバー部分28と第2のカンチレバー部分29との間に形成される。その結果、第1のカンチレバー部分28と第2のカンチレバー部分29は、接続要素14の長手方向に互いに間隔をおいて配置され、第2の架橋部分39を介して互いに接続される。第2の架橋部分39は、ストローク構造12により近く、接続要素14の横方向に第1の架橋部分38より小さい幅を有する。更に、接続要素14は、第3の架橋部分40を有する。第3の架橋部分40は、接続要素14の長手方向に第2のカンチレバー部分29と第3のカンチレバー部分30との間に配置される。その結果、第2のカンチレバー部分29も、接続要素14の長手方向に第3のカンチレバー部分30から間隔をおいて配置され、第3の架橋部分40を介して第3のカンチレバー部分30に接続される。第3の架橋部分40は、接続要素14の横方向に第2の架橋部分39より小さい幅を有する。したがって、架橋部分38、39、40の幅は、自由カンチレバーアーム端11からの距離が増加するにつれて減少する。
【0073】
したがって、要約すると、接続要素14の幅は、架橋部分38、39、40において繰り返して減少し、カンチレバー部分28、29、30において増加することが実証される。その結果、接続要素14は、接続要素14の長手方向にストローク構造12の方向に先細になることが好ましいモミの木の基本形状を有する。
【0074】
図4は、それぞれの接続要素14を介してカンチレバーアーム8に接続された、
図2に示すMEMSユニット7のストローク構造12の領域における非切り欠き詳細図を示す。示す上面図から明らかなように、接続要素14は、関連付けられたカンチレバーアーム8と共に、この場合に六角形である中央ストローク構造12から星形で半径方向に外向きに延在する。カンチレバーアーム8のそれぞれには、単一の接続要素14のみが関連付けられる。更に、各接続要素14は、関連付けられたカンチレバーアーム8に対して単一の第1の接触領域15のみを有する。同様に、各接続要素14は、ストローク構造12に対して単一の第2の接触領域16のみを有する。接続要素14及びカンチレバーアーム8は、隣接する接続要素14及び隣接するカンチレバーアーム8との間に接続がないように、スリット42を介して隣接する接続要素14及び隣接するカンチレバーアーム8から間隔をおいて配置される。
【0075】
本発明は、示され説明された例示的な実施形態に限定されない。特許請求の範囲内での変形は、たとえそれらが異なる例示的な実施形態で示され説明されていても可能であり、特徴の組み合わせも同様である。
【符号の説明】
【0076】
1 MEMSデバイス
2 ダイヤフラム
3 ストローク軸
4 ダイヤフラム層
5 ダイヤフラムキャリア
6 補強要素
7 MEMSユニット
8 カンチレバーアーム
9 キャビティ
10 キャリア
11 自由カンチレバーアーム端
12 ストローク構造
13 接着剤
14 接続要素
15 第1の接触領域
16 第2の接触領域
17 ストローク構造の側壁
18 キャリア層
19 圧電層
20 ストローク構造ベース
21 ストローク構造端面
22 回路基板
23 回路基板キャビティ
24 第1の凹部
25 第2の凹部
26 接続要素の第1の長手方向辺
27 接続要素の第2の長手方向辺
28 第1のカンチレバー部分
29 第2のカンチレバー部分
30 第3のカンチレバー部分
31 第1のカンチレバー
32 第2のカンチレバー
33 カンチレバーの第1の長手方向辺
34 カンチレバーの第2の長手方向辺
35 カンチレバー端
36 カンチレバーアームの第1の長手方向辺
37 カンチレバーアームの第2の長手方向辺
38 第1の架橋部分
39 第2の架橋部分
40 第3の架橋部分
41 切り口
42 スリット
【外国語明細書】