(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091600
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】多重電力オフセットに関するチャネル状態情報の報告を行う動作方法及びそのシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 24/10 20090101AFI20240627BHJP
H04W 72/54 20230101ALI20240627BHJP
H04W 52/18 20090101ALI20240627BHJP
【FI】
H04W24/10
H04W72/54
H04W52/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023216857
(22)【出願日】2023-12-22
(31)【優先権主張番号】63/434,616
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/517,451
(32)【優先日】2023-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】胡 亮
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ジーン マーク ミシェル サルトーリ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA43
5K067DD25
5K067EE02
5K067EE10
5K067GG08
(57)【要約】
【課題】多重電力オフセットに関するチャネル状態情報の報告を行う動作方法及びそのシステムを提供する。
【解決手段】本発明の電子装置の動作方法は、電子装置が、複数の電力オフセッの各々に基づいてCSI(channel state information)測定を生成する段階と、電子装置が、基地局にCSI報告を介してCSI測定を伝送する段階と、電子装置が、基地局から複数の電力オフセットのうちの特定の電力オフセットに対応するチャネル状態のインディケーションを受信する段階と、チャネル状態のインディケーションに基づいてPDSCH(physical downlink shared channel)を受信するために1以上の特定のリソースを使用する段階と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子装置の動作方法であって、
前記電子装置が、複数の電力オフセットの各々に基づいてCSI(channel state information)測定を生成する段階と、
前記電子装置が、基地局にCSI報告を介して前記CSI測定を伝送する段階と、
前記電子装置が、前記基地局から前記複数の電力オフセットのうちの特定の電力オフセットに対応するチャネル状態のインディケーションを受信する段階と、
前記チャネル状態のインディケーションに基づいてPDSCH(physical downlink shared channel)を受信するために1以上の特定のリソースを使用する段階と、を有することを特徴とする動作方法。
【請求項2】
前記チャネル状態のインディケーションは、前記電子装置を含む複数の異なる電子装置に伝送されるメッセージを介して受信されることを特徴とする請求項1に記載の動作方法。
【請求項3】
前記複数の電力オフセットは、SSB(synchronization signal block)とPDSCHとの間の電力オフセットを含むことを特徴とする請求項1に記載の動作方法。
【請求項4】
前記複数の電力オフセットは、SSB(synchronization signal block)とCSI-RS(CSI reference signal)との間の電力オフセットを含むことを特徴とする請求項1に記載の動作方法。
【請求項5】
前記基地局から前記SSBと前記CSI-RSとの間のオフセットの変更を示すデータを受信する段階と、
前記基地局から前記SSBと前記CSI-RSとの間のオフセットの変更を示すデータを受信することに応答して前記CSI測定の生成を行う段階と、を更に含むことを特徴とする請求項4に記載の動作方法。
【請求項6】
前記電子装置が、前記基地局から前記複数の電力オフセットを識別するデータを受信する段階と、
前記複数の電力オフセットを識別するデータを受信することに応答して前記CSI測定の生成を行う段階と、を更に含み、
前記複数の電力オフセットを識別するデータは、第1 DCI(downlink control information)メッセージを介して受信され、
前記特定の電力オフセットに対応するチャネル状態のインディケーションは、第2 DCIメッセージを介して受信されることを特徴とする請求項1に記載の動作方法。
【請求項7】
前記電子装置は、前記複数の電力オフセットによって事前構成(pre-configured)され、
前記複数の電力オフセットを識別するデータは、前記複数の電力オフセットのうちから選択されるオフセットを含むことを特徴とする請求項6に記載の動作方法。
【請求項8】
1以上の事前構成された条件が満たされたか否かを判断する段階と、
前記1以上の事前構成された条件が満たされたと判断することに応答して、前記複数の電力オフセットの各々に基づいてCSIの生成を行う段階と、を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の動作方法。
【請求項9】
前記1以上の事前構成された条件は、臨界値以下に下降する(falling)CSI-RSとPDSCHとの間の既存の電力オフセットを有する既存のCSI-RSリソース構成に基づく処理量を含むことを特徴とする請求項8に記載の動作方法。
【請求項10】
前記1以上の事前構成された条件は、臨界値以下に下降するSINR(signal to interference and noise ratio)を含むことを特徴とする請求項8に記載の動作方法。
【請求項11】
前記PDSCHを受信するために使用される前記1以上の特定のリソースは、前記基地局によってスケジューリングされる周波数ドメイン、時間ドメイン、又は電力ドメインの物理リソースを含むことを特徴とする請求項1に記載の動作方法。
【請求項12】
電子装置を含むシステムであって、
1以上のプロセッサと、
インストラクションを保存するメモリと、を備え、
前記インストラクションが前記1以上のプロセッサによって実行されると、前記1以上のプロセッサは、
前記電子装置で、複数の電力オフセットの各々に基づいてCSI測定を生成し、
前記電子装置から基地局にCSI報告を介して前記CSI測定を伝送し、
前記電子装置で、前記基地局から前記複数の電力オフセットのうちの特定の電力オフセットに対応するチャネル状態のインディケーションを受信し、
前記チャネル状態のインディケーションに基づいてPDSCHを受信するために1以上の特定のリソースを使用するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項13】
前記チャネル状態のインディケーションは、前記電子装置を含む複数の異なる電子装置に伝送されるメッセージを介して受信されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の電力オフセットは、CSI-RSとPDSCHとの間の1以上の電力オフセット、又はSSBとCSI-RSとの間の電力オフセットを含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の電力オフセットは、SSBとCSI-RSとの間の電力オフセットを含み、
前記インストラクションが前記1以上のプロセッサによって実行されると、前記1以上のプロセッサは、
前記基地局から前記SSBと前記CSI-RSとの間のオフセットの変更を示すデータを受信し、
前記基地局から前記SSBと前記CSI-RSとの間のオフセットの変更を示すデータを受信することに応答して前記CSI測定の生成を行うように更に構成されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記インストラクションが前記1以上のプロセッサによって実行されると、前記1以上のプロセッサは、
前記電子装置で、前記基地局から前記複数の電力オフセットを識別するデータを受信し、
前記複数の電力オフセットを識別するデータを受信することに応答して前記CSI測定の生成を行うように更に構成され、
前記複数の電力オフセットを識別するデータは、第1 DCIメッセージを介して受信され、
前記特定の電力オフセットに対応するチャネル状態のインディケーションは、第2 DCIメッセージを介して受信されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記電子装置は、前記複数の電力オフセットによって事前構成され、
前記複数の電力オフセットを識別するデータは、前記複数の電力オフセットのうちから選択されるオフセットを含むことを特徴とする請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記インストラクションが前記1以上のプロセッサによって実行されると、前記1以上のプロセッサは、
1以上の事前構成された条件が満たされたか否かを判断し、
前記1以上の事前構成された条件が満たされたと判断することに応答して、前記複数の電力オフセットの各々に基づいてCSI生成を行うように更に構成されることを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記1以上の事前構成された条件は、臨界値以下に下降するCSI-RSとPDSCHとの間の既存の電力オフセットを有する既存のCSI-RSリソース構成に基づく処理量、又は臨界値以下に下降するSINRのうちの1以上を含むことを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記PDSCHを受信するために使用される前記1以上の特定のリソースは、前記基地局によってスケジューリングされる周波数ドメイン、時間ドメイン、又は電力ドメインの物理リソースを含むことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムに関し、より詳細には、動的な電力調整のためのCSI(channel state information)報告を改善する多重電力オフセットに関するチャネル状態情報の報告を行う動作方法及びそのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
セルラシステムのデータ需要が増大することにより、ネットワークの電力消費は、絶え間なく増加しており、配布されたネットワーク(deployed network)の運用コストの殆どを占める。ネットワークコストが増加することにより、3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)は、ネットワーク側における電力消費を減らす方案が要求されている。
【0003】
現在、DL(downlink)伝送電力は、一般的にセル内位置に関係なく、セルの全てのUE(user equipment)毎にgNB(gNodeB)によって固定される。セルセンターにあるUEの場合、選択されたMCSが最も高くあるように、一般的にUEが遭遇するSINR(signal to interference and noise ratio)は、必要なところよりも高い。そのようなシナリオでカバレージが良好なUEの場合、SINRが低くてもUEが認知する性能に影響を及ぼさないため、エネルギー消費の側面において、特にgNBの伝送電力を減らすことが有用である。しかし、そのような低減は、例えばPDSCH(physical downlink shared channel)の伝送電力がUEのチャネル品質により動的に変更されることを意味する。
【0004】
PDSCH電力レベルを動的に変更する時に発生する1つの問題は、現在のPDSCHとCSI-RS(channel state information-reference signal)との間の電力オフセットがRRC(radio resource control)信号を介してUEに通報されることである。従って、現在の標準仕様では、PDSCHの送信電力が変更される場合、指示された通りに電力オフセットを維持するために、CSI-RSの電力もそれによって変更されなければならない。しかし、CSI-RSは、様々なUEが共有/使用するため、そのようなユーザの全てのPDSCHの電力が同時に変更される。
【0005】
セルエッジにあるUEは、許容可能なSINRを維持するために更に高い電力が必要であるため、全てのPDSCHの電力を同時に変更することは、望ましい選択ではない。従って、gNBがCSI-RSの伝送に影響を与えずにPDSCHの電力を動的に変更することができるメカニズムが要求される。
【0006】
PDSCHとCSIとの間の電力オフセットを修正すると、UEのCSIフィードバックに影響を及ぼすが、それはUEが報告するCSIフィードバックがCSI-RSで推定されるチャネルと、CSI-RSとPDSCHとの間に構成された電力オフセットと、を基盤とするためである。CSIフィードバックには、CQI(channel quality indicator)、L1-RSRP(reference signal received power)だけではなく、RI(rank indicator)及びPMI(precoding matrix indicator)も含まれる。不正確な電力オフセットは不正確なCSIフィードバックを招き、gNBは、チャネル情報を知ることができないため、CSI-RSとPDSCHとの間の電力オフセットが変更されることを知っていても、補償することができないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、多重電力オフセットに関するチャネル状態情報の報告を行う動作方法及びそのシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による電子装置の動作方法は、前記電子装置(UE)が、複数の電力オフセットの各々に基づいてCSI(channel state information)測定を生成する段階と、前記電子装置が、基地局にCSI報告を介して前記CSI測定を伝送する段階と、前記電子装置が、前記基地局から前記複数の電力オフセットのうちの特定の電力オフセットに対応するチャネル状態のインディケーションを受信する段階と、前記チャネル状態のインディケーションに基づいてPDSCH(physical downlink shared channel)を受信するために1以上の特定のリソースを使用する段階と、を有する。
【0010】
前記チャネル状態のインディケーションは、前記電子装置を含む複数の異なる電子装置に伝送されるメッセージを介して受信され得る。
前記複数の電力オフセットは、SSB(synchronization signal block)とPDSCHとの間の電力オフセットを含み得る。
前記複数の電力オフセットは、SSB(synchronization signal block)とCSI-RS(CSI reference signal)との間の電力オフセットを含み得る。
前記動作方法は、前記基地局から前記SSBと前記CSI-RSとの間のオフセットの変更を示すデータを受信する段階と、前記基地局から前記SSBと前記CSI-RSとの間の前記オフセットの変更を示すデータを受信することに応答して前記CSI測定の生成を行う段階と、を更に含み得る。
前記動作方法は、前記電子装置が、前記基地局から前記複数の電力オフセットを識別するデータを受信する段階と、前記複数の電力オフセットを識別するデータを受信することに応答して前記CSI測定の生成を行う段階と、を更に含み、前記複数の電力オフセットを識別するデータは、第1 DCI(downlink control information)メッセージを介して受信され、前記特定の電力オフセットに対応するチャネル状態のインディケーションは、第2 DCIメッセージを介して受信され得る。
前記電子装置は、前記複数の電力オフセットによって事前構成(pre-configured)され、前記複数の電力オフセットを識別するデータは、前記複数の電力オフセットのうちから選択されるオフセットを含み得る。
前記動作方法は、1以上の事前構成された条件が満たされたか否かを判断する段階と、前記1以上の事前構成された条件が満たされたと判断することに応答して、前記複数の電力オフセットの各々に基づいてCSIの生成を行う段階と、を更に含み得る。
前記1以上の事前構成された条件は、臨界値以下に下降する(falling)CSI-RSとPDSCHとの間の既存の電力オフセットを有する既存のCSI-RSリソース構成に基づく処理量を含み得る。
前記1以上の事前構成された条件は、臨界値以下に下降するSINR(signal to interference and noise ratio)を含み得る。
前記PDSCHを受信するために使用される前記1以上の特定リソースは、前記基地局によってスケジューリングされる周波数ドメイン、時間ドメイン、又は電力ドメインの物理リソースを含み得る。
【0011】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様による電子装置を含むシステムは、1以上のプロセッサと、インストラクションを保存するメモリと、を備え、前記インストラクションが前記1以上のプロセッサによって実行されると、前記1以上のプロセッサは、前記電子装置で、複数の電力オフセットの各々に基づいてCSI測定を生成し、前記電子装置から基地局にCSI報告を介して前記CSI測定を伝送し、前記電子装置で、前記基地局から前記複数の電力オフセットのうちの特定の電力オフセットに対応するチャネル状態のインディケーションを受信し、前記チャネル状態のインディケーションに基づいてPDSCHを受信するために1以上の特定のリソースを使用するように構成される。
【0012】
前記チャネル状態のインディケーションは、前記電子装置を含む複数の異なる電子装置に伝送されるメッセージを介して受信され得る。
前記複数の電力オフセットは、CSI-RSとPDSCHとの間の1以上の電力オフセット、又はSSBとCSI-RSとの間の電力オフセットを含み得る。
前記複数の電力オフセットは、SSBとCSI-RSとの間の電力オフセットを含み、前記インストラクションが前記1以上のプロセッサによって実行されると、前記1以上のプロセッサは、前記基地局から前記SSBと前記CSI-RSとの間のオフセットの変更を示すデータを受信し、前記基地局から前記SSBと前記CSI-RSとの間のオフセットの変更を示すデータを受信することに応答して前記CSI測定の生成を行うように更に構成され得る。
前記インストラクションが前記1以上のプロセッサによって実行されると、前記1以上のプロセッサは、前記電子装置で、前記基地局から前記複数の電力オフセットを識別するデータを受信し、前記複数の電力オフセットを識別するデータを受信することに応答して、前記CSI測定の生成を行うように更に構成され、前記複数の電力オフセットを識別するデータは、第1 DCIメッセージを介して受信され、前記特定の電力オフセットに対応するチャネル状態のインディケーションは、第2 DCIメッセージを介して受信され得る。
前記電子装置は、前記複数の電力オフセットによって事前構成され、前記複数の電力オフセットを識別するデータは、前記複数の電力オフセットのうちから選択されるオフセットを含み得る。
前記インストラクションが前記1以上のプロセッサによって実行されると、前記1以上のプロセッサは、1以上の事前構成された条件が満たされたか否かを判断し、前記1以上の事前構成された条件が満たされたと判断することに応答して、前記複数の電力オフセットの各々に基づいてCSI生成を行うように更に構成され得る。
前記1以上の事前構成された条件は、臨界値以下に下降するCSI-RSとPDSCHとの間の既存の電力オフセットを有する既存のCSI-RSリソースに基づく処理量を含み得る。
前記1以上の事前構成された条件は、臨界値以下に下降するSINRを含み得る。
前記PDSCHを受信するために使用される前記1以上の特定のリソースは、前記基地局によってスケジューリングされる周波数ドメイン、時間ドメイン、又は電力ドメインの物理リソースを含み得る。
【発明の効果】
【0013】
本発明よれば、PDSCHの伝送電力をUEのチャネル品質に応じて動的に変更することで、基地局の伝送電力を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態による通信システムを示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるCSI報告/フィードバック手続きの動作方法を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態による送信電力を低減させるための電力適応体系の例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の一実施形態による信号品質を向上させるための電力適応方式の例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の一実施形態による送信電力を低減させて信号品質を高めるための電力適応方式の例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態によるネットワーク環境内の電子装置のブロックダイアグラムである。
【
図7】本発明の一実施形態による互いに通信するUEとgNBとを含むシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】
以下の詳細な説明では、本発明に関する完全な理解を提供するために、数多くの具体的な細部事項を記載する。しかし、当業者には、そのような特定の細部事項なしに、開示する様相が実施され得るということが理解されるであろう。他の場合、本発明の主題を曖昧にしないために、周知の方法、手続き、構成要素、及び回路は、詳細に説明していない。
【0017】
本明細書全体において、「一実施形態」又は「実施形態」に関する言及は、実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、又は特性が、本明細書に開示する少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。従って、本明細書全般に亘り、様々な箇所で、「一実施形態において」、「実施形態において」、又は「一実施形態によって」(又は、類似する意味を有する他の文言)という文言が出てくるが、必ずしもいずれも同一実施形態を称するものではない。また、特定の特徴、構造、又は特性は、1以上の実施形態において、任意の適切な方式で結合され得る。それに関連し、本明細書で使用する「例示的」という単語は、「例示、事例、又は例示としての役割」を意味する。本明細書において、「例示的」と説明する実施形態は、他の実施形態よりも、必ずしも好まれるか、或いは有利であると解釈されるものではない。また、特定の特徴、構造、又は特性は、1以上の実施形態において、任意の適切な方式で結合され得る。また、本明細書の議論の脈絡により、単数形の用語は、対応する複数形態を含み、複数形の用語は、対応する単数形態を含み得る。同様に、ハイフンで連結された用語(例えば、「二次元(two-dimensional)」、「事前に決定された(pre-determined)」、「ピクセル別(pixel-specific)」など)は、折々ハイフンで連結されない対応するバージョン(例えば、「二次元(two dimensional)」、「事前に決定された(predetermined)」、「ピクセル別(pixel specific)」など)と相互交換的に使用され、大文字で表記する項目(例:「カウンタクロック(Counter Clock)」、「行選択(Row Select)」、「ピィクスアウト(PIXOUT)」など)は、大文字で表記しない該当バージョン(例:「カウンタクロック(counter clock)」、「行選択(row select)」、「ピィクスアウト(pixout)」など)と相互交換的に使用され得る。そのような、折々の相互交換可能な用途は、互いに一致しないとは見なされない。
【0018】
また、本明細書で論議する脈絡により、単数形用語は当該複数形態を含み、複数形用語は当該単数形態を含み得る。また、本明細書に表示して議論される多様な図面(構成も含む)は、例示的な目的にのみ提供され、縮尺によって描かれたものではない。例えば、一部要素の寸法は、明確性のために他の要素に比べて誇張され得る。また、適切であると判断される場合、当該及び/又は類似の要素を示すために、図面間で参照符号が反復される。
【0019】
本明細書に使用する用語は、一部の例示的な実施形態について説明するための目的でしかなく、特許請求の範囲を制限するためのものではない。本明細書で使用する単数形態「a」、「an」、及び「the」は、文脈において、取り立てて明示しない限り、複数形態も含むものとして意図される。本明細書で使用される場合、「含む」及び/又は「含むところの」という用語は、明示する特徴、整数、段階、演算、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1以上の他の特徴、整数、段階、演算、要素、構成要素の存在、又はそれらのグループを排除するものではないことが理解され得る。
【0020】
要素又はレイヤが、他の要素又はレイヤの上にあるか、或いは「連結」されたり「結合」されたりすると言及する場合、当該要素又はレイヤは、他の要素又はレイヤの直接上にあるか、或いは連結されたり結合されたりするか、或いは中間の要素又はレイヤが存在し得るということを理解することができる。反対に、要素が、他の要素又はレイヤの「直接上」にあるか、或いは「直接連結」されたり、「直接結合」されたりすると言及する場合、中間の要素又はレイヤが存在しない。同様の数字は、全体を通して同様の要素を指す。本明細書で使用する「及び/又は」という用語は、列挙された項目のうちの1以上の関連項目の全ての組み合わせを含む。
【0021】
本明細書で使用する「第1」、「第2」のような用語は、それらが先行する名詞のラベルとして使用され、そのように明示的に定義されない限り、いかなる種類の順序付け(例えば、空間的、時間的、論理的など)も意味するものではない。また、同一であったり類似したりする機能を有する部品、構成要素、ブロック、回路、ユニット、又はモジュールを称するために、2以上の図面に同一参照数字を使用し得る。しかし、そのような使用は、単に例示の単純化、及び議論の容易性のためのものであり、そのような構成要素又はユニットの構成、或いはアーキテクチャの細部事項が全ての実施形態において、同一であるか、或いはそのような共通して参照される部品/モジュールが、本明細書に開示する実施形態のうちの一部を具現する唯一の方法であることを意味するものではない。
【0022】
取り立てて定義されない限り、本明細書に使用する全ての用語(技術的及び科学的な用語を含む)は、本発明が属す技術分野において通常の技術者に、一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に使用される事前に定義された用語のような用語は、関連技術の脈絡において、その意味に一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本明細書に明示的にそのように定義されない限り、理想化されたり、過度に形式的であったりする意味に解釈されるものではないという点を更に理解するであろう。
【0023】
本明細書で使用する「モジュール」という用語は、モジュールに関連して本明細書に記述する機能を提供するように構成されたソフトウェア、ファームウェア、及び/又はハードウェアの任意の組み合わせを称し得る。例えば、ソフトウェアは、ソフトウェアパッケージ、コード、及び/又はコマンドセット若しくはコマンドで具現され、本明細書で説明する具現で使用する「ハードウェア」という用語は、例えば、単独、又は任意の組み合わせによって、アセンブリ、有線回路、プログラミング可能回路、状態マシン回路、及び/又はプログラミング可能回路によって実行される命令を保存するファームウェアを含む。モジュールは、集合的又は個別的に更に大きいシステムの一部を構成する回路によって具現され、例えば集積回路(IC)、システムオンチップ(SoC)、アセンブリなどを含むが、それらに限られるものではない。
【0024】
本発明に使用される略語のリスト、及びそれぞれの定義を示すと、下記の通りである。
【0025】
【0026】
図1は、一実施形態による通信システムを示す図である。
【0027】
図1に示したアーキテクチャにおいて、制御経路102は、gNB 104(例:基地局(base station)、第1 UE 106、及び第2 UE 108の間に構築されたネットワークを介して制御情報の伝送を可能にする。データ経路110は、第1 UE 106と第2 UE 108との間のSL(side link)上で、データ(及び、一部制御情報)の伝送を可能にする。制御経路102及びデータ経路110は、同一周波数上又は他の周波数上にある。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態によるCSI報告/フィードバック手続きの動作方法を示す図である。
【0029】
図2を参照すると、段階202において、UEは、複数の電力オフセットを識別する。一実施形態において、複数の電力オフセットは、PDSCH(physical downlink shared channel)とCSI-RS(channel state information-reference signal)との間の異なる電力オフセットを含む。追加するか又は代案として(additionally or alternatively)、電力オフセットは、CSI-RSとSSB(synchronization signal block)との間の電力オフセットを含む。
【0030】
一実施形態において、複数の電力オフセットは、複数の電力オフセットに関するチャネル状態を識別するフィードバックに対するgNBの要請に基づいて決定される。一実施形態において、gNBからの要請は、SSB及び/又はCSIの変更に関するインディケーション(indication)を含む。一実施形態において、gNBからの要請は、値を直接識別し、且つ/或いはUEのために事前構成された1以上の電力オフセットの識別を介して複数の電力オフセットを識別する。例えば、UEは、電力制御オフセット(power control offset)に関する値の集合によって、RRCを介して事前に構成される。上記値は、PDSCH EPRE(energy per resource element)とNZP(non zero power )CSI-RS EPREとの比率で構成される。gNBは、MAC(media access control)-CE(control element)及び/又はDCI(downlink control information)を使用して、CSI測定に使用する電力オフセットをUEにインディケート(Indicate)する。gNBは、様々なUEに影響を及ぼすSSBとCSI-RSとの間のオフセットの変更を検出した場合のように、様々なUEにインディケーションが伝送されるとき、グループ共通(group-common)又はセル共通(cell-common)のシグナリングを利用して、インディケーションを伝送する。
【0031】
一実施形態において、PDSCHのCSI-RSリソースの動的な電力調整の例は、下記の表の通りである。
【0032】
【0033】
一実施形態において、PDSCH及びCSI-RSの動的な電力調整のためのCSI-RSリソースの例は、以下の通りである。
【0034】
【0035】
PDCCH(physical downlink control channel)について、UEに専用の上位階層(dedicated higher layer)パラメータが提供されない場合、UEがSI(system information)-RNTI(radio network temporary identifier)、P(paging)-RNTI、又はRA(random access)-RNTIによってスクランブリングされたCRC(cyclic redundancy check)を有するDCIフォーマット1_0に関するPDCCHをモニタリングするとき、UEは、PDCCH DMRS EPREとSSS(secondary synchronization signal)EPREとの比率が-8[dB]と8[dB]との間以内と仮定する。リンク復旧(link recovery)の場合、PDCCH EPREとNZP CSI-RS EPREとの比率を0[dB]と仮定する。他の場合、PDCCH及びPDCCH DMRSのEPREは、gNBの具現によって運用中である帯域幅についてスケジューリングされたPRB(physical resource block)数によって異なる。
【0036】
一実施形態において、UEは、1以上の事前構成された条件が満たされたという判断に応答して複数の電力オフセットを決定する。例えば、UEは、CSI-RSとPDSCHとの間の既存の電力オフセットを有する既存のCSI-RSリソース構成に基づくSINR(signal to interference and noise ratio)及び/又は処理量(throughput)が第1臨界値以下及び/又は第2臨界値以下に下降するという判断に応答して複数の電力オフセットを決定する。第1臨界値は、処理量又はSINRが非常に小さい場合、gNBがPDSCHの送信電力及びUE処理量を増大させるように構成される。第2臨界値は、処理量及び/又はSINRが必要以上に大きい場合、エネルギーを節約するためにgNBがPDSCHの送信電力を低減させるように構成される。
【0037】
段階204において、UEは、複数の電力オフセットに対するCSI測定を生成する。例えば、UEは、複数の電力オフセットの各々に関するRSRP、RSRQ、SINR、PMI、CQI、又はRIのうちの任意の測定値を生成する。gNBに伝送されるCSI測定値は、RSRP、RSRQ、SINR、PMI、CQI、又はRIの任意の組み合わせを含み、一部の場合、UEは、gNBに伝送されるCSI測定値に加えて、上述のうちのいずれか一つに対する測定を生成する。
【0038】
段階206において、UEは、CSI報告を介してCSI測定値をgNBに伝送する。一実施形態において、UEは、それぞれのCSI結果が電力オフセットのうちの一つに対応する単一(single)CSI報告を介してCSI測定値を伝送する。一実施形態において、CSIには、それぞれの電力オフセットに関するRI、PMI、及びCQIを含み、それにより、gNBは、どの電力オフセットを活性化するかを決定する。他の実施形態において、UEは、電力オフセットのそれぞれに関する1ポット又は2ポットのCSI-RSリソースで測定されたRSRP、RSRQ、及び/又はSINRを報告する。追加して又は代案的として、UEは、RI、変調されたシンボル当たりのビット数、及びコーディングレートの測定された積(measured product)を報告する。
【0039】
段階208において、gNBは、電力オフセットを選択する。例えば、gNBは、最大SINRのように、事前構成された特定CSI測定を達成する電力オフセットを選択する。臨界値が、UEが複数の電力オフセットに関するCSIを測定するようにトリガするために使用される実施形態において、gNBは、臨界値をそれ以上超えさせない電力オフセットを選択する。一実施形態において、電力オフセットを選択することは、電力オフセットに対応するチャネル状態を選択することを含む。例えば、UEが電力オフセットを指定せずに代わりに測定グルーピングを伝送し、gNBが測定グルーピングのうちの一つを選択する場合、グルーピングの選択は、測定に対応する電力オフセットの選択を含む。
【0040】
段階210において、gNBは、選択された電力オフセット及び/又はチャネル状態のインディケーションを伝送する。gNBは、UEに直接選択を伝送し、且つ/或いはグループ共通又はセル共通のシグナリングを介して上述の選択を複数のUEに伝送する。グループ共通シグナリングが利用される場合、DCIフォーマット2_Xに関する既存(existing)のRRC手続きを利用してグループが定義される。
【0041】
段階212において、UEは、選択された電力オフセット及び/又はチャネル状態のリソースを使用する。例えば、UEは、PDSCH伝送のような今後の伝送(future transmission)を受信するために、選択された電力オフセットを使用してリソースを選択する。リソースは、gNBによってスケジューリングされる周波数ドメイン、時間ドメイン、又は電力ドメインの物理リソースによって構成される。
【0042】
図3は、本発明の一実施形態による送信電力を低減させるための電力適応体系の例を示すフローチャートである。
【0043】
図3を参照すると、段階302において、UEは、1つのCSI-RSリソースについて、CSI-RSとPDSCHとの間で、可能な仮想の電力オフセット値の集合を獲得する。UEは、gNBからのメッセージ又は事前構成(pre-configuration)に基づいて仮想電力オフセット値の集合を獲得する。
【0044】
段階304において、UEは、1つのCSI-RSリソースに関するCSI-RSとPDSCHとの間の1つの電力オフセット値を初期に選択するか又は割り当てられ、電力オフセット値は、UEがCSIを測定してCSIレポートの一部としてgNBに報告される。段階306において、UEは、既存のリンク及び既存の電力オフセットの信号品質又は予想処理量を測定する。段階308において、UEは、信号品質又は処理量が臨界値よりも大きいか否かを判断する。信号品質又は処理量が臨界値よりも大きい場合、段階310において、UEは、CSI-RSとPDSCHとの間で互いに異なる仮想の電力オフセットを有する多数のCSI-RSリソース構成の測定を始め、それをgNBに報告し、gNBが送信電力を低減させる。その後、UEは、信号品質又は予想処理量を続けてモニタリングし、段階306に戻る。
【0045】
信号品質又は処理量が臨界値よりも大きくない場合、段階312において、UEは、現在の電力オフセット値とレガシーCSIフレームワークとを続けて使用する。UEは、信号品質又は予想処理量を続けてモニタリングし、段階306に戻る。
【0046】
図4は、本発明の一実施形態による信号品質を向上させるための電力適応体系の例を示すフローチャートである。
【0047】
図4を参照すると、段階402において、UEは、1つのCSI-RSリソースについて、CSI-RSとPDSCHとの間で可能な仮想の電力オフセット値の集合を獲得する。UEは、gNBからのメッセージから又は事前構成に基づいて仮想の電力オフセット値の集合を獲得する。
【0048】
段階404において、UEは、1つのCSI-RSリソースについて、CSI-RSとPDSCHとの間で1つの電力オフセット値を始めに選択するか又は割り当てられ、電力オフセット値について、UEは、CSIを測定してそれをCSIレポートの一部としてgNBに報告する。段階406において、UEは、既存のリンク及び既存の電力オフセットの信号品質又は予想処理量を測定する。段階408において、UEは、信号品質又は処理量が臨界値よりも小さいか否かを判断する。信号品質又は処理量が臨界値よりも小さい場合、段階410において、UEは、CSI-RSとPDSCHとの間で互いに異なる仮想の電力オフセットを有する多数のCSI-RSリソース構成の測定を始め、それをgNBに報告し、gNBが今後の伝送のための信号品質改善のために送信電力を増大させる。その後、UEは、信号品質又は予想処理量を続けてモニタリングし、段階406に戻る。
【0049】
信号品質又は処理量が臨界値よりも小さくない場合、段階412において、UEは、現在の電力オフセット値とレガシーCSIフレームワークとを続けて使用する。UEは、信号品質又は予想処理量を続けてモニタリングし、段階406に戻る。
【0050】
図5は、本発明の一実施形態による送信電力を低減させて信号品質を高めるための電力適応方式の例を示すフローチャートである。
【0051】
図5を参照すると、段階502において、UEは、1つのCSI-RSリソースについて、CSI-RSとPDSCHとの間で可能な仮想の電力オフセット値の集合を獲得する。UEは、gNBからのメッセージから又は事前構成に基づいて仮想の電力オフセット値の集合を獲得する。
【0052】
段階504において、UEは、1つのCSI-RSリソースについて、CSI-RSとPDSCHとの間で1つの電力オフセット値を初期に選択するか又は割り当てられ、電力オフセット値について、UEは、CSIを測定してそれをCSIレポートの一部としてgNBに報告する。段階506において、UEは、信号品質又は既存のリンクの予想処理量と既存の電力オフセットとを測定する。段階508において、UEは、信号品質又は処理量が第1臨界値よりも大きいか否かを判断する。信号品質又は処理量が第1臨界値よりも大きい場合、段階510において、UEは、CSI-RSとPDSCHとの間で互いに異なる仮想の電力オフセットを有する多数のCSI-RSリソース構成の測定を始め、それをgNBに報告し、gNBが送信電力を低減させる。その後、UEは、信号品質又は予想処理量を続けてモニタリングし、段階506に戻る。
【0053】
信号品質又は処理量が第1臨界値よりも大きくない場合、段階512において、UEは、信号品質又は処理量が第2臨界値よりも小さいか否かを判断する。信号品質又は処理量が第2臨界値よりも小さい場合、段階514において、UEは、CSI-RSとPDSCHとの間で異なる仮想電力オフセットを有する多数のCSI-RSリソース構成測定を始め、それをgNBに報告し、gNBが今後の伝送のための信号品質改善のために送信電力を増大させる。その後、UEは、信号品質又は予想処理量を続けてモニタリングし、段階506に戻る。
【0054】
段階512は、段階508の後に生じるように図示しているが、UEが上記の判断を下す順序は、相互交換可能であり、他の実施形態において、UEは、信号品質又は処理量が第2臨界値よりも小さいか否かを先ず判断するか、或いは信号品質又は処理量が第1臨界値よりも大きいか否かを判断すると同時に判断する。
【0055】
信号品質又は処理量が第1臨界値よりも大きくなく第2臨界値よりも小さくない場合、段階516において、UEは、現在の電力(current)オフセット値とレガシーCSIフレームワークとを続けて使用する。UEは、信号品質又は予想処理量を続けてモニタリングし、段階506に戻る。
【0056】
図6は、本発明の一実施形態によるネットワーク環境600内の電子装置のブロックダイアグラムである。例えば、電子装置601は、第1UE 106又はUE705である。
【0057】
図6を参照すると、ネットワーク環境600内の電子装置601は、第1ネットワーク(例えば、短距離無線通信ネットワーク)を介して電子装置602と通信するか、或いは第2ネットワーク(例えば、長距離無線通信ネットワーク)を介して電子装置604又はサーバ608と通信する。電子装置601は、サーバ608を介して電子装置604と通信する。電子装置601は、プロセッサ620、メモリ630、入力デバイス650、サウンド出力デバイス655、ディスプレイデバイス660、オーディオデバイス670、センサモジュール676、インターフェース677、ハプティックモジュール679、カメラモジュール680、電源管理モジュール688、バッテリ689、通信モジュール690、加入者識別モジュール(SIMカード)696、及びアンテナモジュール697を含む。一実施形態において、構成要素のうちの少なくとも一つ(例えば、ディスプレイデバイス660又はカメラモジュール680)は、電子装置601で省略されるか、或いは1以上の他の構成要素が電子装置601に追加される。構成要素のうちの一部は、単一IC(integrated circuit)によって具現される。例えば、センサモジュール676(例えば、指紋センサ、虹彩センサ、又は照度センサ)は、ディスプレイデバイス660(例えば、ディスプレイ)に内蔵される。
【0058】
プロセッサ620は、プロセッサ620に結合された電子装置601の少なくとも1つの他の構成要素(例えば、ハードウェア構成要素又はソフトウェア構成要素)を制御するためのソフトウェア(例えば、プログラム640)を実行して、多様なデータ処理又は演算を行う。
【0059】
データ処理又は計算の少なくとも一部として、プロセッサ620は、揮発性メモリ632に他の構成要素(例えば、センサモジュール676又は通信モジュール690)から受信された命令又はデータをロードし、揮発性メモリ632に保存された命令又はデータを処理して結果データを不揮発性メモリ634に保存する。プロセッサ620は、メインプロセッサ621(例えば、CPU(central processing unit)又はAP(application processor))、及びメインプロセッサ621から独立しているか或いはメインプロセッサ621と共に動作可能な補助プロセッサ623(例えば、グラフィック処理装置(GPU)、イメージ信号プロセッサ(ISP)、センサハブプロセッサ、又は通信プロセッサ(CP))を含む。追加するか又は代案として、補助プロセッサ623は、メインプロセッサ621よりも少ない電力を消費するか、或いは特定機能を実行するように調整される。補助プロセッサ623は、メインプロセッサ621から分離されるか、或いはメインプロセッサの一部として具現される。
【0060】
補助プロセッサ623は、メインプロセッサ621が非活性(例えば、スリープ)状態にある間、メインプロセッサ621の代わりに、或いはメインプロセッサ621が活性状態(例えば、アプリケーション実行中)にある間にメインプロセッサ621と共に、電子装置601の構成要素のうちの少なくとも1つの構成要素(例えば、ディスプレイデバイス660、センサモジュール676、又は通信モジュール690)に関連する機能又は状態の一部以上を制御する。補助プロセッサ(例えば、イメージ信号プロセッサ又は通信プロセッサ)は、補助プロセッサ623に機能的に関係する他の構成要素(例えば、カメラモジュール680又は通信モジュール690)の一部として具現される。
【0061】
メモリ630は、電子装置601の少なくとも1つの構成要素(例えば、プロセッサ620又はセンサモジュール676)によって使用される多様なデータを保存する。多様なデータは、例えばソフトウェア(例えば、プログラム640、及びそれに関連する命令に関する入力データ又は出力データを含む。メモリ630は、揮発性メモリ632又は不揮発性メモリ634を含む。不揮発性メモリ634は、内部メモリ636及び/又は外部メモリ638を含む。
【0062】
プログラム640は、ソフトウェアとしてメモリ630に保存され、例えばオペレーティングシステム(OS)642、ミドルウェア644、又はアプリケーション646を含む。
【0063】
入力デバイス650は、電子装置601の外部(例えば、ユーザ)から、電子装置601の他の構成要素(例えば、プロセッサ620)が使用する命令又はデータを受信する。入力デバイス650は、例えばマイク、マウス、又はキーボードを含む。
【0064】
サウンド出力デバイス655は、電子装置601の外部にサウンド信号を出力する。サウンド出力デバイス655は、例えばスピーカ又は受信機を含む。スピーカはマルチメディアの再生又は録音のような一般的な用途に使用され、受信機は受信電話を受信する用途に使用される。受信機は、スピーカから分離されるか、或いはスピーカの一部として具現される。
【0065】
ディスプレイデバイス660は、電子装置601の外部(例えば、ユーザ)に視覚的に情報を提供する。ディスプレイデバイス660は、例えばディスプレイ、ホログラム装置、又はプロジェクタ、並びにディスプレイ、ホログラム装置、及びプロジェクタのうちの対応するものを制御するための制御回路を含む。ディスプレイデバイス660は、タッチを感知するように調整されたタッチ回路、又はタッチによって発生する力の強度を測定するように調整されたセンサ回路(例えば、圧力センサ)を含む。
【0066】
オーディオデバイス670は、サウンドを電気信号に又はその反対に変換する。オーディオデバイス670は、入力デバイス650を介してサウンドを獲得するか、或いはサウンド出力デバイス655又は外部の電子装置602のヘッドホンを介して電子装置601に直接(例えば、有線)又は無線で結合されたサウンドを出力する。
【0067】
センサモジュール676は、電子装置601の動作状態(例えば、電源又は温度、又は電子装置601の外部の環境状態(例えば、ユーザの状態)を検出した後、検出された状態に対応する電気信号又はデータ値を生成する。センサモジュール676は、例えばジェスチャセンサ、ジャイロセンサ、大気圧センサ、磁気センサ、加速度センサ、グリップセンサ、近接センサ、カラーセンサ、赤外線(IR)センサ、生体認識センサ、温度センサ、湿度センサ、又は照度センサを含む。
【0068】
インターフェース677は、電子装置601が外部の電子装置602と直接(例えば、有線)又は無線で結合されるのに使用される1以上の指定されたプロトコルを支援する。インターフェース677は、例えば高画質マルチメディアインターフェース(HDMI(登録商標))、汎用直列バス(USB)インターフェース、セキュアデジタル(SD)カードインターフェース、又はオーディオインターフェースを含む。
【0069】
連結端子678は、電子装置601が外部の電子装置602に物理的に連結されるコネクタを含む。連結端子678は、例えばHDMI(登録商標)コネクタ、USBコネクタ、SDカード(登録商標)コネクタ、又はオーディオコネクタ(例えば、ヘッドホンコネクタ)を含む。
【0070】
ハプティックモジュール679は、電気信号を機械的刺激(例えば、振動又は動き)、或いは触覚又は運動感覚を介してユーザによって認識される電気刺激に変換する。ハプティックモジュール679は、例えばモータ、圧電素、子又は電気刺激器を含む。
【0071】
カメラモジュール680は、静止イメージ又は動きイメージをキャプチャする。カメラモジュール680は、1以上のレンズ、イメージセンサ、イメージ信号プロセッサ、又はフラッシュを含む。電源管理モジュール688は、電子装置601に供給される電力を管理する。電力管理モジュール688は、例えば電力管理集積回路(PMIC)の少なくとも一部として具現される。
【0072】
バッテリ689は、電子装置601の少なくとも1つのコンポーネントに電力を供給する。バッテリ689は、例えば充電不可能な一次電池、充電可能な二次電池、又は燃料電池を含む。
【0073】
通信モジュール690は、電子装置601と外部の電子装置(例えば、電子装置602、電子装置604、又はサーバ608)との間で直接(例えば、有線)通信チャネル又は無線通信チャネルを開設し、開設された通信チャネルを介して通信を行うことを支援する。通信モジュール690は、プロセッサ620(例えば、AP)から独立して動作し、直接(例えば、有線)通信又は無線通信を支援する1以上の通信プロセッサを含む。通信モジュール690は、無線通信モジュール692(例えば、セルラ通信モジュール、近距離無線通信モジュール、又はグローバル航法衛星システム(GNSS)通信モジュール)又は有線通信モジュール694(例えば、近距離通信網(LAN)通信モジュール又は電力線通信(PLC)モジュール)を含む。そのような通信モジュールのうちの対応するモジュールは、第1ネットワーク698(例えば、ブルートゥース(登録商標)、Wi-Fiダイレクト、又は赤外線データ協会標準(IrDA)のような短距離通信ネットワーク)、或いは第2ネットワーク699(例えば、セルラネットワーク、インターネットネットワーク、又はコンピュータネットワーク(例えば、LAN(local area network)又はWAN(wide area network)のような長距離通信ネットワーク)を介して外部の電子装置と通信する。そのような多様な類型の通信モジュールは、単一コンポーネント(例えば、単一IC)によって具現されるか、又は互いに分離された複数のコンポーネント(例えば、複数のIC)によって具現される。無線通信モジュール692は、加入者識別モジュール696に保存された加入者情報(例えば、IMSI(International Mobile Subscriber Identity))を使用し、第1ネットワーク698又は第2ネットワーク699のような通信ネットワークで電子装置601を識別して認証する。
【0074】
アンテナモジュール697は、電子装置601の外部(例えば、外部の電子装置)に、又は外部から信号又は電力を送信したり受信したりする。アンテナモジュール697は、1以上のアンテナを含む。従って、通信ネットワークで使用される通信方式(例えば、第1ネットワーク698又は第2ネットワーク699)に適する少なくとも1つのアンテナが、例えば通信モジュール690(例えば、無線通信モジュール692)によって選択される。その後、信号又は電力は、選択された少なくとも1つのアンテナを介して通信モジュール690と外部の電子装置との間で送信又は受信される。
【0075】
命令又はデータは、第2ネットワーク699に結合されたサーバ608を介して、電子装置601と外部の電子装置604との間で送信又は受信される。それぞれの電子装置(602及び604)は、電子装置601と同一タイプのデバイスであるか、或いは異なるタイプのデバイスである。電子装置601で実行される動作の全部又は一部は、1以上の外部の電子装置(602,604)又はサーバ608のうちの1以上で実行される。例えば、電子装置601が自動的に或いはユーザ又は他の装置の要請に応答して機能又はサービスを遂行しなければならない場合、電子装置601は、機能又はサービスを遂行する代わりに或いは追加して、1以上の外部電の子装置に機能又はサービスの少なくとも一部を遂行するように要請する。要請を受信した1以上の外部の電子装置は、求められた機能又はサービスの少なくとも一部又は要請に関連する追加機能又は追加サービスを遂行し、その遂行結果を電子装置601に伝送する。電子装置601は、結果の追加処理を含むか又は含まずに、結果を要請に対する応答の少なくとも一部として提供する。そのために、例えばクラウドコンピューティング技術、分散コンピューティング技術、又はクライアント・サーバコンピューティング技術が使用される。
【0076】
図7は、本発明の一実施形態による互いに通信するUE 705とgNB 710とを含むシステムを示す図である。
【0077】
図7を参照すると、UE 705は、無線715及び処理回路(又は、処理手段)720を含み、それらは、本発明の一実施形態による多様な方法、例えば
図1に示した方法を遂行する。例えば、処理回路720は無線715を介してネットワークノード(gNB 710)から伝送を受信し、処理回路720は無線715を介して信号をgNB 710に伝送する。
【0078】
本発明の一実施形態は、デジタル電子回路、又は本発明の一実施形態による構造及びその構造的等価物を含むコンピュータソフトウェア、ファームウェア、又はハードウェアによって具現され、或いはそれらのうちの1以上の組み合わせによって具現される。本発明の一実施形態は、1以上のコンピュータープログラム、即ちデータ処理装置によって実行されるか、或いはデータ処理装置の動作を制御するためにコンピュータ記録媒体にエンコーディングされたコンピュータプログラムコマンドの1以上のモジュールによって具現される。代案的として或いは追加して、プログラムコマンドは、人為的に生成された伝播信号、例えばデータ処理装置によって実行されるのに適する受信装置に伝送するための情報をエンコーディングするために生成される機械生成の電気信号、光学信号、又は電磁気信号にエンコーディングされる。コンピュータ記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な保存装置、コンピュータ読み取り可能な保存基板、ランダム又は直列アクセスのメモリアレイ又は装置、或いはそれらの組み合わせであるか、或いはそれらに含まれる。また、コンピュータ記録媒体は電波信号ではないが、コンピュータ記録媒体は人為的に生成された電波信号にエンコーディングされたコンピュータプログラムコマンドのソース又は対象である。コンピュータ記録媒体は、また1以上の個別的な物理的構成要素又はメディア(例:多数のCD、ディスク、又はその他保存装置)であり、その中に含まれる。また、本発明の一実施形態による演算は、1以上のコンピュータ読み取り可能な保存装置に保存されるか、或いは他のソースから受信されたデータについてデータ処理装置によって遂行される演算によって具現される。
【0079】
本明細書は、多くの具体的な具現の細部事項を含むものでもあるが、具現の細部事項は、特許請求の範囲の範囲に係る制限として解釈されるものではなく、むしろ特定の実施形態に関する特定の特徴に関する説明として解釈されなければならない。本明細書において、個別の実施形態の脈絡で説明される特定の特徴は、単一の実施形態において、組み合わせて具現される。反対に、単一の実施形態の脈絡で説明される多様な特徴は、多数の実施形態において、個別的又は任意の適切な下位の組み合わせとして具現される。更には特徴が特定の組み合わせで作用するものとして述べられ、更には始めにそのように請求されても、請求された組み合わせから1以上の特徴が、場合によっては組み合わせから省略され、請求された組み合わせは、下位の組み合わせ又は下位の組み合わせの変形を示す。
【0080】
同様に、図面には特定の順序で操作が示されているが、望ましい結果を得るために、そのような操作が図示された特定の順序又は順次の順序で遂行されるか、或いは図示された全ての操作が遂行されなければならないと理解されるものではない。特定の状況では、マルチタスク及び並列処理が有利である。また、上述の実施形態において、多様なシステム構成要素の分離が全ての実施形態においてそのような分離を要求すると理解されるものではなく、説明されたプログラム構成要素及びシステムは、一般的に単一ソフトウェア製品に共に統合されるか、或いは多数のソフトウェア製品でパッケージングされると理解されなければならない。
【0081】
従って、本発明の特定の実施形態は本明細書に説明されており、他の実施形態は特許請求の範囲内にある。場合により、特許請求の範囲に記載された動作は、異なる順序で遂行されても依然として望ましい結果を達成することができる。また、図面に示したプロセスは、望ましい結果を達成するために必ずしも図示した特定順序又は順次順序を必要とするものではない。特定の具現では、マルチタスク及び並列処理が有利である。
【0082】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明の、多重電力オフセットに関するチャネル状態情報の報告を行う動作方法及びそのシステムは、例えば無線通信システム関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0084】
102 制御経路
104、710 gNB
106 第1UE
108 第2UE
110 データ経路
600 ネットワーク環境
60、602、604 電子装置
608 サーバ
620 プロセッサ
621 メインプロセッサ
623 補助プロセッサ
630 メモリ
632 揮発性メモリ
634 不揮発性メモリ
636 内部メモリ
638 外部メモリ
640 プログラム
642 オペレーティングシステム(OS)
644 ミドルウェア
646 アプリケーション
650 入力デバイス
655 サウンド出力デバイス
660 ディスプレイデバイス
670 オーディオデバイス
676 センサモジュール
677 インターフェース
678 連結端子
679 ハプティックモジュール
680 カメラモジュール
688 電源管理モジュール
689 バッテリ
690 通信モジュール
692 無線通信モジュール
694 有線通信モジュール
696 加入者識別モジュール(SIMカード)
697 アンテナモジュール
698 第1ネットワーク
699 第2ネットワーク
705 UE 715 無線
720 処理回路