(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091604
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】伝導チャネルとソース領域およびドレイン領域の間に大きい接触面を備えるFETマイクロエレクトロニクスデバイス
(51)【国際特許分類】
H10B 51/30 20230101AFI20240627BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20240627BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20240627BHJP
【FI】
H10B51/30
H01L29/78 301H
H01L29/78 301S
H01L29/78 301G
H01L29/78 618B
H01L29/78 616L
H01L29/78 616T
H01L29/78 617T
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023217020
(22)【出願日】2023-12-22
(31)【優先権主張番号】2214258
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シルヴァン・バロー
(72)【発明者】
【氏名】レミ・コカン
(72)【発明者】
【氏名】シャイ・リボー
【テーマコード(参考)】
5F083
5F110
5F140
【Fターム(参考)】
5F083FR05
5F083GA02
5F083PR09
5F083PR21
5F083PR22
5F110AA03
5F110BB05
5F110CC01
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5F110DD01
5F110DD05
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5F110GG02
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5F110HK04
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5F110NN23
5F140AA10
5F140AC32
5F140BA01
5F140BB05
5F140BC11
5F140BD05
5F140BD11
5F140BD13
5F140BF04
5F140BF07
5F140BF10
5F140BF17
5F140BG01
5F140BG11
5F140BG12
5F140BG14
5F140BJ05
5F140BJ07
5F140BJ10
5F140CB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】その構造が、2D材料を含む任意のタイプの半導体材料または他の半導体酸化物タイプ材料と適合性があり、「サイドコンタクト」構成の欠点がないFETタイプマイクロエレクトロニクスデバイスを提供すること。
【解決手段】FETマイクロエレクトロニクスデバイス(100)は、第1の区域(122)がチャネルを形成する半導体層と、第1の区域に対して配置される、静電制御ゲート(110)及びゲート誘電体層又は強誘電体メモリ層(112)と、ゲートの側壁に対して配置される誘電体スペーサ(114)と、ソース領域/ドレイン領域と誘電体スペーサとの間に延在する活性層の第2の区域(124)を介して第1の区域に電気的に結合されるソース領域(116)/ドレイン領域(118)と、を備え、第2の区域が第1の区域と連続層を形成し、静電制御ゲートが半導体区画のいくつかの別個の面をカバーするように第1の区域が半導体区画を形成する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも
- 基板(102)と、
- フィンの形の半導体区画を形成しFETマイクロエレクトロニクスデバイス(100)の導電チャネルとして働く少なくとも1つの第1の区域(122)を備える半導体層(120)と、
- 静電制御ゲート(110)と、
- 前記静電制御ゲート(110)と前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)との間に配置される一方で、前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)のいくつかの別個の面をカバーする、ゲート誘電体層(112)または強誘電体メモリ層(112)と、
- 前記静電制御ゲート(110)の側壁に対して配置される誘電体スペーサ(114)と、
- 前記半導体層(120)の第2の区域(124)を介して前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)に電気的に結合されるソース領域(116)/ドレイン領域(118)であって、前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)が前記ソース領域(116)/ドレイン領域(118)と前記誘電体スペーサ(114)との間に延在する、ソース領域(116)/ドレイン領域(118)と
を備え、
前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)が、前記静電制御ゲート(110)に対して直接配置されず、前記第1の区域(122)と連続層を形成し、
前記半導体層(120)が2次元材料を含み、
- 前記ソース領域(116)/ドレイン領域(118)の各々が、空洞(150)中に配置される、有利には金属の接点(117)と適合し、前記空洞(150)が横壁(150b)および底(150a)を備え、前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)が前記空洞(150)の前記横壁(150b)および前記底(150a)を全体にカバーし、その結果、前記接点(117)の横側壁(117a)および下端区画(117b)が、前記空洞(150)中の前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)によって全体に囲まれる、FETマイクロエレクトロニクスデバイス(100)。
【請求項2】
前記静電制御ゲート(110)と前記ゲート誘電体層(112)が一緒に前記半導体区画のいくつかの別個の面をカバーする、請求項1に記載のFETマイクロエレクトロニクスデバイス(100)。
【請求項3】
各空洞(150)が少なくとも前記誘電体スペーサ(114)および絶縁誘電体材料(128)によって形成される、請求項1または2に記載のFETマイクロエレクトロニクスデバイス(100)。
【請求項4】
前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)によって囲まれる少なくとも1つの誘電体区画をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のFETマイクロエレクトロニクスデバイス(100)。
【請求項5】
前記半導体層(120)が、前記基板(102)を覆って配置され、前記ゲート誘電体層(112)または前記強誘電体メモリ層(112)が、前記静電制御ゲート(110)と前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)の各々との間に配置される一方で、前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)の各々のいくつかの別個の面をカバーするように、フィンの形でいくつかの別個の半導体区画を形成するいくつかの第1の区域(122)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のFETマイクロエレクトロニクスデバイス(100)。
【請求項6】
少なくとも
(a)基板(102)を覆って、少なくとも1つの一時的材料区画(160)を作製するステップ、次に
(b)少なくとも前記一時的材料区画(160)を覆って、少なくとも1つのゲートを作製するステップであって、前記ゲートが、静電制御ゲート(110)または一時的ゲートおよび前記ゲートの側壁に対して配置される誘電体スペーサ(114)であり、前記ゲートが前記一時的材料区画(160)のいくつかの別個の面をカバーする、ステップ、次に
(c)前記一時的材料区画(160)をエッチングするステップ、次に
(d)2次元材料またはMOCVD、CVD、もしくはALDによって堆積される任意の他の半導体材料を含む半導体層(120)を作製するステップであって、前記半導体層(120)が、前記基板(102)を覆って配置されてFETマイクロエレクトロニクスデバイス(100)の導電チャネルとして働くように構成されるフィンの形の半導体区画を形成する少なくとも1つの第1の区域(122)を備え、前記一時的材料区画(160)のエッチングによって形成される少なくとも1つの場所の中の前記ゲート(110)および前記誘電体スペーサ(114)の下方に配置され、その結果、前記半導体層(120)が、前記誘電体スペーサ(114)の側壁の少なくとも部分をカバーし前記ゲート(110)に対して直接配置されない第2の区域(124)を形成する一方で、前記第1の区域(122)との不連続性がなく延在する、ステップ、次に
(e)前記基板(102)を覆って、前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)を介して前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)に電気的に結合されるソース領域(116)/ドレイン領域(118)を作製するステップであって、その結果、前記半導体層(120)の第2の区域(124)が前記ソース領域(116)/ドレイン領域(118)と前記誘電体スペーサ(114)の間に延在する、ステップ
を含む、FETマイクロエレクトロニクスデバイス(100)を作製するための方法。
【請求項7】
ステップ(b)で形成された前記ゲートが静電制御ゲート(130)であり、前記方法が、ステップ(c)の実施の前に、前記誘電体スペーサ(114)の周りに絶縁誘電体材料(128)を堆積するステップ、次に、空洞(150)が前記誘電体スペーサ(114)のうちの1つによって形成される少なくとも1つの横壁を備えるように、前記絶縁誘電体材料(128)中の前記空洞(150)をエッチングするステップをさらに含み、
- ステップ(d)が、前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)が前記空洞(150)の前記横壁の少なくとも部分をカバーするように実施され、
- ステップ(e)が、前記ソース領域(116)/ドレイン領域(118)の各々が前記空洞(150)のうちの1つに配置されるように実施される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ステップ(b)で形成された前記ゲートが静電制御ゲート(130)であり、
- ステップ(a)が、前記基板(102)を覆って、いくつかの一時的材料区画(160)を作製するステップを含み、
- ステップ(b)が、前記静電制御ゲート(110)が前記一時的材料区画(160)の各々のいくつかの別個の面をカバーするように実施され、
- ステップ(c)が、前記一時的材料区画(160)の全部をエッチングするステップを含み、
- ステップ(d)が、前記半導体層(120)のいくつかの第1の区域(122)が前記一時的材料区画(160)のエッチングによって形成される場所に配置され、いくつかの半導体区画を形成する前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)が前記基板(102)を覆って配置され、その結果、前記静電制御ゲート(110)が前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)の各々のいくつかの別個の面をカバーするように実施される、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(b)で形成された前記ゲートが静電制御ゲート(130)であり、
- ステップ(a)と(b)の間に、前記一時的材料区画(160)を覆って実施されて、前記静電制御ゲート(110)がゲート誘電体層(112)もしくは強誘電体メモリ層(112)を覆ってその後作られる、および/または
- ステップ(c)と(d)の間に、前記静電制御ゲート(110)および前記誘電体スペーサ(114)の下方で、前記一時的材料区画(160)のエッチングによって形成される少なくとも1つの場所において実施されて、前記半導体層(120)が前記ゲート誘電体層(112)もしくは前記強誘電体メモリ層(112)をカバーすることによってその後作られる、
前記ゲート誘電体層(112)または前記強誘電体メモリ層(112)を堆積するステップをさらに含む、請求項6から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(b)で作製された前記ゲートが一時的ゲートであり、ステップ(b)の後およびステップ(e)の前に、前記一時的ゲートのエッチングが実施され、静電制御ゲート(110)が前記一時的ゲートの代わりに作製される、請求項6に記載のFETマイクロエレクトロニクスデバイス(100)を作製するための方法。
【請求項11】
ステップ(c)の実施の前に、前記誘電体スペーサ(114)の周りに絶縁誘電体材料(128)を堆積するステップ、次に、空洞(150)が前記誘電体スペーサ(114)のうちの1つによって形成される少なくとも1つの横壁を備えるように、前記絶縁誘電体材料(128)中の前記空洞(150)をエッチングするステップをさらに含み、
- ステップ(d)が、前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)が前記空洞(150)の前記横壁の少なくとも部分をカバーするように実施され、
- ステップ(e)が、前記ソース領域(116)/ドレイン領域(118)の各々が前記空洞(150)のうちの1つに配置されるように実施される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
- ステップ(a)が、前記基板(102)を覆って、いくつかの一時的材料区画(160)を作製するステップを含み、
- ステップ(b)が、前記一時的ゲートが前記一時的材料区画(160)の各々のいくつかの別個の面をカバーするように実施され、
- ステップ(c)が、前記一時的材料区画(160)の全部をエッチングするステップを含み、
- ステップ(d)が、前記半導体層(120)のいくつかの第1の区域(122)が前記一時的材料区画(160)のエッチングによって形成される場所に配置され、いくつかの半導体区画を形成する前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)が前記基板(102)を覆って配置され、その結果、前記一時的ゲートが前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)の各々のいくつかの別個の面をカバーするように実施される、請求項9または10に記載の方法。
【請求項13】
- ステップ(e)の間に、前記半導体層(120)の前記第1の区域(122)を覆って実施されて、前記静電制御ゲート(110)がゲート誘電体層(112)もしくは強誘電体メモリ層(112)を覆ってその後作られる、および/または
- ステップ(c)と(d)の間に、前記一時的ゲートおよび前記誘電体スペーサ(114)の下方で、前記一時的材料区画(160)のエッチングによって形成される少なくとも1つの場所において実施されて、前記半導体層(120)が前記ゲート誘電体層(112)もしくは前記強誘電体メモリ層(112)をカバーすることによってその後作られる、
前記ゲート誘電体層(112)または前記強誘電体メモリ層(112)を堆積するステップをさらに含む、請求項10から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記静電制御ゲート(110)を作製する前に、ゲート誘電体層(112)または強誘電体メモリ層(112)を形成するステップをさらに含み、前記静電制御ゲート(110)が、前記ゲート誘電体層(112)を覆って、または前記強誘電体メモリ層(112)を覆って堆積される、請求項6から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ステップ(e)における前記ソース領域(116)/ドレイン領域(118)を形成するステップが、空洞(150)中に各々が配置される接点を作製するステップを含み、前記空洞(150)が横壁(150a)および底(150b)を備え、前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)が前記空洞(150)の前記横壁(150a)および前記底(150b)を全体にカバーし、その結果、前記接点(117)が、それらのそれぞれの空洞(150)の中で前記半導体層(120)の前記第2の区域(124)によって全体に囲まれる、請求項6から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記空洞(150a)の前記横壁(150a)が、部分的に誘電体スペーサ(114)によって、部分的に絶縁誘電体材料(128)によって形成される、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先進CMOS技術に適用されるマイクロエレクトロニクスデバイスの分野に関する。特に、本発明は、特に2次元材料すなわち2D材料または半導体酸化物に基づいた、FETタイプ(英語で「Field-Effect Transistor」)、特に、FinFETタイプ(英語で「Fin Field-Effect Transistor」)、または、FeFETタイプ(英語で「Ferroelectric Field Effect Transistor」または強誘電効果トランジスタ)のマイクロエレクトロニクスデバイス、ならびにそのようなマイクロエレクトロニクスデバイスの作製をカバーする。
【背景技術】
【0002】
電子機器の小型化は、絶えず進んでいるが、当業界では、今や、シリコンなどの従来の材料についてのスケール限界が近づいている。最近では、2D材料は、原子または分子の唯一の層として作ることができるそれらの材料の層の、固有特性および非常に薄い厚さのために、小型エレクトロニクスおよび光エレクトロニクスデバイスで使用するための有望な候補として現れてきた。
【0003】
K.P.O’Brienらによる文書、「Advancing 2D Monolayer CMOS Through Contact, Channel and Interface Engineering」、2021 IEEE International Electron Devices Meeting(IEDM)、2021年、頁7.1.1~7.1.4は、伝導チャネルを形成するためMoS2層を組み込むことによりMOSFETトランジスタを作ることを示唆している。この層は、金、パラジウム、TiN、タングステン、またはニッケルに基づいた、2つの金属ソース領域およびドレイン領域に接続される。背面ゲートは、SiO2、HfO2、またはAl2O3に基づいた誘電体層の下の背面に位置決めされるドープシリコン層によって形成される。
【0004】
2D材料を覆ったソース領域およびドレイン領域の金属材料の堆積に関する制約を克服するために、2D材料層の上面上ではなく、2D材料層の側壁に対してこれらの領域を形成することが可能である。それにもかかわらず、いわゆる「サイドコンタクト」というこの構成は、2D材料層とソース領域およびドレイン領域の間の接触面が小さく、このことによって、2D材料層とソース領域およびドレイン領域の間の界面において、かなりの接触抵抗が生じるために問題がある。
【0005】
米国特許出願公開第2022/045176(A1)号という文書は、「ゲートラスト」タイプFETトランジスタを作製するためのいくつかの方法を記載しており、ここでは、シリコン部が、2D材料層の堆積のためのサポートとして働く。完成したトランジスタが「サイドコンタクト」タイプのチャネル/ソース-ドレイン界面を有するということに関する欠点の他に、2D材料を堆積するために使用されたシリコン部が2D材料との界面における潜在的な障壁を形成し、これは、電荷搬送のための部分が2D材料中ではなくむしろこれらのシリコン部に作られる可能性があるために、望ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2022/045176(A1)号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】K.P.O’Brienらによる文書、「Advancing 2D Monolayer CMOS Through Contact, Channel and Interface Engineering」、2021 IEEE International Electron Devices Meeting(IEDM)、2021年、頁7.1.1~7.1.4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、その構造が、2D材料を含む任意のタイプの半導体材料または他の半導体酸化物タイプ材料と適合性があり、「サイドコンタクト」構成の欠点がないFETタイプマイクロエレクトロニクスデバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的のために、本発明は、少なくとも
- 基板と、
- フィンの形の半導体区画を形成しFETマイクロエレクトロニクスデバイスの導電チャネルとして働く少なくとも1つの第1の区域を備える半導体層と、
- 静電制御ゲートと、
- 静電制御ゲートと半導体層の第1の区域との間に配置される一方で、半導体層の第1の区域のいくつかの別個の面をカバーする、ゲート誘電体層または強誘電体メモリ層と、
- 静電制御ゲートの側壁に対して配置される誘電体スペーサと、
- 半導体層の第2の区域を介して半導体層の第1の区域に電気的に結合されるフィンの形のソース領域/ドレイン領域であって、半導体層の第2の区域がソース領域/ドレイン領域と誘電体スペーサとの間に延在する、ソース領域/ドレイン領域と
を備え、
半導体層の第2の区域が、静電制御ゲートに対して直接配置されず、第1の区域と連続層を形成する、FETマイクロエレクトロニクスデバイスを提供する。
【0010】
半導体層の第2の区域が半導体層の第1の区域によって形成されるチャネルとソース領域/ドレイン領域との間の電気的結合を実現することのおかげで、提案されるマイクロエレクトロニクスデバイスは、チャネルとソース領域/ドレイン領域との間に「サイドコンタクト」がないタイプの界面を含むFETタイプアーキテクチャに基づく。ソース領域/ドレイン領域の横壁または側壁の少なくとも部分に対して延在する半導体層のこれらの第2の区域は、ソース領域/ドレイン領域との大きい接触面を形成し、このことによって、ソース領域/ドレイン領域の接触抵抗を減らすことが可能になる。したがって、チャネル中を流れる電流は、これらの接触抵抗のため減らず、このことによって、デバイスの性能が低下しない。
【0011】
加えて、提案されるアーキテクチャでは、半導体層は、静電制御ゲートの後でソース領域/ドレイン領域を作る直前、または、ソース領域/ドレイン領域の金属堆積の直前に作ることができる。したがって、第1の区域が伝導チャネルを形成することが意図される半導体層は、ソース領域/ドレイン領域の作製に関するステップによって劣化されない。これは、半導体層が2D材料を含むときに特に有利である。
【0012】
さらに、そのようなデバイスを作製するのに、チャネルを形成することが意図される半導体層を堆積するためのシリコン部を保持する必要はなく、それによって、半導体層の材料との界面における潜在的な障壁の問題がなくなる。デバイスがゲート誘電体層を含む場合に、デバイスは、FinFETタイプトランジスタに対応することができる。デバイスが強誘電体メモリ層を含む場合に、デバイスは、FeFETタイプメモリデバイスに対応することができる。
【0013】
半導体層は、たとえば、2次元材料またはMOCVD(英語で「有機金属化学気相堆積」)、CVD(英語で「化学気相堆積」)、またはALD(英語で「原子層堆積」)によって堆積される任意の他の半導体材料を含むことができる。この場合、マイクロエレクトロニクスデバイスは、非常に小さい寸法で作製することができる。特に、半導体層は、少なくとも1つの2D材料および/または半導体酸化物タイプ材料を含むことができる。
【0014】
静電制御ゲートとゲート誘電体層または静電制御ゲートと強誘電体メモリ層が一緒に、半導体区画のいくつかの別個の面をカバーすることができる。
【0015】
有利には、FETマイクロエレクトロニクスデバイスは、以下のようであってよい。
- ソース領域/ドレイン領域の各々が、少なくとも誘電体スペーサおよび絶縁誘電体材料によって形成される横壁を備える空洞中に配置され、
- 半導体層の第2の区域が、その中がソース領域/ドレイン領域の空洞の壁の少なくとも一部、好ましくは全部をカバーする。
【0016】
これまでの構成において、ソース領域/ドレイン領域の半導体層との接触面は、空洞の壁の面、有利には空洞の壁の面の全体を使用することのおかげで最大化されて、半導体層の第2の区域とソース領域/ドレイン領域との間の接点を形成し、このことによって、ソース領域/ドレイン領域が非常に小さい接触抵抗を有すること、したがってより大きい電流がデバイスの伝導チャネルを通って流れることが可能になる。
【0017】
FETマイクロエレクトロニクスデバイスは、半導体層の第1の区域によって囲まれる少なくとも1つの誘電体区画をさらに含むことができる。
【0018】
あるいは、半導体層の第1の区域が何ら誘電体区画を囲まないことが可能である。
【0019】
半導体層は、基板を覆って配置され、ゲート誘電体層または強誘電体メモリ層が、静電制御ゲートと半導体層の第1の区域の各々との間に配置される一方で、一緒に、半導体層の第1の区域の各々のいくつかの別個の面をカバーするように、フィンの形でいくつかの別個の半導体区画を形成するいくつかの第1の区域を含むことができる。
【0020】
有利には、本発明は、5nmおよびサブ5nm技術ノード用のCMOS構成要素を作製するため適用することができる。
【0021】
本発明は、FETマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法にやはり関し、少なくとも
(a)基板を覆って、少なくとも1つの一時的材料区画を作製するステップ、次に
(b)少なくとも一時的材料区画を覆って、少なくとも1つの静電制御ゲートおよび静電制御ゲートの側壁に対して配置される誘電体スペーサを作製するステップであって、静電制御ゲートが一時的材料区画のいくつかの別個の面をカバーする、ステップ、次に
(c)一時的材料区画をエッチングするステップ、次に
(d)2次元材料またはMOCVD、CVD、もしくはALDによって堆積される任意の他の半導体材料を含む半導体層を作製するステップであって、半導体層が、基板を覆って配置されてFETマイクロエレクトロニクスデバイスの導電チャネルとして働くように構成されるフィンの形の半導体区画を形成する少なくとも1つの第1の区域を備え、一時的材料区画のエッチングによって形成される少なくとも1つの場所の中の静電制御ゲートおよび誘電体スペーサの下方に配置され、その結果、半導体層が、誘電体スペーサの側壁の少なくとも部分をカバーし静電制御ゲートに対して直接配置されない第2の区域を形成する一方で、第1の区域との不連続性がなく延在する、ステップ、次に
(e)基板を覆って、半導体層の第2の区域を介して半導体層の第1の区域に電気的に結合されるフィンの形のソース領域/ドレイン領域を作製するステップであって、その結果、半導体層の第2の区域がソース領域/ドレイン領域と誘電体スペーサの間に延在する、ステップ
を含む。
【0022】
方法は、ステップ(c)の実施の前に、誘電体スペーサの周りに絶縁誘電体材料を堆積するステップ、次に、空洞が誘電体スペーサのうちの1つによって形成される少なくとも1つの横壁を備えるように、絶縁誘電体材料中の空洞をエッチングするステップをさらに含むことができ、
- ステップ(d)は、半導体層の第2の区域が空洞の横壁の少なくとも部分をカバーするように実施され、
- ステップ(e)は、ソース領域/ドレイン領域の各々が空洞のうちの1つに配置されるように実施される。
【0023】
有利な構成では、
- ステップ(a)は、基板を覆って、いくつかの一時的材料区画を作製するステップを含むことができ、
- ステップ(b)は、静電制御ゲートが一時的材料区画の各々のいくつかの別個の面をカバーするように実施することができ、
- ステップ(c)は、一時的材料区画の全部をエッチングするステップを含み、
- ステップ(d)は、半導体層のいくつかの第1の区域が一時的材料区画のエッチングによって形成される場所に配置され、いくつかの半導体区画を形成する半導体層の第1の区域が基板を覆って配置され、その結果、静電制御ゲートが半導体層の第1の区域の各々のいくつかの別個の面をカバーするように実施することができる。
【0024】
方法は、
- ステップ(a)と(b)の間に、一時的材料区画を覆って実施されて、静電制御ゲートがゲート誘電体層もしくは強誘電体メモリ層を覆ってその後作られる、および/または
- ステップ(c)と(d)の間に、静電制御ゲートおよび誘電体スペーサの下方で、一時的材料区画のエッチングによって形成される少なくとも1つの場所において実施されて、半導体層がゲート誘電体層もしくは強誘電体メモリ層をカバーすることによってその後作られる、
ゲート誘電体層または強誘電体メモリ層を堆積するステップをさらに含むことができる。
【0025】
本発明は、FETマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法にやはり関し、少なくとも
(a)基板を覆って、少なくとも1つの一時的材料区画を作製するステップ、次に
(b)少なくとも一時的材料区画を覆って、少なくとも1つの一時的ゲートおよび一時的ゲートの側壁に対して配置される誘電体スペーサを作製するステップであって、一時的ゲートが一時的材料区画のいくつかの別個の面をカバーする、ステップ、次に
(c)一時的材料区画をエッチングするステップ、次に
(d)2次元材料またはMOCVD、CVD、もしくはALDによって堆積される任意の他の半導体材料を含む半導体層を作製するステップであって、半導体層が、基板を覆って配置されてFETマイクロエレクトロニクスデバイスの導電チャネルとして働くように構成されるフィンの形の半導体区画を形成する少なくとも1つの第1の区域を備え、一時的材料区画のエッチングによって形成される少なくとも1つの場所の中の一時的ゲートおよび誘電体スペーサの下方に配置され、その結果、半導体層が、誘電体スペーサの側壁の少なくとも部分をカバーし一時的ゲートに対して直接配置されない第2の区域を形成する一方で、第1の区域との不連続性がなく延在する、ステップ、次に
(e)一時的ゲートをエッチングし、一時的ゲートの代わりに少なくとも1つの静電制御ゲートを作製するステップ、次に
(f)基板を覆って、半導体層の第2の区域を介して半導体層の第1の区域に電気的に結合されるフィンの形のソース領域/ドレイン領域を作製するステップであって、その結果、半導体層の第2の区域がソース領域/ドレイン領域と誘電体スペーサの間に延在する、ステップ
を含む。
【0026】
この場合、方法は、ステップ(c)の実施の前に、誘電体スペーサの周りに絶縁誘電体材料を堆積するステップ、次に、空洞が誘電体スペーサのうちの1つによって形成される少なくとも1つの横壁を備えるように、絶縁誘電体材料中の空洞をエッチングするステップをさらに含むことができ、
- ステップ(d)は、半導体層の第2の区域が空洞の横壁の少なくとも部分をカバーするように実施され、
- ステップ(e)は、ソース領域/ドレイン領域の各々が空洞のうちの1つに配置されるように実施される。
【0027】
さらに、方法は、以下のようであってよい。
- ステップ(a)は、基板を覆って、いくつかの一時的材料区画を作製するステップを含み、
- ステップ(b)は、一時的ゲートが一時的材料区画の各々のいくつかの別個の面をカバーするように実施され、
- ステップ(c)は、一時的材料区画の全部をエッチングするステップを含み、
- ステップ(d)は、半導体層のいくつかの第1の区域が一時的材料区画のエッチングによって形成される場所に配置され、いくつかの半導体区画を形成する半導体層の第1の区域が基板を覆って配置され、その結果、一時的ゲートが半導体層の第1の区域の各々のいくつかの別個の面をカバーするように実施される。
【0028】
方法は、
- ステップ(e)の間に、半導体層の第1の区域を覆って実施されて、静電制御ゲートがゲート誘電体層もしくは強誘電体メモリ層を覆ってその後作られる、および/または
- ステップ(c)と(d)の間に、一時的ゲートおよび誘電体スペーサの下方で、一時的材料区画のエッチングによって形成される少なくとも1つの場所において実施されて、半導体層がゲート誘電体層もしくは強誘電体メモリ層をカバーすることによってその後作られる、
ゲート誘電体層または強誘電体メモリ層を堆積するステップをさらに含むことができる。
【0029】
文書全体を通して、「上」および「下」という用語は、この用語が関係する要素の空間的方位にかかわらず使用される。たとえば、「第1の基板の面の上の」特徴では、第1の基板のこの面は、必ずしも上向きに向けられるとは限らず、任意の方向にしたがって向けられる面に対応することができる。さらに、第2の要素の上の第1の要素の配置は、場合によって、第1の要素と第2の要素の間に何ら中間要素なしに、第2の要素に対して直接的な第1の要素の配置に対応する、または、場合によって、第1の要素と第2の要素の間に配置される1つまたは複数の中間要素を用いた第2の要素の上の第1の要素の配置に対応すると理解するべきである。
【0030】
文書全体を通して、「層」という用語は、1つの単層またはいくつかの層のスタックのことを呼ぶことができる。
【0031】
文書全体を通して、「電気的な結合」という表現は、直接的であってよい、または間接的であってよい(すなわち、1つまたは複数の中間の電気的要素を通して達成される)電気的接続のことを呼ぶために使用される。
【0032】
本発明は、添付図面を参照して、単に表示目的であって限定しない目的で与えられる実施形態の記載を読めばよりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的の、FETマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
【
図2】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的の、FETマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
【
図3】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的の、FETマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
【
図4】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的の、FETマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
【
図5】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的の、FETマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
【
図6】特定の実施形態にしたがった、本発明の目的の、FETマイクロエレクトロニクスデバイスを作製するための方法のステップを概略的に図示する図である。
【
図7】特定の実施形態の変形形態にしたがった、本発明の目的の、マイクロエレクトロニクスデバイスを概略的に図示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以降に記載される異なる図の同一、同様、または等価な部分は、1つの図から別のものへの移行を容易にするように、同じ参照数字を担う。
【0035】
図に図示される異なる部分は、図をより読み取れるようにするため、必ずしも、均一のスケールにしたがってプロットされない。
【0036】
異なる可能性(変形形態および実施形態)は、互いに排他的でなく、一緒に組み合わせることができるものとして理解するべきである。
【0037】
特定の実施形態にしたがった、FinFETデバイスに対応するFETマイクロエレクトロニクスデバイス100を作製するための方法の例が
図1から
図6を参照して以降で記載される。これらの図の各々で、左側の図は平面(X,Z)における断面図であり、右側の図は、左側の図中で見ることができる軸AA’にしたがった断面図に対応する。
【0038】
図を参照して記載される実施形態では、デバイス100は、バルクタイプ基板102に基づいて作製される。基板102は、この上面を覆って、その形状および体積がデバイス100の活性区域を形成するのに求められるものに対応する1つまたは複数の一時的材料区画を形成するように、その上面から開始してエッチングされる。
図1では、3つの一時的材料区画160が図示される。
【0039】
あるいは、基板102は、SOI基板に対応することができ、すなわち、たとえばSiO2を含む埋込み誘電体層を覆って配置されるシリコン表面層を備え、埋込み誘電体層がたとえばシリコンを含む支持層を覆って配置される。
【0040】
その後、ゲート誘電体層112および静電制御ゲート110が作製され、各一時的材料区画160のいくつかの別個の面をカバーする。ゲート110の側壁は誘電体スペーサ114でカバーされる。さらに、区画160は、基板102の中に形成されるSTIタイプ(英語で「Shallow Trench Isolation」)誘電体絶縁領域161によって電気的に絶縁される。
【0041】
たとえば、層112は、HfO2などの(高い誘電体誘電率を有する)高K誘電体材料を含む。あるいは、この層112は、SiO2もしくはAl2O3または任意の他の好適な材料もしくは材料の組合せを含むことができる。
【0042】
たとえば、静電制御ゲート110は、その上にたとえば200nmに等しい厚さを有するタングステン層がスタックされる薄い(たとえば、3nmに等しい厚さの)TiN層のたとえば第1の堆積といった、層112を覆う1つまたは複数の伝導材料を堆積することによって作製される。あるいは、ゲート110は、たとえば、ドープポリシリコンまたは任意の他の金属(Moなど)のような、TiNまたはW以外の1つまたは複数の材料を含むことができる。
【0043】
さらに、誘電体スペーサ114を作製するのに好適な材料は、たとえばSiN、SiCO、または、SiBCNに対応する。誘電体スペーサ114を作製するために堆積される層の厚さは、たとえば、5nmと15nmの間に含まれる。
【0044】
その後、区画160は、これらの区画の部分だけがゲート104でカバーされるのを保つように、異方性エッチングされる(
図2参照)。このエッチングは、絶縁領域161でストップする。
【0045】
その後、たとえばSiO
2といった絶縁誘電体材料128が堆積され、次いで、ハードマスクでの停止で平坦化される(図では見ることができない)。絶縁誘電体材料128が厚い厚さで堆積され、次いで、ハードマスクに達するまで平坦化が実施される。その後、ハードマスクは、たとえばウェットエッチングによって、たとえば110℃の温度で使用される希釈したH
3PO
4溶液を使用して除去される。本プロセスのこのステージで得られる構造が、
図3に図示される。その後、受け入れる空洞150が形成される。これらの空洞150は、デバイス100のソース領域/ドレイン領域を作製するための場所を形成する。
【0046】
これらの空洞150を作製するステップは、ここでは、絶縁誘電体材料128をエッチングするステップを含むことができる(
図4参照)。空洞150は、誘電体スペーサ114および絶縁誘電体材料128の残りの区画によって形成される横壁150aを備える。
【0047】
その後、一時的材料区画160がエッチングされ、次いで、半導体層120が堆積される(
図5参照)。半導体層120の第1の区域122は、基板102を覆って配置され、ゲート110の下方に局在化した一時的区画160の残りの部分のエッチングによって形成される空間を占有する、フィンの形の半導体区画を形成する。半導体層120の第2の区域124は、ここでは、空洞150の横壁150aならびに底150bを全体にカバーする。
【0048】
半導体層120は、たとえば、MoS2またはWSe2またはWS2またはMoTe2などの遷移金属のダイカルコゲナイドといった、少なくとも1つの2D半導体材料を含む。半導体層120の材料が、IGZO、In2O3、IWO、ITO、またはアモルファス半導体酸化物、またはCVD、MOCVDもしくはALDによって堆積される任意の他の好適な半導体材料に対応することがやはり可能である。
【0049】
その後、記載される例では、空洞150中に1つまたは複数の金属材料を堆積することによって、ソース領域116およびドレイン領域118についての接点117が空洞150の中に作製される。このまたはこれらの金属堆積の以前に、空洞150中にグラフェン層を堆積することが可能であり、このまたはこれらの金属は、グラフェン層を覆ってその後に堆積される。
図6において、これらのソース116およびドレイン118、接点117は、誘電体スペーサ114、ならびに、空洞150の他の横壁に対して延在する半導体層120の第2の区域124を介して、半導体層120の第1の区域122に電気的に結合される。有利には、ソース領域116およびドレイン領域118についての接点117は、ここでは、空洞150の底150aに位置決めされるそれらの横側壁117aおよび下端区画117bで半導体層120の第2の区域124によって全体に囲まれる。
【0050】
空洞150の外側に堆積されるこれらの領域の材料は、絶縁誘電体材料128で停止する平坦化を実施することによって除去される。空洞150の入口と面一の接点117 S/Dの唯一の上端区画117cは、半導体材料層120によって囲まれない。
【0051】
有利には、ソース領域116/ドレイン領域118は、金、パラジウム、TiN、W、Niなどといった、少なくとも1つの金属材料を含む。一実施形態によれば、ソース領域116/ドレイン領域118の各々は、その上にタングステン部が形成されるTiN層を含む。低い接触抵抗を選ぶために、たとえば、S、Bi、Sn、Pd、Ru、Cu、Ni、Ti、TiN、W、Auなどといった、異なる金属を使用して領域116、118を形成することができる。これらの材料は、(それらの特性を改善するために)後でたとえばドープステップの間に、修正することもできる。得られるデバイス100を
図6に見ることができる。
【0052】
以前記載した実施形態では、半導体層120は、一時的区画160によって以前に占有された空間が、半導体層120の材料で完全に満たされるようなものである。あるいは、半導体層120が、一時的区画160によって以前に占有された空間を完全には満たさないことが可能である。この場合、半導体層120の堆積後に、(以降で記載される
図7の例で見ることができる)半導体層120の第1の区域122によって囲まれる1つまたは複数の誘電体区画126を形成するように、残りの空間が誘電体材料で満たされる。これまたはこれらの区画126を形成するため、たとえばAl
2O
3(もしくは、HfO
2)および/またはSiO
2(もしくは、低k誘電体、もしくは低誘電体誘電率を有する)を含む1つまたは複数の誘電体層が堆積され、次いで、残りの空間に局在化した区画126だけを保つように異方性エッチングされる。
【0053】
別の変形形態によれば、基板102は、たとえばSOIといった、半導体オン絶縁体タイプのものであってよい。この場合、一時的区画160は、基板102の半導体表面層から開始して作製される。デバイス100を作製するため実施されるステップは、
図1から
図6を参照して以前に記載されたものと(この変形形態において作製される必要がない絶縁領域161を除いて)同様である。この変形形態にしたがって得られるデバイス100を
図7に見ることができる。
【0054】
異なる以前に述べた例では、半導体層120の第2の区域124は、ソース領域116およびドレイン領域118の側壁および底壁の全部をカバーする。一般的に、半導体層120の第2の区域124が、ソース領域116およびドレイン領域118と誘電体スペーサ114の間、ならびに/または、誘電体スペーサ114に対して配置されるものとは異なるソース領域およびドレイン領域の壁に対して延在することが可能である。さらに、ソース領域116およびドレイン領域118の壁は、半導体層120の第2の区域124によって単に部分的にカバーすることができる。
【0055】
第1および第2の実施形態について以前に述べた実施形態では、ゲート誘電体層112および静電制御ゲート110は、半導体層120を作製する前に一時的材料区画160を覆って作製される(いわゆる、「ゲートファースト」手法)。あるいは、ゲート誘電体層112および静電制御ゲート110の代わりに、一時的材料区画160を覆って1つまたは複数の一時的ゲートを作製し、次いで、半導体層120を作製した後に、一時的ゲートをエッチングし、エッチングした一時的ゲートの代わりに、ゲート誘電体層112および静電制御ゲート110を作製することが可能である(いわゆる、「ゲートラスト」手法)。
【0056】
以前に述べた実施形態では、ゲート誘電体層112は、1つまたは複数の一時的ゲートが使用されるか否かに関係なく、静電制御ゲート110の作製の直前に作製される。あるいは、事前にゲート誘電体層112を作製しておくことなく、静電制御ゲート110を作製することが可能である。この場合、ゲート誘電体層112は、少なくとも、一時的材料区画160をエッチングすることによって得られる場所の壁に対して、半導体層120を堆積する直前に堆積することができる。この場合、層112は、その上に半導体層120の材料が堆積されることが意図される異なる壁をカバーし、それによって、その後半導体層120が堆積される表面したがって界面を均質化する。
【0057】
別の変形形態によれば、層112は、最初に
図1を参照して以前に述べたようなゲート110作製する直前、次いで、半導体層120の堆積の直前に、区画160のエッチングによって形成された空間および空洞150中といった、2つの異なるステップにおいて堆積されることが可能である。この場合、ゲート110の直接上に局在化した層112の部分は、これらの部分が、2つの堆積ステップ期間に堆積される材料の厚さを積み重ねるために、層112の他の部分より厚い。
【0058】
以前に述べた例および変形形態では、層112は、FinFETトランジスタに対応する完成したデバイス100のゲート誘電体を形成することが意図される誘電体材料を含む。あるいは、層112がHfO2またはHfZrO2などの強誘電体材料を含み、この層112がこの場合には強誘電体メモリ層に対応することが可能である。完成したデバイス100は、FeFETタイプメモリ機能を有するマイクロエレクトロニクスデバイスに対応する。層112の作製の以前に述べた異なる変形形態は、強誘電体材料を含む層112にやはり適用される。さらに、層112が強誘電体材料を含むとき、層112は、半導体層120の堆積の直前または前に記載されたように2つの異なるステップ期間に堆積され、有利には、区画160のエッチングによって形成された空間中または空洞150の中に堆積される。したがって、層112によって形成される強誘電体材料面は、ゲート110を作製する直前だけに堆積される場合より大きく、このことによって、性能の点で、メモリのばらつきが低減する。
【符号の説明】
【0059】
100 FETマイクロエレクトロニクスデバイス
102 基板
110 静電制御ゲート
112 ゲート誘電体層、強誘電体メモリ層
114 誘電体スペーサ
116 ソース領域
117 接点
117a 横側壁
117b 下端区画
118 ドレイン領域
120 半導体層
122 第1の区域
124 第2の区域
126 誘電体区画
128 絶縁誘電体材料
150 空洞
150a 底、横壁
150b 横壁、底
160 一時的材料区画
161 誘電体絶縁領域
【外国語明細書】