(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091605
(43)【公開日】2024-07-04
(54)【発明の名称】リジン特異的デメチラーゼ1(LSD1)阻害剤の製造方法
(51)【国際特許分類】
C07D 211/38 20060101AFI20240627BHJP
C07D 405/12 20060101ALI20240627BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20240627BHJP
C07D 409/12 20060101ALI20240627BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20240627BHJP
A61K 31/445 20060101ALN20240627BHJP
A61K 31/4545 20060101ALN20240627BHJP
【FI】
C07D211/38
C07D405/12
C07D401/12
C07D409/12
A61P35/02
A61K31/445
A61K31/4545
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023217050
(22)【出願日】2023-12-22
(31)【優先権主張番号】202211657811.X
(32)【優先日】2022-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523484161
【氏名又は名称】ジァンスー リァンファン ファーマシューティカル カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】JIANGSU LIANHUAN PHARMACEUTICAL CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】No. 9,Jiankangyi Road,Biological Health Industry Park,Yangzhou,Jiangsu 225127,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】513299225
【氏名又は名称】上海 インスティテュート オブ マテリア メディカ、チャイニーズ アカデミー オブ サイエンシーズ
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI INSTITUTE OF MATERIA MEDICA, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】555 Zuchongzhi Road, Zhangjiang, Pudong, Shanghai 201203 China
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ,ホン
(72)【発明者】
【氏名】ニウ,ベン
(72)【発明者】
【氏名】リ,チュンプー
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ジァンピン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,クン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ジァン
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA02
4C086AA04
4C086BC21
4C086GA02
4C086GA04
4C086GA07
4C086NA20
4C086ZB27
(57)【要約】 (修正有)
【課題】実施がより容易で、収率がより高いリジン特異的デメチラーゼ(LSD1)阻害剤の製造方法を提供する。
【解決手段】式(I)で表される化合物、またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、溶媒の中で、酸化剤の作用下において化合物Cを化合物Dに転換させる工程を含む製造方法である。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、以下の工程を含む方法:
【化1】
(ただし、
環Aは、置換または無置換のC
6-C
10アリール環、置換または無置換の5-12員ヘテロアリール環からなる群から選ばれる。
R
1は、-CH
2-Rからなる群から選ばれ、ここで、前記のRは、H、C
1-C
4アルキル基、置換または無置換のC
6-C
10アリール基、置換または無置換のC
3-C
8シクロアルキル基、置換または無置換の5-10員ヘテロアリール基、置換または無置換の4-10員複素環基からなる群から選ばれ、ここで、前記の置換とは基における1個または複数個の水素原子が、ハロゲン、C
1-C
4アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、C
1-C
4アルコキシ基、C
1-C
4ハロアルキル基、またはアミノ保護基からなる群から選ばれる基で置換されることで、前記のヘテロアリール基または複素環基は、N、OまたはSからなる群から選ばれる1、2または3個のヘテロ原子を含み、前記のアミノ保護基は、Boc、SEM、Cbz、Fmoc、Alloc、Teoc、Tos、Tfa、PMB、Bnからなる群から選ばれる。
各R
2は、それぞれ独立に、メチル基からなる群から選ばれる。
nは0、1または2である。)
【化2】
(1)溶媒の中で、酸化剤の作用下において化合物Cを化合物Dに転換させる;
ここで、前記の酸化剤は、二クロム酸カリウム-硫酸、二クロム酸ピリジニウム/ピリジン、二クロム酸ピリジニウム、クロロクロム酸ピリジニウム、塩化オキサリル/ジメチルスルホキシド、ピリジン-三酸化硫黄/ジメチルスルホキシド/トリエチルアミン、デス・マーチン超原子価ヨウ素酸化剤、ヨードフェニル二酢酸/TEMPOからなる群から選ばれる;
前記溶媒は、C
1-C
4ハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、ジオキサン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる;
【化3】
(2)化合物Dを化合物Eと還元アミン化させて化合物Gを生成する。
もう一つの好適な例において、前記の工程(2)は還元剤および添加剤の作用下において行われる。
もう一つの好適な例において、前記の還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記の添加剤は、ギ酸、酢酸、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記の工程(2)は、C
1-C
4ハロゲン化炭化水素系溶媒、C
1-C
6アルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる溶媒の中で行われる。
もう一つの好適な例において、前記のRは、置換または無置換のフェニル基、置換または無置換のC
5-C
6シクロアルキル基、置換または無置換の5-7員ヘテロアリール基、置換または無置換の5-6員複素環基からなる群から選ばれ、ここで、前記の置換とは基における1個または複数個の水素原子が、ハロゲン、C
1-C
4アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、C
1-C
4アルコキシ基、C
1-C
4ハロアルキル基、またはアミノ保護基からなる群から選ばれる基で置換されることで、前記のヘテロアリール基または複素環基は、N、OまたはSからなる群から選ばれる1、2または3個のヘテロ原子を含み、前記のアミノ保護基は、Boc、SEM、Cbz、Fmoc、Alloc、Teoc、Tos、Tfa、PMB、Bnからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記のR
1は、エチル基、ベンジル基、フェニル基、シクロヘキシルメチル基、4-ピリジルメチル基、フェニルエチル基、1H-インドール-5-イルメチル基、2-チエニルメチル基、2-フリルメチル基、4-フルオロフェニルメチル基、4-クロロフェニルメチル基、4-ブロモフェニルメチル基、4-メトキシフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルメチル基、3,5-ジメトキシフェニルメチル基、4-カルボニルフェニルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロブチルメチル基、4-ピペリジルメチル基、3-クロロフェニルメチル基、2-クロロフェニルメチル基、4-t-ブチルフェニルメチル基からなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記の式G化合物は以下の群から選ばれる。
【化4】
【請求項2】
工程(1)では、前記の酸化剤は、塩化オキサリル/ジメチルスルホキシド、ピリジン-三酸化硫黄/ジメチルスルホキシド/トリエチルアミン、デス・マーチン酸化剤またはヨードフェニル二酢酸/TEMPOからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(1)では、前記の溶媒はハロゲン化炭化水素系溶媒であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
工程(1)では、前記の溶媒はジクロロメタンであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程(1)では、前記の式C化合物と酸化剤のモル比は1:1.0~1:6.0であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
もう一つの好適な例において、前記反応の温度は-80~40℃である。
もう一つの好適な例において、前記反応の時間は4~48時間である。
もう一つの好適な例において、前記反応溶媒の使用量の体積と基質の質量の比V/Wは5~20 mL/gである。
【請求項6】
工程(1)では、前記の式C化合物と酸化剤のモル比は1:2.0~1:4.0であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
もう一つの好適な例において、前記反応の温度は-78~20℃である。
もう一つの好適な例において、前記反応の時間は2~24時間である。
【請求項7】
工程(2)では、前記の還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
工程(2)では、前記の溶媒は、C1-C6アルコール系溶媒、C1-C4ハロゲン化アルカン溶媒からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
工程(2)では、前記の式D化合物と還元剤のモル比は1:0.8~1:2.0で、ならびに/あるいは
前記の式D化合物と式E化合物のモル比は1:0.5~1:2.0で、ならびに/あるいは
前記の式D化合物と添加剤のモル比は1:0.5~1:2.0であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
もう一つの好適な例において、前記反応の温度は-10~50℃である。
もう一つの好適な例において、前記反応の時間は1~48時間である。
もう一つの好適な例において、前記反応溶媒の使用量の体積と基質の質量の比V/Wは5 mL/g~30 mL/gである。
【請求項10】
さらに、以下の工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法:
【化5】
(3)化合物Gを有機酸または無機酸と反応させ、化合物Hを得る。
もう一つの好適な例において、工程(3)では、前記の有機酸または無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、アミノスルホン酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、エタンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、プロパン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、ステアリン酸、パモ酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、安息香酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、p-アミノベンゼンスルホン酸、2-アセチルオキシ安息香酸、ヒドロキシエタンスルホン酸、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、工程(3)では、前記の溶媒は、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、メチル-t-ブチルエーテル、ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、工程(3)では、前記溶媒は、C
1-C
6アルコール系溶媒/水混合溶媒、アセトニトリル/水混合溶媒、アセトン/水混合溶媒からなる群から選ばれる。
【請求項11】
工程(3)では、前記の式G化合物と塩形成試薬のモル比は1:1.0~5.0であることを特徴とする請求項10に記載の方法。
もう一つの好適な例において、工程(3)では、前記反応の温度は20~100℃である。
もう一つの好適な例において、工程(3)では、前記反応の時間は2~48時間である。
もう一つの好適な例において、工程(3)では、前記反応溶媒の使用量の体積と基質の質量の比V/Wは5 mL/g~30 mL/gである。
【請求項12】
式Dで表される中間体化合物の製造方法であって、以下の工程を含む方法:
【化6】
(ただし、
R
1は、エチル基、ベンジル基、フェニル基、シクロヘキシルメチル基、4-ピリジルメチル基、フェニルエチル基、1H-インドール-5-イルメチル基、2-チエニルメチル基、2-フリルメチル基、4-フルオロフェニルメチル基、4-クロロフェニルメチル基、4-ブロモフェニルメチル基、4-メトキシフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルメチル基、3,5-ジメトキシフェニルメチル基、4-カルボニルフェニルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロブチルメチル基、4-ピペリジルメチル基、3-クロロフェニルメチル基、2-クロロフェニルメチル基、4-t-ブチルフェニルメチル基からなる群から選ばれる。
各R
2は、それぞれ独立に、メチル基からなる群から選ばれる。
nは0、1または2である。)
【化7】
(1)溶媒の中で、酸化剤の作用下において化合物Cを化合物Dに転換させる;
ここで、前記の酸化剤は、二クロム酸カリウム-硫酸、二クロム酸ピリジニウム/ピリジン、二クロム酸ピリジニウム、クロロクロム酸ピリジニウム、塩化オキサリル/ジメチルスルホキシド、ピリジン-三酸化硫黄/ジメチルスルホキシド/トリエチルアミン、デス・マーチン超原子価ヨウ素酸化剤、ヨードフェニル二酢酸/TEMPOからなる群から選ばれる;
前記の溶媒は、C
1-C
4ハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、ジオキサン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物合成の技術分野に属し、具体的に、リジン特異的デメチラーゼ(LSD1)阻害剤の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒストン翻訳後修飾は、エピジェネティクスにおいて研究される重要な範疇で、異常なヒストン翻訳と腫瘍の発生・発展が密接に関連する。LSD1(BHC110、p110bおよびNPAOとも呼ばれる)はShiの研究チームによって2004年に確認され、初めて発見されたヒストンデメチラーゼで、その構造が酵母からヒトまでいずれも高度に保守的である。正常な血細胞において、LSD1は造血に関連する転写因子(たとえば、GFI1BやTAL1)と結合することによって転写して下流の標的遺伝子の発現を抑制することで、造血細胞の分化を抑制する。LSD1は正常な造血細胞の分化度の動的調節に重要な役割を果たすが、このような動的調節のバランスが崩れると、造血細胞の分化の過程に混乱が生じ、白血病の発生を誘導することがある。研究では、90%の急性骨髄性白血病 (acute myeloid leukemia、AML)および78%の急性T細胞性白血病 (T-cell acute lymphoblastic leukemia、T-ALL)の症例において骨髄からLSD1高発現の現象が見えることが明らかになった。LSD1は低分化のAML細胞における発現量が分化度の高いAML細胞よりも顕著に高い。MLL-AF9融合型白血病マウスモデルにおいて、LSD1は白血病幹細胞の幹細胞性の維持、造血細胞の分化の抑制、細胞の過度増殖の促進などに重要であることが見出された。LSD1遺伝子がノックアウトされると、AML幹細胞は誘導分化およびアポトーシスによって幹細胞性を失い、そして体外におけるクローン形成および体内における腫瘍移植の過程が実現できなくなる。同時に、LSD1は多くの固形腫瘍の細胞および組織において異常発現の現象があり、良くない予後反応と密接に関連する。そのため、LSD1は有効なエピジェネティクスに関連する抗腫瘍標的になっており、新規な構造の小分子LSD1阻害剤の開発および合成は、悪性腫瘍や白血病などの疾患の治療の研究に重要な研究意義がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、実施がより容易で、収率がより高いLSD1阻害剤の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第一の側面では、式Iで表される化合物、またはその薬学的に許容される塩の製造方法であって、以下の工程を含む方法を提供する:
【化1】
(ただし、
環Aは、置換または無置換のC
6-C
10アリール環、置換または無置換の5-12員ヘテロアリール環からなる群から選ばれる。
R
1は、-CH
2-Rからなる群から選ばれ、ここで、前記のRは、H、C
1-C
4アルキル基、置換または無置換のC
6-C
10アリール基、置換または無置換のC
3-C
8シクロアルキル基、置換または無置換の5-10員ヘテロアリール基、置換または無置換の4-10員複素環基からなる群から選ばれ、ここで、前記の置換とは基における1個または複数個の水素原子が、ハロゲン、C
1-C
4アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、C
1-C
4アルコキシ基、C
1-C
4ハロアルキル基、またはアミノ保護基からなる群から選ばれる基で置換されることで、前記のヘテロアリール基または複素環基は、N、OまたはSからなる群から選ばれる1、2または3個のヘテロ原子を含み、前記のアミノ保護基は、Boc、SEM、Cbz、Fmoc、Alloc、Teoc、Tos、Tfa、PMB、Bnからなる群から選ばれる。
各R
2は、それぞれ独立に、メチル基からなる群から選ばれる。
nは0、1または2である。)
【化2】
(1)溶媒の中で、酸化剤の作用下において化合物Cを化合物Dに転換させる;
ここで、前記の酸化剤は、二クロム酸カリウム-硫酸、二クロム酸ピリジニウム/ピリジン、二クロム酸ピリジニウム、クロロクロム酸ピリジニウム、塩化オキサリル/ジメチルスルホキシド、ピリジン-三酸化硫黄/ジメチルスルホキシド/トリエチルアミン、デス・マーチン超原子価ヨウ素酸化剤、ヨードフェニル二酢酸/TEMPOからなる群から選ばれる;
前記溶媒は、C
1-C
4ハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、ジオキサン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる;
【化3】
(2)化合物Dを化合物Eと還元アミン化させて化合物Gを生成する。
【0005】
もう一つの好適な例において、前記の工程(2)は還元剤および添加剤の作用下において行われる。
もう一つの好適な例において、前記の還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
【0006】
もう一つの好適な例において、前記の添加剤は、ギ酸、酢酸、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記の工程(2)は、C1-C4ハロゲン化炭化水素系溶媒、C1-C6アルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる溶媒の中で行われる。
【0007】
もう一つの好適な例において、前記のRは、置換または無置換のフェニル基、置換または無置換のC5-C6シクロアルキル基、置換または無置換の5-7員ヘテロアリール基、置換または無置換の5-6員複素環基からなる群から選ばれ、ここで、前記の置換とは基における1個または複数個の水素原子が、ハロゲン、C1-C4アルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、C1-C4アルコキシ基、C1-C4ハロアルキル基、またはアミノ保護基からなる群から選ばれる基で置換されることで、前記のヘテロアリール基または複素環基は、N、OまたはSからなる群から選ばれる1、2または3個のヘテロ原子を含み、前記のアミノ保護基は、Boc、SEM、Cbz、Fmoc、Alloc、Teoc、Tos、Tfa、PMB、Bnからなる群から選ばれる。
【0008】
もう一つの好適な例において、前記のR1は、エチル基、ベンジル基、フェニル基、シクロヘキシルメチル基、4-ピリジルメチル基、フェニルエチル基、1H-インドール-5-イルメチル基、2-チエニルメチル基、2-フリルメチル基、4-フルオロフェニルメチル基、4-クロロフェニルメチル基、4-ブロモフェニルメチル基、4-メトキシフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルメチル基、3,5-ジメトキシフェニルメチル基、4-カルボニルフェニルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロブチルメチル基、4-ピペリジルメチル基、3-クロロフェニルメチル基、2-クロロフェニルメチル基、4-t-ブチルフェニルメチル基からなる群から選ばれる。
【0009】
もう一つの好適な例において、前記の式G化合物は以下の群から選ばれる。
【化4】
【0010】
一部の実施形態において、工程(1)では、前記の酸化剤は、塩化オキサリル/ジメチルスルホキシド、ピリジン-三酸化硫黄/ジメチルスルホキシド/トリエチルアミン、デス・マーチン酸化剤またはヨードフェニル二酢酸/TEMPOからなる群から選ばれる。
【0011】
一部の実施形態において、工程(1)では、前記の溶媒はハロゲン化炭化水素系溶媒である。
一部の実施形態において、工程(1)では、前記の溶媒はジクロロメタンである。
一部の実施形態において、工程(1)では、前記の式C化合物と酸化剤のモル比は1:1.0~1:6.0である。
【0012】
もう一つの好適な例において、前記反応の温度は-80~40℃である。
もう一つの好適な例において、前記反応の時間は4~48時間である。
もう一つの好適な例において、前記反応溶媒の使用量の体積と基質の質量の比V/Wは5~20 mL/gである。
【0013】
一部の実施形態において、前記の式C化合物と酸化剤のモル比は1:2.0~1:4.0である。
もう一つの好適な例において、前記反応の温度は-78~20℃である。
もう一つの好適な例において、前記反応の時間は2~24時間である。
【0014】
一部の実施形態において、工程(2)では、前記の還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムまたはトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムからなる群から選ばれる。
一部の実施形態において、工程(2)では、前記の溶媒は、C1-C6アルコール系溶媒、C1-C4ハロゲン化アルカン溶媒からなる群から選ばれる。
【0015】
一部の実施形態において、工程(2)では、前記の式D化合物と還元剤のモル比は1:0.8~1:2.0で、ならびに/あるいは
前記の式D化合物と式E化合物のモル比は1:0.5~1:2.0で、ならびに/あるいは
前記の式D化合物と添加剤のモル比は1:0.5~1:2.0である。
【0016】
もう一つの好適な例において、前記反応の温度は-10~50℃である。
もう一つの好適な例において、前記反応の時間は1~48時間である。
もう一つの好適な例において、前記反応溶媒の使用量の体積と基質の質量の比V/Wは5 mL/g~30 mL/gである。
【0017】
一部の実施形態において、前記方法は、さらに、以下の工程を含む:
【化5】
(3)化合物Gを有機酸または無機酸と反応させ、化合物Hを得る。
【0018】
もう一つの好適な例において、工程(3)では、前記の有機酸または無機酸は、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、アミノスルホン酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、酢酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、エタンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、フマル酸、コハク酸、プロパン酸、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、ステアリン酸、パモ酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、安息香酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、p-アミノベンゼンスルホン酸、2-アセチルオキシ安息香酸、ヒドロキシエタンスルホン酸からなる群から選ばれる。
【0019】
もう一つの好適な例において、工程(3)では、前記の溶媒は、メタノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、メチル-t-ブチルエーテル、ジオキサン、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
【0020】
もう一つの好適な例において、工程(3)では、前記溶媒は、C1-C6アルコール系溶媒/水混合溶媒、アセトニトリル/水混合溶媒、アセトン/水混合溶媒からなる群から選ばれる。
【0021】
一部の実施形態において、工程(3)では、前記の式G化合物と塩形成試薬のモル比は1:1.0~5.0である。
もう一つの好適な例において、工程(3)では、前記反応の温度は20~100℃である。
【0022】
もう一つの好適な例において、工程(3)では、前記反応の時間は2~48時間である。
もう一つの好適な例において、工程(3)では、前記反応溶媒の使用量の体積と基質の質量の比V/Wは5 mL/g~30 mL/gである。
【0023】
本発明の第二の側面では、式Dで表される中間体化合物の製造方法であって、以下の工程を含む方法を提供する:
【化6】
(ただし、
R
1は、エチル基、ベンジル基、フェニル基、シクロヘキシルメチル基、4-ピリジルメチル基、フェニルエチル基、1H-インドール-5-イルメチル基、2-チエニルメチル基、2-フリルメチル基、4-フルオロフェニルメチル基、4-クロロフェニルメチル基、4-ブロモフェニルメチル基、4-メトキシフェニル、4-トリフルオロメチルフェニルメチル基、3,5-ジメトキシフェニルメチル基、4-カルボニルフェニルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロブチルメチル基、4-ピペリジルメチル基、3-クロロフェニルメチル基、2-クロロフェニルメチル基、4-t-ブチルフェニルメチル基からなる群から選ばれる。
各R
2は、それぞれ独立に、メチル基からなる群から選ばれる。
nは0、1または2である。)
【化7】
(1)溶媒の中で、酸化剤の作用下において化合物Cを化合物Dに転換させる;
ここで、前記の酸化剤は、二クロム酸カリウム-硫酸、二クロム酸ピリジニウム/ピリジン、二クロム酸ピリジニウム、クロロクロム酸ピリジニウム、塩化オキサリル/ジメチルスルホキシド、ピリジン-三酸化硫黄/ジメチルスルホキシド/トリエチルアミン、デス・マーチン超原子価ヨウ素酸化剤、ヨードフェニル二酢酸/TEMPOからなる群から選ばれる;
前記の溶媒は、C
1-C
4ハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、ジオキサン、またはこれらの組み合わせからなる群から選ばれる。
【0024】
もちろん、本発明の範囲内において、本発明の上記の各技術特徴および下記(たとえば実施例)の具体的に記述された各技術特徴は互いに組合せ、新しい、または好適な技術方案を構成できることが理解される。紙数に限りがあるため、ここで逐一説明しない。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明者は、長期間にわたって深く研究したところ、新たなトラニルシプロミン系化合物の製造方法を得た。前記の合成方法は、収率が高い、産物の純度が高い、工業化生産に適するといった利点があるため、トラニルシプロミン系化合物の生成に非常に適する。上記の知見に基づき、発明者らは本発明を完成させた。
【0026】
定義
本明細書で用いられるように、用語「アルキル基」は、直鎖または分枝鎖のアルキル基を含む。たとえば、C1-C6アルキル基とは、炭素原子を1-6個有する直鎖または分岐鎖のアルキル基で、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基などが挙げられる。
【0027】
本明細書で用いられるように、用語「アルケニル基」は、直鎖または分枝鎖のアルケニル基を含む。たとえば、C2-C6アルケニル基とは、炭素原子を2-6個有する直鎖又は分岐鎖のアルケニル基で、例えばビニル基、アリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基や類似の基が挙げられる。
【0028】
本明細書で用いられるように、用語「アルキニル基」は、直鎖または分枝鎖のアルキニル基を含む。たとえば、C2-C6アルキニル基とは、炭素原子を2-6個有する直鎖または分岐鎖のアルキニル基で、たとえばエチニル基、プロパギル基、ブチニル基や類似の基が挙げられる。
【0029】
本明細書で用いられるように、用語「シクロアルキル基」とは、特定の炭素原子数を有する環状飽和脂肪族炭化水素基を是いう。たとえば、C3-C10シクロアルキル基とは、炭素原子を3-10個有する環状飽和脂肪族炭化水素基である。単環式のものでもよく、たとえばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基や類似の基が挙げられる。二環式のものでもよく、たとえば橋架け環やスピロ環の形態が挙げられる。
【0030】
本明細書で用いられるように、用語「アルキルアミノ基」とは、アルキル基で置換されたアミノ基である。たとえば、「C1-C6アルキルアミノ基」とは、C1-C6アルキル基で置換されたアミノ基で、単置換または二置換のものでもよく、たとえばメチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、t-ブチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-t-ブチルアミノ基などが挙げられる。
【0031】
本明細書で用いられるように、用語「アルコキシ基」とは、アルキル-オキシ構造を有する基である。たとえば、「C1-C8アルコキシ基」とは、炭素原子を1-8個有する直鎖または分岐鎖のアルコキシ基で、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、t-ブトキシ基などを含む。
【0032】
本明細書で用いられるように、用語「ハロアルキル基」とは、1個または複数個の水素原子がハロゲンで置換されたアルキル基を表し、ここで、アルキル基の定義は前記の通りである。
【0033】
本明細書で用いられるように、用語「ハロアルコキシ基」とは、1個または複数個の水素原子がハロゲンで置換されたアルコキシ基を表し、ここで、アルコキシ基の定義は前記の通りである。
【0034】
本明細書で用いられるように、用語「複素環基」または「ヘテロシクロアルキル基」とは、特定の環原子数(たとえば3-10個の環原子)を有し、かつそのうちの1-3個の原子がN、SおよびOから選ばれるヘテロ原子である、飽和または部分飽和の環状基である。単環式のものでもよく、二環または多環式のものでもよく、たとえば架橋環やスピロ環のものが挙げられる。具体的な実例はオキセタニル基、アゼチジル基、テトラヒドロ-2H-ピラニル基、ピペリジル基、テトラヒドロフリル基、モルホリル基やピロリジル基などでもよい。
【0035】
本明細書で用いられるように、用語「C6-C10アリール基」とは、炭素原子を6-10個有するアリール基で、たとえばフェニル基やナフチル基などの類似の基が挙げられる。
【0036】
本明細書で用いられるように、用語「5-12員ヘテロアリール基」とは5-12個の原子を有し、かつそのうちの1-3個の原子がからなる群N、SおよびOからなる群から選ばれるヘテロ原子である環状芳香族基である。単環式のものでもよく、縮合環の形態でもよい。具体的な実例はピリジル基、ピリダジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジル基、ピロリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、テトラゾリル基、フリル基、チエニル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基などでもよい。
【0037】
本発明に記載の基は、特別に「置換または無置換の」と説明しない限り、本発明の基はいずれもハロゲン、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1-C6アルキル-アミノ基、C1-C6アルキル基、C2-C6アルケニル基、C2-C6アルキニル基、C1-C6アルコキシ基、C1-C6ハロアルキル基、C2-C6ハロアルケニル基、C2-C6ハロアルキニル基、C1-C6ハロアルコキシ基、アリル基、ベンジル基、C6-C10アリール基、C1-C6アルコキシ-C1-C6アルキル基、C1-C6アルコキシ-カルボニル基、フェノキシカルボニル基、C2-C6アルキニル-カルボニル基、C2-C6アルケニル-カルボニル基、C3-C6シクロアルキル-カルボニル基、C1-C6アルキル-スルホニル基などからなる群から選ばれる置換基で置換されてもよい。
【0038】
本明細書で用いられるように、「ハロゲン」または「ハロゲン原子」とは、F、Cl、Br、およびIを指す。ハロゲンまたはハロゲン原子はF、ClおよびBrから選ばれることが好ましい。「ハロゲン置換の」とはF、Cl、Br、およびIから選ばれる原子で置換されることである。
【0039】
特別に説明しない限り、本発明に記載される構造式はすべての異性体の様態の形態(たとえばエナンチオマー、ジアステレオマーや幾何異性体(または配座異性体))、たとえば不斉中心を有するR、S配置、二重結合の(Z)、(E)異性体などを含むことを意味する。そのため、本発明の化合物の単独の立体異性体またはそのエナンチオマー、ジアステレオマーまたは幾何異性体(または配座異性体)の混合物はいずれも本発明の範囲に含まれる。
【0040】
本明細書で用いられるように、用語「互変異性体」は異なるエネルギーを有する構造異性体が低いエネルギー障壁を乗りえ、互いに転換することができることを意味する。たとえば、プロトン互変異性体(すなわちプロトトロピー)はプロトン移動によって互変するもの、たとえば1H-インダゾールと2H-インダゾールを含む。原子価互変異性体は一部の結合電子が再構成して互変するものを含む。
【0041】
本明細書で用いられるように、用語「溶媒和物」とは本発明の化合物と溶媒分子が配位して形成される特定の比率の錯体をいう。
本明細書で用いられるように、用語「水和物」とは本発明の化合物と水が配位して形成される錯体をいう。
【0042】
本発明の主な利点は以下の通りである。
(1)本発明の合成方法は、操作が簡単で、条件が温和で、環境汚染が少なく、原材料が入手しやすい。
(2)本発明の合成方法は、収率が高くて安定で、工業化生産に適する。
【0043】
以下、具体的な実施例によって、さらに本発明を説明する。これらの実施例は本発明を説明するために用いられるものだけで、本発明の範囲の制限にはならないと理解されるものである。以下の実施例において、具体的な条件が記載されていない実験方法は、通常、通常の条件、あるいはメーカーの薦めの条件で行われた。特に説明しない限り、百分率および部は重量百分率および重量部である。
【0044】
別途に定義しない限り、本文に用いられるすべての専門用語と科学用語は、当業者に熟知される意味と同様である。また、記載の内容と類似あるいは同等の方法および材料は、いずれも本発明の方法に用いることができる。ここで記載の好ましい実施方法及び材料は例示のためだけである。
以下、実施例で使用された実験材料および試薬は、特に説明しない限り、いずれも市販品として得られる。
【0045】
実施例
実施例1 4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸ベンジル塩酸塩(H1)の調製
合成経路:
【化8】
【0046】
D1の調製:
塩化オキサリル(57.5 mL, 680.2 mmol, 2 eq)を無水ジクロロメタン溶液(1.03 L)に溶解させ、-78℃に降温させ、 温度が-60℃未満の条件において無水ジメチルスルホキシド(72.4 mL, 1.022 mol, 3 eq)を入れた後、-78℃の条件において0.5時間反応させ、さらに化合物C1(91.1 g, 340.7 mmol, 1 eq)のジクロロメタン溶液(250 mL)を入れ、-78℃の条件において1.5時間反応させた後、トリエチルアミン(235 mL, 1.703 mol, 5 eq)を入れ、続いて-78℃の条件において10分間反応させた後、室温に昇温させて0.5時間反応させた。反応液を2.5 Lの水に注いで抽出し、水相をジクロロメタン(300 mL×2)で抽出し、有機相を収集し、有機相をさらに飽和食塩水(0.5 L×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、回転乾燥し、PE : EA = 2 : 1でカラムにかけ、77.7 gの黄色の油状の標的化合物D1を得た。収率:86%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 266。
【0047】
G1の調製:
化合物D1(77 g,290.3 mmol, 1 eq)、(1S,2R)-2-フェニルシクロプロピルアミン(38.7 g,290.3 mmol, 1 eq)およびギ酸(16.6 mL,290.3 mmol,1 eq)を500 mLのジクロロメタンに溶解させ、空気を吸引して窒素ガスで3回置換し、加熱して15分間還流させた。室温に冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(36.5 g,580.6 mmol,2 eq)を分けて入れ、室温で12時間撹拌し、ゆっくり300 mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液を入れてクエンチングし、ジクロロメタン(300 mL×2)で抽出し、有機相を合併し、有機相をさらに飽和食塩水(0.5 L×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、回転乾燥し、DCM:MeOH = 20:1でカラムにかけ、99 gの無色の油状の標的化合物G1を得た。収率:89%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 383。
【0048】
H1の調製:
化合物G1(95 g,248 mmol,1 eq)を1,4-ジオキサン(0.5 L)に溶解させ、撹拌しながら4 N塩酸のジオキサン溶液(63.2 mL,253 mmol,1.02 eq)を滴下し、室温で一晩撹拌した。回転乾燥後、100 mLのメタノールに再溶解させ、撹拌しながら2 Lの酢酸エチルを入れ、白色固体が析出し、吸引ろ過し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥し、96 gの白色固体の標的化合物H1を得た。収率:92%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 383。
【0049】
実施例2 3-クロロベンジル-4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル塩酸塩(H2)
【化9】
H1を合成する方法に従い、出発原料におけるベンジル基を3-クロロベンジル基に変更すると、化合物H2を調製した。総収率:72%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 417。
【0050】
実施例3 フラン-2-イルメチル-4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル塩酸塩(H3)
【化10】
H1を合成する方法に従い、出発原料におけるベンジル基をフラン-2-イルメチルに変更すると、化合物H3を調製した。総収率:58%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 373。
【0051】
実施例4 4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸ベンジル p-トルエンスルホン酸塩(H4)の調製
H4の調製経路:
【化11】
G1の合成経路は上記H1の調製経路を参照する。
【0052】
H4の調製:
化合物G1(50 g,131 mmol,1 eq)を1,4-ジオキサン(0.5 L)に溶解させ、攪拌しながらp-トルエンスルホン酸(23 g,131 mmmol,1 eq)のジオキサン(100 mL)溶液を滴下し、室温で一晩撹拌した。回転乾燥後、300 mLの水/アセトン(1/2、V/V)に再溶解させ、55℃に加熱して撹拌して完全に溶解させ、降温させると白色固体が析出し、吸引ろ過し、50 mLの水/アセトン(1/2、V/V)で洗浄し、乾燥し、60 gの白色固体の標的化合物H4を得た。収率:82%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ =383。
【0053】
実施例5 シクロヘキシルメチル-4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル p-トルエンスルホン酸塩(H5)の調製
【化12】
H4を合成する方法に従い、出発原料におけるベンジル基をシクロヘキシルメチルに変更すると、化合物H5を調製した。総収率:67%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 389。
【0054】
実施例6 ピリジン-4-イルメチル-4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル p-トルエンスルホン酸塩(H6)の調製
【化13】
H4を合成する方法に従い、出発原料におけるベンジル基をピリジン-4-イルメチルに変更すると、化合物H6を調製した。総収率:45%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 384。
【0055】
実施例7 チオフェン-2-ル-4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル p-トルエンスルホン酸塩(H7)の調製
【化14】
H4を合成する方法に従い、出発原料におけるベンジル基をチオフェン-2-イルメチルに変更すると、化合物H6を調製した。総収率:46%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 389。
【0056】
実施例8 4-フルオロ-4-(((1R,2S-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸ベンジル塩酸塩(H8)の調製
【化15】
H1を合成する方法に従い、E1をそのエナンチオマーE2に変更すると、化合物H8を調製した。
【0057】
G2の調製:
化合物D1(50 g,188.5 mmol, 1 eq)、(1R,2S)-2-フェニルシクロプロピルアミン(25.1 g,188.5 mmol, 1 eq)およびギ酸(10.8 mL,188.5 mmol,1 eq)を300 mLのジクロロメタンに溶解させ、空気を吸引して窒素ガスで3回置換し、加熱して15分間還流させた。室温に冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(23.7 g,580.6 mmol,2 eq)を分けて入れ、室温で12時間撹拌し、ゆっくり150 mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液を入れてクエンチングし、ジクロロメタン(150 mL×2)で抽出し、有機相を合併し、有機相をさらに飽和食塩水(0.5 L×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、回転乾燥し、DCM:MeOH = 20:1でカラムにかけ、60.5 gの無色の油状の標的化合物G1を得た。収率:84%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 383。
【0058】
H8の調製:
化合物G2(55 g,144 mmol,1 eq)を1,4-ジオキサン(0.4 L)に溶解させ、撹拌しながら4 N塩酸のジオキサン溶液(36.7 mL,147 mmol,1.02 eq)を滴下し、室温で一晩撹拌した。回転乾燥後、80 mLのメタノールに再溶解させ、撹拌しながら1.6 Lの酢酸エチルを入れ、白色固体が析出し、吸引ろ過し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥し、54 gの白色固体の標的化合物H8を得た。収率:90%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 383。
【0059】
実施例9 4-フルオロベンジル-4-フルオロ-4-(((1R,2S-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル塩酸塩(H9)の調製
【化16】
H8を合成する方法に従い、出発原料におけるベンジル基を4-フルオロベンジル基に変更すると、化合物H9を調製した。総収率:52%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 401。
【0060】
実施例10 4-メトキシベンジル-4-フルオロ-4-(((1R,2S-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル塩酸塩(H10)の調製
【化17】
H8を合成する方法に従い、出発原料におけるベンジル基を4-メトキシベンジル基に変更すると、化合物H9を調製した。総収率:57%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 413。
【0061】
実施例11 ピペリジン-4-メチル-4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル塩酸塩(H11)の調製
【化18】
【0062】
D3の調製:
塩化オキサリル(45.1 mL, 534 mmol, 2 eq)を無水ジクロロメタン溶液(1 L)に溶解させ、-78℃に降温させ、 温度が-60℃未満の条件において無水ジメチルスルホキシド(56.7 mL, 0.801 mol, 3 eq)を入れた後、-78℃の条件において0.5時間反応させ、さらに化合物C3(100 g, 267 mmol, 1 eq)のジクロロメタン溶液(250 mL)を入れ、-78℃の条件において1.5時間反応させた後、トリエチルアミン(184 mL, 1.335 mol, 5 eq)を入れ、続いて-78℃の条件において10分間反応させた後、室温に昇温させて0.5時間反応させた。反応液を2.5 Lの水に注いで抽出し、水相をジクロロメタン(300 mL×2)で抽出し、有機相を収集し、有機相をさらに飽和食塩水(0.5 L×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、回転乾燥、、PE : EA = 2 : 1でカラムにかけ、87.6 gの黄色の油状の標的化合物D3を得た。収率:88%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 373。
【0063】
G3の調製:
化合物D3(80 g,301.6 mmol, 1 eq)、(1S,2R)-2-フェニルシクロプロピルアミン(40.2 g,301.6 mmol, 1 eq)およびギ酸(17.2 mL,301.6 mmol,1 eq)を500 mLのジクロロメタンに溶解させ、空気を吸引して窒素ガスで3回置換し、加熱して15分間還流させた。室温に冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(37.9 g,603.2 mmol,2 eq)を分けて入れ、室温で12時間撹拌し、ゆっくり310 mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液を入れてクエンチングし、ジクロロメタン(300 mL×2)で抽出し、有機相を合併し、有機相をさらに飽和食塩水(0.5 L×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、回転乾燥し、DCM:MeOH = 20:1でカラムにかけ、123 gの無色の油状の標的化合物G3を得た。収率:83%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 490。
【0064】
H11の調製:
化合物G3(110 g,287.2 mmol,1 eq)を1,4-ジオキサン(0.5 L)に溶解させ、撹拌しながら4 N塩酸のジオキサン溶液(287 mL,1148.8 mmol,4.0 eq)を滴下し、室温で一晩撹拌した。回転乾燥後、100 mLのメタノールに再溶解させ、撹拌しながら2 Lの酢酸エチルを入れ、白色固体が析出し、吸引ろ過し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥し、123 gの白色固体の標的化合物H11を得た。収率:93%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 390。
【0065】
実施例12 ピペリジン-4-イルメチル-4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル p-トルエンスルホン酸塩(H12)の調製
【化19】
【0066】
H12の調製:
化合物G3(100 g,261.1 mmol,1 eq)を1,4-ジオキサン(1 L)に溶解させ、攪拌しながらp-トルエンスルホン酸(180 g,1044.4 mmmol,4 eq)のジオキサン(200 mL)溶液を滴下し、室温で一晩撹拌した。回転乾燥後、600 mLの水/アセトン(1/2、V/V)に再溶解させ、55℃に加熱して撹拌して完全に溶解させ、降温させると白色固体が析出し、吸引ろ過し、100 mLの水/アセトン(1/2、V/V)で洗浄し、乾燥し、153 gの白色固体の標的化合物H12を得た。収率:80%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 390。
【0067】
実施例13 ピペリジン-4-メチル-4-フルオロ-4-(((1R,2S-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル塩酸塩(H13)の調製
【化20】
H1を合成する方法に従い、E1をそのエナンチオマーE2に変更すると、化合物H13を調製した。
【0068】
G4の調製:
化合物D3(50 g,188.5 mmol, 1 eq)、(1R,2S)-2-フェニルシクロプロピルアミン(25.1 g,301.6 mmol, 1 eq)およびギ酸(10.8 mL,188.5 mmol,1 eq)を300 mLのジクロロメタンに溶解させ、空気を吸引して窒素ガスで3回置換し、加熱して15分間還流させた。室温に冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(23.7 g,377 mmol,2 eq)を分けて入れ、室温で12時間撹拌し、ゆっくり180 mLの飽和炭酸水素ナトリウム溶液を入れてクエンチングし、ジクロロメタン(180 mL×2)で抽出し、有機相を合併し、有機相をさらに飽和食塩水(0.3 L×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、回転乾燥し、DCM:MeOH = 20:1でカラムにかけ、78 gの無色の油状の標的化合物G4を得た。収率:85%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 490。
【0069】
H13の調製:
化合物G4(50 g,130.5 mmol,1 eq)を1,4-ジオキサン(0.25 L)に溶解させ、撹拌しながら4 N塩酸のジオキサン溶液(131 mL,522 mmol,4.0 eq)を滴下し、室温で一晩撹拌した。回転乾燥後、60 mLのメタノールに再溶解させ、撹拌しながら1 Lの酢酸エチルを入れ、白色固体が析出し、吸引ろ過し、酢酸エチルで洗浄し、乾燥し、52 gの白色固体の標的化合物H13を得た。収率:87%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 390。
【0070】
実施例14 ピペリジン-4-イルメチル-4-フルオロ-4-(((1R,2S-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル p-トルエンスルホン酸塩(H14)の調製
【化21】
H14の調製:
化合物G4(50 g,130 mmol,1 eq)を1,4-ジオキサン(0.5 L)に溶解させ、攪拌しながらp-トルエンスルホン酸(90 g,522 mmmol,4 eq)のジオキサン(100 mL)溶液を滴下し、室温で一晩撹拌した。回転乾燥後、300 mLの水/アセトン(1/2、V/V)に再溶解させ、55℃に加熱して撹拌して完全に溶解させ、降温させると白色固体が析出し、吸引ろ過し、50 mLの水/アセトン(1/2、V/V)で洗浄し、乾燥し、80 gの白色固体の標的化合物H14を得た。収率:84%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 390。
【0071】
実施例15 ピペリジン-4-イルメチル-4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル p-トルエンスルホン酸塩(K1)の調製
【化22】
【0072】
J1の調製:
化合物H11(50 g,108 mmol)を飽和水酸化ナトリウム水溶液(100 mL)に溶解させ、30分間撹拌した後、ジクロロメタンで抽出し(3×1000 mL)、有機相を合併した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した後、粗製品を30.5 g得たが、そのまま次の工程の反応に使用した。収率:72.4%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 390。
【0073】
K1の調製:
化合物J1(30 g, 77.0 mmol)を反応器に置き、所定量のアセトニトリルを入れて0.12 M の溶液(約 321 mLのアセトニトリル溶媒)に調製した後、0.12 M 調製しておいたp-トルエンスルホン酸溶液(6.63 g, 38.51 mmol, 321 mL)を入れ、反応液を60℃で1時間撹拌した後、室温に冷却し、一晩静置した。析出した固体をろ過し、少量のアセトニトリルで3回洗浄した。その後、得られた固体を100 mLの酢酸エチルに溶解させ、吸引ろ過して26.8 gの白色固体の標的化合物K1を得た。収率:62%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 390。
【0074】
実施例16 ピペリジン-4-イルメチル-4-フルオロ-4-(((1R,2S-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル p-トルエンスルホン酸塩(K2)の調製
【化23】
【0075】
J2の調製:
化合物H13(50 g,108 mmol)を飽和水酸化ナトリウム水溶液(100 mL)に溶解させ、30分間撹拌した後、ジクロロメタンで抽出し(3×1000 mL)、有機相を合併した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した後、粗製品を32 g得たが、そのまま次の工程の反応に使用した。収率:76%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 390。
【0076】
K2の調製:
化合物J2(30 g, 77.0 mmol)を反応器に置き、所定量のアセトニトリルを入れて0.12 M の溶液(約 321 mLのアセトニトリル溶媒)に調製した後、0.12 M 調製しておいたp-トルエンスルホン酸溶液(6.63 g, 38.51 mmol, 321 mL)を入れ、反応液を60℃で1時間撹拌した後、室温に冷却し、一晩静置した。析出した固体をろ過し、少量のアセトニトリルで3回洗浄した。その後、得られた固体を100 mLの酢酸エチルに溶解させ、吸引ろ過して28 gの白色固体の標的化合物K2を得た。収率:65%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]+ = 390。
【0077】
実施例17 4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸ベンジル硫酸塩(K3)の調製
【化24】
化合物G1(30 g,78.44 mmol,1 eq)をアセトニトリル(0.65 L)に溶解させ、0.12 Mの調製しておいた硫酸のアセトニトリル溶液(0.33 L)を入れ、反応液を60℃で1時間撹拌した後、室温に冷却し、一晩静置した。析出した固体をろ過し、吸引ろ過後、ケーキを少量のアセトニトリルで3回洗浄した。33 gの白色固体の標的の化合物K3を得た。収率:88%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 383。
【0078】
実施例18 4-フルオロ-4-(((1R,2S-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸ベンジル硫酸塩(K4)の調製
【化25】
K3を合成する方法に従い、G1をそのエナンチオマーG2に変更すると、化合物K4を調製した。収率:79%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 383。
【0079】
実施例19 3-クロロベンジル-4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル硫酸塩(K5)の調製
【化26】
K3を合成する方法に従い、出発原料におけるベンジル基を3-クロロベンジル基に変更すると、化合物K5を調製した。総収率:70%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 417。
【0080】
実施例20 4-メトキシベンジル-4-フルオロ-4-(((1R,2S-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル硫酸塩(K6)の調製
【化27】
K3を合成する方法に従い、H10の遊離塩基を製造して原料とすると、化合物K6を得た。総収率:85%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 413。
【0081】
実施例21 ピペリジン-4-メチル-4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル硫酸塩(K7)の調製
【化28】
K3を合成する方法に従い、J1を原料とすると、化合物K7を得た。総収率:83%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 390。
【0082】
実施例22 ピペリジン-4-メチル-4-フルオロ-4-(((1R,2S-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステル硫酸塩(K8)の調製
【化29】
K3を合成する方法に従い、J2を原料とすると、化合物K8を得た。総収率:90%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 390。
【0083】
実施例23 4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸ベンジルシュウ酸塩(K9)の調製
【化30】
化合物G1(50 g,130.73 mmol,1 eq)をアセトニトリル(1.1 L)に溶解させ、0.12 Mのシュウ酸のアセトニトリル溶液(11.8g, 130.73 mmol,1.1 L)を入れ、反応液を60℃で1時間撹拌した後、室温に冷却し、一晩静置した。析出した固体をろ過し、吸引ろ過後、ケーキを少量のアセトニトリルで3回洗浄した。55 gの白色固体の標的の化合物K9を得た。収率:89%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 383。
【0084】
実施例24 4-フルオロ-4-(((1R,2S-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸ベンジルシュウ酸塩(K10)の調製
【化31】
K9を合成する方法に従い、G1をそのエナンチオマーG2に変更すると、化合物K10を調製した。収率:84%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 383。
【0085】
実施例25 チオフェン-2-ル-4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステルシュウ酸塩(K11)の調製
【化32】
K9を合成する方法に従い、出発製造におけるベンジル基をチオフェン-2-イルメチルに変更すると、化合物K11を調製した。収率:72%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 389。
【0086】
実施例26 ピペリジン-4-メチル-4-フルオロ-4-(((1S,2R-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステルシュウ酸塩(K12)の調製
【化33】
K9を合成する方法に従い、J1を原料とすると、化合物K12を得た。総収率:81%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 390。
【0087】
実施例27 ピペリジン-4-メチル-4-フルオロ-4-(((1R,2S-2-フェニルシクロプロピル)アミノ)メチル)ピペリジン-1-カルボン酸エステルシュウ酸塩(K13)の調製
【化34】
K9を合成する方法に従い、J2を原料とすると、化合物K13を得た。総収率:87%。LC-MS(ESI): m/z [M+H]
+ = 390。
【0088】
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の上記の内容を読み終わった後、当業者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の形態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるはずである。
【外国語明細書】