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特開2024-91631記録整理プログラム、記録整理方法、記録整理装置、および、記録媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091631
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】記録整理プログラム、記録整理方法、記録整理装置、および、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/36 20190101AFI20240628BHJP
   G06F 40/14 20200101ALI20240628BHJP
   G06F 40/247 20200101ALI20240628BHJP
【FI】
G06F16/36
G06F40/14
G06F40/247
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023199495
(22)【出願日】2023-11-24
(62)【分割の表示】P 2021089657の分割
【原出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】519425154
【氏名又は名称】有限会社アクアプラネット
(74)【代理人】
【識別番号】100193389
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 智利
(72)【発明者】
【氏名】大城 明
【テーマコード(参考)】
5B109
5B175
【Fターム(参考)】
5B109QA09
5B175DA01
5B175GB04
5B175GC03
(57)【要約】
【課題】人の発言などは必ずしも文法上正確なものではなく、主語などが代名詞などになって明示されていない場合や、日本語などで主語が省略される場合も多い。
このため、音声などをそのまま記録しただけでは情報として不正確で、そのままでは活用が難しい場合が多い。
【解決手段】入力された事項を構造化して記録する方法は、使用者の発言を入力部により入力する入力ステップ、構造化部において、入力ステップで入力された使用者の発言を所定の構造に当てはめた、構造化記録を作成し、記録部に記憶する構造化ステップ、提示部により構造化記録の少なくとも一部を使用者に提示する提示ステップを有し、構造は、複数の階層により構成されるツリー構造を有する。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された事項を構造化して記録する方法であって、
使用者の発言を入力部により入力する入力ステップ、
構造化部において、前記入力ステップで入力された使用者の発言を所定の構造に当てはめた、構造化記録を作成し、記録部に記憶する構造化ステップ、
提示部により前記構造化記録の少なくとも一部を使用者に提示する提示ステップを有し、
前記構造は、複数の階層により構成されるツリー構造を有することを特徴とする、記録整理方法。
【請求項2】
前記入力ステップにおいて、使用者の発言に代えて文章により入力することを特徴とする、請求項1に記載の記録整理方法。
【請求項3】
前記構造化ステップにおいて、時間と時間以外に分けることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項4】
前記入力ステップまたは前記構造化ステップは使用者判別ステップを含むことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項5】
前記使用者判別ステップ後に対人適正化ステップを含むことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項6】
前記提示ステップの後に、修正を受け付ける確認ステップを有することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項7】
前記構造化ステップの後に、前記構造化記録を、他の情報を参照して比較することにより、比較結果を作成する、比較ステップを有し、
前記提示ステップでは、少なくとも比較結果の一部を提示することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項8】
前記比較ステップは、前記構造化記録に関する情報を検索する検索ステップ、および、
検索した結果である検索結果情報を記録する検索結果記録ステップを有することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項9】
前記比較ステップは、前記検索結果記録ステップの後に、さらに前記構造化ステップを有し、前記検索結果情報を構造化することを特徴とする、請求項8に記載の記録整理方法。
【請求項10】
前記比較ステップは、前記検索結果記録ステップの後に、前記検索結果情報の一部を抽出する上位抽出ステップ、および、前記構造化ステップを有し、前記検索結果情報を構造化することを特徴とする、請求項8に記載の記録整理方法。
【請求項11】
前記比較結果は、前記構造化記録と前記他の情報との差分を含むことを特徴とする、請求項8ないし10のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項12】
概念の上位下位の関係を示す概念データを参照し、前記比較結果は概念の上位下位を含むことを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項13】
同義語を参照する辞書参照ステップを有することを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項14】
使用者または分野ごとに同義語を保存した辞書を有することを特徴とする、請求項13に記載の記録整理方法。
【請求項15】
使用者からの入力に基づいて、前記同義語を修正する、同義語修正ステップを有することを特徴とする、請求項14に記載の記録整理方法。
【請求項16】
動作部の動作により、音声または文字情報による提示以外の方法で提示を行うことを特徴とする、請求項1ないし15のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項17】
前記入力部、前記構造化部、前記記録部、および、前記提示部を備え、請求項1ないし15のいずれかに記載の各ステップを実行することを特徴とする、記録整理装置。
【請求項18】
前記動作部を備え、請求項16に記載の各ステップを実行することを特徴とする、記録整理装置。
【請求項19】
前記入力部、前記構造化部、前記記録部、および、前記提示部を、請求項17に記載の記録整理装置の各手段として機能させるための記録整理プログラム。
【請求項20】
前記入力部、前記構造化部、前記記録部、前記提示部、および、前記動作部を、請求項18に記載の記録整理装置の各手段として機能させるための記録整理プログラム。
【請求項21】
請求項19または請求項20に記載の記録整理プログラムを記録した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録整理プログラム、記録整理方法、記録整理装置、および、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
音声などを記録する方法が知られている。
筆記具やキーボードなどにより手を使って入力、記録する場合と比べ、端末の前に移動したり端末を鞄から出したりといった動作が不要となり、作業中の手を止めずに、仕事や作業を中断することなくスムーズに進めることができる。
特許文献1には、入力された情報に対し、文献を探索する検索システムが記載されている。また、特許文献2には、対話型創造活動支援装置およびそのプログラムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-223461号公報
【特許文献2】特願2019-214996号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、人の発言などは必ずしも文法上正確なものではなく、主語などが代名詞などになって明示されていない場合や、日本語などで主語が省略される場合も多い。
このため、音声などをそのまま記録しただけでは情報として不正確で、そのままでは活用が難しい場合が多い。
そこで本発明は、音声記録などを正確な情報として整理して記録する記録整理プログラム、記録整理方法、および、記録整理装置を提供することを目的とする。

また、所望の素材(材料)を検討する場合や、研究開発や発明などの創造活動を行う場合や、診断などを行う場合には、一度情報を得るだけではなく、繰り返し情報を得て、内容を検討していくことが求められている。 また、繰り返し情報を得る際に煩雑な作業や時間が必要となればなるほど、検討や診断などが中断されてしまい、検討中の事項や着想を忘れたり、患者との会話が中断するなどの原因により、研究開発や診断などがうまくいかなくなることが多い。
例えば、端末を使って得たい情報を入力する作業、得た情報を読み込んで比較する作業なども、検討を中断する要因となる。実際の研究開発や診断などの現場では、端末から離れて作業や診断を行いながら、生じた着想や知りたい情報などを、作業や診断などの手を止めることなく、検討することが求められる。
特許文献1には、検索システムが記載されているが、毎回端末を介して入力し、検索した結果を読み込む作業が求められる。なお、特許文献1の段落0024には音声についても触れられているが、「音声により入力されてもよい」と述べられているのみである。

そこで、本発明は、煩雑な作業や時間を要することなく、得たい情報を繰り返し得ることにより、研究開発などの創造活動や診断などをスムーズに行うことができ、検討を重ねていく実際の研究開発や診断などの現場により即した、記録整理プログラム、記録整理方法、および、記録整理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に係る記録整理方法は、
入力された事項を構造化して記録する方法であって、
使用者の発言を入力部により入力する入力ステップ、
構造化部において、入力ステップで入力された使用者の発言を所定の構造に当てはめた、構造化記録を作成し、記録部に記憶する構造化ステップ、
提示部により構造化記録の少なくとも一部を使用者に提示する提示ステップを有し、
構造は、複数の階層により構成されるツリー構造を有することを特徴とする、記録整理方法である。

本発明の請求項2に係る記録整理方法は、
入力ステップにおいて、使用者の発言に代えて文章により入力することを特徴とする、請求項1に記載の記録整理方法である。
当該記録整理方法には、文章および発言により入力を行うことも含まれる。

本発明の請求項3に係る記録整理方法は、
構造化ステップにおいて、時間と時間以外に分けることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の記録整理方法である。

本発明の請求項4に係る記録整理方法は、
入力ステップまたは構造化ステップは使用者判別ステップを含むことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の記録整理方法である。

本発明の請求項5に係る記録整理方法は、
使用者判別ステップ後に対人適正化ステップを含むことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の記録整理方法である。

本発明の請求項6に係る記録整理方法は、
提示ステップの後に、修正を受け付ける確認ステップを有することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の記録整理方法である。

本発明の請求項7に係る記録整理方法は、
構造化ステップの後に、構造化記録を、他の情報を参照して比較することにより、比較結果を作成する、比較ステップを有し、
提示ステップでは、少なくとも比較結果の一部を提示することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の記録整理方法である。

本発明の請求項8に係る記録整理方法は、
比較ステップは、構造化記録に関する情報を検索する検索ステップ、および、
検索した結果である検索結果情報を記録する検索結果記録ステップを有することを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の記録整理方法である。

本発明の請求項9に係る記録整理方法は、
比較ステップは、検索結果記録ステップの後に、さらに構造化ステップを有し、検索結果情報を構造化することを特徴とする、請求項8に記載の記録整理方法である。

本発明の請求項10に係る記録整理方法は、
比較ステップは、検索結果記録ステップの後に、検索結果情報の一部を抽出する上位抽出ステップ、および、構造化ステップを有し、検索結果情報を構造化することを特徴とする、請求項8に記載の記録整理方法である。

本発明の請求項11に係る記録整理方法は、
比較結果は、構造化記録と他の情報との差分を含むことを特徴とする、請求項8ないし10のいずれかに記載の記録整理方法である。

本発明の請求項12に係る記録整理方法は、
概念の上位下位の関係を示す概念データを参照し、比較結果は概念の上位下位を含むことを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の記録整理方法である。

本発明の請求項13に係る記録整理方法は、
同義語を参照する辞書参照ステップを有することを特徴とする、請求項1ないし12のいずれかに記載の記録整理方法である。
複数の語句を同義語として保存し、同義語の情報に基づき、正確な情報や比較結果を示すことができる。

本発明の請求項14に係る記録整理方法は、
使用者または分野ごとに同義語を保存した辞書を有することを特徴とする、請求項13に記載の記録整理方法である。

本発明の請求項15に係る記録整理方法は、
使用者からの入力に基づいて、同義語を修正する、同義語修正ステップを有することを特徴とする、請求項14に記載の記録整理方法である。
使用者からのフィードバックにより、同義語の情報を、より正確にでき、使用者に、より正確な比較結果を示すことができる。

本発明の請求項16に係る記録整理方法は、
動作部の動作により、音声または文字情報による提示以外の方法で提示を行うことを特徴とする、請求項1ないし15のいずれかに記載の記録整理方法である。
当該記録整理方法には、動作部の動作に加えて、音声または文字情報による提示も行うことも含まれる。

本発明の請求項17に係る記録整理装置は、
入力部、構造化部、記録部、および、提示部を備え、請求項1ないし15のいずれかに記載の各ステップを実行することを特徴とする、記録整理装置である。

本発明の請求項18に係る記録整理装置は、
動作部を備え、請求項16に記載の各ステップを実行することを特徴とする、記録整理装置である。

本発明の請求項19に係る記録整理プログラムは、
入力部、構造化部、記録部、および、提示部を、請求項17に記載の記録整理装置の各手段として機能させるための記録整理プログラムである。

本発明の請求項20に係る記録整理プログラムは、
入力部、構造化部、記録部、提示部、および、動作部を、請求項18に記載の記録整理装置の各手段として機能させるための記録整理プログラムである。

本発明の請求項21に係る記録媒体は、
請求項19または請求項20に記載のプログラムを記録した記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の一実施例における、記録整理方法の一例を示す。
図2】本発明の一実施例における、概念の構造の一例を示す。
図3】本発明の一実施例における、記録整理装置の構成例を示す。
図4】本発明の一実施例における、概念の構造の一例を示す。
図5】本発明の一実施例における、概念の構造の一例を示す。
図6】本発明の一実施例における、記録整理方法の一例を示す。
図7】本発明の一実施例における、記録整理方法の一例を示す。
図8】本発明の一実施例における、記録整理方法の一例を示す。
図9】本発明の一実施例における、記録整理方法の一例を示す。
図10】本発明の一実施例における、記録整理方法の一例を示す。
図11】本発明の一実施例における、記録整理方法の一例を示す。
図12】本発明の一実施例における、記録整理装置の構成例を示す。
図13】本発明の一実施例における、記録整理方法の一例を示す。
図14】本発明の一実施例における、記録整理方法の一例を示す。
図15】本発明の一実施例における、記録整理装置の構成例を示す。
図16】本発明の一実施例における、概念の構造の一例を示す。
図17】本発明の一実施例における、概念の構造の一例を示す。
図18】本発明の一実施例における、概念の構造の一例を示す。
図19】本発明の一実施例における、記録整理方法の一例を示す。
図20】本発明の一実施例における、辞書の構成例を示す。
図21】本発明の一実施例における、辞書の構成例を示す。
図22】本発明の一実施例における、辞書の構成例を示す。
図23】本発明の一実施例における、記録整理方法の一例を示す。
図24】本発明の一実施例における、概念の構造の一例を示す。
図25】本発明の一実施例における、記録整理装置の構成を示す。
図26】本発明の一実施例における、記録整理装置の動作部の動作の例を示す。
図27】本発明の一実施例における、記録整理装置の動作部の動作の例を示す。
図28】本発明の一実施例における、記録整理装置の動作部の動作の例を示す。
図29】本発明の一実施例における、記録整理装置の動作部の動作の例を示す。
図30】本発明の一実施例における、記録整理プログラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、本発明の一実施例における、記録整理方法を示す。
記録整理方法は、入力された事項を構造化して記録する方法であって、入力ステップ(S10)、構造化ステップ(S20)、提示ステップ(S40)を有する。
【0008】
まず、記録整理が開始されると、入力を待つ待機ステップ(S01)に進む。入力の有無を確認する入力判断ステップ(S02)で入力が確認できない場合、待機ステップ(S01)に戻る。入力が確認できた場合、入力ステップ(S10)に進む。
入力ステップ(S10)では、使用者の発言を入力部10により入力する。
【0009】
構造化ステップ(S20)では、構造化部20において、入力ステップ(S10)で入力された使用者の発言を所定の構造に当てはめた、構造化記録を作成し、記録部に記憶する。ここでは、制御部60が記録部として機能している。
提示ステップ(S40)では、提示部40により構造化記録の少なくとも一部を使用者に提示する。
提示ステップ(S40)が終わると、記録整理終了指示ステップ(S99)に進み、記録整理の終了が指示された場合は記録整理を終了し、指示されない場合には再び待機ステップ(S01)に戻る。
提示された結果に対して、使用者がさらに具体的な構成や異なる構成を述べた場合、言い換えると、使用者が装置から受けたフィードバックに基づいてさらに検討を進めた場合には、検討を進めた結果の情報を装置に対して再度口頭で入力するだけで、上述の入力ステップ(S10)からの一連の方法が開始されるため、煩雑な作業や時間を要することなく、得たい情報を繰り返し得ることにより、研究開発などの創造活動や診断などをスムーズに行うことができ、検討を重ねていく実際の研究開発や診断などの現場により即した、記録整理が可能となる。
【0010】
図2に示されるように、構造は、複数の階層により構成されるツリー構造を有する。
概念1の下に、概念1-1および概念1-2があり、概念1-1の下に概念1-1-1がある。このように、最も上の概念から下の概念に向かって枝分かれ(分岐)しながら、複数の概念を配列する構成を、本発明ではツリー構造と呼ぶ。
ツリー構造の概念は、日時、場所、色、長さ、動作など、性質の限定や、所有などを示す。
例えば、日時であれば、上の概念から下の概念に向かって、年、月、日、時間、分などの順になる。年の下の概念として四半期の階層を設けたり、月の下の概念として上旬、中旬、下旬の階層を設けたり、日の下の概念として午前、午後の階層などを設けてもよい。日時は、通常、何月何日何時何分など、上の概念から下の概念の順に述べられることが多いため、入力順にツリー構造を構成できる。
最も簡易な例では、ツリー構造は、名詞の組み合わせから構成されてもよい。つまり、自動車であれば、例えば、「アルミの車体の自動車」と入力されれば、高度な構文解析を行わない場合でも名詞のみを抽出するだけで、修飾語が被修飾語の前に述べられる通常の日本語の順序に合わせて概念1-1-1の「アルミ」、概念1-1が「車体」、概念1が「自動車」のツリー構造を暫定的に構成できる。
この例では、「自動車なんだけど、車体がアルミのやつ」など、入力が文法上正確でない場合には、通常の構文解析では正確に解析できず、構造化情報が構成できないことが多い。前述の最も簡易な例でも、概念1-1-1が「自動車」、概念1-1が「車体」、概念1が「アルミ」となり、不正確な構造化情報となる。しかし、後述の構造化情報を修正するステップを併用すれば、使用者からのフィードバックにより正しい構造化情報に修正でき、構造化がさらに容易かつ精確になる。
通常の構文解析などを用いれば、概念の上位下位の関係を含む構造化もさらに容易となることは言うまでもない。
このように、ツリー構造を用いた構造化情報を利用することにより、名詞だけを抽出するシンプルな言語化手段でもある程度の精度の構造化情報が構成でき、さらに高度な構文解析など高度な言語化手段を用いれば、さらに高精度の構造化情報が構成できる。
さらに、高度な言語化手段を用いても、人の発言などは必ずしも文法上正確なものではなく主語も省略されるなどしているため、正しい言語処理ができない場合が多い。しかし、本実施例のようにツリー構造を用いた構造化情報であれば、後述の確認ステップや対人適正化、辞書などにより、正確な構造化が可能となる。
【0011】
図3は装置を示す。装置は、入力部10、構造化部20、および、提示部40を備え、さらに、それぞれが制御部60に接続されている。
入力部10は、使用者の発言を入力する。入力された使用者の発言は、構造化部20において、構造化記録となり、記録部として機能する制御部60において記憶される。
図3Aに示されるように、制御部60は、CPU61、プログラム用記憶領域62、データ用記憶領域63を有する。プログラム用記憶領域62には、各部の動作を制御する、記録整理プログラムが記録されている。また、使用者の発言や構造化記録などの各データは、データ用記憶領域63に記録される。CPU61は、プログラム用記憶領域62に記録された記録整理プログラムを実行することにより、入力部10、構造化部20、提示部40などの各部を制御する。
プログラム用記憶領域62、データ用記憶領域63は、例えばハードディスクやフラッシュメモリなどで構成することができる。もちろん、プログラム用記憶領域62、データ用記憶領域63そのものにすべてのプログラムやデータを格納しておく必要はなく、例えば、外部に格納したプログラムやデータを、外部との通信手段を介して、プログラム用記憶領域62、データ用記憶領域63が参照する形態も含まれる。
記憶された構造化記録の少なくとも一部は、提示部40により使用者に提示される。
以上のように、記録整理装置は、
入力された事項を構造化して記録するものであって、
使用者の発言を記録整理装置に入力する入力部、
前記入力部により入力された使用者の発言を所定の構造に当てはめた、構造化記録を作成し、記録部に記憶する構造化部、
前記構造化記録の少なくとも一部を使用者に提示する提示部を有し、
前記構造は、複数の階層により構成されるツリー構造を有することを特徴とする、記録整理装置である。
【0012】
一実施例では、入力ステップ(S10)において、使用者の発言に代えて文章により入力することができる。この場合、入力ステップ(S10)は、スキャンや画像からの読み取りでもよい。
本実施例における記録整理装置は、
前記発言に代えて文章を記録整理装置に入力する入力部を備えることを特徴とする、上述の記録整理装置である。
【0013】
図4および図5は、本発明の一実施例における、構造を示す。
本実施例では、構造化ステップ(S20)において、時間と時間以外に分ける。
時間は、入力されたデータから抽出してもよく、あるいは、実際に入力された時間でもよい。
本実施例における記録整理装置は、
前記構造化部は、時間と時間以外に分けて構造化を実施することを特徴とする、上述のいずれかの記録整理装置である。
時間以外は原文のままでもよく、趣旨に沿えばよい。時間は、現在やこれからのものと、既存のものでもよい。あるいは、時間に代えて、場所でもよい。
【0014】
図6および図7は、本発明の一実施例における、記録整理方法のうち、入力ステップ(S10)および構造化ステップ(S20)を示す。
本実施例では、入力ステップ(S10)または構造化ステップ(S20)は使用者判別ステップ(S11)を含む。すなわち、図6に示されるように、入力ステップ(S10)が開始されると、まず使用者判別ステップ(S11)に進み、次いで入力実施ステップ(S19)において入力が行われ、入力ステップ(S10)が終了する。あるいは、図7に示されるように、構造化ステップ(S20)が開始されると、まず使用者判別ステップ(S11)に進み、次いで構造化実施ステップ(S29)において構造化が行われ、構造化ステップ(S20)が終了する方法でもよい。
【0015】
使用者判別ステップ(S11)では、使用者を判別し、さらに、未登録の使用者の場合は登録済みの使用者の中から最も類似する使用者のデータを用いることができる。
使用者を判別する際には、声紋などの他、氏名の確認、声の高低、話す速度、特徴的な用語や、複数の要素を用いて判別することもできる。
図3Bに示されるように、入力部1は使用者判別部11を備えるが、使用者判別部11は入力部以外に設けられてもよいことは言うまでもない。
本実施例における記録整理装置は、
前記入力部または前記構造化部は使用者判別部を有することを特徴とする、上述のいずれかの記録整理装置である。
【0016】
図8および図9は、本発明の一実施例における、記録整理方法を示す。
本実施例では、使用者判別ステップ(S11)後に対人適正化ステップ(S12)を含む。すなわち、図8に示されるように、入力ステップ(S10)が開始されると、まず使用者判別ステップ(S11)に進み、次いで対人適正化ステップ(S12)に進み、最後に入力実施ステップ(S19)において入力が行われ、入力ステップ(S10)が終了する。あるいは、図9に示されるように、構造化ステップ(S20)が開始されると、まず使用者判別ステップ(S11)に進み、次いで対人適正化ステップ(S12)に進み、最後に構造化実施ステップ(S29)において構造化が行われ、構造化ステップ(S20)が終了する方法でもよい。
対人適正化ステップ(S12)では、人ごとの話し方や用語の癖に対応でき、より正確な入力や構造化が可能となる。
図3Cに示されるように、入力部1は使用者判別部11および対人適正化部12を備えるが、使用者判別部11および対人適正化部12は入力部以外に設けられてもよいことは言うまでもない。
本実施例における記録整理装置は、
前記使用者判別部に加えて対人適正化部を有することを特徴とする、上述のいずれかの記録整理装置である。
【0017】
図10は、本発明の一実施例における、記録整理方法のうち、構成を示す。
本実施例では、提示ステップ(S40)ステップの後に、修正を受け付ける確認ステップ(S60)を有する。
人の発言などは必ずしも文法上正確なものではなく、主語などが代名詞などになって明示されていない場合や、日本語などで主語が省略される場合も多い。このため、音声などをそのまま記録しただけでは情報として不正確で、そのままでは活用が難しい場合が多い。
既述の実施例では、構造化記録により正確な情報として記録しているが、本実施例では、さらに確認ステップ(S60)により、構造化された構造化記録を使用者に提示する。そして、正しくなければ、使用者が正しい情報を再度言い直すことにより、再度構造化を行う。これにより、より正確な、確実な情報として記録することが可能となる。
図12Aに示されるように、記録整理装置1は提示部40内に修正受付部41を備える。修正受付部41は、提示部40以外の場所に設けられてもよいことは言うまでもない。なお、本図では、後述の比較部30、および、制御部60中に後述の辞書70を備えているが、必須の構成ではない。
本実施例における記録整理装置は、
前記提示部による提示の後に、修正を受け付ける提示受付部を有することを特徴とする、上述のいずれかの記録整理装置である。
【0018】
図11は、本発明の一実施例における、記録整理方法を示す。 図12Bは、本発明の一実施例における、記録整理装置1を示す。本実施例において記録整理装置1は比較部30を備える。
本実施例では、構造化ステップ(S20)の後に、比較ステップ(S30)を有する。比較ステップ(S30)では、構造化記録を、他の情報を参照して他の情報と比較することにより、比較結果を作成する。
現在検討の対象としている、直前に入力された、構造化ステップ(S20)において構造化された構造化記録に対して、他の情報とは、これ以外の情報である。他の情報の具体例としては、過去のデータベース、素材情報、着想情報や類似症例情報など、すでに内部または外部のデータベースなどに記録されている情報などがある。比較ステップ(S30)において、他の情報が予め構造化されていない場合には、構造化しておくことにより、比較がさらに容易となる。この場合には、比較ステップ(S30)の中にも構造化ステップを有する構成としてもよい。また、検索結果自体にも、適宜構造化を施す構成としてもよい。
本実施例では、構造化記録はスケジュールであり、日時の情報を有する予定において、すでに入力された過去のデータベースと比較する。これにより、同じ時間帯に他に予定が入っていないか確認することができる。また、同じ予定が重複して入っていないか確認することができる。
提示ステップ(S40)では、少なくとも比較結果の一部を提示する。
【0019】
一実施例において、構造化記録は素材情報であり、比較ステップ(S30)では、社内や外部のデータベースを参照し、条件を満たす素材や類似の素材がないか確認することができる。これにより、無駄な研究開発を省くことができ、社内のリソースなどを効率よく活用できる。
一実施例において、構造化記録は着想技術であり、比較ステップ(S30)では、社内や外部のデータベースなどを参照し、類似の技術情報などと比較することができる。これにより、すでに着想されているものがないか、あるいは、類似のものとしてどのようなものがあるか、差分を含めて把握することができる。
一実施例において、構造化記録は類似症例情報であり、比較ステップ(S30)では、院内や外部のデータベースを参照し、類似の症例情報などと比較することができる。
例えば、年齢、性別、身長、体重、体温、血圧、脈拍数や、症状、経緯などを構造化記録として作成することで、過去にあった症例に近いものがないか、さらに、その際どのような処置が行われたかなどを、差分を含めて把握することができる。
本構成であれば、専門分野外での対応も支援することができる。
いずれの例においても、比較結果とは、構造化記録と、比較の対象との、一致点または相違点を明示するものであり、単に類似の例を羅列するものではない点に注意が必要である。なぜなら、類似の例の羅列では、結局、個別の例を見る必要が生じてしまい、検討や診断などが中断されてしまう。しかし、一致点または相違点を明確に示す構成であれば、研究開発などの創造活動や診断などの最中であっても、一致点または相違点に集中することができ、煩雑な作業や時間を要することなく、得たい情報を繰り返し得ることにより、研究開発などの創造活動や診断などをスムーズに行うことができる。このように本構成は、検討を重ねていく実際の研究開発や診断などの現場により即したものとなる。さらに、構造化記録を作成している装置が、どれとどれが一致しているかや、どれとどれが相違しているかを明確に示すことにより、構造化記録自体の修正も可能となり、構造化記録の精度を向上させることができる。
本実施例における記録整理装置は、
前記構造化の後に、前記構造化記録を、他の情報を参照して比較することにより、比較結果を作成する、比較部を有し、
前記提示部は、少なくとも比較結果の一部を提示することを特徴とする、上述のいずれかの記録整理装置である。
【0020】
図13および図14は、それぞれ、本発明の一実施例における、記録整理方法を示す。また、図15は、本発明の一実施例における、記録整理装置1を示す。
比較ステップ(S30)は、構造化記録に関する情報を検索する検索ステップ(S33)、および、検索した結果である検索結果情報を記録する検索結果記録ステップ(S34)を有する。
具体的には、図13のAに示されるように、比較ステップ(S30)に入り、比較の開始に移ると、まず、検索ステップ(S33)において、検索の対象となる構造化記録について、内部データベースや外部データベースなどを用いて検索を行う。次いで、検索結果記録ステップ(S34)において、検索した結果、発見された類似の情報をハードディスクやメモリなど情報を記録する装置に記録する。続いて、比較実施ステップ(S35)において、構造化記録と、検索結果記録において記録された情報とを比較する。
本実施例における記録整理装置は、
前記比較部は、前記構造化記録に関する情報を検索する検索部、および、
検索した結果である検索結果情報を記録する検索結果記録部を有することを特徴とする、上述のいずれかの記録整理装置である。
図15Cに示されるように、比較部30は検索結果記録部32を有する。検索結果記録部は、比較部以外の場所に設けられていてもよく、例えば、データ用記憶領域を用いてもよい。
【0021】
一実施例において、比較ステップで、他の情報を参照して比較する際に、検索された類似情報を構造化してもよい。構造化は、構造化部において、入力ステップで入力された使用者の発言を所定の構造に当てはめた、構造化記録と同じフォーマットである。
具体的には、比較ステップは、検索結果記録ステップ(S34)の後に、さらに構造化ステップ(S20)を有し、検索結果情報を構造化する。つまり、図13のBに示されるように、比較ステップ(S30)に入り、比較の開始に移ると、まず、検索ステップ(S33)において、検索の対象となる構造化記録について、内部データベースや外部データベースなどを用いて検索を行う。次いで、検索結果記録ステップ(S34)において、検索した結果、発見された類似の情報をハードディスクやメモリなど情報を記録する装置に記録する。そして、構造化ステップ(S20)において、類似の情報を構造化する。続いて、比較実施ステップ(S35)において、構造化記録と、検索結果記録ステップ(S34)において記録されさらに構造化ステップ(S20)で構造化された情報とを比較する。
本構成により、使用者の発言と、他の情報が同じ構造化により、同じ形態で比較される。このため、抽出の精度、差分比較の精度が向上する。
本実施例における記録整理装置は、
前記比較部は、前記検索結果情報を構造化する比較対象構造化部を有することを特徴とする、上述のいずれかの記録整理装置である。
図15Bに示されるように、比較部30は比較対象構造化部33を有する。
【0022】
一実施例において、比較ステップで、他の情報を参照して比較する際に、検索された類似情報の上位を構造化してもよい。類似情報の上位とは、例えば特許検索において抽出された上位文献10~100件程度の文献で、従来は目視対象とされていた文献である。この上位文献とは、類似度が高い文献である。
具体的には、比較ステップは、検索結果記録ステップ(S34)の後に、検索結果情報の一部を抽出する上位抽出ステップ(S36)をさらに有する。つまり、図13のCに示されるように、比較ステップ(S30)に入り、比較の開始に移ると、まず、検索ステップ(S33)において、検索の対象となる構造化記録について、内部データベースや外部データベースなどを用いて検索を行う。次いで、検索結果記録ステップ(S34)において、検索した結果、発見された類似の情報をハードディスクやメモリなど情報を記録する装置に記録する。そして、上位抽出ステップ(S36)において、類似度の高い上位の類似情報を抽出し、構造化ステップ(S20)において、上位の類似情報を構造化する。続いて、比較実施ステップ(S35)において、構造化記録と、検索結果記録ステップ(S34)において記録されさらに構造化ステップ(S20)で構造化された情報とを比較する。
本実施例における記録整理装置は、
前記比較部は、前記検索結果情報の一部を抽出する上位抽出部および前記検索結果情報の一部を構造化する比較対象構造化部を有することを特徴とする、上述のいずれかの記録整理装置である。
図15Cに示されるように、比較部30は上位抽出部34および比較対象構造化部33を有する。
従来は使用者が目視にて行っていた程度の件数を自動的に判別し、比較結果を知らせることができ、作業中の手を止めずに、仕事や作業を中断することなくスムーズに進めることができる。
また、検索時にすべての類似情報を構造化するのではなく、類似情報の上位に限定するため、処理全体の速度にも影響が少なく、効率的な処理が可能となる。
【0023】
図14に示されるように、比較ステップ(S30)はさらに検索範囲判断ステップ(S31)を有するものとすることもできる。
具体的には、比較ステップ(S30)に入り、比較の開始に移ると、まず、検索範囲判断ステップ(S31)において、検討中の構造化記録についての検索範囲が、それ以前の検索範囲に包含されているか確認する。それ以前に検索が実施されていない場合には、それ以前の検索範囲の情報がないので、それ以前の検索範囲に包含されていないと判断する。
包含されているかの確認は、例えば、アルミ製の車体でハンドル部にアクセルを有する自動車を検索する場合、それ以前の検索範囲において、ハンドル部にアクセルを有する自動車を検索していた場合には、検索範囲がそれ以前の検索範囲に包含されていると判断する。
【0024】
包含されている場合には、記録参照ステップ(S32)に進み、すでに実施された検索結果の記録を参照し、検討中の構造化記録と類似の情報を得る。そして、比較実施ステップ(S35)に進む。
包含されていない場合には、検索ステップ(S33)に進み、次いで検索結果記録ステップ(S34)に進み、そして、比較実施ステップ(S35)に進む。
【0025】
図15Aされるように、比較部30は、検索部および検索結果情報を記録する検索結果記録部32を有する。
検索範囲判断ステップ(S31)または検索結果記録部を有することにより、例えば2回目以降の検索時には、それ以前の検索結果がどうだったかを認識でき、2回目以降の検索範囲がそれ以前の検索対象範囲内に含まれる場合には検索時間を大幅に短縮することも可能となる。
【0026】
図16図17図18は、本発明の一実施例における、記録整理方法における構成を示す。
本実施例では、比較結果は、構造化記録と他の情報との差分を含む。
本実施例では、構造化記録はスケジュールである。
本実施例における記録整理装置は、
前記比較部は、前記構造化記録と前記他の情報との差分を含む比較結果を出力することを特徴とする、上述のいずれかの記録整理装置である。
【0027】
図17に示されるように、時間、つまり、日時の重複も差分として提示することができる。これにより、予定が重複していることを使用者に知らせることができる。
さらに、図18に示されるように、予定される時間の前後に所定の幅を持たせ、近接している場合に、差分として使用者に提示することができる。特に、時間、および、場所を構成要素として含める場合には、場所を元に移動時間を概算し、この移動時間以上2つの予定が離れているか確認することにより、近接している場合には予定が重複しているとして使用者に知らせることができる。
【0028】
一実施例において、構造化記録は素材情報または着想技術であり、比較ステップ(S30)では、社内や外部のデータベースを参照し、類似の素材情報や技術情報などと比較することができる。これにより、既存の素材やすでに着想されている技術がないか、あるいは、類似のものとしてどのようなものがあるか、差分を含めて把握することができる。特に、差分を提示することにより、わざわざ端末画面などを見て差異がどこか検討する必要なく、手を使った作業などを進めながら、差分のみを検討することなどが可能となり、技術情報の検討を格段に効率よく進めることができる。
【0029】
図19は、本発明の一実施例における、記録整理方法を示す。
本実施例では、同義語を参照する同義語参照ステップ(S70)を有する。複数の語句を同義語として後述の辞書70などに保存し、同義語の情報に基づき、正確な情報や比較結果を示すことができる。なお、この辞書70は、記録整理装置1に格納されていてもよく、あるいは外部にある辞書でもよい。辞書が外部にある場合には、例えば制御部60を介した通信により、外部の辞書を参照することができる。
【0030】
例えば、素材情報では、同一の化合物に対して通称名など複数の名称が用いられることがある。車メーカーでは、車体とボディが同一である。また、医療分野では、同じ疾患が複数の方法で記載される場合がある。同義語の情報を利用することにより、同義の単語を的確に把握し、正確な情報や比較結果を示すことができる。
本実施例では比較ステップ(S30)の中で同義語を参照しているが、構造化ステップ(S20)、比較ステップ(S30)ごとに参照してもよく、同義語参照ステップ(S70)は、構造化ステップ(S20)、比較ステップ(S30)など個々のステップにおいて実施してもよい。
本実施例における記録整理装置は、
同義語を参照することを特徴とする、上述のいずれかの記録整理装置である。
【0031】
図20図21図22は、本発明の一実施例における、記録整理方法を示す。
本実施例では、使用者または分野ごとに同義語を保存した辞書70が用いられる。分野は、社外予定、社内予定、私用などである。あるいは、ファッション、趣味などの分野や、技術分野、 医療分野などである。
【0032】
図20に示されるように、分野を上位下位の概念で分類することができる。また、図21に示されるように、使用者をグルーピングすることにより、使用者を上位下位の概念で分類することができる。あるいは、図22に示されるように、所定の分野1に属する使用者1および使用者2のように分類しておくことができる。
例えば、ボディという言葉は、アパレルなどでは人体を示すのに対し車メーカーでは車体を示すなど用語に違いがあるが、使用者または分野ごとの辞書情報を参照することにより、より正確な比較を行うことができる。
本実施例における記録整理装置は、
使用者または分野ごとに同義語を保存した辞書を有することを特徴とする、上述のいずれかの記録整理装置である。
図12Cに示されるように、制御部60は辞書70を備える。辞書は記録性装置の外部にあるものを参照する構成でもよい。
【0033】
図23は、本発明の一実施例における、記録整理方法を示す。
本実施例では、使用者からの入力に基づいて、同義語を修正する、同義語修正ステップ(S71)を有する。
【0034】
具体的には、提示ステップ(S40)の後、同義語修正指示ステップ(S72)に進む。
例えば比較ステップ(S30)において、「ボディと車体が異なります。」と記録整理方法において報告された使用者が、「ボディと車体は同じだよ。辞書に加えて」などと同義語を指示した場合、同義語修正指示ステップ(S72)において、同義語修正の指示があったと解釈する。そして同義語修正ステップ(S71)に進み、ボディと車体が同義語であると辞書70などに記録する。その後、再度、構造化ステップ(S20)、比較ステップ(S30)に進み、修正された同義語情報に基づいた比較結果を提示ステップ(S40)において提示する。
このように、使用者からのフィードバックにより、同義語の情報を、より正確にでき、使用者に、より正確な比較結果を示すことができる。
本実施例における記録整理装置は、
使用者からの入力に基づいて、前記同義語を修正する同義語修正部を有することを特徴とする、上述のいずれかの記録整理装置である。
図12Dに示されるように、辞書70は同義語修正部71を備える。同義語修正部は辞書内以外の場所にあってもよい。
【0035】
図24は、本発明の一実施例における、記録整理方法で用いられる構造のうち、概念の上位下位の関係を示す。
本実施例では、概念の上位下位の関係を示す概念データを参照し、比較結果は概念の上位下位を含む。
これにより、例えば車体のボディについて検討する場合、同じ金属のボディであっても、アルミニウムのボディとして下位概念として展開されている、つまり、より具体的になっている、として、より正確な比較結果を示すことができ、技術的な検討をより円滑にすることができる。
本実施例における記録整理装置は、
概念の上位下位の関係を示す概念データを参照し、前記比較結果は概念の上位下位を含むことを特徴とする、上述のいずれかの記録整理装置である。
【0036】
図25は本発明の一実施例における、記録整理装置1の構成を示す。図26図27図28図29は、本発明の一実施例における動作部50の動作を示す。
図25に示されるように、本実施例では、記録整理装置1は動作部50をさらに備える。
動作部50は、動作電源部51、動作制御部52、アーム駆動部53、および、本体移動部54を備える。動作電源部51は、動作制御部52、アーム駆動部53、および、本体移動部54に接続され電力を供給する。動作制御部52は、アーム駆動部53、および、本体移動部54に接続されそれぞれの動作を制御する。アーム駆動部53、本体移動部54は、それぞれ、アーム56、本体55を駆動する。
提示部40は動作部50の動作により、音声または文字情報による提示以外の、アーム56、本体55の回転、点滅などにより、大きさ、速さなどを提示する。
【0037】
図26に示される例では、本体55を有する人型の装置が2つのアーム56を広げることにより大きさを示す。あるいは、スケジュール(予定)が空いていて他の予定とブッキングしていないことを示す。
図27に示される例では、人型の装置がアーム56を上下に移動させることにより高さや上下方向の動き、上下方向の動きの速さなどを示す。
【0038】
図28に示される例では、人型の装置が本体55ごと移動することにより移動の方向や速さを示す。
図29に示される例では、人型の装置が本体55ごと回転することにより回転の方向や速さを示す。
本実施例における記録整理装置は、
動作部を有し、前記動作部は動作により、音声または文字情報による提示以外の方法で提示を行うことを特徴とする、上述のいずれかの記録整理装置である。
動作部による動作に加えて、提示部が音声または文字情報による提示を行うことも含まれる。
【0039】
一実施例では、上述の各ステップを実行する記録整理プログラムである。
図30は、記録整理プログラムの構成の一例を示す。各ステップの説明は図1と同様であるので説明を省略する。上述の他のステップ、構成を追加してもよいことは言うまでもない。
【0040】
一実施例では、上述の記録整理装置1を、上述の何れかに記載の記録整理装置1として機能させるためのプログラムである。
図は、上述の各ステップを説明する図と同様であるので省略する。上述の他のステップ、構成を追加してもよいことは言うまでもない。
一実施例において、上述の各ステップをコンピュータに実行させるための記録整理プログラムであり、不揮発性メモリからRAM上に展開されたプログラムを実行するCPUからの命令によって、動作する。
一実施例では、入力部10、構造化部20、制御部60中に含まれる記録部、および、提示部40を、上述の記録整理装置1の各手段として機能させるための記録整理プログラムである。
一実施例では、入力部10、構造化部20、制御部60中に含まれる記録部、提示部40、および、動作部50を、上述の記録整理装置1の各手段として機能させるための記録整理プログラムである。
一実施例では、これらのプログラムを記録した記録媒体である。
【0041】
本発明は以上の実施例に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な実施例を含むことは言うまでもない。
例えば、各ステップは、本願の趣旨に反しない範囲において、順番を入れ替えたり、複数設けられてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 記録整理装置
10 入力部
11 入力部内使用者判別部
12 対人適正化部
20 構造化部
30 比較部
31 検索部
32 検索結果記録部
33 比較対象構造化部
34 上位抽出部
40 提示部
41 修正受付部
50 動作部
51 動作電源部
52 動作制御部
53 アーム駆動部
54 本体移動部
55 本体
56 アーム
60 制御部
61 CPU
62 プログラム用記憶領域
63 データ用記憶領域
70 辞書
71 同義語修正部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
【手続補正書】
【提出日】2023-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された事項を構造化して記録する方法であって、
使用者の発言を入力部により入力する入力ステップ、
構造化部において、前記入力ステップで入力された使用者の発言を所定の構造に当てはめた、構造化記録を作成し、記録部に記憶する構造化ステップ、
提示部により前記構造化記録の少なくとも一部を使用者に提示する提示ステップを有し、
前記構造は、複数の階層により構成されるツリー構造を有し、
前記入力ステップまたは前記構造化ステップは使用者判別ステップを含むことを特徴とする、記録整理方法。
【請求項2】
前記入力ステップにおいて、使用者の発言に代えて文章により入力することを特徴とする、請求項1に記載の記録整理方法。
【請求項3】
前記構造化ステップにおいて、時間と時間以外に分けることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項4】
前記使用者判別ステップ後に対人適正化ステップを含むことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項5】
前記提示ステップの後に、修正を受け付ける確認ステップを有することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項6】
前記構造化ステップの後に、前記構造化記録を、他の情報を参照して比較することにより、比較結果を作成する、比較ステップを有し、
前記提示ステップでは、少なくとも比較結果の一部を提示することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項7】
前記比較ステップは、前記構造化記録に関する情報を検索する検索ステップ、および、
検索した結果である検索結果情報を記録する検索結果記録ステップを有することを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項8】
前記比較ステップは、前記検索結果記録ステップの後に、さらに前記構造化ステップを有し、前記検索結果情報を構造化することを特徴とする、請求項7に記載の記録整理方法。
【請求項9】
前記比較ステップは、前記検索結果記録ステップの後に、前記検索結果情報の一部を抽出する上位抽出ステップ、および、前記構造化ステップを有し、前記検索結果情報を構造化することを特徴とする、請求項7に記載の記録整理方法。
【請求項10】
前記比較結果は、前記構造化記録と前記他の情報との差分を含むことを特徴とする、請求項7ないし9のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項11】
概念の上位下位の関係を示す概念データを参照し、前記比較結果は概念の上位下位を含むことを特徴とする、請求項1ないし10のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項12】
同義語を参照する辞書参照ステップを有することを特徴とする、請求項1ないし11のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項13】
使用者または分野ごとに同義語を保存した辞書を有することを特徴とする、請求項12に記載の記録整理方法。
【請求項14】
使用者からの入力に基づいて、前記同義語を修正する、同義語修正ステップを有することを特徴とする、請求項13に記載の記録整理方法。
【請求項15】
動作部の動作により、音声または文字情報による提示以外の方法で提示を行うことを特徴とする、請求項1ないし14のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項16】
前記入力部、前記構造化部、前記記録部、および、前記提示部を備え、請求項1ないし14のいずれかに記載の各ステップを実行することを特徴とする、記録整理装置。
【請求項17】
前記動作部を備え、請求項15に記載の各ステップを実行することを特徴とする、記録整理装置。
【請求項18】
前記入力部、前記構造化部、前記記録部、および、前記提示部を、請求項16に記載の記録整理装置の各手段として機能させるための記録整理プログラム。
【請求項19】
前記入力部、前記構造化部、前記記録部、前記提示部、および、前記動作部を、請求項17に記載の記録整理装置の各手段として機能させるための記録整理プログラム。
【請求項20】
請求項18または請求項19に記載の記録整理プログラムを記録した記録媒体。
【手続補正書】
【提出日】2024-05-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された事項を構造化して記録する方法であって、
使用者の発言を入力部により入力する入力ステップ、
構造化部において、前記入力ステップで入力された使用者の発言を所定の構造に当てはめた、構造化記録を作成し、記録部に記憶する構造化ステップ、
提示部により前記構造化記録の少なくとも一部を使用者に提示する提示ステップを有し、
前記構造は、複数の階層により構成されるツリー構造を有し、
前記入力ステップまたは前記構造化ステップは使用者判別ステップを含むことを特徴とする、記録整理方法。
【請求項2】
前記入力ステップにおいて、使用者の発言に代えて文章により入力することを特徴とする、請求項1に記載の記録整理方法。
【請求項3】
前記構造化ステップにおいて、時間と時間以外に分けることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項4】
前記使用者判別ステップ後に対人適正化ステップを含むことを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項5】
前記提示ステップの後に、修正を受け付ける確認ステップを有することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項6】
同義語を参照する辞書参照ステップを有することを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項7】
使用者または分野ごとに同義語を保存した辞書を有することを特徴とする、請求項6に記載の記録整理方法。
【請求項8】
使用者からの入力に基づいて、前記同義語を修正する、同義語修正ステップを有することを特徴とする、請求項7に記載の記録整理方法。
【請求項9】
動作部の動作により、音声または文字情報による提示以外の方法で提示を行うことを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載の記録整理方法。
【請求項10】
前記入力部、前記構造化部、前記記録部、および、前記提示部を備え、請求項1ないし8のいずれかに記載の各ステップを実行することを特徴とする、記録整理装置。
【請求項11】
前記動作部を備え、請求項9に記載の各ステップを実行することを特徴とする、記録整理装置。
【請求項12】
前記入力部、前記構造化部、前記記録部、および、前記提示部を、請求項10に記載の記録整理装置の各手段として機能させるための記録整理プログラム。
【請求項13】
前記入力部、前記構造化部、前記記録部、前記提示部、および、前記動作部を、請求項11に記載の記録整理装置の各手段として機能させるための記録整理プログラム。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の記録整理プログラムを記録した記録媒体。