IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シムライズ アーゲーの特許一覧

<>
  • 特開-皮膚の処置におけるレチノールの代替 図1
  • 特開-皮膚の処置におけるレチノールの代替 図2
  • 特開-皮膚の処置におけるレチノールの代替 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091639
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】皮膚の処置におけるレチノールの代替
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/67 20060101AFI20240628BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20240628BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240628BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20240628BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240628BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20240628BHJP
   A61K 31/23 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A61K8/67
A61K8/37
A61Q19/00
A61Q19/08
A61P17/00
A61K45/00
A61K31/23
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024044544
(22)【出願日】2024-03-21
(62)【分割の表示】P 2020552782の分割
【原出願日】2019-03-29
(31)【優先権主張番号】PCT/EP2018/058113
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】511008850
【氏名又は名称】シムライズ アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100168631
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 康匡
(72)【発明者】
【氏名】シュトゥールマン ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】ウェセロ アン-クリスティン
(72)【発明者】
【氏名】ティーツェ ニコール
(72)【発明者】
【氏名】ランゲ サビーネ
(72)【発明者】
【氏名】ブランケ セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ジョワン ブノワ
(72)【発明者】
【氏名】フィールハーバー ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】ル マイレ マリエル
(72)【発明者】
【氏名】ベネシ カリマ
(57)【要約】
【課題】ヒトの皮膚(肌)の色つや(complexion、肌の色つや、顔色、血色)を非治療的に改善するための組成物あるいはヒト皮膚の1種または複数の疾患または不健康な状態の処置または予防のための組成物を提供することである。
【解決手段】本発明の課題は、式1の1つまたは複数の化合物と、
b)アジピン酸ジイソプロピルと
を含むまたはからなる混合物の化粧用、非治療的使用により達成される。式1において、交差する線は二重結合を意味し、互いに独立して、(E)または(Z)立体配置を意味する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト皮膚の色つやを非治療的に改善するための、好ましくはヒト顔面皮膚の色つやを非治療的に改善するための、および/または非治療的アンチエイジング化合物としての、
a)式1の1つまたは複数の化合物と、
【化1】
b)アジピン酸ジイソプロピルと
を含むまたはからなる混合物の化粧用、非治療的使用。
【請求項2】
ヒト皮膚、好ましくはヒト顔面皮膚の1種または複数の疾患または不健康な状態の処置または予防において使用するための、
a)式1の1つまたは複数の化合物と、
【化2】
b)アジピン酸ジイソプロピルと
を含むまたはからなる混合物。
【請求項3】
(i)表皮を厚くするため、好ましくはその増殖促進活性を介して表皮を厚くするため、および/または
(ii)生きている皮膚層の数を増やすため、および/または
(iii)皮膚バリアを改善するため、および/または
(iv)角質層の構成を改善するため、および/または
(v)皮膚組織の刺激の可能性を低減させるため、および/または
(vi)抗酸化剤として、および/または
(vii)老化における1種または複数の皮膚疾患を処置または予防するために
使用される、請求項2に記載の使用のための混合物。
【請求項4】
混合物が化粧組成物において使用され、組成物中の式1の化合物の総量が、0.0001~1質量%の範囲、好ましくは0.001~0.2質量%の範囲、特に好ましくは0.001~0.1質量%の範囲である、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
混合物が医薬組成物において使用され、組成物中の式1の化合物の総量が、0.0001~2質量%の範囲、好ましくは0.001~0.2質量%の範囲、特に好ましくは0.001~0.1質量%の範囲である、請求項2または3に記載の使用のための混合物。
【請求項6】
化粧組成物または医薬組成物が、かゆい皮膚状態を予防、軽減もしくは緩和するための1種もしくは複数の物質、ならびに/または1種もしくは複数の皮膚刺激低減剤、特に抗炎症剤、生理的冷却剤および発赤を緩和する化合物からなる群から選択される1種もしくは複数の物質を追加的に含み、好ましくは1種または複数の追加の物質が、
(i)抗かゆみ化合物、
(ii)コルチコステロイドタイプのステロイド系抗炎症性物質、特にヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン誘導体、例えば、ヒドロコルチゾン17-ブチレート、デキサメタゾン、デキサメタゾンホスフェート、メチルプレドニゾロンまたはコルチゾン、
(iii)非ステロイド性抗炎症性物質、特にオキシカム、例えば、ピロキシカムまたはテノキシカム、サリチレート、例えば、アスピリン、ジサルシド、ソルプリンまたはフェンドサール、酢酸誘導体、例えば、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチンまたはクリンダナク、フェナメート、例えば、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸またはニフルム酸、プロピオン酸誘導体、例えば、イブプロフェン、ナプロキセンまたはべノキサプロフェン、ピラゾール、例えば、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾンまたはアザプロパゾン、
(iv)天然もしくは自然発生の抗炎症性物質または発赤および/もしくはかゆみを緩和する物質、特にカモミール、アロエベラ、ミルラノキ属種、アカネ属種、ヤナギ、ウィローハーブ、カラスムギ、カレンデュラ、アルニカ、セントジョーンズワート、ハニーサックル、ローズマリー、チャボトケイソウ、マンサク、ショウガもしくはエキナセアからの抽出物もしくは画分、またはその単一活性化合物、
(v)好ましくは純粋物質の形態のアルファ-ビサボロール、アピゲニン、アピゲニン-7-グルコシド、ギンゲロール、ショウガオール、ギンゲルジオール、デヒドロギンゲルジオン、パラドール、天然アベナントラミド、非天然アベナントラミド、好ましくはジヒドロアベナントラミドD、ボスウェル酸、フィトステロール、グリチルリチン、グラブリジンおよびリコカルコンA、
(vi)スキンケア剤、好ましくは皮膚保湿調節剤もしくは皮膚修復剤、好ましくは、乳酸ナトリウム、尿素および誘導体、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオール、コラーゲン、エラスチンまたはヒアルロン酸、アジピン酸ジアシル、ワセリン、ウロカニン酸、レシチン、アラントイン、パンテノール、フィタントリオール、リコピン、(擬似)セラミド(好ましくはセラミド2、ヒドロキシプロピルビスパルミタミドMEA、セチルオキシプロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミド、N-(1-ヘキサデカノイル)-4-ヒドロキシ-L-プロリン(1-ヘキサデシル)エステル、ヒドロキシエチルパルミチルオキシヒドロキシプロピルパルミタミド)、グリコスフィンゴリピド、コレステロール、フィトステロール、キトサン、コンドロイチン硫酸、ラノリン、ラノリンエステル、アミノ酸、ビタミンEおよび誘導体(好ましくはトコフェロール、酢酸トコフェロール)、アルファ-ヒドロキシ酸(好ましくはクエン酸、乳酸、リンゴ酸)およびその誘導体、単糖、二糖およびオリゴ糖、好ましくはグルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、レブロースおよびラクトース、多糖、例えば、β-グルカン、特にカラスムギ由来の1,3-1,4-β-グルカン、アルファ-ヒドロキシ-脂肪酸、トリテルペン酸、例えば、ベツリン酸またはウルソール酸、および藻抽出物またはその単一活性化合物からなる群から選択されるもの、
(vii)生理的冷却剤、好ましくはメントングリセロールアセタール、乳酸メンチル、好ましくはl-メンチルラクテート、特にl-メンチルl-ラクテート)、メンチルエチルオキサメート、置換メンチル-3-カルボン酸アミド(例えばメンチル-3-カルボン酸N-エチルアミド、Nα-(L-メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボン酸アミド、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル(例えば、メンチル3-ヒドロキシブチレート)、モノメンチルスクシネート、モノメンチルグルタレート、2-メルカプトシクロデカノン、メンチル2-ピロリジン-5-オンカルボキシレート、2,3-ジヒドロキシ-p-メンタン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノングリセロールケタール、3-メンチル3,6-ジ-および-トリオキサアルカノエート、3-メンチルメトキシアセテートおよびイシリンからなる群から選択されるもの、ならびに
(viii)ヒスタミン受容体アンタゴニスト、セリンプロテアーゼ阻害剤、TRPV1アンタゴニスト、NK1アンタゴニスト、カンナビノイド受容体アゴニストおよびTRPV3アンタゴニスト
からなる群から選択される、請求項4に記載の使用または請求項5に記載の使用のための混合物。
【請求項7】
a)式1の化合物が、
【化3】
組成物の総量に対して、0.0001~2質量%の範囲、好ましくは0.001~0.2質量%の範囲、特に好ましくは0.001~0.1質量%の範囲にある、請求項1で定義された混合物と、
b)任意に、1種もしくは複数の化粧品として許容されるおよび/または薬学的に許容される担体と
を含むまたはからなる組成物、特に局所投与用組成物、好ましくは化粧組成物または医薬組成物。
【請求項8】
かゆい皮膚状態を予防、軽減もしくは緩和するための1種もしくは複数の物質、ならびに/または1種もしくは複数の皮膚刺激低減剤、特に抗炎症剤、生理的冷却剤および発赤を緩和する化合物からなる群から選択される1種もしくは複数の物質を追加的に含み、好ましくは、1種または複数の追加の物質が、
(i)抗かゆみ化合物、
(ii)コルチコステロイドタイプのステロイド系抗炎症性物質、特にヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン誘導体、例えば、ヒドロコルチゾン17-ブチレート、デキサメタゾン、デキサメタゾンホスフェート、メチルプレドニゾロンまたはコルチゾン、
(iii)非ステロイド性抗炎症性物質、特にオキシカム、例えば、ピロキシカムまたはテノキシカム、サリチレート、例えば、アスピリン、ジサルシド、ソルプリンまたはフェンドサール、酢酸誘導体、例えば、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチンまたはクリンダナク、フェナメート、例えば、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸またはニフルム酸、プロピオン酸誘導体、例えば、イブプロフェン、ナプロキセンまたはべノキサプロフェン、ピラゾール、例えば、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾンまたはアザプロパゾン、
(iv)天然もしくは自然発生の抗炎症性物質または発赤および/もしくはかゆみを緩和する物質、特にカモミール、アロエベラ、ミルラノキ属種、アカネ属種、ヤナギ、ウィローハーブ、カラスムギ、カレンデュラ、アルニカ、セントジョーンズワート、ハニーサックル、ローズマリー、チャボトケイソウ、マンサク、ショウガもしくはエキナセアからの抽出物もしくは画分、またはその単一活性化合物、
(v)好ましくは純粋物質の形態のアルファ-ビサボロール、アピゲニン、アピゲニン-7-グルコシド、ギンゲロール、ショウガオール、ギンゲルジオール、デヒドロギンゲルジオン、パラドール、天然アベナントラミド、非天然アベナントラミド、好ましくはジヒドロアベナントラミドD、ボスウェル酸、フィトステロール、グリチルリチン、グラブリジンおよびリコカルコンA、
(vi)スキンケア剤、好ましくは皮膚保湿調節剤もしくは皮膚修復剤、好ましくは、乳酸ナトリウム、尿素および誘導体、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオール、コラーゲン、エラスチンまたはヒアルロン酸、アジピン酸ジアシル、ワセリン、ウロカニン酸、レシチン、アラントイン、パンテノール、フィタントリオール、リコピン、(擬似)セラミド(好ましくはセラミド2、ヒドロキシプロピルビスパルミタミドMEA、セチルオキシプロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミド、N-(1-ヘキサデカノイル)-4-ヒドロキシ-L-プロリン(1-ヘキサデシル)エステル、ヒドロキシエチルパルミチルオキシヒドロキシプロピルパルミタミド)、グリコスフィンゴリピド、コレステロール、フィトステロール、キトサン、コンドロイチン硫酸、ラノリン、ラノリンエステル、アミノ酸、ビタミンEおよび誘導体(好ましくはトコフェロール、酢酸トコフェロール)、アルファ-ヒドロキシ酸(好ましくはクエン酸、乳酸、リンゴ酸)およびその誘導体、単糖、二糖およびオリゴ糖、好ましくはグルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、レブロースおよびラクトース、多糖、例えば、β-グルカン、特にカラスムギ由来の1,3-1,4-β-グルカン、アルファ-ヒドロキシ-脂肪酸、トリテルペン酸、例えば、ベツリン酸またはウルソール酸、および藻抽出物またはその単一活性化合物からなる群から選択されるもの、
(vii)生理的冷却剤、好ましくはメントングリセロールアセタール、乳酸メンチル、好ましくはl-メンチルラクテート、特にl-メンチルl-ラクテート)、メンチルエチルオキサメート、置換メンチル-3-カルボン酸アミド(例えばメンチル-3-カルボン酸N-エチルアミド、Nα-(L-メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボン酸アミド、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル(例えば、メンチル3-ヒドロキシブチレート)、モノメンチルスクシネート、モノメンチルグルタレート、2-メルカプトシクロデカノン、メンチル2-ピロリジン-5-オンカルボキシレート、2,3-ジヒドロキシ-p-メンタン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノングリセロールケタール、3-メンチル3,6-ジ-および-トリオキサアルカノエート、3-メンチルメトキシアセテートおよびイシリンからなる群から選択されるもの、ならびに
(viii)ヒスタミン受容体アンタゴニスト、セリンプロテアーゼ阻害剤、TRPV1アンタゴニスト、NK1アンタゴニスト、カンナビノイド受容体アゴニストおよびTRPV3アンタゴニスト
からなる群から選択される、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
皮膚および/または毛髪の処置、保護、ケアおよびクレンジングのための、またはメイクアップ製品としての、好ましくは洗い流さない製品としての医薬品および/または化粧製品の群から選択され、より好ましくはアルコール性または水性/アルコール性溶液、分散液、懸濁液、エマルジョン(好ましくはW/O、O/Wのクリーム剤、ローション剤もしくはミルク、またはマルチプルエマルジョン、PITエマルジョン、エマルジョンフォーム、ミクロエマルジョン、ナノエマルジョン、ピッカリングエマルジョンタイプ)、軟膏剤、ペースト剤、ゲル剤(好ましくはヒドロゲル、ヒドロ分散ゲル、オレオゲル)、香油、セラム、粉末、ふき取り繊維、オードトワレ、オーデコロン、香水、スティック剤、ロールオン、(ポンプ)スプレー、エアゾール剤、洗い流さないスキンケア組成物(好ましくは顔ケア組成物)、洗い流さない虫よけ剤組成物、日焼け止め剤組成物、皮膚美白組成物、セルフタンニング組成物、日焼け後調製物、髭剃り用もしくは髭剃り後組成物、脱毛組成物、ヘアケア組成物、好ましくはコンディショナー、ヘアローション剤、ヘアトニック、スタイリングクリーム剤、ポマード、スタイリングエイド(好ましくはゲルまたはワックス)、パーマネントウェーブおよびフィクシング組成物、ヘアスムージング組成物(縮毛矯正組成物、リラクサー)、ヘアセット組成物、金髪染め組成物、毛染め組成物、例えば、一時的、直接吸収、半永久毛染め組成物、永久毛染め組成物、装飾化粧品組成物(好ましくはおしろい、アイシャドウ、カージャルペンシル、リップスティック)、防臭剤および/もしくは制汗剤組成物の形態であるか、またはこれらからなる製品群から選択される、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項10】
ヒト皮膚の色つやを非治療的に改善するための、好ましくはヒト顔面皮膚の色つやを非治療的に改善するための、および/または非治療的アンチエイジング組成物としての、請求項7~9のいずれか1項に記載の化粧組成物の化粧用、非治療的使用。
【請求項11】
ヒト皮膚、好ましくはヒト顔面皮膚の1種または複数の疾患または不健康な状態の処置または予防における使用のための、請求項7~9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
(i)表皮を厚くするため、好ましくはその増殖促進活性を介して表皮を厚くするため、および/または
(ii)生きている皮膚層の数を増やすため、および/または
(iii)皮膚バリアを改善するため、および/または
(iv)角質層の構成を改善するため、および/または
(v)皮膚組織の刺激の可能性を低減させるため、および/または
(vi)抗酸化剤として、および/または
(vii)老化における1種または複数の皮膚疾患を処置または予防するために
使用される、請求項11に記載の使用のための、請求項7~9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
少なくとも5分間、好ましくは少なくとも10分間、対象の皮膚上にとどまるように使用される(「洗い流さない製品」)、請求項11または12に記載の使用のための、請求項7~9のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式1の1つまたは複数の化合物
【化1】
と、アジピン酸ジイソプロピルとを含むまたはからなる混合物の新規の化粧用および治療用の使用に主に関する。
さらに、本発明は、このような混合物と、任意に1種または複数の化粧品として許容されるおよび/または薬学的に許容される担体とを含むまたはからなる組成物(製品または製剤)、特に局所投与用組成物、好ましくは化粧組成物または医薬組成物に関する。
本発明はまた、本発明によるこのような混合物の新規の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明のさらなる態様は、以下の明細書、本明細書に記載の実施例ならびに添付の特許請求の範囲を検討することにより明らかとなる。
特に、化粧品および医薬品業界において、ヒトの皮膚(肌)の色つや(complexion、肌の色つや、顔色、血色)を改善するための薬剤に対して絶え間ない必要性が存在する。さらに、ヒト皮膚の不健康な状態に関連する/これにより引き起こされる疾患の処置および/または予防において使用するために適切な薬剤に対して絶え間ない必要性が存在する。皮膚、特に表皮は、ヒト生物のバリア器官として、特定の程度まで外部の影響の対象下にある。多くの内因性要因(例えば遺伝的素因)および外因性要因(例えば皮膚バリアの損傷)は、麻酔性または有痛性の症状をもたらす可能性がある。
【0003】
レチノールおよびその誘導体(レチノイン酸、パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール)は化粧品業界においてアンチエイジング化合物として広く使用されており、より狭い範囲では抗油性肌活性のある化合物として使用されている。レチノールおよびその誘導体を含む組成物およびその使用のための方法は、例えば、WO2016/118281、US2013/0310355またはWO2014/116653に記載されている。
しかし、問題なのは、従来技術の組成物への長期曝露後、皮膚はしばしば、炎症、アレルギー反応、赤み、剥離、乾燥、かゆみまたはUV保護の弱まりなどをもって反応することである。
WO2012/051614は、生理活性剤の対象への局所的送達のための組成物について記載しており、この薬剤はビタミンA誘導体、特にレチノイドであることができる。
【発明の概要】
【0004】
本発明の発明者らは、長期曝露に由来する負の副作用を生じることなく、レチノールのプラス効果を模倣するレチノール代替物を発見しようと試みた。特定の焦点は皮膚バリアの改善能力に絞られ、この能力は、抗炎症性応答、表皮性細胞の成長および分化、コラーゲン産生の増加、脂腺機能の改善、紫外線による老化現象の逆転、メラニン産生の阻害、皮膚肥厚の促進など、プラス効果をもたらすようである。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】パラフィン切片化およびH&EおよびKi67染色を実施した。着色した切片における表皮の厚さを測定し、MDI 101、all-transレチノール(すべて0.01μMの濃度)およびDMSO対照の間で比較した。
図2】本発明で使用する装置を示す。
図3】偏光および60×拡大で顕微鏡Olympus IX 70を使用して3つのすべてのエマルジョンの顕微鏡画像を撮った(図3ではそれぞれ、図3AはエマルジョンAに対す結果を示し、図3BはエマルジョンBに対す結果を示し、図3CはエマルジョンCに対する結果を示す)。
【発明を実施するための形態】
【0006】
しかし、多くの適切な物質は、溶解すること、または溶解した状態を維持することが困難である。このような物質は簡単に析出し、結晶化する。このような状態では、これらの作用は大きく軽減するか、またはまったく存在しなくなる。
【0007】
よって、本発明の主な目的は、上に記載されているような作用、好ましくは改善された作用を有し、好ましくは、毒物学的に許容され、皮膚に十分許容され、従来の化粧用製剤および/または医薬製剤において安定しており、内因性の臭気および内因性の色を発生する可能が最も低く、好ましくは安価で調製される適切な薬剤を溶解した状態で提供することであった。さらに、好ましくはより低い濃度でレチノール様活性を有する薬剤が提供されるべきである。
本発明のさらなる目的は、以下の明細書、本明細書に記載の実施例、ならびに、特に添付の特許請求の範囲から誘導することができる。
本発明の主な目的は、ヒトの皮膚(肌)の色つや(complexion、肌の色つや、顔色、血色)を非治療的に改善するための、好ましくはヒト顔面皮膚の色つやを非治療的に改善するための、および/または非治療的アンチエイジング化合物としての、
a)式1の1つまたは複数の化合物と、
【化2】
b)アジピン酸ジイソプロピルと
を含むまたはからなる混合物の化粧用、非治療的使用により達成される。
式1において、交差する線は二重結合を意味し、互いに独立して、(E)または(Z)立体配置を意味する。好ましくは、1本、それよりも多くの、またはすべての交差する線は(E)立体配置を意味する。
ヒドロキシピナコロンレチノエート(MDI 101)は、例えば、化粧組成物または医薬組成物(例えばエマルジョン)への溶解度が低い粉末である。
【0008】
このような組成物に唯一の粉末を組み込むことは、組成物中でMDI 101の再結晶化をもたらす。これは、物理的製品安定性に悪影響があるので、例えば、化粧組成物および医薬組成物には非常に不利である。さらに、これは適切に溶解されないので、MDI 101のバイオアベイラビリティーおよび効力を低下させる。
驚くことに、ヒドロキシピナコロンレチノエート(MDI 101)をアジピン酸ジイソプロピルに予め溶解することで、溶解度が強力に改善され、再結晶化が回避できることが判明した(実施例1.6および図3を参照されたい)。
本発明の主な目的はまた、ヒト皮膚、好ましくはヒト顔面皮膚の1種または複数の疾患または不健康な状態の処置または予防において使用するための、式1の1つまたは複数の化合物(上記に示されている通り)とアジピン酸ジイソプロピルとを含むまたはからなる混合物により達成される。
【0009】
好ましくは、本発明による混合物は、
(i)表皮を厚くするため、好ましくはその増殖促進活性を介して表皮を厚くするため、および/または
(ii)生きている皮膚層の数を増やすため、および/または
(iii)皮膚バリアを改善するため、および/または
(iv)角質層の構成を改善するため、および/または
(v)皮膚組織の刺激の可能性を低減させるため、および/または
(vi)抗酸化剤として、および/または
(vii)老化における1種または複数の皮膚疾患を処置または予防するために
使用される。
【0010】
式1は、レチノイン酸、3,3-ジメチル-2-オキソブチルエステル(CAS 893412-73-2;MDI 101)およびその異性体を表す。主要構造は、
【化3】
(3,3-ジメチル-2-オキソ-ブチル)(2E,4E,6E,8E)-3,7-ジメチル-9-(2,6,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)ノナ-2,4,6,8-テトラエノエートである。
【0011】
暗所でのこの構造安定性は>99%である。明所では、さらなる異性体が生じる。これらの異性体は、主要構造とまさに同じ位活性があり、0~30%まで変動する割合で存在する。このような異性体は、例えば、以下の構造である:
【化4】
【0012】
レチノイン酸、3,3-ジメチル-2-オキソブチルエステルに対して、さらなる異性体が可能である。式1ならびに主要構造は、すべての可能な異性体、すなわち上に記載されているようなすべての可能な異性体に対する代表であると理解すべきであり、交差する線は二重結合を意味し、互いに独立して、(E)または(Z)立体配置を意味する。「1つまたは複数の化合物」という用語は、一般式Iで表される1つまたは複数の異なる異性体として把握されるべきである。よって、「1つまたは複数の化合物」という用語はまた、2つまたはそれより多くの異なる異性体の混合物を含む。
本明細書に記載の化合物は、これらの増殖促進活性により表皮を厚くし、生きている皮膚層の数の増加をもたらすことが特に可能である。さらに、角質層の構成は改善される。
さらに、本明細書に記載の化合物のtox-プロファイルは優れている。
さらに、有利なことに、本明細書に記載の化合物は、内因性の色を有さない、または低い内因性の色しか有さない。
【0013】
本発明による混合物は、0.5~10質量%、好ましくは1~5質量%、特に好ましくは2~3質量%のMDI 101およびアジピン酸ジイソプロピルを含むまたはからなる。好ましくは、本発明による混合物は、0.1~5質量%、好ましくは0.25~2質量%、特に好ましくは0.5~1.5質量%のトコフェロールをさらに含むことが好ましい。
本発明による混合物は、0.5~10質量%、好ましくは1~5質量%、特に好ましくは2~3質量%のMDI 101と、0.1~5質量%、好ましくは0.25~2質量%、特に好ましくは0.5~1.5質量%のトコフェロールとからなり、アジピン酸ジイソプロピル含有量は100質量%まで加えられることが特に好ましい。
好ましい態様によると、本発明による混合物は、組成物中の式1の化合物の総量が、0.0001~1.0質量%の範囲、好ましくは0.001~0.2質量%の範囲、特に好ましくは0.001~0.1質量%の範囲である化粧品組成物に使用される。
別の好ましい態様によると、本明細書に記載されているような使用のための混合物は、組成物中の式1の化合物の総量が、0.0001~1.0質量%の範囲、好ましくは0.001~0.2質量%の範囲、特に好ましくは0.001~0.1質量%の範囲である医薬組成物に使用される。
【0014】
好ましくは、混合物は、かゆい皮膚状態を予防、軽減もしくは緩和するための1種もしくは複数の(さらなる)物質、ならびに/または1種もしくは複数の皮膚刺激低減剤、特に抗炎症剤、生理的冷却剤および発赤を緩和する化合物からなる群から選択される1種もしくは複数の物質と組み合わせて使用され、好ましくは1つもしくは複数の追加の物質は、
(i)抗かゆみ化合物、
(ii)コルチコステロイドタイプのステロイド系抗炎症性物質、特にヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン誘導体、例えば、ヒドロコルチゾン17-ブチレート、デキサメタゾン、デキサメタゾンホスフェート、メチルプレドニゾロンまたはコルチゾン、
(iii)非ステロイド性抗炎症性物質、特にオキシカム、例えば、ピロキシカムまたはテノキシカム、サリチレート、例えば、アスピリン、ジサルシド、ソルプリンまたはフェンドサール、酢酸誘導体、例えば、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチンまたはクリンダナク、フェナメート、例えば、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸またはニフルム酸、プロピオン酸誘導体、例えば、イブプロフェン、ナプロキセンまたはべノキサプロフェン、ピラゾール、例えば、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾンまたはアザプロパゾン、
(iv)天然もしくは自然発生の抗炎症性物質または発赤および/もしくはかゆみを緩和する物質、特にカモミール、アロエベラ、ミルラノキ属種、アカネ属種、ヤナギ、ウィローハーブ、カラスムギ、カレンデュラ、アルニカ、セントジョーンズワート、ハニーサックル、ローズマリー、チャボトケイソウ、マンサク、ショウガもしくはエキナセアからの抽出物もしくは画分、またはその単一活性化合物、
(v)好ましくは純粋物質の形態のアルファ-ビサボロール、アピゲニン、アピゲニン-7-グルコシド、ギンゲロール、ショウガオール、ギンゲルジオール、デヒドロギンゲルジオン、パラドール、天然アベナントラミド、非天然アベナントラミド、好ましくはジヒドロアベナントラミドD、ボスウェル酸、フィトステロール、グリチルリチン、グラブリジンおよびリコカルコンA、
(vi)スキンケア剤、好ましくは皮膚保湿調節剤もしくは皮膚修復剤、好ましくは、乳酸ナトリウム、尿素および誘導体、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオール、コラーゲン、エラスチンまたはヒアルロン酸、アジピン酸ジアシル、ワセリン、ウロカニン酸、レシチン、アラントイン、パンテノール、フィタントリオール、リコピン、(擬似)セラミド(好ましくはセラミド2、ヒドロキシプロピルビスパルミタミドMEA、セチルオキシプロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミド、N-(1-ヘキサデカノイル)-4-ヒドロキシ-L-プロリン(1-ヘキサデシル)エステル、ヒドロキシエチルパルミチルオキシヒドロキシプロピルパルミタミド)、グリコスフィンゴリピド、コレステロール、フィトステロール、キトサン、コンドロイチン硫酸、ラノリン、ラノリンエステル、アミノ酸、ビタミンEおよび誘導体(好ましくはトコフェロール、酢酸トコフェロール)、アルファ-ヒドロキシ酸(好ましくはクエン酸、乳酸、リンゴ酸)およびその誘導体、単糖、二糖およびオリゴ糖、好ましくはグルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、レブロースおよびラクトース、多糖、例えば、β-グルカン、特にカラスムギ由来の1,3-1,4-β-グルカン、アルファ-ヒドロキシ-脂肪酸、トリテルペン酸、例えば、ベツリン酸またはウルソール酸、および藻抽出物またはその単一活性化合物からなる群から選択されるもの、
(vii)生理的冷却剤、好ましくはメントングリセロールアセタール、乳酸メンチル、好ましくはl-メンチルラクテート、特にl-メンチルl-ラクテート)、メンチルエチルオキサメート、置換メンチル-3-カルボン酸アミド(例えばメンチル-3-カルボン酸N-エチルアミド、Nα-(L-メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボン酸アミド、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル(例えば、メンチル3-ヒドロキシブチレート)、モノメンチルスクシネート、モノメンチルグルタレート、2-メルカプトシクロデカノン、メンチル2-ピロリジン-5-オンカルボキシレート、2,3-ジヒドロキシ-p-メンタン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノングリセロールケタール、3-メンチル3,6-ジ-および-トリオキサアルカノエート、3-メンチルメトキシアセテートおよびイシリンからなる群から選択されるもの、ならびに
(viii)ヒスタミン受容体アンタゴニスト、セリンプロテアーゼ阻害剤、TRPV1アンタゴニスト、NK1アンタゴニスト、カンナビノイド受容体アゴニストおよびTRPV3アンタゴニスト
からなる群から選択される。
【0015】
好ましくは、混合物は、ビタミンEおよび/または誘導体(好ましくはトコフェロール、酢酸トコフェロール)と組み合わせて、スキンケア剤として使用される。この場合、式1の化合物は、式1の化合物が使用されている全組成物に対して、0.001~0.1質量%の範囲で存在することがさらに好ましい。
本明細書に記載の混合物と組み合わせて使用することができる、さらなる物質ならびに、場合によって、例えば、補助物質および添加剤などのクラスの物質は以下に記載されている。
【0016】
アジピン酸ジイソプロピルの作用により、本明細書に記載の式1の化合物、すなわち本明細書に記載されているような混合物としての本明細書に記載の式1の化合物は、化粧組成物および医薬組成物に組み込まれるのに特に適している。よって、本発明のさらなる態様は対応する組成物に関する。本発明による組成物は好ましくは局所投与用であり、好ましくは化粧組成物または医薬組成物であり、
a)式1の化合物が、組成物の総量に対して、0.0001~2質量%の範囲、0.0001~1.0質量%の範囲、好ましくは0.001~0.2質量%、特に好ましくは0.001~0.1質量%の範囲にあり、好ましくは0.001~0.1質量%の範囲にある、請求項1に記載の混合物と、
b)任意に、1種もしくは複数の化粧品として許容されるおよび/または薬学的に許容される担体と
を含むまたはからなる。
【0017】
好ましい実施形態によると、化粧品として許容されるおよび/または薬学的に許容される担体は、水以外の担体、より好ましくは、構成成分a)の物質のうちの1つ、それよりも多くまたはすべてに対して良好な可溶化性を示す、グリコール、脂肪族エステル、特に脂肪族エステルからなる群から選択される担体、好ましくはポリエチレングリコールエステルおよびポリエチレングリコールエーテルまたはこれらの混合物、特に、構成成分a)の物質のうちの1つ、それよりも多くまたはすべてのバイオアベイラビリティーを増強するための化粧品として許容されるおよび/または薬学的に許容される担体である。
【0018】
以下から選択される1種または複数の担体の使用もまた好ましい:
- 1つまたは複数のジオール、好ましくは1,2-プロピレングリコール、2-メチルプロパン-1,3-ジオール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2-メチル-ペンタン-2,4-ジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオール、1,2-デカンジオールからなる群から選択される、好ましくは3~10個の炭素原子を有するアルカンジオール、
ならびに/あるいは
- 群(i)および/もしくは(ii)および/もしくは(iii)および/もしくは(iv)から選択される化粧品として許容される担体またはこれらの混合物であって、前記群が、以下からなる担体またはこれらの混合物
(i)6~36個の炭素原子を有する脂肪族エステル、好ましくはモノエステル、ジエステルもしくはトリエステル、好ましくはフタル酸ジエチル、ジエチルヘキシル2,6-ナフタレート、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n-ブチル、ラウリン酸n-ヘキシル、オレイン酸n-デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、3,5,5-トリメチルヘキシル3,5,5-トリメチルヘクサノエート、イソノナン酸2-エチルヘキシル、2-エチルヘキシル3,5,5-トリメチルヘクサノエート、2-エチルヘキシル2-エチルヘクサノエート、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、エチルヘキサン酸セテアリル、イソノナン酸ステアリル、イソノナン酸パルミチル、イソノナン酸セテアリル、パルミチル3,5,5-トリメチルヘクサノエート、ステアリル3,5,5-トリメチルヘクサノエート、セテアリル3,5,5-トリメチルヘクサノエート、ヘプタン酸ステアリル、カプリル酸ステアリル、2-オクチルドデシルパルミテート、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、イソステアリン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソトリデシル、2-ヤシ油脂肪酸エチルヘキシル、C12-15-安息香酸アルキル、パルミチン酸セチル、クエン酸トリエチル、トリアセチン(クエン酸トリアセチル)、安息香酸ベンジル、酢酸ベンジル、植物油(好ましくはオリーブ油、ヒマワリ油、ダイズ油、ラッカセイ油、ナタネ油、アーモンド油、パーム油、ヤシ油、パーム核油)およびトリグリセリド、特にステアリン酸グリセリル、トリイソノナン酸グリセリル、ラウリン酸グリセリル、または同じもしくは異なるC6-C10脂肪酸基を有するトリグリセリド(いわゆる中鎖トリグリセリド、特にカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えば、トリカプリル酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリルなど)からなる群から選択されるもの、ならびに/または
(ii)分枝および非分枝アルキルもしくはアルケニルアルコール、好ましくはデカノール、デセノール、オクタノール、オクテノール、ドデカノール、ドデセノール、オクタジエノール、デカジエノール、ドデカジエノール、オレイルアルコール、リシノレイルアルコール、エルシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール(特に2-オクチル-1-ドデカノール)およびセテアリルアルコールおよびベヘニルアルコールからなる群から選択されるもの、ならびに/または
(iii)分枝および非分枝炭化水素およびワックス、環式もしくは直鎖シリコーン油および6~24個の炭素原子を有するジアルキルエーテル、好ましくはホホバ油、イソエイコサン、ジカプリリルエーテル、鉱油、ワセリン、スクワラン、スクアレン、シクロメチコン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ウンデカメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサンおよびポリ(メチル-フェニルシロキサンからなる群から選択されるもの、
(iv)様々な他の溶媒、例えば、アセトン、メチルプロピルケトン、ジプロピルケトン、ジメチルスルホキシド、炭酸グリセリン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、グリセリンホルマール、ソルケタール、2-エチルヘキサノール、2-ブチルオクタノール、2-ヘキシルデカノールもしくは2-オクチルドデカノール。
上に記載されているような1種または複数の化粧品として許容される担体を含む組成物は、取り扱いが簡単であり、長い期間にわたり安定している。
【0019】
本発明による組成物は、いずれの場合も組成物の総質量に対して、好ましくは50質量%以上の総量の担体、より好ましくは少なくとも70質量%の総量の担体、さらにより好ましくは80質量%~90質量%以上の総量の担体、最も好ましくは少なくとも95質量%以上の総量の担体、最も好ましくは95~99質量%の総量の担体、好ましくは上に記載されているような1種または複数の(好ましい)担体を含む。
いずれにせよ、混合物中の式1の化合物の総量は、混合物またはこのような混合物を含む組成物が、対象または対象の皮膚に、好ましくは対象の顔面皮膚に適用された場合、本明細書に記載されている活性のうちの1つ、それよりも多くまたはすべてを示すのに十分であることが特に好ましい。
【0020】
投与レジメンは、例えば、担当医および他の臨床的要因により決定される。当技術分野において周知のように、任意の1つの対象に対する用量は、患者の大きさ、身体表面積、年齢、性別、投与時間および投与経路、全般的な健康状態、および並行して投与される他の薬物を含む多くの要因に依存する。進行は、周期的評価によりモニターすることができる。
【0021】
好ましくは、本発明による使用に関連して上述されているように、このような組成物は、かゆい皮膚状態を予防、軽減もしくは緩和するための1種もしくは複数の(さらなる)物質、ならびに/または1種もしくは複数の皮膚刺激低減剤、特に抗炎症剤、生理的冷却剤および発赤を緩和する化合物からなる群から選択される1種もしくは複数の物質を追加的に含み、好ましくは1種または複数の追加の物質は、
(i)抗かゆみ化合物、
(ii)コルチコステロイドタイプのステロイド系抗炎症性物質、特にヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン誘導体、例えば、ヒドロコルチゾン17-ブチレート、デキサメタゾン、デキサメタゾンホスフェート、メチルプレドニゾロンまたはコルチゾン、
(iii)非ステロイド性抗炎症性物質、特にオキシカム、例えば、ピロキシカムまたはテノキシカム、サリチレート、例えば、アスピリン、ジサルシド、ソルプリンまたはフェンドサール、酢酸誘導体、例えば、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチンまたはクリンダナク、フェナメート、例えば、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸またはニフルム酸、プロピオン酸誘導体、例えば、イブプロフェン、ナプロキセンまたはべノキサプロフェン、ピラゾール、例えば、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾンまたはアザプロパゾン、
(iv)天然もしくは自然発生の抗炎症性物質または発赤および/もしくはかゆみを緩和する物質、特にカモミール、アロエベラ、ミルラノキ属種、アカネ属種、ヤナギ、ウィローハーブ、カラスムギ、カレンデュラ、アルニカ、セントジョーンズワート、ハニーサックル、ローズマリー、チャボトケイソウ、マンサク、ショウガもしくはエキナセアからの抽出物もしくは画分、またはその単一活性化合物、
(v)好ましくは純粋物質の形態のアルファ-ビサボロール、アピゲニン、アピゲニン-7-グルコシド、ギンゲロール、ショウガオール、ギンゲルジオール、デヒドロギンゲルジオン、パラドール、天然アベナントラミド、非天然アベナントラミド、好ましくはジヒドロアベナントラミドD、ボスウェル酸、フィトステロール、グリチルリチン、グラブリジンおよびリコカルコンA、
(vi)スキンケア剤、好ましくは皮膚保湿調節剤もしくは皮膚修復剤、好ましくは、乳酸ナトリウム、尿素および誘導体、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオール、コラーゲン、エラスチンまたはヒアルロン酸、アジピン酸ジアシル、ワセリン、ウロカニン酸、レシチン、アラントイン、パンテノール、フィタントリオール、リコピン、(擬似)セラミド(好ましくはセラミド2、ヒドロキシプロピルビスパルミタミドMEA、セチルオキシプロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミド、N-(1-ヘキサデカノイル)-4-ヒドロキシ-L-プロリン(1-ヘキサデシル)エステル、ヒドロキシエチルパルミチルオキシヒドロキシプロピルパルミタミド)、グリコスフィンゴリピド、コレステロール、フィトステロール、キトサン、コンドロイチン硫酸、ラノリン、ラノリンエステル、アミノ酸、ビタミンEおよび誘導体(好ましくはトコフェロール、酢酸トコフェロール)、アルファ-ヒドロキシ酸(好ましくはクエン酸、乳酸、リンゴ酸)およびその誘導体、単糖、二糖およびオリゴ糖、好ましくはグルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、レブロースおよびラクトース、多糖、例えば、β-グルカン、特にカラスムギ由来の1,3-1,4-β-グルカン、アルファ-ヒドロキシ-脂肪酸、トリテルペン酸、例えば、ベツリン酸またはウルソール酸、および藻抽出物またはその単一活性化合物からなる群から選択されるもの、
(vii)生理的冷却剤、好ましくはメントングリセロールアセタール、乳酸メンチル、好ましくはl-メンチルラクテート、特にl-メンチルl-ラクテート)、メンチルエチルオキサメート、置換メンチル-3-カルボン酸アミド(例えばメンチル-3-カルボン酸N-エチルアミド、Nα-(L-メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボン酸アミド、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル(例えば、メンチル3-ヒドロキシブチレート)、モノメンチルスクシネート、モノメンチルグルタレート、2-メルカプトシクロデカノン、メンチル2-ピロリジン-5-オンカルボキシレート、2,3-ジヒドロキシ-p-メンタン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノングリセロールケタール、3-メンチル3,6-ジ-および-トリオキサアルカノエート、3-メンチルメトキシアセテートおよびイシリンからなる群から選択されるもの、ならびに
(viii)ヒスタミン受容体アンタゴニスト、セリンプロテアーゼ阻害剤、TRPV1アンタゴニスト、NK1アンタゴニスト、カンナビノイド受容体アゴニストおよびTRPV3アンタゴニスト
からなる群から選択される。
【0022】
好ましくは、本発明による組成物は、皮膚および/または毛髪の処置、保護、ケアおよびクレンジングのための、またはメイクアップ製品としての、好ましくは洗い流さない製品としての医薬品および/または化粧製品の群から選択され、より好ましくはアルコール性または水性/アルコール性溶液、分散液、懸濁液、エマルジョン(好ましくはW/O、O/Wのクリーム剤、ローション剤もしくはミルク、またはマルチプルエマルジョン、PITエマルジョン、エマルジョンフォーム、ミクロエマルジョン、ナノエマルジョン、ピッカリングエマルジョンタイプ)、軟膏剤、ペースト剤、ゲル剤(好ましくはヒドロゲル、ヒドロ分散ゲル、オレオゲル)、香油、セラム、粉末、ふき取り繊維、オードトワレ、オーデコロン、香水、スティック剤、ロールオン、(ポンプ)スプレー、エアゾール剤、洗い流さないスキンケア組成物(好ましくは顔ケア組成物)、洗い流さない虫よけ剤組成物、日焼け止め剤組成物、皮膚美白組成物、セルフタンニング組成物、日焼け後調製物、髭剃り用もしくは髭剃り後組成物、脱毛組成物、ヘアケア組成物、好ましくはコンディショナー、ヘアローション剤、ヘアトニック、スタイリングクリーム剤、ポマード、スタイリングエイド(好ましくはゲルまたはワックス)、パーマネントウェーブおよびフィクシング組成物、ヘアスムージング組成物(縮毛矯正組成物、リラクサー)、ヘアセット組成物、金髪染め組成物、毛染め組成物、例えば、一時的、直接吸収、半永久毛染め組成物、永久毛染め組成物、装飾化粧品組成物(好ましくはおしろい、アイシャドウ、カージャルペンシル、リップスティック)、防臭剤および/もしくは制汗剤組成物の形態であるか、またはこれらからなる製品群から選択される。
【0023】
組成物が化粧品組成物であり、式1の化合物が組成物に対して0.001~0.2質量%の範囲で、特に好ましくは0.001~0.1質量%の範囲で組成物中に存在することが特に好ましい。本発明による混合物中にビタミンEおよび/または誘導体(好ましくはトコフェロール、酢酸トコフェロール)がまだ存在しない場合、組成物がビタミンEおよび/または誘導体をスキンケア剤としてさらに含むことがさらに好ましい。このような化粧品組成物、すなわち好ましくは、記載されているようなビタミンEおよび/または誘導体を、記載されているような量の式1の化合物と共に含む化粧品組成物は、ヒト皮膚の色つやを非治療的に改善するために、好ましくはヒト顔面皮膚の色つやを非治療的に改善するために、および/または非治療的アンチエイジング化合物として有利に使用することができる。よって、本発明はまたこのような使用のためのこのような化粧品組成物も包含する。
【0024】
組成物が医薬組成物であり、式1の化合物が組成物に対して0.001~0.2質量%の範囲で、特に好ましくは0.001~0.1質量%の範囲で組成物中に存在することが特に好ましい。本発明による混合物中にビタミンEおよび/または誘導体(好ましくはトコフェロール、酢酸トコフェロール)がまだ存在しない場合、組成物がビタミンEおよび/または誘導体をスキンケア剤としてさらに含むことがさらに好ましい。このような医薬組成物、すなわち好ましくは、記載されているようなビタミンEおよび/または誘導体を、記載されているような量の式1の化合物と共に含む医薬組成物は、ヒト皮膚、好ましくはヒト顔面皮膚の1種または複数の疾患または不健康な状態の処置または予防のために有利に使用することができる。よって、本発明はまたこのような使用のためのこのような化粧品組成物も包含する。
本発明の化粧品組成物はまたヒト皮膚の色つやを非治療的に改善するための、好ましくはヒト顔面皮膚の色つやを非治療的に改善するための、および/または非治療的アンチエイジング組成物としての化粧用、非治療的使用に適していることが明らかである。
【0025】
同様に、本発明の医薬組成物はまた、ヒト皮膚、好ましくはヒト顔面皮膚の1種または複数の疾患または不健康な状態の処置または予防における使用にも適している。より好ましくは、このような組成物は、
(i)表皮を厚くするため、好ましくはその増殖促進活性を介して表皮を厚くするため、および/または
(ii)生きている皮膚層の数を増やすため、および/または
(iii)皮膚バリアを改善するため、および/または
(iv)角質層の構成を改善するため、および/または
(v)皮膚組織の刺激の可能性を低減させるため、および/または
(vi)抗酸化剤として、および/または
(vii)老化における1種または複数の皮膚疾患を処置または予防するために
使用される。
本発明に関連して、本発明による組成物は、それが少なくとも5分間、好ましくは少なくとも10分間、対象の(ヒトの)皮膚上にとどまるように使用される(「洗い流さない製品」)ことが好ましい。
本明細書に記載の医薬組成物は、多くの局所的(例えばかゆい)状態および皮膚の疾患に対抗して人間医学の分野で利用することができる。
当然ながら、本発明に関連して使用される好ましい化合物またはその好ましい作用/使用に関する上記説明は本発明による組成物にも適用される。
【0026】
好ましい実施形態では、本発明による組成物は、1種または複数の香料物質を追加的に含む。適切な香料物質は、S. Arctander, Perfume and Flavor Chemicals, Vol.I and II, Montclair, N.J., 1969, self-publishedまたはH. Surburg and J. Panten, Common Fragrance and Flavor Materials, 5th. Ed., Wiley-VCH, Weinheim, 2006に明示的に記述されており、特にUS2008/0070825に記述されているものである。
本発明による組成物は、いずれの場合も組成物または製品の総質量に対して、0.1~5質量%の総量、好ましくは0.2~4質量%の総量、より好ましくは0.25~3質量%の総量、さらにより好ましくは0.3~2.5質量%の総量の1種または複数の(好ましい)香料物質を有利に含む。
【0027】
本発明による組成物は、固体シェル物質を封入することにより(さらに)加工することができ、この固体シェル物質は、デンプン、分解されたまたは化学的もしくは物理的に加工されたデンプン(特にデキストリンおよびマルトデキストリン)、ゼラチン、ワックス物質、リポソーム、アラビアガム、寒天、ガッティガム、ジェランガム、修飾および非修飾セルロース、プルラン、カードラン、カラギーナム、アルギン酸、アルギン酸塩、ペクチン、イヌリン、キサンタンガムならびに記述されている物質のうちの2種またはそれよりも多くの混合物から好ましくは選択される。
【0028】
一般式1の化合物とアジピン酸ジイソプロピルが両方とも、(上述の作用に加えて)皮膚または毛髪の処置、ケアおよび/またはクレンジング用にも使用することができる(局所的)化粧組成物または医薬組成物に組み込まれるように、本発明による化粧組成物または医薬組成物をそれ自体公知の従来のプロセスにより生成することができる。
【0029】
本発明による組成物、特に(局所的)化粧製品は、有利なことに、適切な補助物質および添加剤、例えば:
保存剤、特にUS2006/0089413に記載されているもの、抗菌剤、例えば、酵母およびカビを処理する抗菌剤または薬剤、特にWO2005/123101に記載されているもの、抗にきび剤および皮脂低減剤、特にWO2008/046791に記載されているもの、皮膚エイジングに対抗する化合物、特にWO2005/123101に記載されているもの、抗フケ剤、特にWO2008/046795に記載されているもの、抗刺激剤(抗炎症剤、刺激予防剤、刺激阻害剤)、特にWO2007/042472およびUS2006/0089413に記載されているもの、抗酸化剤、特にWO2005/123101に記載されているもの、担体材料、特にWO2005/123101に記載されているもの、キレート剤、特にWO2005/123101に記載されているもの、消臭剤および制汗剤、特にWO2005/123101に記載されているもの、水分調節剤(水分供与剤、加湿物質、保湿物質)、特にWO2005/123101に記載されているもの、オスモライト、特にWO2005/123101に記載されているもの、適合溶質、特にWO01/76572およびWO02/15868に記載されているもの、タンパク質およびタンパク質加水分解物、特にWO2005/123101およびWO2008/46676に記載されているもの、皮膚美白剤、特にWO2007/110415に記載されているもの、日焼け剤、特にWO2006/045760に記載されているもの、冷却剤、特にWO2005/123101に記載されているもの、皮膚冷却剤、特にWO2005/123101に記載されているもの、皮膚加温剤、特にWO2005/123101に記載されているもの、UV吸収剤、特にWO2005/123101に記載されているもの、UVフィルター、特にWO2005/123101に記載されているもの、WO2005/107692によるベンジリデン-ベータ-ジカルボニル化合物およびWO2006/015954によるアルファ-ベンゾイル-ケイヒ酸ニトリル、虫よけ剤、特にWO2005/123101に記載されているもの、植物部分、植物抽出物、特にWO2005/123101に記載されているもの、ビタミン、特にWO2005/123101に記載されているもの、乳化剤、特にWO2005/123101に記載されているもの、ゲル化剤、特にWO2005/123101に記載されているもの、油、特にWO2005/123101に記載されているもの、ワックス、特にWO2005/123101に記載されているもの、脂肪、特にWO2005/123101に記載されているもの、リン脂質、特にWO2005/123101に記載されているもの、飽和脂肪酸および単不飽和脂肪酸または多価不飽和脂肪酸およびα-ヒドロキシ酸およびポリヒドロキシ脂肪酸ならびに飽和および/または不飽和分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸のエステル、特にWO2005/123101に記載されているもの、界面活性物質(界面活性剤)特にWO2005/123101に記載されているもの、コレステロールおよび/または脂肪酸および/またはセラミドおよび/または擬似セラミドを含む皮膚修復剤、特にWO2006/053912に記載されているもの、染料および着色剤および顔料、特にWO2005/123101に記載されているもの、芳香化学物質および香味料および香料、特にS. Arctander, Perfume and Flavor Chemicals, private publishing house, Montclair, N.J., 1969およびSurburg, Panten, Common Fragrance and Flavor Materials, 5th. Edition, Wiley-VCH, Weinheim, 2006に記載されているもの、好ましくはUS2008/0070825に明示的に記述されているもの、アルコールおよびポリオール、特にWO2005/123101に記載されているもの、有機溶媒、特にWO2005/123101に記載されているもの、シリコーンおよびシリコーン油およびシリコーン誘導体、特にWO2008/046676に記載されているもの、殺ウイルス剤、研磨剤、抗セルライト剤、収斂剤、防腐剤、帯電防止剤、結合剤、緩衝剤、細胞刺激剤、洗浄剤、ケア剤、脱毛剤、柔軟剤、酵素、エッセンシャルオイル、特にUS2008/0070825に記載されているもの、繊維、膜形成剤、固定剤、泡形成剤、泡安定剤、消泡物質、泡増進剤、ゲル形成剤、発毛活性化剤、発毛阻害剤、ヘアケア剤、ヘアセット剤、縮毛矯正剤、毛髪平滑化剤、ブリーチ剤、補強剤、染み抜き剤、光学的増白剤、注入剤、汚れ忌避剤、減摩剤、滑沢剤、不透明化剤、可塑剤、被覆剤、艶出し剤、光沢剤、ポリマー、特にWO2008/046676に記載されているもの、粉末、ペプチド、単糖、二糖およびオリゴ糖、再油状化剤、研磨剤、皮膚緩和剤、皮膚洗浄剤、スキンケア剤、皮膚治癒剤、皮膚保護剤、皮膚軟化剤、皮膚平滑化剤、栄養剤、皮膚加温剤、安定剤、洗剤、繊維柔軟剤、懸濁剤、増粘剤、酵母抽出物、藻または微細藻類抽出物、動物抽出物、液化剤、着色防止剤、および電解質を追加的に含むことができる。
【0030】
本発明による(特に局所的)化粧品または医薬品は、化粧品補助物質および添加剤、例えば、このような製剤に慣例的に使用されている、例えば日焼け止め剤、保存剤、殺菌剤、殺菌剤、殺ウイルス剤、冷却活性化合物、虫よけ剤(例えばDEET、IR3225)、植物抽出物、植物の部分、抗炎症活性化合物、創傷治癒を促進する物質(例えばキチンまたはキトサンおよびその誘導体)、膜形成物質(例えばポリビニルピロリドンまたはキトサンまたはその誘導体)、抗酸化剤、ビタミン、2-ヒドロキシカルボン酸(例えばクエン酸、リンゴ酸、L乳酸、D乳酸またはdl乳酸)、皮膚着色剤(例えばクルミ抽出物またはジヒドロキシアセトン)、育毛促進または発毛阻害用活性化合物、スキンケア組成物(例えばコレステロール、セラミド、擬似セラミド)、軟化、加湿および/または湿潤物質、脂肪、油、飽和脂肪酸、単不飽和脂肪酸もしくは多価不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸もしくはその誘導体、化粧品または皮膚用製剤のワックスまたは他の従来の構成物質、例えば、アルコール、ポリオール、ポリマー、泡安定剤、電解質、有機溶媒、キレート剤のシリコーン誘導体(例えばエチレンジアミン四酢酸および誘導体)、ふけ防止活性化合物(例えばクリンバゾール、ケトコナゾール、ピロクトンオレアミン、亜鉛ピリチオン)、ヘアケア剤、香水、消泡物質、染料、着色作用を有する顔料、増粘剤(有利には二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、例えば、ベントナイト、多糖もしくはその誘導体、例えば、ヒアルロン酸、グアー穀粒粉、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはアルロース誘導体、特に有利にはポリアクリレート、例えば、カーボポールまたはポリウレタン)、界面活性物質および乳化剤を含むことができる。
【0031】
補助物質および添加剤(水を除く)は、一般的に、本発明による製品中に、いずれの場合も製品の総質量に対して、1~95質量%の量で、好ましくは5~70質量%の量で、より好ましくは5~50質量%の量で含まれていてもよい。使用される化粧用または皮膚用助剤および添加剤および香水の量は、いずれの場合も、特定の製品の性質に応じて、当業者により単純な試験で簡単に決定することができる。
本発明の一態様に従い、本発明による製品または組成物は、好ましくは、いずれの場合も製品または組成物の総質量に対して、98質量%までの量、好ましくは10~95質量%の量、より好ましくは25~90質量%の量、さらにより好ましくは40~90質量%の量で水を含有する。
【0032】
本発明による製品または組成物はまた、さらなる抗酸化剤を含むことができ、化粧用および/または皮膚への使用に適したまたは常用のすべての抗酸化剤の使用を可能にする。抗酸化剤は有利には、
アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えば、D,L-カルノシン、D-カルノシン、L-カルノシンおよびその誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えばα-カロテン、β-カロテン、リコピン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミンおよびグリコシル、N-アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ-リノレイル、コレステリルおよびそのグリセリルエステル)およびこれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、(金属)キレート化剤、例えばα-ヒドロキシ-脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、α-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えばγ-リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノールおよびその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えばパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルMg、酢酸アスコルビル、アスコルビルグリコシド、例えば、6-O-アシル-2-O-α-D-グルコピラノシル-L-アスコルビン酸、6-O-アシル-2-O-β-D-グルコピラノシル-L-アスコルビン酸、2-O-α-D-グルコピラノシル-L-アスコルビン酸または2-O-β-D-グルコピラノシル-L-アスコルビン酸)、トコフェロールおよびその誘導体(例えば酢酸ビタミンE)、ビタミンAおよび誘導体その(パルミチン酸ビタミンA)ならびにベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、α-グルコシルルチン、ケルセチンおよびその誘導体、ロズマリン酸、カルノソール、カルノソール酸、リスベラトロール、カフェ酸およびその誘導体、シナピン酸およびその誘導体、フェルラ酸およびその誘導体、フルフリリデングルシトール、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアシン樹脂酸、ノルジヒドログアイアレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキシドジスムターゼ、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えばセレンメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば、酸化スチルベン、trans-スチルベンオキシド)ならびに記述されているこれらの活性化合物の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)、あるいは、植物、例えば、緑茶、ロオイボス、ハニーブッシュ、ブドウ、ローズマリー、セージ、メリッサ、タイム、ラベンダー、オリーブ、カラスムギ、ココア、イチョウ、チョウセンニンジン、リコリッシュ、ハニーサックル、エンジュ、クズ、マツ、カンキツ類、ユカンまたはセントジョーンズワートなどの抗酸化活性のある抽出物または画分からなる群から選択される。
【0033】
本発明による製品または組成物はまた、生理学的加温(加熱)剤を含むことができる。このような生理学的加温剤は、好ましくはバニリルアルコールn-ブチルエーテル、バニリルアルコールn-プロピルエーテル、バニリルアルコールイソプロピルエーテル、バニリルアルコールイソブチルエーテル、バニリルアルコールn-アミノエーテル、バニリルアルコールイソアミルエーテル、バニリルアルコールn-ヘキシルエーテル、バニリルアルコールメチルエーテル、バニリルアルコールエチルエーテル、ギンゲロール、ショウガオール、ジンゲロン、カプサイシン、ジヒドロカプサイシン、ノルジヒドロカプサイシン、ホモカプサイシン、ホモジヒドロカプサイシン、イソ-プロピルアルコール、イソ-アミルアルコール、ベンジルアルコール、オイゲノール、シナモン油、ケイ皮酸アルデヒド、およびこれらの混合物からなる群から選択される。
【0034】
本発明による製品または組成物は、少なくとも1種のUVAフィルターおよび/または少なくとも1種のUVBフィルターおよび/または少なくとも1種の無機顔料を有利に含み得る。この文脈において、製剤は、様々な形態、例えば、紫外線から皮膚および毛髪を保護するための日焼け止め製剤に慣例的に利用されている形態をとることができる。よって、これらの製剤は、例えば溶液、油中水型(W/O)または水中油型(O/W)のエマルジョンまたはマルチプルエマルジョン、例えば水中油中水型(W/O/W)のエマルジョン、ゲル、ヒドロ分散液、固形スティック剤またはまたエアゾール剤を形成することができる。この文脈において、UV-フィルター物質の総量は、製品または組成物の総質量に対して、0.01質量%~40質量%、好ましくは0.1~10質量%、特に1.0~5.0質量%である。
【0035】
有利なUVフィルターは、例えば:
p-アミノ安息香酸、p-アミノ安息香酸エチルエステル(25モル)エトキシ化、p-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシルエステル、p-アミノ安息香酸エチルエステル(2モル)N-プロポキシ化、p-アミノ安息香酸グリセロールエステル、サリチル酸ホモメンチルエステル(ホモサレート)(Neo Heliopan(登録商標)HMS)、サリチル酸2-エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)OS)、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸4-イソプロピルベンジル、アントラニル酸メンチルエステル(Neo Heliopan(登録商標)MA)、ジイソプロピルケイヒ酸エチルエステル、p-メトキシケイヒ酸2-エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)AV)、ジイソプロピルケイヒ酸メチルエステル、p-メトキシケイヒ酸イソアミルエステル(Neo Heliopan(登録商標)E1000)、p-メトキシケイヒ酸ジエタノールアミン塩、p-メトキシケイヒ酸イソプロピルエステル、2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート(Neo Heliopan(登録商標)303)、エチル2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート、2-フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸および塩(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)、3-(4’-トリメチルアンモニウム)-ベンジリデン-ボルナン-2-オンメチル-スルフェート、テレフタリリデン-ジボルナンスルホン酸および塩(Mexoryl(登録商標)SX)、4-t-ブチル-4’-メトキシ-ジベンゾイルメタン(アボベンゾン)/(Neo Heliopan(登録商標)357)、β-イミダゾール-4(5)-アクリル酸(ウロカニン酸)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン(Neo Heliopan(登録商標)BB)、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸、ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、3-(4’-スルホ)ベンジリデン-ボルナン-2-オンおよび塩、3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー(Neo Heliopan(登録商標)MBC)、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、4-イソプロピルジベンゾイルメタン、2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン、フェニレン-ビス-ベンズイミダジル-テトラスルホン酸二ナトリウム塩(Neo Heliopan(登録商標)AP)、2,2’-(1,4-フェニレン)-ビス-(1H-ベンゾイミダゾール-4,6-ジスルホン酸)、モノナトリウム塩、N-[(2および4)-[2-(オキソボルン-3-イリデン)メチル]ベンジル]-アクリルアミドポリマー、フェノール、-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)-オキシ)-ジシロキサニル)-プロピル)、(Mexoryl(登録商標)XL)、4,4’-[(6-[4-(1,1-ジメチル)-アミノカルボニル)-フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)ジイミノ]-ビス-(安息香酸2-エチルヘキシルエステル)(Uvasorb(登録商標)HEB)、2,2’-メチレン-ビス-(6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノール)、(Tinosorb(登録商標)M)、2,4-ビス-[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシフェニル]-1,3,5-トリアジン、ベンジリデンマロネート-ポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)、グリセリルエチルヘクサノエートジメトキシシンナメート、二ナトリウム2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシ-5,5’-ジスルホ-ベンゾフェノン、ジプロピレングリコールサリチレート、ナトリウムヒドロキシメトキシベンゾフェノン-スルホネート、4,4’,4-(1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリイルトリイミノ)-トリス-安息香酸トリス(2-エチルヘキシルエステル)(Uvinul(登録商標)T150)、2,4-ビス-[{(4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、(Tinosorb(登録商標)S)、2,4-ビス-[{(4-(3-スルホナト)-2-ヒドロキシ-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジンナトリウム塩、2,4-ビス-[{(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシ-フェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-[4-(2-メトキシエチル-カルボニル)-フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{4-(3-(2-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-[4-(2-エチルカルボキシル)-フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(1-メチル-ピロール-2-イル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{4-トリス-(トリメチルシロキシ-シリルプロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{4-(2’’-メチルプロペニルオキシ)-2-ヒドロキ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-[{4-(1’,1’,1’,3’,5’,5’,5’-ヘプタメチルシロキシ-2’’-メチル-プロピルオキシ)-2-ヒドロキシ}]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)-安息香酸ヘキシルエステル(Uvinul(登録商標)A Plus)ならびにDE10055940(=WO02/38537)によるインダニリデン化合物である。
【0036】
この文脈において、組合せに特に適したUV吸収剤は、p-アミノ安息香酸、3-(4’-トリメチルアンモニウム)-ベンジリデン-ボルナン-2-オンメチル-スルフェート、サリチル酸ホモメンチルエステル(Neo Heliopan(登録商標)HMS)、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン(Neo Heliopan(登録商標)BB)、2-フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸(Neo Heliopan(登録商標)Hydro)、テレフタリリデン-ジボルナンスルホン酸および塩(Mexoryl(登録商標)SX)、4-tert-ブチル-4’-メトキシジベンゾイルメタン(Neo Heliopan(登録商標)357)、3-(4’-スルホ)ベンジリデン-ボルナン-2-オンおよび塩、2-エチルヘキシル2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート(Neo Heliopan(登録商標)303)、N-[(2および4)-[2-(オキソボルン-3-イリデン)メチル]ベンジル]-アクリルアミドポリマー、p-メトキシケイヒ酸2-エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)AV)、p-アミノ安息香酸エチルエステル(25モル)エトキシ化、p-メトキシケイヒ酸イソアミルエステル(Neo Heliopan(登録商標)E1000)、2,4,6-トリアニリノ-(p-カルボ-2’-エチルヘキシル-1’-オキシ)-1,3,5-トリアジン(Uvinul(登録商標)T150)、フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(2-メチル-3(1,3,3,3-テトラメチル-1-(トリメチルシリル)-オキシ)-ジシロキサニル)-プロピル)、(Mexoryl(登録商標)XL)、4,4’-[(6-[4-(1,1-ジメチル)-アミノカルボニル)-フェニルアミノ]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル)-ジイミノ]-ビス-(安息香酸2-エチルヘキシルエステル)、(UvasorbHEB)、3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー(NeoHeliopan(登録商標)MBC)、3-ベンジリデンカンファー、サリチル酸2-エチルヘキシルエステル(Neo Heliopan(登録商標)OS)、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシルエステル(Padimate O)、ヒドロキシ-4-メトキシ-ベンゾフェノン-5-スルホン酸およびNa塩、2,2’-メチレン-ビス-(6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェノール)、(Tinosorb(登録商標)M)、フェニレン-ビス-ベンズイミダジル-テトラスルホン酸二ナトリウム塩(NeoHeliopan(登録商標)AP)、2,4-ビス-[{(4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)-2-ヒドロキ}-フェニル]-6-(4-メトキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、(Tinosorb(登録商標)S)、ベンジリデンマロネート-ポリシロキサン(Parsol(登録商標)SLX)、アントラニル酸メンチル(Neo Heliopan(登録商標)MA)、2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)-安息香酸ヘキシルエステル(Uvinul(登録商標)A Plus)ならびにDE10055940(=WO02/38537)によるインダニリデン化合物である。
【0037】
有利な無機の日焼け止め剤顔料は、細微に分散した金属酸化物および金属塩、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛(ZnO)、酸化鉄(例えばFe23)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化セリウム(例えばCe23)、酸化マンガン(例えばMnO)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ケイ素(SiO2)、対応する金属の混合酸化物およびこのような酸化物の混合物、硫酸バリウムならびにステアリン酸亜鉛である。これらは、特に好ましくはTiO2または酸化亜鉛に基づく顔料である。好ましい実施形態では、粒子は、100nm未満、好ましくは5~50nmの間、特に好ましくは15~30nmの間の平均直径を有する。粒子は球状の形状を有してもよいが、楕円形状または他の点で球状とは異なる形状を有するような粒子を利用することもできる。顔料は表面処理された形態、すなわち親水性化または疎水性化することもできる。典型的な例は、二酸化チタン、例えば、二酸化チタンT805(Degussa)もしくはEusolex(登録商標)T2000(Merck)でコーティングされているか、または酸化亜鉛、例えば、Zinc Oxide NDMでコーティングされている。この文脈において、可能な疎水性コーティング剤は、何よりも、シリコーン、この場合具体的には、トリアルコキシオクチルシランまたはシメチコンである。いわゆるミクロ顔料またはナノ顔料が日焼け止め剤組成物に利用されるのが好ましい。亜鉛ミクロ顔料またはナノ顔料が利用されるのが好ましい。
最終製品または組成物の中の無機顔料の総量、特に疎水性無機ミクロ顔料の総量は、製品または組成物の総質量に対して、有利には0.1~30質量%の範囲、好ましくは0.1~10.0質量%の範囲、特に0.5~6.0質量%の範囲である。
【0038】
製品または組成物はまた、皮膚のエイジングおよびしわに対抗する活性化合物および活性化合物の組合せを(さらに)含むことができる。本発明によると、化粧用および/または皮膚への使用に適したまたは常用の皮膚のエイジングおよびしわに対抗するすべての活性化合物をここで使用することができる。この点において、皮膚のエイジングおよびしわに対抗する有利な活性化合物は、ダイズタンパク質もしくはタンパク質加水分解物、ダイズイソフラボン、加水分解した米タンパク質、加水分解したヘーゼルナッツタンパク質、加水分解したオクラ抽出物由来のオリゴペプチド、小麦タンパク質、β-グルカン、例えば、カラスムギ由来のもの、およびその誘導体、糖タンパク質、ウルソール酸およびその塩、ベツリン、ベツリン酸およびその塩、レチノール、パルミチン酸レチノール、没食子酸プロピル、プレコセン、6-ヒドロキシ-7-メトキシ-2,2-ジメチル-1(2H)-ベンゾピラン、3,4-ジヒドロ-6-ヒドロキシ-7-メトキシ-2,2-ジメチル-1(2H)-ベンゾピラン、クレアチン、または皮膚のエイジングおよびしわに対抗する他の合成もしくは天然活性化合物であり、後者は、例えば、緑茶、セイヨウヤブイチゴ、ワレモコウ、ツボクサ、クロスグリ、チャボトケイソウ、セイヨウナツユキソウ、ユカン、キジムシロ種、オクラ、藻、マツヨイグサ、ザクロ、レディスマントル、ローズマリー、セージ、アロエ種、エキナセア、カバノキ、リンゴまたはダイズなどの植物からの抽出物の形態で使用することも可能である。
皮膚のエイジングに対抗するさらなる活性化合物として使用するのに特に好ましい物質は、β-グルカン、およびカラスムギ由来の1,3-1,4-結合β-グルカンであり、セイヨウヤブイチゴ抽出物または小麦タンパク質は特に好ましい。
【0039】
本発明による製品または組成物はまた、化学的または天然の方式で、皮膚および毛髪の日よけまたは日焼けを刺激する活性化合物を含むことができる。よって、相乗効果に基づくより速い作用が達成される。この文脈において特に好ましい物質は、チロシナーゼの基質または基質類似体、例えば、L-チロシン、L-DOPAまたはL-ジヒドロキシフェニルアラニン、チロシナーゼ活性または発現の刺激物質、例えば、テオフィリン、カフェイン、プロオピオメラノコルチンペプチド、例えば、ACTH、アルファ-MSH、そのペプチド類似体、およびメラノコルチン受容体に結合する他の物質、ペプチド、例えば、Val-Gly-Val-Ala-Pro-Gly、Lys-Ile-Gly-Arg-LysまたはLeu-Ile-Gly-Lys、プリン、ピリミジン、葉酸、銅塩、例えば、グルコン酸銅、塩化銅または銅ピロリドネート、フラボノイド、フラバノングリコシド、例えば、ナリンギンおよびヘスペリジン、メラニン誘導体、例えば、Melasyn-100およびMelanZe、ジアシルグリセロール、脂肪族または環式ジオール、プソラレン、プロスタグランジンおよびその類似体、アデニル酸シクラーゼの活性化剤、ならびにメラノソームのケラチノサイトへの転移を活性化する化合物、例えば、セリンプロテアーゼ、またはキク種もしくはワレモコウ種の植物および植物部分からの抽出物、クルミ抽出物、ウルクム抽出物、ダイオウ抽出物、エリツルローズならびにジヒドロキシアセトンである。
【0040】
本発明による製品または組成物はまた、皮膚を明るくする活性化合物と組み合わせて利用することもできる。本発明によると、化粧用および/または皮膚への使用に適したまたは常用のすべての皮膚を明るくする活性化合物をここで使用することができる。この点において皮膚を明るくする有利な活性化合物は、コウジ酸(5-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-4-ピラノン)、コウジ酸誘導体、例えば、コウジ酸ジパルミテート、アルブチン、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、ヒドロキノン、ヒドロキノン誘導体、レゾルシノール、硫黄含有分子、例えば、システイン、アルファ-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)およびその誘導体、N-アセチル-チロシンおよび誘導体、ウンデセノイルフェニルアラニン、グルコン酸、4-アルキルレゾルシノール、4-(1-フェニルエチル)-1,3-ベンゼンジオール、クロモン誘導体、例えば、アロエシン、フラボノイド、チモール誘導体、1-アミノエチルホスフィン酸、チオウレア誘導体、エラグ酸、ニコチンアミド、亜鉛塩、例えば、塩化亜鉛またはグルコン酸亜鉛、ツヤプリシンおよび誘導体、トリテルペン、例えば、マスリン酸、ステロール、例えば、エルゴステロール、ベンゾフラノン、例えば、センキュノリド、ビニルグアヤコールおよびエチルグアヤコール、酸化窒素合成の阻害剤、例えば、例えばL-ニトロアルギニンおよびその誘導体、2,7-ジニトロインダゾールまたはチオシトルリン、金属キレート化剤(例えばα-ヒドロキシ-脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびその誘導体)、レチノイド、豆乳、セリンプロテアーゼ阻害剤またはリポ酸、あるいは皮膚および毛髪を明るくするための他の合成もしくは天然の活性化合物であり、後者はまた植物からの抽出物、例えば、クマコケモモ抽出物、コメ抽出物、リコリッシュ根抽出物または濃縮により得られる構成物質、例えば、グラブリジンまたはリコカルコンA、バンノキ抽出物、スイバおよびラムルス種からの抽出物、マツ種(ピヌス)からの抽出物およびビチス種または濃縮により得られるスチルベン誘導体の抽出物、ならびにユキノシタ、マルベリー、タツナミソウ(Scutelleria)または/およびブドウからの抽出物の形態でも使用される。
【0041】
この点において有利な皮膚および毛髪日焼け活性成分は、チロシナーゼの基質または基質類似体、例えば、L-チロシン、N-アセチルチロシン、L-DOPAまたはL-ジヒドロキシフェニルアラニン、キサンチンアルカロイド、例えば、カフェイン、テオブロミンならびにテオフィリンおよびその誘導体、プロオピオメラノコルチンペプチド、例えば、ACTH、アルファ-MSH、そのペプチド類似体およびメラノコルチン受容体に結合する他の物質、ペプチド、例えば、Val-Gly-Val-Ala-Pro-Gly、Lys-Ile-Gly-Arg-LysまたはLeu-Ile-Gly-Lys、プリン、ピリミジン、葉酸、銅塩、例えば、グルコン酸銅、塩化銅またはピロリドン酸銅、1,3,4-オキサジアゾール-2-チオール、例えば、5-ピラジン-2-イル-1,3,4-オキサジアゾール-2-チオール、ジグリシン酸亜鉛(Zn(GIy)2)、例えば、EP0584178に記載されている重炭酸マンガン(II)錯体(「擬似カタラーゼ」)、例えば、WO2005/032501に記載されている四置換シクロヘキセン誘導体、WO2005/102252およびWO2006/010661に記載されているイソプレノイド、メラニン誘導体、例えば、Melasyn-100およびMelanZe、ジアシルグリセロール、脂肪族または環式ジオール、プソラレン、プロスタグランジンおよびその類似体、アデニル酸シクラーゼの活性化剤およびメラノソームのケラチノサイトへの転移を活性化する化合物、例えば、セリンプロテアーゼ、キク種、ワレモコウ種の植物および植物部分の抽出物、クルミ抽出物、ウルクム抽出物、ダイオウ抽出物、トレハロース、エリトルロースならびにジヒドロキシアセトンである。皮膚および毛髪の色合いまたは日焼けをもたらすフラボノイド(例えばケルセチン、ラムネチン、ケンフェロール、フィセチン、ゲニステイン、ダイゼイン、クリシンおよびアピゲニン、エピカテキン、ジオスミンおよびジオスメチン、モリン、ケルシトリン、ナリンゲニン、ヘスペリジン、フロリドジンならびにフロレチン)も使用することができる。
【0042】
本発明による製品または組成物はまた、保湿調節剤を有利に含むことができる。以下の物質は、例えば、保湿調節剤(「加湿剤」)として使用される:乳酸ナトリウム、尿素および誘導体、アルコール、グリセロール、ジオール、例えば、プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオール、コラーゲン、エラスチンまたはヒアルロン酸、アジピン酸ジアシル、ワセリン、ウロカニン酸、レシチン、パンテノール、フィタントリオール、リコピン、(擬似)セラミド、グリコスフィンゴリピド、コレステロール、フィトステロール、キトサン、コンドロイチン硫酸、ラノリン、ラノリンエステル、アミノ酸、アルファ-ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)およびその誘導体、単糖、二糖およびオリゴ糖、例えば、グルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、レブロースおよびラクトース、多糖、例えば、β-グルカン、特にカラスムギ由来の1,3-1,4-β-グルカン、アルファ-ヒドロキシ-脂肪酸、トリテルペン酸、例えば、ベツリン酸またはウルソール酸、および藻抽出物。
【0043】
本発明による製品または組成物はまた、オスモライトと一緒に利用することができる。例として挙げることができるオスモライトは、糖アルコール(ミオイノシトール、マンニトール、ソルビトール)、第4級アミン、例えば、タウリン、コリン、ベタイン、ベタイン-グリシンおよびエクトイン、ジグリセロールホスフェート、ホスホリルコリン、グリセロホスホリルコリン、アミノ酸、例えば、グルタミン、グリシン、アラニン、グルタメート、アスパルテートまたはプロリン、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトールおよび無機ホスフェート、ならびに記述されている化合物のポリマー、例えば、タンパク質、ペプチド、ポリ-アミノ酸およびポリオールからなる群由来の物質である。すべてのオスモライトは同時に皮膚加湿作用を有する。
本発明による製品または組成物はまた、ビタミンおよびビタミン前駆体を有利に含むことができ、化粧用および/または皮膚への使用に適したまたは常用のすべてのビタミンおよびビタミン前駆体の使用を可能にする。
【0044】
本発明による製品または組成物はまた、好ましくは発汗抑制活性化合物(制汗剤)および臭気吸収剤も含むことができる。利用される発汗抑制活性化合物は、とりわけ、アルミニウム塩、例えば、塩化アルミニウム、塩酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウムなどである。しかし、これらに加えて、亜鉛、マグネシウムおよびジルコニウムの化合物の使用もまた有利となり得る。化粧用および皮膚の制汗剤における使用に対して、アルミニウム塩と、(程度はいくらか少ないが)アルミニウム/ジルコニウム塩との組合せは、本質的に適切であると証明されている。部分的に中和され、したがって皮膚にはより良く許容されるが、あまり活性のないアルミニウムヒドロキシクロリドはさらに言及に値する。アルミニウム塩に加えて、さらなる物質、例えば以下などもまた使用可能である:a)タンパク質沈殿物質、例えば、表面上の汗腺の遮断をもたらす、中でも、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、天然および合成タンニンおよびトリクロロ酢酸、b)末梢神経経路を遮断することにより汗腺の交感神経供給を排除する局所麻酔薬(中でも、例えば、リドカイン、プリロカインまたはこのような物質の混合物の希釈溶液)、c)X型、A型またはY型ゼオライト、これらは汗分泌物の削減に加えて、悪臭に対する吸着剤としても機能する、ならびにd)ボツリヌス毒素(細菌クロストリジウムボツリヌムの毒素)、これはまた多汗症、病理学的に増加した汗分泌物の事例にも利用され、その作用は、汗分泌物に関連している伝達物質アセチルコリンの放出の不可逆的遮断に基づく。
【0045】
臭気吸収剤は、例えば、DE4009347に記載されている薄層状シリケート、および特にモンモリロナイト、カオリナイト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、ベントナイトおよびスメクタイトのもの、さらに、例えば、リシノール酸の亜鉛塩である。これらには同様に、防臭剤、殺菌性物質または静菌性脱臭物質、例えば、ヘキサクロロフェン、2,4,4’-トリクロロ-2’ヒドロキシジフェニルエーテル(Irgasan)、1,6-ジ-(4-クロロフェニルビグアニド)-ヘキサン(クロルヘキシジン)および3,4,4’-トリクロロカルバニリド、ならびにDE3740186、DE3938140、DE4204321、DE4229707、DE4229737、DE4237081、DE4309372およびDE4324219に記載されている活性剤、およびカチオン性物質、例えば、第四級アンモニウム塩、ならびに臭気吸収剤、例えば、(登録商標)Grillocin(リシノール酸亜鉛と様々な添加剤の組合せ)またはクエン酸トリエチル(任意にイオン交換樹脂と組み合わせる)が含まれる。
【0046】
様々な事例において、有害微生物の成長を阻害するために主として利用される物質を使用することも有利となり得る。この点において、従来の保存剤に加えて、従来の抗生剤の大きな群に加えて言及に値するさらなる活性化合物は、特に、化粧品に関連する製品、例えば、トリクロサン、クリンバゾール、亜鉛ピリチオン、イクチオール、Octopirox(1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2(1H)-ピリドン、2-アミノエタノール)、キトサン、ファルネソール、オクトキシグリセロール、モノラウリン酸グリセロール、アリールアルキルアルコール、例えば、フェニルエチルアルコール、3-フェニル-1-プロパノール、ベチコールもしくはミュゲアルコール、ポリグリセロールエステル、例えば、ポリグリセリル3-カプリレート、および脂肪族ジオール、例えば、1,2-デカンジオール、または記述されている物質の組合せであり、これらは中でも、腋臭、足臭またはフケの形成に対抗して利用される。
【0047】
本発明による製品または組成物はまた、多くの場合有利に保存剤を含むことができる。ここで選択されるのが好ましい保存剤は、例えば、安息香酸ならびにそのエステルおよび塩、4-ヒドロキシ安息香酸およびそのエステル(INCI:パラベン、好ましくはメチルパラベン、エチルパラベン、ブチルパラベン、プロピルパラベンおよび/またはイソブチルパラベン)および塩、プロピオン酸ならびにそのエステルおよび塩、サリチル酸ならびにそのエステルおよび塩、2,4-ヘキサジエン酸(ソルビン酸)ならびにそのエステルおよび塩、ホルムアルデヒドおよびパラホルムアルデヒド、2-ヒドロキシビフェニルエーテルおよびその塩、2-亜鉛-スルフィドピリジンN-オキシド、無機の亜硫酸塩および亜硫酸水素塩、ヨウ素酸ナトリウム、クロロブタノルム、4-エチル水銀-(II)5-アミノ-1,3-ビス(2-ヒドロキシ安息香酸)、その塩およびエステル、デヒドロ酢酸、ギ酸、1,6-ビス(4-アミジノ-2-ブロモフェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩、エチル水銀-(II)-チオサリチル酸のナトリウム塩、フェニル水銀およびその塩、10-ウンデシレン酸およびその塩、5-アミノ-1,3-ビス(2-エチルヘキシル)-5-メチル-ヘキサヒドロピリミジン、5-ブロモ-5-ニトロ-1,3-ジオキサン、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、2,4-ジクロロベンジルアルコール、N-(4-クロロフェニル)-N’-(3,4-ジクロロフェニル)-ウレア、4-クロロ-m-クレゾール、2,4,4’-トリクロロ-2’-ヒドロキシ-ジフェニルエーテル、4-クロロ-3,5-ジメチルフェノール、1,1’-メチレン-ビス(3-(1-ヒドロキシメチル-2,4-ジオキソイミダゾリジン-5-イル)ウレア)、ポリ-(ヘキサメチレンジグアニド)塩酸塩、2-フェノキシエタノール、ヘキサメチレンテトラミン、1-(3-クロロアリル)-3,5,7-トリアザ-1-アゾニア-アダマンタンクロリド、1-(4-クロロフェノキシ)-1-(1H-イミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチル-2-ブタノン、1,3-ビス-(ヒドロキシ-メチル)-5,5-ジメチル-2,4-イミダゾリジンジオン、ベンジルアルコール、Octopirox、1,2-ジブロモ-2,4-ジシアノブタン、2,2’-メチレン-ビス(6-ブロモ-4-クロロフェノール)、ブロモクロロフェン、5-クロロ-2-メチル-3(2H)-イソチアゾリノンおよび2-メチル-3(2H)-イソチアゾリノンと塩化マグネシウムおよび硝酸マグネシウムの混合物、2-ベンジル-4-クロロフェノール、2-クロロアセトアミド、クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、1-フェノキシ-プロパン-2-オール、N-アルキル(C12-C22)トリメチル-アンモニウムブロミドおよびクロリド、4,4-ジメチル-1,3-オキサゾリジン、N-ヒドロキシメチル-N-(1,3-ジ(ヒドロキシメチル)-2,5-ジオキソイミダゾリジン-4-イル)-N’-ヒドロキシ-メチルウレア、1,6-ビス(4-アミジノ-フェノキシ)-n-ヘキサンおよびその塩、グルタルアルデヒド、5-エチル-1-アザ-3,7-ジオキサビシクロ(3.3.0)オクタン、3-(4-クロロフェノキシ)-1,2-プロパンジオール、ハイアミン、アルキル-(C8-C18)-ジメチル-ベンジル-アンモニウムクロリド、アルキル-(C8-C18)-ジメチル-ベンジルアンモニウムブロミド、アルキル-(C8-C18)-ジメチル-ベンジル-アンモニウムサッカリネート、ベンジルヘミホルマール、3-ヨード-2-プロピニルブチルカルバメート、ナトリウムヒドロキシメチル-アミノアセテートまたはナトリウムヒドロキシメチル-アミノアセテートである。
本発明による製品または組成物はまた、エマルジョンの形態であってもよい。
【0048】
油相は、以下の物質群から有利に選択することができる:
- 鉱油、ミネラルワックス
- 脂肪油、脂肪、ワックスならびに他の天然および合成脂肪物質と、好ましくは、低C数のアルコール、例えば、イソプロパノール、プロピレングリコールまたはグリセロールの脂肪酸エステル、または低C数のアルカン酸もしくは脂肪酸との脂肪族アルコールのエステル;
- 安息香酸アルキル;
- シリコーン油、例えば、ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンおよびこれらの混合形態。
【0049】
有利に利用することができる化合物は、(a)3~30個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝アルカンカルボン酸と、3~30個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルコールのエステル、(b)芳香族カルボン酸と、3~30個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルコールのエステルである。好ましいエステル油は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n-ブチル、ラウリン酸n-ヘキシル、オレイン酸n-デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、3,5,5-トリメチルヘキシル3,5,5-トリメチルヘクサノエート、イソノナン酸2-エチルヘキシル、2-エチルヘキシル3,5,5-トリメチルヘクサノエート、2-エチルヘキシル2-エチルヘクサノエート、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-オクチルドデシル、イソノナン酸ステアリル、イソノナン酸パルミチル、イソノナン酸セテアリル、ノナン酸ステアリル、ノナン酸パルミチル、ノナン酸セテアリル、パルミチル3,5,5-トリメチルヘクサノエート、ステアリル3,5,5-トリメチルヘクサノエート、セテアリル3,5,5-トリメチルヘクサノエート、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシルおよびこのようなエステルの合成、半合成および天然の混合物、例えばホホバ油である。
【0050】
油相は、分枝および非分枝の炭化水素およびワックス、シリコーン油およびジアルキルエーテルからなる群、飽和または不飽和の、分枝または非分枝のアルコール、および脂肪酸トリグリセリド、すなわち8~24、特に12~18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のトリグリセロールエステルからなる群からさらに有利に選択することができる。脂肪酸トリグリセリドは、合成、半合成および天然油、例えばオリーブ油、ヒマワリ油、ダイズ油、ラッカセイ油、ナタネ油、アーモンド油、パーム油、ヤシ油、パーム核油などからなる群から有利に選択することができる。このような油およびワックス構成成分の任意の所望のブレンドもまた有利に利用することができる。場合によっては、油相の唯一の脂質成分としてワックス、例えばパルミチン酸セチルを有利に利用することもでき、油相は、イソステアリン酸2-エチルヘキシル、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソトリデシル、イソエイコサン、2-ヤシ油脂肪酸エチルヘキシル、C12-15-安息香酸アルキル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドおよびジカプリリルエーテルからなる群から有利に選択される。C12-15-安息香酸アルキルとイソステアリン酸2-エチルヘキシルの混合物、C12-15-安息香酸アルキルとイソノナン酸イソトリデシルの混合物ならびにC12-15-安息香酸アルキル、イソステアリン酸2-エチルヘキシルおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物は特に有利である。炭化水素のパラフィン油、スクワランおよびスクアレンもまた有利に使用することができる。油相は、環式もしくは直鎖状シリコーン油の含有物をさらに有することもできるし、または完全にこのような油からなることもできるが、シリコーン油もしくは複数のシリコーン油に加えて他の油相構成成分の追加の含有物を有利に使用することができる。シクロメチコン(例えばデカメチルシクロペンタシロキサン)は、シリコーン油として有利に利用することができる。しかし、他のシリコーン油、例えばウンデカメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサンおよびポリ(メチル-フェニルシロキサン)もまた有利に使用することができる。シクロメチコンとイソノナン酸イソトリデシルの混合物およびシクロメチコンとイソステアリン酸2-エチルヘキシルの混合物はさらに特に有利である。
【0051】
本発明による製剤を含むエマルジョンの形態の製剤は、1種または複数の乳化剤を有利に含む。O/W乳化剤は、例えば、さらにポリエトキシル化製品、さらにポリプロポキシル化製品からだけでなく、本発明による組成物の構成成分として使用される好ましいポリエトキシル化製品として記述されていないポリエトキシル化製品およびポリプロポキシル化製品からなる群からも有利に選択することができる。
【0052】
利用される、ポリエトキシル化もしくはポリプロポキシル化、またはポリエトキシル化およびポリプロポキシル化したO/W乳化剤は、O/W乳化剤がR飽和基およびR’飽和基を含有する場合、11~18のHLB値を有する、極めて特に有利には14.5~15.5のHLB値を有する物質からなる群から特に有利に選択される。O/W乳化剤がR不飽和基および/またはR’不飽和基を含有する場合、またはイソアルキル誘導体が存在する場合、このような乳化剤の好ましいHLB値はまた、それより低くてもよいし、高くてもよい。エトキシ化ステアリルアルコール、セチルアルコールおよびセチルステアリルアルコール(セテアリルアルコール)からなる群から脂肪族アルコールエトキシレートを選ぶことは有利である。
【0053】
利用することができる有利なW/O乳化剤は、8~30個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、8~24、特に12~18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のモノグリセロールエステル、8~24、特に12~18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のジグリセロールエステル、8~24、特に12~18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルコールのモノグリセロールエーテル、8~24、特に12~18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルコールのジグリセロールエーテル、8~24、特に12~18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のプロピレングリコールエステル、ならびに8~24、特に12~18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のソルビタンエステルである。
【0054】
皮膚の化粧用(局所的)、予防的(予防)処置のための製品または本発明による組成物は、高い含有量のケア物質を通常含むことができる。好ましい実施形態によると、組成物は、ケア特性を有する1種または複数の動物および/または植物の脂肪および油、例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、精製ダイズ油、パーム油、ゴマ油、ナタネ油、アーモンド油、ルリジサ油、マツヨイグサ油、ヤシ油、シアバター、ホホバ油、カラスムギ油、マッコウクジラ油、牛脂、牛脚油およびラード、ならびに任意にさらなるケア構成物質、例えば、8~30個のC原子を有する脂肪族アルコールを含む。脂肪族アルコールはここで、飽和または不飽和のおよび直鎖または分枝であってもよい。利用できるアルコールは、例えば、デカノール、デセノール、オクタノール、オクテノール、ドデカノール、ドデセノール、オクタジエノール、デカジエノール、ドデカジエノール、オレイルアルコール、リシノレイルアルコール、エルシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、カプリリルアルコール、カプリルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコールおよびベヘニルアルコール、ならびにそのGuerbetアルコールであり、実質的に所望する場合、関連する構造化学のさらなるアルコールをリストに加えることが可能である。脂肪族アルコールは好ましくは天然脂肪酸から生成し、脂肪酸の対応するエステルから還元により慣例的に調製される。還元により自然発生の脂肪および脂肪油から形成される脂肪族アルコール画分、例えば、牛脂、ラッカセイ油、ナタネ油、綿実油、ダイズ油、ヒマワリ油、パーム核油、アマニ油、トウモロコシ油、ヒマシ油、ナタネ油、ゴマ油、ココアバターおよびココナッツ脂肪をさらに利用することができる。
本発明の好ましい実施形態およびさらなる態様は、添付の特許請求の範囲および以下の実施例から生じるが、実施例は本発明を限定することを意図しない。別途示されていない限り、すべてのデータ、特にパーセンテージは質量を指す。
【実施例0055】
(実施例1)
試験結果
(実施例1.1)
細胞毒性アッセイ:
TOX8(Sigma Aldrich)キットを使用して、3T3スイスアルビノマウス線維芽細胞に対するレチノイン酸、3,3-ジメチル-2-オキソブチルエステル(MDI 101)の細胞毒性を決定した。3T3は、10%FBS、1%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび100nM亜セレン酸ナトリウムを含むDMEM培地(Capricorn)内で、37℃および5% CO2で培養した。細胞毒性実験のために、3T3を96-ウェルマイクロタイタープレートに播種した。24時間のインキュベーションおよび30~40%のコンフルエンス後、細胞を4種の異なる濃度のMDI 101で48時間処理した。試験物質をDMSO中で予め希釈し、5% FBSを用いて等しい培地内でさらなる希釈を実施した。48時間後、顕微鏡を用いた評価を行い、細胞をTOX8-キットと共に37℃および5% CO2で2時間インキュベートした。変換された染料の吸光度を分光光度法により波長600nmで測定した。染料の生体還元は、その酸化形態(青色)の量を減らし、同時に蛍光中間体(赤色)を増加させるが、この試験の機序および適応性は細胞型とは無関係である。細胞生存度を溶媒対照と比べて分析した。50%生存率(IC50)および80%(IC20)に対する阻害濃度を計算した。
【0056】
細胞培養物培地内でのMDI 101の特定の濃度は、20%(IC20)で致死的であり、生細胞の50%(IC50)の濃度を決定した:
【表1】
【0057】
(実施例1.2)
抗酸化能力の決定:
抗酸化能力を決定するため、ABTS+-アッセイを実施した。アッセイ原理は、還元に基づき、緑色に着色されたカチオン性ラジカル2,2’-アジノビス(3-エチルベンゾチアゾリン6-スルホン酸)(ABTS+)の抗酸化剤による脱色を含んだ。脱色は分光光度法により734nmで測定できる。
抗酸化能力の決定は、Nunc(Wiesbaden、Germany)製96-ウェルマイクロプレートおよびTecan(Crailsheim、Germany)製マイクロプレートリーダー「Spark」を用いて実施する。
【0058】
ABTS+の過硫酸カリウムとの反応物により調製した2,2’-アジノビス-(3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホネート(ABTS+)ラジカルカチオン(Sigma、St.Louis、USA)と共に、試料を30℃で10分間インキュベートした。陽性対照としてTroloxの同時試験を常に行う。脱色の程度を分光光度法により、734nmで、それぞれ三重決定で決定した。結果は、それぞれ四重決定による、2回の独立した実験からの平均値である。
抗酸化能力はIC50値(未処理のABTS+溶液と比べて、カチオン性ラジカルの50%をスカベンジする濃度)で表現され、IC50値は傾向の計算により決定することができる。
【表2】
【0059】
(実施例1.3)
酸化ストレスの決定:
細胞内ラジカルの定量化のため、ジクロロフルオレセイン(DCF)アッセイを実施した。細胞透過性2’,7’-ジクロロジヒドロフルオレセインジアセテート(H2DCFDA)(ジクロロフルオレセイン(dichlorofluores cin)ジアセテートとしてもまた公知)は、細胞内の反応性酸素種(ROS)に対する指標として使用される化学的還元型形態のフルオレセインである。細胞内エステラーゼおよび酸化により、非蛍光H2DCFDAは、極めて蛍光の2’,7’-ジクロロフルオレセイン(DCF)に変換される。非蛍光フルオレセイン(fluorescin)(2’,7’-ジクロロフルオレセインジアセテート(DCFH-DA)は細胞膜を通過する。細胞形質内で、それは細胞内のエステラーゼにより分割され、この形態では細胞から出ることができない。細胞内に存在するROS(反応性酸素種)による酸化が分子を改変することにより、DCFとなり、蛍光を放出するようになる。
抗酸化能力の決定は、Nunc(Wiesbaden、Germany)製96-ウェルマイクロプレートおよびTecan(Crailsheim、Germany)製マイクロプレートリーダー「Spark」を用いて実施する。
【0060】
透明底を有するブラック96ウェルマイクロプレートに細胞を播種し、37℃でインキュベートする。24時間後、上清をデカントし、0.1%FBSを有する新鮮な培地をその後は使用する。さらに24時間後、上清を再度デカントし、試験試料を加え、24時間インキュベートする。細胞培養物培地内の異なる濃度のMDI 101を試験した。陽性対照として、Troloxの同時試験を常に行う。次いで、DCFアッセイを実施し、EX/EM 485/528nmにおいて、ウェルの底から蛍光を測定する。抗酸化能力はパーセントで表現され、これは、対照と組み合わせて割合の法則により決定することができる。
【表3】


細胞毒性作用を有するはずのない濃度について、MDI 101に対する抗酸化作用をこうして観察した。
【0061】
(実施例1.4)
増殖アッセイ:
MDI 101の増殖促進活性を評価するため、CyQUANT(登録商標)ダイレクト細胞増殖アッセイを実施した。CyQUANT(登録商標)ダイレクトアッセイは、バックグランド抑制試薬と組み合わせた細胞透過性DNA結合染料に基づく。DNA含有量は高度に調節され、細胞数推定値は極めて正確である。マスキング染料は、死んだ細胞および障害が起きた細胞膜の細胞の染色を遮断し、正常細胞のみが染色されることになる。したがって、CyQUANT(登録商標)ダイレクトアッセイは増殖ならびに細胞毒性を測定する。蛍光は、標準的な緑色フィルターセットまたは波長(EX/EM 508/527nm)を用いてウェルの底から分光光度法で測定できる。
増殖能力は、Corning(Germany)製ブラック96-ウェルマイクロプレートおよびTecan(Crailsheim、Germany)製マイクロプレートリーダー「Spark」を用いて実施する。
【0062】
透明底を有するブラック96ウェルマイクロプレートに細胞を播種し、37℃および5% CO2でインキュベートする。24時間後、上清をデカントし、6% FBSを有する新鮮な培地に試料を加える。陽性対照としてKGFの同時試験を常に行う。さらに72時間後、2×反応試薬を、インキュベートした細胞と等量で1時間加える。次いで、CyQUANT(登録商標)ダイレクトアッセイを実施し、EX/EM 508/527nmでウェルの底から蛍光を測定する。
増殖確率はパーセントで表現され、これは対照と組み合わせて割合の法則で決定することができる。
【表4】
【0063】
(実施例1.5)
3D表皮モデル:
三次元(3D)表皮モデルは、ヒト皮膚にさらに匹敵する実験条件をシミュレートする重要な方式を可能にする。このような3Dアッセイを用いて、バリア機能性を有する多層化された表皮組織におけるケラチノサイトの複雑な層化および末端分化プロセスについて重要な情報を得る。
【0064】
表皮の厚さ:
さらに、パラフィン切片化およびH&EおよびKi67染色を実施した。着色した切片における表皮の厚さを測定し、MDI 101、all-transレチノール(すべて0.01μMの濃度)およびDMSO対照の間で比較した(図1)。
【表5】


表皮の厚さにおいてMDI 101のプラス効果を観察し、これは同じ濃度のall-transレチノールの作用より良好であった。
【0065】
(実施例1.6)
溶解度および再結晶化:
【表6】
【0066】
両方とも2.5w/w%のヒドロキシピナコロンレチノエート(MDI 101)を含有する2種のプレブレンド、A1およびA2を上記処方により生成した。以下の処方による3種のo/wエマルジョン(A、BおよびC)を調製した:
【表7】


A相およびC相を別々に80℃まで加熱する。A中にB相を分散する。C相をABに加え、Ultra Turrax撹拌棒(3分、6000rpm)を使用して乳化する。D相を加え、中和する。翼型撹拌棒を使用して冷却する。
【0067】
これらのエマルジョンはMDI 101の添加を除いて等しいものであった。エマルジョンAおよびBでは、翼型撹拌棒で150rpmおよび35℃で10分間撹拌することにより、2質量%の上記プレブレンドがo/wエマルジョンに組み込まれたのに対して、0.05質量%のMDI 101それ自体はエマルジョンCに同じように組み込まれた。プレブレンドは2.5質量%のMDI 101を含有するので、エマルジョンA、BおよびC中のMDI 101の最終濃度はすべてのエマルジョンにおいて0.05質量%であった。
【0068】
偏光および60×拡大で顕微鏡Olympus IX 70を使用して3つのすべてのエマルジョンの顕微鏡画像を撮った(図3ではそれぞれ、図3AはエマルジョンAに対す結果を示し、図3BはエマルジョンBに対す結果を示し、図3CはエマルジョンCに対する結果を示す)。
それぞれのプレブレンドを含有するエマルジョンAおよびB(図3Aおよび図3Bを参照)は結晶を示さなかったのに対して、エマルジョンC(図3Cを参照)は強い再結晶化を示したことが明確に観察された。
【0069】
(実施例2)
適用実施例
(実施例2.1)
製剤例1:O/Wローション剤(量の単位:質量%)
【表8】
【0070】
(実施例2.2)
製剤例2:ボディローション(量:質量%)
【表9】
【0071】
(実施例2.3)
製剤例3:クリーム剤(量:質量%)
【表10】
【0072】
(実施例2.4)
製剤例4:クリーム剤(量:質量%)
【表11】
【0073】
(実施例2.5)
製剤例5:髭剃り後のケア(量:質量%)
【表12】
【0074】
(実施例2.6)
製剤例6:髭剃り後のケア(量:質量%)
【表13】
【0075】
(実施例2.7)
製剤例7:防臭剤ロールオン(量:質量%)
【表14】
【0076】
(実施例2.8)
製剤例8:髭剃り後ゲル(量:質量%)
【表15】
【0077】
(実施例2.9)
製剤例9:脱臭スティック剤(量:質量%)
【表16】
【0078】
(実施例2.10)
製剤例10:ハンドおよびボディクリーム剤(量:質量%)
【表17】
【0079】
(実施例2.11)
製剤例11:顔用クリーム剤(量:質量%)
【表18】
【0080】
(実施例2.12)
製剤例12:加湿ボディケアクリーム剤(量:質量%)
【表19】
【0081】
(実施例2.13)
製剤例13:しわ取りクリーム剤(量:質量%)
【表20】
【0082】
(実施例2.14)
製剤例14:膿創用クリーム剤(量:質量%)
【表21】
【0083】
(実施例2.15)
製剤例15:加湿性および消毒用フェイスマスク(量:質量%)
【表22】
【0084】
(実施例2.16)
製剤例16:抗にきび洗浄液(量:質量%)
【表23】
【0085】
(実施例2.17)
製剤例17:美容用日焼け防止組成物(量:質量%)
【表24】
【0086】
(実施例2.18)
製剤例18:日焼け防止スプレー(量:質量%)
【表25】
【0087】
(実施例2.19)
製剤例19:日焼け止めスプレーO/W。SPE15~20(量:質量%)
【表26】
【0088】
(実施例2.20)
製剤例20:日焼け防止ソフトクリーム剤(W/O)。SPF40(量:質量%)
【表27】
【0089】
(実施例2.21)
製剤例21:日焼け防止ミルク(W/O)(量:質量%)
【表28】
【0090】
(実施例2.22)
製剤例22:日焼けアフターゲル(量:質量%)
【表29】
【0091】
(実施例2.23)
製剤例23:日焼けアフターローション剤(量:質量%)
【表30】
【0092】
(実施例2.24)
製剤例24:シリコーンエマルジョン(量:質量%)
【表31】
【0093】
(実施例2.25)
製剤例25:マイクロエマルジョンゲル(量:質量%)
【表32】
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2024-04-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト皮膚の色つやを非治療的に改善するための、よび/または非治療的アンチエイジング剤としての
a)式1の1つまたは複数の化合物と、
【化1】
b)アジピン酸ジイソプロピルと
を含むまたはからなる溶液状混合物の化粧用、非治療的使用。
【請求項2】
ヒト皮膚1種または複数の疾患または不健康な状態の処置または予防において使用するための、
a)式1の1つまたは複数の化合物と、
【化2】
b)アジピン酸ジイソプロピルと
を含むまたはからなる溶液状混合物。
【請求項3】
(i)表皮を厚くするため、
(ii)生きている皮膚層の数を増やすため、
(iii)皮膚バリアを改善するため、
(iv)角質層の構成を改善するため、
(v)皮膚組織の刺激の可能性を低減させるため、
(vi)抗酸化剤として、または
(vii)老化における1種または複数の皮膚疾患を処置または予防するために
使用される、請求項2に記載の溶液状混合物。
【請求項4】
前記溶液状混合物が化粧組成物において使用され、組成物中の式1の化合物の総量が、0.0001~1質量%の範囲ある、請求項1に記載の使用。
【請求項5】
請求項2または3に記載の溶液状混合物を、組成物中の式1の化合物の総量が0.0001~2質量%の範囲であるように含む医薬組成物、または請求項1に記載の溶液状混合物を、組成物中の式1の化合物の総量が0.0001~1質量%の範囲であるように含む化粧組成物
【請求項6】
化粧組成物または医薬組成物が、それぞれ、かゆい皮膚状態を予防、軽減もしくは緩和するための1種もしくは複数の物質、および/または1種もしくは複数の皮膚刺激低減剤を追加的に含、請求項5に記載の医薬組成物または化粧組成物
【請求項7】
1種もしくは複数の物質が、抗炎症剤、生理的冷却剤および発赤を緩和する化合物からなる群から選択される、請求項6に記載の医薬組成物または化粧組成物
【請求項8】
1種もしくは複数の物質が、
(i)抗かゆみ化合物、
(ii)コルチコステロイドタイプのステロイド系抗炎症性物質、
(iii)非ステロイド性抗炎症性物質、
(iv)天然もしくは自然発生の抗炎症性物質または発赤および/もしくはかゆみを緩和する物質、
(v)アルファ-ビサボロール、アピゲニン、アピゲニン-7-グルコシド、ギンゲロール、ショウガオール、ギンゲルジオール、デヒドロギンゲルジオン、パラドール、天然アベナントラミド、非天然アベナントラミド、ボスウェル酸、フィトステロール、グリチルリチン、グラブリジンおよびリコカルコンA、
(vi)スキンケア剤、
(vii)生理的冷却剤、および
(viii)ヒスタミン受容体アンタゴニスト、セリンプロテアーゼ阻害剤、TRPV1アンタゴニスト、NK1アンタゴニスト、カンナビノイド受容体アゴニストおよびTRPV3アンタゴニスト
からなる群から選択される、請求項7に記載の医薬組成物または化粧組成物。
【請求項9】
(ii)コルチコステロイドタイプのステロイド系抗炎症性物質が、ヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン誘導体、デキサメタゾン、デキサメタゾンホスフェート、メチルプレドニゾロンおよびコルチゾンからなる群より選択され、
(iii)非ステロイド性抗炎症性物質が、オキシカム、サリチレート、酢酸誘導体、フェナメート、プロピオン酸誘導体、およびピラゾールからなる群より選択され、
(iv)天然もしくは自然発生の抗炎症性物質または発赤および/もしくはかゆみを緩和する物質が、カモミール、アロエベラ、ミルラノキ属種、アカネ属種、ヤナギ、ウィローハーブ、カラスムギ、カレンデュラ、アルニカ、セントジョーンズワート、ハニーサックル、ローズマリー、チャボトケイソウ、マンサク、ショウガもしくはエキナセアからの抽出物もしくは画分、およびその単一活性化合物からなる群より選択され、
(vi)スキンケア剤が、乳酸ナトリウム、尿素および誘導体、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオール、コラーゲン、エラスチンまたはヒアルロン酸、アジピン酸ジアシル、ワセリン、ウロカニン酸、レシチン、アラントイン、パンテノール、フィタントリオール、リコピン、(擬似)セラミド、ヒドロキシプロピルビスパルミタミドMEA、セチルオキシプロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミド、N-(1-ヘキサデカノイル)-4-ヒドロキシ-L-プロリン(1-ヘキサデシル)エステル、ヒドロキシエチルパルミチルオキシヒドロキシプロピルパルミタミド)、グリコスフィンゴリピド、コレステロール、フィトステロール、キトサン、コンドロイチン硫酸、ラノリン、ラノリンエステル、アミノ酸、ビタミンEおよび誘導体、アルファ-ヒドロキシ酸およびその誘導体、単糖、二糖およびオリゴ糖、多糖、アルファ-ヒドロキシ-脂肪酸、トリテルペン酸、および藻抽出物またはその単一活性化合物からなる群から選択される、皮膚保湿調節剤もしくは皮膚修復剤であり、
(vii)生理的冷却剤が、メントングリセロールアセタール、乳酸メンチル、メンチルエチルオキサメート、置換メンチル-3-カルボン酸アミド、N α -(L-メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボン酸アミド、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル、モノメンチルスクシネート、モノメンチルグルタレート、2-メルカプトシクロデカノン、メンチル2-ピロリジン-5-オンカルボキシレート、2,3-ジヒドロキシ-p-メンタン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノングリセロールケタール、3-メンチル3,6-ジ-および-トリオキサアルカノエート、3-メンチルメトキシアセテートおよびイシリン、からなる群より選択される、
請求項8に記載の医薬組成物または化粧組成物
【請求項10】
a)式1の1つまたは複数の化合物と、
【化3】
b)アジピン酸ジイソプロピルと
)任意に、1種もしくは複数の化粧品として許容されるおよび/または薬学的に許容される担体と
を含む溶液状混合物を含みまたはからなり、式1の化合物が、組成物の総量に対して、0.0001~2質量%の範囲にある、局所投与用の、化粧組成物または医薬組成物
【請求項11】
かゆい皮膚状態を予防、軽減もしくは緩和するための1種もしくは複数の物質、および/または1種もしくは複数の皮膚刺激低減剤、追加的に含、請求項10に記載の化粧組成物または医薬組成物。
【請求項12】
皮膚および/または毛髪の処置、保護、ケアおよびクレンジングに用いるための、またはメイクアップ製品として用いるための、請求項10または11に記載の化粧組成物または医薬組成物。
【請求項13】
洗い流さない製品として医薬品および/または化粧製品に用いるための、請求項12に記載の化粧組成物または医薬組成物
【請求項14】
前記組成物が、アルコール性または水性/アルコール性溶液、分散液、懸濁液、エマルジョン、軟膏剤、ペースト剤、ゲル剤、香油、セラム、粉末、ふき取り繊維、オードトワレ、オーデコロン、香水、スティック剤、ロールオン、(ポンプ)スプレー、エアゾール剤、洗い流さないスキンケア組成物、洗い流さない虫よけ剤組成物、日焼け止め剤組成物、皮膚美白組成物、セルフタンニング組成物、日焼け後調製物、髭剃り用もしくは髭剃り後組成物、脱毛組成物、ヘアケア組成物、ヘアローション剤、ヘアトニック、スタイリングクリーム剤、ポマード、スタイリングエイド、パーマネントウェーブおよびフィクシング組成物、ヘアスムージング組成物、ヘアセット組成物、金髪染め組成物、毛染め組成物、装飾化粧品組成物、および防臭剤および/もしくは制汗剤組成物、からなる群から選択される、請求項13に記載の化粧組成物または医薬組成物。
【請求項15】
ヒト皮膚の色つやを非治療的に改善するための、よび/または非治療的アンチエイジング組成物としての、請求項1014のいずれか1項に記載の化粧組成物の化粧用、非治療的使用。
【請求項16】
ヒト皮膚1種または複数の疾患または不健康な状態の処置または予防における使用のための、請求項1014のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
(i)表皮を厚くするため、
(ii)生きている皮膚層の数を増やすため、
(iii)皮膚バリアを改善するため、
(iv)角質層の構成を改善するため、
(v)皮膚組織の刺激の可能性を低減させるため、
(vi)抗酸化剤として、または
(vii)老化における1種または複数の皮膚疾患を処置または予防するために
使用される、求項16に記載の医薬組成物。
【請求項18】
少なくとも5分間対象の皮膚上にとどまるように使用される(「洗い流さない製品」)、請求項16または17に記載の医薬組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0054】
皮膚の化粧用(局所的)、予防的(予防)処置のための製品または本発明による組成物は、高い含有量のケア物質を通常含むことができる。好ましい実施形態によると、組成物は、ケア特性を有する1種または複数の動物および/または植物の脂肪および油、例えば、オリーブ油、ヒマワリ油、精製ダイズ油、パーム油、ゴマ油、ナタネ油、アーモンド油、ルリジサ油、マツヨイグサ油、ヤシ油、シアバター、ホホバ油、カラスムギ油、マッコウクジラ油、牛脂、牛脚油およびラード、ならびに任意にさらなるケア構成物質、例えば、8~30個のC原子を有する脂肪族アルコールを含む。脂肪族アルコールはここで、飽和または不飽和のおよび直鎖または分枝であってもよい。利用できるアルコールは、例えば、デカノール、デセノール、オクタノール、オクテノール、ドデカノール、ドデセノール、オクタジエノール、デカジエノール、ドデカジエノール、オレイルアルコール、リシノレイルアルコール、エルシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、アラキジルアルコール、カプリリルアルコール、カプリルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコールおよびベヘニルアルコール、ならびにそのGuerbetアルコールであり、実質的に所望する場合、関連する構造化学のさらなるアルコールをリストに加えることが可能である。脂肪族アルコールは好ましくは天然脂肪酸から生成し、脂肪酸の対応するエステルから還元により慣例的に調製される。還元により自然発生の脂肪および脂肪油から形成される脂肪族アルコール画分、例えば、牛脂、ラッカセイ油、ナタネ油、綿実油、ダイズ油、ヒマワリ油、パーム核油、アマニ油、トウモロコシ油、ヒマシ油、ナタネ油、ゴマ油、ココアバターおよびココナッツ脂肪をさらに利用することができる。
本発明の好ましい実施形態およびさらなる態様は、添付の特許請求の範囲および以下の実施例から生じるが、実施例は本発明を限定することを意図しない。別途示されていない限り、すべてのデータ、特にパーセンテージは質量を指す。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕ヒト皮膚の色つやを非治療的に改善するための、好ましくはヒト顔面皮膚の色つやを非治療的に改善するための、および/または非治療的アンチエイジング化合物としての、
a)式1の1つまたは複数の化合物と、
【化1】
b)アジピン酸ジイソプロピルと
を含むまたはからなる混合物の化粧用、非治療的使用。
〔2〕ヒト皮膚、好ましくはヒト顔面皮膚の1種または複数の疾患または不健康な状態の処置または予防において使用するための、
a)式1の1つまたは複数の化合物と、
【化2】
b)アジピン酸ジイソプロピルと
を含むまたはからなる混合物。
〔3〕(i)表皮を厚くするため、好ましくはその増殖促進活性を介して表皮を厚くするため、および/または
(ii)生きている皮膚層の数を増やすため、および/または
(iii)皮膚バリアを改善するため、および/または
(iv)角質層の構成を改善するため、および/または
(v)皮膚組織の刺激の可能性を低減させるため、および/または
(vi)抗酸化剤として、および/または
(vii)老化における1種または複数の皮膚疾患を処置または予防するために
使用される、前記〔2〕に記載の使用のための混合物。
〔4〕混合物が化粧組成物において使用され、組成物中の式1の化合物の総量が、0.0001~1質量%の範囲、好ましくは0.001~0.2質量%の範囲、特に好ましくは0.001~0.1質量%の範囲である、前記〔1〕に記載の使用。
〔5〕混合物が医薬組成物において使用され、組成物中の式1の化合物の総量が、0.0001~2質量%の範囲、好ましくは0.001~0.2質量%の範囲、特に好ましくは0.001~0.1質量%の範囲である、前記〔2〕または〔3〕に記載の使用のための混合物。
〔6〕化粧組成物または医薬組成物が、かゆい皮膚状態を予防、軽減もしくは緩和するための1種もしくは複数の物質、ならびに/または1種もしくは複数の皮膚刺激低減剤、特に抗炎症剤、生理的冷却剤および発赤を緩和する化合物からなる群から選択される1種もしくは複数の物質を追加的に含み、好ましくは1種または複数の追加の物質が、
(i)抗かゆみ化合物、
(ii)コルチコステロイドタイプのステロイド系抗炎症性物質、特にヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン誘導体、例えば、ヒドロコルチゾン17-ブチレート、デキサメタゾン、デキサメタゾンホスフェート、メチルプレドニゾロンまたはコルチゾン、
(iii)非ステロイド性抗炎症性物質、特にオキシカム、例えば、ピロキシカムまたはテノキシカム、サリチレート、例えば、アスピリン、ジサルシド、ソルプリンまたはフェンドサール、酢酸誘導体、例えば、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチンまたはクリンダナク、フェナメート、例えば、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸またはニフルム酸、プロピオン酸誘導体、例えば、イブプロフェン、ナプロキセンまたはべノキサプロフェン、ピラゾール、例えば、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾンまたはアザプロパゾン、
(iv)天然もしくは自然発生の抗炎症性物質または発赤および/もしくはかゆみを緩和する物質、特にカモミール、アロエベラ、ミルラノキ属種、アカネ属種、ヤナギ、ウィローハーブ、カラスムギ、カレンデュラ、アルニカ、セントジョーンズワート、ハニーサックル、ローズマリー、チャボトケイソウ、マンサク、ショウガもしくはエキナセアからの抽出物もしくは画分、またはその単一活性化合物、
(v)好ましくは純粋物質の形態のアルファ-ビサボロール、アピゲニン、アピゲニン-7-グルコシド、ギンゲロール、ショウガオール、ギンゲルジオール、デヒドロギンゲルジオン、パラドール、天然アベナントラミド、非天然アベナントラミド、好ましくはジヒドロアベナントラミドD、ボスウェル酸、フィトステロール、グリチルリチン、グラブリジンおよびリコカルコンA、
(vi)スキンケア剤、好ましくは皮膚保湿調節剤もしくは皮膚修復剤、好ましくは、乳酸ナトリウム、尿素および誘導体、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオール、コラーゲン、エラスチンまたはヒアルロン酸、アジピン酸ジアシル、ワセリン、ウロカニン酸、レシチン、アラントイン、パンテノール、フィタントリオール、リコピン、(擬似)セラミド(好ましくはセラミド2、ヒドロキシプロピルビスパルミタミドMEA、セチルオキシプロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミド、N-(1-ヘキサデカノイル)-4-ヒドロキシ-L-プロリン(1-ヘキサデシル)エステル、ヒドロキシエチルパルミチルオキシヒドロキシプロピルパルミタミド)、グリコスフィンゴリピド、コレステロール、フィトステロール、キトサン、コンドロイチン硫酸、ラノリン、ラノリンエステル、アミノ酸、ビタミンEおよび誘導体(好ましくはトコフェロール、酢酸トコフェロール)、アルファ-ヒドロキシ酸(好ましくはクエン酸、乳酸、リンゴ酸)およびその誘導体、単糖、二糖およびオリゴ糖、好ましくはグルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、レブロースおよびラクトース、多糖、例えば、β-グルカン、特にカラスムギ由来の1,3-1,4-β-グルカン、アルファ-ヒドロキシ-脂肪酸、トリテルペン酸、例えば、ベツリン酸またはウルソール酸、および藻抽出物またはその単一活性化合物からなる群から選択されるもの、
(vii)生理的冷却剤、好ましくはメントングリセロールアセタール、乳酸メンチル、好ましくはl-メンチルラクテート、特にl-メンチルl-ラクテート)、メンチルエチルオキサメート、置換メンチル-3-カルボン酸アミド(例えばメンチル-3-カルボン酸N-エチルアミド、N α -(L-メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボン酸アミド、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル(例えば、メンチル3-ヒドロキシブチレート)、モノメンチルスクシネート、モノメンチルグルタレート、2-メルカプトシクロデカノン、メンチル2-ピロリジン-5-オンカルボキシレート、2,3-ジヒドロキシ-p-メンタン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノングリセロールケタール、3-メンチル3,6-ジ-および-トリオキサアルカノエート、3-メンチルメトキシアセテートおよびイシリンからなる群から選択されるもの、ならびに
(viii)ヒスタミン受容体アンタゴニスト、セリンプロテアーゼ阻害剤、TRPV1アンタゴニスト、NK1アンタゴニスト、カンナビノイド受容体アゴニストおよびTRPV3アンタゴニスト
からなる群から選択される、前記〔4〕に記載の使用または前記〔5〕に記載の使用のための混合物。
〔7〕a)式1の化合物が、
【化3】
組成物の総量に対して、0.0001~2質量%の範囲、好ましくは0.001~0.2質量%の範囲、特に好ましくは0.001~0.1質量%の範囲にある、前記〔1〕で定義された混合物と、
b)任意に、1種もしくは複数の化粧品として許容されるおよび/または薬学的に許容される担体と
を含むまたはからなる組成物、特に局所投与用組成物、好ましくは化粧組成物または医薬組成物。
〔8〕かゆい皮膚状態を予防、軽減もしくは緩和するための1種もしくは複数の物質、ならびに/または1種もしくは複数の皮膚刺激低減剤、特に抗炎症剤、生理的冷却剤および発赤を緩和する化合物からなる群から選択される1種もしくは複数の物質を追加的に含み、好ましくは、1種または複数の追加の物質が、
(i)抗かゆみ化合物、
(ii)コルチコステロイドタイプのステロイド系抗炎症性物質、特にヒドロコルチゾン、ヒドロコルチゾン誘導体、例えば、ヒドロコルチゾン17-ブチレート、デキサメタゾン、デキサメタゾンホスフェート、メチルプレドニゾロンまたはコルチゾン、
(iii)非ステロイド性抗炎症性物質、特にオキシカム、例えば、ピロキシカムまたはテノキシカム、サリチレート、例えば、アスピリン、ジサルシド、ソルプリンまたはフェンドサール、酢酸誘導体、例えば、ジクロフェナク、フェンクロフェナク、インドメタシン、スリンダク、トルメチンまたはクリンダナク、フェナメート、例えば、メフェナム酸、メクロフェナム酸、フルフェナム酸またはニフルム酸、プロピオン酸誘導体、例えば、イブプロフェン、ナプロキセンまたはべノキサプロフェン、ピラゾール、例えば、フェニルブタゾン、オキシフェニルブタゾン、フェブラゾンまたはアザプロパゾン、
(iv)天然もしくは自然発生の抗炎症性物質または発赤および/もしくはかゆみを緩和する物質、特にカモミール、アロエベラ、ミルラノキ属種、アカネ属種、ヤナギ、ウィローハーブ、カラスムギ、カレンデュラ、アルニカ、セントジョーンズワート、ハニーサックル、ローズマリー、チャボトケイソウ、マンサク、ショウガもしくはエキナセアからの抽出物もしくは画分、またはその単一活性化合物、
(v)好ましくは純粋物質の形態のアルファ-ビサボロール、アピゲニン、アピゲニン-7-グルコシド、ギンゲロール、ショウガオール、ギンゲルジオール、デヒドロギンゲルジオン、パラドール、天然アベナントラミド、非天然アベナントラミド、好ましくはジヒドロアベナントラミドD、ボスウェル酸、フィトステロール、グリチルリチン、グラブリジンおよびリコカルコンA、
(vi)スキンケア剤、好ましくは皮膚保湿調節剤もしくは皮膚修復剤、好ましくは、乳酸ナトリウム、尿素および誘導体、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオールおよび1,2-オクタンジオール、コラーゲン、エラスチンまたはヒアルロン酸、アジピン酸ジアシル、ワセリン、ウロカニン酸、レシチン、アラントイン、パンテノール、フィタントリオール、リコピン、(擬似)セラミド(好ましくはセラミド2、ヒドロキシプロピルビスパルミタミドMEA、セチルオキシプロピルグリセリルメトキシプロピルミリスタミド、N-(1-ヘキサデカノイル)-4-ヒドロキシ-L-プロリン(1-ヘキサデシル)エステル、ヒドロキシエチルパルミチルオキシヒドロキシプロピルパルミタミド)、グリコスフィンゴリピド、コレステロール、フィトステロール、キトサン、コンドロイチン硫酸、ラノリン、ラノリンエステル、アミノ酸、ビタミンEおよび誘導体(好ましくはトコフェロール、酢酸トコフェロール)、アルファ-ヒドロキシ酸(好ましくはクエン酸、乳酸、リンゴ酸)およびその誘導体、単糖、二糖およびオリゴ糖、好ましくはグルコース、ガラクトース、フルクトース、マンノース、レブロースおよびラクトース、多糖、例えば、β-グルカン、特にカラスムギ由来の1,3-1,4-β-グルカン、アルファ-ヒドロキシ-脂肪酸、トリテルペン酸、例えば、ベツリン酸またはウルソール酸、および藻抽出物またはその単一活性化合物からなる群から選択されるもの、
(vii)生理的冷却剤、好ましくはメントングリセロールアセタール、乳酸メンチル、好ましくはl-メンチルラクテート、特にl-メンチルl-ラクテート)、メンチルエチルオキサメート、置換メンチル-3-カルボン酸アミド(例えばメンチル-3-カルボン酸N-エチルアミド、N α -(L-メンタンカルボニル)グリシンエチルエステル、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボン酸アミド、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、メンチルヒドロキシカルボン酸エステル(例えば、メンチル3-ヒドロキシブチレート)、モノメンチルスクシネート、モノメンチルグルタレート、2-メルカプトシクロデカノン、メンチル2-ピロリジン-5-オンカルボキシレート、2,3-ジヒドロキシ-p-メンタン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノングリセロールケタール、3-メンチル3,6-ジ-および-トリオキサアルカノエート、3-メンチルメトキシアセテートおよびイシリンからなる群から選択されるもの、ならびに
(viii)ヒスタミン受容体アンタゴニスト、セリンプロテアーゼ阻害剤、TRPV1アンタゴニスト、NK1アンタゴニスト、カンナビノイド受容体アゴニストおよびTRPV3アンタゴニスト
からなる群から選択される、前記〔7〕に記載の組成物。
〔9〕皮膚および/または毛髪の処置、保護、ケアおよびクレンジングのための、またはメイクアップ製品としての、好ましくは洗い流さない製品としての医薬品および/または化粧製品の群から選択され、より好ましくはアルコール性または水性/アルコール性溶液、分散液、懸濁液、エマルジョン(好ましくはW/O、O/Wのクリーム剤、ローション剤もしくはミルク、またはマルチプルエマルジョン、PITエマルジョン、エマルジョンフォーム、ミクロエマルジョン、ナノエマルジョン、ピッカリングエマルジョンタイプ)、軟膏剤、ペースト剤、ゲル剤(好ましくはヒドロゲル、ヒドロ分散ゲル、オレオゲル)、香油、セラム、粉末、ふき取り繊維、オードトワレ、オーデコロン、香水、スティック剤、ロールオン、(ポンプ)スプレー、エアゾール剤、洗い流さないスキンケア組成物(好ましくは顔ケア組成物)、洗い流さない虫よけ剤組成物、日焼け止め剤組成物、皮膚美白組成物、セルフタンニング組成物、日焼け後調製物、髭剃り用もしくは髭剃り後組成物、脱毛組成物、ヘアケア組成物、好ましくはコンディショナー、ヘアローション剤、ヘアトニック、スタイリングクリーム剤、ポマード、スタイリングエイド(好ましくはゲルまたはワックス)、パーマネントウェーブおよびフィクシング組成物、ヘアスムージング組成物(縮毛矯正組成物、リラクサー)、ヘアセット組成物、金髪染め組成物、毛染め組成物、例えば、一時的、直接吸収、半永久毛染め組成物、永久毛染め組成物、装飾化粧品組成物(好ましくはおしろい、アイシャドウ、カージャルペンシル、リップスティック)、防臭剤および/もしくは制汗剤組成物の形態であるか、またはこれらからなる製品群から選択される、前記〔7〕または〔8〕に記載の組成物。
〔10〕ヒト皮膚の色つやを非治療的に改善するための、好ましくはヒト顔面皮膚の色つやを非治療的に改善するための、および/または非治療的アンチエイジング組成物としての、前記〔7〕~〔9〕のいずれか1項に記載の化粧組成物の化粧用、非治療的使用。
〔11〕ヒト皮膚、好ましくはヒト顔面皮膚の1種または複数の疾患または不健康な状態の処置または予防における使用のための、前記〔7〕~〔9〕のいずれか1項に記載の医薬組成物。
〔12〕(i)表皮を厚くするため、好ましくはその増殖促進活性を介して表皮を厚くするため、および/または
(ii)生きている皮膚層の数を増やすため、および/または
(iii)皮膚バリアを改善するため、および/または
(iv)角質層の構成を改善するため、および/または
(v)皮膚組織の刺激の可能性を低減させるため、および/または
(vi)抗酸化剤として、および/または
(vii)老化における1種または複数の皮膚疾患を処置または予防するために
使用される、前記〔11〕に記載の使用のための、前記〔7〕~〔9〕のいずれか1項に記載の医薬組成物。
〔13〕少なくとも5分間、好ましくは少なくとも10分間、対象の皮膚上にとどまるように使用される(「洗い流さない製品」)、前記〔11〕または〔12〕に記載の使用のための、前記〔7〕~〔9〕のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【外国語明細書】