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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091647
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】ワイヤ編組構成を備えた管腔装置
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/00 20060101AFI20240628BHJP
【FI】
A61M25/00 540
A61M25/00 550
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024052656
(22)【出願日】2024-03-28
(62)【分割の表示】P 2021504208の分割
【原出願日】2019-07-23
(31)【優先権主張番号】62/703,795
(32)【優先日】2018-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514102803
【氏名又は名称】ラピッド メディカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリードマン、アハロン
(72)【発明者】
【氏名】ゲデュルター、マタン
(57)【要約】
【課題】 遠隔身体部位での血管拡張または血塊捕捉などの治療操作を実行するためにその手術部分に十分な剛性を示すが、装置が治療部位に送達される際の潜在的な合併症を回避するために十分に柔軟な遠位先端部も示す、改良された管腔内装置、およびその製造方方法を提供する。
【解決手段】 管腔内装置は、複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成する第1の領域を含む。複数のワイヤが織り込まれて、血塊を捕捉するように構成された拡張可能なメッシュセグメントを形成する、第1の領域の遠位にある、第2の領域を含む。また、第2の領域の遠位にあり、細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、第3の領域の複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成する、第3の領域を含む。複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、第1の領域から細長い本体の遠位先端部まで連続的に延びる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワイヤで形成された細長い本体を備えた管腔内装置であって、該管腔内装置は、
前記複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成している、第1の領域と、
前記第1の領域の遠位にあり、前記複数のワイヤが織り込まれて、血塊を捕捉するように構成された拡張可能なメッシュセグメントを形成している、第2の領域と、
前記第2の領域の遠位にあり、前記細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、前記第3の領域の前記複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成している、第3の領域と
を有し、
前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、前記第1の領域から前記細長い本体の前記遠位先端部まで連続的に延びる、管腔内装置。
【請求項2】
前記拡張可能なメッシュセグメントは、
前記複数のワイヤが織り込まれて第1の織り込みパターンを形成する少なくとも1つの拡張可能なフィルタセグメントであって、前記第1の織り込みパターンは、2本以上のワイヤの間に形成された開口部を内部に有する、少なくとも1つの拡張可能なフィルタセグメントと、
前記複数のワイヤが織り込まれて第2の織り込みパターンを形成する少なくとも1つの拡張可能な血塊捕捉ゾーンであって、前記第2の織り込みパターンは、前記第1の織り込みパターンとは異なり、2つ以上のワイヤの間に形成された開口部を内部に有する、少なくとも1つの拡張可能な血塊捕捉ゾーンと
を有し、
拡張構成では、前記少なくとも1つの血塊捕捉ゾーンの前記開口部は、前記少なくとも1つのフィルタセグメントの前記開口部よりも大きい、請求項1に記載の管腔内装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの血塊捕捉ゾーン内の前記複数のワイヤは、前記少なくとも1つの血塊捕捉ゾーン内で複数のワイヤグループにグループ化され、前記複数のワイヤグループの各々のワイヤグループは、少なくとも2本のワイヤを含み、絡み合ったワイヤの組み合わせを形成する、請求項2に記載の管腔内装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの血塊捕捉ゾーンの前記開口部は、前記絡み合ったワイヤの組み合わせのうちの少なくとも2つの間に形成される、請求項3に記載の管腔内装置。
【請求項5】
前記複数のワイヤグループの各々のワイヤグループは、1本のワイヤ、2本のワイヤ、3本のワイヤ、または4本のワイヤを含む、請求項3に記載の管腔内装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの拡張可能なフィルタセグメントは、前記少なくとも1つの拡張可能な血塊捕捉ゾーンよりも小さい血塊を捕捉するように構成される、請求項2に記載の管腔内装置。
【請求項7】
前記拡張可能なメッシュセグメントは、
第1のフィルタセグメントと、
前記第1のフィルタセグメントの遠位にある第2のフィルタセグメントと、
前記第1のフィルタセグメントと前記管腔内装置の前記第1の領域との間に配置された第1の血塊捕捉ゾーンと、
前記第2のフィルタセグメントと前記管腔内装置の前記第3の領域との間に配置された第2の血塊捕捉ゾーンとを有する、請求項2に記載の管腔内装置。
【請求項8】
前記複数のワイヤは、8本のワイヤ、10本のワイヤ、および12本のワイヤの組のうちの少なくとも1つからなる、請求項1に記載の管腔内装置。
【請求項9】
前記少なくとも1本のワイヤは、40ミクロン~200ミクロンの間の直径を有する、請求項1に記載の管腔内装置。
【請求項10】
前記少なくとも1本のワイヤは、50ミクロン~75ミクロンの間の直径を有する、請求項9に記載の管腔内装置。
【請求項11】
前記細長い本体に沿った点に配置された少なくとも1つの放射線不透過性マーカーをさらに有し、前記細長い本体に沿った点は、前記第2の領域の遠位の点および前記第2の領域の近位の点のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の管腔内装置。
【請求項12】
前記管腔内装置の前記第1の領域、前記管腔内装置の前記第2の領域、および前記管腔内装置の前記第3の領域は、1つの単一構造として形成される、請求項1に記載の管腔内装置。
【請求項13】
複数のワイヤで形成された細長い本体を備えた管腔内装置を製造する方法であって、前記方法は、
前記細長い本体の第1のケーブルを形成するように、マンドレルの第1のセグメント上で複数のワイヤをよじるステップと、
血塊を捕捉するように構成された前記細長い本体の拡張可能なメッシュセグメントを形成するように、前記マンドレルの第2のセグメント上で前記複数のワイヤを織り込むステップと、
前記細長い本体の第2のケーブルを形成するように、前記マンドレルの第3のセグメント上で前記複数のワイヤをよじるステップと
を含み、
前記マンドレルの前記第2のセグメントは、前記マンドレルの前記第1のセグメントと前記マンドレルの前記第3のセグメントとの間に配置される、方法。
【請求項14】
前記拡張可能なメッシュセグメントを熱処理するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記マンドレルの前記第2のセグメントは、前記マンドレルの前記第1のセグメントおよび前記マンドレルの前記第3のセグメントよりも大きい直径を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のワイヤは、8本のワイヤ、10本のワイヤ、および12本のワイヤの組のうちの少なくとも1つからなる、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、40ミクロン~200ミクロンの間の直径を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、50ミクロン~75ミクロンの間の直径を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記細長い本体の前記第1のケーブル、前記細長い本体の前記拡張可能なメッシュセグメント、および前記細長い本体の前記第2のケーブルは、1つの単一構造として形成される、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
複数のワイヤで形成された細長い本体を備えた管腔内装置であって、前記管腔内装置は、
前記複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成している、第1の領域と、
前記第1の領域の遠位にあり、前記複数のワイヤが織り込まれて、血塊を捕捉するように構成された拡張可能なメッシュセグメントを形成している、第2の領域と、
前記第2の領域の遠位にあり、前記細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、前記第3の領域の前記複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成している、第3の領域と
を有し、
前記第2のケーブルは、前記第1のケーブルよりも柔軟であるように構成される、管腔内装置。
【請求項21】
前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、40ミクロン~200ミクロンの間の直径を有する、請求項20に記載の管腔内装置。
【請求項22】
前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、50ミクロン~75ミクロンの間の直径を有する、請求項21に記載の管腔内装置。
【請求項23】
前記第2のケーブルは、前記第1のケーブルよりも小さいケーブル螺旋巻き角度を有するように構成される、請求項20に記載の管腔内装置。
【請求項24】
前記第2のケーブルは、前記第1のケーブルよりも少ないワイヤを含む、請求項20に記載の管腔内装置。
【請求項25】
前記第2のケーブルは、内部で前記複数のワイヤの部分の直径を減少させるように処理される、請求項20に記載の管腔内装置。
【請求項26】
複数のワイヤで形成された細長い本体を備えた管腔内装置であって、前記管腔内装置は、
前記複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成している、第1の領域と、
前記第1の領域の遠位にあり、前記複数のワイヤが織り込まれて、拡張可能なメッシュセグメントを形成している、第2の領域と、
前記第2の領域の遠位にあり、前記細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、前記第3の領域の前記複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成する、第3の領域と
を有し、
前記拡張可能なメッシュセグメント内の前記複数のワイヤは、前記拡張可能なメッシュセグメント内で複数のワイヤペアにグループ化され、前記複数のワイヤペアの各々のワイヤペアは、絡み合ったワイヤの組み合わせを形成し、
前記複数のワイヤペアのうちの少なくとも第1のワイヤペアおよび前記複数のワイヤペアのうちの少なくとも第2のワイヤペアは、前記拡張可能なメッシュセグメント内で交差部を形成し、前記第1のワイヤペアのうちの少なくとも1本のワイヤは、前記交差部で前記第2のワイヤペアの各々のワイヤの間を通過している、管腔内装置。
【請求項27】
前記複数のワイヤペアのうちの前記第1のワイヤペアは、前記交差部の近位に少なくとも第1のペアになったよじれを含み、前記交差部の遠位に少なくとも第2のペアになったよじれを含む、請求項26に記載の管腔内装置。
【請求項28】
前記第2のワイヤペアのうちの少なくとも1本のワイヤは、前記交差部で前記第1のワイヤペアの各々のワイヤの間を通過している、請求項26に記載の管腔内装置。
【請求項29】
前記第1のワイヤペアのうちの少なくとも1本のワイヤは、前記交差部で前記第2のワイヤペアの前記ワイヤの間を通過しない、請求項26に記載の管腔内装置。
【請求項30】
前記第2のワイヤペアのうちの少なくとも1本のワイヤは、前記交差部で前記第1のワイヤペアの前記ワイヤの間を通過しない、請求項26に記載の管腔内装置。
【請求項31】
複数のワイヤで形成された細長い本体を備えた管腔内装置であって、前記管腔内装置は、
前記複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成している、第1の領域と、
前記第1の領域の遠位にあり、前記複数のワイヤが織り込まれて、血塊を捕捉するように構成された拡張可能なメッシュセグメントを形成している、第2の領域と、
前記第2の領域の遠位にあり、前記細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、前記第3の領域の前記複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成している、第3の領域と
を有し、
前記第1の領域は、前記第2の領域および前記第3の領域のうちの1つ以上よりも多くのワイヤからなる、管腔内装置。
【請求項32】
前記第2の領域は、前記第3の領域と同じ数のワイヤからなる、請求項31に記載の管腔内装置。
【請求項33】
前記第2の領域は、前記第3の領域よりも多くのワイヤからなる、請求項31に記載の管腔内装置。
【請求項34】
前記第1の領域は11本のワイヤを含み、前記第2の領域は8本のワイヤを含み、前記第3の領域は8本のワイヤを含む、請求項31に記載の管腔内装置。
【請求項35】
前記第1の領域は12本のワイヤを含み、前記第2の領域は8本のワイヤを含み、前記第3の領域は8本のワイヤを含む、請求項31に記載の管腔内装置。
【請求項36】
前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、前記第1の領域から前記第3の領域まで連続的に延びる、請求項31に記載の管腔内装置。
【請求項37】
前記管腔内装置の前記第1の領域、前記管腔内装置の前記第2の領域、および前記管腔内装置の前記第3の領域は、1つの単一構造として形成されている、請求項31に記載の管腔内装置。
【請求項38】
複数のワイヤで形成された細長い本体を備えた管腔内装置を製造する方法であって、前記方法は、
前記細長い本体の第1のケーブルを形成するように、マンドレルの第1のセグメント上で複数のワイヤをよじるステップと、
前記第1のケーブルの遠位端で前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤを切断するステップと、
血塊を捕捉するように構成された前記細長い本体の拡張可能なメッシュセグメントを形成するように、前記マンドレルの第2のセグメント上で前記複数のワイヤのうちの残りのワイヤを織り込むステップと、
前記細長い本体の第2のケーブルを形成するように、前記マンドレルの第3のセグメント上で前記複数のワイヤのうちの前記残りのワイヤをよじるステップと
を含み、
前記マンドレルの前記第2のセグメントは、前記マンドレルの前記第1のセグメントと前記マンドレルの前記第3のセグメントとの間に配置される、方法。
【請求項39】
前記拡張可能なメッシュセグメントの遠位端で前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤを切断するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記拡張可能なメッシュセグメントを熱処理するステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記マンドレルの前記第2のセグメントは、前記マンドレルの前記第1のセグメントおよび前記マンドレルの前記第3のセグメントよりも大きい直径を有する、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記複数のワイヤは、8本のワイヤ、10本のワイヤ、または12本のワイヤからなる、請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、40ミクロン~200ミクロンの間の直径を有する、請求項38に記載の方法。
【請求項44】
前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、50ミクロン~75ミクロンの間の直径を有する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記細長い本体の前記第1のケーブル、前記細長い本体の前記拡張可能なメッシュセグメント、および前記細長い本体の前記第2のケーブルは、1つの単一構造として形成される、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
複数のワイヤで形成された細長い本体を備えた管腔内装置であって、前記管腔内装置は、
前記複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成している、第1の領域と、
前記第1の領域の遠位にあり、前記複数のワイヤが織り込まれて、拡張可能なメッシュセグメントを形成している、第2の領域と、
前記第2の領域の遠位にあり、前記細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、前記第3の領域の前記複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成している、第3の領域と
を有し、
前記拡張可能なメッシュセグメント内の前記複数のワイヤは、第1のワイヤグループおよび第2のワイヤグループを含み、前記第1のワイヤグループは2本のワイヤを含み、前記第2のワイヤグループは3本のワイヤを含み、前記複数のワイヤのうちの各々のワイヤは、第1の側面および前記第1の側面の反対側の第2の側面を含み、
前記第1のワイヤグループのうちの第1のワイヤは、前記第2のワイヤグループのうちの第1のワイヤと前記第2のワイヤグループのうちの第2のワイヤの両方の前記第1の側面と交差するように構成され、前記第1のワイヤグループのうちの前記第1のワイヤは、前記第2のワイヤグループのうちの第3のワイヤの前記第2の側面と交差するように構成され、
前記第1のワイヤグループのうちの第2のワイヤは、前記第2のワイヤグループのうちの前記第1のワイヤと前記第2のワイヤグループのうちの前記第2のワイヤの両方の前記第2の側面と交差するように構成され、前記第1のワイヤグループのうちの前記第2のワイヤは、前記第2のワイヤグループのうちの前記第3のワイヤの前記第1の側面と交差するように構成される、管腔内装置。
【請求項47】
複数のワイヤで形成された細長い本体を備えた管腔内装置であって、前記管腔内装置は、
前記複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成している、第1の領域と、
前記第1の領域の遠位にあり、前記複数のワイヤが織り込まれて、拡張可能なメッシュセグメントを形成している、第2の領域と、
前記第2の領域の遠位にあり、前記細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、前記第3の領域の前記複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成している、第3の領域と
を有し、
前記拡張可能なメッシュセグメント内の前記複数のワイヤは、第1のワイヤグループおよび第2のワイヤグループを含み、前記第1のワイヤグループは2本のワイヤを含み、前記第2のワイヤグループは3本のワイヤを含み、前記複数のワイヤのうちの各々のワイヤは、第1の側面および前記第1の側面の反対側の第2の側面を含み、
前記第1のワイヤグループのうちの第1のワイヤは、前記第2のワイヤグループのうちの第1のワイヤの前記第1の側面と交差し、前記第2のワイヤグループのうちの第2のワイヤと前記第2のワイヤグループのうちの第3のワイヤの両方の前記第2の側面と交差するように構成され、
前記第1のワイヤグループのうちの第2のワイヤは、前記第2のワイヤグループのうちの各々のワイヤの前記第1の側面と交差するように構成される、管腔内装置。
【請求項48】
複数のワイヤで形成された細長い本体を備えた管腔内装置であって、前記管腔内装置は、
前記複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成している、第1の領域と、
前記第1の領域の遠位にあり、前記複数のワイヤが織り込まれて、拡張可能なメッシュセグメントを形成している、第2の領域と、
前記第2の領域の遠位にあり、前記細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、前記第3の領域の前記複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成している、第3の領域と
を有し、
前記拡張可能なメッシュセグメント内の前記複数のワイヤは、第1のワイヤグループおよび第2のワイヤグループを含み、前記第1のワイヤグループは2本のワイヤを含み、前記第2のワイヤグループは3本のワイヤを含み、前記複数のワイヤのうちの各々のワイヤは、第1の側面および前記第1の側面の反対側の第2の側面を含み、
前記第1のワイヤグループのうちの第1のワイヤは、前記第2のワイヤグループのうちの第1のワイヤの前記第1の側面と交差し、前記第2のワイヤグループのうちの第2のワイヤと前記第2のワイヤグループのうちの第3のワイヤの両方の前記第2の側面と交差するように構成され、
前記第1のワイヤグループのうちの第2のワイヤは、前記第2のワイヤグループのうちの第1のワイヤの前記第1の側面と交差し、前記第2のワイヤグループのうちの第2のワイヤと前記第2のワイヤグループのうちの第3のワイヤの両方の前記第2の側面と交差するように構成され、
前記第1のワイヤグループのうちの第3のワイヤは、前記第2のワイヤグループのうちの各々のワイヤの前記第1の側面と交差するように構成される、管腔内装置。
【請求項49】
複数のワイヤで形成された細長い本体を備えた管腔内装置であって、前記管腔内装置は、
前記複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成している、第1の領域と、
前記第1の領域の遠位にあり、前記複数のワイヤが織り込まれて、拡張可能なメッシュセグメントを形成している、第2の領域と、
前記第2の領域の遠位にあり、前記細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、前記第3の領域の前記複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成している、第3の領域と
を有し、
前記拡張可能なメッシュセグメント内の前記複数のワイヤは、前記拡張可能なメッシュセグメント内の複数のワイヤグループにグループ化され、前記複数のワイヤグループのうちの各々のワイヤグループは、前記拡張可能なメッシュセグメント内で、前記複数のワイヤグループのうちの別のワイヤグループとの交差部を形成し、
前記複数のワイヤグループのうちの第1のワイヤグループは、よじれ構造を形成する3本のワイヤを含み、前記3本のワイヤのうちの各々は、前記3本のワイヤのうちの他の2本のワイヤを包み込み、前記第1のワイヤグループのよじれ構造は、前記第1のワイヤグループの2つの隣接する交差部間の前記拡張可能なメッシュセグメントのセグメント内に配置される、管腔内装置。
【請求項50】
複数のワイヤで形成された細長い本体を備えた管腔内装置であって、前記管腔内装置は、
前記複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成している、第1の領域と、
前記第1の領域の遠位にあり、前記複数のワイヤが織り込まれて、拡張可能なメッシュセグメントを形成している、第2の領域と、
前記第2の領域の遠位にあり、前記細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、前記第3の領域の前記複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成している、第3の領域と
を有し、
前記拡張可能なメッシュセグメント内の前記複数のワイヤは、前記拡張可能なメッシュセグメント内の複数のワイヤグループにグループ化され、前記複数のワイヤグループのうちの各々のワイヤグループは、前記拡張可能なメッシュセグメント内で、前記複数のワイヤグループのうちの別のワイヤグループとの交差部を形成し、
前記複数のワイヤグループのうちの第1のワイヤグループは、3本のワイヤを含み、前記3本のワイヤのうちの第1のワイヤおよび前記3本のワイヤのうちの第2のワイヤは、前記第1および第2のワイヤの各々が他方を包むよじれ構造を形成し、前記3本のワイヤのうちの第3のワイヤは、前記よじれ構造内の前記第1のワイヤおよび第2のワイヤとのよじれがなく、前記よじれ構造は、前記第1のワイヤグループの2つの隣接する交差部間の前記拡張可能なメッシュセグメントのセグメント内に配置される、管腔内装置。
【請求項51】
複数のワイヤで形成された細長い本体を備えた管腔内装置であって、前記管腔内装置は、
前記複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成している、第1の領域と、
前記第1の領域の遠位にあり、前記複数のワイヤが織り込まれて、拡張可能なメッシュセグメントを形成している、第2の領域と、
前記第2の領域の遠位にあり、前記細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、前記第3の領域の前記複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成している、第3の領域と
を有し、
前記拡張可能なメッシュセグメント内の前記複数のワイヤは、前記拡張可能なメッシュセグメント内の複数のワイヤグループにグループ化され、前記複数のワイヤグループのうちの各々のワイヤグループは、前記拡張可能なメッシュセグメント内で、前記複数のワイヤグループのうちの別のワイヤグループとの交差部を形成し、
前記複数のワイヤグループのうちの第1のワイヤグループは、3本のワイヤを含み、前記3本のワイヤの各々は、第1の側面および前記第1の側面の反対側の第2の側面を有し、前記第1のワイヤグループは、前記第1のワイヤグループの2つの隣接する交差部間の前記拡張可能なメッシュセグメントのセグメント内にインターロック構造を形成し、
前記インターロック構造内では、前記第1のワイヤグループのうちの第1のワイヤは、前記第1のワイヤグループのうちの第2のワイヤの前記第1の側面と交差し、前記第1のワイヤグループのうちの第3のワイヤの前記第2の側面と交差するように構成され、
前記インターロック構造内では、前記第1のワイヤグループのうちの前記第2のワイヤは、前記第1のワイヤグループのうちの前記第3のワイヤと接触しない、管腔内装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、血塊などのヒト血管から閉塞物を回収するように構成された血管内および管腔内医療装置およびシステムに関するものである。
【0002】
本開示は、血管内および管腔内医療装置およびシステムを製造する方法にも関するものである。
【背景技術】
【0003】
血管内および管腔内医療装置は、血管などの中空身体器官内で様々な病状を治療するために一般的に使用されている。例えば、拡張可能または拡張可能な装置を利用して、収縮された体の血管を拡張するか、または損傷または閉塞した体の内腔に支持を提供することができる。血管内および管腔内装置を利用して、血塊または石などの閉塞物を体腔から捕捉して除去することもできる。例えば、ワイヤメッシュ装置は、血管内閉塞内で拡張して、閉塞を貫通および/または捕捉することができる。
【0004】
頭蓋内血管系などのいくつかの血管系は、狭く曲がりくねった血管を含む。頭蓋内血管系に閉塞または狭窄が発生した場合、血管内治療装置を曲がりくねった解剖学的構造に通して治療部位に到達させることができる。これらの治療装置は、狭い血管に適合するように十分に小さい直径を有さなければならないが、治療部位で所望の操作を実行するのに十分な剛性があり、最小限の合併症で治療部位に操作できるように十分に柔軟である両方でなければならない。合併症には、とりわけ、曲がりくねった経路を介して装置を治療部位に送達することの困難、ならびに頭蓋内および管腔内装置が硬すぎる結果として健康な血管壁に損傷を与える可能性が含まれ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、遠隔身体部位での血管拡張または血塊捕捉などの治療操作を実行するためにその手術部分に十分な剛性を示すが、装置が治療部位に送達される際の潜在的な合併症を回避するために十分に柔軟な遠位先端部も示す、改良された装置およびシステムに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示されるのは、遠隔身体部位で治療操作を実行するためにその手術部分に十分な剛性を有するが、そのような装置の体内への挿入による潜在的な合併症を回避するために十分に柔軟な遠位先端部も示す管腔内装置である。そのような管腔内装置の製造方法もまた本明細書に開示されている。
【0007】
本開示の例示的な一実施形態によれば、複数のワイヤで形成された細長い本体を含む管腔内装置が提供される。管腔内装置は、複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成する、第1の領域を含む。管腔内装置はまた、複数のワイヤが織り込まれて、血塊を捕捉するように構成された拡張可能なメッシュセグメントを形成する、第1の領域の遠位にある、第2の領域を含む。管腔内装置はまた、第2の領域の遠位にあり、細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、第3の領域の複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成する、第3の領域を含む。複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、第1の領域から細長い本体の遠位先端部まで連続的に延びる。
【0008】
拡張可能なメッシュセグメントは、複数のワイヤが織り込まれて第1の織り込みパターンを形成する少なくとも1つの拡張可能なフィルタセグメントを含み、第1の織り込みパターンは、2つ以上のワイヤの間に形成された開口部を内部に有する。拡張可能なメッシュセグメントはまた、複数のワイヤが織り込まれて第2の織り込みパターンを形成する少なくとも1つの拡張可能な血塊捕捉ゾーンを含み、第2の織り込みパターンは、第1の織り込みパターンとは異なり、2つ以上のワイヤの間に形成された開口部を内部に有する。拡張された構成では、少なくとも1つの血塊捕捉ゾーンの開口部は、少なくとも1つのフィルタセグメントの開口部よりも大きい。少なくとも1つの血塊捕捉ゾーン内の複数のワイヤは、少なくとも1つの血塊捕捉ゾーン内の複数のワイヤグループにグループ化され、複数のワイヤグループの各々のワイヤグループは、少なくとも2本のワイヤを含み、絡み合ったワイヤの組み合わせを形成する。少なくとも1つの血塊捕捉ゾーンの開口部は、絡み合ったワイヤの組み合わせのうちの少なくとも2つの間に形成される。複数のワイヤグループのうちの各々のワイヤグループは、1本のワイヤ、2本のワイヤ、3本のワイヤ、または4本のワイヤを含む。少なくとも1つの拡張可能なフィルタセグメントは、少なくとも1つの拡張可能な血塊捕捉ゾーンよりも小さい血塊を捕捉するように構成される。拡張可能なメッシュセグメントは、第1のフィルタセグメント、第1のフィルタセグメントの遠位にある第2のフィルタセグメント、第1のフィルタセグメントと管腔内装置の第1の領域との間に配置される第1の血塊捕捉ゾーン、および第2のフィルタセグメントと管腔内装置の第3の領域との間に配置される第2の血塊捕捉ゾーンを含む。複数のワイヤは、8本のワイヤ、10本のワイヤ、および12本のワイヤの組のうちの少なくとも1つを含む。少なくとも1本のワイヤは、40ミクロン~200ミクロンの間の直径を有する。例えば、少なくとも1本のワイヤは、40ミクロン、45ミクロン、50ミクロン、55ミクロン、60ミクロン、65ミクロン、70ミクロン、75ミクロン、80ミクロン、85ミクロン、90ミクロン、95ミクロン、100ミクロン、105ミクロン、110ミクロン、115ミクロン、120ミクロン、125ミクロン、130ミクロン、135ミクロン、140ミクロン、145ミクロン、150ミクロン、155ミクロン、160ミクロン、165ミクロン、170ミクロン、175ミクロン、180ミクロン、185ミクロン、190ミクロン、195ミクロン、および200ミクロンのうちの少なくとも1つである直径またはそれらの範囲を有することができる。例えば、少なくとも1本のワイヤは、50ミクロン~75ミクロンの範囲の直径を有することができる。管腔内装置はまた、細長い本体に沿った点に配置された少なくとも1つの放射線不透過性マーカーを含み、細長い本体に沿った点は、第2の領域の遠位の点および第2の領域の近位の点のうちの少なくとも1つである。管腔内装置の第1の領域、管腔内装置の第2の領域、および管腔内装置の第3の領域は、1つの単一構造として形成される。
【0009】
本開示の別の例示的な一実施形態によれば、複数のワイヤで形成された細長い本体を含む管腔内装置を製造する方法が提供される。この方法は、細長い本体の第1のケーブルを形成するように、マンドレルの第1のセグメント上で複数のワイヤをよじることを含む。この方法はまた、血塊を捕捉するように構成された細長い本体の拡張可能なメッシュセグメントを形成するように、マンドレルの第2のセグメント上に複数のワイヤを織り込むことを含む。この方法はまた、細長い本体の第2のケーブルを形成するように、マンドレルの第3のセグメント上で複数のワイヤをよじることを含む。マンドレルの第2のセグメントは、マンドレルの第1のセグメントとマンドレルの第3のセグメントとの間に配置される。
【0010】
この方法はまた、拡張可能なメッシュセグメントを熱処理することを含む。マンドレルの第2のセグメントは、マンドレルの第1のセグメントおよびマンドレルの第3のセグメントよりも大きな直径を有する。複数のワイヤは、8本のワイヤ、10本のワイヤ、および12本のワイヤの組のうちの少なくとも1つを含む。複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、40ミクロン~200ミクロンの間の直径を有する。例えば、少なくとも1本のワイヤは、40ミクロン、45ミクロン、50ミクロン、55ミクロン、60ミクロン、65ミクロン、70ミクロン、75ミクロン、80ミクロン、85ミクロン、90ミクロン、95ミクロン、100ミクロン、105ミクロン、110ミクロン、115ミクロン、120ミクロン、125ミクロン、130ミクロン、135ミクロン、140ミクロン、145ミクロン、150ミクロン、155ミクロン、160ミクロン、165ミクロン、170ミクロン、175ミクロン、180ミクロン、185ミクロン、190ミクロン、195ミクロン、および200ミクロンの少なくとも1つである直径またはそれらの範囲を有することができる。例えば、複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、50ミクロン~75ミクロンの間の範囲の直径を有することができる。細長い本体の第1のケーブル、細長い本体の拡張可能なメッシュセグメント、および細長い本体の第2のケーブルは、1つの単一構造として形成される。
【0011】
本開示のさらなる例示的な一実施形態によれば、複数のワイヤで形成された細長い本体を含む管腔内装置が提供される。管腔内装置は、複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成する、第1の領域を含む。管腔内装置はまた、複数のワイヤが織り込まれて、血塊を捕捉するように構成された拡張可能なメッシュセグメントを形成する、第1の領域の遠位にある、第2の領域を含む。管腔内装置はまた、第2の領域の遠位にあり、細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、第3の領域の複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成する、第3の領域を含む。第2のケーブルは、第1のケーブルよりも柔軟であるように構成される。
【0012】
複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、40ミクロン~200ミクロンの間の直径を有する。例えば、少なくとも1本のワイヤは、40ミクロン、45ミクロン、50ミクロン、55ミクロン、60ミクロン、65ミクロン、70ミクロン、75ミクロン、80ミクロン、85ミクロン、90ミクロン、95ミクロン、100ミクロン、105ミクロン、110ミクロン、115ミクロン、120ミクロン、125ミクロン、130ミクロン、135ミクロン、140ミクロン、145ミクロン、150ミクロン、155ミクロン、160ミクロン、165ミクロン、170ミクロン、175ミクロン、180ミクロン、185ミクロン、190ミクロン、195ミクロン、および200ミクロンの少なくとも1つである直径またはそれらの範囲を有することができる。例えば、複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、50ミクロン~75ミクロンの間の範囲の直径を有することができる。第2のケーブルは、第1のケーブルよりも小さいケーブル螺旋巻き角度を有するように構成される。第2のケーブルには、第1のケーブルよりも少ないワイヤが含まれる。第2のケーブルは、内部で複数のワイヤの部分の直径を減少させるように処理される。
【0013】
本開示のさらに別の例示的な一実施形態によれば、複数のワイヤで形成された細長い本体を含む管腔内装置が提供される。管腔内装置は、複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成する、第1の領域を含む。管腔内装置はまた、複数のワイヤが織り込まれて、拡張可能なメッシュセグメントを形成する、第1の領域の遠位にある、第2の領域を含む。管腔内装置はまた、第2の領域の遠位にあり、細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、第3の領域の複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成する、第3の領域を含む。拡張可能なメッシュセグメント内の複数のワイヤは、拡張可能なメッシュセグメント内の複数のワイヤペアにグループ化され、複数のワイヤペアの各々のワイヤペアは、絡み合ったワイヤの組み合わせを形成する。複数のワイヤペアのうちの少なくとも第1のワイヤペアおよび複数のワイヤペアのうちの少なくとも第2のワイヤペアは、拡張可能なメッシュセグメント内で交差部を形成し、第1のワイヤペアのうちの少なくとも1本のワイヤは、交差部で第2のワイヤペアの各々のワイヤの間を通過する。
【0014】
複数のワイヤペアのうちの第1のワイヤペアは、交差部の近位に少なくとも第1のペアになったよじれを含み、交差部の遠位に少なくとも第2のペアになったよじれを含む。第2のワイヤペアのうちの少なくとも1本のワイヤは、交差部で第1のワイヤペアの各々のワイヤの間を通過する。第1のワイヤペアのうちの少なくとも1本のワイヤは、交差部で第2のワイヤペアのワイヤの間を通過しない。第2のワイヤペアのうちの少なくとも1本のワイヤは、交差部で第1のワイヤペアのワイヤの間を通過しない。
【0015】
本開示の別の例示的な一実施形態によれば、複数のワイヤで形成された細長い本体を含む管腔内装置が提供される。管腔内装置は、複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成する、第1の領域を含む。管腔内装置はまた、複数のワイヤが織り込まれて、血塊を捕捉するように構成された拡張可能なメッシュセグメントを形成する、第1の領域の遠位にある、第2の領域を含む。管腔内装置はまた、第2の領域の遠位にあり、細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、第3の領域の複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成する、第3の領域を含む。第1の領域は、第2の領域および第3の領域のうちの1つ以上よりも多くのワイヤを含む。
【0016】
第2の領域は、第3の領域と同じ数のワイヤを含む。第2の領域は、第3の領域よりも多くのワイヤを含む。第1の領域は11本のワイヤを含み、第2の領域は8本のワイヤを含み、第3の領域は8本のワイヤを含む。第1の領域は12本のワイヤを含み、第2の領域は8本のワイヤを含み、第3の領域は8本のワイヤを含む。複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、第1の領域から第3の領域まで連続的に延びる。管腔内装置の第1の領域、管腔内装置の第2の領域、および管腔内装置の第3の領域は、1つの単一構造として形成される。
【0017】
本開示のさらなる例示的な一実施形態によれば、複数のワイヤで形成された細長い本体を含む管腔内装置を製造する方法が提供される。この方法は、細長い本体の第1のケーブルを形成するように、マンドレルの第1のセグメント上で複数のワイヤをよじることを含む。この方法はまた、第1のケーブルの遠位端で複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤを切断することを含む。この方法はまた、血塊を捕捉するように構成された細長い本体の拡張可能なメッシュセグメントを形成するように、マンドレルの第2のセグメント上で複数のワイヤのうちの残りのワイヤを織り込むことを含む。この方法はまた、細長い本体の第2のケーブルを形成するように、マンドレルの第3のセグメント上で複数のワイヤのうちの残りのワイヤをよじることを含む。マンドレルの第2のセグメントは、マンドレルの第1のセグメントとマンドレルの第3のセグメントとの間に配置される。
【0018】
この方法はまた、拡張可能なメッシュセグメントの遠位端で複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤを切断することを含む。この方法はまた、拡張可能なメッシュセグメントを熱処理することを含む。マンドレルの第2のセグメントは、マンドレルの第1のセグメントおよびマンドレルの第3のセグメントよりも大きな直径を有する。複数のワイヤは、8本のワイヤ、10本のワイヤ、または12本のワイヤを含む。複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、40ミクロン~200ミクロンの間の直径を有する。例えば、少なくとも1本のワイヤは、40ミクロン、45ミクロン、50ミクロン、55ミクロン、60ミクロン、65ミクロン、70ミクロン、75ミクロン、80ミクロン、85ミクロン、90ミクロン、95ミクロン、100ミクロン、105ミクロン、110ミクロン、115ミクロン、120ミクロン、125ミクロン、130ミクロン、135ミクロン、140ミクロン、145ミクロン、150ミクロン、155ミクロン、160ミクロン、165ミクロン、170ミクロン、175ミクロン、180ミクロン、185ミクロン、190ミクロン、195ミクロン、および200ミクロンのうちの少なくとも1つである直径またはそれらの範囲を有することができる。例えば、複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、50ミクロン~75ミクロンの間の範囲の直径を有することができる。細長い本体の第1のケーブル、細長い本体の拡張可能なメッシュセグメント、および細長い本体の第2のケーブルは、1つの単一構造として形成される。
【0019】
本開示のさらなる例示的な一実施形態によれば、複数のワイヤで形成された細長い本体を含む管腔内装置が提供される。管腔内装置は、複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成する、第1の領域を含む。管腔内装置はまた、複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成する、第1の領域と、複数のワイヤが織り込まれて、拡張可能なメッシュセグメントを形成する、第1の領域の遠位にある、第2の領域と、第2の領域の遠位にあり、細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、第3の領域の複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成する、第3の領域とを含む。拡張可能なメッシュセグメント内の複数のワイヤは、第1のワイヤグループおよび第2のワイヤグループを含む。第1のワイヤグループは2本のワイヤを含み、第2のワイヤグループは3本のワイヤを含む。複数のワイヤのうちの各々のワイヤは、第1の側面および第1の側面の反対側の第2の側面を含む。第1のワイヤグループのうちの第1のワイヤは、第2のワイヤグループのうちの第1のワイヤと第2のワイヤグループのうちの第2のワイヤの両方の第1の側面と交差するように構成される。第1のワイヤグループのうちの第1のワイヤは、第2のワイヤグループのうちの第3のワイヤの第2の側面と交差するように構成される。第1のワイヤグループのうちの第2のワイヤは、第2のワイヤグループのうちの第1のワイヤと第2のワイヤグループのうちの第2のワイヤの両方の第2の側面と交差するように構成される。第1のワイヤグループのうちの第2のワイヤは、第2のワイヤグループのうちの第3のワイヤの第1の側面と交差するように構成される。
【0020】
本開示のさらなる例示的な一実施形態によれば、複数のワイヤで形成された細長い本体を含む管腔内装置が提供される。管腔内装置は、複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成する、第1の領域と、複数のワイヤが織り込まれて、拡張可能なメッシュセグメントを形成する、第1の領域の遠位にある、第2の領域と、第2の領域の遠位にあり、細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、第3の領域の複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成する、第3の領域とを含む。拡張可能なメッシュセグメント内の複数のワイヤは、第1のワイヤグループおよび第2のワイヤグループを含む。第1のワイヤグループは2本のワイヤを含む。第2のワイヤグループは3本のワイヤを含む。複数のワイヤのうちの各々のワイヤは、第1の側面および第1の側面の反対側の第2の側面を含む。第1のワイヤグループのうちの第1のワイヤは、第2のワイヤグループのうちの第1のワイヤの第1の側面と交差し、第2のワイヤグループのうちの第2のワイヤと第2のワイヤグループのうちの第3のワイヤの両方の第2の側面と交差するように構成される。第1のワイヤグループのうちの第2のワイヤは、第2のワイヤグループのうちの各々のワイヤの第1の側面と交差するように構成される。
【0021】
本開示のさらなる例示的な一実施形態によれば、複数のワイヤで形成された細長い本体を含む管腔内装置が提供される。管腔内装置は、複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成する、第1の領域と、複数のワイヤが織り込まれて、拡張可能なメッシュセグメントを形成する、第1の領域の遠位にある、第2の領域と、第2の領域の遠位にあり、細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、第3の領域の複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成する、第3の領域とを含む。拡張可能なメッシュセグメント内の複数のワイヤは、第1のワイヤグループおよび第2のワイヤグループを含む。第1のワイヤグループは2本のワイヤを含む。第2のワイヤグループは3本のワイヤを含む。複数のワイヤのうちの各々のワイヤは、第1の側面および第1の側面の反対側の第2の側面を含む。第1のワイヤグループのうちの第1のワイヤは、第2のワイヤグループのうちの第1のワイヤの第1の側面と交差し、第2のワイヤグループのうちの第2のワイヤと第2のワイヤグループのうちの第3のワイヤの両方の第2の側面と交差するように構成される。第1のワイヤグループのうちの第2のワイヤは、第2のワイヤグループのうちの第1のワイヤの第1の側面と交差し、第2のワイヤグループのうちの第2のワイヤと第2のワイヤグループのうちの第3のワイヤの両方の第2の側面と交差するように構成される。第1のワイヤグループのうちの第3のワイヤは、第2のワイヤグループのうちの各々のワイヤの第1の側面と交差するように構成される。
【0022】
本開示のさらなる例示的な一実施形態によれば、複数のワイヤで形成された細長い本体を含む管腔内装置が提供される。管腔内装置は、複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成する、第1の領域と、複数のワイヤが織り込まれて、拡張可能なメッシュセグメントを形成する、第1の領域の遠位にある、第2の領域と、第2の領域の遠位にあり、細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、第3の領域の複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成する、第3の領域とを含む。拡張可能なメッシュセグメント内の複数のワイヤは、拡張可能なメッシュセグメント内の複数のワイヤグループにグループ化される。複数のワイヤグループのうちの各々のワイヤグループは、拡張可能なメッシュセグメント内で、複数のワイヤグループのうちの別のワイヤグループとの交差部を形成する。複数のワイヤグループのうちの第1のワイヤグループは、よじれ構造を形成する3本のワイヤを含み、3本のワイヤのうちの各々は、3本のワイヤのうちの他の2本のワイヤを包み込む。第1のワイヤグループのよじれ構造は、第1のワイヤグループの2つの隣接する交差部間の拡張可能なメッシュセグメントのセグメント内に配置される。
【0023】
本開示のさらなる例示的な一実施形態によれば、複数のワイヤで形成された細長い本体を含む管腔内装置が提供される。管腔内装置は、複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成する、第1の領域と、複数のワイヤが織り込まれて、拡張可能なメッシュセグメントを形成する、第1の領域の遠位にある、第2の領域と、第2の領域の遠位にあり、細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、第3の領域の複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成する、第3の領域とを含む。拡張可能なメッシュセグメント内の複数のワイヤは、拡張可能なメッシュセグメント内の複数のワイヤグループにグループ化される。複数のワイヤグループのうちの各々のワイヤグループは、拡張可能なメッシュセグメント内で、複数のワイヤグループのうちの別のワイヤグループとの交差部を形成する。複数のワイヤグループのうちの第1のワイヤグループは、3本のワイヤを含む。3本のワイヤのうちの第1のワイヤおよび3本のワイヤのうちの第2のワイヤは、第1および第2のワイヤの各々が他方を包むよじれ構造を形成する。3本のワイヤのうちの第3のワイヤは、よじれ構造内の第1のワイヤおよび第2のワイヤとのよじれがない。よじれ構造は、第1のワイヤグループの2つの隣接する交差部間の拡張可能なメッシュセグメントのセグメント内に配置される。
【0024】
本開示のさらなる例示的な一実施形態によれば、複数のワイヤで形成された細長い本体を含む管腔内装置が提供される。管腔内装置は、複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成する、第1の領域と、複数のワイヤが織り込まれて、拡張可能なメッシュセグメントを形成する、第1の領域の遠位にある、第2の領域と、第2の領域の遠位にあり、細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、第3の領域の複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成する、第3の領域とを含む。拡張可能なメッシュセグメント内の複数のワイヤは、拡張可能なメッシュセグメント内の複数のワイヤグループにグループ化される。複数のワイヤグループのうちの各々のワイヤグループは、拡張可能なメッシュセグメント内で、複数のワイヤグループのうちの別のワイヤグループとの交差部を形成する。複数のワイヤグループのうちの第1のワイヤグループは、3本のワイヤを含む。3本のワイヤの各々は、第1の側面および第1の側面の反対側の第2の側面を有する。第1のワイヤグループは、第1のワイヤグループの2つの隣接する交差部間の拡張可能なメッシュセグメントのセグメント内にインターロック構造を形成する。インターロック構造内では、第1のワイヤグループのうちの第1のワイヤは、第1のワイヤグループのうちの第2のワイヤの第1の側面と交差し、第1のワイヤグループのうちの第3のワイヤの第2の側面と交差するように構成される。インターロック構造内では、第1のワイヤグループのうちの第2のワイヤは、第1のワイヤグループのうちの第3のワイヤと接触しない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本開示の様々な実施形態と一致する、例示的な管腔内装置を示す。
図2A】本開示の様々な実施形態と一致する、図1の管腔内装置の遠位移行領域の拡大図を示す。
図2B】本開示の様々な実施形態と一致する、図1の管腔内装置の遠位コイルの拡大図を示す。
図3A】本開示の様々な実施形態と一致する、図1の管腔内装置の近位移行領域の拡大図を示す。
図3B】本開示の様々な実施形態と一致する、図1の管腔内装置の近位コイルの拡大図を示す。
図4】本開示の様々な実施形態と一致する、別の例示的な管腔内装置を示す。
図5】本開示の様々な実施形態と一致する、図4の管腔内装置のワイヤ交差部の拡大図を示す。
図6A】本開示の様々な実施形態と一致する、管腔内装置の例示的な製造方法を示す。
図6B】本開示の様々な実施形態と一致する、管腔内装置の例示的な製造方法を示す。
図6C】本開示の様々な実施形態と一致する、管腔内装置の例示的な製造方法を示す。
図7】本開示の様々な実施形態と一致する、さらなる例示的な管腔内装置を示す。
図8A】本開示の様々な実施形態と一致する、管腔内装置の例示的なワイヤ交差部を示す。
図8B】本開示の様々な実施形態と一致する、管腔内装置の例示的なワイヤ交差部を示す。
図9】本開示の様々な実施形態と一致する、管腔内装置の別の例示的なワイヤ交差部を示す。
図10】本開示の様々な実施形態と一致する、管腔内装置のさらなる例示的なワイヤ交差部を示す。
図11A】本開示の様々な実施形態と一致する、管腔内装置の例示的なワイヤ編組パターンを示す。
図11B】本開示の様々な実施形態と一致する、管腔内装置の例示的なワイヤ編組パターンを示す。
図12A】本開示の様々な実施形態と一致する、管腔内装置の別の例示的なワイヤ編組パターンを示す。
図12B】本開示の様々な実施形態と一致する、管腔内装置の別の例示的なワイヤ編組パターンを示す。
図13A】本開示の様々な実施形態と一致する、管腔内装置のさらなる例示的なワイヤ編組パターンを示す。
図13B】本開示の様々な実施形態と一致する、管腔内装置のさらなる例示的なワイヤ編組パターンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
例示的な実施形態は、添付の図面を参照して説明される。必ずしも縮尺通りに描かれていない図では、符号の左端の桁が、符号が最初に表示される図を識別する。都合のよい場合はいつでも、同一または同様の部品を参照するために、図面全体で同じ符号が使用される。開示された原理の例および構成が本明細書に記載されているが、修正、適合、および他の実装が、開示された実施形態の趣旨および範囲から逸脱することなく可能である。また、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「含む(including)」、および他の同様の形態の単語は、意味が同等であり、これらの単語のいずれかに続く1つまたは複数の項目がそのような1つまたは複数の項目の包括的なリストであることを意味しないか、リストされた1つまたは複数の項目のみに限定されることを意味しない点でオープンエンドであることを意図している。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形の参照を含むことにも留意すべきである。
【0027】
本開示の実施形態は、概して、身体内の閉塞を治療するための医療装置および方法に関するものである。より具体的には、本開示の実施形態は、血管から塞栓および血栓を含むがこれらに限定されない血塊を除去するための装置および方法に関するものである。追加的または代替的に、本開示の実施形態はまた、閉塞された中空身体器官を拡張するために、ならびに閉塞または異物の除去が望まれる他の医療処置において利用され得る。
【0028】
本開示の実施形態によれば、拡張可能な血塊係合構成要素を含む管腔内装置が提供され得る。拡張可能な血塊係合構成要素は、メッシュまたはステント状構造を有することができ、血管などの中空身体器官内での展開および拡張時に、血塊または他の閉塞物を捕捉、保持、および除去するように構成され得る。
【0029】
図1は、例示的な管腔内装置1000を示している。装置1000は、遠位ケーブル1100、近位ケーブル1200、およびそれらの間に拡張可能な血塊係合構成要素1300を含み得る。本開示において、「近位」という用語は、使用中に装置オペレータにより近い装置(例えば、装置1000)の端部を指し、「遠位」という用語は、使用中に装置オペレータからより遠い装置の端部を指す。装置1000は、近位ケーブル1200から血塊係合構成要素1300を通って遠位ケーブル1100まで延びる複数のワイヤまたはフィラメントを含み得る。装置1000は、8本のワイヤ、9本のワイヤ、10本のワイヤ、11本のワイヤ、12本のワイヤ、または他の任意の適切な数のワイヤを含み得る。これらに限定されないが、例えば、装置1000は、6本のワイヤ、7本のワイヤ、8本のワイヤ、9本のワイヤ、10本のワイヤ、11本のワイヤ、12本のワイヤ、13本のワイヤ、14本のワイヤ、15本のワイヤ、16本のワイヤ、17本のワイヤ、または18本のワイヤを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数のワイヤをケーブル軸の周りに巻いて、遠位ケーブル1100および近位ケーブル1200を形成することができ、結果として、ケーブルは、血塊係合構成要素1300の拡張および収縮中に一定の直径を維持するように構成され得る。遠位ケーブル1100は、先端部1110を組織に対して非外傷性にするように丸められ得るか、または他の方法で成形され得る遠位先端部1110を含み得る。いくつかの実施形態では、近位ケーブル1200は、血塊係合構成要素1300から制御ハンドル(図示せず)まで近位方向に延びることができる。あるいはまた、装置1000はまた、近位ケーブル1200の近位に配置され、近位ケーブル1200と制御ハンドルとの間に延びる管状シャフトを含み得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、ワイヤは、40ミクロン~200ミクロンの間の直径を有し得る。これらに限定されないが、例えば、装置1000のワイヤの直径は、40ミクロン、45ミクロン、50ミクロン、55ミクロン、60ミクロン、65ミクロン、70ミクロン、75ミクロン、80ミクロン、85ミクロン、90ミクロン、95ミクロン、100ミクロン、105ミクロン、110ミクロン、115ミクロン、120ミクロン、125ミクロン、130ミクロン、135ミクロン、140ミクロン、145ミクロン、150ミクロン、155ミクロン、160ミクロン、165ミクロン、170ミクロン、175ミクロン、180ミクロン、185ミクロン、190ミクロン、195ミクロン、および200ミクロンのうちのいずれか1つまたはそれらの範囲とすることができる。例えば、ワイヤは、50ミクロン~75ミクロンの間の範囲の直径を有し得る。有利には、直径が50ミクロン~75ミクロンの間のワイヤは、遠位ケーブル1100が使用中に組織に対して柔軟で非外傷性であることを可能にし、一方で、体内での治療的使用のために装置1000に十分な剛性を依然として提供し得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、複数のワイヤを、血塊係合構成要素1300内で編組して、拡張可能なメッシュ状またはステント状構造を形成することができる。メッシュ状構造内で、複数のワイヤは、接続されることなく互いに交差するように織り込まれることができ、それによって、ワイヤは、互いに対して移動するように構成され得る。いくつかの実施形態では、血塊係合構成要素1300の近位端および遠位端がワイヤの露出端を含み得ないように、露出端がないことによって、解剖学的構造への外傷が減少し得るように、ワイヤを交差させて曲げてメッシュ状構造を形成することができる。
【0032】
血塊係合構成要素1300は、半径方向に拡張および収縮するように構成することができ、したがって、血塊係合構成要素1300は、半径方向に収縮した構成と半径方向に拡張した構成との間で移行するように構成することができる。いくつかの実施形態では、血塊係合構成要素1300は、少なくとも部分的に、複数のワイヤの配置および材料組成のために、自己拡張し得る。例えば、管腔内装置1000は、送達シース(図示せず)内の治療部位に送達することができ、これは、収縮した構成で血塊係合構成要素1300を保持し得る。シースに対する装置1000の移動(例えば、シースの遠位収縮)は、装置1000を解放し、血塊係合構成要素1300の拡張を可能にし得る。
【0033】
追加的または代替的に、装置1000は、血塊係合構成要素1300の拡張および収縮を制御し得る少なくとも1つの細長い制御部材(図示せず)を含み得る。制御部材は、遠位ケーブル1100の周りおよび/または血塊係合構成要素1300の遠位端に接続された、織り合わされた、つながれた、および/または結び付けられたワイヤまたはフィラメントを含み得る。制御部材は、血塊係合構成要素1300および近位ケーブル1200内を、またはそれらに平行に、制御ハンドルまで通すことができ、装置のオペレータは、制御部材を利用して、血塊係合構成要素1300を拡張または収縮することができる。制御部材は、装置1000の一部に力を加えて、血塊係合構成要素1300の拡張または収縮に影響を与えるように構成され得る。例えば、制御部材は、血塊係合構成要素1300の遠位端に近位方向の力を加え、血塊係合構成要素を半径方向に拡張させるように構成され得る。同様に、制御部材は、血塊係合構成要素1300の遠位端に遠位方向の力を加えて、血塊係合構成要素を半径方向に収縮させるように構成され得る。
【0034】
管腔内装置1000の複数のワイヤは、当業者に知られている任意の適切な可撓性材料で構築され得る。適切な可撓性材料には、ポリマー、金属、金属合金、およびそれらの組み合わせが含まれ得るが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、例えば、ワイヤは、ニチノールなどの超弾性金属から構築され得る。血塊係合構成要素1300を血管造影画像で視覚化するために、ワイヤは、放射線不透過性マーカーおよび/または材料をさらに含み得る。例えば、一実施形態では、装置1000は、タンタルまたはプラチナ金属で作られたコアを備えた複数のニチノールワイヤを含み得る。放射線不透過性コアは、体積で20%~50%(例えば、30%または40%)とすることができる。追加の一実施形態では、白金などの放射線不透過性金属の薄層を堆積させることによって、ワイヤを放射線不透過性にすることができる。いくつかの実施形態では、そのような放射線不透過性の構成は、図1の血塊係合構成要素1300の近位端および遠位端に配置され得る。
【0035】
前述のように、送達シースが提供され得る。シースは、管腔内装置1000の少なくとも一部を内部に受け入れ、したがって、血塊係合構成要素1300を含む装置を取り囲み、半径方向に圧縮するように構成された中空管状構造とすることができる。シースは、装置1000から取り外し可能とすることができ、それにより、シースが展開されている血管内で血塊係合構成要素1300が半径方向に拡張することを可能にする。いくつかの実施形態では、装置1000は、シース内の治療部位(例えば、血塊部位)に送達され得る。シースは、血塊係合構成要素1300の制御された拡張および収縮を可能にするように構成され得る。例えば、前述のように、血塊係合構成要素1300は、シースの除去時に(例えば、シースが近位に収縮されたときに)半径方向に拡張するように構成され得る。また、装置1000は、(例えば、装置1000をシース内に近位方向に引っ張ることによって)シース内に戻し、血塊係合構成要素1300を収縮構成に戻すことができる。
【0036】
管腔内装置1000は、血塊などの閉塞物を捕捉し、それらを身体から除去するように構成され得る。追加的または代替的に、装置1000は、血管などの中空身体器官の壁に外向きの力を及ぼすように構成され得る。いくつかの実施形態では、血塊係合構成要素1300は、拡張構成にあるときに実質的に均一な形状を示すように構成され得る。あるいはまた、図1に示されるように、血塊係合構成要素1300は、拡張構成にあるときに実質的に非対称な形状を示すように構成され得る。本開示と一致して、非対称形状は、血塊係合構成要素1300が血管の解剖学的構造に適合する能力を改善し得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、血塊係合構成要素1300の少なくとも一部は、血塊部位で血管のほぼ内径に拡張するように構成され得る。血管のほぼ内径まで拡張すると、血塊係合構成要素1300が血管壁に力を及ぼし、血塊を血管壁から分離させることができる。有利には、血管壁から血塊を分離することにより、血管壁から血塊をさらに除去するために必要な力の量を減らし、血管からの除去中に血塊が複数の断片に分裂する傾向を軽減することができる。収縮構成では、血塊係合構成要素1300は、内部に含まれる血塊に力を加え、血塊を管腔内装置1000内に保持し、血塊が断片化する傾向を軽減することができる。次に、血塊は、血塊係合構成要素1300内にのみ保持された状態で、血管から回収され得る。あるいはまた、血塊が送達シース内に収まるのに十分小さい場合、血塊は、血管から取り出される前に送達シースに引き込まれ得る。このようにして、送達シースは、血塊にさらなる保持力を及ぼすことができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、血塊係合構成要素1300は、1つまたは複数の血塊捕捉ゾーン1310、1320、遠位フィルタ1330、および/または近位フィルタ1340を含み、各々は、それを通って延びるワイヤの織り込みパターンを有し得る。図1の例では、血塊係合構成要素1300は、2つの血塊捕捉ゾーン、遠位フィルタ、および近位フィルタを含む。しかしながら、代替の一実施形態では、血塊係合構成要素は、捕捉ゾーン、遠位フィルタ、および近位フィルタのうちの1つまたは複数を含まなくてもよい。また、代替の一実施形態では、血塊係合構成要素は、1つ、3つ、4つ、5つ、またはそれ以上の血塊捕捉ゾーンを含み得る。近位フィルタ1340は、移行部1205で近位シース1200と交差することができ、その間に複数のワイヤが延びる。同様に、遠位フィルタ1330は、移行部1105で遠位シース1100と交差することができ、その間に複数のワイヤが延びる。捕捉ゾーン1310、1320は、近位フィルタと遠位フィルタとの間に配置することができ、血塊係合構成要素1300が拡張構成にある場合、近位フィルタおよび遠位フィルタよりも大きな直径を有することができる。いくつかの実施形態では、両方の捕捉ゾーンは、拡張されたときに同じ直径を有し得るか、あるいはまた、一方の捕捉ゾーンは、拡張されたときに他方よりも大きな直径を有し得る。捕捉ゾーン1310、1320は、同じまたは異なるワイヤ織り込みパターンを有し得る。例えば、捕捉ゾーン1310、1320のうちの1つまたは複数は、複数のワイヤのうちの少なくとも2本が互いに巻かれ、図1のよじれ1312および1314などの絡み合ったワイヤの組み合わせを形成することができるワイヤ織り込みパターンを有し得る。図1の例では、2本のワイヤが共に巻かれ、よじれを形成するが、代替の実施形態では、3本以上のワイヤが共に巻かれ、1つまたは複数の捕捉ゾーンのよじれを形成することができる。ワイヤのよじれは、ワイヤの滑りを防止することができ(例えば、血塊係合構成要素1300の拡張および収縮中)、それらの間に大きな血塊捕捉窓1316を形成することができる。窓1316は、より大きな血塊およびその他の閉塞物を捕捉して保持することができる。遠位フィルタ1330および近位フィルタ1340は、同じまたは異なるワイヤ織り込みパターンを有することができ、これは、捕捉ゾーン1310、1320の織り込みパターンとは異なり得る。遠位フィルタ1330および近位フィルタ1340のうちの1つまたは複数の織り込みパターンは、捕捉ゾーン1310、1320の構造的支持を提供し得る。また、遠位フィルタと近位フィルタのワイヤ間の開口部は、血塊捕捉窓1316よりも小さくてもよく、したがって、遠位フィルタ1330および近位フィルタ1340は、ゾーン1310、1320によって捕捉するには小さすぎる可能性がある閉塞物を捕捉および保持するように構成され得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、複数のワイヤのうちの1つまたは複数は、近位ケーブル1200、血塊係合構成要素1300、および遠位ケーブル1100を通って、隣接するセグメントにおける他のワイヤへの接続または取り付け(例えば、溶接または接着)なしで連続的に延びることができる。すなわち、1本または複数のワイヤの長さは、装置1000の遠位端から装置1000の近位端まで延びることができる。例えば、いくつかの実施形態では、装置1000のすべてのワイヤは、装置1000の遠位端から装置1000の近位端まで連続的に延びることができる。結果として、複数のワイヤのうちの各々のワイヤが、上述のように、近位ケーブル1200、血塊係合構成要素1300、および遠位ケーブル1100を通って連続的に延びるように構成される場合、近位ケーブル1200、血塊係合構成要素1300、および遠位ケーブル1100は、1つの単一構造として製造することができ、したがって、近位ケーブル1200、血塊係合構成要素1300、および遠位ケーブル1100は、別個に製造されず、溶接、接着、またはその他の方法で共に接続されることはない。この構成は、図1図3Bに示されており、複数のワイヤの各々は、移行部1105および1205を含む、管腔内装置1000の長さに沿って連続的に通過することができる。また、ワイヤの各々は、ギャップおよび不連続部を無くすることができ、その結果、複数のワイヤの各々の本体は、近位ケーブル1200から遠位ケーブル1100まで(例えば、遠位先端部1110まで)延びることができる。
【0040】
図2Aは、管腔内装置1000の遠位移行領域の拡大図を示している。図2Aは、移行部1105、ならびに遠位ケーブル1100および遠位フィルタ1330の一部を示す。いくつかの実施形態では、装置1000の連続的な編組により、遠位フィルタ1330内のすべてのワイヤは、移行部1105を通って遠位ケーブル1100まで連続的に延びることができ、遠位先端部1110まで遠位に延びることができる。図2Aに示されるように、ワイヤは、中断またはギャップ無しに移行部1105を通って延びることができる。あるいはまた、1本または複数のワイヤは、移行部1105またはその近くで切断されるか、さもなければ分断され得る。
【0041】
図2Aにまた示されるように、遠位フィルタ1330は、閉塞物(例えば、血塊)を捕捉するために、内部にいくつかの開口部2005、2010を含むワイヤ織り込みパターンを有し得る。開口部2005、2010は、血塊捕捉窓1316よりも小さく、したがって、血塊捕捉窓1316よりも小さい閉塞物および血塊を捕捉するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の放射線不透過性マーカーを、移行部1105またはその近くに配置することができ、その結果、血塊係合構成要素1300の遠位端は、例えば装置オペレータによって、視覚化され得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、遠位ケーブル1100内のワイヤは、そこから材料を除去するために化学的または電気化学的処理され、したがって、装置1000のより柔らかく、より非外傷性の先端部を形成することができる。これは、エッチング、電解研磨、または任意の他の適切な化学的または電気化学的プロセスによって達成され得る。遠位ケーブル1100内のワイヤの直径を小さくすることにより、ワイヤをより柔軟で柔らかくすることができ、したがって、ワイヤは、体内での使用中に組織への損傷を少なくすることができる。
【0043】
図2Bは、遠位ケーブル1100の拡大図を示している。上で論じたように、遠位ケーブル内のワイヤの数および直径は、ケーブル螺旋巻き角度2300を決定することができる。図2Bに示されるように、ケーブル螺旋巻き角度2300は、ワイヤ2600の方向と、ワイヤ軸2400に垂直である横軸2500との間に形成される角度とすることができる。いくつかの実施形態では、遠位ケーブル1100は、近位ケーブル1200(例えば、11本または12本のワイヤよりも少ないワイヤ(例えば、8本のワイヤ)を含み、したがって、より小さなケーブル螺旋巻き角度2300を可能にし、したがって、より柔らかく、より柔軟な遠位ケーブルを可能にし得る。
【0044】
図3Aは、管腔内装置1000の近位移行領域の拡大図を示している。図3Aは、移行部1205、ならびに近位フィルタ1340および近位ケーブル1200の一部を示す。いくつかの実施形態では、装置1000の連続的な編組により、近位ケーブル1200内のすべてのワイヤは、移行部1205を通って近位フィルタ1340まで連続的に延びることができる。図3Aに示されるように、ワイヤは、中断またはギャップ無しに移行部1205を通って延びることができる。あるいはまた、1本または複数のワイヤは、移行部1205またはその近くで切断されるか、さもなければ分断され得る。
【0045】
図3Aにまた示されるように、近位フィルタ1340は、閉塞物(例えば、血塊)を捕捉するために、内部にいくつかの開口部3005、3010を含むワイヤ織り込みパターンを有し得る。開口部3005、3010は、血塊捕捉窓1316よりも小さく、したがって、血塊捕捉窓1316よりも小さい閉塞物および血塊を捕捉するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の放射線不透過性マーカーを、移行部1205またはその近くに配置することができ、その結果、血塊係合構成要素1300の近位端は、例えば装置オペレータによって、視覚化され得る。
【0046】
図3Bは、近位ケーブル1200の拡大図を示している。近位ケーブル1200は、近位ケーブル内のワイヤの数および直径によって決定されるケーブル螺旋巻き角度3300を有し得る。図3Bに示されるように、ケーブル螺旋巻き角度3300は、ワイヤ3600の方向と、ワイヤ軸3400に垂直である横軸3500との間に形成される角度とすることができる。いくつかの実施形態では、近位ケーブル螺旋巻き角度3300は、近位ケーブル1200が遠位ケーブル1100よりも多くのワイヤおよび/またはより大きな直径のワイヤを有することにより、遠位ケーブル螺旋巻き角度2300よりも大きくできる。例えば、遠位ケーブル螺旋巻き角度2300は、5°(例えば、非常に小さい角度を有する、図7を参照して以下で論じられるような、一本鎖ケーブルにおいて)~60°の間の角度とすることができ、一方、近位ケーブル螺旋巻き角度3300は、50°~60°の間の角度とすることができる。結果として、遠位ケーブル1100は、近位ケーブル1200よりも柔らかく、より柔軟であり得る。代替の実施形態では、遠位ケーブル1100は、遠位ケーブル螺旋巻き角度2300が60°~70°になるように配置され得る。これらに限定されないが、例えば、遠位ケーブル螺旋巻き角度2300は、1°、2°、3°、4°、5°、8°、10°、12°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、65°、または70°の角度を有し得る。また、これらに限定されないが、近位ケーブル螺旋巻き角度3300は、40°、45°、50°、51°、52°、53°、54°、55°、56°、57°、58°、59°、60°、65°、または70°の角度を有し得る。
【0047】
図4は、別の例示的な管腔内装置4000を示している。装置4000は、遠位ケーブル4100、近位ケーブル4200、およびそれらの間に拡張可能な血塊係合構成要素4300を含み得る。装置4000は、複数のワイヤで形成することができ、これらのワイヤは、血塊係合構成要素4300内で編組されて、拡張可能なメッシュ状またはステント状の構造を形成することができる。いくつかの実施形態では、ワイヤは、移行部4105および4205を介して含む、装置4000の近位端から装置4000の遠位端まで連続的に延びることができる。
【0048】
血塊係合構成要素4300は、所望のメッシュ構成を達成するように、所定の数のワイヤを含み得る。血塊係合構成要素4300は、コイル状ワイヤの1つまたは複数のペア4330、および/または3本のコイル状ワイヤの1つまたは複数のケーブル4320を含み得る。血塊捕捉窓4316は、ペア4330および/またはケーブル4320の間に形成され得る。例えば、血塊係合構成要素4300は、4つのワイヤペア4330から形成された8本のワイヤを含み得る。代替の一例では、血塊係合構成要素4300は、2つのワイヤペア4330および2本のワイヤケーブル4320から形成された10本のワイヤを含み得る。さらなる一例では、血塊係合構成要素4300は、4本のワイヤケーブル4320から形成された12本のワイヤを含み得る。さらに別の一例では、血塊係合構成要素4300は、6つのワイヤペア4330から形成された12本のワイヤを含み得る。あるいはまた、血塊係合構成要素4300は、ワイヤの任意の他の適切な数の、ワイヤペア4330および/またはワイヤケーブル4320から形成され得る。
【0049】
図5は、管腔内装置4000の例示的なワイヤ交差部5000を示している。交差部5000は、単一の交差部での2つのワイヤペア4330の交わりによって形成され得る。各々のワイヤペアは、交差部5000の遠位および近位でよじることができる。図5に示されるように、ワイヤ5102、5104は、交差部の遠位のペアになったよじれ5106で、および交差部の近位のペアになったよじれ5108で、互いの周りによじれることができる。同様に、ワイヤ5202、5204は、交差部の遠位のペアになったよじれ5206で、および交差部の近位のペアになったよじれ5208で、互いの周りによじれることができる。
【0050】
交差部5000では、各々のワイヤペアは、他のワイヤペアのうちの1本のワイヤのみを取り囲むことができる。例えば、図5に示されるように、ワイヤ5102、5104は、交差部でワイヤ5204を取り囲むことができるが、ワイヤ5202を取り囲むことはできない。同様に、ワイヤ5202、5204は、交差部でワイヤ5102を取り囲むことができるが、ワイヤ5104を取り囲むことはできない。有利には、この交差部構成は、各々のワイヤペアが他のペアに沿ってスライドできないように、2つのワイヤペアを互いに対して係止し、同時に2つのワイヤペア間の物理的係合が最小限であるため、2つのワイヤペア間の摩擦を最小限に抑えることができる。例えば、交差部5000は、ワイヤ5202、5204に対して軸方向にスライドするワイヤ5102、5104無しで、構成要素4300の拡張および収縮中にワイヤ5102、5104に対して枢動するように構成されたワイヤ5102、5104を用いて、血塊係合構成要素4300の拡張および収縮中にヒンジとして機能するように構成され得る。交差部5000における2つのワイヤペア間の最小の物理的係合のために、各々のワイヤの枢動方向に沿った摩擦を減少させることができ、交差部5000で係合が解除されることなく、ワイヤがより容易にかつより低い印加力に応答して枢動することを可能にする。有利には、交差部5000での摩擦を克服し、したがって、血塊係合構成要素4300を拡張または収縮させるためにより少ない力が必要とされ得る。また、交差部5000内の任意の所与の点で接触しているワイヤは2本以下である。その結果、血塊係合構成要素4300の直径に追加された厚さは、2本の相互作用するワイヤの直径の合計以下である。有利には、これは、装置4000が小さく曲がりくねった解剖学的構造を通過できるように、送達シース内での送達中など、血塊係合構成要素4300が最小化された直径を有することを可能にし得る。
【0051】
図6A図6Cは、管腔内装置の例示的な製造方法を示している。図6A図6Cに示される例は、例示的な管腔内装置6000の製造を示し、当業者は、本明細書に開示される製造方法を使用して、管腔内装置1000、4000、および7000を含むがこれらに限定されない任意の適切な管腔内装置を製造できることを理解するであろう。
【0052】
例示的な管腔内装置6000は、遠位ケーブル6100、近位ケーブル6200、およびそれらの間に拡張可能な血塊係合構成要素6300を含み得る。装置6000は、移行領域6105および6205を通して含む、装置6000の近位端から装置6000の遠位端まで連続的に延びることができる複数のワイヤで形成され得る。管腔内装置6000は、マンドレル6500上で複数のワイヤを編組することによって形成され得る。マンドレル6500は、近位ケーブル6200が上で形成され得る第1の部分6510、血塊係合構成要素6300が上で形成され得る第2の部分6520、および遠位ケーブル6100が上で形成され得る第3の部分6530を有し、マンドレル6500の各々の部分は、それぞれの形状および直径を有することができる。例えば、マンドレルの第2の部分6520は、それぞれ、マンドレルの第1の部分6510および第3の部分6530よりも大きな直径を有し得る。結果として、血塊係合構成要素6300は、形成されたときに、それぞれ遠位ケーブル6100および近位ケーブル6200よりも大きな直径を有し得る。いくつかの実施形態では、マンドレル第1の部分6510およびマンドレル第3の部分6530は、遠位ケーブル6100および近位ケーブル6200もまた実質的に等しい直径を有するように、実質的に等しい直径を有し得る。いくつかの代替の実施形態では、マンドレルの第1の部分6510は、遠位ケーブル6100および近位ケーブル6200の直径が等しくならないように、マンドレルの第3の部分6530よりも大きいまたは小さい直径を有し得る。しかしながら、本開示と一致する例示的なマンドレル6500は、特定の形状、寸法、または構成に限定されない。例えば、マンドレル6500は、その長手方向の長さに沿って対称的または非対称的に外寸が変化してもよく、実質的に直線状、湾曲、または両方の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、マンドレル6500の形状、寸法、および構成は、マンドレル6500上に少なくとも部分的に形成され得る管腔内装置6000の所望の形状およびサイズを生成するように選択され得る。
【0053】
図6A図6Cに示されるように、複数のワイヤは、マンドレル6500に沿って連続的に編組されて、(遠位ケーブル6100、近位ケーブル6200、および血塊係合構成要素6300を含む)管腔内装置6000を1つの単一構造として形成することができる。図6A図6Cの例示の目的のために、ワイヤとマンドレル6500との間にわずかな空間が示されている。しかしながら、実際には、マンドレル6500は、ワイヤが巻かれ得る形態として機能し得る。図6A図6Cに示される例などのいくつかの実施形態では、ワイヤは、管腔内装置6000の近位端から始まり、装置6000の遠位端に向かって遠位方向に動作するマンドレル6500上で連続的に編組され得る。しかしながら、代替の実施形態では、ワイヤは、装置6000の遠位端から装置6000の近位端に向かって連続的に編組され得る。
【0054】
図6Aに示されるように、ワイヤは、第1のマンドレル部分6510の周りに巻かれて、近位ケーブル6200を形成し得る。(いくつかの実施形態では、第1のマンドレル部分6510と第2のマンドレル部分6520との間の交差部またはその近くに形成され得る)移行領域6205に達すると、複数のワイヤを、メッシュ状またはステント状の配置で第2のマンドレル部分6520に編組して、血塊係合構成要素6300を形成することができる。これは、図6Bに示されている。いくつかの実施形態では、近位ケーブル6200を形成するすべてのワイヤは、移行領域6205を通過することができ、血塊係合構成要素6300を通って延びることができるが、ワイヤの編組パターンは、近位ケーブル6200と血塊係合構成要素6300との間で異なっていてもよい。血塊係合構成要素6300の形成が完了し、(いくつかの実施形態では、第2のマンドレル部分6520と第3のマンドレル部分6530との間の交差部またはその近くに形成され得る)移行領域6105に到達すると、複数のワイヤを第3のマンドレル部分6530の周りに巻いて遠位ケーブル6100を形成することができる。いくつかの実施形態では、血塊係合構成要素6300を形成するすべてのワイヤは、移行領域6105を通過することができ、遠位ケーブル6100を通って延びることができるが、ワイヤの編組パターンは、遠位ケーブル6100と血塊係合構成要素6300との間で異なっていてもよい。ワイヤは、装置6000の遠位端が形成されるまで、第3のマンドレル部分6100の周りに巻かれ得る。図6Cは、マンドレル6000上に完成した装置6000を示している。
【0055】
有利には、装置6000の部分間の接続または取付具の欠如は、より滑らかな装置輪郭をもたらし得る。溶接または接着などの接続方法は、体内での装置の使用中に組織をこすり落とす可能性のある粗く突き出た表面外観を引き起こす可能性がある。装置6000は、ワイヤの連続的な編組のためにそのような表面外観を欠くことができるため、装置の輪郭は滑らかであり、したがって、身体を介した送達中および治療部位での装置の使用中の外傷を少なくすることができる。また、連続編組方法は、溶接などによる異なる装置部分を共に接続するのを必要とする技術よりも単純であり、必要な時間を短くできる。
【0056】
いくつかの実施形態では、形成された管腔内装置6000の少なくとも一部は、マンドレル6500から除去する前に熱処理することができる。いくつかの実施形態では、管腔内装置6000全体を熱処理することができる。あるいはまた、血塊係合構成要素6300の全体を熱処理することができる。例えば、血塊係合構成要素6300は、内部のワイヤ部分が第2のマンドレル部分6520の直径および形状で形状記憶を有し得るように熱処理され得る。さらなる代替において、血塊係合構成要素6300の一部は熱処理され得る。例えば、例示的な管腔内装置6000がマンドレル6500上に留まっている間に熱処理が行われ得る。熱処理は、装置6000またはその一部に向けられた熱風送風機によって実施され得るか、または他の任意の装置または方法で加えられた熱を使用して実施され得る。他の加熱のための装置または加熱方法は、対流、伝導、またはその両方を含むことができる。例えば、マンドレル6500を加熱して、管腔内装置6000の1つまたは複数の部分に伝導によって熱を加えることができる。熱処理の一例は、装置6000がマンドレル6500上に維持されながら、装置6000またはその一部に少なくとも約450℃で熱を加えることを含み得る。別の一例では、熱処理は、装置6000またはその一部に、約500℃で、または480℃~550℃の間で熱を加えることを含み得る。さらに別の一例では、熱処理は、装置6000のワイヤ(例えば、血塊係合構成要素6300内のワイヤ部分)に、マンドレル6500の直径の完全または部分的な記憶を持たせることができる任意の温度で印加することができる(記憶は、装置6000が後で使用されるときに、部分的または完全にその直径に戻る機能である)。
【0057】
図7は、さらなる例示的な管腔内装置7000を示す。装置7000は、遠位ケーブル7100、近位ケーブル7200、およびそれらの間に拡張可能な血塊係合構成要素7300を含み得る。装置7000は、複数のワイヤで形成することができ、これらのワイヤは、血塊係合構成要素7300内で編組されて、拡張可能なメッシュ状またはステント状の構造を形成することができる。いくつかの実施形態では、装置7000の1本または複数のワイヤは、装置7000の編組中に(例えば、移行7105または移行7205で)切断されるか、さもなければ分断されることができ、結果として、装置7000のいくつかの部分は、他よりも多くのワイヤを有する可能性がある。例えば、近位ケーブル7200は、遠位ケーブル7100および血塊係合構成要素7300よりも多くのワイヤを有し得る。追加的または代替的に、血塊係合構成要素7300は、遠位ケーブル7100よりも多くのワイヤを有し得る。図7に示される例では、近位ケーブル7200は15本のワイヤを含み、一方、遠位ケーブル7100および血塊係合構成要素7300は12本のワイヤを含む。しかしながら、当業者は、装置7000の様々なセクション(すなわち、遠位ケーブル7100、近位ケーブル7200、および血塊係合構成要素7300)が、任意の所望の数のワイヤを含み得ることを理解するであろう。例えば、いくつかの実施形態では、近位ケーブル7200は、11本のワイヤを有することができ、そのうちの3本は、移行部7205またはその近くで切断されてもよく、結果として、血塊係合構成要素7300および遠位ケーブル7100は、8本のワイヤを有することができる。いくつかの代替の実施形態では、近位ケーブル7200は、12本のワイヤを有することができ、そのうちの4本は、移行部7205またはその近くで切断されてもよく、結果として、血塊係合構成要素7300および遠位ケーブル7100は、8本のワイヤを有することができる。これらに限定されないが、例えば、遠位ケーブル7100は、1本のワイヤ、2本のワイヤ、3本のワイヤ、4本のワイヤ、5本のワイヤ、6本のワイヤ、7本のワイヤ、8本のワイヤ、9本のワイヤ、10本のワイヤ、11本のワイヤ、12本のワイヤ、13本のワイヤ、14本のワイヤ、または15本のワイヤを有し得る。また、これらに限定されないが、血塊係合構成要素7300は、6本のワイヤ、7本のワイヤ、8本のワイヤ、9本のワイヤ、10本のワイヤ、11本のワイヤ、12本のワイヤ、13本のワイヤ、14本のワイヤ、15本のワイヤ、または16本のワイヤを有し得る。また、これらに限定されないが、近位ケーブル7200は、8本のワイヤ、9本のワイヤ、10本のワイヤ、11本のワイヤ、12本のワイヤ、13本のワイヤ、14本のワイヤ、15本のワイヤ、16本のワイヤ、17本のワイヤ、または18本のワイヤを有し得る。
【0058】
有利には、装置7000のセグメントに異なる数のワイヤを組み込むことにより、各々のセグメントが、ワイヤの数、ワイヤの直径、ケーブルの剛性、および編組構成を含む別個の物理的特性を有することが可能になり得る。結果として、装置7000の各々のセグメントは、他のセグメントの所望の物理的特性とは異なる可能性がある所望の物理的特性を有するように構成され得る。例えば、遠位ケーブル7100および近位ケーブル7200のコイルを形成するワイヤの数、ならびにそれらのワイヤの直径は、ケーブルの剛性に影響を与えるケーブル螺旋巻き角度を決定し得る。より少ない数のワイヤおよび/またはより小さな直径のワイヤを利用することにより、より小さなケーブル螺旋巻き角度が可能になり、したがって、より剛性が低く、より柔軟なケーブルが可能になる。したがって、いくつかの実施形態では、遠位ケーブル7100は、近位ケーブル7200よりも柔らかく、剛性が低くなるように、遠位ケーブル7100は、近位ケーブル7200よりも少ないワイヤおよび/または小さい直径のワイヤを含み得る。したがって、装置7000が柔らかく非外傷性の遠位を有することを可能にし得る。
【0059】
また、血塊係合構成要素7300および移行部7105、7205内のワイヤの数は、メッシュ状構造の構造および物理的特性に影響を及ぼし得る。例えば、血塊係合構成要素7300および移行部7105、7205内の特定の数のワイヤを利用することにより、収縮および拡張構成におけるメッシュサイズおよび直径、血塊係合構成要素7300内の開口部のパターンおよびサイズ、および送達シースを介したメッシュ状構造の送達可能性を含む、所望のメッシュ構成の形成を可能にし得る。
【0060】
さらに、近位ケーブル7200内のワイヤ螺旋巻き角度は、軸方向に加えられた力の下でケーブル7200が伸長および圧縮する傾向に影響を及ぼし得る。図2Bおよび図3Bを参照して上で論じたように、ケーブルの螺旋巻き角度は、ケーブル内のワイヤの方向とケーブルの横方向の軸との間に形成される角度とすることができる。結果として生じるケーブルの螺旋巻き角度は、ケーブルが上で形成されるマンドレルの直径、ケーブル内のワイヤの数、およびケーブル内のワイヤの直径の関数であり得る。具体的には、より大きな直径のマンドレル、より少ないワイヤ、およびより小さな直径のワイヤを利用することは、各々が、螺旋巻き角度の低減に寄与する。いくつかの実施形態では、これらに限定されないが、近位ケーブル7200は、40°、45°、50°、51°、52°、53°、54°、55°、56°、57°、58°、59°、60°、65°、または70°の螺旋巻き角度を有し得る。結果として、近位ケーブル7200は、一定の軸方向長さを維持する代わりに、加えられた引張力の下で軸方向変形に抵抗し得る。有利には、血塊回収中に、近位ケーブル7200のこのワイヤ構成は、引張力が加えられたときに軸方向の伸長に抵抗することができ、円滑な血塊回収を可能にする。細長い制御部材が引っ張られて聴力を掛けられて血塊係合構成要素7300を拡張および収縮する別の一例では、近位ケーブル7200は、細長い制御部材によって加えられる圧縮力の下での短縮に抵抗し得る。
【0061】
例示的な管腔内装置7000は、その所定の部分(例えば、移行領域7105および/または移行領域7205でまたはその近く)で1本または複数のワイヤを切断するか、さもなければ分断する追加のステップを備えた、図6A図6Cに示されるものと同様の製造方法によって形成され得る。例えば、移行領域7205またはその近くで少なくとも1本のワイヤを切断または分断することにより、血塊係合構成要素7300および遠位ケーブル7100を通って延びるワイヤの数を減らすことができる。1本または複数のワイヤは、移行領域7105またはその近くで同様に切断または分断され得る。残りの切断されていないワイヤは、装置7000の残りを形成するために編組され得る。あるいはまた、移行領域7105、7205のうちの一方でワイヤが切断されなくてもよい。いくつかの実施形態では、切断されたワイヤの端部は、のりまたは接着剤で覆われ、および/またはマーカーバンドで覆われ得る。結果として、切断されたワイヤによって引き起こされた鋭いエッジは、患者の怪我を防ぐために覆われ得る。
【0062】
図8A図8B図9、および図10は、例示的な管腔内装置のワイヤの例示的なワイヤ交差部8000、9000、および10000を示している。いくつかの実施形態では、ワイヤ交差部8000、9000、および10000は、血塊係合構成要素1300、4300、6300、および7300などのメッシュまたはステント状構造内で利用され得る。ワイヤ交差部8000、9000、および10000は、無関係なワイヤが所定の数のワイヤで構成されたワイヤパターン内に埋め込まれる、または「隠される」のを可能にし得る。例えば、装置セグメント内に8本ワイヤのパターンが望まれるが、セグメント内に10本のワイヤがある場合、8本ワイヤのパターンが達成され得るように、例示的なワイヤ交差部8000、9000、および10000のうちの1つまたは複数を利用して、2つの無関係なワイヤを埋め込み、効果的に「隠す」ことができる。
【0063】
ワイヤ交差部8000、9000、および10000は、図7を参照して上で論じたように、異なる物理的特性を有する装置セグメントを達成するための代替技術を提供することができる。例えば、12ワイヤの近位ケーブルおよび9ワイヤのパターンのメッシュセグメントを備えた管腔内装置が望まれる場合、所望の9ワイヤのパターンを達成するために、ワイヤ交差部8000、9000、および10000のうちの1つまたは複数をメッシュセグメント内で利用して、3本の無関係なワイヤを埋め込むことができ、この技術は、3本の無関係なワイヤを切断または分断する代替法を提供することができる。有利には、所望のワイヤ構成および物理的特性は、ワイヤのいずれかを切断または分断する必要なしに、管腔内装置の異なるセグメントに対して達成され得る。また、ワイヤ交差部8000、9000、および10000の組み込みはまた、複数のワイヤが、隣接するセグメントのワイヤ間で接続または取り付け(例えば、溶接または接着)なしに、管腔内装置の遠位端から管腔内装置の近位端まで連続的に延びることを可能にし得る。
【0064】
いくつかの実施形態では、ワイヤ交差部8000、9000、および10000の1つまたは複数を、少なくとも1本のワイヤを切断または分断することと組み合わせて利用することができる。例えば、管腔内装置が10ワイヤの近位ケーブルおよび6ワイヤのパターンのメッシュセグメントで望まれる場合、1本のワイヤ、2本のワイヤ、または3本のワイヤが、近位ケーブルとメッシュセグメントとの間の移行部で切断され得る。所望の6ワイヤのパターンを達成するために、ワイヤ交差部8000、9000、および10000のうちの1つまたは複数をメッシュセグメント内で利用して、残りの無関係なワイヤを埋め込むことができる。
【0065】
図8Aおよび図8Bは、ワイヤ交差部8000を示している。いくつかの実施形態では、3本のワイヤ8202、8204、8206のうちの1本が無関係なワイヤである場合、つまり、所望のワイヤパターンが、2つのワイヤペア間に代わりに交差部を含む場合、交差部8000を利用することができる。ワイヤ8102は、ワイヤ8202、8204の上およびワイヤ8206の下を交差することができ、一方、ワイヤ8104は、ワイヤ8202、8204の下およびワイヤ8206の上を交差することができる。ワイヤ8102はまた、ワイヤ8104の上を交差することができる。本明細書で使用される場合、相対的な用語「上」および「下」は、ワイヤの「第1の側面」、およびワイヤの「第2の側面」を画定する用語に置き換えることができ、ワイヤの「第1の側面」は「第2の側面」の反対側にある。例えば、図8Aおよび図8Bに示されるように、ワイヤ8102および8104は、第1のワイヤグループを形成することができ、ワイヤ8202、8204、および8206は、第2のワイヤグループを形成することができる。図8Aに示されるように、第1のワイヤグループの第1のワイヤ8102は、第2のワイヤグループの第1のワイヤ8202および第2のワイヤグループの第2のワイヤ8204の第1の側面と交差する(例えば、上で交差する)ように構成することができ、第1のワイヤグループのワイヤ8102は、第2のワイヤグループの第3のワイヤ8206の第2の側面と交差する(例えば、下で交差する)ように構成することができる。また、第1のワイヤグループの第2のワイヤ8104は、第2のワイヤグループの第1のワイヤ8202および第2のワイヤグループの第2のワイヤ8204の第2の側面と交差する(例えば、上で交差する)ように構成することができ、第1のワイヤグループの第2のワイヤ8104は、第2のワイヤグループの第3のワイヤ8206の第1の側面と交差する(例えば、上で交差する)ように構成することができる。
【0066】
図9は、ワイヤ交差部9000を示す。いくつかの実施形態では、3本のワイヤ9202、9204、9206のうちの1本が無関係なワイヤである場合、つまり、所望のワイヤパターンが代わりに、2つのワイヤペア間に交差部を含む場合、交差部9000を利用することができる。例えば、図9に示されるように、ワイヤ9102および9104は、第1のワイヤグループを形成することができ、ワイヤ9202、9204、および9206は、第2のワイヤグループを形成することができる。図9に示されるように、第1のワイヤグループの第1のワイヤ9102は、第2のワイヤグループの第2のワイヤ9204および第2のワイヤグループの第3のワイヤ9206の第2の側面と交差する(例えば、下で交差する)ように構成することができ、第1のワイヤグループの第1のワイヤ9102は、第2のワイヤグループの第1のワイヤ9202の第1の側面と交差する(例えば、上で交差する)ように構成することができる。また、第1のワイヤグループの第2のワイヤ9104は、第2のワイヤグループの各々のワイヤ9202、9204、および9206の第1の側面と交差する(例えば、上で交差する)ように構成することができる。
【0067】
有利には、交差部8000および9000は、ヒンジとして機能するための交差部8000および9000を依然として構成しながら、1本または複数の無関係なワイヤ(例えば、ワイヤ8202、8204、および8206のうちの1本または複数、およびワイヤ9202、9204、および9206のうちの1本または複数)を埋め込むまたは「隠す」ことができる。例えば、交差部8000では、ワイヤ8102、8104は、ワイヤ8202、8204、8206に対して軸方向にスライドすることなく、ワイヤ8202、8204、8206に対して枢動することができる。同様に、交差部9000では、ワイヤ9102、9104は、ワイヤ9202、9204、9206に対して軸方向にスライドすることなく、ワイヤ9202、9204、9206に対して枢動することができる。交差部8000および9000はまた、2本以下のワイヤが交差部8000および9000内の任意の所与の点で接触しているので、1つまたは複数の無関係なワイヤの存在から管腔内装置の輪郭が拡大するのを防ぐことができる。
【0068】
図10は、ワイヤ交差部10000を示す。交差部10000は、3本のワイヤ10102、10104、10106の第1のグループと、3本のワイヤ10202、10204、10206の第2のグループとの間の交差部を含み得る。いくつかの実施形態では、交差部10000は、3本ワイヤのグループのうちの1つが、1本または複数の無関係なワイヤを含む場合、例えば、所望のワイヤパターンが代わりに、ワイヤペアと3本ワイヤのグループとの間の交差部を含む場合に、利用され得る。いくつかの代替の実施形態では、3本ワイヤの両方のグループが1つまたは複数の無関係なワイヤを含む場合、例えば、所望のワイヤパターンが代わりに、2つのワイヤペア間の交差部を含み、3本ワイヤの各々のグループに1本のワイヤを埋め込むか「隠す」必要がある場合、交差部10000を利用することができる。図10に示されるように、第1のワイヤグループの第1のワイヤ10102は、第2のワイヤグループの第2のワイヤ10204および第2のワイヤグループの第3のワイヤ10206の第2の側面と交差する(例えば、下で交差する)ように構成することができ、第1のワイヤグループの第1のワイヤ10102は、第2のワイヤグループの第1のワイヤ10202の第1の側面と交差する(例えば、上で交差する)ように構成することができる。また、第1のワイヤグループの第2のワイヤ10104は、第2のワイヤグループの第2のワイヤ10204および第2のワイヤグループの第3のワイヤ10206の第2の側面と交差する(例えば、下で交差する)ように構成することができ、第1のワイヤグループの第2のワイヤ10104は、第2のワイヤグループの第1のワイヤ10202の第1の側面と交差する(例えば、上で交差する)ように構成することができる。さらに、第1のワイヤグループの第3のワイヤ10106は、第2のワイヤグループの各々のワイヤ10202、10204、および10206の第1の側面と交差する(例えば、上で交差する)ように構成することができる。交差部8000および9000と同様に、交差部10000は、1つまたは複数の無関係なワイヤの存在による装置輪郭の拡大を最小化または防止しながら、中のワイヤがヒンジとして機能することを可能にし得る。
【0069】
図11A図11B図12A図12B、および図13A図13Bはそれぞれ、例示的な管腔内装置のワイヤグループの例示的なワイヤ編組パターン11000、12000、および13000を示す。いくつかの実施形態では、ワイヤ編組パターン11000、12000、および13000は、複数のワイヤグループを含み得るメッシュまたはステント状構造(血塊係合構成要素1300、4300、6300、および7300など)内のワイヤグループに利用され得る。ワイヤ編組パターン11000、12000、および13000は、ワイヤグループ内の1つまたは複数の無関係なワイヤを、メッシュまたはステント状構造のワイヤパターン内に、特に、ワイヤ交差部間の(つまり、交差部5000などのワイヤグループが交差するワイヤパターンの部分間の)ワイヤパターンの部分内に埋め込む、または「隠す」ことを可能にし得る。いくつかの実施形態では、ワイヤ編組パターン11000、12000、および13000は、1本または複数の無関係なワイヤをワイヤグループに埋め込むか、または「隠し」、メッシュセグメントの所望のワイヤパターンを達成するように、1本または複数のワイヤ交差部8000、9000、および10000のうちの1つまたは複数の間のメッシュセグメントで利用することができる。
【0070】
図11A図11Bに示されるように、ワイヤ編組パターン11000は、ワイヤ11102、11104、および11106を含み得る第1のワイヤグループのよじれを含む。いくつかの実施形態では、「よじれ」という用語は、ワイヤが他のワイヤに連続して巻き付けられる構造を指すことができる。すなわち、ワイヤ11102が、他の2本のワイヤに巻き付き、次にワイヤ11104、次にワイヤ11106が巻き付き、その後、ワイヤ11102が、他の2本のワイヤに再び巻き付くことができる。パターン11000のよじれにより、3本のワイヤ11102、11104、および11106はすべて、不注意による軸方向の動きまたは滑りに備えて共に固定され得る。いくつかの実施形態では、パターン11000は、1つまたは2つの無関係なワイヤを有するワイヤグループ内で利用することができる。上で説明したように、ワイヤ11102、11104、および11106は、ワイヤ11102、11104、および11106が別のワイヤグループと(すなわち、第1のワイヤグループの2つの隣接する交差部と他のワイヤのグループとの間で)交差しないメッシュセグメントの一部でパターン11000によじることができる。
【0071】
図12A~12Bに示されるように、ワイヤ編組パターン12000は、3本のワイヤ12102、12104、および12106の第1のグループを含む。図12Aに示されるように、ワイヤ12104、12106は、ワイヤ12104、12106が互いに巻き付くよじれ構造を形成するように共にねじられ得る。ワイヤ12104、12106は、ワイヤ12102、12104、および12106が別のワイヤグループと(すなわち、第1のワイヤグループと他のワイヤグループの2つの隣接する交差部の間で)交差しないメッシュセグメントの一部のよじれ構造においてよじられ得る。しかしながら、ワイヤ12102は、ワイヤ編組パターン12000のよじれ構造内で、ワイヤ12104またはワイヤ12106とのよじれを無くすることができる。有利には、パターン12000は、障害なく軸方向に移動するようにワイヤ12102を自由にしたまま、不注意な軸方向の動きまたは滑りに備えてワイヤ12104および12106を共に固定することができる。また、ワイヤ編組パターン12000はまた、パターン12000内の任意の所与の点で2本以下のワイヤが接触しているので、1つまたは複数の無関係なワイヤの存在から管腔内装置の輪郭が拡大するのを防ぐことができる。いくつかの実施形態では、パターン12000は、1本または複数の無関係なワイヤ(例えば、1本または複数のワイヤ12102、12104、または12106)を有するワイヤグループ内で利用することができる。
【0072】
図13A図13Bに示されるように、ワイヤ編組パターン13000は、3本のワイヤ13102、13104、13106の第1のグループの編組パターンを含む。ワイヤ編組パターン13000は、ワイヤ13102、13104、13106のインターロッキングメイポール構造を含み得る。図13Aに示されるように、インターロッキングメイポール構造内で、第1のワイヤ13102は、第2のワイヤ13104の第2の側面と交差する(例えば、下で交差する)ように構成され得る。また、第1のワイヤ13102は、第3のワイヤ13106の第1の側面で交差する(例えば、上で交差する)ように構成され得る。しかしながら、第2のワイヤ13104および第3のワイヤ13106は、パターン13000のインターロッキングメイポール構造において互いに接触または交差しない。パターン13000のインターロッキングメイポール構造は、ワイヤ13102、13104、13106が別のワイヤグループと(すなわち、第1のワイヤグループと他のワイヤグループとの2つの隣接する交差部の間で)交差しないメッシュセグメントの一部に形成され得る。有利には、パターン13000は、ワイヤ13102、13104、および13106を軸方向の動きまたは互いに対するスライドに対して固定することができ、また、2本以下のワイヤがパターン13000内の任意の所与の点で接触しているので、1つまたは複数の無関係なワイヤの存在から管腔内装置の輪郭が拡大されるのを防ぐことができる。いくつかの実施形態では、パターン13000は、1つまたは複数の無関係なワイヤ(例えば、ワイヤ13102、ワイヤ13104、および/またはワイヤ13106)を有するワイヤグループで利用され得る。
【0073】
前述の説明は、例示の目的で提示された。それは網羅的ではなく、開示された正確な形態または実施形態に限定されない。実施形態の修正および適合は、開示された実施形態の仕様および実施を検討することから明らかになるであろう。特定の構成要素は互いに結合されていると説明されてきたが、そのような構成要素は、任意の適切な方法で、互いに統合されるか、または分散され得る。
【0074】
さらに、例示的な実施形態が本明細書に記載されているが、範囲は、本開示に基いて、均等な要素、修正、省略、(例えば、様々な実施形態にわたる態様の)組み合わせ、適合、および/または変更を有する任意のおよびすべての実施形態を含む。特許請求の範囲の要素は、特許請求の範囲で使用される表現に基づいて広く解釈されるべきであり、本明細書に記載または本出願の審査中に説明される例(これらの例は非排他的であると解釈されるべきである)に限定されない。さらに、開示された方法のステップは、ステップの並べ替えステップおよび/または挿入ステップまたは削除ステップを含む、任意の方法で変更することができる。
【0075】
本開示の構成および利点は、詳細な明細書から明らかであり、したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨および範囲に含まれるすべてのシステムおよび方法を網羅することが意図されている。本明細書で使用される場合、不定冠詞「a」および「an」は「1つまたは複数」を意味する。同様に、複数の用語の使用は、それが所与の文脈において明白でない限り、必ずしも複数を意味するわけではない。「および(and)」または「又は(or)」などの単語は、特に明記されていない限り、「および/又は(and/or)」を意味する。さらに、本開示を研究することから多数の修正および変形が容易に生じるので、開示を図解および説明された正確な構造および操作に限定することは望ましくなく、したがって、すべての適切な修正および均等物は、本開示の範囲内に含まれ得る。
【0076】
他の実施形態は、本明細書に開示される実施形態の仕様および実施を検討することから明らかになるであろう。明細書および実施例は、例示としてのみ考慮されることが意図されており、開示された実施形態の真の範囲および趣旨は、以下の特許請求の範囲によって示される。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワイヤで形成された細長い本体を備えた管腔内装置であって、前記管腔内装置は、
前記複数のワイヤがよじられて第1のケーブルを形成している、第1の領域と、
前記第1の領域の遠位にあり、前記複数のワイヤが織り込まれて、血塊を捕捉するように構成された拡張可能なメッシュセグメントを形成している、第2の領域と、
前記第2の領域の遠位にあり、前記細長い本体の遠位先端部を形成する第3の領域であって、前記第3の領域の前記複数のワイヤがよじられて第2のケーブルを形成している、第3の領域と
を有し、
前記第1の領域は、前記第2の領域および前記第3の領域のうちの1つ以上よりも多くのワイヤからなる、管腔内装置。
【請求項2】
前記第2の領域は、前記第3の領域と同じ数のワイヤからなる、請求項に記載の管腔内装置。
【請求項3】
前記第2の領域は、前記第3の領域よりも多くのワイヤからなる、請求項に記載の管腔内装置。
【請求項4】
前記第1の領域は11本のワイヤを含み、前記第2の領域は8本のワイヤを含み、前記第3の領域は8本のワイヤを含む、請求項に記載の管腔内装置。
【請求項5】
前記第1の領域は12本のワイヤを含み、前記第2の領域は8本のワイヤを含み、前記第3の領域は8本のワイヤを含む、請求項に記載の管腔内装置。
【請求項6】
前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、前記第1の領域から前記第3の領域まで連続的に延びる、請求項に記載の管腔内装置。
【請求項7】
前記管腔内装置の前記第1の領域、前記管腔内装置の前記第2の領域、および前記管腔内装置の前記第3の領域は、1つの単一構造として形成されている、請求項に記載の管腔内装置。
【請求項8】
複数のワイヤで形成された細長い本体を備えた管腔内装置を製造する方法であって、前記方法は、
前記細長い本体の第1のケーブルを形成するように、マンドレルの第1のセグメント上で複数のワイヤをよじるステップと、
前記第1のケーブルの遠位端で前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤを切断するステップと、
血塊を捕捉するように構成された前記細長い本体の拡張可能なメッシュセグメントを形成するように、前記マンドレルの第2のセグメント上で前記複数のワイヤのうちの残りのワイヤを織り込むステップと、
前記細長い本体の第2のケーブルを形成するように、前記マンドレルの第3のセグメント上で前記複数のワイヤのうちの前記残りのワイヤをよじるステップと
を含み、
前記マンドレルの前記第2のセグメントは、前記マンドレルの前記第1のセグメントと前記マンドレルの前記第3のセグメントとの間に配置される、方法。
【請求項9】
前記拡張可能なメッシュセグメントの遠位端で前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤを切断するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記拡張可能なメッシュセグメントを熱処理するステップをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記マンドレルの前記第2のセグメントは、前記マンドレルの前記第1のセグメントおよび前記マンドレルの前記第3のセグメントよりも大きい直径を有する、請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記複数のワイヤは、8本のワイヤ、10本のワイヤ、または12本のワイヤからなる、請求項に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、40ミクロン~200ミクロンの間の直径を有する、請求項に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のワイヤのうちの少なくとも1本のワイヤは、50ミクロン~75ミクロンの間の直径を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記細長い本体の前記第1のケーブル、前記細長い本体の前記拡張可能なメッシュセグメント、および前記細長い本体の前記第2のケーブルは、1つの単一構造として形成される、請求項に記載の方法。
【外国語明細書】