(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091684
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】情報受信装置、情報受信方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20240628BHJP
H04N 21/2187 20110101ALI20240628BHJP
H04N 21/24 20110101ALI20240628BHJP
【FI】
H04N7/18 D
H04N21/2187
H04N21/24
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024061942
(22)【出願日】2024-04-08
(62)【分割の表示】P 2020049025の分割
【原出願日】2020-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】星野 博之
(57)【要約】
【課題】ユーザが存在する環境に適した情報を受信することができる情報受信装置を提供すること。
【解決手段】情報受信装置2は、夫々が識別情報を送信している複数の撮像装置3が存在する空間V内で、識別情報を検出する検出部113と、検出部113によって識別情報が検出されると、検出された識別情報に基づいて、複数の撮像装置3のうち、受信すべき情報を送信する撮像装置3を特定する特定部114と、特定部114によって特定された撮像装置3から空間Vに関する空間情報を受信する受信部115と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
夫々が識別情報を送信している複数の情報送信装置が存在する空間内で、前記識別情報を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記識別情報が検出されると、検出された前記識別情報に基づいて、前記複数の情報送信装置のうち、受信すべき情報を送信する情報送信装置を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された前記情報送信装置から前記空間に関する空間情報を受信する受信手段と、
を備えたことを特徴とする情報受信装置。
【請求項2】
前記検出手段が複数の前記識別情報を検出した場合、前記特定手段は、検出された複数の前記識別情報のうち受信強度が最も強い識別情報に基づいて前記情報送信装置を特定することを特徴とする請求項1に記載の情報受信装置。
【請求項3】
前記空間全体の情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された空間全体の情報に前記特定手段によって特定された前記情報送信装置の前記空間内の存在位置を含ませたものを表示手段に表示させる表示制御手段と、
を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報受信装置。
【請求項4】
前記検出手段が複数の前記識別情報を検出した場合、前記特定手段は、検出された複数の前記識別情報に対応する複数の前記情報送信装置を受信すべき情報を送信するものとして特定し、
前記受信手段は特定された複数の前記情報送信装置からの前記空間情報を夫々受信し、
前記検出された複数の前記識別情報の受信強度に基づいて、前記受信手段によって受信された複数の前記空間情報について出力を制御する出力制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の情報受信装置。
【請求項5】
前記情報送信装置は、前記空間内の画像を撮像する撮像装置であり、前記空間情報とは、前記空間における前記撮像装置の撮像範囲の画像であることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の情報受信装置。
【請求項6】
夫々が識別情報を送信している複数の情報送信装置が存在する空間内で、前記識別情報を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにて前記識別情報が検出されると、検出された前記識別情報に基づいて、前記複数の情報送信装置のうち、受信すべき情報を送信する情報送信装置を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにて特定された前記情報送信装置から前記空間に関する空間情報を受信する受信ステップと、
を含むことを特徴とする情報受信方法。
【請求項7】
コンピュータを、
夫々が識別情報を送信している複数の情報送信装置が存在する空間内で、前記識別情報を検出する検出手段、
前記検出手段によって前記識別情報が検出されると、検出された前記識別情報に基づいて、前記複数の情報送信装置のうち、受信すべき情報を送信する情報送信装置を特定する特定手段、
前記特定手段によって特定された前記情報送信装置から前記空間に関する空間情報を受信する受信手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報受信装置、情報受信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、監視カメラにより撮像された画像をリアルタイムでユーザの所持する携帯端末に送信する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の技術は、GPS等のような人工衛星を用いた位置取得システムを用いて、近くにある監視カメラを特定し、特定された監視カメラから映像を受信することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のようなGPSによる位置測位は、屋外でしか利用できず、カメラが設置されている環境によっては、映像を送信すべき監視カメラの特定が困難であるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザが存在する環境に適した情報を受信することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報受信装置は、夫々が識別情報を送信している複数の情報送信装置が存在する空間内で、前記識別情報を検出する検出手段と、前記検出手段によって前記識別情報が検出されると、検出された前記識別情報に基づいて、前記複数の情報送信装置のうち、受信すべき情報を送信する情報送信装置を特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された前記情報送信装置から前記空間に関する空間情報を受信する受信手段と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザが存在する環境に適した情報を受信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの構成を示すシステム構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報受信装置のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【
図3】情報受信装置及び撮像装置の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る撮像装置による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の一実施形態に係る情報受信装置による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】変形例1の情報受信装置による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】変形例2の情報受信装置による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
[システム全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の構成を示すシステム構成図である。情報処理システム1は、空間V内を巡回するユーザXによって使用される。
図1に示すように、情報処理システム1は、情報受信装置2と、撮像装置3a,3b,3c、3d、3e、3f(以下、3a~3fと称する)と、を含んで構成される。
【0011】
情報受信装置2は、携帯可能な携帯端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ノートパソコン等、少なくとも表示デバイスを備えた電子機器である。情報受信装置2は、撮像装置3a~3fとネットワーク(不図示)を介して間接的に、もしくは、ピア・トゥ・ピアで直接的に無線通信可能に構成され、ユーザXが携帯することによって空間V内を移動可能である。情報受信装置2は、撮像装置3a~3fによって撮像された空間V内の画像を、ネットワークを介して、もしくは撮像装置3a~3fが直接的に受信し、受信した画像を表示する。これにより、ユーザXは、空間V内の設置物A1,A2,A3,A4,A5,A6が撮影範囲に含まれる画像を閲覧することができる。
【0012】
撮像装置3a~3fは、空間V内(例えば、空間Vの天井)に配置され、空間V内の画像を撮像し、撮像した画像を情報受信装置2へ送信する。これにより、ユーザXは、空間V内の自分の位置から見えない位置を撮像装置3a~3fによって撮像された画像で確認できる。なお、
図1に示す例は、空間V内に3つの撮像装置3a~3fが配置されているが、撮像装置3の個数は、これに限定されない。なお、以下の説明では、説明の便宜上、撮像装置3a~3fは、撮像装置3と称する。
【0013】
[ハードウェア構成]
次に、情報受信装置2のハードウェア構成について、
図2を参照して説明をする。
図2は、本発明の一実施形態に係る情報受信装置2のハードウェアの構成を示すブロック図である。
【0014】
情報受信装置2は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、表示部16と、入力部17と、出力部18と、記憶部19と、通信部20と、ドライブ21と、を備える。
【0015】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部19からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行するプロセッサである。これらプログラムは、例えば、情報受信装置2の各部を動作させるためのオペレーティングシステムやファームウェア、或いは、後述の機能ブロックを実現するためのアプリケーションソフトウェアといったプログラムである。
【0016】
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0017】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、表示部16と、入力部17と、出力部18と、記憶部19と、通信部20と、ドライブ21と、が接続されている。
【0018】
表示部16は、ディスプレイ等で構成され、画像を表示する。入力部17は、各種釦等で構成され、ユーザの指示操作を受け付け、受け付けた指示操作に応じて各種情報を入力する。出力部18は、音声を拡声するスピーカ等を含む。尚、入力部17にタッチパネルが含まれる場合は表示部16と入力部17とを一体にしてもよい。記憶部19は、ハードディスク或いはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種画像のデータを記憶する。通信部20は、他の装置との間で行う通信を制御する。例えば、通信部20は、Bluetooth Low Energy(登録商標、以下BLEと称する)、Wi-fi等の各種の通信規格に従い、撮像装置3や、インターネット等のネットワークと通信する。
【0019】
ドライブ21には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア100が適宜装着される。ドライブ21によってリムーバブルメディア100から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部19にインストールされる。また、リムーバブルメディア100は、記憶部19に記憶されている画像のデータ等の各種データも、記憶部19と同様に記憶することができる。
【0020】
[機能ブロック]
次に、
図3を参照して情報受信装置2に含まれる各装置の機能ブロックについて、説明をする。
図3は、情報受信装置2及び撮像装置3の機能的構成を示す機能ブロック図である。
【0021】
本実施形態では、CPU11において、取得部111、通信制御部112、検出部113、特定部114、受信部115、空間画像情報生成部116及び表示制御部117が機能し、所定の処理が実現される。
【0022】
取得部111は、空間Vに存在する全ての撮像装置3の識別情報を予め取得しており、取得した識別情報のリストを作成する。そして、取得部111は、作成した識別情報のリストを記憶部19の識別情報記憶部191に記憶する。
【0023】
具体的には、取得部111は、BLEの規格で用いられ、空間Vに存在する全ての撮像装置3に個別に設定されているサービスUUID(Universally Unique IDntifier、以下UUIDと称する)を識別情報として、情報受信装置2の外部のネットワークから通信部20を介して取得し、取得したUUIDのリストを作成する。そして、取得部111は、作成したUUIDのリストを記憶部19の識別情報記憶部191に記憶する。このようにUUIDのリストを作成することによって、情報受信装置2は、空間Vに存在する全ての撮像装置3を区別することができる。また、取得部111は、空間V全体の情報を取得してもよい。
【0024】
通信制御部112は、通信部20の動作を制御する。具体的には、通信制御部112は、通信部20においてBLEを用いた近距離通信をオンにする。これにより、情報受信装置2は、撮像装置3a~3fが夫々同じ電波強度でブロードキャスト送信するUUIDを含んだアドバタイズパケットを、そのアドバタイズパケットの送信範囲に入った時に受信することができる。
【0025】
検出部113は、夫々が識別情報を送信している複数の撮像装置3が存在する空間V内で、受信したアドバタイジングパケットからUUIDを検出する。具体的には、検出部113は、通信部20を介して、撮像装置3の通信部33からブロードキャストで送信されるアドバタイズパケットを受信し、アドバタイズパケットに含まれるUUIDを検出する。
【0026】
特定部114は、検出部113によってUUIDが検出されると、検出されたUUIDに基づいて、撮像装置3a~3fのうち、受信すべき情報を送信する撮像装置3を特定する。具体的には、特定部114は、検出部113によって検出されたアドバタイズパケットに含まれるUUIDについて、識別情報記憶部191のUUIDのリストを参照して一致するUUIDを検索する。
【0027】
そして、特定部114は、アドバタイズパケットに含まれるUUIDと一致したUUIDにより識別される撮像装置3を特定する。
【0028】
受信部115は、特定部114によって特定された撮像装置3と接続し、接続された撮像装置3の空間Vにおける撮影範囲の画像を受信する。受信部115は、例えば、Wi-Fiにより特定された撮像装置3と接続し、接続された撮像装置3からWi-Fiにより送信される撮像装置3の撮影範囲の画像を受信する。また、空間Vの画像は、静止画像又は動画である。
【0029】
空間画像情報生成部116は、空間Vを模した空間画像情報を生成する。
図4は、空間画像情報の一例を示す図である。
図4に示すように、空間画像情報Mは、
図1に示す空間Vを天井から平面視したときの撮像装置及び設置物の位置を模式的に示している。具体的には、空間画像情報Mは、6つの撮像装置3a~3f、及び6つの設置物A1~A6の位置を模式的に示している。
【0030】
また、
図4に示す空間画像情報Mにおいて、特定部114によって特定された撮像装置3aは、他の撮像装置3b~3fと比べて強調して表示される。すなわち、特定部114によって特定された撮像装置3aは、他の撮像装置3b~3fとは異なる態様で表示される。
【0031】
また、
図4に示すように、空間画像情報Mにおいて、特定部114によって特定された撮像装置3aは、当該撮像装置3aの撮影範囲を示す情報4を含んでもよい。これにより、ユーザは、表示部16に表示される空間画像情報Mを閲覧することによって、特定部114によって特定された撮像装置3の設置位置及び撮影範囲を容易に把握することができる。また、情報受信装置2から送信される指示情報に基づいて撮像装置3の撮影範囲を変更してもよい。
【0032】
図3に戻り、表示制御部117は、取得部111によって取得された空間V内全体の情報に特定部114によって特定された撮像装置3の空間V内の存在位置を含ませたものを表示部16に表示させる。具体的には、表示制御部117は、表示部16に表示される空間情報としての空間V内の画像を、特定部114によって特定された撮像装置3により撮像された画像に切り替える。そして、表示制御部117は、空間情報としての空間V内の画像及び空間画像情報Mを表示部16に表示させる。
【0033】
また、上述したように撮像装置3は、制御部31と、撮像部32と、通信部33と、UUID記憶部34と、を備える。制御部31は、撮像部32の撮像動作の開始や終了、撮像部32の各種条件の設定等、撮像装置3の撮像に関する制御を実行する。
【0034】
撮像部32は、被写体を撮像し、当該被写体の像を含む画像のデジタル信号(画像信号)を、撮像画像のデータとして出力し、通信部33を介して情報受信装置2に送信する。UUID記憶部34は、撮像装置3に予め設定されているUUIDを記憶する記憶部である。
通信部33は、BLEにより情報受信装置2との間の無線通信を制御する機能や、Wi-Fiによるインターネットを含むネットワークを介した他の端末等との通信を制御する機能を有する。
UUID記憶部34は、各撮像装置3のUUIDを記憶する。
【0035】
次に、
図5を参照して撮像装置3による処理の流れについて説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る撮像装置3による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0036】
処理が開始されると、撮像装置3の撮像部32は、逐次の撮像を開始する(ステップS101)。次に、撮像装置3の制御部31は、UUID記憶部34よりUUIDを読み出す(ステップS102)。
【0037】
次に、制御部31は、通信部33においてBLEを用いた近距離通信をオンにする(ステップS103)。
【0038】
このように撮像装置3は、BLEを用いた近距離通信をオンにすることにより、アドバタイズパケットを送信するためのBroadcasterとなる。そして、制御部31は、アドバタイズチャネルを利用して、読み出された撮像装置3のUUIDを含むアドバタイズパケットを予め設定された送信強度でブロードキャスト送信する(ステップS104)。
【0039】
次に、
図6を参照して情報受信装置2による処理の流れについて説明する。
図6は、本発明の一実施形態に係る情報受信装置2による処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0040】
処理が開始されると、取得部111は、通信部20を介して、空間Vにおけるネットワーク上に存在する全ての撮像装置3のUUIDを外部のネットワークから通信部20を介して取得し、取得したUUIDのリストを作成する。そして、取得部111は、作成したUUIDのリストを記憶部19の識別情報記憶部191に記憶する(ステップS201)。
【0041】
通信制御部112は、通信部20においてBLEを用いた近距離通信をオンにする(ステップS202)。これにより、情報受信装置2は、撮像装置3の通信部33から送信されるアドバタイズパケットを受信するためのObserverとなる。
【0042】
検出部113は、撮像装置3の通信部33からアドバタイズパケットを受信したか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203においてアドバタイズパケットを受信したと判定した場合(ステップS203においてYES)、処理は、ステップS204へ進む。一方、ステップS203においてアドバタイズパケットを受信しなかったと判定した場合(ステップS203においてNO)、処理は、再度ステップS202へ戻る。
【0043】
検出部113は、受信したアドバタイズパケットからUUIDを検出する(ステップS204)。特定部114は、検出部113によってUUIDが検出されると、識別情報記憶部191のUUIDのリストを参照して、検出部113によって検出されたUUIDと一致するUUIDを特定する(ステップS205)。
【0044】
受信部115は、特定部114によって特定された撮像装置3と接続し、接続された撮像装置3から空間V内の画像を受信する(ステップS206)。
【0045】
空間画像情報生成部116は、空間Vを模した空間画像情報Mを生成する(ステップS207)。空間画像情報Mを生成することにより、情報受信装置2は、ユーザに対して、特定部114によって特定された撮像装置3の位置及び空間V内に存在する設置物の位置を提示することができる。
【0046】
表示制御部117は、表示部16に表示される空間情報としての空間V内の画像を、特定部114によって特定された撮像装置3により撮像された画像に切り替える。そして、表示制御部117は、空間情報としての空間V内の画像及び空間画像情報Mを表示部16に表示させる(ステップS208)。表示制御部117は、ユーザの選択によって画像の切り替えてもよく、又は自動的に画像を切り替えてもよい。これにより、情報受信装置2は、ユーザに対して、空間V内の画像及び空間画像情報Mを提示することができる。
【0047】
〔変形例1〕
上述した実施形態では、特定部114は、検出部113によって検出されたUUIDと一致したUUIDにより識別される1つの撮像装置3を特定する。しかし、空間V内には複数の撮像装置3が存在するため、検出部113は、複数の撮像装置3のそれぞれを識別するUUIDを検出する場合がある。
【0048】
この場合、特定部114は、検出部113が複数のUUIDを検出した場合、検出された複数のUUIDのうち、受信したアドバタイズパケットの受信強度が最も強いUUIDに基づいて、撮像装置3を特定してもよい。これにより、特定部114は、受信強度が最も強いUUIDによって識別される撮像装置3を情報受信装置2の最も近傍にあるものとして特定することができる。
【0049】
図7は、変形例1の情報受信装置2による処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、ステップS301~S304及びS308~S310は、それぞれ、
図6に示すステップS201~S204及びS206~S208と同様の処理であるため、説明を省略する。
【0050】
ステップS305に処理が進むと、検出部113は、複数のUUIDを検出したか否かを判定する。検出部113が複数のUUIDを検出した場合(ステップS305においてYES)、処理は、ステップS306へ進む。一方、検出部113が複数のUUIDを検出せず、1つのUUIDを検出した場合(ステップS305においてNO)、処理は、ステップS307へ進む。
【0051】
特定部114は、検出部113によってUUIDが検出されると、識別情報記憶部191のUUIDのリストを参照して、検出部113によって検出されたUUIDと一致するUUIDを検索する(ステップS306)。特定部114は、検出部113によって複数のUUIDが検出されると、検出されたUUIDのうち、受信したアドバタイズパケットの受信強度が最も強いUUIDに基づいて、受信強度が最も強いUUIDで識別される撮像装置3を特定する。
【0052】
特定部114は、検出部113によってUUIDが検出されると、識別情報記憶部191のUUIDのリストを参照して、検出部113によって検出されたUUIDと一致するUUIDを検索する(ステップS307)。そして、特定部114は、検出部113によって検出されたUUIDと一致したUUIDにより識別される撮像装置3を特定する。
【0053】
〔変形例2〕
また、情報受信装置2は、検出部113が、複数の撮像装置3のそれぞれを識別するUUIDを検出する場合、以下のように制御を行ってもよい。
すなわち、特定部114は、検出部113が複数のUUIDを検出した場合、検出された複数のUUIDに対応する複数の撮像装置3を受信すべき情報を送信するものとして特定する。受信部115は、特定された複数の撮像装置3と接続し、接続された複数の撮像装置3からの画像を夫々受信する。
【0054】
そして、表示制御部117は、検出された複数のUUIDの受信強度に基づいて、受信部115によって受信された複数の画像について出力を制御する。具体的には、表示制御部117は、UUIDの受信強度が最も強いUUIDに基づいて特定された撮像装置3からの画像を優先的に表示部16に表示させる。例えば、表示制御部117は、UUIDの受信強度が最も強いUUIDにより識別される撮像装置3からの画像を相対的に大きく表示させ、他の撮像装置3からの画像を相対的に小さく表示させる。これにより、情報受信装置2は、接続された複数の撮像装置3からの画像を表示しつつ、UUIDの受信強度が最も強い撮像装置3からの画像をユーザに対して強調して表示することができる。
【0055】
図8は、変形例2の情報受信装置2による処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、ステップS304までは、
図7に示す処理と同様であり、ステップS410~S413は、それぞれ、
図7に示すステップS307~S310と同様の処理であるため、説明を省略する。
【0056】
ステップS405に処理が進むと、検出部113は、複数のUUIDを検出したか否かを判定する。検出部113が複数のUUIDを検出した場合(ステップS405においてYES)、処理は、ステップS406へ進む。一方、検出部113が複数のUUIDを検出せず、1つのUUIDを検出した場合(ステップS405においてNO)、処理は、ステップS410へ進む。
【0057】
特定部114は、検出部113によって複数のUUIDが検出されると、識別情報記憶部191のUUIDのリストを参照して、検出部113によって検出された複数のUUIDと一致するUUIDを検索する(ステップS406)。そして、特定部114は、検出部113によって検出された複数のUUIDと一致した複数のUUIDにより識別される複数の撮像装置3を特定する。
【0058】
受信部115は、特定部114によって特定された複数の撮像装置3と接続し、接続された複数の撮像装置3のそれぞれから空間V内の画像を受信する(ステップS407)。次に、空間画像情報生成部116は、空間Vを模した空間画像情報Mを生成する(ステップS408)。
【0059】
表示制御部117は、表示部16に表示される空間情報としての空間V内の画像を、特定部114によって特定された撮像装置3により撮像された画像に切り替える(ステップS409)。そして、表示制御部117は、空間情報としての空間V内の画像及び空間画像情報Mを表示部16に表示させる。このとき、表示制御部117は、UUIDの受信強度が最も強いUUIDにより識別される撮像装置3からの画像を相対的に大きく表示させ、他の撮像装置3からの画像を相対的に小さく表示させる。
【0060】
以上、説明したように、情報受信装置2は、以下の効果を奏する。
情報受信装置2は、夫々が識別情報を送信している複数の撮像装置3が存在する空間V内で、識別情報を検出する検出部113と、検出部113によって識別情報が検出されると、検出された識別情報に基づいて、複数の撮像装置3のうち、受信すべき情報を送信する撮像装置3を特定する特定部114と、特定部114によって特定された撮像装置3から空間Vに関する空間情報を受信する受信部115と、を備える。これにより、情報受信装置2は、空間V内において、接続対象となる撮像装置3を特定し、特定した撮像装置3からの空間情報を受信する。よって、情報受信装置2は、ユーザが存在する環境に適した情報を受信することができる。
【0061】
また、検出部113が複数の識別情報を検出した場合、特定部114は、検出された複数の識別情報のうち受信強度が最も強い識別情報に基づいて撮像装置3を特定する。これにより、情報受信装置2は、情報を受信するために適切な撮像装置3を特定することができる。
【0062】
また、情報受信装置2は、空間V全体の情報を取得する情報取得手段と、情報取得手段によって取得された空間全体の情報に特定手段によって特定された撮像装置3の空間V内の存在位置を含ませたものを表示部16に表示させる表示制御部117と、を更に備える。これにより、情報受信装置2は、特定された撮像装置の存在位置及び空間全体の情報をユーザに対して表示することができる。
【0063】
また、検出部113が複数の識別情報を検出した場合、特定部114は、検出された複数の識別情報に対応する複数の撮像装置3を受信すべき情報を送信するものとして特定し、受信部115は、特定された複数の撮像装置3からの空間情報を夫々受信し、検出された複数の識別情報の受信強度に基づいて、受信部115によって受信された複数の空間情報について出力を制御する出力制御手段を更に備える。これにより、情報受信装置2は、複数の識別情報に基づいて複数の空間情報について出力を制御できるため、空間情報を適切に出力することができる。
【0064】
また、撮像装置3は、空間V内の画像を撮像する撮像装置であり、空間情報とは、空間Vにおける撮像装置3の撮像範囲の画像である。これにより、情報受信装置2は、空間V内の画像を受信することができる。
【0065】
なお、上述の変形例1及び変形例2は、情報受信装置2側で制御モードを選択できる構成としてもよい。例えば、情報受信装置2をユーザXが操作し、変形例1で説明した表示形式を選択したり、変形例2で説明した表示形式を選択したりする構成としてもよい。
【0066】
[他の変形例]
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、
図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が画像処理ユニット5に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図4の例に限定されない。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。本実施形態における機能的構成は、演算処理を実行するプロセッサによって実現され、本実施形態に用いることが可能なプロセッサには、シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field‐Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを含む。
【0067】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のパーソナルコンピュータであってもよい。
【0068】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される
図3のリムーバブルメディア100により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディア100は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk),Blu-ray(登録商標) Disc(ブルーレイディスク)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている
図3における、ROM12や、記憶部19に含まれるハードディスク等で構成される。
【0069】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0070】
以上、本発明のいくつかの実施形態について説明したが、これらの実施形態は、例示に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明はその他の様々な実施形態を取ることが可能であり、上記実施形態と変形例の各構成を組み合わせることも可能である。更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、省略や置換等種々の変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、本明細書等に記載された発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0071】
以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記1]
夫々が識別情報を送信している複数の情報送信装置が存在する空間内で、前記識別情報を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記識別情報が検出されると、検出された前記識別情報に基づいて、前記複数の情報送信装置のうち、受信すべき情報を送信する情報送信装置を特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された前記情報送信装置から前記空間に関する空間情報を受信する受信手段と、
を備えたことを特徴とする情報受信装置。
[付記2]
前記検出手段が複数の前記識別情報を検出した場合、前記特定手段は、検出された複数の前記識別情報のうち受信強度が最も強い識別情報に基づいて前記情報送信装置を特定することを特徴とする付記1に記載の情報受信装置。
[付記3]
前記空間全体の情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段によって取得された空間全体の情報に前記特定手段によって特定された前記情報送信装置の前記空間内の存在位置を含ませたものを表示手段に表示させる表示制御手段と、
を更に備えることを特徴とする付記1又は2に記載の情報受信装置。
[付記4]
前記検出手段が複数の前記識別情報を検出した場合、前記特定手段は、検出された複数の前記識別情報に対応する複数の前記情報送信装置を受信すべき情報を送信するものとして特定し、
前記受信手段は特定された複数の前記情報送信装置からの前記空間情報を夫々受信し、
前記検出された複数の前記識別情報の受信強度に基づいて、前記受信手段によって受信された複数の前記空間情報について出力を制御する出力制御手段を更に備えたことを特徴とする付記1に記載の情報受信装置。
[付記5]
前記情報送信装置は、前記空間内の画像を撮像する撮像装置であり、前記空間情報とは、前記空間における前記撮像装置の撮像範囲の画像であることを特徴とする付記1から4のいずれか一項に記載の情報受信装置。
[付記6]
夫々が識別情報を送信している複数の情報送信装置が存在する空間内で、前記識別情報を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにて前記識別情報が検出されると、検出された前記識別情報に基づいて、前記複数の情報送信装置のうち、受信すべき情報を送信する情報送信装置を特定する特定ステップと、
前記特定ステップにて特定された前記情報送信装置から前記空間に関する空間情報を受信する受信ステップと、
を含むことを特徴とする情報受信方法。
[付記7]
コンピュータを、
夫々が識別情報を送信している複数の情報送信装置が存在する空間内で、前記識別情報を検出する検出手段、
前記検出手段によって前記識別情報が検出されると、検出された前記識別情報に基づいて、前記複数の情報送信装置のうち、受信すべき情報を送信する情報送信装置を特定する特定手段、
前記特定手段によって特定された前記情報送信装置から前記空間に関する空間情報を受信する受信手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0072】
2 情報受信装置
111 取得部(情報取得手段)
112 通信制御部
113 検出部(検出手段)
114 特定部(特定手段)
115 受信部(受信手段)
116 空間画像情報生成部
117 表示制御部(表示制御手段、出力制御手段)
【手続補正書】
【提出日】2024-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報受信装置は、夫々が識別情報を送信している複数の情報送信装置が存在する空間内で、前記識別情報を検出する検出手段と、前記検出手段が複数の前記識別情報を検出した場合、検出された複数の前記識別情報に対応する複数の前記情報送信装置を受信すべき情報を送信するものとして特定する特定手段と、前記特定手段によって特定された複数の前記情報送信装置からの空間情報を夫々受信する受信手段と、前記検出された複数の前記識別情報の受信強度に基づいて、前記受信手段によって受信された複数の前記空間情報について出力を制御する出力制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
夫々が識別情報を送信している複数の情報送信装置が存在する空間内で、前記識別情報を検出する検出手段と、
前記検出手段が複数の前記識別情報を検出した場合、検出された複数の前記識別情報に対応する複数の前記情報送信装置を受信すべき情報を送信するものとして特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定された複数の前記情報送信装置からの空間情報を夫々受信する受信手段と、
前記検出された複数の前記識別情報の受信強度に基づいて、前記受信手段によって受信された複数の前記空間情報について出力を制御する出力制御手段と、
を備えたことを特徴とする情報受信装置。
【請求項2】
前記情報送信装置は、前記空間内の画像を撮像する撮像装置であり、前記空間情報とは、前記空間における前記撮像装置の撮像範囲の画像であることを特徴とする請求項1に記載の情報受信装置。
【請求項3】
夫々が識別情報を送信している複数の情報送信装置が存在する空間内で、前記識別情報を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにて複数の前記識別情報を検出した場合、検出された複数の前記識別情報に対応する複数の前記情報送信装置を受信すべき情報を送信するものとして特定する特定ステップと、
前記特定ステップにて特定された複数の前記情報送信装置からの空間情報を夫々受信する受信ステップと、
前記検出された複数の前記識別情報の受信強度に基づいて、前記受信ステップによって受信された複数の前記空間情報について出力を制御する出力制御ステップと、
を含むことを特徴とする情報受信方法。
【請求項4】
コンピュータを、
夫々が識別情報を送信している複数の情報送信装置が存在する空間内で、前記識別情報を検出する検出手段、
前記検出手段が複数の前記識別情報を検出した場合、検出された複数の前記識別情報に対応する複数の前記情報送信装置を受信すべき情報を送信するものとして特定する特定手段、
前記特定手段によって特定された複数の前記情報送信装置からの空間情報を夫々受信する受信手段、
前記検出された複数の前記識別情報の受信強度に基づいて、前記受信手段によって受信された複数の前記空間情報について出力を制御する出力制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。