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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091715
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】電子集金袋システム及び集金処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/10 20120101AFI20240628BHJP
【FI】
G06Q20/10 300
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024062986
(22)【出願日】2024-04-09
(62)【分割の表示】P 2019048735の分割
【原出願日】2019-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】植村 みゆき
(57)【要約】
【課題】電子集金袋システム及び集金処理装置の提供。
【解決手段】集金者端末及び集金対象者端末からアクセス可能なサーバ装置上に電子集金袋を生成し、生成した電子集金袋に対する入金処理及び出金処理を受付けることによって、電子集金袋による集金処理を行う電子集金袋システムであって、サーバ装置は、集金処理毎に、集金対象者、集金額、及び集金期日に関する情報を含む集金情報、並びに、集金処理の処理状況を示す処理情報を含み、識別子によって識別される電子集金袋を生成し、電子集金袋を生成した場合、電子集金袋による集金額及び集金期日に関する情報を集金対象者端末に通知し、電子集金袋への入金又は前記電子集金袋からの出金を受付けた場合、処理情報を更新し、更新後の処理情報を前記集金者端末に通知する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集金者端末及び集金対象者端末からアクセス可能なサーバ装置上に電子集金袋を生成し、生成した電子集金袋に対する入金処理及び出金処理を受付けることによって、前記電子集金袋による集金処理を行う電子集金袋システムであって、
前記サーバ装置は、
集金処理毎に、集金対象者、集金額、及び集金期日に関する情報を含む集金情報、並びに、前記集金処理の処理状況を示す処理情報を含み、識別子によって識別される電子集金袋を生成し、
前記電子集金袋を生成した場合、前記電子集金袋による集金額及び集金期日に関する情報を前記集金対象者端末に通知し、
前記電子集金袋への入金又は前記電子集金袋からの出金を受付けた場合、前記処理情報を更新し、
更新後の処理情報を前記集金者端末に通知する
電子集金袋システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
前記集金対象者に対して生成された1又は複数の電子集金袋の処理履歴を、前記集金対象者の識別子に関連付けて記憶する記憶部
を備える、請求項1に記載の電子集金袋システム。
【請求項3】
前記サーバ装置は、
前記集金期日まで前記電子集金袋への入金を受付け、前記集金期日に決済処理を実行する
請求項1又は請求項2に記載の電子集金袋システム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、
前記電子集金袋への入金を受付けた場合、前記集金期日を待たずに決済処理を実行する
請求項1又は請求項2に記載の電子集金袋システム。
【請求項5】
前記集金対象者端末は、
前記サーバ装置で生成された電子集金袋に対する閲覧要求を送信し、
前記閲覧要求に対し、未入金の電子集金袋の情報を含む検索結果を前記サーバ装置から受信し、
受信した検索結果に含まれる未入金の電子集金袋の情報に基づき、未入金の電子集金袋毎に支払ボタンを配置した表示画面を表示し、
前記支払ボタンにより選択された電子集金袋への支払いを実行する
請求項1から請求項4の何れか1つに記載の電子集金袋システム。
【請求項6】
前記集金者端末は、
前記サーバ装置で生成された電子集金袋に対する閲覧要求を送信し、
前記閲覧要求に対し、各集金対象者の電子集金袋毎の処理状況を含む検索結果を前記サーバ装置から受信し、
受信した検索結果に基づき、各集金対象者の電子集金袋毎の処理状況を一覧で表示する
請求項1から請求項5の何れか1つに記載の電子集金袋システム。
【請求項7】
集金者端末及び集金対象者端末と通信可能であり、電子集金袋を用いた集金処理を行う集金処理装置であって、
集金処理毎に、集金対象者、集金額、及び集金期日に関する情報を含む集金情報、並びに、前記集金処理の処理状況を示す処理情報を含み、識別子によって識別される電子集金袋を生成し、
前記電子集金袋を生成した場合、前記電子集金袋による集金額及び集金期日に関する情報を前記集金対象者端末に通知し、
前記電子集金袋への入金又は前記電子集金袋からの出金を受付けた場合、前記処理情報を更新し、
更新後の処理情報を前記集金者端末に通知する
集金処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子集金袋システム及び集金処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小学校、中学校などの学校において、教材費、給食費、PTA(Parent-Teacher Association)会費、写真代等の各種費用を生徒の保護者から徴収する場合、封筒状の集金袋が一般的に使用されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
例えば、小学校の先生が児童の各家庭から教材費500円を徴収する場合、先生は、集金袋の集金名目欄及び金額欄にそれぞれ「教材費」及び「500円」と記入し、児童に渡す。児童はその集金袋を家に持って帰り、これを児童の保護者に渡す。児童の保護者は、集金袋の集金名目欄及び金額欄等を確認して集金袋に教材費である500円を入れて子供に渡す。児童は教材費が入れられた集金袋を学校に持って行き、先生に渡す。先生は集金袋に所定の費用500円が入っていることを確認した後、領収印欄に捺印又はサインする。これにより、学校は児童の各家庭から教材費を集めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-203334号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような集金袋を用いて諸費用を集金する場合、児童の保護者はお釣りが出ないように小銭を用意する必要があり、煩わしさを感じることがある。また、児童に現金を持たせる必要があり、紛失の虞があるという問題点を有する。
【0006】
本発明は、現実の集金袋を用いずに集金処理を実行できる電子集金袋システム及び集金処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る電子集金袋システムは、集金者端末及び集金対象者端末からアクセス可能なサーバ装置上に電子集金袋を生成し、生成した電子集金袋に対する入金処理及び出金処理を受付けることによって、前記電子集金袋による集金処理を行う電子集金袋システムであって、前記サーバ装置は、集金処理毎に、集金対象者、集金額、及び集金期日に関する情報を含む集金情報、並びに、前記集金処理の処理状況を示す処理情報を含み、識別子によって識別される電子集金袋を生成し、前記電子集金袋を生成した場合、前記電子集金袋による集金額及び集金期日に関する情報を前記集金対象者端末に通知し、前記電子集金袋への入金又は前記電子集金袋からの出金を受付けた場合、前記処理情報を更新し、更新後の処理情報を前記集金者端末に通知する。
【0008】
本発明の一態様に係る集金処理装置は、集金者端末及び集金対象者端末と通信可能であり、電子集金袋を用いた集金処理を行う集金処理装置であって、集金処理毎に、集金対象者、集金額、及び集金期日に関する情報を含む集金情報、並びに、前記集金処理の処理状況を示す処理情報を含み、識別子によって識別される電子集金袋を生成し、前記電子集金袋を生成した場合、前記電子集金袋による集金額及び集金期日に関する情報を前記集金対象者端末に通知し、前記電子集金袋への入金又は前記電子集金袋からの出金を受付けた場合、前記処理情報を更新し、更新後の処理情報を前記集金者端末に通知する。
【発明の効果】
【0009】
本願によれば、現実の集金袋を用いずに集金処理を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に係る集金処理システムを説明する模式的説明図である。
図2】集金者端末の内部構成を説明するブロック図である。
図3】支払者端末の内部構成を説明するブロック図である。
図4】サーバ装置の内部構成を説明するブロック図である。
図5】集金者テーブルの一例を示す概念図である。
図6】支払者テーブルの一例を示す概念図である。
図7】電子集金袋データベースに登録される電子集金袋のデータ構造の一例を示す概念図である。
図8】集金者端末、支払者端末、及びサーバ装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
図9】実施の形態2に係る支払者端末及びサーバ装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
図10】請求内容を示す表示画面の一例を示す模式図である。
図11】支払画面の一例を示す模式図である。
図12】実施の形態3に係る集金者端末及びサーバ装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。
図13】入金状況確認画面の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る集金処理システムを説明する模式的説明図である。実施の形態1に係る集金処理システムは、集金者が使用する集金者端末10、支払者(集金対象者)が使用する支払者端末20、及び集金処理を実行するサーバ装置30を備える。集金者端末10、支払者端末20、及びサーバ装置30は、インターネット網又は専用回線などのネットワークNを介して互いに通信可能に接続される。
【0012】
本実施の形態において、例えば、学校の先生が給食費、PTA会費、写真代等の各種費用を生徒の保護者から集金することを想定した場合、集金者は学校の先生であり、集金額の支払者は生徒の保護者である。また、集金処理は銀行などの金融機関によって行われる。このため、サーバ装置30は金融機関に設置される。なお、集金者は特定の人物である必要はなく、学校などの任意の団体であってもよい。
【0013】
各種費用を集金する集金イベントが発生した場合、サーバ装置30は、電子集金袋を生成する。例えば、写真代を集金する場合、サーバ装置30は、集金者からの要求に応じて電子集金袋を生成してもよい。また、給食費、PTA会費を集金する場合のように定期的に集金を行う場合には、サーバ装置30は、月1回等の定期的なタイミングにて電子集金袋を自動生成してもよい。サーバ装置30によって生成される電子集金袋は、集金名目毎、支払者毎に生成される一時的な仮想口座であり、識別子(以下、袋IDという)と、支払者、集金額、及び集金期日に関する情報を含む集金情報と、集金処理の処理状況を示す処理情報と、各種権限を規定した権限情報とを含む。
【0014】
サーバ装置30は、電子集金袋を生成した場合、その電子集金袋の集金情報を参照し、集金額及び集金期日に関する情報を支払者に関連付けられている通知先へ通知する。ここで、支払者に関連付けられている通知先とは、例えば支払者が使用している電子メールアドレス等である。サーバ装置30が通知する集金情報は支払者端末20に表示される。
【0015】
支払者は、サーバ装置30から集金額及び集金期日に関する情報が通知された場合、電子集金袋への入金を行う。電子集金袋は金融機関の仮想口座として用意されるので、支払者は、この仮想口座へ集金額を振り込むことにより、電子集金袋に入金することができる。また、支払者が所有している口座から仮想口座への自動引き落としにより、集金額を電子集金袋に入金してもよい。
【0016】
集金額が電子集金袋に入金された場合、サーバ装置30は、決済処理を実行する。サーバ装置30は、集金期日に決済処理を実行してもよく、集金期日を待たずに決済処理を実行してもよい。サーバ装置30の決済処理により、電子集金袋を用いて集金した集金額は、電子集金袋から集金者の指定口座へ移動する。
【0017】
図2は集金者端末10の内部構成を説明するブロック図である。集金者端末10は、パーソナルコンピュータなどの端末装置であり、制御部11、記憶部12、通信部13、操作部14、及び表示部15を備える。
【0018】
制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備える。制御部11のCPUは、ROM又は記憶部12に予め記憶された各種プログラムをRAMに展開して実行することにより、上述した各種ハードウェアの動作を制御する。
【0019】
なお、制御部11は、上記の構成に限定されるものではなく、1又は複数のCPU、マルチコアCPU、マイコン等を含む任意の処理回路であればよい。また、制御部11は、日時情報を出力するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
【0020】
記憶部12は、フラッシュメモリ、ハードディスクなどを用いた記憶装置を備える。記憶部12には、制御部11によって実行される各種コンピュータプログラム、及びコンピュータプログラムの実行に必要なデータ等が記憶される。記憶部12に記憶されるコンピュータプログラムには、集金者端末10の動作全体を制御するためのプログラムであるオペレーティングシステム、集金者から各種データの入力を受付けるためのアプリケーションプログラム等が含まれる。
【0021】
なお、記憶部12に記憶されるプログラムは、当該プログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体により提供されてもよい。記録媒体は、例えば、CD-ROM、USBメモリ、SD(Secure Digital)カード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)などの可搬型メモリである。この場合、制御部11は、不図示の読取装置を用いて記録媒体から各種プログラムを読み取り、読み取った各種プログラムを記憶部12にインストールすることが可能である。また、記憶部12に記憶されるプログラムは、通信部13を介した通信により提供されてもよい。この場合、制御部11は、通信部13を通じて各種プログラムを取得し、取得した各種プログラムを記憶部12にインストールすることができる。
【0022】
通信部13は、ネットワークNに接続するための接続インタフェースを備える。通信部13は、サーバ装置30等から送信される情報をネットワークNを通じて受信した場合、受信した情報を制御部11へ出力する。制御部11は、通信部13を通じて受信した情報に基づき、適宜の処理を実行する。また、通信部13は、サーバ装置30等へ送信すべき情報を制御部11から取得した場合、ネットワークNを通じてサーバ装置30等へ送信する。
【0023】
操作部14は、キーボード、マウスなどの入力インタフェースを備えており、集金者による操作を受付ける。表示部15は、液晶ディスプレイ装置などを備えており、集金者に対して報知すべき情報を表示する。
【0024】
図3は支払者端末20の内部構成を説明するブロック図である。支払者端末20は、スマートフォン、パーソナルコンピュータなどの端末装置であり、制御部21、記憶部22、通信部23、操作部24、及び表示部25を備える。
【0025】
制御部21は、例えば、CPU、ROM、RAM等を備える。制御部21のCPUは、ROM又は記憶部22に予め記憶された各種プログラムをRAMに展開して実行することにより、上述した各種ハードウェアの動作を制御する。
【0026】
なお、制御部21は、上記の構成に限定されるものではなく、1又は複数のCPU、マルチコアCPU、マイコン等を含む任意の処理回路であればよい。また、制御部21は、日時情報を出力するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
【0027】
記憶部22は、フラッシュメモリ、ハードディスクなどを用いた記憶装置を備える。記憶部22には、制御部21によって実行される各種コンピュータプログラム、及びコンピュータプログラムの実行に必要なデータ等が記憶される。記憶部22に記憶されるコンピュータプログラムには、支払者端末20の動作全体を制御するためのプログラムであるオペレーティングシステム、支払者から各種データの入力を受付けるためのアプリケーションプログラム等が含まれる。
【0028】
なお、記憶部22に記憶されるプログラムは、当該プログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体により提供されてもよい。記録媒体は、例えば、CD-ROM、USBメモリ、SDカード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュなどの可搬型メモリである。この場合、制御部21は、不図示の読取装置を用いて記録媒体から各種プログラムを読み取り、読み取った各種プログラムを記憶部22にインストールすることが可能である。また、記憶部22に記憶されるプログラムは、通信部23を介した通信により提供されてもよい。この場合、制御部21は、通信部23を通じて各種プログラムを取得し、取得した各種プログラムを記憶部22にインストールすることができる。
【0029】
通信部23は、ネットワークNに接続するための接続インタフェースを備える。通信部23は、サーバ装置30等から送信される情報をネットワークNを通じて受信した場合、受信した情報を制御部21へ出力する。制御部21は、通信部23を通じて受信した情報に基づき、適宜の処理を実行する。また、通信部23は、サーバ装置30等へ送信すべき情報を制御部21から取得した場合、ネットワークNを通じてサーバ装置30等へ送信する。
【0030】
操作部24は、キーボード、マウスなどの入力インタフェースを備えており、支払者による操作を受付ける。表示部25は、液晶ディスプレイ装置などを備えており、支払者に対して報知すべき情報を表示する。
【0031】
図4はサーバ装置30の内部構成を説明するブロック図である。サーバ装置30は、例えば、制御部31、記憶部32、通信部33、操作部34、及び表示部35を備える。
【0032】
制御部31は、例えば、CPU、ROM、RAM等を備える。制御部31のCPUは、ROM又は記憶部32に予め記憶された各種プログラムをRAMに展開して実行することにより、上述した各種ハードウェアの動作を制御し、装置全体を本願の集金処理装置として機能させる。
【0033】
また、制御部31は、日時情報を出力するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
【0034】
記憶部32は、フラッシュメモリ、ハードディスクなどを用いた記憶装置を備える。記憶部32には、制御部31によって実行される各種コンピュータプログラム、及び各種データが記憶される。
【0035】
記憶部32に記憶されるコンピュータプログラムには、サーバ装置30の動作全体を制御するためのコンピュータプログラムであるオペレーティングシステムの他、集金処理プログラム320が含まれる。この集金処理プログラム320は、集金イベントに応じて電子集金袋を生成する処理、集金額及び集金期日を集金対象者へ通知する処理等をサーバ装置30に実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0036】
なお、記憶部32に記憶されるプログラムは、当該プログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体Mにより提供されてもよい。記録媒体Mは、例えば、CD-ROM
、USBメモリ、SDカード、マイクロSDカード、コンパクトフラッシュなどの可搬型メモリである。この場合、制御部31は、不図示の読取装置を用いて記録媒体Mから各種プログラムを読み取り、読み取った各種プログラムを記憶部32にインストールすることが可能である。また、記憶部32に記憶されるプログラムは、通信部33を介した通信により提供されてもよい。この場合、制御部31は、通信部33を通じて各種プログラムを取得し、取得した各種プログラムを記憶部32にインストールすることができる。
【0037】
また、記憶部32は、集金者に関する情報が登録される集金者テーブル321、支払者に関する情報が登録される支払者テーブル322、及び電子集金袋のデータが登録される電子集金袋データベース323を有する。集金者テーブル321、支払者テーブル322、及び電子集金袋データベース323については後に詳述する。
【0038】
通信部33は、ネットワークNに接続するための接続インタフェースを備える。通信部33は、集金者端末10、支払者端末20等から送信される情報をネットワークNを通じて受信した場合、受信した情報を制御部31へ出力する。制御部31は、通信部33を通じて受信した情報に基づき、適宜の処理を実行する。また、通信部33は、集金者端末10、支払者端末20等へ送信すべき情報を制御部31から取得した場合、ネットワークNを通じて集金者端末10、支払者端末20等へ送信する。
【0039】
操作部34は、キーボード、マウスなどの入力インタフェースを備えており、勤務者による操作を受付ける。表示部35は、液晶ディスプレイ装置などを備えており、勤務者に対して報知すべき情報を表示する。なお、本実施の形態では、サーバ装置30が操作部34及び表示部35を備える構成としたが、操作部34及び表示部35は必須ではなく、外部に接続されたコンピュータを通じて操作を受付け、通知すべき情報を外部のコンピュータへ出力する構成であってもよい。
【0040】
なお、本実施の形態では、簡略化のために、サーバ装置30を1つの装置として記載したが、複数の処理装置により構成されてもよく、1又は複数の仮想マシンにより構成されるものであってもよい。
【0041】
図5は集金者テーブル321の一例を示す概念図である。集金者テーブル321には集金者に関する情報が登録される。集金者テーブル321に登録される情報は、例えば、集金者ID、集金者氏名、集金者の所属、集金者が使用しているメールアドレス、集金者が指定した口座の情報等が含まれる。
【0042】
図6は支払者テーブル322の一例を示す概念図である。支払者テーブル322には支払者に関する情報が登録される。支払者テーブル322に登録される情報は、例えば、支払者ID、支払者氏名、生徒氏名、学校名、学年、クラス、出席番号、支払者が使用しているメールアドレス、支払者が指定した口座の情報等が含まれる。
【0043】
図7は電子集金袋データベース323に登録される電子集金袋のデータ構造の一例を示す概念図である。電子集金袋は、袋IDが登録されるフィールドと、集金情報が登録されるフィールドと、処理情報が登録されるフィールドと、権限情報が登録されるフィールドとを備える。袋IDは、各電子集金袋を識別する識別子である。集金情報は、支払者、集金額、及び集金期日の情報を含む。集金情報は、更に集金名目及び集金者の情報等を含んでもよい。処理情報は、未入金、入金済、決済完了等のステータス、入金日、決済完了日等の処理日の情報を含む。権限情報は、入金権限、出金権限、参照権限を含む処理権限の情報である。
【0044】
サーバ装置30は、集金者からの要求等に応じて、上述の各フィールドを備える電子集金袋を生成し、必要な情報を各フィールドに登録する。電子集金袋は、サーバ装置30による集金処理に用いられる。ここで、サーバ装置30による集金処理には、電子集金袋が生成される都度、集金情報を参照して、集金額及び集金期日に関する情報を支払者に関連付けられた通知先へ通知する処理、入金権限を満たす入金処理又は出金権限を満たす出金処理を受付けた場合、処理情報を更新する処理、及び参照権限を満たす参照要求に応じて、集金情報及び処理情報の少なくとも1つを読み出して出力する処理が含まれる。
【0045】
図7に例示する電子集金袋は、「#123」の袋IDを有し、「P001」の支払者IDにより識別される支払者(Aさん)から「写真代」を集金するために生成された電子集金袋であることを示している。また、この電子集金袋による集金者は、「C001」の集金者IDにより識別される集金者(Xさん)であることを示している。この電子集金袋の生成に応じて、支払者には、集金額(例えば525円)及び集金期日(2018年11月20日)の情報がサーバ装置30から通知される。集金額及び集金期日の情報が通知された後、電子集金袋への入金処理、電子集金袋からの出金処理、及び決済処理が行われる。なお、これらの処理は、設定された処理権限を有する者によって実行される。入金処理、出金処理、又は決済処理が実行された場合、電子集金袋の処理情報(ステータス及び処理日)が更新される。例えば、袋IDが「#123」の電子集金袋に関して入金処理が行われた場合、ステータスは「未入金」から「入金済」に更新され、処理日は入金が完了した日付(例えば2018年11月10日)に更新される。また、サーバ装置30により決済処理が完了した場合、ステータスは「入金済」から「決済完了」に更新され、処理日は決済が完了した日付に更新される。
【0046】
以下、本実施の形態に係る集金処理システムの動作について説明する。
図8は集金者端末10、支払者端末20、及びサーバ装置30が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。集金者端末10の制御部11は、操作部14を通じて、支払者、集金額、及び集金期日に関する情報を含む集金情報を受付ける(ステップS101)。制御部11は、支払者に関する情報として、例えば、支払者の氏名、支払者が使用している電子メールアドレス、支払者の口座情報等を受け付けてもよい。また、支払者に関する情報がサーバ装置30の支払者テーブル322に登録済みである場合、制御部11は、支払者に関する情報として支払者IDを受け付けてもよい。更に、制御部11は、複数の支払者を指定するグループIDを受け付け、グループに属する複数の支払者のそれぞれから集金する集金額の情報と、集金期日の情報とを受け付けてもよい。
【0047】
次いで、集金者端末10の制御部11は、通信部13を通じて、支払者、集金額、及び集金額等の情報を含む集金要求をサーバ装置30へ送信する(ステップS102)。
【0048】
サーバ装置30の制御部31は、通信部33を通じて、集金者端末10から送信される集金要求を受信した場合(ステップS103)、電子集金袋を生成する(ステップS104)。このとき、制御部31は、電子集金袋に割り当てる袋IDを発行し、発行した袋ID、並びに、集金情報、処理情報、及び権限情報を含む電子集金袋を生成する。袋ID、集金情報、処理情報、及び権限情報は上述した各フィールドに入力され、電子集金袋として電子集金袋データベース323に登録される。なお、権限情報に含まれる入金権限は支払者に付与され、出金権限は金融機関(サーバ装置30)に付与され、参照権限は支払者及び集金者に付与される。
【0049】
制御部31は、電子集金袋を生成した場合、集金情報を参照して、集金額及び集金期日の情報を支払者に通知する(ステップS105)。このとき、制御部31は、集金額及び集金期日の情報を含み、支払者の電子メールアドレスを宛先とした電子メールを通信部33より送信する。なお、支払者の電子メールアドレスは、支払者IDに関連付けられて支払者テーブル322に登録されている。
【0050】
支払者端末20の制御部21は、通信部23を通じて、集金額及び集金期日の情報を含む通知をサーバ装置30から受信し(ステップS106)、通知に含まれる集金額及び集金期日の情報を表示部25に表示する(ステップS107)。
【0051】
サーバ装置30の制御部31は、集金額及び集金期日の情報を送信した後、電子集金袋への入金を待ち受ける。制御部31は、入金処理を受付ける際に、入金者の入金権限を確認してもよい。例えば、制御部31は、ユーザID及びパスワード等を用いてユーザ認証を行い、ユーザ認証により特定されたユーザと、電子集金袋の権限情報(入金権限)に設定された権限者との異同を判断することにより、入金権限を確認することができる。電子集金袋への入金が行われた場合、制御部31は、その電子集金袋における処理情報(ステータス及び処理日)を更新する(ステップS108)。
【0052】
なお、電子集金袋への入金は、金融機関における一般的な振り込み処理と同様の処理にて実施される。また、サーバ装置30は、電子集金袋への入金方法について支払者の選択を受け付けてもよい。例えば、サーバ装置30は、クレジット決済、電子マネー決済、仮想通過決済、有価ポイントによる決済等を選択する選択画面を、支払者端末20の表示部25に表示させ、支払者により選択された決済方法を利用して、電子集金袋への入金を受け付けてもよい。
【0053】
更に、集金額が比較的高額となる場合等において、サーバ装置30は、電子集金袋への入金を複数回に分けて受け付けてもよい。
【0054】
次いで、制御部31は、適宜のタイミングにて決済処理を実行する(ステップS109)。制御部31は、電子集金袋から集金額を出金し、集金者により指定された口座に入金することによって、決済処理を実行する。制御部31は、集金期日の当日に決済処理を実行してもよく、集金期日を待たずに決済処理を実行してもよい。更に、集金額が比較的高額であり、複数回に分けて電子集金袋への入金を受付ける場合、制御部31は、入金額の合計が集金額に達したことを受けて決済処理を実行してもよい。制御部31は、決済処理を実行した後、電子集金袋における処理情報(ステータス及び処理日)を更新する(ステップS110)。決済処理が完了した場合、制御部31は、通信部33を通じて、決済が完了した旨の通知を集金者端末10へ送信する(ステップS111)。
【0055】
集金者端末10の制御部11は、通信部13を通じて、決済が完了した旨の通知をサーバ装置30から受信し(ステップS112)、受信した通知を表示部15に表示する(ステップS113)。
【0056】
以上のように、本実施の形態に係るサーバ装置30は、集金名目毎、支払者毎に電子集金袋を生成し、電子集金袋を用いて集金処理を実行するので、現実の集金袋を用いることなく集金処理を実行できる。このため、子供に現金を持たせる心配がなくなり、集金の都度、お釣りが出ないよう小銭を用意する必要がなくなる。
【0057】
(実施の形態2)
実施の形態2では、支払者端末20からの閲覧要求に応じて、支払者への請求内容をサーバ装置30から支払者端末20に通知する構成について説明する。
【0058】
図9は実施の形態2に係る支払者端末20及びサーバ装置30が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。支払者端末20の制御部21は、操作部24を通じて、支払者への請求内容に係る閲覧要求を受付けた場合(ステップS201)、通信部23を通じて、支払者IDを含む閲覧要求をサーバ装置30へ送信する(ステップS202)。
【0059】
サーバ装置30の制御部31は、通信部33を通じて、請求内容の閲覧要求を受信した場合(ステップS203)、閲覧要求に含まれる支払者IDを検索キーとして、ステータスが「未入金」の電子集金袋を電子集金袋データベース323から検索する(ステップS204)。このとき、制御部31は閲覧権限を確認してもよい。例えば、制御部31は、ユーザID及びパスワード等を用いてユーザ認証を行い、ユーザ認証により特定されたユーザと、電子集金袋の権限情報(閲覧権限)に設定された権限者との異同を判断することにより、閲覧権限を確認することができる。検索結果が得られた場合、制御部31は、通信部33を通じて、検索結果を支払者端末20へ返信する(ステップS205)。
【0060】
支払者端末20の制御部21は、通信部23を通じて、サーバ装置30から送信される検索結果を受信する(ステップS206)。制御部21は、サーバ装置30の検索結果を元に、請求内容を示す表示画面を生成し、生成した表示画面を表示部25に表示する(ステップS207)。
【0061】
図10は請求内容を示す表示画面の一例を示す模式図である。図10に示す請求画面250は、特定の支払者(例えば、支払者ID「P001」の支払者)への請求内容を示している。この例では、袋ID「#123」の電子集金袋を用いて実施される請求と、袋ID「#456」の電子集金袋を用いて実施される請求とが示されている。各請求には、支払ボタン251,252がそれぞれ割り当てられている。支払ボタン251,252は、操作部24を用いて操作可能なソフトウェアボタンである。支払ボタン251,252が操作された場合、制御部21は、表示部25における表示を支払画面260(図11を参照)に遷移させる。また、図10に示す請求画面250には、支払いを行わずに画面を閉じる操作を受付けるために、クローズボタン253が配置されている。
【0062】
図11は支払画面260の一例を示す模式図である。図11に示す支払画面260は、上述の請求画面250において支払ボタン251が操作された場合に、表示部25に表示される表示画面の一例を示している。支払画面260には、支払いを開始させるスタートボタン261と、支払いを開始させずに画面を閉じるクローズボタン262とが配置されている。スタートボタン261及びクローズボタン262は、操作部24を用いて操作可能なソフトウェアボタンである。スタートボタン261が操作された場合、制御部21は、通信部23を通じて、袋ID「#123」を指定した支払開始指示をサーバ装置30へ送信する。支払開始指示を受信したサーバ装置30は、支払者テーブル322に登録されている支払者の口座情報を参照し、支払者の口座から袋ID「#123」の電子集金袋へ集金額を入金させる。一方、クローズボタン262が操作された場合、制御部21は、支払処理を実行することなく、支払画面260を閉じる処理を実行する。
【0063】
以上のように、本実施の形態では、支払者からの閲覧要求に応じて、請求内容を支払者端末20の表示部25に表示させることができる。
【0064】
(実施の形態3)
実施の形態3では、集金者端末10からの閲覧要求に応じて、入金状況をサーバ装置30から集金者端末10に通知する構成について説明する。
【0065】
図12は実施の形態3に係る集金者端末10及びサーバ装置30が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。集金者端末10の制御部11は、操作部14を通じて、入金状況に係る閲覧要求を受付けた場合(ステップS301)、通信部23を通じて、集金者IDを含む閲覧要求をサーバ装置30へ送信する(ステップS302)。
【0066】
サーバ装置30の制御部31は、通信部33を通じて、入金状況の閲覧要求を受信した場合(ステップS303)、閲覧要求に含まれる集金者IDを検索キーとして、集金者IDに関連付けられている電子集金袋を電子集金袋データベース323から検索する(ステップS304)。このとき、制御部31は閲覧権限を確認してもよい。例えば、制御部31は、ユーザID及びパスワード等を用いてユーザ認証を行い、ユーザ認証により特定されたユーザと、電子集金袋の権限情報(閲覧権限)に設定された権限者との異同を判断することにより、閲覧権限を確認することができる。検索結果が得られた場合、制御部31は、通信部33を通じて、検索結果を集金者端末10へ返信する(ステップS305)。
【0067】
集金者端末10の制御部11は、通信部13を通じて、サーバ装置30から返信される検索結果を受信する(ステップS306)。制御部11は、サーバ装置30の検索結果を基に、入金状況を示す表示画面を生成し、生成した表示画面を表示部15に表示する(ステップS307)。
【0068】
図13は入金状況確認画面の一例を示す模式図である。図13に示す入金状況確認画面では、各支払者の入金状況が一覧により表示されている。集金額の合計を集金者端末10又はサーバ装置30において計算し、計算結果を併せて表示してもよい。また、集金名目毎の入金状況を一覧により表示してもよい。
【0069】
以上のように、本実施の形態では、集金者からの閲覧要求に応じて、入金状況を集金者端末10の表示部15に表示させることができる。
【0070】
今回開示された実施形態は、全ての点において例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0071】
10 集金者端末
20 支払者端末
30 サーバ装置
11,21,31 制御部
12,22,32 記憶部
13,23,33 通信部
14,24,34 操作部
15,25,35 表示部
320 集金処理プログラム
321 集金者テーブル
322 支払者テーブル
323 電子集金袋データベース
図1
図2
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