IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テイ・エス テック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-車両用内装材 図1
  • 特開-車両用内装材 図2
  • 特開-車両用内装材 図3
  • 特開-車両用内装材 図4
  • 特開-車両用内装材 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091732
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】車両用内装材
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20240628BHJP
   B60R 13/02 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
B60R16/02 630L
B60R13/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024064005
(22)【出願日】2024-04-11
(62)【分割の表示】P 2023073276の分割
【原出願日】2017-10-13
(71)【出願人】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大島 祐貴
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼塚 招次
(72)【発明者】
【氏名】松本 直也
(72)【発明者】
【氏名】草野 惇至
(57)【要約】
【課題】 突起を備えた車両用内装材において、突起の位置を視認し易くする。
【解決手段】 基部39及び基部の表面に設けられた突起40、41を備えた基材36と、基材の表面を覆うフィルム37とを有し、フィルムはシート状をなし、他の部分に比べて肉厚の異なる識別部42を備え、識別部は突起部の表面に設けられている。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部及び前記基部の表面に設けられた突起を備えた基材と、
前記基材の表面を覆うフィルムと、
前記突起への接触を検知するセンサと、
前記基材の裏面側に設けられた発光素子と、
前記基材の裏面側に設けられ、前記発光素子を保持するホルダと、
前記センサによって前記接触が検知されたときに、前記突起に振動を発生させる振動発生装置と、を有し、
前記ホルダは有底な筒状の本体部を有し、
前記発光素子は前記本体部の底壁に設けられ、
前記本体部は前記センサの前記基材の表裏方向裏側に位置し、且つ、前記センサに向かって開口するように配置され、
前記振動発生装置は前記基材の表裏方向視において、前記センサの側方に配置されている車両用内装材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電装部品を制御するためのスイッチを備えた車両用内装材に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用ドアのアームレストを形成するドアトリムであって、上面に窓の開閉やバックミラーの調整のためのスイッチが設けられたものがある(例えば、特許文献1)。特許文献1のドアトリムは、基材と、基材の上面に設けられた発泡体層と、発泡体層の表面を覆う表皮部材とを備えている。発泡体層の所定の位置に上方に突出する突起が設けられ、その突起にメンブレンスイッチが埋め込まれている。乗員は突起によって、メンブレンスイッチの位置を理解することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第5448028号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような突起は、意匠性の観点から、突出量を小さくすることが望ましい。しかし、突出量を小さくすると、突起が判別しにくくなり、スイッチの位置が分かりにくくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、以上の背景を鑑み、突起を備えた車両用内装材において、突起の位置を視認し易くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、車両用内装材(25)であって、基部(39)及び前記基部の表面に設けられた突起(40、41)を備えた基材(36)と、前記基材の表面を覆うフィルム(37)とを有し、前記フィルムはシート状をなし、他の部分に比べて肉厚の異なる識別部(42)を備え、前記識別部は前記突起部の表面に設けられていることを特徴とする。
【0007】
この態様によれば、フィルムの透過性や濃淡はその厚さに依存しているため、突起の表面に透過性や濃淡が他の部分と異なる部分が設けられる。そのため、乗員が容易に突起の位置を容易に視認することができる。
【0008】
上記の態様において、前記識別部は他の部分に比べて薄肉であるとよい。
【0009】
この態様によれば、フィルムを基材に結合させるときに、フィルムを伸張させて突起の表面に結合させることによって、厚さの異なる部分を容易に設けることができる。
【0010】
上記の態様において、前記識別部は、前記突起の稜線(43)に設けられているとよい。
【0011】
この態様によれば、稜線に沿って識別部が設けられることによって、突起部の形状がより明瞭になる。
【0012】
上記の態様において、前記識別部は、前記突起の外縁(44)に沿って設けられているとよい。
【0013】
この態様によれば、突起の輪郭が明瞭となる。
【0014】
上記の態様において、前記基材と前記フィルムとは、真空圧空成形によって結合されているとよい。
【0015】
この態様によれば、基材とフィルムとを結合させるときに、フィルムの肉厚が突起の外縁及び稜線に沿って薄くなるため、フィルムに容易に識別部を設け、識別部を突起の外縁及び稜線に沿って配置することができる。
【0016】
上記の態様において、前記フィルムは透過する有色材料層を有するとよい。
【0017】
この態様によれば、フィルムの識別部がより明瞭になる。
【0018】
上記の態様において、前記基材の裏面において、前記突起の裏側に乗員の前記突起への接触を検知する静電容量センサ(54)を備えるとよい。
【0019】
この態様によれば、センサの位置を理解することができるように、基材によって静電容量センサを覆うことができる。
【0020】
上記の態様において、前記突起は前記基材と一体に成形されているとよい。
【0021】
この態様によれば、突起と基材との結合が強固になり、突起と基材との分離を防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の態様によれば、基部及び突起を備えた基材と、基材の表面を覆うフィルムとを有し、フィルムはシート状をなし、他の部分に比べて肉厚の異なる識別部を備え、識別部は突起部の表面に設けられている態様によれば、突起の表面に透過性や濃淡が他の部分と異なる部分が設けられるため、乗員が容易に突起の位置を容易に視認することができる。
【0023】
上記の態様において、識別部は他の部分に比べて薄肉である態様によれば、フィルムを伸張させて突起の表面に結合させることによって、識別部を容易に形成し、且つ、突起の表面に設けることができる。
【0024】
上記の態様において、識別部が突起の稜線に設けられている態様によれば、突起部の形状が明瞭になる。
【0025】
上記の態様において、識別部は、突起の外縁に沿って設けられていると態様によれば、突起の輪郭が明瞭となる。
【0026】
上記の態様において、基材とフィルムとが真空圧空成形によって結合されている態様によれば、基材とフィルムとを結合させるときに、フィルムの肉厚が突起の外縁及び稜線に沿って薄くなるため、フィルムに容易に識別部を設け、識別部を突起の外縁及び稜線に沿って配置することができる。
【0027】
上記の態様において、フィルムは透過する有色材料層を有する態様によれば、フィルムの識別部がより明瞭になる。
【0028】
上記の態様において、基材の裏面において、突起の裏側に乗員の前記突起への接触を検知する静電容量センサを備えると態様によれば、静電容量センサの位置を理解することができるように、基材によって静電容量センサを覆うことができる。
【0029】
上記の態様において、突起は基材と一体に成形されている態様によれば、突起と基材との結合が強固になり、突起と基材との分離を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】実施形態に係る切替装置が車両において、標準位置にある乗物用シートに乗員が着座したときの側面図、及び、突起部の拡大図
図2】リラックス位置にある乗物用シートに乗員が着座したときの側面図、及び、突起部の拡大図
図3】乗物用シートが標準位置にあり、乗員が着座していないときの側面図
図4】ドアトリム上部の車外側の側面図
図5図4のIV-IV断面図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本発明を、自動走行可能な自動車の右前席の乗物用シートの車外側に位置するドアの車両用内装材(ドアトリムの加飾部材)に適用した実施形態を説明する。
【0032】
乗物用シート1は、図1に示すように、車室2のフロア3に載置されている。乗物用シート1の車外側の側方には、右前席用のドア4が設けられている。乗物用シート1は、乗員の臀部及び大腿部を支持するシートクッション5と、シートクッション5の後端側に設けられた背もたれとして機能するシートバック6と、シートバック6の上端側に設けられたヘッドレスト7と、シートクッション5の前端に設けられたオットマン8とを備えている。シートクッション5の上面には乗員が着座する着座面9が形成され、シートバックの前面には乗員が上半身を支持する背もたれ面10が形成されている。乗物用シート1は複数の電動モータ11を備え、電動モータ11の駆動によって、乗物用シート1は標準位置(図1)と、標準位置からシートバック6及びオットマン8がシートクッション5に対して傾動したリラックス位置(図2)との間で変位する。
【0033】
図1に示すように、乗物用シート1が標準位置にあるとき、着座面9は概ね水平をなしている。シートバック6は鉛直方向に対して5~20度程度後傾し、背もたれ面10は略前方を向いている。オットマン8は大部分がシートクッション5の下方に配置され、略鉛直に垂下している。
【0034】
図2に示すように、乗物用シート1はリラックス位置にあるとき、標準位置にあるときに比べてフロア3に対して後方に移動している。シートバック6は乗物用シート1が標準位置にあるときに比べて約40度後傾し、背もたれ面10は前上方を向いている。また、オットマン8はシートクッション5に対して前方に突出し、着座面9に連続する支持面12を形成している。着座した乗員の足は支持面12に支持される。更に、シートクッション5の前端は、後端に比べて上方にあり、着座面9は後方に向かうにつれて下方に傾斜している。
【0035】
車体15には、乗員からの乗物用シート1の位置の切替を指示する入力を受け付け、その切替を実行する切替装置16と、電動モータ11の駆動を制御するモータ制御装置17とが設けられている。モータ制御装置17は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されている。モータ制御装置17は、切替装置16からの信号を受信して、その信号に応じて、電動モータ11を駆動し、乗物用シート1の位置を標準位置とリラックス位置との間で変位させる。また、切替装置16からの信号に応じて、電動モータ11の変位を読み取り、乗物用シート1の位置(リラックス位置、又は、標準位置)を切替装置16に出力する。
【0036】
切替装置16は、乗物用シート1に設けられ、乗員の着座を検知する着座センサ20と、それぞれ車室2の内壁21に設けられるリラックススイッチ22及び復帰スイッチ23と、両スイッチ22、23への入力及び着座センサ20からの信号に応じて、モータ制御装置17を駆動させる切替制御装置24と、リラックススイッチ22及び復帰スイッチ23を車内側から覆う加飾部材25とを備える。リラックススイッチ22は、乗物用シート1を標準位置からリクライニング位置に変位させるときに乗員が操作するスイッチであり、復帰スイッチ23は乗物用シート1をリクライニング位置から標準位置に変位させるときに乗員が操作するスイッチである。
【0037】
着座センサ20は乗員が着座している場合にはオンとなり、乗員が着座していない場合にはオフとなるスイッチに相当する。本実施形態では、着座センサ20はシート状をなす公知のメンブレンスイッチによって構成され、乗物用シート1のシートクッション5の着座面9に沿って配置されている。着座センサ20は、着座面9に加わる上方からの荷重が、乗員からの荷重に対応する所定の値以上になるとオンになるように構成されている。
【0038】
図1及び図2に示すように、リラックススイッチ22及び復帰スイッチ23は共に、右前席用のドア4のドアトリム26に設けられている。
【0039】
ドアトリム26は樹脂材料から形成された車両用内装材であり、車室2の内壁21を構成している。ドアトリム26は、ドアの骨格部材であるドアパネル27の車内側面を覆うように設けられている。ドアトリム26は、面が左右を向き、ドアパネル27の車内側に配置されたトリム本体部28と、トリム本体部28の周縁から車外側に突出し、ドアパネル27の車内側面における縁部に当接するトリム縁壁部(不図示)とを有する。トリム縁壁部は、トリム本体部28の周縁に沿って延びて、所定の位置でドアパネル27に締結されている。トリム本体部28の前下部には、スピーカ29が設けられている。トリム本体部28には車幅方向に貫通する開口部30が形成されている。開口部30は前後に延び、その後端において後上方に屈曲した態様をなしている。
【0040】
図4及び図5に示すように、加飾部材25はトリム本体部28の開口部30に設けられている。加飾部材25は無色透明な樹脂によって形成された基材36と、基材36を車内側から被覆するフィルム37とを備える。
【0041】
図3に示すように、基材36は、主面が車幅方向を向く板状をなす板部39と、板部39から突出する2つの突起部40、41とを備える。板部39は、前後に延び、その後端において後上方に屈曲し、概ね開口部30と同形をなしている。突起部40は略円柱状をなしている。一方の突起部40は板部39の前部前端から車内側に向けて突出し、他方の突起部41は板部39の後部上端の車内側壁面から車内側に向けて突出している。本実施形態では、突起部40、41と板部39とは一体に成形されている。
【0042】
図5に示すように、フィルム37は透過する有色材料層(本実施形態では、青色)を有する樹脂によって形成され、透過性を有し、十分薄い可撓性を有するシート状部材である。フィルム37は裏面に設けられ粘着剤を介して、基材36の車内側壁面に接着されている。フィルム37は概ね一定の厚さを有し、識別部42においてのみ他の部分に比べて肉厚が薄くなっている。識別部42は突起部40、41の突端の稜線部分43(山折れ部)、及び、突起部40、41の基端に位置する外縁44(谷折れ部)に沿って円環状に設けられている。
【0043】
フィルム37の色は肉厚に依存する。肉厚の薄い識別部42では、他の部分に比べて、その色が薄くなる。特に、フィルム37は透過する有色材料層を有する樹脂によって形成されているため、その色の違いがより明瞭となる。識別部42が稜線部分43に沿って設けられているため、突起部40、41の稜線部分43の色が他の部分に比べて薄くなる。また、識別部42が突起部40、41の外縁44に沿って設けられるため、突起部40、41の輪郭の色が他の部分に比べて薄くなる。そのため、乗員が突起部40、41の形状及びその位置を視認し易くなる。
【0044】
本実施形態では、フィルム37は真空圧空成形法によって、基材36に貼り付けられている。真空圧空成形法とは、フィルム37を基材36に対向するように真空チャンバにセットして、基材36を押し上げてフィルム37の裏面に押し当て、チャンバ内を真空とした後に、真空チャンバ内に大気を導入してフィルム37に基材36に密着させるように圧力を加える公知の方法である。真空圧空成形法を用いると、フィルム37は突起部40、41に結合するときに、その形状に合うように引き延ばされるため、突起部40、41の稜線部分43及び外縁44において薄肉となる。これによって、フィルム37に肉厚の薄い識別部42を形成することができ、且つ、その識別部42を突起部40、41の稜線部分43及び外縁44に沿って設けることができる。但し、本実施形態では、フィルム37は真空圧空成形法によって、基材36に貼り付けられていたが、この方法には限定されず、フィルム37が突起部40、41に形状に合うように引き延ばされて、稜線部分43及び外縁44において薄肉となる方法であれば、いかなる方法であってもよい。
【0045】
図4に示すように、加飾部材25は開口部30の全体を車外側から塞ぐように配置されている。加飾部材25は開口部30に嵌め込まれ、トリム本体部28に結合している。本実施形態では、加飾部材25とトリム本体部28とをより確実に結合させるため、加飾部材25の下縁には、トリム本体部28の車外側壁面に沿って下方に延びる複数の締結部45が設けられ、締結部45はそれぞれトリム本体部28の車外側壁面に締結されている。
【0046】
図4に示すように、リラックススイッチ22は、加飾部材25の車外側の壁面であって、前側に位置する突起部40の車外側に結合し、加飾部材25に車内側から覆われている。図1に示すように、リラックススイッチ22は、乗物用シート1の車外側に位置する車室2の内壁21において、標準位置にある乗物用シート1の背もたれ面10の前方に位置している。より詳細には、リラックススイッチ22は、標準位置にある乗物用シート1に、胸部が前方を向くように着座し、前腕を胴体の前方に移動させたときに、乗員の手が届く位置に配置されている。
【0047】
図4に示すように、復帰スイッチ23は、加飾部材25の車外側の壁面であって、後上側に位置する突起部41の車外側に結合し、加飾部材25に車内側から覆われている。図2に示すように、復帰スイッチ23はリラックススイッチ22の後方且つ上方に位置し、リラックス位置にある乗物用シート1の背もたれ面10の前方に位置している。より詳細には、復帰スイッチ23は、リラックス位置にある乗物用シート1に乗員が背もたれ面10に背中が接触するように着座し、前腕を胴体の前方に移動させたときに、手が届く位置に配置されている。よって、復帰スイッチ23は、リラックス位置にある乗物用シート1に着座した乗員が視認できる位置に配置されている。
【0048】
図4に示すように、リラックススイッチ22及び復帰スイッチ23はそれぞれ、発光素子50が実装された基板51と、遮光部材52(図5参照)と、振動モータ53と、静電容量センサ54(図5参照)と、それら全てを支持する樹脂製のホルダ55とを備える。復帰スイッチ23はリラックススイッチ22と同様の構成を備えるため、以下では、図5を参照して、リラックススイッチ22を説明し、復帰スイッチ23については、リラックススイッチ22についての説明を援用する。
【0049】
図5に示すように、基板51は配線がプリントされたプリント基板であり、円盤状をなしている。基板の略中央には、発光素子50となる白色・表面実装型のLED素子がはんだ付けされている。本実施形態では、発光素子50は白色・表面実装型のLED素子であるが、有色の砲弾型のLED素子であってもよい。また、基板51の背面には、発光素子50を冷却するためのヒートシンクが接着されていてもよい。
【0050】
遮光部材52は、無色透明な樹脂によって形成された透過性のシート部材の表面に、黒のインクが塗布されて所定の図柄60、61が描かれることによって形成されている。図1及び図2の拡大図にはそれぞれ、遮光部材52の表面の無色透明な領域が着色されて示されている。リラックススイッチ22の遮光部材52には、図1に示すように、リラックス位置にある乗物用シート1の形状、すなわち、オットマン8がシートクッション5に対して前方に突出し、背もたれ面10が後傾した乗物用シート1の形状を示す図柄60が描かれている。図2に示すように、復帰スイッチ23の遮光部材52には、標準位置にある乗物用シート1の形状、すなわち、オットマン8が垂下し、背もたれ面が前方を向く乗物用シート1の形状を示す図柄61が描かれている。
【0051】
振動モータ53は公知の円盤状のブラシレスDCモータである。振動モータは電圧の印加によって円盤に垂直な方向に振動する。図4に示すように、各スイッチ22、23はそれぞれ2個ずつの振動モータ53を備えている。
【0052】
静電容量センサ54は略円形をなし、無色透明なシート状をなしている。静電容量センサ54はその表面に電極を備え、乗員の手とその電極との間の静電容量の変化を検出することによって、乗員の手の近接を検知する公知の静電容量式のセンサである。
【0053】
ホルダ55は、図4及び図5に示すように、筒状をなす本体部65と、本体部65の外周面に結合した2つの支持部66と、本体部65の外周縁に接続し、本体部65の軸線方向に直交する方向に延びるフランジ部67とを備える。
【0054】
図4に示すように、本体部65は車幅方向に延びる略円筒状をなしている。本体部65の内径はそれぞれ、突起部40、41の外径と概ね等しい。本体部65は車内側の開口部分が加飾部材25の車外側壁面であって、突起部40、41の車外側に対向する位置、より詳細には、本体部65の開口部分と突起部40、41とが車幅方向に重なる位置に配置されている。本体部65の車内側の開口縁70はその縁に沿って、加飾部材25の車外側壁面に接着されている。本体部65の車外側の開口縁71は、基板51の発光素子50が実装された面に結合している。本実施形態では、本体部65の車外側の開口縁71には、貫通孔74を有する円環状の底壁75が設けられている。発光素子50はその底壁75の貫通孔74に収容され、基板51は底壁75に所定の螺子を用いて締結されている。
【0055】
静電容量センサ54及び遮光部材52は、加飾部材25の車外側壁面に沿って、本体部65の車内側の開口部分と対向する位置に配置され、加飾部材25の車外側壁面に結合されている。本実施形態では、本体部65の車内側の開口縁70には、その内周に車外側へ凹む段部77が形成されている。遮光部材52は縁部において段部77に収容され、本体部65と加飾部材25の車内側壁面とに挟持されている。静電容量センサ54は遮光部材52の車内側に位置している。静電容量センサ54の車内側の面は加飾部材25の車外側壁面に接着され、静電容量センサ54の車外側の面は遮光部材52の車内側の面に接着されている。
【0056】
本実施形態では、遮光部材52の車外側の面には、薄板状の拡散材80が結合されている。拡散材80は母材となる無色透明な樹脂に光を散乱する微粒子が添加されることによって形成されている。図5に示すように、拡散材80は発光素子50と加飾部材25の車外側壁面との間に位置しているため、発光素子50から拡散材80に入射した光は拡散材80の内部の微粒子によって散乱されて、拡散する。
【0057】
支持部66は平板状をなして本体部65の側面から2つ突出している。支持部66は車幅方向を向く主面を有している。支持部66の車内側の側面には、車外側に略円盤状に凹む収容凹部85が形成されている。それぞれの収容凹部85には振動モータ53が収容されている。振動モータ53は収容凹部85において、その円形をなす面が車幅方向を向くように配置されている。振動モータ53は、収容凹部85の底壁に締結されて支持部66に結合し、ホルダ55に支持されている。収容凹部85の形状は、振動モータ53が収容凹部85に収容されたときに、振動モータ53の車内側を向く面が本体部65の車内側の開口縁70と概ね面一となるように設定されている。本実施形態では、更に、支持部66には、振動モータ53の組付を容易にするため、その上下壁又は前後壁に、収容凹部85に接続する挿入孔86が形成されている。組付時には、振動モータ53は挿入孔86を介して収容凹部85に収容することができる。
【0058】
図4に示すように、フランジ部67は本体部65の車内側の開口縁70から上下又は前後方向の所定の方向に延び、トリム本体部28の裏面に達し、トリム本体部28の裏面に締結されている。フランジ部67がトリム本体部28に締結されることによって、ホルダ55がトリム本体部28に結合している。このとき、振動モータ53は車内側の面において加飾部材25の車外側壁面に当接している。そのため、振動モータ53の振動が加飾部材25に伝わり易くなり、加飾部材25に触れた乗員に振動が伝わり易くなる。本実施形態では、更に、フランジ部67は本体部65の周縁において、加飾部材25の車外側の壁面に接着されている。図4に示すように、リラックススイッチ22のホルダ55のフランジ部67は前方及び下方に延び、前部及び下部においてそれぞれトリム本体部28の裏面に締結されている。復帰スイッチ23のホルダ55のフランジ部67は2本の帯状をなして後下方に延び、それぞれトリム本体部28の裏面に締結されている。
【0059】
切替制御装置24は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成され、リラックススイッチ22及び復帰スイッチ23それぞれの発光素子50、振動モータ53、及び静電容量センサ54と、着座センサ20と、モータ制御装置17とに所定の配線を介して接続されている。
【0060】
次に、切替装置16の動作について説明する。乗物用シート1に乗員が着座していないときには、リラックススイッチ22の発光素子50及び復帰スイッチ23の発光素子50は共に消灯している。乗物用シート1に乗員が着座すると、着座センサ20はオンとなる。着座センサ20がオンとなり、且つ、車両が自動走行しているとき、切替制御装置24は、モータ制御装置17に乗物用シート1の位置を確認するための信号を送る。切替制御装置24はモータ制御装置17から乗物用シート1の位置が標準位置にある場合に対応する信号を受信すると、所定の時間経過後に、リラックススイッチ22の発光素子50を点灯させる。このとき、前側の突起部40には、図1の拡大図における着色された部分が発光し、リラックス位置にある乗物用シート1に対応する図柄60が表示される。このとき、乗員が後側の突起部41にタッチした場合でも、切替制御装置24は反応しない(復帰スイッチ23がオフ)。
【0061】
乗員が前側の突起部40にタッチすると、そのタッチがリラックススイッチ22の静電容量センサ54によって検知される(リラックススイッチ22がオン)。切替制御装置24は、リラックススイッチ22の静電容量センサ54からタッチに対応する信号を受信すると、リラックススイッチ22の振動モータ53を駆動させる。振動モータ53の駆動によって、乗員に振動が伝わり、乗員に擬似クリック感が与えられる。これによって、乗員は静電容量センサ54によってタッチが検知されたことを認識することができる。静電容量センサ54によって、乗員の手が前側の突起部40から離れたことが検知されると、リラックススイッチ22の発光素子50を消灯させ、切替制御装置24は、モータ制御装置17に信号を送り、電動モータ11を駆動させて、乗物用シート1をリラックス位置に変位させる。
【0062】
乗物用シート1が変位し、モータ制御装置17から乗物用シート1がリラックス位置にあることを示す信号を受信すると、切替制御装置24は、所定の時間経過後に、復帰スイッチ23の発光素子50を点灯させる。これによって、図2の拡大図における着色された部分が発光し、後側の突起部41には標準位置にある乗物用シート1に対応する図柄61が表示される。このとき、乗員が前側の突起部40にタッチした場合でも、切替制御装置24は反応しないように構成されている。
【0063】
その後、乗員が後側の突起部41にタッチすると、そのタッチが復帰スイッチ23の静電容量センサ54によって検知される(復帰スイッチ23がオン)。切替制御装置24は、復帰スイッチ23の静電容量センサ54からタッチに対応する信号を受信すると、復帰スイッチ23の振動モータ53を駆動させる。振動モータ53の駆動によって、乗員に振動が伝わり、乗員に擬似クリック感が与えられる。静電容量センサ54によって、乗員の手が後側の突起部41から離れたことが検知されると、切替制御装置24は、復帰スイッチ23の発光素子50を消灯させる。切替制御装置24は、更に、モータ制御装置17に信号を送り、電動モータ11を駆動させて、乗物用シート1を標準位置に変位させる。
【0064】
変位が完了すると、切替制御装置24は、リラックススイッチ22の発光素子50を点灯させる。リラックススイッチ22の発光素子50の点灯によって、前側の突起部40に、リラックス位置にある乗物用シート1に対応する図柄60が表示される。このとき、乗員が後側の突起部41にタッチした場合でも、切替制御装置24は反応しないように構成されている。
【0065】
乗員が退座すると着座センサ20はオフとなる。このとき、切替制御装置24は、リラックススイッチ22の発光素子50及び復帰スイッチ23の発光素子50を共に消灯させる(図3)。このように、乗物用シート1に乗員が着座していないときには、2つの発光素子50が消灯するため、エネルギーの消費を抑えることができる。着座センサ20がオフであるときには、切替制御装置24は前側の突起部40及び後側の突起部41にタッチがあった場合でも反応しない(リラックススイッチ22及び復帰スイッチ23が共にオフ)ように構成されている。
【0066】
次に、加飾部材25(車両用内装材)の効果について説明する。フィルム37は透過する有色材料層を有する樹脂によって形成され、透過性や濃淡はその厚さ及びインキの特性に依存している。フィルム37の肉厚は識別部42において他の部分に比べて小さいため、識別部42はフィルム37の他の部分に比べて、光が透過し易く、色が薄くなる。識別部42が突起部40、41の表面の稜線部分43、及び外縁44に沿って設けられることによって、突起部40、41の稜線部分43及び外縁44の色が他の部分よりも薄くなる。そのため、乗員が突起部40、41の位置を容易に視認することができる。突起部40、41が設けられることで、加飾部材25によって静電容量センサ54が覆われた場合でも、乗員は静電容量センサ54の位置を容易に理解することができる。
【0067】
乗物用シート1が標準位置にあり、乗員が着座しているときには、前側の突起部40のみ点灯し、その突起部40にリラックス位置にある乗物用シート1に対応する図柄60が表示されている。乗物用シート1がリラックス位置にあり、乗員が着座しているときには、後側の突起部41のみ点灯し、その突起部41に標準位置にある乗物用シート1に対応する図柄61が表示されている。そのため、乗員が操作すべきスイッチ、及びその位置を容易に認識することができ、操作後の乗物用シート1の形状と、各スイッチの機能を容易に理解することができる。
【0068】
スイッチ22、23は乗員が前腕を胴体の前に移動させることによって、操作できる位置にあることが好ましい。乗物用シート1がリラックス位置にあるときは、標準位置にあるときに比べて、背もたれ面10は後傾し、乗員の上半身は前上方を向いている。また、図1及び図2に示すように、前腕を胴体の前に移動させた乗員の手の位置は、乗員の上半身が前方を向いている場合に比べて、前上方を向く場合の方が上方にある。乗員の上半身が前上方を向いた場合に操作される復帰スイッチ23が、上半身が前方を向いている場合に操作されるリラックススイッチ22の後方且つ上方に位置している。そのため、リラックススイッチ22の後方又は後下方に位置している場合に比べて、復帰スイッチ23の操作が容易である。
【0069】
加飾部材25が発光素子50の発光を透過させる部材によって形成されているため、乗員がその発光を加飾部材25の車内側から視認することができる。また、静電容量センサ54を用いることによって、センサを加飾部材25に露出させることなく、乗員の加飾部材25へのタッチ動作を検出することができる。このようにして、両スイッチ22、23が加飾部材25によって車内側から覆われているため、ドア4の意匠性が高められている。また、突起部40、41の車外側に設けられているため、乗員が両スイッチ22、23の位置を容易に理解することができる。
【0070】
発光素子50からの発光は、本体部65の開口に対向する加飾部材25の車外側壁面から車室2に入射する。したがって、加飾部材25の車内側壁面において、本体部65の開口の車内側に位置する領域が発光する。本体部65を筒状にすることによって、本体部65の開口に対向する部分のみを発光させることができ、発光する領域と発光しない領域とを明瞭に区分することができる。また、発光素子50と加飾部材25の車外側壁面とが離間しているため、発光素子50の光が照射される領域内の光の強度をより均一にすることができる。更に、発光素子50からの光が拡散材80によって光が散乱されるため、加飾部材25の車内側壁面において、本体部65の開口の車内側に位置する領域に到達する光の強度を均一にすることができる。そのため、加飾部材25の車内側壁面において、本体部65の開口の車内側に位置する領域を斑なく発光させることができる。
【0071】
加飾部材25の発光する領域の車外側壁面に静電容量センサ54が結合されるため、乗員の発光する領域へのタッチが静電容量センサ54によって検知され易くなる。また、加飾部材25の車外側壁面に沿って遮光部材52が配置されることによって、車外側壁面から離れて配置された場合よりも、光の回折が抑えられるため、加飾部材25の車内側壁面に遮光部材52の図柄60、61をより明瞭に表示することができる。また、振動モータ53を支持部66に設けることによって、振動モータ53を突起部40、41に近接させることができ、乗員の手に振動をより効果的に伝えることができる。
【0072】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。本実施形態では、本発明が右前席の乗物用シート1の位置を切り替えるための切替装置16に適用されていたが、後部座席の乗物用シートの切替装置に適用されてもよい。また、リラックススイッチ22及び復帰スイッチ23は共にドアトリム26に設けられていたが、車室2の内壁を構成するトリムに設けられていればよく、例えば、復帰スイッチ23をボディサイドトリム、より具体的には、前席用ドア及び後席用ドアの間のセンターピラーガーニッシュに設けてもよい。
【0073】
上記実施形態では、両スイッチ22、23は乗員からの加飾部材25へのタッチを検出する静電容量センサ54によって構成されていたが、この態様には限定されず、例えば、加飾部材25に設けられたメンブレンスイッチ又はプッシュ式のスイッチであってもよい。
【0074】
上記実施形態では、突起部40、41と板部39とは一体に成形されていたが、突起部40、41は板部39とは別体として成形された後に、突起部40、41を板部39に貼り付けられることによって形成されていてもよい。但し、突起部40、41と板部39とが一体に成形されることによって、突起部40、41と板部39との結合が強固になり、突起部40、41と板部39との分離を防止することができる。
【0075】
上記実施形態では、フィルム37は透過する有色材料層を有する樹脂によって形成されていたが、発光素子50からの光を透過させる態様であればよく、表面に木目等が印刷されていてもよい。また、識別部42は他の部分に比べて薄肉となっていたが、他の部分に比べて厚肉となっていてもよい。この場合は、熱によって収縮する樹脂を用いてフィルム37を形成し、フィルム37と基材36とを接着した後に、基材36の表面に平行にヒータを設置して加熱することによって、ヒータからの熱が伝わり易い面、すなわち、フィルム37のヒータに対向する部分を収縮させるとよい。加熱によって突起部突端面及び板部39の車外側の面に接触する部分が収縮する。一方、突起部40、41の側面は熱が伝わり難く収縮しにくいため、フィルム37の突起部40、41の側面に結合した部分が他の部分に比べて厚肉となる。これによって、他の部分に比べて厚肉な識別部42を稜線部分43及び外縁44に形成することができる。
【0076】
上記実施形態では、リラックススイッチ22の発光素子50は乗物用シート1が標準位置にあるときに常に点灯するように構成していたが、乗物用シート1が標準位置となった後、所定の時間経過後に消灯し、静電容量センサ54によってタッチが検知されたときに再度点灯するように構成してもよい。また、復帰スイッチ23の発光素子50も同様に、乗物用シート1がリラックス位置になった後、所定の時間経過後に消灯し、静電容量センサ54によってタッチが検知されたときに再度点灯するように構成してもよい。このように構成することによって、電力の消費を抑えることができる。
【符号の説明】
【0077】
25 :加飾部材(車両用内装材)
36 :基材
37 :フィルム
39 :板部(基部)
40 :突起部
41 :突起部
42 :識別部
43 :稜線部分
44 :外縁
54 :静電容量センサ
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基部及び前記基部の表面に設けられた突起を備えた基材と、
前記基材の表面を覆うフィルムと、
前記突起への接触を検知するセンサと、
前記基材の裏面側に設けられた発光素子と、
前記基材の裏面側に設けられ、前記発光素子を支持するホルダと、
前記センサによって前記接触が検知されたときに、前記突起に振動を発生させる振動発生装置と、を有し、
前記基材は前記発光素子が発する光を透過させる透光性を有し、
前記振動発生装置は前記ホルダに支持され、
前記センサが前記突起の車外側に設けられ、
前記ホルダは前記発光素子を前記突起の車外側にて支持している車両用内装材。
【請求項2】
前記ホルダは有底な筒状の本体部を有し、
前記発光素子は前記本体部の底壁に設けられ、
前記本体部は前記基材の車外側にて前記突起に向かって開口するように配置されて開口縁にて前記基材の車外側側面に結合され、前記基材の表裏方向裏側に延びるように配置されている請求項1に記載の車両用内装材。
【請求項3】
前記ホルダは前記振動発生装置を支持する支持部を備え、
前記支持部は前記本体部の外周面に結合されている請求項2に記載の車両用内装材。
【請求項4】
前記ホルダには、前記振動発生装置を収容するべく、前記基材の裏面から離反する方向に凹む収容凹部が設けられている請求項1~請求項3のいずれか1つの項に記載の車両用内装材。
【請求項5】
前記振動発生装置は前記基材の裏面に当接している請求項1~請求項4のいずれか1つの項に記載の車両用内装材。
【請求項6】
少なくとも2つの前記振動発生装置を備え、
前記センサは前記基材の表裏方向視において、2つの前記振動発生装置の間に配置されている請求項1~請求項5のいずれか1つの項に記載の車両用内装材。
【請求項7】
少なくとも2つの前記振動発生装置を備え、
前記発光素子は前記基材の表裏方向視において、2つの前記振動発生装置の間に配置されている請求項1~請求項6のいずれか1つの項に記載の車両用内装材。
【請求項8】
前記フィルムはシート状をなし、他の部分に比べて薄肉な識別部を備え、
前記識別部は前記突起の縁部に沿って設けられている請求項1~請求項7のいずれか1つの項に記載の車両用内装材。
【請求項9】
所定の図柄が描かれた透過性のシート部材によって構成され、前記基材の裏面側から前記突起に重なるように配置された遮光部材と、
前記遮光部材の裏面側に設けられ、前記発光素子からの光を拡散させる拡散材とを備える請求項1~請求項8のいずれか1つの項に記載の車両用内装材。
【請求項10】
前記拡散材は前記発光素子と前記突起との間に位置している請求項9に記載の車両用内装材。
【請求項11】
シートバック、シートクッション及びオットマンを備えた乗物用シートと、請求項1~請求項10のいずれか1つの項に記載された車両用内装材とを備えた車両であって、
前記乗物用シートを、標準位置と、前記標準位置にあるときに比べて、前記シートバックが後傾、且つ、前記オットマンが前方に突出したリラックス位置とに切り替える電気モータと、
前記センサの検知結果に基づいて、前記電気モータを制御することにより、前記乗物用シートを前記標準位置と前記リラックス位置との間で切り替える制御装置とを有する車両。