(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091747
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】サーバ装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20240628BHJP
G06Q 30/0645 20230101ALI20240628BHJP
【FI】
E05B49/00 L
G06Q30/0645
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024065115
(22)【出願日】2024-04-15
(62)【分割の表示】P 2021154926の分割
【原出願日】2019-12-02
(71)【出願人】
【識別番号】519010178
【氏名又は名称】株式会社PacPort
(74)【代理人】
【識別番号】100176072
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 功
(72)【発明者】
【氏名】チン ヨウ
(57)【要約】
【課題】ユーザの許可が無くても宅配業者等のサービス事業者が扉を解錠可能にする。
【解決手段】集合住宅の入口に設置された扉の施錠及び解錠を制御する扉制御装置10と通信可能なサーバ装置12が、サービス事業者により設定されたサービス番号をユーザ毎に記憶する記憶手段70と、扉制御装置10から、装置ID及びサービス番号を含む解錠要求を受け付ける要求受付手段72と、解錠要求に含まれる情報と、記憶手段70に記憶されている情報とに基づき、認証を実行する認証手段74と、認証が成功した場合に、扉制御装置10に解錠指示を送信する解錠指示手段78と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅の入口に設置された扉の施錠及び解錠を制御する扉制御装置と通信可能なサーバ装置であって、
サービス事業者により設定されたサービス番号をユーザ毎に記憶する記憶手段と、
前記扉制御装置から、当該扉制御装置の装置ID及びサービス番号を含む解錠要求を受け付ける要求受付手段と、
前記要求受付手段が受け付けた解錠要求に含まれる情報と、前記記憶手段に記憶されている情報とに基づき、認証を実行する認証手段と、
前記認証が成功した場合に、前記扉制御装置に解錠指示を送信する解錠指示手段と、
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記サービス番号は、荷物の追跡番号を含む、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記認証が失敗した場合に、前記扉制御装置に通知する通知手段を備え、
前記要求受付手段は、前記通知手段が通知した場合に、前記扉制御装置から、前記サービス番号とは異なる識別情報であって、前記集合住宅の住人であるユーザの識別情報を含む再解錠要求を受け付け、
前記認証手段は、前記要求受付手段が受け付けた再解錠要求に含まれる情報と、前記記憶手段に記憶されている情報とに基づき、認証を再度実行する、
請求項1又は2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記識別情報は、ユーザの電話番号を含む、
請求項3に記載のサーバ装置。
【請求項5】
前記サーバ装置は、前記サービス事業者の端末と通信可能であり、
前記通知手段は、前記認証が失敗した場合に、前記サービス番号の有効性を前記端末に問い合わせ、
前記解錠指示手段は、前記要求受付手段が前記再解錠要求を受け付けた場合、前記問い合わせの結果が有効であることを示すときにのみ、前記扉制御装置に解錠指示を送信する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載のサーバ装置。
【請求項6】
集合住宅の入口に設置された扉の施錠及び解錠を制御し、且つ、サーバ装置と通信可能な扉制御装置であって、
サービス事業者により設定されたサービス番号を取得する取得手段と、
前記扉制御装置の装置IDと、前記取得手段が取得したサービス番号と、を含む解錠要求を前記サーバ装置に送信する解錠要求手段と、
前記サーバ装置から解錠指示を受信した場合に、前記扉を自動的に解錠する制御手段と、
を備える扉制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置及び扉制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、施錠されている扉を遠隔操作等により解錠する扉解錠システムが知られている。
【0003】
これに関し、特許文献1には、荷物の配送の利用者によって扉の解錠が許可されている場合に、遠隔操作がなくても、扉を解錠する解錠システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムでは、商品購入時等において、利用者(ユーザ)が扉の解錠を予め許可しておく必要があるため、例えば、第三者から荷物を受け取る場合には、予め荷物を送ったことを第三者から利用者に知らせないと、このシステムは利用できない。
【0006】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザの許可が無くても宅配業者等のサービス事業者が扉を解錠することができるサーバ装置及び扉制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の第一態様に係るサーバ装置は、集合住宅の入口に設置された扉の施錠及び解錠を制御する扉制御装置と通信可能なサーバ装置であって、サービス事業者により設定されたサービス番号をユーザ毎に記憶する記憶手段と、前記扉制御装置から、当該扉制御装置の装置ID及びサービス番号を含む解錠要求を受け付ける要求受付手段と、前記要求受付手段が受け付けた解錠要求に含まれる情報と、前記記憶手段に記憶されている情報とに基づき、認証を実行する認証手段と、前記認証が成功した場合に、前記扉制御装置に解錠指示を送信する解錠指示手段と、を備える。
【0008】
また、本発明の第二態様に係るサーバ装置は、前記サービス番号は、荷物の追跡番号を含む。
【0009】
また、本発明の第二態様に係るサーバ装置では、前記認証が失敗した場合に、前記扉制御装置に通知する通知手段を備え、前記要求受付手段は、前記通知手段が通知した場合に、前記扉制御装置から、前記サービス番号とは異なる識別情報であって、前記集合住宅の住人であるユーザの識別情報を含む再解錠要求を受け付け、前記認証手段は、前記要求受付手段が受け付けた再解錠要求に含まれる情報と、前記記憶手段に記憶されている情報とに基づき、認証を再度実行する。
【0010】
また、本発明の第三態様に係るサーバ装置では、前記認証が失敗した場合に、前記扉制御装置に通知する通知手段を備え、前記要求受付手段は、前記通知手段が通知した場合に、前記扉制御装置から、前記サービス番号とは異なる識別情報であって、前記集合住宅の住人であるユーザの識別情報を含む再解錠要求を受け付け、前記認証手段は、前記要求受付手段が受け付けた再解錠要求に含まれる情報と、前記記憶手段に記憶されている情報とに基づき、認証を再度実行する。
【0011】
また、本発明の第四態様に係るサーバ装置は、前記識別情報は、ユーザの電話番号を含む。
【0012】
また、本発明の第五態様に係るサーバ装置では、前記サービス事業者の端末と通信可能であり、前記通知手段は、前記認証が失敗した場合に、前記サービス番号の有効性を前記端末に問い合わせ、前記解錠指示手段は、前記要求受付手段が前記再解錠要求を受け付けた場合、前記問い合わせの結果が有効であることを示すときにのみ、前記扉制御装置に解錠指示を送信する。
【0013】
また、本発明の第六態様に係る扉制御装置では、集合住宅の入口に設置された扉の施錠及び解錠を制御し、且つ、サーバ装置と通信可能な扉制御装置であって、サービス事業者により設定されたサービス番号を取得する取得手段と、前記扉制御装置の装置IDと、前記取得手段が取得したサービス番号と、を含む解錠要求を前記サーバ装置に送信する解錠要求手段と、前記サーバ装置から解錠指示を受信した場合に、前記扉を自動的に解錠する制御手段と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザの許可が無くても宅配業者等のサービス事業者が扉を解錠することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る扉解錠システムの全体構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す扉制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示すサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る扉解錠システムの機能手段の一例を示すブロック図である。
【
図5】ボックス管理テーブルの一例を示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る扉解錠システムにおいて、宅配業者が集合住宅に入る際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態(以下、「本実施形態」と称す場合がある。)について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素及びステップに対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0017】
<全体構成>
図1は、本発明の実施形態に係る扉解錠システム1の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、扉解錠システム1は、一又は複数の扉制御装置10と、サーバ装置12と、宅配業者端末14と、ユーザ端末16と、を備える。これらの装置は、インターネットや電話回線等の通信ネットワークNTを介して互いに通信可能となっている。
【0019】
扉制御装置10は、マンションやアパート、寮等の集合住宅Mの入口(エントランス)付近に設置されている。そして、扉制御装置10は、集合住宅Mの入口に設置されたオートロック式の扉11の施錠及び解錠を制御する。例えば、扉制御装置10は、一対のインターホンで構成され、一方のインターホンが集合住宅Mの入口付近に設置され、他方のインターホンが構成集合住宅Mの各部屋に設置されている。宅配業者は一対のインターホンを利用して他方インターホンの先の住人と通話が可能であり、住人の遠隔操作により、扉11を解錠してもらい、集合住宅Mに入ることができる。しかしながら、住人が不在であれば、通話が不可能なため扉11を解錠できずに集合住宅Mに入ることができず、集合住宅M内の宅配ボックスに荷物を投函したり、宅配ボックスから荷物を集荷したりすることができない。そこで、インターホンの機能に扉制御機能を設けることで扉制御装置10を構成している。
【0020】
サーバ装置12は、例えば第一サーバ装置12Aと、第二サーバ装置12Bと、で構成される。第一サーバ装置12Aは、扉制御装置10に対して扉11の施錠指示や解錠指示を送信する。第二サーバ装置12Bは、サービス番号を管理しており、サービス番号を利用して扉11を解錠したい宅配業者の認証を行う。
【0021】
宅配業者端末14は、宅配業者が操作する通信端末装置である。宅配業者は、第三者(送り主)からユーザ宛に荷物を受け取った際又は受け取った後に、サービス番号、特に、当該荷物の追跡番号を設定(決定)する。そして、宅配業者は、設定した追跡番号を送り主に知らせる。送り主は、送り先(荷受人)のユーザに追跡番号を知らせる。送り先のユーザは、知らされた追跡番号を、当該ユーザのユーザIDと共に第二サーバ装置12Bに送信し、サーバ装置12は、受信した追跡番号を受信したユーザIDに紐づけて記憶する。この宅配業者端末14としては、携帯電話やスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。
【0022】
ユーザ端末16は、ユーザが操作する通信端末装置である。このユーザ端末16としては、携帯電話やスマートフォン、タブレット、ノートパソコン、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。特に、ユーザ端末16としては、携帯電話やスマートフォン、タブレット、ノートパソコン等の持ち運びが可能な携帯型の通信端末装置であることが好ましい。
【0023】
<ハードウェア構成>
図2は、
図1に示す扉制御装置10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0024】
図2に示すように、扉制御装置10は、CPU(Central Processing Unit)20と、メモリ22と、通信装置24と、表示装置26と、通話装置28と、カメラ30と、光源32と、施錠機構34と、電源36と、を備える。
【0025】
CPU20は、扉制御装置10の例えばカメラ30や光源32等の各種構成を制御するものである。
【0026】
メモリ22は、例えば扉制御装置10の装置IDやプログラム等を記憶するものである。
【0027】
通信装置24は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置24は、例えば、第一サーバ装置12Aとの間で各種情報又は各種データを送受信する。
【0028】
表示装置26は、通話先の相手を表示する。
【0029】
通話装置28は、入力装置を備え、宅配業者は、入力装置を用いて入力した部屋番号の住人と通話可能に構成されている。
【0030】
カメラ30は、扉制御装置10の前方向を撮影する。
【0031】
光源32は、CPU20により発光の有無が制御される。光源32としては、ダイオードやランプ等が挙げられる。
【0032】
施錠機構34は、扉11を施錠したり、解錠したりするものである。
【0033】
電源36は、CPU20やメモリ22等に電力を供給するものである。この電源36としては、例えば電池が好ましい。
【0034】
図3は、
図1に示すサーバ装置12(第一サーバ装置12A及び第二サーバ装置12B)のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0035】
図3に示すように、サーバ装置12は、制御装置40と、通信装置42と、記憶装置44と、を備える。制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)46及びメモリ48を主に備えて構成される。
【0036】
制御装置40は、CPU46が記憶装置44或いはメモリ48等に格納された所定のプログラムを実行することにより、各種の機能手段として機能する。この機能手段の詳細については後述する。
【0037】
通信装置42は、外部の装置と通信するための通信インターフェース等で構成される。通信装置42は、例えば、ユーザ端末16との間で各種情報又は各種データを送受信する。
【0038】
記憶装置44は、ハードディスク等で構成される。記憶装置44は、制御装置40における処理の実行に必要な各種プログラムや各種の情報、及び処理結果の情報を記憶する。
【0039】
なお、サーバ装置12は、専用又は汎用のサーバ・コンピュータなどの情報処理装置を用いて実現することができる。また、サーバ装置12は、単一の情報処理装置より構成されるものであっても、通信ネットワークNT上に分散した複数の情報処理装置より構成されるものであってもよい。また、
図3は、サーバ装置12が有する主要なハードウェア構成の一部を示しているに過ぎず、サーバ装置12は、サーバが一般的に備える他の構成を備えることができる。また、宅配業者端末14やユーザ端末16のハードウェア構成も、例えば操作手段や表示装置を備える他は、サーバ装置12と同様の構成を備えることができる。
【0040】
<機能手段>
図4は、本発明の実施形態に係る扉解錠システム1の機能手段の一例を示すブロック図である。
【0041】
図4に示すように、扉解錠システム1における扉制御装置10は、機能手段として、第一取得手段60と、解錠要求手段62と、第二取得手段64と、再解錠要求手段66と、制御手段68と、を備える。これらの機能手段は、CPU20がメモリ22に格納されたプログラムを実行することにより実現される。
【0042】
第一取得手段60は、宅配業者により設定されたサービス番号を取得する機能を有する。
【0043】
解錠要求手段62は、扉制御装置10の装置IDと、第一取得手段60が取得したサービス番号と、を含む解錠要求を第一サーバ装置12Aに送信する機能を有する。サービス番号としては、荷物の追跡番号や荷物番号、荷物記号等が挙げられる。本実施形態では、サービス番号が追跡番号である場合を説明する。
【0044】
第二取得手段64は、第一サーバ装置12Aから通知された場合、例えばユーザ認証の失敗の通知や解錠要求について追加情報の要求通知がされた場合に、サービス番号と異なるユーザの識別情報をユーザから取得する機能を有する。識別情報としては、ユーザの電話番号、生年月日、マイナンバー(行政手続における特定の個人を識別するための番号)、ユーザの名前、ユーザID等が挙げられる。本実施形態では、識別情報が電話番号である場合を説明する。
【0045】
再解錠要求手段66は、第二取得手段64が取得した識別情報を含む再解錠要求を第一サーバ装置12Aに送信する機能を有する。
【0046】
制御手段68は、第一サーバ装置12Aから解錠指示を受信した場合に、施錠機構34を制御して、扉11を自動的に解錠する機能を有する。また、制御手段68は、解錠した後に扉を開け閉めし、施錠する機能も有する。
【0047】
また、扉解錠システム1におけるサーバ装置12は、機能手段として、記憶手段70と、要求受付手段72と、認証手段74と、通知手段76と、解錠指示手段78と、を備える。これらの機能手段は、CPU46が記憶装置44に格納されたプログラムを実行することにより実現される。なお、本実施形態では、これらの機能手段は、第二サーバ装置12Bに設けられる場合を説明するが、解錠指示手段78等の一部の機能手段は、第一サーバ装置12Aに設けられてもよい。
【0048】
記憶手段70は、宅配業者により設定されたサービス番号及び当該サービス番号とは異なるユーザの識別情報をユーザ毎に記憶する機能を有する。具体的には、記憶手段70は、ボックス管理テーブル70Aと、ユーザ管理テーブル70Bと、を記憶する。ボックス管理テーブル70Aは、例えば装置IDとボックスIDとが紐付けられて登録されている。ユーザ管理テーブル70Bは、ユーザ毎(ユーザID毎)に、ボックスIDやサービス番号、ユーザの識別情報が登録されている。なお、ボックス管理テーブル70Aと、ユーザ管理テーブル70Bは、一つのテーブルにまとめられていてもよい。
【0049】
図5は、ボックス管理テーブル70Aの一例を示す図である。
【0050】
図5に示すように、ボックス管理テーブル70Aには、扉制御装置10の装置IDと、複数の宅配ボックスのボックスIDとが紐付けられて登録されている。
【0051】
図6は、ユーザ管理テーブル70Bの一例を示す図である。
【0052】
図6に示すように、ユーザ管理テーブル70Bは、ユーザID毎に、ボックスIDと、サービス番号としての追跡番号と、識別情報としての電話番号と、生年月日とが紐付けられて登録されている。
【0053】
図4に戻って、要求受付手段72は、扉制御装置10から、当該扉制御装置10の装置ID及びサービス番号を含む解錠要求を受け付ける機能を有する。本実施形態では、要求受付手段72は、扉制御装置10から、第一サーバ装置12Aを介して解錠要求を受け付ける。また、要求受付手段72は、後述の通知手段76が通知した場合に、扉制御装置10から、サービス番号とは異なる識別情報であって、荷物の集荷先又は荷物の投函先のユーザの識別情報(電話番号等)を含む再解錠要求を受け付ける。
【0054】
認証手段74は、要求受付手段72が受け付けた解錠要求に含まれる情報と、記憶手段70に記憶されている情報とに基づき、認証を実行する機能を有する。また、認証手段74は、要求受付手段72が受け付けた再解錠要求に含まれる情報と、記憶手段70に記憶されている情報とに基づき、認証を再度実行する。
【0055】
通知手段76は、認証手段74による認証が失敗した場合に、扉制御装置10に通知する機能を有する。本実施形態では、通知手段76は、第一サーバ装置12Aを介して、扉制御装置10に通知する。
【0056】
解錠指示手段78は、認証手段74による認証が成功した場合に、扉制御装置10に解錠指示を送信する機能を有する。本実施形態では、解錠指示手段78は、第一サーバ装置12Aを介して、扉制御装置10に解錠指示を送信する。
【0057】
<処理の流れ>
図7は、本発明の実施形態に係る扉解錠システム1において、宅配業者が集合住宅Mに入る際の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の処理の内容及び順番は、適宜変更することができる。
【0058】
(ステップSP10)
扉制御装置10の第一取得手段60は、カメラ30を制御して、宅配業者により提示されたコード(二次元コード又は三次元コード)を撮影する。続いて、第一取得手段60は、撮影したコードを分析して追跡番号を取得する。そして、処理は、ステップSP12の処理に移行する。
【0059】
(ステップSP12)
扉制御装置10の解錠要求手段62は、当該扉制御装置10の装置IDと、第一取得手段60が取得した追跡番号と、を含む解錠要求を第一サーバ装置12Aに送信する。そして、処理は、ステップSP14の処理に移行する。
【0060】
(ステップSP14)
第一サーバ装置12Aは、扉制御装置10から解錠要求を受信する。これに応答して、第一サーバ装置12Aは、第二サーバ装置12Bに解錠要求を転送する。なお、第一サーバ装置12Aがボックス管理テーブル70Aを記憶している場合には、ボックス管理テーブル70Aにおいて、解錠要求に含まれる装置IDに紐づけられている複数のボックスIDを取得し、取得したボックスIDを解錠要求に追加してもよい。そして、処理は、ステップSP16の処理に移行する。
【0061】
(ステップSP16)
第二サーバ装置12Bの要求受付手段72は、扉制御装置10から、第一サーバ装置12Aを介して、解錠要求を受け付ける(受信する)。これに応答して、認証手段74は、要求受付手段72が受け付けた解錠要求に含まれる情報と、記憶手段70に記憶されている情報とに基づき、宅配業者のユーザ認証(追跡番号の認証)を実行する。具体的には、認証手段74は、ボックス管理テーブル70Aを参照し、解錠要求に含まれる装置IDから複数のボックスIDを特定する。続いて、認証手段74は、ユーザ管理テーブル70Bにおいて、特定した複数のボックスIDに紐づけられているそれぞれの追跡番号の中で、解錠要求に含まれる追跡番号が一致するものがあるか否かを判定する。続いて、認証手段74は、当該判定を肯定判定した場合にはユーザ認証が成功したと判定し、認証手段74は、当該判定を否定判定した場合にはユーザ認証が失敗したと判定する。なお、解錠要求に複数のボックスIDが含まれている場合には、認証手段74は、ユーザ管理テーブル70Bにおいて、解錠要求に含まれる複数のボックスIDに紐づけられているそれぞれの追跡番号の中で、解錠要求に含まれる追跡番号が一致するものがあるか否かを判定する。そして、処理は、ステップSP18の処理に移行する。
【0062】
(ステップSP18)
第二サーバ装置12Bの通知手段76は、ユーザ認証が成功したか否かを判定する。そして、上記判定が肯定判定された場合には、処理はステップSP20の処理に移行し、上記判定が否定判定された場合には、処理はステップSP26の処理に移行する。
【0063】
(ステップSP20)
第二サーバ装置12Bの解錠指示手段78は、解錠要求又は後述の再解錠要求をした扉制御装置10の解錠指示を第一サーバ装置12Aに送信する。そして、処理は、ステップSP22の処理に移行する。
【0064】
(ステップSP22)
第一サーバ装置12Aは、第二サーバ装置12Bから、解錠指示を受信する。これに応答して、第一サーバ装置12Aは、受信した解錠指示を対応する扉制御装置10に送信(転送)する。そして、処理は、ステップSP24の処理に移行する。
【0065】
(ステップSP24)
扉制御装置10は、第一サーバ装置12Aから解除指示を受信する。これに応答して、制御手段68は、施錠機構34を制御して、施錠されている状態の扉11を自動的に解錠する。これにより、宅配業者は、扉11から集合住宅Mに入って、各部屋の前にある宅配ボックスに荷物を投函したり、当該宅配ボックスから荷物を集荷したりする。
【0066】
(ステップSP26)
ステップSP18で否定判定されると、第二サーバ装置12Bの通知手段76は、第一サーバ装置12Aにエラーを通知する。そして、処理は、ステップSP28及びステップSP30の処理にそれぞれ移行する。
【0067】
(ステップSP28)
通知手段76は、通信ネットワークNTを介して、解錠要求に含まれる追跡番号の有効性を宅配業者端末14(宅配業者のサーバ装置)に問い合わせる。具体的には、通知手段76は、宅配業者端末14と通信し、追跡番号に係る荷物が発送中であるか否かを問い合わせる。
【0068】
(ステップSP30)
第一サーバ装置12Aは、第二サーバ装置12Bから通知を受信する。これに応答して、第一サーバ装置12Aは、解錠要求をした扉制御装置10を特定し、当該扉制御装置10に受信した通知を転送する。そして、処理は、ステップSP32の処理に移行する。
【0069】
(ステップSP32)
扉制御装置10は、第一サーバ装置12Aから通知を受信する。これに応答して、扉制御装置10の第二取得手段64は、電話番号の入力をするように配達業者に要請する。要請方法としては、例えば表示装置26による表示や不図示のスピーカによる音声で行う。この要請に応じて、宅配業者は、扉制御装置10を操作して、住人(ユーザ)の携帯電話又は固定電話の電話番号を入力する。そして、処理は、ステップSP34の処理に移行する。
【0070】
(ステップSP34)
第二取得手段64は、宅配業者の入力操作を受け付けて、電話番号を取得する。そして、処理は、ステップSP36の処理に移行する。
【0071】
(ステップSP36)
扉制御装置10の再解錠要求手段66は、第二取得手段64が取得した電話番号を含む再解錠要求を第一サーバ装置12Aに送信する。この再解錠要求には、装置IDは含んでいても含まれていなくてもよい。そして、処理は、ステップSP38の処理に移行する。
【0072】
(ステップSP38)
第一サーバ装置12Aは、扉制御装置10から再解錠要求を受信する。これに応答して、第一サーバ装置12Aは、第二サーバ装置12Bに受信した再解錠要求を転送する。なお、第一サーバ装置12Aがボックス管理テーブル70Aを記憶している場合には、ボックス管理テーブル70Aにおいて、再解錠要求に含まれる装置IDに紐づけられている複数のボックスIDを取得し、取得したボックスIDを解錠要求に追加してもよい。そして、処理は、ステップSP40の処理に移行する。
【0073】
(ステップSP40)
第二サーバ装置12Bの要求受付手段72は、第一サーバ装置12Aから再解錠要求を受け付ける(受信する)。続いて、解錠指示手段78は、ステップSP28での問い合わせの結果が「追跡番号が有効である」ことを示すか否かを判定する。具体的には、解錠指示手段78は、問い合わせの結果が「発送中」であるか否かを判定する。そして、当該判定が肯定判定された場合には処理はステップSP42の処理に移行し、当該判定が否定判定された場合には処理はエラーを、第一サーバ装置12Aを介して扉制御装置10に通知して、
図7に示す一連の処理が終了する。なお、本ステップは、ステップSP42やステップSP44の後に実行されてもよい。すなわち、解錠指示手段78は、要求受付手段72が再解錠要求を受け付けた場合、問い合わせの結果が有効であることを示すときにのみ、扉制御装置10に解錠指示を送信する。
【0074】
(ステップSP42)
第二サーバ装置12Bの認証手段74は、要求受付手段72が受け付けた再解錠要求に含まれる情報と、記憶手段70に記憶されている情報とに基づき、ユーザ認証を再度実行する。具体的には、認証手段74は、ボックス管理テーブル70Aを参照し、再解錠要求(又は最初の解錠要求)に含まれるボックスIDからユーザIDを特定する。続いて、ユーザ管理テーブル70Bにおいて、特定したユーザIDに紐づけられている電話番号と、解錠要求に含まれる電話番号が一致するか否かを判定する。続いて、認証手段74は、当該判定を肯定判定した場合にはユーザ認証が成功したと判定し、認証手段74は、当該判定を否定判定した場合にはユーザ認証が失敗したと判定する。そして、処理は、ステップSP44の処理に移行する。
【0075】
(ステップSP44)
第二サーバ装置12Bの通知手段76は、ユーザ認証が成功したか否かを判定する。そして、上記判定が肯定判定された場合には、処理はステップSP46の処理に移行し、上記判定が否定判定された場合には、第一サーバ装置12Aを介して扉制御装置10に2回失敗したことを示すエラーを通知し、
図7に示す一連の処理が終了する。
【0076】
(ステップSP46)
認証手段74は、解錠要求に含まれていた追跡番号をユーザ管理テーブル70Bにおいて特定のユーザIDに紐づけて登録する。そして、処理は、ステップSP20の処理に移行する。
【0077】
<効果>
以上、本実施形態では、サーバ装置12が、集合住宅の入口に設置された扉11の施錠及び解錠を制御する扉制御装置10と通信可能である。そして、サーバ装置12が、宅配業者により設定されたサービス番号をユーザ毎に記憶する記憶手段70と、扉制御装置10から、当該扉制御装置10の装置ID及びサービス番号を含む解錠要求を受け付ける要求受付手段72と、要求受付手段72が受け付けた解錠要求に含まれる情報と、記憶手段70に記憶されている情報とに基づき、認証を実行する認証手段74と、認証が成功した場合に、扉制御装置10に解錠指示を送信する解錠指示手段78と、を備える。
【0078】
この構成によれば、宅配業者は、集合住宅の入口に来た場合、サービス番号を扉制御装置10に取得させると、サーバ装置12において認証が行われて扉制御装置10により扉11が解錠される。この結果、ユーザの許可が無くても宅配業者が扉11を解錠することができる。
【0079】
また、本実施形態では、サービス番号は、荷物の追跡番号を含む。
【0080】
この構成によれば、宅配業者であれば、荷物に貼られている二次元コード等に示されている追跡番号で簡単に扉11を解錠することができる。
【0081】
また、本実施形態では、認証が失敗した場合に、扉制御装置10に通知する通知手段76を備え、要求受付手段72は、通知手段76が通知した場合に、扉制御装置10から、サービス番号とは異なる識別情報であって、荷物の集荷先又は荷物の投函先のユーザの識別情報を含む再解錠要求を受け付け、認証手段74は、要求受付手段72が受け付けた再解錠要求に含まれる情報と、記憶手段70に記憶されている情報とに基づき、認証を再度実行する。
【0082】
この構成によれば、ユーザがサービス番号を知らずにサーバ装置12に登録していない場合でも、宅配業者であれば知っている思われるユーザの識別情報に基づき、宅配業者が扉11を解錠することができる。
【0083】
また、本実施形態では、識別情報は、ユーザの電話番号を含む。
【0084】
この構成によれば、宅配業者であればユーザ(荷受人等)の電話番号は分かるはずなので、ユーザがサービス番号を知らずにサーバ装置12に登録していない場合でも、宅配業者は、電話番号を用いて扉11を解錠することができる。
【0085】
また、本実施形態では、サーバ装置12は、宅配業者の宅配業者端末14と通信可能であり、通知手段76は、認証が失敗した場合に、サービス番号の有効性を宅配業者端末14に問い合わせ、解錠指示手段78は、要求受付手段72が再解錠要求を受け付けた場合、問い合わせの結果が有効であることを示すときにのみ、扉制御装置10に解錠指示を送信する。
【0086】
この構成によれば、荷受人であるユーザの電話番号を知っている人間が、ランダムのコードを利用するだけで、扉制御装置10を解錠してしまうことを防止することができる。
【0087】
また、本実施形態では、扉制御装置10が、集合住宅の入口に設置された扉11の施錠及び解錠を制御し、且つ、サーバ装置12と通信可能である。そして、扉制御装置10が、宅配業者により設定されたサービス番号を取得する第一取得手段60と、扉制御装置10の装置IDと、第一取得手段60が取得したサービス番号と、を含む解錠要求をサーバ装置12に送信する解錠要求手段62と、サーバ装置12から解錠指示を受信した場合に、扉を自動的に解錠する制御手段68と、を備える。
【0088】
この構成によれば、宅配業者は、集合住宅の入口に来た場合、サービス番号を扉制御装置10に取得させると、サーバ装置12において認証が行われて扉制御装置10により扉11が解錠される。この結果、ユーザの許可が無くても宅配業者が扉11を解錠することができる。
【0089】
<変形例>
なお、本発明は上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、前述した実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0090】
例えば、上記実施形態では、サービス番号によるユーザ認証の後、電話番号によるユーザ認証を行う場合を説明したが、電話番号によるユーザ認証を行った後、サービス番号によるユーザ認証を行ってもよい。また、サービス番号によるユーザ認証と、電話番号によるユーザ認証の両方が成功した場合に、解錠指示をするようにしてもよい。
【0091】
また、電話番号によるユーザ認証で失敗した場合に更に、要求受付手段72は、電話番号とは異なる識別情報を更に受け付け、認証手段74は、電話番号とは異なる識別情報によるユーザ認証を行ってもよい。この場合、宅配業者の信頼性が低いので(宅配業者ではない可能性があるので)、要求受付手段72は、電話番号とは異なる識別情報を二種類(例えば生年月日と宅配業者ID)受け付けて、認証手段74は、要求受付手段72が受け付けた二種類の識別情報と、記憶手段70に記憶されいている情報とに基づいてユーザ認証を実行してもよい。
【0092】
また、サービス番号によるユーザ認証が失敗した場合、扉制御装置10の第二取得手段64は、電話番号の入力と、電話番号以外のユーザの識別情報の入力の何れか一方を宅配業者に選択させてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、サービス番号が宅配業者により設定されている場合を説明したが、他のサービス事業者により設定されてもよい。当該他のサービス事業者としては、クリーニング業者や飲料水業者、食事デリバリー業者等が挙げられる。この場合、サービス番号は、お客様番号等が挙げられる。また、この場合、宅配業者端末14を単に「端末」と呼称する。そして、サーバ装置12は、サービス事業者の端末(サーバ装置)と通信可能であり、通知手段は、認証が失敗した場合に、サービス番号の有効性を端末に問い合わせる。また、ユーザの識別情報は、荷物の集荷先又は荷物の投函先のユーザの識別情報である場合を説明したが、集合住宅Mの住人の識別情報であればよい。
【符号の説明】
【0094】
10 :扉制御装置
12 :サーバ装置
60 :第一取得手段
62 :解錠要求手段
70 :記憶手段
72 :要求受付手段
74 :認証手段
78 :解錠指示手段
【手続補正書】
【提出日】2024-05-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集合住宅の入口に設置された扉の施錠及び解錠を制御する単一の筐体からなる扉制御装置と通信可能なサーバ装置であって、
前記扉制御装置から、当該扉制御装置の装置ID及びサービス番号を含む解錠要求を受け付ける手段と、
前記解錠要求に含まれる情報を前記サーバ装置と異なる他のサーバ装置に送信することで、当該他のサーバ装置で認証を実行させる手段と、
前記認証が成功した場合に、前記扉制御装置に解錠指示を送信する手段と、
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記サービス番号は、荷物の追跡番号を含む、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
集合住宅の入口に設置された扉の施錠及び解錠を制御する単一の筐体からなる扉制御装置と通信可能なコンピュータを、
前記扉制御装置から、当該扉制御装置の装置ID及びサービス番号を含む解錠要求を受け付ける手段、
前記解錠要求に含まれる情報を前記サーバ装置と異なる他のサーバ装置に送信することで、当該他のサーバ装置で認証を実行させる手段、
前記認証が成功した場合に、前記扉制御装置に解錠指示を送信する手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項4】
集合住宅の入口に設置された扉の施錠及び解錠を制御する単一の筐体からなる扉制御装置と通信可能なコンピュータの情報処理方法であって、
前記扉制御装置から、当該扉制御装置の装置ID及びサービス番号を含む解錠要求を受け付けるステップと、
前記解錠要求に含まれる情報を前記サーバ装置と異なる他のサーバ装置に送信することで、当該他のサーバ装置で認証を実行させるステップと、
前記認証が成功した場合に、前記扉制御装置に解錠指示を送信するステップと、
を有する情報処理方法。