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特開2024-91774情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091774
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/239 20110101AFI20240628BHJP
   H04N 21/254 20110101ALI20240628BHJP
   H04L 67/02 20220101ALI20240628BHJP
   H04L 67/50 20220101ALI20240628BHJP
【FI】
H04N21/239
H04N21/254
H04L67/02
H04L67/50
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024066270
(22)【出願日】2024-04-16
(62)【分割の表示】P 2020010409の分割
【原出願日】2020-01-24
(71)【出願人】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(72)【発明者】
【氏名】石井 公二
(57)【要約】
【課題】所定の条件を満たした場合に、共有されている動画をユーザが相互に視聴可能に制御できる情報処理装置を提供する。
【解決手段】本発明によれば、情報処理装置であって、視聴権限設定部と、共有動画登録部と、動画配信管理部を備え、前記視聴権限設定部は、ユーザが所定条件を満たした場合に動画を視聴する視聴権限を前記ユーザに付与し、前記共有動画登録部は、前記ユーザの指示により、前記ユーザを含む複数のユーザが属するグループにおいて共有する動画である共有動画として、前記視聴権限が付与された前記動画を登録し、前記動画配信管理部は、前記共有動画を登録したことを条件に、前記グループの他のユーザが登録した前記共有動画を前記ユーザが視聴可能に制御する、情報処理装置が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
視聴権限設定部と、共有動画登録部と、動画配信管理部を備え、
前記視聴権限設定部は、ユーザが所定条件を満たした場合に動画を視聴する視聴権限を前記ユーザに付与し、
前記共有動画登録部は、前記ユーザの指示により、前記ユーザを含む複数のユーザが属するグループにおいて共有する動画である共有動画として、前記視聴権限が付与された前記動画を登録し、
前記動画配信管理部は、前記共有動画を登録したことを条件に、前記グループの他のユーザが登録した前記共有動画を前記ユーザが視聴可能に制御する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記共有動画登録部は、前記ユーザの指示により、動画を共有するための条件である共有条件を満たした場合に、前記共有動画として、前記視聴権限が付与された前記動画を登録し、
前記共有条件は、登録されようとしている前記動画が、登録時に既に登録されている前記共有動画に含まれる動画と所定の関連性を有することを、含む、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置であって、
前記共有動画登録部は、前記ユーザの指示により、動画を共有するための条件である共有条件を満たした場合に、前記共有動画として、前記視聴権限が付与された前記動画を登録し、
前記共有条件は、登録されようとしている前記動画が、登録時に既に登録されている前記共有動画に含まれる何れの動画とも同一でないこと、を含む、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記視聴権限設定部は、前記視聴権限に配信可能なユーザ数を設定し、
前記動画配信管理部は、前記視聴権限に基づき、定められた数以下のユーザが前記共有動画を視聴可能に制御する、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記動画配信管理部は、前記ユーザが前記共有動画として登録した動画の数が所定の範囲である場合に、前記グループの他のユーザが登録した前記共有動画を前記ユーザが視聴可能に制御する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記動画配信管理部は、前記ユーザが前記共有動画として登録した1又は複数の動画の価値の合計が所定の範囲である場合に、前記グループの他のユーザが登録した前記共有動画を前記ユーザが視聴可能に制御する、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れか1項に記載の情報処理装置であって、
前記動画配信管理部は、前記ユーザが前記共有動画として登録した1又は複数の動画に含まれる少なくとも1つの動画が有する希少性の度合いが所定の範囲である場合に、前記グループの他のユーザが登録した前記共有動画を前記ユーザが視聴可能に制御する、
情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータに、視聴権限設定ステップと、共有動画登録ステップと、動画配信管理ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、
前記視聴権限設定ステップでは、ユーザが所定条件を満たした場合に動画を視聴する視聴権限を前記ユーザに付与し、
前記共有動画登録ステップでは、前記ユーザの指示により、前記ユーザを含む複数のユーザが属するグループにおいて共有する動画である共有動画として、前記視聴権限が付与された前記動画を登録し、
前記動画配信管理ステップでは、前記共有動画を登録したことを条件に、前記ユーザが、前記グループの他のユーザが登録した前記共有動画を視聴可能に制御する、
プログラム。
【請求項9】
情報処理方法であって、
視聴権限設定ステップと、共有動画登録ステップと、動画配信管理ステップを備え、
前記視聴権限設定ステップでは、コンピュータが、ユーザが所定条件を満たした場合に動画を視聴する視聴権限を前記ユーザに付与し、
前記共有動画登録ステップでは、前記コンピュータが前記ユーザの指示により、前記ユーザを含む複数のユーザが属するグループにおいて共有する動画である共有動画として、前記視聴権限が付与された前記動画を登録し、
前記動画配信管理ステップでは、前記コンピュータが、前記共有動画を登録したことを条件に、前記ユーザが、前記グループの他のユーザが登録した前記共有動画を視聴可能に制御する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、グループ登録された携帯端末へ、グループとして登録されなければ視聴できない動画を示すグループ用動画データを配信する情報処理装置等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-36785
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、1つの動画を複数のユーザによって共有することはできたが、動画を複数のユーザで相互に共有し合うことは行われていなかった。
【0005】
本発明は、所定の条件を満たした場合に、共有されている動画をユーザが相互に視聴可能に制御できる情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、情報処理装置であって、視聴権限設定部と、共有動画登録部と、動画配信管理部を備え、前記視聴権限設定部は、ユーザが所定条件を満たした場合に動画を視聴する視聴権限を前記ユーザに付与し、前記共有動画登録部は、前記ユーザの指示により、前記ユーザを含む複数のユーザが属するグループにおいて共有する動画である共有動画として、前記視聴権限が付与された前記動画を登録し、前記動画配信管理部は、前記共有動画を登録したことを条件に、前記グループの他のユーザが登録した前記共有動画を前記ユーザが視聴可能に制御する、情報処理装置である。
【0007】
本発明の一態様によれば、所定の条件を満たした場合に、共有されている動画をユーザが相互に視聴可能に制御できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る動画共有システム1の概要を示す図である。
図2】第1実施形態に係るサーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である 。
図3】第1実施形態に係るユーザ端末20のハードウェア構成を示すブロック図で ある。
図4】第1実施形態に係るサーバ10の機能構成を示すブロック図である。
図5】第1実施形態に係る共有動画登録部11bの機能について2ユーザ間の関係 に基づき説明する図である。
図6】第1実施形態に係る共有動画登録部11bの機能について3ユーザ間の関係 (動画M3未登録状態)に基づき説明する図である。
図7】第1実施形態に係る共有動画登録部11bの機能について3ユーザ間の関係 (動画M3登録状態)に基づき説明する図である。
図8】第1実施形態に係る動画の内容の一例について説明する図である。
図9】第1実施形態に係る動画共有においてユーザ端末20aによる表示態様の例 (3動画)について説明する図である。
図10】第1実施形態に係る動画共有においてユーザ端末20aによる表示態様の 例(4動画)について説明する図である。
図11】第1実施形態に係る動画共有システム1による処理の流れを示す図である 。
図12】第1実施形態の変形例5に係る動画の価値の一例について説明する図であ る。
図13】第1実施形態の変形例6に係る動画の希少性の度合いの一例について説明 する図である。
図14】その他の実施形態においてユーザU3が2つのグループに属する状態につ いて説明する図である。
図15】その他の実施形態においてユーザU3が2つのグループに属する状態(二 重登録不可の場合)について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明のいくつかの実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
【0010】
<1.第1実施形態>
(1-1.動画共有システム1)
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、図1に示すような動画共有システム1の一部を構成するサーバ10である。動画共有システム1は、サーバ10、ユーザ端末20(ユーザ端末20a及びユーザ端末20b)を備える。動画共有システム1は、さらに動画をユーザ端末20に配信する動画配信サーバ(図示せず)を備えてもよい。
【0011】
サーバ10は、通信回線5を介してユーザ端末20と通信可能に構成される。サーバ10は、同一グループに属するユーザU1及びユーザU2へ動画M1及び動画M2の視聴権限をそれぞれ付与する。サーバ10は、動画M1及び動画M2を当該グループで共有される動画として登録し、共有された動画の当該グループのユーザによる相互視聴を可能に制御する。このような構成により、共有されている動画のユーザによる相互視聴を実現する。以下、各構成について説明する。
【0012】
(1-2.動画共有システム1のハードウェア構成)
図2及び図3を参照し、動画共有システム1のハードウェア構成を説明する。
【0013】
(1ー2ー1.サーバ10のハードウェア構成)
図2は、本実施形態に係るサーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ10は、制御部11、記憶部12、通信部13を備える。また、サーバ10は、キーボード及びマウス等で構成されて各種操作の入力を受け付ける操作入力部14、各種画像を表示する例えば液晶ディスプレイ装置等のモニタ15を備えていてもよい。
【0014】
制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)等であり、サーバ10の全体の動作を制御する。
【0015】
記憶部12の一部は、例えば、RAM(Random Access Memory)やDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成されており、制御部11による各種プログラムに基づく処理の実行時のワークエリア等として用いられる。また、記憶部12の一部は、例えば、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリ、又はHDD(Hard Disk Drive)であり、各種データ及び制御部11の処理に利用されるプログラム等を保存する。
【0016】
記憶部12に記憶されるプログラムは、例えば、サーバ10の基本的な機能を実現するためのOS(Operating System)、各種ハードウェア制御するためのドライバ、各種機能を実現するためのプログラム等であって、本実施形態に係るコンピュータプログラムを含む。
【0017】
通信部13は、例えばNIC(Network Interface Controller)であり、通信回線5に接続する機能を有する。なお、通信部13は、NICに代えて又はNICと共に、無線LAN(Local Area Network)に接続する機能、無線WAN(Wide Area Network)に接続する機能、例えばBluetooth(登録商標)等の近距離の無線通信、及び赤外線通信等を可能とする機能を有してもよい。サーバ10は、通信回線5を介してユーザ端末20等の他の情報処理装置等と接続され、他の情報処理装置等との間で各種データの送受信を行うことができる。
【0018】
これら制御部11、記憶部12、通信部13、操作入力部14、及びモニタ15は、システムバス16を介して相互に電気的に接続されている。従って、制御部11は、記憶部12へのアクセス、モニタ15に対する画像の表示、ユーザによる操作入力部14に対する操作状態の把握、及び通信部13を介した各種通信網や他の情報処理装置へのアクセス等を行うことができる。
【0019】
なお、動画配信サーバは、サーバ10と同様に、制御部、記憶部、通信部を備え、さらに操作入力部、モニタ等を備えてもよい。また、動画配信サーバとしての機能はサーバ10が備えてもよい。
【0020】
(1-2-2.ユーザ端末20のハードウェア構成)
図3は、本実施形態に係るユーザ端末20のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末20は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の情報処理端末であり、制御部21、記憶部22、通信部23を備える。また、ユーザ端末20は、画像等を表示し操作を受け付け可能なタッチパネルディスプレイ等の表示部24、音を出力するスピーカ25、音が入力されるマイク26、及び被写体を撮像するカメラ27、操作ボタン28を備えていてもよい。以下、サーバ10との相違点を中心に説明する。
【0021】
操作ボタン28は、ユーザ端末20の側面に設けられ、ユーザ端末20を起動又は停止させるための電源ボタンやスピーカ25が出力する音のボリューム調整ボタン等である。
【0022】
これら制御部21、記憶部22、通信部23、表示部24、スピーカ25、マイク26、カメラ27、及び操作ボタン28は、システムバス29を介して相互に電気的に接続されている。従って、制御部21は、記憶部22へのアクセス、表示部24に対する画像の表示、ユーザによるタッチパネルディスプレイ(表示部24)や操作ボタン28に対する操作状態の把握、マイク26への音の入力、スピーカ25からの音の出力、カメラ27に対する制御、及び通信部23を介した各種通信網や他の情報処理装置へのアクセス等を行うことができる。
【0023】
(1-3.サーバ10の機能構成)
図4に示すように、サーバ10の制御部11は、視聴権限設定部11aと、共有動画登録部11bと、動画配信管理部11cを有する。
【0024】
視聴権限設定部11aは、ユーザU1が所定条件を満たした場合に動画M1を視聴する視聴権限をユーザU1に付与する。共有動画登録部11bは、ユーザU1の指示により、ユーザU1を含む複数のユーザが属するグループにおいて共有する動画である共有動画として、視聴権限が付与された動画M1を登録する。動画配信管理部11cは、共有動画を登録したことを条件に、ユーザU1が、当該グループに属する他のユーザU2が登録した共有動画(図1における動画M2)を視聴可能に制御する。各機能の詳細は、後述する。
【0025】
上述した機能構成は、サーバ10に適宜インストールされるソフトウェア(いわゆるアプリを含む)によって実現してもよく、ハードウェアによって実現してもよい。ソフトウェアによって実現する場合、制御部11がソフトウェアを構成するプログラムを実行することによって各種機能を実現することができる。
【0026】
プログラムを実行することで実現される場合、当該プログラムは、サーバ10が内蔵する記憶部12に格納してもよく、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体に格納してもよい。また、外部の記憶装置に格納されたプログラムを読み出し、いわゆるクラウドコンピューティングにより実現してもよい。もしくは、ハードウェアによって実現する場合、ASIC、SOC、FPGA、又はDRPなどの種々の回路によって実現することができる。また、上述した機能構成は、一部の機能構成をソフトウェア又はハードウェアによって、ユーザ端末20等で処理されるようにしてもよい。
【0027】
(1-4.視聴権限設定部11aの機能)
図5図7を参照し、制御部11の機能について詳細に説明する。視聴権限設定部11aは、ユーザU1が所定条件を満たした場合に動画M1を視聴する視聴権限をユーザU1に付与するように構成される。動画M1を視聴する視聴権限を付与されたユーザU1は、動画配信サーバからユーザ端末20aに動画M1の配信を受けることができる。
【0028】
視聴権限の付与のための所定条件は、例えば、ユーザU1による動画M1の視聴権限の購入である。視聴権限設定部11aは、ユーザU1が動画M1の視聴権限を購入したという情報に基づき視聴権限を付与するように構成されてもよい。また、サーバ10の制御部11は、さらに動画購入処理部を有してもよい。動画購入処理部は、ユーザU1の動画M1についての購入要求をユーザ端末20aから受け付け、さらに対価の支払いを受け付ける。動画購入処理部は、購入情報を記憶部12等に記録する。
【0029】
(1-5.共有動画登録部11bの機能)
共有動画登録部11bは、ユーザU1の指示により、ユーザU1を含む複数のユーザが属するグループG1において共有する動画である共有動画として、ユーザU1に視聴権限が付与された動画M1を登録するように構成される。図5において、グループG1にはユーザU1及びユーザU2が属している。
【0030】
ここで、ユーザU1の指示とは、動画M1をグループG1における共有動画として登録するために、ユーザ端末20aからサーバ10に送信される要求である。共有動画登録部11bは、当該要求を受け付け、動画M1を共有動画として記憶部12等に記録することによって登録する。
【0031】
また、グループG1は、複数のユーザ間の関連性に基づき形成される。ユーザ間の関連性とは、一態様においては、グループG1に属するユーザによってグループの構成が要求されたことにより生じた関連性である。形成されるグループは、一時的なものでも長期に渡るものであってもよい。グループは、例えば、動画に関する意見交換を行うための会話が行えるチャットルーム等を形成してもよい。
【0032】
また、所定のユーザ間の関連性とは、一態様においては、ユーザのその他の種々の情報に基づき判定される関連性であってもよい。ユーザ情報は、例えば、ユーザU1とユーザU2の間の交友関係に関する情報(以下、「フレンド情報」ともいう)である。フレンド情報は、動画共有システム1に関連するサービス内外における交流を指標化したものである。グループは、ユーザの要求により、例えば制御部11のグループ設定部等によって形成されてもよい。または、ユーザの要求なしに、ユーザ間の交流の度合い(例えば、交友関係の深度、親密度、頻度等)に基づきグループ設定部等によって自動的に形成されてもよい。
【0033】
サービス内における交流としては、例えば、上記チャットルーム等における会話が行われたこと、又は互いにサービスにおけるアカウントやID等を交換し連絡可能に繋がっていること等が挙げられる。また、サービス外における交流としては、例えば、特定のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)上で、何らかの接触(いわゆる、「いいね」「フォロー」「友達追加」等)を行っていることが挙げられる。
【0034】
(1-6.動画配信管理部11cの機能)
動画配信管理部11cは、共有動画を登録したことを条件に、ユーザU1が、グループG1のユーザU2が登録した共有動画を視聴可能に制御するように構成される。このような構成とすることで、全ての動画の視聴権限を有しなくとも、視聴権限を有する少なくとも1つの動画を共有するだけで、グループ内のユーザであれば共有されている動画の全てを視聴可能に制御できる。すなわち、複数の動画が共有されている場合には、ユーザは視聴権限を有する少なくとも1つの動画を共有するだけで、共有されている当該複数の動画を視聴可能となる。言い換えると、ユーザは、自分が動画を提供することを条件に、他人の共有している動画を視聴可能になる。
【0035】
図5においては、ユーザU1は、自身が視聴権限を有する動画M1をグループG1における共有動画として登録している。また、ユーザU2は、自身が視聴権限を有する動画M2をグループG1における共有動画として登録している。すなわち、動画M1と動画M2がグループG1における共有動画として登録されている。
【0036】
ここで、ユーザU1は自身が視聴権限を有する動画M1について、動画M1を共有動画として登録したことに基づかなくとも、当然視聴可能である。ユーザU1は、共有動画として動画M1を登録しているため、ユーザU2が共有動画として登録した動画M2についても視聴可能である。すなわち、ユーザU1は、動画配信サーバからユーザ端末20aに動画M1及び動画M2の配信を受けることができる。
【0037】
ユーザU1は、動画M2について視聴権限を付与されるための購入等の所定条件を満たしていないが、ユーザU2が有する動画M2についての視聴権限に基づき視聴する許可が与えられている状態であるということもできる。動画配信管理部11cは、他のユーザU2が共有動画として登録した動画M2の共有動画としての登録を解除した場合に、登録が解除された動画M2を視聴不可能に制御するように構成されてもよい。ただし、ユーザU1が同一の動画M2についての視聴権限を有する場合、又は、グループG1の他のユーザが同一の動画M2について共有動画として登録している場合には、ユーザU1は動画M2について視聴可能である。
【0038】
ここで、動画の配信方法は、ライブ配信又は非ライブ配信の何れの方法であってもよいが、ライブ配信の場合には臨場感を味わうことができる。また、ストリーミング又はダウンロードの何れの方法であってもよいが、ライブ配信のときにはストリーミング配信が選択されうる。
【0039】
また、動画配信サーバはサーバ10であってもよいが、動画配信サーバがサーバ10から独立したサーバである場合には、共有動画登録部11b及び動画配信管理部11cは、視聴権限及び動画の共有状態について動画配信サーバと共有するように構成されてもよい。
【0040】
図6及び図7は、ユーザU3がグループG1にさらに属している場合について例示している。図6においては、ユーザU3は自身が視聴権限を有する動画をグループG1における共有動画として登録していない。従って、ユーザU3はグループG1の他のユーザであるユーザU1及びユーザU2が共有動画として登録している動画M1及び動画M2を、自身がこれらの動画について視聴権限を有しない限りは視聴することができない。
【0041】
一方、図7においては、ユーザU3は自身が視聴権限を有する動画M3をグループG1における共有動画として登録している。従って、ユーザU3は、グループG1の他のユーザであるユーザU1及びユーザU2が共有動画として登録している動画M1及び動画M2を、自身がこれらの動画について視聴権限を有していなくとも視聴することができる。
【0042】
(1-7.動画共有システム1の一例)
次に、動画共有システム1について、図8の例に基づきより具体的に説明する。
【0043】
図8においては、歌手A1~歌手A3からなる歌手グループのコンサートを複数のカメラ(カメラC1~カメラC6)によって撮影している。そして、各カメラの映像は動画M1~動画M6として動画配信サーバを介してライブ配信されている。
【0044】
カメラC1、カメラC2及びカメラC3は、歌手A1を中心として別のアングルによって撮影している。カメラC4は、歌手A2を中心として撮影している。カメラC5は、歌手A3を中心として撮影している。そして、カメラC6は、ステージ全体を撮影している。
【0045】
ここで、ユーザU1、ユーザU2及びユーザU3が特に歌手A1のファンであり、歌手A1の複数アングルから映像を観ることを希望している。すなわち、動画M1、動画M2及び動画M3を視聴したいと考えている。
【0046】
このような場合、まず図7のようにユーザU1、ユーザU2及びユーザU3がグループG1を形成する。次に、ユーザU1が動画M1、ユーザU2が動画M2、ユーザU3が動画M3をそれぞれ購入し視聴権限を得る。そして、各ユーザがそれぞれ視聴権限を有する動画をグループG1における共有動画として登録することで、ユーザU1、ユーザU2及びユーザU3は全員が動画M1、動画M2及び動画M3を視聴可能となる。すなわち、1つの動画を購入し共有するだけで、歌手A1の複数アングルから映像を観ることができるようになる。
【0047】
また、図9に示すように、ユーザU1のユーザ端末20aは、動画配信サーバから配信された動画M1~動画M3を表示部24に並べて表示するように構成されてもよい。図9においては、一例として、動画M1は大きく表示され、動画M2及び動画M3は小さく表示されている。ユーザ端末20aは、ユーザU1の操作又は所定の条件に従い表示を切り替えてもよい。例えば、動画M2が大きく表示されて、動画M1が小さく表示される。
【0048】
また、ユーザU1~ユーザU3の何れかが、動画M6をグループG1における共有動画としてさらに登録した場合には、図10に示すように、ユーザ端末20aは動画M6についても表示することができる。なお、ユーザ端末20aは、一度に表示部24に表示可能な動画の数を定めてもよい(例えば、4動画)。ユーザ端末20aは、ユーザU1が視聴可能な動画数が表示可能な動画数を超える場合に、ユーザU1が表示する動画を選択することができるように構成されてもよい。
【0049】
(1-8.動画共有システム1による処理の流れ)
図11を参照し、動画共有システム1による処理の流れについて説明する。
【0050】
まず、図11に示すように、S210及び視聴権限設定ステップS110が実行される。S210において、ユーザU1の操作によりユーザ端末20aを介して動画M1の購入が行われ、サーバ10は当該購入の情報を取得する。S110において、視聴権限設定部11aは、当該購入の情報等に基づき所定条件を満たしたと判定した場合に、動画M1を視聴する視聴権限をユーザU1に付与する。
【0051】
次に、S220及び共有動画登録ステップS120が実行される。S220において、ユーザU1の指示に基づき、ユーザU1が属するグループG1において共有する動画である共有動画として動画M1を登録する要求が、ユーザ端末20aによってサーバ10に送信される。S120において、共有動画登録部11bは、ユーザU1が属するグループG1において共有する動画である共有動画として、動画M1を登録する。
【0052】
次に、動画配信管理ステップS130が実行される。S130において、動画配信管理部11cは、共有動画を登録したことを条件に、ユーザU1が、グループG1のユーザU2が登録した共有動画を視聴可能に制御する。
【0053】
S130は、S132、S134及びS136を含んでもよい。S132において、動画配信管理部11cは、共有動画を登録したことを条件に、グループG1のユーザが登録した共有動画を視聴可能なユーザとしてユーザU1を記憶部12等に記録する。
【0054】
S134において、動画配信管理部11cは、ユーザ端末20aから送信された動画配信要求(S234)を受け付ける。S136において、動画配信管理部11cは、受け付けた動画配信要求に基づき動画配信命令を動画配信サーバに送信する。
【0055】
次に、S340及びS250が実行される。S340において、動画配信サーバは、受信した動画配信命令に基づき、該当する動画をユーザ端末20aに配信する。S250において、ユーザ端末20aは、配信された動画を表示部24に表示する。
【0056】
<2.変形例>
以下、本発明の第1実施形態に係る動画共有システム1の種々の変形例について説明する。
【0057】
(2-1.変形例1)
共有動画登録部11bは、ユーザU1の指示により、動画を共有するための条件である共有条件を満たした場合に、共有動画として、視聴権限が付与された動画M1を登録するように構成されてもよい。
【0058】
共有条件は、登録されようとしている動画が、登録時に既に登録されている共有動画に含まれる動画と所定の関連性を有すること、を条件として含んでよい。このような構成とすることにより、ユーザが興味を有している関連性がある動画について、全ての動画の視聴権限を有しなくとも、関連性ある少なくとも1つの動画の視聴権限を共有するだけで、グループ内のユーザであれば共有されている動画の全てを視聴可能に制御できる。
【0059】
図7の例で、グループG1においてユーザU1が初めて動画M1を共有動画として登録し、次にユーザU2が動画M2を共有動画として登録し、最後にユーザU3が動画M3を共有動画として登録したとする。
【0060】
このような場合に、一態様においては、ユーザU1はグループG1において1つも動画が共有動画として登録されていないので、動画間の関連性による制約を受けずに動画M1登録を行うことができる。すなわち、共有動画登録部11bは、共有条件を満たしたかの判定を行わないか、グループにおいて初めて共有動画として動画が登録される場合には共有条件を満たされたものとみなすことができる。
【0061】
次に、ユーザU2による動画M2の登録時には、動画M2は既に共有動画として登録されている動画M1と所定の関連性を有することが必要である。ここで所定の関連性とは、例えば、同一のコンサートや競技の映像に係る動画であること等である。図8の例において、動画M1~動画M6の何れかであれば所定の関連性を有するといってもよい。なお、このように所定の関連性を有する共有動画同士を視聴可能に制御することで、ユーザは、自身が購入した動画と関連性のある、いわゆる興味のある動画を視聴可能になる。
【0062】
所定の関連性は、同一のコンサートにおける同一歌手に係る映像であること、又は同一の競技における同一競技者に係る映像であること等であってもよい。図8の例において、同一の歌手A1に係る映像の動画である動画M1~動画M3の何れかであれば所定の関連性を有するとしてもよい。
【0063】
次に、ユーザU3による動画M3の登録時には、動画M3は既に共有動画として登録されている動画M1又は/及び動画M2と所定の関連性を有することが必要である。一態様においては、動画M3は動画M1と動画M2の何れか一方のみと所定の関連性を有することが必要である。また、一態様においては、動画M3は動画M1と動画M2の何れとも所定の関連性を有することが必要である。動画M1と動画M2の何れとも関連性を有することを要求することで、共有可能な範囲が無制限に拡大することを防止することができる。
【0064】
なお、所定の関連性は、共有動画として登録されている動画に基づいて決定されてもよいが、グループの形成時又は形成後に当該グループにおいて予め登録された動画の基準等に基づいて決定されてもよい。このように、グループにおいて動画の基準が予め設定されている場合には、上述のユーザU1によるグループG1における1つ目の共有動画としての動画M1の登録の際にも、所定の関連性が考慮されることになる。
【0065】
(2-2.変形例2)
変形例2においては必要とされる共有条件が異なるが、変形例1と同様に、共有動画登録部11bは、ユーザU1の指示により、動画を共有するための条件である共有条件を満たした場合に、共有動画として、視聴権限が付与された動画M1を登録するように構成されてもよい。
【0066】
変形例2における共有条件は、登録されようとしている動画が、登録時に既に登録されている共有動画に含まれる何れの動画とも同一でないこと、を条件として含む。このような構成とすることにより、ユーザが興味を有している動画について、全ての動画の視聴権限を有しなくとも、グループ内で未だ共有されていない少なくとも1つの動画の視聴権限を共有するだけで、グループ内のユーザであれば共有されている動画の全てを視聴することができる。同一でない動画が共有されることで、バリエーションに富んだ動画が共有されるというメリットもある。
【0067】
変形例1と同様に、図7の例で、グループG1においてユーザU1が初めて動画M1を共有動画として登録し、次にユーザU2が動画M2を共有動画として登録し、最後にユーザU3が動画M3を共有動画として登録したとする。
【0068】
このような場合に、ユーザU1はグループG1において1つも動画が共有動画として登録されていないので、登録済みの動画との同一性による制約を受けずに動画M1登録を行うことができる。すなわち、共有動画登録部11bは、共有条件を満たしたかの判定を行わないか、グループにおいて初めて共有動画として動画が登録される場合には共有条件を満たすものとみなすことができる。
【0069】
次に、ユーザU2による動画M2の登録時には、動画M2は既に共有動画として登録されている動画M1と同一ではないことが必要である。図8の例においては、動画M1~動画M6は同一のコンサートに係る映像の動画であるが、アングル等が異なるため異なる動画であるとみなしうる。
【0070】
次に、ユーザU3による動画M3の登録時には、動画M3は既に共有動画として登録されている動画M1及び動画M2の何れとも同一でないことが必要である。
【0071】
(2-3.変形例3)
変形例3では、視聴権限設定部11aは、視聴権限に配信可能なユーザ数を設定するように構成される。そのような場合、動画配信管理部11cは、視聴権限に基づき、定められた数以下のユーザが共有動画を視聴可能に制御するように構成される。このような構成とすることにより、1つの視聴権限に基づき共有できるユーザ数を制限できる。すなわち、1つの視聴権限に基づき、当該動画を視聴可能なユーザ数が無制限に増加することを防止することができる。
【0072】
例えば、図7の例で、動画M1についての視聴権限に設定されている配信可能なユーザ数が2であったとすると、ユーザU1~ユーザU3の何れか2人のみが視聴可能である。すなわち、ユーザU1とユーザU2に対して動画M1が配信されている場合に、動画配信管理部11cは、配信可能なユーザ数を超えてさらにユーザU3に動画M1が配信されないように制御することができる。
【0073】
また、共有動画登録部11bは、グループに属するユーザ数が、登録されようとしている動画の視聴権限に設定されている配信可能なユーザ数を超える場合、当該グループの共有動画として、当該動画を登録できないように制御してもよい。一態様においては、共有条件は、登録されようとしている動画の視聴権限に設定されている配信可能なユーザ数が、共有動画として登録しようとしているグループに属するユーザ数を超えないこと、を含んでよい。
【0074】
また、グループ設定部等は、グループにおいて登録されている共有動画の視聴権限に設定されている配信可能なユーザ数のうちの最小数を、グループに属するユーザ数が超えないように制御してもよい。
【0075】
(2-4.変形例4)
変形例4では、動画配信管理部11cは、各ユーザが共有動画として登録した動画の数が所定の範囲である場合に、グループの他のユーザが登録した共有動画をユーザが視聴可能に制御するように構成される。このような構成とすることにより、共有する動画数がユーザ同士で大きく異なる場合に配信を制限し、衡平な条件での共有を行うように制御できる。
【0076】
ここで「ユーザが共有動画として登録した動画の数が所定の範囲である」とは、例えば、ユーザが共有動画として登録した動画の数が所定数以上であること、又は第1所定数以上且つ第2所定数以下であること等である。第1所定数や第2所定数を含む所定数は、ユーザU1の操作又は所定の条件に従いグループ設定部等によって予め決定された具体的な数(例えば、2)であってもよい。
【0077】
また、所定数は、グループに属する各ユーザによって登録されている共有動画の数に基づいて決定されてもよい。例えば、グループ設定部等は、「所定数以上」を、「グループに属する各ユーザによって登録されている共有動画数の平均から1を減じた数以上」と設定することができる。すなわち、「グループに属する各ユーザによって登録されている共有動画数の平均」が3である場合において、1つの動画しか共有動画として登録していないユーザは、自身が視聴権限を有する動画以外について配信を受けることができない。
【0078】
また、そのような配信を受けることができないユーザがグループに存在する場合に、動画配信管理部11cは、配信を受けることができないユーザが登録した動画を他のユーザが視聴できないように制御してもよい。このような構成とすることにより、ユーザ間の衡平を図ることができる。
【0079】
(2-5.変形例5)
変形例5では、動画配信管理部11cは、各ユーザが共有動画として登録した1又は複数の動画の価値の合計が所定の範囲である場合に、グループの他のユーザが登録した共有動画をユーザが視聴可能に制御するように構成される。このような構成とすることにより、共有する動画の価値の差がユーザ同士で大きく異なる場合に配信を制限し、衡平な条件での共有を行うように制御できる。
【0080】
ここで「ユーザが共有動画として登録した1又は複数の動画の価値の合計が所定の範囲である」とは、例えば、ユーザが共有動画として登録した1又は複数の動画の価値の合計が所定値以上であること、又は第1所定値以上且つ第2所定値以下であること等である。第1所定値や第2所定値を含む所定値は、ユーザU1の操作又は所定の条件に従いグループ設定部等によって予め決定された具体的な価値(例えば、500円)であってもよい。
【0081】
また、所定値は、グループに属する各ユーザによって登録されている共有動画の価値の合計に基づいて決定されてもよい。例えば、グループ設定部等は、「所定値以上」を、「グループに属する各ユーザによって登録されている共有動画の価値の合計の平均から200円を減じた数以上且つ500円以上」と設定することができる。すなわち、「グループに属する各ユーザによって登録されている共有動画の価値の合計の平均」が800円である場合において、共有動画として登録した1又は複数の動画の価値の合計が500円ユーザは、自身が視聴権限を有する動画以外について配信を受けることができない。
【0082】
また、「動画の価値」は、動画配信管理部11c等によって各動画について定められるように構成されうる。動画の価値は、固定された値であってもよく、また購入状況等に応じて変動する値であってもよい。変動する値である場合においても、「ユーザが共有動画として登録した1又は複数の動画の価値」として考慮する場合には、当該ユーザによる動画の購入時の価格を動画の価値とみなしてもよい。
【0083】
動画の価値は、種々の基準によって決定されるが、例えば図12に示すように定められてもよい。この例では、動画M1が2000円、動画M2及び動画M3が1500円、動画M4が1000円、動画M5が500円、そして動画M6が200円と定められている。これらは、各歌手の人気度、カメラとの距離、アングル等を考慮して決定されうる。
【0084】
(2-6.変形例6)
変形例6では、動画配信管理部11cは、ユーザが共有動画として登録した1又は複数の動画に含まれる少なくとも1つの動画が有する希少性の度合いが所定の範囲である場合に、グループの他のユーザが登録した共有動画をユーザが視聴可能に制御するように構成される。このように構成することにより、共有する動画の希少性の差がユーザ同士で大きく異なる場合に配信を制限し、衡平な条件での共有を行うように制御できる。
【0085】
ここで「希少性の度合い」とは、対象動画の視聴権限の入手の容易性に基づく指標である。希少性の度合いは、例えば図13に示すように定められてもよい。この例では、動画M1の希少性の度合いが5、動画M2及び動画M3の希少性の度合いが4、動画M4の希少性の度合いが3、動画M5の希少性の度合いが2、そして動画M6の希少性の度合いが1と定められている。動画の視聴権限の入手の容易性は、例えば、動画購入の容易性であり、動画の販売数、動画の人気度、販売期間の長さ、又はこれらの組合せに基づき決定されうる。
【0086】
ここで「ユーザが共有動画として登録した1又は複数の動画に含まれる少なくとも1つの動画が有する希少性の度合いが所定の範囲である」とは、例えば、ユーザが共有動画として登録した1又は複数の動画に含まれる少なくとも1つの動画が有する希少性の度合いが所定度合い以上であること、又は第1所定度合い以上且つ第2所定度合い以下であること等である。第1所定度合いや第2所定度合いを含む所定度合いは、ユーザU1の操作又は所定の条件に従いグループ設定部等によって予め決定された具体的な度合いであってもよい。
【0087】
また、所定度合いは、グループに属する各ユーザによって登録されている共有動画が有する希少性の度合いに基づいて決定されてもよい。例えば、グループ設定部等は、「所定度合い以上」を、「グループに属する各ユーザによって登録されている共有動画が有する希少性の度合いの平均から1を減じた数以上且つ2以上」と設定することができる。すなわち、「グループに属する各ユーザによって登録されている共有動画が有する希少性の度合いの平均」が4.3である場合において、共有動画として登録した1又は複数の動画に含まれる動画が有する希少性の度合いの最大が2のユーザは、自身が視聴権限を有する動画以外について配信を受けることができない。
【0088】
<3.その他の実施形態>
以上、本発明における実施形態及びその変形例について説明したが、本開示の適用は上述の内容に限定されるものではない。
【0089】
(機能構成等)
例えば、上記実施形態では、各機能を主にサーバ10が備える態様について説明したが、一部の機能についてユーザ端末20が備える、又はサーバ10とユーザ端末20の何れもが備える構成とすることができる。
【0090】
また、サーバ10等の情報処理装置は、物理的に1台で構成される装置だけでなく、複数台の装置が有線又は無線で通信可能に接続され、実質的に1つの情報処理装置として機能するものを含んでもよい。
【0091】
また、上記実施形態においてサーバ10に実行させるものとして記載されていた各ステップについても、ユーザ端末20に行わせることができる。
【0092】
(複数のグループへの所属)
また、ユーザは複数のグループに属してもよい。例えば、図14においては、ユーザU3が、グループG1に加えてユーザU4が属するグループG2にも属している状態を示している。
【0093】
共有動画登録部11bは、ユーザU3の指示により、グループG1において共有する動画である共有動画として、ユーザU3に視聴権限が付与された動画M3を登録し、他のグループG2において共有する動画である共有動画として、同一の動画M3をさらに登録するように構成されてもよい。
【0094】
このような構成とした場合には、ユーザは1つの動画を複数のグループにおいて共有動画として登録することにより、それらのグループにおける共有動画を視聴することができる。すなわち、ユーザU3はグループG1において共有動画として動画M3を登録したことにより、動画M1及び動画M2を視聴可能になる。同時に、ユーザU3はグループG2において共有動画として動画M3を登録したことにより、動画M4を視聴可能になる。
【0095】
一方で、図15に示すように、共有動画登録部11bは、ユーザU3の指示により、グループG1において共有する動画である共有動画として、ユーザU3に視聴権限が付与された動画M3を登録した場合、他のグループG2において共有する動画である共有動画として、同一の動画M3をさらに登録できないように構成されてもよい。
【0096】
このような構成とした場合には、ユーザは1つの動画を複数のグループにおいて共有動画として登録することができず、当該動画を登録した1つのグループにおける共有動画のみを視聴することができる。すなわち、ユーザU3はグループG1において共有動画として動画M3を登録したことにより、動画M1及び動画M2を視聴可能になる。しかし、ユーザU3はグループG2において共有動画として動画M3を登録できないため、動画M4を視聴することができない。
【0097】
(本発明の別の観点)
また、本発明の別の観点によれば、情報処理装置であって、視聴権限設定部と、動画配信管理部を備え、視聴権限設定部は、第1ユーザに第1動画の視聴権限である第1視聴権限を付与し、第2ユーザに第2動画の視聴権限である第2視聴権限を付与し、動画配信管理部は、異なるユーザが相互に動画を共有するための条件である相互共有条件を満たした場合に、第1動画を、第1視聴権限に基づいて、第1ユーザ及び/又は第2ユーザの情報処理端末に配信可能に制御し、第2動画を、第2視聴権限に基づいて、第1ユーザ及び/又は第2ユーザの情報処理端末に配信可能に制御する、情報処理装置が提供される。
【0098】
このような構成とすることで、各ユーザが全ての動画の視聴権限を有しなくとも、一部の視聴権限を有するだけで、ユーザが相互に動画を視聴可能となる。なお、このような別の観点による情報処理装置等においても、可能な範囲で第1実施形態等における各種概念・定義が適用されてよい。
【0099】
相互共有条件は、第1ユーザと第2ユーザが所定の関係性を有すること、第1動画と第2動画が所定の関連性を有すること、又は、第1動画と第2動画が異なる動画であること、を条件として含んでよい。第1ユーザと第2ユーザが所定の関係性を有することとは、例えば、第1ユーザと第2ユーザが同一グループに属すること等である。第1動画と第2動画が所定の関連性を有することとは、例えば、上述の例と同様に、同一のコンサートや競技の映像に係る動画であること、同一のコンサートにおける同一歌手に係る映像であること、又は同一の競技における同一競技者に係る映像であること等である。
【0100】
視聴権限設定部は、第1視聴権限及び前記第2視聴権限のそれぞれに配信可能なユーザ数を設定し、動画配信管理部は、第1視聴権限及び第2視聴権限のそれぞれに基づき、各視聴権限について定められた数以下のユーザに配信可能に制御してもよい。
【0101】
相互共有条件は、第1ユーザが第2ユーザと共有する第1動画を含む動画の数と、第2ユーザが第1ユーザと共有する第2動画を含む動画の数との差が所定の範囲内となることを条件として含んでよい。
【0102】
相互共有条件は、第1ユーザが第2ユーザと共有する第1動画を含む1又は複数の動画の価値の合計と、第2ユーザが第1ユーザと共有する第2動画を含む1又は複数の動画の価値の合計との差が所定の範囲内となることを条件として含んでよい。
【0103】
相互共有条件は、第1ユーザが第2ユーザと共有する第1動画を含む1又は複数の動画に含まれる少なくとも1つの動画が有する希少性の度合いと、第2ユーザが第1ユーザと共有する前記第2動画を含む1又は複数の動画に含まれる少なくとも1つの動画が有する希少性の度合いとの差が所定の範囲内であることを条件として含んでよい。
【0104】
相互共有条件は、第1動画が、第2ユーザが第1視聴権限以外の権限に基づいて視聴できない動画であり、且つ、第2動画が、第1ユーザが第2視聴権限以外の権限に基づいて視聴できない動画であること、を条件としてさらに含んでよい。
【0105】
以上、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0106】
<4.実施形態の特徴>
以下、本発明の実施形態の特徴をまとめる。
【0107】
本発明の一態様に係るサーバ10は、情報処理装置であって、視聴権限設定部11aと、共有動画登録部11bと、動画配信管理部11cを備え、視聴権限設定部11aは、ユーザが所定条件を満たした場合に動画を視聴する視聴権限を前記ユーザに付与し、共有動画登録部11bは、前記ユーザの指示により、前記ユーザを含む複数のユーザが属するグループにおいて共有する動画である共有動画として、前記視聴権限が付与された前記動画を登録し、動画配信管理部11cは、前記共有動画を登録したことを条件に、前記グループの他のユーザが登録した前記共有動画を前記ユーザが視聴可能に制御する、情報処理装置である。
【0108】
このような構成とすることにより、視聴権限を有する少なくとも1つの動画を共有するだけで、グループ内のユーザであれば共有されている動画の全てを視聴可能に制御できる。
【0109】
共有動画登録部11bは、前記ユーザの指示により、動画を共有するための条件である共有条件を満たした場合に、前記共有動画として、前記視聴権限が付与された前記動画を登録し、前記共有条件は、登録されようとしている前記動画が、登録時に既に登録されている前記共有動画に含まれる動画と所定の関連性を有することを、含むように構成されてもよい。このような構成とすることにより、ユーザが興味を有している関連性がある動画について、関連性ある少なくとも1つの動画の視聴権限を共有するだけで、グループ内のユーザであれば共有されている動画の全てを視聴可能に制御できる。
【0110】
共有動画登録部11bは、前記ユーザの指示により、動画を共有するための条件である共有条件を満たした場合に、前記共有動画として、前記視聴権限が付与された前記動画を登録し、前記共有条件は、登録されようとしている前記動画が、登録時に既に登録されている前記共有動画に含まれる何れの動画とも同一でないこと、を含むように構成されてもよい。このような構成とすることにより、ユーザが興味を有している動画について、グループ内で未だ共有されていない少なくとも1つの動画の視聴権限を共有するだけで、グループ内のユーザであれば共有されている動画の全てを視聴可能に制御できる。
【0111】
視聴権限設定部11aは、前記視聴権限に配信可能なユーザ数を設定し、動画配信管理部11cは、前記視聴権限に基づき、定められた数以下のユーザが前記共有動画を視聴可能に制御するように構成されてもよい。このような構成とすることにより、1つの視聴権限に基づき共有できるユーザ数を制限できる。
【0112】
動画配信管理部11cは、前記ユーザが前記共有動画として登録した動画の数が所定の範囲である場合に、前記グループの他のユーザが登録した前記共有動画を前記ユーザが視聴可能に制御するように構成されてもよい。このような構成とすることにより、共有する動画数がユーザ同士で大きく異なる場合に配信を制限し、衡平な条件での共有を行うように制御できる。
【0113】
動画配信管理部11cは、前記ユーザが前記共有動画として登録した1又は複数の動画の価値の合計が所定の範囲である場合に、前記グループの他のユーザが登録した前記共有動画を前記ユーザが視聴可能に制御するように構成されてもよい。このような構成とすることにより、共有する動画の価値の差がユーザ同士で大きく異なる場合に配信を制限し、衡平な条件での共有を行うように制御できる。
【0114】
動画配信管理部11cは、前記ユーザが前記共有動画として登録した1又は複数の動画に含まれる少なくとも1つの動画が有する希少性の度合いが所定の範囲である場合に、前記グループの他のユーザが登録した前記共有動画を前記ユーザが視聴可能に制御するように構成されてもよい。このような構成とすることにより、共有する動画の希少性の差がユーザ同士で大きく異なる場合に配信を制限し、衡平な条件での共有を行うように制御できる。
【0115】
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、視聴権限設定ステップと、共有動画登録ステップと、動画配信管理ステップを実行させるコンピュータプログラムであって、前記視聴権限設定ステップでは、ユーザが所定条件を満たした場合に動画を視聴する視聴権限を前記ユーザに付与し、前記共有動画登録ステップでは、前記ユーザの指示により、前記ユーザを含む複数のユーザが属するグループにおいて共有する動画である共有動画として、前記視聴権限が付与された前記動画を登録し、前記動画配信管理ステップでは、前記共有動画を登録したことを条件に、前記ユーザが、前記グループの他のユーザが登録した前記共有動画を視聴可能に制御する、プログラムである。
【0116】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、情報処理方法であって、視聴権限設定ステップと、共有動画登録ステップと、動画配信管理ステップを備え、前記視聴権限設定ステップでは、コンピュータが、ユーザが所定条件を満たした場合に動画を視聴する視聴権限を前記ユーザに付与し、前記共有動画登録ステップでは、前記コンピュータが前記ユーザの指示により、前記ユーザを含む複数のユーザが属するグループにおいて共有する動画である共有動画として、前記視聴権限が付与された前記動画を登録し、前記動画配信管理ステップでは、前記コンピュータが、前記共有動画を登録したことを条件に、前記ユーザが、前記グループの他のユーザが登録した前記共有動画を視聴可能に制御する、情報処理方法である。
【符号の説明】
【0117】
1:動画共有システム,5:通信回線,10:サーバ,11:制御部,11a:視聴権限設定部,11b:共有動画登録部,11c:動画配信管理部,12:記憶部,13:通信部,14:操作入力部,15:モニタ,16:システムバス,20、20a、20b:ユーザ端末,21:制御部,22:記憶部,23:通信部,24:表示部,25:スピーカ,26:マイク,27:カメラ,28:操作ボタン,29:システムバス,A1~A3:歌手,C1~C6:カメラ,G1~G2:グループ,M1~M6:動画,U1~U4:ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2024-05-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、前記プロセッサが、
第1ユーザが所定条件を満たした場合に第1動画を視聴する視聴権限を前記第1ユーザに付与し、
前記第1ユーザの指示により、前記第1ユーザ及び第2ユーザを含む複数のユーザが属するグループにおいて共有する動画である共有動画として、前記視聴権限が付与された前記第1動画を登録し、
前記ユーザが前記共有動画として登録した動画の数が所定の範囲である場合に、前記第2ユーザが前記グループの前記共有動画として登録した第2動画を前記第1ユーザが視聴可能に制御する、
情報処理装置。
【請求項2】
プロセッサが、第1ユーザが所定条件を満たした場合に第1動画を視聴する視聴権限を前記第1ユーザに付与し、
プロセッサが、前記第1ユーザの指示により、前記第1ユーザ及び第2ユーザを含む複数のユーザが属するグループにおいて共有する動画である共有動画として、前記視聴権限が付与された前記第1動画を登録し、
プロセッサが、前記ユーザが前記共有動画として登録した動画の数が所定の範囲である場合に、前記第2ユーザが登録した第2動画を前記第1ユーザが視聴可能に制御する、
情報処理方法。
【請求項3】
プロセッサに、第1ユーザが所定条件を満たした場合に第1動画を視聴する視聴権限を前記第1ユーザに付与させ、
プロセッサに、前記第1ユーザの指示により、前記第1ユーザ及び第2ユーザを含む複数のユーザが属するグループにおいて共有する動画である共有動画として、前記視聴権限が付与された前記第1動画を登録させ、
プロセッサに、前記ユーザが前記共有動画として登録した動画の数が所定の範囲である場合に、前記第2ユーザが登録した第2動画を前記第1ユーザが視聴可能に制御させる、
プログラム。
【請求項4】
サーバと端末装置とを備え、
前記サーバは、
前記端末装置を操作する第1ユーザが所定条件を満たした場合に第1動画を視聴する視聴権限を前記第1ユーザに付与し、
前記第1ユーザの指示により、前記第1ユーザ及び第2ユーザを含む複数のユーザが属するグループにおいて共有する動画である共有動画として、前記視聴権限が付与された前記第1動画を登録し、
前記ユーザが前記共有動画として登録した動画の数が所定の範囲である場合に、前記第2ユーザが前記グループの前記共有動画として登録した第2動画を前記第1ユーザが視聴可能に制御する、
システム。