(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091807
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】ライダ装置
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20240628BHJP
B60R 1/28 20220101ALI20240628BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
B60R1/28 200
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024067321
(22)【出願日】2024-04-18
(62)【分割の表示】P 2019238281の分割
【原出願日】2019-12-27
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520001073
【氏名又は名称】パイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】下平 真武
(72)【発明者】
【氏名】梁 允禎
(57)【要約】
【課題】車両に容易に後付けすることが可能なライダ装置を提供する。
【解決手段】ライダ装置100が、移動体に取り付けられる支持部材110と、支持部材110に取り付けられたライダ130と、支持部材110に対するライダ130の向きおよび/または位置を調整する第1の調整機構170と、移動体に対する支持部材110の向きおよび/または位置を調整する第2の調整機構180と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に取り付けられる支持部材と、
前記支持部材に取り付けられたライダと、
前記支持部材に対する前記ライダの向きおよび/または位置を調整する第1の調整機構と、
前記移動体に対する前記支持部材の向きおよび/または位置を調整する第2の調整機構と、を有する、ライダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の自動運転には車両が走行する道路周辺の三次元地図が用いられるが、新しい建造物ができるなど、道路周辺の状況は常に変化をしている。このため、三次元地図を頻繁に更新し、三次元地図の最新の状態に保つ必要がある。例えば、特許文献1には、車両に搭載されたカメラやライダ(LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging))により収集されたデータを、三次元地図の更新に用いる方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一台の車両により収集することができるデータには限りがある。このため、特許文献1に開示された方法により三次元地図を最新の状態に保つためには、できる限り多くの車両によりデータを収集する必要がある。しかしながら、現在、ライダが搭載された車両は少ない。
【0005】
本発明が解決しようとする課題としては、車両に容易に後付けすることが可能なライダ装置を提供することが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動体に取り付けられる支持部材と、前記支持部材に取り付けられたライダと、前記支持部材に対する前記ライダの向きおよび/または位置を調整する第1の調整機構と、前記移動体に対する前記支持部材の向きおよび/または位置を調整する第2の調整機構と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の一実施例に係るライダ装置100を示す図である。
【
図2】カバー120を外した状態のライダ装置100を示す図である。
【
図3】ライダ装置100が車両AMに取り付けられた状態を示す図である。
【
図4】第1の調整機構170による調整を説明する図である。
【
図5】第1の調整機構170による調整を説明する図である。
【
図6】第1の調整機構170による調整を説明する図である。
【
図7】第2の調整機構180による調整を説明する図である。
【
図8】4つのライダ130を備えたライダ装置100の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態に係るライダ装置は、移動体に取り付けられる支持部材と、前記支持部材に取り付けられたライダと、前記支持部材に対する前記ライダの向きおよび/または位置を調整する第1の調整機構と、前記移動体に対する前記支持部材の向きおよび/または位置を調整する第2の調整機構と、を有する。このため、第1の調整機構による調整に加え、第2の調整機構による調整を行うことが可能になる。例えば、ライダの向き/および位置を第1の調整機構によりライダ装置を取り付ける車種に合わせて調整した後に、第2の調整機構により更なる微調整を行うことが可能になる。よって、本実施形態では、ライダの向きおよび/または位置の車種に合わせた調整をライダ装置が車両に取り付けられる前に行っておくことが可能であり、ライダ装置を車両に取り付ける際には、微調整を行うだけで良く、ライダ装置を車両に取り付けることが容易である。
【0009】
また、複数の前記ライダが前記支持部材に取り付けられているようにしても良い。このようにすることで、複数のライダの視野を組み合わせることが可能になり、三次元データを得るための視野を広げることが可能になる。また、本実施形態では、第1の調整機構と第2の調整機構を有しているため、ライダ間の視野合わせと、ライダの視野と測定対象との間の位置合わせと、を異なる調整機構により行うことが可能である。よって、本実施例形態は、より精密な作業が必要なライダ間の視野合わせをライダ装置が車両に取り付けられる前に行っておくことが可能であり、ライダ装置を車両に取り付ける際には、ライダの視野と測定対象との間の位置合わせを行うだけで良く、ライダ装置を車両に取り付けることが容易である。
【0010】
また、前記ライダ装置は、前記ライダおよび前記第1の調整機構を覆うカバーをさらに有するようにしても良い。このようにすることで、ライダ、第1の調整機構を雨風などから保護することが可能になる。
【0011】
また、前記第2の調整機構は、前記カバーの外部から操作できるように設けられているようにしても良い。このようにすることで、カバーを取り外すことなく、第2の調整機構による調整を行うことが可能になる。
【0012】
また、前記ライダ装置は、前記支持部材または前記カバーに取り付けられたカメラをさらに有するようにしても良い。このようにすることで、ライダでは取得できない移動体周辺の色情報を取得することが可能になる。
【0013】
また、前記ライダ装置は、前記カバーに取り付けられたGNSSアンテナと、前記GNSSアンテナにより得られた測位情報により自己位置を推定する自己位置推定装置と、をさらに有するようにしても良い。このようにすることで、自己の位置を推定しつつ、移動体周辺の情報を収集することが可能になる。
【実施例0014】
<ライダ装置100>
図1は、本発明の一実施例に係るライダ装置100を示す図である。
図1(A)は、ライダ装置100の正面図であり、
図1(B)は、ライダ装置100の側面図であり、
図1(C)は、ライダ装置100の平面図である。
【0015】
ライダ装置100は、支持部材110と、カバー120と、2つのライダ130と、カメラ140と、GNSSアンテナ150と、を有する。
【0016】
支持部材110は、板状であり、本実施例では、支持部材110の板面に垂直な方向を支持部材110の上下方向とする。
【0017】
カバー120は、ライダ130、カメラ140を覆っており、カバー120には、
図1(A)に示すように、カバー120には、ライダ130、カメラ140の視野を遮らないように、窓Wが設けられている。窓Wの大きさは、ライダ130、カメラ140の視野などの基づき、適宜決められる。また、窓Wの数は、
図1に示したように、1つでも良いし、2つ以上であっても良い。
【0018】
ライダ130は、所定の視野を有しており、本実施例では、ライダ130の視野の中心方向をライダ130の前方とする。つまり、本実施例では、ライダ130の視野の中心方向に平行な方向を、ライダ130の前後方向とする。
【0019】
カメラ140は、カバー120の内側に取り付けられている。カメラ140は、その視野によっては、カバー120の上面に取り付けるようにしても良い。例えば、カメラ140の水平方向の視野角が360度である場合は、カバー120の上面に取り付けるようにすると良い。また、カメラ140は、カバー120でなく、支持部材110に取り付けられるようにしても良い。また、カメラ120は、支持部材110に対するカメラ120の向きおよび/または位置を調整する調整機構を介して、支持部材110またはカバー120に取り付けられるようにしても良い。
【0020】
GNSSアンテナ150は、GPS(Global Positioning System)を含むGNSS(Global Navigation Satellite System)を構成する衛星から発信された電波を受信するアンテナであり、カバー120の上面に取り付けられている。なお、GNSSアンテナ150が取り付けられる位置は、カバー120の上面に限定されない。例えば、GNSSアンテナ150は、支持部材110に取り付けられ、カバー120により覆われるようにしても良い。
【0021】
図2は、カバー120を外した状態のライダ装置100を示す図である。
図2(A)は、この状態のライダ装置100の正面図であり、
図2(B)は、この状態のライダ装置100の側面図であり、
図2(C)は、この状態のライダ装置100の平面図である。
図2において、ライダ130の形状は直方体であるが、ライダ130の形状は、直方体に限らず、円柱などの他の形状であっても良い。
【0022】
図2に示すように、ライダ装置100は、2つのライダ130と組になるように、2つの第1の調整機構を有している。ライダ130の各々は、対応する第1の調整機構170を介して支持部材110上に取り付けられており、支持部材110に対するライダ130の向きおよび/または位置は、この対応する第1の調整機構170により調整される。
【0023】
ライダ装置100は、ライダ130などとコード(不図示)により接続されたハードウェアユニット160をさらに有している。ハードウェアユニット160は、ライダ130などに電気を供給する電源や、GNSSアンテナ150により得られた測位情報などにより自己位置を推定する自己位置推定装置、ライダ130により取得された情報などを記憶する記憶装置などを備えている。
【0024】
ライダ装置100は、第2の調整機構180をさらに有しており、ライダ装置100(支持部材110)は、
図3に示すように、第2の調整機構180を介して、車両AM(移動体)のルーフに取り付けられる。本実施例では、ライダ装置100が車両AMに取り付けられたときに車両AMの幅方向と一致する方向を、支持部材110の幅方向とする。支持部材110の上下方向および支持部材110の幅方向に垂直な方向を、前後方向とする。本実施例では、2つの第2の調整機構180が、それぞれ、支持部材110の左右に設けられている。
【0025】
車両AMに対する支持部材110(ライダ装置100)の向きは、第2の調整機構180により調整される。第2の調整機構180は、ユーザが第2の調整機構180による調整をカバー120の外部から行えるように設けられる。例えば、ユーザが第2の調整機構180による調整をカバー120の外部から行えるように、
図1、3に示すように、第2の調整機構180のすくなくとも一部は、カバー120に覆われていないようにすると良い。
【0026】
図3では、ライダ装置100は、車両AMのルーフに設けられたキャリアベースCBに取り付けられているが、ライダ装置100は、車両のルーフに設けられたルーフレーンを介して車両に取り付けられても良いし、車両に直接取り付けられるようにしても良い。
【0027】
車両に取り付けられたライダ装置100は、車両の走行中に、自己の位置を推定しつつ、車両周辺の情報(3次元データ(点群データ)や画像データ)を収集する。このように収集された情報は、三次元地図の更新に用いることができる。
【0028】
<第1の調整機構170による調整>
例えば、
図4に示されるように、第1の調整機構170によりライダ130を2つの軸(RA1、RA2)の周りで回転させることで、支持部材110に対するライダ130の向きを調整すると良い。
【0029】
図4(A)は、支持部材110に取り付けられたライダ130を支持部材110の上方から見た図である。
図4(A)に示すように、第1の調整機構170により、ライダ130が、支持部材110の上下方向(
図4(A)において、紙面に垂直)に平行に延びる軸RA1の周りを回転できるようにすると良い。ライダ130の水平方向の視野角HVAは、
図4(A)に示すように、所定の角度で制限されていることがある。このような場合、ライダ130を軸RA1の周りを回転させることで、撮像したいターゲットがライダ130の視野に入るように、支持部材110に対するライダ130の向きを調整することが可能になる。
【0030】
図4(B)は、支持部材110に取り付けられたライダ130を、支持部材110の上下方向およびライダ130の前後方向に垂直な方向から見た図である。
図4(B)に示すように、第1の調整機構170により、ライダ130が、支持部材110の上下方向およびライダ130の前後方向に垂直な方向(
図4(B)において、紙面に垂直)に平行に延びる軸RA2の周りを回転できるようにすると良い。ライダの垂直方向の視野角VVAは、
図4(B)に示すように、所定の角度で制限されていることがある。このような場合、ライダ130を軸RA2の周りを回転させることで、撮像したいターゲットがライダ130の視野に入るように、支持部材110に対するライダ130の向きを調整することが可能になる。
【0031】
また、例えば、
図5に示されるように、第1の調整機構170によりライダ130を3方向(支持部材110の前後方向、上下方向、幅方向)に移動することで、支持部材110に対するライダ130の位置を調整しても良い。
【0032】
図5(A)は、支持部材110に取り付けられたライダ130を支持部材110の側方から見た図である。
図5(A)に示すように、第1の調整機構170により、ライダ130を、支持部材110の前後方向に支持部材110に対して摺動できるようにすると良い。取り付けられる車両の車種によっては、ライダ130の視野が車両のルーフによって遮られる場合がある。また、例えば、ライダ130を軸RA2の周りで回転させることでライダ130の向きを下向きに調整したとき場合には(
図4(B)参照)、ライダ130の視野がカバー120によって遮られてしまう可能性も生じる。このような場合は、ライダ130を前方に摺動することで、ライダ130の視野が車両のルーフやカバー120によって遮られないように、支持部材110に対するライダ130の位置を調整することが可能になる。
【0033】
図5(B)は、支持部材110に取り付けられたライダ130を支持部材110の側方から見た図である。
図5(B)に示すように、第1の調整機構170により、ライダ130を、支持部材110の上下方向に移動できるようにすると良い。取り付けられる車両の車種によっては、ライダ130の視野が車両のルーフによって遮られる場合がある。また、例えば、ライダ130を軸RA2の周りで回転させることでライダ130の向きを下向きに調整したとき場合には(
図4(B)参照)、ライダ130の視野がカバー120によって遮られてしまう可能性も生じる。このような場合は、ライダ130を上方に摺動することで、ライダ130の視野が車両のルーフやカバー120によって遮られないように、支持部材110に対するライダ130の位置を調整することが可能になる。
【0034】
図5(C)は、支持部材110に取り付けられたライダ130を支持部材110の上方から見た図である。
図5(C)に示すように、第1の調整機構170により、ライダ130を、支持部材110の幅方向に支持部材110に対して摺動できるようにしても良い。
【0035】
上述したように、本実施例では、ライダ130は、2つの軸RA1、RA2の周りを回転させることができ、かつ、支持部材110に対して3方向(前後方向、上下方向、幅方向)に移動させることが可能である。このため、個々のライダ130とカメラ140との間の視野合わせをすることが可能になる。また、2つのライダ130間の視野合わせをすることも可能になる。本実施例では、2つのライダ130を備えているため、2つのライダ130の視野を合わせることで、三次元データを取得するための水平方向の視野を広げることが可能である。このような視野合わせも第1の調整機構170により行うことが可能である。
【0036】
また、支持部材110に対するライダ130の向きは、第1の調整機構170により、
図6に示されるように調整できるようにしても良い。
図6は、支持部材110に取り付けられたライダ130をライダ130の前方から見た図である。
図6に示すように、第1の調整機構170により、ライダ130を、ライダ130の前後方向(
図4(C)において、紙面に垂直)に平行に延びる軸RA3の周りを回転できるようにするようにしても良い。ライダ130は、水平方向の視野角と垂直方向の視野角により決まる矩形の視野を有していることがある。このような場合、この回転より、ライダ130の矩形の視野を、支持部材110に対して傾けることが可能になる。
【0037】
上記において、支持部材110に対するライダ130の向きおよび/または位置を調整する第1の調整機構170の構成の一例を示したが、第1の調整機構170は、支持部材110に対するライダ130の向きおよび/または位置を調整することができるのであれば、どのような構成であっても良い。例えば、ライダ130を支持部材110に対して摺動するための第1の調整機構170の構成としては、摺動方向(支持部材の110の前後方向または幅方向)の延びたガイドレールとこのガイドレール上を移動するスライダとから成る構成がある。このとき、例えば、ガイドレールが支持部材110に取り付けられ、スライダがライダ130に取り付けられることで、ライダ130は、支持部材110に対して摺動することが可能になる。また、ライダ130を支持部材110に対して摺動するための第1の調整機構170の構成としては、他に、摺動方向(支持部材の110の前後方向または幅方向)の延びた長孔とこの長孔に通されたボルトとから成る構成などがある。
【0038】
<第2の調整機構180による調整>
車両AMに対する支持部材110の向きは、第2の調整機構180により、
図7に示すように調整できるようにすると良い。
図7は、車両AMに取り付けられたライダ装置100(支持部材110)を車両AMの側方から見た図である。
図7に示した実施例では、第2の調整機構180により、ライダ130を、車両AMの幅方向(
図3(C)において、紙面に垂直)に平行に延びる軸RA4の周りを回転することができる。このようにすることで、撮像したいターゲットがライダ130、カメラ140の視野に入るように、車両AMに対する支持部材110の向き、つまり、車両AMに対するライダ130、カメラ140の向きを調整することが可能になる。
【0039】
本実施例に係る第2の調整機構180は、1つの軸(RA4)の周りでの回転により、車両AMに対するライダ装置100(支持部材110)の向きを調整する構成のみを有しているが、第2の調整機構180は、軸RA4に垂直な他の2軸の周りでの回転によって、車両AMに対する支持部材110の向きを調整する構成も有するようにしても良い。また、第2の調整機構180は、ライダ装置100を3方向(車両AMの前後方向、幅方向、上下方向)のすべての方向に移動することで、車両AMに対するライダ装置100の位置を調整する構成も有するようにしても良い。
【0040】
カバー120によりライダ130が覆われた後は、ユーザは、カバー120を取り外さない限り、第1の調整機構170にアクセスすることができない。このため、カバー120を取り外すことなく、第1の調整機構170による調整を行うことはできない。そこで、本実施例に係るライダ装置100は、第1の調整機構170の他に、ライダ130が取り付けられた支持部材110の向きおよび/または位置を調整する第2の調整機構180も有している。このため、本実施例では、カバー120を外すことなく、ライダ130の向きおよび/または位置を調整することが可能である。
【0041】
また、本実施例のように、複数のセンサ(ライダ130、カメラ140)を用いる場合は、複数のセンサ間の視野合わせをする必要がある。また、センサの視野角が制限されている場合、センサ(ライダ130、カメラ140)の視野と測定対象との間の位置合わせをする必要もある。例えば、道路などの下方の測定対象を測定したいときは、センサの視野を下方に向ける必要があり、前方の建物などの測定対象を測定したいときは、センサの視野を前方に向ける必要がある。そこで、本実施例に係るライダ装置100は、個々のライダ130の向きおよび/または位置を調整する第1の調整機構170と、ライダ130が取り付けられた支持部材110の向きおよび/または位置を調整する第2の調整機構180の2つの調整機構を有している。このため、本実施例では、センサ間の視野合わせを第1の調整機構170にするとともに、センサの視野と測定対象との間の位置合わせを第2の調整機構にすることが可能である。結果、本実施例では、例えば、センサ間の視野合わせがされた後は、センサの視野間の関係に影響を与えることなく、測定対象に応じて、センサの視野と測定対象との間の位置合わせを行うことが可能である。
【0042】
上記のように、本実施例では、センサ間の視野合わせと、センサの視野と測定対象との間の位置合わせと、を異なる調整機構により行うことが可能である。よって、本実施例では、より精密な作業が必要なセンサ間の視野合わせをライダ装置100が車両に取り付けられる前に行っておくことが可能であり、ライダ装置100を車両に取り付ける際には、センサの視野と測定対象との間の位置合わせを行うだけで良く、ライダ装置100を車両に取り付けることが容易である。
【0043】
<ライダ130の数>
上記に示した例において、ライダ130と第1の位置調整機構170の組は2つであるが、ライダ130と第1の位置調整機構170の組は、1つであっても良いし、3つ以上であっても良い。ライダ130の数は、例えば、ライダ130の視野が所望の視野に合うように決めると良い。
【0044】
例えば、ライダ130の水平方向の視野が60度である場合、2つのライダ130では、水平方向の視野角は、2つのライダ130の視野を合わせたとしても、120度以下であり、前方のターゲットだけでなく、側方のターゲットの三次元データを取得したいときには、2つのライダ130では、視野が足りない。そこで、例えば、
図8に示すように、ライダ装置100は、4つのライダ140を有するようにしても良い。ここで、
図8は、カバー120が外された状態でのライダ装置100の平面図である。このようにすることで、前方のターゲットだけでなく、側方のターゲットの三次元データを取得することが可能になる。
【0045】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に記載した本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。