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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091816
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】電解質のための添加剤
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/0567 20100101AFI20240628BHJP
【FI】
H01M10/0567
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024067461
(22)【出願日】2024-04-18
(62)【分割の表示】P 2022058975の分割
【原出願日】2017-04-05
(31)【優先権主張番号】62/318,988
(32)【優先日】2016-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513138072
【氏名又は名称】ハイドロ-ケベック
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-クリストフ ダイグル
(72)【発明者】
【氏名】上坂 進一
(72)【発明者】
【氏名】浅川 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】カリム ザジブ
(57)【要約】
【課題】電解質のための添加剤を提供すること。
【解決手段】少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤の、電池用の電解質における使用が提供される。また、電池においてアノードと残留水との間の接触を防止し、そして/または電池内の気体のレベルを低減する方法も提供される。さらに、少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤を含む、電池用の電解質が提供される。その上、少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤を含む電解質を含む電池が提供される。本発明の電解質は、アノードが反応性基を含む電池で使用することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池のサイクル
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、一般に、電解質のための添加剤に関する。より具体的には、本発明は、カーボネートを含む電解質における添加剤としての有機触媒の使用に関する。本発明の電解質は、アノードが反応性基を含む電池で使用することができる。有機触媒は反応性基とカーボネートとの間の反応を促進し、これによりアノードの表面上に保護層が形成され、そうして電池内のアノードと残留水との間の接触が防止され、また電解質内のカーボネートの分解も防止される。本発明の電解質を使用する電池はより安定で安全である。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
水は電池電極の残留汚染物質である。例えば、アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)である電池のサイクル中、水は、LTOと接触して、水素と酸素を生成する。通例、かかる電池において、カソードはMがFe、Co、Ni、Mn等であるLiMPOをベースとしており、電解質は溶媒としての直鎖状カーボネートおよび環状カーボネートとLiPF、LiFSI、LiTFSI、LiBOB、LiBFまたはリチウムを含む任意の他の適切な市販の塩であってよい塩との混合物である。これは、アノードが水素チタン酸化物(HTO)、TiO、Si、SiO、Snおよび黒鉛のような材料を含む電池でも起こる。また、これはカソードが高エネルギーカソードである電池でも起こる。
【0003】
かかる電池、例えばアノードがLTOである電池のサイクル中、電解質(カーボネート)はアノードの存在下で残留水と反応してCO、CO、H、Oおよび炭化水素を形成することができる。これらの生成物は小袋気泡(pouch cell)の膨張を引き起こすこ
とが公知であり、安全上の問題となる可能性がある[1~3]。
【0004】
産業界でこの問題に対処する1つの方策はカソードおよびアノードから水を除くことからなる。活物質は一般に親水性であるため、電極は慎重に乾燥する必要がある。これには一般に大量のエネルギーを必要とし、したがってコストが上昇する[4]。
【0005】
別の方策は電極上の界面における保護コーティングの形成を可能にすることである。このコーティングは電解質と電極の活性表面との間の接触を防止することができる。例えば、添加剤を電解質内で使用し、添加剤の分解により膜を形成する[6]。また、セルを組み立てる前に活物質上に直接シェルを形成してLTOのアノード上に保護層を作り出すことが行われている[7]。
電池内でアノードが残留水と接触するのを防止する方法が未だに必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Belharouak, I.; Amine, K.; Koenig, G.; Tan, T.; Yumoto, H.; Ota, N. In Gassing and performance degradation in Li4Ti5O12 based Li-ion batteries, 29th International Battery Seminar and Exhibit 2012: Primary and Secondary Batteries - Other Technologies, 2012; pp 874-887.
【非特許文献2】Wu, K.; Yang, J.; Liu, Y.; Zhang, Y.; Wang, C.; Xu, J.; Ning, F.; Wang, D., Investigation on gas generation of Li4Ti5O12/LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2 cells at elevated temperature. Journal of Power Sources 2013, 237(0), 285-290.
【非特許文献3】Wu, K.; Yang, J.; Zhang, Y.; Wang, C.; Wang, D., Investigation on Li4Ti5O12 batteries developed for hybrid electric vehicle. J. Appl. Electrochem. 2012, 42 (12), 989-995.
【非特許文献4】Han, L.; Wang, S. W.; Xiao, F., The analysis and research on the coating and drying method of electrode of the Li-ion power battery. In Advanced Materials Research, 2013; Vol. 765-767, pp 3184-3187.
【非特許文献5】Bouayad, H.; Wang, Z.; Dupre, N.; Dedryvere, R.; Foix, D.; Franger, S.; Martin, J. F.; Boutafa, L.; Patoux, S.; Gonbeau, D.; Guyomard, D., Improvement of Electrode/Electrolyte Interfaces in High-Voltage Spinel Lithium-Ion Batteries by Using Glutaric Anhydride as Electrolyte Additive. The Journal of Physical Chemistry C 2014, 118(9), 4634-4648.
【非特許文献6】Lu, Q.; Fang, J.; Yang, J.; Feng, X.; Wang, J.; Nuli, Y., A polyimide ion-conductive protection layer to suppress side reactions on Li4Ti5O12 electrodes at elevated temperature. RSC Advances 2014, 4(20), 10280-10283.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
本発明者らは、カーボネートを含む電解質での添加剤としての有機触媒の使用を発見した。本発明の電解質は、アノードが反応性基を含む電池で使用することができる。有機触媒は反応性基とカーボネートとの間の反応を促進し、これによりアノードの表面上に保護層が形成され、したがって電池内のアノードと残留水との間の接触が防止され、また電解質内のカーボネートの分解も防止される。本発明の電解質を使用する電池はより安定で安全である。
【0008】
したがって、本発明は、その態様に従って以下を提供する。
(1)少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤の、電池用の電解質における使用。
(2)少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤の、少なくとも1種のカーボネートを含む電解質における使用。
(3)少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤の、前記アノードが反応性基を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池における使用。
(4)少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤の、前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)、水素チタン酸化物(HTO)、TiO、Si、SiO、Sn、黒鉛およびこれらの組合せからなる群から選択される材料を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池における使用。
(5)少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤の、前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)である材料を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池における使用。
(6)電池において前記アノードと残留水との間の接触を防止し、そして/または電池内の気体のレベルを低減する方法であって、前記方法が、少なくとも1種の有機触媒を含む電解質を使用することを含む、方法。
(7)前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池において前記アノードと残留水との間の接触を防止し、そして/または電池内の気体のレベルを低減する方法であって、前記方法が、前記電解質に少なくとも1種の有機触媒を添加することを含む、方法。(8)前記アノードが反応性基を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池において前記アノードと残留水との間の接触を防止し、そして/または電池内の気体のレベルを低減する方法であって、前記方法が、前記電解質に少なくとも1種の有機触
媒を添加することを含む、方法。
(9)電池において前記アノードと残留水との間の接触を防止し、そして/または電池内の気体のレベルを低減し、そして/または前記電解質内のカーボネートの分解を防止する方法であって、前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)、水素チタン酸化物(HTO)、TiO、Si、SiO、Sn、黒鉛およびこれらの組合せからなる群から選択される材料を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含み、前記方法が、前記電解質に少なくとも1種の有機触媒を添加することを含む、方法。
(10)電池において前記アノードと残留水との間の接触を防止し、そして/または電池内の気体のレベルを低減し、そして/または前記電解質内のカーボネートの分解を防止する方法であって、前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)である材料を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含み、前記方法が、前記電解質に少なくとも1種の有機触媒を添加することを含む、方法。
(11)少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤を含む、電池用の電解質。
(12)前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)、水素チタン酸化物(HTO)、TiO、Si、SiO、Sn、黒鉛およびこれらの組合せからなる群から選択される材料を含む電池用の電解質であって、前記電解質が、少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤を含む、電解質。
(13)前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)である材料を含む電池用の電解質であって、前記電解質が、少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤を含む、電解質。
(14)前記電解質が少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤を含む、電池。
(15)前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池であって、前記電解質が少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤をさらに含む、電池。
(16)前記アノードが反応性基を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池であって、前記電解質が少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤をさらに含む、電池。
(17)前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)、水素チタン酸化物(HTO)、TiO、Si、SiO、Sn、黒鉛およびこれらの組合せからなる群から選択される材料を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池であって、前記電解質が少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤をさらに含む、電池。
(18)前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)である材料を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池であって、前記電解質が少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤をさらに含む、電池。
(19)前記有機触媒がアルカロイド化合物である、上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の使用または上記(6)~(10)のいずれか一つに記載の方法または上記(11)~(13)のいずれか一つに記載の電解質または上記(14)~(18)のいずれか一つに記載の電池。
(20)前記有機触媒がアミジン化合物である、上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の使用または上記(6)~(10)のいずれか一つに記載の方法または上記(11)~(13)のいずれか一つに記載の電解質または上記(14)~(18)のいずれか一つに記載の電池。
(21)前記有機触媒が1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)である、上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の使用または上記(6)~(10)のいずれか一つに記載の方法または上記(11)~(13)のいずれか一つに記載の電解質または上記(14)~(18)のいずれか一つに記載の電池。
(22)前記反応性基がOH、SHまたはこれらの組合せである、上記(3)に記載の使用または上記(8)に記載の方法または上記(16)に記載の電池。
(23)前記カーボネートが飽和または不飽和の直鎖状、分岐状または環状カーボネートである、上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の使用または上記(6)~(10)のいずれか一つに記載の方法または上記(11)~(13)のいずれか一つに記載の電解質または上記(14)~(18)のいずれか一つに記載の電池。
(24)前記カーボネートが下記一般式I
【化1】
を有し、式中、RはC~C12直鎖状、分岐状または環状アルキル基であり、nは1~6の整数である、上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の使用または上記(6)~(10)のいずれか一つに記載の方法または上記(11)~(13)のいずれか一つに記載の電解質または上記(14)~(18)のいずれか一つに記載の電池。
(25)前記カーボネートがプロピレンカーボネートである、上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の使用または上記(6)~(10)のいずれか一つに記載の方法または上記(11)~(13)のいずれか一つに記載の電解質または上記(14)~(18)のいずれか一つに記載の電池。
(26)前記電解質がLiPF、LiFSI、LiTFSI、LiBOB、LiBFおよびこれらの組合せからなる群から選択される塩をさらに含む、上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の使用または上記(6)~(10)のいずれか一つに記載の方法または上記(11)~(13)のいずれか一つに記載の電解質または上記(14)~(18)のいずれか一つに記載の電池。
(27)前記カソードが、MがFe、Co、NiまたはMnであるLiMPOをベースとしているか、または前記カソードが高エネルギーカソードである、上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の使用または上記(6)~(10)のいずれか一つに記載の方法または上記(11)~(13)のいずれか一つに記載の電解質または上記(14)~(18)のいずれか一つに記載の電池。
(28)前記電解質内の有機触媒の量が約0.5%またはそれ未満である、上記(1)~(5)のいずれか一つに記載の使用または上記(6)~(10)のいずれか一つに記載の方法または上記(11)~(13)のいずれか一つに記載の電解質または上記(14)~(18)のいずれか一つに記載の電池。
【0009】
本発明の他の目的、利点および特徴は、添付の図面を参照しながら、単なる例として与えられている、その特定の実施形態に関する以下の非制限的な記載を読むことでより明白となる。
【0010】
添付の図面は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、アノードの表面上における、有機触媒により触媒される、アノードの反応性基と電解質のカーボネートとの間の化学反応を一般的に示す。
【0012】
図2図2は、リチウムチタン酸化物(LTO)アノード表面上における、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)により触媒されるヒドロキシル基とカーボネートとの間の化学反応である。
【0013】
図3図3は、モデル系のHPLC-MS TOFである。
【0014】
図4図4は、GCで定量化されたセル内の気体の体積を示す。青色は水素、赤色はプロピレン、薄青はメタン、緑色は二酸化炭素、黄色は酸素である。
【0015】
図5図5は、LTOアノード表面上における保護層の形成の概要を説明する推定上の機構である。
【0016】
図6図6は、添加剤を含むアノードのFTIRスペクトルである。
【0017】
図7図7は、a)走査電子顕微鏡(SEM)画像、およびb)m/z=59のディーププロファイル(deep profile)であり、このフラグメントは酸化プロピレンに対応し、フラグメントm/z=47.869はチタンを表す。
【0018】
図8図8は、アノードの熱重量分析である。
【0019】
図9図9は、添加剤による気体抑制の効果を示す。
【0020】
図10図10は、45℃での浮遊試験中の浮遊電流である。
【0021】
図11図11は、様々な温度での放電/直流抵抗(DCR)である。
【0022】
図12図12は、45℃でのサイクル試験中の容量保持およびDCRの変動である。
【0023】
図13図13は、-10℃でのサイクル試験中の容量保持およびDCRの変動である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
例証的実施例および実施形態の説明
本発明をさらに説明する前に、以下に記載する特定の実施形態の変化形は、作製され、それでも添付の特許請求の範囲の範囲内に入り得るので、本発明がこれらの実施形態に制限されないことを理解されたい。使用される専門用語は特定の実施形態を説明することを目的とするものであって限定することを意図しているわけではないことも理解されたい。代わりに、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって確立される。
【0025】
本明細書で使用される用語の明白で一貫した理解を提供するために、以下にいくつかの定義を提供する。なお、他に規定されない限り、本明細書で使用される技術および科学用語は全て本発明が属する技術分野の当業者が通常理解するのと同一の意味を有する。
【0026】
本明細書で使用されるとき、用語「有機触媒」は、炭素、水素、硫黄および有機化合物でみられる他の非金属元素を含む有機触媒を指すことを意図している。
【0027】
本明細書で使用されるとき、用語「反応性基」は、カーボネートと反応してポリマーのような安定な化合物を形成し得る化学基を指すことを意図している。
【0028】
単語「ある1つの(a)」または「ある1つの(an)」の使用は、特許請求の範囲および/または本明細書中で用語「含む」と共に使用されるとき「1つ」を意味し得るが、「1つまたはそれより多い」、「少なくとも1つ」、および「1つまたは1つより多い」の意味とも一致する。同様に、単語「別の」は少なくとも第2のまたはそれを超えるものを意味し得る。
【0029】
本明細書および特許請求の範囲で使用されるとき、単語「含む(comprising)」(ならびに「含む(comprise)」および「含む(comprises)」の
ような、含む(comprising)の任意の形態)、「有する(having)」(ならびに「有する(have)」および「有する(has)」のような、有する(having)の任意の形態)、「含む(including)」(ならびに「含む(include)」および「含む(includes)」のような、含む(including)の任意の形態)または「含有する(containing)」(ならびに「含有する(contain)」および「含有する(contains)」のような、含有する(containing)の任意の形態)は包括的(inclusive)またはオープンエンドな(open-ended)単語であり、追加の、列挙されてない要素またはプロセスステップを排除しない。
【0030】
本明細書で使用されるとき、用語「約」は、ある値が、その値を決定するのに使用される装置または方法の誤差の固有の変動を含むことを示すために使用されている。
【0031】
本発明は、電池用の電解質における添加剤としての有機触媒の使用に関する。かかる有機触媒は、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれるNederbergら[8]に
より開示されている。実際に、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)の存在下での環状カーボネートの反応がポリ(カーボネート)を調製する魅力的な方法であることは当技術分野で公知である。
【0032】
本発明の実施形態では、電解質はカーボネートを含む。電解質はさらに塩、好ましくはリチウム塩を含んでいてもよい。
【0033】
本発明の実施形態では、有機触媒はアルカロイドである。他の実施形態では、有機触媒はDBUのようなアミジン化合物である。
【0034】
本発明の電解質は、アノードが反応性基を含む電池で使用され得る。本発明の実施形態では、反応性基はOH基またはSH基、好ましくはOH基である。
【0035】
図1を参照すると、有機触媒(10)はアノード(20)の表面での反応性基(12)と電解質中のカーボネート(14)との間の反応を促進する。これにより、アノード(20)の表面に保護層(16)が形成される。保護層(16)は電池内のアノード(20)と残留水との間の接触を防止する。特に、本発明の実施形態によると、保護層(16)は図示されているように形成されたポリマー材料(18)から作製される。本発明の電解質を使用する電池はより安定で安全である。
【0036】
本発明の一実施形態では、有機触媒、例えば1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)は、リチウムチタン酸化物(LTO)アノードの表面での環状カーボネートの開環重合(ROP)のために使用される(Rは飽和または不飽和のC~C12直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であってよい)。これは図2に示されている。実際に、LTOアノードの表面のヒドロキシル基は開始剤として作用し、LTOアノード表面上におけるポリマーの形成を、電池の他のどの表面上よりもむしろ優先させる。こうしてLTOアノードはコーティング(保護)され、これにより電池内での気体の発生が実質的に制限される。したがって、気体の形成を伴う、LTOアノードの表面での電解質と残留水との間の望ましくない反応が防止される。また、図5に図示されているように、有機触媒DBUは、電池のサイクル中に形成されるいかなるHF、COおよび/または水をトラップし得る。さらに、電解質内のカーボネートの分解が防止され得る。
【0037】
当業者には理解されるように、他のカーボネートも使用できる。カーボネートは直鎖状、分岐状、飽和または不飽和のものであってよい。本発明の実施形態では、カーボネートは一般式Iの化合物であり得る。
【化2】
式中、RはC~C12直鎖状、分岐状または環状アルキル基であり、nは1~6の整数である。
【0038】
当業者には理解されるように、他の有機触媒も使用できる。かかる有機触媒は、炭素、水素、硫黄および有機化合物でみられる他の非金属元素を含む、当技術分野で公知の任意の適切な有機触媒であってよい。
【0039】
本発明者らは、モデル系でH NMRおよびHPLC-MSによりDBUの挙動の評価を行った。モデルは、解析を簡略化するために45℃に12時間加熱されたPC-DBUの混合物からなる。図3に、得られたスペクトルを示す。連鎖は、DBUにより、ROPによるPCの1つの挿入から開始される。また、H NMRスペクトルは、大過剰のPCおよびDBUの存在に起因する少量のポリ(プロピレンカーボネート)に特徴的なシグナルを示す。
【0040】
0.5%またはそれ未満のDBUを電解質に添加することにより、全気体の20%volの低減が可能となる。具体的には、ガスクロマトグラフィー(GC)で決定した場合、水素、酸素およびプロピレンのレベルは低下するが、二酸化炭素のレベルは増大する。図4は、セル内の気体のレベルおよび分布を示す。
【0041】
得られた結果に基づいて、アノード上の保護層の形成の推定上の機構に対してある仮説を立てることができる。図5にその概要を示す。当業者には理解されるように、異なる機構は、保護層の形成に起因すると考えることができる。
【0042】
最初のステップでは、プロピレンカーボネートが分解してCOおよびカチオンかつラジカル形態のポリ(プロピレンオキシド)(PPO)を生産する。同時に、DBUがHFを中和し得る。第2のステップでは、LTOアノードの表面上に位置し、DBUにより安定化されたヒドロキシル基により開始される酸化プロピレンのフラグメントの重合が起こる。このカチオンがLTOまたはPPOと反応するように刺激されて、LTOアノードの表面に安定な層を形成するが、ラジカルはおそらくDBUと反応する[8~10]。PPOの形成はまたアノードのATR-ダイヤモンド解析を備えたFTIRによっても確認される。スペクトルはカルボニル基の振動によるいかなるバンド(1735cm-1)も示さず、そこで本発明者らはポリ(プロピレンカーボネート)の存在を捨てることができる(図6)。
【0043】
固体電解質界面(solid electrolyte interphase)(SEI)の形成がサイクルの最初の段階の間に起こる。したがって、電極の広範な分解が回避される。この形成の機構は不明瞭であるが、反応はおそらく電解質の還元により進行して、SEIの形成を開始し得るラジカルを形成すると考えられる[11,12]。この機構に基づいて、DBUの使用は、DBUがラジカルと反応して安定なSEIを形成し得るので、黒鉛のアノードとも適合性であると考えられる。当業者には理解されるように、DBUの使用はまた、他のアノード、例えば水素チタン酸化物(HTO)、TiO、Si、SiOxおよびSnである材料を含むアノードとも適合性であり得る。
【0044】
また、質量分析(MS)および飛行時間(TOF)検出器と連結した走査電子顕微鏡(SEM)による表面の解析でも、アノードの表面でのポリマーの層の堆積が確認された。この層はおよそ350nmの厚さを有する。この保護層は、アノードの表面上でのポリマーに関連する有機フラグメントの存在によって確認される。また、参照と比較してLTO由来のチタンの存在も、LTOアノード表面上のコーティングの存在を示唆している。図7aはSEM画像を示し、図7bはm/z=59のディーププロファイルを示し、このフラグメントは酸化プロピレンに対応し、フラグメントm/z=47.869はチタンを表す。
【0045】
これにより、触媒としてリチウム塩を使用することによって線状ポリマーの形成が促進されることが立証された[13]。また、NMRによる解析のために重水素化クロロホルムにより負極を洗浄した後浸出液中にDBUの残渣は実質的にない。その結果、本発明者らは、このDBUの非存在を、不溶性のポリマー膜の形成によると考えることができる。さらに、ポリマー内に大きい割合のフッ化物があったが、このフッ化物は、LTOアノードの表面における通常の形成である、LiF形態であるようにはみえない。本発明者らは、フッ化物が酸形態であり、DBUと反応し、したがってセル内部での気体のHFの形成が回避されると推測した(図7に示されていない)[10]。また、これはアノードの熱重量分析によっても支持される(図8)。
【0046】
DBUの添加は、ポリ(エチレン)セパレーター上ではなく、LTOアノード表面上のコーティングの形成を促進する。このことは、このポリマーによるセパレーターの細孔の閉塞が防止されるので、望ましい可能性がある。これは、セパレーター(DBUを伴うセル)の目視検査および45℃かつ2.4Vでの5日間の浮遊試験後のセルのサイクル性によって確認された。通常、DBUを伴わないセル(本発明者らの参照)は、このプロセス後、セパレーターの細孔が環状カーボネートの分解に起因するポリマーにより完全に埋められるので循環させることができない。
【0047】
本発明者らは、異なる成分の分解に関連し得る温度の異なる区分にスペクトルを分割し得る。最初の区分が水準線(plane line)上にあり、この区分は30~60℃の間にあり、本発明者らはこれがHFの蒸発に関連していると考えている。この区分はアノードプラス添加剤の曲線でしか見えない。それは、おそらくフッ化水素のトラップに関連している。第2の区分は260~600℃の間で規定され、この区分はポリマーの分解に対応する。添加剤を伴うアノードは、重量損失に応じてポリマーを0.8wt%多く有する。最後に、既に公知のように、LTOの酸化は800℃より高い温度で起こる。このプロセスは、LTOアノードの表面上に位置するヒドロキシル基の反応を含み、それは電解質の分解の原因になる。本発明者らはこれらの基による重合の開始を既に論じ、その結果、機構は添加剤を伴うアノードに対する酸化の低減によって確認される。本発明者らは、1.2wt%の低下を観察する。したがって、DBUの添加は、ヒドロキシル基により開始され、DBUにより安定化される、LTOアノードの表面上のコーティングの形成を促進する(図4参照)。
【0048】
したがって、ポリマーはポリ(エチレン)セパレーター上に観察されなかったが、これは、ポリマーによるセパレーターの細孔の閉塞が防止されたので1つの利点を構成する。このことは、セパレーターの目視検査(DBUを伴うセル)および45℃かつ2.4Vでの5日間の浮遊試験後のセルのサイクル性によって確認された。通常、DBUを伴わないセル(本発明者らの参照)は、このプロセス後、セパレーターが環状カーボネートの分解に起因するポリマーにより完全に埋められるので循環させることができない。
気体抑制効果
【0049】
ビニレンカーボネート(VC)は、黒鉛をベースとするリチウムイオン電池で、劣化を抑制し長い寿命を得るために広く使用されている。例えば、2%のVCを電解質中に入れたとき、生成した気体の20%が抑制された(図9)。その上、0.5%のDBUは同じレベルの気体抑制を示した。少量のDBUは大いに有効である可能性がある。
浮遊試験中の短絡の抑制
【0050】
図10は、浮遊試験中の浮遊電流を示す。電流は有機触媒または添加剤を伴わない参照セルで急激な上昇を示し、これはセル内の微細短絡を示す。対照的に、DBUを伴うセルは連続した低い浮遊電流を示し、これは45℃の高温条件でより高い安定性を意味している。
セルの内部抵抗に対する効果
【0051】
図11は、様々な温度でのセルの直流抵抗(DCR)を示す。値は1ItAおよび3ItAに対する10秒の放電で得られた。
【0052】
通常、添加剤または保護コーティングは、劣化を抑制する代わりにセルの初期抵抗を増大させる。結果は、DBUを添加したセルで有意な抵抗増大がないことを示している。言い換えると、DBUは広い温度作動範囲でセルの電力性能を妨げない。
様々な温度でのサイクル性能
【0053】
45℃の高温:図12は45℃でのサイクル性能を示す。DBUを伴うセルはより良好な容量保持を示し、このことは、有機触媒を伴わない参照セルと比較して、高温環境でも劣化が少ないことを示している。それは、電池およびその系の長期安定性を大いに改善し得る。DCRは、参照のDCRと同一レベルまたはそれ未満のままであり、このことは、DBUが電池性能を妨げないことを示している。
【0054】
-10℃の低温:図13は-10℃でのサイクル性能を示す。DCRの値は上に記載したのと同じ方法を使用して23℃で得られた。DBUを添加したセルで容量保持およびDCRの変動の両方が参照と同じレベルを示した。この温度範囲で、本発明者らは、気体発生のような多くの副反応を予期しないので、有意な差が見られないことは合理的である。これから分かるように、DBUは電力性能を妨げない。
【0055】
上に概要を示したこれらの性質に関して、DBUは少量で加えたときでも気体を抑制し得、広い温度作動範囲で充分な電池性能を保持する。
【0056】
以上、本発明をその特定の実施形態によって説明してきたが、添付の特許請求の範囲に定められている本発明の趣旨および本質から逸脱することなく修正することができる。
【0057】
本明細書ではいくつかの文献を参照しており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0058】
参考文献
【数1】
【数2】
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤の、電池用の電解質における使用。
(項目2)
少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤の、少なくとも1種のカーボネートを含む電解質における使用。
(項目3)
少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤の、前記アノードが反応性基を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池における使用。
(項目4)
少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤の、前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)、水素チタン酸化物(HTO)、TiO、Si、SiO、Sn、黒鉛およびこれらの組合せからなる群から選択される材料を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池における使用。
(項目5)
少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤の、前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)である材料を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池における使用。
(項目6)
電池において前記アノードと残留水との間の接触を防止し、そして/または電池内の気体のレベルを低減する方法であって、前記方法が、少なくとも1種の有機触媒を含む電解質を使用することを含む、方法。
(項目7)
前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池において前記アノードと残留水との間の接触を防止し、そして/または電池内の気体のレベルを低減する方法であって、前記方法が、前記電解質に少なくとも1種の有機触媒を添加することを含む、方法。
(項目8)
前記アノードが反応性基を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池において前記アノードと残留水との間の接触を防止し、そして/または電池内の気体のレベルを低減する方法であって、前記方法が、前記電解質に少なくとも1種の有機触媒を添加することを含む、方法。
(項目9)
電池において前記アノードと残留水との間の接触を防止し、そして/または電池内の気体のレベルを低減し、そして/または前記電解質内のカーボネートの分解を防止する方法であって、前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)、水素チタン酸化物(HTO)、TiO、Si、SiO、Sn、黒鉛およびこれらの組合せからなる群から選択される材料を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含み、前記方法が、前記電解質に少なくとも1種の有機触媒を添加することを含む、方法。
(項目10)
電池において前記アノードと残留水との間の接触を防止し、そして/または電池内の気体のレベルを低減し、そして/または前記電解質内のカーボネートの分解を防止する方法であって、前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)である材料を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含み、前記方法が、前記電解質に少なくとも1種の有機触媒を添加することを含む、方法。
(項目11)
少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤を含む、電池用の電解質。
(項目12)
前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)、水素チタン酸化物(HTO)、TiO、Si、SiO、Sn、黒鉛およびこれらの組合せからなる群から選択される材料を含む電池用の電解質であって、前記電解質が、少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤を含む、電解質。
(項目13)
前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)である材料を含む電池用の電解質であって、前記電解質が、少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤を含む、電解質。
(項目14)
前記電解質が少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤を含む、電池。
(項目15)
前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池であって、前記電解質が少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤をさらに含む、電池。
(項目16)
前記アノードが反応性基を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池であって、前記電解質が少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤をさらに含む、電池。(項目17)
前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)、水素チタン酸化物(HTO)、TiO、Si、SiO、Sn、黒鉛およびこれらの組合せからなる群から選択される材料を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池であって、前記電解質が少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤をさらに含む、電池。
(項目18)
前記アノードがリチウムチタン酸化物(LTO)である材料を含み、前記電解質が少なくとも1種のカーボネートを含む電池であって、前記電解質が少なくとも1種の有機触媒を含む添加剤をさらに含む、電池。
(項目19)
前記有機触媒がアルカロイド化合物である、項目1~5のいずれか一項に記載の使用または項目6~10のいずれか一項に記載の方法または項目11~13のいずれか一項に記載の電解質または項目14~18のいずれか一項に記載の電池。
(項目20)
前記有機触媒がアミジン化合物である、項目1~5のいずれか一項に記載の使用または項目6~10のいずれか一項に記載の方法または項目11~13のいずれか一項に記載の電解質または項目14~18のいずれか一項に記載の電池。
(項目21)
前記有機触媒が1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)である、項目1~5のいずれか一項に記載の使用または項目6~10のいずれか一項に記
載の方法または項目11~13のいずれか一項に記載の電解質または項目14~18のいずれか一項に記載の電池。
(項目22)
前記反応性基がOH、SHまたはこれらの組合せである、項目3に記載の使用または項目8に記載の方法または項目16に記載の電池。
(項目23)
前記カーボネートが飽和または不飽和の直鎖状、分岐状または環状カーボネートである、項目1~5のいずれか一項に記載の使用または項目6~10のいずれか一項に記載の方法または項目11~13のいずれか一項に記載の電解質または項目14~18のいずれか一項に記載の電池。
(項目24)
前記カーボネートが下記一般式I
【化3】

を有し、式中、RはC~C12直鎖状、分岐状または環状アルキル基であり、nは1~6の整数である、項目1~5のいずれか一項に記載の使用または項目6~10のいずれか一項に記載の方法または項目11~13のいずれか一項に記載の電解質または項目14~18のいずれか一項に記載の電池。
(項目25)
前記カーボネートがプロピレンカーボネートである、項目1~5のいずれか一項に記載の使用または項目6~10のいずれか一項に記載の方法または項目11~13のいずれか一項に記載の電解質または項目14~18のいずれか一項に記載の電池。
(項目26)
前記電解質がLiPF、LiFSI、LiTFSI、LiBOB、LiBFおよびこれらの組合せからなる群から選択される塩をさらに含む、項目1~5のいずれか一項に記載の使用または項目6~10のいずれか一項に記載の方法または項目11~13のいずれか一項に記載の電解質または項目14~18のいずれか一項に記載の電池。
(項目27)
前記カソードが、MがFe、Co、NiまたはMnであるLiMPOをベースとしているか、または前記カソードが高エネルギーカソードである、項目1~5のいずれか一項に記載の使用または項目6~10のいずれか一項に記載の方法または項目11~13のいずれか一項に記載の電解質または項目14~18のいずれか一項に記載の電池。
(項目28)
前記電解質内の有機触媒の量が約0.5%またはそれ未満である、項目1~5のいずれか一項に記載の使用または項目6~10のいずれか一項に記載の方法または項目11~13のいずれか一項に記載の電解質または項目14~18のいずれか一項に記載の電池。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【外国語明細書】