(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091835
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】持続性ブピバカインマイクロスフェア製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/445 20060101AFI20240628BHJP
A61K 9/16 20060101ALI20240628BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20240628BHJP
A61K 47/22 20060101ALI20240628BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20240628BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20240628BHJP
A61K 9/52 20060101ALI20240628BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240628BHJP
A61P 23/02 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A61K31/445
A61K9/16
A61K47/04
A61K47/22
A61K47/10
A61K47/34
A61K9/52
A61P29/00
A61P23/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024068119
(22)【出願日】2024-04-19
(62)【分割の表示】P 2022564247の分割
【原出願日】2021-04-22
(31)【優先権主張番号】63/013,736
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】522202861
【氏名又は名称】サイエンチュア, インコーポレイテッド
(71)【出願人】
【識別番号】522398511
【氏名又は名称】イノコア テクノロジーズ ベー.フェー.
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】シャンカール ハリハラン
(72)【発明者】
【氏名】スケトゥ サングヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ラフル スラナ
(72)【発明者】
【氏名】マールテン ファン ダイク
(72)【発明者】
【氏名】イヴァン テルジッチ
(72)【発明者】
【氏名】キンバリー アニーク バヌス
(72)【発明者】
【氏名】タン グエン
(72)【発明者】
【氏名】ロブ ステーンダム
(57)【要約】
【課題】ブピバカインの持続性、貯蔵安定性のマイクロスフェア製剤、ブピバカインのマイクロスフェア製剤の非経口注射によって疼痛を処置または予防するためのキットおよび方法を提供すること。
【解決手段】本開示は、ブピバカインHClの作用持続時間を超えてブピバカインの作用持続時間を延長し、エピネフリンを含有せず、注射後の過剰血漿レベルに関連する有害反応を回避する、ブピバカインの貯蔵安定性持続性マイクロスフェア製剤を提供する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本開示のさまざまな態様によれば、本開示は、ブピバカインの貯蔵安定性持続性マイクロスフェア製剤、ブピバカインのマイクロスフェア製剤の非経口注射によって疼痛を処置または予防するためのキットおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
ブピバカインは、神経膜のナトリウムイオン透過性を低下させることによって神経インパルスの発生および伝導の両方を遮断し、この結果、脱分極の阻害をもたらして伝導の遮断を生じさせるアミド局所麻酔薬である。ブピバカインの塩酸塩(「ブピバカインHCl」)は、局所浸潤、末梢神経ブロック、交感神経ブロック、ならびに硬膜外ブロックおよび尾側ブロックに適応される。
【0003】
ブピバカインHClは、短期疼痛緩和のための局所麻酔薬としてのみ有用である。例えば、歯科用注射剤において、ブピバカインHClは、約2~10分の作用開始および約2~8時間の作用持続時間を有する。他の局所麻酔薬と同様に、ブピバカインHClをエピネフリンと同時投与して、鎮痛の持続時間を延長することができ、エピネフリン誘発性血管収縮が、鎮痛の持続時間と相関する(Liuら、1995)。しかしながら、エピネフリンは毒性である可能性があり、高血圧リスクを高めるため、ブピバカインHCl+エピネフリンは、モノアミンオキシダーゼ阻害剤または三環系抗うつ薬を投与されている患者では注意が必要であり、同時使用が重度の持続性高血圧または脳血管障害を引き起こす可能性がある。
【0004】
さらに、ブピバカインHClによる有害反応は、他のアミド型局所麻酔薬と同様であり、過剰な血漿レベル、神経過敏、めまい、かすみ目、振戦、眠気、痙攣、意識消失、呼吸停止、悪心、嘔吐、悪寒、瞳孔の収縮、耳鳴り、心筋の抑制、血圧変化(通常は低血圧)、心停止、ならびに皮膚病変、浮腫およびその他のアレルギー症状によって特徴付けられるアレルギー反性応を含む、中枢神経系および心血管系を含む全身反応を引き起こす可能性がある。
【0005】
ブピバカインのリポソーム製剤(EXPAREL(登録商標))は、これらの問題のいくつかに対処することが示されている。しかしながら、リポソーム製剤は不安定性を抱えており、長期間保存することができない。EXPAREL(登録商標)は、密封された未開封バイアル内で室温にて30日以内で保存することができ、これは再冷蔵することができず、凍結または40℃を超える温度に決して曝露され得ない。持続性ブピバカイン溶液(POSIMIR(登録商標))は、術後鎮痛をもたらすことが示されているが、鏡視下肩峰下除圧術後72時間だけである。
【0006】
したがって、ブピバカインの貯蔵安定性持続性製剤が依然として必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、7日間にわたるブピバカイン濃度800mgの活性負荷マイクロスフェア製剤の、最初の10%バースト放出と、それに続く1時間当たり0.7%または0.8%放出の第2の段階と、6時間の遅延の有無を伴う1-コンパートメントシミュレーションである。
【0008】
【
図2】
図2は、7日間にわたるブピバカイン濃度1000mgの活性負荷マイクロスフェア製剤の、最初の10%バースト放出と、それに続く1時間当たり0.7%または0.8%放出の第2の段階と、12時間または24時間の遅延を伴う1-コンパートメントシミュレーションである。
【0009】
【
図3】
図3A-3Bは、60LP2L20-D27(120A-200240、ブピバカイン25.3%)(
図3A)および10LP10L20-GLL40(120A-200241、ブピバカイン21.8%)(
図3B)で構成されるブピバカイン負荷マイクロスフェアの粒子サイズ分布である。
【0010】
【
図4】
図4A-
図4Fは、異なる倍率(
図4Aおよび
図4D:50倍、
図4Bおよび
図4E:200倍、
図4Cおよび
図4F:1500倍)を用いた、60LP2L20-D27(120A-200240、ブピバカイン25.3%)および10LP10L20-GLL40(120A-200241、ブピバカイン21.8%)で構成されるブピバカイン負荷マイクロスフェアの走査型電子顕微鏡画像である。
【0011】
【
図5】
図5は、60LP2L20-D27(120A-200240、ブピバカイン25.3%)および10LP10L20-GLL40(120A-200241、ブピバカイン21.8%)で構成されるブピバカイン負荷マイクロスフェアからのブピバカインの累積放出である。
【0012】
【
図6】
図6は、異なる製剤およびプロセスパラメーター設定を使用して調製した60LP2L20-D27で構成されるブピバカイン負荷マイクロスフェアからのブピバカインの累積放出である。
【0013】
【
図7】
図7は、ブピバカイン負荷44.4%(120A-200308)を有する10LP10L20-GLL40(15/85)およびブピバカイン負荷44.3%(120A-200408)を有する20LP10L20-GLL40(15/85)で構成されるブピバカイン負荷マイクロスフェアからのブピバカインの累積放出である。
【0014】
【
図8】
図8A-
図8Cは、5gスケールで調製したブピバカイン負荷マイクロスフェア:120A-210039(60LP2L20-D27、ブピバカイン41.2%)(
図8A)、120A-210040(60LP2L20-D27、ブピバカイン34.8%)(
図8B)および120A-210092(20LP10L20-GLL40、ブピバカイン46.3%)(
図8C)の走査型電子顕微鏡画像(倍率200倍)である。
【0015】
【
図9】
図9は、120A-210039(60LP2L20-D27、ブピバカイン41.2%)、120A-210040(60LP2L20-D27、ブピバカイン34.8%)および120A-210092(20LP10L20-GLL40、ブピバカイン46.3%)からのブピバカインの累積放出である。
【0016】
【
図10】
図10は、100mg/ml懸濁液濃度(41mgブピバカイン/mL)、25G 5/8インチニードルでの60LP2L20-D27ベースのブピバカインマイクロスフェア(120A-210039)の注入性である。
【0017】
【
図11】
図11は、イヌにおける45mgの製剤120A-210039、120A-210040または120A-210092の注射後のブピバカインの経時的な血漿濃度である。
【0018】
【
図12】
図12は、ブピバカイン製剤120A-210039、120A-210040および120A-210092のインビボ薬物動態からの累積曲線下面積(AUC)である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0019】
発明の簡単な要旨
本開示は、ブピバカインHClの作用持続時間を超えてブピバカインの作用持続時間を延長し、エピネフリンを含有せず、注射後の過剰血漿レベルに関連する有害反応を回避する、ブピバカインの貯蔵安定性持続性マイクロスフェア製剤を提供する。
(項目1)
マイクロスフェアを含む安定な薬学的に許容される製剤であって、前記マイクロスフェアが、
第1の生分解性ポリマーと、
活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む、安定な薬学的に許容される製剤。
(項目2)
前記マイクロスフェアが、活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基を含む、項目1に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目3)
前記ブピバカインの薬学的に許容される塩が、ブピバカインの酸付加塩である、項目1に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目4)
前記ブピバカインの薬学的に許容される塩がブピバカイン塩酸塩である、項目3に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目5)
前記マイクロスフェアが、1または複数の追加の生分解性ポリマーをさらに含む、項目1から4のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目6)
1または複数の酸化防止剤をさらに含む、項目1から5のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目7)
前記1または複数の酸化防止剤がメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、項目6に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目8)
前記1または複数の酸化防止剤がアスコルビン酸ナトリウムを含む、項目6または項目7に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目9)
前記第1の生分解性ポリマーがコポリマーである、項目1から8のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目10)
前記第1の生分解性ポリマーがマルチブロックコポリマーである、項目1から9のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目11)
前記マルチブロックコポリマーが、少なくとも1つの加水分解性プレポリマー(A)セグメントおよび少なくとも1つの加水分解性プレポリマー(B)セグメントを含み、前記セグメントが、多官能性鎖延長剤によって連結されており、前記セグメントが、ポリマー鎖にわたってランダムにかつ非交互に分布している、項目10に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目12)
前記マルチブロックコポリマーが、生理的条件下で、約37℃またはそれ未満のTg、および約50℃~約250℃のTmを有し、前記プレポリマー(A)セグメントが、ポリエチレングリコールを含む、項目11に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目13)
前記ポリエチレングリコールが約150~約5000g/molのMnを有する、項目12に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目14)
前記マルチブロックコポリマーが非晶質であり、生理学的条件で37℃またはそれ未満のガラス転移温度を有する、項目11に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目15)
前記プレポリマー(A)セグメントおよび/または前記プレポリマー(B)セグメントが、エステル結合、カーボネート結合、無水物結合、エーテル結合およびそれらの組合せからなる群から選択される1または複数の結合を含む、項目11から14のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目16)
前記プレポリマー(A)セグメントが、1または複数のポリエーテル基を含む、項目11から15のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目17)
前記1または複数のポリエーテル基が、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびそれらの組合せからなる群から選択される、項目16に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目18)
前記ポリエーテル基がポリエチレングリコールである、項目17に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目19)
ポリエーテルが、前記マルチブロックコポリマー中に追加のプレポリマーとして存在する、項目11から18のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目20)
前記プレポリマー(A)セグメントが、少なくとも1つの環状モノマーと、ジオール、ジカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸からなる群から選択される少なくとも1つの非環状開始剤との反応生成物を含む、項目11から19のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目21)
前記少なくとも1種の環状モノマーが、グリコリド、ラクチド(Dおよび/またはL)、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、トリメチレンカーボネート、1,4-ジオキサン-2-オン(パラ-ジオキサノン)、1,5-ジオキサノン-2-オンおよび環状無水物からなる群から選択される、項目20に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目22)
前記少なくとも1種の非環状開始剤が、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、乳酸、グリコール酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオールおよび1,6-ヘキサンジオールからなる群から選択される、項目20または項目21に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目23)
前記プレポリマー(A)セグメントが、ジオール、ジカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸から選択されるエステル形成性モノマーの反応生成物を含み、好ましくは前記プレポリマー(A)セグメントが、グリコリド、ラクチド(Dおよび/またはL)、ε-カプロラクトンおよび/またはδ-バレロラクトンの反応生成物を含む、項目11から22のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目24)
前記マルチブロックコポリマー中のプレポリマー(A)の含有量が、前記マルチブロックコポリマーの総重量に対して、約1%~約90%である、項目11から23のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目25)
前記プレポリマー(A)セグメントが、約500g/molまたはそれを超えるMnを有する、項目11から24のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目26)
前記プレポリマー(B)セグメントが、ヒドロキシアルカノエート、グリコリドラクチド(Dおよび/またはL)、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、トリメチレンカーボネート、1,4-ジオキサン-2-オンまたはそれらの組合せから誘導されるポリマーを含む、項目11から25のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目27)
前記プレポリマー(B)セグメントが、ポリ(グリコリド-co-Lラクチド)を含む、項目11から26のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目28)
前記プレポリマー(B)セグメントが、約1000g/molまたはそれを超えるMnを有する、ポリ(グリコリド-co-Lラクチド)を含む、項目11から27のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目29)
前記プレポリマー(B)セグメントが、約4000g/molのMnを有する、ポリ(グリコリド-co-Lラクチド)を含む、項目28に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目30)
前記プレポリマー(B)セグメントが、グリコリドとL-ラクチドとの合わせたモル量に対して、約5%~約25%のモル量のグリコリドを含む、項目27から29のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目31)
前記プレポリマー(B)セグメントが、グリコリドとL-ラクチドとの合わせたモル量に対して、約15%のモル量のグリコリドを含む、項目30に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目32)
前記プレポリマー(B)セグメントがポリ(p-ジオキサノン)を含む、項目11から26のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目33)
前記プレポリマー(B)セグメントが、約1000g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む、項目11から26および32のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目34)
前記マルチブロックコポリマーが、前記マルチブロックコポリマーの総重量に対して、約10%~約99%の前記プレポリマー(B)セグメントを含む、項目11から33のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目35)
前記多官能性鎖延長剤が、二官能性脂肪族鎖延長剤である、項目11から34のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目36)
前記二官能性脂肪族鎖延長剤が、ジイソシアネートである、項目35に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目37)
前記ジイソシアネートが、1,4-ブタンジイソシアネートである、項目36に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目38)
前記第1の生分解性ポリマーが、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される、項目1から9のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目39)
前記第1の生分解性ポリマーが、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である、項目1から9のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目40)
前記第1の生分解性ポリマーが、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている、項目1から39のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目41)
前記第1の生分解性ポリマーが、前記第2の生分解性ポリマーと組成が実質的に同一ではない、項目40に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目42)
前記安定な薬学的に許容される製剤が希釈剤をさらに含む、項目1から41のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目43)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約10%~約80%w/wである、項目1から42のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目44)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約50%~約60%w/wである、項目1から43のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目45)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約40%~約50%w/wである、項目1から43のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目46)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約30%~約40%w/wである、項目1から43のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目47)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約40%w/wである、項目1から43のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目48)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約50%w/wである、項目1から43のいずれか一項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目49)
前記マイクロスフェア中のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の前記活性薬物搭載量が、約200mg~約8000mgである、項目1から48のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目50)
前記マイクロスフェア中のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の前記活性薬物搭載量が、約800mgである、項目1から49のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目51)
前記マイクロスフェア中のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の前記活性薬物搭載量が、約1000mgである、項目1から49のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目52)
前記安定な薬学的に許容される製剤が実質的に無菌である、項目1から51のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目53)
前記安定な薬学的に許容される製剤が、25℃の温度で24ヶ月間密封保存した後に5%w/w未満のブピバカイン由来不純物を含む、項目1から52のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目54)
前記安定な薬学的に許容される製剤が、25℃の温度で24ヶ月間密封保存した後に2%w/w未満のブピバカイン由来不純物を含む、項目1から53のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目55)
前記安定な薬学的に許容される製剤が、25℃の温度で24ヶ月間密封保存した後に1%w/w未満のブピバカイン由来不純物を含む、項目1から54のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目56)
前記安定な薬学的に許容される製剤が、25℃の温度で24ヶ月間密封保存した後にブピバカインを実質的に含まない、項目1から55のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目57)
前記ブピバカイン由来不純物がブピバカイン酸化生成物である、項目53から56のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目58)
前記安定な薬学的に許容される製剤が、冷蔵後に25℃で約14日間の貯蔵寿命を有する、項目1から57のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目59)
前記安定な薬学的に許容される製剤が、25℃で約24ヶ月の貯蔵寿命を有する、項目1から58のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目60)
前記安定な薬学的に許容される製剤が、約3mL~約20mL容量の滅菌容器に保存される、項目1から59のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目61)
前記安定な薬学的に許容される製剤がインジェクターにおいて提供されている、項目1から60のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目62)
前記インジェクターが使い捨てペン型インジェクターである、項目61に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目63)
前記安定な薬学的に許容される製剤が非経口投与に適している、項目1から62のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目64)
前記安定な薬学的に許容される製剤が、皮内、腹腔内、皮下または筋肉内投与に適している、項目63に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目65)
前記安定な薬学的に許容される製剤が、局所点滴注入による投与に適している、項目63に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目66)
前記安定な薬学的に許容される製剤が筋肉内投与に適している、項目63に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目67)
用量当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量が約500mg~約8000mgである、項目1から66のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目68)
用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量が約800mgである、項目1から67のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目69)
用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量が約1000mgである、項目1から67のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目70)
単回用量が複数の投与可能な容量に分割されている、項目1から69のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤。
(項目71)
マイクロスフィアを含む、安定な薬学的に許容される製剤を生成する方法であって、
第1の生分解性ポリマー、および
活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む、第1の相を用意するステップ、
水性界面活性剤を含む第2の相を前記第1の相に連続的に添加して、エマルションを形成するステップ、
前記エマルションにクエンチ溶液を添加して、マイクロスフィアを含む容量を生成するステップ、ならびに
前記マイクロスフィアを洗浄、ろ過および乾燥して、溶媒含有量を低下させるステップを含む、方法。
(項目72)
マイクロスフィアを含む、安定な薬学的に許容される製剤を生成する方法であって、
第1の生分解性ポリマー、
活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩、および
前記ポリマーおよびブピバカインを溶解するのに好適な溶媒系
を含む、第1の相を用意するステップ、
前記第1の相を第2の相と共に乳化して、これにより、エマルションを形成させるステップであって、
前記第2の相が、界面活性剤を含む水溶液を含む、ステップ、ならびに
前記エマルションから前記溶媒系の実質的な部分を除去して、これによって、マイクロスフィアを得るステップ
を含む、方法。
(項目73)
前記マイクロスフィアを収集および乾燥するステップをさらに含む、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記第1の相を前記第2の相と共に乳化する前記ステップが、膜を使用する膜乳化であって、前記第1の相を前記膜に通して前記第2の相に導入する膜乳化を含む、項目72または項目73に記載の方法。
(項目75)
前記エマルションから前記溶媒系の前記実質的な部分を除去する前記ステップが、前記水溶液による前記溶媒系の抽出を含み、前記水溶液が界面活性剤を含む、項目72から74のいずれか一項に記載の方法。
(項目76)
抽出により前記エマルションから前記溶媒系の前記実質的な部分を除去する前記ステップの後に、前記溶媒系の蒸発が続く、項目75に記載の方法。
(項目77)
前記マイクロスフィアを洗浄および/またはろ過するステップをさらに含む、項目72から76のいずれか一項に記載の方法。
(項目78)
前記マイクロスフィアを乾燥するステップをさらに含む、項目72から77のいずれか一項に記載の方法。
(項目79)
乾燥する前記ステップが、凍結乾燥、真空-乾燥、および凍結-真空乾燥のうちの1または複数を含む、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記ブピバカインの薬学的に許容される塩が、ブピバカインの酸付加塩である、項目71から79のいずれか一項に記載の方法。
(項目81)
前記ブピバカインの薬学的に許容される塩が、ブピバカイン塩酸塩である、項目71から80のいずれか一項に記載の方法。
(項目82)
前記第1の相が、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が約25mg/mLまたはそれより高い溶解度を有する溶媒系を含む、項目71から81のいずれか一項に記載の方法。
(項目83)
前記第1の相が、ジクロロメタン、酢酸エチル、クロロホルム、メタノール、ベンジルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンおよびジメチルアセトアミドからなる群から選択される、1または複数の溶媒を含む、項目71から82のいずれか一項に記載の方法。
(項目84)
前記第1の相が、1または複数のさらなる溶媒と組み合わされたジクロロメタンを含む、項目71から83のいずれか一項に記載の方法。
(項目85)
前記1または複数のさらなる溶媒が、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよびN-メチルピロリドンからなる群から選択される、項目84に記載の方法。
(項目86)
前記第1の相が、ジクロロメタンおよびジメチルスルホキシドを含む、項目71から85のいずれか一項に記載の方法。
(項目87)
ジメチルスルホキシドが、前記第1の相中のジメチルスルホキシドとジクロロメタンとの合わせた容量に対して約5%~約50%の量で存在する、項目86に記載の方法。
(項目88)
前記第1の相が、約2%~約25重量%の前記第1の生分解性ポリマーと前記1または複数の追加の生分解性ポリマーとの合わせた質量を含む、項目71から87のいずれか一項に記載の方法。
(項目89)
前記第1の相が、約2%~約25重量%のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む、項目71から88のいずれか一項に記載の方法。
(項目90)
前記第1の相が、1または複数の抗酸化剤を含む、項目71から89のいずれか一項に記載の方法。
(項目91)
前記1または複数の抗酸化剤が、メタ重亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸ナトリウムを含む、項目90に記載の方法。
(項目92)
前記1または複数の抗酸化剤が、前記第1の相に対して、約0.01%~約5%w/vの量でメタ重亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸ナトリウムを含む、項目90または項目91に記載の方法。
(項目93)
前記第2の相が、ポリビニルアルコールを含む、項目71から92のいずれか一項に記載の方法。
(項目94)
前記第2の相が、塩化ナトリウムを含む、項目71から93のいずれか一項に記載の方法。
(項目95)
前記第2の相が、1または複数の緩衝液を含む、項目71から94のいずれか一項に記載の方法。
(項目96)
前記第2の相がTRIS緩衝液を含む、項目71から95のいずれか1項に記載の方法。
(項目97)
前記第2の相がTRIZMAペレットを含む、項目71から96のいずれか1項に記載の方法。
(項目98)
前記第2の相が約4~約10のpHに緩衝される、項目71から97のいずれか1項に記載の方法。
(項目99)
前記第2の相が約8.5のpHに緩衝される、項目71から98のいずれか1項に記載の方法。
(項目100)
前記第2の相が、1または複数の抗酸化剤を含む、項目71から99のいずれか一項に記載の方法。
(項目101)
前記1または複数の抗酸化剤が、メタ重亜硫酸ナトリウムを含む、項目100に記載の方法。
(項目102)
前記1または複数の抗酸化剤が、前記第2の相中に、約0.1%~約1%w/vの量のメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、項目100または項目101に記載の方法。
(項目103)
前記1または複数の抗酸化剤が、前記第2の相中に、約0.15%w/vの量でメタ重亜硫酸ナトリウムを含む、項目100から102のいずれか一項に記載の方法。
(項目104)
前記1または複数の抗酸化剤が、アスコルビン酸ナトリウムを含む、項目100から103のいずれか一項に記載の方法。
(項目105)
前記1または複数の抗酸化剤が、前記第2の相中に、約0.1%~約1%w/vの量でアスコルビン酸ナトリウムを含む、項目100から104のいずれか一項に記載の方法。
(項目106)
前記1または複数の抗酸化剤が、前記第2の相中に、約0.15%w/vの量でアスコルビン酸ナトリウムを含む、項目100から105のいずれか一項に記載の方法。
(項目107)
前記第1の生分解性ポリマーが、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される、項目71から106のいずれか一項に記載の方法。
(項目108)
前記第1の生分解性ポリマーがポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、ここで、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である、項目71から107のいずれか1項に記載の方法。
(項目109)
前記水性界面活性剤が、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤の1つまたは複数を含む、項目71から108のいずれか1項に記載の方法。
(項目110)
前記第2の相が、緩衝液、前記水性界面活性剤の粘度を調整するための1または複数の薬剤、および溶液のイオン強度を調整するための薬剤のうちの1つまたは複数をさらに含む、項目71から109のいずれか1項に記載の方法。
(項目111)
前記第1の相が、前記第2の相の添加前および/または添加中に撹拌される、項目71から110のいずれか1項に記載の方法。
(項目112)
前記エマルジョンが、前記クエンチ溶液の添加前および/または添加中に撹拌される、項目71から111のいずれか1項に記載の方法。
(項目113)
マイクロスフェアを含む容量が、前記マイクロスフェアを洗浄、濾過および乾燥するステップのいずれかの前および/またはその間に撹拌される、項目71から112のいずれか1項に記載の方法。
(項目114)
前記第1の生分解性ポリマーが、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている、項目71から113のいずれか1項に記載の方法。
(項目115)
前記第1の生分解性ポリマーが、前記第2の生分解性ポリマーと組成が同一ではない、項目114に記載の方法。
(項目116)
前記安定な薬学的に許容される製剤が希釈剤をさらに含む、項目71から115のいずれか1項に記載の方法。
(項目117)
前記第1の相が、前記第1の生分解性ポリマーを含む溶液を、前記ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む溶液と混合することによって調製される、項目71から116のいずれか1項に記載の方法。
(項目118)
前記第1の生分解性ポリマーおよび/または前記第2の生分解性ポリマーが、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、テトラヒドロフラン、テトラグリコール、アセトン、アセトン/メチルエチルケトン混合物、アセトン/酢酸メチル混合物、テトラヒドロフラン/酢酸エチル混合物、およびテトラヒドロフラン/ギ酸エチル混合物からなる群から選択される、水と高度にまたは完全に混和性である溶媒に溶解される、項目71から117のいずれか1項に記載の方法。
(項目119)
前記溶媒がアセトン/メチルエチルケトン混合物である、項目118に記載の方法。
(項目120)
前記アセトン/メチルエチルケトン混合物が、容量基準で約70%のアセトンおよび約30%のメチルエチルケトンを含む、項目119に記載の方法。
(項目121)
前記第1の生分解性ポリマーおよび/または前記第2の生分解性ポリマーが、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、メチルエチルケトン、およびそれらの2つもしくはそれより多くの混合物からなる群から選択される、限定された水溶性を有する溶媒に溶解される、項目71から120のいずれか1項に記載の方法。
(項目122)
疼痛を処置する方法であって、それを必要とする対象に、マイクロスフェアを含む安定な薬学的に許容される製剤を投与するステップを含み、前記マイクロスフェアが、第1の生分解性ポリマーと、活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む、方法。
(項目123)
前記マイクロスフェアが、活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基を含む、項目122に記載の方法。
(項目124)
前記ブピバカインの薬学的に許容される塩が、ブピバカインの酸付加塩である、項目122に記載の方法。
(項目125)
前記ブピバカインの薬学的に許容される塩がブピバカイン塩酸塩である、項目124に記載の方法。
(項目126)
前記マイクロスフェア中のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の前記活性薬物搭載量が、約10%w/w~約80%w/wである、項目122から125のいずれか1項に記載の方法。
(項目127)
前記マイクロスフェア中のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の前記活性薬物搭載量が、約50%w/w~約60%w/wである、項目122から126のいずれか1項に記載の方法。
(項目128)
前記マイクロスフェア中のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の前記活性薬物搭載量が、約40%w/w~約50%w/wである、項目122から127のいずれか1項に記載の方法。
(項目129)
前記マイクロスフェア中のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の前記活性薬物搭載量が、約30%w/w~約40%w/wである、項目122から128のいずれか1項に記載の方法。
(項目130)
前記対象に投与される前記安定な薬学的に許容される製剤の量が、約200mg~約8000mgの量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む、項目122から129のいずれか1項に記載の方法。
(項目131)
前記対象に投与される前記安定な薬学的に許容される製剤の量が、約800mgの量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む、項目122から130のいずれか1項に記載の方法。
(項目132)
前記対象に投与される前記安定な薬学的に許容される製剤の量が、約1000mgの量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む、項目122から131のいずれか1項に記載の方法。
(項目133)
前記安定な薬学的に許容される製剤がインジェクターを用いて投与される、項目122から132のいずれか1項に記載の方法。
(項目134)
前記安定な薬学的に許容される製剤が非経口投与される、項目122から133のいずれか1項に記載の方法。
(項目135)
前記安定な薬学的に許容される製剤が筋肉内投与される、項目134に記載の方法。
(項目136)
前記安定な薬学的に許容される製剤が皮下投与される、項目134に記載の方法。
(項目137)
ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストが、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%~約15%である、項目122から136のいずれか1項に記載の方法。
(項目138)
ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストが、ブピバカインの薬学的に許容される塩のブピバカインの総用量の約10%である、項目122から137のいずれか1項に記載の方法。
(項目139)
前記安定な薬学的に許容される製剤が週に1回投与される、項目122から138のいずれか1項に記載の方法。
(項目140)
必要とする前記対象が疼痛を患っている、項目122から139のいずれか1項に記載の方法。
(項目141)
前記安定な薬学的に許容される製剤の投与が、疼痛の発生、持続時間または重症度を軽減するのに有効である、項目140に記載の方法。
(項目142)
前記安定な薬学的に許容される製剤が単回注射として投与される、項目122から141のいずれか1項に記載の方法。
(項目143)
前記安定な薬学的に許容される製剤が2回以上の注射として投与される、項目122から142のいずれか1項に記載の方法。
(項目144)
前記安定な薬学的に許容される製剤が、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15回の注射として投与される、項目143に記載の方法。
(項目145)
投与後1日目から7日目のブピバカインの定常状態血漿プロファイルが、ブピバカイン塩酸塩の即時放出型注射によって提供されるブピバカインの平均最大血漿レベルCmaxよりも低い平均濃度を示す、項目122から144のいずれか1項に記載の方法。
(項目146)
前記安定な薬学的に許容される製剤が、前記対象の頭部、首部、上背もしくは下背、上腕もしくは下腕、肩部、ふくらはぎ、大腿部、膝部、臀部、鼠径部、手、足、内部器官もしくは組織、または外部器官もしくは組織のうちの1つまたは複数に注射される、項目122から145のいずれか1項に記載の方法。
(項目147)
マイクロスフェアを含む長時間作用型剤形であって、前記マイクロスフェアが、第1の生分解性ポリマーと、約500mg~約4000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含み、
対象への前記長時間作用型剤形の単回用量の投与が、
ブピバカイン塩酸塩の100mgの即時放出型注射によって提供されるブピバカインの平均最大血漿レベルCmax以下の平均濃度値を示す、投与後1日目から7日目のブピバカインの定常状態血漿プロファイル、
約2時間~約4時間のブピバカイン排出半減期、および
1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約1%~約50%の放出量に相当するゼロ次または一次放出プロファイル
からなる群から選択される少なくとも1つの薬物動態パラメーターをもたらす、長時間作用型剤形。
(項目148)
前記マイクロスフェアがブピバカイン遊離塩基を含む、項目147に記載の長時間作用型剤形。
(項目149)
前記ブピバカインの薬学的に許容される塩が、ブピバカインの酸付加塩である、項目147に記載の長時間作用型剤形。
(項目150)
前記ブピバカインの薬学的に許容される塩がブピバカイン塩酸塩である、項目149に記載の長時間作用型剤形。
(項目151)
前記マイクロスフェア中のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の前記活性薬物搭載量が、約10%w/w~約80%w/wである、項目147から150のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目152)
前記マイクロスフェア中のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の前記活性薬物搭載量が、約50%w/w~約60%w/wである、項目147から151のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目153)
前記マイクロスフェア中のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の前記活性薬物搭載量が、約40%w/w~約50%w/wである、項目147から151のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目154)
前記マイクロスフェア中のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の前記活性薬物搭載量が、約30%w/w~約40%w/wである、項目147から151のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目155)
前記対象に投与される前記安定な薬学的に許容される製剤の量が、約800mgの量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む、項目147から154のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目156)
前記対象に投与される前記安定な薬学的に許容される製剤の量が、約1000mgの量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む、項目147から154のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目157)
前記第1の生分解性ポリマーが、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される、項目147から156のいずれか一項に記載の長時間作用型剤形。
(項目158)
前記第1の生分解性ポリマーが、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である、項目147から157のいずれか一項に記載の長時間作用型剤形。
(項目159)
前記第1の生分解性ポリマーが、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている、項目147から158のいずれか一項に記載の長時間作用型剤形。
(項目160)
前記第1の生分解性ポリマーが、前記第2の生分解性ポリマーと組成が同一ではない、項目159に記載の長時間作用型剤形。
(項目161)
前記安定な薬学的に許容される製剤が希釈剤をさらに含む、項目147から160のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目162)
前記マイクロスフェア中のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の前記活性薬物搭載量が、約30%w/w~約40%w/wである、項目147から161のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目163)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約500mg~約4000mgである、項目147から162のいずれか一項に記載の長時間作用型剤形。
(項目164)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約800mgである、項目147から163のいずれか一項に記載の長時間作用型剤形。
(項目165)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約1000mgである、項目147から164のいずれか一項に記載の長時間作用型剤形。
(項目166)
前記安定な医薬製剤が、実質的に無菌である、項目147から165のいずれか一項に記載の長時間作用型剤形。
(項目167)
前記安定な医薬製剤が、冷蔵後、25℃において約14日間の保存可能期間を有する、項目147から166のいずれか一項に記載の長時間作用型剤形。
(項目168)
前記安定な医薬製剤が、25℃において約24か月間の保存可能期間を有する、項目147から167のいずれか一項に記載の長時間作用型剤形。
(項目169)
前記安定な薬学的に許容される製剤がインジェクターから投与される、項目147から168のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目170)
前記インジェクターが、ペン型インジェクターまたはオートインジェクターである、項目169に記載の長時間作用型剤形。
(項目171)
前記インジェクターが使い捨てである、項目169または170に記載の長時間作用型剤形。
(項目172)
前記インジェクターが使い捨てペン型インジェクターである、項目169から171のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目173)
前記インジェクターが事前充填インジェクターである、項目169から172のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目174)
前記インジェクターが、前記安定な薬学的に許容される製剤を含むカートリッジを備える、項目169から173のいずれか一項に記載の長時間作用型剤形。
(項目175)
前記カートリッジが、デュアルチャンバーカートリッジである、項目174に記載の長時間作用型剤形。
(項目176)
前記インジェクターが、18G~30Gのニードルを備える、項目169から175のいずれか一項に記載の長時間作用型剤形。
(項目177)
前記インジェクターが、21Gのニードルを備える、項目169から176のいずれか一項に記載の長時間作用型剤形。
(項目178)
前記インジェクターが、23Gのニードルを備える、項目169から176のいずれか一項に記載の長時間作用型剤形。
(項目179)
前記インジェクターが、25Gのニードルを備える、項目169から176のいずれか一項に記載の長時間作用型剤形。
(項目180)
前記安定な薬学的に許容される製剤が非経口投与される、項目147から177のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目181)
前記安定な薬学的に許容される製剤が筋肉内投与される、項目180に記載の長時間作用型剤形。
(項目182)
前記安定な薬学的に許容される製剤が皮下投与される、項目180に記載の長時間作用型剤形。
(項目183)
ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストが、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%~約15%である、項目147から182のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目184)
ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストが、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約10%である、項目147から183のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目185)
ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストが前記マイクロスフェアに由来する、項目147から184のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目186)
ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストが希釈媒体に由来する、項目147から184のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目187)
ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後に、約2~約28日間にわたるブピバカインの持続放出が存在する、項目147から186のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目188)
前記持続放出が、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約2%~約50%の放出量に相当する、項目187に記載の長時間作用型剤形。
(項目189)
前記持続放出が、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約10%~約15%の放出量に相当する、項目187または188に記載の長時間作用型剤形。
(項目190)
ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後に、約5~約7日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する、項目147から189のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目191)
前記ゼロ次放出プロファイルが、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約12%~約20%の放出量に相当する、項目190に記載の長時間作用型剤形。
(項目192)
前記ゼロ次放出プロファイルが、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約5%~約14%の放出量に相当する、項目190または192に記載の長時間作用型剤形。
(項目193)
ブピバカインの排出半減期が約2時間~約4時間である、項目147から192のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目194)
投与後1日目から7日目のブピバカインの定常状態血漿プロファイルが、ブピバカイン塩酸塩の即時放出型注射によって提供されるブピバカインの平均最大血漿レベルCmaxよりも低い平均濃度値を示す、項目147から193のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目195)
ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の生体利用率が、摂食条件下および絶食条件下で実質的に同じである、項目147から194のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形。
(項目196)
キットであって、
項目1から70のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤または項目147から195のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形の濃縮形態を含む第1のバイアルと、
薬学的に許容される希釈剤を含む第2のバイアルと、
前記薬学的に許容される希釈剤を前記第2のバイアルから抜き取るのに適した第1のシリンジと、
前記第1のシリンジに動作可能に取り付けることができ、前記第1のバイアルに前記薬学的に許容される希釈剤を分注するのに適したアダプターと、
前記第2のバイアルから液体を抜き取り、前記液体を対象に注入するのに適した第2のシリンジと、
前記濃縮形態を希釈するため、および前記安定な薬学的に許容される製剤または前記長時間作用型剤形をそれを必要とする患者に投与するための指示書と
を含む、キット。
(項目197)
事前充填インジェクターであって、
マイクロスフェアを含む安定な薬学的に許容される製剤
を含み、前記マイクロスフェアが、
第1の生分解性ポリマーと、
活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む、事前充填インジェクター。
(項目198)
前記事前充填インジェクターが、1回より多くの注射を投与するように構成可能である、項目197に記載の事前充填インジェクター。
(項目199)
前記ブピバカインの薬学的に許容される塩が、ブピバカインの酸付加塩である、項目197または198に記載の事前充填インジェクター。
(項目200)
前記ブピバカインの薬学的に許容される塩がブピバカイン塩酸塩である、項目199に記載の事前充填インジェクター。
(項目201)
前記第1の生分解性ポリマーが、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される、項目197から200のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目202)
前記第1の生分解性ポリマーが、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である、項目197から201のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目203)
前記第1の生分解性ポリマーが、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている、項目197から202のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目204)
前記第1の生分解性ポリマーが、前記第2の生分解性ポリマーと組成が同一ではない、項目203に記載の事前充填インジェクター。
(項目205)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約10%~約80%w/wである、項目197から204のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目206)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約50%~約60%w/wである、項目197から205のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目207)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約40%~約50%w/wである、項目197から205のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目208)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約30%~約40%w/wである、項目197から205のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目209)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約40%w/wである、項目197から205のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目210)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約45%w/wである、項目197から205のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目211)
前記安定な医薬製剤が、実質的に無菌である、項目197から210のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目212)
前記安定な医薬製剤が、冷蔵後、25℃において約14日間の保存可能期間を有する、項目197から211のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目213)
前記安定な医薬製剤が、25℃において約24か月間の保存可能期間を有する、項目197から212のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目214)
前記事前充填インジェクターが、ペン型インジェクターまたはオートインジェクターである、項目197から213のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目215)
使い捨てである、項目197から214のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目216)
使い捨てペン型インジェクターである、項目197から215のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目217)
前記安定な薬学的に許容される製剤を含むカートリッジを備える、項目197から216のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目218)
前記カートリッジが、デュアルチャンバーカートリッジである、項目217に記載の事前充填インジェクター。
(項目219)
前記デュアルチャンバーカートリッジが、第1のチャンバーにおいて、
活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含むマイクロスフィア
を含む第1の容量を備える、項目218に記載の事前充填インジェクター。
(項目220)
前記第1の容量が、マイクロスフェア内に含まれないある量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩をさらに含む、項目219に記載の事前充填インジェクター。
(項目221)
前記デュアルチャンバーカートリッジが、第2のチャンバーにおいて、
希釈媒体
を含む、第2の容量を備える、項目219または項目220に記載の事前充填インジェクター。
(項目222)
前記第2の容量が、ブピバカイン遊離塩基またはその薬学的に許容される塩をさらに含む、項目221に記載の事前充填インジェクター。
(項目223)
前記第1の容量と前記第2の容量とを合わせて、項目1から70のいずれか1項に記載の安定な薬学的に許容される製剤または項目147から195のいずれか1項に記載の長時間作用型剤形を生成することができる、項目221または項目222に記載の事前充填インジェクター。
(項目224)
注射前に前記第1の容量および前記第2の容量を合わせるように構成可能な、項目221から223のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目225)
注射中に前記第1の容量および前記第2の容量を合わせるように構成可能な、項目221から224のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目226)
前記第1の容量および前記第2の容量を、容量基準で約等量で分注するように構成可能な、項目221から225のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目227)
前記第1の容量および前記第2の容量を、容量基準で等しくない量で分注するように構成可能な、項目221から226のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目228)
18G~30Gのニードルを備える、項目197から227のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目229)
21Gのニードルを備える、項目197から228のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目230)
23Gのニードルを備える、項目197から228のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目231)
25Gのニードルを備える、項目197から228のいずれか一項に記載の事前充填インジェクター。
(項目232)
単回注射または1回より多くの注射で分注される前記安定な薬学的に許容される製剤の量が、約500mg~約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含有する、項目197から231のいずれか1項に記載の事前充填インジェクター。
(項目233)
単回注射または1回より多くの注射で分注される前記安定な医薬製剤の量が、約1000mg~約2000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含有する、項目197から232のいずれか1項に記載の事前充填インジェクター。
(項目234)
単回注射または1回より多くの注射で分注される前記安定な医薬製剤の量が、約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含有する、項目197から233のいずれか1項に記載の事前充填インジェクター。
(項目235)
安定な薬学的に許容される製剤を含む事前充填インジェクターを製造する方法であって、
第1の生分解性ポリマー、および
活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む、マイクロスフィア
を含む、安定な薬学的に許容される製剤を調製するステップ、
無菌カートリッジに前記安定な薬学的に許容される製剤を搭載するステップ、ならびに
前記無菌カートリッジをインジェクターに操作可能に取り付けるステップ
を含む、方法。
(項目236)
前記マイクロスフェアが、活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基を含む、項目235に記載の方法。
(項目237)
前記ブピバカインの薬学的に許容される塩が、ブピバカインの酸付加塩である、項目236に記載の方法。
(項目238)
前記ブピバカインの薬学的に許容される塩が、ブピバカイン塩酸塩である、項目237に記載の方法。
(項目239)
前記第1の生分解性ポリマーが、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される、項目235から238のいずれか一項に記載の方法。
(項目240)
前記第1の生分解性ポリマーが、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、ここで、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である、項目235から239のいずれか一項に記載の方法。
(項目241)
前記第1の生分解性ポリマーが、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている、項目235から240のいずれか一項に記載の方法。
(項目242)
前記第1の生分解性ポリマーが、前記第2の生分解性ポリマーと組成が同一ではない、項目241に記載の方法。
(項目243)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約10%~約80%w/wである、項目235から242のいずれか一項に記載の方法。
(項目244)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約50%~約60%w/wである、項目235から243のいずれか一項に記載の方法。
(項目245)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約40%~約50%w/wである、項目235から243のいずれか一項に記載の方法。
(項目246)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約30%~約40%w/wである、項目235から243のいずれか一項に記載の方法。
(項目247)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約40%w/wである、項目235から243のいずれか一項に記載の方法。
(項目248)
前記マイクロスフィア中の前記活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、約45%w/wである、項目235から243のいずれか一項に記載の方法。
(項目249)
前記安定な医薬製剤が、実質的に無菌である、項目235から248のいずれか一項に記載の方法。
(項目250)
前記安定な医薬製剤が、冷蔵後に25℃で約14日間の貯蔵寿命を有する、項目235から249のいずれか1項に記載の方法。
(項目251)
前記安定な医薬製剤が、25℃において約24か月間の保存可能期間を有する、項目235から250のいずれか一項に記載の方法。
(項目252)
前記事前充填インジェクターが、ペン型インジェクターまたはオートインジェクターである、項目235から251のいずれか一項に記載の方法。
(項目253)
前記事前充填インジェクターが、使い捨てである、項目235から252のいずれか一項に記載の方法。
(項目254)
前記事前充填インジェクターが、使い捨てペン型インジェクターである、項目235から253のいずれか一項に記載の方法。
(項目255)
前記事前充填インジェクターが、前記安定な薬学的に許容される製剤を含むカートリッジを備える、項目235から254のいずれか一項に記載の方法。
(項目256)
前記カートリッジが、デュアルチャンバーカートリッジである、項目255に記載の方法。
(項目257)
前記事前充填インジェクターが、18G~30Gのニードルを備える、項目235から256のいずれか一項に記載の方法。
(項目258)
前記事前充填インジェクターが、21Gのニードルを備える、項目235から257のいずれか一項に記載の方法。
(項目259)
前記事前充填インジェクターが、23Gのニードルを備える、項目235から257のいずれか一項に記載の方法。
(項目260)
前記事前充填インジェクターが、25Gのニードルを備える、項目235から257のいずれか一項に記載の方法。
(項目261)
単回注射または1回より多くの注射で分注される前記安定な薬学的に許容される製剤の量が、約500mg~約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含有する、項目235から260のいずれか1項に記載の方法。
(項目262)
単回注射または1回より多くの注射で分注される前記安定な薬学的に許容される製剤の量が、約1000mg~約2000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含有する、項目235から261のいずれか1項に記載の方法。
(項目263)
単回注射または1回より多くの注射で分注される前記安定な薬学的に許容される製剤の量が、約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含有する、項目235から262のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ブピバカインの安定なマイクロスフェア製剤
一部の態様では、本開示は、マイクロスフィアを含む安定な薬学的に許容される製剤を提供し、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマー、および活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0021】
一部の態様では、マイクロスフェアは、活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基を含む。
【0022】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカインの酸付加塩である。
【0023】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカイン塩酸塩である。
【0024】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、1または複数の抗酸化剤をさらに含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、メタ重亜硫酸ナトリウムを含む。一部の態様では、抗酸化剤は、メタ重亜硫酸ナトリウムである。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、アスコルビン酸ナトリウムを含む。一部の態様では、抗酸化剤は、アスコルビン酸ナトリウムである。
【0025】
一部の態様では、マイクロスフィアは、1または複数の追加の生分解性ポリマーをさらに含む。
【0026】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、コポリマーである。一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、マルチブロックコポリマーである。一部の態様では、マルチブロックコポリマーは、少なくとも1つの加水分解性プレポリマー(A)セグメントおよび少なくとも1つの加水分解性プレポリマー(B)セグメントを含み、セグメントは、多官能性鎖延長剤によって連結されており、セグメントは、ポリマー鎖にわたってランダムにかつ非交互に分布している。
【0027】
一部の態様では、マルチブロックコポリマーは、生理的条件下で、約37℃またはそれ未満のTg、および約50℃~約250℃のTmを有し、プレポリマー(A)セグメントは、ポリエチレングリコールを含む。
【0028】
一部の態様では、ポリエチレングリコールは、約150~約5000g/molのMnを有する。
【0029】
一部の態様では、マルチブロックコポリマーは、非晶質であり、生理的条件において、37℃またはそれ未満のガラス転移温度を有する。
【0030】
一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントおよび/またはプレポリマー(B)セグメントは、エステル結合、カーボネート結合、無水物結合、エーテル結合およびそれらの組合せからなる群から選択される1または複数の結合を含む。一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントは、1または複数のポリエーテル基を含む。一部の態様では、1または複数のポリエーテル基は、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびそれらの組合せからなる群から選択される。一部の態様では、前記ポリエーテル基は、ポリエチレングリコールである。一部の態様では、ポリエーテルは、追加のプレポリマーとして、マルチブロックコポリマー中に存在する。
【0031】
一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントは、少なくとも1つの環状モノマーと、ジオール、ジカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸からなる群から選択される少なくとも1つの非環状開始剤との反応生成物を含む。一部の態様では、少なくとも1種の環状モノマーは、グリコリド、ラクチド(Dおよび/またはL)、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、トリメチレンカーボネート、1,4-ジオキサン-2-オン(パラ-ジオキサノン)、1,5-ジオキサノン-2-オンおよび環状無水物からなる群から選択される。一部の態様では、少なくとも1種の非環状開始剤は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、乳酸、グリコール酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオールおよび1,6-ヘキサンジオールからなる群から選択される。
【0032】
一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントは、ジオール、ジカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸から選択されるエステル形成性モノマーの反応生成物を含む。一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントは、グリコリド、ラクチド(Dおよび/またはL)、ε-カプロラクトンおよび/またはδ-バレロラクトンの反応生成物を含む。
【0033】
一部の態様では、マルチブロックコポリマー中のプレポリマー(A)の含有量は、マルチブロックコポリマーの総重量に対して、約1%~約90%である。一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントは、約500g/molまたはそれを超えるMnを有する。
【0034】
一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、ヒドロキシアルカノエート、グリコリドラクチド(Dおよび/またはL)、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、トリメチレンカーボネート、1,4-ジオキサン-2-オンまたはそれらの組合せから誘導されるポリマーを含む。
【0035】
一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、ポリ(グリコリド-co-Lラクチド)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約1000g/molまたはそれを超えるMnを有する、ポリ(グリコリド-co-Lラクチド)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約4000g/molのMnを有する、ポリ(グリコリド-co-Lラクチド)を含む。
【0036】
一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、グリコリドとL-ラクチドとの合わせたモル量に対して、約5%~約25%のモル量のグリコリドを含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、グリコリドとL-ラクチドとの合わせたモル量に対して、約15%のモル量のグリコリドを含む。
【0037】
一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、ポリ(p-ジオキサノン)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約1000g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約1500g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約2000g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約2500g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約3000g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約3500g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約4000g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む。
【0038】
一部の態様では、マルチブロックコポリマーは、マルチブロックコポリマーの総重量に対して、約10%~約99%のプレポリマー(B)セグメントを含む。
【0039】
一部の態様では、多官能性鎖延長剤は、二官能性脂肪族鎖延長剤である。一部の態様では、二官能性脂肪族鎖延長剤は、ジイソシアネートである。一部の態様では、ジイソシアネートは、1,4-ブタンジイソシアネートである。
【0040】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される。
【0041】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である。
【0042】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている。
【0043】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーと組成が実質的に同一ではない。
【0044】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は希釈剤をさらに含む。
【0045】
一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約10%~約80%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約30%~約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約50%~約60%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約40%~約50%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約30%w/w~約40%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約20%w/w~約50%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約10%w/w、約11%w/w、約12%w/w、約13%w/w、約14%w/w、約15%w/w、約16%w/w、約17%w/w、約18%w/w、約19%w/w、約20%w/w、約21%w/w、約22%w/w、約23%w/w、約24%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約27%w/w、約28%w/w、約29%w/w、約30%w/w、約31%w/w、約32%w/w、約33%w/w、約34%w/w、約35%w/w、約36%w/w、約37%w/w、約38%w/w、約39%w/w、約40%w/w、約41%w/w、約42%w/w、約43%w/w、約44%w/w、約45%w/w、約46%w/w、約47%w/w、約48%w/w、約49%w/w、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、約54%w/w、約55%w/w、約56%w/w、約57%w/w、約58%w/w、約59%w/w、約60%w/w、約61%w/w、約62%w/w、約63%w/w、約64%w/w、約65%w/w、約66%w/w約67%w/w、約68%w/w、約69%w/w、約70%w/w、約71%w/w、約72%w/w、約73%w/w、約74%w/w、約75%w/w、約76%w/w、約77%w/w、約78%w/w、約79%w/w、または約80%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約40%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約50%w/wである。
【0046】
一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約500mg~約1000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約200mg~約8000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約500mg~約7000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約500mg~約6000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約500mg~約5000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約500mg~約4000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約500mg~約3000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約500mg~約2000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約250mg~約1200mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約600mg~約1000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約600mg~約800mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、または約1200mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約800mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約1000mgである。
【0047】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、実質的に無菌である。
【0048】
一部の態様では、25℃の温度において24か月間の密封保管後、ブピバカイン由来不純物を5重量%未満しか含まない。一部の態様では、25℃の温度において24か月間の密封保管後、ブピバカイン由来不純物を2%重量/重量未満しか含まない。一部の態様では、25℃の温度において24か月間の密封保管後、ブピバカイン由来不純物を1%重量/重量未満しか含まない。
【0049】
一部の態様では、25℃の温度において24か月間の密封保管後、ブピバカイン由来不純物を実質的に含まない。
【0050】
一部の態様では、ブピバカイン由来不純物はブピバカイン酸化生成物である。適用可能なブピバカイン酸化生成物としては、N-(2,6-ジメチルフェニル)ピリジン-2-カルボキサミド(ブピバカインEP不純物A)、(2RS)-N-(2,6-ジメチルフェニル)ピペリジン-2-カルボキサミド(ブピバカインEP不純物B)、1-(2,6-ジメチルフェニル)-1,5,6,7-テトラヒドロ-2H-アゼピン-2-オン(ブピバカインEP不純物C)、(2RS)-2,6-ジクロロ-N-(2,6-ジメチルフェニル)ヘキサンアミド(ブピバカインEP不純物D)、6-(ブチルアミノ)-N-(2,6-ジメチルフェニル)ヘキサンアミド(ブピバカインEP不純物E)、および2,6-ジメチルアニリン(ブピバカインEP不純物F)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0051】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、冷蔵後に25℃で約14日間の貯蔵寿命を有する。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、冷蔵後に25℃で約7~21日間の貯蔵寿命を有する。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、冷蔵後に25℃で約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間または約21日間の貯蔵寿命を有する。
【0052】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、25℃で約24ヶ月の貯蔵寿命を有する。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、25℃で約12ヶ月~約36ヶ月の貯蔵寿命を有する。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、25℃で約12ヶ月、約13ヶ月、約14ヶ月、約15ヶ月、約16ヶ月、約17ヶ月、約18ヶ月、約19ヶ月、約20ヶ月、約21ヶ月、約22ヶ月、約23ヶ月、約24ヶ月、約25ヶ月、約26ヶ月、約27ヶ月、約28ヶ月、約29ヶ月、約30ヶ月、約31ヶ月、約32ヶ月、約33ヶ月、約34ヶ月、約35ヶ月または約36ヶ月の貯蔵寿命を有する。
【0053】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、約1mL~約50mL容量の滅菌容器に保存される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、約1mL~約40mL容量の滅菌容器に保存される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、約1mL~約30mL容量の滅菌容器に保存される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、約3mL~約20mL容量の滅菌容器に保存される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、約1mL、約2mL、約3mL、約4mL、約5mL、約6mL、約7mL、約8mL、約9mL、約10mL、約11mL、約12mL、約13mL、約14mL、約15mL、約16mL、約17mL、約18mL、約19mL、約20mL、約21mL、約22mL、約23mL、約24mL、約25mL、約26mL、約27mL、約28mL、約29mL、約30mL、約31mL、約32mL、約33mL、約34mL、約35mL、約36mL、約37mL、約38mL、約39mL、約40mL、約41mL、約42mL、約43mL、約44mL、約45mL、約46mL、約47mL、約48mL、約49mLまたは約50mL容量の滅菌容器に保存される。
【0054】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、インジェクターにおいて提供される。
【0055】
一部の態様では、インジェクターは、使い捨てのペン型インジェクターである。
【0056】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、非経口投与に好適である。
【0057】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、皮下投与に適している。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、皮内投与に適している。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、腹腔内投与に適している。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、局所点滴注入による投与に適している。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は局所投与に適している。
【0058】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、筋肉内投与に適している。
【0059】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、複数回の注射に適している。
【0060】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、投与前に好ましい濃度に希釈される濃縮ストックとして提供される。
【0061】
一部の態様では、単回用量は複数の投与可能な容量に分割される。
【0062】
一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約200mg~約8000mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約500mg~約4000mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約500mg~約3000mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約500mg~約2000mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約500mg~約1000mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約250mg~約1200mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約600mg~約800mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、または約1200mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約800mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約1000mgである。
【0063】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、安定な薬学的に許容される製剤の個々の用量を取り出すことができるストックとして提供される。一部の態様では、ストックは、約5mL~約2Lの容量で提供される。一部の態様では、ストックは、約5mL~約100mLの容量で提供される。一部の態様では、ストックは、約5mL~約50mLの容量で提供される。一部の態様では、ストックは、約5mL~約10mLの容量で提供される。
ブピバカインのマイクロスフィア製剤を生成する方法
【0064】
一部の態様では、本開示は、マイクロスフィアを含む、安定な薬学的に許容される製剤を生成する方法を提供する。さらなる態様では、方法は、第1の生分解性ポリマー、および活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む、第1の相を用意するステップを含む。さらなる態様では、方法は、水性界面活性剤を含む第2の相を第1の相に連続的に添加して、エマルションを形成するステップ。さらなる態様では、方法は、エマルションにクエンチ溶液を添加して、マイクロスフィアを含む容量を生成するステップ。さらなる態様では、方法は、マイクロスフィアを洗浄、ろ過および乾燥して、溶媒含有量を低下させるステップを含む。
【0065】
一部の態様では、本開示は、マイクロスフィアを含む、安定な薬学的に許容される製剤を生成する方法を提供する。さらなる態様では、方法は、第1の生分解性ポリマー、活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩、およびポリマーおよびブピバカインを溶解するのに好適な溶媒系を含む、第1の相を用意するステップを含む。さらなる態様では、方法は、第1の相を第2の相と共に乳化して、これにより、エマルションを形成させるステップを含む。さらなる態様では、第2の相は、界面活性剤を含む水溶液を含む。さらなる態様では、方法は、エマルションから溶媒系の実質的な部分を除去して、これによって、マイクロスフィアを得るステップを含む。
【0066】
一部の態様では、方法は、マイクロスフィアを収集および乾燥するステップをさらに含む。
【0067】
一部の態様では、乳化は膜乳化を含む。一部の態様では、第1の相を第2の相と共に乳化するステップは、第1の相を第2の相に膜乳化することを含む。一部の態様では、第1の相を第2の相と共に乳化するステップは、膜を使用する膜乳化であって、第1の相を膜に通して第2の相に導入する膜乳化を含む。
【0068】
一部の態様では、エマルションからの溶媒系の実質的な部分を除去するステップは、界面活性剤を含む水溶液による溶媒系の抽出を含む。一部の態様では、エマルションからの溶媒系の実質的な部分を除去するステップは、界面活性剤を含む水溶液による溶媒系の第1の部分の抽出と、その後の溶媒系の第2の部分の溶媒蒸発を含む。
【0069】
一部の態様では、溶媒系の実質的な部分は、エマルション中の溶媒系の約80%~約100%である。
【0070】
一部の態様では、本方法は、マイクロスフィアを洗浄および/またはろ過するステップをさらに含む。
【0071】
一部の態様では、本方法は、マイクロスフィアを乾燥するステップをさらに含む。一部の態様では、マイクロスフィアを乾燥するステップは、凍結乾燥、真空-乾燥、および凍結-真空乾燥のうちの1または複数を含む。
【0072】
一部の態様では、第1の相は、活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基を含む。
【0073】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカインの酸付加塩である。
【0074】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカイン塩酸塩である。
【0075】
一部の態様では、第1の相は、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が約25mg/mLまたはそれより高い溶解度を有する溶媒系を含む。
【0076】
一部の態様では、第1の相は、ジクロロメタン、酢酸エチル、クロロホルム、メタノール、ベンジルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンおよびジメチルアセトアミドからなる群から選択される、1または複数の溶媒を含む。
【0077】
一部の態様では、第1の相は、1または複数のさらなる溶媒と組み合わされたジクロロメタンを含む。一部の態様では、1または複数のさらなる溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよびN-メチルピロリドンからなる群から選択される。一部の態様では、第1の相は、ジクロロメタンおよびジメチルスルホキシドを含む。一部の態様では、ジメチルスルホキシドは、第1の相中のジメチルスルホキシドとジクロロメタンとの合わせた容量に対して約5%~約50%の量で存在する。
【0078】
一部の態様では、第1の相は、約2%~約25重量%の第1の生分解性ポリマーと1または複数の追加の生分解性ポリマーとの合わせた質量を含む。
【0079】
一部の態様では、第1の相は、約2%~約25重量%のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0080】
一部の態様では、第1の相および/または第2の相は、1または複数の安定剤を含む。一部の態様では、第1の相および/または第2の相は、1または複数の緩衝剤を含む。一部の態様では、第1の相および/または第2の相は、1または複数の防腐剤を含む。
【0081】
一部の態様では、第1の相は、1または複数の抗酸化剤を含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、メタ重亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸ナトリウムを含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、第1の相に対して、約0.01%~約5%w/vの量でメタ重亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸ナトリウムを含む。
【0082】
一部の態様では、第2の相は、ポリビニルアルコールを含む。
【0083】
一部の態様では、第2の相は、塩化ナトリウムを含む。
【0084】
一部の態様では、第2の相は、水性緩衝液を含む。
【0085】
一部の態様では、第2の相は、約4~約10のpHに緩衝される。一部の態様では、第2の相は、約7~約10のpHに緩衝される。一部の態様では、第2の相は、約8.5のpHに緩衝される。
【0086】
一部の態様では、第2の相は、TRIS緩衝液を含む。一部の態様では、第2の相は、TRIZMAペレットを含む。
【0087】
一部の態様では、第2の相は、1または複数の抗酸化剤を含む。
【0088】
一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、メタ重亜硫酸ナトリウムを含む。一部の態様では、抗酸化剤は、メタ重亜硫酸ナトリウムである。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、第2の相中に、約0.1%~約1%w/vの量のメタ重亜硫酸ナトリウムを含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、第2の相中に、約0.15%w/vの量でメタ重亜硫酸ナトリウムを含む。
【0089】
一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、アスコルビン酸ナトリウムを含む。一部の態様では、抗酸化剤は、アスコルビン酸ナトリウムである。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、第2の相中に、約0.1%~約1%w/vの量でアスコルビン酸ナトリウムを含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、第2の相中に、約0.15%w/vの量でアスコルビン酸ナトリウムを含む。
【0090】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される。
【0091】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、ここで、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である。
【0092】
一部の態様では、水性界面活性剤は、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤のうちの1または複数を含む。
【0093】
一部の態様では、第2の相は、緩衝溶液、水性界面活性剤の粘度を調節するための1または複数の作用剤、および溶液のイオン強度を調節するための作用剤のうちの1または複数をさらに含む。
【0094】
一部の態様では、第1の相は、第2の相の添加前および/または添加中に撹拌される。
【0095】
一部の態様では、エマルションは、クエンチ溶液の添加前および/または添加中に撹拌される。
【0096】
一部の態様では、マイクロスフィアを含む容量は、マイクロスフィアを洗浄、ろ過および乾燥するステップのいずれかの前および/またはその間に撹拌される。
【0097】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている。
【0098】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーと組成が同一ではない。
【0099】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、希釈剤をさらに含む。
【0100】
一部の態様では、第1の相は、第1の生分解性ポリマーを含む溶液とブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む溶液との混合により調製される。
【0101】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーおよび/または第2の生分解性ポリマーは、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、テトラヒドロフラン、テトラグリコール、アセトン、アセトン/メチルエチルケトン混合物、アセトン/酢酸メチル混合物、テトラヒドロフラン/酢酸エチル混合物およびテトラヒドロフラン/ギ酸エチル混合物からなる群から選択される、水と高度にまたは完全に混和性である溶媒に溶解されている。
【0102】
一部の態様では、水と高度にまたは完全に混和性である溶媒は、アセトン/メチルエチルケトン混合物である。
【0103】
一部の態様では、アセトン/メチルエチルケトン混合物は、容量基準で約70%のアセトンおよび約30%のメチルエチルケトンを含む。一部の態様では、アセトン/メチルエチルケトン混合物は、容量基準で約60%~約80%のアセトンおよび約20%~約40%のメチルエチルケトンを含む。
【0104】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーおよび/または第2の生分解性ポリマーは、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、メチルエチルケトンおよびそれらの2種またはそれより多くの混合物からなる群から選択される、限定された水溶性を有する溶媒に溶解される。
【0105】
事前充填インジェクター
一部の態様では、本開示は、安定な薬学的に許容される製剤を含む、事前充填インジェクターを提供する。さらなる態様では、製剤は、マイクロスフィアを含む。さらなる態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマー、および活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0106】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、1回より多く上の注射を投与するように構成可能である。
【0107】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカインの酸付加塩である。
【0108】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカイン塩酸塩である。
【0109】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される。
【0110】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である。
【0111】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている。
【0112】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーと組成が同一ではない。
【0113】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%~約80%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%~約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%~約60%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%~約50%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%~約40%w/wである。
【0114】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約20%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%w/wまたはそれ未満である。
【0115】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、実質的に無菌である。
【0116】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、冷蔵後、25℃において約14日間の保存可能期間を有する。
【0117】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、25℃において約24か月間の保存可能期間を有する。
【0118】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、ペン型インジェクターまたはオートインジェクターである。
【0119】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、使い捨てである。
【0120】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、使い捨てペン型インジェクターである。
【0121】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、安定な薬学的に許容される製剤を含むカートリッジを備える。
【0122】
一部の態様では、カートリッジは、デュアルチャンバーカートリッジである。
【0123】
一部の態様では、デュアルチャンバーカートリッジは、第1のチャンバーにおいて、マイクロスフィアを含む第1の容量を備え、マイクロスフィアは、活性薬物搭載量のを含む。一部の態様では、デュアルチャンバーカートリッジは、第2のチャンバーにおいて、希釈媒体を含む、第2の容量を備える。一部の態様では、第1の容量は、マイクロスフィア内に含まれないある量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩をさらに含む。一部の態様では、第2の容量は、ある量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩をさらに含む。
【0124】
一部の態様では、第1の容量および第2の容量を合わせて、本明細書に開示される薬学的に許容される製剤を生成することができる。
【0125】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、注射前に第1の容量および第2の容量を合わせるように構成可能である。一部の態様では、事前充填インジェクターは、注射中に第1の容量および第2の容量を合わせるように構成可能である。
【0126】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、第1の容量および第2の容量を、容量基準で約等量で分注するように構成可能である。一部の態様では、事前充填インジェクターは、第1の容量および第2の容量を、容量基準で等しくない量で分注するように構成可能である。
【0127】
一部の態様では、第1の容量は、冷蔵後、25℃において、約7~約30日間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第1の容量は、冷蔵後、25℃において、約7日間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第1の容量は、冷蔵後、25℃において、約14日間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第1の容量は、冷蔵後、25℃において、約21日間の保存可能期間を有する。
【0128】
一部の態様では、第1の容量は、25℃において、約1~約24か月間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第1の容量は、25℃において、約3か月間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第1の容量は、25℃において、約6か月間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第1の容量は、25℃において、約12か月間の保存可能期間を有する。
【0129】
一部の態様では、第2の容量は、冷蔵後、25℃において、約7~約30日間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第2の容量は、冷蔵後、25℃において、約7日間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第2の容量は、冷蔵後、25℃において、約14日間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第2の容量は、冷蔵後、25℃において、約21日間の保存可能期間を有する。
【0130】
一部の態様では、第2の容量は、25℃において、約1~約24か月間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第2の容量は、25℃において、約3か月間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第2の容量は、25℃において、約6か月間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第2の容量は、25℃において、約12か月間の保存可能期間を有する。
【0131】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、18G~30Gのニードルを備える。一部の態様では、事前充填インジェクターは、21Gのニードルを備える。一部の態様では、事前充填インジェクターは、23Gのニードルを備える。一部の態様では、事前充填インジェクターは、25Gのニードルを備える。
【0132】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約10mg~約400mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な医薬製剤の量は、約25mg~約50mg、約25mg~約100mg、約25mg~約150mg、約25mg~約200mg、約25mg~約250mg、約25mg~約300mg、約25mg~約350mg、約50mg~約100mg、約50mg~約150mg、約50mg~約200mg、約50mg~約250mg、約50mg~約300mg、約50mg~約350mg、約50mg~約400mg、約100mg~約150mg、約100mg~約200mg、約100mg~約250mg、約100mg~約300mg、約100mg~約350mg、約100mg~約400mg、約150mg~約200mg、約150mg~約250mg、約150mg~約300mg、約150mg~約350mg、約150mg~約400mg、約200mg~約250mg、約200mg~約300mg、約200mg~約350mg、約200mg~約400mg、約250mg~約300mg、約250mg~約350mg、約250mg~約400mg、約300mg~約350mg、約300mg~約400mg、または約350mg~約400mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0133】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約200mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約25mg、約50mg、約100mg、約150mg、約250mg、約300mg、約350mg、または約400mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0134】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な医薬製剤の量は、約1000mg~約2000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0135】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な医薬製剤の量は、約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0136】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な医薬製剤の量は、約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0137】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、総安定な薬学的に許容される製剤の約10%である。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、総安定な薬学的に許容される製剤の約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、または約100%である。
【0138】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、複数回の注射で分注される。
事前充填インジェクターを製造する方法
【0139】
一部の態様では、本開示は、安定な薬学的に許容される製剤を含む事前充填インジェクターを製造する方法を提供する。さらなる態様では、方法は、安定な薬学的に許容される製剤を調製するステップを含む。さらなる態様では、製剤は、マイクロスフィアを含む。さらなる態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマー、および活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。さらなる態様では、方法は、無菌カートリッジに安定な薬学的に許容される製剤を搭載するステップを含む。さらなる態様では、方法は、無菌カートリッジをインジェクターに取り付けるステップを含む。
【0140】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカインの酸付加塩である。
【0141】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカイン塩酸塩である。
【0142】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される。
【0143】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である。
【0144】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている。
【0145】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーと組成が同一ではない。
【0146】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%~約80%w/wである。
【0147】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%~約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%~約60%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%~約50%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%~約40%w/wである。
【0148】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約20%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%w/wまたはそれ未満である。
【0149】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、実質的に無菌である。
【0150】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、冷蔵後、25℃において約14日間の保存可能期間を有する。
【0151】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、25℃において約24か月間の保存可能期間を有する。
【0152】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、ペン型インジェクターまたはオートインジェクターである。
【0153】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、使い捨てである。
【0154】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、使い捨てペン型インジェクターである。
【0155】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、安定な薬学的に許容される製剤を含むカートリッジを備える。
【0156】
一部の態様では、カートリッジは、デュアルチャンバーカートリッジである。
【0157】
一部の態様では、デュアルチャンバーカートリッジは、第1のチャンバーにおいて、マイクロスフィアを含む第1の容量を備え、マイクロスフィアは、活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、デュアルチャンバーカートリッジは、第2のチャンバーにおいて、希釈媒体を含む、第2の容量を備える。一部の態様では、第1の容量は、マイクロスフィア内に含まれないある量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩をさらに含む。一部の態様では、第2の容量は、ある量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩をさらに含む。
【0158】
一部の態様では、第1の容量および第2の容量を合わせて、本明細書に開示される薬学的に許容される製剤を生成することができる。
【0159】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、注射前に第1の容量および第2の容量を合わせるように構成可能である。一部の態様では、事前充填インジェクターは、注射中に第1の容量および第2の容量を合わせるように構成可能である。
【0160】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、第1の容量および第2の容量を、容量基準で約等量で分注するように構成可能である。一部の態様では、事前充填インジェクターは、第1の容量および第2の容量を、容量基準で等しくない量で分注するように構成可能である。
【0161】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、18G~30Gのニードルを備える。一部の態様では、事前充填インジェクターは、21Gのニードルを備える。一部の態様では、事前充填インジェクターは、23Gのニードルを備える。一部の態様では、事前充填インジェクターは、25Gのニードルを備える。
【0162】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約10mg~約400mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される薬学的に許容される製剤の量は、約25mg~約50mg、約25mg~約100mg、約25mg~約150mg、約25mg~約200mg、約25mg~約250mg、約25mg~約300mg、約25mg~約350mg、約50mg~約100mg、約50mg~約150mg、約50mg~約200mg、約50mg~約250mg、約50mg~約300mg、約50mg~約350mg、約50mg~約400mg、約100mg~約150mg、約100mg~約200mg、約100mg~約250mg、約100mg~約300mg、約100mg~約350mg、約100mg~約400mg、約150mg~約200mg、約150mg~約250mg、約150mg~約300mg、約150mg~約350mg、約150mg~約400mg、約200mg~約250mg、約200mg~約300mg、約200mg~約350mg、約200mg~約400mg、約250mg~約300mg、約250mg~約350mg、約250mg~約400mg、約300mg~約350mg、約300mg~約400mg、または約350mg~約400mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0163】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約500mg~約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0164】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約1000mg~約2000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0165】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0166】
一部の態様では、単回用量で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約200mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0167】
一部の態様では、単回用量で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約500mg~約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0168】
一部の態様では、単回用量で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約1000mg~約2000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0169】
一部の態様では、単回用量で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0170】
処置の方法
【0171】
一部の態様では、本開示は、疼痛を処置する方法を提供し、方法は、安定な薬学的に許容される製剤をそれを必要とする対象に投与するステップを含む。さらなる態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、マイクロスフィアを含む。さらなる態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマー、および活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0172】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、必要とする対象に手術部位で投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、必要とする対象に手術部位の近くまたは周囲で投与される。
【0173】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、外科的処置の前、間および/または後に投与される。一部の態様では、外科的処置は、卵巣切除術である。一部の態様では、外科的処置は、痔核切除術である。一部の態様では、外科的処置は、ヘルニア形成術である。一部の態様では、外科的処置は、胆管切除術である。一部の態様では、外科的処置は、胆嚢切除術である。一部の態様では、外科的処置は、卵巣切除術である。一部の態様では、外科的処置は、バニオン切除術である。
【0174】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の肩峰下腔に投与される。
【0175】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、斜角筋間腕神経叢ブロックのために投与される。
【0176】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の内部器官または組織に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の外部器官または組織に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の脚に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の大腿部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象のふくらはぎに投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の臀部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の足に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の膝部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の上背または下背に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の胸部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の腹部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の鼠径部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の頭部または首部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の顎に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の口内の位置に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の腕に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の肩部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の上腕に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の下腕に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の手に投与される。
【0177】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカインの酸付加塩である。
【0178】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカイン塩酸塩である。
【0179】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%~約80%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約30%~約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約50%~約60%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約40%~約50%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約30%~約40%w/wである。
【0180】
一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、1回または複数回の注射として投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、単回注射として投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、2回以上の注射として投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15回の注射として投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、15回を超える注射として投与される。
【0181】
一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約200mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約1000mg~約3000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約3000mg~約7000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約500mg~約1000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約250mg~約1200mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約600mg~約800mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約10mg~約400mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、または約400mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約2000mg、約3000mg、約4000mg、約5000mg、約6000mg、約7000mg、または約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約800mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約1000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。
【0182】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、インジェクターにより投与される。
【0183】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、非経口投与される。
【0184】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、筋肉内投与される。
【0185】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、皮下投与される。
【0186】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、複数の注射部位に投与される。
【0187】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤の投与は、血漿中のブピバカインの初期バースト後に、約3~約28日間、治療的に有効な濃度のブピバカインをもたらす。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤の投与は、血漿中のブピバカインの初期バースト後に、約2~約14日間、治療的に有効な濃度のブピバカインをもたらす。一部の態様では、ブピバカインの治療的に有効な濃度は、約10μg/L~約400μg/Lである。
【0188】
一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約0.1%~約5%である。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%~約10%である。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約5%~約80%である。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約10%~約80%である。一部の態様では、ブピバカインのバーストは、24時間でブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約20%~約80%である。一部の態様では、ブピバカインのバーストは、24時間でブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約40%である。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約5%である。
【0189】
一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%~約15%である。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、または約15%である。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%~約15%である。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約10%である。
【0190】
一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストは、マイクロスフェアに由来する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストは、希釈媒体に由来する。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、週に2回投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、1週間に1回投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、週に3回、4回、5回、6回または7回投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、2週間に1回投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、1ヶ月に1回投与される。
【0191】
一部の態様では、必要とする対象は、疼痛に罹患している。
【0192】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤の投与は、疼痛の発生、持続期間または重症度を低減するのに有効である。
【0193】
一部の態様では、処置方法に適した患者は、非ヒト動物である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、哺乳動物である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、非霊長類、例えば、ウサギ、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット、またはカニクイザルなどの霊長類である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、ヒトである。一部の態様では、処置方法に適した患者は、ヒト男性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、50歳またはそれよりも高齢のヒト男性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、ヒト女性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、50歳またはそれよりも高齢のヒト女性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、閉経前のヒト女性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、閉経周辺期のヒト女性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、閉経期のヒト女性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、閉経後のヒト女性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、妊娠中のヒト女性である。
【0194】
一部の態様では、処置方法に適した患者は、約5歳またはそれよりも若い小児である。
【0195】
一部の態様では、処置方法に適した患者は、約6歳~約12歳の小児である。
【0196】
一部の態様では、処置方法に適した患者は、約13歳~約17歳の青年である。
【0197】
一部の態様では、処置方法に適した患者は、約18歳またはそれよりも高齢の成人である。
長時間作用型剤形
【0198】
薬物の長時間作用型剤形を生成する方法の1つは、経時的に薬物をゆっくりと放出するポリマーマトリックスに薬物を取り込ませることである。このような方法および組成物の例は、公開されている国際出願WO2013/015685A1、WO2005/068533A1およびWO2021/066650A1に記載されている。これらの参考文献は、それらが開示するすべてに関して、それらの全体が参照により組み込まれる。本明細書に記載されている長時間作用型ブピバカイン組成物を生成するために、組み込まれる参照文献に記載されている様々なポリマー組成物および該ポリマー組成物を調製する方法を使用または修正することができることが、当業者によって理解される。特に、本明細書に記載されている適合可能ないずれのポリマーも、本発明の長時間作用型ブピバカイン組成物における使用の範囲内にある。
【0199】
一部の態様では、本開示は、マイクロスフィアを含む長時間作用型剤形を提供する。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約200mg~約8000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。さらなる態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約500mg~約1000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約250mg~約1200mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約600mg~約800mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約1000mg~約3000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約3000mg~約6000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約5000mg~約8000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約2000mg、約3000mg、約4000mg、約5000mg、約6000mg、約7000mg、または約8000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約800mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約1000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、対象への長時間作用型剤形の単回用量の投与は、以下:(a)100mgのブピバカイン塩酸塩の即時放出型注射によって提供されるブピバカインの平均最大血漿レベルCmax以下の平均濃度値を示す、投与後1日目~7日目のブピバカインの定常状態血漿プロファイル、(b)約2時間~約4時間のブピバカイン排出半減期、および(c)ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩のゼロ次放出プロファイルからなる群から選択される、薬物動態パラメーターの少なくとも1つをもたらす。
【0200】
一部の態様では、対象への長時間作用型剤形の単回用量の投与は、ゼロ次放出プロファイルをもたらす。一部の態様では、対象への長時間作用型剤形の単回用量の投与は、一次放出プロファイルをもたらす。
【0201】
一部の態様では、放出プロファイルは、1日あたり、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約1%~約50%の放出量に相当する。一部の態様では、放出プロファイルは、1日あたり、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約1%~約25%の放出量に相当する。一部の態様では、放出プロファイルは、1日あたり、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約3%~約15%の放出量に相当する。一部の態様では、放出プロファイルは、1日あたり、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約12%~約14%の放出量に相当する。
【0202】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカインの酸付加塩である。
【0203】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカイン塩酸塩である。
【0204】
一部の態様では、一部の態様では、本長時間作用型剤形は、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む、複数のマイクロスフィアを含み、ここで、複数のマイクロスフィアは、約20μm~約80μmのメジアン粒子サイズ(「Dv50」)を特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフィアは、約50μmのDv50を特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフィアは、約70μmのDv50を特徴とする。
【0205】
一部の態様では、複数のマイクロスフィアは、70%未満の分散係数(「CV」)を有する粒子サイズを特徴とする。
【0206】
一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、約0.1~約1.5のスパン値を有する粒子サイズを特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、約0.1~約2.5、約0.1~約3、約0.1~約3、約0.1~約4、約0.1~約4.5、約0.1~約5、約1.5~約2、約1.5~約2.5、約1.5~約3、約1.5~約3.5、約1.5~約4、約1.5~約4.5、約1.5~約5、約2~約2.5、約2~約3、約2~約3.5、約2~約4、約2~約4.5、約2~約5、約2.5~約3、約2.5~約3.5、約2.5~約4、約2.5~約4.5、約2.5~約5、約3~約3.5、約3~約4、約3~約4.5、約3~約5、約3.5~約4、約3.5~約4.5、約3.5~約5、約4~約4.5、約4~約5、または約4.5~約5のスパン値を有する粒子サイズを特徴とする。
【0207】
一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、約1のスパン値を有する粒子サイズを特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約2、約3.5、約4、約4.5、または約5のスパン値を有する粒子サイズを特徴とする。
【0208】
一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約10%~約80%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約30%~約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約50%~約60%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約40%~約50%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約30%~約40%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約10%w/w、約11%w/w、約12%w/w、約13%w/w、約14%w/w、約15%w/w、約16%w/w、約17%w/w、約18%w/w、約19%w/w、約20%w/w、約21%w/w、約22%w/w、約23%w/w、約24%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約27%w/w、約28%w/w、約29%w/w、約30%w/w、約31%w/w、約32%w/w、約33%w/w、約34%w/w、約35%w/w、約36%w/w、約37%w/w、約38%w/w、約39%w/w、約40%w/w、約41%w/w、約42%w/w、約43%w/w、約44%w/w、約45%w/w、約46%w/w、約47%w/w、約48%w/w、約49%w/w、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、約54%w/w、約55%w/w、約56%w/w、約57%w/w、約58%w/w、約59%w/w、約60%w/w、約61%w/w、約62%w/w、約63%w/w、約64%w/w、約65%w/w、約67%w/w、約68%w/w、約69%w/w、約70%w/w、約71%w/w、約72%w/w、約73%w/w、約74%w/w、約75%w/w、約76%w/w、約77%w/w、約78%w/w、約79%w/w、または約80%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約40%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約50%w/wである。
【0209】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約20%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%w/wまたはそれ未満である。
【0210】
一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約200mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約500mg~約1000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約250mg~約1200mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約600mg~約800mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約1000mg~約3000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約3000mg~約6000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約5000mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約10mg~約400mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、または約400mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約2000mg、約3000mg、約4000mg、約5000mg、約6000mg、約7000mg、または約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約800mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約1000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。
【0211】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される。
【0212】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である。
【0213】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている。
【0214】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーと組成が同一ではない。
【0215】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、希釈剤をさらに含む。
【0216】
一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約30%w/w~約40%である。
【0217】
一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約200mg~約8000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約500mg~約1000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約250mg~約1200mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約600mg~約800mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約1000mg~約3000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約3000mg~約6000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約5000mg~約8000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約2000mg、約3000mg、約4000mg、約5000mg、約6000mg、約7000mg、または約8000mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約800mgである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約1000mgである。
【0218】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、実質的に無菌である。
【0219】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、冷蔵後、25℃において約14日間の保存可能期間を有する。
【0220】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、25℃において約24か月間の保存可能期間を有する。
【0221】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、インジェクターから投与される。
【0222】
一部の態様では、インジェクターは、ペン型インジェクターまたはオートインジェクターである。
【0223】
一部の態様では、インジェクターは、使い捨てである。
【0224】
一部の態様では、インジェクターは、使い捨てペン型インジェクターである。
【0225】
一部の態様では、インジェクターは、事前充填インジェクターである。
【0226】
一部の態様では、インジェクターは、安定な薬学的に許容される製剤を含むカートリッジを備える。
【0227】
一部の態様では、カートリッジは、デュアルチャンバーカートリッジである。
【0228】
一部の態様では、デュアルチャンバーカートリッジは、第1のチャンバーにおいて、マイクロスフィアを含む第1の容量を備え、マイクロスフィアは、活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、デュアルチャンバーカートリッジは、第2のチャンバーにおいて、希釈媒体を含む、第2の容量を備える。一部の態様では、第1の容量は、マイクロスフィア内に含まれないある量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩をさらに含む。一部の態様では、第2の容量は、ある量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩をさらに含む。
【0229】
一部の態様では、第1の容量および第2の容量を合わせて、本明細書に開示される薬学的に許容される製剤を生成することができる。
【0230】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、注射前に第1の容量および第2の容量を合わせるように構成可能である。一部の態様では、事前充填インジェクターは、注射中に第1の容量および第2の容量を合わせるように構成可能である。
【0231】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、第1の容量および第2の容量を、容量基準で約等量で分注するように構成可能である。一部の態様では、事前充填インジェクターは、第1の容量および第2の容量を、容量基準で等しくない量で分注するように構成可能である。
【0232】
一部の態様では、インジェクターは、18G~30Gのニードルを備える。一部の態様では、インジェクターは、21Gのニードルを備える。一部の態様では、インジェクターは、23Gのニードルを備える。一部の態様では、インジェクターは、25Gのニードルを備える。
【0233】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、非経口投与される。
【0234】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、筋肉内投与される。
【0235】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、皮下投与される。
【0236】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤の投与は、ブピバカインの血漿中の初期バースト後約3~約28日間にわたってブピバカインの治療有効濃度をもたらす。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤の投与は、ブピバカインの血漿中の初期バースト後約2~約14日間にわたってブピバカインの治療有効濃度をもたらす。一部の態様では、ブピバカインの治療有効濃度は、約10μg/L~約400μg/Lである。一部の態様では、ブピバカインの治療有効濃度は、約50μg/L~約100μg/L、約50μg/L~約150μg/L、約50μg/L~約200μg/L、約50μg/L~約250μg/L、約50μg/L~約300μg/L、約50μg/L~約350μg/L、約50μg/L~約400μg/L、約100μg/L~約150μg/L、約100μg/L~約200μg/L、約100μg/L~約250μg/L、約100μg/L~約300μg/L、約100μg/L~約350μg/L、約100μg/L~約400μg/L、約150μg/L~約200μg/L、約150μg/L~約250μg/L、約150μg/L~約300μg/L、約150μg/L~約350μg/L、約150μg/L~約400μg/L、約200μg/L~約250μg/L、約200μg/L~約300μg/L、約200μg/L~約350μg/L、約200μg/L~約400μg/L、約250μg/L~約300μg/L、約250μg/L~約350μg/L、約250μg/L~約400μg/L、約300μg/L~約350μg/L、約300μg/L~約400μg/L、または約350μg/L~約400μg/Lである。
【0237】
一部の態様では、治療有効濃度のブピバカインは、約10μg/L、約50μg/L、約100μg/L、約150μg/L、約200μg/L、約250μg/L、約300μg/L、約350μg/L、または約400μg/Lである。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%~約15%である。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、または約15%である。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%~約25%である。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約10%である。
【0238】
一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、約2~約28日間にわたるブピバカインの持続放出が存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、約7日間にわたるブピバカインの持続放出が存在する。一部の態様では、持続放出は、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約2%~約50%の放出量に相当する。一部の態様では、持続放出は、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約2%~約25%の放出量に相当する。一部の態様では、持続放出は、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約10%~約15%の放出量に相当する。一部の態様では、持続放出は、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約2%~約5%、約2%~約10%、約2%~約15%、約2%~約20%、約5%~約10%、約5%~約15%、約5%~約20%、約5%~約25%、約10%~約20%、約10%~約25%、約15%~約20%、約15%~約25%、または約20%~約25%の放出量に相当する。
【0239】
一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、ゼロ次または一次放出プロファイルがある。一部の態様では、ゼロ次放出プロファイルがある。一部の態様では、一次放出プロファイルがある。
【0240】
一部の態様では、ゼロ次または一次放出プロファイルは、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13または約14日間、持続する。
【0241】
一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約4~約10日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約5~約7日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間、約21日間、約22日間、約23日間、約24日間、約25日間、約26日間、約27日間、約28日間、約29日間または約30日間のゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約5日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約6日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約7日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約8日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約9日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約10日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約11日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約12日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約13日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約14日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。
【0242】
一部の態様では、ゼロ次放出プロファイルは、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約12%~約20%の放出量に相当する。
【0243】
一部の態様では、ゼロ次放出プロファイルは、1日あたり、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約5%~約14%放出の放出量に相当する。
【0244】
一部の態様では、ゼロ次または一次放出プロファイルは、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約1%~約5%の放出量に相当する。
【0245】
一部の態様では、ゼロ次放出プロファイルの後に一次放出プロファイルが続く。
【0246】
一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は約40分~約60分である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は、約1時間~約2時間、約1時間~約3時間、約1時間~約4時間、約2時間~約3時間、約2時間~約4時間、または約3時間~約4時間である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は約2.5時間である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は、約1時間、約2時間、約3時間、または約4時間である。
【0247】
一部の態様では、投与後1日目~7日目のブピバカインの定常状態血漿プロファイルは、ブピバカイン塩酸塩の即時放出型注射によって提供されるブピバカインの平均最大血漿レベルCmaxを下回るの平均濃度を示す。
【0248】
一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の生体利用率は、摂食状態および空腹状態で、実質的に同じである。
キット
【0249】
一部の態様では、本開示は、キットを提供する。さらなる態様では、キットは、本明細書に記載されている安定な薬学的に許容される製剤のうちの1つの濃縮形態または本明細書に記載されている長時間作用型剤形の1つを含む第1のバイアルを含む。さらなる態様では、キットは、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態を含む第1のバイアルを含む。さらなる態様では、キットは、薬学的に許容される希釈剤を含む第2のバイアルを含む。さらなる態様では、本キットは、第2のバイアルから薬学的に許容される希釈剤を抜き取るために好適な第1のシリンジを含む。さらなる態様では、本キットは、第1のシリンジに操作可能に取り付けることができ、第1のバイアルに薬学的に許容される希釈剤を分注するのに好適な、アダプターを含む。さらなる態様では、本キットは、第2のバイアルから液体を抜き取るため、および対象にこの液体を注射するために好適な第2のシリンジを含む。さらなる態様では、本キットは、濃縮形態を希釈するため、およびそれを必要とする患者に安定な薬学的に許容される製剤または長時間作用型剤形を投与するための指示書を含む。
【0250】
一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、5重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、4重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、3重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、2重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、1重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、0.5重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、0.4重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、0.3重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、0.2重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、0.1重量%未満の水を含む。
【0251】
発明の詳細な説明
定義
特に定義されない限り、本明細書において使用される技術的および科学的用語はすべて、本開示が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合、定義を含めた本出願が優先する。文脈により特に要求されない限り、単数用語は複数形を含むものとし、複数形の用語は単数形を含むものとする。本明細書において明記されているすべての刊行物、特許および他の参考文献は、個々の刊行物または特許出願のそれぞれが、参照により組み込まれるよう具体的かつ個々に示されているかのごとく、すべての目的のため、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0252】
本明細書に記載されているものと類似または等価な方法および物質を、本開示の実施または試験に使用することができるが、好適な方法および物質が以下に記載されている。物質、方法および例は、単なる例示であり、限定を意図するものではない。本開示の他の特徴および利点は、詳細説明および特許請求の範囲から明白になろう。
【0253】
本開示をさらに定義するため、以下の用語および定義が提示される。
【0254】
単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が特に明確に指示しない限り、複数の指示対象を含む。用語「a」(または「an」)、および用語「1または複数の」、および「少なくとも1つの」は、本明細書において互換的に使用することができる。ある特定の態様では、用語「a」または「an」は、「単一の」を意味する。他の態様では、用語「a」または「an」は、「2つまたはそれより多い」または「複数」を含む。
【0255】
用語「約」は、本明細書において、概数であること、おおまかであること、約(around)、またはその領域にあることを意味するために使用される。用語「約」が、数値範囲と関係付けて使用されている場合、それは、説明されている数値より上の境界および下の境界にまで拡張することによってその範囲を修飾する。一般に、用語「約」は、本明細書において、10パーセント大きいまたは小さい(より大きいまたはより小さい)ばらつきによって明記されている値よりも上および下の数値を修飾するために使用される。
【0256】
本開示を通して、本発明のさまざまな態様が範囲形式で提示される。範囲形式での説明は、単に便宜上および簡潔さのためのものであり、本発明の範囲を柔軟性を欠く限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の説明は、すべての可能な部分範囲ならびにその範囲内の個々の数値を具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1~6などの範囲の説明は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、ならびにその範囲内の個々の数値、例えば1、2、3、4、5および6を具体的に開示していると見なされるべきである。これは範囲の幅に関係なく適用される。記載された数値範囲は、その範囲を定義する数値を含み、定義された範囲内の各整数を含む。
【0257】
単位、接頭辞および記号は、国際単位系(SI)で認められている形式で表記されている。数値範囲は、その範囲を定義する数値を含む。値の範囲が記載されている場合、その範囲の記載された上限と下限との間の介在する各整数値およびその各分数もまた、そのような値の間の各部分範囲と共に具体的に開示されていることを理解されたい。任意の範囲の上限および下限は、その範囲に独立して含まれ得るか、またはその範囲から除外され得、いずれかの限界値が含まれるか、どちらの限界値も含まれないか、または両方の限界値が含まれる各範囲も本開示内に包含される。したがって、本明細書に記載された範囲は、記載された端点を含む範囲内のすべての値の省略表現であると理解される。例えば、1~10の範囲は、1、2、3、4、5、6、7、8、9および10からなる群からの任意の数値、数値の組み合わせ、または部分範囲を含むと理解される。
【0258】
値が明示的に記載されている場合、記載された値とほぼ同じ量または量の値も本開示の範囲内であることを理解されたい。組み合わせが開示されている場合、その組み合わせの要素の各部分組み合わせも具体的に開示されており、本開示の範囲内である。逆に、異なる要素または要素群が個別に開示されている場合、それらの組み合わせも開示されている。本開示の任意の要素が複数の選択肢を有するものとして開示されている場合、各選択肢が単独で、または他の代替形態と任意に組み合わせて除外されるその開示の例も本明細書によって開示されている。本開示の2つ以上の要素がそのような除外を有することができ、そのような除外を有する要素のすべての組み合わせが本明細書に開示される。
【0259】
本明細書で使用される場合、「実質的な」という用語は、最小量またはわずかな量よりも多いことを意味する。「実質的に」は、最小またはわずかなよりも多いことを意味する。したがって、例えば、本明細書で使用される「実質的に類似する」という語句は、当業者が2つの値または特徴によって測定される特性の文脈内で2つの値の間の差が統計的有意性または定性的有意性を持たないと見なすように、2つの数値または特徴の間の十分に高い類似度を示す。したがって、互いに実質的に同様である2つの値の差は、典型的には約10%未満であり、基準値または比較値の関数として約20%未満、約30%未満、約40%未満、または約50%未満であり得る。
【0260】
用語「および/または」は、本明細書において使用されている場合、他のものを含んでまたは含まないで、2つの指定した特徴または構成要素の各々を具体的に開示していると解釈すべきである。したがって、明細書において「Aおよび/またはB」などの言い回しにおいて使用される用語「および/または」は、「AおよびB」、「AまたはB」、「A」(単独)および「B」(単独)を含むことが意図されている。同様に、「A、Bおよび/またはC」などの言い回しで使用される用語「および/または」は、以下の態様:A、BおよびC;A、BまたはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;AおよびC;AおよびB;BおよびC;A(単独);B(単独);およびC(単独)の各々を包含することが意図されている。
【0261】
用語「薬学的に許容される」は、本明細書において使用する場合、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なしに、ヒトおよび動物の組織と接触して使用するのに好適な、妥当な医療的判断の範囲内で、妥当な利益/リスク比に見合う、そのような化合物、物質、組成物、製剤および/または剤形を指す。
【0262】
用語「賦形剤」とは、その取り扱いもしくは保管特性を改善するため、または本組成物の用量単位の形成(例えば、次に、必要に応じて、パッチ剤に組み込むことができるヒドロゲルの形成)を可能にするもしくは促進するため、活性治療剤を対象に送達するため組成物中で使用され得るか、または活性治療剤と組み合わせることができる(例えば、医薬組成物を生成するため)、治療剤自体ではない任意の物質を指す。賦形剤は、以下に限定されないが、溶媒、浸透促進剤、湿潤剤、抗酸化剤、滑沢剤、エモリエント剤、組成物の外観または感触を改善するために添加される物質およびヒドロゲルを形成するために使用される物質を含む。このようないずれの賦形剤も、本開示による任意の剤形に使用することができる。当業者は、賦形剤のさらなるタイプおよび組合せ物を使用して、薬物送達のための所望の目的を実現することができることを認識しているので、上述のクラスの賦形剤は、網羅的であることを意図するものではないが、単に、例示的なものに過ぎない。賦形剤は、不活性物質、活性のない物質、および/または医療的に活性ではない物質とすることができる。賦形剤は、様々な目的に役立つことができる。当業者は、型通りの実験によって、およびいかなる過度の負荷もなしに、特定の所望の特性に関して、1または複数の賦形剤を選択することができる。使用される個々の賦形剤の量は、当分野において慣用的な範囲内で様々となり得る。剤形を製剤化するために使用することができる技法および賦形剤は、Handbook of Pharmaceutical Excipients, 6th edition, Rowe et al., Eds., American Pharmaceuticals Association and the
Pharmaceutical Press, publications department of the Royal Pharmaceutical Society of Great Britain (2009);およびRemington:
the Science and Practice of Pharmacy, 21th edition, Gennaro, Ed., Lippincott Williams & Wilkins (2005)に記載されている。
【0263】
用語「有効量」または「薬学的有効量」または「治療有効量」は、本明細書において使用する場合、必要なまたは所望の治療的応答を発揮するのに十分な、薬物または薬学的活性物質の量(amount)または量(quantity)、あるいは言い換えると、患者に投与されると、認識可能な生物応答を発揮するのに十分な量を指す。
【0264】
「リポソーム」は、この用語が本明細書で使用される場合、内部の水性空間を取り囲む外側の脂質二重層または多層膜から構成される閉じた構造を指す。リポソームは、細胞への送達のための任意の生物学的に活性な薬剤を包み込むために使用することができる。
【0265】
本明細書で使用される「ブピバカインリポソーム」という用語は、ブピバカイン、ブピバカインの薬学的に許容される塩、またはブピバカインプロドラッグがリポソーム構造に取り囲まれている、ブピバカインのリポソーム製剤を指す。ブピバカインリポソーム製剤の1つのそのような例がExparel(登録商標)である。
【0266】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」および「複数のポリマー」という用語は、「コポリマー」および「複数のコポリマー」を含む。
【0267】
「生分解性ポリマー」という用語は、患者内で分解されるポリマーを指す。一般に、生体内で経時的に重量が減少するポリマーは、吸収性ポリマー、再吸収性ポリマー、生体吸収性ポリマー、または生分解性ポリマーと呼ばれることもある。この用語は、その分解様式にかかわらず、換言すれば、酵素加水分解および非酵素加水分解の両方に適用される。再吸収性ポリマーを含む生分解性ポリマーは、それらの起源に基づいて、天然に存在するかまたは合成のいずれかとして分類することができる。生分解性ポリマーマイクロスフェアの全部または一部を形成するためにそれぞれ個別にまたは組み合わせて使用され得るこれらの非限定的な例としては、ポリ(L-ラクチド)、ポリ(グリコリド)、ならびにL-ラクチド、L/DL-ラクチド、DL-ラクチド、グリコリド、炭酸トリメチル、ε-カプロラクトン、p-ジオキサノン、ならびにそれらの物理的および化学的な組み合わせに基づくポリマーまたはコポリマーが挙げられる。
【0268】
本明細書で使用される「マイクロスフェア」という用語は、生分解性ポリマーを含む皮下注射可能な粒子を指し、この粒子は、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。マイクロスフェアは、長期間にわたって比較的一定の様式で有効成分を持続的に送達するための望ましい溶解度および多孔度を含む、生分解性送達系に有用な特定の物理的特性を有する。本開示のマイクロスフェアは、約1μm~約500μm、約5μm~約200μm、約10μm~約100μm、約20μm~約70μm、約10nm~約10μm、約20nm~約10μm、約100nm~約1μm、または約250nm~約750nmの直径を有し得る。一部の態様では、本開示のマイクロスフェアは、約50μmの直径を有し得る。本開示のマイクロスフェアは、ポリマーマトリックス内にAPIを埋め込むのに適している。「マイクロスフェア」または「本マイクロスフェア」という用語は、文脈上他に明確に指示されない限り、多数のマイクロスフェア(例えば、複数のマイクロスフェア)を含む。例えば、「マイクロスフェア」を含む医薬組成物は、医薬組成物がマイクロスフェアまたは複数のマイクロスフェアを含む実施形態も包含すると解釈されるべきである。更なる例では、「本マイクロスフェアを乾燥させる」ステップを含む方法は、マイクロスフェア、または複数のマイクロスフェアが乾燥される実施形態も包含すると解釈されるべきである。
【0269】
本明細書で使用される「活性薬物搭載量」という用語は、本明細書に記載される薬学的に許容される製剤中のマイクロスフェア内に含まれるブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を指す。非限定的な例は、35%の活性薬物搭載量であり、これは35重量%のブピバカインを含む微粒子組成物を指す。
【0270】
本明細書で使用される場合、「Dv10」は、マイクロスフェアの10%が記載されたDv10値未満の直径を有するような、複数のマイクロスフェアの特徴付けである。本明細書で使用される場合、「Dv50」は、マイクロスフェアの50%が記載されたDv50値未満の直径を有するような、複数のマイクロスフェアの特徴付けである。本明細書で使用される場合、「Dv90」は、マイクロスフェアの90%が記載されたDv90値未満の直径を有するような、複数のマイクロスフェアの特徴付けである。
【0271】
文脈上別段の指示がない限り、本明細書で使用される「スパン値」という用語は、複数のマイクロスフェアの粒子サイズ分布の幅の特徴付けを指す。複数のマイクロスフェアのスパン値は、(Dv90-Dv10)/Dv50として算出される。
【0272】
本明細書で使用される場合、「持続性」という用語は、本明細書に開示および特許請求されるAPIの組成物の作用持続時間を指す。より具体的には、「持続性」という用語は、本明細書に開示される製剤の特定の用量が投与された後に所望の血漿ブピバカインレベルが維持される期間を指す。1つの非限定的な例では、本発明の製剤は、単回投与後約1日超~約10日間の期間にわたって、有効な血漿ブピバカインレベルを必要とする対象に有効な血漿ブピバカインレベルを提供する。代替的な非限定的な例では、本明細書に開示される製剤は、単回投与後、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、または約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間、約21日間、約22日間、約23日間、約24日間、約25日間、約26日間、約27日間、約28日間、約29日間、または約30日間にわたって、有効な血漿ブピバカインレベルを必要とする対象に有効な血漿ブピバカインレベルを提供することができる。一部の態様では、「持続性」という用語は、ブピバカイン塩酸塩注射と比較した生理学的活性の持続時間の延長を指す。
【0273】
用語「単位剤形」または「単位用量組成物」とは、本明細書において使用する場合、ある量の治療用化合物を含むデバイスを指し、前記量は、1または複数の所定の単位が単一の治療的投与として提供され得るような量である。
【0274】
本明細書で使用される場合、「用量」という用語は、対象に投与される本明細書に記載される組成物の量を指す。単回用量は、単回量として投与され得るか、または複数の投与量に分割され得る。例えば、「単回用量で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約200mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含有する」とは、約200mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を、単回注射または複数回注射に分割して投与することを指す。
【0275】
用語「Cmax」は、本明細書において使用する場合、薬物の投与後の薬物の最大血漿濃度を指す。
【0276】
用語「Tmax」は、本明細書において使用する場合、薬物の投与後の最大血漿濃度Cmaxに到達するために必要な時間を指す。
【0277】
用語「AUC」とは、本明細書において使用する場合、薬物の投与後の時間に対する血漿濃度のプロットの曲線下面積を指す。
【0278】
用語「AUC0-t」とは、本明細書において使用する場合、時間0から最後に測定可能な濃度(Ct)の時間までの薬物濃度-時間曲線下面積を指す。
【0279】
用語「AUC0-∞」とは、本明細書において使用する場合、時間0から無限までの薬物濃度-時間曲線下面積を指す。
【0280】
用語「定常状態」とは、本明細書において使用する場合、系に到達する薬物の量が、系を出る薬物の量とほぼ同じであることを意味する。したがって、「定常状態」では、患者の身体は、薬物が血流への吸収により患者の系に利用可能となる速度とほぼ同じ速度で薬物を排出する。
【0281】
本明細書で使用される「ゼロ次放出プロファイル」という用語は、比較的一定の放出速度(すなわち、ある期間にわたって、好ましくは少なくとも数時間にわたって実質的に直線的な放出プロファイルを示す)を指す。放出プロファイルのごく一部がゼロ次ではない場合もあるが、放出プロファイルのかなりの部分(例えば、数時間)、好ましくは大部分は、ゼロ次放出動態を表す。
【0282】
本明細書で使用される「一次放出プロファイル」という用語は、経時的に減少する放出速度を特徴とする放出プロファイルを指す。累積放出を時間の平方根に対してプロットすることによって、線形曲線が得られる。放出プロファイルのごく一部が一次ではない場合もあるが、放出プロファイルのかなりの部分(例えば、数時間)、好ましくは大部分、例えば最大60%の累積放出は、一次放出動態を表す。
【0283】
「平均」という用語は、患者集団における平均値を指す。例えば、「平均最大血漿レベルCmax」は、患者集団における薬物の最大血漿濃度の平均を指す。
【0284】
用語「処置すること」または「処置」とは、本明細書において使用する場合、治療的目的のための、対象への組成物の投与を指す。
【0285】
用語「血清中濃度」とは、一般に、血液循環中の、タンパク質に結合しているものと結合していないものの両方の薬物または他の化合物の量を指し、それらの後者の結合していないものが、一般に、治療的に活性な画分に相当する。
【0286】
用語「生体利用率」とは、一般に、活性成分が薬物製品から吸収されて、作用部位において利用可能となる、割合および程度を指す。
【0287】
「生物学的同等性」とは、2種の独占的所有権のある薬物調製物が予期されるin vivoで生物学的等価であることを評価するために一般に使用される、薬物動態における用語である。2種の薬物製品が薬学的に等価であり、同じモル用量で投与した後のそれらの生物学的利用率(利用可能性の割合および程度)が、効力と安全性の両方に関して、それらの効果が実質的に同じであると予期され得る程度に類似している場合に、生物学的等価である。
【0288】
用語「インジェクター」とは、本明細書において使用する場合、個体が、自分自身に、医薬製剤などの製剤を投与することができる装置を指す。一部の態様では、インジェクターは、単回用量を送達する。一部の態様では、インジェクターは、ブピバカイン製剤の様々な容量を送達するよう調節可能である。一部の態様では、複数の注射剤を、同じインジェクターから分注することができる。他の態様では、インジェクターの一部または全部が使い捨てである、および/または再使用可能である。一部の態様では、インジェクターの一部または全部が、不透明であり、さらに特定の実施形態では、不透明なインジェクターの少なくとも一部は、医薬製剤を収容する部分である。インジェクターは、代替的な態様では、医薬製剤から個別に提供され得る。インジェクターは、インサート、カートリッジ、バイアルなどの、医薬製剤を交換するための交換可能な容器を備えてもよい。そのような交換可能な容器は、例えば、ガラスまたはプラスチックであり得る。インジェクターは、オートインジェクター、ペン型インジェクター、ニードルのないインジェクター、または医薬製剤の送達に好適な他の注射型デバイスとすることができることが、当業者によって理解されよう。
【0289】
さらなる態様では、ブピバカイン製剤は、非経口経路によって投与することができる。本明細書において使用する場合、用語「非経口」は、消化管を迂回する経路を含む。具体的には、本明細書に開示されている医薬組成物は、例えば、以下に限定されないが、静脈内、皮内、筋肉内、動脈内、鞘内、皮下または腹腔内に投与され得る。
【0290】
「ブピバカイン」という用語は、1-ブチル-N-(2,6-ジメチルフェニル)-2-ピペリジンカルボキサミドを指す。ブピバカインは、以下の化学構造を有する:
【化1】
【0291】
用語「注射用水」(「WFI」)とは、「注射用水」に関して、米国薬局方(または、外国の等価なもの)の要件を満たす水を指す。これらの要件は、1mLあたり、0.25U.S.P.EU以下の細菌エンドトキシン、<500十億分率(ppb)の全有機炭素(TOC)含有率、および1.3μS/cmの導電率を含む。注射用水はまた、U.S.P.注射用水の要件を満たす、公定および非公定の水分類を含む。例には、「低エンドトキシンU.S.P.精製水」および「WFI品質水」とラベルが付けられた水、またはこれらとして市販されている水が含まれる。
【0292】
「q.s.」という用語は、本明細書で使用される場合、「適量(quantum satis)」を指し、当業者によって、結果を達成するために添加しなければならない量を指すと理解されよう。1つの非限定的な例では、「HCl/NaOHを適量でpH5~7にする」とは、端点を含めて5~7の溶液中の最終pHを達成するために溶液に添加される塩酸または水酸化ナトリウムの量を指すと理解されよう。別の非限定的な例では、「WFIを適量で20mLにする」とは、試料の最終体積20mLを達成するために試料に添加される注射用水の量を指すと理解されよう。
【0293】
用語「マルチブロック」は、本明細書において使用する場合、ポリマー鎖中に、少なくとも2つの異なるプレポリマーセグメントが存在することが意図される。
【0294】
ポリマー化学、ポリマー組成物、およびポリマーマイクロ粒子またはマイクロスフィア形成に関するある特定の用語は、本明細書において使用する場合、WO2013/015685A1、WO2005/068533A1およびWO2021/066650A1に定義されている。
【0295】
態様が、表現「含む」と共に本明細書に記載されている場合は必ず、「からなる(consisting of)」および/または「から実質的になる(consisting
essentially of)」に関して記載されている他の類似の態様も提示されていると理解される。
【0296】
見出し(例えば、「ブピバカインの安定なマイクロスフィア製剤を生成する方法」)は、一読を単に容易にするために本明細書において提示されているに過ぎないこと、および見出しの下に態様が記載されている場合は常に、この見出しは、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことがさらに理解される。非限定例として、事前充填インジェクターを案内する見出しの下に好適なポリマーについて記載する態様は、事前充填インジェクターにおける好適なポリマーの使用をその態様自体が指定しない限り(例えば、「一部の態様では、事前充填インジェクターが、好適なポリマーを含む」)、その好適なポリマーの使用は、事前充填インジェクターのみに限定されると解釈されるべきではない。別の非限定例として、事前充填インジェクターに関する見出しの下に、「一部の態様では、抗酸化剤は、メタ重亜硫酸ナトリウムである」とは、やはり、1または複数の抗酸化剤の使用に関して記載する事前充填インジェクターに無関係の方法または組成物に適用可能であることが意図されている。
ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含むマイクロスフェア
【0297】
一部の態様では、本開示は、第1の生分解性ポリマー、および活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含むマイクロスフィアを提供する。
【0298】
一部の態様では、マイクロスフィアは、本明細書に記載されている方法によって調製される。一部の態様では、マイクロスフィアは、本発明に記載されている1または複数のポリマーを含む。
【0299】
ブピバカインの安定なマイクロスフェア製剤
一部の態様では、本開示は、マイクロスフィアを含む安定な薬学的に許容される製剤を提供し、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマー、および活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0300】
一部の態様では、マイクロスフェアは、活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基を含む。
【0301】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカインの酸付加塩である。
【0302】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカイン塩酸塩である。
【0303】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、1または複数の抗酸化剤をさらに含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、メタ重亜硫酸ナトリウムを含む。一部の態様では、抗酸化剤は、メタ重亜硫酸ナトリウムである。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、アスコルビン酸ナトリウムを含む。一部の態様では、抗酸化剤は、アスコルビン酸ナトリウムである。
【0304】
一部の態様では、マイクロスフィアは、1または複数の追加の生分解性ポリマーをさらに含む。
【0305】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、コポリマーである。一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、マルチブロックコポリマーである。一部の態様では、マルチブロックコポリマーは、少なくとも1つの加水分解性プレポリマー(A)セグメントおよび少なくとも1つの加水分解性プレポリマー(B)セグメントを含み、セグメントは、多官能性鎖延長剤によって連結されており、セグメントは、ポリマー鎖にわたってランダムにかつ非交互に分布している。
【0306】
一部の態様では、マルチブロックコポリマーは、生理的条件下で、約37℃またはそれ未満のTg、および約50℃~約250℃のTmを有し、プレポリマー(A)セグメントは、ポリエチレングリコールを含む。
【0307】
一部の態様では、ポリエチレングリコールは、約150~約5000g/molのMnを有する。
【0308】
一部の態様では、ポリエチレングリコールは、約150~約5000g/molのMnを有する。一部の態様では、ポリエチレングリコールは、約200g/mol~約1500g/molのMnを有する。一部の態様では、ポリエチレングリコールは、約600~約1000g/molのMnを有する。一部の態様では、ポリエチレングリコールは、約400~約3000g/molのMnを有する。一部の態様では、ポリエチレングリコールは、約600~約1500g/molのMnを有する。一部の態様では、ポリエチレングリコールは、約600~約5000g/molのMnを有する。一部の態様では、ポリエチレングリコールは、約1000~約3000g/molのMnを有する。
【0309】
一部の態様では、マルチブロックコポリマーは、非晶質であり、生理的条件において、37℃またはそれ未満のガラス転移温度を有する。
【0310】
一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントおよび/またはプレポリマー(B)セグメントは、エステル結合、カーボネート結合、無水物結合、エーテル結合およびそれらの組合せからなる群から選択される1または複数の結合を含む。一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントは、1または複数のポリエーテル基を含む。一部の態様では、1または複数のポリエーテル基は、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール-ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールおよびそれらの組合せからなる群から選択される。一部の態様では、前記ポリエーテル基は、ポリエチレングリコールである。一部の態様では、ポリエーテルは、追加のプレポリマーとして、マルチブロックコポリマー中に存在する。
【0311】
一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントは、少なくとも1つの環状モノマーと、ジオール、ジカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸からなる群から選択される少なくとも1つの非環状開始剤との反応生成物を含む。一部の態様では、少なくとも1種の環状モノマーは、グリコリド、ラクチド(Dおよび/またはL)、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、トリメチレンカーボネート、1,4-ジオキサン-2-オン(パラ-ジオキサノン)、1,5-ジオキサノン-2-オンおよび環状無水物からなる群から選択される。一部の態様では、少なくとも1種の非環状開始剤は、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、乳酸、グリコール酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオールおよび1,6-ヘキサンジオールからなる群から選択される。
【0312】
一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントは、ジオール、ジカルボン酸およびヒドロキシカルボン酸から選択されるエステル形成性モノマーの反応生成物を含み、好ましくは、プレポリマー(A)セグメントは、グリコリド、ラクチド(Dおよび/またはL)、ε-カプロラクトンおよび/またはδ-バレロラクトンの反応生成物を含む。
【0313】
一部の態様では、マルチブロックコポリマー中のプレポリマー(A)の含有量は、マルチブロックコポリマーの総重量に対して、約1%~約90%である。一部の態様では、マルチブロックコポリマー中のプレポリマー(A)の含有量は、マルチブロックコポリマーの総重量に対して、約2%~約80%である。一部の態様では、マルチブロックコポリマー中のプレポリマー(A)の含有率は、約3%~約70%である。一部の態様では、マルチブロックコポリマー中のプレポリマー(A)の含有率は、約4%~約60%である。一部の態様では、マルチブロックコポリマー中のプレポリマー(A)の含有率は、約5%~約50%である。一部の態様では、マルチブロックコポリマー中のプレポリマー(A)の含有率は、約6%~約40%である。一部の態様では、マルチブロックコポリマー中のプレポリマー(A)の含有率は、約8%~約30%である。一部の態様では、マルチブロックコポリマー中のプレポリマー(A)の含有率は、約10%~約20%である。
【0314】
一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントは、約500g/molまたはそれを超えるMnを有する。一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントは、約700g/molまたはそれを超えるMnを有する。一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントは、約1000g/molまたはそれを超えるMnを有する。一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントは、約2000g/molまたはそれを超えるMnを有する。一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントは、約3000g/molまたはそれを超えるMnを有する。一部の態様では、プレポリマー(A)セグメントは、約4000g/molまたはそれを超えるMnを有する。
【0315】
一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、ヒドロキシアルカノエート、グリコリドラクチド(Dおよび/またはL)、ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、トリメチレンカーボネート、1,4-ジオキサン-2-オン(p-ジオキサン)またはそれらの組合せから誘導されるポリマーを含む。
【0316】
一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、ポリ(グリコリド-co-Lラクチド)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約1000g/molまたはそれを超えるMnを有する、ポリ(グリコリド-co-Lラクチド)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約2000g/molまたはそれを超えるMnを有する、ポリ(グリコリド-co-Lラクチド)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約3000g/molまたはそれを超えるMnを有する、ポリ(グリコリド-co-Lラクチド)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約4000g/molのMnを有する、ポリ(グリコリド-co-Lラクチド)を含む。
【0317】
一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、グリコリドとL-ラクチドとの合わせたモル量に対して、約1%~約90%のモル量のグリコリドを含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約2%~約50%のモル量を占める。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約5%~約30%のモル量を占める。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約10%~約20%のモル量を占める。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、グリコリドとL-ラクチドとの合わせたモル量に対して、約5%~約25%のモル量のグリコリドを含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、グリコリドとL-ラクチドとの合わせたモル量に対して、約15%のモル量のグリコリドを含む。
【0318】
一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、ポリ(p-ジオキサノン)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約1000g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約1500g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約2000g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約2500g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約3000g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約3500g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む。一部の態様では、プレポリマー(B)セグメントは、約4000g/molまたはそれを超えるMnを有するポリ(p-ジオキサノン)を含む。
【0319】
一部の態様では、マルチブロックコポリマーは、マルチブロックコポリマーの総重量に対して、約10%~約99%のプレポリマー(B)セグメントを含む。
【0320】
一部の態様では、多官能性鎖延長剤は、二官能性脂肪族鎖延長剤である。一部の態様では、二官能性脂肪族鎖延長剤は、ジイソシアネートである。一部の態様では、ジイソシアネートは、1,4-ブタンジイソシアネートである。
【0321】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される。
【0322】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である。
【0323】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている。
【0324】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーと組成が実質的に同一ではない。
【0325】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は希釈剤をさらに含む。
【0326】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%~約80%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%~約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%~約60%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%~約50%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%w/w~約40%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約20%w/w~約50%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%w/w、約31%w/w、約32%w/w、約33%w/w、約34%w/w、約35%w/w、約36%w/w、約37%w/w、約38%w/w、約39%w/w、約40%w/w、約41%w/w、約42%w/w、約43%w/w、約44%w/w、約45%w/w、約46%w/w、約47%w/w、約48%w/w、約49%w/w、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、約54%w/w、約55%w/w、約56%w/w、約57%w/w、約58%w/w、約59%w/w、約60%w/w、約61%w/w、約62%w/w、約63%w/w、約64%w/w、約65%w/w、約67%w/w、約68%w/w、約69%w/w、または約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%w/w、約11%w/w、約12%w/w、約13%w/w、約14%w/w、約15%w/w、約16%w/w、約17%w/w、約18%w/w、約19%w/w、約20%w/w、約21%w/w、約22%w/w、約23%w/w、約24%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約27%w/w、約28%w/w、約29%w/w、約71%w/w、約72%w/w、約73%w/w、約74%w/w、約75%w/w、約76%w/w、約77%w/w、約78%w/w、約79%w/w、または約80%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%w/wである。
【0327】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約200mg~約8000mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約500mg~約1000mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約250mg~約1200mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約600mg~約800mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約1000mg~約3000mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約3000mg~約6000mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約5000mg~約8000mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、または約1200mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約200mg、約2000mg、約3000mg、約4000mg、約5000mg、約6000mg、約7000mg、または約8000mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約800mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約1000mgである。
【0328】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、実質的に無菌である。
【0329】
一部の態様では、25℃の温度において24か月間の密封保管後、ブピバカイン由来不純物を5重量%未満しか含まない。一部の態様では、25℃の温度において24か月間の密封保管後、ブピバカイン由来不純物を2%重量/重量未満しか含まない。一部の態様では、25℃の温度において24か月間の密封保管後、ブピバカイン由来不純物を1%重量/重量未満しか含まない。
【0330】
一部の態様では、25℃の温度において24か月間の密封保管後、ブピバカイン由来不純物を実質的に含まない。
【0331】
一部の態様では、ブピバカイン由来不純物はブピバカイン酸化生成物である。
【0332】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、冷蔵後に25℃で約14日間の貯蔵寿命を有する。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、冷蔵後に25℃で約7~21日間の貯蔵寿命を有する。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、冷蔵後に25℃で約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間または約21日間の貯蔵寿命を有する。
【0333】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、25℃で約24ヶ月の貯蔵寿命を有する。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、25℃で約12ヶ月~約36ヶ月の貯蔵寿命を有する。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、25℃で約12ヶ月、約13ヶ月、約14ヶ月、約15ヶ月、約16ヶ月、約17ヶ月、約18ヶ月、約19ヶ月、約20ヶ月、約21ヶ月、約22ヶ月、約23ヶ月、約24ヶ月、約25ヶ月、約26ヶ月、約27ヶ月、約28ヶ月、約29ヶ月、約30ヶ月、約31ヶ月、約32ヶ月、約33ヶ月、約34ヶ月、約35ヶ月または約36ヶ月の貯蔵寿命を有する。
【0334】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、約3mL~約20mL容量の滅菌容器に保存される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、約3mL、約4mL、約5mL、約6mL、約7mL、約8mL、約9mL、約10mL、約11mL、約12mL、約13mL、約14mL、約15mL、約16mL、約17mL、約18mL、約19mLまたは約20mL容量の滅菌容器に保存される。
【0335】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、インジェクターにおいて提供される。
【0336】
一部の態様では、インジェクターは、使い捨てのペン型インジェクターである。
【0337】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、非経口投与に好適である。
【0338】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、皮下投与に適している。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、皮内投与に適している。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、腹腔内投与に適している。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、局所点滴注入による投与に適している。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は局所投与に適している。
【0339】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、筋肉内投与に適している。
【0340】
一部の態様では、単回用量は複数の投与可能な容量に分割される。
【0341】
一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約200mg~約8000mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約500mg~約1000mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約250mg~約1200mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約600mg~約800mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約1000mg~約3000mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約3000mg~約6000mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約5000mg~約8000mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、または約1200mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約200mg、約2000mg、約3000mg、約4000mg、約5000mg、約6000mg、約7000mg、または約8000mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約800mgである。一部の態様では、用量あたりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量は、約1000mgである。
【0342】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、安定な薬学的に許容される製剤の個々の用量を取り出すことができるストックとして提供される。一部の態様では、ストックは、約5mL~約2Lの容量で提供される。一部の態様では、ストックは、約5mL~約100mLの容量で提供される。一部の態様では、ストックは、約5mL~約50mLの容量で提供される。一部の態様では、ストックは、約5mL~約10mLの容量で提供される。一部の態様では、ストックは、約500mL~約1.5Lの容量で提供される。一部の態様では、ストックは、約5mL、約6mL、約7mL、約8mL、約9mL、約10mL、約15mL、約20mL、約25mL、約30mL、約35mL、約40mL、約45mL、約50mL、約100mL、約150mL、約200mL、約250mL、約300mL、約350mL、約400mL、約450mL、約500mL、約550mL、約600mL、約700mL、約750mL、約800mL、約900mL、約1L、約1.1L、約1.2L、約1.3L、約1.4L、約1.5L、約1.6L、約1.7L、約1.8L、約1.9L、または約2Lの容量で提供される。
ブピバカインのマイクロスフィア製剤を生成する方法
【0343】
一部の態様では、本開示は、マイクロスフィアを含む、安定な薬学的に許容される製剤を生成する方法を提供する。さらなる態様では、方法は、第1の生分解性ポリマー、および活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む、第1の相を用意するステップを含む。さらなる態様では、方法は、水性界面活性剤を含む第2の相を第1の相に連続的に添加して、エマルションを形成するステップ。さらなる態様では、方法は、エマルションにクエンチ溶液を添加して、マイクロスフィアを含む容量を生成するステップ。さらなる態様では、方法は、マイクロスフィアを洗浄、ろ過および乾燥して、溶媒含有量を低下させるステップを含む。
【0344】
一部の態様では、本開示は、マイクロスフィアを含む、安定な薬学的に許容される製剤を生成する方法を提供する。さらなる態様では、本方法は、第1の生分解性ポリマー、および該ポリマーを溶解するのに好適な溶媒系を含む、第1の相であって、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が、この溶媒系に分散されているが、溶媒系に実質的に溶解していない、第1の相を用意するステップを含む。さらなる態様では、本方法は、第1の相を、界面活性剤を含む水溶液を含む第2の相と合わせ、これによって、エマルションを形成するステップを含む。
【0345】
一部の態様では、本開示は、マイクロスフィアを含む、安定な薬学的に許容される製剤を生成する方法を提供する。さらなる態様では、方法は、第1の生分解性ポリマー、活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩、およびポリマーおよびブピバカインを溶解するのに好適な溶媒系を含む、第1の相を用意するステップを含む。さらなる態様では、方法は、第1の相を第2の相と共に乳化して、これにより、エマルションを形成させるステップを含む。さらなる態様では、第2の相は、界面活性剤を含む水溶液を含む。さらなる態様では、方法は、エマルションから溶媒系の実質的な部分を除去して、これによって、マイクロスフィアを得るステップを含む。
【0346】
一部の態様では、方法は、マイクロスフィアを収集および乾燥するステップをさらに含む。
【0347】
一部の態様では、乳化は膜乳化を含む。一部の態様では、第1の相を第2の相と共に乳化するステップは、第1の相を第2の相に膜乳化することを含む。一部の態様では、第1の相を第2の相と共に乳化するステップは、膜を使用する膜乳化であって、第1の相を膜に通して第2の相に導入する膜乳化を含む。
【0348】
一部の態様では、エマルションからの溶媒系の実質的な部分を除去するステップは、界面活性剤を含む水溶液による溶媒系の抽出を含む。一部の態様では、エマルションからの溶媒系の実質的な部分を除去するステップは、界面活性剤を含む水溶液による溶媒系の第1の部分の抽出と、その後の溶媒系の第2の部分の溶媒蒸発を含む。
【0349】
一部の態様では、溶媒系の実質的な部分は、エマルション中の溶媒系の約80%、約81%、約82%、約83%、約84%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%、約92%、約93%、約95%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約100%である。
【0350】
一部の態様では、本方法は、マイクロスフィアを洗浄および/またはろ過するステップをさらに含む。
【0351】
一部の態様では、本方法は、マイクロスフィアを乾燥するステップをさらに含む。一部の態様では、マイクロスフィアを乾燥するステップは、凍結乾燥、真空-乾燥、および凍結-真空乾燥のうちの1または複数を含む。
【0352】
一部の態様では、方法は、マイクロスフェアを硬化するステップをさらに含む。
【0353】
一部の態様では、第1の相は、ブピバカイン遊離塩基を含む。
【0354】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカインの酸付加塩である。
【0355】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカイン塩酸塩である。
【0356】
一部の態様では、第1の相は、そこにおいてブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が約25mg/mLまたはそれより高い溶解度を有する溶媒系を含む。一部の態様では、第1の相は、そこにおいてブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が約50mg/mLまたはそれより高い溶解度を有する溶媒系を含む。一部の態様では、第1の相は、そこにおいてブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が約100mg/mLまたはそれより高い溶解度を有する溶媒系を含む。一部の態様では、第1の相は、そこにおいてブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩が約200mg/mLまたはそれより高い溶解度を有する溶媒系を含む。
【0357】
一部の態様では、第1の相は、ジクロロメタン、酢酸エチル、クロロホルム、メタノール、ベンジルアルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンおよびジメチルアセトアミドからなる群から選択される、1または複数の溶媒を含む。一部の態様では、第1の相は、ジクロロメタンを含む。一部の態様では、第1の相は、酢酸エチルを含む。一部の態様では、第1の相は、クロロホルムを含む。一部の態様では、第1の相は、メタノールを含む。一部の態様では、第1の相は、ベンジルアルコールを含む。一部の態様では、第1の相は、ジメチルホルムアミドを含む。一部の態様では、第1の相は、ジメチルスルホキシドを含む。一部の態様では、第1の相は、N-メチルピロリドンを含む。一部の態様では、第1の相は、ジメチルアセトアミドを含む。
【0358】
一部の態様では、第1の相は、第1の溶媒および第2の溶媒を含む。一部の態様では、第1の溶媒は、第1の溶媒と第2の溶媒を合わせた容量に対して、約1%~約99%の量で存在する。一部の態様では、第1の溶媒は、第1の溶媒と第2の溶媒を合わせた容量に対して、約5%~約50%の量で存在する。一部の態様では、第1の溶媒は、第1の溶媒と第2の溶媒を合わせた容量に対して、約10%~約40%の量で存在する。一部の態様では、第1の溶媒は、第1の溶媒と第2の溶媒を合わせた容量に対して、約15%~約30%の量で存在する。一部の態様では、第1の溶媒は、第1の溶媒と第2の溶媒を合わせた容量に対して、約20%~約25%の量で存在する。一部の態様では、第1の溶媒は、第1の溶媒と第2の溶媒を合わせた容量に対して、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%または約95%の量で存在する。
【0359】
一部の態様では、第1の相は、1または複数のさらなる溶媒と組み合わされたジクロロメタンを含む。一部の態様では、1または複数のさらなる溶媒は、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドおよびN-メチルピロリドンからなる群から選択される。一部の態様では、第1の相は、ジクロロメタンおよびジメチルスルホキシドを含む。一部の態様では、ジメチルスルホキシドは、第1の相中のジメチルスルホキシドとジクロロメタンとの合わせた容量に対して約5%~約50%の量で存在する。一部の態様では、ジメチルスルホキシドは、第1の相中のジメチルスルホキシドとジクロロメタンを合わせた容量に対して、約10%~約40%の量で存在する。一部の態様では、ジメチルスルホキシドは、第1の相中のジメチルスルホキシドとジクロロメタンを合わせた容量に対して、約15%~約30%の量で存在する。一部の態様では、ジメチルスルホキシドは、第1の相中のジメチルスルホキシドとジクロロメタンを合わせた容量に対して、約20%~約25%の量で存在する。
【0360】
一部の態様では、第1の相は、約2%~約25重量%の第1の生分解性ポリマーと1または複数の追加の生分解性ポリマーとの合わせた質量を含む。
【0361】
一部の態様では、第1の相は、約2%~約25重量%のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0362】
一部の態様では、第1の相および/または第2の相は、1または複数の安定剤を含む。一部の態様では、第1の相および/または第2の相は、1または複数の緩衝剤を含む。一部の態様では、第1の相および/または第2の相は、1または複数の防腐剤を含む。
【0363】
一部の態様では、第1の相は、1または複数の抗酸化剤を含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、メタ重亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸ナトリウムを含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、第1の相に対して、約0.01%~約5%w/vの量でメタ重亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸ナトリウムを含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、第1の相に対して、約0.05%~約2%w/vの量でメタ重亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸ナトリウムを含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、第1の相に対して、約0.1%~約1%w/vの量でメタ重亜硫酸ナトリウムまたはアスコルビン酸ナトリウムを含む。
【0364】
一部の態様では、第2の相は、ポリビニルアルコールを含む。
【0365】
一部の態様では、第2の相は、塩化ナトリウムを含む。
【0366】
一部の態様では、第2の相は、水性緩衝液を含む。
【0367】
一部の態様では、第2の相は、約4~約10のpHに緩衝される。一部の態様では、第2の相は、約7~約10のpHに緩衝される。一部の態様では、第2の相は、約8.5のpHに緩衝される。
【0368】
一部の態様では、第2の相は、TRIS緩衝液を含む。一部の態様では、第2の相は、TRIZMAペレットを含む。
【0369】
一部の態様では、第2の相は、1または複数の抗酸化剤を含む。
【0370】
一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、メタ重亜硫酸ナトリウムを含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、第2の相中に、約0.1%~約1%w/vの量でメタ重亜硫酸ナトリウムを含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、第2の相中に、約0.15%w/vの量でメタ重亜硫酸ナトリウムを含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、第2の相中に、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%または約1.0%w/vの量でメタ重亜硫酸ナトリウムを含む。
【0371】
一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、アスコルビン酸ナトリウムを含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、第2の相中に、約0.1%~約1%w/vの量でアスコルビン酸ナトリウムを含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、第2の相中に、約0.15%w/vの量でアスコルビン酸ナトリウムを含む。一部の態様では、1または複数の抗酸化剤は、第2の相中に、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%または約1.0%w/vの量でアスコルビン酸ナトリウムを含む。
【0372】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される。
【0373】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、ここで、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である。
【0374】
一部の態様では、水性界面活性剤は、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤のうちの1または複数を含む。
【0375】
一部の態様では、第2の相は、緩衝溶液、水性界面活性剤の粘度を調節するための1または複数の作用剤、および溶液のイオン強度を調節するための作用剤のうちの1または複数をさらに含む。
【0376】
一部の態様では、第1の相は、第2の相の添加前および/または添加中に撹拌される。
【0377】
一部の態様では、エマルションは、クエンチ溶液の添加前および/または添加中に撹拌される。
【0378】
一部の態様では、マイクロスフィアを含む容量は、マイクロスフィアを洗浄、ろ過および乾燥するステップのいずれかの前および/またはその間に撹拌される。
【0379】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている。
【0380】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーと組成が同一ではない。
【0381】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、希釈剤をさらに含む。
【0382】
一部の態様では、第1の相は、第1の生分解性ポリマーを含む溶液とブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む溶液との混合により調製される。
【0383】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーおよび/または第2の生分解性ポリマーは、ジメチルスルホキシド、N-メチル-2-ピロリドン、テトラヒドロフラン、テトラグリコール、アセトン、アセトン/メチルエチルケトン混合物、アセトン/酢酸メチル混合物、テトラヒドロフラン/酢酸エチル混合物およびテトラヒドロフラン/ギ酸エチル混合物からなる群から選択される、水と高度にまたは完全に混和性である溶媒に溶解されている。
【0384】
一部の態様では、水と高度にまたは完全に混和性である溶媒は、アセトン/メチルエチルケトン混合物である。
【0385】
一部の態様では、アセトン/メチルエチルケトン混合物は、容量基準で約70%のアセトンおよび約30%のメチルエチルケトンを含む。一部の態様では、アセトン/メチルエチルケトン混合物は、容量基準で約60%~約80%のアセトンおよび約20%~約40%のメチルエチルケトンを含む。
【0386】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーおよび/または第2の生分解性ポリマーは、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、メチルエチルケトンおよびそれらの2種またはそれより多くの混合物からなる群から選択される、限定された水溶性を有する溶媒に溶解される。
【0387】
事前充填インジェクター
一部の態様では、本開示は、安定な薬学的に許容される製剤を含む、事前充填インジェクターを提供する。さらなる態様では、製剤は、マイクロスフィアを含む。さらなる態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマー、および活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0388】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、1回より多く上の注射を投与するように構成可能である。
【0389】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカインの酸付加塩である。
【0390】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカイン塩酸塩である。
【0391】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される。
【0392】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である。
【0393】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている。
【0394】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーと組成が同一ではない。
【0395】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%~約80%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%~約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%~約60%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%~約50%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%~約40%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、または約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%、約15%、約20%、約25%、約75%、または約80%w/wである。
【0396】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約20%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約20%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約1%w/w、約2%w/w、約3%w/w、約4%w/w、約5%w/w、約6%w/w、約7%w/w、約8%w/w、約9%w/w、約10%w/w、約11%w/w、約12%w/w、約13%w/w、約14%w/w、約15%w/w、約16%w/w、約17%w/w、約18%w/w、約19%w/w、約20%w/w、約21%w/w、約22%w/w、約23%w/w、約24%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約27%w/w、約28%w/w、約29%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、約50%w/w、または約55%w/wである。
【0397】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、実質的に無菌である。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、無菌である。
【0398】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、冷蔵後、25℃において約14日間の保存可能期間を有する。一部の態様では、安定な医薬製剤は、冷蔵後、25℃において、約7~21日間の保存可能期間を有する。一部の態様では、安定な医薬製剤は、冷蔵後、25℃において、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間または約21日間の保存可能期間を有する。
【0399】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、25℃において、約24か月間の保存可能期間を有する。一部の態様では、安定な医薬製剤は、25℃において、約12~36か月間の保存可能期間を有する。一部の態様では、安定な医薬製剤は、25℃において、約12か月、約13か月、約14か月、約15か月、約16か月、約17か月、約18か月、約19か月、約20か月、約21か月、約22か月、約23か月または約24か月間の保存可能期間を有する。
【0400】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、ペン型インジェクターまたはオートインジェクターである。
【0401】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、使い捨てである。
【0402】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、使い捨てペン型インジェクターである。
【0403】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、安定な薬学的に許容される製剤を含むカートリッジを備える。
【0404】
一部の態様では、カートリッジは、デュアルチャンバーカートリッジである。
【0405】
一部の態様では、デュアルチャンバーカートリッジは、第1のチャンバーにおいて、マイクロスフィアを含む第1の容量を備え、マイクロスフィアは、活性薬物搭載量のを含む。一部の態様では、デュアルチャンバーカートリッジは、第2のチャンバーにおいて、希釈媒体を含む、第2の容量を備える。一部の態様では、第1の容量は、マイクロスフィア内に含まれないある量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩をさらに含む。一部の態様では、第2の容量は、ある量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩をさらに含む。
【0406】
一部の態様では、第1の容量および第2の容量を合わせて、本明細書に開示される薬学的に許容される製剤を生成することができる。
【0407】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、注射前に第1の容量および第2の容量を合わせるように構成可能である。一部の態様では、事前充填インジェクターは、注射中に第1の容量および第2の容量を合わせるように構成可能である。
【0408】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、第1の容量および第2の容量を、容量基準で約等量で分注するように構成可能である。一部の態様では、事前充填インジェクターは、第1の容量および第2の容量を、容量基準で等しくない量で分注するように構成可能である。
【0409】
一部の態様では、第1の容量は、冷蔵後、25℃において、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、または約30日間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第1の容量は、冷蔵後、25℃において、約7日間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第1の容量は、冷蔵後、25℃において、約14日間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第1の容量は、冷蔵後、25℃において、約21日間の保存可能期間を有する。
【0410】
一部の態様では、第1の容量は、25℃において、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、または約24か月間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第1の容量は、25℃において、約3か月間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第1の容量は、25℃において、約6か月間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第1の容量は、25℃において、約12か月間の保存可能期間を有する。
【0411】
一部の態様では、第2の容量は、冷蔵後、25℃において、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、約24、約25、約26、約27、約28、約29、または約30日間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第2の容量は、冷蔵後、25℃において、約7日間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第2の容量は、冷蔵後、25℃において、約14日間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第2の容量は、冷蔵後、25℃において、約21日間の保存可能期間を有する。
【0412】
一部の態様では、第2の容量は、25℃において、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19、約20、約21、約22、約23、または約24か月間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第2の容量は、25℃において、約3か月間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第2の容量は、25℃において、約6か月間の保存可能期間を有する。一部の態様では、第2の容量は、25℃において、約12か月間の保存可能期間を有する。
【0413】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、18G~30Gのニードルを備える。一部の態様では、事前充填インジェクターは、21Gのニードルを備える。一部の態様では、事前充填インジェクターは、23Gのニードルを備える。一部の態様では、事前充填インジェクターは、25Gのニードルを備える。
【0414】
一部の態様では、事前充填インジェクターはニードルを含まない。
【0415】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約3000mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0416】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約500mg~約1000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約250mg~約1200mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約600mg~約800mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約200mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約500mg~約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約1000mg~約2000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1000mg、約1200mg、約1400mg、約1600mg、約1800mg、約2000mg、約2500mg、約3000mg、約3500mg、または約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約5000mg、約6000mg、約7000mg、または約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な医薬製剤の量は、約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
事前充填インジェクターを製造する方法
【0417】
一部の態様では、本開示は、安定な薬学的に許容される製剤を含む事前充填インジェクターを製造する方法を提供する。さらなる態様では、方法は、安定な薬学的に許容される製剤を調製するステップを含む。さらなる態様では、製剤は、マイクロスフィアを含む。さらなる態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマー、および活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。さらなる態様では、方法は、無菌カートリッジに安定な薬学的に許容される製剤を搭載するステップを含む。さらなる態様では、方法は、無菌カートリッジをインジェクターに動作可能に取り付けるステップを含む。
【0418】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカインの酸付加塩である。
【0419】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカイン塩酸塩である。
【0420】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される。 一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーの1つまたは複数を含む。
【0421】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である。
【0422】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている。
【0423】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーと組成が同一ではない。
【0424】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%~約80%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%~約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%~約60%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%~約50%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%~約40%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、または約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%、約15%、約20%、約25%、約75%、または約80%w/wである。
【0425】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約80%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約70%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約60%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約20%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約80%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約70%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約60%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約20%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約1%w/w、約2%w/w、約3%w/w、約4%w/w、約5%w/w、約6%w/w、約7%w/w、約8%w/w、約9%w/w、約10%w/w、約11%w/w、約12%w/w、約13%w/w、約14%w/w、約15%w/w、約16%w/w、約17%w/w、約18%w/w、約19%w/w、約20%w/w、約21%w/w、約22%w/w、約23%w/w、約24%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約27%w/w、約28%w/w、約29%w/w、または約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、約50%w/w、または約55%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約60%w/w、約65%w/w、約70%w/w、約75%w/w、または約80%w/wである。
【0426】
一部の態様では、安定な医薬製剤は実質的に無菌である。一部の態様では、安定な医薬製剤は無菌である。
【0427】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、冷蔵後に25℃で約14日間の貯蔵寿命を有する。一部の態様では、安定な医薬製剤は、冷蔵後に25℃で約7~21日間の貯蔵寿命を有する。一部の態様では、安定な医薬製剤は、冷蔵後に25℃で約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間または約21日間の貯蔵寿命を有する。
【0428】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、25℃で約24ヶ月の貯蔵寿命を有する。一部の態様では、安定な医薬製剤は、25℃で約12~36ヶ月の貯蔵寿命を有する。一部の態様では、安定な医薬製剤は、25℃で約12ヶ月、約13ヶ月、約14ヶ月、約15ヶ月、約16ヶ月、約17ヶ月、約18ヶ月、約19ヶ月、約20ヶ月、約21ヶ月、約22ヶ月、約23ヶ月、または約24ヶ月の貯蔵寿命を有する。
【0429】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、ペン型インジェクターまたはオートインジェクターである。
【0430】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、使い捨てである。
【0431】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、使い捨てペン型インジェクターである。
【0432】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、安定な薬学的に許容される製剤を含むカートリッジを備える。
【0433】
一部の態様では、カートリッジは、デュアルチャンバーカートリッジである。
【0434】
一部の態様では、デュアルチャンバーカートリッジは、第1のチャンバーにおいて、マイクロスフィアを含む第1の容量を備え、マイクロスフィアは、活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、デュアルチャンバーカートリッジは、第2のチャンバーにおいて、希釈媒体を含む、第2の容量を備える。一部の態様では、第1の容量は、マイクロスフィア内に含まれないある量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩をさらに含む。一部の態様では、第2の容量は、ある量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩をさらに含む。
【0435】
一部の態様では、第1の容量および第2の容量を合わせて、本明細書に開示される薬学的に許容される製剤を生成することができる。
【0436】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、注射前に第1の容量および第2の容量を合わせるように構成可能である。一部の態様では、事前充填インジェクターは、注射中に第1の容量および第2の容量を合わせるように構成可能である。
【0437】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、第1の容量および第2の容量を、容量基準で約等量で分注するように構成可能である。一部の態様では、事前充填インジェクターは、第1の容量および第2の容量を、容量基準で等しくない量で分注するように構成可能である。
【0438】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、18G~30Gのニードルを備える。一部の態様では、事前充填インジェクターは、21Gのニードルを備える。一部の態様では、事前充填インジェクターは、23Gのニードルを備える。一部の態様では、事前充填インジェクターは、25Gのニードルを備える。
【0439】
一部の態様では、事前充填インジェクターはニードルを含まない。
【0440】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約200mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0441】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約500mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0442】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約200mg~約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0443】
一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約500mg~約1000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約250mg~約1200mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約600mg~約800mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約200mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約500mg~約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約1000mg~約2000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約110mg、約120mg、約130mg、約140mg、約150mg、約160mg、約170mg、約180mg、約190mg、約200mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1000mg、約1200mg、約1400mg、約1600mg、約1800mg、約2000mg、約2500mg、約3000mg、約3500mg、または約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約4500mg、約5000mg、約5500mg、約6000mg、約6500mg、約7000mg、約7500mg、または約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、単回注射または1回より多くの注射で分注される安定な医薬製剤の量は、約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
処置の方法
【0444】
一部の態様では、本開示は、疼痛を処置する方法を提供し、方法は、安定な薬学的に許容される製剤をそれを必要とする対象に投与するステップを含む。さらなる態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、マイクロスフィアを含む。さらなる態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマー、および活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。
【0445】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、1回または複数回の注射として投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、単回注射として投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、2回以上の注射として投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14または15回の注射として投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、15回を超える注射として投与される。
【0446】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、必要とする対象に手術部位で投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、必要とする対象に手術部位の近くまたは周囲で投与される。
【0447】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、外科的処置の前、間および/または後に投与される。一部の態様では、外科的処置は軟組織外科的処置である。一部の態様では、外科的処置は整形外科的処置である。一部の態様では、外科的処置は関節内処置である。一部の態様では、外科的処置は骨処置である。一部の態様では、外科的処置は、卵巣切除術である。一部の態様では、外科的処置は、痔核切除術である。一部の態様では、外科的処置は、ヘルニア形成術である。一部の態様では、外科的処置は、胆管切除術である。一部の態様では、外科的処置は、胆嚢切除術である。一部の態様では、外科的処置は、卵巣切除術である。一部の態様では、外科的処置は、バニオン切除術である。
【0448】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の肩峰下腔に投与される。
【0449】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、斜角筋間腕神経叢ブロックのために投与される。
【0450】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の内部器官または組織に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の外部器官または組織に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の脚に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の大腿部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象のふくらはぎに投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の臀部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の足に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の膝部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の上背または下背に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の胸部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の腹部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の鼠径部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の頭部または首部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の顎に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の口内の位置に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の腕に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の肩部に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の上腕に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の下腕に投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、対象の手に投与される。
【0451】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカインの酸付加塩である。
【0452】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカイン塩酸塩である。
【0453】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%~約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%~約60%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%~約50%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%~約40%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%w/w、約31%w/w、約32%w/w、約33%w/w、約34%w/w、約35%w/w、約36%w/w、約37%w/w、約38%w/w、約39%w/w、約40%w/w、約41%w/w、約42%w/w、約43%w/w、約44%w/w、約45%w/w、約46%w/w、約47%w/w、約48%w/w、約49%w/w、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、約54%w/w、約55%w/w、約56%w/w、約57%w/w、約58%w/w、約59%w/w、約60%w/w、約61%w/w、約62%w/w、約63%w/w、約64%w/w、約65%w/w、約66%w/w、約67%w/w、約68%w/w、約69%w/w、または約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%w/wである。
【0454】
一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約200mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約500mg~約4000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約1000mg~約2000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約600mg~約800mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約1000mg~約3000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約3000mg~約6000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約5000mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、または約1200mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約2000mg、約3000mg、約4000mg、約5000mg、約6000mg、約7000mg、または約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約800mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約1000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。
【0455】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、インジェクターにより投与される。
【0456】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、非経口投与される。
【0457】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、筋肉内投与される。
【0458】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、皮下投与される。
【0459】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤の投与は、血漿中のブピバカインの初期バースト後に、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間、約21日間、約22日間、約23日間、約24日間、約25日間、約26日間、約27日間、約28日間、約29日間、または約30日間、治療的に有効な濃度のブピバカインをもたらす。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤の投与は、血漿中のブピバカインの初期バースト後に、約7日間、治療的に有効な濃度のブピバカインをもたらす。
【0460】
一部の態様では、治療有効濃度のブピバカインは、約10μg/L、約20μg/L、約30μg/L、約40μg/L、約50μg/L、約60μg/L、約70μg/L、約80μg/L、約90μg/L、約100μg/L、約110μg/L、約120μg/L、約130μg/L、約140μg/L、約150μg/L、約160μg/L、約170μg/L、約180μg/L、約190μg/L、または約200μg/Lである。一部の態様では、治療有効濃度のブピバカインは、約200μg/L、約210μg/L、約220μg/L、約230μg/L、約240μg/L、約250μg/L、約260μg/L、約270μg/L、約280μg/L、約290μg/L、約300μg/L、約310μg/L、約320μg/L、約330μg/L、約340μg/L、約350μg/L、約360μg/L、約370μg/L、約380μg/L、約390μg/L、または約400μg/Lである。
【0461】
一部の態様では、治療有効濃度は、約7日間維持される。一部の態様では、治療有効濃度は、約3~10日間維持される。一部の態様では、治療有効濃度は、約14日間維持される。一部の態様では、治療有効濃度は、約21日間維持される。一部の態様では、治療有効濃度は、約28日間維持される。一部の態様では、治療有効濃度は、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、または約10日間維持される。
【0462】
一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約5%である。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%~約80%である。一部の態様では、ブピバカインのバーストは、24時間でブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約20%~約80%である。一部の態様では、ブピバカインのバーストは、24時間でブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約40%である。
【0463】
一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、または約80%である。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約20-80%である。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約40-60%である。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約30-50%である。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約10-30%である。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%~約15%である。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、または約15%である。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%~約25%である。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約10%である。
【0464】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、週に2回投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、1週間に1回投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、週に3回、4回、5回、6回または7回投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、2週間に1回投与される。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、1ヶ月に1回投与される。
【0465】
一部の態様では、必要とする対象は、疼痛に罹患している。
【0466】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤の投与は、疼痛の発生、持続期間または重症度を低減するのに有効である。
【0467】
一部の態様では、処置方法に適した患者は、非ヒト動物である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、哺乳動物である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、非霊長類、例えば、ウサギ、ウシ、ブタ、ウマ、ネコ、イヌ、ラット、またはカニクイザルなどの霊長類である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、ヒトである。一部の態様では、処置方法に適した患者は、ヒト男性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、50歳またはそれよりも高齢のヒト男性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、ヒト女性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、50歳またはそれよりも高齢のヒト女性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、閉経前のヒト女性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、閉経周辺期のヒト女性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、閉経期のヒト女性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、閉経後のヒト女性である。一部の態様では、処置方法に適した患者は、妊娠中のヒト女性である。
【0468】
一部の態様では、処置方法に適した患者は、約5歳またはそれよりも若い小児である。
【0469】
一部の態様では、処置方法に適した患者は、約6歳~約12歳の小児である。
【0470】
一部の態様では、処置方法に適した患者は、約13歳~約17歳の青年である。
【0471】
一部の態様では、処置方法に適した患者は、約18歳またはそれよりも高齢の成人である。
長時間作用型剤形
【0472】
一部の態様では、本開示は、マイクロスフィアを含む長時間作用型剤形を提供する。さらなる態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約500mg~約1000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約200mg~約8000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約250mg~約1200mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約600mg~約800mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約1000mg~約3000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約3000mg~約6000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約5000mg~約8000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約200mg、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、約1200mg、約2000mg、約3000mg、約4000mg、約5000mg、約6000mg、約7000mg、または約8000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約800mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。一部の態様では、マイクロスフィアは、第1の生分解性ポリマーと、約1000mgの活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩とを含む。さらなる態様では、対象への長時間作用型剤形の単回用量の投与は、以下:(a)100mgのブピバカイン塩酸塩の即時放出型注射によって提供されるブピバカインの平均最大血漿レベルCmax以下の平均濃度値を示す、投与後1日目~7日目のブピバカインの定常状態血漿プロファイル、(b)約2時間~約4時間のブピバカイン排出半減期、および(c)ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩のゼロ次放出プロファイルからなる群から選択される、薬物動態パラメーターの少なくとも1つをもたらす。
【0473】
一部の態様では、対象への長時間作用型剤形の単回用量の投与は、ゼロ次放出プロファイルをもたらす。一部の態様では、対象への長時間作用型剤形の単回用量の投与は、一次放出プロファイルをもたらす。
【0474】
一部の態様では、放出プロファイルは、1日あたり、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約1%~約50%の放出量に相当する。一部の態様では、放出プロファイルは、1日あたり、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、または約50%の放出量に相当する。一部の態様では、放出プロファイルは、1日あたり、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約3%~約15%の放出量に相当する。一部の態様では、放出プロファイルは、1日あたり、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約12%~約14%の放出量に相当する。
【0475】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカインの酸付加塩である。
【0476】
一部の態様では、ブピバカインの薬学的に許容される塩は、ブピバカイン塩酸塩である。
【0477】
一部の態様では、一部の態様では、本長時間作用型剤形は、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む、複数のマイクロスフィアを含み、ここで、複数のマイクロスフィアは、約20μm~約80μmのメジアン粒子サイズ(「Dv50」)を特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフィアは、約20μm、約25μm、30μm、約35μm、約40μm、約45μm、約50μm、約55μm、約60μm、約65μm、約70μm、約75μm、または約80μmのDv50を特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフィアは、約50μmのDv50を特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフィアは、約70μmのDv50を特徴とする。
【0478】
一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、70%未満のCVを有する粒子サイズを特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、60%未満のCVを有する粒子サイズを特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、50%未満のCVを有する粒子サイズを特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、40%未満のCVを有する粒子サイズを特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、30%未満のCVを有する粒子サイズを特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、20%未満のCVを有する粒子サイズを特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、10%未満のCVを有する粒子サイズを特徴とする。
【0479】
一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、約0.1~約1.5のスパン値を有する粒子サイズを特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、約0.1~約2.5、約0.1~約3、約0.1~約3、約0.1~約4、約0.1~約4.5、約0.1~約5、約1.5~約2、約1.5~約2.5、約1.5~約3、約1.5~約3.5、約1.5~約4、約1.5~約4.5、約1.5~約5、約2~約2.5、約2~約3、約2~約3.5、約2~約4、約2~約4.5、約2~約5、約2.5~約3、約2.5~約3.5、約2.5~約4、約2.5~約4.5、約2.5~約5、約3~約3.5、約3~約4、約3~約4.5、約3~約5、約3.5~約4、約3.5~約4.5、約3.5~約5、約4~約4.5、約4~約5、または約4.5~約5のスパン値を有する粒子サイズを特徴とする。
【0480】
一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、約1のスパン値を有する粒子サイズを特徴とする。一部の態様では、複数のマイクロスフェアは、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約2、約3.5、約4、約4.5、または約5のスパン値を有する粒子サイズを特徴とする。
【0481】
一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約10%~約80%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約30%~約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約50%~約60%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約40%~約50%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約30%~約40%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%w/w、約31%w/w、約32%w/w、約33%w/w、約34%w/w、約35%w/w、約36%w/w、約37%w/w、約38%w/w、約39%w/w、約40%w/w、約41%w/w、約42%w/w、約43%w/w、約44%w/w、約45%w/w、約46%w/w、約47%w/w、約48%w/w、約49%w/w、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、約54%w/w、約55%w/w、約56%w/w、約57%w/w、約58%w/w、約59%w/w、約60%w/w、約61%w/w、約62%w/w、約63%w/w、約64%w/w、約65%w/w、約66%w/w、約67%w/w、約68%w/w、約69%w/w、または約70%w/wである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%w/w、約11%w/w、約12%w/w、約13%w/w、約14%w/w、約15%w/w、約16%w/w、約17%w/w、約18%w/w、約19%w/w、約20%w/w、約21%w/w、約22%w/w、約23%w/w、約24%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約27%w/w、約28%w/w、約29%w/w、約71%w/w、約72%w/w、約73%w/w、約74%w/w、約75%w/w、約76%w/w、約77%w/w、約78%w/w、約79%w/w、または約80%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約40%w/wである。一部の態様では、マイクロスフィア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩は、約50%w/wである。
【0482】
一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約200mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約500mg~約1000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約250mg~約1200mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約600mg~約800mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約1000mg~約3000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約3000mg~約6000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約5000mg~約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、または約1200mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約200mg、約2000mg、約3000mg、約4000mg、約5000mg、約6000mg、約7000mg、または約8000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約800mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。一部の態様では、対象に投与される安定な薬学的に許容される製剤の量は、約1000mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の量を含む。
【0483】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリラクチド、ポリグリコリドおよびポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーからなる群から選択される。
【0484】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、ポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーであり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位または種々の相対量のグリコール酸および乳酸を有するポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーのブレンドの総量に基づいて少なくとも50mol%であり、重合乳酸単位の含有量は、重合単位の総量に基づいて少なくとも50mol%である。
【0485】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーによって実質的に囲まれている。
【0486】
一部の態様では、第1の生分解性ポリマーは、第2の生分解性ポリマーと組成が同一ではない。
【0487】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、希釈剤をさらに含む。
【0488】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約20%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%w/wまたはそれ未満である。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約50%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約40%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約30%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約20%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%w/wまたはそれより多い。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約1%w/w、約2%w/w、約3%w/w、約4%w/w、約5%w/w、約6%w/w、約7%w/w、約8%w/w、約9%w/w、約10%w/w、約11%w/w、約12%w/w、約13%w/w、約14%w/w、約15%w/w、約16%w/w、約17%w/w、約18%w/w、約19%w/w、約20%w/w、約21%w/w、約22%w/w、約23%w/w、約24%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約27%w/w、約28%w/w、約29%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、約50%w/w、または約55%w/wである。
【0489】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約10%w/w~約80%である。
【0490】
一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約200mg~約8000mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約500mg~約1000mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約250mg~約1200mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約600mg~約800mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約1000mg~約3000mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約3000mg~約6000mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約5000mg~約8000mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約250mg、約300mg、約350mg、約400mg、約450mg、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、約1000mg、約1050mg、約1100mg、約1150mg、または約1200mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約200mg、約2000mg、約3000mg、約4000mg、約5000mg、約6000mg、約7000mg、または約8000mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約800mgである。一部の態様では、マイクロスフェア中の活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に受容可能な塩は、約1000mgである。
【0491】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、実質的に無菌である。
【0492】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、冷蔵後、25℃において約14日間の保存可能期間を有する。
【0493】
一部の態様では、安定な医薬製剤は、25℃において約24か月間の保存可能期間を有する。
【0494】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、インジェクターから投与される。
【0495】
一部の態様では、インジェクターは、ペン型インジェクターまたはオートインジェクターである。
【0496】
一部の態様では、インジェクターは、使い捨てである。
【0497】
一部の態様では、インジェクターは、使い捨てペン型インジェクターである。
【0498】
一部の態様では、インジェクターは、事前充填インジェクターである。
【0499】
一部の態様では、インジェクターは、安定な薬学的に許容される製剤を含むカートリッジを備える。
【0500】
一部の態様では、カートリッジは、デュアルチャンバーカートリッジである。
【0501】
一部の態様では、デュアルチャンバーカートリッジは、第1のチャンバーにおいて、マイクロスフィアを含む第1の容量を備え、マイクロスフィアは、活性薬物搭載量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩を含む。一部の態様では、デュアルチャンバーカートリッジは、第2のチャンバーにおいて、希釈媒体を含む、第2の容量を備える。一部の態様では、第1の容量は、マイクロスフィア内に含まれないある量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩をさらに含む。一部の態様では、第2の容量は、ある量のブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩をさらに含む。
【0502】
一部の態様では、第1の容量および第2の容量を合わせて、本明細書に開示される薬学的に許容される製剤を生成することができる。
【0503】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、注射前に第1の容量および第2の容量を合わせるように構成可能である。一部の態様では、事前充填インジェクターは、注射中に第1の容量および第2の容量を合わせるように構成可能である。
【0504】
一部の態様では、事前充填インジェクターは、第1の容量および第2の容量を、容量基準で約等量で分注するように構成可能である。一部の態様では、事前充填インジェクターは、第1の容量および第2の容量を、容量基準で等しくない量で分注するように構成可能である。
【0505】
一部の態様では、インジェクターは、18G~30Gのニードルを備える。一部の態様では、インジェクターは、21Gのニードルを備える。一部の態様では、事前充填インジェクターは、23Gのニードルを備える。一部の態様では、事前充填インジェクターは、25Gのニードルを備える。
【0506】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、非経口投与される。
【0507】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、筋肉内投与される。
【0508】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤は、皮下投与される。
【0509】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤の投与は、ブピバカインの血漿中の初期バースト後約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間、約21日間、約22日間、約23日間、約24日間、約25日間、約26日間、約27日間、約28日間、約29日間、または約30日間にわたってブピバカインの治療有効濃度をもたらす。一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤の投与は、ブピバカインの血漿中の初期バースト後約7日間にわたってブピバカインの治療有効濃度をもたらす。
【0510】
一部の態様では、治療有効濃度のブピバカインは、約10μg/L、約20μg/L、約30μg/L、約40μg/L、約50μg/L、約60μg/L、約70μg/L、約80μg/L、約90μg/L、約100μg/L、約110μg/L、約120μg/L、約130μg/L、約140μg/L、約150μg/L、約160μg/L、約170μg/L、約180μg/L、約190μg/L、または約200μg/Lである。
【0511】
一部の態様では、安定な薬学的に許容される製剤の投与は、血漿中のブピバカインの初期バースト後のブピバカインの定常状態血漿濃度をもたらす。
【0512】
一部の態様では、定常状態血漿濃度は、約35μg/Lである。一部の態様では、定常状態血漿濃度は、約20~50μg/Lである。一部の態様では、定常状態血漿濃度は、約30~40μg/Lである。一部の態様では、定常状態血漿濃度は、約20μg/L、約21μg/L、約22μg/L、約23μg/L、約24μg/L、約25μg/L、約26μg/L、約27μg/L、約28μg/L、約29μg/L、約30μg/L、約31μg/L、約32μg/L、約33μg/L、約34μg/L、約35μg/L、約36μg/L、約37μg/L、約38μg/L、約39μg/L、約40μg/L、約41μg/L、約42μg/L、約43μg/L、約44μg/L、約45μg/L、約46μg/L、約47μg/L、約48μg/L、約49μg/L、または約50μg/Lである。
【0513】
一部の態様では、定常状態血漿濃度は、約10μg/L~約500μg/Lである。一部の態様では、定常状態血漿濃度は、約10μg/L~約500μg/L、約50μg/L~約500μg/L、約100μg/L~約500μg/L、約150μg/L~約500μg/L、約200μg/L~約500μg/L、約250μg/L~約500μg/L、約300μg/L~約500μg/L、約350μg/L~約500μg/L、約400μg/L~約500μg/L、約450μg/L~約500μg/L、約10μg/L~約450μg/L、約50μg/L~約450μg/L、約100μg/L~約450μg/L、約150μg/L~約450μg/L、約200μg/L~約450μg/L、約250μg/L~約450μg/L、約300μg/L~約450μg/L、約350μg/L~約450μg/L、約400μg/L~約450μg/L、約10μg/L~約400μg/L、約50μg/L~約400μg/L、約100μg/L~約400μg/L、約150μg/L~約400μg/L、約200μg/L~約400μg/L、約250μg/L~約400μg/L、約300μg/L~約400μg/L、約350μg/L~約400μg/L、約10μg/L~約350μg/L、約50μg/L~約350μg/L、約100μg/L~約350μg/L、約150μg/L~約350μg/L、約200μg/L~約350μg/L、約250μg/L~約350μg/L、約300μg/L~約350μg/L、約10μg/L~約300μg/L、約50μg/L~約300μg/L、約100μg/L~約300μg/L、約150μg/L~約300μg/L、約200μg/L~約300μg/L、約250μg/L~約300μg/L、約10μg/L~約250μg/L、約50μg/L~約250μg/L、約100μg/L~約250μg/L、約150μg/L~約250μg/L、約200μg/L~約250μg/L、約10μg/L~約200μg/L、約50μg/L~約200μg/L、約100μg/L~約200μg/L、約150μg/L~約200μg/L、約10μg/L~約150μg/L、約50μg/L~約150μg/L、約100μg/L~約150μg/L、約10μg/L~約100μg/L、約50μg/L~約100μg/L、または約10μg/L~約50μg/Lである。一部の態様では、定常状態血漿濃度は、約100μg/Lである。一部の態様では、定常状態血漿濃度は、約110μg/L、約120μg/L、約130μg/L、約140μg/L、約150μg/L、約160μg/L、約170μg/L、約180μg/L、約190μg/L、約200μg/L、約210μg/L、約220μg/L、約230μg/L、約240μg/L、約250μg/L、約260μg/L、約270μg/L、約280μg/L、約290μg/L、約300μg/L、約310μg/L、約320μg/L、約330μg/L、約340μg/L、約350μg/L、約360μg/L、約370μg/L、約380μg/L、約390μg/L、または約400μg/Lである。
【0514】
一部の態様では、定常状態血漿濃度は、約7日間維持される。一部の態様では、定常状態血漿濃度は、約3~10日間維持される。一部の態様では、定常状態血漿濃度は、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、または約10日間維持される。
【0515】
一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、注射の約0.5~約24時間後に完了する。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、注射の約1~約12時間後に完了する。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、注射の、約0.5時間、約1時間、約2時間、約3時間、約4時間、約5時間、約6時間、約7時間、約8時間、約9時間、約10時間、約11時間、約12時間、約13時間、約14時間、約15時間、約16時間、約17時間、約18時間、約19時間、約20時間、約21時間、約22時間、約23時間または約24時間後に完了する。
【0516】
一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約5%である。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1~50%である。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約30~50%である。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約10~30%である。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1~15%である。一部の態様では、ブピバカインの初期バーストは、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総用量の約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、または約15%である。
【0517】
一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、約7日間にわたるブピバカインの持続放出が存在する。一部の態様では、持続放出は、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約5%~約25%の放出量に相当する。一部の態様では、持続放出は、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約2%~約25%の放出量に相当する。一部の態様では、持続放出は、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約10%~約15%の放出量に相当する。一部の態様では、持続放出は、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約2%~約5%、約2%~約10%、約2%~約15%、約2%~約20%、約5%~約10%、約5%~約15%、約5%~約20%、約5%~約25%、約10%~約20%、約10%~約25%、約15%~約20%、約15%~約25%、または約20%~約25%の放出量に相当する。
【0518】
一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約4~約10日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約5~約7日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間、約21日間、約22日間、約23日間、約24日間、約25日間、約26日間、約27日間、約28日間、約29日間または約30日間のゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約5日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約6日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約7日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約8日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約9日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約10日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約11日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約12日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約13日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の初期バースト後、その後の約14日間にわたるゼロ次放出プロファイルが存在する。
【0519】
一部の態様では、ゼロ次または一次放出プロファイルは、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約12%~約14%の放出量に相当する。
【0520】
一部の態様では、ゼロ次または一次放出プロファイルは、1日あたり、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約5%~約14%放出の放出量に相当する。
【0521】
一部の態様では、ゼロ次または一次放出プロファイルは、1日当たりのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の総投与用量の約1%~約5%の放出量に相当する。
【0522】
一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は約40分~約60分である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は約30分~約90分である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は、約1時間~約2時間、約1時間~約3時間、約1時間~約4時間、約2時間~約3時間、約2時間~約4時間、または約3時間~約4時間である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は約2.1時間である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は約2.2時間である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は約2.3時間である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は約2.4時間である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は約2.5時間である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は約2.6時間である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は約2.7時間である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は約2.8時間である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は約2.9時間である。一部の態様では、ブピバカインの排出半減期は、約1時間、約2時間、約3時間、または約4時間である。
【0523】
一部の態様では、投与後1日目~7日目のブピバカインの定常状態血漿プロファイルは、ブピバカイン塩酸塩の即時放出型注射によって提供されるブピバカインの平均最大血漿レベルCmaxを下回るの平均濃度を示す。
【0524】
一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩の生体利用率は、摂食状態および空腹状態で、実質的に同じである。
キット
【0525】
一部の態様では、本開示は、キットを提供する。さらなる態様では、キットは、本明細書に記載されている安定な薬学的に許容される製剤のうちの1つの濃縮形態または本明細書に記載されている長時間作用型剤形の1つを含む第1のバイアルを含む。さらなる態様では、キットは、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態を含む第1のバイアルを含む。さらなる態様では、キットは、薬学的に許容される希釈剤を含む第2のバイアルを含む。さらなる態様では、本キットは、第2のバイアルから薬学的に許容される希釈剤を抜き取るために好適な第1のシリンジを含む。さらなる態様では、本キットは、第1のシリンジに操作可能に取り付けることができ、第1のバイアルに薬学的に許容される希釈剤を分注するのに好適な、アダプターを含む。さらなる態様では、本キットは、第2のバイアルから液体を抜き取るため、および対象にこの液体を注射するために好適な第2のシリンジを含む。さらなる態様では、本キットは、濃縮形態を希釈するため、およびそれを必要とする患者に安定な薬学的に許容される製剤または長時間作用型剤形を投与するための指示書を含む。
【0526】
遊離塩基または薬理学的に許容され得る塩としての活性化合物の溶液は、ヒドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合された水中で調製され得る。遊離塩基または薬学的に許容される塩としての活性化合物の溶液は、水または水性緩衝液中の、カルボキシメチルセルロースまたはヒアルロン酸などの添加剤を含む溶液中で調製され得る。分散液はまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物中および油中で調製され得る。保存および使用の通常の条件下では、これらの製剤は、微生物の増殖を防ぐために防腐剤を含有する。注射用途に適した医薬形態としては、滅菌水溶液または分散液、および滅菌注射溶液または分散液の即時調製のための滅菌乾燥粉末(米国特許第5,466,468号、参照によりその全体が本明細書に具体的に組み込まれる)が挙げられる。すべての場合において、形態は無菌でなければならず、容易な注入性が存在する程度まで流動性でなければならない。それはまた、製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、細菌および真菌などの微生物の汚染作用から保護されなければならない。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、ならびに/もしくは植物油を含有する溶媒または分散媒であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用、分散液の場合には必要な粒子サイズの維持、および界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の防止は、さまざまな抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサールなどによってもたらされ得る。多くの場合、等張剤、例えば、糖または塩化ナトリウムを含むことが好ましい。注射可能な組成物の持続的な吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの組成物における使用によってもたらされ得る。
【0527】
水溶液での非経口投与の場合、例えば、溶液は、必要に応じて適切に緩衝されるべきであり、液体希釈剤は、まず十分な生理食塩水またはグルコースで等張性にされるべきである。これらの特定の水溶液は、筋肉内、皮下および腹腔内投与に特に適している。これに関連して、使用することができる滅菌水性媒体は、本開示に照らして当業者に公知である。例えば、1回の投薬量を1mLの等張性NaCl溶液に溶解し、1,000mLの皮下注入液に添加するか、または提案された注入部位に注入することができる(例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」第15版、第1035頁~第1038頁および第1570頁~第1580頁を参照)。処置される対象の症状に応じて、投薬量のいくらかの変動が必然的に生じるであろう。投与の責任者は、いずれにせよ、個々の対象に対する適切な用量を決定する。さらに、ヒトへの投与のために、製剤は、FDA Office of Biologicsの規格によって要求される無菌性、発熱原性、一般的安全性および純度の基準を満たすべきである。
【0528】
滅菌注射液は、必要量の活性化合物を、必要に応じて上に列挙したさまざまな他の成分と共に適切な溶媒に組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製される。一般に、分散液は、さまざまな滅菌された有効成分を、基本的な分散媒体および上に列挙したものからの必要な他の成分を含有する滅菌賦形剤に組み込むことによって調製される。滅菌注射液の調製のための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、有効成分+任意の追加の所望の成分の粉末をその以前に滅菌濾過された溶液から得る真空乾燥および凍結乾燥技術である。粉末化された組成物は、安定化剤の有無にかかわらず、液体担体、例えば、水または生理食塩水などと組み合わされる。一態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、安定化剤の有無にかかわらず、液体担体、例えば、水または生理食塩水などと組み合わされる。
【0529】
一部の態様では、薬学的に許容される製剤は、疼痛を除去または軽減するのに十分な量で投与される。一部の態様では、処置方法は、患者が経験する疼痛の重症度、持続期間、または発生を減少させる。
【0530】
一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、5重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、4重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、3重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、2重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、1重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、0.5重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、0.4重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、0.3重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、0.2重量%未満の水を含む。一部の態様では、ブピバカイン遊離塩基の乾燥粉末形態は、0.1重量%未満の水を含む。
処置条件
【0531】
本開示は、疼痛の重症度を軽減、予防または排除する方法に関する。
併用療法
【0532】
一部の態様では、ブピバカインを含む薬学的に許容される製剤を、1または複数のさらなる治療剤と組み合わせて、単一剤形で、または別個の剤形として投与することができる。
【0533】
一部の態様では、別個の剤形として投与される場合、ブピバカインを、1または複数の追加の治療剤の投与前、投与と同時に、または投与後に投与することができる。いくつかの実施形態では、別個の剤形として投与される場合、ブピバカインの前に1つまたはそれを超える用量の1または複数の追加の治療剤を投与することができる。
【0534】
本明細書で使用される場合、ブピバカインと1または複数の追加の治療剤との「組み合わせ」における投与は、当業者によって理解されるように、薬剤の同時または逐次投与だけでなく、単一の処置サイクル中の薬剤の投与も指す。
【0535】
一部の態様では、ブピバカインを含む薬学的に許容される製剤は、ヘパリンまたはブピバカインの薬学的に許容される塩であり得る抗凝固剤をさらに含み得る。
薬物動態
【0536】
一部の態様では、ブピバカインは、ブピバカインの薬学的に許容される製剤の投与後のある時点で血漿タンパク質に結合している約84%~約95%である。
【0537】
一部の態様では、ブピバカインは肝臓で代謝され、代謝産物としてピペコロキシリジドを産生する。一部の態様では、ブピバカインの約5%がピペコロキシリジドに変換される。
【0538】
一部の態様では、投与されたブピバカインの約5~7%が尿中に排泄される。
【0539】
一部の態様では、疼痛緩和は、ブピバカインを含む薬学的に許容される製剤による筋肉内処置後約15~約60分以内に観察される。一部の態様では、疼痛緩和は、ブピバカインを含む薬学的に許容される製剤による筋肉内処置後約5~約60分以内に観察される。
【0540】
一部の態様では、ブピバカインのピーク血漿濃度は、ブピバカインの薬学的に許容される製剤の皮下投与後約30~約60分以内に達成される。一部の態様では、ブピバカインのピーク血漿濃度は、ブピバカインの薬学的に許容される製剤の皮下投与後約15~約120分以内に達成される。
【0541】
一部の態様では、本処置方法は、約5日間の疼痛緩和を提供する。一部の態様では、本処置方法は、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間または約10日間にわたって疼痛緩和を提供する。
【0542】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤は、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)と実質的に生物学的に同等である。
【0543】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Tmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のTmaxの約80%~約125%である。
【0544】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Tmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のTmaxの約75%~約130%である。
【0545】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Tmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のTmaxの約70%~約135%である。
【0546】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Tmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のTmaxの約65%~約140%である。
【0547】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Tmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のTmaxの約60%~約145%である。
【0548】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Tmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のTmaxの約30%~約60%である。
【0549】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Tmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のTmaxの約20%~約60%である。
【0550】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Tmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のTmaxの約10%~約50%である。
【0551】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Tmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のTmaxの約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約40%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約135%、約140%または約145%である。
【0552】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Cmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のCmaxの約80%~約125%である。
【0553】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Cmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のCmaxの約75%~約130%である。
【0554】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Cmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のCmaxの約70%~約135%である。
【0555】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Cmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のCmaxの約65%~約140%である。
【0556】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Cmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のCmaxの約60%~約145%である。
【0557】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均Cmaxは、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のCmaxの約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約135%、約140%または約145%である。
【0558】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均AUC0-∞は、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のAUC0-∞の約80%~約125%である。
【0559】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均AUC0-∞は、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のAUC0-∞の約75%~約130%である。
【0560】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均AUC0-∞は、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のAUC0-∞の約70%~約135%である。
【0561】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均AUC0-∞は、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のAUC0-∞の約65%~約140%である。
【0562】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均AUC0-∞は、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のAUC0-∞の約60%~約145%である。
【0563】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均AUC0-∞は、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のAUC0-∞の約100%~約165%である。
【0564】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均AUC0-∞は、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のAUC0-∞の約155%~約220%である。
【0565】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均AUC0-∞は、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のAUC0-∞の約210%~約275%である。
【0566】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均AUC0-∞は、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のAUC0-∞の約265%~約325%である。
【0567】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均AUC0-∞は、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のAUC0-∞の約315%~約370%である。
【0568】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均AUC0-∞は、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のAUC0-∞の約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約105%、約110%、約115%、約120%、約125%、約130%、約135%、約140%または約145%である。一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均AUC0-∞は、EXPAREL(登録商標)またはPOSIMIR(登録商標)のAUC0-∞の約150%、約155%、約160%、約165%、約170%、約175%、約180%、約185%、約190%、約195%、約200%、約205% 約210%、約215%、約220%、約225%、約230%、約235%、約240%、約245%、約250%、約255%、約260%、約265%、約270%、約275%、約280%、約285%、約290%、約295%、約300%、約305%、約310%、約315%、約320%、約325%、約330%、約335%、約340%、約345%、約350%、約355%、約360%、約365%、約370%または約375%である。
【0569】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均AUC0-7daysは、約800日間・ng/mL~約1200日間*ng/mLである。
【0570】
一部の態様では、本明細書に記載される製剤の平均AUC0-7daysは、約800日間・ng/mL、約850日間*ng/mL、約900日間・ng/mL、約950日間・ng/mL、約1000日間・ng/mL、約1050日間・ng/mL、約1100日間・ng/mL、約1150日間・ng/mLまたは約1200日間・ng/mLである。
【実施例0571】
以下は、非限定的で例示的な例であり、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。実施例に開示されるすべての参考文献は、その全体が参照により組み込まれる。
実施例1.マイクロスフェア製剤の製造方法
【0572】
ここには、ブピバカインのマイクロスフェア製剤を製造する方法の一例が含まれる。この実施例は限定を意図するものではない。
1.第1の相であって、
(a)第1の生分解性ポリマーであって、ポリオルトエステル、ポリラクチド、ポリグリコリド、またはポリ(ラクチド-co-グリコリド)コポリマーである、第1の生分解性ポリマーと、
(b)約250mg~約1200mgのブピバカイン遊離塩基またはブピバカインの薬学的に許容される塩と
を含む、第1の相を提供するステップ。
2.水性界面活性剤を含む第2の相を第1の相に連続的に添加してエマルジョンを形成するステップであって、水性界面活性剤は、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、または非イオン性界面活性剤の1つまたは複数であり得る、ステップ。
3.クエンチ溶液をエマルジョンに添加して、マイクロスフェアを含む容量を生成するステップ。
4.マイクロスフェアを洗浄し、濾過し、乾燥させて溶媒含有量を減少させるステップ。
実施例2.例示的なマイクロスフェア製剤
【0573】
約35%のブピバカイン遊離塩基を含有するマイクロスフェアの組成物を適切な希釈剤溶液で希釈して、ブピバカイン負荷マイクロスフェアの注射可能な持続性製剤を生成する。
【表1】
【表2】
実施例3.持続性放出プロファイルシミュレーション
【0574】
ブピバカイン放出の1-コンパートメントモデルシミュレーションを、10%活性薬物搭載量の初期バーストおよび0.7%/時間または0.8%/時間の第2相放出を使用し、定常状態の第2相放出の開始の遅延の有無を伴って行った。表3のパラメーターに従って、7つのシミュレーションを実行した。
【表3】
【0575】
シミュレーションの結果を
図1にまとめ、これは800mgの活性負荷マイクロスフェア製剤に相当する。
【0576】
図1に示すように、製剤2における第2相の遅延放出(6時間の遅延)は、ブピバカインのピーク濃度を減少させたが、製剤1(遅延なし)と比較した場合、同じ定常状態濃度を維持し、より長い定常状態持続時間を有した。同じ6時間の遅延を有する製剤2(0.7%/時間の定常状態放出)および3(0.8%/時間の定常状態放出)は、同じピーク濃度を有した。このピーク濃度は製剤1よりも低かった(遅延なし、0.7%/時間の放出)。これらのデータは、製剤1のピーク濃度がバースト放出と第2相の即時放出との両方に寄与したことを示唆している。そのより高い放出速度により、製剤3(0.8%/時間の定常状態放出)は、製剤2(0.7%/時間の定常状態放出)と比較した場合、5日目までより高い濃度を示したが、より短い期間を示した。
【0577】
図2は、1000mgの活性負荷マイクロスフェア製剤に相当する。
【0578】
図2に示すように、1000mgの活性薬物搭載量は、800mg(
図1)と比較した場合、より高いピーク濃度および定常状態濃度を示した。製剤4~7は、同等のバースト放出およびピーク濃度を示した。12時間の遅延を24時間の遅延と比較すると、定常状態濃度は同等であったが、24時間の遅延製剤(5および7)は、12時間の遅延製剤(4および6)と比較して、定常状態への開始が遅く、定常状態後の濃度の減少が遅延していた。800mg製剤(
図1)と同様に、0.8%/時間のより高い放出速度(製剤6および7)は、0.7%/時間の製剤(4および5)と比較してより高い定常状態濃度をもたらしたが、定常状態の持続時間はより短かった。
【0579】
表4にシミュレーション結果をまとめる。
【表4】
実施例4.マルチブロックコポリマーの合成
【0580】
この実施例は、ブピバカインを搭載したマイクロスフィアの調製に使用したマルチブロックコポリマーの合成および特徴付けを説明する。
【0581】
WO2013/015685に記載されているものと同様の手順を使用し、10/90および20/80のブロック比を有する[ポリ(D,L-ラクチド)-co-ポリ(エチレングリコール)-co-ポリ(D,L-ラクチド)]-b-[ポリ(グリコリド-co-L-ラクチド)]マルチブロックコポリマーを合成した。手短に述べると、開始剤として分子量1000g/molを有するポリ(エチレングリコール)(「PEG」)(「PEG1000」と略す)、および触媒としてオクタン酸スズを使用するD,L-ラクチドの開環重合によって、約2000g/molのMnを有するポリ(DL-ラクチド)-co-PEG1000-co-ポリ(DL-ラクチド)プレポリマー(「PDLA-PEG1000-PDLA」または「LP10L20」と略す)を調製した。開示剤として1,4-ブタンジオール、および触媒としてオクタン酸スズを使用する、p-ジオキサン中の15/85のモノマー比のグリコリドおよびL-ラクチドの溶液開環重合によって、約4000g/molのMnを有するポリ(グリコリド-co-L-ラクチド)プレポリマー(「PGLLA」または「GLL40」と略す)を合成した。プレポリマーの分子量および化学構造を、1H-NMRによって分析した。
【0582】
鎖延長剤として1,4-ブタンジイソシアネートを使用し、p-ジオキサン中での、PDLA-PEG1000-PDLAプレポリマーをPGLLAプレポリマーにより鎖延長し、次いで、凍結乾燥してp-ジオキサンを除去することによって、10/90または20/80w/wのブロック比を有する[PDLA-PEG1000-PDLA]-b-[PGLLA]マルチブロックコポリマーを調製した。このポリマーは、「10LP10L20-GLL40」および「20LP10L20-GLL40」と略す。
【0583】
WO2020/071912に記載されているものと同様の手順を使用し、60/40のブロック比を有する[ポリ(D,L-ラクチド)-co-ポリ(エチレングリコール)-co-ポリ(D,L-ラクチド)]-b-[ポリ(p-ジオキサノン)]マルチブロックコポリマー(「60LP2L20-D27」と略す)を合成した。60LP2L20-D27は、2000g/モルの分子量を有する[ポリ(D,L-ラクチド)-co-ポリ(エチレングリコール)-co-ポリ(D,L-ラクチド)][PDLA-PEG200-PDLA]プレポリマーセグメント(A)(200g/モルの分子量を有するポリエチレングリコールを10モル%含有する)、および1,4-ブタンジイソシアネートによるブロック比60/40重量%で延長した鎖である2700g/モルの分子量を有する半結晶性ポリ(p-ジオキサノン)プレポリマーセグメント(B)からなるマルチブロックコポリマーである。
【0584】
ポリマーはすべて、その化学組成物、固有粘度、残留p-ジオキサン含有量および熱的特徴を分析した。
【0585】
プレポリマーの化学組成(モノマー比)および分子量(Mn)、ならびにマルチブロックコポリマーのブロック比は、1H-NMRによって求めた。この決定に関しては、500MHzで操作した、Bruker自動試料チェンジャーBACS60(VARIAN(登録商標))を装備したBruker Avance DRX500MHz NMR分光計B AV500を使用した。d1遅延時間を20sに設定し、スキャン数は16とした。スペクトルは、0~14ppmを記録した。1H-NMR試料は、重水素化クロロホルム約1.3gを約25mgのポリマーに加えることにより調製した。
【0586】
固有粘度は、ウベローデ粘度計(DIN)、0C型、SI ANALYTICS(登録商標)を使用して測定した。この測定は、クロロホルム中、25℃で行った。水浴を使用して温度を制御した。クロロホルム中のポリマー濃度は、相対粘度が1.2~2.0の範囲となるようにした。
【0587】
残留p-ジオキサン含有量は、ガスクロマトグラフィーの水素炎イオン型検出器(「GC-FID」)ヘッドスペース法を使用して求めた。測定は、AGILENT(登録商標)カラム、DB624/30m/0.53mmを装備したGC-FID Combiサンプラーで行った。試料は、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)中で調製した。残留溶媒含有量は、p-ジオキサンの較正用標準品を使用して求めた。
【0588】
マルチブロックコポリマーの熱挙動を求めるために、Q2000MDSC(TA INSTRUMENTS(登録商標)、Ghent、Belgium)を使用して、変調示差走査熱量測定(「MDSC」)を使用した。約5~10mgの乾燥物質を正確に秤量し、2℃/分の加熱速度、および80秒ごとに+/-0.42℃の振幅変調で、-85℃~120℃まで窒素雰囲気下で加熱した。ガラス転移温度(Tg、中間点)、溶融温度(吸熱ピークの極大値、Tm)を第1の加熱運転の可逆熱流から求めた一方、融解エンタルピー(ΔHm)は、第1の加熱運転の可逆熱流と非可逆熱流の融解吸熱の表面積の合計から計算した。温度およびエンタルピーは、インジウム標準品を使用して較正した。
【0589】
表5は、種々のマルチブロックコポリマーの特徴を列挙する。
【表5】
実施例5.ブピバカイン負荷マイクロスフェアの調製および特性評価のための一般的な手順
ブピバカイン負荷マイクロスフェアの調製
【0590】
4.0重量%ポリビニルアルコール(「PVA」)溶液を、4.3~5.7mPa・s(40g/L、水)の粘度および85~89%(PVA 5-88 EMPROVE(登録商標)ESSENTIAL、Merck KGaA)の加水分解度(USP)を有する40gのPVA、または3.4~4.6mPa・s(40g/L、水)の粘度および85~89%(PVA 4-88 EMPROVE(登録商標)ESSENTIAL、Merck KGaA)の加水分解度(USP)を有するPVAを、75℃で加熱した960gの超純(UP)水に溶解し、続いて室温で5μmフィルターで溶液を濾過することによって調製した。5%NaClを含む0.4重量%PVA溶液を、500gの4重量%PVA溶液を4250gのUP水で希釈し、撹拌下に250gのNaClを添加することによって調製した。NaClの完全溶解後、得られた溶液を0.2μmのポリエーテルスルホン(「PES」フィルターカプセルで濾過した。同様に、100mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(「TRIS」)を含む0.4重量%PVA溶液pH8.5を、500gの4重量%PVA溶液を4000gのUP水で希釈し、撹拌下に70gのTRIZMA(登録商標)ペレットpH8を添加することによって調製した。TRIZMA(登録商標)ペレットを完全に溶解した後、10MのNaOHを添加することによってpHを8.5に設定し、追加のUP水を添加して総重量5kgにした。得られた溶液を0.2μmのPESフィルターカプセルで濾過した。
【0591】
0.05重量%Tween(登録商標)80溶液を、2.5gのTween(登録商標)を5LのUP水に添加し、溶液を室温で15分間撹拌することによって調製した。
【0592】
0.6%カルボキシメチルセルロース(「CMC」水溶液(注射用賦形剤/希釈液)を、温度75℃で撹拌下に3gのCMCを500gの注射用水(「WFI」)に溶解することによって調製した。すべてのCMCが溶解したら、50gのリン酸緩衝生理食塩水(「PBS」(10×、pH7.4)および追加のWFIを添加して、必要な濃度を得た。
【0593】
30~50重量%の標的負荷量を有するブピバカイン負荷マイクロスフェアを、水中油型(「O/W」膜乳化と、それに続く溶媒抽出/蒸発によって調製した。ポリマーおよびブピバカイン塩基(分子量288g/mol)を両方ともジクロロメタン(「DCM」に溶解して所望の濃度にして分散相(「DP」を形成し、一晩撹拌してポリマーおよびブピバカインの完全溶解を確実にした。
【0594】
0.2μmのポリテトラフルオロエチレン(「PTFE」フィルターで濾過した後、DPを、(5重量%NaClまたは100mMのTRIS pH8.5のいずれかを含有する)0.4%PVA水溶液ベースの連続相を用いて、20μmの細孔を有する膜を介して制御された流量でDPを撹拌容器にポンプ注入する(CPは、100v/vのCP/DP比でポンプ注入した)ことによって乳化した。形成されたO/Wエマルジョンを、5L/分の気流下に室温にて200rpmで3時間撹拌して、DCMを抽出および蒸発させ、マイクロスフェアを硬化させた。溶媒蒸発の完了後、硬化したマイクロスフェアを濾過によって回収し、250mLの0.05重量%Tween(登録商標)80溶液で3回および250mLのWFIで3回洗浄した。最後に、マイクロスフェアを10mL凍結乾燥バイアルに移し、-70℃で凍結し、表6に詳述したプログラムに従って凍結乾燥した。
【表6】
ブピバカイン負荷マイクロスフェアの特性評価
【0595】
HORIBA(登録商標)LA-960 Laser Particle Size Analyserを使用して、マイクロスフェアの粒子サイズ分布「PSD」を分析した。
【0596】
JEOL(登録商標)JCM-5000 NEOSCOP(商標)を使用した走査型電子顕微鏡(「SEM」)によって、マイクロスフェアの表面形態および粒子形状の特性評価を行った。
【0597】
マイクロスフェアのブピバカイン含有量を元素分析によって決定した。簡単に記載すると、2.5~5mgのブピバカイン負荷マイクロスフェア、ブピバカインおよびポリマーをスズ箔に正確に秤量し、過剰の酸素を含むELEMENTAR(登録商標)Micro
Cube中で1150℃で燃焼させて、完全な試料燃焼を確実にした。形成されたN2、CO2、H2OおよびSO2ガスを吸着カラムによって保持し、別々に溶出し、熱伝導検出器を用いて分析した。ブピバカイン負荷マイクロスフェアの窒素含有量をブピバカインおよびポリマーの窒素含有量と比較することにより、ブピバカイン負荷マイクロスフェアのブピバカイン含有量を算出した。
【0598】
調製されたブピバカインマイクロスフェアのインビトロ放出動態は、10mgのブピバカインマイクロスフェアを、45mLのインビトロ放出緩衝液(100mMのPO4緩衝液、0.025%Tween(登録商標)20、0.02%NaN3、290mOsm/Kg、pH6.5)を含有する50mLポリプロピレン遠心管中でインキュベートすることによって決定し、これを37℃で温度調節した気候室に入れた。所定の時点(2および6時間、1、2、4および7日、その後、放出完了まで週2回)で、バイアルの遠心分離後、100μLの放出緩衝液のアリコートを回収した。放出緩衝液中のブピバカイン濃度は、40℃に維持されたPDAまたはUV検出器、Acquity BEH C 18カラム(50×2.1mm、1.7μm)を備えたWaters Acquity H-Class UPLCシステムを使用したUV検出を伴う逆相超高速液体クロマトグラフィー(「UPLC」)によって決定した。移動相Aは、20mMのリン酸緩衝液pH6.5およびアセトニトリル(「ACN」)から90:10v/vでなり、100%のアセトニトリルを移動相Bとして使用した。移動相組成は30%Bで開始し、0.600mL/分の一定流量で2分で70%Bに増加した。検出は235nmで行った。
実施例6.60LP2L20-D27および10LP10L20-GLL40で構成されるブピバカイン負荷マイクロスフェアの調製
【0599】
標的負荷量34重量%のブピバカインを有するブピバカイン負荷マイクロスフェアを、実施例5に記載のO/W膜乳化手順に従って、60LP2L20-D27および10LP10L20-GLL40について調製した。簡単に記載すると、1.0gのポリマーをDCMに溶解して、10重量%の最終ポリマー濃度にし、500mgのブピバカイン塩基を添加した。60LP2L20-D27の場合、溶液を一晩撹拌し、さらに35℃で1時間加熱して、ポリマーおよびブピバカインの完全な溶解を確実にした。0.2μmのPTFEフィルターで濾過した後、DPを、0.4%PVA5-88 5%NaClベースのCP水溶液を用いて、20μmの細孔を有する膜を介して1.6mL/分の流量でDPを撹拌容器にポンプ注入する(CPは、100v/vのCP/DP比でポンプ注入した)ことによって乳化した。O/Wエマルジョンを、5L/分の気流下に室温にて3時間撹拌(撹拌速度9V)して、DCMを抽出および蒸発させ、マイクロスフェアを硬化させた。溶媒蒸発の完了後、マイクロスフェアを濾過によって回収し、0.05重量%Tween(登録商標)80水溶液およびWFIで洗浄し、実施例5に記載の凍結乾燥によって最終的に乾燥させた。
【0600】
得られたマイクロスフェアを、実施例5に記載の方法に従って分析した。60LP2L20-D27ベースのブピバカインマイクロスフェア(バッチ120A-200240)は79μmの平均粒子サイズを有し、一方で、10LP10L20-GLL40ベースのブピバカインマイクロスフェア(バッチ120A-200241)は54μmの平均粒子サイズを有した。
図3は、60LP2L20-D27ベースのブピバカインマイクロスフェア(120A-200240)および10LP10L20-GLL40ベースのブピバカインマイクロスフェア(120A-200241)の粒子サイズ分布を示す。走査型電子顕微鏡により、O/Wマイクロカプセル化プロセスが、いかなる細孔も有しない滑らかな表面を有する球状マイクロスフェアを生じたことが示される(
図4B~4D)。
【0601】
元素分析によって測定した60LP2L20-D27マイクロスフェアのブピバカイン含有量は25.3重量%であって74.8%のカプセル化効率(「EE」)を表すのに対して、10LP10L20-GLL40(15/85)マイクロスフェアのブピバカイン含有量は21.8重量%であった(EE 64.8%)。
【0602】
図5は、60LP2L20-D27および10LP10L20-GLL40ベースのブピバカインマイクロスフェアからのブピバカインの累積放出を示す。60LP2L20-D27ベースのマイクロスフェアは、3週間にわたって約85%のカプセル化ブピバカインを徐々に放出したが、10LP10L20-GLL40ベースのブピバカインマイクロスフェアは、同じ期間に約40%のカプセル化ブピバカインしか放出しなかった。
実施例7.ブピバカイン負荷の増加およびより速い放出を有する60LP2L20-D27ベースのマイクロスフェアの調製
【0603】
ブピバカイン負荷およびブピバカイン放出速度を増加させるために、一連の60LP2L20-D27ベースのブピバカイン負荷マイクロスフェアを、重要な製剤およびプロセスパラメーターを体系的に変化させながら、実施例5に記載されるO/W膜乳化手順に従って調製した。(表7)。より高いブピバカイン対ポリマー比を使用することによって、マイクロスフェアのブピバカイン負荷を増加させた。さらに、より小さなマイクロスフェアはより大きな表面対体積比をもたらし、これは放出速度を向上させる効果を有するため、マイクロスフェアのサイズは、撹拌速度を増加させることおよび/またはDP注入流量を減少させることによって減少した。変動させた他のパラメーターには、ポリマー濃度およびCP組成(PVAグレードおよび緩衝液タイプ)が含まれる。
【0604】
簡単に記載すると、ポリマーおよびブピバカインの両方をDCMに溶解して所望の濃度にした。0.2μmのPTFEフィルターで濾過した後、DPを、0.4重量%PVA水溶液を用いて、20μmの細孔を有する膜を介して制御された流量でDPを撹拌容器にポンプ注入する(CP溶液は、100v/vのCP/DP比でポンプ注入した)ことによって乳化した。O/Wエマルジョンを、気流下に室温で3時間撹拌して、DCMの抽出および蒸発ならびにマイクロスフェアの硬化を可能にした。その後、マイクロスフェアを濾過によって回収し、0.05重量%Tween(登録商標)80水溶液およびWFIで洗浄し、最終的に凍結乾燥によって乾燥させた。
【表7】
【表8】
*PSD BUP MSPは、ブピバカインマイクロスフェアの粒子サイズ分布を意味し、Dv10(分布パーセンタイル)は粒子の10%が表の値よりも小さい直径を有することを意味し、Dv50(分布パーセンタイル)は中央粒子サイズであり、Dv90(分布パーセンタイル)は粒子の90%が表の値よりも小さい直径を有することを意味する)。
【0605】
マイクロスフェアを、実施例5に記載される方法に従って分析した。分散セル中の撹拌速度を増加させ、DPの注入速度を減少させることによって、マイクロスフェアのサイズを小さくすることができた。新しい60LP2L20-D27ベースのブピバカインマイクロスフェアの平均粒子サイズ(Dv50)は37~52μmの範囲であり、これは実施例6で調製したバッチ120A-200240の79μmの平均粒子サイズと比較して有意に小さかった。
【0606】
ポリマー濃度の増加およびTris pH8.5緩衝液ベースのCPの使用と組み合わせてより高いブピバカイン対ポリマー比を使用することによって、ブピバカイン負荷を37~43%に首尾よく増加させ、それによりカプセル化効率をほぼ90%に増加させることができた。
【0607】
図6は、調整された製剤およびプロセス設定を用いて調製された60LP2L20-D27ベースのブピバカインマイクロスフェアからのブピバカインの累積放出を示す。すべての製剤は1週間以内に100%の放出を示し、これは実施例6で調製した60LP2L20-D27ベースのブピバカインマイクロスフェアからのブピバカインの放出と比較して有意に速かった。バッチ120A-200341は、5%NaClを含有するCPを用いて調製し、TRIS pH8.5を用いて調製したバッチと比較して有意に速い放出を示した。
実施例8.ブピバカイン負荷の増加およびより速い放出を有するxxLP10L20-GLL40ベースのマイクロスフェアの調製
【0608】
実施例6の10LP10L20-GLL40 15/85)ベースのブピバカインマイクロスフェア(120A-200241)と比較して、より高いブピバカイン負荷およびより速いブピバカイン放出を有するブピバカイン負荷マイクロスフェアを得るために、50重量%ブピバカインの標的負荷を有するブピバカイン負荷マイクロスフェアを、表9に列挙した特定の製剤およびプロセス設定を使用して、実施例5に記載される一般的な手順に従って、10LP10L20-GLL40(15/85)および20LP10L20-GLL40(15/85)から調製した。簡単に記載すると、ポリマーおよびブピバカインの両方をジクロロメタン(DCM)に溶解して、DCM中の15重量%のポリマーおよび15重量%のブピバカインの溶液を得た。0.2μmのPTFEフィルターで濾過した後、DPを、0.4重量%PVA水溶液を用いて、20μmの細孔を有する膜を介して制御された流量でDPを撹拌容器にポンプ注入する(CP溶液は、100v/vのCP/DP比でポンプ注入した)ことによって乳化した。O/Wエマルジョンを、気流下に室温で3時間撹拌して、DCMの抽出および蒸発ならびにマイクロスフェアの硬化を可能にした。その後、マイクロスフェアを濾過によって回収し、0.05重量%Tween(登録商標)80水溶液およびWFIで洗浄し、最終的に凍結乾燥によって乾燥させた。
【表9】
【0609】
マイクロスフェアを実施例5に従って分析した。ポリマー10LP10L20-GLL40(バッチ120A-200308)を用いて調製したブピバカインマイクロスフェアは、44重量%の高いブピバカイン負荷量を有し、これは89%のカプセル化効率および57μmの平均粒子サイズに相当した(表10)。20LP10L20-GLL40ポリマー(バッチ120A-200408)を用いて調製したブピバカイン負荷マイクロスフェアは、同等の高いブピバカイン負荷量ならびにカプセル化効率(44重量%および89%)を有した。しかしながら、より高い撹拌およびより遅いDP/CP注入速度のために、平均粒子サイズはより小さかった(43μm、表10)。
【表10】
【0610】
図10に示すように、ブピバカイン負荷量が44.4%増加したポリマー10LP10L20-GLL40(15/85)に基づくマイクロスフェア(バッチ120A-200308)は、実施例6で調製したブピバカイン負荷量が21.8%とより低い10LP10L20-GLL40マイクロスフェア(120A-200241)と同等のインビトロ放出動態を有した。同様のブピバカイン負荷量(44.3%)(120A-200408)を有する20LP10L20-GLL40(15/85)を用いて調製したブピバカインマイクロスフェアは、有意に速いブピバカイン放出を示し、これは、ポリマー10LP10L20-GLL40(15/85)と比較してPEGの量が増加したためである。
実施例9.5gスケールのブピバカインマイクロスフェアの製造
【0611】
50重量%ブピバカインの標的負荷量を有する60LP2L20-D27-および20LP10L20-GLL40ベースのブピバカインマイクロスフェアを5gのスケールで調製し、表11に列挙した特定の製剤およびプロセス設定を使用して実施例5に記載される一般的な手順に従って分析した。簡単に記載すると、2.5gのポリマーを11mLのDCMに溶解して15重量%のポリマーの溶液を得て、その後、2.5gのブピバカイン塩基を添加した。0.2μmのPTFEフィルターで濾過した後、DPを、0.4重量%PVA水溶液を用いて、20μmの細孔を有する膜を介して制御された流量でDPを撹拌容器にポンプ注入する(CP溶液は、100v/vのCP/DP比でポンプ注入した)ことによって乳化した。O/Wエマルジョンを、気流下に室温で3時間撹拌して、DCMの抽出および蒸発を可能にした。VOC検出器によって流出気流中のDCM濃度を測定することによって、DCM除去(およびマイクロスフェアの硬化)の完了を確認した。その後、マイクロスフェアを濾過によって回収し、0.05重量%Tween(登録商標)80水溶液およびWFIで洗浄し、最終的に凍結乾燥によって乾燥させた。
【表11】
【0612】
得られたマイクロスフェアを実施例5の方法に従って分析した。すべてのバッチは、41~53μmの間の平均粒子サイズを有する狭い粒子サイズ分布を有していた。
【0613】
走査型電子顕微鏡により、O/Wマイクロカプセル化プロセスが、先の実施例で調製したブピバカインミクロスフェアと同様に、いかなる細孔も有しない滑らかな表面を有する球状ミクロスフェアを生じたことが示される(
図8A~8C)。
【表12】
【0614】
マイクロスフェアの残留ジクロロメタン含有量を、ヘッドスペース注入およびフレームイオン化検出を用いたガスクロマトグラフィーによって決定した。簡単に記載すると、100mgのサンプルを、内部標準としてオクタンを含有する5.0mLのDMSOに溶解した。Combi-Palヘッドスペースサンプラーを備えたAgilent 6850ガスクロマトグラフを使用して、GCヘッドスペースによって試料を分析した。この方法の較正範囲は、一次線形回帰(重み付け係数=1/X)を使用して、100mg試料中18-4902ppm DCMであった。ブピバカイン微粒子の残留ジクロロメタン含有量は70 ppm未満であった。
【0615】
元素分析によって決定された60LP2L20-D27ベースのマイクロスフェアのブピバカイン含有量は、120A-210040の34.8%(EE 69.7%)から120A-210039の41.2%(EE 81.9%)まで変化した。20LP10L20-GLL40(15/85)ベースのマイクロスフェアは、46.3%の負荷量を有し、91.4%の高いカプセル化率を表した。
【0616】
図9は、5gスケールで調製した60LP2L20-D27および20LP10L20-GLL40ベースのブピバカインマイクロスフェアからのブピバカインのインビトロ放出を示す。5gで調製したマイクロスフェアからのブピバカイン放出は、実施例7および8において1gスケールで調製した同じマイクロスフェア製剤からのブピバカイン放出と比較して、類似しているか、またはわずかに遅かった。
実施例10.注入性
【0617】
0.6%CMC水溶液中のブピバカインマイクロスフェア懸濁液の注入性を引張試験機によって決定した。3.7mLの0.6%CMC水溶液中に414mgのブピバカインマイクロスフェア(120A-210039)を再構成することによって、ブピバカインマイクロスフェアの100mg/mL懸濁液を調製した。18Gのニードルを使用して、0.5mL懸濁液を1mLシリンジに集めた。気泡を除去した後、18Gニードルを25Gの5/8インチニードルに交換し、その後、ニードル付きシリンジを引張試験機に垂直に配置した。100mm/分の変位速度でニードルを介して懸濁液を排出し、力変位曲線を記録した。100mg/mLの濃度で、ブピバカインマイクロスフェア懸濁液(0.4mL、n=7)を、25Gの5/8インチニードルを介して、1.6~2.9Nのさまざまな注入力で十分に注入可能であり、注入力の許容限界である20Nを十分に下回っていた。
【0618】
さらに、より濃縮された懸濁液の注入性を研究した。必要量のブピバカインマイクロスフェア((120A-200341)を0.6%CMC水溶液中に再構成することによって、140および234mg/mLの濃度の懸濁液を調製し、上記の手順を用いてそれらの注入性について評価した。
【0619】
140mg/mL(0.4mL)および234mg/mL(0.3mL)のブピバカインマイクロスフェア懸濁液の両方(23Gの1インチニードルおよび25Gの5/8インチニードルを介して良好に注入可能であった(表13)。注入力は、140mg/mLでは0.8~6.1N、234mg/mLでは1.3~10.3Nの範囲であった。排出されたマイクロスフェア懸濁液を回収し、洗浄し、秤量して回収率(排出されたマイクロスフェアの割合)を決定した。すべての試験サンプルについて回収率は90%以上であった(表13)。
【表13】
実施例11.インビボ薬物動態および動物研究
【0620】
3つの例示的な製剤のインビボ薬物動態をイヌで研究した。表14に要約されるように、製剤を45mg/イヌの用量で雄ビーグル犬に注射した。得られた血漿濃度プロファイルを
図11に示し、抽出されたpKパラメーターを表15に提供する。例示的なブピバカイン製剤のインビボ薬物動態からの累積曲線下面積(AUC)を
図12に示す。
【表14】
【表15】