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特開2024-91862横方向位置および強度を変動させるレーザファイバ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091862
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】横方向位置および強度を変動させるレーザファイバ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/22 20060101AFI20240628BHJP
   A61B 18/22 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A61B17/22
A61B18/22
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024069449
(22)【出願日】2024-04-23
(62)【分割の表示】P 2022507468の分割
【原出願日】2020-08-04
(31)【優先権主張番号】62/882,837
(32)【優先日】2019-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/000,570
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/027,007
(32)【優先日】2020-05-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シェルトン クルト ジー
(72)【発明者】
【氏名】千田 雅泰
(72)【発明者】
【氏名】ブケソヴ セルゲー エイ
(72)【発明者】
【氏名】タルボット ブライアン エム
(57)【要約】
【課題】従来のレーザ砕石術の結果として生じる破片は、溶解しまたは自然に体内を通過するには大きすぎることがある。
【解決手段】砕石術または他の医療用レーザ治療システムが、レーザファイバの遠位部分を横方向に変位させるための横方向アクチュエータを含むことができ、レーザファイバの遠位部分は、たとえばワーキングチャネルなどの長手方向通路内でレーザファイバを運搬する内視鏡を横方向に動かす必要なく、空間的または空間時間的なサブ標的パターンを生成するように、走査または他の方法で制御することができる。より高いエネルギー衝撃パルスなどによって断片化する前に、より低いエネルギーパルスを使用することなどによって、標的石をパターンに沿って選択的に弱くすることができる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡の長手方向に垂直な横方向の位置を変える必要なく、異なる前記横方向の位置から内視鏡を介してレーザエネルギーを送達することを可能にするレーザ療法システムであって、
前記内視鏡の長手方向通路を介して患者に挿入されるように構成された遠位部分を含むレーザファイバと、
前記内視鏡の前記長手方向通路内で前記横方向に変位された複数の利用可能な位置のうちの選択された位置において、前記長手方向通路内で前記長手方向通路に対して調整可能に少なくとも前記横方向に前記レーザファイバの前記遠位部分が並進して位置決めされるように作動可能である電磁要素または静電要素を備え、前記長手方向通路内で前記レーザファイバを並進運動させるために、前記電磁要素または前記静電要素が前記レーザファイバ及び前記内視鏡の遠位部分において周方向に複数配置された、アクチュエータと、
を備えることを特徴とするレーザ療法システム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記レーザファイバの前記遠位部分が屈曲部を含むことを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のシステムであって、前記レーザファイバの前記遠位部分が前記長手方向通路の周りを回転可能であることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のシステムであって、前記レーザファイバが、前記レーザファイバを介して第1のレーザパルスおよび第2のレーザパルスを提供するように、コントローラ回路によって制御されるレーザ源に結合されるように構成され、前記第2のレーザパルスが、前記第1のレーザパルスより高いエネルギーを含み、前記内視鏡の前記横方向の位置を変える必要なく、前記第1のレーザパルスが送出されるときより、前記第2のパルスが前記横方向に標的の中心の近くに送出されることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のシステムであって、前記アクチュエータは、コントローラ回路によって提供される制御信号に従って指定のパターンで、前記レーザファイバの前記遠位部分を前記横方向に変位させるように構成されたことを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムであって、前記レーザファイバの前記遠位部分が、前記アクチュエータに対して長手方向に並進可能になるようにさらに作動可能であることを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項5または6に記載のシステムであって、前記レーザファイバの長手方向並進を作動させるように構成された第2のアクチュエータを備えることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項5~7のいずれか1項に記載のシステムであって、前記コントローラ回路が、標的の電磁放射に応答してフィードバック信号を使用して、前記アクチュエータを作動させるための前記制御信号を生成するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項8に記載のシステムであって、前記フィードバック信号が、撮像データまたは分光データを含むことを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項8または9に記載のシステムであって、前記コントローラ回路が、前記レーザファイバの遠位端と前記標的との間の距離に関する情報を使用して、前記アクチュエータを作動させるための前記制御信号を生成するように構成されることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のシステムであって、前記レーザファイバが、前記内視鏡の前記横方向の位置を変える必要なく、標的の周辺部に向かってより低いエネルギーレーザパルスの横方向パターンを提供し、前記標的の中心に向かって少なくとも1つのより高いエネルギーレーザパルスを提供するように、コントローラ回路によって制御されるレーザ源に結合されることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のシステムであって、前記横方向パターンが、螺旋パターン、蛇行パターン、星形パターン、またはジグザグパターンのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載のシステムであって、前記レーザファイバの前記遠位部分が、前記内視鏡の前記長手方向通路内で前記横方向に変位された複数の利用可能な位置のうちの選択された位置において、前記長手方向通路内で前記長手方向通路の中心長手方向軸に対して調整可能に少なくとも前記横方向に位置決めされるように、前記アクチュエータが作動可能であることを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか1項に記載のシステムであって、前記レーザファイバの前記遠位部分が、前記内視鏡の前記長手方向通路内で前記横方向に変位された複数の利用可能な位置のうちの選択された位置において、前記長手方向通路内で前記レーザファイバの中心長手方向軸に対して調整可能に少なくとも前記横方向に位置決めされるように、前記アクチュエータが作動可能であることを特徴とするシステム。
【請求項15】
請求項1に記載のシステムであって、前記アクチュエータが、前記レーザファイバの前記遠位部分に位置することを特徴とするシステム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムであって、前記アクチュエータの一部分が、前記レーザファイバの近位部分に位置することを特徴とするシステム。
【請求項17】
内視鏡を動かす必要なく、標的の方へレーザビームの少なくとも前記内視鏡の長手方向に垂直な横方向の向きを変えることを可能にするための内視鏡を介したレーザ療法のためのレーザ療法システムであって、
前記内視鏡の長手方向通路を通って延びるように構成されたレーザファイバと、
前記内視鏡の前記長手方向通路内で前記横方向に変位された複数の利用可能な位置のうちの選択された位置において、前記レーザファイバの遠位部分を少なくとも前記横方向に位置決めするように作動可能である電磁要素または静電要素を備える、アクチュエータと、
前記アクチュエータに対して制御信号を送出または受信する手段と、
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項18】
請求項17に記載のシステムであって、前記レーザファイバが、前記レーザファイバを介して第1のレーザパルスおよび第2のレーザパルスを提供するように、コントローラ回路によって制御されるレーザ源に結合され、前記第2のレーザパルスが、前記第1のレーザパルスより高いエネルギーを含み、前記内視鏡の前記横方向の位置を変える必要なく、前記第1のレーザパルスが送出されるときより、前記第2のパルスが前記横方向に前記標的の中心の近くに送出されることを特徴とするシステム。
【請求項19】
請求項1から18のいずれか1項に記載のシステムであって、
前記位置決め後の前記レーザファイバの前記遠位部分を静止させるスタビライザステージを備えることを特徴とするシステム。
【請求項20】
内視鏡の長手方向に垂直な横方向の位置を変える必要なく、異なる前記横方向の位置から内視鏡を介してレーザエネルギーを送達することを可能にするレーザ療法システムであって、
前記内視鏡の長手方向通路を介して患者に挿入されるように構成された遠位部分を含むレーザファイバと、
前記内視鏡の前記長手方向通路内で前記横方向に変位された複数の利用可能な位置のうちの選択された位置において、前記長手方向通路内で前記長手方向通路に対して調整可能に少なくとも前記横方向に前記レーザファイバの前記遠位部分が位置決めされるように作動可能である電磁要素または静電要素を備える、アクチュエータと、
を備え、
前記位置決め後の前記レーザファイバの前記遠位部分を静止させるスタビライザステージを備え、
前記スタビライザステージは、前記レーザファイバの前記遠位部分を着座させる溝を複数備えることを特徴とするレーザ療法システム。
【請求項21】
請求項19または20に記載のシステムであって、
前記スタビライザステージを、前記内視鏡の長手方向軸周りに回転可能な回転機構を備えることを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張
本出願は、米国特許法第119条(e)に基づいて、全体として本願に引用して援用する、2019年8月5日出願の米国仮特許出願第62/882,837号、2020年3月27日出願の米国仮特許出願第63/000,570号、および2020年5月19日出願の米国仮特許出願第63/027,007号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本明細書は、一般に、内視鏡レーザシステムに関し、より詳細には、レーザファイバの横方向位置およびレーザパルスの強度を変動させるシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
レーザ砕石術では、腎臓、胆管、胆嚢、または他の石などの標的へ、レーザファイバを介してレーザエネルギーのパルスを内視鏡下で印加して、石を様々な破片に断片化することなどができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2001/055462号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/058629号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、結果として生じる様々な破片は、体内に散乱する可能性がある。結果として生じる破片は、溶解しまたは自然に体内を通過するには大きすぎることがあり、吸引デバイス、鉗子、バスケット、または別の回収デバイスなどを使用した医師による回収を必要とする可能性がある。石の断片を回収することは、極めて時間のかかり困難な可能性がある。結果として生じるあらゆる石の断片の存在および性質は、患者にとってさらなる課題をもたらすおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、とりわけ、横方向位置の変動およびレーザパルス強度の変動のうちの一方または両方を提供するように構成することができるレーザファイバを含むことができる砕石術システムまたは他の医療用治療システムなどのレーザ療法システムについて説明する。レーザファイバの遠位端は、剛性もしくは可撓性の内視鏡または他の細長い医療機器の作業内腔または他の長手方向通路の中心または他の基準長手方向軸などに対するレーザファイバの横方向位置を変動させるように、走査または他の方法で作動させることができる。このようにして、内視鏡を動かしたり位置を変えたりする必要なく、様々な横方向位置の1つ以上において、レーザファイバの位置を変えることができる。そのような異なる横方向位置において、レーザパルスを放出することができる。そのようなレーザパルスの強度もまた、異なる横方向位置において異なる強度のレーザパルスの放出を可能にするように制御することができる。レーザファイバの横方向の位置決めもしくは位置変え、レーザパルス強度の変動、またはこれらの両方は、腎臓石もしくは他の石または他の標的へレーザエネルギーのシーケンスまたはパターンを送達することなどに有用となり得る。パターンは、石が破壊される方法など、標的が治療される方法の改善または最適化を助けるように選択することができる。これにより、腎臓石もしくは他の石または他の標的が破壊された結果として生じる断片のサイズまたは移動の低減を助けることができる。これにより、医師によるあらゆる断片回収の必要または複雑さの低減または回避を助けることができる。
【0007】
例1は、内視鏡の横方向の位置を変える必要なく、異なる横方向位置から内視鏡を介してレーザエネルギーを送達することを可能にするレーザ療法システムである。レーザ療法システムは、内視鏡の長手方向通路を介して患者に挿入されるように構成された遠位部分を含むレーザファイバを備え、レーザファイバの遠位部分は、内視鏡の長手方向通路内で横方向に変位された複数の利用可能な位置のうちの選択された位置において、長手方向通路内で長手方向通路に対して調整可能に少なくとも横方向に位置決めされるように作動可能である。
【0008】
例2では、例1の主題は、任意選択で、レーザファイバの遠位部分が屈曲部を含むことを含む。
【0009】
例3では、例2の主題は、任意選択で、レーザファイバの遠位部分が長手方向通路の周りを回転可能であることを含む。
【0010】
例4では、例1~3のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、レーザファイバが、レーザファイバを介して第1および第2のレーザパルスを提供するように、コントローラ回路によって制御されるレーザ源に結合されるように構成され、第2のレーザパルスが、第1のレーザパルスより高いエネルギーを含み、内視鏡の横方向の位置を変える必要なく、第1のレーザパルスが送出されるときより、第2のパルスが横方向に標的の中心の近くに送出されることを含む。
【0011】
例5では、例1~4のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、コントローラ回路によって提供される制御信号に従って指定のパターンで、レーザファイバの遠位部分の横方向変位を作動させるように構成された少なくとも1つのアクチュエータを含む。
【0012】
例6では、例5の主題は、任意選択で、レーザファイバの遠位部分が、少なくとも1つのアクチュエータに対して長手方向に並進可能になるようにさらに作動可能であることを含む。
【0013】
例7では、例5~6のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、少なくとも1つのアクチュエータが、レーザファイバの遠位部分の横方向変位を作動させるように構成された第1のアクチュエータと、レーザファイバの長手方向並進を作動させるように構成された異なる第2のアクチュエータとを備えることを含む。
【0014】
例8では、例5~7のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、コントローラ回路が、標的の電磁放射に応答してフィードバック信号を使用して、少なくとも1つのアクチュエータを作動させるための制御信号を生成するように構成されることを含む。
【0015】
例9では、例8の主題は、任意選択で、フィードバック信号が、撮像データまたは分光データを含むことを含む。
【0016】
例10では、例8~9のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、コントローラ回路が、レーザファイバの遠位端と標的との間の距離に関する情報を使用して、少なくとも1つのアクチュエータを作動させるための制御信号を生成するように構成されることを含む。
【0017】
例11では、例1~10のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、レーザファイバの遠位部分が、コントローラ回路によって提供される制御信号に従って作動させられたとき、長手方向通路内で長手方向通路に対して横方向に変位されるように、電磁、静電、または圧電のうちの少なくとも1つで作動可能であることを含む。
【0018】
例12では、例1~11のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、レーザファイバが、内視鏡の横方向の位置を変える必要なく、標的の周辺部に向かってより低いエネルギーレーザパルスの横方向パターンを提供し、標的の中心に向かって少なくとも1つのより高いエネルギーレーザパルスを提供するように、コントローラ回路によって制御されるレーザ源に結合されることを含む。
【0019】
例13では、例12の主題は、任意選択で、横方向パターンが、螺旋パターン、蛇行パターン、星形パターン、またはジグザグパターンのうちの少なくとも1つを含むことを含む。
【0020】
例14では、例1~13のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、レーザファイバの遠位部分が、内視鏡の長手方向通路内で横方向に変位された複数の利用可能な位置のうちの選択された位置において、長手方向通路内で長手方向通路の中心長手方向軸に対して調整可能に少なくとも横方向に位置決めされるように作動可能であることを含む。
【0021】
例15では、例1~14のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、レーザファイバの遠位部分が、内視鏡の長手方向通路内で横方向に変位された複数の利用可能な位置のうちの選択された位置において、長手方向通路内でレーザファイバの中心長手方向軸に対して調整可能に少なくとも横方向に位置決めされるように作動可能であることを含む。
【0022】
例16では、例5~10のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、少なくとも1つのアクチュエータが、内視鏡を横方向に静止した状態で維持しながら、内視鏡の長手方向通路内で横方向に変位された複数の利用可能な位置のうちの選択された位置において、長手方向通路内で長手方向通路に対して調整可能に少なくとも横方向に位置決めされるように、レーザファイバの遠位部分を作動させるように構成されることを含む。
【0023】
例17では、例16の主題は、任意選択で、少なくとも1つのアクチュエータが、レーザファイバの遠位部分に位置することを含む。
【0024】
例18では、例16~17のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、少なくとも1つのアクチュエータが、レーザファイバの近位部分に位置することを含む。
【0025】
例19は、内視鏡を動かす必要なく、標的領域に対してレーザビームの少なくとも横方向の向きを変えることを可能にするための内視鏡を介したレーザ療法の方法である。この方法は、内視鏡の長手方向通路を通って延びるように構成されたレーザファイバを提供することと、内視鏡の長手方向通路内で横方向に変位された複数の利用可能な位置のうちの選択された位置において、少なくとも横方向に内視鏡の長手方向通路内でレーザファイバの遠位部分の位置決めを作動させるように、制御信号を送出または受信することとを含む。
【0026】
例20では、例19の主題は、任意選択で、レーザファイバが、レーザファイバを介して第1および第2のレーザパルスを提供するように、コントローラによって作動させられ、第2のレーザパルスが、第1のレーザパルスより高いエネルギーを含むことを含む。
【0027】
例21では、例20の主題は、任意選択で、第2のレーザパルスが、内視鏡の横方向の位置を変える必要なく、第1のレーザパルスが送出されるときより、レーザファイバの遠位部分が標的領域の中心に比較的近いときに送出されることを含む。
【0028】
例22では、例20~21のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、第2のレーザパルスが、第1のレーザパルスが送出されてから指定の時間間隔後に送出され、第1のレーザパルスが、第1のレーザパルスエネルギーを標的領域へ一貫して印加するように、繰返し送出されることを含む。
【0029】
例23では、例22の主題は、任意選択で、第1のレーザパルスが、パターン境界に沿って標的領域の横方向周辺部に向けて繰返し送出され、第2のレーザパルスが、横方向に標的領域の中心のより近くに印加されることを含む。
【0030】
例24では、例19~23のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、レーザファイバの遠位部分が、コントローラによって提供される制御信号に従って螺旋パターンで横方向に変位されることを含む。
【0031】
例25では、例19~23のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、レーザファイバの遠位部分が、コントローラによって提供される制御信号に従って蛇行パターンで横方向に変位されることを含む。
【0032】
例26では、例19~23のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、レーザファイバの遠位部分が、コントローラによって提供される制御信号に従ってジグザグパターンで横方向に変位されることを含む。
【0033】
例27では、例19~23のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、レーザファイバの遠位部分が、コントローラによって提供される制御信号に従って星形パターンで横方向に変位されることを含む。
【0034】
例28では、例19~27のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、標的領域の少なくとも一部分の形態または組成のうちの少なくとも1つに関する情報を使用して、異なる標的横方向位置を含む標的パターンを選択または制御することを含む。
【0035】
例29では、例19~28のいずれか1つ以上の主題は、任意選択で、標的領域の中心のより近くに1つ以上のレーザパルスを送出する前に、標的領域の横方向周辺部に向かって1つ以上のレーザパルスを送出するように、指定のパターンで横方向に変位されるようにレーザファイバの遠位部分を作動させるように、制御信号を送出または受信することを含む。
【0036】
例30は、内視鏡を動かす必要なく、標的の方へレーザビームの少なくとも横方向の向きを変えることを可能にするための内視鏡を介したレーザ療法のためのレーザ療法システムであり、システムは、内視鏡の長手方向通路を通って延びるように構成されたレーザファイバと、内視鏡の長手方向通路内で横方向に変位された複数の利用可能な位置のうちの選択された位置において、レーザファイバの遠位部分を少なくとも横方向に位置決めするように、制御信号を送出または受信する手段とを備える。
【0037】
例31では、例30の主題は、任意選択で、レーザファイバが、レーザファイバを介して第1および第2のレーザパルスを提供するように、コントローラ回路によって制御されるレーザ源に結合され、第2のレーザパルスが、第1のレーザパルスより高いエネルギーを含み、内視鏡の横方向の位置を変える必要なく、第1のレーザパルスが送出されるときより、第2のパルスが横方向に標的の中心の近くに送出されることを含む。
【0038】
この概要は、本出願の教示のいくつかの概説であり、本主題の排他的または網羅的な取扱いであることを意図したものではない。本主題に関するさらなる詳細は、詳細な説明および添付の特許請求の範囲に見られる。本開示の他の態様は、以下の詳細な説明を読んで理解し、その一部を形成する図面を見ることによって、当業者には明らかであり、詳細な説明および図面は各々、限定的に解釈されるべきではない。本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその法的均等物によって定義される。
【0039】
図面では、必ずしも原寸に比例して描かれておらず、異なる図において、同様の番号は類似の構成要素を説明することができる。異なる文字の添え字を有する同様の番号は、類似している異なる事例を表すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1A】内視鏡システムの部分の側面断面図である。
図1B】横方向アクチュエータおよびレーザファイバの端面図である。
図1C】スタビライザを含む横方向アクチュエータおよびレーザファイバの端面図である。
図1D】内視鏡システムの部分の側面断面図である。
図1E】内視鏡システムの部分の側面断面図の様々な例を示す図である。
図1F】内視鏡システムの部分の側面断面図の様々な例を示す図である。
図1G】内視鏡システムの部分の側面断面図の様々な例を示す図である。
図1H】標的から反射されたフィードバック信号を使用して内視鏡の遠位端に対するレーザファイバの位置を制御および調整するシステムの例を示す図である。
図1I】標的から反射されたフィードバック信号を使用して内視鏡の遠位端に対するレーザファイバの位置を制御および調整するシステムの例を示す図である。
図2】内視鏡システムの部分の側面断面図である。
図3】異なるレーザエネルギーの使用のグラフである。
図4A】たとえば内視鏡を動かす必要なく横方向に作動させることができるレーザビームの変動する空間的または空間時間的な軌跡の様々な例を示す図である。
図4B】たとえば内視鏡を動かす必要なく横方向に作動させることができるレーザビームの変動する空間的または空間時間的な軌跡の様々な例を示す図である。
図4C】たとえば内視鏡を動かす必要なく横方向に作動させることができるレーザビームの変動する空間的または空間時間的な軌跡の様々な例を示す図である。
図4D】たとえば内視鏡を動かす必要なく横方向に作動させることができるレーザビームの変動する空間的または空間時間的な軌跡の様々な例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本明細書は、砕石術または他のレーザ手術もしくは治療中に石の断片化を制御するという問題に対処するのを助けることができる手法の例について説明しており、この手法は、たとえば内視鏡または他の機器を動かす、または位置を変えることなどの必要なく、内視鏡または他の機器のワーキングチャネルまたは他の長手方向通路の任意の基準長手方向軸などに対して、横方向に位置を決めまたは位置を変えるように作動させることができるレーザファイバを使用することを含むことができる。これにより、複数のパルスまたは複数のパルスのパターンによって、まず異なる標的場所、強度、または両方などで標的石に亀裂を入れまたは他の方法で標的石を準備し、次いで後に送達されるレーザパルスによって所望の場所および強度で石を断片化することを可能にすることができる。これにより、石が体から自然に出るのに十分に小さい破片に砕け、それによって断片除去のための医師による介入の必要を低減、最小化、または回避することを可能にするのを助けることができる。
【0042】
図1Aは、内視鏡レーザ砕石術システム100などの内視鏡または類似の医療用治療システムの部分の一例を示す。図1Aの例では、砕石術システム100は、少なくとも1つのレーザ源130を含むことができ、または少なくとも1つのレーザ源130に結合することができる。レーザ源130は、レーザファイバ140に機械的および光学的に接続することができ、レーザファイバ140は、単一の光ファイバまたは光ファイバの束を含むことができる。レーザファイバ140は、近位アクセスポート142を介して導入されて、内視鏡110または類似の機器のワーキングチャネルもしくは他の長手方向通路145または内腔内に延びることができる。内視鏡110は、近位ハンドル部分112および細長い遠位部分113を含むことができ、遠位部分113は、開口部または切開部などを介して患者に挿入されるように構成することができる。内視鏡110は、軟(たとえば、非石灰化)組織または硬(たとえば、石灰化)組織の視覚検査または治療を提供し、ならびに腎臓石もしくは他の石または他の標的を視覚化もしくは破壊または他の方法で治療するのに有用となり得る。
【0043】
図1Aで、レーザ源130は、1つ以上のレーザ源を含むことができ、1つ以上のレーザ源は、たとえばダイオードもしくはダイオード励起ツリウムファイバレーザ、ホルミウムレーザ、緑色光レーザ、YAGレーザ、または他のタイプのレーザを含むことができる。レーザ源130は、可変エネルギー強度のレーザ出力を提供するように構成することができる。たとえば、「照準」ビームの提供または軟(たとえば、非石灰化)組織の治療などのためには、より低いエネルギー強度を使用することができ、硬(たとえば、石灰化)組織または石などのための「治療」ビームを提供するためには、1つ以上のより高いエネルギー強度を使用することができる。所望の治療パルスエネルギー強度を指定のレベルに確立、調整、または調節することなどのために、たとえばパルスごとに、または標的場所に依存して、複数のより高いエネルギー強度の治療ビームレベルを提供することができる。
【0044】
図1Aで、内視鏡110は、視覚化および照射光学系を含むことができ、またはそれらを提供することができ、そのような光学系は、たとえば視覚化光路160および照射光路150を含むことができ、視覚化光路160および照射光路150の各々は、内視鏡110の近位ハンドル部分112から内視鏡110の遠位端部などへ、内視鏡110の細長い本体113に沿って長手方向に延びることができる。内視鏡110の近位ハンドル部分112またはその近くなどの視覚化光路160に、接眼レンズまたはカメラまたは撮像ディスプレイ115を提供または結合することができ、そのような接眼レンズまたはカメラまたは撮像ディスプレイ115は、たとえば内視鏡110の遠位端またはその近くで標的領域117のユーザまたは機械による視覚化を可能にすることができる。そのような標的領域117は、光170によって照射することができ、光170は、たとえば照射光路150の近位端で照射光源118によって提供することができ、照射光路150の遠位端から放出することができ、またはたとえば、電力を提供するように長手方向に延びる電気導体などによって、内視鏡の遠位端もしくはその近くに位置することができるLEDもしくは他の照射源から放出することができる。
【0045】
図1Aで、内視鏡110は、長さを有する細長い遠位本体部分113を含むことができる。内視鏡110は、その長さに沿って延びるワーキングチャネルもしくは長手方向通路145または他の内腔を含むことができる。内視鏡110は、剛性(たとえば、組織を有する領域に挿入されるとき、長い管状の解剖学的組織への挿入に十分な円柱強度を有する剛性の内視鏡であるときなどは剛性)、または可撓性(たとえば、尿管または胆管区域などの曲がりくねった解剖学的領域の輪郭をたどるときなどは可撓性)を有することができる。ワーキングチャネルもしくは長手方向通路145または他の内腔は、ワーキングチャネルもしくは長手方向通路145または他の内腔を通って延びる中心長手方向軸などの基準長手方向軸を画定することができ、その軸は、内視鏡110の遠位部分113がまっすぐであるときはまっすぐであり、内視鏡110の遠位部分113が屈曲しているとき(たとえば、内視鏡が可撓性を有する実装)は屈曲している。内視鏡110の遠位部分113では、中心長手方向軸は、ワーキングチャネルもしくは長手方向通路145または他の内腔を通って長手方向に延びるように画定することができる。
【0046】
本手法は、長手方向通路145に対して、たとえばレーザファイバ140が延びる内視鏡110のワーキングチャネルもしくは長手方向通路145または他の内腔の中心長手方向軸などの基準長手方向軸に対して、少なくとも横方向にレーザファイバ140の遠位部分の位置を決めまたは位置を変える能力を提供することを含むことができる。これにより、ユーザが、標的石を視野に入れ、レーザファイバ140の標的とした状態で、視覚化光路160を介して標的領域を観察し、長手方向通路145内の内視鏡110の遠位部分を位置決めすることを可能にすることができる。次いで、レーザファイバ140が延びる内視鏡110のワーキングチャネルもしくは長手方向通路145または他の内腔内の横方向に異なる場所において、レーザファイバ140の遠位部分の位置を決めまたは位置を変えることなどによって、石の異なる横方向場所を標的とすることができる。たとえば、これにより、内視鏡110の遠位部分113の長手方向通路145の中心長手方向軸に直交して延びるものとして画定することができるXY平面上の格子などの所望の位置において、レーザファイバ140の遠位部分を選択的に位置決めすることを可能にすることができる。
【0047】
たとえば内視鏡110の遠位部分113の長手方向通路145内で長手方向通路145に対して、レーザファイバ140の遠位部分の横方向の位置決めまたは位置変えを作動させるために、アクチュエータ185を含むことができ、アクチュエータ185は、たとえば内視鏡の遠位端またはその近くに位置することができる。これにより、内視鏡110を曲げたりまたは横方向に動かしたりする必要なく、レーザファイバ140の標的の走査または他の横方向の調整を可能にすることができる。コントローラ回路120は、レーザファイバ140の横方向位置を確立するようにアクチュエータ185を遠隔で制御するために、電気通信バス127などを介して、アクチュエータ185と電気通信することができる。電気通信バス127は、アクチュエータ185と接続するように、またはアクチュエータ185への電気コンタクトと接続するように、レーザファイバ140に沿って延びる電気接続、または内視鏡110の本体の遠位部分113内に延びる電気接続を含むことができる。
【0048】
アクチュエータ185は、内視鏡110の横方向の位置を変える必要なく、異なる横方向位置から内視鏡110を介してレーザエネルギーを送達することを可能にするために、内視鏡110の遠位部分113の長手方向通路145内でレーザファイバ140の遠位部分の位置を決めまたは位置を変えるように制御することができる。本明細書では、レーザファイバ140の遠位部分のそのような位置決めまたは位置変えについて、例示および説明の概念を明確にするために、中心長手方向軸または他の基準長手方向軸などの長手方向の基準軸に関して説明する。しかし、アクチュエータ185によるレーザファイバ140の遠位部分のそのような横方向の位置決めまたは位置変えは、長手方向通路145自体の内径(ID)などの横方向内寸を含む、別の好適な固定の基準場所に対して行うこともできる。
【0049】
アクチュエータ185は、複数の利用可能な横方向位置のうちの選択された横方向位置にレーザファイバ140の遠位部分を配置するように、レーザファイバ140の遠位部分の位置決めまたは動きを作動させるように動作することができる。レーザファイバ140の遠位部分の動きは、内視鏡110またはレーザ源130を動かす必要なく作動および案内することができる。ユーザが静止した視覚化経路160を介して内視鏡110の所与の位置または場所において標的領域117の視覚化を維持することを可能にすることによって、レーザファイバ140の遠位部分によって(レーザファイバ140の遠位部分を長手方向通路145内で長手方向通路145に対して横方向に動かすことなどによって)、ユーザが位置を決めることおよび標的を決めることを容易にするとともに、精密に標的を決めること、標的を変えること、または両方を実現することができる。
【0050】
アクチュエータ185は、長手方向通路145内または内視鏡110に対するレーザファイバ140の遠位部分の横方向の位置決めを作動させるように、レーザファイバ140および内視鏡110の一方または両方に接続または他の方法で動作可能に結合することができる。たとえば、アクチュエータ185は、内視鏡110のワーキングチャネルもしくは他の長手方向通路145、または内視鏡110が基準枠として働くことができる別の基準場所に対して、レーザファイバ140の横方向の位置決めを作動または他の方法で可能にするために、電磁要素、静電要素、圧電要素、または他の作動要素のうちの1つ以上を含むことができる。
【0051】
たとえば、図1Bは、アクチュエータ185の一部分の一例の端面図を示し、アクチュエータ185は、たとえば長手方向通路145内に位置することができ、たとえば円形の周辺内径を有することができる。図1Bに示すように、アクチュエータ185は、少なくとも1つの永久磁石または電磁石190を含むことができ、少なくとも1つの永久磁石または電磁石190は、たとえばレーザファイバ140の遠位部分に取り付けることができる。1つ以上の永久磁石または電磁石190は、アクチュエータ185によって生成される磁場または電磁場の影響を受けることができる。そのような磁場または電磁場は、横方向に変位された複数の場所(図1Bに点状のX-Y格子によって概念的に示す)のうちの1つにおいて、レーザファイバ140の遠位部分の横方向の位置決めまたは位置変えを作動させるように生成することができる。そのような磁場または電磁場は、少なくとも1つの永久磁石または電磁石191を介して生成することができ、少なくとも1つの永久磁石または電磁石191は、たとえば長手方向通路145内または内視鏡110の本体内で長手方向通路145の周辺内径またはその近くなど、長手方向通路145に対して所望の場所に取り付けることができる。そのような磁場または電磁場の影響を使用して、内視鏡110の長手方向通路145などの内視鏡110の固定の基準枠に対して、レーザファイバ140の遠位部分を指定の横方向位置へ横方向に動かすことができる。
【0052】
図1Cは、アクチュエータ185の一部分の一例を示し、任意選択で、横方向の動きまたは位置決めのそのような電磁作動を、機械的スタビライザまたは位置決めステージ192と組み合わせて、それによって支援することができ、機械的スタビライザまたは位置決めステージ192は、たとえば溝または凹部を含むことができ、そのような溝または凹部は、たとえば明確に画定された複数の安定した横方向の場所を提供するのを助けることができ、レーザファイバ140は、アクチュエータ185によって電磁的に位置を決めまたは位置を変えられていないとき、それらの場所に「静止」することができる。たとえば、明確に画定された指定の距離だけ分離されている半円形の円板状のスタビライザステージ192内の一連の線形の溝が、一連の利用可能な横方向位置を画定することができ、それらの横方向位置にレーザファイバ140(または2次係合機構)を機械的に安定させることができ、それらの横方向位置から、サブ標的レーザパルスを標的物体に向かって放出することができる。そのような線形の並進は、永久磁石または電磁石191A-Bの線形作動による永久磁石または電磁石190(レーザファイバ140に取り付けられる)に対する影響を制御することによって作動させることができ、永久磁石または電磁石191A-Bは、たとえばステージ192において、利用可能な横方向位置の線形の配置の端部に向かって位置することができる。長手方向通路145の周辺部の周りに分散するように取り付けることができる1つ以上の永久磁石または電磁石194によるステージ192に取り付けられた1つ以上の永久磁石または電磁石193に対する影響を制御することによって、機械的スタビライザステージ192を回転方向に作動させることで、内視鏡110の横方向の位置を変える必要なく、回転平面の横方向の位置決めをさらに提供することができ、極座標におけるレーザファイバ140によるサブ標的を可能にすることができる。明確に画定された指定の距離だけ分離されたスタビライザ内の溝のX-Y配置は、デカルト座標における平面の横方向の位置決めおよびサブ標的のために利用可能な横方向位置の平面行列も同様に画定することができる。2次係合機構または機械的スタビライザもしくは位置決めステージ192の実例は、とりわけ爪またはラックアンドピニオン配置を含むことができる。
【0053】
アクチュエータ185は、追加または別法として、レーザファイバ140の遠位部分と内視鏡110によって提供される固定の基準枠との間で引力もしくは反発静電力または両方を使用して、そのような固定の基準枠に対するレーザファイバ140の遠位部分の横方向の位置を決めまたは位置を変えることができる。任意選択で、本明細書に記載するように、横方向の動きのそのような静電作動を、機械的スタビライザまたは位置決めステージ192と組み合わせて、それによって支援することができる。
【0054】
アクチュエータ185は、追加または別法として、圧電または強誘電性材料を使用して、レーザファイバ140の遠位部分と内視鏡110によって提供される固定の基準枠との間に力を与えて、そのような固定の基準枠に対するレーザファイバ140の遠位部分の横方向の位置を決めまたは位置を変えることができる。任意選択で、本明細書に記載するように、横方向の動きのそのような圧電または強誘電作動を、機械的スタビライザまたは位置決めステージ192と組み合わせて、それによって支援することができる。機械的スタビライザまたは位置決めステージ192は、任意選択で、腎臓石もしくは他の石または他の標的物体へ超音波または他の機械的衝撃エネルギーを送達するために内視鏡110に含みまたは導入することができる機械的砕石術デバイスの一部とすることができる。これにより、ユーザが標的物体の低減または除去または整形に関する特定のタスクまたは目標を実現するためのさらなる柔軟性を提供することができる追加の砕石療法を提供することができる。
【0055】
概して、レーザファイバ140の遠位部分と内視鏡110によって提供される固定の基準枠との間に力を与えることが可能な任意のアクチュエータ185が、単独で、または任意選択で機械的スタビライザもしくは位置決めステージと組み合わせて企図される。制御回路120などを介して遠隔で制御されるようにアクチュエータ185を構成することによって、レーザファイバ140の遠位部分のそのような横方向の位置決めまたは位置変えにより、そのような内視鏡110または他の機器の位置を変える必要なく、内視鏡110または他の機器の遠位端近くに位置する標的物体上の複数の場所のサブ標的を可能にすることができる。これは、ユーザにとって有用であり、ユーザは、1つ以上の個々のレーザパルスのエネルギーレベルを調節することを含めて、標的物体の様々な所望の場所において所望の空間時間的な一連のレーザパルスまたはレーザパルスシーケンスを送達するためにそのようなサブ標的を使用しながら、標的物体を視野内で維持することができる。これにより、ユーザが、所望の空間的または空間時間的シーケンスで所望のエネルギーを所望の場所へ送達することを可能にすることができ、それにより、標的物体が最終的にどれだけ断片化されるかを判定するのを助けることができる。そうすることによって、1つ以上の所望の断片化特性を促進または取得することができる。これにより、断片化後のタスクまたは合併症を軽減することができる。
【0056】
アクチュエータ185は、入力電圧または他の制御信号に従った角度または方向にレーザファイバ140の前縁を向けるように、スキャナとして動作させることができる。アクチュエータ185は、(内視鏡110を動かす必要なく)指定の空間的または空間時間的パターンに沿ってレーザビームパルスを放出するようにレーザファイバ140の前縁141を向けるように制御することができ、たとえば空間的または空間時間的パターン内のそのようなサブ標的場所のうちの1つ以上において、たとえばパルスごとにレーザパルスエネルギー強度を調整する能力を含むことができる。一例では、そのような利用可能なサブ標的場所間の距離は、レーザファイバ140の直径以上とすることができる。別の例では、そのようなサブ標的場所間の距離は、レーザファイバ140の直径より小さくすることができ、たとえば複数の利用可能なサブ標的場所の中で隣接するサブ標的場所から送達されるパルスの重複を可能にすることができる。
【0057】
レーザ源130は、レーザファイバ140を介して標的物体に向かって、変動するレーザ出力を提供するように構成することができ、そのようなレーザ出力は、たとえば、標的のための低いエネルギーの連続波レーザ出力、または調整可能に可変のより高いエネルギーでのパルスレーザ出力を含むことができる。一例では、レーザ源130を使用した内視鏡110の最初の位置および標的は、単独で、または他の情報とともに使用することができる。たとえば、そのような他の情報は、標的石または物体の1つ以上のサブ標的場所の空間的または空間時間的パターンの1つ以上の特性を確立するために、ユーザインターフェースを介してユーザによって提供することができる。たとえば、レーザ源130によって提供される標的または照準レーザビームを使用することによって、ユーザは、標的石または物体の中心を選択することができる。そのような標的位置情報は、制御回路120によって記録することができ、標的石または物体の1つ以上のサブ標的場所の適当な空間的または空間時間的パターンを開始するために使用することができ、これはたとえば、少なくとも部分的に、標的石または物体の中心へのユーザによる最初の標的に基づくことができる。同様に、ユーザは、レーザ源130によって提供される標的レーザビームを使用して、標的中心および標的石または物体の周辺部の1つ以上の場所を選択することができ、制御回路120は、そのような情報を記録し、そのような情報を使用して、標的石または物体の1つ以上のサブ標的場所の適当な空間的または空間時間的パターンを確立することができ、これはたとえば、少なくとも部分的に、標的石または物体の中心および周辺部へのそのようなユーザによる最初の標的に基づくことができる。1つ以上のユーザインターフェースデバイスまたはセンサなどを介して、他のユーザ入力情報または手術前もしくは手術間の撮像情報を制御回路120へ提供することができ、たとえば標的石もしくは物体またはその環境の1つ以上の特性に関する情報を提供することができる。そのような情報は、そのような単次元または多次元の情報に基づいてサブ標的の適当な空間的または空間時間的パターンを選択するために、制御回路120によって使用することができる。そのような選択は、本質的にアルゴリズムによることができ、たとえば、加重もしくは混合情報を含むことができ、または機械学習もしくは人工知能技法を使用して、1つ以上の類似の特性を明らかにする他の標的石もしくは物体もしくは標的環境を含む訓練データに基づいて、サブ標的の適当な空間的もしくは空間時間的パターンを選択することができる。
【0058】
図1Dは、システム100が光ファイバ140を含むことができる一例を示し、光ファイバ140は、たとえば内視鏡110の中心または他の長手方向軸から斜めに向けることができる弓状部分または他の軸外屈曲部143もしくは湾曲部を含むことができる遠位部分を含むことができる。屈曲部143は、レーザファイバ140が延びる内視鏡110のワーキングチャネルもしくは他の長手方向通路145または他の内腔の内径(ID)によって画定される範囲内、またはさらにはその外側において、1つ以上の場所をサブ標的とするために、単独で、またはアクチュエータ185によって提供される横方向の位置決めとともに使用することができる。追加または別法として、アクチュエータ185は、任意選択で、サブ標的のためにレーザファイバ140の屈曲遠位部分を回転させるための回転作動能力を含むことができる。アクチュエータ185は、完全に内視鏡110の遠位部分に位置する必要はない。代わりに、アクチュエータ185の一部分は、レーザファイバ140の屈曲したまたはまっすぐな遠位部分の所望の向きを取得するように、レーザファイバ140を回転または振動させるために、近位ハンドル112に位置することができる。追加または別法として、アクチュエータ185は、任意選択で、本明細書に説明するように、電磁、静電、圧電などによって、サブ標的のためのレーザファイバ140の遠位部分の屈曲を調整するために、屈曲作動能力を含むことができる。追加または別法として、そのような回転作動、屈曲作動、または横方向作動のうちの1つ以上によって、サブ標的場所、サブ標的周辺境界、または両方を制御することができる。そのような様々な作動は、本明細書に説明するように、レーザ標的(たとえば、連続する波)またはレーザ治療(たとえば、パルス)中に有用であり、内視鏡110またはレーザ源130を動かす必要はない。
【0059】
図1Eから図1Gは、レーザファイバ140を内視鏡110の遠位端に対して様々な位置へ長手方向に軸方向に並進させることができるシステム100の一例を示す。図1Eおよび図1Fに示すように、レーザファイバ140のそのような軸方向並進は、アクチュエータ185に対する長手方向の軸方向並進(たとえば、摺動)を含むことができる。これにより、アクチュエータ185が内視鏡110内に留まることを可能にし、レーザファイバ140の横方向の位置決めまたは位置変えを提供しながら、それでもなお軸方向にレーザファイバ140の位置を変える自由を可能にすることができ、これはたとえば、内視鏡110のワーキングチャネルまたは他の内腔の遠位端から外方へ突出することを含むことができ、またはたとえば、内視鏡110のワーキングチャネルもしくは他の長手方向通路145もしくは内腔と同一平面になるように、もしくは内視鏡110のワーキングチャネルもしくは他の長手方向通路145もしくは内腔内でわずかに引き込まれるように、後退させることを含むことができる。レーザファイバ140の遠位面141の軸方向並進位置にかかわらず、レーザファイバ140はそれでもなお、内視鏡110の長手方向通路145または他の固定の基準枠に対して横方向に調整可能に位置決めすることができる。レーザファイバ140の遠位部分の横方向の位置決めは、複数の利用可能な横方向位置(たとえば、図1Bの点状の格子によって示すものなど)から選択することができる。レーザファイバ140の横方向の動きは、内視鏡110またはレーザ源130を動かすことなく案内することができる。図1Eは、内視鏡110から体内へ延びるように、たとえば所望の治療部位へのレーザファイバ140の位置決めを実現するように、レーザファイバ140の遠位面141を長手方向に並進および位置決めすることができる一例である。
【0060】
いくつかの例では、レーザファイバ140の異なる運動をそれぞれ作動および制御するために、2つ以上のアクチュエータを使用することができる。図1Gは、内視鏡内に2つの別個のアクチュエータを備えるシステム100の一例を示す。図1Gに示す例では、第1のアクチュエータ185Aが、レーザファイバ140の長手方向の軸方向並進を制御することができ、異なる第2のアクチュエータ185Bが、レーザファイバ140の横方向の位置決めを制御することができる。
【0061】
図1Hおよび図1Iは、標的から反射されたフィードバック信号を使用して、内視鏡110の遠位端に対するレーザファイバ140の位置を制御および調整するシステム100の例を示す。フィードバック信号は、標的(たとえば、光170)の電磁放射に応答して生じさせることができる。図1Hで、標的は、光路160を通した内視鏡カメラまたは撮像デバイス125の視野内に位置する。標的の電磁放射に応答して、標的から反射された信号を、内視鏡カメラまたは撮像デバイス125によって収集することができる。標的の撮像データは、光路160を通ってフィードバックアナライザ182へ伝送することができる。フィードバックアナライザ182は、撮像データから1つ以上の分光特性を生成するように構成された分光計を含むことができる。コントローラ回路120は、1つ以上の分光特性を使用して、レーザ源130のレーザ設定を調整することができる。フィードバックアナライザ182は、レーザファイバ140の遠位端と標的との間の距離をさらに計算することができる。コントローラ回路120は、レーザファイバ140の遠位端と標的との間の計算された距離に基づいて、ファイバ遠位端の位置を調整するように、アクチュエータ185を制御することができる。たとえば、計算された距離が所望のレーザ発射範囲(指定のマージン内)を超過する場合、コントローラ回路120は、ファイバ遠位端が標的に対してレーザ発射範囲内に到達するまで、レーザファイバ140を標的に向かって摺動させるようにアクチュエータ185を制御するための制御信号を生成することができる。いくつかの例では、フィードバックアナライザ182からの標的の分光情報は、アクチュエータ185を介したレーザファイバ140の動きおよび位置を判定するために、コントローラ回路120によって使用することができる。
【0062】
光路160から撮像信号を伝送することに加えて、またはその代わりに、いくつかの例では、標的から反射された信号は、別個の光路を通って収集および伝送することができる。図1Iで、レーザファイバ140を使用して、レーザビームを標的へ送達し、標的の分光データを再びフィードバックアナライザ182へ伝送することができる。光スプリッタ183が、反射されたフィードバック信号をフィードバックアナライザ182へ向けることができる。フィードバックアナライザ182は、1つ以上の分光特性を分光信号から生成することができ、コントローラ回路120は、1つ以上の分光特性を使用して、レーザ源130のレーザ設定を調整することができる。図1Hを参照した上記の議論と同様に、フィードバックアナライザ182は、レーザファイバ140の遠位端と標的との間の距離をさらに計算することができる。コントローラ回路120は、計算された距離に基づいて、任意選択でフィードバックアナライザ182からの標的の分光情報とともに、ファイバ遠位端の位置を調整するように、アクチュエータ185を制御することができる。
【0063】
図2は、システム100に類似したシステム200の部分の一例を示し、レーザ源130は、2つのレーザ源の組合せを含むことができ、たとえば治療レーザビーム(たとえば、パルス化されたより高いエネルギー)を提供することができる治療レーザ源210と、照準ビーム(たとえば、連続波のより低いエネルギー)を提供することができる照準レーザ源220とを含むことができる。治療ビーム210は、調整可能または可変エネルギーのレーザパルスを含むことができる。たとえば、より低いエネルギーパルスを使用して、所望または指定の空間的または空間時間的パターンなどに従って、まず石または他の標的の標的表面に亀裂を形成することができる。次いで、1つ以上のより高いエネルギーパルスを使用して、石または他の標的を断片化することができ、たとえば前に確立された亀裂に沿って断片化する傾向をもつように付勢することができる。そうすることによって、結果として生じる断片の形態をより良好に制御することができる。
【0064】
一例では、治療ビームは、調整可能または可変エネルギーのレーザパルスを送達する代わりに、またはそれに加えて、可変のピークパワーで送達することができるレーザエネルギーを含むことができる。たとえば、特定のパルス幅および一定の振幅でレーザエネルギーを送達する代わりに、ある係数だけパルス幅を増大させ、振幅を同じ係数だけ減少させることができ、その結果、同じ量のレーザエネルギーを異なるパワーレベルで送達することができる。レーザパルスのシーケンスにおいて、可変エネルギーおよび可変パワーをともにまたは別個に使用することができ、たとえば所望の空間時間的パターンに従って標的領域へ送達することができる。たとえば、長いパルス幅を有する低いピークパワーは、標的石の熱的劣化の加速を助けるために、標的石内の有機または無機物質を蒸発させるのを助けることができる(たとえば、シュウ酸カルシウム一水和物の結晶の場合、より低い温度でレーザエネルギーを送達することで、エネルギーがより大きい深さまで貫入するのを助けることができる)。より低いピークパワーのレーザエネルギー(たとえば、長いパルス幅を有する)の送達後、所望される場合、標的石内に熱勾配を生じさせるように、レーザエネルギーをより高いピークパワーのより短いパルス幅で送達することができる。
【0065】
図3は、たとえばより低いエネルギーパルス310およびより高いエネルギーのレーザパルス320を含むことができる、異なるパルスエネルギーまたはパワーレベルを有するレーザパルスの空間時間的シーケンスの使用の空間時間的グラフ300を示す。図3で、シーケンスは、グラフのX方向に時間を表すが、石または他の標的上の場所「A」および「B」によって注釈が付けられている。この例では、場所「A」は、石または他の標的の中心またはその近くにあり、場所「B」は、石または他の標的の周辺部またはその近くにある。場所「A」と場所「B」との間に送出されるレーザパルスは、アクチュエータ185を使用することを含むことができるなど、レーザファイバ140が場所「A」から場所「B」へ並進させられているとき、またはレーザファイバ140が場所「B」から場所「A」へ並進させられているときに送出されるパルスを示す。より低いエネルギーパルス310は、標的石を断片化することなく、標的石に亀裂を引き起こすように選択することができる。したがって、図3で、そのようなより低いエネルギーパルス310を送出することができ、場所「A」から始まり、石の中心に向かって、次いで石の周辺部に向かって場所「B」へ進み、次いで石の中心の場所「A」へ戻り、その時点で、標的石の断片化の最初の試行において、より高いエネルギーパルス320を送達することができる。より高いエネルギーパルス320によるそのような断片化が成功しなかった場合、さらなるより低いエネルギーパルス310を送達することができ、石の中心に向かう場所から石の周辺部に向かって場所「B」へ進み、次いで石の中心の場所「A」へ戻り、その時点で、標的石の断片化の第2の試行において、別のより高いエネルギーパルス320を送達することができる。さらなる反復も可能である。石の周辺部に向かう同じまたは異なる場所「B」は、様々な反復に対して使用することができ、異なる反復における異なる場所「B」が、場所「A」からそのような異なる周辺の場所「B」へのそのような経路に沿って、複数の亀裂を生じさせる。近隣組織に対するより高いエネルギーパルス320の影響を最小にすることなどのために、石の中心に向かうときのみ、より高いエネルギーパルス320を使用することが好ましいことがある。図3に示す空間時間的パターンは、上記で説明したように、制御回路120を使用して遠隔制御することなどができるアクチュエータ185などを使用して取得することができる1つのそのようなパターンの実例である。
【0066】
図4A図4Dは、ユーザによって内視鏡110の位置を変える必要なく、制御回路120を使用して遠隔で制御することなどができる、アクチュエータ185を使用して取得することができる空間的または空間時間的パターンの例を示す。本明細書に説明したように、レーザファイバ140のそのような横方向の位置決め作動は、極座標などに従ってサブ標的を提供するために、回転方向の位置決め作動に付随して行うことができる。
【0067】
図4Aで、標的石の周辺部の周辺場所「B」から始めて、より低いエネルギーレーザパルスを送出することができ、そのようなパルスは、中心の場所「A」に向かって螺旋経路410に沿って印加することができ、より低いエネルギーパルスによるその処置後、事前に亀裂を入れたまたは事前に弱くした標的石を断片化するために、中心の場所「A」においてより高いエネルギーパルスを送出することができる。本明細書に説明したように、複数の反復が可能であり、たとえば任意選択で、エネルギーまたはパワーレベルのうちの1つ以上を変動させることもできる。
【0068】
図4Bで、周辺の場所「B」から始めて、より低いエネルギーレーザパルスを送出することができ、蛇行経路420に沿って引き続き送出することができる。最初の経路上で、または蛇行経路の完了後に、標的石の中心の場所「A」またはその近くで、より高いエネルギーレーザパルス「A」を印加することができる。本明細書に説明したように、さらなる反復も可能であり、たとえば同じまたは異なる周辺の場所「B」またはその近くで始めることができ、たとえば任意選択で、エネルギーまたはパワーレベルのうちの1つ以上を変動させることもできる。
【0069】
図4Cで、周辺の場所「B」から始めて、より低いエネルギーレーザパルスを送出することができ、線形セグメントの「星形」経路に沿って引き続き送出することができ、たとえば周辺の場所「B」から周辺の場所「C」、周辺の場所「D」、周辺の場所「E」、周辺の場所「F」、周辺の場所「B」へ進むことができる。次いで、より高いエネルギーレーザパルスを、中心の場所「A」へ向けて送出することができる。
【0070】
図4Dで、周辺の場所「B」から始めて、より低いエネルギーレーザパルスを送出することができ、標的石を横切ってジグザグパターン440に沿って進むことができる。次いで、より高いエネルギーレーザパルスを、中心の場所「A」へ向けて送出することができる。本明細書に説明したように、さらなる反復も可能であり、たとえば同じまたは異なる周辺の場所「B」またはその近くで始めることができ、たとえば任意選択で、エネルギーまたはパワーレベルのうちの1つ以上を変動させることもできる。
【0071】
上記の説明は、内視鏡機器を介した砕石術を伴う使用事例を強調している。しかし、本技法は、他の低侵襲機器(たとえば、腹腔鏡、関節鏡など)を使用して、またはさらには開腹手術中のガイドを使用して適用することもできる。ガイドデバイスを動かす必要のない本レーザサブ標的は、砕石術以外の医療用治療技法、またはレーザ手術もしくはレーザエネルギーの標的送達を伴う他の用途にも使用することができる。標的は、腎臓石、胆管石、胆嚢石、または他の石だけではなく、骨もしくは軟骨または他の硬組織もしくは軟組織も含むことができる。
【0072】
標的が標的石ではなく切除または凝固されるべき組織を含む組織切除の例では、切断もしくは凝固のうちの1つ以上を促進するために、またはこれらの2つまたは他の物体間を均衡もしく他の形で調整するために、所望の空間時間的パターンで、パルス、連続波などの1つ以上のレーザ源から、固定もしくは可変のエネルギー、固定もしくは可変のパワー、または固定もしくは可変の波長レーザエネルギーを提供することを含むことができる。
【0073】
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への参照を含む。図面は、例示を目的として、本発明を実施することができる特有の実施形態を示す。本明細書では、これらの実施形態を「例」とも呼ぶ。そのような例は、図示または記載の要素以外の要素を含むことができる。しかし、本発明者らは、図示または記載の要素のみが提供される例も企図する。さらに、本発明者らは、特定の例(またはその1つ以上の態様)に対して、または本明細書に図示もしくは記載の他の例(またはその1つ以上の態様)に対して、図示または記載の要素の任意の組合せまたは並べ替えを使用する例(またはその1つ以上の態様)も企図する。
【0074】
本明細書と引用して組み入れる何らかの文献との間で使用が一貫しない場合、本明細書の使用が優先する。
【0075】
本明細書では、「a」または「an」という用語は、特許文献でよく見られるように、「少なくとも1つ」または「1つ以上」といういかなる他の事例または使用にも依存することなく、1つまたは1つ以上を含むために使用される。本明細書では、「または(or)」という用語は、非排他的な「or」を指すために使用され、したがって「AまたはB」は、別途指示されない限り、「BではなくA」、「AではなくB」、および「AおよびB」を含む。本明細書では、「含む」および「in which」という用語は、「備える」および「wherein」というそれぞれの用語の平易な英語の均等物として使用される。また、以下の特許請求の範囲では、「含む」および「備える」という用語はオープンエンドであり、すなわち、ある請求項でそのような用語の後に列挙される要素以外の要素を含むシステム、デバイス、物品、組成物、構成、またはプロセスも、その請求項の範囲内に入ると見なされる。さらに、以下の特許請求の範囲では、「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は、ラベルとしてのみ使用され、それらの対象に数値要件を課すことを意図したものではない。
【0076】
上記の説明は、制限ではなく例示を意図したものである。たとえば、上述した例(またはその1つ以上の態様)は、互いに組み合わせて使用することができる。当業者などであれば、上記の説明を検討することで、他の実施形態を使用することもできる。要約書は、読者が技術的開示の本質を迅速に確かめることを可能にするために提供される。要約書は、特許請求の範囲の範囲または意味を解釈または限定するために使用されるものではないことを理解した上で提出される。また、上記の詳細な説明では、本開示を簡素化するために、様々な特徴がグループ化されていることがある。これは、特許請求されていない開示の特徴がいずれかの請求項にとって不可欠であることを意図すると解釈されるべきではない。逆に、本発明の主題は、特定の開示する実施形態のすべての特徴より小さい範囲にあることもある。したがって、以下の特許請求の範囲は、本明細書によって、例または実施形態として詳細な説明に組み込まれており、各請求項は、別個の実施形態として単独で成立しており、そのような実施形態は、様々な組合せまたは並べ替えで互いに組み合わせることができることが企図される。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して、そのような特許請求の範囲が与えられる均等物の完全な範囲とともに決定されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
【手続補正書】
【提出日】2024-05-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡横方向の位置を変える必要なく、前記内視鏡を介して患者内の標的に治療エネルギを提供する医療用システムであって、
前記標的に前記治療エネルギを送るように構成された光ファイバであって、前記内視鏡の長手方向通路を介して患者に挿入されるように動作可能な遠位部分を含む光ファイバと、
前記長手方向通路内のスタビライザステージであって、前記長手方向通路の長手方向軸に直交する横方向において異なる位置に対応する複数の固定要素を含み、前記複数の固定要素がそれぞれ対応する位置において前記光ファイバの前記遠位部分を機械的に安定させて、前記治療エネルギの送達を容易にするスタビライザステージとを含むこと、を特徴とする医療用システム。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用システムであって、前記スタビライザステージの前記複数の固定要素が溝又は凹部を含み、前記溝または凹部は、前記対応する位置に前記光ファイバの前記遠位部分を固定して機械的に安定させるサイズおよび形状を有すること、を特徴とする医療用システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の医療用システムであって、前記複数の固定要素が、前記長手方向通路の前記長手方向軸に直交する前記横方向に沿って線形に配置されること、を特徴とする医療用システム。
【請求項4】
請求項に記載の医療用システムであって、前記複数の固定要素が、前記長手方向通路の前記長手方向軸と直交する平面に2次元配列で配置されること、を特徴とする医療用システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の医療用システムであって、前記複数の固定要素のうちの1つに対する前記光ファイバの前記遠位部分の横方向の変位を作動させるように構成されたアクチュエータをさらに備えること、を特徴とする医療用システム。
【請求項6】
請求項5に記載の医療用システムであって、前記アクチュエータは、前記光ファイバの前記遠位部分の前記横方向の変位を、磁気的または電磁的に作動させるように構成された1つ以上の永久磁石または電磁石を含むこと、を特徴とする医療用システム。
【請求項7】
請求項に記載の医療用システムであって、前記光ファイバの前記遠位部分は、当該遠位部分に取り付けられた1つ以上の永久磁石または電磁石を含み、前記光ファイバの前記1つ以上の永久磁石または電磁石は、前記アクチュエータの前記1つ以上の永久磁石または電磁石によって生成される磁場の影響を受けて、前記光ファイバの前記遠位部分の前記横方向の変位を引き起こすように構成されること、を特徴とする医療用システム。
【請求項8】
請求項6または7に記載の医療用システムであって、前記アクチュエータの前記1つ以上の永久磁石または電磁石は、前記長手方向通路の周辺内径に配置されること、を特徴とする医療用システム。
【請求項9】
請求項5から8のいずれか1項に記載の医療用システムであって、前記アクチュエータは、前記複数の固定要素のうちの1つに対する前記光ファイバの前記遠位部分の前記横方向の変位を電磁的に作動させるように構成された1つ以上の静電要素を含むこと、を特徴とする医療用システム。
【請求項10】
請求項5から9のいずれか1項に記載の医療用システムであって、前記アクチュエータは、前記長手方向通路の前記長手方向軸を中心とした前記スタビライザステージの回転を作動させるようにさらに構成され、前記スタビライザステージの前記回転によって、前記内視鏡の横方向の位置を変える必要なく、前記光ファイバの前記遠位部分の回転平面の横方向の位置決めを行えること、を特徴とする医療用システム。
【請求項11】
請求項10に記載の医療用システムであって、前記アクチュエータは、前記スタビライザステージの前記回転を磁気的または電磁的に作動させるように構成された1つ以上の永久磁石または電磁石を含むこと、を特徴とする医療用システム。
【請求項12】
請求項11に記載の医療用システムであって、前記スタビライザステージは、当該スタビライザに取り付けられた1つ以上の永久磁石または電磁石を含み、前記スタビライザステージの前記1つ以上の磁石または電磁石は、前記アクチュエータの前記1つ以上の永久磁石または電磁石によって生成される磁場の影響を受けて、前記スタビライザステージの前記回転を引き起こすように構成されること、を特徴とする医療用システム。
【請求項13】
請求項11または12に記載の医療用システムであって、前記アクチュエータの前記1つ以上の永久磁石または電磁石は、前記長手方向通路の周辺部の周りに分散されること、を特徴とする医療用システム。
【請求項14】
請求項5から13のいずれか1項に記載の医療用システムであって、
コントローラ回路をさらに含み、
前記アクチュエータは、前記コントローラ回路によって提供されるアクチュエータ制御信号に従って、前記複数の固定要素のうちの1つに対する前記光ファイバの前記遠位部分の前記横方向の変位を作動させるように構成されること、を特徴とする医療用システム。
【請求項15】
請求項14に記載の医療用システムであって、前記コントローラ回路は、前記光ファイバの遠位端と前記標的との間の距離を測定し、測定された前記距離に少なくとも部分的に基づいて、前記アクチュエータ制御信号を生成すること、を特徴とする医療用システム。
【請求項16】
請求項14または15に記載の医療用システムであって、前記コントローラ回路は、前記標的の電磁放射に応じたフィードバック信号に基づいて標的特性を特定し、特定した前記標的特性に少なくとも部分的に基づいて前記アクチュエータ制御信号を生成するように構成されること、を特徴とする医療用システム。
【請求項17】
請求項14から16のいずれか1項に記載の医療用システムであって、前記コントローラ回路によって生成された医療制御信号に従って、前記光ファイバを介して前記標的に第1のレーザパルスと第2のレーザパルスを提供するように構成されたレーザ源をさらに含み、
前記第2のレーザパルスが前記第1のレーザパルスより高いエネルギを含み、前記第2のレーザパルスは、前記内視鏡の前記横方向の位置を変える必要なく、前記第1のレーザパルスが送出されるときよりも前記横方向において前記標的のより近くに送出されること、を特徴とする医療用システム。