(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091869
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】拡張および仮想現実ディスプレイシステムのための運動から画像描画までの短待ち時間アーキテクチャ
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20240628BHJP
G02B 30/52 20200101ALI20240628BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20240628BHJP
H04N 5/64 20060101ALI20240628BHJP
G02B 27/02 20060101ALN20240628BHJP
【FI】
G09G3/20 680A
G02B30/52
G09G5/00 510A
G09G5/00 550C
G09G3/20 622Q
G09G3/20 622R
H04N5/64 511A
G02B27/02 Z
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024069802
(22)【出願日】2024-04-23
(62)【分割の表示】P 2021537081の分割
【原出願日】2019-12-20
(31)【優先権主張番号】62/786,199
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/800,363
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/858,215
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/911,018
(32)【優先日】2019-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514108838
【氏名又は名称】マジック リープ, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Magic Leap,Inc.
【住所又は居所原語表記】7500 W SUNRISE BLVD,PLANTATION,FL 33322 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ライオネル アーネスト エドウィン
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー イアン ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】ハワード ラッセル コーエン
(57)【要約】
【課題】拡張および仮想現実システムのための運動から画像描画までの短待ち時間のためのシステムおよび方法の提供。
【解決手段】いくつかのシステムは、光を頭部搭載型ディスプレイユニットから出力することによって、ユーザに提示される、レンダリングされるフレームを生成する。レンダリングされるフレームは、ユーザによって、仮想コンテンツとして知覚される。頭部搭載型ディスプレイユニットは、配向センサと、光をユーザに出力するように構成される、ディスプレイと、プロセッサとを含む。プロセッサは、仮想コンテンツのレンダリングされるフレームを受信し、配向情報を配向センサから取得し、ユーザの頭部の配向の変化に基づいて、仮想コンテンツのレンダリングされるフレームをワーピングまたは修正する。ワーピングされたレンダリングされるフレームは、続いて、変調された光を使用して、ディスプレイから出力される。
【選択図】
図32
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本願は、2018年12月28日に出願され、「LOW MOTION-TO-PHOTON LATENCY ARCHITECTURE FOR AUGMENTED AND VIRTUAL REALITY DISPLAY SYSTEMS」と題された、米国仮出願第62/786,199号、および2019年6月6日に出願され、「LOW MOTION-TO-PHOTON LATENCY ARCHITECTURE FOR AUGMENTED AND VIRTUAL REALITY DISPLAY SYSTEMS」と題された、米国仮出願第62/858,215号、および2019年2月1日に出願され、「VIRTUAL AND AUGMENTED REALITY DISPLAY SYSTEMS WITH EMISSIE MICRO-DISPLAYS」と題された、米国仮出願第62/800,363号、および2019年10月4日に出願され、「AUGMENTED AND VIRTUAL REALITY
DISPLAY SYSTEMS WITH SHARED DISPLAY FOR
LEFT AND RIGHT EYES」と題された、米国仮出願第62/911,018号の優先権を主張する。上記の出願は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。
(参照による組み込み)
【0002】
本願は、以下、すなわち、2018年3月1日に公開された、米国特許出願公開第2018/0061121号、2018年12月14日に出願された、米国特許出願第16/221065号、および2018年9月27日に公開された、米国特許出願公開第2018/0275410号のそれぞれを参照することによって全体として組み込む。
【0003】
本開示は、ディスプレイシステムに関し、より具体的には、拡張および仮想現実ディスプレイシステムに関する。
【背景技術】
【0004】
現代のコンピューティングおよびディスプレイ技術は、いわゆる「仮想現実」または「拡張現実」体験のためのシステムの開発を促進しており、デジタル的に再現された画像またはその一部が、現実であるように見える、またはそのように知覚され得る様式で、ユーザに提示される。仮想現実、すなわち、「VR」シナリオは、典型的には、他の実際の実世界の視覚的入力に対する透過性を伴わずに、デジタルまたは仮想画像情報の提示を伴い、拡張現実、すなわち、「AR」シナリオは、典型的には、ユーザの周囲の実際の世界の可視化に対する拡張としてのデジタルまたは仮想画像情報の提示を伴う。複合現実または「MR」シナリオは、一種のARシナリオであって、典型的には、自然世界の中に統合され、それに応答する、仮想オブジェクトを伴う。例えば、MRシナリオは、実世界内のオブジェクトによってブロックされて見える、または別様にそれと相互作用するように知覚される、AR画像コンテンツを含んでもよい。
【0005】
図1を参照すると、拡張現実場面10が、描写されている。AR技術のユーザには、人々、木々、背景における建物、コンクリートプラットフォーム30を特徴とする、実世界公園状設定20が見える。ユーザはまた、実世界プラットフォーム30上に立っているロボット像40と、マルハナバチの擬人化のように見える、飛んでいる漫画のようなアバタキャラクタ50等の「仮想コンテンツ」を「見ている」と知覚する。これらの要素50、40は、実世界には存在しないという点で、「仮想」である。ヒトの視知覚系は、複雑であって、他の仮想または実世界画像要素の中で仮想画像要素の快適で、自然な感覚で、かつ豊かな提示を促進する、AR技術を生産することは、困難である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
いくつかの実施形態では、頭部搭載型ディスプレイシステムが、提供される。頭部搭載型ディスプレイは、仮想コンテンツとしての出力のためにレンダリングされるフレームを生成するように構成される、処理システムと、データリンクを介して、処理システムと通信する、頭部搭載型ディスプレイユニットとを含む。頭部搭載型ディスプレイユニットは、レンダリングされるフレームを仮想コンテンツとして出力するように構成される。加えて、頭部搭載型ディスプレイユニットは、配向センサと、ディスプレイと、1つ以上のプロセッサとを備える。配向センサは、頭部搭載型ディスプレイユニットの配向と関連付けられる、配向情報を検出するように構成される。ディスプレイは、光を出力し、仮想コンテンツを提示するように構成される。1つ以上のプロセッサは、データリンクを介して、レンダリングされるフレームを受信し、頭部搭載型ディスプレイユニットの配向と関連付けられる、配向情報を取得し、レンダリングされるフレームをワーピングさせるように構成され、ワーピングされたレンダリングされるフレームは、ディスプレイを介して出力される。
【0007】
いくつかの他の実施形態では、システムが、提供される。本システムは、1つ以上のプロセッサと、命令を記憶する、1つ以上のコンピュータ記憶媒体とを備える。1つ以上のプロセッサによって実行されると、命令は、1つ以上のプロセッサに、システムの第1の要素によって、第1のフレームレートにおいて、システムによって表示されるための仮想コンテンツのレンダリングされるフレームを生成するステップと、第1の要素によって、ハードウェア接続を介して、仮想コンテンツのレンダリングされるフレームをシステムの第2の要素に提供するステップであって、レンダリングされるフレームは、第1のフレームレートにおいて提供される、ステップと、第2の要素によって、第1のフレームレートより高い第2のフレームレートにおいて、システムと関連付けられる配向情報に基づいて、閾値回数、各レンダリングされるフレームをワーピングさせるステップと、第2の要素と通信するディスプレイを介して、ワーピングされたフレームを第2のフレームレートにおいて出力するステップとを含む、動作を実施させる。ディスプレイは、第1のレンダリングされるフレームと関連付けられる、閾値数のワーピングされたフレームに続いて、第2の後続のレンダリングされるフレームと関連付けられる、閾値数のワーピングされたフレームを出力するように構成される。
【0008】
さらに他の実施形態では、方法が、提供される。本方法は、第1の要素と、第2の要素とを備える、頭部搭載型ディスプレイシステムによって実装される。第1の要素は、ハードウェア接続を介して、第2の要素と通信する。本方法は、第1の要素によって、第1のフレームレートにおいて、頭部搭載型ディスプレイシステムを介して表示されるための仮想コンテンツのレンダリングされるフレームを生成するステップと、第1の要素によって、レンダリングされるフレームを第2の要素に提供するステップであって、レンダリングされるフレームは、第1のフレームレートにおいて提供される、ステップと、第2の要素によって、第1のフレームレートより高い第2のフレームレートにおいて、頭部搭載型ディスプレイシステムと関連付けられる配向情報に基づいて、閾値回数、各レンダリングされるフレームをワーピングさせるステップと、第2の要素と通信するディスプレイを介して、ワーピングされたフレームを第2のフレームレートにおいて出力するステップとを含む。ディスプレイは、第1のレンダリングされるフレームと関連付けられる、閾値数のワーピングされたフレームに続いて、第2の後続のレンダリングされるフレームと関連付けられる、閾値数のワーピングされたフレームを出力する。
【0009】
付加的実施例は、下記に提供される。
【0010】
(実施例1)
頭部搭載型ディスプレイシステムであって、
仮想コンテンツとしての出力のためにレンダリングされるフレームを生成するように構成される、処理システムと、
データリンクを介して、処理システムと通信する、頭部搭載型ディスプレイユニットであって、頭部搭載型ディスプレイユニットは、レンダリングされるフレームを仮想コンテンツとして出力するように構成され、
配向センサであって、頭部搭載型ディスプレイユニットの配向と関連付けられる、配向情報を検出するように構成される、配向センサと、
ディスプレイであって、光を出力し、仮想コンテンツを提示するように構成される、ディスプレイと、
1つ以上のプロセッサであって、
データリンクを介して、レンダリングされるフレームを受信し、
頭部搭載型ディスプレイユニットの配向と関連付けられる、配向情報を取得し、
レンダリングされるフレームをワーピングさせ、ワーピングされたレンダリングされるフレームは、ディスプレイを介して出力される、
ように構成される、1つ以上のプロセッサと、
を備える、頭部搭載型ディスプレイユニットと、
を備える、頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0011】
(実施例2)
処理システムは、レンダリングされるフレームを第1のフレームレートにおいて生成するように構成され、頭部搭載型ディスプレイユニットは、ワーピングされたレンダリングされるフレームを第1のフレームレートより高い第2のフレームレートにおいて出力するように構成される、実施例1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0012】
(実施例3)
データリンクは、処理システムおよび頭部搭載型ディスプレイユニットを接続するケーブルを備え、データリンクの帯域幅は、第1のフレームレートを限定する、実施例1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0013】
(実施例4)
頭部搭載型ディスプレイユニットは、各レンダリングされるフレームを、個別の配向情報に基づいて、閾値回数ワーピングさせるように構成される、実施例1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0014】
(実施例5)
1つ以上のプロセッサのプロセッサは、配向情報に基づいてレンダリングされるフレームをワーピングさせるように構成される、ハードウェア特定用途向け集積回路(ASIC)である、実施例1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0015】
(実施例6)
ディスプレイは、空間光変調器を備え、空間光変調器は、ハードウェアASICを備える、実施例5に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0016】
(実施例7)
空間光変調器は、ハードウェアASICに基づいて、レンダリングされるフレームのピクセルを調節するように構成される、実施例6に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0017】
(実施例8)
ハードウェアASICは、ワーピングされたレンダリングされるフレームに対応する情報をディスプレイと関連付けられる空間光変調器に提供するように構成される、実施例5に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0018】
(実施例9)
ディスプレイは、マイクロLEDのアレイを備え、ワーピングされたレンダリングされるフレームの各ピクセルは、マイクロLEDのうちの1つ以上のものと関連付けられる、実施例1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0019】
(実施例10)
ディスプレイは、ディスプレイによって出力されたワーピングされたレンダリングされるフレーム毎に、パネルを大域的に更新するように構成される、実施例9に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0020】
(実施例11)
ディスプレイは、走査更新を提供することによって、パネルを更新するように構成される、実施例9に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0021】
(実施例12)
走査更新は、個々のピクセルの順次更新を備える、実施例11に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0022】
(実施例13)
走査更新は、ピクセルのグループの同時順次更新を備える、実施例11に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0023】
(実施例14)
1つ以上のプロセッサは、頭部搭載型ディスプレイユニットのユーザの決定された視線に基づいて、レンダリングされるフレームをワーピングさせるように構成される、実施例1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0024】
(実施例15)
配向センサは、慣性測定ユニットである、実施例1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
【0025】
(実施例16)
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のコンピュータ記憶媒体であって、該1つ以上のコンピュータ記憶媒体は、命令を記憶しており、該命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されると、1つ以上のプロセッサに、
システムの第1の要素によって、第1のフレームレートにおいて、システムによって表示されるための仮想コンテンツのレンダリングされるフレームを生成するステップと、
第1の要素によって、ハードウェア接続を介して、仮想コンテンツのレンダリングされるフレームをシステムの第2の要素に提供するステップであって、レンダリングされるフレームは、第1のフレームレートにおいて提供される、ステップと、
第2の要素によって、第1のフレームレートより高い第2のフレームレートにおいて、システムと関連付けられる配向情報に基づいて、閾値回数、各レンダリングされるフレームをワーピングさせるステップと、
第2の要素と通信するディスプレイを介して、ワーピングされたフレームを第2のフレームレートにおいて出力するステップと
を含む動作を実施させる、1つ以上のコンピュータ記憶媒体と
を備え、
ディスプレイは、第1のレンダリングされるフレームと関連付けられる、閾値数のワーピングされたフレームに続いて、第2の後続のレンダリングされるフレームと関連付けられる、閾値数のワーピングされたフレームを出力するように構成される、システム。
【0026】
(実施例17)
ハードウェア接続は、第1の要素および第2の要素を接続するケーブルを備える、実施例16に記載のシステム。
【0027】
(実施例18)
第2の要素およびディスプレイは、ユーザによって装着されるように構成される、頭部搭載型ディスプレイユニット内に含まれ、第1の要素は、ケーブルを介して、頭部搭載型ディスプレイユニットに接続される、実施例17に記載のシステム。
【0028】
(実施例19)
ディスプレイは、マイクロLEDを備える、実施例16に記載のシステム。
【0029】
(実施例20)
頭部搭載型ディスプレイシステムによって実施される、方法であって、頭部搭載型ディスプレイシステムは、第1の要素と、第2の要素とを備え、第1の要素は、ハードウェア接続を介して、第2の要素と通信し、
第1の要素によって、第1のフレームレートにおいて、頭部搭載型ディスプレイシステムを介して表示されるための仮想コンテンツのレンダリングされるフレームを生成するステップと、
第1の要素によって、レンダリングされるフレームを第2の要素に提供するステップであって、レンダリングされるフレームは、第1のフレームレートにおいて提供される、ステップと、
第2の要素によって、第1のフレームレートより高い第2のフレームレートにおいて、頭部搭載型ディスプレイシステムと関連付けられる配向情報に基づいて、閾値回数、各レンダリングされるフレームをワーピングさせるステップと、
第2の要素と通信するディスプレイを介して、ワーピングされたフレームを第2のフレームレートにおいて出力するステップと、
を含み、ディスプレイは、第1のレンダリングされるフレームと関連付けられる、閾値数のワーピングされたフレームに続いて、第2の後続のレンダリングされるフレームと関連付けられる、閾値数のワーピングされたフレームを出力する、方法。
【0030】
(実施例21)
ディスプレイは、マイクロLEDを備える、実施例20に記載の方法。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
頭部搭載型ディスプレイシステムであって、
仮想コンテンツとしての出力のためにレンダリングされるフレームを生成するように構成される処理システムと、
データリンクを介して前記処理システムと通信する頭部搭載型ディスプレイユニットであって、前記頭部搭載型ディスプレイユニットは、前記レンダリングされるフレームを仮想コンテンツとして出力するように構成され、前記頭部搭載型ディスプレイユニットは、
配向センサであって、前記配向センサは、前記頭部搭載型ディスプレイユニットの配向と関連付けられる配向情報を検出するように構成される、配向センサと、
ディスプレイであって、前記ディスプレイは、光を出力し、前記仮想コンテンツを提示するように構成される、ディスプレイと、
1つ以上のプロセッサであって、前記1つ以上のプロセッサは、
前記データリンクを介して、レンダリングされるフレームを受信することと、
前記頭部搭載型ディスプレイユニットの配向と関連付けられる配向情報を取得することと、
前記レンダリングされるフレームをワーピングさせることであって、前記ワーピングされたレンダリングされるフレームは、前記ディスプレイを介して出力される、ことと
を行うように構成される、1つ以上のプロセッサと
を備える、頭部搭載型ディスプレイユニットと
を備える、頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目2)
前記処理システムは、レンダリングされるフレームを第1のフレームレートにおいて生成するように構成され、前記頭部搭載型ディスプレイユニットは、ワーピングされたレンダリングされるフレームを前記第1のフレームレートより高い第2のフレームレートにおいて出力するように構成される、項目1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目3)
前記データリンクは、前記処理システムおよび頭部搭載型ディスプレイユニットを接続するケーブルを備え、前記データリンクの帯域幅は、前記第1のフレームレートを限定する、項目1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目4)
前記頭部搭載型ディスプレイユニットは、各レンダリングされるフレームを、個別の配向情報に基づいて、閾値回数ワーピングさせるように構成される、項目1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目5)
前記1つ以上のプロセッサのプロセッサは、配向情報に基づいてレンダリングされるフレームをワーピングさせるように構成されるハードウェア特定用途向け集積回路(ASIC)である、項目1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目6)
前記ディスプレイは、空間光変調器を備え、前記空間光変調器は、前記ハードウェアASICを備える、項目5に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目7)
前記空間光変調器は、前記ハードウェアASICに基づいて、前記レンダリングされるフレームのピクセルを調節するように構成される、項目6に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目8)
前記ハードウェアASICは、前記ワーピングされたレンダリングされるフレームに対応する情報を前記ディスプレイと関連付けられる空間光変調器に提供するように構成される、項目5に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目9)
前記ディスプレイは、マイクロLEDのアレイを備え、前記ワーピングされたレンダリングされるフレームの各ピクセルは、前記マイクロLEDのうちの1つ以上のものと関連付けられる、項目1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目10)
前記ディスプレイは、前記ディスプレイによって出力されたワーピングされたレンダリングされるフレーム毎に、パネルを大域的に更新するように構成される、項目9に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目11)
前記ディスプレイは、走査更新を提供することによって、前記パネルを更新するように構成される、項目9に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目12)
前記走査更新は、個々のピクセルの順次更新を備える、項目11に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目13)
前記走査更新は、ピクセルのグループの同時順次更新を備える、項目11に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目14)
前記1つ以上のプロセッサは、前記頭部搭載型ディスプレイユニットのユーザの決定された視線に基づいて、前記レンダリングされるフレームをワーピングさせるように構成される、項目1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目15)
前記配向センサは、慣性測定ユニットである、項目1に記載の頭部搭載型ディスプレイシステム。
(項目16)
システムであって、
1つ以上のプロセッサと、
1つ以上のコンピュータ記憶媒体であって、前記1つ以上のコンピュータ記憶媒体は、命令を記憶しており、前記命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されると、前記1つ以上のプロセッサに、
前記システムの第1の要素によって、第1のフレームレートにおいて、前記システムによって表示されるための仮想コンテンツのレンダリングされるフレームを生成することと、
前記第1の要素によって、ハードウェア接続を介して、前記仮想コンテンツのレンダリングされるフレームを前記システムの第2の要素に提供することであって、前記レンダリングされるフレームは、前記第1のフレームレートにおいて提供される、ことと、
前記第2の要素によって、前記第1のフレームレートより高い第2のフレームレートにおいて、前記システムと関連付けられる配向情報に基づいて、閾値回数、各レンダリングされるフレームをワーピングさせることと、
前記第2の要素と通信するディスプレイを介して、前記ワーピングされたフレームを前記第2のフレームレートにおいて出力することと
を含む動作を実施させる、1つ以上のコンピュータ記憶媒体と
を備え、
前記ディスプレイは、第1のレンダリングされるフレームと関連付けられる閾値数のワーピングされたフレームに続いて、第2の後続のレンダリングされるフレームと関連付けられる閾値数のワーピングされたフレームを出力するように構成される、システム。
(項目17)
前記ハードウェア接続は、前記第1の要素および第2の要素を接続するケーブルを備える、項目16に記載のシステム。
(項目18)
前記第2の要素およびディスプレイは、ユーザによって装着されるように構成される頭部搭載型ディスプレイユニット内に含まれ、前記第1の要素は、前記ケーブルを介して、前記頭部搭載型ディスプレイユニットに接続される、項目17に記載のシステム。
(項目19)
前記ディスプレイは、マイクロLEDを備える、項目16に記載のシステム。
(項目20)
頭部搭載型ディスプレイシステムによって実施される方法であって、前記頭部搭載型ディスプレイシステムは、第1の要素と、第2の要素とを備え、前記第1の要素は、ハードウェア接続を介して、前記第2の要素と通信し、前記方法は、
第1の要素によって、第1のフレームレートにおいて、前記頭部搭載型ディスプレイシステムを介して表示されるための仮想コンテンツのレンダリングされるフレームを生成することと、
前記第1の要素によって、前記レンダリングされるフレームを第2の要素に提供することであって、前記レンダリングされるフレームは、前記第1のフレームレートにおいて提供される、ことと、
前記第2の要素によって、前記第1のフレームレートより高い第2のフレームレートにおいて、前記頭部搭載型ディスプレイシステムと関連付けられる配向情報に基づいて、閾値回数、各レンダリングされるフレームをワーピングさせることと、
前記第2の要素と通信するディスプレイを介して、前記ワーピングされたフレームを前記第2のフレームレートにおいて出力することと
を含み、
前記ディスプレイは、第1のレンダリングされるフレームと関連付けられる閾値数のワーピングされたフレームに続いて、第2の後続のレンダリングされるフレームと関連付けられる閾値数のワーピングされたフレームを出力する、方法。
(項目21)
前記ディスプレイは、マイクロLEDを備える、項目20に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0031】
以下の図面および関連付けられる説明は、本開示の実施形態を図示するために提供され、請求項の範囲を限定するものではない。本開示の側面および付帯利点の多くは、付随の図面と関連して検討されるとき、以下の詳細な説明を参照することによって、より深く理解されるのと同時に、より容易に理解されるであろう。
【0032】
【
図1】
図1は、ARデバイスを通した拡張現実(AR)のユーザのビューを図示する。
【0033】
【
図2】
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。
【0034】
【
図3】
図3A-3Cは、曲率半径と焦点半径との間の関係を図示する。
【0035】
【
図4A】
図4Aは、ヒト視覚系の遠近調節(accommodation)-輻輳・開散運動(vergence)応答の表現を図示する。
【0036】
【
図4B】
図4Bは、一対のユーザの眼の異なる遠近調節状態および輻輳・開散運動状態の実施例を図示する。
【0037】
【
図4C】
図4Cは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認するユーザの上下図の表現の実施例を図示する。
【0038】
【
図4D】
図4Dは、ディスプレイシステムを介してコンテンツを視認するユーザの上下図の表現の別の実施例を図示する。
【0039】
【
図5】
図5は、波面発散を修正することによって3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。
【0040】
【
図6】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。
【0041】
【
図7】
図7は、導波管によって出力された出射ビームの実施例を図示する。
【0042】
【
図8】
図8は、スタックされた接眼レンズの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。
【0043】
【
図9A】
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、スタックされた導波管のセットの実施例の断面側面図を図示する。
【0044】
【0045】
【
図9C】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。
【0046】
【
図9D】
図9Dは、複数のスタックされた導波管の別の実施例の上下平面図を図示する。
【0047】
【
図9E】
図9Eは、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0048】
【
図10】
図10は、空間光変調器と、別個の光源とを有する、光投影システムを伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0049】
【
図11A】
図11Aは、複数の発光型マイクロディスプレイを有する、光投影システムを伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0050】
【
図11B】
図11Bは、光エミッタのアレイを伴う、発光型マイクロディスプレイの実施例を図示する。
【0051】
【
図12】
図12は、複数の発光型マイクロディスプレイと、関連付けられる光再指向構造とを有する、光投影システムを伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの別の実施例を図示する。
【0052】
【
図13A】
図13Aは、複数の発光型マイクロディスプレイと、重複し、側方に偏移される、光内部結合光学要素を伴う導波管を有する、接眼レンズとを有する、光投影システムを伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの側面図の実施例を図示する。
【0053】
【
図13B】
図13Bは、光を接眼レンズの単一光内部結合面積に指向するように構成される、複数の発光型マイクロディスプレイを有する、光投影システムを伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの別の実施例を図示する。
【0054】
【
図14】
図14は、単一発光型マイクロディスプレイを伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0055】
【
図15】
図15は、重複する内部結合光学要素を伴う、導波管のスタックを有する、接眼レンズの実施例の側面図を図示する。
【0056】
【
図16】
図16は、導波管間の残影またはクロストークを軽減するためのカラーフィルタを伴う、導波管のスタックの実施例の側面図を図示する。
【0057】
【0058】
【0059】
【
図19A】
図19Aは、重複し、側方に偏移される、内部結合光学要素を伴う、導波管のスタックを有する、接眼レンズの実施例の側面図を図示する。
【0060】
【
図19B】
図19Bは、導波管間の残影またはクロストークを軽減するためのカラーフィルタを伴う、
図19Aの接眼レンズの実施例の側面図を図示する。
【0061】
【0062】
【0063】
【
図21】
図21は、導波管内の再バウンスの実施例の側面図を図示する。
【0064】
【
図22A】
図22A-22Cは、再バウンスを低減させるように構成される、内部結合光学要素を有する、接眼レンズの上下図の実施例を図示する。
【
図22B】
図22A-22Cは、再バウンスを低減させるように構成される、内部結合光学要素を有する、接眼レンズの上下図の実施例を図示する。
【
図22C】
図22A-22Cは、再バウンスを低減させるように構成される、内部結合光学要素を有する、接眼レンズの上下図の実施例を図示する。
【0065】
【
図23A】
図23A-23Cは、再バウンスを低減させるように構成される、内部結合光学要素を有する、接眼レンズの上下図の付加的実施例を図示する。
【
図23B】
図23A-23Cは、再バウンスを低減させるように構成される、内部結合光学要素を有する、接眼レンズの上下図の付加的実施例を図示する。
【
図23C】
図23A-23Cは、再バウンスを低減させるように構成される、内部結合光学要素を有する、接眼レンズの上下図の付加的実施例を図示する。
【0066】
【
図24A】
図24Aは、発光型マイクロディスプレイの個々の光エミッタによって放出される光と、投影光学系によって捕捉された光の角度放出プロファイルの実施例を図示する。
【0067】
【
図24B】
図24Bは、光コリメータのアレイを使用して、角度放出プロファイルの狭化の実施例を図示する。
【0068】
【
図25A】
図25Aは、光を投影光学系に指向するためのテーパ状反射性ウェルのアレイの側面図の実施例を図示する。
【0069】
【0070】
【
図26】
図26A-26Cは、上層レンズの中心線に対する異なる位置における光エミッタのための光経路における差異の実施例を図示する。
【0071】
【
図27】
図27は、上層ナノレンズアレイを伴う、発光型マイクロディスプレイの個々の光エミッタの側面図の実施例を図示する。
【0072】
【0073】
【
図29】
図29は、
図28のフルカラー発光型マイクロディスプレイを伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0074】
【
図30A】
図30Aは、発光型マイクロディスプレイと、関連付けられる光コリメータのアレイとを伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0075】
【
図30B】
図30Bは、それぞれ、関連付けられる光コリメータのアレイを伴う、複数の発光型マイクロディスプレイを伴う、光投影システムの実施例を図示する。
【0076】
【
図30C】
図30Cは、それぞれ、関連付けられる光コリメータのアレイを伴う、複数の発光型マイクロディスプレイを伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
【0077】
【
図31】
図31Aおよび31Bは、視認者に対する光の波面発散を変動させるための可変焦点要素を有する、導波管アセンブリの実施例を図示する。
【0078】
【
図32】
図32は、ワーピングエンジンを伴う、空間光変調器を有する、例示的ウェアラブルディスプレイシステムのブロック図を図示する。
【0079】
【
図33A】
図33A-33Bは、ワーピングエンジンを伴う、空間光変調器を有する、他の例示的ウェアラブルディスプレイシステムのブロック図を図示する。
【
図33B】
図33A-33Bは、ワーピングエンジンを伴う、空間光変調器を有する、他の例示的ウェアラブルディスプレイシステムのブロック図を図示する。
【0080】
【
図34A】
図34A-34Bは、空間光変調器のピクセルを更新するための例示的スキームを図示する。
【
図34B】
図34A-34Bは、空間光変調器のピクセルを更新するための例示的スキームを図示する。
【0081】
【
図35】
図35は、本明細書に説明される技法に従ってレンダリングされるコンテンツのワーピングされたフレームを出力するための例示的プロセスのフローチャートを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0082】
本明細書は、とりわけ、拡張または仮想現実コンテンツをユーザに提供するためのシステムおよび技法を説明する。いくつかの実施形態では、拡張または仮想現実ディスプレイシステムは、画像フレームをレンダリングしてもよく、これは、次いで、ユーザに提示される。ユーザへの画像の提示は、ディスプレイシステムが、画像をユーザの眼の網膜上に形成し、拡張または仮想現実コンテンツ(「仮想コンテンツ」とも称され得る)として知覚される、空間的に変調された光を出力するステップを伴ってもよい。実施例として、ディスプレイシステムは、規則的インターバル、例えば、1つ以上のフレームレート(例えば、60Hz、330Hz等)において、仮想コンテンツをユーザにレンダリングおよび提示してもよい。
【0083】
ユーザの頭部の配向および眼は、仮想コンテンツのための画像フレームのレンダリングを知らせ得る。実施例として、仮想コンテンツは、ユーザおよび/または実世界オブジェクトに対して位置が固定されるように知覚されるように構成されてもよい。したがって、ユーザが、頭部を下向きに回転させる場合、ディスプレイシステムは、仮想コンテンツが、適切な場所にあるように知覚され、適切な目線に対応する、詳細を示すように、適宜、レンダリングされる画像フレームを調節してもよい。結果として、仮想コンテンツを生成するステップは、ユーザの頭部の配向を決定し、本決定に基づいて、画像フレームをレンダリングするステップを伴ってもよい。ユーザの頭部の配向は、頭部姿勢または単に姿勢とも称され得、近似として、本姿勢は、ユーザの頭部に搭載されるディスプレイの配向を決定することによって決定されてもよい。
【0084】
ユーザの頭部は、移動し得、所与の瞬時における姿勢は、本移動の結果であり得ることを理解されたい。加えて、姿勢の決定と本姿勢に基づく空間的に変調された光のユーザの眼への出力との間には、遅延が存在し得る。遅延は、例えば、電子機器および光学システムが仮想コンテンツを生成するために必要とされる時間によって引き起こされ得る。本遅延は、運動から画像描画までの待ち時間と称され得る。
【0085】
ユーザの頭部が移動し続ける、インスタンスでは、運動から画像描画までの待ち時間の存在を前提として、ユーザの頭部の配向は、姿勢決定とレンダリングされるフレームのユーザの眼への提示との間の時間帯で変化し得る。結果として、レンダリングされるフレームは、レンダリングされるフレームを提示される時点でのユーザの姿勢に正確に対応しない場合がある。しかしながら、フレームを再レンダリングすることは、ユーザの頭部が、移動し続け、姿勢が、変化し続け得るため、本姿勢の変化に対処し得ない。
【0086】
本姿勢の変化に対処するための1つの技法は、ユーザの眼に提示する前に、レンダリングされるフレームを修正することである。そのような修正は、フレームを再レンダリングすることより迅速に生じ、それによって、ユーザに提示されるフレームと彼らが提示されるフレームを受信する時点でのユーザの姿勢との間の知覚可能不整合の可能性を低減させる。例えば、更新された姿勢情報が、取得されてもよく、レンダリングされるフレームは、更新された姿勢情報に対応するように修正されてもよい。そのような修正は、フレームワーピングと称され得、各レンダリングされるフレームは、ユーザに提示される前に、ワーピングされてもよい。
【0087】
しかしながら、そのようなワーピングを用いても、依然として、ユーザに提示されるフレームとユーザの姿勢との間の知覚可能不整合が存在し得る。例えば、そのような不整合は、ユーザの頭部が、ワーピングされたフレームでもユーザの現在の姿勢と不整合されるほど十分に迅速に移動する場合、生じ得る。結果として、運動から画像描画までの待ち時間をさらに低減させることが望ましいであろう。
【0088】
いくつかの実施形態では、運動から画像描画までの待ち時間を低減させるために、ディスプレイシステムは、現在の姿勢または配向情報に基づいて、仮想コンテンツの第1のレンダリングされるフレームを提供するように構成されてもよい。第1のレンダリングされるフレームは、仮想コンテンツがレンダリングされる(例えば、グラフィック処理ユニットによって)フレームレートに対して生成されてもよい。第1のレンダリングされるフレームは、決定された姿勢情報に応じて、ユーザに提示されてもよく、ワーピングされてもよい。第2の後続フレームのレンダリングに先立って、ディスプレイシステムは、ユーザに、1つ以上の付加的フレームを生成および提示してもよい。付加的フレームのうちの1つ以上のものは、第1のレンダリングされるフレームへの調節を含んでもよく、調節は、更新された姿勢情報に基づく。ディスプレイシステムは、次いで、コンテンツをレンダリングするためのフレームレートに従って、第2のレンダリングされるフレームをレンダリングおよび提示してもよい(可能性として、その第2のレンダリングされるフレームをワーピングさせた後)。したがって、ディスプレイシステムは、フレームをそのフレームレートでレンダリングするが、仮想コンテンツの付加的フレームをそのフレームレートを上回って出力してもよい。これらの付加的フレームは、姿勢情報に応じて、ワーピングされてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、1つ以上のワーピングされたフレームが、レンダリングされるフレーム間に表されてもよい。
【0089】
有利なこととして、本明細書に説明される技法およびシステムは、運動から画像描画までの待ち時間を低減させ得る。本明細書に説明される技法およびシステムはまた、ワーピングと関連付けられる、視覚的アーチファクト、モーションブラー等を低減させ得る。本技法およびシステムはまた、有利なこととして、電力節約、処理節約等を提供し得る。
(レンダリングされるフレームのワーピング)
【0090】
図1を参照して説明されるように、ユーザには、例えば、ロボット40を備える、仮想コンテンツが見え得る。本実施例では、ディスプレイシステムは、上記に説明されるようなフレームレートに従って、ロボット40をレンダリングしてもよい。ディスプレイシステムは、次いで、レンダリングされるフレームをユーザに出力または提示してもよい。上記に説明されるように、ディスプレイシステムは、ユーザと関連付けられる配向情報に基づいて、各フレームをレンダリングしてもよい。配向情報の実施例は、ユーザの頭部の移動(例えば、1つ以上の軸を中心とした回転、1つ以上の軸に沿った平行移動等)、ユーザの眼の移動(例えば、1つ以上の軸を中心とした回転)、および同等物を含んでもよい。例えば、第1のフレームは、ユーザの頭部/眼がロボット40に向かって直線に指向される間、レンダリングされてもよい。本実施例では、ユーザは、次いで、その頭部/眼を1つ以上の軸に沿って調節してもよい。後続の第2のフレームをレンダリングするとき、ディスプレイシステムは、したがって、本配向情報を利用して、第2のフレームのレンダリングを知らせてもよい。例えば、ロボット40は、垂直に立っているままであるが、ユーザの視野の異なる部分内に現れるように、レンダリングされてもよい。
【0091】
上記の実施例では、第2のフレームは、第1のフレーム後のある時間周期にレンダリングされてもよい。60Hzの例示的フレームレートに関して、第2のフレームは、したがって、第1のフレームから16ミリ秒後にレンダリングされてもよい。330Hzの例示的フレームレートに関して、第2のフレームは、第1のフレームから8.3ミリ秒後にレンダリングされてもよい。しかしながら、本時間周期(例えば、16msまたは8.3ms)の間、ユーザは、その頭部を下向きに回転させている場合がある。本回転後、ユーザは、依然として、第1のフレームを提示され得る。本第1のフレームは、真っ直ぐに見ているユーザに基づいてレンダリングされたため、第1のフレームは、したがって、回転の間、不正確に位置付けられるロボット40を含み得る。第2のフレームが、レンダリングされると、ディスプレイシステムは、検出された回転に基づいて、ロボット40をレンダリングしてもよい。したがって、第2のフレームが、提示されると、ロボット40は、再位置付けられるように現れてもよい。ロボット40の位置のこの更新は、ユーザに視覚的に明白な視覚的断続性を提供し得る。例えば、頭部移動(姿勢の変化)と運動から画像描画までの待ち時間の組み合わせが、閾値を超える提示される画像の変化をもたらし得、例えば、不自然であるほど、ユーザに顕著である。
【0092】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、第2のフレームがレンダリングされるまで、上記に説明される第1のフレームをワーピングさせるように構成されてもよい。フレームをワーピングさせるステップは、ユーザの決定された頭部姿勢、決定された眼視線、および同等物等の配向情報に基づいて、フレームの側面を調節するステップを含んでもよい。フレームの例示的側面は、フレームのピクセルを含んでもよい。本実施例では、レンダリングされるフレームをワーピングさせるステップは、レンダリングされるフレーム内に含まれる1つ以上のピクセルを個別の新しい位置に移動させ得る。したがって、ワーピングされたフレームは、既存のレンダリングされるフレーム内に含まれる画像情報に基づいて、生成されてもよい。
【0093】
ディスプレイシステムは、レンダリングされるフレームを、複数回、ユーザの決定された頭部姿勢に基づいて、ワーピングさせてもよい。ロボット40の上記に説明される実施例に関して、ディスプレイシステムは、したがって、第2のフレームがレンダリングされるまで、第1のフレームを特定のフレームレートでワーピングさせてもよい。説明されるであろうように、ディスプレイシステムは、仮想コンテンツをあるレンダリングフレームレート(例えば、60Hz、120Hz)でレンダリングし、仮想コンテンツをあるワーピングフレームレート(例えば、240Hz、480Hz、2,000Hz、2040Hz等)でユーザに出力してもよい。このように、ユーザは、2つの時間的に隣接するレンダリングされるフレーム間の1つ以上のワーピングされたフレームを視認し得、事実上の運動からの待ち時間は、減少される。
【0094】
例えば、第1のフレームは、ディスプレイシステムを介して、特定の時間に提示されてもよい。上記に説明されるように、第1のフレームは、ユーザの決定された頭部姿勢に基づいて、レンダリングされてもよい。実施例として、頭部姿勢は、ディスプレイシステムと関連付けられる、慣性測定ユニット(IMU)等の配向センサに基づいてもよい。ディスプレイシステムは、次いで、ワーピングフレームレートに従って、ワーピングされたフレームを生成してもよい。ワーピングされたフレーム毎に、ディスプレイシステムは、ユーザの個別の決定された頭部姿勢に基づいて、第1のフレームを調節してもよい。これらのワーピングされたフレームは、第2のフレームがレンダリングされるフレームレートに従ってレンダリングされるまで、ユーザに提示されてもよい。ディスプレイシステムは、ユーザの決定された頭部姿勢に基づく、ワーピングされたフレームをユーザに提示するため、仮想コンテンツ(例えば、ロボット40)は、より生きているように現れ得る。例えば、仮想コンテンツは、より自然に移動し、あまり明白な離散ジャンプを伴わずに、現れ得る。
【0095】
ワーピングの実施例は、遅れフレーム時間ワーピング、非同期時間ワーピング、持続時間ワーピング等を含んでもよい。持続時間ワーピングの実施例は、読取カーソル再指向、ピクセル再指向、バッファ再スミア、書込カーソル再指向等を含んでもよい。個々のレンダリングされるフレームのワーピングに関連するさらなる説明は、2018年3月1日に公開された、米国特許出願第2018/0061121号(参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に議論される。
【0096】
本明細書に議論されるようなワーピングは、事実上の運動から画像描画までの待ち時間を低下させることに対する利点を提供し得るが、あるディスプレイ技術は、ワーピングと関連付けられる有効性を制約し得ることを理解されたい。いくつかのディスプレイシステムでは、画像を形成するために空間的に変調された光は、液晶ベースの空間光変調器によって提供されてもよい。空間光変調器は、光の知覚される強度を変調させ、光を画像情報でエンコーディングし得ることを理解されたい。そのような空間光変調器の実施例は、シリコン上液晶(LCoS)パネルである。LCoSパネルは、LCoSパネルが効果的に動作することが可能である、最大リフレッシュレートを有し得る。実施例として、LCoSパネルは、120Hzの最大リフレッシュレートを達成することが可能であり得る(例えば、3つの色が存在してもよく、それぞれ、360Hzで提示される)。したがって、LCoSパネルは、最大リフレッシュレートを上回らないレートで、ワーピングされた画像をユーザに出力し得る。本最大リフレッシュレートは、ユーザに知覚不能である、運動から画像描画までの待ち時間を達成することが不可能であり得る。
【0097】
有利なこととして、いくつかの実施形態では、運動から画像描画までの著しく短い待ち時間が、著しく高速の最大リフレッシュレートを提供する、ディスプレイ技術を使用して達成され得る。そのようなディスプレイ技術の実施例は、マイクロLEDアレイまたはディスプレイ等の発光ダイオード(LED)のアレイを含む。マイクロLEDディスプレイは、それぞれ、光を放出する、多数のマイクロLEDを備えてもよい。したがって、マイクロLEDアレイは、発光型空間光変調器と称され得る。いくつかの実施形態では、変調器は、異なる光源からの光を変調させてもよい。いくつかの実施形態では、変調器は、光源であってもよい。いくつかの実施形態では、各マイクロLEDは、別個にアドレス指定可能である。マイクロLEDは、非常に迅速にオンおよびオフに切り替えられることが可能であり得、例えば、2,000Hz以上の最大リフレッシュレートを達成し得る。そのようなディスプレイ技術の別の実施例は、微小電気機械的システム(MEMS)に基づく技術を含んでもよい。例えば、デジタル光処理(DLP)技術が、利用されてもよい。下記の説明は、議論を容易にするために、マイクロLEDを参照するが、本開示は、例えば、LCoSベースのシステムより高いリフレッシュレートを提供する、付加的ディスプレイ技術(例えば、DLP)を利用してもよいことを理解されたい。そのような付加的ディスプレイ技術は、本開示の範囲内である。
【0098】
上記に説明されるディスプレイ技術の利用に基づいて、ディスプレイシステムは、したがって、仮想コンテンツのフレームがユーザに提供される、レートを増加させてもよい。例えば、ディスプレイシステムは、フレームを60Hz、120Hz等のレンダリングフレームレートでレンダリングしてもよい。上記に説明される向上されたディスプレイ技術に起因して、ディスプレイシステムは、仮想コンテンツのフレームを2,000Hzまたはそれを上回って出力することが可能であり得る。3つの原色に分離されるマイクロLEDに関して、ディスプレイシステムは、したがって、仮想コンテンツのフレームを666Hzまたはそれを上回って出力してもよい。したがって、説明されるであろうように、ディスプレイシステムは、したがって、レンダリングされるフレームを、閾値回数、ユーザの決定された頭部姿勢に基づいて、ワーピングさせてもよい。60Hzのレンダリングフレームレートの実施例に関して、ディスプレイシステムは、レンダリングされるフレームを、後続のレンダリングされるフレームの生成に先立って、11回またはそれを上回って、ワーピングおよび出力させてもよい。このように、本明細書に説明される技法は、ユーザがより現実的仮想コンテンツを提示されるように、運動から画像描画までの著しく短い待ち時間を提供し得る。
【0099】
本明細書に説明される技法は、したがって、全く異なる例示的利点を提供し得る。上記に説明されるように、運動から画像描画までの待ち時間は、改良され得る。加えて、本技法は、ディスプレイシステムリソース改良(例えば、低減された電力使用量、低減された処理要件等)を可能にし得る。さらに、ディスプレイシステムの可用性および性能における改良が、提供され得る。例えば、モーションブラーが、低減され得る一方、提示される仮想コンテンツの知覚される明度は、向上され得る。
(ディスプレイシステムリソースの節約)
【0100】
ディスプレイシステムによって利用される処理要素と空間光変調器との間の要求される帯域幅は、実質的であり得ることを理解されたい。実施例として、少なくとも、
図9Eに図示されるように、グラフィック処理ユニットは、ローカル処理およびデータモジュール140内に含まれてもよく、これは、ユーザによって装着されるディスプレイユニット70と別個である。ローカル処理およびデータモジュール140は、ディスプレイユニット70を介した提示のために、仮想コンテンツをレンダリングしてもよい。例えば、モジュール140は、仮想コンテンツのフレームをレンダリングし、次いで、随意に、これらのレンダリングされるフレームをワーピングさせてもよい。本明細書に説明されるように、本モジュール140は、随意に、ユーザ上に装着されてもよい(例えば、リュック内に、ユーザのズボンに取付可能であるエンクロージャ内に等)。したがって、いくつかの実施形態では、ディスプレイユニット70は、レンダリングされるフレームを上記に説明されるレンダリングフレームレートで受信し得る。LCoSパネルが利用され得る、スキームでは、ディスプレイユニット70は、したがって、実施例として、レンダリングされるフレームを120Hzで受信し得る。本実施例では、モジュール140とディスプレイユニット70との間の帯域幅は、したがって、少なくとも、120Hzによって乗算される各レンダリングされるフレーム内に含まれる、画像情報を表し得る。
【0101】
マイクロLED等の本明細書に説明されるディスプレイ技術は、より実質的に高いリフレッシュレートが可能であり得るため、ローカル処理およびデータモジュール140とディスプレイユニット70との間の帯域幅は、故に、より高くなり得る。モジュール140とディスプレイユニット70との間の潜在的距離および必要とされる帯域幅に起因して、より高いリフレッシュレートでは、画像情報の伝送をサポートするために実質的電力要件が存在し得る。
【0102】
有利なこととして、下記に説明されるであろうように、従来、ローカル処理およびデータモジュール140内に含まれる、処理要素のうちの1つ以上のものは、ディスプレイユニット70内に常駐し得る。第1の実施例として、モジュール140は、グラフィック処理ユニットを維持し、フレームをレンダリングし得る。これらのレンダリングされるフレームは、モジュール140からディスプレイユニット70に、あるレンダリングフレームレート(例えば、60Hz、120Hz)で提供されてもよい。しかしながら、ディスプレイユニット70は、上記に説明されるワーピングを実施するように構成される、1つ以上の処理要素を含んでもよい。例えば、ディスプレイユニット70は、ハードウェアワーピング特定用途向け集積回路(ASIC)を備えてもよい。
【0103】
本第1の実施例では、ハードウェアワーピングASICは、レンダリングされるフレームをモジュール140から受信し、次いで、慣性測定ユニット(IMU)、眼追跡カメラ、および同等物等の配向センサから受信された配向情報に従って、レンダリングされるフレームを繰り返しワーピングさせてもよい。ハードウェアワーピングASICは、次いで、ワーピングされたフレームをワーピングフレームレート(例えば、666Hz、2,000Hz等)で出力し、空間光変調器の論理を制御してもよい。空間光変調器は、次いで、ワーピングされたフレームを形成する光をユーザに提示させてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、ハードウェアワーピングASICは、空間光変調器の制御論理の物理的により近くに位置付けられてもよい。本近接度に起因して、本明細書に説明される技法は、有利なこととして、上記に説明される改良されたワーピング機能性と関連付けられる、電力要件を低減させ得る。
【0104】
第2の実施例として、上記に説明されるハードウェアワーピングASICは、空間光変調器の制御論理内に含まれてもよい。このように、空間光変調器は、レンダリングされるフレーム(例えば、ローカル処理およびデータモジュール140から)を受信し、配向センサから受信された情報に基づいて、レンダリングされるフレームをワーピングさせてもよい。空間光変調器は、次いで、直接、各ワーピングされたフレームを形成する光の出力を引き起こしてもよい。本第2の実施例では、モジュール140とディスプレイユニット70との間の帯域幅要件は、低減され得る。例えば、ディスプレイユニット70は、レンダリングされるフレームをレンダリングフレームレートで受信してもよい。加えて、空間光変調器の制御論理は、したがって、(1)直接、受信されたレンダリングされるフレームをワーピングさせ、(2)ワーピングされたフレームを形成する光をユーザに出力させてもよい。
(低減されたモーションブラー)
【0105】
有利なこととして、仮想コンテンツの提示と関連付けられる、モーションブラーが、本明細書に説明される技法およびシステムを使用して、低減され得る。仮想コンテンツに関して、モーションブラーは、仮想コンテンツの提示と関連付けられる、場の残光性に関連し得ることを理解されたい。本明細書で利用されるような場の残光性は、単一仮想コンテンツフレームを形成する光がユーザに提示される、時間を示し得る。モーションブラーは、場の残光性における低減を通して低減され得ることを理解されたい。したがって、場の残光性を低減させることは、ユーザに、より短い持続時間にわたって、仮想コンテンツの同一フレームを提示させ得る。
【0106】
しかしながら、LCoSパネルの実施例では、場の残光性における低減は、提示される仮想コンテンツと関連付けられる、知覚される明度を著しく低減させ得る。例えば、LCoSパネルは、仮想コンテンツを120Hzのフレームレートで提示することが可能であり得る。したがって、本実施例では、仮想コンテンツの隣接する提示されるフレーム間には、8.33msが存在し得る。LCoSパネルは、LED光源(例えば、
図6および9Eのシステムに関して説明されるように)を利用してもよく、LEDは、随意に、3つの原色を備える。提示されている例示的フレームに関して、空間光変調器は、閾値時間量(例えば、1ms、1.2ms)にわたって、LEDの各原色を連続的にオンにさせ得る。空間光変調器は、次いで、8.33msの残りにわたって、LEDをオフにし得る。本実施例では、LEDは、8.33msフレームの持続時間(本明細書では、「デューティサイクル」と称される)の40%、45%等にわたってオンにされ得る。これは、モーションブラーの外観を低減させ得るが、達成可能明度を顕著に減少させ得る。
【0107】
上記の実施例と対照的に、本明細書に説明されるディスプレイシステムは、知覚される明度を維持しながら、閾値を下回る(例えば、0.4ms、0.5ms、0.6ms)場の残光性を達成し得る。このように、モーションブラーは、従来の技法と比較して、さらに低減され得る。加えて、ディスプレイシステムは、随意に、第2の閾値(例えば、90%、95%、99%)を上回るデューティサイクルを達成し得る。
(例示的ディスプレイシステム)
【0108】
図2は、ユーザのための3次元画像をシミュレートするための従来のディスプレイシステムを図示する。ユーザの眼は、離間されており、空間内の実オブジェクトを見ているとき、各眼は、オブジェクトの若干異なるビューを有し、オブジェクトの画像を各眼の網膜上の異なる場所に形成し得ることを理解されたい。これは、両眼視差と称され得、ヒト視覚系によって、深度の知覚を提供するために利用され得る。従来のディスプレイシステムは、仮想オブジェクトが所望の深度における実オブジェクトであるように各眼によって見えるであろう仮想オブジェクトのビューに対応する、眼210、220毎に1つの同一仮想オブジェクトの若干異なるビューを伴う2つの明確に異なる画像190、200を提示することによって、両眼視差をシミュレートする。これらの画像は、ユーザの視覚系が深度の知覚を導出するために解釈し得る、両眼キューを提供する。
【0109】
図2を継続して参照すると、画像190、200は、z-軸上で距離230だけ眼210、220から離間される。z-軸は、その眼が視認者の直前の光学無限遠におけるオブジェクトを固視している状態の視認者の光学軸と平行である。画像190、200は、平坦であって、眼210、220から固定距離にある。それぞれ、眼210、220に提示される画像内の仮想オブジェクトの若干異なるビューに基づいて、眼は、必然的に、オブジェクトの画像が眼のそれぞれの網膜上の対応する点に来て、単一両眼視を維持するように回転し得る。本回転は、眼210、220のそれぞれの視線を仮想オブジェクトが存在するように知覚される空間内の点上に収束させ得る。その結果、3次元画像の提供は、従来、ユーザの眼210、220の輻輳・開散運動を操作し得、ヒト視覚系が深度の知覚を提供するように解釈する、両眼キューを提供することを伴う。
【0110】
しかしながら、深度の現実的かつ快適な知覚の生成は、困難である。眼からの異なる距離におけるオブジェクトからの光は、異なる発散量を伴う波面を有することを理解されたい。
図3A-3Cは、距離と光線の発散との間の関係を図示する。オブジェクトと眼210との間の距離は、減少距離R1、R2、およびR3の順序で表される。
図3A-3Cに示されるように、光線は、オブジェクトまでの距離が減少するにつれてより発散する。逆に言えば、距離が増加するにつれて、光線は、よりコリメートされる。換言すると、点(オブジェクトまたはオブジェクトの一部)によって生成されるライトフィールドは、点がユーザの眼から離れている距離の関数である、球状波面曲率を有すると言え得る。曲率は、オブジェクトと眼210との間の距離の減少に伴って増加する。単眼210のみが、例証を明確にするために、
図3A-3Cおよび本明細書の種々の他の図に図示されるが、眼210に関する議論は、視認者の両眼210および220に適用され得る。
【0111】
図3A-3Cを継続して参照すると、視認者の眼が固視しているオブジェクトからの光は、異なる波面発散度を有し得る。異なる波面発散量に起因して、光は、眼の水晶体によって異なるように集束され得、これは、ひいては、水晶体に、異なる形状をとり、集束された画像を眼の網膜上に形成することを要求し得る。集束された画像が、網膜上に形成されない場合、結果として生じる網膜ぼかしは、集束された画像が網膜上に形成されるまで、眼の水晶体の形状に変化を生じさせる、遠近調節のためのキューとして作用する。例えば、遠近調節のためのキューは、眼の水晶体を囲繞する毛様筋の弛緩または収縮をトリガし、それによって、レンズを保持する低靱帯に印加される力を変調し、したがって、固視されているオブジェクトの網膜ぼかしが排除または最小限にされるまで、眼の水晶体の形状を変化させ、それによって、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成し得る。眼の水晶体が形状を変化させるプロセスは、遠近調節と称され得、固視されているオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成するために要求される眼の水晶体の形状は、遠近調節状態と称され得る。
【0112】
ここで
図4Aを参照すると、ヒト視覚系の遠近調節-輻輳・開散運動応答の表現が、図示される。オブジェクトを固視するための眼の移動は、眼にオブジェクトからの光を受け取らせ、光は、画像を眼の網膜のそれぞれ上に形成する。網膜上に形成される画像内の網膜ぼかしの存在は、遠近調節のためのキューを提供し得、網膜上の画像の相対的場所は、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。遠近調節するためのキューは、遠近調節を生じさせ、それぞれ、眼の水晶体がオブジェクトの集束された画像を眼の網膜(例えば、中心窩)上に形成する特定の遠近調節状態をとる結果をもたらす。一方、輻輳・開散運動のためのキューは、各眼の各網膜上に形成される画像が単一両眼視を維持する対応する網膜点にあるように、輻輳・開散運動移動(眼の回転)を生じさせる。これらの位置では、眼は、特定の輻輳・開散運動状態をとっていると言え得る。
図4Aを継続して参照すると、遠近調節は、眼が特定の遠近調節状態を達成するプロセスであると理解され得、輻輳・開散運動は、眼が特定の輻輳・開散運動状態を達成するプロセスであると理解され得る。
図4Aに示されるように、眼の遠近調節および輻輳・開散運動状態は、ユーザが別のオブジェクトを固視する場合、変化し得る。例えば、遠近調節された状態は、ユーザがz-軸上の異なる深度における新しいオブジェクトを固視する場合、変化し得る。
【0113】
理論によって限定されるわけではないが、オブジェクトの視認者は、輻輳・開散運動および遠近調節の組み合わせに起因して、オブジェクトを「3次元」であると知覚し得ると考えられる。上記に記載されるように、2つの眼の相互に対する輻輳・開散運動移動(例えば、瞳孔が相互に向かって、またはそこから移動し、眼の視線を収束させ、オブジェクトを固視するような眼の回転)は、眼の水晶体の遠近調節と密接に関連付けられる。通常条件下、焦点を1つのオブジェクトから異なる距離における別のオブジェクトに変化させるための眼の水晶体の焦点の変化は、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」として知られる関係下、同一距離への輻輳・開散運動の合致する変化を自動的に生じさせるであろう。同様に、輻輳・開散運動の変化は、通常条件下、水晶体形状における合致する変化を誘起するであろう。
【0114】
ここで
図4Bを参照すると、眼の異なる遠近調節および輻輳・開散運動状態の実施例が、図示される。対の眼222aは、光学無限遠におけるオブジェクトを固視する一方、対の眼222bは、光学無限遠未満におけるオブジェクト221を固視する。着目すべきこととして、各対の眼の輻輳・開散運動状態は、異なり、対の眼222aは、まっすぐ指向される一方、対の眼222は、オブジェクト221上に収束する。各対の眼222aおよび222bを形成する眼の遠近調節状態もまた、水晶体210a、220aの異なる形状によって表されるように異なる。
【0115】
望ましくないことに、従来の「3-D」ディスプレイシステムの多くのユーザは、これらのディスプレイにおける遠近調節と輻輳・開散運動状態との間の不整合に起因して、そのような従来のシステムを不快であると見出す、または奥行感を全く知覚しない場合がある。上記に記載されるように、多くの立体視または「3-D」ディスプレイシステムは、若干異なる画像を各眼に提供することによって、場面を表示する。そのようなシステムは、それらが、とりわけ、単に、場面の異なる提示を提供し、眼の輻輳・開散運動状態に変化を生じさせるが、それらの眼の遠近調節状態に対応する変化を伴わないため、多くの視認者にとって不快である。むしろ、画像は、眼が全ての画像情報を単一遠近調節状態において視認するように、ディスプレイによって眼から固定距離に示される。そのような配列は、遠近調節状態における整合する変化を伴わずに輻輳・開散運動状態に変化を生じさせることによって、「遠近調節-輻輳・開散運動反射」に逆らう。本不整合は、視認者不快感を生じさせると考えられる。遠近調節と輻輳・開散運動との間のより良好な整合を提供する、ディスプレイシステムは、3次元画像のより現実的かつ快適なシミュレーションを形成し得る。
【0116】
理論によって限定されるわけではないが、ヒトの眼は、典型的には、有限数の深度平面を解釈し、深度知覚を提供することができると考えられる。その結果、知覚された深度の高度に真実味のあるシミュレーションが、眼にこれらの限定数の深度平面のそれぞれに対応する画像の異なる提示を提供することによって達成され得る。いくつかの実施形態では、異なる提示は、輻輳・開散運動のためのキューおよび遠近調節するための整合するキューの両方を提供し、それによって、生理学的に正しい遠近調節-輻輳・開散運動整合を提供してもよい。
【0117】
図4Bを継続して参照すると、眼210、220からの空間内の異なる距離に対応する、2つの深度平面240が、図示される。所与の深度平面240に関して、輻輳・開散運動キューが、眼210、220毎に適切に異なる視点の画像を表示することによって提供されてもよい。加えて、所与の深度平面240に関して、各眼210、220に提供される画像を形成する光は、その深度平面240の距離におけるある点によって生成されたライトフィールドに対応する波面発散を有してもよい。
【0118】
図示される実施形態では、点221を含有する、深度平面240のz-軸に沿った距離は、1mである。本明細書で使用されるように、z-軸に沿った距離または深度は、ユーザの眼の射出瞳に位置するゼロ点を用いて測定されてもよい。したがって、1mの深度に位置する深度平面240は、眼が光学無限遠に向かって指向される状態におけるそれらの眼の光学軸上のユーザの眼の射出瞳から1m離れた距離に対応する。近似値として、z-軸に沿った深度または距離は、ユーザの眼の正面のディスプレイ(例えば、導波管の表面)から測定され、デバイスとユーザの眼の射出瞳との間の距離に関する値が加えられてもよい。その値は、瞳距離と呼ばれ、ユーザの眼の射出瞳と眼の正面のユーザによって装着されるディスプレイとの間の距離に対応し得る。実際は、瞳距離に関する値は、概して、全ての視認者に関して使用される、正規化された値であってもよい。例えば、瞳距離は、20mmであると仮定され得、1mの深度における深度平面は、ディスプレイの正面の980mmの距離にあり得る。
【0119】
ここで
図4Cおよび4Dを参照すると、整合遠近調節-輻輳・開散運動距離および不整合遠近調節-輻輳・開散運動距離の実施例が、それぞれ、図示される。
図4Cに図示されるように、ディスプレイシステムは、仮想オブジェクトの画像を各眼210、220に提供してもよい。画像は、眼210、220に、眼が深度平面240上の点15上に収束する、輻輳・開散運動状態をとらせ得る。加えて、画像は、その深度平面240における実オブジェクトに対応する波面曲率を有する光によって形成され得る。その結果、眼210、220は、画像がそれらの眼の網膜上に合焦された遠近調節状態をとる。したがって、ユーザは、仮想オブジェクトを深度平面240上の点15にあるように知覚し得る。
【0120】
眼210、220の遠近調節および輻輳・開散運動状態はそれぞれ、z-軸上の特定の距離と関連付けられることを理解されたい。例えば、眼210、220からの特定の距離におけるオブジェクトは、それらの眼に、オブジェクトの距離に基づいて、特定の遠近調節状態をとらせる。特定の遠近調節状態と関連付けられた距離は、遠近調節距離Adと称され得る。同様に、特定の輻輳・開散運動状態または相互に対する位置における眼と関連付けられた特定の輻輳・開散運動距離Vdが、存在する。遠近調節距離および輻輳・開散運動距離が整合する場合、遠近調節と輻輳・開散運動との間の関係は、生理学的に正しいと言え得る。これは、視認者のために最も快適なシナリオと見なされる。
【0121】
しかしながら、立体視ディスプレイでは、遠近調節距離および輻輳・開散運動距離は、常時、整合しない場合がある。例えば、
図4Dに図示されるように、眼210、220に表示される画像は、深度平面240に対応する波面発散を伴って表示され得、眼210、220は、その深度平面上の点15a、15bが合焦する、特定の遠近調節状態をとり得る。しかしながら、眼210、220に表示される画像は、眼210、220を深度平面240上に位置しない点15上に収束させる、輻輳・開散運動のためのキューを提供し得る。その結果、いくつかの実施形態では、遠近調節距離は、眼210、220の射出瞳から深度平面240までの距離に対応する一方、輻輳・開散運動距離は、眼210、220の射出瞳から点15までのより大きい距離に対応する。遠近調節距離は、輻輳・開散運動距離と異なる。その結果、遠近調節-輻輳・開散運動不整合が存在する。そのような不整合は、望ましくないと見なされ、不快感をユーザに生じさせ得る。不整合は、距離(例えば、V
d-A
d)に対応し、ジオプタを使用して特徴付けられ得ることを理解されたい。
【0122】
いくつかの実施形態では、同一参照点が遠近調節距離および輻輳・開散運動距離のために利用される限り、眼210、220の射出瞳以外の参照点が、遠近調節-輻輳・開散運動不整合を決定するための距離を決定するために利用されてもよいことを理解されたい。例えば、距離は、角膜から深度平面まで、網膜から深度平面まで、接眼レンズ(例えば、ディスプレイシステムの導波管)から深度平面まで等で測定され得る。
【0123】
理論によって限定されるわけではないが、ユーザは、不整合自体が有意な不快感を生じさせずに、依然として、最大約0.25ジオプタ、最大約0.33ジオプタ、および最大約0.5ジオプタの遠近調節-輻輳・開散運動不整合が生理学的に正しいとして知覚し得ると考えられる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるディスプレイシステム(例えば、ディスプレイシステム250、
図6)は、約0.5ジオプタまたはそれ未満の遠近調節-輻輳・開散運動不整合を有する画像を視認者に提示する。いくつかの他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.33ジオプタまたはそれ未満である。さらに他の実施形態では、ディスプレイシステムによって提供される画像の遠近調節-輻輳・開散運動不整合は、約0.25ジオプタまたはそれ未満であって、約0.1ジオプタまたはそれ未満を含む。
【0124】
図5は、波面発散を修正することによって、3次元画像をシミュレートするためのアプローチの側面を図示する。ディスプレイシステムは、画像情報でエンコードされた光770を受け取り、その光をユーザの眼210に出力するように構成される、導波管270を含む。導波管270は、所望の深度平面240上のある点によって生成されたライトフィールドの波面発散に対応する定義された波面発散量を伴って光650を出力してもよい。いくつかの実施形態では、同一量の波面発散が、その深度平面上に提示される全てのオブジェクトのために提供される。加えて、ユーザの他方の眼は、類似導波管からの画像情報を提供され得るように図示されるであろう。
【0125】
いくつかの実施形態では、単一導波管が、単一または限定数の深度平面に対応する設定された波面発散量を伴う光を出力するように構成されてもよく、および/または導波管は、限定された範囲の波長の光を出力するように構成されてもよい。その結果、いくつかの実施形態では、複数またはスタックの導波管が、異なる深度平面のための異なる波面発散量を提供し、および/または異なる範囲の波長の光を出力するために利用されてもよい。本明細書で使用されるように、深度平面は、平面であり得る、または湾曲表面の輪郭に追従し得ることを理解されたい。
【0126】
図6は、画像情報をユーザに出力するための導波管スタックの実施例を図示する。ディスプレイシステム250は、複数の導波管270、280、290、300、310を使用して、3次元知覚を眼/脳に提供するために利用され得る、導波管のスタックまたはスタックされた導波管アセンブリ260を含む。ディスプレイシステム250は、いくつかの実施形態では、ライトフィールドディスプレイと見なされてもよいことを理解されたい。加えて、導波管アセンブリ260はまた、接眼レンズとも称され得る。
【0127】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、輻輳・開散運動するための実質的に連続キューおよび遠近調節するための複数の離散キューを提供するように構成されてもよい。輻輳・開散運動のためのキューは、異なる画像をユーザの眼のそれぞれに表示することによって提供されてもよく、遠近調節のためのキューは、選択可能離散量の波面発散を伴う画像を形成する光を出力することによって提供されてもよい。換言すると、ディスプレイシステム250は、可変レベルの波面発散を伴う光を出力するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、波面発散の各離散レベルは、特定の深度平面に対応し、導波管270、280、290、300、310のうちの特定の1つによって提供されてもよい。
【0128】
図6を継続して参照すると、導波管アセンブリ260はまた、複数の特徴320、330、340、350を導波管の間に含んでもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、1つ以上のレンズであってもよい。導波管270、280、290、300、310および/または
【0129】
複数のレンズ320、330、340、350は、種々のレベルの波面曲率または光線発散を用いて、画像情報を眼に送信するように構成されてもよい。各導波管レベルは、特定の深度平面と関連付けられてもよく、その深度平面に対応する画像情報を出力するように構成されてもよい。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、導波管のための光源として機能してもよく、画像情報を導波管270、280、290、300、310の中に投入するために利用されてもよく、それぞれ、本明細書に説明されるように、眼210に向かって出力するために、各個別の導波管を横断して入射光を分散させるように構成されてもよい。光は、画像投入デバイス360、370、380、390、400の出力表面410、420、430、440、450から出射し、導波管270、280、290、300、310の対応する入力表面460、470、480、490、500の中に投入される。いくつかの実施形態では、入力表面460、470、480、490、500はそれぞれ、対応する導波管の縁であってもよい、または対応する導波管の主要表面の一部(すなわち、世界510または視認者の眼210に直接面する導波管表面のうちの1つ)であってもよい。いくつかの実施形態では、光の単一ビーム(例えば、コリメートされたビーム)が、各導波管の中に投入され、特定の導波管と関連付けられた深度平面に対応する特定の角度(および発散量)において眼210に向かって指向される、クローン化されるコリメートされたビームの場全体を出力してもよい。いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの単一の1つは、複数(例えば、3つ)の導波管270、280、290、300、310と関連付けられ、その中に光を投入してもよい。
【0130】
いくつかの実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400はそれぞれ、対応する導波管270、280、290、300、310の中への投入のための画像情報をそれぞれ生成する、離散ディスプレイである。いくつかの他の実施形態では、画像投入デバイス360、370、380、390、400は、例えば、1つ以上の光学導管(光ファイバケーブル等)を介して、画像情報を画像投入デバイス360、370、380、390、400のそれぞれに送り得る、単一の多重化されたディスプレイの出力端である。画像投入デバイス360、370、380、390、400によって提供される画像情報は、異なる波長または色(例えば、本明細書に議論されるように、異なる原色)の光を含んでもよいことを理解されたい。
【0131】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光は、光投影システム520によって提供され、これは、光モジュール530を備え、これは、発光ダイオード(LED)等の光エミッタを含んでもよい。光モジュール530からの光は、ビームスプリッタ550を介して、光変調器540、例えば、空間光変調器によって指向および修正されてもよい。光変調器540は、導波管270、280、290、300、310の中に投入される光の知覚される強度を変化させ、光を画像情報でエンコードするように構成されてもよい。空間光変調器の実施例は、シリコン上液晶(LCOS)ディスプレイを含む、液晶ディスプレイ(LCD)を含む。いくつかの他の実施形態では、空間光変調器は、デジタル光処理(DLP)デバイス等のMEMSデバイスであってもよい。画像投入デバイス360、370、380、390、400は、図式的に図示され、いくつかの実施形態では、これらの画像投入デバイスは、光を導波管270、280、290、300、310の関連付けられたものの中に出力するように構成される、共通投影システム内の異なる光経路および場所を表し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、導波管アセンブリ260の導波管は、導波管の中に投入された光をユーザの眼に中継しながら、理想的レンズとして機能し得る。本概念では、オブジェクトは、空間光変調器540であってもよく、画像は、深度平面上の画像であってもよい。
【0132】
いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム250は、光を種々のパターン(例えば、ラスタ走査、螺旋走査、リサジューパターン等)で1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に、最終的には、視認者の眼210に投影するように構成される、1つ以上の走査ファイバを備える、走査ファイバディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、光を1つまたは複数の導波管270、280、290、300、310の中に投入するように構成される、単一走査ファイバまたは走査ファイバの束を図式的に表し得る。いくつかの他の実施形態では、図示される画像投入デバイス360、370、380、390、400は、複数の走査ファイバまたは走査ファイバの複数の束を図式的に表し得、それぞれ、光を導波管270、280、290、300、310のうちの関連付けられた1つの中に投入するように構成される。1つ以上の光ファイバは、光を光モジュール530から1つ以上の導波管270、280、290、300、310に透過させるように構成されてもよいことを理解されたい。1つ以上の介在光学構造が、走査ファイバまたは複数のファイバと、1つ以上の導波管270、280、290、300、310との間に提供され、例えば、走査ファイバから出射する光を1つ以上の導波管270、280、290、300、310の中に再指向してもよいことを理解されたい。
【0133】
コントローラ560は、画像投入デバイス360、370、380、390、400、光源530、および光モジュール540の動作を含む、スタックされた導波管アセンブリ260のうちの1つ以上のものの動作を制御する。いくつかの実施形態では、コントローラ560は、ローカルデータ処理モジュール140の一部である。コントローラ560は、例えば、本明細書に開示される種々のスキームのいずれかに従って、導波管270、280、290、300、310への画像情報のタイミングおよび提供を調整する、プログラミング(例えば、非一過性媒体内の命令)を含む。いくつかの実施形態では、コントローラは、単一一体型デバイスまたは有線または無線通信チャネルによって接続される分散型システムであってもよい。コントローラ560は、いくつかの実施形態では、処理モジュール140または150(
図9E)の一部であってもよい。
【0134】
図6を継続して参照すると、導波管270、280、290、300、310は、全内部反射(TIR)によって各個別の導波管内で光を伝搬するように構成されてもよい。導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、主要上部表面および底部表面およびそれらの主要上部表面と底部表面との間に延在する縁を伴う、平面である、または別の形状(例えば、湾曲)を有してもよい。図示される構成では、導波管270、280、290、300、310はそれぞれ、各個別の導波管内で伝搬する光を導波管から外に再指向し、画像情報を眼210に出力することによって、光を導波管から抽出するように構成される、外部結合光学要素570、580、590、600、610を含んでもよい。抽出された光はまた、外部結合光と称され得、外部結合光学要素はまた、光抽出光学要素と称され得る。抽出された光のビームは、導波管によって、導波管内で伝搬する光が光抽出光学要素に衝打する場所において出力され得る。外部結合光学要素570、580、590、600、610は、例えば、本明細書にさらに議論されるような回折光学特徴を含む、格子であってもよい。説明を容易にし、図面を明確にするために、導波管270、280、290、300、310の底部主要表面に配置されて図示されるが、いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、本明細書にさらに議論されるように、上部および/または底部主要表面に配置されてもよく、および/または導波管270、280、290、300、310の容積内に直接配置されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、透明基板に取り付けられ、導波管270、280、290、300、310を形成する、材料の層内に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、導波管270、280、290、300、310は、材料のモノリシック片であってもよく、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、その材料片の表面上および/または内部に形成されてもよい。
【0135】
図6を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、各導波管270、280、290、300、310は、光を出力し、特定の深度平面に対応する画像を形成するように構成される。例えば、眼の最近傍の導波管270は、眼210にコリメートされた光(そのような導波管270の中に投入された)を送達するように構成されてもよい。コリメートされた光は、光学無限遠焦点面を表し得る。次の上方の導波管280は、眼210に到達し得る前に、第1のレンズ350(例えば、負のレンズ)を通して通過する、コリメートされた光を送出するように構成されてもよい。そのような第1のレンズ350は、眼/脳が、その次の上方の導波管280から生じる光を光学無限遠から眼210に向かって内向きにより近い第1の焦点面から生じるものとして解釈するように、若干の凸面波面曲率を生成するように構成されてもよい。同様に、第3の上方の導波管290は、眼210に到達する前に、その出力光を第1の350および第2の340レンズの両方を通して通過させる。第1の350および第2の340レンズの組み合わせられた屈折力は、眼/脳が、第3の導波管290から生じる光が次の上方の導波管280からの光であったよりも光学無限遠から人物に向かって内向きにさらに近い第2の焦点面から生じるものとして解釈するように、別の漸増量の波面曲率を生成するように構成されてもよい。
【0136】
他の導波管層300、310およびレンズ330、320も同様に構成され、スタック内の最高導波管310が、人物に最も近い焦点面を表す集約焦点力のために、その出力をそれと眼との間のレンズの全てを通して送出する。スタックされた導波管アセンブリ260の他側の世界510から生じる光を視認/解釈するとき、レンズ320、330、340、350のスタックを補償するために、補償レンズ層620が、スタックの上部に配置され、下方のレンズスタック320、330、340、350の集約力を補償してもよい。そのような構成は、利用可能な導波管/レンズ対と同じ数の知覚される焦点面を提供する。導波管の外部結合光学要素およびレンズの集束側面は両方とも、静的であってもよい(すなわち、動的または電気活性ではない)。いくつかの代替実施形態では、一方または両方とも、電気活性特徴を使用して動的であってもよい。
【0137】
いくつかの実施形態では、導波管270、280、290、300、310のうちの2つ以上のものは、同一の関連付けられた深度平面を有してもよい。例えば、複数の導波管270、280、290、300、310が、同一深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい、または導波管270、280、290、300、310の複数のサブセットが、深度平面毎に1つのセットを伴う、同一の複数の深度平面に設定される画像を出力するように構成されてもよい。これは、それらの深度平面において拡張された視野を提供するようにタイル化された画像を形成する利点を提供し得る。
【0138】
図6を継続して参照すると、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、導波管と関連付けられる特定の深度平面のために、光をそれらの個別の導波管から再指向し、かつ本光を適切な量の発散またはコリメーションを伴って出力するように構成されてもよい。その結果、異なる関連付けられる深度平面を有する導波管は、外部結合光学要素570、580、590、600、610の異なる構成を有してもよく、これは、関連付けられる深度平面に応じて、異なる量の発散を伴って光を出力する。いくつかの実施形態では、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、光を具体的角度で出力するように構成され得る、立体または表面特徴であってもよい。例えば、光抽出光学要素570、580、590、600、610は、立体ホログラム、表面ホログラム、および/または回折格子であってもよい。いくつかの実施形態では、特徴320、330、340、350は、レンズではなくてもよい。むしろ、それらは、単に、スペーサであってもよい(例えば、空隙を形成するためのクラッディング層および/または構造)。
【0139】
いくつかの実施形態では、外部結合光学要素570、580、590、600、610は、回折パターンを形成する回折特徴または「回折光学要素」(また、本明細書では、「DOE」とも称される)である。好ましくは、DOEは、ビームの光の一部のみがDOEの各交差部で眼210に向かって偏向される一方、残りがTIRを介して、導波管を通して移動し続けるように、十分に低回折効率を有する。画像情報を搬送する光は、したがって、様々な場所において導波管から出射する、いくつかの関連出射ビームに分割され、その結果、導波管内でバウンスする本特定のコリメートされたビームに関して、眼210に向かって非常に均一なパターンの出射放出となる。
【0140】
いくつかの実施形態では、1つ以上のDOEは、それらが能動的に回折する「オン」状態と有意に回折しない「オフ」状態との間で切替可能であり得る。例えば、切替可能なDOEは、微小液滴がホスト媒体中に回折パターンを備える、ポリマー分散液晶の層を備えてもよく、微小液滴の屈折率は、ホスト材料の屈折率に実質的に合致するように切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を著しく回折させない)、または微小液滴は、ホスト媒体のものに合致しない屈折率に切り替えられてもよい(その場合、パターンは、入射光を能動的に回折させる)。
【0141】
いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630(例えば、可視光および赤外線光カメラを含む、デジタルカメラ)が、眼210および/または眼210の周囲の組織の画像を捕捉し、例えば、ユーザ入力を検出する、および/またはユーザの生理学的状態を監視するために提供されてもよい。本明細書で使用されるように、カメラは、任意の画像捕捉デバイスであってもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、画像捕捉デバイスと、光(例えば、赤外線光)を眼に投影し、次いで、その光が眼によって反射され、画像捕捉デバイスによって検出され得る、光源とを含んでもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、フレームまたは支持構造80(
図9E)に取り付けられてもよく、カメラアセンブリ630からの画像情報を処理し得る、処理モジュール140および/または150と電気通信してもよい。いくつかの実施形態では、1つのカメラアセンブリ630が、眼毎に利用され、各眼を別個に監視してもよい。
【0142】
カメラアセンブリ630は、いくつかの実施形態では、ユーザの眼移動等のユーザの移動を観察してもよい。実施例として、カメラアセンブリ630は、眼210の画像を捕捉し、眼210の瞳孔(または眼210のある他の構造)のサイズ、位置、および/または配向を決定してもよい。カメラアセンブリ630は、所望に応じて、ユーザが見ている方向(例えば、眼姿勢または視線方向)を決定するために使用される、画像(本明細書に説明されるタイプの処理回路網によって処理される)を取得してもよい。いくつかの実施形態では、カメラアセンブリ630は、複数のカメラを含んでもよく、そのうちの少なくとも1つは、眼毎に利用され、独立して、各眼の眼姿勢または視線方向を別個に決定してもよい。カメラアセンブリ630は、いくつかの実施形態では、コントローラ560またはローカルデータ処理モジュール140等の処理回路網と組み合わせて、カメラアセンブリ630内に含まれる光源から反射された光(例えば、赤外線光)の閃光(例えば、反射)に基づいて、眼姿勢または視線方向を決定してもよい。
【0143】
ここで
図7を参照すると、導波管によって出力された出射ビームの実施例が、示される。1つの導波管が図示されるが、導波管アセンブリ260(
図6)内の他の導波管も同様に機能し得、導波管アセンブリ260は、複数の導波管を含むことを理解されたい。光640が、導波管270の入力表面460において導波管270の中に投入され、TIRによって導波管270内を伝搬する。光640がDOE570上に衝突する点において、光の一部が、出射ビーム650として導波管から出射する。出射ビーム650は、略平行として図示されるが、本明細書に議論されるように、また、導波管270と関連付けられる深度平面に応じて、(例えば、発散出射ビームを形成する)ある角度で眼210に伝搬するように再指向されてもよい。略平行出射ビームは、眼210からの遠距離(例えば、光学無限遠)における深度平面に設定されるように現れる画像を形成するように光を外部結合する、外部結合光学要素を伴う導波管を示し得ることを理解されたい。他の導波管または他の外部結合光学要素のセットが、より発散する、出射ビームパターンを出力してもよく、これは、眼210がより近い距離に遠近調節し、網膜上に合焦させることを要求し、光学無限遠より眼210に近い距離からの光として脳によって解釈されるであろう。
【0144】
いくつかの実施形態では、フルカラー画像が、原色、例えば、3つ以上の原色のそれぞれに画像をオーバーレイすることによって、各深度平面において形成されてもよい。
図8は、スタックされた導波管アセンブリの実施例を図示し、各深度平面は、複数の異なる原色を使用して形成される画像を含む。図示される実施形態は、深度平面240a-240fを示すが、より多いまたはより少ない深度もまた、検討される。各深度平面は、第1の色Gの第1の画像、第2の色Rの第2の画像、および第3の色Bの第3の画像を含む、それと関連付けられた3つ以上の原色画像を有してもよい。異なる深度平面は、文字G、R、およびBに続くジオプタ(dpt)に関する異なる数字によって図に示される。単なる実施例として、これらの文字のそれぞれに続く数字は、ジオプタ(1/m)、すなわち、視認者からの深度平面の逆距離を示し、図中の各ボックスは、個々の原色画像を表す。いくつかの実施形態では、異なる波長の光の眼の集束における差異を考慮するために、異なる原色に関する深度平面の正確な場所は、変動してもよい。例えば、所与の深度平面に関する異なる原色画像は、ユーザからの異なる距離に対応する深度平面上に設置されてもよい。そのような配列は、視力およびユーザ快適性を増加させ得、および/または色収差を減少させ得る。
【0145】
いくつかの実施形態では、各原色の光は、単一専用導波管によって出力されてもよく、その結果、各深度平面は、それと関連付けられた複数の導波管を有してもよい。そのような実施形態では、文字G、R、またはBを含む、図中の各ボックスは、個々の導波管を表すものと理解され得、3つの導波管は、深度平面毎に提供されてもよく、3つの原色画像が、深度平面毎に提供される。各深度平面と関連付けられた導波管は、本図面では、説明を容易にするために相互に隣接して示されるが、物理的デバイスでは、導波管は全て、レベル毎に1つの導波管を伴うスタックで配列されてもよいことを理解されたい。いくつかの他の実施形態では、複数の原色が、例えば、単一導波管のみが深度平面毎に提供され得るように、同一導波管によって出力されてもよい。
【0146】
図8を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、Gは、緑色であって、Rは、赤色であって、Bは、青色である。いくつかの他の実施形態では、マゼンタ色およびシアン色を含む、光の他の波長と関連付けられた他の色も、赤色、緑色、または青色のうちの1つ以上のものに加えて使用されてもよい、またはそれらに取って代わってもよい。
【0147】
本開示全体を通した所与の光の色の言及は、その所与の色として視認者によって知覚される、光の波長の範囲内の1つ以上の波長の光を包含するものと理解されると理解されたい。例えば、赤色光は、約620~780nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含んでもよく、緑色光は、約492~577nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含んでもよく、青色光は、約435~493nmの範囲内である1つ以上の波長の光を含んでもよい。
【0148】
いくつかの実施形態では、光源530(
図6)は、視認者の視覚的知覚範囲外の1つ以上の波長、例えば、赤外線および/または紫外線波長の光を放出するように構成されてもよい。加えて、ディスプレイ250の導波管の内部結合、外部結合、および他の光再指向構造は、例えば、結像および/またはユーザ刺激用途のために、本光をディスプレイからユーザの眼210に向かって指向および放出するように構成されてもよい。
【0149】
ここで
図9Aを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管に衝突する光は、その光を導波管の中に内部結合するために再指向される必要があり得る。内部結合光学要素が、光をその対応する導波管の中に再指向および内部結合するために使用されてもよい。
図9Aは、それぞれ、内部結合光学要素を含む、複数またはセット660のスタックされた導波管の実施例の断面側面図を図示する。導波管はそれぞれ、1つ以上の異なる波長または1つ以上の異なる波長範囲の光を出力するように構成されてもよい。スタック660は、スタック260(
図6)に対応し得、スタック660の図示される導波管は、複数の導波管270、280、290、300、310の一部に対応してもよいが、画像投入デバイス360、370、380、390、400のうちの1つ以上のものからの光が、光が内部結合のために再指向されることを要求する位置から導波管の中に投入されることを理解されたい。
【0150】
スタックされた導波管の図示されるセット660は、導波管670、680、および690を含む。各導波管は、関連付けられた内部結合光学要素(導波管上の光入力面積とも称され得る)を含み、例えば、内部結合光学要素700は、導波管670の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素710は、導波管680の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置され、内部結合光学要素720は、導波管690の主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置される。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720のうちの1つ以上のものは、個別の導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい(特に、1つ以上の内部結合光学要素は、反射性偏向光学要素である)。図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、その個別の導波管670、680、690の上側主要表面(または次の下側導波管の上部)上に配置されてもよく、特に、それらの内部結合光学要素は、透過性偏向光学要素である。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720は、個別の導波管670、680、690の本体内に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、他の光の波長を透過しながら、1つ以上の光の波長を選択的に再指向するような波長選択的である。その個別の導波管670、680、690の片側または角に図示されるが、内部結合光学要素700、710、720は、いくつかの実施形態では、その個別の導波管670、680、690の他の面積内に配置されてもよいことを理解されたい。
【0151】
図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、これらの内部結合光学要素に伝搬する光の方向における、図示される真正面図に見られるように、相互から側方にオフセットされてもよい。いくつかの実施形態では、各内部結合光学要素は、その光が別の内部結合光学要素を通して通過せずに、光を受け取るようにオフセットされてもよい。例えば、各内部結合光学要素700、710、720は、
図6に示されるように、光を異なる画像投入デバイス360、370、380、390、および400から受け取るように構成されてもよく、光を内部結合光学要素700、710、720の他のものから実質的に受け取らないように、他の内部結合光学要素700、710、720から分離されてもよい(例えば、側方に離間される)。
【0152】
各導波管はまた、関連付けられた光分散要素を含み、例えば、光分散要素730は、導波管670の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素740は、導波管680の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置され、光分散要素750は、導波管690の主要表面(例えば、上部主要表面)上に配置される。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の底部主要表面上に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、光分散要素730、740、750は、それぞれ、関連付けられた導波管670、680、690の上部および底部両方の主要表面上に配置されてもよい、または光分散要素730、740、750は、それぞれ、異なる関連付けられた導波管670、680、690内の上部および底部主要表面の異なるもの上に配置されてもよい。
【0153】
導波管670、680、690は、例えば、材料のガス、液体、および/または固体層によって離間および分離されてもよい。例えば、図示されるように、層760aは、導波管670および680を分離してもよく、層760bは、導波管680および690を分離してもよい。いくつかの実施形態では、層760aおよび760bは、低屈折率材料(すなわち、導波管670、680、690の直近のものを形成する材料より低い屈折率を有する材料)から形成される。好ましくは、層760a、760bを形成する材料の屈折率は、導波管670、680、690を形成する材料の屈折率の0.05以上であるまたは0.10以下である。有利なこととして、より低い屈折率層760a、760bは、導波管670、680、690を通して光の全内部反射(TIR)(例えば、各導波管の上部および底部主要表面間のTIR)を促進する、クラッディング層として機能してもよい。いくつかの実施形態では、層760a、760bは、空気から形成される。図示されないが、導波管の図示されるセット660の上部および底部は、直近クラッディング層を含んでもよいことを理解されたい。
【0154】
好ましくは、製造および他の考慮点を容易にするために、導波管670、680、690を形成する材料は、類似または同一であって、層760a、760bを形成する材料は、類似または同一である。いくつかの実施形態では、導波管670、680、690を形成する材料は、1つ以上の導波管間で異なってもよい、および/または層760a、760bを形成する材料は、依然として、前述の種々の屈折率関係を保持しながら、異なってもよい。
【0155】
図9Aを継続して参照すると、光線770、780、790が、導波管のセット660に入射する。光線770、780、790は、1つ以上の画像投入デバイス360、370、380、390、400(
図6)によって導波管670、680、690の中に投入されてもよいことを理解されたい。
【0156】
いくつかの実施形態では、光線770、780、790は、異なる色に対応し得る、異なる性質、例えば、異なる波長または異なる波長範囲を有する。内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、光が、TIRによって、導波管670、680、690のうちの個別の1つを通して伝搬するように、入射光を偏向させる。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素700、710、720はそれぞれ、他の波長を下層導波管および関連付けられた内部結合光学要素に透過させながら、1つ以上の特定の光の波長を選択的に偏向させる。
【0157】
例えば、内部結合光学要素700は、それぞれ、異なる第2および第3の波長または波長範囲を有する、光線780および790を透過させながら、第1の波長または波長範囲を有する、光線770を偏向させるように構成されてもよい。透過された光線780は、第2の波長または波長範囲の光を偏向させるように構成される、内部結合光学要素710に衝突し、それによって偏向される。光線790は、第3の波長または波長範囲の光を選択的に偏向させるように構成される、内部結合光学要素720によって偏向される。
【0158】
図9Aを継続して参照すると、偏向された光線770、780、790は、対応する導波管670、680、690を通して伝搬するように偏向される。すなわち、各導波管の内部結合光学要素700、710、720は、光をその対応する導波管670、680、690の中に偏向させ、光を対応する導波管の中に内部結合する。光線770、780、790は、光をTIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬させる角度で偏向される。光線770、780、790は、導波管の対応する光分散要素730、740、750に衝突するまで、TIRによって個別の導波管670、680、690を通して伝搬する。
【0159】
ここで
図9Bを参照すると、
図9Aの複数のスタックされた導波管の実施例の斜視図が、図示される。上記に記載されるように、内部結合された光線770、780、790は、それぞれ、内部結合光学要素700、710、720によって偏向され、次いで、それぞれ、導波管670、680、690内でTIRによって伝搬する。光線770、780、790は、次いで、それぞれ、光分散要素730、740、750に衝突する。光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820に向かって伝搬するように、光線770、780、790を偏向させる。
【0160】
いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、直交瞳エクスパンダ(OPE)である。いくつかの実施形態では、OPEは、光を外部結合光学要素800、810、820に偏向または分散し、いくつかの実施形態では、また、外部結合光学要素に伝搬するにつれて、本光のビームまたはスポットサイズを増加させ得る。いくつかの実施形態では、光分散要素730、740、750は、省略されてもよく、内部結合光学要素700、710、720は、光を直接外部結合光学要素800、810、820に偏向させるように構成されてもよい。例えば、
図9Aを参照すると、光分散要素730、740、750は、それぞれ、外部結合光学要素800、810、820と置換されてもよい。いくつかの実施形態では、外部結合光学要素800、810、820は、光を視認者の眼210(
図7)に指向させる、射出瞳(EP)または射出瞳エクスパンダ(EPE)である。OPEは、少なくとも1つの軸においてアイボックスの寸法を増加させるように構成されてもよく、EPEは、OPEの軸と交差する、例えば、直交する軸においてアイボックスを増加させてもよいことを理解されたい。例えば、各OPEは、光の残りの部分が導波管を辿って伝搬し続けることを可能にしながら、OPEに衝打する光の一部を同一導波管のEPEに再指向するように構成されてもよい。OPEへの衝突に応じて、再び、残りの光の別の部分は、EPEに再指向され、その部分の残りの部分は、導波管等を辿ってさらに伝搬し続ける。同様に、EPEへの衝打に応じて、衝突光の一部は、導波管からユーザに向かって指向され、その光の残りの部分は、EPに再び衝打するまで、導波管を通して伝搬し続け、その時点で、衝突する光の別の部分は、導波管から指向される等となる。その結果、内部結合される光の単一ビームは、その光の一部がOPEまたはEPEによって再指向される度に、「複製」され、それによって、
図6に示されるように、クローン化された光のビーム野を形成し得る。いくつかの実施形態では、OPEおよび/またはEPEは、光のビームのサイズを修正するように構成されてもよい。
【0161】
故に、
図9Aおよび9Bを参照すると、いくつかの実施形態では、導波管のセット660は、原色毎に、導波管670、680、690と、内部結合光学要素700、710、720と、光分散要素(例えば、OPE)730、740、750と、外部結合光学要素(例えば、EP)800、810、820とを含む。導波管670、680、690は、各1つの間に空隙/クラッディング層を伴ってスタックされてもよい。内部結合光学要素700、710、720は、(異なる波長の光を受け取る異なる内部結合光学要素を用いて)入射光をその導波管の中に再指向または偏向させる。光は、次いで、個別の導波管670、680、690内にTIRをもたらすであろう角度で伝搬する。示される実施例では、光線770(例えば、青色光)は、前述の様式において、第1の内部結合光学要素700によって偏光され、次いで、導波管を辿ってバウンスし続け、光分散要素(例えば、OPE)730、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)800と相互作用する。光線780および790(例えば、それぞれ、緑色および赤色光)は、導波管670を通して通過し、光線780は、内部結合光学要素710上に衝突し、それによって偏向される。光線780は、次いで、TIRを介して、導波管680を辿ってバウンスし、その光分散要素(例えば、OPE)740、次いで、外部結合光学要素(例えば、EP)810に進むであろう。最後に、光線790(例えば、赤色光)は、導波管690を通して通過し、導波管690の光内部結合光学要素720に衝突する。光内部結合光学要素720は、光線が、TIRによって、光分散要素(例えば、OPE)750に、次いで、TIRによって、外部結合光学要素(例えば、EP)820に伝搬するように、光線790を偏向させる。外部結合光学要素820は、次いで、最後に、光線790を視認者に外部結合し、視認者はまた、他の導波管670、680からの外部結合した光も受け取る。
【0162】
図9Cは、
図9Aおよび9Bの複数のスタックされた導波管の実施例の上下平面図を図示する。本上下図は、内部結合光学要素800、810、820に向かう光の伝搬方向に見られるように、真正面図とも称され得る、すなわち、上下図は、画像光がページに対して法線に入射する、導波管の図であることを理解されたい。図示されるように、導波管670、680、690は、各導波管の関連付けられた光分散要素730、740、750および関連付けられた外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整合されてもよい。しかしながら、本明細書に議論されるように、内部結合光学要素700、710、720は、垂直に整合されない。むしろ、内部結合光学要素は、好ましくは、非重複する(例えば、上下図に見られるように、側方に離間される)。本明細書でさらに議論されるように、本非重複空間配列は、1対1ベースで異なるソースから異なる導波管の中への光の投入を促進し、それによって、具体的光源が具体的導波管に一意に結合されることを可能にする。いくつかの実施形態では、非重複の空間的に分離される内部結合光学要素を含む、配列は、偏移瞳システムと称され得、これらの配列内の内部結合光学要素は、サブ瞳に対応し得る。
【0163】
空間的に重複する面積は、上下図に見られるように、その面積の70%以上の、80%以上の、または90%以上の側方重複を有し得ることを理解されたい。他方では、側方に偏移される面積は、上下図に見られるように、その面積の30%未満が重複する、20%未満が重複する、または10%未満が重複する。いくつかの実施形態では、側方に偏移される面積は、重複を有していない。
【0164】
図9Dは、複数のスタックされた導波管の別の実施例の上下平面図を図示する。図示されるように、導波管670、680、690は、垂直に整合されてもよい。しかしながら、
図9Cの構成と比較して、別個の光分散要素730、740、750および関連付けられる外部結合光学要素800、810、820は、省略される。代わりに、光分散要素および外部結合光学要素が、事実上、重畳され、上下図に見られるように、同一面積を占有する。いくつかの実施形態では、光分散要素(例えば、OPE)が、導波管670、680、690の1つの主要表面上に配置されてもよく、外部結合光学要素(例えば、EPE)が、それらの導波管の他の主要表面上に配置されてもよい。したがって、各導波管670、680、690は、集合的に、それぞれ、組み合わせられたOPE/EPE1281、1282、1283と称される、重畳された光分散および外部結合光学要素を有してもよい。そのような組み合わせられたOPE/EPEに関するさらなる詳細は、2018年12月14日に出願された、米国特許出願第16/221,359号(その開示全体が、参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出され得る。内部結合光学要素700、710、720は、光を内部結合し、それぞれ、組み合わせられたOPE/EPE1281、1282、1283に指向する。いくつかの実施形態では、図示されるように、内部結合光学要素700、710、720は、偏移された瞳空間配列を有する場合、側方に偏移されてもよい(例えば、それらは、図示される上下図に見られるように、側方に離間される)。
図9Cの構成と同様に、本側方に偏移された空間配列は、1対1のベースで、異なる導波管の中への異なる波長の光の投入を促進する(例えば、異なる光源から)。
【0165】
図9Eは、本明細書に開示される種々の導波管および関連システムが統合され得る、ウェアラブルディスプレイシステム60の実施例を図示する。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム60は、
図6のシステム250であって、
図6は、そのシステム60のいくつかの部分をより詳細に図式的に示す。例えば、
図6の導波管アセンブリ260は、ディスプレイ70の一部であってもよい。
【0166】
図9Eを継続して参照すると、ディスプレイシステム60は、ディスプレイ70と、そのディスプレイ70の機能をサポートするための種々の機械的および電子的モジュールおよびシステムとを含む。ディスプレイ70は、フレーム80に結合されてもよく、これは、ディスプレイシステムユーザまたは視認者90によって装着可能であって、ディスプレイ70をユーザ90の眼の正面に位置付けるように構成される。ディスプレイ70は、いくつかの実施形態では、アイウェアと見なされ得る。ディスプレイ70は、内部結合される画像光を中継し、その画像光をユーザ90の眼に出力するように構成される、導波管270等の1つ以上の導波管を含んでもよい。いくつかの実施形態では、スピーカ100が、フレーム80に結合され、ユーザ90の外耳道に隣接して位置付けられるように構成される(いくつかの実施形態では、示されない別のスピーカも、随意に、ユーザの他方の外耳道に隣接して位置付けられ、ステレオ/成形可能音制御を提供してもよい)。ディスプレイシステム60はまた、1つ以上のマイクロホン110または他のデバイスを含み、音を検出してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロホンは、ユーザが入力またはコマンドをシステム60に提供することを可能にするように構成され(例えば、音声メニューコマンドの選択、自然言語質問等)、および/または他の人物(例えば、類似ディスプレイシステムの他のユーザ)とのオーディオ通信を可能にしてもよい。マイクロホンはさらに、周辺センサとして構成され、オーディオデータ(例えば、ユーザおよび/または環境からの音)を収集してもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステム60はさらに、オブジェクト、刺激、人々、動物、場所、またはユーザの周囲の世界の他の側面を検出するように構成される、1つ以上の外向きに指向される環境センサ112を含んでもよい。例えば、環境センサ112は、1つ以上のカメラを含んでもよく、これは、例えば、ユーザ90の通常の視野の少なくとも一部に類似する画像を捕捉するように外向きに向いて位置してもよい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムはまた、周辺センサ120aを含んでもよく、これは、フレーム80と別個であって、ユーザ90の身体(例えば、ユーザ90の頭部、胴体、四肢等)上に取り付けられてもよい。周辺センサ120aは、いくつかの実施形態では、ユーザ90の生理学的状態を特徴付けるデータを入手するように構成されてもよい。例えば、センサ120aは、電極であってもよい。
【0167】
図9Eを継続して参照すると、ディスプレイ70は、有線導線または無線コネクティビティ等の通信リンク130によって、ローカルデータ処理モジュール140に動作可能に結合され、これは、フレーム80に固定して取り付けられる、ユーザによって装着されるヘルメットまたは帽子に固定して取り付けられる、ヘッドホンに内蔵される、または別様にユーザ90に除去可能に取り付けられる(例えば、リュック式構成において、ベルト結合式構成において)等、種々の構成において搭載されてもよい。同様に、センサ120aは、通信リンク120b、例えば、有線導線または無線コネクティビティによって、ローカルプロセッサおよびデータモジュール140に動作可能に結合されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、ハードウェアプロセッサおよび不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリまたはハードディスクドライブ)等のデジタルメモリを備えてもよく、その両方とも、データの処理、キャッシュ、および記憶を補助するために利用され得る。随意に、ローカル処理およびデータモジュール140は、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含んでもよい。データは、a)センサ(画像捕捉デバイス(カメラ等)、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、ジャイロスコープ、および/または本明細書に開示される他のセンサ(例えば、フレーム80に動作可能に結合される、または別様にユーザ90に取り付けられ得る))から捕捉されるデータ、および/またはb)可能性として、処理または読出後にディスプレイ70への通過のために、遠隔処理モジュール150および/または遠隔データリポジトリ160(仮想コンテンツに関連するデータを含む)を使用して入手および/または処理されるデータを含んでもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、これらの遠隔モジュール150、160が相互に動作可能に結合され、ローカル処理およびデータモジュール140に対するリソースとして利用可能であるように、有線または無線通信リンク等を介して、通信リンク170、180によって、遠隔処理モジュール150および遠隔データリポジトリ160に動作可能に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、ローカル処理およびデータモジュール140は、画像捕捉デバイス、マイクロホン、慣性測定ユニット、加速度計、コンパス、GPSユニット、無線デバイス、および/またはジャイロスコープのうちの1つ以上のものを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、これらのセンサのうちの1つ以上のものは、フレーム80に取り付けられてもよい、または有線または無線通信経路によってローカル処理およびデータモジュール140と通信する、独立構造であってもよい。
【0168】
図9Eを継続して参照すると、いくつかの実施形態では、遠隔処理モジュール150は、データおよび/または画像情報を分析および処理するように構成される、1つ以上のプロセッサを備えてもよく、例えば、1つ以上の中央処理ユニット(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、専用処理ハードウェア等を含む。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、デジタルデータ記憶設備を備えてもよく、これは、インターネットまたは「クラウド」リソース構成における他のネットワーキング構成を通して利用可能であってもよい。いくつかの実施形態では、遠隔データリポジトリ160は、1つ以上の遠隔サーバを含んでもよく、これは、情報、例えば、仮想コンテンツを生成するための情報をローカル処理およびデータモジュール140および/または遠隔処理モジュール150に提供する。いくつかの実施形態では、全てのデータが、記憶され、全ての算出が、ローカル処理およびデータモジュールにおいて実施され、遠隔モジュールからの完全に自律的な使用を可能にする。随意に、CPU、GPU等を含む、外部システム(例えば、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のコンピュータのシステム)が、処理(例えば、画像情報を生成する、データを処理する)の少なくとも一部を実施し、例えば、無線または有線接続を介して、情報をモジュール140、150、160に提供し、情報をそこから受信してもよい。
【0169】
図10は、空間光変調器930と、別個の光源940とを有する、光投影システム910を伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。光源940は、1つ以上の光エミッタを備え、空間光変調器(SLM)930を照明してもよい。レンズ構造960が、光源940からの光をSLM930上に集束させるために使用されてもよい。ビームスプリッタ(例えば、偏光ビームスプリッタ(PBS))950が、光源940からの光を空間光変調器930に反射させ、これは、光を反射および変調させる。画像光とも称される、反射された変調された光は、次いで、ビームスプリッタ950を通して、接眼レンズ920に伝搬する。別のレンズ構造である、投影光学系970が、画像光を接眼レンズ920上に収束または集束させるために利用されてもよい。接眼レンズ920は、1つ以上の導波管または変調された光を眼210に中継する導波管を含んでもよい。
【0170】
本明細書に記載されるように、別個の光源940および関連付けられるレンズ構造960は、望ましくないことに、重量およびサイズをウェアラブルディスプレイシステムに追加し得る。これは、特に、長時間にわたってディスプレイシステムを装着しているユーザにとって、ディスプレイシステムの快適性を減少させ得る。
【0171】
加えて、光源940は、SLM930と併せて、エネルギーを非効率的に消費し得る。例えば、光源940は、SLM930の全体を照明し得る。SLM930は、次いで、光を接眼レンズ920に向かって選択的に反射させる。したがって、光源940によって生産された全ての光が、画像を形成するために利用され得ない。本光の一部、例えば、画像の暗い領域に対応する光は、接眼レンズ920に反射されない。結果として、光源940は、光を生成するためのエネルギーを利用して、SLM930の全体を照明するが、本光のある割合のみが、いくつかの画像を形成するために必要とされ得る。
【0172】
さらに、本明細書に記載されるように、ある場合には、SLM930は、マイクロミラーを使用して、または下層ミラーから反射された光の量を修正する、液晶分子を使用して、光を変調させ、入射光を選択的に反射させ得る。結果として、そのようなデバイスは、光源940からの光を変調させるために、光学要素(例えば、それぞれ、LCoSまたはDLPパネル等におけるマイクロミラーまたは液晶分子)の物理的移動を要求する。光を変調させ、光を、例えば、ピクセルに対応する、画像情報でエンコーディングするために要求される、物理的移動は、例えば、LEDまたはOLEDを「オン」または「オフ」にする能力と比較して、比較的に低速で生じ得る。本比較的に低速の移動は、ディスプレイシステムのフレームレートを限定し得、例えば、モーションブラー、色割れ、および/またはユーザの頭部の姿勢または該姿勢の変化と不整合される、提示される画像として、可視であり得る。
【0173】
したがって、本明細書に議論されるように、画像情報でエンコーディングされた光は、1つ以上の異なる光源からの光を変調させる、LCoSまたはDLPパネル等の反射性空間光変調器を利用する、プロジェクタシステムによって出力されてもよい。いくつかの他の実施形態では、変調器は、光源であってもよい。いくつかの実施形態では、空間光変調器は、発光型マイクロディスプレイ(例えば、マイクロLEDアレイ)等の発光型空間光変調器であってもよい。本明細書に開示されるように、発光型マイクロディスプレイを利用する、ウェアラブルディスプレイは、特に、比較的に低重量および嵩高性、高エネルギー効率、および高フレームレートを有し、低モーションブラーおよび運動から画像描画までの短待ち時間を伴う、ウェアラブルディスプレイシステムを促進する際に有利であり得る。加えて、走査式ファイバディスプレイと比較して、発光型マイクロディスプレイは、コヒーレント光源の使用によって生じるアーチファクトを回避し得る。
【0174】
ここで
図11Aを参照すると、複数の発光型マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cを有する、光投影システム1010を伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例が、図示される。マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cからの光は、光学コンバイナ1050によって組み合わせられ、接眼レンズ1020に向かって指向され、これは、光をユーザの眼210に中継する。投影光学系1070は、光学コンバイナ1050と接眼レンズ1020との間に提供されてもよい。いくつかの実施形態では、接眼レンズ1020は、1つ以上の導波管を備える、導波管アセンブリであってもよい。いくつかの実施形態では、光投影システム1010および接眼レンズ1020は、フレーム80(
図9E)に支持されてもよい(例えば、取り付けられる)。
【0175】
いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cは、モノクロマイクロディスプレイであってもよく、各モノクロマイクロディスプレイは、異なる原色の光を出力し、モノクロ画像を提供する。本明細書に議論されるように、モノクロ画像は、組み合わせられ、フルカラー画像を形成する。
【0176】
いくつかの他の実施形態では、マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cはそれぞれ、全ての原色の光を出力するように構成される、フルカラーディスプレイであってもよい。例えば、マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cはそれぞれ、赤色、緑色、および青色光エミッタを含む。マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cは、同じであってもよく、同一画像を表示してもよい。しかしながら、複数のマイクロディスプレイを利用することは、複数のマイクロディスプレイからの光を組み合わせ、単一画像を形成することによって、画像の明度および明度の明度ダイナミックレンジを増加させるための利点を提供し得る。いくつかの実施形態では、2つ以上の(例えば、3つの)マイクロディスプレイが、利用されてもよく、光学コンバイナ1050は、これらのマイクロディスプレイの全てからの光を組み合わせるように構成される。
【0177】
マイクロディスプレイは、光エミッタのアレイを備えてもよい。光エミッタの実施例は、有機発光ダイオード(OLED)およびマイクロ発光ダイオード(マイクロLED)を含む。OLEDは、光を放出するために有機材料を利用し、マイクロLEDは、光を放出するために無機材料を利用することを理解されたい。有利なこととして、いくつかのマイクロLEDは、OLEDより高い輝度およびより高い効率(ルクス/Wの観点から)を提供する。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイは、好ましくは、マイクロLEDディスプレイである。
【0178】
図11Aを継続して参照すると、マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cはそれぞれ、画像光1032a、1032b、1032cを放出するように構成されてもよい。マイクロディスプレイが、モノクロマイクロディスプレイである場合、画像光1032a、1032b、1032cはそれぞれ、異なる原色であってもよい。光学コンバイナ1050は、画像光1032a、1032b、1032cを受け取り、光が、概して、同一方向に、例えば、投影光学系1070に向かって伝搬するように、本光を効果的に組み合わせる。いくつかの実施形態では、光学コンバイナ1050は、画像光1032a、1032b、1032cを投影光学系1070に再指向する、反射性内部表面を有する、ダイクロイックX-立方体プリズムであってもよい。投影光学系1070は、画像光を接眼レンズ1020上に収束または集束させる、1つ以上のレンズを備える、レンズ構造であってもよいことを理解されたい。接眼レンズ1020は、次いで、画像光1032a、1032b、1032cを眼210に中継する。
【0179】
いくつかの実施形態では、接眼レンズ1020は、それぞれ、個別の内部結合光学要素1022a、1022b、1022cを有する、複数のスタックされた導波管1020a、1020b、1020cを備えてもよい。いくつかの実施形態では、導波管の数は、マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cによって提供される原色の数に比例する。例えば、3つの原色が存在する場合、接眼レンズ1020内の導波管の数は、3つの導波管のセットまたは各3つの導波管の複数のセットを含んでもよい。いくつかの実施形態では、各セットは、本明細書に議論されるように、特定の深度平面に対応する波面発散を伴う、光を出力してもよい。導波管1020a、1020b、1020cおよび内部結合光学要素1022a、1022b、1022cは、それぞれ、
図9A-9Cの導波管670、680、690および内部結合光学要素700、710、720に対応し得ることを理解されたい。投影光学系1070から視認されるように、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cは、それらが、少なくとも部分的に、そのような図に見られるように、重複しないように、側方に偏移されてもよい。
【0180】
図示されるように、本明細書に開示される種々の内部結合光学要素(例えば、内部結合光学要素1022a、1022b、1022c)は、関連付けられる導波管(例えば、それぞれ、導波管1020a、1020b、1020c)の主要表面上に配置されてもよい。加えて、また、図示されるように、その上に所与の内部結合光学要素が配置される、主要表面は、導波管の背面表面であってもよい。そのような構成では、内部結合光学要素は、反射性光再指向要素であってもよく、これは、関連付けられる導波管を通して、TIRを支援する角度で光を反射させることによって、光を内部結合する。ある他の構成では、内部結合光学要素は、導波管の前方(後方表面より投影光学系1070に近い)表面上に配置されてもよい。そのような構成では、内部結合光学要素は、透過性光再指向要素であってもよく、これは、光が内部結合光学要素を通して透過されるにつれて、光の伝搬方向を変化させることによって、光を内部結合する。本明細書に開示される内部結合光学要素のいずれも、反射性または透過性内部結合光学要素であってもよいことを理解されたい。
【0181】
図11Aを継続して参照すると、マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cの異なるものからの画像光1032a、1032b、1032cは、それらが内部結合光学要素1022a、1022b、1022cの異なるもの上に衝突するように、接眼レンズ1020への異なる経路を辿り得る。画像光1032a、1032b、1032cが、異なる原色の光を含む場合、関連付けられる内部結合光学要素1022a、1022b、1022cは、それぞれ、例えば、
図9A-9Cの内部結合光学要素700、710、720に関して上記に説明されるように、異なる波長の光を選択的に内部結合するように構成されてもよい。
【0182】
図11Aを継続して参照すると、光学コンバイナ1050は、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cの適切な関連付けられるもの上に衝突するために、画像光が異なる光学経路に沿って伝搬するように、マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cによって放出される画像光1032a、1032b、1032cを再指向するように構成されてもよい。したがって、光学コンバイナ1050は、画像光が、光学コンバイナ1050の共通面から出力されるという意味において、画像光1032a、1032b、1032cを組み合わせるが、光は、光学コンバイナから若干異なる方向に出射してもよい。例えば、X-立方体プリズムの反射性内部表面1052、1054はそれぞれ、画像光1032a、1032b、1032cを異なる経路に沿って接眼レンズ1020に指向するように角度付けられてもよい。結果として、画像光1032a、1032b、1032cは、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cの異なる関連付けられるもの上に入射し得る。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cは、X-立方体プリズムの反射性内部表面1052、1054に対して適切に角度付けられ、所望の光経路を内部結合光学要素1022a、1022b、1022cに提供し得る。例えば、マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cのうちの1つ以上のものの面は、マイクロディスプレイによって放出される画像光が、反射性内部表面1052、1054上に適切な角度で入射し、関連付けられる内部結合光学要素1022a、1022b、または1022cに向かって伝搬するように、光学コンバイナ1050の面に合致するように角度付けられてもよい。立方体に加え、光学コンバイナ1050は、種々の他の多面体の形態をとってもよいことを理解されたい。例えば、光学コンバイナ1050は、正方形ではなく、少なくとも2つの面を有する、直角プリズムの形状であってもよい。
【0183】
図11Aを継続して参照すると、いくつかの実施形態では、直接、出力面1051に対向する、モノクロマイクロディスプレイ1030bは、有利なこととして、緑色光を出力し得る。反射性表面1052、1054は、マイクロディスプレイから光を反射させるとき、光学損失を有し得ることを理解されたい。加えて、ヒトの眼は、緑色の色に最も敏感である。その結果、出力面1051に対向する、モノクロマイクロディスプレイ1030bは、好ましくは、緑色光が、光学コンバイナ1050から出力されるために反射される必要なく、直接、光学コンバイナ1050を通して進み得るように、緑色光を出力する。しかしながら、緑色モノクロマイクロディスプレイは、いくつかの他の実施形態では、光学コンバイナ1050の他の表面に向いてもよいことを理解されるであろう。
【0184】
本明細書に議論されるように、ユーザによるフルカラー画像の知覚は、いくつかの実施形態では、時間分割多重化を用いて達成され得る。例えば、発光型マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cの異なるものが、異なる時間にアクティブ化され、異なる原色画像を生成し得る。そのような実施形態では、単一フルカラー画像を形成する、異なる原色画像が、ヒト視覚系が原色画像が異なる時間に表示されているように知覚しないほど十分に迅速に、順次、表示され得る。すなわち、単一フルカラー画像を形成する、異なる原色画像は全て、ユーザが、時間的に分離されているのではなく、同時に提示されているように、原色画像を知覚するほど十分に短い、持続時間内に表示され得る。例えば、ヒト視覚系は、フリッカ融合閾値を有し得ることを理解されたい。フリッカ融合閾値は、ヒト視覚系が異なる時間に提示されているような画像を区別することが不可能である、持続時間と理解され得る。その持続時間内に提示される画像は、融合され、または組み合わせられ、結果として、ユーザによって、同時に提示されているように知覚され得る。その持続時間外の画像間の時間的間隙を伴う、フリッカ画像は、組み合わせられず、画像のフリッカが、知覚可能である。いくつかの実施形態では、持続時間は、1/60秒またはそれ未満であって、これは、60Hz以上のフレームレートに対応する。好ましくは、任意の個々の眼のための画像フレームは、ユーザのフリッカ融合閾値の持続時間に等しいまたはより高いフレームレートでユーザに提供される。例えば、左眼または右接眼レンズ毎のフレームレートは、60Hz以上の、または120Hzまたはそれを上回ってもよく、結果として、光投影システム1010によって提供されるフレームレートは、いくつかの実施形態では、120Hz以上の、または240Hzまたはそれを上回ってもよい。
【0185】
時分割多重化は、有利なこととして、表示される画像を形成するために利用される、プロセッサ(例えば、グラフィックプロセッサ)上の算出負荷を低減させ得ることを理解されたい。十分な算出リソースが利用可能である場合等のいくつかの他の実施形態では、フルカラー画像を形成する、全ての原色画像は、マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cによって、同時に表示されてもよい。
【0186】
本明細書に議論されるように、マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cはそれぞれ、光エミッタのアレイを含んでもよい。
図11Bは、光エミッタ1044のアレイ1042の実施例を図示する。関連付けられるマイクロディスプレイが、モノクロマイクロディスプレイである場合、光エミッタ1044は全て、同一色の光を放出するように構成されてもよい。
【0187】
関連付けられるマイクロディスプレイが、フルカラーマイクロディスプレイである場合、光エミッタ1044の異なるものは、異なる色の光を放出するように構成されてもよい。そのような実施形態では、光エミッタ1044は、サブピクセルと見なされ得、グループ内に配列されてもよく、各グループは、各原色の光を放出するように構成される、少なくとも1つの光エミッタを有する。例えば、原色が、赤色、緑色、および青色である場合、各グループは、少なくとも1つの赤色サブピクセルと、少なくとも1つの緑色サブピクセルと、少なくとも1つの青色サブピクセルとを有してもよい。
【0188】
光エミッタ1044は、例証を容易にするために、グリッドパターンで配列されて示されるが、光エミッタ1044は、他の規則的に繰り返す空間配列を有してもよいことを理解されるであろう。例えば、異なる原色の光エミッタの数は、変動し得、光エミッタのサイズも、変動し得、光エミッタの形状および/または光エミッタのグループによって作り出される形状も、変動し得る等である。
【0189】
図11Bを継続して参照すると、マイクロエミッタ1044は、光を放出することを理解されたい。加えて、リソグラフィまたは他のパターン化および処理限界等の製造制約および/または電気考慮点は、近傍の光エミッタ1044が離間される近接度を限定し得る。結果として、他の光エミッタ1044を形成することが実践的ではない、光エミッタ1044を囲繞する面積1045が存在し得る。本面積1045は、光エミッタ1044間にエミッタ間領域を形成する。いくつかの実施形態では、面積1045を考慮して、光エミッタは、例えば、10μm未満、8μm未満、6μm未満、または5μm未満であって、かつ1~5μmを含む1μmを上回る、ピッチを有し、エミッタサイズは、2μmまたはそれ未満、1.7μmまたはそれ未満、または1.3μmまたはそれ未満である。いくつかの実施形態では、エミッタサイズは、上記のサイズの上限と、1μmの下限とを有する、範囲内である。いくつかの実施形態では、エミッタサイズ対ピッチの比は、1:1~1:5、1:2~1:4、または1:2~1:3である。
【0190】
いくつかの光エミッタデバイスアーキテクチャおよび材料を前提として、電流密集は、エミッタの効率を減少させ得、ピクセルのドループは、ピクセルの非意図的アクティブ化を生じさせ得る(例えば、1つの光エミッタに指向されるエネルギーが近傍の光エミッタに漏れることに起因して)ことを理解されたい。結果として、比較的に大面積1045は、有益なこととして、電流密集およびピクセルのドループを低減させ得る。いくつかの実施形態では、エミッタサイズ対ピッチの比は、好ましくは、1:2~1:4または1:2~1:3である。
【0191】
しかしながら、また、光エミッタ間の大分離(例えば、小さな光エミッタ対ピッチの比)は、望ましくないことに、可視間隙または暗領域を光エミッタ間に引き起こし得ることを理解されたい。本明細書に議論されるように、側方に平行移動されるときでも、いくつかの間隙は、依然として、オリジナル間隙のサイズ、平行移動の距離、および利用されるサブフレームの数(および結果として生じる平行移動インクリメント)に応じて、可視であり得る。いくつかの実施形態では、光コリメータ等のレンズ構造が、これらの暗領域を効果的に充填または部分的に充填するために利用されてもよい。例えば、光コリメート型レンズが、エミッタ1044からの光がレンズを完全に充填するように、光エミッタ1044上およびその周囲に延在してもよい。例えば、光コリメート型レンズは、光エミッタ1044より大きい幅を有してもよく、いくつかの実施形態では、コリメート型レンズの幅は、ピッチとほぼ等しくてもよい。結果として、エミッタ1044のサイズは、レンズの面積を横断して延在するように事実上増加され、それによって、面積1045の一部または全部を充填する。いくつかの他の実施形態では、コリメート型レンズの幅は、投影システムが、本明細書に議論されるように、サブフレーム毎に平行移動される距離とほぼ等しくてもよい。光コリメータ等のレンズ構造がさらに、本明細書で議論される(例えば、
図30Aおよび関連議論において)。
【0192】
本明細書に議論されるように、光エミッタ1044は、OLEDまたはマイクロLEDであってもよい。OLEDは、例えば、光を放出するために電極間に配置される、有機材料の層を利用してもよいことを理解されたい。マイクロLEDは、光放出のために、無機材料、例えば、GaAs、GaN、および/またはGaIn等の第III-V族材料を利用してもよい。GaN材料の実施例は、InGaNを含み、これは、いくつかの実施形態では、青色または緑色光エミッタを形成するために使用されてもよい。GaIn材料の実施例は、AlGaInPを含み、これは、いくつかの実施形態では、赤色光エミッタを形成するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、光エミッタ1044は、初期色の光を放出してもよく、これは、蛍光体材料または量子ドットを使用して、他の所望の色に変換されてもよい。例えば、光エミッタは、青色光を放出してもよく、これは、青色波長光を緑色または赤色波長に変換する、蛍光体材料または量子ドットを励起させる。
【0193】
ここで
図12を参照すると、複数の発光型マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cを有する、光投影システムを伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの別の実施例が、図示される。図示されるディスプレイシステムは、
図11Aのディスプレイシステムに類似するが、光学コンバイナ1050は、標準的X-立方体プリズム構成を有し、X-立方体プリズムの反射性表面1052、1054上への光の入射角を修正するために、光再指向構造1080aおよび1080cを含む。標準的X-立方体プリズム構成は、X-立方体の面に対して法線である、光を受け取り、X-立方体の横方向面から法線角度で出力されるように、本光を45°で再指向するであろうことを理解されたい。しかしながら、これは、画像光1032a、1032b、1032cを接眼レンズ1020の同一内部結合光学要素上に入射させるであろう。画像光が、導波管アセンブリの内部結合光学要素1022a、1022b、1022cの関連付けられるもの上に入射するように、画像光1032a、1032b、1032cのための異なる経路を提供するために、光再指向構造1080a、1080cが、利用されてもよい。
【0194】
いくつかの実施形態では、光再指向構造1080a、1080cは、レンズ構造であってもよい。レンズ構造は、入射光を受け取り、光が、反射性表面1052、1054の対応するものから反射し、光経路に沿って、内部結合光学要素1022a、1022cの対応するものに向かって伝搬するような角度で、入射光を再指向するように構成されてもよいことを理解されたい。実施例として、光再指向構造1080a、1080cは、マイクロレンズ、ナノレンズ、反射性ウェル、メタ表面、および液晶格子を備えてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロレンズ、ナノレンズ、反射性ウェル、メタ表面、および液晶格子は、アレイに編成されてもよい。例えば、マイクロディスプレイ1030a、1030cの各光エミッタは、1つのマイクロレンズと合致されてもよい。いくつかの実施形態では、光を特定の方向に再指向するために、マイクロレンズまたは反射性ウェルは、非対称であってもよく、および/または光エミッタは、マイクロレンズに対して中心からずらして配置されてもよい。加えて、いくつかの実施形態では、光再指向構造1080a、1080cは、コリメータであってもよく、これは、関連付けられる光エミッタの角度放出プロファイルを狭化し、最終的に接眼レンズ1020の中に内部結合される光の量を増加させる。そのような光再指向構造1080a、1080cに関するさらなる詳細は、
図24A-27Cに関して下記に議論される。
【0195】
ここで
図13Aを参照すると、いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cのうちの2つ以上のものは、重複してもよい(例えば、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cの中への光伝搬の方向における、真正面図に見られるように)。
図13Aは、複数の発光型マイクロディスプレイ1032a、1032b、1032cと、重複する光内部結合光学要素1022a、1022cおよび非重複する光内部結合光学要素1022bを伴う、接眼レンズ1020とを有する、光投影システム1010を伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの側面図の実施例を図示する。図示されるように、内部結合光学要素1022a、1022cは、重複する一方、内部結合光学要素1022bは、側方に偏移される。換言すると、内部結合光学要素1022a、1022cは、直接、画像光1032a、1032cの経路内に整合される一方、画像光1032bは、画像光1032a、1032cが入射される面積に対して側方に偏移される、接眼レンズ1020の面積上に入射するように、接眼レンズ1020への別の経路を辿る。
【0196】
図示されるように、画像光1032bおよび画像光1032a、1032cのための経路間の差異は、光再指向構造1080a、1080cを使用して確立されてもよい。いくつかの実施形態では、発光型マイクロディスプレイ1030bからの画像光1032bは、直接、光学コンバイナ1052を通して進む。発光型マイクロディスプレイ1032aからの画像光1032aは、光再指向構造1080aによって、反射性表面1054から反射し、光学コンバイナ1050から外に、画像光1032cと同一方向に伝搬するように再指向される。発光型マイクロディスプレイ1032cからの画像光1032cは、光再指向構造1080cによって、画像光1032cが、光学コンバイナ1050から外に、画像光1032bと同一方向に伝搬するような角度で、反射性表面1052から反射するように再指向されることを理解されたい。したがって、光再指向構造1080a、1080cによる光の再指向および反射性表面1052、1054の角度は、光学コンバイナ1050から外に画像光1032a、1032cのための共通経路を提供するように構成され、本共通経路は、画像光1032bの経路と異なる。いくつかの他の実施形態では、光再指向構造1080a、1080cの一方または両方は、省略されてもよく、光学コンバイナ1050内の反射性表面1052、1054は、光学コンバイナ1050から出射し、画像光1032bの方向と異なる、同一方向に伝搬するように、画像光1032a、1032cを適切な個別の方向に反射させるように構成されてもよい。したがって、投影光学系1070を通して伝搬後、画像光1032a、1032cは、1つの射出瞳から出射する一方、画像光1032bは、別の射出瞳から出射する。本構成では、光投影システム1010は、2瞳投影システムと称され得る。
【0197】
いくつかの実施形態では、光投影システム1010は、単一出力瞳を有してもよく、単一瞳投影システムと称され得る。そのような実施形態では、光投影システム1010は、画像光1032a、1032b、1032cを接眼レンズ1020の単一共通面積上に指向するように構成されてもよい。そのような構成は、光を接眼レンズ1020の単一光内部結合面積に指向するように構成される、複数の発光型マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cを有する、光投影システム1010を伴う、ウェアラブルディスプレイシステムを図示する、
図13Bに示される。いくつかの実施形態では、さらに本明細書で議論されるように、接眼レンズ1020は、重複する光内部結合光学要素を有する、導波管のスタックを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、単一光内部結合光学要素は、全ての原色の光を単一導波管の中に内部結合するように構成されてもよい。
図13Bのディスプレイシステムは、光再指向構造1080a、1080cの省略および導波管1020aと関連付けられる内部結合光学要素1122aの併用を除き、
図13Aのディスプレイシステムに類似する。図示されるように、内部結合光学要素1122aは、画像光1032a、1032b、1032cのそれぞれを導波管1020aの中に内部結合し、これは、次いで、画像光を眼210に中継する。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1122aは、回折格子を備えてもよい。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1122aは、メタ表面および/または液晶格子である。
【0198】
本明細書に議論されるように、いくつかの実施形態では、発光型マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cは、異なる色の光を放出するように構成される、モノクロマイクロディスプレイであってもよい。いくつかの実施形態では、発光型マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cのうちの1つ以上のものは、2つ以上であるが全てではない原色の光を放出するように構成される、光エミッタのグループを有してもよい。例えば、単一発光型マイクロディスプレイは、青色光を放出するように構成される、グループあたり少なくとも1つの光エミッタと、緑色光を放出するように構成される、グループあたり少なくとも1つの光エミッタとを伴う、光エミッタのグループを有してもよく、X-立方体1050の異なる面上の別個の発光型マイクロディスプレイは、赤色光を放出するように構成される、光エミッタを有してもよい。いくつかの他の実施形態では、発光型マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cはそれぞれ、それぞれ、全ての原色の光エミッタを有する、フルカラーディスプレイであってもよい。本明細書に記載されるように、複数の類似マイクロディスプレイを利用することは、ダイナミックレンジのための利点および増加されたディスプレイ明度を提供し得る。
【0199】
いくつかの実施形態では、単一フルカラー発光型マイクロディスプレイが、利用されてもよい。
図14は、単一発光型マイクロディスプレイ1030bを伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。
図14のウェアラブルディスプレイシステムは、
図14のウェアラブルディスプレイシステムに類似するが、単一発光型マイクロディスプレイ1030bは、全ての原色の光を放出するように構成される、フルカラーマイクロディスプレイである。図示されるように、マイクロディスプレイ1030bは、各原色の画像光1032a、1032b、1032cを放出する。そのような実施形態では、光学コンバイナ1050(
図13B)は、省略されてもよく、これは、有利なこととして、光学コンバイナを伴うシステムに対して、ウェアラブルディスプレイシステムの重量およびサイズを低減させ得る。
【0200】
上記に議論されるように、接眼レンズ1020の内部結合光学要素は、種々の構成をとってもよい。接眼レンズ1020に関する構成のいくつかの実施例は、
図15-23Cに関連して下記に議論される。
【0201】
図15は、それぞれ、重複する内部結合光学要素1022a、1022b、1022cを伴う、導波管1020a、1020b、1020cのスタックを有する、接眼レンズ1020の実施例の側面図を図示する。図示される導波管スタックは、
図13Bおよび14の単一の図示される導波管1020aの代わりに利用されてもよいことを理解されたい。本明細書に議論されるように、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cはそれぞれ、具体的色を有する光を内部結合するように構成される(例えば、特定の波長または波長の範囲の光)。画像光が接眼レンズ1020に向かってページを辿って垂直に伝搬する、接眼レンズ1020の図示される配向では、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cは、上下図(内部結合光学要素に伝搬する画像光1032a、1032b、1032cの方向における真正面図)に見られるように、それらが相互に空間的に重複するように、相互に垂直に整合される(例えば、画像光1032a、1032b、1032cの伝搬方向と平行な軸に沿って)。
【0202】
図15を継続して参照すると、本明細書に議論されるように、投影システム1010(
図13、14)は、投影システムの単一瞳を通して、第1のモノクロカラー画像、第2のモノクロカラー画像、および第3のモノクロカラー画像(例えば、赤色、緑色、および青色カラー画像)を出力するように構成され、モノクロ画像は、それぞれ、画像光1032a、1032b、1032cによって形成される。内部結合光学要素1022cは、導波管1020cの上側および底部主要表面における複数回の全内部反射によって、導波管1020cを通して伝搬するように、第1のカラー画像のために、画像光1032cを導波管1020cの中に内部結合するように構成され、内部結合光学要素1022bは、導波管1020bの上側および底部主要表面における複数回の全内部反射によって、導波管1020bを通して伝搬するように、第2のカラー画像のために、画像光1032bを導波管1020bの中に内部結合するように構成され、内部結合光学要素1022aは、導波管1020aの上側および底部主要表面における複数回の全内部反射によって、導波管1020aを通して伝搬するように、第3のカラー画像のために、画像光1032aを導波管1020aの中に内部結合するように構成される。
【0203】
本明細書に議論されるように、内部結合光学要素1022cは、好ましくは、第1のカラー画像に対応する、実質的に全ての入射光1032cを関連付けられる導波管1020cの中に内部結合する一方、それぞれ、第2のカラー画像および第3のカラー画像に対応する、実質的に全ての入射光1032b、1032aが、内部結合されずに、透過されることを可能にするように構成される。同様に、内部結合光学要素1022bは、好ましくは、第2のカラー画像に対応する、実質的に全ての入射画像光1032bを関連付けられる導波管1020bの中に内部結合する一方、第3のカラー画像に対応する、実質的に全ての入射光が、内部結合されずに、透過されることを可能にするように構成される。
【0204】
実践では、種々の内部結合光学要素は、完璧な選択性を有していない場合があることを理解されたい。例えば、画像光1032b、1032aの一部は、望ましくないことに、内部結合光学要素1022cによって、導波管1020cの中に内部結合され得、入射画像光1032aの一部は、望ましくないことに、内部結合光学要素1022bによって、導波管1020bの中に内部結合され得る。さらに、画像光1032cの一部は、内部結合光学要素1022cを通して透過され、それぞれ、内部結合光学要素1020bおよび/または1020aによって、導波管1020bおよび/または1020aの中に内部結合され得る。同様に、画像光1032bの一部は、内部結合光学要素1022bを通して透過され、内部結合光学要素1022aによって、導波管1020aの中に内部結合され得る。
【0205】
カラー画像のための画像光を意図されない導波管の中に内部結合することは、例えば、クロストークおよび/または残影等の望ましくない光学効果を生じさせ得る。例えば、第1のカラー画像のための画像光1032cの意図されない導波管1020bおよび/または1020aの中への内部結合は、第1のカラー画像、第2のカラー画像、および/または第3のカラー画像間の望ましくないクロストークをもたらし得、および/または望ましくない残影をもたらし得る。別の実施例として、それぞれ、第2または第3のカラー画像のための画像光1032b、1032aの意図されない導波管1020cの中への内部結合は、第1のカラー画像、第2のカラー画像、および/または第3のカラー画像間の望ましくないクロストークをもたらし得、および/または望ましくない残影を生じさせ得る。いくつかの実施形態では、これらの望ましくない光学効果は、意図されない導波管の中に内部結合される、入射光の量を低減させ得る、カラーフィルタ(例えば、吸光性カラーフィルタ)を提供することによって軽減され得る。
【0206】
図16は、残影または導波管間のクロストークを軽減するために、カラーフィルタを伴う、導波管のスタックの実施例の側面図を図示する。
図16の接眼レンズ1020は、カラーフィルタ1024c、1024bおよび1028、1026のうちの1つ以上のものの存在を除き、
図15のものに類似する。カラーフィルタ1024c、1024bは、それぞれ、導波管1020bおよび1020aの中に非意図的に内部結合される、光の量を低減させるように構成される。カラーフィルタ1028、1026は、それぞれ、導波管1020b、1020cを通して伝搬する、非意図的に内部結合される画像光の量を低減させるように構成される。
【0207】
図16を継続して参照すると、導波管1020cの上側および下側主要表面上に配置される、一対のカラーフィルタ1026は、導波管1020cの中に非意図的に内部結合されたとされ得る、画像光1032a、1032bを吸光するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、導波管1020cと1020bとの間に配置される、カラーフィルタ1024cは、内部結合されずに、内部結合光学要素1022cを通して透過される、画像光1032cを吸光するように構成される。導波管1020bの上側および下側主要表面上に配置される、一対のカラーフィルタ1028は、導波管1020bの中に内部結合される、画像光1032aを吸光するように構成される。導波管1020bと1020aとの間に配置される、カラーフィルタ1024bは、内部結合光学要素710を通して透過される、画像光1032bを吸光するように構成される。
【0208】
いくつかの実施形態では、導波管1020cの各主要表面上のカラーフィルタ1026は、類似し、画像光1032a、1032bの両方の波長の光を吸光するように構成される。いくつかの他の実施形態では、導波管1020cの1つの主要表面上のカラーフィルタ1026は、画像光1032aの色の光を吸光するように構成されてもよく、他の主要表面上のカラーフィルタは、画像光1032bの色の光を吸光するように構成されてもよい。配列のいずれかでは、カラーフィルタ1026は、全内部反射によって、導波管1020cを通して伝搬する、画像光1032a、1032bを選択的に吸光するように構成されてもよい。例えば、導波管1020cの主要表面からの画像光1032a、1032bのTIRバウンスでは、画像光1032a、1032bは、それらの主要表面上のカラーフィルタ1026に接触し、その画像光の一部は、吸光される。好ましくは、カラーフィルタ1026による画像光1032a、1032bの選択的吸光に起因して、導波管1020cを通してTIRを介して内部結合される画像光1032cの伝搬は、著しく影響されない。
【0209】
同様に、複数のカラーフィルタ1028が、全内部反射によって、導波管1020bを通して伝搬する、内部結合される画像光1032aを吸光する、吸光フィルタとして構成されてもよい。導波管1020bの主要表面からの画像光1032aのTIRバウンスでは、画像光1032aは、それらの主要表面上のカラーフィルタ1028に接触し、その画像光の一部は、吸光される。好ましくは、画像光1032aの吸光は、選択的であって、同様に導波管1020bを通してTIRを介して伝搬する、内部結合される画像光1032bの伝搬に影響を及ぼさない。
【0210】
図16を継続して参照すると、カラーフィルタ1024cおよび1024bはまた、吸光フィルタとして構成されてもよい。カラーフィルタ1024cは、画像光1032a、1032bが、殆どまたは全く減衰を伴わずに、カラーフィルタ1024cを通して透過される一方、画像光1032cの色の光が、選択的に吸光されるように、画像光1032a、1032bの色の光に対して実質的に透過性であってもよい。同様に、カラーフィルタ1024bは、入射画像光1032aが、殆どまたは全く減衰せずに、カラーフィルタ1024bを通して透過される一方、画像光1032bの色の光が、選択的に吸光されるように、画像光1032aの色の光に対して実質的に透過性であってもよい。カラーフィルタ1024cは、
図16に示されるように、導波管1020bの主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置されてもよい。代替として、カラーフィルタ1024cは、導波管1020cと1020bとの間に位置付けられる、別個の基板上に配置されてもよい。同様に、カラーフィルタ1024bは、導波管1020aの主要表面(例えば、上側主要表面)上に配置されてもよい。代替として、カラーフィルタ1024bは、導波管1020bと1020aとの間に位置付けられる、別個の基板上に配置されてもよい。カラーフィルタ1024cおよび1024bは、画像光1032a、1032b、1032cを出力する、プロジェクタの単一瞳と垂直に整合されてもよい(画像光1032a、1032b、1032cが、図示されるように、導波管スタック1020に対して垂直に伝搬する、配向において)ことを理解されたい。
【0211】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ1026および1028は、導波管1020c、1020bの厚さを通して伝搬する、光(例えば、導波管1020c、1020bを通して周囲環境および/または他の導波管から伝搬する、画像光1032a、1032bの色の光)の有意な望ましくない吸光を回避するために、約10%未満(例えば、約5%未満またはそれに等しく、約2%未満またはそれに等しく、かつ約1%を上回る)単一通過減衰係数を有してもよい。カラーフィルタ1024cおよび1024bの種々の実施形態は、透過されるべき波長のための低減衰係数と、吸光されるべき波長のための高減衰係数とを有するように構成されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、カラーフィルタ1024cは、画像光1032a、1032bの色を有する、入射光の80%を上回って、90%を上回って、または95%を上回って透過させ、画像光1032aの色を有する、入射光の80%を上回って、90%を上回って、または95%を上回って吸光するように構成されてもよい。同様に、カラーフィルタ1024bは、画像光1032aの色を有する、入射光の80%を上回って、90%を上回って、または95%を上回って透過させ、画像光1032bの色を有する、入射光の80%を上回って、90%を上回って、または95%を上回って吸光するように構成されてもよい。
【0212】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ1026、1028、1024c、1024bは、導波管1020c、1020b、および/または1020aの一方または両方の表面上に堆積される、色選択的吸光材料の層を備えてもよい。色選択的吸光材料は、染料、インク、または金属、半導体、および誘電体等の他の吸光材料を備えてもよい。いくつかの実施形態では、金属、半導体、および誘電体等の材料の吸光は、これらの材料を利用して、サブ波長格子(例えば、光を回折しない、格子)を形成することによって、色選択的にされてもよい。格子は、プラズモニクス(例えば、金、銀、およびアルミニウム)または半導体(例えば、シリコン、非晶質シリコン、およびゲルマニウム)から作製されてもよい。
【0213】
色選択的材料は、種々の堆積方法を使用して、基板上に堆積されてもよい。例えば、色選択的吸光材料は、ジェット堆積技術(例えば、インクジェット堆積)を使用して、基板上に堆積されてもよい。インクジェット堆積は、色選択的吸光材料の薄い層の堆積を促進し得る。インクジェット堆積は、堆積が基板の選択された面積上に局所化されることを可能にするため、インクジェット堆積は、基板を横断して非均一厚さおよび/または組成を提供することを含む、色選択的吸光材料の層の厚さおよび組成の高度の制御を提供する。いくつかの実施形態では、インクジェット堆積を使用して堆積される色選択的吸光材料は、厚さ約10nm~約1ミクロン(例えば、約10nm~約50nm、約25nm~約75nm、約40nm~約100nm、約80nm~約300nm、約200nm~約500nm、約400nm~約800nm、約500nm~約1ミクロン、またはこれらの値のいずれかによって定義された範囲/サブ範囲内の任意の値)を有してもよい。色選択的吸光材料の堆積される層の厚さを制御することは、所望の減衰係数を有する、カラーフィルタを達成する際に有利であり得る。さらに、異なる厚さを有する層が、基板の異なる部分に堆積されてもよい。加えて、色選択的吸光材料の異なる組成が、インクジェット堆積を使用して、基板の異なる部分に堆積されてもよい。組成および/または厚さのそのような変動は、有利なこととして、吸光率の場所特有の変動を可能にし得る。例えば、周囲からの光の透過(視認者に周囲環境が見えることを可能にするために)が必要ない、導波管の面積では、組成および/または厚さは、光の選択された波長の高吸光率または減衰率を提供するように選択されてもよい。コーティング、スピンコーティング、噴霧等の他の堆積方法も、色選択的吸光材料を基板上に堆積させるために採用されてもよい。
【0214】
図17は、
図15および16の導波管アセンブリの上下図の実施例を図示する。図示されるように、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cは、空間的に重複する。加えて、導波管1020a、1020b、1020cは、各導波管の関連付けられる光分散要素730、740、750および関連付けられる外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整合されてもよい。内部結合光学要素1022a、1022b、1022cは、画像光が、TIRによって、関連付けられる光分散要素730、740、750に向かって伝搬するように、入射画像光1032a、1032b、1032c(
図15および16)がそれぞれ、それぞれ、導波管1020a、1020b、1020c内に内部結合するように構成される。
【0215】
図18は、
図15および16の導波管アセンブリの上下図の別の実施例を図示する。
図17におけるように、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cは、空間的に重複し、導波管1020a、1020b、1020cは、垂直に整合される。しかしながら、各導波管の関連付けられる光分散要素730、740、750および関連付けられる外部結合光学要素800、810、820の代わりに、それぞれ、組み合わせられたOPE/EPE1281、1282、1283がある。内部結合光学要素1022a、1022b、1022cは、画像光が、TIRによって、関連付けられる組み合わせられたOPE/EPE1281、1282、1283に向かって伝搬するように、入射画像光1032a、1032b、1032c(
図15および16)がそれぞれ、それぞれ、導波管1020a、1020b、1020c内に内部結合するように構成される。
【0216】
図15-18は、ディスプレイシステムの単一瞳構成のために、重複する内部結合光学要素を示すが、ディスプレイシステムは、いくつかの実施形態では、2瞳構成を有してもよいことを理解されたい。3つの原色が利用される、そのような構成では、2つの色のための画像光は、重複する内部結合光学要素を有してもよい一方、第3の色のための画像光は、側方に偏移された内部結合光学要素を有してもよい。例えば、光学コンバイナ1050(
図11A、12、13A-13B)および/または光再指向構造1080a、1080cは、2つの色の画像光が、直接、接眼レンズ1020の重複面積上に入射する一方、画像光の別の色が、側方に偏移される面積上に入射するように、画像光を投影光学系1070を通して指向するように構成されてもよい。例えば、反射性表面1052、1054(
図11A)は、1つの色の画像光が、発光型マイクロディスプレイ1030bからの画像光と共通光経路を辿る一方、別の色の画像光が、異なる光経路を辿るように、角度付けられてもよい。いくつかの実施形態では、光再指向構造1080a、1080c(
図12)の両方を有するのではなく、これらの光再指向構造のうちの1つは、マイクロディスプレイ1030a、1030cのうちの1つからの光のみが、角度付けられ、他の2つのマイクロディスプレイによって放出される光と異なる光経路を提供するように、省略されてもよい。
【0217】
図19Aは、いくつかの重複する内部結合光学要素と、いくつかの側方に偏移された内部結合光学要素とを伴う、導波管のスタックを有する、接眼レンズの実施例の側面図を図示する。
図19Aの接眼レンズは、
図15の接眼レンズに類似するが、内部結合光学要素のうちの一方は、他方の内部結合光学要素に対して側方に偏移される。画像光が接眼レンズ1020に向かってページを辿って垂直に伝搬する、接眼レンズ1020の図示される配向では、内部結合光学要素1022a、1022cは、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cに伝搬する画像光1032a、1032cの方向における、真正面図に見られるように、それらが相互に空間的に重複するように、相互に垂直に整合される(例えば、画像光1032a、1032cの伝搬方向と平行な軸に沿って)。同一真正面図に見られるように(例えば、図示される配向における上下図に見られるように)、内部結合光学要素1022bは、他の内部結合光学要素1022a、1022cに対して側方に偏移される。内部結合光学要素1022bのための光は、内部結合光学要素1022a、1022cのための光と異なる射出瞳を通して、接眼レンズ1020に出力される。導波管1020a、1020b、1020cを備える、図示される導波管スタックは、
図13および14の単一の図示される導波管1020aの代わりに利用されてもよいことを理解されたい。
【0218】
図19を継続して参照すると、内部結合光学要素1022cは、導波管1020cの上側主要表面と底部主要表面との間の複数回の全内部反射によって、導波管1020cを通して伝搬するように、画像光1032cを導波管1020cの中に内部結合するように構成され、内部結合光学要素1022bは、導波管1020bの上側主要表面と底部主要表面との間の複数回の全内部反射によって、導波管1020bを通して伝搬するように、画像光1032bを導波管1020bの中に内部結合するように構成され、内部結合光学要素1022aは、導波管1020aの上側主要表面と底部主要表面との間の複数回の全内部反射によって、導波管1020aを通して伝搬するように、画像光1032aを導波管1020aの中に内部結合するように構成される。
【0219】
内部結合光学要素1022cは、好ましくは、全ての入射光1032cを関連付けられる導波管1020cの中に内部結合する一方、全ての入射光1032aを透過させるように構成される。他方では、画像光1032bは、任意の他の内部結合光学要素を通して伝搬する必要なく、内部結合光学要素1022bに伝搬し得る。これは、いくつかの実施形態では、それに対して眼がより敏感である光が、他の内部結合光学要素を通した伝搬と関連付けられる、任意の損失または歪曲を伴わずに、所望の内部結合光学要素上に入射することを可能にすることによって、有利であり得る。理論によって限定されるわけではないが、いくつかの実施形態では、画像光1032bは、それに対してヒトの眼がより敏感である、緑色光である。導波管1020a、1020b、1020cは、特定の順序で配列されるように図示されるが、いくつかの実施形態では、導波管1020a、1020b、1020cの順序は、異なり得ることを理解されたい。
【0220】
本明細書に議論されるように、内部結合光学要素1022aの上層の内部結合光学要素1022cは、完璧な選択性を有していない場合があることを理解されたい。画像光1032aの一部は、望ましくないことに、内部結合光学要素1022cによって、導波管1020cの中に内部結合され得、画像光1032cの一部は、内部結合光学要素1022cを通して透過され得、その後、画像光1032cは、内部結合光学要素1020aに衝打し、導波管1020aの中に内部結合され得る。本明細書に議論されるように、そのような望ましくない内部結合は、残影またはクロストークとして可視であり得る。
【0221】
図19Bは、残影または導波管間のクロストークを軽減するためのカラーフィルタを伴う、
図19Aの接眼レンズの実施例の側面図を図示する。特に、カラーフィルタ1024cおよび/または1026は、
図19Aに示される構造に追加される。図示されるように、内部結合光学要素1022cは、画像光1032aの一部を導波管1020cの中に非意図的に内部結合し得る。加えて、または代替として、画像光1032cの一部は、望ましくないことに、内部結合光学要素1022cを通して透過され、その後、内部結合光学要素1022aによって、非意図的に内部結合され得る。
【0222】
導波管1022cを通して伝搬する画像光1032aを非意図的に内部結合することを軽減させるために、吸光性カラーフィルタ1026が、導波管1022cの一方または両方の主要表面上に提供されてもよい。吸光性カラーフィルタ1026は、非意図的に内部結合される画像光1032aの色の光を吸光するように構成されてもよい。図示されるように、吸光性カラーフィルタ1026は、導波管1020cを通した画像光の一般的伝搬方向に配置される。したがって、吸光性カラーフィルタ1026は、その光がTIRによって導波管1020cを通して伝搬し、導波管1020cの主要表面の一方または両方から反射する際、吸光性カラーフィルタ1026に接触するにつれて、画像光1032aを吸光するように構成される。
【0223】
図19Bを継続して参照すると、内部結合されずに、内部結合光学要素1022cを通して伝搬する、画像光1032cを軽減させるために、吸光性カラーフィルタ1024cが、内部結合光学要素1022aの前方に提供されてもよい。吸光性カラーフィルタ1024cは、画像光1032cの色の光を吸光し、その光が内部結合光学要素1022aに伝搬することを防止するように構成される。導波管1020cと1020bとの間に図示されるが、いくつかの他の実施形態では、吸光性カラーフィルタ1024cは、導波管1020bと1020aとの間に配置されてもよい。吸光性カラーフィルタ1024cおよび1026の組成、形成、および性質に関するさらなる詳細は、
図16の議論に提供されることを理解されたい。
【0224】
また、
図16および19Bに図示される実施形態では、カラーフィルタ1026、1028、1024c、および1024bのうちの1つ以上のものは、1つ以上の内部結合光学要素1022a、1022b、1022cが、それぞれ、関連付けられる導波管1020a、1020b、1022cの中に内部結合されるように意図される、光の色に関して十分に高選択性を有する場合、省略されてもよいことを理解されたい。
【0225】
図20Aは、
図19Aおよび19Bの接眼レンズの上下図の実施例を図示する。図示されるように、内部結合光学要素1022a、1022cは、空間的に重複する一方、内部結合光学要素1022bは、側方に偏移される。加えて、導波管1020a、1020b、1020cは、各導波管の関連付けられる光分散要素730、740、750および関連付けられる外部結合光学要素800、810、820とともに、垂直に整合されてもよい。内部結合光学要素1022a、1022b、1022cは、画像光が、TIRによって、関連付けられる光分散要素730、740、750に向かって伝搬するように、入射画像光1032a、1032b、1032c(
図15および16)をそれぞれ、それぞれ、導波管1020a、1020b、1020c内に内部結合するように構成される。
【0226】
図20Bは、
図19Aおよび19Bの導波管アセンブリの上下図の別の実施例を図示する。
図20Aにおけるように、内部結合光学要素1022a、1022cは、空間的に重複し、内部結合光学要素は、側方に偏移され、導波管1020a、1020b、1020cは、垂直に整合される。しかしながら、各導波管の関連付けられる光分散要素730、740、750および関連付けられる外部結合光学要素800、810、820の代わりに、それぞれ、組み合わせられたOPE/EPE1281、1282、1283がある。内部結合光学要素1022a、1022b、1022cは、画像光が、TIRによって、関連付けられる組み合わせられたOPE/EPE1281、1282、1283に向かって伝搬するように、入射画像光1032a、1032b、1032c(
図15および16)をそれぞれ、それぞれ、導波管1020a、1020b、1020c内に内部結合するように構成される。
【0227】
ここで
図21を参照すると、内部結合される光の再バウンスが、望ましくないことに、導波管内で生じ得ることを理解されたい。再バウンスは、導波管に沿って伝搬する内部結合される光が、初期内部結合入射後、2回目として、または後続の時間において、内部結合光学要素に衝打するときに生じる。再バウンスは、内部結合される光の一部が、望ましくないことに、内部結合光学要素の材料によって、外部結合および/または吸光される結果をもたらし得る。外部結合および/または吸光は、望ましくないことに、全体的内部結合効率および/または内部結合される光の均一性の低減を生じさせ得る。
【0228】
図21は、導波管1030a内の再バウンスの実施例の側面図を図示する。図示されるように、画像光1032aは、内部結合光学要素1022aによって、導波管1030aの中に内部結合される。内部結合光学要素1022aは、概して、方向1033に、導波管を通して伝搬するように、画像光1032aを再指向する。再バウンスは、内部結合される画像光が、内部結合光学要素1022aに対向する導波管1030aの主要表面から内部反射またはバウンスし、内部結合光学要素1022a上に入射する、または第2のバウンス(再バウンス)を被るときに生じ得る。導波管1030aの同一表面上の2つの近傍のバウンス間の距離は、間隔1034によって示される。
【0229】
理論によって限定されるわけではないが、内部結合光学要素1022aは、対称的に挙動し得ることを理解されたい。すなわち、入射光が、TIR角度で導波管を通して伝搬するように、入射光を再指向し得る。しかしながら、TIR角度で回折光学要素上に入射する光(再バウンスに応じて等)はまた、外部結合され得る。加えて、または代替として、内部結合光学要素1022aが反射性材料でコーティングされる、実施形態では、金属等の材料の層からの光の反射はまた、反射が材料からの光の吸光および放出を伴い得るため、入射光の部分的吸光を伴い得ることを理解されたい。結果として、光の外部結合および/または吸光は、望ましくないことに、内部結合される光の損失を引き起こし得る。故に、再バウンスされた光は、内部結合光学要素1022aと1回のみ相互作用する、光と比較して、有意な損失を被り得る。
【0230】
いくつかの実施形態では、内部結合要素は、再バウンスに起因する内部結合される画像光損失を軽減させるように構成される。概して、内部結合される光の再バウンスは、内部結合光学要素1022aの端部1023に向かって、内部結合される光の伝搬方向1033に生じる。例えば、端部1023に対向する内部結合光学要素1022aの端部において内部結合される光は、その光のための間隔1034が十分に短い場合、再バウンスし得る。そのような再バウンスを回避するために、いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1022aは、伝搬方向端部1023において切頂され、それに沿って再バウンスが生じる可能性が高い、内部結合光学要素1022aの幅1022wを低減させる。いくつかの実施形態では、切頂は、内部結合光学要素1022aの全ての構造(例えば、金属化および回折格子)の完全切頂であってもよい。いくつかの他の実施形態では、例えば、内部結合光学要素1022aが、金属化された回折格子を備える場合、伝搬方向端部1023における内部結合光学要素1022aの一部は、内部結合光学要素1022aの伝搬方向端部1023が、再バウンス光を殆ど吸光せず、および/またはより低い効率を伴って、再バウンス光を外部結合するように、金属化されなくてもよい。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1022aの回折領域は、伝搬方向1033に沿って、伝搬方向1033と垂直なその長さより短い幅を有してもよく、および/または画像光1032aの第1の部分が、内部結合光学要素1022a上に入射し、光のビームの第2の部分が、内部結合光学要素1022a上に入射せずに、導波管1030a上に衝突するように定寸および成形されてもよい。導波管1032aおよび光内部結合光学要素1022aは、明確にするために、単独で図示されるが、再バウンスおよび再バウンスを低減させるための議論される方略は、本明細書に開示される内部結合光学要素のいずれかに適用されてもよいことを理解されたい。また、間隔1034は、導波管1030aの厚さに比例する(より大きい厚さは、より大きい間隔1034をもたらす)ことを理解されたい。いくつかの実施形態では、個々の導波管の厚さは、再バウンスが生じないように、間隔1034を設定するように選択されてもよい。再バウンス軽減に関するさらなる詳細は、2018年7月24日に出願された、米国仮出願第62/702,707号(その開示全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出され得る。
【0231】
図22A-23Cは、再バウンスを低減させるように構成される、内部結合光学要素を有する、接眼レンズの上下図の実施例を図示する。内部結合光学要素1022a、1022b、1022cは、関連付けられる光分散要素730、740、750(
図22A-22C)または組み合わせられるOPE/EPE1281、1282、1283(
図23A-23C)に向かった伝搬方向に伝搬するように、光を内部結合するように構成される。図示されるように、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cは、伝搬方向に沿ったより短い寸法と、横軸に沿ったより長い寸法とを有してもよい。例えば、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cはそれぞれ、伝搬方向の軸に沿ったより短い辺と、直交軸に沿ったより長い辺とを伴う、矩形形状であってもよい。内部結合光学要素1022a、1022b、1022cは、他の形状(例えば、直交、六角形等)を有してもよいことを理解されたい。加えて、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cの異なるものは、いくつかの実施形態では、異なる形状を有してもよい。また、好ましくは、図示されるように、非重複する内部結合光学要素は、それらが他の内部結合光学要素の伝搬方向にないように位置付けられてもよい。例えば、
図22A、22B、23A、および23Bに示されるように、非重複する内部結合光学要素は、伝搬方向の軸を交差(例えば、直交)する軸に沿った線に配列されてもよい。
【0232】
図22A-22Cの導波管アセンブリは、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cの重複を除き、類似することを理解されたい。例えば、
図22Aは、重複を伴わない、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cを図示する。
図22Bは、重複する内部結合光学要素1022a、1022cと、非重複する内部結合光学要素1022bとを図示する。
図22Cは、全ての内部結合光学要素1022a、1022b、1022c間の重複を図示する。
【0233】
図23A-23Cの導波管アセンブリもまた、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cの重複を除き、類似する。
図23Aは、重複を伴わない、内部結合光学要素1022a、1022b、1022cを図示する。
図23Bは、重複する内部結合光学要素1022a、1022cと、非重複する内部結合光学要素1022bとを図示する。
図22Cは、全ての内部結合光学要素1022a、1022b、1022c間の重複を図示する。
【0234】
ここで
図24Aを参照すると、発光型マイクロディスプレイは、高エタンデュを有し、これが、効率的光の利用に関する課題を提示することを理解されたい。本明細書に議論されるように、発光型マイクロディスプレイは、複数の個々の光エミッタを含んでもよい。これらの光エミッタはそれぞれ、大角度放出プロファイル、例えば、Lambertianまたは近Lambertian放出プロファイルを有し得る。望ましくないことに、本光は全て、捕捉され、ディスプレイシステムの接眼レンズに指向されない場合がある。
【0235】
図24Aは、発光型マイクロディスプレイ1032の個々の光エミッタ1044によって放出された光と、投影光学系1070によって捕捉された光との角度放出プロファイルの実施例を図示する。図示される発光型マイクロディスプレイ1032は、発光型マイクロディスプレイ1032a、1032b、1032cを含む、本明細書に開示される発光型マイクロディスプレイのいずれかに対応し得る。図示されるように、投影光学系1070は、角度放出プロファイル1046を有する、光を捕捉するであろうように定寸されてもよい。しかしながら、光エミッタ1044内の角度放出プロファイル1046は、有意により大きく、光エミッタ1044によって放出される光の全てが、投影光学系1070上に入射せず、必ずしも、光が投影光学系1070の中およびそれを通して伝搬するであろう、角度で入射しない。結果として、光エミッタ1044によって放出される光の一部は、望ましくないことに、捕捉され、最終的に、ユーザの眼に中継され、画像を形成しないため、「無駄」となり得る。これは、光エミッタ1040によって出力された光のより多くのものが、最終的に、ユーザの眼に到達した場合に予期されるであろうものより暗く現れる、画像をもたらし得る。
【0236】
いくつかの実施形態では、光エミッタ1040によって放出される光のより多くのものを捕捉するための1つの方略は、投影光学系1070のサイズを増加させ、光を捕捉する投影光学系1070の開口数のサイズを増加させることである。加えて、または代替として、投影光学系1070はまた、高屈折率材料(例えば、1.5を上回る屈折率を有する)で形成されてもよく、これはまた、集光を促進し得る。いくつかの実施形態では、投影光学系1070は、光エミッタ1044によって放出される光の所望の高割合を捕捉するように定寸される、レンズを利用してもよい。いくつかの実施形態では、投影光学系1070は、伸長射出瞳を有し、例えば、
図22A-23Cの内部結合光学要素1022a、1022b、1022cの形状に類似する断面プロファイルを有する、光ビームを放出するように構成されてもよい。例えば、投影光学系1070は、
図22A-23Cの内部結合光学要素1022a、1022b、1022cの伸長寸法に対応する寸法において、伸長されてもよい。理論によって限定されるわけではないが、そのような伸長内部結合光学要素1022a、1022b、1022cは、発光型マイクロディスプレイと接眼レンズ1020(
図22A-23C)との間のエタンデュ不整合を改良し得る。いくつかの実施形態では、接眼レンズ1020(例えば、
図11Aおよび12-23C)の導波管の厚さは、例えば、本明細書に議論されるように、再バウンス間隔を増加させることにより、再バウンスを低減させることによって、事実上捕捉される光のパーセンテージを増加させるように選択されてもよい。
【0237】
いくつかの実施形態では、1つ以上の光コリメータが、光エミッタ1044からの光の角度放出プロファイルを低減または狭化するために利用されてもよい。結果として、光エミッタ1044によって放出される光のより多くのものが、投影光学系1070によって捕捉され、ユーザの眼に中継され、有利なこととして、画像の明度およびディスプレイシステムの効率を増加させ得る。いくつかの実施形態では、光コリメータは、投影光学系の集光効率(投影光学系によって捕捉される、光エミッタ1044によって放出される光のパーセンテージ)が、約85~95%または85~90%を含む、80%以上の、85%以上の、または90%以上の値に到達することを可能にし得る。加えて、光エミッタ1044からの光の角度放出プロファイルは、60°またはそれ未満、50°またはそれ未満、または40°またはそれ未満に低減され得る(例えば、180°から)。いくつかの実施形態では、低減された角度放出プロファイルは、約30~60°、30~50°、または30~40°の範囲内であってもよい。光エミッタ1044からの光は、円錐の形状を作り出し得、光エミッタ1044は、円錐の頂点にあることを理解されたい。角度放出プロファイルは、円錐の辺によって作り出される角度を指し、関連付けられる光エミッタ1044は、その角度の頂点にある(円錐の中央を通して延在し、円錐頂点を含む、平面に沿って得られた、断面に見られるように)。
【0238】
図24Bは、光コリメータのアレイを使用した角度放出プロファイルの狭化の実施例を図示する。図示されるように、発光型マイクロディスプレイ1032は、光エミッタ1044のアレイを含み、これは、角度放出プロファイル1046を伴う、光を放出する。光コリメータ1302のアレイ1300は、光エミッタ1044の前方に配置される。いくつかの実施形態では、各光エミッタ1044は、関連付けられる光コリメータ1302と1対1で合致される(光エミッタ1044あたり1つの光コリメータ1302)。各光コリメータ1302は、関連付けられる光エミッタ1044からの入射光を再指向し、狭化された角度放出プロファイル1047を提供する。したがって、比較的に大角度放出プロファイル1046は、より小さい角度放出プロファイル1047に狭化される。
【0239】
いくつかの実施形態では、光コリメータ1302およびアレイ1300は、
図12および13Aの光再指向構造1080a、180cの一部であってもよい。したがって、光コリメータ1302は、光学コンバイナ1050の中に適切な角度で伝搬し、複数の光経路および関連複数の射出瞳を画定するように、光エミッタ1044の角度放出プロファイルを狭化し、また、光を再指向してもよい。光は、光コリメータ1302を適切に成形することによって、特定の方向に再指向されてもよいことを理解されたい。
【0240】
好ましくは、光コリメータ1302は、光エミッタ1044に近接近して位置付けられ、光エミッタ1044によって出力された大割合の光を捕捉する。いくつかの実施形態では、間隙が、光コリメータ1302と光エミッタ1044との間に存在してもよい。いくつかの他の実施形態では、光コリメータ1302は、光エミッタ1044と接触してもよい。角度放出プロファイル1046は、光の広円錐を作り出してもよいことを理解されたい。好ましくは、光エミッタ1044からの光の円錐の全体または大部分は、単一の関連付けられる光コリメータ1302上に入射する。したがって、いくつかの実施形態では、各光エミッタ1044は、関連付けられる光コリメータ1302の受光面より小さい(より小さい面積を占有する)。いくつかの実施形態では、各光エミッタ1044は、近傍の離れた光エミッタ1044間の間隔より小さい幅を有する。
【0241】
有利なこととして、光コリメータ1302は、光の利用の効率を増加させ得、また、近傍の光エミッタ1044間のクロストークの発生を低減させ得る。光エミッタ1044間のクロストークは、近傍の光エミッタからの光が、その近傍の光エミッタと関連付けられない光コリメータ1302によって捕捉されるときに生じ得ることを理解されたい。その捕捉された光は、ユーザの眼に伝搬され、それによって、所与のピクセルに関する誤った画像情報を提供し得る。
【0242】
図24Aおよび24Bを参照すると、投影光学系1070によって捕捉される光のビームのサイズは、投影光学系1070から出射する、光のビームのサイズに影響を及ぼし得る。
図24Aに示されるように、光コリメータを使用しないと、出射ビームは、比較的に大幅1050を有し得る。
図24Bに示されるように、光コリメータ1302を伴うと、出射ビームは、より小さい幅1052を有し得る。したがって、いくつかの実施形態では、光コリメータ1302が、接眼レンズの中に内部結合するために、所望のビームサイズを提供するために使用されてもよい。例えば、光コリメータ1302が角度放出プロファイル1046を狭化する量は、少なくとも部分的に、それに対して投影光学系1070によって出力された光が指向される、接眼レンズ内の内部結合光学要素のサイズに基づいて、選択されてもよい。
【0243】
光コリメータ1302は、種々の形態をとってもよいことを理解されたい。例えば、光コリメータ1302は、いくつかの実施形態では、マイクロレンズまたはレンズレットであってもよい。本明細書に議論されるように、各マイクロレンズは、好ましくは、関連付けられる光エミッタ1044の幅を上回る幅を有する。マイクロレンズは、フォトレジストおよびエポキシ等の樹脂を含む、ガラスまたはポリマー等の湾曲透明材料から形成されてもよい。いくつかの実施形態では、光コリメータ1302は、ナノレンズ、例えば、回折光学格子であってもよい。いくつかの実施形態では、光コリメータ1302は、メタ表面および/または液晶格子であってもよい。いくつかの実施形態では、光コリメータの1302は、反射性ウェルの形態をとってもよい。
【0244】
異なる光コリメータ1302は、関連付けられる光エミッタ1044によって放出される光の波長または色に応じて、異なる寸法および/または形状を有してもよいことを理解されたい。したがって、フルカラー発光型マイクロディスプレイに関して、アレイ1300は、関連付ける光エミッタ1044によって放出される光の色に応じて、異なる寸法および/または形状を伴う、複数の光コリメータ1302を含んでもよい。発光型マイクロディスプレイがモノクロマイクロディスプレイである、実施形態では、アレイ1300は、簡略化されてもよく、アレイ内の光コリメータ1302のそれぞれが、同一色の光を再指向するように構成される。そのようなモノクロマイクロディスプレイを用いることで、光コリメータ1302は、いくつかの実施形態では、アレイ1300を横断して、類似してもよい。
【0245】
図24Bを継続して参照すると、本明細書に議論されるように、光コリメータ1302は、光エミッタ1044と1対1の関連付けを有してもよい。例えば、各光エミッタ1044は、離散する関連付けられる光コリメータ1302を有してもよい。いくつかの他の実施形態では、光コリメータ1302は、それらが、複数の光エミッタ1044を横断して延在するように、伸長されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、光コリメータ1302は、ページの向こう側に向けて伸長され、複数の光エミッタ1044の行の正面に延在してもよい。いくつかの他の実施形態では、単一光コリメータ1302は、光エミッタ1044の列を横断して延在してもよい。さらに他の実施形態では、光コリメータ1302は、レンズ構造(例えば、ナノレンズ構造、マイクロレンズ構造等)のスタックされた列および/または行を備えてもよい。
【0246】
上記に述べられたように、光コリメータ1302は、反射性ウェルの形態をとってもよい。
図25Aは、光を投影光学系に指向するためのテーパ状反射性ウェルのアレイの側面図の実施例を図示する。図示されるように、光コリメータアレイ1300は、その中に反射性ウェルの形態における、複数の光コリメータ1302が、形成され得る、基板1301を含んでもよい。各ウェルは、少なくとも1つの光エミッタ1044を含んでもよく、これは、Lambertian角度放出プロファイル1046を伴う光を放出してもよい。光コリメータ1302のウェルの反射性壁1303は、テーパ状であって、より狭角度放出プロファイル1047を伴って、ウェルから出力されるように、放出される光を反射させる。図示されるように、反射性壁1303は、断面サイズが光エミッタ1044からの距離に伴って増加するように、テーパ状であってもよい。いくつかの実施形態では、反射性壁1303は、湾曲されてもよい。例えば、側1303は、複合放物線集光器(CPC)の形状を有してもよい。
【0247】
ここで
図25Bを参照すると、非対称テーパ状反射性ウェルの側面図の実施例が、図示される。本明細書に議論されるように、例えば、
図12A-13Aに図示されるように、光コリメータ1302を利用して、光エミッタ1044の表面に対して法線ではない特定の方向に、光を操向することが望ましくあり得る。いくつかの実施形態では、
図25Bに図示されるような側面図において視認されるように、光コリメータ1302は、非対称であってもよく、上辺1303aは、光エミッタ1044の表面と、下辺1303bと異なる角度(例えば、より大きい角度)を形成する。例えば、光エミッタ1044に対する反射性壁1303a、1303bの角度は、光を特定の非法線方向に指向するために、光コリメータ1302の異なる辺上で異なり得る。したがって、図示されるように、光コリメータ1302から出射する光は、概して、光エミッタ1044の表面に対して法線ではない、方向1048に伝搬し得る。いくつかの他の実施形態では、光を方向1048に指向するために、上辺1303aのテーパは、下辺のテーパと異なり得る。例えば、上辺1303aは、下辺1303bより広い範囲に拡開し得る。
【0248】
図25を継続して参照すると、基板1301は、反射性壁1303の所望の形状を維持するために十分な機械的完全性を有する、種々の材料から形成されてもよい。好適な材料の実施例は、金属、プラスチック、およびガラスを含む。いくつかの実施形態では、基板1301は、材料のプレートであってもよい。いくつかの実施形態では、基板1301は、連続する一体型の材料片である。いくつかの他の実施形態では、基板1301は、2つ以上の材料片をともに継合することによって形成されてもよい。
【0249】
反射性壁1303は、種々の方法によって、基板1301内に形成されてもよい。例えば、壁1303は、基板1301を機械加工する、または別様に、材料を除去し、壁1303を画定することによって、所望の形状に形成されてもよい。いくつかの他の実施形態では、壁1303は、基板1301が形成されるにつれて形成されてもよい。例えば、壁1303は、基板1301がその所望の形状に成型されるにつれて、基板1301の中に成型されてもよい。いくつかの他の実施形態では、壁1303は、本体2200の形成後、材料の再配列によって画定されてもよい。例えば、壁1303は、インプリントによって画定されてもよい。
【0250】
いったん壁1303の輪郭が、形成されると、それらは、さらなる処理を受け、所望の反射度を有する、表面を形成してもよい。いくつかの実施形態では、基板1301の表面自体が、反射性であってもよい、例えば、本体は、反射性金属から形成される。そのような場合、さらなる処理は、壁1303の内部表面を平滑化または研磨し、その反射率を増加させるステップを含んでもよい。いくつかの他の実施形態では、反射体2110の内部表面は、例えば、蒸着プロセスによって、反射性コーティングで裏打ちされてもよい。例えば、反射性層は、物理的蒸着(PVD)または化学蒸着(CVD)によって形成されてもよい。
【0251】
関連付けられる光コリメータに対する光エミッタの場所は、光コリメータから外に放出される光の方向に影響を及ぼし得ることを理解されたい。これは、例えば、上層の関連付けられる光コリメータの中心線に対して異なる位置における光エミッタのための光経路の差異の実施例を図示する、
図26A-26Cに図示される。
図26Aに示されるように、発光型マイクロディスプレイ1030は、それぞれ、関連付けられる光コリメータ1302を有する、複数の光エミッタ1044aを有し、これは、狭化された角度放出プロファイル1047を有する、光の出力を促進する。光は、投影光学系1070(例証を容易にするために、単純レンズとして表される)を通して通過し、これは、種々の光エミッタ1044aからの光を面積1402a上に収束させる。
【0252】
図26Aを継続して参照すると、いくつかの実施形態では、光コリメータ1302はそれぞれ、対称であってもよく、光コリメータの対称性の軸に沿って延在する、中心線を有してもよい。図示される構成では、光エミッタ1044aは、光コリメータ1302のそれぞれの中心線上に配置される。
【0253】
ここで
図26Bを参照すると、光エミッタ1044bは、その個別の光コリメータ1302の中心線から距離1400だけオフセットされる。本オフセットは、光エミッタ1044bからの光に、光コリメータ1302を通る、異なる経路を辿らせ、これは、狭化された角度放出プロファイル1047bを伴う、光エミッタ1044bからの光を出力する。投影光学系1070は、次いで、光エミッタ1044bからの光を面積1402b上に収束させ、これは、その上に光エミッタ1044aからの光が収束する、面積1402aに対してオフセットされる。
【0254】
ここで
図26Cを参照すると、光エミッタ1044aおよび1044bの両方からオフセットされた光エミッタ1044cが、図示される。本オフセットは、光エミッタ1044cからの光に、光コリメータ1302を通る、光エミッタ1044aおよび1044bからの光と異なる経路を辿らせる。これは、光コリメータ1302に、投影光学系1070への、光エミッタ1044aおよび1044bからの光と異なる経路を辿る、狭化された角度放出プロファイルを伴う、光エミッタ1044cからの光を出力させる。最終的には、投影光学系1070は、光エミッタ1044cからの光を面積1402c上に収束させ、これは、面積1402aおよび1402bに対してオフセットされる。
【0255】
図26A-26Cを参照すると、光エミッタ1044a、1044b、1044cの各三回対称軸は、共通光コリメータ1302を共有してもよい。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイ1030は、フルカラーマイクロディスプレイであってもよく、各光エミッタ1044a、1044b、1044cは、異なる原色の光を放出するように構成されてもよい。有利なこととして、オフセット面積1402a、1402b、1402cは、いくつかの実施形態では、導波管の内部結合光学要素に対応し得る。例えば、面積1402a、1402b、1402cは、それぞれ、
図11Aおよび12の内部結合光学要素1022a、1022b、1022cに対応し得る。したがって、光コリメータ1302および光エミッタ1044a、1044b、1044cのオフセット配向は、有利なこととして、フルカラー発光型マイクロディスプレイを使用して、単純3瞳投影システム1010を提供し得る。
【0256】
本明細書に記載されるように、光コリメータ1302はまた、ナノレンズの形態をとってもよい。
図27は、ナノレンズである、光コリメータ1302の上層アレイ1300を伴う、発光型マイクロディスプレイ1030の個々の光エミッタ1044の側面図の実施例を図示する。本明細書に議論されるように、光エミッタ1044の個々のものはそれぞれ、関連付けられる光コリメータ1302を有してもよい。光コリメータ1302は、光エミッタ1044からの光を再指向し、光エミッタ1044の大角度放出プロファイル1046を狭化し、狭化された角度放出プロファイル1047を伴う、光を出力する。
【0257】
図27を継続して参照すると、いくつかの実施形態では、光コリメータ1302は、格子構造であってもよい。いくつかの実施形態では、光コリメータ1302は、異なる屈折率を有する材料の交互伸長離散拡張部(例えば、線)によって形成される、格子であってもよい。例えば、材料1306の拡張部は、ページの内外に伸長されてもよく、基板1308の材料内に形成され、それによって分離されてもよい。いくつかの実施形態では、材料1306の伸長拡張部は、サブ波長幅およびピッチを有してもよい(例えば、光コリメータ1302が関連付けられる光エミッタ1044から受け取るように構成される、光の波長より小さい、幅およびピッチ)。いくつかの実施形態では、ピッチ1304は、30~300nmであってもよく、格子の深度は、10~1,000nmであってもよく、基板1308を形成する材料の屈折率は、1.5~3.5であってもよく、格子特徴1306を形成する材料の屈折率は、1.5~2.5であってもよい(かつ基板1308を形成する材料の屈折率と異なる)。
【0258】
図示される格子構造は、種々の方法によって形成されてもよい。例えば、基板1308は、エッチングまたはナノインプリントされ、溝を画定してもよく、溝は、基板1308と異なる屈折率の材料で充填され、格子特徴1306を形成してもよい。
【0259】
有利なこととして、ナノレンズアレイは、種々の利点を提供し得る。例えば、ナノレンズレットの集光効率は、大きく、例えば、85~90%を含む、80~95%であり得、角度放出プロファイルの優れた低減、例えば、30~40°までの低減(180°から)を伴う。加えて、低レベルのクロストークが、ナノレンズ光コリメータ1302のそれぞれが、特定の色および可能性として特定の入射角の光に作用する一方、好ましくは、高消光率を提供する(他の色の光の波長に関して)ように選択される、物理的寸法および性質(例えば、ピッチ、深度、特徴1306および基板1308を形成する材料の屈折率)を有し得るため、達成され得る。加えて、ナノレンズアレイは、平坦プロファイル(例えば、平坦基板上に形成される)を有し得、これは、フラットパネルであり得る、マイクロディスプレイとの統合を促進し得、また、ナノレンズアレイを形成する際、製造を促進し、高再現性および精度を提供し得る。例えば、高度に再現可能な溝形成および堆積プロセスが、各ナノレンズを形成するために使用されてもよい。さらに、これらのプロセスは、アレイのナノレンズ間の変動に関して、類似変動を伴う湾曲レンズを形成するときに典型的に達成されるものを上回る容易性および再現性を可能にする。
【0260】
ここで
図28を参照すると、発光型マイクロディスプレイ1030の実施例の斜視図が、図示される。光コリメータアレイ1300は、有利なこととして、マイクロディスプレイから放出される光が所望に応じてルーティングされることを可能にすることを理解されたい。結果として、いくつかの実施形態では、フルカラーマイクロディスプレイの光エミッタは、例えば、ディスプレイデバイス内での製造または実装の容易性のために、所望に応じて編成され得る。いくつかの実施形態では、光エミッタ1044は、行または列1306a、1306b、1306c内に配列されてもよい。各行または列は、同一原色の光を放出するように構成される、光エミッタ1044を含んでもよい。3つの原色が利用される、ディスプレイでは、3つの行または列のグループが存在してもよく、これは、マイクロディスプレイ1030を横断して繰り返される。より多くの原色が利用される場合、各繰り返しグループは、その数の行または列を有してもよいことを理解されたい。例えば、4つの原色が利用される場合、各グループは、4つの行または4つの列を有してもよく、1つの行または1つの列は、単一原色の光を放出するように構成される、光エミッタによって形成される。
【0261】
いくつかの実施形態では、いくつかの行または列は、特定の原色の光エミッタの数を増加させるように繰り返されてもよい。例えば、いくつかの原色の光エミッタは、複数の行または列を占有してもよい。これは、色平衡を促進し得、および/または経時的光放出強度における微分劣化または低減に対処するために利用されてもよい。
【0262】
図27および28を参照すると、いくつかの実施形態では、光エミッタ1044はそれぞれ、関連付けられる光コリメータ1302を有してもよい。いくつかの他の実施形態では、複数の光エミッタ1044の各ライン1306a、1306b、1306cは、単一の関連付けられる光コリメータ1302を有してもよい。その単一の関連付けられる光コリメータ1302は、関連付けられるライン1306a、1306b、または1306cの実質的に全体を横断して延在してもよい。いくつかの他の実施形態では、関連付けられる光コリメータ1302は、伸長され、関連付けられるライン1306a、1306b、または1306cの一部を形成する、複数の光エミッタ1044にわたって延在してもよく、複数の類似光コリメータ1302が、関連付けられるライン1306a、1306b、1306cのそれぞれに沿って提供されてもよい。
【0263】
図28を継続して参照すると、各光エミッタ1044は、特定の軸に沿って(例えば、図示されるように、y-軸に沿って)伸長されてもよい。すなわち、各光エミッタは、特定の軸に沿って長さを有し、長さは、光エミッタの幅より長い。加えて、同一原色の光を放出するように構成される、光エミッタのセットが、光エミッタ1044の伸長軸を交差(例えば、直交)する、軸(例えば、x-軸)に沿って延在するライン1306a、1306b、または1306c(例えば、行または列)内に配列されてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、同一原色の光エミッタ1044は、光エミッタのライン1306a、1306b、または1306cを形成し、ラインは、第1の軸(例えば、x-軸)に沿って延在し、ライン内の個々の光エミッタ1044は、第2の軸(例えば、y-軸)に沿って伸長される。
【0264】
対照的に、フルカラーマイクロディスプレイは、典型的には、各原色のサブピクセルを含み、サブピクセルは、グループ内の特定の比較的に緊密に充塞された空間配向に配列され、これらのグループは、アレイを横断して再現されることを理解されたい。サブピクセルの各グループは、画像内のピクセルを形成してもよい。ある場合には、サブピクセルは、軸に沿って伸長され、同一原色のサブピクセルの行または列は、その同一軸に沿って延在する。そのような配列は、各グループのサブピクセルがともに近接して位置することを可能にし、これが、画質およびピクセル密度に関する利点を有し得ることを理解されたい。しかしながら、
図28の図示される配列では、異なる原色のサブピクセルは、光エミッタ1044の伸長形状に起因して、比較的に遠く離れている。すなわち、ライン1306aの光エミッタは、ライン1306bの光エミッタの伸長形状が、光エミッタ1306aおよび1306cを光エミッタの所与のラインの近傍の光エミッタより離間させるため、ライン1306cの光エミッタから比較的に遠く離れている。これは、マイクロディスプレイ1030の表面上に形成される、画像が、直接、ユーザの眼に中継される場合、容認不可能に不良な画質を提供することが予期され得るが、光コリメータアレイ1300の使用は、有利なこととして、異なる色の光が、所望に応じてルーティングされ、高品質画像を形成することを可能にする。例えば、各原色の光が、別個のモノクロ画像を形成するために使用されてもよく、これは、次いで、接眼レンズ1020(例えば、
図11Aおよび12-14)等の接眼レンズにルーティングされ、その中で組み合わせられる。
【0265】
図27および28を参照すると、いくつかの実施形態では、光エミッタ1044はそれぞれ、関連付けられる光コリメータ1302を有してもよい。いくつかの他の実施形態では、光エミッタ1044の各ライン1306a、1306b、1306cは、単一の関連付けられる光コリメータ1302を有してもよい。その単一の関連付けられる光コリメータ1302は、関連付けられるライン1306a、1306b、または1306cの実質的に全体を横断して延在してもよい。いくつかの他の実施形態では、関連付けられる光コリメータ1302は、関連付けられるライン1306a、1306b、または1306cの一部を形成する、複数の光エミッタ1044にわたって伸長され、延在してもよく、複数の類似光コリメータ1302が、関連付けられるライン1306a、1306b、1306cのそれぞれに沿って提供されてもよい。
【0266】
光コリメータ1302は、光を異なる光経路に沿って指向し、多瞳投影システムを形成するために利用されてもよいことを理解されたい。例えば、光コリメータ1302は、光を内部結合するために、異なる原色の光を、それぞれ、2つまたは3つの面積に指向してもよい。
【0267】
図29は、多瞳投影システム1010を形成するために使用される、
図28のフルカラー発光型マイクロディスプレイ1030を伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。図示される実施形態では、フルカラー発光型マイクロディスプレイ1030は、3つの原色の光を放出し、3瞳投影システム1010を形成する。投影システム1010は、3つの射出瞳を有し、それを通して異なる原色の画像光1032a、1032b、1032cが、それぞれ、接眼レンズ1020の3つの側方に偏移された光内部結合光学要素1022a、1022b、1022cに伝搬する。接眼レンズ1020は、次いで、画像光1032a、1032b、1032cをユーザの眼210に中継する。
【0268】
発光型マイクロディスプレイ1030は、光エミッタ1044のアレイを含み、これは、モノクロ光エミッタ1044a、1044b、1044cに細分割されてもよく、これは、それぞれ、画像光1032a、1032b、1032cを放出する。光エミッタ1044は、広角放出プロファイル1046を伴う、画像光を放出することを理解されたい。画像光は、光コリメータのアレイ1300を通して伝搬し、これは、角度放出プロファイルを狭化された角度放出プロファイル1047に低減させる。
【0269】
加えて、光コリメータのアレイ1300は、画像光が適切な内部結合光学要素1022a、1022b、1022cに伝搬するように、投影光学系1070に画像光を出力させる角度で、画像光が投影光学系1070上に入射するように、画像光(画像光1032a、1032b、1032c)を再指向するように構成される。例えば、光コリメータのアレイ1300は、好ましくは、投影光学系1070を通して伝搬し、内部結合光学要素1022a上に入射するように、画像光1032aを指向し、投影光学系1070を通して伝搬し、内部結合光学要素1022b上に入射するように、画像光1032bを指向し、投影光学系1070を通して伝搬し、内部結合光学要素1022c上に入射するように、画像光1032cを指向するように構成される。
【0270】
異なる光エミッタ1044は、異なる波長の光を放出し得、適切な内部結合光学要素に到達するために、異なる方向に再指向される必要があり得るため、いくつかの実施形態では、異なる光エミッタ1044と関連付けられる、光コリメータは、異なる物理的パラメータ(例えば、異なるピッチ、異なる幅等)を有してもよい。有利なこととして、光コリメータとしての平坦ナノレンズの使用は、光コリメータのアレイ1300を横断して物理的性質を変動させる、光コリメータの形成を促進する。本明細書に記載されるように、ナノレンズは、パターン化および堆積プロセスを使用して、形成されてもよく、これは、基板を横断して異なるピッチ、幅等を伴う、構造の形成を促進する。
【0271】
再び、
図24Aを参照すると、図示されるディスプレイシステムは、単一発光型マイクロディスプレイを示し、光学コンバイナ1050(
図11Aおよび12-13B)を省略することを理解されたい。光学コンバイナ1050を利用する実施形態では、光学コンバイナ1050内の反射性表面1052、1054(
図11A、12-13B、および30B)は、好ましくは、鏡面反射体であって、光エミッタ1044からの光は、反射性表面1052、1054から反射された後、その大角度放出プロファイルを留保することが予期されるであろう。したがって、
図24Aに示される無駄にされる光に関する問題は、光学コンバイナ1050が利用されるときにも同様に存在する。
【0272】
ここで
図30Aを参照すると、発光型マイクロディスプレイと、関連付けられる光コリメータのアレイとを伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例が、図示される。
図30Aは、光エミッタ1044と、光コリメータ1302と、接眼レンズ1020の内部結合光学要素との間の交互作用に関する付加的詳細を示す。ディスプレイシステムは、マイクロディスプレイ1030bを含み、これは、いくつかの実施形態では、フルカラーマイクロディスプレイであってもよい。いくつかの他の実施形態では、マイクロディスプレイ1030bは、モノクロマイクロディスプレイであってもよく、付加的モノクロマイクロディスプレイ(図示せず)が、随意の光学コンバイナ1050の異なる面に提供されてもよい(
図30Cに示されるように)。
【0273】
図30Aを継続して参照すると、マイクロディスプレイ1030bは、それぞれ、広角放出プロファイル(例えば、Lambertian角度放出プロファイル)を伴う、光を放出する、光エミッタ1044のアレイを含む。各光エミッタ1044は、関連付けられる専用光コリメータ1302を有し、これは、事実上、角度放出プロファイルを狭化された角度放出プロファイル1047に狭化する。狭化された角度放出プロファイルを伴う、光ビーム1032bは、投影光学系1070を通して通過し、これは、それらの光ビームを内部結合光学要素1022b上に投影または収束させる。光ビーム1032bは、ある断面形状およびサイズ1047aを有することを理解されたい。いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1022bは、ビーム1032bがその内部結合光学要素1022b上に入射するときの光ビーム1032bの断面形状およびサイズと実質的に合致する、またはそれより大きい、サイズおよび形状を有する。したがって、いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1022bのサイズおよび形状は、内部結合光学要素1022b上に入射するときの光ビーム1032bの断面サイズおよび形状に基づいて選択されてもよい。いくつかの他の実施形態では、他の要因(再バウンス軽減または内部結合光学要素1022bによって支援される角度または視野)が、内部結合光学要素1022bのサイズおよび形状を決定するために利用されてもよく、光コリメータ1302は、好ましくは、内部結合光学要素1022bのサイズおよび形状によって完全またはほぼ完全に包含される、適切に定寸および成形された断面を伴う、光ビーム1032bを提供するように構成(例えば、定寸および成形)されてもよい。いくつかの実施形態では、光コリメータ1302および内部結合光学要素1022bのための物理的パラメータは、他の所望の機能性(例えば、再バウンス軽減、所望の視野のための支援等)と併せて、高度に効率的光利用を提供するように相互に修正されてもよい。有利なこととして、光コリメータ1302によって提供される上記の光コリメーションと、光ビーム1032bの断面サイズおよび形状と内部結合光学要素1022bのサイズおよび形状の合致は、内部結合光学要素1022bが入射光ビーム1032bの大パーセンテージを捕捉することを可能にする。内部結合される光は、次いで、導波管1020bを通して伝搬し、眼210に外部結合される。
【0274】
図示されるように、マイクロディスプレイ1030bは、光エミッタ1044のアレイ1042を含んでもよく、それぞれ、総幅1045wを有する、非発光面積1045によって囲繞される。加えて、光エミッタ1044は、幅Wと、ピッチPとを有する。光エミッタ1044が規則的に離間される、アレイでは、各光エミッタ1044および囲繞する面積1045は、事実上、ピッチPに等しくあり得る、幅1045wを有する、単位セルを形成する。
【0275】
いくつかの実施形態では、光コリメータ1302は、直接、関連付けられる光エミッタ1044上に配置され、それを囲繞する、マイクロレンズである。いくつかの実施形態では、マイクロレンズ1302の幅は、近傍のマイクロレンズ1302が相互にほぼ接触または直接接触するように、1045wに等しい。光エミッタ1044からの光は、関連付けられるマイクロレンズ1302を充填し、事実上、光エミッタ1044によって包含される面積を拡大し得ることを理解されたい。有利なこととして、そのような構成は、光を放出しない、そうでなければ、暗い空間としてユーザに可視となり得る、面積1045の知覚性を低減させる。しかしながら、マイクロレンズ1302は、マイクロレンズ1302の面積全体を横断して延在するように、事実上、関連付けられる光エミッタ1044を拡大するため、面積1045は、マスクされてもよい。
【0276】
図30Aを継続して参照すると、光エミッタ1044および光コリメータ1302の相対的サイズは、光エミッタ1044からの光が関連付けられる光コリメータ1302を充填するように選択されてもよい。例えば、光エミッタ1044は、所望の曲率を有する、マイクロレンズコリメータ1302が、光エミッタ1044の個々のものにわたって延在して形成され得るように、十分に離間されてもよい。加えて、上記に述べられたように、内部結合光学要素1022bのサイズおよび形状は、好ましくは、その内部結合光学要素1022b上に入射するときの光ビーム1032bの断面形状およびサイズに合致する、またはそれを超えるように選択される。その結果、いくつかの実施形態では、内部結合光学要素1022bの幅1025は、マイクロレンズ1302の幅に等しい以上の(1045wまたはPに等しい幅を有してもよい)。好ましくは、幅1025は、光ビーム1032bのある程度の拡散を考慮するために、マイクロレンズ1302の幅または1045wまたはPを上回る。本明細書に議論されるように、幅1025はまた、再バウンスを軽減させるように選択されてもよく、内部結合光学要素1022bの長さ(幅に直交する)より短くてもよい。いくつかの実施形態では、幅1025は、眼210への伝搬のために外部結合される前に、導波管1020bを通して、内部結合される光1032bの伝搬方向と同一軸に沿って延在してもよい。
【0277】
ここで
図30Bを参照すると、複数の発光型マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cと、光コリメータの関連付けられるアレイ1300a、1300b、1300cとを伴う、光投影システム1010の実施例が、それぞれ、図示される。マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cによって放出される光の角度放出プロファイルは、光コリメータアレイ1300a、1300b、1300cによって狭化され、それによって、光が光学コンバイナ1050を通して伝搬後、投影光学系1070によって放出される光の大パーセンテージの集光を促進する。投影光学系1070は、次いで、光を接眼レンズ1020(例えば、
図11Aおよび12-14)(図示せず)等の接眼レンズに指向する。
【0278】
図30Cは、それぞれが、それぞれ、光コリメータの関連付けられるアレイ1300a、1300b、1300cを伴う、複数の発光型マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cを伴う、ウェアラブルディスプレイシステムの実施例を図示する。図示されるディスプレイシステムは、画像情報を伴う光を放出するために、複数のマイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cを含む。図示されるように、マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cは、マイクロLEDパネルであってもよい。いくつかの実施形態では、マイクロディスプレイは、モノクロマイクロLEDパネルであってもよく、それぞれ、異なる原色を放出するように構成される。例えば、マイクロディスプレイ1030aは、赤色である、光1032aを放出するように構成されてもよく、マイクロディスプレイ1030bは、緑色である、光1032bを放出するように構成されてもよく、マイクロディスプレイ1030cは、青色である、光1032cを放出するように構成されてもよい。
【0279】
各マイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cは、それぞれ、光コリメータの関連付けられるアレイ1300a、1300b、1300cを有してもよい。光コリメータは、関連付けられるマイクロディスプレイの光エミッタからの光1032a、1032b、1032cの角度放出プロファイルを狭化する。いくつかの実施形態では、個々の光エミッタは、専用の関連付けられる光コリメータ(
図30Aに示されるように)を有する。
【0280】
図30Cを継続して参照すると、光コリメータのアレイ1300a、1300b、1300cは、関連付けられるマイクロディスプレイ1030a、1030b、1030cと光学コンバイナ1050との間にあって、これは、X-立方体であってもよい。図示されるように、光学コンバイナ1050は、入射光を光学コンバイナの出力面から外に反射させるために、内部反射性表面1052、1054を有する。入射光の角度放出プロファイルの狭化に加え、光コリメータのアレイ1300a、1300cは、光が、それぞれ、関連付けられる光内部結合光学要素1022a、1022cに向かって伝搬するために適切な角度で、光学コンバイナ1050の内部反射性表面1052、1054に衝打するように、関連付けられるマイクロディスプレイ1030a、1030cからの光を再指向するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、光を特定の方向に再指向するために、光コリメータのアレイ1300a、1300cは、マイクロレンズまたは反射性ウェルを備えてもよく、これは、非対称であってもよく、および/または光エミッタが、本明細書に開示されるように、マイクロレンズまたは反射性ウェルに対して中心からずらして配置されてもよい。
【0281】
図30Cを継続して参照すると、投影光学系1070(例えば、投影レンズ)が、光学コンバイナ1050の出力面に配置され、その光学コンバイナから出射される画像光を受け取る。投影光学系1070は、画像光を接眼レンズ1020上に収束または集束させるように構成される、レンズを備えてもよい。図示されるように、接眼レンズ1020は、複数の導波管を備えてもよく、それぞれ、特定の色の光を内部結合および外部結合するように構成される。例えば、導波管1020aは、赤色光1032aをマイクロディスプレイ1030aから受け取るように構成されてもよく、導波管1020bは、緑色光1032bをマイクロディスプレイ1030bから受け取るように構成されてもよく、導波管1020cは、青色光1032cをマイクロディスプレイ1030cから受け取るように構成されてもよい。各導波管1020a、1020b、1020cは、光をその中に内部結合するために、それぞれ、関連付けられる光内部結合光学要素1022a、1022b、1022cを有する。加えて、本明細書に議論されるように、導波管1020a、1020b、1020cは、それぞれ、
図9Bの導波管670、680、690に対応し得、それぞれ、関連付けられる直交瞳エクスパンダ(OPE)と、射出瞳エクスパンダ(EPE)とを有してもよく、これは、最終的には、光1032a、1032b、1032cをユーザに外部結合する。
【0282】
本明細書に議論されるように、マイクロディスプレイを組み込む、ウェアラブルディスプレイシステムは、好ましくは、異なる量の波面発散を伴う、光を出力し、ユーザのために快適な遠近調節-輻輳・開散運動整合を提供するように構成される。これらの異なる量の波面発散は、異なる屈折力を伴う外部結合光学要素を使用して、達成されてもよい。本明細書に議論されるように、外部結合光学要素は、接眼レンズ1020(例えば、
図11Aおよび12-14)等の接眼レンズの導波管上または内に存在してもよい。いくつかの実施形態では、レンズが、外部結合光学要素によって提供される波面発散を増大させるために利用されてもよい、または外部結合光学要素がコリメートされた光を出力するように構成される構成では、所望の波面発散を提供するために使用されてもよい。
【0283】
図31Aおよび31Bは、視認者への光の波面発散を変動させるためのレンズを有する、接眼レンズ1020の実施例を図示する。
図31Aは、導波管構造1032を有する、接眼レンズ1020を図示する。いくつかの実施形態では、本明細書に議論されるように、全ての原色の光が、導波管構造1032が、単一導波管のみを含むように、単一導波管の中に内部結合されてもよい。これは、有利なこととして、コンパクトな接眼レンズを提供する。いくつかの他の実施形態では、導波管構造1032は、複数の導波管(例えば、
図11Aおよび12-13Aの導波管1032a、1032b、1032c)を含むと理解され得、それぞれ、単一原色の光をユーザの眼に中継するように構成されてもよい。
【0284】
いくつかの実施形態では、可変焦点レンズ要素1530、1540が、導波管構造1032の両側上に配置されてもよい。可変焦点レンズ要素1530、1540は、眼210への導波管構造1032からの画像光の経路内と、また、周囲環境から導波管構造1003 2を通して眼210への光の経路内とにあってもよい。可変焦点光学要素1530は、導波管構造1032によって眼210に出力される画像光の波面発散を変調させ得る。可変焦点光学要素1530は、世界の眼210のビューを歪曲させ得る、屈折力を有し得ることを理解されたい。その結果、いくつかの実施形態では、第2の可変焦点光学要素1540が、導波管構造1032の世界側上に提供されてもよい。第2の可変焦点光学要素1540は、可変焦点レンズ要素1530、1540および導波管構造1032の正味屈折力が実質的にゼロであるように、可変焦点光学要素1530のものと反対の(または導波管構造1032が屈折力を有する場合、光学要素1530および導波管構造1032の正味屈折力と反対の)屈折力を提供し得る。
【0285】
好ましくは、可変焦点レンズ要素1530、1540の屈折力は、例えば、電気信号をそこに印加することによって、動的に改変されてもよい。いくつかの実施形態では、可変焦点レンズ要素1530、1540は、動的レンズ(例えば、液晶レンズ、電気活性レンズ、可動要素を伴う従来の屈折レンズ、機械的変形ベースのレンズ、エレクトロウェッティングレンズ、エラストマレンズ、または異なる屈折率を伴う複数の流体)等の透過性光学要素を備えてもよい。可変焦点レンズ要素の形状、屈折率、または他の特性を改変することによって、入射光の波面が、変化されてもよい。いくつかの実施形態では、可変焦点レンズ要素1530、1540は、2つの基板間に狭入される、液晶の層を備えてもよい。基板は、ガラス、プラスチック、アクリル等の光学的に透過性の材料を備えてもよい。
【0286】
いくつかの実施形態では、仮想コンテンツを異なる深度平面上に設置するために、可変量の波面発散を提供することに加えて、または代替として、可変焦点レンズ要素1530、1540および導波管構造1032は、有利なこととして、補正レンズのためのユーザの処方箋屈折力に等しい、正味屈折力を提供してもよい。したがって、接眼レンズ1020は、近視、遠視、老眼、および非点収差を含む、屈折誤差を補正するために使用される、レンズのための代用品としての役割を果たし得る。補正レンズのための代用品としての可変焦点レンズ要素の使用に関するさらなる詳細は、2017年4月6日に出願された、米国特許出願第15/481,255号(開示全体は、その参照することによって本明細書に組み込まれる)に見出され得る。
【0287】
ここで
図31Bを参照すると、いくつかの実施形態では、接眼レンズ1020は、可変ではなく、静的レンズ要素を含んでもよい。
図31Bと同様に、導波管構造1032は、単一導波管(例えば、異なる色の光を中継し得る)または複数の導波管(例えば、それぞれ、単一原色の光を中継し得る)を含んでもよい。同様に、導波管構造1034は、単一導波管(例えば、異なる色の光を中継し得る)または複数の導波管(例えば、それぞれ、単一原色の光を中継し得る)を含んでもよい。導波管構造1032、1034の一方または両方は、屈折力を有してもよく、特定の波面発散の量を伴う、光を出力してもよい、または、単に、コリメートされた光を出力してもよい。
【0288】
図31Bを継続して参照すると、接眼レンズ1020は、いくつかの実施形態では、静的レンズ要素1532、1534、1542を含んでもよい。これらのレンズ要素はそれぞれ、周囲環境から導波管構造1032、1034を通して眼210の中への光の経路内に配置される。加えて、レンズ要素1532は、導波管構造1003 2と眼210との間にある。レンズ要素1532は、導波管構造1032によって眼210に出力される光の波面発散を修正する。
【0289】
レンズ要素1534は、導波管構造1034によって眼210に出力される光の波面発散を修正する。導波管構造1034からの光はまた、レンズ要素1532を通して通過することを理解されたい。したがって、導波管構造1034によって出力される光の波面発散は、レンズ要素1534およびレンズ要素1532(および導波管構造1003 2が屈折力を有する場合、導波管構造1032)の両方によって修正される。いくつかの実施形態では、レンズ要素1532、1534および導波管構造1032は、導波管構造1034から出力される光のための特定の正味屈折力を提供する。
【0290】
図示される実施形態は、2つの異なるレベルの波面発散を提供し、1つは、導波管構造1032から出力される光のためのものであって、2つ目は、導波管構造1034によって出力される光のためのものである。結果として、仮想オブジェクトは、異なるレベルの波面発散に対応する、2つの異なる深度平面上に設置され得る。いくつかの実施形態では、付加的レベルの波面発散、したがって、付加的深度平面が、付加的レンズ要素を付加的導波管構造と眼210との間に伴って、付加的導波管構造をレンズ要素1532と眼210との間に追加することによって提供されてもよい。さらなるレベルの波面発散は、さらなる導波管構造およびレンズ要素を追加することによって、同様に追加されてもよい。
【0291】
図31Bを継続して参照すると、レンズ要素1532、1534および導波管構造1032、1034は、世界のユーザビューを歪曲させ得る、正味屈折力を提供することを理解されたい。結果として、レンズ要素1542が、周囲光の屈折力および歪曲に対抗するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、レンズ要素1542の屈折力は、レンズ要素1532、1534および導波管構造1032、1034によって提供される集約屈折力を無効にするために設定される。いくつかの他の実施形態では、レンズ要素1542、レンズ要素1532、1534、および導波管構造1032、1034の正味屈折力は、補正レンズのためのユーザの処方箋屈折力に等しい。
(運動から画像描画までの短待ち時間を伴う、ディスプレイシステム)
【0292】
本明細書に説明されるように、LCoSは、ディスプレイシステム内で空間光変調器として利用されてもよい。実施例として、例えば、LCoSの液晶の配向を変化させるために必要とされる時間に起因して、LCoSは、比較的に低い最大リフレッシュレートに限定され得る。上記に説明されるように、本最大リフレッシュレートは、ある場合には、約330Hzであり得る。したがって、本明細書に説明されるように、本最大リフレッシュレートは、望ましくない可視ディスプレイアーチファクトを生じさせ得る。
【0293】
実施例として、運動から画像描画までの待ち時間に関して、仮想コンテンツは、それが実世界内に設置されているように知覚されるように構成され得る。ディスプレイシステムは、1つ以上の配向センサ(例えば、慣性測定ユニット(IMU))によって生成された情報を使用して、少なくとも部分的に、ユーザと関連付けられる頭部姿勢を決定し得る。頭部姿勢は、3次元空間内のユーザの頭部の配向を知らせ得る。本頭部姿勢は、したがって、仮想コンテンツの生成を知らせ得る。例えば、ユーザが、軸を中心として、その頭部を回転させるにつれて、仮想コンテンツは、仮想コンテンツが移動するように現れないように、適宜、調節されるべきである。上記に説明されるように、運動から画像描画までの待ち時間は、ユーザの姿勢が決定された時間から、移動に基づいて調節される仮想コンテンツを形成する光がユーザの眼に出力されるまでの時間を示し得る。最大リフレッシュレートは、したがって、本時間が低減され得る、範囲を限定し得る。したがって、ユーザが、その頭部を移動させるにつれて、運動から画像描画までの待ち時間は、知覚可能となり得る。
【0294】
別の実施例として、ユーザによって知覚されるような提示される仮想コンテンツと関連付けられる、明白なモーションブラーが存在し得る。上記に説明されるように、提示される仮想コンテンツの残光性は、モーションブラーに関連し得ると理解され得る。残光性は、仮想コンテンツのフレームが、出力フレームの開始から出力されている後続フレームまで、ユーザに出力されている、時間を示し得る。本明細書で利用されるように、デューティサイクルは、バックライト(例えば、LED)が光を出力する、パーセンテージ時間を示し得る。したがって、デューティサイクルは、仮想コンテンツの提示と関連付けられる、残光性およびフレームレートに基づき得る。例えば、デューティサイクルは、フレーム毎に時間によって除算される、残光性に実質的に類似し得る。残光性を増加させることは、例えば、デューティサイクルが対応して増加するため、知覚される明度を増加させ得る。しかしながら、残光性を増加させることは、モーションブラーを増加させるという有害な影響を有し得る。したがって、残光性を減少させることが有利であり得る。しかしながら、LCoSパネルを用いると、明度の低減は、提示される仮想コンテンツを不自然なものにレンダリングし得る。
【0295】
本明細書に説明されるものは、少なくとも、上記に説明される例示的問題を克服する、ディスプレイシステムの実施例である。本明細書の例示的実施形態では、ディスプレイシステムは、議論を容易にするために、マイクロLEDを利用するものとして説明される。上記に説明されるように、マイクロLEDは、高速(例えば、2,000Hz、2,500Hz等)で切替(例えば、オンおよびオフ)が可能であり得る。加えて、マイクロLEDは、発光型であってもよい。いくつかの実施形態では、仮想コンテンツフレームの各ピクセルは、別個にアドレス指定可能であってもよい。したがって、マイクロLEDは、LCoSパネルに取って代わり得る。マイクロLEDが、いくつかの特定の実施形態に説明されるが、付加的ディスプレイ技術が、活用されてもよいことを理解されたい。例えば、有機LED(OLED)技術等のデジタル光処理(DLP)ディスプレイが、随意に、利用されてもよい。いくつかの実施形態では、空間光変調器は、本明細書に議論されるように、OLEDアレイ等のDLPパネルであってもよい。
【0296】
図32は、いくつかの実施形態による、例示的空間光変調器3200のブロック図を図示する。空間光変調器3200は、本明細書に開示されるように、空間的に変調された光を提供するための光学要素と、例えば、光学要素を動作させるため、および種々の他の処理のための、電子機器とを含んでもよいことを理解されたい。空間光変調器3200は、例えば、ユーザの頭部上に装着されるディスプレイシステム(例えば、ディスプレイユニット70、
図9E)の一部として、ディスプレイシステム(例えば、ディスプレイシステム60、
図9E)内に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、空間光変調器3200は、ピクセルのアレイを備える、パネルの形態をとってもよい。図示されるように、空間光変調器3200は、好ましくは、配向センサ3202(例えば、慣性測定ユニット(IMU)、眼追跡カメラ、および同等物)と、ワーピングエンジン3204と、パネル上制御論理3206とを含む。例えば、これらの種々の要素は、共通基板、例えば、共通回路基板または電気相互接続を伴う他の支持体を共有してもよい。配向センサ3202、ワーピングエンジン3204、およびパネル上制御論理3206は、下記にさらに詳細に説明されるであろうが、しかしながら、これらの要素のうちの1つ以上のものは、いくつかの実施形態では、空間光変調器3200と物理的に別個であってもよいことを理解されたい。例えば、要素は、ディスプレイシステムの他の部分内に含まれてもよい。本実施例では、要素は、1つ以上の接続を介して、変調器3200と通信してもよい。
【0297】
図32を継続して参照すると、ローカル処理およびデータモジュール140(
図9E)は、ディスプレイユニットを介した提示のために、レンダリングされるコンテンツ3222を生成してもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、グラフィック処理ユニット、中央処理ユニット等の処理要素を含んでもよい。例えば、グラフィック処理ユニット3220を使用して、ローカル処理およびデータモジュール140は、ユーザへの提示のために、仮想コンテンツのレンダリングされるフレームを生成してもよい。図示されるように、ユーザの眼3210は、仮想コンテンツに対応する画像情報でエンコーディングされた、空間的に変調された光3212を受け取る。空間的に変調された光3212は、空間光変調器3200の動作に基づいて提供される。図示されないが、光3212は、1つ以上の光学要素(例えば、コンバイナ、コリメート光学系、焦点操作光学系等)を通して、眼3210にルーティングされてもよいことを理解されたい。加えて、発光型ディスプレイ技術が、マイクロLED等の空間的に変調された光3212を生成するために利用されてもよい。
【0298】
ローカル処理およびデータモジュール140は、ディスプレイユニットと別個であって、データリンク130を介して、ディスプレイユニットと通信してもよい。実施例として、データリンク130は、変調器3200とモジュール140との間の物理的接続(例えば、1つ以上のケーブルを介して)を表し得る。別の実施例として、データリンク130は、例えば、WiFi(例えば、802.11ad、802.11ay)等を介して提供される、無線接続であってもよい。
【0299】
したがって、空間光変調器3200およびローカル処理およびデータモジュール140は、データリンク130を利用して、情報を相互の間でルーティングしてもよい。例えば、空間光変調器3200は、配向情報3208をローカル処理およびデータモジュール140に提供してもよい。配向情報3208は、慣性測定ユニット3202、眼追跡カメラ、および同等物に基づいて、生成されてもよい。上記に説明されるように、配向情報3208は、ディスプレイユニットと関連付けられる頭部姿勢、ユーザの眼視線、および同等物を知らせ得る。実施例として、配向情報3208は、1つ以上の軸を中心とした平行移動または回転を決定するために利用されてもよい。ローカル処理およびデータモジュール140は、本配向情報3208を利用して、仮想コンテンツを生成してもよい。
【0300】
例えば、グラフィック処理ユニット3220は、ユーザの仮想または実世界環境内での提示のために、仮想コンテンツを生成してもよい。仮想コンテンツは、ユーザに対する特定の設置のために構成されてもよく、グラフィック処理ユニット3220は、ユーザの頭部姿勢に基づいて、各フレームをレンダリングしてもよい。グラフィック処理ユニット3220は、コンテンツ3222を特定のフレームレート(例えば、60Hz、330Hz)または最大の特定のフレームレートでレンダリングしてもよいことを理解されたい。特定のフレームレートは、例えば、ディスプレイシステムの電力使用量、熱生成等に関する制約に基づいてもよい。加えて、レンダリングされるコンテンツ3222は、例えば、現実的照明、陰影、ポリゴン等を用いて、高品質でレンダリングされてもよい。特定のフレームレートは、高品質仮想コンテンツのレンダリングと上記に示される制約を平衡させるように選択されてもよい。したがって、グラフィック処理ユニット3220は、受信された配向情報3208を利用して、周期的に、レンダリングされるコンテンツ3222を生成してもよい。レンダリングされるコンテンツ3222は、次いで、データリンク130を介して、空間光変調器3200に提供されてもよい。
【0301】
上記に説明されるように、運動から画像描画までの待ち時間は、ユーザの特定の配向または姿勢が決定された(例えば、配向センサ3202を介して)時間から、検出された移動を組み込む、仮想コンテンツを形成する光3212が、ユーザの眼3210に提示されるまでの時間を示し得る。グラフィック処理ユニット3220は、レンダリングされるコンテンツ3222を上記に説明される特定のフレームレートで出力し得るため、運動から画像描画までの待ち時間は、ユーザに顕著となり得る。60Hzで提供されているレンダリングされるコンテンツ3222の実施例に関して、運動から画像描画までの待ち時間は、16ミリ秒またはそれを上回り得る。
【0302】
上記の実施例によると、レンダリングされるコンテンツ3222のフレームが、眼3210に提供された後、ユーザの眼3210は、したがって、16msにわたって、後続フレームを受信し得ない。理解されるであろうように、ユーザは、後続フレームの受信に先立って、1つ以上の軸を中心として、その身体を移動させている場合がある。例えば、ユーザは、その頭部を回転させている、仮想コンテンツにより近いている、またはそこからより離れている等の場合がある。したがって、より最近の配向情報を組み込むために、例示的フレームは、2回またはそれを上回って、眼3210に提示されてもよい。各提示は、更新された配向情報に基づいて変動し得る。上記に説明されるように、レンダリングされるコンテンツ3222は、データリンク130を介して、グラフィック処理ユニット3220から、あるレンダリングフレームレート(例えば、60Hz、330Hz)で提示されてもよい。各レンダリングされるフレームは、1回またはそれを上回って、配向情報に基づいて調節されてもよい。各レンダリングされるフレーム内に含まれる同一画像情報は、したがって、2回またはそれを上回って、ユーザの眼3210に出力されてもよい。
【0303】
本明細書に議論されるように、ユーザ姿勢の変化が存在する場合、姿勢のその変化のタイミングと関連付けられる、レンダリングされるコンテンツ3222の各レンダリングされるフレームは、配向センサ3202によって生成された更新された配向情報に従って、ワーピングされてもよい。配向センサ3202は、閾値周波数(例えば、2,000Hz、3,000Hz、5,000Hz等)を上回って、更新された配向情報を生成してもよい。図示される実施例では、ワーピングエンジン3204が、空間光変調器3200内に含まれる。本ワーピングエンジン3204は、ワーピングプロセスを受信されたレンダリングされるフレーム上で実施する、処理要素を表し得る。例えば、ワーピングエンジン3204は、ワーピングプロセスを実施するように設計される、ハードウェアASICまたはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であってもよい。別の実施例として、ワーピングエンジン3204は、空間光変調器3200の一部を形成する、1つ以上のプロセッサ上で実行される、ソフトウェアを表し得る。ワーピングエンジン3204は、したがって、配向センサ3202から受信された情報に基づいて、レンダリングされるフレームを更新することによって、ワーピングされたフレームを生成してもよい。ワーピングエンジン3204は、次いで、ワーピングされたフレームをあるワーピングフレームレートで出力してもよい。例えば、ワーピングフレームレートは、レンダリングフレームレート(例えば、640Hz、666Hz、1,000Hz、2,000Hz等)より実質的に高くてもよい。
【0304】
有利なこととして、ワーピングエンジン3204は、本明細書に説明されるディスプレイ技術と関連付けられる、パネル上制御論理3206に近接して位置付けられてもよい。実施例として、パネル上制御論理3206は、特定のマイクロLEDをアドレス指定し、アドレス指定されるマイクロLEDに、光3212を出力させてもよい。ワーピングエンジン3204の本設置は、ワーピングエンジン3204をローカル処理およびデータモジュール140に設置することと比較して、種々の利点を提供し得る。
【0305】
例えば、ローカル処理およびデータモジュール140におけるワーピングエンジン3204を伴う、そのようなスキームでは、ローカル処理およびデータモジュール140は、レンダリングされるコンテンツ3222をレンダリングフレームレートより実質的に高く出力する必要があり得る。したがって、データリンク130は、モジュール140と空間光変調器3200との間の帯域幅の対応する増加を要求し得る。帯域幅の本増加は、モジュール140の柔軟性を限定し得る。例えば、ディスプレイシステム(例えば、ディスプレイシステム60)は、より多くの電力を利用し得る。増加された帯域幅は、データリンク130を要求される速さに維持するために、ディスプレイシステムによって消耗される電力も同様に増加させ得る。実際、ローカル処理およびデータモジュール140およびディスプレイユニットを接続するケーブル自体も、給電されることが要求され得る。このように、そのような設置は、ディスプレイシステムのバッテリ寿命を低減させ得る。同様に、そのような設置は、増加されたバッテリサイズを要求し得、これは、重量、コスト等をディスプレイシステムに追加し得る。
【0306】
ワーピングエンジン3204を空間光変調器3200の一部として含むことはまた、ローカル処理およびデータモジュール140をディスプレイユニットの物理的により近くに位置させることに優る利点を提供する。望ましくないことに、これは、本明細書に説明されるディスプレイユニットの可用性を低減させ得る。実施例として、ローカル処理およびデータモジュール140は、ディスプレイユニット70(
図9E)自体上に設置され得る。これは、重量、バルク等をユーザの頭部上に装着される部品に追加し得る。別の実施例として、ローカル処理およびデータモジュール140およびディスプレイユニットを接続するケーブルは、より厚くあることが要求され得る。加えて、ケーブルは、ディスプレイユニットが端部-ユーザにあまり使い勝手がよくない状態にあり得るほど、より脆弱であ
り得る。
【0307】
ワーピングエンジン3204は、上記に説明されるように、随意に、ハードウェアASICであってもよいため、ワーピングエンジン3204は、閾値を下回る、熱設計電力(TDP)を有してもよい。ディスプレイユニット内のワーピングエンジン3204の設置は、したがって、熱、ファンの要件、または増加されたファン等に起因して、ディスプレイユニットの可用性の減少を回避し得る。したがって、設置は、有利なこととして、本明細書に説明される問題に対処し得る一方、運動から画像描画までの待ち時間の実質的短縮を有効にする。
【0308】
本明細書に説明されるように、ワーピングエンジン3204は、ディスプレイユニット70(
図9E)の接眼レンズ270を介した出力のために、ワーピングされたフレームを生成してもよい。いくつかの実施形態では、ワーピングエンジン3204は、完全画像フレームを生成してもよい。例えば、完全画像フレームは、レンダリングされるコンテンツ3222のレンダリングされるフレームと関連付けられる、ワーピングされた画像情報を含んでもよい。これらの完全画像フレームは、次いで、空間光変調器3200によって、完全画像フレームをユーザの眼3210内に形成する、光3210を出力するために利用されてもよい。いくつかの実施形態では、ワーピングエンジン3204は、代わりに、レンダリングされるコンテンツ3222のレンダリングされるフレームに行われるための調節を示す、情報を生成してもよい。例示的調節は、レンダリングされるフレーム内でピクセルに行われるための偏移を含んでもよい。
図33A-33Bに関して下記に説明されるように、パネル上制御論理は、したがって、調節を実装してもよい。このように、ワーピングエンジン3204とパネル上制御論理3206との間で要求される帯域幅は、低減され得る。
【0309】
図33Aは、いくつかの実施形態による、別の例示的空間光変調器3302のブロック図を図示する。本実施例では、ディスプレイユニット3300は、慣性測定ユニット(IMU)等の配向センサ3202を含み、さらに、空間光変調器3302を含む。
図32に説明されるように、空間光変調器3302は、パネル上制御論理3206を含んでもよく、これは、例示的ワーピングプロセスを実施する、ワーピングエンジン3204を含む。空間光変調器3302は、ワーピングエンジン3204を使用して、レンダリングされるコンテンツ3222の受信されたレンダリングされるフレームをワーピングさせてもよい。空間光変調器3302は、次いで、マイクロLED等のディスプレイ要素を制御し、直接、ワーピングされたフレームを形成する、光3212を出力してもよい。
【0310】
本実施例では、パネル上制御論理3206は、レンダリングされるコンテンツ3222の、ローカル処理およびデータモジュール140から現在受信されているレンダリングされるフレームを記憶してもよい。上記に説明されるように、ローカル処理およびデータモジュール140は、レンダリングされるコンテンツ3222のレンダリングされるフレームを60Hz、330Hz等で生成してもよい。したがって、パネル上制御論理3206は、現在のレンダリングされるフレームを、約16ms、8.33ms等にわたって記憶してもよい。パネル上制御論理3206は、ディスプレイユニット3300の配向情報に関する周期的更新を配向センサ3202から受信してもよい。上記に説明されるように、配向情報は、現在のレンダリングされるフレームをワーピングさせるために利用されてもよい。
【0311】
例えば、パネル上制御論理は、ワーピングエンジン3204を含んでもよい。ワーピングエンジン3204は、配向センサ3202からの情報を利用して、現在のレンダリングされるフレームのピクセルを調節するために十分な情報を生成してもよい。本生成された情報は、偏移されたピクセル値を反映させてもよい。生成された情報はまた、現在のレンダリングされるフレームのピクセルに適用されるための1つ以上の変換を反映させてもよい。いくつかの実施形態では、生成された情報は、特定のピクセルまたはピクセルのグループ(例えば、現在のレンダリングされるフレームのサブ領域等に従って参照される)に行われるための偏移または調節を示す、テーブルを備えてもよい。
【0312】
パネル上制御論理3206は、ワーピングエンジン3204によって生成された情報を利用して、上記に説明される現在のレンダリングされるフレームを操作してもよい。実施例として、配向センサから受信された1つ以上の周期的更新に関して、ワーピングエンジン3204は、調節情報を生成してもよい。パネル上制御論理3206は、次いで、適宜、現在のレンダリングされるフレームをワーピングさせてもよい。このように、パネル上制御論理は、多数のワーピングされたフレームを生成してもよい。
【0313】
図33Bは、例示的空間光変調器3302の別のブロック図を図示する。本実施例では、ディスプレイユニット3300は、視線予測器3304を含む。視線予測器3304は、ユーザの眼を監視する、1つ以上のカメラからの情報を受信してもよい。カメラは、眼の周期的画像を取得し、コンピュータビジョンまたは機械学習ベースの技法を利用して、眼の瞳孔と関連付けられる、配向を決定してもよい。配向を利用して、視線予測器3304は、ユーザの視線と関連付けられる、3次元固視点を決定してもよい。3次元固視点は、瞳孔から延在する、3次元の空間ベクトル内の交点を表し得る。視線予測器3304は、したがって、ユーザの視線を監視してもよい。
【0314】
ワーピングエンジン3204は、視線予測器3304から受信された情報(例えば、決定された視線)を使用して、レンダリングされるコンテンツ3222のワーピングを知らせてもよい。例えば、ワーピングエンジン3204は、視線予測器3304および慣性測定ユニット3202を個別の信号として利用してもよい。これらの信号は、例えば、1つ以上の記憶されるモデルに従って、集約されてもよい。視線を決定することは、ユーザの視線の変化が、そこからユーザが仮想コンテンツを視認し得る、目線を変化させ得、したがって、レンダリングされるコンテンツ3222の所望のワーピングを変化させ得るため、レンダリングされるコンテンツアイテム3222のワーピングに関する増加された正確度を提供し得る。
【0315】
図34Aは、いくつかの実施形態による、空間光変調器のピクセルを更新するための例示的スキームの略図を図示する。上記に説明されるように、空間光変調器は、例えば、空間光変調器を横断して異なる場所またはピクセルにおけるその光の強度を変化させることによって、ユーザに出力される光を変調させてもよい。結果として、仮想コンテンツの画像が、ユーザに出力され得る。本明細書に説明されるように、そのような光を生成するための例示的ディスプレイ技術は、マイクロLEDを含んでもよい。マイクロLEDは、高速で切替可能であり得ることを理解されたい。例えば、マイクロLEDは、2,000Hzまたはそれを上回って、リフレッシュされることが可能であり得る。下記に説明されるであろうように、空間光変調器は、本高速を活用して、光をユーザに出力する、異なるスキームを利用してもよい。
【0316】
いくつかの実施形態では、仮想コンテンツのフレームの各ピクセルは、1つ以上のマイクロLEDと関連付けられてもよい。実施例として、複数のマイクロLED、例えば、ピクセル毎に3つのマイクロLED(例えば、赤色、緑色、青色)が存在してもよい。フレームを形成する、光を生成するために、空間光変調器(例えば、パネル上制御論理3206)は、情報を各ピクセルと関連付けられるマイクロLEDに提供してもよい。提供される情報は、各マイクロLEDの明度、各マイクロLEDがオンにされる持続時間等のうちの1つ以上のものを制御するために利用されてもよい。いくつかの実施形態では、空間光変調器は、各ピクセルおよびその関連付けられるマイクロLEDを別個にアドレス指定してもよい。
【0317】
図34Aを継続して参照すると、パネル上制御論理3206は、大域的更新3402を空間光変調器のピクセルのアレイに提供するものとして図示される。上記に説明されるように、パネル上制御論理3206は、光を出力し、レンダリングされるフレームのピクセルを形成する、マイクロLEDを別個にアドレス指定してもよい。したがって、本実施例では、パネル上制御論理3206は、仮想コンテンツのフレームのピクセルを形成する、マイクロLEDが、レンダリングされるフレームに基づいて大域的に更新されるようにトリガしてもよい。大域的更新は、同時に、空間光変調器のピクセルのそれぞれを更新してもよい。更新は、例えば、マイクロLEDによって放出される光の強度および/または本光放出の持続時間を変化させてもよい。本更新は、2,000Hz等の特定のリフレッシュレートで実施されてもよい。いくつかの実施形態では、各ピクセルは、複数のマイクロLED、例えば、3つのマイクロLEDと関連付けられてもよい。したがって、各ピクセルは、2,000Hzで大域的に更新されてもよく、結果として生じる仮想コンテンツは、マイクロLEDの数によって除算される、大域的更新レートで提示されてもよい。3つのマイクロLEDが存在する場合、仮想コンテンツは、666Hzのリフレッシュレートで効果的に更新される。いくつかの実施形態では、更新は、仮想コンテンツと関連付けられるピクセルにのみ適用されてもよく、仮想コンテンツと関連付けられない、ピクセルをスキップしてもよい。例えば、仮想コンテンツは、フレーム全体を占有していない場合があることを理解されたい。いくつかの実施形態では、仮想コンテンツを提供する、ピクセルアレイ内のピクセルのみが、更新される。
【0318】
有利なこととして、大域的更新3402を実施することは、ユーザへの仮想コンテンツの提示と関連付けられる、視覚的アーチファクトを限定し得る。
図34Bに関して下記に説明されるであろうように、いくつかの実施形態では、パネル上制御論理3206は、走査更新を実施させ得る。そのような走査更新では、マイクロLEDは、順次、更新され得る。本更新は、可視走査アーチファクトを導入し得、これは、提示される仮想コンテンツの視覚的忠実性または視認快適性を減少させ得る。
図34Aの実施例では、大域的更新3402は、これらの走査アーチファクトを回避し得る。
【0319】
大域的更新3402は、そのようなアーチファクトを回避し得るが、パネル上制御論理3206と通信するために要求される帯域幅は、いくつかの実施形態では、実質的となり得る。例えば、
図32-33Bに説明されるように、パネル上制御論理3206は、仮想コンテンツのワーピングされたフレームをあるワーピングフレームレート(例えば、666Hz、2,000Hz等)で提示し得る。したがって、パネル上制御論理3206は、ワーピングフレームレートによって乗算される、各フレーム内の画像情報と同等の帯域幅を要求し得る。本大帯域幅は、望ましくないことに、大量の電力を利用し得る。いくつかの実施形態では、パネル上制御論理3206は、
図34Bに示される走査更新を利用して、システムリソースの利用を低減させてもよい。
【0320】
図33A-33Bに関して議論されるように、パネル上制御論理3206はまた、レンダリングされるコンテンツのフレームをワーピングさせるための機能性を含んでもよい。例えば、パネル上制御論理3206は、上記に説明されるように、レンダリングされるコンテンツのフレームを受信してもよい(例えば、ローカル処理およびデータモジュール140から)。パネル上制御論理3206は、次いで、ユーザ姿勢に関する更新を、少なくとも、配向センサから受信してもよい。これらの更新を使用して、パネル上制御論理3206は、レンダリングされるコンテンツの後続フレームの受信前に、受信されたレンダリングされるフレームを、閾値回数、ワーピングさせてもよい。レンダリングされるコンテンツを、ワーピングされたフレームが生成されるレートと同等のレードで提供することに関して、ワーピングは、帯域幅に関するより低い要件をパネル上制御論理3206に提供する。いくつかの実施形態では、帯域幅は、レンダリングフレームレート(例えば、60Hz、330Hz)によって乗算される、コンテンツのレンダリングされるフレーム内に含まれる画像情報に類似し得る。
【0321】
マイクロLEDの高速切替能力に起因して、マイクロLEDの残光性3406は、短くなり得る(例えば、0.4ms、0.5ms、または0.6ms)。
図34Aに図示されるように、マイクロLED3404は、迅速にオンになり(例えば、LED立ち上がり時間3408)、残光性3406のためにオンであって、次いで、迅速にオフになってもよい(例えば、LED立ち下がり時間3410)。上記に説明されるように、残光性3406は、仮想コンテンツのフレームを提示するとき、ピクセルがオンである時間を表し得る。ユーザは、仮想コンテンツのフレームを高速レート(例えば、2,000Hz等におけるワーピングフレームレート)で受信するため、残光性3406は、短くなり得る。
【0322】
有利なこととして、低残光性3406に起因して、本明細書に説明される技法は、仮想コンテンツの視認と関連付けられる、モーションブラーを低減させ得る。残光性の増加は、モーションブラーにおける対応する増加を生じさせ得ることを理解されたい。以前の技法は、LCoSパネルに関して等、モーションブラーに対抗するために、残光性の低減を利用していた。しかしながら、残光性を低減させることはまた、パネルのデューティサイクルを低減させ得る。本低減されたデューティサイクルに起因して、ユーザによって知覚される明度は、望ましくないことに、低減されるであろう。
【0323】
対照的に、本明細書に説明されるマイクロLEDは、高デューティサイクルを維持しながら、低残光性を有し得る。
図33Aの実施例では、残光性は、約0.5ミリ秒であり得、デューティサイクルは、99%であり得る。したがって、ユーザは、有利なこととして、明るいと知覚される、仮想コンテンツを提示され得る。加えて、高デューティサイクルは、電力の明度への望ましい効率的変換を提供する。
【0324】
図34Bは、いくつかの実施形態による、空間光変調器のピクセルを更新するための付加的例示的スキームの略図を図示する。これらの実施例では、パネル上制御論理3206は、順次走査更新3420を介して、パネル3422のピクセルを更新してもよい。パネル3422は、ピクセルのアレイを備える、空間光変調器であってもよいことを理解されたい。パネル3422は、パネル上制御論理3206を介して制御されてもよく、パネルのピクセルは、いくつかの実施形態では、マイクロLEDを備えてもよい。
【0325】
図示される実施例では、2つのタイプの走査更新が、提示される。走査更新3424に関して、パネル上制御論理3206は、パネル3422の単一ピクセルを順次更新させてもよい。実施例として、パネル上制御論理3206は、パネル3422の左上におけるピクセル(例えば、図示されるように)を更新させてもよい。論理3206は、次いで、隣接するピクセル(例えば、同一行内等の右)を更新させてもよい。論理3206は、したがって、行を横断して走査し、次いで、次の行に降下してもよい。随意に、パネル上制御論理3206は、仮想コンテンツと関連付けられない、ピクセルをスキップしてもよい。例えば、仮想コンテンツは、フレーム全体を占有しない場合があることを理解されたい。いくつかの実施形態では、仮想コンテンツは、仮想コンテンツに対応するピクセルである、パネル3422のピクセルアレイ内のあるピクセルのみが、利用および更新されるように疎らであってもよい。
【0326】
随意に、走査更新3424に関して、パネル上制御論理3206は、仮想コンテンツのフレームと関連付けられる中心窩化領域に基づいて、走査してもよい。例えば、ディスプレイシステムは、ユーザが固視している、固視点を決定してもよい。本固視点の閾値角距離内に該当する仮想コンテンツは、ユーザの中心窩上に該当すると識別され得る。ユーザは、中心窩上に該当するコンテンツに関して高視力を有し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、ディスプレイシステムは、中心窩上に該当する本コンテンツのためのピクセルを優先的に更新するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、中心窩上に該当するコンテンツのためのピクセルは、網膜の周辺領域上に該当するコンテンツのためのピクセルより高いレートで更新されてもよい。いくつかの他の実施形態では、中心窩上に形成されるピクセルのみが、更新される。いくつかの実施形態では、パネル上制御論理3206は、中心窩化領域内に含まれるピクセルにおいて走査を開始してもよい。例えば、論理3206は、中心窩化領域の左上ピクセルにおいて走査を開始してもよい。
【0327】
走査更新B3426に関して、パネル上制御論理3206は、順次更新をパネル3422の異なる場所において同時に生じさせてもよい。例えば、パネル上制御論理3206は、多重波においてパネルを更新してもよい。本専門用語では、単一波は、したがって、走査更新Aを表し得、走査更新Bは、走査更新Aの複数の同時インスタンスを有する。図示されるように、パネル上制御論理3206は、10個の波において、パネル3422を更新する。本数未満またはそれ上回る波も、いくつかの実施形態では、利用されてもよいことを理解されたい。パネル上制御論理3206は、随意に、パネル3422の各ピクセルを特定の波に割り当ててもよい。パネル上制御論理3206は、次いで、順次、同一波に割り当てられるピクセルを更新してもよい。図示されるように、波は、並行して更新されてもよい。複数の波に起因して、走査更新Bは、走査更新Aと比較して、あまり明白ではない走査アーチファクトを生じさせ得る。
【0328】
中心窩化領域に関する上記の議論と同様に、パネル上制御論理3206は、中心窩化領域内におけるその含有に基づいて、各波に割り当てられるあるピクセルを更新させてもよい。随意に、パネル上制御論理3206は、ピクセルを波に迅速に割り当て、かつそこから割当解除してもよい。例えば、パネル上制御論理3206は、中心窩化領域内の波の数を増加させてもよい。したがって、中心窩化領域内のピクセルが、第1の数の波に割り当てられる場合、論理3206は、これを第2のより多い数の波に増加させてもよい。したがって、中心窩化領域内のピクセルは、より迅速に更新され得る。いくつかの実施形態では、中心窩上に該当するコンテンツのためのピクセルは、網膜の周辺領域上に該当するコンテンツのためのピクセルより高いレートで更新されてもよい。いくつかの他の実施形態では、中心窩上に形成されるピクセルのみが、波において更新される。
【0329】
本明細書に説明される走査更新3420では、パネル上制御論理3206は、特定の走査率で走査してもよい。本特定の走査率は、実施例として、上記に説明される最大リフレッシュレートより高くてもよい。実施例として、最大リフレッシュレートは、2,000Hzであってもよい。したがって、各ピクセル(例えば、関連付けられるマイクロLED)は、毎0.5ミリ秒(例えば、2,000Hz)より低速で更新され得る。しかしながら、ピクセルは、順次、走査されるため、パネル上制御論理3206は、0.5ミリ秒より短い時間間隔内で情報を2つの隣接するピクセルに提供し得る。結果として、走査更新3420は、依然として、本明細書に説明される例示的利点を達成し得る。例えば、運動から画像描画までの待ち時間は、低減され得る。別の実施例として、モーションブラーも、本明細書に議論されるように、低減され得る。
【0330】
図35は、本明細書に説明される技法に従って、レンダリングされるコンテンツのワーピングされたフレームを出力するための例示的プロセス3500のフローチャートを図示する。便宜上、プロセス3500は、1つ以上のプロセッサのディスプレイシステム(例えば、ウェアラブルディスプレイシステム60、
図9E)によって実施されるものとして説明されるであろう。
【0331】
ブロック3502では、ディスプレイユニットが、仮想コンテンツのレンダリングされるフレームを受信する。少なくとも
図32に関して上記に説明されるように、ディスプレイシステムは、グラフィック処理ユニット(GPU)を利用して、仮想コンテンツのフレームを生成してもよい。例えば、GPUは、フレームを60Hz、330Hz等で出力してもよい。
【0332】
ブロック3504では、ディスプレイユニットが、ディスプレイユニットのユーザの更新された頭部姿勢を決定する。ディスプレイユニットは、随意に、視線検出器とともに、配向センサ(例えば、慣性測定ユニット(IMU))を利用して、ユーザの頭部姿勢を決定してもよい。ユーザが、移動し、その姿勢を変化させるにつれて、仮想コンテンツは、したがって、移動に基づいて更新され得る。
【0333】
ブロック3506では、ディスプレイユニットが、決定された頭部姿勢に基づいて、レンダリングされるフレームをワーピングさせる。上記に説明されるように、ディスプレイユニットは、プロセッサ、ハードウェアASIC等を利用して、レンダリングされるフレームをワーピングさせてもよい。ワーピングされたレンダリングされるフレームは、したがって、頭部姿勢に関する直近の決定に従って、ワーピングされてもよい。
【0334】
ブロック3508では、ディスプレイユニットが、ワーピングされたフレームをユーザに出力または提示する。ディスプレイユニットは、本明細書に説明される技法に従って、ワーピングされたフレームをユーザに出力してもよい。例えば、ディスプレイユニットは、マイクロLEDを利用して、空間的に変調された光を出力し、ワーピングされたフレームを表示してもよい。
【0335】
ブロック3504、3506、3508は、ディスプレイユニットが仮想コンテンツの別のレンダリングされるフレームを受信する前に、1回またはそれを上回って、繰り返されてもよい。したがって、ディスプレイユニットは、別のレンダリングされるフレームを受信する前に、1回またはそれを上回って、新しい頭部姿勢を決定し、新しい頭部姿勢に基づいて、レンダリングされるフレームをワーピングさせ、新しいワーピングされたフレームを出力してもよい。ディスプレイユニットは、したがって、ワーピングされたフレームを、レンダリングされるフレームがディスプレイユニットに提供されるレートより高くあり得る、閾値周波数(例えば、666Hz、2,000Hz等)を上回って、出力してもよい。
(付加的考慮点)
【0336】
前述の説明は、解説の目的のために、説明される実施形態の徹底的な理解を提供するために具体的名称を使用した。しかしながら、具体的詳細は、説明される実施形態を実践するために要求されないことが当業者に明白となるであろう。したがって、具体的実施形態の前述の説明は、例証および説明の目的のために提示される。それらは、包括的であること、または説明される実施形態を開示される精密な形態に限定することを意図していない。多くの修正および変形例が、上記の教示に照らして、可能性として考えられることが当業者に明白となるであろう。明細書および図面は、故に、限定的意味ではなく、例証的と見なされるべきである。
【0337】
説明される実施形態の種々の側面、実装、または特徴は、別個に、または任意の組み合わせにおいて、使用されてもよい。説明される実施形態の種々の側面は、ソフトウェア、ハードウェア、またはハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせによって実装されてもよい。説明される実施形態はまた、製造動作を制御するためのコンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして、または製造ラインを制御するためのコンピュータ可読媒体上のコンピュータ可読コードとして具現化されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータシステムによってその後読み取られ得る、データを記憶し得る、任意のデータ記憶デバイスである。コンピュータ可読媒体の実施例は、読取専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、CD-ROM、HDD、DVD、磁気テープ、および光学データ記憶デバイスを含む。コンピュータ可読媒体はまた、コンピュータ可読コードが、分散型方式において記憶および実行されるように、ネットワークに結合されたコンピュータシステムにわたって分散されてもよい。
【0338】
したがって、本明細書に説明される、および/または図に描写されるプロセス、方法、およびアルゴリズムはそれぞれ、具体的かつ特定のコンピュータ命令を実行するように構成される、1つ以上の物理的コンピューティングシステム、ハードウェアコンピュータプロセッサ、特定用途向け回路、および/または電子ハードウェアによって実行される、コードモジュールにおいて具現化され、それによって完全または部分的に自動化され得る。例えば、コンピューティングシステムは、具体的コンピュータ命令とともにプログラムされたコンピュータ(例えば、サーバ)または専用コンピュータ、専用回路等を含むことができる。コードモジュールは、実行可能プログラムにコンパイルおよびリンクされ得る、動的リンクライブラリ内にインストールされ得る、またはインタープリタ型プログラミング言語において書き込まれ得る。いくつかの実装では、特定の動作および方法が、所与の機能に特有の回路によって実施され得る。
【0339】
さらに、本開示の機能性のある実施形態は、十分に数学的、コンピュータ的、または技術的に複雑であるため、(適切な特殊化された実行可能命令を利用する)特定用途向けハードウェアまたは1つ以上の物理的コンピューティングデバイスは、例えば、関与する計算の量または複雑性に起因して、または結果を実質的にリアルタイムで提供するために、機能性を実施する必要があり得る。例えば、ビデオは、多くのフレームを含み、各フレームは、数百万のピクセルを有し得、具体的にプログラムされたコンピュータハードウェアは、商業的に妥当な時間量において所望の画像処理タスクまたは用途を提供するようにビデオデータを処理する必要がある。
【0340】
コードモジュールまたは任意のタイプのデータは、ハードドライブ、ソリッドステートメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)、光学ディスク、揮発性または不揮発性記憶装置、同一物の組み合わせ、および/または同等物を含む、物理的コンピュータ記憶装置等の任意のタイプの非一過性コンピュータ可読媒体上に記憶され得る。いくつかの実施形態では、非一過性コンピュータ可読媒体は、ローカル処理およびデータモジュール(140)、遠隔処理モジュール(150)、および遠隔データリポジトリ(160)のうちの1つ以上のものの一部であってもよい。本方法およびモジュール(またはデータ)はまた、無線ベースおよび有線/ケーブルベースの媒体を含む、種々のコンピュータ可読伝送媒体上で生成されたデータ信号として(例えば、搬送波または他のアナログまたはデジタル伝搬信号の一部として)伝送され得、種々の形態(例えば、単一または多重化アナログ信号の一部として、または複数の離散デジタルパケットまたはフレームとして)をとり得る。開示されるプロセスまたはプロセスステップの結果は、任意のタイプの非一過性有形コンピュータ記憶装置内に持続的または別様に記憶され得る、またはコンピュータ可読伝送媒体を介して通信され得る。
【0341】
本明細書に説明される、および/または添付される図に描写されるフロー図における任意のプロセス、ブロック、状態、ステップ、または機能性は、プロセスにおいて具体的機能(例えば、論理または算術)またはステップを実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、コードモジュール、セグメント、またはコードの一部を潜在的に表すものとして理解されたい。種々のプロセス、ブロック、状態、ステップ、または機能性は、組み合わせられる、再配列される、本明細書に提供される例証的実施例に追加される、そこから削除される、修正される、または別様にそこから変更されてもよい。いくつかの実施形態では、付加的または異なるコンピューティングシステムまたはコードモジュールが、本明細書に説明される機能性のいくつかまたは全てを実施し得る。本明細書に説明される方法およびプロセスはまた、いずれの特定のシーケンスにも限定されず、それに関連するブロック、ステップ、または状態は、適切である他のシーケンスで、例えば、連続して、並行して、またはある他の様式で実施されてもよい。タスクまたはイベントが、開示される例示的実施形態に追加される、またはそこから除去され得る。さらに、本実施形態で説明される実装における種々のシステムコンポーネントの分離は、例証目的のためであり、全ての実施形態においてそのような分離を要求するものとして理解されるべきではない。説明されるプログラムコンポーネント、方法、およびシステムは、概して、単一のコンピュータ製品においてともに統合される、または複数のコンピュータ製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。
【0342】
本開示のシステムおよび方法は、それぞれ、いくつかの革新的側面を有し、そのうちのいかなるものも、本明細書に開示される望ましい属性に単独で関与しない、またはそのために要求されないことを理解されたい。上記に説明される種々の特徴およびプロセスは、相互に独立して使用され得る、または種々の方法で組み合わせられ得る。全ての可能な組み合わせおよび副次的組み合わせが、本開示の範囲内に該当することが意図される。
【0343】
別個の実施形態の文脈において本明細書に説明されるある特徴はまた、単一の実施形態における組み合わせにおいて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈において説明される種々の特徴もまた、複数の実施形態において別個に、または任意の好適な副次的組み合わせにおいて実装されてもよい。さらに、特徴がある組み合わせにおいて作用するものとして上記に説明され、さらに、そのようなものとして最初に請求され得るが、請求される組み合わせからの1つ以上の特徴は、いくつかの場合では、組み合わせから削除されてもよく、請求される組み合わせは、副次的組み合わせまたは副次的組み合わせの変形例を対象とし得る。いかなる単一の特徴または特徴のグループも、あらゆる実施形態に必要または必須ではない。
【0344】
とりわけ、「~できる(can)」、「~し得る(could)」、「~し得る(might)」、「~し得る(may)」、「例えば(e.g.)」、および同等物等、本明細書で使用される条件文は、別様に具体的に記載されない限り、または使用されるような文脈内で別様に理解されない限り、概して、ある実施形態がある特徴、要素、および/またはステップを含む一方、他の実施形態がそれらを含まないことを伝えることが意図されることを理解されたい。したがって、そのような条件文は、概して、特徴、要素、および/またはステップが、1つ以上の実施形態に対していかようにも要求されること、または1つ以上の実施形態が、著者の入力または促しの有無を問わず、これらの特徴、要素、および/またはステップが任意の特定の実施形態において含まれる、または実施されるべきかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを合意することを意図されない。用語「~を備える(comprising)」、「~を含む(including)」、「~を有する(having)」、および同等物は、同義語であり、非限定的方式で包括的に使用され、付加的要素、特徴、行為、動作等を除外しない。また、用語「または」は、その包括的意味において使用され(およびその排他的意味において使用されず)、したがって、例えば、要素のリストを接続するために使用されると、用語「または」は、リスト内の要素のうちの1つ、いくつか、または全てを意味する。加えて、本願および添付される請求項で使用されるように、冠詞「a」、「an」、および「the」は、別様に規定されない限り、「1つ以上の」または「少なくとも1つ」を意味するように解釈されるべきである。同様に、動作は、特定の順序で図面に描写され得るが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示される特定の順序で、または連続的順序で実施される、または全ての図示される動作が実施される必要はないと認識されるべきである。さらに、図面は、フローチャートの形態で1つ以上の例示的プロセスを図式的に描写し得る。しかしながら、描写されない他の動作も、図式的に図示される例示的方法およびプロセス内に組み込まれてもよい。例えば、1つ以上の付加的動作が、図示される動作のいずれかの前に、その後に、それと同時に、またはその間に実施されることができる。加えて、動作は、他の実装において再配列される、または再順序付けられ得る。ある状況では、マルチタスクおよび並列処理が、有利であり得る。さらに、上記に説明される実施形態における種々のシステムコンポーネントの分離は、全ての実施形態におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、説明されるプログラムコンポーネントおよびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品においてともに統合される、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。加えて、他の実装も、以下の請求項の範囲内である。いくつかの場合では、請求項に列挙されるアクションは、異なる順序で実施され、依然として、望ましい結果を達成することができる。
【0345】
故に、請求項は、本明細書に示される実施形態に限定されることを意図されず、本明細書に開示される本開示、原理、および新規の特徴と一貫する最も広い範囲を与えられるべきである。
【外国語明細書】