(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091954
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】施設管理装置、施設管理方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20240628BHJP
【FI】
G06Q50/12
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024072790
(22)【出願日】2024-04-26
(62)【分割の表示】P 2023091073の分割
【原出願日】2019-10-28
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104765
【弁理士】
【氏名又は名称】江上 達夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(74)【代理人】
【識別番号】100131015
【弁理士】
【氏名又は名称】三輪 浩誉
(72)【発明者】
【氏名】松田 章
(72)【発明者】
【氏名】宮本 雄介
(72)【発明者】
【氏名】上野 貴史
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 早紀
(57)【要約】
【課題】ユーザの施設へのチェックイン及びサービス利用を適切に管理する。
【解決手段】施設管理装置は、施設を利用するユーザの顔画像を取得する第1取得手段)と、施設のチェックイン処理が実行されると、ユーザの顔画像をチェックイン処理されたユーザの顔画像として登録する登録手段と、施設における所定のサービスを利用するユーザの顔画像を取得する第2取得手段と、所定のサービスを利用するユーザの顔画像と、チェックイン処理されたユーザの顔画像との照合に基づいて、所定のサービスを利用するユーザがチェックイン処理されていると判定された場合、所定のサービスの利用を許可する許可手段とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設を利用するユーザの顔画像を取得する第1取得手段と、
前記施設のチェックイン処理が実行されると、前記ユーザの顔画像をチェックイン処理されたユーザの顔画像として登録する登録手段と、
前記施設における所定のサービスを利用するユーザの顔画像を取得する第2取得手段と、
前記所定のサービスを利用するユーザの顔画像と、前記チェックイン処理されたユーザの顔画像との照合に基づいて、前記所定のサービスを利用するユーザが前記チェックイン処理されていると判定された場合、前記所定のサービスの利用を許可する許可手段と
を備える施設管理装置。
【請求項2】
前記ユーザの顔画像と予め記憶された画像とを用いた顔認証で前記ユーザを特定し、特定した前記ユーザの事前登録情報を取得し、前記事前登録情報に基づいて前記チェックイン処理を実行する実行手段を更に備える請求項1に記載の施設管理システム。
【請求項3】
前記登録手段は、前記チェックイン処理を実行したユーザの顔画像に加えて、前記チェックイン処理を実行したユーザの同伴者の顔画像を前記チェックイン処理されたユーザの顔画像として登録することを特徴とする請求項1又は2に記載の施設管理システム。
【請求項4】
前記登録手段は、前記チェックイン処理されたユーザの顔画像に加えて、前記チェックイン処理されたユーザの性別情報を登録し、
前記許可手段は、前記サービスを利用するユーザが前記チェックイン処理されていると判定され、且つ、前記チェックイン処理されたユーザの性別情報が前記サービスの利用条件に合致した場合に、前記サービスの利用を許可する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の施設管理システム。
【請求項5】
前記登録手段は、前記チェックイン処理されたユーザの顔画像に加えて、前記チェックイン処理されたユーザの年齢情報を登録し、
前記許可手段は、前記サービスを利用するユーザが前記チェックイン処理されていると判定され、且つ、前記チェックイン処理されたユーザの年齢情報が前記サービスの利用条件に合致した場合に、前記サービスの利用を許可する
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の施設管理システム。
【請求項6】
前記実行手段は、前記顔認証で特定できない特定不可ユーザについて、予約番号又は予約コードを用いてチェックイン処理を行うと共に、前記チェックイン処理が完了した前記特定不可ユーザに対して顔画像の登録可否を確認する情報を出力し、
前記登録手段は、前記特定不可ユーザが顔画像を登録可と回答した場合に、前記特定不可ユーザの顔画像を前記チェックイン処理されたユーザの顔画像として登録する
ことを特徴とする請求項2に記載の施設管理システム。
【請求項7】
前記チェックイン処理されたユーザにカードキーを発行する発行手段を更に備え、
前記許可手段は、前記カードキーが認証された場合に、前記サービスの利用を許可し、
前記発行手段は、前記チェックイン処理を行うグループ内に、前記所定のサービスを利用するユーザの顔画像と前記チェックイン処理されたユーザの顔画像との照合を利用するユーザと、前記カードキーによる認証とを用いるユーザが混在する場合に、前記カードキーの発行枚数を前記グループの人数よりも少なくなるように制限する
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の施設管理システム。
【請求項8】
前記発行手段は、前記カードキーの発行枚数を、前記グループの人数から前記所定のサービスを利用するユーザの顔画像と前記チェックイン処理されたユーザの顔画像との照合を用いるユーザの数を差し引いた枚数が上限となるように制限することを特徴とする請求項7に記載の施設管理システム。
【請求項9】
前記発行手段は、前記チェックイン処理されたユーザに対して、前記サービスを利用する際に前記カードキー及び前記所定のサービスを利用するユーザの顔画像と前記チェックイン処理されたユーザの顔画像との照合のいずれを用いるかを選択させる情報を出力し、前記カードキーを用いると選択された場合に前記カードキーを発行することを特徴とする請求項7又は8に記載の施設管理システム。
【請求項10】
前記所定のサービスは、客室、各種設備、大浴場、及びアルコールが提供されている場所で提供されるサービスの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の施設管理システム。
【請求項11】
少なくとも1つのコンピュータによって、
施設を利用するユーザの顔画像を取得し、
前記施設のチェックイン処理が実行されると、前記ユーザの顔画像をチェックイン処理されたユーザの顔画像として登録し、
前記施設における所定のサービスを利用するユーザの顔画像を取得し、
前記所定のサービスを利用するユーザの顔画像と、前記チェックイン処理されたユーザの顔画像との照合に基づいて、前記所定のサービスを利用するユーザが前記チェックイン処理されていると判定された場合、前記所定のサービスの利用を許可する
施設管理方法。
【請求項12】
少なくとも1つのコンピュータに、
施設を利用するユーザの顔画像を取得し、
前記施設のチェックイン処理が実行されると、前記ユーザの顔画像をチェックイン処理されたユーザの顔画像として登録し、
前記施設における所定のサービスを利用するユーザの顔画像を取得し、
前記所定のサービスを利用するユーザの顔画像と、前記チェックイン処理されたユーザの顔画像との照合に基づいて、前記所定のサービスを利用するユーザが前記チェックイン処理されていると判定された場合、前記所定のサービスの利用を許可する
施設管理方法を実行させるコンピュータプログラム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、ユーザの施設利用を管理する施設管理装置、施設管理方法、及びコンピュータプログラムの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のシステムとして、ユーザの顔画像を用いてチェックイン処理を実行するものが知られている。例えば特許文献1では、モバイル端末から配信された本人映像と身分証明書画像に含まれる顔とを照合することで、宿泊施設に実際にいる宿泊者が宿泊予約した宿泊者であるかを確認する技術が開示されている。特許文献2では、ホテルのチェックイン時に顔画像に資格情報を紐付けて登録しておき、撮影した顔画像と登録した顔画像が一致した場合に、施設の利用を許可する技術が開示されている。
【0003】
その他、特許文献3では、空港における顔画像での認証処理を、ホテル入口におけるセキュリティチェックに利用できることが開示されている。特許文献4では、宿泊施設のチェックイン時に利用者の顔画像を取得することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-101235号公報
【特許文献2】特開2017-182326号公報
【特許文献3】特許第4528262号公報
【特許文献4】特開2013-054588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
宿泊施設では、複数の認証処理(例えば、チェックイン処理や客室への入室許可処理等)に顔認証を用いることが考えられる。しかしながら、このような別々の処理にそれぞれ顔認証を適用することは容易ではない。具体的には、複数の認証処理の各々で要求される認証条件が異なるため、システムが実行する処理が複雑化してしまう可能性がある。
【0006】
しかしながら、上述した特許文献では、このような認証処理については想定されていない。
【0007】
この開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ユーザの施設へのチェックイン及びサービス利用を適切に管理することが可能な施設管理装置、施設管理方法及びコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この開示の施設管理装置の一の態様は、施設を利用するユーザの顔画像を取得する第1取得手段と、前記施設のチェックイン処理が実行されると、前記ユーザの顔画像をチェックイン処理されたユーザの顔画像として登録する登録手段と、前記施設における所定のサービスを利用するユーザの顔画像を取得する第2取得手段と、前記所定のサービスを利用するユーザの顔画像と、前記チェックイン処理されたユーザの顔画像との照合に基づいて、前記所定のサービスを利用するユーザが前記チェックイン処理されていると判定された場合、前記所定のサービスの利用を許可する許可手段とを備える。
【0009】
この開示の施設管理方法の一の態様は、少なくとも1つのコンピュータによって、施設を利用するユーザの顔画像を取得し、前記施設のチェックイン処理が実行されると、前記ユーザの顔画像をチェックイン処理されたユーザの顔画像として登録し、前記施設における所定のサービスを利用するユーザの顔画像を取得し、前記所定のサービスを利用するユーザの顔画像と、前記チェックイン処理されたユーザの顔画像との照合に基づいて、前記所定のサービスを利用するユーザが前記チェックイン処理されていると判定された場合、前記所定のサービスの利用を許可する。
【0010】
この開示のコンピュータプログラムの一の態様は、少なくとも1つのコンピュータに、施設を利用するユーザの顔画像を取得し、前記施設のチェックイン処理が実行されると、前記ユーザの顔画像をチェックイン処理されたユーザの顔画像として登録し、前記施設における所定のサービスを利用するユーザの顔画像を取得し、前記所定のサービスを利用するユーザの顔画像と、前記チェックイン処理されたユーザの顔画像との照合に基づいて、前記所定のサービスを利用するユーザが前記チェックイン処理されていると判定された場合、前記所定のサービスの利用を許可する施設管理方法を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
上述した施設管理装置、施設管理方法、及びコンピュータプログラムのそれぞれの態様によれば、ユーザの施設へのチェックイン及びサービス利用を適切に管理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態に係る宿泊施設管理システムの具体的な構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態に係る宿泊施設管理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係るチェックイン管理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図4】第1実施形態に係るサービス管理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態に係る宿泊施設管理システムの具体的な構成を示すブロック図である。
【
図6】第2実施形態に係るサービス管理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図7】第3実施形態に係る宿泊施設管理システムの具体的な構成を示すブロック図である。
【
図8】第3実施形態に係る宿泊施設管理システムによるカードキー発行枚数の制限処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、宿泊施設管理システム、宿泊施設管理装置、宿泊施設管理方法、及びコンピュータプログラムの実施形態について説明する。
【0014】
<第1実施形態>
第1実施形態に係る宿泊施設管理システムについて、
図1から
図4を参照して説明する。
【0015】
(システム構成)
まず、第1実施形態に係る宿泊施設管理システム1の具体的なシステム構成について、
図1を参照しながら説明する。
図1は、第1実施形態に係る宿泊施設管理システムの具体的な構成を示すブロック図である。
【0016】
図1に示すように、第1実施形態に係る宿泊施設管理システム1は、チェックイン端末10と、チェックイン管理装置20と、サービス管理装置30と、予約情報データベース40とを備えて構成されている。
【0017】
チェックイン端末10は、宿泊施設を訪れたユーザがチェックイン手続きを行うための端末であり、宿泊施設の従業員がいる受付カウンター(言い換えれば、チェックインカウンター(有人カウンター))から視認可能な位置に設けられている。チェックイン端末10は、例えばタブレットを含んで構成されている。チェックイン端末10は、チェックイン端末を操作するユーザ(以下、適宜「訪問ユーザ」と称する)の顔を撮像可能なカメラ110を備えている。なお、カメラ110はチェックイン端末10そのものに設けられていてもよく、チェックイン端末10を操作するユーザの顔を撮像可能な位置に設置されていてもよい。また、カメラ110は、訪問ユーザに加えて、訪問ユーザの同行者の顔を撮像可能に構成されてもよい。チェックイン端末10は更に、各種表示を行う表示部120、及び訪問ユーザが操作を行う操作部130を備えている。なお、表示部120及び操作部130は、例えばタッチパネルのように一体的に設けられていてもよい。チェックイン端末10のカメラ110で撮像された顔画像や、操作部130で入力された各種情報は、チェックイン管理装置20に出力される構成となっている。
【0018】
なお、チェックイン端末10によれば、宿泊施設のスタッフが立ち会うことなく自動的にチェックイン処理を実行可能であるが、上述したようにチェックイン端末10が受付カウンターから視認可能な位置に設けられていることにより、旅館業法に則した形態でチェックイン処理が実行されることになる。なお、チェックイン端末10は、受付カウンターに近い位置に設置されることが好ましいが、旅館業法に反しない範囲で離れた位置に設置されてもよい。この場合、チェックイン端末10は、必ずしも受付カウンターから視認可能な位置に設置されずともよい。
【0019】
チェックイン管理装置20は、宿泊施設におけるチェックインを管理する装置であり、例えば宿泊施設が保有するサーバの一部として構成される。チェックイン管理装置20は、その主な構成要素として、第1顔画像取得部210と、チェックイン処理部220と、許可ユーザ登録部230とを備えている。
【0020】
第1顔画像取得部210は、チェックイン端末10のカメラから、訪問ユーザの顔画像を取得可能に構成されている。チェックイン処理部220は、訪問ユーザの顔画像(即ち、第1顔画像取得部210で取得された顔画像)と、宿泊予約をしているユーザの顔画像(例えば、予約情報データベース40に予め記憶されている画像)とを用いた顔認証で本人確認を行い、宿泊施設のチェックイン処理を実行可能に構成されている。チェックイン処理部220は、顔認証による本人確認が成功した場合、事前に登録されたユーザに関する情報(例えば、氏名や住所等)を読み出してチェックイン処理を実行する。なお、顔認証の際には、例えば比較する各画像から特徴量を抽出し(或いは、カメラ等で実行される前処理で画像から抽出された特徴量を受け取り)、各画像の特徴量の比較結果として求められる類似度に基づいて、訪問ユーザの本人確認を行ってもよい。ここでの「特徴量」とは、顔画像から抽出可能な特有の値であり、例えば顔画像の各種パラメータ(例えば、各画素の輝度等)の値や、それらの各種パラメータから算出できる値である。特徴量の類似度は、比較する特徴量がどの程度似ているかを示す値であり、例えば0~1のスコア(1が完全一致)として算出される。特徴量を比較する場合、チェックイン管理装置20は、ユーザの情報とユーザの顔の特徴量とを紐づけて記憶しておけばよい(言い換えれば、チェックイン管理装置20は、ユーザの顔画像を記憶していなくともよい)。なお、顔画像の特徴量を利用した判定手法はあくまで一例であり、その他の既存の技術を利用した顔認証を行うこともできる(後述するサービス利用許可部320においても同様)。許可ユーザ登録部230は、チェックイン処理を行った訪問ユーザ(及び同伴者)の顔画像を、宿泊施設で提供されているサービスの利用を許可する許可ユーザの顔画像として、予約情報データベース40に登録する。許可ユーザの顔画像は、ユーザが宿泊施設において利用できる各サービスの利用可否を示す情報と共に登録される。
【0021】
サービス管理装置30は、宿泊施設で提供されているサービスの利用(例えば、客室等の各種設備の利用)を管理する装置であり、サービスを提供する設備の入口や利用手続きを行うエリア周辺に設けられている。或いは、サービス管理装置30は、サービスを提供する各設備に設けられた端末と通信可能なサーバとして、設備とは離れた場所に設けられていてもよい。この場合、サービス管理装置30は、宿泊施設における複数種類のサービスの利用を管理する装置として構成されてもよい。サービス管理装置30は、その主な構成要素として、第2顔画像取得部310と、サービス利用許可部320とを備えている。
【0022】
第2顔画像取得部310は、サービスを提供している各設備の入口付近等に設置されたカメラから、そのサービスを利用しようとしているユーザ(以下、適宜「特定ユーザ」と称する)の顔画像を取得可能に構成されている。サービス利用許可部320は、特定ユーザの顔画像(即ち、第2顔画像取得部310で取得された顔画像)と、許可ユーザの顔画像(即ち、許可ユーザ登録部230で登録された顔画像)とを比較して、サービスの利用を許可可能に構成されている。サービス利用許可部320は、例えば比較する各画像から特徴量を抽出し(或いは、カメラ等で実行される前処理で画像から抽出された特徴量を受け取り)、各画像の特徴量の比較結果として求められる類似度に基づいて、顔画像の人物が同一であるか否かを判定する。許可ユーザ(即ち、サービスの利用が許可されたユーザ)については、例えばユーザ情報に付加された「許可フラグ」によって管理されていてもよい。具体的には、チェックイン処理部220においてチェックイン処理が実行された場合に、そのユーザが利用可能なサービス(例えば、宿泊する部屋等)の許可フラグを立てる(例えば、「0」から「1」に変更する)ようにする。このようにすれば、許可フラグを用いて、サービスの利用を許可してもよいユーザであるか否かを容易に判定することが可能となる。この場合、例えば類似度によって同一人物であると判定されたユーザの許可フラグが立っているか否かによって、サービスの利用を許可するか否かを判定することもできる。サービスの利用を許可する具体的な態様としては、例えば設備入口のドアの解錠、設備スタッフに対する通知、システムによる入場手続きの実行(言い換えれば、ユーザに対する設備利用資格の付与)等が挙げられる。
【0023】
予約情報データベース40は、チェックイン管理装置20及びサービス管理装置30と通信可能な記憶装置であり、ユーザの顔画像(これに加えて又は代えて、顔画像の特徴量)と、宿泊予約情報に関する情報とを紐づけて記憶することが可能に構成されている。なお、ユーザの顔画像は、例えばユーザが宿泊施設を予約するときに記憶される。例えば、ユーザは、ユーザの端末を介してインターネットで予約手続きを行う場合に、宿泊者(同伴者を含む)の顔画像アップロードし、それを予約情報データベース40が記憶するようにすればよい。なお、ユーザが予約手続きを行う場合に、顔画像をアップロードせずに、宿泊施設にて顔画像の登録を行う構成を併用することもできる。また、予約情報データベース40は、チェックイン処理を実行したユーザの顔画像と、サービスの利用が許可されているか否かを示す情報とを紐づけて、許可ユーザの顔画像として記憶してもよい。予約情報データベース40に記憶された顔画像は、チェックイン管理装置20及びサービス管理装置30によって読出及び更新が可能に構成されている。なお、予約情報データベース40は、システム外部の記憶装置(例えば、外部サーバやデータベース、クラウド等)として構成されてもよい。この場合、予約情報データベース40は、チェックイン管理装置20又はサービス管理装置30における顔認証(即ち、顔画像の照合)を実行する機能を少なくとも部分的に有するように構成されていてもよい。宿泊予約情報は、予約番号、会員ID、宿泊者氏名、宿泊者性別、宿泊日、宿泊人数、宿泊料金、宿泊予定室番号、ユーザのメールアドレスの少なくとも1つを含むように構成される。
【0024】
(ハードウェア構成)
続いて、第1実施形態に係る宿泊施設管理システム(特に、チェックイン管理装置20及びサービス管理装置30)のハードウェア構成について、
図2を参照しながら説明する。
図2は、第1実施形態に係る宿泊施設管理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
【0025】
図1に示すように、第1実施形態に係る宿泊施設管理システム1が備えるチェックイン管理装置20及びサービス管理装置30は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16とを備えている。CPU11と、RAM12と、ROM13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16とは、データバス17を介して接続されている。
【0026】
CPU11は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、CPU11は、RAM12、ROM13及び記憶装置14のうちの少なくとも一つが記憶しているコンピュータプログラムを読み込んでもよい。例えば、CPU11は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。CPU11は、ネットワークインタフェースを介して、チェックイン管理装置20及びサービス管理装置30の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、読み込んでもよい)。CPU11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行することで、RAM12、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16を制御する。本実施形態では特に、CPU11が読み込んだコンピュータプログラムを実行すると、CPU11内には、チェックインの管理又はサービス利用の管理を行うための機能ブロックが実現される。つまり、CPU11は、チェックイン又はサービス利用の管理を実行するためのコントローラとして機能可能である。
【0027】
RAM12は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶する。RAM12は、CPU11がコンピュータプログラムを実行している際にCPU11が一時的に使用するデータを一時的に記憶する。RAM12は、例えば、D-RAM(Dynamic RAM)であってもよい。
【0028】
ROM13は、CPU11が実行するコンピュータプログラムを記憶する。ROM13は、その他に固定的なデータを記憶していてもよい。ROM13は、例えば、P-ROM(Programmable ROM)であってもよい。
【0029】
記憶装置14は、チェックイン管理装置20及びサービス管理装置30が長期的に保存するデータを記憶する。記憶装置14は、CPU11の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置14は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0030】
入力装置15は、チェックイン管理装置20及びサービス管理装置30のユーザからの入力指示を受け取る装置である。入力装置15は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0031】
出力装置16は、チェックイン管理装置20及びサービス管理装置30に関する情報を外部に対して出力する装置である。例えば、出力装置16は、チェックイン管理装置20及びサービス管理装置30に関する情報を表示可能な表示装置であってもよい。
【0032】
(動作の概要)
次に、第1実施形態に係る宿泊施設管理システム1によって実現される動作の概要について説明する。なお、以下では、宿泊施設管理システム1によって許可されるサービスの一例として、客室の利用を挙げて説明する。
【0033】
ユーザが宿泊施設を訪問すると、チェックイン管理装置20が、チェックイン端末10で取得された訪問ユーザの顔画像と、宿泊予約したときに登録されたユーザの顔画像とを顔認証により照合する。具体的には、チェックイン管理装置20は、訪問したユーザの顔画像と、宿泊予約したときに登録されたユーザの顔画像とを比較して、ユーザが同一人物であるか否か判定する。チェックイン管理装置20は、ユーザが同一人物であることを確認できた場合には、ユーザのチェックイン処理を実行する。この場合、チェックイン処理を実行したユーザの顔画像は、宿泊施設におけるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録されてもよい。
【0034】
ユーザが事前に宿泊者の顔画像をアップロードしなかった場合について説明する。チェックイン管理装置20は、チェックイン端末10で取得された訪問ユーザの顔画像と、データベースに記憶された顔画像との照合を実施し、ユーザが特定できないと判定する。チェックイン管理装置20は、ユーザが特定できなかった場合に、チェックイン端末10を介して予約番号または予約コード(例えば、2次元バーコードなど)を入力するようにユーザにメッセージを出力(チェックイン端末10のディスプレイに顔認証ができなかった旨及び予約番号を入力するための画面を表示又は音声)する。ユーザが予約番号または予約コードを入力すると、チェックイン端末10は、チェックイン管理装置20に通知し、チェックイン管理装置20は、予約番号または予約コードに対応するユーザのチェックイン処理を実行する。チェックイン管理装置20は、チェックインが完了すると、チェックイン端末10を介してその旨を表示するとともに、チェックイン処理を実行したユーザの顔画像の登録可否を表示する。ユーザが顔登録することを選択した場合、チェックイン管理装置20は、ユーザの顔画像を宿泊施設におけるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録する。
【0035】
その後、ユーザが客室(即ち、チェックインでアサインされた部屋)に入室しようとすると、サービス管理装置30が、入室しようとするユーザの顔画像と、その客室の利用者として登録されたユーザの顔画像(即ち、許可ユーザの顔画像)とを照合する。そして、入室しようとするユーザの顔画像と、許可ユーザの顔画像とを比較して同一人物であることを確認できた場合に、客室のドアを解錠する。なお、サービス管理装置30は、客室の他にも、ホテル内にある各種設備(例えば、ホテルの宿泊者のみを対象とする設備等)への入室を許可可能に構成されてもよい。
【0036】
(チェックイン管理装置の動作)
次に、第1実施形態に係るチェックイン管理装置20が実行する処理の流れについて、
図3を参照しながら説明する。
図3は、第1実施形態に係るチェックイン管理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【0037】
図3に示すように、チェックイン管理装置20は、まずホテルにチェックイン手続きをしようとするユーザの存在が検出されているか否かを判定する(ステップS101)。このようなユーザの存在は、例えばチェックイン端末10に設置された各種センサで検出されてもよいし、チェックイン端末10で所定の操作を行った際に検出されてもよい。ユーザの存在が検出されていない場合(ステップS101:NO)、以降の処理は省略され、一連の処理は終了する。この場合には、所定期間後に再びステップS101の処理が実行される。
【0038】
ユーザの存在が検出された場合(ステップS101:YES)、チェックイン端末10又はその周辺に設置されたカメラ110によってユーザの顔画像が撮像され、その顔画像を第1顔画像取得部210が取得する(ステップS102)。なお、ユーザの顔画像が正常に取得できない場合(言い換えれば、顔認証に利用できるような顔画像が取得できない場合)、ユーザに対して、カメラに顔を向けさせるための指示や、顔を露出させる(例えば、サングラスやマスクを外させる)ための指示を出力するようにしてもよい。
【0039】
続いて、チェックイン処理部220が、撮像した訪問ユーザの顔画像と、登録されたユーザの顔画像とを照合し、同一人物のものがあるか否かを判定する(ステップS103)。
【0040】
訪問ユーザの顔画像と、登録されたユーザの顔画像との照合で、それらが同一人物であると判定された場合(ステップS103:YES)、チェックイン処理部220は、ユーザのチェックイン処理を実行する(ステップS104)。この際、チェックイン処理を実行した旨を、ユーザに対して表示部120で表示するようにしてもよい。その後、許可ユーザ登録部230が、チェックインした訪問ユーザの顔画像を、宿泊施設で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として予約情報データベース40に登録する(ステップS105)。或いは、チェックイン処理部220は、チェックイン処理を実行したユーザが予約のときに登録することで予約情報データベース40が既に記憶している顔画像に対して、サービスの利用許可に関する情報を紐づけて、予約情報データベース40に登録してもよい。
【0041】
一方、訪問ユーザの顔画像と、登録されたユーザの顔画像との照合で、それらが同一人物であると判定されない場合(ステップS103:NO)、チェックイン端末10は、予約情報の入力を受け付ける(ステップS106)。この場合、チェックイン端末10には、予約情報の入力を促すメッセージ等が表示される。予約情報は、ユーザが宿泊施設を予約しているか否かを判定するための情報であり、例えば予約番号や予約コードが挙げられる。続いて、チェックイン処理部220は、受け付けた予約情報を用いて、訪問ユーザが宿泊施設を予約しているか否かを判定する(ステップS107)。なお、訪問ユーザが宿泊施設を予約していないと判定された場合(ステップS107:NO)、以降の処理は省略されることになる。
【0042】
訪問ユーザが宿泊施設を予約していると判定された場合(ステップS107)、チェックイン処理部220は、ユーザのチェックイン処理を実行する(ステップS108)。そして、チェックイン処理部220は、訪問ユーザに対して顔登録の可否を確認する(ステップS109)。具体的には、例えばチェックイン端末10に顔登録の可否を問うメッセージを表示して、ユーザに選択させるようにする。ここで、訪問ユーザが顔登録を許可した場合(ステップS109:YES)、カメラ110が訪問ユーザの顔画像を撮像する(ステップS110)。そして、許可ユーザ登録部230が、撮像した訪問ユーザの顔画像を、宿泊施設で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として予約情報データベース40に登録する(ステップS105)。なお、訪問ユーザが顔登録を許可しない場合(ステップS109:NO)、許可ユーザの顔登録は行われない。この場合、チェックインしたユーザは、顔認証以外の方法で、宿泊施設で提供されるサービスを利用することになる。
【0043】
以上のように、チェックイン管理装置20は、予約していることが確認されたユーザのチェックイン処理を実行すると共に、チェックインしたユーザの顔画像を許可ユーザの顔画像として登録する。ただし、ユーザがホテルのチェックアウト手続きを行った場合や、サービスの利用期間が終了した場合には、ステップS105による許可ユーザとしての登録が解除されてもよい。
【0044】
(サービス管理装置の動作)
次に、第1実施形態に係るサービス管理装置30が実行する処理の流れについて、
図4を参照しながら説明する。
図4は、第1実施形態に係る設備利用管理装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【0045】
図4に示すように、サービス管理装置30は、まず宿泊施設で提供されているサービスを利用しようとするユーザの存在が検出されているか否かを判定する(ステップS201)。このようなユーザの存在は、例えばサービスが提供される設備の入口周辺に設置された各種センサで検出されてもよいし、ユーザが設備の入口周辺に設置された端末(或いは、ユーザ自身が保有する端末)で所定の操作を行った際に検出されてもよい。ユーザの存在が検出されていない場合(ステップS201:NO)、以降の処理は省略され、一連の処理は終了する。この場合には、所定期間後に再びステップS201の処理が実行される。
【0046】
ユーザの存在が検出された場合(ステップS201:YES)、サービスが提供される設備の入口周辺に設置されたカメラによってユーザの顔画像が撮像され、その顔画像を第2顔画像取得部310が取得する(ステップS202)。なお、ユーザの顔画像が正常に取得できない場合(言い換えれば、顔認証に利用できるような顔画像が取得できない場合)、ユーザに対して、カメラに顔を向けさせるための指示や、顔を露出させる(例えば、サングラスやマスクを外させる)ための指示を出力するようにしてもよい。
【0047】
続いて、サービス利用許可部320が、そのサービスの利用を許可すべきユーザの顔画像(即ち、許可ユーザの顔画像)を予約情報データベース40から読み出す(ステップS203)。具体的には、そのサービスが客室の利用であれば、その部屋にアサインされているユーザの顔画像が読み出され、宿泊者なら誰でも使える設備の利用であれば、宿泊者全員の顔画像が読み出される。
【0048】
その後、サービス利用許可部320は、撮像したユーザの顔画像と、許可ユーザの顔画像とを照合し、同一人物のものがあるか否かを判定する(ステップS204)。
【0049】
撮像したユーザの顔画像と、許可ユーザの顔画像とが同一人物のものと判定された場合(ステップS204:YES)、サービス利用許可部320は、そのユーザに対してサービスの利用を許可する(ステップS205)。例えば、サービス利用許可部320は、サービスが提供される設備のドアロックを解錠することで、設備への入室を許可する。この際、設備入口付近の端末に、設備のドアロックが解錠されたことを示す表示を行ってもよい。
【0050】
一方、撮像したユーザの顔画像と、許可ユーザの顔画像とが同一人物のものでないと判定された場合(ステップS204:NO)、上述したステップS205の処理は実行されない。即ち、ユーザにサービスの利用が許可されない。なお、ユーザが利用するサービスに関して勘違いをしている(例えば、自分の客室と他の客室とを間違えている)と判断できるような場合(具体的には、チェックイン処理は実行されているが、その部屋にはアサインされていない場合)には、利用するサービスを間違えていることをユーザに伝えるための表示を行ってもよい。
【0051】
(技術的効果)
次に、第1実施形態に係る宿泊施設管理システム1によって得られる技術的効果について説明する。
【0052】
図1から
図4で説明したように、第1実施形態に係る宿泊施設管理システム1によれば、宿泊施設のチェックイン及び宿泊施設で提供されているサービスの利用を、顔認証によって適切に管理することができる。具体的には、チェックイン処理を実行する際の顔認証と、サービスの利用を許可する際の顔認証とが、予約情報データベース40に記憶された共通の顔画像を用いて実行されるため、効率的に顔認証を行うことができる。また、異なる2種類の認証処理に対して、それぞれ別々の顔画像を登録する必要がないため、宿泊施設管理側及びユーザ側の手間を少なくすることができる。
【0053】
更に、サービスの利用を許可する際には、宿泊施設にチェックインしているユーザに限定して顔認証が行える(言い換えれば、照合する顔画像の数を限定できる)ため、より精度の高い顔認証を実現できる。なお、サービスの利用を許可する顔画像を限定できることを活かして、サービスの利用を許可する際の顔認証に用いる閾値を、チェックインでの顔認証に用いる閾値より高い値として設定してもよい。なお、ここでの「閾値」とは、顔認証の判定に利用するパラメータ(例えば、顔画像の比較結果として求められる類似度等)に対して設定されるものであり、閾値を超えた場合に顔認証が成功したと判定され、閾値以下である場合には顔認証は失敗したと判定される。よって、閾値が高いほど同一人物であると判定されにくくなり、顔認証の精度は向上する。サービスの利用を許可する際の閾値を相対的に高くすれば、照合する顔画像が比較的少ないサービスの利用を許可した場合の顔認証において、本来許可すべきでないユーザにも設備の利用が許可されてしまう状況を回避できる。一方で、チェックインでの顔認証の閾値は相対的に低くなるため、照合する顔画像が比較的多いチェックインでの顔認証においては、顔画像が正常に登録されているにもかかわらずチェックイン処理が実行されない状況を回避できる。反対に、チェックインでの顔認証に用いる閾値を、サービスの利用を許可する際の顔認証に用いる閾値より高い値として設定してもよい。この場合、誤ったチェックイン処理が実行されてしまうことを回避することができる。一方で、サービスの利用を許可する際には、認証対象となるユーザが絞られた状態(即ち、チェックインしたユーザのみ認証すればよい状態)となるので、比較的低い閾値を用いた場合でも認証精度が大きく低下しない。
【0054】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係る宿泊施設管理システム1について説明する。なお、第2実施形態は、上述した第1実施形態と比べて一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0055】
(システム構成)
まず、第2実施形態に係る宿泊施設管理システム1の具体的なシステム構成について、
図5を参照しながら説明する。
図5は、第2実施形態に係る宿泊施設管理システムの具体的な構成を示すブロック図である。なお、
図5では、
図1で示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0056】
図5に示すように、第2実施形態に係る宿泊施設管理システム1では、チェックイン管理装置20が、第1実施形態の構成(
図1参照)に加えて、性別情報取得部215を備えている。
【0057】
性別情報取得部215は、訪問ユーザの性別情報を取得可能に構成されている。訪問ユーザの性別情報は、例えばチェックイン端末10の操作部130を介してユーザによって入力される。或いは、チェックイン端末10のカメラ110で撮像された画像から自動的に性別を判定して取得するようにしてもよい。また、チェックイン処理部220における訪問ユーザの本人確認が成功した場合には、事前に登録されたユーザ情報(即ち、予約したときに登録されたユーザ情報)から性別情報を取得するようにしてもよい。
【0058】
性別情報取得部215は、取得した性別情報を、許可ユーザの顔画像に紐づけて、予約情報データベース40に登録する。登録された性別情報は、サービス管理装置30がサービス利用の可否を判定する際に用いられる。性別情報の具体的な利用方法については、以下で詳しく説明する。
【0059】
(サービス管理装置の動作)
次に、第2実施形態に係るチェックイン管理装置20が実行する処理の流れについて、
図5を参照しながら説明する。
図5は、第2実施形態に係る施設利用管理装置の動作の流れを示すフローチャートである。なお、
図5では、
図4に示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
【0060】
図5に示すように、第2実施形態に係るサービス管理装置30が動作する場合には、既に説明した第1実施形態と同様に、ステップS201からS204の処理が実行される。即ち、サービスを利用しようとする特定ユーザの顔画像と、許可ユーザの顔画像とを用いた顔認証が実行される。なお、特定ユーザの顔画像と、許可ユーザの顔画像とが同一人物のものでないと判定された場合(ステップS204:NO)、以降の処理は省略され一連の動作が終了する。この場合、第1実施形態との動作上の違いはない。
【0061】
他方、特定ユーザの顔画像と、許可ユーザの顔画像とが同一人物のものであると判定された場合(ステップS204:YES)、サービス利用許可部320は、許可ユーザの性別情報が、サービスの利用条件に合致するか否かを判定する(ステップS301)。そして、許可ユーザの性別情報が、サービスの利用条件に合致すると判定された場合に(ステップS301:YES)、サービス利用許可部320は、ユーザに対してサービスの利用を許可する(ステップS205)。
【0062】
一方、許可ユーザの性別情報が、サービスの利用条件に合致しないと判定された場合(ステップS301:NO)、ステップS205の処理は実行されない。即ち、ユーザにサービスの利用が許可されない。
【0063】
(技術的効果)
次に、第2実施形態に係る宿泊施設管理システム1によって得られる技術的効果について説明する。
【0064】
図5及び
図6で説明したように、第2実施形態に係る宿泊施設管理システム1によれば、特定ユーザの顔画像と許可ユーザの顔画像とを用いた顔認証が成功した場合であって、性別情報がサービスの利用条件に合致した場合に、サービスの利用が許可される。言い換えれば、サービスを利用しようとする特定ユーザが許可ユーザと同一人物であると判定できた場合であっても、性別情報がサービスの利用条件に合致していなければ、サービスの利用は許可されない。
【0065】
例えば、宿泊施設における大浴場等では、ユーザの性別によって利用できる浴室が異なる。このように、宿泊施設で提供されるサービスには、性別に関する条件が設定されていることがある。第2実施形態に係る宿泊施設管理システム1では、このようなサービスを提供する際に、顔認証に加えて性別情報を用いて利用可否が判定される。よって、より適切にサービスの利用可否を判定することができる。
【0066】
また、性別に代えて又は加えて、ユーザの年齢情報を使用することにより、特定施設への入場を制限する構成としてもよい。具体的には、サービス利用許可部320は、許可ユーザの年齢情報が、サービスの利用条件に合致するか否かを判定する。例えば、ユーザが宿泊施設内でアルコール類が提供される施設へ入場する場合に、サービス利用許可部320は、許可ユーザの年齢情報に基づいて、許可ユーザの年齢が20歳以上であるか否かを判定し、許可ユーザの年齢情報が、サービスの利用条件に合致する(許可ユーザの年齢が20歳以上である)と判定された場合に、サービス利用許可部320は、ユーザに対してサービスの利用を許可する。
【0067】
<第3実施形態>
次に、第3実施形態に係る宿泊施設管理システム1について説明する。なお、第3実施形態は、上述した第1及び第2実施形態と比べて一部の構成及び動が異なるのみであり、その他の部分については概ね同様である。このため、以下では第1及び第2実施形態と異なる部分について詳細に説明し、他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
【0068】
(システム構成)
まず、第3実施形態に係る宿泊施設管理システム1の具体的なシステム構成について、
図7を参照しながら説明する。
図7は、第3実施形態に係る宿泊施設管理システムの具体的な構成を示すブロック図である。なお、
図7では、
図1で示した構成要素と同様のものに同一の符号を付している。
【0069】
図7に示すように、第3実施形態に係る宿泊施設管理システム1では、第1実施形態の構成(
図1参照)に加えて、チェックイン端末10がカードキー発行部140を備えている。また、チェックイン管理装置20が発行枚数制限部240を備えており、サービス管理装置30がカード情報取得部315を備えている。
【0070】
カードキー発行部140は、チェックイン処理を実行した訪問ユーザに対して、宿泊施設で提供しているサービスを利用するためのカードキー(例えば、客室のドアを開錠するためのカードキー)を発行する。カードキー発行部140は、その都度カードキーを新規に発行するものであってもよし、カードキーに記憶されている情報を書き換えるものであってもよい。
【0071】
発行枚数制限部240は、カードキー発行部140によって発行されるカードキーの枚数をグループ(具体的には、一緒にチェックイン処理を実行する複数人のグループ)単位で制限可能に構成されている。通常、カードキーの発行枚数は、グループに含まれる人数分であるが、発行枚数制限部240が発行枚数を制限する場合には、グループに含まれる人数よりも少なくなる。発行枚数制限部240による具体的な制限方法については、後に詳述する。
【0072】
カード情報取得部315は、例えばサービスを提供している設備の入口付近に設けられたカードリーダから、サービスを利用しようとする特定ユーザが保有するカードキーの情報(具体的には、サービスの利用資格に関する情報)を取得可能に構成されている。カード情報取得部315で取得したカードキーの情報は、サービス利用許可部320に出力される構成となっている。
【0073】
なお、第3実施形態に係るサービス利用許可部320は、顔認証に代えて、カードキーの情報に基づいてサービスの利用可否を判定可能に構成されている。具体的には、サービス利用許可部320は、カードキーの情報にサービスの利用を許可するという情報が含まれている場合、顔認証を実行することなく(即ち、特定ユーザの顔画像と許可ユーザの顔画像とを照合することなく)サービスの利用を許可する。サービスの利用に顔認証を用いるか、それともカードキーを用いるかは、ユーザによって選択可能とされている。ユーザは、例えばチェックイン処理を実行した後に、チェックイン端末10を用いて、顔認証(顔キー)又はカードキー認証のいずれを利用するか選択する。
【0074】
(発行枚数制限処理)
次に、第3実施形態に係る宿泊施設管理システム1によって実行されるカードキーの発行枚数制限処理(具体的には、発行枚数制限部240が実行する処理)について、
図8を参照して説明する。
図8は、第3実施形態に係る宿泊施設管理システムによるカードキー発行枚数の制限処理の流れを示すフローチャートである。
【0075】
図8に示すように、第3実施形態に係る宿泊施設管理システム1では、チェックイン処理後に、発行枚数制限部240が、チェックイン処理を実行したグループの人数(即ち、チェックイン処理を実行した訪問ユーザ及びその同伴者の人数)を取得する(ステップS301)。グループの人数は、例えば予約情報から取得する。
【0076】
続いて、発行枚数制限部240は、グループの中にサービス利用に顔認証の利用を希望するユーザが含まれているか否かを判定する(ステップS302)。顔認証の利用を希望するユーザが含まれていない場合(ステップS302:NO)、以降の処理は省略され一連の動作が終了する。このように、顔認証の利用を希望するユーザがいない場合は、グループ内のすべてのユーザがカードキー認証を利用すると判断できるため、カードキーの発行は制限されない。一方で、顔認証の利用を希望するユーザが含まれている場合(ステップS302:YES)、発行枚数制限部240は、グループ内の顔認証を利用するユーザの人数を取得する(ステップS303)。
【0077】
顔認証を利用するユーザの人数を取得すると、発行枚数制限部240は、カードキーの発行枚数上限を演算する(ステップS304)。カードキーの発行枚数上限は、例えばグループの人数から、顔認証を利用するユーザの人数を引いたもの(即ち、カードキー認証を利用するユーザの人数)として演算される。そして、発行枚数制限部240は、演算結果として得られた値を、カードキー発行部140のカードキー発行枚数上限として設定する(ステップS305)。
【0078】
以上のような処理の結果、このグループに対しては、発行枚数上限を超える数のカードキーは発行されなくなる。例えば、宿泊施設に4人のグループで宿泊する場合、そのうち2人が顔認証を選択すると、カードキー認証を利用するのは残りの2人である。この場合。カードキー発行部140は、2枚までしかカードキーを発行することができない。或いは、4人のグループのうち3人が顔認証を選択すると、カードキー認証を利用するのは残りの1人だけである。この場合。カードキー発行部140は、1枚しかカードキーを発行することができない。また、4人のグループの全員が顔認証を選択すると、カードキー認証を利用するユーザは0人となる。この場合。カードキー発行部140は、カードキーを1枚も発行することができない。
【0079】
(技術的効果)
次に、第3実施形態に係る宿泊施設管理システム1によって得られる技術的効果について説明する。
【0080】
図7及び
図8で説明したように、第3実施形態に係る宿泊施設管理システム1によれば、カードキーの発行枚数が、サービス利用に顔認証を希望する人数に応じて制限される。即ち、顔認証を利用するユーザには、カードキーを発行する必要はないと判断して、カードキーの発行枚数が通常より少なくなるように制限する。このようにすれば、不要なカードキーが発行されてしまうことを防止することができる。
【0081】
<付記>
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記を開示する。
【0082】
(付記1)
付記1に記載の宿泊施設管理システムは、宿泊施設の受付カウンターから視認可能な位置に設置されたチェックイン端末を利用する訪問ユーザの顔画像を取得する第1取得手段と、前記訪問ユーザの顔画像に基づいて前記訪問ユーザを特定して、前記訪問ユーザのチェックイン処理を実行する実行手段と、前記サービスを利用する特定ユーザの顔画像を取得する第2取得手段と、前記特定ユーザの顔画像に基づいて特定された前記特定ユーザの前記チェックイン処理が完了している場合に、前記サービスの利用を許可する許可手段とを備えることを特徴とする宿泊施設管理システムである。
【0083】
(付記2)
付記2に記載の宿泊施設管理システムは、前記実行手段は、特定した前記訪問ユーザの事前登録情報を取得し、前記事前登録情報に基づいて前記チェックイン処理を実行することを特徴とする付記1に記載の宿泊施設管理システムである。
【0084】
(付記3)
付記3に記載の宿泊施設管理システムは、前記チェックイン処理を実行した前記訪問ユーザの顔画像を、前記宿泊施設で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録する登録手段を更に備え、前記許可手段は、前記特定ユーザの顔画像と前記許可ユーザの顔画像とを用いた顔認証で、前記特定ユーザが前記許可ユーザであると判定された場合に、前記サービスの利用を許可することを特徴とする付記1又は2に記載の宿泊施設管理システム。
【0085】
(付記4)
付記4に記載の宿泊施設管理システムは、前記登録手段は、前記訪問ユーザの顔画像に加えて、前記訪問ユーザの同伴者の顔画像を前記許可ユーザの顔画像として登録することを特徴とする付記1から3のいずれか一項に記載の宿泊施設管理システムである。
【0086】
(付記5)
付記5に記載の宿泊施設管理システムは、前記登録手段は、前記許可ユーザの顔画像に加えて、前記許可ユーザの性別情報を登録し、前記許可手段は、前記特定ユーザが前記許可ユーザであると判定され、且つ、前記許可ユーザの性別情報が前記サービスの利用条件に合致した場合に、前記サービスの利用を許可することを特徴とする付記1から4のいずれか一項に記載の宿泊施設管理システムである。
【0087】
(付記6)
付記6に記載の宿泊施設管理システムは、前記チェックイン処理が実行されたユーザにカードキーを発行する発行手段を更に備え、前記許可手段は、前記カードキーが認証された場合に、前記サービスの利用を許可し、前記発行手段は、前記チェックイン処理を行うグループ内に、前記顔認証を利用するユーザと前記カードキーによる認証とを用いるユーザが混在する場合に、前記カードキーの発行枚数を前記グループの人数よりも少なくなるように制限することを特徴とする付記1から5のいずれか一項に記載の宿泊施設管理システムである。
【0088】
(付記7)
付記7に記載の宿泊施設管理システムは、前記発行手段は、前記カードキーの発行枚数を、前記グループの人数から前記顔認証を用いるユーザの数を差し引いた枚数が上限となるように制限することを特徴とする付記6に記載の宿泊施設管理システムである。
【0089】
(付記8)
付記8に記載の宿泊施設管理装置は、宿泊施設の受付カウンターから視認可能な位置に設置されたチェックイン端末を利用する訪問ユーザの顔画像を取得する訪問ユーザ画像取得手段と、前記訪問ユーザの顔画像に基づいて前記訪問ユーザを特定し、前記訪問ユーザのチェックイン処理を実行する実行手段と、前記チェックイン処理を実行した前記訪問ユーザの顔画像を、前記宿泊施設で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像として登録する登録手段とを備えることを特徴とする宿泊施設管理装置である。
【0090】
(付記9)
付記9に記載の宿泊施設管理装置は、宿泊施設の受付カウンターから視認可能な位置に設置されたチェックイン端末を利用する訪問ユーザの顔画像であって、前記宿泊施設で提供されるサービスを利用可能な許可ユーザの顔画像を取得する許可ユーザ画像取得手段と、前記サービスを利用する特定ユーザの顔画像を取得する特定ユーザ画像取得手段と、前記特定ユーザの顔画像と前記許可ユーザの顔画像とを用いた顔認証で、前記特定ユーザが前記許可ユーザであると判定された場合に、前記サービスの利用を許可する許可手段とを備えることを特徴とする宿泊施設管理装置である。
【0091】
(付記10)
付記10に記載の宿泊施設管理方法は、宿泊施設の受付カウンターから視認可能な位置に設置されたチェックイン端末を利用する訪問ユーザの顔画像を取得し、前記訪問ユーザの顔画像に基づいて前記訪問ユーザを特定して、前記訪問ユーザのチェックイン処理を実行し、前記サービスを利用する特定ユーザの顔画像を取得し、前記特定ユーザの顔画像に基づいて特定された前記特定ユーザの前記チェックイン処理が完了している場合に、前記サービスの利用を許可することを特徴とする宿泊施設管理方法である。
【0092】
(付記11)
付記11に記載のコンピュータプログラムは、宿泊施設の受付カウンターから視認可能な位置に設置されたチェックイン端末を利用する訪問ユーザの顔画像を取得し、前記訪問ユーザの顔画像に基づいて前記訪問ユーザを特定して、前記訪問ユーザのチェックイン処理を実行し、前記サービスを利用する特定ユーザの顔画像を取得し、前記特定ユーザの顔画像に基づいて特定された前記特定ユーザの前記チェックイン処理が完了している場合に、前記サービスの利用を許可するようにコンピュータを動作させることを特徴とするコンピュータプログラムである。
【0093】
(付記12)
付記12に記載の記録媒体は、付記10に記載のコンピュータプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体である。
【0094】
この開示は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う施設管理システム、施設管理装置、施設管理方法、及びコンピュータプログラムもまた本発明の技術思想に含まれる。
【符号の説明】
【0095】
1 宿泊施設管理システム
10 チェックイン端末
20 チェックイン管理装置
30 サービス管理装置
40 予約情報データベース
110 カメラ
120 表示部
130 操作部
140 カードキー発行部
210 第1顔画像取得部
215 性別情報取得部
220 チェックイン処理部
230 許可ユーザ登録部
240 発行枚数制限部
310 第2顔画像取得部
315 カード情報取得部
320 サービス利用許可部