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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091973
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】外用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20240628BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20240628BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240628BHJP
   A61K 31/737 20060101ALI20240628BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240628BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20240628BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20240628BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
A61K8/73
A61K8/34
A61Q19/00
A61K31/737
A61K9/08
A61K9/107
A61K47/10
A61P17/16
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024073338
(22)【出願日】2024-04-30
(62)【分割の表示】P 2019186418の分割
【原出願日】2019-10-09
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】升田 景子
(72)【発明者】
【氏名】松本 幸子
(57)【要約】
【課題】ヘパリン類似物質及び1,3-プロパンジオ-ル、炭素数5~10のアルカンジオ-ルおよび両親媒成分から選ばれる1種又は2種以上とを共存させることにより、べたつきがなく良好な使用感と外観(透明性)を有する外用組成物を提供する。
【解決手段】(A)ヘパリン類似物質;B)1,3-プロパンジオ-ル、炭素数5~10のアルカンジオ-ルおよび両親媒成分から選ばれる1種又は2種以上を含有する外用組成物を調製する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ヘパリン類似物質;
(B)1,3-プロパンジオ-ル、炭素数5~10のアルカンジオ-ルおよび両親媒成分から選ばれる1種又は2種以上と
を含有する外用組成物。
【請求項2】
前記(A)成分の含有量が、0.01~5質量%である、請求項1に記載の外用組成物。
【請求項3】
前記(B)成分が、1,3-プロパンジオ-ル、炭素数5~10のアルカンジオ-ル、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ル、コハク酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエトキシエチル、ポリオキシアルキレングリセリルエ-テル、ポリオキシアルキレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシアルキレンアルキルエ-テル、及びポリオキシアルキレンアルキルグルコシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項1又は請求項2に記載の外用組成物。
【請求項4】
前記(B)成分が、1,3-プロパンジオ-ル、1,2-ペンタンジオ-ル、1,2-ヘキサンジオ-ル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエ-テル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド及びポリオキシプロピレンメチルグルコシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、請求項3に記載の外用組成物。
【請求項5】
さらに成分(C)グリチルリチン酸塩、水溶性アスコルビン酸誘導体、トラネキサム酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項1から請求項4のいずれかに記載の外用組成物。
【請求項6】
前記(C)成分が、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、トラネキサム酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項5に記載の外用組成物。
【請求項7】
さらに成分(D)液状油分を含有する請求項1から請求項6のいずれかに記載の外用組成物。
【請求項8】
前記外用組成物が液状であることを特徴とする、請求項1から請求項7のいずれかに記載の外用組成物。
【請求項9】
前記外用組成物における粘度が10~10000mPa・sであることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれかに記載の外用組成物。
【請求項10】
前記外用組成物における外観が透明~半透明であることを特徴とする、請求項1から請求項9のいずれかに記載の外用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外用組成物に関する。より詳細には、本発明はヘパリン類似物質を含有する外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘパリン類似物質は、酸性ムコ多糖類の1つであり、優れた保湿作用、抗炎症作用、血行促進作用などを有することから、外用剤の有効成分として広く用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1では、ヘパリン類似物質、カルボキシビニルポリマ-及び/又はその塩とキサンタンガムとを含有することを特徴とする、皮膚外用組成物が提案されている。
【0004】
また、特許文献2では、(A)ホスホコリン基含有重合体、(B)ヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス、及び(C)ヘパリン類似物質を含有する、外用組成物。が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-302664号公報
【特許文献2】特開2018-302664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、ヘパリン類似物質の多様な有効性を効果的に発揮させるべく、へパリン類似物質を配合した種々の処方が開発されている。これらの処方はヘパリン類似物質がもつ種々の薬理作用(アトピ-性皮膚炎、肥厚性瘢痕やケロイドの治療と予防、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後のケアなど)を付与するためには充分であったが、ムコ多糖類特有のべたつきや刺激等の懸念があるため、特にロ-ション剤においては、良好な使用感を得ることが課題であった。またロ-ション剤などの液状組成物においては、目的によってさっぱり、しっとり等の様々な使用感が求められるが、いずれの目的においても、べたつきや刺激感といった使用感は敬遠されがちである。さらに液状組成物においては、製剤の外観も使用感と共に重要な要素の1つであり、特にみずみずしい外観をもたせるために、透明~半透明の外観をもつ製剤が求められていた。
【0007】
従って、上記事情から、ヘパリン類似物質の多様な有効性を持ちながら、良好な使用感(べたつきのなさ)と外観(透明性)を併せもつ透明外用組成物を得ることが課題であった。さらに、本発明は、安定性にも優れる透明外用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、
(A)ヘパリン類似物質;及び(B)1,3-プロパンジオ-ル、炭素数5~10のアルカンジオ-ルおよび両親媒成分から選ばれる1種又は2種以上とを共存させることにより、べたつきがなく良好な使用感と外観(透明性)を有する外用組成物となることを見出した。さらに高温や光照射の過酷条件下を経ても、高い安定性(pH、着色、透明性)を担保できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、下記に掲げる外用組成物を提供する。
項1.
(A)ヘパリン類似物質;
(B)1,3-プロパンジオ-ル、炭素数5~10のアルカンジオ-ルおよび両親媒成分から選ばれる1種又は2種以上と
を含有する外用組成物。
項2.
前記(A)成分の含有量が、0.01~5質量%である、項1に記載の外用組成物。
項3.
前記(B)成分が、1,3-プロパンジオ-ル、炭素数5~10のアルカンジオ-ル、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ル、コハク酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエトキシエチル、ポリオキシアルキレングリセリルエ-テル、ポリオキシアルキレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシアルキレンアルキルエ-テル、及びポリオキシアルキレンアルキルグルコシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、項1又は2に記載の外用組成物。
項4.
前記(B)成分が、1,3-プロパンジオ-ル、1,2-ペンタンジオ-ル、1,2-ヘキサンジオ-ル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエ-テル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド及びポリオキシプロピレンメチルグルコシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上である、項3に記載の外用組成物。
項5.
さらに成分(C)グリチルリチン酸塩、水溶性アスコルビン酸誘導体、トラネキサム酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する項1から項4のいずれかに記載の外用組成物。
項6.
前記(C)成分が、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、トラネキサム酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上を含有する項5に記載の外用組成物。
項7.
さらに成分(D)液状油分を含有する項1から項6のいずれかに記載の外用組成物。
項8.
前記外用組成物が液状であることを特徴とする、項1から項7のいずれかに記載の外用組成物。
項9・
前記外用組成物の粘度が10~10000mPa・sであることを特徴とする、項1から項8のいずれかに記載の外用組成物。
項10.
前記外用組成物の外観が透明~半透明であることを特徴とする、項1から項10のいずれかに記載の外用組成物。
【0010】
【発明の効果】
【0011】
本発明の外用組成物は、(A)ヘパリン類似物質;及び(B)1,3-プロパンジオ-ル、炭素数5~10のアルカンジオ-ルおよび両親媒成分から選ばれる1種又は2種以上とを共存させることにより、べたつきがなく良好な使用感と外観(透明性)を有し、さらに高い安定性(pH、着色、透明性)を担保できる外用組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施の形態に限定するものではない。
【0013】
本明細書において、含有量の単位「質量%」は、「g/100g」と同義である。
【0014】
本発明の外用組成物は、(A)ヘパリン類似物質、(B)1,3-プロパンジオ-ル、炭素数5~10のアルカンジオ-ルおよび両親媒成分から選ばれる1種又は2種以上とを含有する。
【0015】
[(A)ヘパリン類似物質]
本発明の外用組成物に含まれるヘパリン類似物質とは、コンドロイチン多硫酸等の多硫酸化ムコ多糖の総称を意味し、ムコ多糖を構成する単糖1分子当たり平均0.5~5分子、好ましくは平均0.6~3分子の硫酸基を有するのが好ましい。より具体的には、ヘパリン類似物質は、ヘパリン、コンドロイチンポリ硫酸と呼ばれるコンドロイチン硫酸Dやコンドロイチン硫酸E等を含有する。
【0016】
ヘパリン類似物質は、ムコ多糖を硫酸化することにより得ることもできるし、ウシ、ブタ等の動物の気管支を含む内臓より水性担体を用いて抽出・精製したり、その後必要に応じて硫酸化することによっても得ることもできる。ヘパリン類似物質は、医薬または化粧品原料として開発されているため、このような市販品を利用することもできる。
【0017】
本発明の外用組成物において、ヘパリン類似物質としては、日本薬局方外医薬品規格に収戴されているものが好適に使用される。
【0018】
本発明の外用組成物において、組成物全量に対する(A)成分の含有量は、他の配合成分の種類及び含有量、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。好ましくは、0.005質量%以上、より好ましくは、0.001質量%以上、さらに好ましくは、0.01質量%以上、特に好ましくは、0.1質量%以上である。
ヘパリン類似物質の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、10質量%以下、より好ましくは、5質量%以下、さらに好ましくは、1質量%以下、特に好ましくは、0.5質量%以下である。
ヘパリン類似物質の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.005~10質量%、より好ましくは、0.001~5質量%、さらに好ましくは、0.01~1質量%、特に好ましくは、0.1~0.5質量%である。
【0019】
[(B)1,3-プロパンジオ-ル、炭素数5~10のアルカンジオ-ルおよび両親媒成分]
本発明の(B)成分として、1,3-プロパンジオ-ル、炭素数5~10のアルカンジオ-ルおよび両親媒成分が液状外用組成物に含まれる。(B)成分を、(A)成分とともに配合させることにより、ヘパリン類似物質を配合した場合であっても、べたつきなく良好な使用感と製剤の安定性が両立された液状外用組成物を提供することが可能となる。例えば、1,3プロパンジオ-ル、炭素数5~10のアルカンジオ-ル、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)デカグリセリル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ル、コハク酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエトキシエチル、ポリオキシアルキレングリセリルエ-テル、ポリオキシアルキレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシアルキレンアルキルエ-テル、及びポリオキシアルキレンアルキルグルコシド等が挙げられる。
【0020】
本発明の(B)成分としては、これらの化合物のいずれか単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができるが、中でも1,3プロパンジオ-ル、炭素数5~8のアルカンジオ-ル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ル、ポリオキシアルキレングリセリルエ-テル、ポリオキシアルキレンアルキルエ-テル及びポリオキシアルキレンアルキルグルコシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、
1,3プロパンジオ-ル、1,2ペンタンジオ-ル、1,2ヘキサンジオ-ル、1,2オクタンジオ-ル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ-テル、及びポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、1,3プロパンジオ-ル、1,2ペンタンジオ-ル、1,2ヘキサンジオ-ル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエ-テル、ポリオキシエチレンメチルグルコシド及びポリオキシプロピレンメチルグルコシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましい。
【0021】
炭素数5~10のアルカンジオ-ルは、本発明の効果を顕著に奏する観点から、炭素数が、好ましくは5~8、より好ましくは5~6である。例えば、1,2-ペンタンジオ-ル、1,2-ヘキサンジオ-ル、及び1,2-オクタンジオ-ルからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、1,2-ペンタンジオ-ル及び1,2-ヘキサンジオ-ルからなる群より選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、1,2-ペンタンジオ-ルが更に好ましい。また、市販品としては、特に限定されないが、HYDROLITE-5、HYDROLITE-5 Green(シムライズ(株)製)、KMO-6(大阪有機化学工業製)、マイクロケア Emollient PTGJ、マイクロケアEmollient HXD(THOR製)等が利用できる。
【0022】
両親媒性成分とは、一つの分子内に親水基と疎水基(親油基)の両方が存在し、その結果、水相と油相(有機相)のいずれにも親和性がある化合物全般を指す。
【0023】
このような両親媒性成分としては、特に限定されないが、例えば、二価カルボン酸エステル、アルキレンオキシド誘導体等が挙げられる。
【0024】
二価カルボン酸エステルは、二価のカルボン酸とグリコ-ル、グリコ-ルエ-テル等のヒドロキシ基で縮合した化合物であり、特に限定されないが、例えば、(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ル、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸ビス(トリエチレングリコ-ルモノエチルエ-テル)、アジピン酸ビス(ジエチレングリコ-ルモノエチルエ-テル)、アジピン酸ビス(トリエチレングリコ-ルモノエチルエ-テル)、及びコハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジエチルヘキシルが挙げられ、中でも(エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ル、コハク酸ジエトキシエチル、及びコハク酸ジエチルヘキシルからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、コハク酸ジエトキシエチル、エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10、及びシクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ルからなる群より選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、コハク酸ジエトキシエチル、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ルが更に好ましい。
また、市販品としては、特に限定されないが、コハク酸ジエトキシエチル(CRODAMOL DES)、コハク酸ジエチルヘキシル(CRODAMOL OSU)(いずれもクロ-ダジャパン(株)製)、Neosolue-Aqua・Neosolue-AquaS((エイコサン二酸/テトラデカン二酸)ポリグリセリル-10)、Neosolue-Aqulio(シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ル)(いずれも日本精化(株)製)が利用できる。
【0025】
本発明に使用されるアルキレンオキシド誘導体は、特定のアルキレングリコ-ルの重合体か、あるいは特定のヒドロキシ化合物に特定のアルキレンオキシド基を付加してなる化合物である。
【0026】
本発明に使用されるアルキレンオキシド誘導体において、本発明の効果を顕著に奏する観点から、ポリオキシアルキレングリセリルエ-テル、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルエ-テル、ポリオキシアルキレンソルビット、ポリオキシアルキレンエリスリト-ルエ-テル、ポリオキシアルキレンペンタエリスリト-ルエ-テル、ポリオキシアルキレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシアルキレントリメチロ-ルプロパン、ポリオキシプロピレングリコ-ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ-ル、ポリオキシアルキレンキシリト-ル、ポリオキシアルキレンジペンタエリスリト-ル、ポリオキシアルキレンイノシト-ル、ポリオキシアルキレンスクロ-スエ-テル、ポリオキシアルキレントレハロ-スエ-テル、ポリオキシアルキレンマルチト-ルエ-テル等が挙げられる。
【0027】
中でも、アルキレンオキシド誘導体は、ポリオキシエチレングリセリルエ-テル、ポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ-テル、ポリオキシプロピレンソルビット、ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンソルビット、ポリオキシプロピレンエリスリト-ルエ-テル、ポリオキシエチレンエリスリト-ルエ-テル、ポリオキシエチレンペンタエリスリト-ルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエリスリト-ルエ-テル、ポリオキシプロピレンペンタエリスリト-ルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリト-ルエ-テル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンペンタエリスリト-ルエ-テル、ポリオキシエチレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシエチレントリメチロ-ルプロパン、ポリオキシプロピレントリメチロ-ルプロパン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリメチロ-ルプロパン、ポリオキシプロピレングリコ-ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ-ル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ-ル、ポリオキシエチレンキシリト-ル、ポリオキシプロピレンアルキレンキシリト-ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンキシリト-ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジペンタエリスリト-ル、ポリオキシエチレンジペンタエリスリト-ル、ポリオキシプロピレジペンタエリスリト-ル、ポリオキシエチレンイノシト-ル、ポリオキシプロピレンイノシト-ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンイノシト-ル、ポリオキシエチレンスクロ-スエ-テル、ポリオキシプロピレンスクロ-スエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンスクロ-スエ-テル、ポリオキシエチレントレハロ-スエ-テル、ポリオキシプロピレントレハロ-スエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントレハロ-スエ-テル、ポリオキシエチレンマルチト-ルエ-テル、ポリオキシプロピレンマルチト-ルエ-テル、及び、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンマルチト-ルエ-テルからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、
ポリオキシエチレングリセリルエ-テル、ポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ-テル、ポリオキシプロピレンソルビット、ポリオキシエチレンソルビット、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリト-ルエ-テル、ポリオキシプロピレンペンタエリスリト-ルエ-テル、ポリオキシエチレンペンタエリスリト-ルエ-テル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンペンタエリスリト-ルエ-テル、ポリオキシエチレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレントリメチロ-ルプロパン、ポリオキシプロピレングリコ-ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ-ル、及び、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ-ルからなる群より選ばれる1種又は2種以上がより好ましく、
ポリオキシエチレングリセリルエ-テル、ポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルグルコシド、ポリオキシプロピレンアルキルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ-テル、ポリオキシプロピレンソルビット、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンソルビット、ポリオキシエチレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシプロピレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジグリセリルエ-テル、ポリオキシプロピレングリコ-ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ-ル、及び、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ-ルからなる群より選ばれる1種又は2種以上がさらに好ましく、
ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル、ポリオキシプロピレンアルキルグルコシド、ポリオキシエチレンアルキルグルコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ-テル、からなる群より選ばれる1種又は2種以上がさらにより好ましい。
【0028】
このようなアルキレンオキシド誘導体の分子量は、本発明の効果を奏する限り限定はされないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは、200以上であり、より好ましくは、300以上であり、さらに好ましくは、400以上である。
【0029】
アルキレンオキシド誘導体の性状は、本発明の効果を奏する限り限定はされないが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、好ましくは、25℃で半固形状(ペ-スト状を含む)~液体状である成分であることが好ましい。
【0030】
アルキレンオキシド誘導体のうち、ポリオキシアルキレンアルキルエ-テルとしては、ポリオキシエチレン好ましくは、25℃で半固形状(ペ-スト状を含む)~液体状である成分であることが好ましい。
【0031】
これらのアルキレンオキシド誘導体のうち、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テルは、好ましくは、ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル(3B.O.) (8E.O.)( 5P.O.)が好ましい。
【0032】
これらのアルキレンオキシド誘導体のうち、ポリオキシアルキレンアルキルグルコシドは、好ましくは、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(10P.O.)、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(20P.O.)、ポリオキシエチレンメチルグルコシド(10P.O.)、ポリオキシエチレンメチルグルコシド(20P.O.)からなる群より選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
【0033】
これらのアルキレンオキシド誘導体のうち、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエ-テルは、好ましくは、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエ-テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエ-テルからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエ-テル(17E.O.)(17P.O.)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエ-テル(37E.O.)( 38P.O.)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエ-テル(10E.O.)(8P.O.)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエ-テル(30E.O.)(6P.O.)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエ-テル(20E.O.)(6P.O.)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエ-テル(24E.O.)(13P.O.)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエ-テル(10E.O.)(6P.O.)からなる群より選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
【0034】
これらのアルキレンオキシド誘導体は、ユニル-ブ50MB-26(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエ-テル(17E.O.)(17P.O.))、ユニル-ブ50MB-168(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエ-テル(37E.O.)( 38P.O.))、ユニル-ブ50MB-11(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブチルエ-テル(9E.O.)(10P.O.))、ユニセ-フ10P-8(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンセチルエ-テル(10E.O.)(8P.O.))、ユニル-ブMT-630B(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエ-テル(30E.O.)(6P.O.))、ユニル-ブ50MT-2200B(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエ-テル(24E.O.)(13P.O.))、ユニル-ブ20MT-2000B(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエ-テル(24E.O.)(13P.O.))、ユニル-ブMS-70K(ポリオキシプロピレンステアリルエ-テル(15P.O.))、ユニオ-ルHS-1600D(ポリオキシアルキレンソルビット)、プロノン#208(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ-ル(150E.O.)(35P.O.))、プロノン#124P(ポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(20)グリコ-ル)、ユニオ-ルD-2000(ポリプロピレングリコ-ル)、マクビオブライドMG-10E(ポリオキシエチレンメチルグルコシド(10E.O.))、マクビオブライドMG-20E(ポリオキシエチレンメチルグルコシド(20E.O.))、マクビオブライドMG-10P(ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(10P.O.)、マクビオブライドMG-20P(ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(20P.O.))、ウィルブライドMG2070(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレンメチルグルコシド)、ユニル-ブ5TP-300KB(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンペンタエリスリト-ルエ-テル(5E.O.)(65P.O.));ユニル-ブ50TG-32(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル(24E.O.)( 24P.O.))、ウィルブライドS-753(ポリオキシブチレンポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル(3B.O.) (8E.O.)( 5P.O.))、ユニオックスG-1200(ポリオキシエチレングリセリン)、ユニル-ブDGP-700、ユニル-ブDGP-950(ポリオキシプロピレンジグリセリルエ-テル)(以上、日油株式会社製);SY-DP14、SY-DP9(ポリオキシプロピレンジグリセリルエ-テル)(以上、阪本薬品工業株式会社製);ニュ-ポ-ルGP-1000(PPG-16グリセリルエ-テル)、ニュ-ポ-ルSP-750(ポリオキシアルキレンソルビト-ルエ-テル)、ニュ-ポ-ルPE-68(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ-ル(160E.O.)(30P.O.))、ニュ-ポ-ルPE-78(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ-ル(150E.O.)(35P.O.))、ニュ-ポ-ルGEP-2800(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル(24E.O.)(24P.O.))(以上、三洋化成株式会社製);エマルゲンPP-290(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコ-ル(160E.O.)(30P.O.)、花王株式会社製);NIKKOL SG-G2424(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリセリルエ-テル(24E.O.)(24P.O.)、NIKKOL SG-DTD630(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエ-テル(30E.O.)(6P.O.)(以上、日光ケミカルズ製);GLUCAM P-10(ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(10P.O.))、GLUCAM P-20(ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(20P.O.))GLUCAM E-10(ポリオキシエチレンメチルグルコシド(10P.O.))、GLUCAM E-20(ポリオキシエチレンメチルグルコシド(20P.O.))(以上、ル-ブリゾ-ル社製)等の名称で市販されている。
【0035】
本発明においてアルキレンオキシド誘導体は、1種を単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
【0036】
本発明の外用組成物において、(B)成分の総含有量は、特に限定されず、他の配合成分の種類等に応じて適宜設定されるが、本発明の効果を顕著に奏する観点から、組成物全量に対して、好ましくは、0.01質量%以上、より好ましくは、0.1質量%以上、さらに好ましくは、0.5質量%以上、さらにより好ましくは、1質量%以上である。
(B)成分の総含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、30質量%以下、より好ましくは、20質量%以下、さらに好ましくは、15質量%以下、さらにより好ましくは、10質量%以下、最も好ましくは、5質量%以下である。
(B)成分の総含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.01~30質量%、より好ましくは0.1~20質量%、さらに好ましくは0.5~15質量%、さらにより好ましくは、0.5~10質量%、最も好ましくは、0.5~5質量%である。
【0037】
本発明の外用組成物において、(A)成分に対する(B)成分の総含有量の比率は特に限定されないが、(A)成分1質量部に対して、(B)成分が、好ましくは0.01~50000質量部、より好ましくは0.1~20000質量部、さらに好ましくは0.5~1000質量部、さらにより好ましくは1~300質量部である。
【0038】
本発明の外用組成物において、組成物全量に対する1,3-プロパンジオ-ルの単独の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。
1,3-プロパンジオ-ルの単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.001質量%以上、より好ましくは、0.01質量%以上、さらに好ましくは、0.1質量%以上、さらにより好ましくは、0.5質量%以上である。
1,3-プロパンジオ-ルの単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、20質量%以下、より好ましくは、10質量%以下、さらに好ましくは、5質量%以下である。
1,3-プロパンジオ-ルの単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.001質量%以上~20質量%、より好ましくは、0.001~10質量%、さらに好ましくは、0.01~8質量%、さらにより好ましくは、0.1質量%~5質量%である。
【0039】
本発明の外用組成物において、組成物全量に対する1,3プロパンジオ-ルおよび又は炭素数5~10のアルカンジオ-ルの単独の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。
炭素数5~10のアルカンジオ-ルの単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.001質量%以上、より好ましくは、0.001質量%以上、さらに好ましくは、0.01質量%以上、さらにより好ましくは、0.1質量%以上である。
炭素数5~10のアルカンジオ-ルの単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、10質量%以下、より好ましくは、5質量%以下、さらに好ましくは、3質量%以下である。
炭素数5~10のアルカンジオ-ルの単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.001~10質量%、より好ましくは、0.001~7質量%、さらに好ましくは、0.01~5質量%、さらにより好ましくは、0.1質量%~3質量%である。
【0040】
本発明の外用組成物において、組成物全量に対するシクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ルの単独の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。
シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ルの単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.001質量%以上、より好ましくは、0.005質量%以上、さらに好ましくは、0.01質量%以上、さらにより好ましくは、0.05質量%以上である。
シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ルの単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、10質量%以下、より好ましくは、8質量%以下、さらに好ましくは、5質量%以下である。
シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコ-ルの単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.001~10質量%、より好ましくは、0.005~8質量%、さらに好ましくは、0.01~5質量%、さらにより好ましくは、0.05質量%~3質量%である。
【0041】
本発明の外用組成物において、組成物全量に対するアルキレンオキシド誘導体の単独の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に限定されない。
アルキレンオキシド誘導体の単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.01質量%以上、より好ましくは、0.1質量%以上、さらに好ましくは、1質量%以上である。
アルキレンオキシド誘導体の単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、15質量%以下、より好ましくは、10質量%以下、さらに好ましくは、8質量%以下である。
アルキレンオキシド誘導体の単独の含有量は、組成物全量に対して、好ましくは、0.01~15質量%であり、より好ましくは、0.1~10質量%であり、さらに好ましくは、1~8質量%である。
【0042】
[(C)グリチルリチン酸塩、水溶性アスコルビン酸誘導体、トラネキサム酸、ニコチン酸アミドからなる群より選ばれる1種又は2種以上]
さらに本発明の(C)成分として、グリチルリチン酸塩、水溶性アスコルビン酸誘導体、トラネキサム酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上が透明~半透明の外用組成物に含むことができる。(C)成分はそれぞれ抗炎症作用、美白作用等の多様な有効性を持つ成分であるが、いずれもべたつきの懸念がある成分である。本発明において、(C)成分を(A)成分とともに配合させたとしても、べたつきなく良好な使用感を維持することができる。
【0043】
グリチルリチン酸塩は、特に限定されないが、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム等が挙げられ、中でもグリチルリチン酸ジカリウムが好ましい。
【0044】
水溶性アスコルビン酸誘導体は、特に限定されないが、例えば、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、グリセリルアスコルビン酸、ビスグリセリルアスコルビン酸、アルキルグリセリルアスコルビン酸等が挙げられ、中でもアスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシドからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、2-O-エチルアスコルビン酸からなる群より選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
【0045】
このような(C)成分としては、特に限定されないが、例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、グリセリルアスコルビン酸、ビスグリセリルアスコルビン酸、アルキルグリセリルアスコルビン酸、トラネキサム酸、ニコチン酸アミドからなる群より選ばれる1種又は2種以上が挙げられ、中でもグリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、トラネキサム酸、ニコチン酸アミドからなる群より選ばれる1種又は2種以上が好ましく、グリチルリチン酸ジカリウム、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、トラネキサム酸、ニコチン酸アミドからなる群より選ばれる1種又は2種以上がより好ましい。
【0046】
本発明の透明~半透明の外用組成物において、組成物全量に対する(C)成分の総含有量は、好ましくは、0.001~10質量%、より好ましくは0.005~5質量%、さらに好ましくは0.01~3質量%、さらにより好ましくは0.05~2質量%である。
【0047】
本発明の透明~半透明の外用組成物において、(A)成分に対する(C)成分の総含有量の比率は、特に限定されないが、(A)成分1質量部に対して、(C)成分が、好ましくは0.0001~5000質量部、より好ましくは0.01~100質量部、さらに好ましくは0.1~20質量部である。
【0048】
[(D)液状油分]
さらに本発明の(D)成分として、1種又は2種以上の液状油分を本発明の外用組成物に含むことができる。液状油分は製剤にふっくらとした使用感、なめらかな使用感とともに適度な保湿感を与える成分である。本発明において、(D)成分を外観の透明性を損なわない程度に本発明の外用組成物に含むことができる。
【0049】
さらに本発明の(D)成分としての液状油分は、25℃で液状を呈する油分のことを指す。このような(D)成分としては、特に限定されないが、例えば、例えば、エステル油、植物油、動物油、油溶性ビタミン、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコ-ル、アルキルグリセリルエ-テル、シリコ-ン油、フッ素油、ラノリン・ラノリン誘導体等が挙げられる。具体的には、セバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸エチル、リノ-ル酸エチル、リノ-ル酸イソプロピル等の直鎖脂肪酸と低級アルコ-ルとのエステル油;カプリン酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、等の直鎖脂肪酸と直鎖高級アルコ-ルとのエステル油;ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リシノ-ル酸オクチルドデシル、等の直鎖脂肪酸と分岐鎖を有するアルコ-ルとのエステル油;イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル等の分岐鎖を有する脂肪酸と低級アルコ-ルとのエステル油;2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、イソステアリン酸2-ヘキシルデシル等の分岐鎖を有する脂肪酸と直鎖高級アルコ-ルとのエステル油;ジオクタン酸エチレングリコ-ル、ジオレイン酸エチレングリコ-ル、カプリル酸プロピレングリコ-ル、ジカプリル酸プロピレングリコ-ル、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロピレングリコ-ル、ジカプリン酸プロピレングリコ-ル、ジオレイン酸ジプロピレングリコ-ル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコ-ル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコ-ル、トリカプリル酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、(エチルヘキサン酸/ステアリン酸/アジピン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロ-ルプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロ-ルプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリト-ル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリト-ル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット等の脂肪酸と多価アルコ-ルとのエステル油;ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、イソペラルゴン酸2-エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、イソパルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルドデシル等の分岐鎖を有する脂肪酸と分岐鎖を有するアルコ-ルとのエステル油、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルドデシル、クエン酸トリオクチル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリオクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、トリメリット酸トリメチル等の水酸基を有するエステル油;コハク酸ジエチルヘキシル、コハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル等の二塩基酸のエステル油;アブラナ油、アボカド油、アルモンド油、オリ-ブ油、ククイナッツ油、ゴマ油、コムギ胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、コメ油、サフラワ-油、サンフラワ-油、ダイズ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、パ-シック油、パ-ム油、パ-ム核油、ヒマシ油、ホホバ油、グレ-プシ-ド油、マカデミアナッツ油、メドウフォ-ム油、メンジツ油、ヤシ油、ロ-ズヒップ油等の植物油;液状馬油、ミンク油、液状ラノリン等の動物油;dl-α-トコフェロ-ル、コハク酸dl-α-トコフェロ-ル、ニコチン酸dl-α-トコフェロ-ル、酢酸dl-α-トコフェロ-ル、ニコチン酸ベンジル、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、酢酸レチノ-ル、パルミチン酸レチノ-ル、プロピオン酸レチノ-ル、等の油溶性ビタミン類;流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、ポリブデン、ポリイソブデン、水添ポリイソブテン、スクワラン(シュガ-スクワランを含む)、スクワレン、α-オレフィンオリゴマ-、イソヘキサデカン、イソドデカン等の直鎖又は分岐鎖の炭化水素油;オレイン酸、イソステアリン酸等の高級脂肪酸;イソステアリルアルコ-ル、オクチルドデカノ-ル、ヘキシルデカノ-ル、等の高級アルコ-ル;イソステアリルグリセリルエ-テル等のアルキルグリセリルエ-テル;メチルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級アルコ-ル変性シリコ-ン油等のシリコ-ン油;フルオロポリエ-テル、パ-フルオロアルキルエ-テルシリコ-ン等のフッ素油等が挙げられる。
【0050】
さらに本発明の(D)成分としては、本発明の効果を顕著に奏する観点から、炭化水素油、エステル油、油溶性ビタミン類、植物油が好ましく、セバシン酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸エチル、パルミチン酸セチル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソステアリル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソステアリル、2-エチルヘキサン酸セチル、カプリル酸プロピレングリコ-ル、ジカプリル酸プロピレングリコ-ル、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロピレングリコ-ル、ジカプリン酸プロピレングリコ-ル、ジオレイン酸ジプロピレングリコ-ル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコ-ル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコ-ル、トリカプリル酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロ-ルプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロ-ルプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリト-ル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリト-ル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、ネオペンタン酸オクチルドデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリイソセチル、トリメリット酸トリメチル、アジピン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、アブラナ油、アボカド油、アルモンド油、オリ-ブ油、ククイナッツ油、ゴマ油、コムギ胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、コメ油、サフラワ-油、サンフラワ-油、ダイズ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、パ-シック油、パ-ム油、パ-ム核油、ヒマシ油、ホホバ油、グレ-プシ-ド油、マカデミアナッツ油、メドウフォ-ム油、メンジツ油、ヤシ油、ロ-ズヒップ油、dl-α-トコフェロ-ル、コハク酸dl-α-トコフェロ-ル、ニコチン酸dl-α-トコフェロ-ル、酢酸dl-α-トコフェロ-ル、ニコチン酸ベンジル、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、酢酸レチノ-ル、パルミチン酸レチノ-ル、プロピオン酸レチノ-ル、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン(シュガ-スクワランを含む)、α-オレフィンオリゴマ-、オレイン酸、イソステアリン酸、イソステアリルアルコ-ル、オクチルドデカノ-ル、ヘキシルデカノ-ル、イソステアリルグリセリルエ-テルから選ばれる1種または2種以上がより好ましく、流動パラフィン、流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマ-、カプリル酸プロピレングリコ-ル、ジカプリン酸プロピレングリコ-ル、ジカプリル酸プロピレングリコ-ル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコ-ル、トリカプリル酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロ-ルプロパン、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロ-ルプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリト-ル、テトライソステアリン酸ペンタエリスリト-ル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリトリット、アボカド油、オリ-ブ油、ゴマ油、ダイズ油、月見草油、ホホバ油、グレ-プシ-ド油、マカデミアナッツ油、メドウフォ-ム油、dl-α-トコフェロ-ル、酢酸dl-α-トコフェロ-ル、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、酢酸レチノ-ル、パルミチン酸レチノ-ル、プロピオン酸レチノ-ル、イソステアリン酸、イソステアリルアルコ-ル、オクチルドデカノ-ル、イソステアリルグリセリルエ-テルが更に好ましく、流動パラフィン、流動イソパラフィン、α-オレフィンオリゴマ-、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロ-ルプロパン、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、月見草油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドウフォ-ム油、dl-α-トコフェロ-ル、酢酸dl-α-トコフェロ-ル、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビルが更により好ましい。
【0051】
本発明の外用組成物において、組成物全量に対する(D)成分の総含有量は、好ましくは、0.0001~5質量%、より好ましくは0.0005~3質量%、さらに好ましくは0.001~1質量%、さらにより好ましくは0.01~0.5質量%である。
【0052】
[液状外用組成物]
本明細書において、「液状外用組成物」は、25℃にて液体状、流動状、であることを意味する。例えば、製剤形態としては、液剤、懸濁剤、乳剤、乳液、ゲル剤、リニメント剤、ロ-ション剤、エアゾ-ル剤、不織布に薬液を含浸させたシ-ト剤、ミスト剤などの製剤とすることができる。中でも、液剤、乳液、ゲル剤、ロ-ション剤、シ-ト剤、エアゾ-ル剤、ミスト剤が好適であり、液剤、ゲル剤、ロ-ション剤、シ-ト剤、エアゾ-ル剤、ミスト剤がより好適である。
【0053】
[粘度]
本発明の外用組成物は、25℃で流動性を有する液状の剤型が好ましく、ロ-ション剤とするのがよいが、増粘剤を添加することで、粘性を高めた性状でもよい。このような観点から、本発明の透明外用組成物の粘度(25℃)は、特に限定はされないが、10~10000mPa・sが好ましく、10~5000mPa・sがより好ましく、50~1000mPa・sが更により好ましく、500mPa・s以下が特に好ましい。
【0054】
本明細書における粘度(25℃)は、第17改正日本薬局方の一般試験法に記載の粘度測定法に準拠し、単一円筒形回転粘度計(ブルックフィ-ルド型粘度計)にて測定した粘度をいう。具体的には、TV-10M(東機産業社製)を使用して測定される値をいい、ロ-タや回転速度等の条件の選定は、本機の取扱説明書に準拠し、25℃における粘度を測定する。
【0055】
単一円筒形回転粘度計に関する説明を以下に記載する。単一円筒形回転粘度計は、液体中の円筒を一定角速度で回転させたときのトルクを測定する粘度計である。あらかじめ粘度計校正用標準液を用いて実験的に装置定数KBを定めることにより、液体の粘度ηを次式によって算出する。
η=KBX T/ω
η:液体の粘度(mPa・s)
KB:装置定数(rad/cm
ω:角速度(rad/s)
T:円筒面に作用するトルク(10-7N・m)
【0056】
[透明性]
本明細書において、「良好な外観(透明性)をもつ外用組成物」とは、さらに目視による外観が透明又は半透明である「透明~半透明の外用組成物」の意味である。さらに被可溶化成分として油分を含む場合には、被可溶化成分が可溶化された状態であることによりなる組成物であり、外観が半透明の場合には、マイクロエマルジョン(微細乳化)状態であることも包含される。本発明の外用組成物の外観は、透明~半透明であることが好適であり、当該組成物における被可溶化成分は、可溶化された状態であることが好適である。
【0057】
ここで「透明~半透明」とは、透明性の指標として、630nmでの吸光度が0.3未満であるものが好ましい。「吸光度」はマイクロプレ-トリ-ダ-〔例えば、SH-9000、コロナ電気社製〕等で測定することができる。「吸光度」は低いほど透過率が高く、透明性が高いということを意味する。本発明の「透明~半透明の外用組成物」においては、直径約3cmの透明ガラス瓶に約3cmの高さに充填した場合のに瓶の下に記載したフォント14の文字(白地に黒字)を読むことができる。
外観が半透明のもののうち、マイクロエマルジョン(微細乳化)状態である場合には、外観が無色~青白である場合もあるが、その場合も上記の吸光度および文字の見え方とを併せて判断することにより「透明~半透明の外用組成物」の範疇であるかどうかが判別できる。好ましくは、630nmでの吸光度が0.1~0.3でかつ文字判別試験にて文字がはっきりと鮮明度が高く見える状態が好ましく、630nmでの吸光度が0.05~0.1でかつ文字判別試験にて文字がはっきりと鮮明度が高く見える状態がより好ましく、630nmでの吸光度が0.05未満であることがさらにより好ましい。
【0058】
[その他の成分]
本発明の皮膚外用組成物には、前述した各必須成分に加えて、他の有用な作用を付加するため、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤、DNA損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分、美白成分、抗炎症成分、清涼化剤、有機酸、抗糖化成分、抗菌成分、細胞賦活化成分、収斂成分、抗酸化成分、老化防止成分、保湿成分、多価アルコ-ル、角質柔軟成分、ビタミン類、血行促進成分、皮脂吸着成分、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体等の各種成分を、1種又は2種以上組み合わせて配合してもよい。これらの各成分としては、医薬品、医薬部外品、化粧品分野などにおいて使用され得るものであれば特に制限されず、任意のものを適宜選択し使用することができる。また、以下の複数の成分に該当するものは、それらのうちの任意の効能の成分として添加できるものとする。
【0059】
前記紫外線散乱剤としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、ケイ酸チタン、ケイ酸亜鉛、無水ケイ酸、ケイ酸セリウム、含水ケイ酸等の無機化合物や、それらの無機化合物を含水ケイ酸、水酸化アルミニウム、マイカやタルク等の無機粉体で被覆したり、ポリアミド、ポリエチレン、ポリエステル、ポリスチレン、ナイロン等の樹脂粉体に複合化したもの、さらにシリコ-ン油や脂肪酸アルミニウム塩等で処理したもの等が挙げられる。
【0060】
前記紫外線吸収剤としては、限定はされないが、好ましくは、サリチル酸系紫外線吸収剤、ケイ皮酸系紫外線吸収剤、ベンゾイルメタン系紫外線吸収剤、安息香酸エステル誘導体紫外線吸収剤、トリアジン誘導体紫外線吸収剤、ベンザルマロナ-ト誘導体紫外線吸収剤、オクトクリレン系紫外線吸収剤、イミダゾ-ルスルホン酸誘導体紫外線吸収剤、ベンゾフェノン誘導体紫外線吸収剤等であり得る。
【0061】
また、これらの紫外線散乱剤や紫外線吸収剤は、別の成分に複合化、担持、カプセル化されていてもよく、それらの組み合わせは特に限定されない。
【0062】
DNAの損傷の予防及び/又は修復作用を有する成分としては、例えば、動物(例えば、アルテミア)に由来する成分;植物(例えば、キャッツクロ-)に由来する成分;DNA、DNA塩、RNA、RNA塩等の核酸成分が挙げられる。
【0063】
美白成分としては、例えば、ニコチン酸アミド;プラセンタ;アルブチン;コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;トラネキサム酸;ルシノ-ル;カモミラET;ハイドロキノン、4-メトキシサリチル酸カリウム塩;リノ-ル酸及びその誘導体;アスコルビン酸とその塩、アスコルビン酸誘導体等のビタミンC類(アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシド、イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、ジパルミチン酸L-アスコルビル、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、グリセリルアスコルビン酸、ビスグリセリルアスコルビン酸、アルキルグリセリルアスコルビン酸など)、ビタミンA又はその誘導体、パントテン酸又はその誘導体等のビタミン類等が挙げられる。更に、美白作用を有する植物成分を美白成分として用いてもよく、かかる植物成分としては、イリス(アイリス)、ア-モンド、アロエ、アセロラ、ウ-ロン茶、エイジツ、オウゴン、オウレン、オトギリソウ、オドリコソウ、海藻、カッコン、クチナシ、クジン、クロレラ、コメ、コメハイガ、オリザノ-ル、コメヌカ、サイシン、サンショウ、シソ、シャクヤク、センキュウ、ソウハクヒ、ダイズ、納豆、茶、トウキ、トウキンセンカ、ハマメリス、ベニバナ、ボタンピ、ヨクイニン、アセンヤク、カキ(Diospyros kaki)、キウイ、クロマメ、ゲンチアナ、ゲンジン、セ-ジ、ダイコン、ツツジ、パセリ、ヒイラギ、ホップ、タイム、チョウジ、チンピ、カンゾウ、カミツレ、プル-ン、シモツケソウ、ムラサキシキブ、ソウズク、グレ-ブフル-ツ、トゲナシ、レモン、キウイ、マツ、ニ-ム、ア-ティチョ-ク、スギナ、オオバク、メマツヨイグサ、ビルベリ-、ヒメフウロ、アッケシソウ、セイヨウシロヤナギ、ユキノシタ、ツボクサ、ロ-ズマリ-、ラベンダ-等に由来する成分が挙げられる。これらの植物成分を本発明の外用組成物に用いる場合、植物成分の形態は特に制限されないが、通常は植物エキス(植物抽出物)や精油などの態様で使用することができる。なお、前記植物成分中に記載の括弧内は、その植物の学名、別名または生薬名である。
【0064】
本発明の外用組成物に以上説明した美白成分を配合する場合、その含有量は、皮膚への使用感や効果を考慮して適宜選択できるが、外用組成物の全量に対して、例えば、約0.0003~10質量%、好ましくは、約0.01~5質量%である。植物エキスを用いる場合の含有量は、エキスなどの抽出物換算で、外用組成物の全量に対して、例えば、約0.00001~20質量%、好ましくは、約0.0001~15質量%、より好ましくは、0.001~10量%である。
【0065】
抗炎症成分としては、例えば、アラントイン、カラミン、トラネキサム酸、グリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウムなど)、グリチルレチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリルなど)、酸化亜鉛、アミノカプロン酸、アズレン及びその誘導体(例えば、グアイアズレン、アズレンなど)、酢酸トコフェロ-ル、塩酸ピリドキシン、メント-ル、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体、ステロイド類若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン)、ウフェナマ-ト、ブフェキサマク、イブプロフェンピコノ-ル、サリチル酸グリコ-ル、植物(例えば、コンフリ-、オウレン、ドクダミ)に由来する成分、等が挙げられる。
【0066】
抗菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、アクリノ-ル、エタノ-ル、塩化ベンゼトニウム、クレゾ-ル、グルコン酸及びその誘導体、ポピドンヨ-ド、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノ-ル、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノ-ル、塩酸アルキルジアミノグリシン、塩化セチルピリジニウム、ピロクトオラミン、ミコナゾ-ル若しくはその塩、クロロブタノ-ル、エチルヘキシルグリセリン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、カプリルヒドロキサム酸、フェネチルアルコ-ル、メチルイソチアゾリノン、ソルビン酸、β-グリチルレチン酸、植物(例えば、クララ、ロ-ズマリ-、クワ、ユ-カリなど)に由来する成分等が挙げられる
【0067】
清涼化剤としては、例えば、メント-ル及びその誘導体、カンフル、ボルネオ-ル、ゲラニオ-ル、シネオ-ル、アネト-ル、リモネン、オイゲノ-ル等のテルペン類(これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。);ユ-カリ油、ベルガモット油、ペパ-ミント油、ク-ルミント油、スペアミント油、ウイキョウ油、ハッカ油、ケイヒ油、ロ-ズ油、テレビン油等の精油等が挙げられる。
【0068】
有機酸としては、例えば、グルコン酸、アスパラギン酸、アミノエチルスルホン酸、クエン酸、グルタミン酸、コハク酸、シュウ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、プロピオン酸、リンゴ酸、サリチル酸、グリコ-ル酸、フィチン酸、酒石酸、酢酸、乳酸、パントテン酸、グリチルレチン酸、アルギン酸、アスコルビン酸、安息香酸、アジピン酸、グルタミン酸、アゼライン酸及びこれらの塩が挙げられる。
【0069】
抗糖化成分としては、例えば、ブドレジャアキシラリス葉エキス、ウメ果実エキス、エ-デルワイスエキス等の植物エキス、月見草油、アムラ-の果実、果汁又はそれらの抽出物、L-アルギニン、L-リジン、加水分解カゼイン、加水分解性タンニン、カルノシン等が挙げられる。
【0070】
細胞賦活化成分としては、例えば、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類:レチノ-ル、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸ピロロキノリンキノン類などのビタミン類;グルコン酸、フィチン酸、グリコ-ル酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類;タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号、植物(たとえば、ダイズ芽、ビルベリ-葉など)に由来する成分、等が挙げられる。
【0071】
収斂成分としては、例えば、ミョウバン、クロロヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、パラフェノ-ルスルホン酸亜鉛、塩基性乳酸アルミニウム亜鉛、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸を挙げることができる。
【0072】
抗酸化成分としては、例えば、ブチルヒドロキシアニソ-ル、ジブチルヒドロキシトルエン、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸及びその塩、アスコルビン酸及びその塩、フラボノイド、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダ-ゼ、グルタチオン-S-トランスフェラ-ゼ、カタラ-ゼ、ス-パ-オキサイドジスムタ-ゼ、チオレドキシン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリン、植物エキス(スイカズラ花エキスなど)等が挙げられる。
【0073】
老化防止成分としては、例えば、加水分解大豆タンパク、レチノイド(レチノ-ル、レチノイン酸、レチナ-ル等)、パンガミン酸、ウルソ-ル酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N-メチル-L-セリン、メバロノラクトン、ペプチド類(カプロオイルテトラペプチド-3、オリゴペプチド-24など)等が挙げられる。
【0074】
保湿成分としては、例えば、アラニン、セリン、アスパラギン酸、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、グルコサミン、テアニン、アルギニンなどのアミノ酸及びその誘導体;グリセリン、ジプロピレングリコ-ル、1,3-ブタンジオ-ルなどの多価アルコ-ル;ソルビト-ル、キシリト-ル、エリスリト-ル、マルト-ス・ショ糖縮合物(グルコオリゴ糖)などの糖アルコ-ル;グリコシルトレハロ-ス、トレハロ-ス;セラミド、グルコシルセラミド、コレステロ-ル、フィトステロ-ル、コレステロ-ル誘導体、フィトステロ-ル誘導体、;レシチン、水素添加レシチン等のリン脂質;乳酸、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素などのNMF由来成分;コラ-ゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサン等とそれらの加水分解物;ヒドロキシエチルウレア;植物(たとえば、カミツレ、ハマメリス、チャ、シソ、グレ-プフル-ツ、アマチャヅルなど)に由来する成分、等が挙げられる。中でも、グリシン、アルギニン、グリセリン、ジプロピレングリコ-ル、1,3-ブタンジオ-ル、グリコシルトレハロ-ス、セラミド、グルコシルセラミド、コレステロ-ル、コレステロ-ル誘導体、フィトステロ-ル誘導体、水素添加レシチン、乳酸、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、尿素、;コラ-ゲン、エラスチン、ケラチン、ヒドロキシエチルウレアから選ばれる1種又は2種以上との組み合わせがが好ましい。
【0075】
多価アルコ-ルとしては、炭素数2~4又は11以上のジオ-ル、ヒドロキシ基3個以上を有する多価アルコ-ル等が挙げられ、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコ-ル、ジプロピレングリコ-ル、1,3-ブタンジオ-ル、エチレングリコ-ル、ジエチレングリコ-ル、イソプレングリコ-ル、1、3-ブチレングリコ-ル、が挙げられる。
【0076】
角質柔軟成分としては、例えば、ラノリン、尿素、フィチン酸、乳酸、乳酸塩、グリコ-ル酸、サリチル酸、リンゴ酸、クエン酸、フル-ツ酸、フィチン酸、尿素、イオウ等が挙げられる。
【0077】
ビタミン類としては、例えば、レチノ-ル、リノ-ル酸レチノ-ル等のレチノ-ル誘導体、レチナ-ル、レチノイン酸、レチノイン酸メチル、レチノイン酸エチル、レチノイン酸レチノ-ル、d-δ-トコフェリルレチノエ-ト、α-トコフェリルレチノエ-ト、β-トコフェリルレチノエ-ト等のビタミンA類;β-カロテン、α-カロテン、γ-カロテン、δ-カロテン、リコピン、ゼアキサンチン、クリプトキサンチン、エキネノン等のプロビタミンA類;リノ-ル酸トコフェロ-ル、(リノ-ル酸/オレイン酸)トコフェロ-ル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’-リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸メチル、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、などの上記(A)成分以外のニコチン酸類;ステアリン酸アスコルビル、イソステアリルアスコルビルリン酸2ナトリウム、ジパルミチン酸L-アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル)、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、2-O-エチルアスコルビン酸、3-O-エチルアスコルビン酸、グリセリルアスコルビン酸、ビスグリセリルアスコルビン酸、アルキルグリセリルアスコルビン酸、などのビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロ-ル、コレカルシフェロ-ルなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類;チアミン、及びそれらの塩(例えば、ジベンゾイルチアミン塩酸塩、チアミン塩酸塩、チアミンニリン酸塩、)等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサ-ル、5’-リン酸ピリドキサ-ル、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類、シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコ-ル(パンテノ-ル)、D-パンテテイン、D-パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエ-テル、パンテテインスルホン酸カルシウム等のパントテン酸類;ビオチン、ビオシチン等のビオチン類;そのほか、カルニチン、フェルラ酸、α-リポ酸、オロット酸、γ-オリザノ-ル、ピロロキノリンキノン、ヘスペリジン及びグルコシルヘルペリジン、ユビキノン、およびこれらの塩等のビタミン様作用因子等が挙げられる。
【0078】
血行促進成分としては、例えば、植物(例えば、オタネニンジン、アシタバ、アルニカ、イチョウ、ウイキョウ、エンメイソウ、オランダカシ、カミツレ、ロ-マカミツレ、カロット、ゲンチアナ、ゴボウ、コメ、サンザシ、シイタケ、セイヨウサンザシ、セイヨウネズ、センキュウ、センブリ、タイム、チョウジ、チンピ、トウキ、トウニン、トウヒ、ニンジン、ニンニク、ブッチャ-ブル-ム、ブドウ、ボタン、マロニエ、メリッサ、ユズ、ヨクイニン、ロ-ズマリ-、ロ-ズヒップ、チンピ、トウキ、トウヒ、モモ、アンズ、クルミ、トウモロコシ)に由来する成分;酢酸dl-α-トコフェロ-ル、ニコチン酸トコフェロ-ル、グルコシルヘスペリジン、ヘスペリジンが挙げられる。
【0079】
皮脂吸着成分としては、例えば、タルク、マイカ、ヒドロキシアパタイト、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム等が挙げられる。なかでも、好ましくは、マイカ、ヒドロキシアパタイト、及び、酸化亜鉛であり、特に好ましくはマイカである。
【0080】
ペプチド又はその誘導体としては、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラ-ゲン、魚由来コラ-ゲン、アテロコラ-ゲン、サクシニル化アテロコラ-ゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラ-ゲン分解ペプチド、加水分解コラ-ゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラ-ゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等)等が挙げられる。
【0081】
アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β-アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、トレオニン、チロシン、タウリン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン、イプシロンアミノカプロン酸、トリプトファン、オルニチン、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナトリウム、ジラウロイルグルタミン酸リシン及びその塩、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)等が挙げられる。またこれらアミノ酸又はその誘導体は、水和物等の溶媒和物であってもよく、更にd体、l体、dl体の何れであってもよい。中でもl体のアミノ酸又はその誘導体から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0082】
また本発明の外用組成物には、前記各成分に加えてその用途あるいは剤形に応じて、医薬品、医薬部外品、又は化粧品などの分野に通常使用される成分を適宜配合してもよい。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、基剤又は担体、界面活性剤、増粘剤、酸化防止剤、保存剤、防腐剤、pH調整剤、キレ-ト剤、安定化剤、刺激軽減剤、着色剤、分散剤、香料等の添加剤を配合することができる。なお、これらの成分は1種単独で、または2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。またこれらの含有量は、従来公知の範囲から本発明の効果を損なわない範囲で、適宜決定することができる。さらに、以下の複数の成分に該当するものは、それらのうちの任意の機能の成分として添加できるものとする。
【0083】
基剤又は担体としては、水などの水系基剤;ワセリン、パラフィン、マイクロクリスタリンワックス、ポリブテン、ポリエチレン末、ゲル化炭化水素(プラスチベ-スなど)、オゾケライト、のような炭化水素;高重合メチルポリシロキサン、等のフェニル変性シリコ-ン、環状シリコ-ン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルトリメチコン、ジメチコノ-ル、ジメチコノ-ルクロスポリマ-、カプリリルメチコン等のアルキル変性シリコ-ン、架橋型アルキル変性シリコ-ン、アミノ変性シリコ-ン、ポリエ-テル変性シリコ-ン、ポリグリセリン変性シリコ-ン、架橋型ポリエ-テル変性シリコ-ン、架橋型アルキルポリエ-テル変性シリコ-ン、シリコ-ン・アルキル鎖共変性ポリエ-テル変性シリコ-ン、シリコ-ン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコ-ン、ポリエ-テル変性分岐シリコ-ン、ポリグリセリン変性分岐シリコ-ン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコ-ン、シリコ-ンレジンのようなシリコ-ン油;セタノ-ル、セトステアリルアルコ-ル、ステアリルアルコ-ル、ベヘニルアルコ-ル、フィトステロ-ル、コレステロ-ルのような高級アルコ-ル;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びベヘン酸のような高級脂肪酸;エチルセルロ-ス、ヒドロキシプロピルセルロ-ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロ-スのようなセルロ-ス誘導体;ポリビニルピロリドン;;ポリビニルブチラ-ト;ポリエチレングリコ-ル;ジオキサン;ブチレングリコ-ルアジピン酸ポリエステル;乳酸セチル、パルミチン酸デキストリン、ステアリン酸イヌリン、トリメリト酸トリ2-エチルヘキシル、トリメリト酸トリトリデシル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)、ダイマ-ジリノ-ル酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマ-ジリノ-ル酸ダイマ-ジリノレイル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、トリ(ベヘン酸/イソステアリン酸/エイコサン二酸)グリセリルのようなエステル類;ミウロウ、キャンデリラロウ、コメヌカロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;油脂;デキストリン、マルトデキストリンのような多糖類;カルボキシビニルポリマ-、アルキル変性カルボキシビニルポリマ-等のビニル系高分子;エタノ-ル、イソプロパノ-ルのような低級アルコ-ル;;ソルビト-ル、キシリト-ル、エリスリト-ル、マンニト-ルなどの糖アルコ-ル;水等が挙げられる。これらの成分から選ばれる基剤又は担体としては、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。またそれらの使用量は当業者に公知の範囲から適宜選択される。
【0084】
本発明の外用組成物が水を含有する場合、その含有量は、外用組成物の形態によって異なり、特に限定されない。本発明の外用組成物の全量に対して、例えば、水の量は、好ましくは10~99質量%、より好ましくは、50~95質量%、さらに好ましくは60~90質量%である。
【0085】
本発明の外用組成物が基剤として(D)液状油分以外の油分を含有する場合、その含有量は、外用組成物の形態によって異なり、特に限定されない。本発明の外用組成物の全量に対して、例えば、(D)液状油分以外の油分の量は、好ましくは0.0001~5質量%、より好ましくは、0.001~1質量%、さらに好ましくは0.005~0.5質量%である。
【0086】
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレ-ト、ソルビタンモノステアレ-ト、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロ-ルソルビタン、ソルビタンモノオレエ-ト、ソルビタンモノイソステアレ-ト及びソルビタンモノラウレ-ト等のソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノラウリル酸ポリオキシエチレン(80)ソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;グリセリンモノオレエ-ト、グリセリンモノステアレ-ト、及びグリセリンモノミリステ-ト等のグリセリン脂肪酸エステル;モノイソステアリルグリセリルエ-テルやモノミリスチルグリセリルエ-テル等のグリセリンアルキルエ-テル;ジグリセリルモノステアレ-ト、デカグリセリルデカステアレ-ト、デカグリセリルデカイソステアレ-ト、及びジグリセリルジイソステアレ-ト等のポリグリセリン脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコ-ル等のプロピレングリコ-ル脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80等の硬化ヒマシ油誘導体;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル等のポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレン(20)フィトステロ-ル、ポリオキシエチレン(30)フィトステロ-ル、ポリオキシエチレン(25)フィトスタノ-ル、ポリオキシエチレン(30)コレスタノ-ル等のポリオキシエチレンステロ-ル・水素添加ステロ-ル;ショ糖脂肪酸エステル;ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エ-テル硫酸塩、エ-テルカルボン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、N-アシルアミノ酸塩、アシル化タウレ-ト;ステアリルアミン、オレイルアミンなどのアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンなどのシリコ-ン系界面活性剤あるいはレシチン、水素添加レシチン、サポニン、サ-ファクチンナトリウム、コレステロ-ル、胆汁酸などの天然由来の界面活性剤等を例示することができる。
【0087】
増粘剤としては、例えば、ポリアクリル酸アミド、ポリビニルアルコ-ル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエ-テル、カルボキシビニルポリマ-等のビニル系増粘剤、メチルセルロ-ス、エチルセルロ-ス、ヒドロキシエチルセルロ-ス、ヒドロキシメチルセルロ-ス、ヒドロキシプロピルセルロ-ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロ-ス、カルボキシメチルセルロ-ス、カルボキシエチルセルロ-ス等のセルロ-ス系増粘剤、グァ-ガム、スクレロチウムガム、タマリンドガム、キサンタンガム、デキストラン、ペクチン、プルラン、ゼラチン、ロ-カストビ-ンガム、カラギ-ナン、寒天、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリアクリル酸ナトリウム、ベントナイト、デキストリン脂肪酸エステル、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコ-ルエステル、ポリエチレングリコ-ル、マクロゴ-ル、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマ-、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマ-等が挙げられる。
【0088】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソ-ル、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、トコフェロ-ル、トコフェロ-ル誘導体、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、L-システイン塩酸塩、コエンザイムQ10等のユビキノン類、セサミン等のリグナン、クルクミン、カプサイシン、ジンゲロ-ル、レスベラトロ-ル、アントシアニン、シアニジン、ビルベリ-エキスおよびこれらの類縁体もしくは誘導体等が挙げられる。
【0089】
保存剤又は防腐剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノ-ル、ベンジルアルコ-ル、クロロブタノ-ル、ソルビン酸およびその塩、グルコン酸クロルヘキシジン、メチルイソチアゾリノン、ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル、カプリルヒドロキサム酸、フェネチルアルコ-ル、エチルヘキシルグリセリン、カプリン酸グリセリル、イソプロピルメチルフェノ-ル等が挙げられる。
【0090】
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノ-ルアミン、ジイソプロパノ-ルアミン、トリイソプロパノ-ルアミンなど)等が挙げられる。
【0091】
キレ-ト剤としては、例えば、エチレンジアミン4酢酸(エデト酸)、エチレンジアミン4酢酸塩(ナトリウム塩(エデト酸ナトリウム:日本薬局方、EDTA-2Naなど)、カリウム塩など)、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、メタリン酸等が挙げられる。中でも、エデト酸ナトリウムが好ましい。
【0092】
安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソ-ル等が挙げられる。
【0093】
刺激低減剤としては、例えば、甘草エキス、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0094】
[pH]
本発明の外用組成物は、通常pH4~9の物性を備えていればよいが、皮膚や粘膜に対する低刺激性、及び皮膚使用感のよさという観点から、好ましくは、pH4.5~8.5、より好ましくは、pH5~8であり、さらに好ましくは、pH6~8である。
【0095】
[外用組成物の製造方法]
本発明の外用組成物の製造方法は特に制限されず、上記(A)~(D)成分の他、前記のその他の成分等を適宜選択、配合して、常法により、必要により乳化を行って、製造することができる。
【0096】
[使用用途]
医薬部外品又は化粧品用の外用組成物とする場合の用途としては具体的には、例えば、化粧水、乳液、ジェル、クリ-ム、美容液、日焼け止め用化粧料、パック、マスク、ハンドクリ-ム、ボディロ-ション、のような基礎化粧料;並びに洗顔料、ハンドソ-プ、メイク落とし、ボディ-シャンプ-、シャンプ-、リンス、及びトリ-トメントのような洗浄用化粧料、ファンデ-ション、化粧下地等のフェイスメイクアップ用化粧料、毛髪用のヘアジェル、ヘアム-ス、ヘアミスト、ヘアロ-ション、スタイリング剤のような毛髪用化粧料などが挙げられる。これらの中でも皮膚用の外用組成物が特に好ましい。すなわち、本発明の外用組成物は、医薬品、医薬部外品、又は化粧品用の外用組成物とすることができる。外用組成物の製剤形態は、本発明の外用組成物の場合と同じである。また、使用可能な基剤又は担体、添加剤、及び有効成分、並びにそれらの好ましいものは、本発明の外用組成物の場合と同じである。中でも、化粧水、乳液、ジェル、美容液、日焼け止め用化粧料、パック、マスク、ハンドクリ-ム、ボディロ-ション、ヘアジェル、ヘアミスト、ヘアロ-ションから選ばれる剤型がより好ましい。さらに化粧水、乳液、ジェル、美容液、日焼け止め用化粧料、マスクへの適用が本発明の効果の1つである製剤の透明度による製剤の外観の良さへ特に影響することから、より好ましい。
【0097】
[容器]
本発明の外用組成物は、使用目的及び用途に応じ、適宜選択した形状、材質の容器に収容し、使用することができる。具体的な容器としては、例えば、スプレ-タイプ、ボトルタイプ、チュ-ブタイプ、ジャ-タイプ、スポイドタイプ、ディスペンサ-タイプ、スティックタイプ、パウチ袋、及びチアパックなどを例示できる。
【0098】
また、容器の材質としては、ポリエチレンテレフタレ-ト、ポリプロピレン、ポリエチレン(HDPE、LDPE、LLDPE等)、ABS樹脂、エチレンビニルアルコ-ル樹脂、ポリスチレン、ガラス、及び金属(アルミ等)などを例示できる。また、これらの材料は、強度、柔軟性、耐候性、又は成分の安定性等を考慮し、各種コ-テング処理を行ったり、これらの材料を例えば混合するなどして組み合わせたり、積層したりして、容器材料として用いることができる。コ-ティングの材質としては、エポキシ樹脂、ポリアミドイミドなどを例示できる。中でも、ポリプロピレン、ポリエチレン(HDPE、LDPE、LLDPE等)、エチレンビニルアルコ-ル樹脂、金属(アルミ等)を用いることが好ましい。
【0099】
[使用方法等]
本発明の外用組成物は、ヘパリン類似物質の生理活性を期待して、保湿、抗炎症、凍瘡、肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防、進行性指掌角皮症、皮質欠乏症、外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎等の目的で、好適に使用できる。さらにバリア機能改善の効果も期待でき、多機能な製剤として有用である。本発明の外用組成物は、用途などに応じて1日あたり1回から数回に分けて、公知あるいは慣用されている用法・用量にて使用することができる。
【実施例0100】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、各表中の数値の単位は、特に断りがない限り重量(%)である。
【0101】
〔実施例1~3、比較例1~6〕
下記の表1に示す処方の組成物を常法により調製した。
【表1】
【0102】
[試験例1-1:調製直後(透明性の評価)]
上記表1に示す実施例1、比較例1,2の組成物を、下記の測定条件により、調製した直後の透明性を評価した。その結果を下記表2に示す。
〔透明性の評価〕
製剤の透明性は、各組成物200μLを96ウェルプレ-ト(SBS規格)に分取し、マイクロプレ-トリ-ダ-(SH-9000、コロナ電気社製)にて630nmの吸光度を測定(測定方式: 吸光度 測定方向: ↑↑)し、下記評価基準に従って評価した。
なお、対照例として精製水の吸光度を同様の方法により測定したところ、「-0.004」の結果を得た。
[透明性評価基準]
[判定] :[630nm吸光度]
透明 : 0.01未満
やや半透明: 0.01以上0.1未満
半透明 : 0.1以上0.3未満
不透明 : 0.3以上
【0103】
[試験例1-2:製造直後(目視による透明性の評価)]
上記表1に示す実施例1、比較例1,2の組成物を、下記の測定条件により、調製した直後の透明性を評価した。その結果を下記表2に示す。
〔外観での透明性の評価〕
目視での製剤の透明性評価について、各組成物を30mLガラス製ねじ口ビンに高さ3cmとなるように充填したのち、ガラスビンの下にフォント14の文字の見え方・鮮明さを、下記評価基準に従って評価することができる。
[外観透明性評価基準]
[判定]:[判定基準]
5 : 非常に文字がはっきりと見え、鮮明度が非常に高い。
4 : 文字がはっきりと見え、鮮明度が高い。
3 : 文字が見えるが、鮮明度がやや劣る。
2 : かろうじて文字が見えるが、鮮明度に劣る。
1 : 文字が読めず、不透明である。
【表2】
【0104】
表2の結果より、試験1-1において、実施例1は、参考例として記載した精製水と同等の吸光度を示し、また目視での外観評価でも参考例と同等の無色透明であり、文字の見え方に差は見られなかった。比較例1、2は実施例1の(A)成分の代わりに同じムコ多糖類に属する別の成分を配合したものである。比較例1は、試験1-1における吸光度の数値でも不透明の範疇にあり、また試験2-2での目視評価でも文字の存在を認識することができなかった。比較例2は、試験1-1における吸光度の数値では半透明の範疇にあるが、試験2-2での目視評価では文字は見えるものの鮮明度は実施例1と比較するとかなり劣る状態であった。
【0105】
[試験例1-3:外観および外観の安定性(透明性)]
上記表1に示す処方の各組成物(実施例1~3、比較例1~6)を50mLガラスねじ口瓶に50g充填し、60℃の熱安定性試験(3日間)および光安定性試験(26万luX照射)を実施した。
(各試験条件)
熱安定性試験条件:60℃恒温庫にて3日間保管。
光照射試験条件:25℃において、国際照明委員会(CIE)が定める標準光源である
D65蛍光ランプの光を3800lX/hで約69時間(合計26万
lX・hr)となるまで照射した。
上記各安定性試験終了後、25℃にて恒温化させたサンプルについて、下記の測定条件により、透明性および各安定性試験条件下における外観(透明性)の安定性を評価した。また熱安定性試験、光試験の結果から外観の安定栄に関する総合判定を行った。これら結果を表3に示す。
また、上記表1に示す処方の各組成物(実施例2~3、比較例3~6)については、上述の試験1-2に従って、調製した直後の透明性も評価を行っており、その結果を同じく表3に示す。
〔透明性の評価〕
製剤の透過率は、各組成物を96ウェルプレ-ト(SBS規格)に分取し、マイクロプレ-トリ-ダ-(SH-9000、コロナ電気社製)にて吸収スペクトルを測定(測定方式: 吸光度 測定方向: →→)し、下記評価基準に従って評価した。
(製造直後の透明性の評価基準(吸収スペクトル測定))
[判定] :[630nm 吸光度]
透明 : -0.5以上
やや半透明: -2以上-0.5未満
半透明 : -5以上-2未満
不透明 : -5未満
【0106】
(外観の安定性(透明性)の評価基準(吸収スペクトル測定) )
外観の安定性(透明性)(630nm吸光度の差)= 安定性試験後の値-初期値
[630nm吸光度の差]:[判定]
5以上 : 外観の安定性が低下
1以上 5未満 : 外観の安定性がやや低下
-1以上 1未満 : 外観の安定性が良好である
-3以上、-1未満 : 外観の安定性がやや低下
-6以上、-3未満 : 外観の安定性が低下
-6未満 : 外観の安定性がかなり低下
(外観の安定性(透明性)の総合判定))
[外観の安定性(透明性): 判定]
◎ : 熱、光安定性において共に安定
○ : 熱、光安定性のいずれかがやや低下
△ : 熱、光安定性のいずれかが低下又は共にやや低下
X : 熱、光安定性のいずれかがかなり低下又は共に低下
【0107】
(外観の安定性(透明性の維持))
本発明の外観の安定性について、吸収スペクトル測定における630nmの吸光度の数値が低くなるほど、透過率がより低下、つまり透明性がより低下していることを意味する。そのため、安定性試験後の吸光度から初期値を引いたの数値の差の値がよりマイナスに大きくなるほど、透明性が低下しており(濁度が悪化)、外観の安定性が良くないということを意味する。また一方で前述の吸光度の差が大きくなるほど、逆に透過率が上がって、透明性が上がることによる外観に変化が生じていることになるため、外観の安定性は良くないことを意味する。よって、試験前後の吸光度の差がより0に近いほど、外観の安定性(透明性を維持)していることを意味する。
【0108】
表3の結果より、実施例1~3の(A)成分の代わりに他の多糖類の1つであるジェランガムを配合した例(比較例1、3、5)はいずれも試験後の吸光度は熱安定性、光安定性ともに増加傾向にあり、外観の安定性(透明性)は良くない。またカンテンを配合した例(比較例2、4、6)はいずれも熱安定性、光安定性ともに吸光度が低下、つまり透明性が低下しており、外観の安定性(透明性)が大きく悪化することがわかった。実施例は光試験、熱安定性試験共に安定であり、外観の安定性(透明性)は維持されることがわかった。
【0109】
[試験例1-4:安定性(着色)]
試験例1-3と同じ試験サンプルを用いて、安定性(着色)の評価を行った。
〔安定性(着色)の評価〕
製剤の着色は、各組成物を96ウェルプレ-ト(SBS規格)に分取し、マイクロプレ-トリ-ダ-(SH-9000、コロナ電気社製)にて吸収スペクトルを測定(測定方式: 吸光度 測定方向: →→)し、450nmの吸光度を用いて、下記評価基準に従って評価した。
(着色安定性評価基準)
安定性(着色)(450nm吸光度の差の差)= 安定性試験後の値-初期値
[450nm吸光度の差]:[判定]
1以上 : 安定性(着色)がやや低下
-1以上 1未満 : 安定性(着色)が良好である
-3以上、-1未満 : 安定性(着色)がやや低下
-6以上、-3未満 : 安定性(着色)が低下
-6未満 : 安定性(着色)がかなり低下
(外観の安定性(透明性)の総合判定))
[外観の安定性(透明性): 判定]
◎ : 熱、光安定性において共に安定
○ : 熱、光安定性のいずれかがやや低下
△ : 熱、光安定性のいずれかが低下又は共にやや低下
X : 熱、光安定性のいずれかがかなり低下又は共に低下
【0110】
(安定性(着色))
本発明の安定性(着色)について、吸収スペクトル測定における450nmの吸光度の数値が低くなるほど、製剤の色がより黄色に着色していることを意味する。そのため、安定性試験後の吸光度から初期値を引いた数値がよりマイナスに大きくなるほど、黄変が悪化しており、安定性(着色)が良くないということを意味する。また一方で前述の吸光度の差が大きくなるほど、逆に製剤の色が薄くなっており、外観に変化が生じていることになるため、安定性(着色)は良くないことを意味する。よって、試験前後の吸光度の差がより0に近いほど、安定性(着色)が良好であることを意味する。
【0111】
表3の結果より、実施例1~3の(A)成分の代わりに他の多糖類の1つであるジェランガムを配合した例では、比較例5の(B)成分に1,2ペンタンジオ-ルを配合した例において、試験後の吸光度が増加しており、外観の安定性(透明性)としては良くない結果であった。また同様にカンテンを配合した例(比較例2、4、6)はいずれも熱安定性、光安定性ともに製剤が大きく黄変しており、安定性(着色)が大きく低下することがわかった。実施例はいずれも光試験、熱安定性試験共に黄変することなく、安定性(着色)が大変良好であることがわかった。
【0112】
[試験例1-5:安定性(pH)]
試験例1-3と同じ熱安定性試験用サンプルを用いて、安定性(pH)の評価を行った。
(pH安定性評価基準)
安定性(pH)= 安定性試験後の測定値-初期値
[安定性(pH)]:[判定]
1以上 : 安定性(着色)がやや低下
±0.2以内 : ◎
~±0.3以内: ○
~±0.4以内: △
±0.5[ : X
【表3】
【0113】
表3の結果より、実施例1~3の(A)成分の代わりに他の多糖類の1つであるジェランガムを配合した例、同様にカンテンを配合した例(比較例2、4、6)はpH低下傾向にあった。とくに、カンテンを配合した例(比較例2、4)は安定性(pH)が低下傾向が大きい。一方で、実施例はいずれも大きくpHが変化することはなく、安定性(着色)が良好であることがわかった。
【0114】
[試験例1-6:使用感(べたつき、ぬるつき、浸透感)]
上記表1に示す処方の各組成物について、下記の評価基準に従って、専用パネラ-3名にて使用感(べたつき、ぬるつき、浸透感)の評価を行った。6名の専門パネラ-の腕内側2cmX2cmの面積の部分に対し、各試験製剤を適量(約0.05g)塗布した際の使用感について、以下の項目・基準に従って3段階でスコアをつけ、数値を平均した。結果を表4に示す。
(べたつき)
3:ベタツキがない。
2:ベタツキがややある。
1:ベタツキがある。
(ぬるつき)
3:ぬるつきがない。
2:ぬるつきがややある。
1:ぬるつきがある。
【表4】
【0115】
表4の結果より、実施例1の(A)成分の代わりにジェランガムを配合した比較例1、カンテンを配合した比較例2と比較して、(A)ヘパリン類似物質を配合した実施例1は(B)成分との配合により、べたつき、ぬるつきの面での使用感が良好であった。
【0116】
[試験例2-1]
下記の表5に示す処方の組成物を常法により調製した。
調合した組成物について、上述の試験例1-1~1-6の試験条件に従って、同様製造直後の透明性、安定性(外観(透明性)、着色、pH)、使用感に関して評価を行った。結果を表4に示した。
【表5】
【0117】
表5の結果より、実施例4について、いずれの評価項目においても、良好な結果が得られた。
【0118】
[製剤例]
以下の表6~31の処方に基づいて、本発明の皮膚外用組成物(製剤例1~26)を調製した。
【0119】
(製剤例1 化粧水1)
【表6】
【0120】
(製剤例2 化粧水2)
【表7】
【0121】
(製剤例3 化粧水3)
【表8】
【0122】
(製剤例4 化粧水4)
【表9】
【0123】
(製剤例5 含浸シ-トマスク)
【表10】
【0124】
(製剤例6 ミストスプレ-)
【表11】
【0125】
(製剤例7 pH6 O/Wロ-ション)
【表12】
【0126】
(製剤例8 pH6.5 O/Wロ-ション)
【表13】
【0127】
(製剤例9 pH6.3 O/Wハンドロ-ション)
【表14】
【0128】
(製剤例10 pH6.3 オ-ルインワンジェル)
【表15】
【0129】
(製剤例11 pH6.5 日焼け止めジェルロ-ション)
【表16】
【0130】
(製剤例12 美容液)
【表17】
【0131】
いずれの製剤例においても、べたつきなく使用感に優れた良好な組成物であった。