(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024091986
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】制御装置、照射装置、測定装置、制御方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 17/87 20200101AFI20240628BHJP
【FI】
G01S17/87
【審査請求】有
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024073584
(22)【出願日】2024-04-30
(62)【分割の表示】P 2023001511の分割
【原出願日】2019-03-20
(31)【優先権主張番号】P 2018059344
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】松田 武浩
(72)【発明者】
【氏名】前原 敏夫
(57)【要約】
【課題】電磁波の照射方向を変化させる複数の機構を互いに近い条件で動作させることが一例として挙げられる。
【解決手段】制御装置(10)は、制御部(100)を備える。制御部(100)は、電磁波を照射する複数の照射装置(20)を制御する。制御部(100)は、複数の照射装置(20)における電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、複数の照射装置における電磁波の照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力する。複数の第1周期信号の周期は互いに同じである。照射方向が第1方向へ一周期移動される間の、照射方向の第2方向への移動の実効繰り返し数は、複数の照射装置で同じである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記照射装置から前記電磁波は照射されない制御装置。
【請求項2】
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記照射装置は、前記照射装置から照射された前記電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれ、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記測定装置では測定が行われない制御装置。
【請求項3】
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記複数の照射装置は、第1の前記照射装置と、前記第1の前記照射装置よりも前記第2周期信号の周期が長い第2の前記照射装置とを含み、
前記第1の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅は、前記第2の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅よりも大きい制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の制御装置において、
前記第1の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅をAA1、前記第2周期信号の周波数をf1とし、前記第2の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅をAA2、前記第2周期信号の周波数をf2としたとき、AA1=(f1/f2)×AA2が成り立つ制御装置。
【請求項5】
電磁波を照射する複数の測定装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記複数の測定装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の測定装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の測定装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の測定装置間で1未満である制御装置。
【請求項6】
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記制御部は、前記第1周期信号の各周期における基準点に対する前記第2周期信号の実効的な走査が行われる期間の中心点が前記複数の照射装置間で同じとなるように、前記複数の照射装置それぞれについて前記期間の開始位置を設定する、制御装置。
【請求項7】
請求項2~5のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記照射装置又は前記測定装置から前記電磁波は照射されない制御装置。
【請求項8】
請求項1,3,4のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記照射装置は、前記照射装置から照射された前記電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれ、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記測定装置では測定が行われない制御装置。
【請求項9】
請求項1、2、及び6のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記複数の照射装置は、第1の前記照射装置と、前記第1の前記照射装置よりも前記第2周期信号の周期が長い第2の前記照射装置とを含み、
前記第1の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅は、前記第2の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅よりも大きい制御装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の制御装置において、
前記基準点は、前記第1周期信号の各周期の時間の中心点である制御装置。
【請求項11】
電磁波を照射する複数の照射部と、
前記複数の照射部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の照射部における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射部における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射部で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射部間で1未満であり、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記照射部から前記電磁波は照射されない照射装置。
【請求項12】
電磁波を照射する複数の照射部と、
前記複数の照射部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の照射部における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射部における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射部で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射部間で1未満であり、
前記照射部は、前記照射部から照射された前記電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれ、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記測定装置では測定が行われない照射装置。
【請求項13】
電磁波を照射する複数の照射部と、
前記複数の照射部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の照射部における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射部における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射部で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射部間で1未満であり、
前記複数の照射部は、第1の前記照射部と、前記第1の前記照射部よりも前記第2周期信号の周期が長い第2の前記照射部とを含み、
前記第1の前記照射部の前記第1周期信号の振幅は、前記第2の前記照射部の前記第1周期信号の振幅よりも大きい照射装置。
【請求項14】
電磁波を照射する複数の照射部と、
前記複数の照射部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の照射部における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射部における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射部で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射部間で1未満である測定装置。
【請求項15】
電磁波を照射する複数の照射部と、
前記複数の照射部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の照射部における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射部における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記制御部は、前記第1周期信号の各周期における基準点に対する前記第2周期信号の実効的な走査が行われる期間の中心点が前記複数の照射部間で同じとなるように、前記複数の照射部それぞれについて前記期間の開始位置を設定する、照射装置。
【請求項16】
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御ステップを含み、
前記制御ステップでは、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御ステップでは、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記照射装置から前記電磁波は照射されない制御方法。
【請求項17】
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御ステップを含み、
前記制御ステップでは、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御ステップでは、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記照射装置は、前記照射装置から照射された前記電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれ、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記測定装置では測定が行われない制御方法。
【請求項18】
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御ステップを含み、
前記制御ステップでは、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御ステップでは、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記複数の照射装置は、第1の前記照射装置と、前記第1の前記照射装置よりも前記第2周期信号の周期が長い第2の前記照射装置とを含み、
前記第1の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅は、前記第2の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅よりも大きい制御方法。
【請求項19】
電磁波を照射する複数の測定装置を制御する制御ステップを含み、
前記制御ステップでは、前記複数の測定装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の測定装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御ステップでは、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の測定装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の測定装置間で1未満である制御方法。
【請求項20】
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御ステップを含み、
前記制御ステップでは、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御ステップでは、
前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記第1周期信号の各周期における基準点に対する前記第2周期信号の実効的な走査が行われる期間の中心点が前記複数の照射装置間で同じとなるように、前記複数の照射装置それぞれについて前記期間の開始位置を設定する、制御方法。
【請求項21】
制御装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御手段として機能させ、
前記制御手段は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御手段は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記照射装置から前記電磁波を照射させないコンピュータプログラム。
【請求項22】
制御装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御手段として機能させ、
前記制御手段は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御手段は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記照射装置は、前記照射装置から照射された前記電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれ、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記測定装置では測定が行われないコンピュータプログラム。
【請求項23】
制御装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御手段として機能させ、
前記制御手段は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御手段は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記複数の照射装置は、第1の前記照射装置と、前記第1の前記照射装置よりも前記第2周期信号の周期が長い第2の前記照射装置とを含み、
前記第1の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅は、前記第2の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅よりも大きいコンピュータプログラム。
【請求項24】
制御装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
電磁波を照射する複数の測定装置を制御する制御手段として機能させ、
前記制御手段は、前記複数の測定装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の測定装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御手段は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の測定装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の測定装置間で1未満であるコンピュータプログラム。
【請求項25】
制御装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御手段として機能させ、
前記制御手段は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御手段は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記第1周期信号の各周期における時間基準点に対する前記第2周期信号の実効的な走査が行われる期間の中心点が前記複数の照射装置間で同じとなるように、前記複数の照射装置それぞれについて前記期間の開始位置を設定する、コンピュータプログラム。
【請求項26】
請求項6に記載の制御装置において、
前記第2周期信号の実効的な走査が行われる前記期間以外の期間において、前記照射装置から前記電磁波は照射されない制御装置。
【請求項27】
請求項6に記載の制御装置において、
前記照射装置は、前記照射装置から照射された前記電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれ、
前記第2周期信号の実効的な走査が行われる前記期間以外の期間において、前記測定装置では測定が行われない制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査装置を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電磁波を用いて測定等を行うにあたり、電磁波の照射方向を変化させる機構を複数組み合わせて用いることがある。この場合、複数の電磁波による測定結果等の融合や並列処理を効率的に行うために、複数の機構の動きが所望の関係性や同期性をもつよう制御する必要がある。
【0003】
特許文献1には、複数の光走査ユニットの走査ミラーの反射面を同期させて、記録媒体上にレーザ光を同時に走査させることが記載されている。特許文献1では、全ての光走査ユニットの駆動するモータを、一定の回転数で回転させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の方法は、全ての光走査ユニットを同じ回転数で回転させる必要があるため、個々の機構の構造等に依存して回転速度や動作周波数が決定されるような場合に適用することができなかった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題としては、電磁波の照射方向を変化させる複数の機構を互いに近い条件で動作させることが一例として挙げられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
・本開示に係る第1の発明は、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記照射装置から前記電磁波は照射されない制御装置である。
・本開示に係る第2の発明は、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記照射装置は、前記照射装置から照射された前記電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれ、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記測定装置では測定が行われない制御装置である。
・本開示に係る第3の発明は、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記複数の照射装置は、第1の前記照射装置と、前記第1の前記照射装置よりも前記第2周期信号の周期が長い第2の前記照射装置とを含み、
前記第1の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅は、前記第2の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅よりも大きい制御装置である。
・本開示に係る第4の発明は、
電磁波を照射する複数の測定装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記複数の測定装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の測定装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の測定装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の測定装置間で1未満である制御装置である。
・本開示に係る第5の発明は、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記制御部は、前記第1周期信号の各周期における基準点に対する前記第2周期信号の実効的な走査が行われる期間の中心点が前記複数の照射装置間で同じとなるように、前記複数の照射装置それぞれについて前記期間の開始位置を設定する、制御装置である。
【0008】
・本開示に係る第6の発明は、
電磁波を照射する複数の照射部と、
前記複数の照射部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の照射部における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射部における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射部で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射部間で1未満であり、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記照射部から前記電磁波は照射されない照射装置である。
・本開示に係る第7の発明は、
電磁波を照射する複数の照射部と、
前記複数の照射部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の照射部における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射部における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射部で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射部間で1未満であり、
前記照射部は、前記照射部から照射された前記電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれ、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記測定装置では測定が行われない照射装置である。
・本開示に係る第8の発明は、
電磁波を照射する複数の照射部と、
前記複数の照射部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の照射部における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射部における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射部で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射部間で1未満であり、
前記複数の照射部は、第1の前記照射部と、前記第1の前記照射部よりも前記第2周期信号の周期が長い第2の前記照射部とを含み、
前記第1の前記照射部の前記第1周期信号の振幅は、前記第2の前記照射部の前記第1周期信号の振幅よりも大きい照射装置である。
・本開示に係る第9の発明は、
電磁波を照射する複数の照射部と、
前記複数の照射部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の照射部における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射部における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射部で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射部間で1未満である測定装置である。
・本開示に係る第10の発明は、
電磁波を照射する複数の照射部と、
前記複数の照射部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の照射部における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射部における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記制御部は、前記第1周期信号の各周期における基準点に対する前記第2周期信号の実効的な走査が行われる期間の中心点が前記複数の照射部間で同じとなるように、前記複数の照射部それぞれについて前記期間の開始位置を設定する、照射装置である。
【0009】
・本開示に係る第11の発明は、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御ステップを含み、
前記制御ステップでは、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御ステップでは、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記照射装置から前記電磁波は照射されない制御方法である。
・本開示に係る第12の発明は、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御ステップを含み、
前記制御ステップでは、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御ステップでは、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記照射装置は、前記照射装置から照射された前記電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれ、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記測定装置では測定が行われない制御方法である。
・本開示に係る第13の発明は、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御ステップを含み、
前記制御ステップでは、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御ステップでは、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記複数の照射装置は、第1の前記照射装置と、前記第1の前記照射装置よりも前記第2周期信号の周期が長い第2の前記照射装置とを含み、
前記第1の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅は、前記第2の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅よりも大きい制御方法である。
・本開示に係る第14の発明は、
電磁波を照射する複数の測定装置を制御する制御ステップを含み、
前記制御ステップでは、前記複数の測定装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の測定装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御ステップでは、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の測定装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の測定装置間で1未満である制御方法である。
・本開示に係る第15の発明は、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御ステップを含み、
前記制御ステップでは、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御ステップでは、
前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記第1周期信号の各周期における基準点に対する前記第2周期信号の実効的な走査が行われる期間の中心点が前記複数の照射装置間で同じとなるように、前記複数の照射装置それぞれについて前記期間の開始位置を設定する、制御方法である。
【0010】
・本開示に係る第16の発明は、
制御装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御手段として機能させ、
前記制御手段は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御手段は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記照射装置から前記電磁波を照射させないコンピュータプログラムである。
・本開示に係る第17の発明は、
制御装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御手段として機能させ、
前記制御手段は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御手段は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記照射装置は、前記照射装置から照射された前記電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれ、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記測定装置では測定が行われないコンピュータプログラムである。
・本開示に係る第18の発明は、
制御装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御手段として機能させ、
前記制御手段は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御手段は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であり、
前記複数の照射装置は、第1の前記照射装置と、前記第1の前記照射装置よりも前記第2周期信号の周期が長い第2の前記照射装置とを含み、
前記第1の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅は、前記第2の前記照射装置の前記第1周期信号の振幅よりも大きいコンピュータプログラムである。
・本開示に係る第19の発明は、
制御装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
電磁波を照射する複数の測定装置を制御する制御手段として機能させ、
前記制御手段は、前記複数の測定装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の測定装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御手段は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の測定装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の測定装置間で1未満であるコンピュータプログラムである。
・本開示に係る第20の発明は、
制御装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御手段として機能させ、
前記制御手段は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記複数の第2周期信号の周期は、前記複数の第2周期信号の少なくとも一部で互いに異なっており、
前記制御手段は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記第1周期信号の各周期における時間基準点に対する前記第2周期信号の実効的な走査が行われる期間の中心点が前記複数の照射装置間で同じとなるように、前記複数の照射装置それぞれについて前記期間の開始位置を設定する、コンピュータプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0012】
【
図1】実施形態に係る制御装置の機能構成を例示するブロック図である。
【
図2】照射装置において、電磁波の照射方向を変更する可動反射部の構造を例示する図である。
【
図3】実施形態に係る第1の照射装置の第1周期信号、第1の照射装置の第2周期信号、第2の照射装置の第1周期信号、および第2の照射装置の第2周期信号の関係を例示する図である。
【
図4】照射装置における、第1周期信号一周期あたりの電磁波の照射方向の変化を例示する図である。
【
図5】(a)から(c)は、移動の繰り返し単位について説明するための図である。
【
図6】実施形態に係る制御方法を例示するフローチャートである。
【
図7】実施例1に係る制御装置の機能構成を例示するブロック図である。
【
図8】制御装置のハードウエア構成を例示する図である。
【
図9】
図13に例示された信号によるフレーム領域を例示する図である。
【
図10】
図3に例示された信号によるフレーム領域を例示する図である。
【
図11】時間T
act_realについて説明するための図である。
【
図12】実施例2に係る第1の照射装置の第1周期信号、第1の照射装置の第2周期信号、第2の照射装置の第1周期信号、および第2の照射装置の第2周期信号の関係を例示する図である。
【
図13】実施例3に係る第1の照射装置の第1周期信号、第1の照射装置の第2周期信号、第2の照射装置の第1周期信号、および第2の照射装置の第2周期信号の関係を例示する図である。
【
図14】実施例4に係る照射装置の機能構成を例示するブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、特に説明する場合を除き、各ブロック図において、各ブロックは、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表している。
【0014】
図1は、実施形態に係る制御装置10の機能構成を例示するブロック図である。制御装置10は、制御部100を備える。制御部100は、電磁波を照射する複数の照射装置20を制御する。制御部100は、複数の照射装置20における電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、複数の照射装置20における電磁波の照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力する。複数の第1周期信号の周期は互いに同じである。制御部100は、第1周期信号を一周期分出力する間に、第2周期信号を複数の周期分出力する。照射方向が第1方向へ一周期移動される間の、照射方向の第2方向への移動の実効繰り返し数は、複数の照射装置20で同じである。そして、第1周期信号の各周期における、基準点より前の、第2周期信号の実効繰り返し数の差が、複数の照射装置間で1未満である。以下で詳しく説明する。
【0015】
各照射装置20はたとえば電磁波で測定を行う測定装置30を構成する。測定装置30はたとえばライダー(LIDAR:Laser Imaging Detection and Ranging, Laser Illuminated Detection and Ranging またはLiDAR:Light Detection and Ranging)である。照射装置20がライダーを構成する場合、照射装置20はパルス状の電磁波を出力し、対象物で反射された反射波を受信する。そして、パルスの出力タイミングと反射波の受信タイミングとの差を用いて、測定装置30から対象物までの距離が算出される。電磁波はたとえば紫外線、可視光線、近赤外線等の光である。ただし、照射装置20は測定装置30を構成するものに限定されない。
【0016】
制御装置10では、制御部100の制御により電磁波の照射方向が変更される。そして、複数の照射方向に対して順にパルス波が出力され、照射方向毎に測定が行われる。たとえば測定装置30は車両等の移動体に複数搭載される。移動体の周囲の状況を効率的に測定し、処理するために、複数の測定装置30には、互いに近い範囲を、互いに近い時刻に測定することが望まれる。
【0017】
図2は、照射装置20において、電磁波の照射方向を変更する可動反射部220の構造を例示する図である。可動反射部220は、電磁波を反射する反射面を有する。反射面には照射装置20に備えられた照射素子から出力された電磁波が入射し、反射される。可動反射部220の反射面は、第1の軸221および第2の軸222をそれぞれ基準として角度が可変に構成されている。そして、可動反射部220の反射面の角度が変化することで、反射された電磁波の照射方向が変化する。本図の例において、具体的には、可動反射部220の反射面が第1の軸221を基準に揺動することで、電磁波の照射方向は、第1方向に往復移動する。また、可動反射部220の反射面が第2の軸222を基準に揺動することで、電磁波の照射方向は、第2方向に往復移動する。以下、各図中において、第1方向をy方向、第2方向をx方向で例示する。なお、電磁波の照射方向がある方向に移動するとは、すなわち、電磁波のスポットがある方向に移動することである。
【0018】
本実施形態において、第1周期信号は可動反射部220の第1の軸221を基準とした駆動を制御する信号である。そして、第1周期信号の値が第1の軸221を軸とした可動反射部220の反射面の回転角度に対応する。その結果として、電磁波の照射方向のy方向の位置は、第1周期信号の値にほぼ対応する。複数の照射装置20に対する第1周期信号の周期は互いに同じにすることができる。
【0019】
可動反射部220は、たとえばMEMSミラーである。可動反射部220の少なくとも一軸に対する駆動周波数はたとえば可動反射部220の構造に依存した共振周波数とする。本実施形態において、第2の軸222に対する可動反射部220の駆動周波数は、共振周波数とする。そして、第2周期信号は可動反射部220の第2の軸222を基準とした駆動を制御する信号である。第2周期信号の周期が、第2の軸222を軸とした可動反射部220の反射面の揺動の周期に対応する。その結果として、電磁波の照射方向は、第2周期信号の周期でx方向に往復移動する。
【0020】
可動反射部220の少なくとも一軸に対する駆動周波数を、その駆動の共振周波数とすることで、高速で、大きな振幅の駆動を実現できる。一方、複数の照射装置20における可動反射部220の共振周波数は、互いにわずかな構造や機械的特性の違いにより異なり得る。したがって、複数の照射装置20の共振による駆動周波数を全く同じにすることは難しい。その結果、複数の照射装置20に対しては、互いに周期が異なる第2周期信号を用いることとなる。ただし、可動反射部220の共振周波数が同じである場合には、互いに同じ周期の第2周期信号を二以上の照射装置20に対して用いても良い。
【0021】
図3は、本実施形態に係る第1の照射装置20の第1周期信号、第1の照射装置20の第2周期信号、第2の照射装置20の第1周期信号、および第2の照射装置20の第2周期信号の関係を例示するタイミングチャートである。複数の照射装置20は、第1の照射装置20および第2の照射装置20を含む。第2の照射装置20の第2周期信号の周期は、第1の照射装置20の第2周期信号の周期より長い。一方、上述の通り、第1周期信号の周期は第1の照射装置20と第2の照射装置20とで同じである。なお、複数の照射装置20は2台であってもよいし、3台以上であってもよい。
【0022】
本図の例において、第1周期信号はのこぎり波であり、第2周期信号は正弦波である。なお、第1周期信号および第2周期信号の形は本図の例に限定されない。たとえば第1周期信号は正弦波であっても良い。その場合、電磁波の照射方向はリサージュを描くように移動する。制御部100は、第1周期信号および第2周期信号を照射装置20に対して一組ずつ、連続して出力する。本図では、第2周期信号の内、実効繰り返し数に数えられる移動の時間内が実線で、実効繰り返し数に数えられる移動の時間外が点線で示されている。実効繰り返し数については詳しく後述する。
【0023】
図4は、照射装置20における、第1周期信号一周期あたりの電磁波の照射方向の変化を例示する図である。制御された照射方向の範囲によりフレームが定められ、そのフレーム内の領域(以下、「フレーム領域」と呼ぶ。)について、周囲の状況を示したフレームデータが、測定装置30の測定データに基づき生成される。
【0024】
上記した通り、制御部100は、第1周期信号を一周期分出力する間に、第2周期信号を複数の周期分出力する。したがって、電磁波の照射方向は、y方向に一周期分移動する間にx方向に複数周期分往復移動する。その結果、ひとつのフレーム領域中を複数のラインで走査するように照射方向が移動する。そして、第1周期信号が複数周期分出力されることで、フレーム領域が繰り返し走査されるように照射方向が移動する。測定装置30では、フレーム領域を一度走査するように電磁波の照射方向が移動される毎に、フレームデータが生成される。フレームデータでは、フレーム領域内で測定された対象物との距離が、照射方向に対応づけて示されている。たとえば、フレームデータは、照射方向の第2方向への変化により描かれる複数のライン上の測定データにより構成される。
【0025】
仮に複数の照射装置20の第2周期信号の周期が同じ場合、第1周期信号の一周期の間に出力される第2周期信号の周期の数は同じとなる。しかし、上記したように、第2周期信号の周期が照射装置20毎に異なる場合、第1周期信号の一周期の間に含まれる第2周期信号の周期の数は複数の照射装置20で互いに異なり、周期が長いほど第1周期信号の一周期あたりの第2周期信号の周期の数は少なくなる。その結果として、複数の照射装置20で得られたフレームデータを処理する際に、フレーム中のラインの数が互いに異なってしまうと、各照射装置20に対して処理条件を変更する必要があり、フレームデータを効率的に処理することができない。したがって、フレームを実質的に構成するラインの数は、複数の照射装置20で互いに同じであることが求められる。
【0026】
フレームを実質的に構成するラインの数を、複数の照射装置20で互いに同じにするための方法としてはたとえば、第1周期信号の周期を、第2周期信号の周期が長い照射装置20ほど長くする方法が挙げられる。すなわち、第2周期信号の周期に、フレーム中のラインの数を乗じて得られた時間を、第1周期信号の周期とすることが考えられる。しかし、この方法では、一フレームのデータを取得するのにかかる時間が照射装置20毎に異なってしまい、生成するフレームの数が増えるほど、照射装置20同士の動作タイミングのズレが大きくなってしまう。
【0027】
一方、本実施形態に係る制御装置10では、第1周期信号の周期が複数の照射装置20に対して同じである。したがって、互いにほぼ同じタイミングで、複数のフレームデータを取得することができる。なお、複数の照射装置20に対する第1周期信号は同期している。
【0028】
また、本実施形態に係る制御装置10によれば、照射方向が第1方向へ一周期移動される間の、照射方向の第2方向への移動の実効繰り返し数は、複数の照射装置20で同じである。実効繰り返し数とは、主にフレームデータの生成に寄与する移動の繰り返し単位の数である。実効繰り返し数と一フレームあたりのライン数は比例している。したがって、各フレームに含まれるラインの数を複数の照射装置20で互いに一致させることができる。繰り返し数および繰り返し単位については後に詳述する。
【0029】
第1周期信号の各周期には、実効的な測定が行われる時間と行われない時間が存在しうる。実効的な測定とは、フレームデータの生成に用いられる測定データが取得される測定である。
【0030】
図3において、第1の照射装置20の第2周期信号に示した白丸から黒丸までの間が、実効繰り返し数に数えられる移動の時間T1である。また、第2の照射装置20の第2周期信号に示した白丸から黒丸までの間が、実効繰り返し数に数えられる移動の時間T2である。本図の例では、各照射装置20において、第1周期信号の一周期の冒頭近傍および末尾近傍の少なくとも一方には、第2周期信号における実効繰り返し数に数えられない移動の時間Toがある。
【0031】
時間Toにおいて、実効的な測定は行われない。また、実効繰り返し数に数えられる移動の時間内においても、実効的な測定が行われない時間があってもよい。
【0032】
実効的な測定が行われない時間における照射装置20および測定装置30の動作例としては、以下の第1動作例および第2動作例が挙げられる。ただし、以下の例に限定されない。また、実効的な測定が行われない時間における照射装置20および測定装置30の動作は、その時々により異なっていてもよい。
【0033】
第1動作例では、実効的な測定が行われない時間において、照射装置20から電磁波は照射されない。すなわち、照射装置20の可動反射部220が駆動されていても、照射装置20の照射素子から電磁波が出力されない。
【0034】
第2動作例では、照射装置20は、照射装置20から照射された電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置30に含まれる。そして、実効的な測定が行われない時間において、測定装置30では測定が行われない。すなわち、実効的な測定が行われない時間において、照射装置20から電磁波が照射されても、測定装置30ではその電磁波の反射波に基づく測定値の算出が行われない。または、算出が行われても、実効的な測定が行われない時間に照射された電磁波の反射波に基づく測定値が、フレームデータの生成に用いられない。
【0035】
一方、実効的な測定が行われる時間では、制御部100により照射方向が制御された電磁波が照射装置20から出力される。より詳しくは、パルスが照射方向を変えながら予め定められた間隔で連続して出力される。そして、その電磁波の反射波に基づく測定値が算出され、フレームの生成に用いられる。
【0036】
図5(a)から
図5(c)は、移動の繰り返し単位について説明するための図である。
図5(a)から
図5(c)では、第2周期信号の時間波形が実線と点線で示されており、実線の部分では、測定装置30において、実効的な測定が行われる。一方、点線の部分では、測定装置30において、実効的な測定が行われない。また、
図5(a)から
図5(c)では、第2方向への移動の各繰り返し単位の始点と終点が白丸で示されている。これらの図中、各矢印は各繰り返し単位の範囲を示している。また、これらの図中繰り返し単位に含まれない時間帯は、実効繰り返し数に数えられない移動の時間Toである。
【0037】
図5(a)の例では、実効繰り返し数に数えられる移動の時間内において、第2方向への第2周期信号一周期分の移動のうち、半周期分でのみ実効的な測定が行われ、残りの半周期分では実効的な測定が行われない。このような一周期分を一つの繰り返し単位と呼ぶことができる。すなわち、繰り返し単位には、実効的な測定が行われない時間内の移動が含まれてもよい。半周期分での測定データによって、フレームデータにおける1ラインが構成される。本例において、繰り返し単位は第2周期信号の一周期分、すなわち位相2πラジアン分に一致する。
【0038】
図5(b)の例では、第2方向への一周期分の往復移動によって、フレームデータにおける2ラインが構成される。具体的には、往路と復路のそれぞれで実効的な測定が行われる。この様な場合は、同じx座標の範囲を逆方向に繰り返しなぞることになり、半周期分、すなわち位相πラジアン分を一つの繰り返し単位と呼ぶことができる。すなわち、連続する繰り返し単位において、移動の方向は反転していてもよい。本例において、繰り返し単位には、実効的な測定が行われない時間が含まれない。
【0039】
図5(c)の例では、実効的な測定の始点が第2周期信号のピークからずれている。したがって、繰り返し単位の始点が第2周期信号のピークからずれている。このように、繰り返し単位の始点における第2周期信号の位相状態は特に限定されない。また、繰り返し単位の始点における第2周期信号の位相状態は、第1周期信号の周期ごとに異なっていてもよい。また、繰り返し単位の始点における第2周期信号の位相状態は、複数の照射装置20間で互いに異なっていてもよい。本例では、繰り返し単位は第2周期信号の一周期分、すなわち位相2πラジアン分に一致する。第2周期信号の一周期分の実効的な測定により、第2周期信号の振幅に相当する範囲がくまなく走査される。
【0040】
なお、第2周期信号と繰り返し単位の例は
図5(a)から
図5(b)に示した例に限定されない。たとえば、一の繰り返し単位において実効的な測定が行われる時間は、πラジアン分より短くてもよい。また、一の繰り返し単位において実効的な測定が行われる時間は、複数に分断されていてもよい。ただし、第1周期信号の各周期において、すなわち、各フレームデータの取得において、繰り返し単位は連続して発生する。
【0041】
繰り返し単位は、第1周期信号の各周期において、上記のような条件で定義可能な最小の繰り返し単位である。繰り返し単位の長さは特に限定されないが、たとえば第2周期信号の位相でπラジアン分以上2πラジアン分以下である。実効繰り返し数は、連続する繰り返し単位の数であり、第1周期信号の各周期において、実効繰り返し数は整数である。第1周期信号の各周期において、第2周期信号の実効繰り返し数に数えられる移動の時間の始点(
図3の白丸)は、その周期で生成されるフレームデータの測定データを得るための、最初の照射タイミングである。また、第1周期信号の各周期において、第2周期信号の実効繰り返し数に数えられる移動の時間の終点(
図3の黒丸)は、その周期で生成されるフレームデータの測定データを得るための、最後の照射タイミングを含む繰り返し単位の終点である。
【0042】
また、本実施形態に係る制御装置10によれば、第1周期信号の各周期における、基準点より前の、第2周期信号の実効繰り返し数の差が、複数の照射装置間で1未満である。したがって、複数の照射装置20は互いに近いタイミングで一のフレーム領域の走査を開始および終了することができる。そして、複数の測定装置30では互いに近いタイミングでフレームデータを生成できる。なお、第1周期信号の各周期における、基準点より前の、第2周期信号の実効繰り返し数は、整数とは限らない。
【0043】
複数の照射装置20を用いた測定で、どの照射装置20からも近いタイミングでフレームデータが生成されることで、全てのフレームデータを並行して処理することができる。具体的にはたとえば、移動体に複数の測定装置30が搭載され、各測定装置30が互いに異なる向きに取り付けられている場合、複数の測定装置30の測定結果を融合させて、ある時刻の移動体の周囲の状態を示すデータを生成することができる。また、移動体の駆動に対し、複数の測定装置30の測定結果に基づいた自動運転等がなされているような場合、自動運転に必要な処理のタイミングを測定装置30毎に変える必要がない。なお、生成されたフレームデータを用いる、その後の処理の開始は、第1周期信号のそのフレームデータを生成した周期の終了後でもよいし、終了前でもよい。たとえば、フレームデータが生成され次第、その後の処理が行われても良い。
【0044】
なお、本実施形態において、第1周期信号の周期は、各照射装置20の第2周期信号の周期の整数倍とはなっていなくてもよい。この場合、各照射装置20の第2周期信号の、第1周期信号のある周期の基準点における位相は、第1周期信号のその次の周期の基準点における位相と異なる。第1周期信号の基準点は特に限定されないが、たとえば第1周期信号の始点、たとえば最大値をとる時点から、一の繰り返し単位の時間以上経過した時点であり、たとえば第1周期信号の各周期の時間の中心点である。
【0045】
第1の照射装置の第1周期信号と、第1の照射装置の第2周期信号と、第2の照射装置の第1周期信号と、第2の照射装置の第2周期信号との関係、および、制御部100の処理内容については、後述する各実施例でさらに詳しく説明する。
【0046】
図6は、実施形態に係る制御方法を例示するフローチャートである。本方法は、電磁波を照射する複数の照射装置20を制御する制御ステップS100を含む。制御ステップS100では、複数の照射装置20における電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、複数の照射装置20における電磁波の照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とが出力される。複数の第1周期信号の周期は互いに同じである。制御ステップS100では、第1周期信号を一周期分出力する間に、第2周期信号が複数の周期分出力される。照射方向が第1方向へ一周期移動される間の、照射方向の第2方向への移動の実効繰り返し数は、複数の照射装置で同じである。そして、第1周期信号の各周期における、基準点より前の、第2周期信号の実効繰り返し数の差が、複数の照射装置間で1未満である。
【0047】
本実施形態に係る制御方法は、上記したような制御装置10により実現される。
【0048】
以上、本実施形態によれば、第1周期信号の各周期における、基準点より前の、第2周期信号の実効繰り返し数の差が、複数の照射装置間で1未満である。したがって、複数の照射装置20が互いに近いタイミングで一の領域を走査するよう照射方向を変化させることにより、複数の照射装置20を互いに近い条件で動作させることができる。
【0049】
(実施例1)
図7は、実施例1に係る制御装置10の機能構成を例示するブロック図である。本図において、電気的な接続関係が実線で、電磁波による関連が破線で示されている。実施例1に係る制御装置10は、実施形態に係る制御装置10と同様の構成を有する。制御装置10の使用環境および動作について、以下に詳しく説明する。
【0050】
制御装置10は複数の照射装置20を制御する装置である。制御装置10は制御部100を備え、制御部100は、照射装置20を制御する制御信号を出力する。照射装置20は、照射素子210および可動反射部220を備える。照射素子210はたとえばレーザーダイオードである。実施形態で説明した通り、可動反射部220は照射素子210から出力された電磁波を反射する。可動反射部220は、電磁波の照射方向を二軸方向に変更可能に構成されている。可動反射部220の反射面の角度が制御装置10により制御されることで、照射装置20からの電磁波の照射方向が制御される。なお、制御部100と照射素子210との間にはさらに照射素子210の駆動回路等が介在していても良い。測定装置30は、照射装置20、受信部310、および算出部320を備える。受信部310は、照射装置20から出力され、測定装置30の外部にある対象物で反射された反射波を受信する。受信部310はたとえばフォトダイオードである。算出部320は、照射素子210からのパルス状の電磁波の出力タイミングと、受信部310による反射波の受信タイミングに基づき、測定装置30から対象物までの距離を算出する。算出部320はたとえば後述する
図8に示すような集積回路により実現される。
【0051】
制御部100の一部は測定装置30に含まれていてもよい。すなわち、制御部100の機能は測定装置30の外部の集積回路と内部の集積回路との協働により実現されてもよい。たとえば、第1周期信号は測定装置30の外部の集積回路から出力され、第2周期信号は、各測定装置30の内部にある集積回路から出力されてもよい。この場合、測定装置30の外部の集積回路からの第1周期信号は測定装置30の内部の集積回路に入力され、測定装置30の内部の集積回路が可動反射部220および照射素子210に対して制御信号を出力してもよい。
【0052】
また、制御部100は、複数の測定装置30の内部の集積回路の協働により実現されてもよい。その場合、たとえば、位置の測定装置30内に設けられた集積回路が他の測定装置30に対し、共通の第1周期信号を出力してもよい。
【0053】
また、制御部100は、測定装置30の外部の集積回路のみで構成されても良い。
【0054】
なお、
図7は、複数の照射装置20がそれぞれ一の測定装置30に含まれる例を示しているが、本例に限定されない。複数の照射装置20は、一の測定装置30に含まれてもよい。
【0055】
本実施例に係る第1の照射装置の第1周期信号、第1の照射装置の第2周期信号、第2の照射装置の第1周期信号、および第2の照射装置の第2周期信号は、
図3で例示される。
図3を参照して、第1の照射装置の第1周期信号、第1の照射装置の第2周期信号、第2の照射装置の第1周期信号、および第2の照射装置の第2周期信号の関係を詳しく説明する。
【0056】
第1周期信号は、照射装置20における電磁波の照射方向の第1方向への移動を制御する信号である。第1周期信号の周期は、複数の照射装置20に対して同一である。第1周期信号の振幅は、複数の照射装置20に対して同一であっても良いし、互いに異なっていても良い。第1周期信号一周期毎に、照射方向は第1方向へ一往復移動し、測定装置30では一のフレームデータが生成される。以下の説明では、便宜上、第1周期信号が最大値をとるタイミングを、第1周期信号の各周期の「始点」および「終点」と呼ぶ。ただし、第1周期信号の周期の始点および終点は特に限定されない。
【0057】
第2周期信号は、照射装置20における電磁波の照射方向の第2方向への移動を制御する信号である。第2周期信号の周期は、複数の照射装置20に対して同一ではない。すなわち、複数の照射装置20に対する複数の第2周期信号には、互いに周期が異なる二つ以上の第2周期信号が含まれる。複数の第2周期信号の振幅は特に限定されず、互いに同じであっても良いし、同じでなくても良い。以下の説明では、便宜上、第2周期信号が最大値をとるタイミングを、第2周期信号の各周期の「始点」および「終点」と呼ぶ。ただし、第2周期信号の周期の始点および終点は特に限定されない。
【0058】
図8は、制御装置10のハードウエア構成を例示する図である。本図において制御装置10は、集積回路40を用いて実装されている。集積回路40は、例えば SoC(System On Chip)である。
【0059】
集積回路40は、バス402、プロセッサ404、メモリ406、ストレージデバイス408、入出力インタフェース410、及びネットワークインタフェース412を有する。バス402は、プロセッサ404、メモリ406、ストレージデバイス408、入出力インタフェース410、及びネットワークインタフェース412が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ404などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。プロセッサ404は、マイクロプロセッサなどを用いて実現される演算処理装置である。メモリ406は、RAM(Random Access Memory)などを用いて実現されるメモリである。ストレージデバイス408は、ROM(Read Only Memory)やフラッシュメモリなどを用いて実現されるストレージデバイスである。
【0060】
入出力インタフェース410は、集積回路40を周辺デバイスと接続するためのインタフェースである。入出力インタフェース410にはたとえば複数の照射装置20の可動反射部220が接続されている。なお、複数の照射装置20において互いに振幅が等しい第1周期信号が用いられる場合、集積回路40からは第1周期信号が一つのみ出力され、集積回路40の外部で信号が分岐されて各照射装置20に入力されていても良い。
【0061】
ネットワークインタフェース412は、集積回路40を通信網に接続するためのインタフェースである。この通信網は、例えば CAN(Controller Area Network)通信網である。なお、ネットワークインタフェース412が通信網に接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0062】
ストレージデバイス408は、制御部100の機能を実現するためのプログラムモジュールをそれぞれ記憶している。プロセッサ404は、このプログラムモジュールをメモリ406に読み出して実行することで、制御部100の機能を実現する。
【0063】
集積回路40のハードウエア構成は本図に示した構成に限定されない。例えば、プログラムモジュールはメモリ406に格納されてもよい。この場合、集積回路40は、ストレージデバイス408を備えていなくてもよい。
【0064】
図3を参照し、第1の照射装置20の第1周期信号、第1の照射装置20の第2周期信号、第2の照射装置20の第1周期信号、および第2の照射装置20の第2周期信号の関係を詳しく説明する。
【0065】
本実施例では、実効繰り返し数に数えられる移動の時間が、第1周期信号の基準点に基づき定められている。具体的には、上記したように、第1周期信号の各周期における、基準点より前の、第2周期信号の実効繰り返し数の差が、複数の照射装置間で1未満であることにより、複数の照射装置20の第2周期信号の実効繰り返し数に数えられる移動の時間(タイミング)は、互いに近くなっている。基準点は、第1周期信号のすべての周期において同一である。また、基準点は、すべての照射装置20の第1周期信号において同一である。
【0066】
また本図の例では、第1周期信号の各周期において、第1周期信号の各周期の基準点より前の実効繰り返し数N1と、基準点より後の実効繰り返し数N2との差の大きさ|N1―N2|が、複数の照射装置20の全てにおいて予め定められた設定値Sにほぼ等しくなるよう定められている。具体的には、たとえば複数の照射装置20の全てにおいてS-1≦(N1―N2)≦S+1が成り立つ。
【0067】
本図では、基準点が第1周期信号の各周期の中心Tcであり、S=0である例を示している。すなわち第1周期信号の各周期において、第1周期信号の各周期の中心Tcより前の実効繰り返し数N1と、中心Tcより後の実効繰り返し数N2との差の大きさが、複数の照射装置20の全てにおいて1以下である。その結果、複数の照射装置20の第2周期信号の実効繰り返し数に数えられる移動の時間が、第1周期信号の各周期の中心Tcに寄っている。
【0068】
なお、基準点は中心に限らず、周期の前半にある点であっても良いし、後半にある点であっても良い。
【0069】
図9は、後の実施例3で説明する
図13に例示された信号によるフレーム領域60を例示する図である。
図13に例示された信号では、実効繰り返し数に数えられる部分が第1周期信号の前半に偏っている。また、
図10は、
図3に例示された信号によるフレーム領域60を例示する図である。
図9および
図10は、それぞれ第1周期信号一周期の間の照射方向の変化を示しており、各図の左側が第1の照射装置20のフレーム領域60、右側が第2の照射装置20のフレーム領域である。また、
図9および
図10において、実効繰り返し数に数えられる部分が実線で、実効繰り返し数に数えられない部分が点線で示されている。実行繰り返し数に数えられる移動で走査される範囲がフレーム領域60である。
【0070】
図9の例では、フレーム領域60が図中の上側に寄っているのに対し、
図10の例では、フレーム領域60が図中の中心に寄っている。その結果、第1の照射装置20のフレーム領域60の中心と、第2の照射装置20のフレーム領域60の中心とのy方向のズレ幅Δcが、
図10の例では
図9の例よりも小さくなっている。
【0071】
図3に例示された信号では、実効繰り返し数に数えられる移動の時間が、第1周期信号の基準点に基づき定められていることにより、複数の照射装置20のフレーム領域60を、y方向に互いに近づけることができる。また、各フレーム領域60を走査する時刻も複数の照射装置20で互いに近づけることができる。その結果、フレームデータの処理タイミングのバラツキを抑え、処理に要する時間とメモリ等のコストを抑えることができる。さらに、複数の照射装置20でほぼ同時刻の測定データが得られる。
【0072】
図3に戻り、本実施例に係る10では、複数の照射装置20の全てにおいて、第1周期信号の一周期の冒頭近傍および末尾近傍の両方に、第2周期信号における実効繰り返し数に数えられない移動の時間Toがある。
【0073】
本実施形態では、第1の照射装置20および第2の照射装置20において、たとえば以下のよう定義される時間Tact_realの冒頭および末尾の少なくとも一方に、時間Toがある。ここで時間Toは、時間Tact_realのうち、実効的な測定が行われない時間である。
【0074】
図11は、時間T
act_realについて説明するための図である。時間T
act_realは、第1周期信号が本図のようにのこぎり波である場合に、のこぎり波の各周期T
realに含まれる期間である。そして時間T
act_realは、第1周期信号による電磁波の照射方向の第1方向への駆動結果が線形を保つ期間である。具体的には時間T
act_realの始点は第1周期信号の各周期の最初の頂点を少し行きすぎた点であり、終点は、第1周期信号の次の周期の頂点の少し手前である。のこぎり波の頂点の周囲では、照射方向の駆動結果が乱れるのに対し、時間T
act_real内は良好な走査ができる期間である。第1周期信号の各周期において、時間T
act_real外の時間では実効的な測定が行われない。なお、周期T
realの時間中心と時間T
act_realの時間中心とは互いに一致する。各図中、第1周期信号の形状は周期の全体が時間T
act_realとなるよう単純化して描いている。
【0075】
図3において、第1の照射装置20の実効繰り返し数に数えられる移動の時間T1の始点を白丸で、終点を黒丸で示している。第2の照射装置20の実効繰り返し数に数えられる移動の時間T2についても同様である。以下の説明は時間T1を例として行うが、各照射装置20の実効繰り返し数に数えられる移動の時間について同様である。本実施例において、第1周期信号の各周期における時間T1の始点と終点は、基準点の前後の実効繰り返し数が予め定められた数に近くなるように決定される。時間T1の決定方法としては以下の第1例および第2例等が挙げられる。ただし、時間T1の決定方法はこれらの例に限定されない。
【0076】
時間T1の決定方法の第1例では、時間T1の始点および終点は、それぞれ第2周期信号のいずれかの周期の始点および終点に一致するようにする。具体的にはたとえば、第1周期信号の各周期の始点における第2周期信号の位相と、時間T1の始点および終点のタイミングとの関係を示す参照情報が予め制御装置10に備えられた記憶部120に保持されている。そして、制御部100は記憶部120から参照情報を読み出し、時間T1の始点および終点の決定に用いることができる。第1周期信号の各周期の始点における第2周期信号の位相と、実効繰り返し数に数えられる移動の時間の始点および終点のタイミングとの関係は、第1周期信号の周期、第2周期信号の周期、実効繰り返し数、および、基準点に基づいて予め算出できる。実効繰り返し数はたとえばユーザの入力等により、予め制御装置10に設定されている。なお、記憶部120は、測定装置30の内部に別途存在してもよい。
【0077】
時間T1の決定方法の第2例では、時間T1の始点および終点は、それぞれ第2周期信号のいずれかの周期の始点および終点に一致するとは限らない。具体的には、第1周期信号の各周期において、時間T1の始点および終点のタイミングが予め定められている。時間T1の始点および終点のタイミングは、たとえば基準点の前後について予め定められた実効繰り返し数に対応する時間に基づき定められる。各タイミングは、基準点前の実効繰り返し数、基準点後の実効繰り返し数、繰り返し単位あたりの時間、および、基準点に基づいて予め算出できる。
【0078】
たとえば制御部100は、第1周期信号の周期毎に、時間T1および時間T2を上記のように決定する。そして、制御部100は、時間T1および時間T2の始点および終点を示すタイミング信号をさらに出力し、照射装置20および測定装置30にそのタイミング信号が入力されても良い。その場合、照射装置20および測定装置30では、タイミング信号に基づいて電磁波の照射の有無またはフレームデータの生成が制御される。
【0079】
本実施例において、各照射装置20のフレーム領域60は、フレーム毎にy方向に揺らぐ。その揺らぎの幅は、繰り返し単位一つ分に相当する。具体的な揺らぎの幅は、第1方向への単位時間あたりの移動量に、繰り返し単位あたりの時間を乗じた大きさである。すなわち、第1周期信号の振幅が複数の照射装置20に対して同じである場合、揺らぎの幅は、第2周期信号の周期が長いほど大きくなる。
【0080】
また、第2周期信号の周期が最も長い照射装置20において、第1周期信号の各周期内の時間Toの合計は、繰り返し単位2つ分の時間より長いことが好ましい。そうすれば、実効繰り返し数の第2方向の移動を第1周期信号の一周期内に確実に収めることができる。すなわち、照射装置20において、実効繰り返し数の第2方向の移動が終了しないうちに次の第1周期信号の周期が始まってしまうようなことが避けられる。一方、第2周期信号の周期が最も長い照射装置20において、第1周期信号の各周期内の時間Toの合計は、繰り返し単位6つ分の時間より短いことが好ましく、5つ分の時間より短いことがより好ましく、3つ分の時間より短いことがさらに好ましい。そうすれば、実効的な測定に寄与しない時間を短くすることができる。
【0081】
以上、本実施例によれば、実施形態と同様、第1周期信号の各周期における、基準点より前の、第2周期信号の実効繰り返し数の差が、複数の照射装置間で1未満である。したがって、複数の照射装置20が互いに近いタイミングで一の領域を走査するよう照射方向を変化させることにより、複数の照射装置20を互いに近い条件で動作させることができる。
【0082】
(実施例2)
図12は、実施例2に係る第1の照射装置20の第1周期信号、第1の照射装置20の第2周期信号、第2の照射装置20の第1周期信号、および第2の照射装置20の第2周期信号の関係を例示する図である。本図では、第1周期信号一周期分が示されている。また、本図において、第2周期信号は時間T1の範囲内および時間T2の範囲内が実線で、時間T1の範囲外および時間T2の範囲外が点線で示されている。
【0083】
本実施例に係る制御装置10は、第1の照射装置20の第1周期信号の振幅が、第2の照射装置20の第1周期信号の振幅よりも大きい点を除いて、実施例1に係る制御装置10と同じである。
【0084】
第2周期信号の周期が短い照射装置20の第1周期信号の振幅を大きくすることにより、第1周期信号一周期あたりの第1方向(y方向)の移動量を、複数の照射装置20で揃えることができる。以下に具体的に説明する。
【0085】
本図では、第1の照射装置20の第1周期信号に重ねて、第2の照射装置20の第1周期信号と同じ振幅の信号を点線で示している。第1の照射装置20の時間T1内の第1周期信号の値の変化量をA1、第1周期信号の傾きをa1、時間T1の長さをt1とし、第2の照射装置20の時間T2内の第1周期信号の値の変化量をA2、第1周期信号の傾きをa2、時間T2の長さをt2とする。すると、A1=a1×t1およびA2=a2×t2が成り立つ。ここで、t1>t2であるため、a1=a2の場合(すなわち点線の場合)A1>A2である。A2=A1(すなわち実線の場合)とするためには、a1×t1=a2×t2である必要があり、ここでt1>t2であるため、a1<a2となるように振幅を調整すればよい。さらに、第1の照射装置20の第1周期信号の振幅をAA1とし、第2の照射装置20の第1周期信号の振幅をAA2とし、第1周期信号の周期をtとすると、AA1=t×a1およびAA2=t×a2が成り立つ。そして、a1<a2とするためにはAA1<AA2とすればよい。
【0086】
ここで、t1およびt2はそれぞれ、実効繰り返し数をNに繰り返し単位の長さを乗じた値であり、さらに、各繰り返し単位の長さは各照射装置20の第2周期信号の周期に比例する。また、a1およびa2はそれぞれ第1周期信号の振幅に比例する。
【0087】
以上より、A2=A1、すなわちa1×t1=a2×t2とするためには、第1周期信号の振幅に第2周期信号の周期を乗じた値が、複数の照射装置20において互いに同じであることが好ましい。言い換えると、第1の照射装置20の第1周期信号の振幅をAA1、第2周期信号の周波数をf1とし、第2の照射装置の第1周期信号の振幅をAA2、第2周期信号の周波数をf2としたとき、AA1=(f1/f2)×AA2が成り立つことが好ましい。
【0088】
以上、本実施例によれば、実施形態と同様、第1周期信号の各周期における、基準点より前の、第2周期信号の実効繰り返し数の差が、複数の照射装置間で1未満である。したがって、複数の照射装置20が互いに近いタイミングで一の領域を走査するよう照射方向を変化させることにより、複数の照射装置20を互いに近い条件で動作させることができる。
【0089】
くわえて、本実施例によれば、複数の照射装置20のうち、第1の照射装置20の第1周期信号の振幅が、第2の照射装置20の第1周期信号の振幅よりも大きい。したがって、複数の照射装置20から照射される電磁波の照射方向を第1方向に変化させる幅を、互いに近くすることができる。
【0090】
(実施例3)
図13は、実施例3に係る第1の照射装置20の第1周期信号、第1の照射装置20の第2周期信号、第2の照射装置20の第1周期信号、および第2の照射装置20の第2周期信号の関係を例示する図である。本実施例に係る制御装置10は、以下に説明する点を除いて実施例1および実施例2の少なくとも一方に係る制御装置10と同じである。
【0091】
本実施例において、第1周期信号の各周期における、基準点より前の、第2周期信号の実効繰り返し数の差は、複数の照射装置間で1未満である必要はない。また、本実施例において、第1の照射装置20は、複数の照射装置20のうち、第2周期信号の周期が最も短い照射装置20であり、第2の照射装置20は、複数の照射装置20のうち、第2周期信号の周期が最も長い照射装置20であるとする。
【0092】
本実施例では、第1の照射装置20および第2の照射装置20において、時間Tact_realの冒頭および末尾の少なくとも一方には、時間Toがある。したがって、時間Toを、各フレームの開始時近傍または終了時近傍の緩衝時間とすることができる。ここで時間Toは、時間Tact_realのうち、実効的な測定が行われない時間である。
【0093】
本実施例では、複数の照射装置20のうち、第2周期信号の周期が最も短い照射装置20において、第1周期信号の各時間Tact_realの冒頭および末尾の少なくとも一方には、第2周期信号における実効繰り返し数に数えられない移動の時間Toがある。したがって、複数の照射装置20は互いに同じ周期の第1周期信号の周期毎に、一のフレーム領域を走査するよう、照射方向を変化させることができる。そして、複数の測定装置30では互いに同じ時間毎、すなわち、第1周期信号の一周期毎に、フレームデータが生成される。
【0094】
なお、本実施例において、第1周期信号の周期は、第1の照射装置20の第2周期信号の周期の整数倍とはなっていない。したがって、第1の照射装置20の第2周期信号の、第1周期信号のある周期の基準点における位相は、第1周期信号のその次の周期の基準点における位相と異なる。
【0095】
第1の照射装置20の第2周期信号には、実効繰り返し数に数えられない移動に対応する周期が含まれる。また、本実施例において、第1の照射装置20の時間T1は、第1周期信号の各周期のうち前方に寄っている。すなわち、第1周期信号の各周期において、第1周期信号の各周期の中心Tcより前の実効繰り返し数n1が、中心Tcより後の実効繰り返し数n2よりも多い。そして、前半の時間の実効繰り返し数n1と後半の時間の実効繰り返し数n2との差は1を越えても良い。
【0096】
本図において、第1の照射装置20の時間T1の始点は白丸で、終点は黒丸で示されている。時間T1の始点は、第1周期信号の時間Tact_realの始点以降、最初に現れる第2周期信号の周期の始点である。そして、時間T1には、予め定められた数の繰り返し単位が含まれ、時間T1の終点は、時間T1に含まれる最後の繰り返し単位の終点である。時間T1に含まれる実効繰り返し数は、フレームデータのラインの数に等しくてもよい。実効繰り返し数はたとえばユーザの入力により、予め制御装置10に設定されている。
【0097】
本図の例において、第1周期信号の周期は第1の照射装置20の第2周期信号の周期の整数倍とはなっていない。そして、第1周期信号と第2周期信号ではそれぞれ各周期が連続的に連なっているため、第1周期信号の始点における第2周期信号の位相は、第1周期信号の周期毎に異なる。したがって、第1周期信号の各時間Tact_realの冒頭および末尾の各時間Toの長さは、第1周期信号の周期毎に変化する。
【0098】
たとえば制御部100は、第1周期信号の周期毎に、時間T1の始点および終点のタイミングを上記したように決定する。そして、制御部100は、時間T1の始点および終点を示すタイミング信号をさらに出力し、照射装置20および測定装置30にそのタイミング信号が入力されても良い。その場合、照射装置20および測定装置30では、タイミング信号に基づいて電磁波の照射の有無またはフレームデータの生成が制御される。
【0099】
本実施例において、第2の照射装置20の第2周期信号には、時間Toが含まれる。また、本実施例において、第2の照射装置20の第2周期信号の時間T2は、第1周期信号の各周期のうち前方に寄っている。すなわち、第1周期信号の各周期において、第1周期信号の各周期の中心Tcより前の実効繰り返し数n1が、中心Tcより後の時間の実効繰り返し数n2よりも多い。そして、前半の時間の実効繰り返し数n1と後半の時間の実効繰り返し数n2との差は1を越えても良い。
【0100】
本図において、第2の照射装置20の第2周期信号の時間T2の始点が白丸で、終点が黒丸で示されている。時間T2の始点は、第1周期信号の時間Tact_realの始点以降、最初に現れる第2周期信号の周期の始点である。そして、時間T2には、予め定められた数の繰り返し単位が含まれ、時間T2の終点は、時間T2に含まれる最後の繰り返し単位の終点である。時間T2に含まれる実効繰り返し数は、実施形態で説明したラインの数であってもよい。実効繰り返し数はたとえばユーザの入力により、予め制御装置10に設定されている。
【0101】
時間T2に含まれる第2の照射装置20の実効繰り返し数と、時間T1に含まれる第1の照射装置20の実効繰り返し数とは互いに同じである。そして、第2の照射装置20の第2周期信号の周期は、第1の照射装置20の第2周期信号の周期よりも長い。すなわち、第2の照射装置20の繰り返し単位の時間は、第1の照射装置20の繰り返し単位の時間よりも長い。したがって、時間T2は時間T1よりも長い。
【0102】
また、本実施例において、複数の照射装置20のうち、第2周期信号の周期が最も短い照射装置20の時間Toの長さは、第2周期信号の周期が最も長い照射装置20の時間Toの長さよりも長い。
【0103】
本実施例では、第2の照射装置20において、第1周期信号の各時間Tact_realの冒頭および末尾の少なくとも一方には、時間Toがある。ここで、本図の例において、第1周期信号の周期は第2の照射装置20の第2周期信号の周期の整数倍とはなっていない。そして、第1周期信号と第2周期信号ではそれぞれ各周期が連続的に連なっているため、第1周期信号の始点における第2周期信号の位相は、第1周期信号の周期毎に異なる。したがって、第1周期信号の各時間Tact_realの冒頭および末尾の各時間Toの長さは、第1周期信号の周期毎に変化する。
【0104】
第2の照射装置20において、第1周期信号の時間Tact_realの冒頭および末尾の少なくとも一方に、時間Toを設けることで、第1周期信号の時間Tact_realを、第2の照射装置20の第2周期信号の周期の整数倍にする必要がない。したがって、第1周期信号の周期の設定自由度が高く、フレームデータの好ましい取得間隔等に応じて第1周期信号の周期を設定できる。ただし、本実施例において、第1周期信号の周期を第2の照射装置20の第2周期信号の周期の整数倍としてもよい。
【0105】
制御装置10が制御する照射装置20の数は二つであっても良いし、三つ以上であっても良い。たとえば本実施例において、制御装置10が制御する複数の照射装置20は、第3の照射装置20を含む。第3の照射装置20の第2周期信号の周期は、第1の照射装置20の第2周期信号の周期よりも長く、かつ、第2の照射装置20の第2周期信号の周期よりも短い。そして、第3の照射装置20における時間Toの長さは、第1の照射装置20における時間Toの長さよりも短く、かつ、第2の照射装置における時間Toの長さよりも長い。
【0106】
以上、本実施例によれば、複数の照射装置20のうち、第2周期信号の周期が最も短い照射装置20において、第1周期信号の時間Tact_realの冒頭および末尾の少なくとも一方には、第2周期信号における実効繰り返し数に数えられない移動の時間Toがある。したがって、複数の照射装置20が互いに同じ時間毎に一の領域を走査するよう照射方向を変化させることにより、複数の照射装置20を互いに近い条件で動作させることができる。
【0107】
くわえて、本実施例によれば、第2の照射装置20においても、第1周期信号の時間Tact_realの冒頭および末尾の少なくとも一方には、第2周期信号における実効繰り返し数に数えられない移動の時間Toがある。したがって、第2の照射装置20の第2周期信号の周期によらず、第1周期信号の周期の設定自由度が高い。
【0108】
(実施例4)
図14は、実施例4に係る照射装置50の機能構成を例示するブロック図である。本実施例に係る照射装置50は、複数の照射部500、および制御部520を備える。照射装置50は、電磁波を照射する。制御部520は、複数の照射部500を制御する。制御部520は、複数の照射部500における電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、複数の照射部500における電磁波の照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力する。複数の第1周期信号の周期は互いに同じである。制御部520は、第1周期信号を一周期分出力する間に、第2周期信号を複数の周期分出力する。照射方向が第1方向へ一周期移動される間の、照射方向の第2方向への移動の実効繰り返し数は、複数の照射部500で同じである。そしてたとえば、第1周期信号の各周期における、基準点より前の、第2周期信号の実効繰り返し数の差が、複数の照射装置間で1未満である。
【0109】
本実施例に係る照射装置50において、照射部500は、実施形態および実施例1から実施例3の少なくともいずれかに係る照射装置20と同じ構成を有する。また、制御部520は、実施形態および実施例1から実施例3の少なくともいずれかに係る制御部100と同じ構成を有する。照射装置50はたとえば照射装置50から照射された電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれる。
【0110】
以上、本実施例によれば、たとえば実施形態と同様、第1周期信号の各周期における、基準点より前の、第2周期信号の実効繰り返し数の差が、複数の照射部500間で1未満である。したがって、複数の照射部500が互いに近いタイミングで一の領域を走査するよう照射方向を変化させることにより、複数の照射部500を互いに近い条件で動作させることができる。
【0111】
また、本実施例によれば、たとえば実施例3と同様、複数の照射部500のうち、第2周期信号の周期が最も短い照射部500において、第1周期信号の時間Tact_realの冒頭および末尾の少なくとも一方には、第2周期信号における実効繰り返し数に数えられない移動の時間Toがある。したがって、複数の照射部500が互いに同じ時間毎に一の領域を走査するよう照射方向を変化させることにより、複数の照射部500を互いに近い条件で動作させることができる。
【0112】
以上、図面を参照して実施形態及び実施例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。たとえば、上述の各実施形態および各実施例は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0113】
以下、参考形態の例を付記する。
1-1. 電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満である制御装置。
1-2. 1-1.に記載の制御装置において、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記照射装置から前記電磁波は照射されない制御装置。
1-3. 1-1.または1-2.に記載の制御装置において、
前記照射装置は、前記照射装置から照射された前記電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれ、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記測定装置では測定が行われない制御装置。
1-4. 1-1.から1-3.のいずれか一つに記載の制御装置において、
前記複数の照射装置は、第1の前記照射装置と、前記第1の照射装置よりも前記第2周期信号の周期が長い第2の前記照射装置とを含み、
前記第1の照射装置の前記第1周期信号の振幅は、前記第2の照射装置の前記第1周期信号の振幅よりも大きい制御装置。
1-5. 1-4.に記載の制御装置において、
前記第1の照射装置の前記第1周期信号の振幅をAA1、前記第2周期信号の周波数をf1とし、前記第2の照射装置の前記第1周期信号の振幅をAA2、前記第2周期信号の周波数をf2としたとき、AA1=(f1/f2)×AA2が成り立つ制御装置。
1-6. 1-1.から1-5.のいずれか一つに記載の制御装置において、
前記基準点は、前記第1周期信号の各周期の時間の中心点である制御装置。
2-1. 電磁波を照射する複数の照射部と、
前記複数の照射部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記複数の照射部における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射部における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御部は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射部で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射部間で1未満である照射装置。
2-2. 2-1.に記載の照射装置において、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記照射部から前記電磁波は照射されない照射装置。
2-3. 2-1.または2-2.に記載の照射装置において、
前記照射部は、前記照射部から照射された前記電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれ、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記測定装置では測定が行われない照射装置。
2-4. 2-1.から2-3.のいずれか一つに記載の照射装置において、
前記複数の照射部は、第1の前記照射部と、前記第1の照射部よりも前記第2周期信号の周期が長い第2の前記照射部とを含み、
前記第1の照射部の前記第1周期信号の振幅は、前記第2の照射部の前記第1周期信号の振幅よりも大きい照射装置。
2-5. 2-4.に記載の照射装置において、
前記第1の照射部の前記第1周期信号の振幅をAA1、前記第2周期信号の周波数をf1とし、前記第2の照射部の前記第1周期信号の振幅をAA2、前記第2周期信号の周波数をf2としたとき、AA1=(f1/f2)×AA2が成り立つ照射装置。
2-6. 2-1.から2-5.のいずれか一つに記載の照射装置において、
前記基準点は、前記第1周期信号の各周期の時間の中心点である照射装置。
3-1. 電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御ステップを含み、
前記制御ステップでは、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御ステップでは、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満である制御方法。
3-2. 3-1.に記載の制御方法において、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記照射装置から前記電磁波は照射されない制御方法。
3-3. 3-1.または3-2.に記載の制御方法において、
前記照射装置は、前記照射装置から照射された前記電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれ、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記測定装置では測定が行われない制御方法。
3-4. 3-1.から3-3.のいずれか一つに記載の制御方法において、
前記複数の照射装置は、第1の前記照射装置と、前記第1の照射装置よりも前記第2周期信号の周期が長い第2の前記照射装置とを含み、
前記第1の照射装置の前記第1周期信号の振幅は、前記第2の照射装置の前記第1周期信号の振幅よりも大きい制御方法。
3-5. 3-4.に記載の制御方法において、
前記第1の照射装置の前記第1周期信号の振幅をAA1、前記第2周期信号の周波数をf1とし、前記第2の照射装置の前記第1周期信号の振幅をAA2、前記第2周期信号の周波数をf2としたとき、AA1=(f1/f2)×AA2が成り立つ制御方法。
3-6. 3-1.から3-5.のいずれか一つに記載の制御方法において、
前記基準点は、前記第1周期信号の各周期の時間の中心点である制御方法。
4-1. 制御装置を実現するためのコンピュータプログラムであって、
コンピュータを、
電磁波を照射する複数の照射装置を制御する制御手段として機能させ、
前記制御手段は、前記複数の照射装置における前記電磁波の照射方向の第1方向への移動をそれぞれ制御する複数の第1周期信号と、前記複数の照射装置における前記電磁波の前記照射方向の第2方向への移動をそれぞれ制御する複数の第2周期信号とを出力し、
前記複数の第1周期信号の周期は互いに同じであり、
前記制御手段は、前記第1周期信号を一周期分出力する間に、前記第2周期信号を複数の周期分出力し、
前記照射方向が前記第1方向へ一周期移動される間の、前記照射方向の前記第2方向への移動の実効繰り返し数は、前記複数の照射装置で同じであり、
前記第1周期信号の各周期における、基準点より前の、前記第2周期信号の前記実効繰り返し数の差が、前記複数の照射装置間で1未満であるコンピュータプログラム。
4-2. 4-1.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記照射装置から前記電磁波は照射されないコンピュータプログラム。
4-3. 4-1.または4-2.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記照射装置は、前記照射装置から照射された前記電磁波が対象物で反射された反射波を受信して測定を行う測定装置に含まれ、
前記実効繰り返し数に数えられない前記第2方向への移動の時間において、前記測定装置では測定が行われないコンピュータプログラム。
4-4. 4-1.から4-3.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記複数の照射装置は、第1の前記照射装置と、前記第1の照射装置よりも前記第2周期信号の周期が長い第2の前記照射装置とを含み、
前記第1の照射装置の前記第1周期信号の振幅は、前記第2の照射装置の前記第1周期信号の振幅よりも大きいコンピュータプログラム。
4-5. 4-4.に記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記第1の照射装置の前記第1周期信号の振幅をAA1、前記第2周期信号の周波数をf1とし、前記第2の照射装置の前記第1周期信号の振幅をAA2、前記第2周期信号の周波数をf2としたとき、AA1=(f1/f2)×AA2が成り立つコンピュータプログラム。
4-6. 4-1.から4-5.のいずれか一つに記載のコンピュータプログラムにおいて、
前記基準点は、前記第1周期信号の各周期の時間の中心点であるコンピュータプログラム。
【0114】
この出願は、2018年3月27日に出願された日本出願特願2018-059344号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。