(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092004
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】商品データ登録装置およびチェックアウトレーン
(51)【国際特許分類】
G07G 1/00 20060101AFI20240628BHJP
G07G 1/01 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
G07G1/00 301Z
G07G1/00 311Z
G07G1/01 301B
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024074167
(22)【出願日】2024-05-01
(62)【分割の表示】P 2023024910の分割
【原出願日】2017-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原田 慎太郎
(57)【要約】
【課題】商品データ登録装置の使い勝手を向上させる上で生じる各構成要素の配置に関する問題を解決し、従来よりも好適な商品データ登録装置を提供する。
【解決手段】商品データ登録装置は、縦型の筐体と、撮像部と、第1表示部と、第2表示部と、を備える。撮像部は、前記筐体に内蔵され、商品を撮像して画像データを得る。第1表示部は、前記筐体の上部に取り付けられて、前記撮像部が撮像する側に画面を向け、チルト可能に構成されている。第2表示部は、前記筐体の上部に取り付けられて、前記第1の表示部のものと反対側に画面を向け、チルトする前記第1表示部が存在し得る空間にかち合わない空間にてチルト可能に構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦型の筐体と、
前記筐体に内蔵され、商品を撮像して画像データを得る撮像部と、
前記筐体の上部に取り付けられて、前記撮像部が撮像する側に画面を向け、チルト可能に構成された第1表示部と、
前記筐体の上部に取り付けられて、前記第1表示部のものと反対側に画面を向け、チルトする前記第1表示部が存在し得る空間にかち合わない空間にてチルト可能に構成された第2表示部と、
を備える商品データ登録装置。
【請求項2】
前記第2表示部は、前記第1表示部と、前記筐体に対する客の移動方向に沿って上流側または下流側にずれた空間内に、位置する
ことを特徴とする請求項1に記載の商品データ登録装置。
【請求項3】
前記第1表示部および前記撮像部は、体格が女性の5%tileに相当する人物をオペレータとして想定し、当該オペレータの手が届く範囲である操作領域内であって当該オペレータの安定視野内である空間内に、配置されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の商品データ登録装置。
【請求項4】
前記第2表示部および前記第1表示部は、横向きで前記筐体の上部に位置する回動軸周りに回動自在であって、且つ、前記回動軸に沿ってずれた位置に位置する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の商品データ登録装置。
【請求項5】
前記第1表示部および前記第2表示部は、スイーベル可能である
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の商品データ登録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品データ登録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POS端末装置と組み合わせて使用される商品データ登録装置がある。商品データ登録装置は、撮像部にかざされた商品の外観や、商品に貼付されたコード画像を撮像して得た情報に基づいて商品を特定し、登録する。POS端末装置は、商品データ登録装置が登録した商品の代金の決済を行う。上述のようなPOS端末装置と商品データ登録装置とを備えるチェックアウトレーンは、チェッカーおよびキャッシャーの二人のオペレータで実現される二人制に適している。
【0003】
昨今、上述のキャッシャーがPOS端末装置で行っていた決済業務を、客自身が会計装置(精算機)で行うよう構成されたチェックアウトレーンが、増えてきている。そして、このようなチェックアウトレーンが、より便利になるよう、商品データ登録装置や会計装置に工夫が加えられている。
【0004】
その一環として、商品データ登録装置において、チェッカー向けの表示部および客向けの表示部などの各部の使い勝手が工夫される中、各々の位置やサイズ、チルト範囲が、改めて試行錯誤されている。
【0005】
特に、エンジンを構成するハードウェア(基板など)をチェッカー用表示部に搭載した場合、チェッカー用表示部の厚みが従来に比べて増すため、従来の配置のままであると、チェッカー用表示部と客用表示部とが干渉してしまう。このため、各部の新たな配置を、検討する必要が生じている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、商品データ登録装置の使い勝手を向上させる上で生じる各構成要素の配置に関する問題を解決し、従来よりも好適な商品データ登録装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の商品データ登録装置は、縦型の筐体と、撮像部と、第1表示部と、第2表示部と、を備える。撮像部は、前記筐体に内蔵され、商品を撮像して画像データを得る。第1表示部は、前記筐体の上部に取り付けられて、前記撮像部が撮像する側に画面を向け、チルト可能に構成されている。第2表示部は、前記筐体の上部に取り付けられて、前記第1の表示部のものと反対側に画面を向け、チルトする前記第1表示部が存在し得る空間にかち合わない空間にてチルト可能に構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態の商品データ登録装置の外観を示す図であって、オペレータ側から見た図(正面図)である。
【
図2】
図2は、商品データ登録装置の外観を示す図であって、客側から見た図(背面図)である。
【
図3】
図3は、商品データ登録装置の外観を示す右側面図である。
【
図4】
図4は、商品データ登録装置の外観を示す左側面図である。
【
図5】
図5は、商品データ登録装置および会計装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、制御部が備える機能部を示すブロック図である。
【
図7】
図7は、商品データ登録装置およびその周囲の平面図であって、オペレータの安定注視野および操作領域を示す。
【
図8】
図8は、商品データ登録装置の各部とオペレータとの寸法関係を説明する図である。
【
図9】
図9は、商品データ登録装置の各部と客との寸法関係を説明する図である。
【
図10】
図10は、客用表示部のヒンジ部の構成を示す分解斜視図である。
【
図11】
図11は、プリンタを備える商品データ登録装置の外観を示す正面図である。
【
図12】
図12は、商品データ登録装置が備えるプリンタの外観を示す左側面図である。
【
図13】
図13は、プリンタの用紙交換時の様子を示す商品データ登録装置の左側面図である。
【
図14】
図14は、決済装置を備える商品データ登録装置の外観を示す背面図である。
【
図15】
図15は、決済装置を備える商品データ登録装置の外観を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、実施形態の商品データ登録装置1の外観を示す図であって、オペレータ側から見た図(正面図)である。
図2は、商品データ登録装置1の外観を示す図であって、客側から見た図(背面図)である。客は、商品データ登録装置1を挟んで、オペレータと対向する。商品データ登録装置1のオペレータは、チェッカーとも言う。
図3は、商品データ登録装置1の外観を示す右側面図である。
図4は、商品データ登録装置1の外観を示す左側面図である。
【0010】
商品データ登録装置1は、本体部10と、表示部20と、キーボード30と、客用表示部40と、撮像部50と、制御部60と、を備えている。
【0011】
本体部10は、太い柱状(縦型)の筐体を備え、チェックカウンタ2上に立てて固定される。チェックカウンタ2は、精算対象商品が入った買物籠3が置かれる台である。買物籠3は、本体部10の正面に置かれる。チェックカウンタ2の高さは、例えば667mmである。
【0012】
表示部20は、第1表示部の一例であって、本体部10の上部に取り付けられ、画面21を正面側に向けている。また、表示部20は、本体部10に対し、第1の角度範囲内において、チルト可能である。チルト方向の回動の軸である回動軸23(
図3参照)は、横向きであって、本体部10の上に位置する。
【0013】
このような表示部20は、オペレータ用の表示部であって、画面21に、オペレータに向けた情報を画像で表示する。さらに、表示部20は、画面21に重ねて設けられたタッチパネル22を備えている。タッチパネル22は、画面21の表示内容に応じた操作を受け付ける。
【0014】
キーボード30は、例えば置数キーなどの複数のハードウェアキー31を備え、オペレータによる操作を受け付ける。また、キーボード30は、カードリーダ32を、備えている。カードリーダ32は、磁気カード4(
図3,4参照)が備える磁気テープに記録された情報を読み取る。磁気カード4としては、例えばポイントカードやクレジットカードなどがある。
【0015】
客用表示部40は、第2表示部の一例であって、客向けの情報を表示する画面41(
図2参照)が、背面側に向けて設けられている。客用表示部40は、表示部20の隣に位置するよう、本体部10に支持されている。また、客用表示部40は、本体部10に対し、第2の角度範囲内において、チルト可能である。なお、客用表示部40は、画面41に重ねて、画面41の表示内容に応じた操作を受け付けるタッチパネルを備えていてもよい。
【0016】
ここで、第2の角度範囲と第1の角度範囲との関係についてであるが、第2の角度範囲は、チルトする表示部20が存在し得る空間にかち合わない空間に、設定されている。言い換えると、第2の角度範囲は、チルトする表示部20が第1の角度範囲内のどこに位置していても、チルトする客用表示部40とぶつからないような角度範囲である。
【0017】
また、本実施形態の客用表示部40は、表示部20のチルト方向の回動の軸である横向きの回動軸23に沿って、表示部20とずれた位置に位置している。さらに、本実施形態の客用表示部40は、回動軸23周りに回動自在な構成であり、これによりチルト可能である。
【0018】
撮像部50は、本体部10に、内蔵されている。撮像部50は、本体部10の正面に設けられた読取窓51越しに、読取窓51にかざされた商品の外観を撮像し、画像データを得る。撮像部50は、制御部60に、画像データを出力する。
【0019】
従来は、表示部とキーボードとが一体で、表示部とキーボードとが合わさったものの中心と本体部の中心とが同一鉛直線上に位置していたところ、本実施形態では、表示部20単独での中心と、本体部10および撮像部50の中心とが、同一鉛直線(中心線)C上に設けられている。つまり、本体部10および撮像部50の縦中心線と、表示部20の縦中心線とは、一致する。これにより、客の流れが左向き(左流れ)でも右向き(右流れ)でも、対応しやすい商品データ登録装置1となっている。
【0020】
商品データ登録装置1は、表示部20の画面21の中央部からチェックカウンタ2の手前側の縁部までの水平方向の寸法b(
図3参照)が、買物籠3を置くのに十分なスペースとなるよう、設計される。寸法bは、例えば、b=298.6mmである。
【0021】
また、撮像部50は、買物籠3の上縁部より上に位置するよう、配置されている。撮像部50の中心部の床からの高さは、例えば1053mmである。このような配置により、撮像部50による読取可能領域A1は、買物籠3の上の空間に位置する。したがって、買物籠3から取り出した商品が読取可能領域A1を通るので、撮像部50による撮像が円滑に進められる。
【0022】
客用表示部40の中心線は、表示部20および撮像部50の中心線Cから、横に寸法a(
図2参照)だけ、ずれている。寸法aは、例えば、280mmである。客用表示部40が、表示部20よりも、客の移動方向下流側に配置されていることにより、客は、移動方向下流側(つまり次段の会計装置側)へと誘導される。
【0023】
また、客用表示部40は、チェックカウンタ2の背面側の縁部から、寸法c(
図4参照)だけ、突出している。この寸法cは、例えば35mm程度であって、客の通行を妨げない程度でありつつ、客用表示部40が表示部20の背面に当たらない(干渉しない)ようにするための構成となっている。
【0024】
制御部60は、表示部20の筐体に内蔵されている。
図5は、商品データ登録装置1および会計装置5のハードウェア構成を示すブロック図である。商品データ登録装置1は、さらに、HDD(Hard Disc Drive)70、バスライン81、I/O(Input/Output)機器制御部82、通信I/F(Interface)83およびネットワーク84を備えている。
【0025】
CPU(Central Processing Unit)61、ROM(Read Only Memory)62、およびRAM(Random Access Memory)63は、コンピュータ構成の制御部60を構成する。ROM62は、CPU61が実行する各種プログラムや各種データを記憶する。RAM63は、CPU61のワークエリアとして使用され、CPU61が各種プログラムを実行する際に一時的にデータやプログラムを記憶し、商品の販売記録を示す販売データや、表示部20に表示する各種の画面表示データを記憶する。CPU61は、プログラムを実行することにより、各部を統括的に制御する。
【0026】
HDD70は、制御部60のCPU61が実行可能なプログラム71やPLUファイル72を記憶している。PLUファイル72は、商品データを記憶するものの一例であって、各商品にユニークに割り当てられた商品コードと、その商品の名称、価格、商品分類等の商品に関する情報とを対応付けて格納するファイルである。また、PLUファイル72は、商品を一般物体認識により特定する場合には、商品画像から読み取られる色合いや表面の凹凸状況等の特徴量も格納する。
【0027】
バスライン81は、CPU61、ROM62、RAM63と、I/O機器制御部82および通信I/F83とを接続する。通信I/F83は、制御部60と外部装置とをネットワーク84を介して接続する。これにより、制御部60は、外部装置と、相互に通信可能となる。ネットワーク84は、例えばLAN(Local Area Network)等である。外部装置は、ストアサーバ(不図示)や、会計装置5である。
【0028】
ストアサーバは、店舗内に設置された1台または複数台の商品データ登録装置1で行われる商品販売登録処理および会計装置5で行われる会計処理等の管理を、全般的に行う。会計装置5は、商品データ登録装置1で登録された商品の決済を、客自身で行うための装置である。会計装置5は、入出金装置を内蔵していて、紙幣や硬貨などの現金を用いた精算が可能である。
【0029】
制御部60は、バスライン81およびI/O機器制御部82を介して、タッチパネル22、表示部20、キーボード30、客用表示部40、撮像部50、HDD70等のI/O機器を制御し、商品データ登録装置1のシステム全体を制御する。
【0030】
制御部60は、CPU61がプログラムを実行することにより実現する各種機能部を有する。
図6は、制御部60が備える機能部を示すブロック図である。制御部60は、識別部601および登録部602を有する。
【0031】
識別部601は、撮像部50が得た画像データに基づいて当該商品の外観的特徴に応じた値(特徴量)、または商品に貼付されたコード画像(バーコードや二次元コードなど)をデコードした値を、PLUファイル72が記憶する商品データに照合(突合せ、問い合わせ)して、撮像部50が撮像した商品を識別する。登録部602は、識別部601が識別した商品を一意的に示す情報(例えば商品コード)を、記録する。
【0032】
以上のような商品データ登録装置1では、PLUファイル72を参照し、撮像部50により撮像された画像に含まれる商品を、商品に貼付されたコード画像のデコードや一般物体認識により、特定する。
【0033】
なお、画像中に含まれる物体を認識する一般物体認識(generic object recognition)については、下記の文献において認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [平成26年1月6日検索],インターネット<URL:http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf>
【0034】
次いで、商品データ登録装置1は、特定した商品の確認や、個数などの入力を受け付ける画面を表示部20に表示する。そして、商品データ登録装置1は、確認の入力が受け付けられた商品の商品コード、入力された個数などの情報に基づき、商品コードに対応する商品の商品分類、商品名、単価等の売上登録に係る情報を販売データとして売上マスタファイル(不図示)等に記憶して売上登録を行う。
【0035】
図7は、商品データ登録装置1およびその周囲の平面図であって、オペレータOpの安定注視野A2および操作領域A3を示す。操作領域A3は、オペレータOpの手が無理なく届く範囲である。「無理なく」とは、例えば、オペレータOpが直立した状態で手が届く位置である。
【0036】
本実施形態では、基準のオペレータOpとして、体格が女性の5%tileに相当する人物を想定し、当該オペレータOpの安定注視野A2内および操作領域A3内にタッチパネル22およびキーボード30を配置するとしている。これにより、大概のオペレータOpにとって操作性のよい商品データ登録装置1を構成する。
【0037】
図8は、商品データ登録装置1の各部とオペレータOpとの寸法関係を説明する図である。高さdは、オペレータOpの目の床からの高さであり、例えばd=1420mmである。高さeは、表示部20上端の床からの高さであり、例えばe=1395.5mmである。また、高さfは、表示部20の表示中心の床からの高さであり、例えばf=1262.7mmである。
【0038】
図8に示すように、表示部20は、オペレータOp(5%tile女性)の目線以下に配置されている。これにより、オペレータOpによる表示部20の視認性に問題は生じない。
【0039】
図9は、商品データ登録装置1の各部と客F,Mとの寸法関係を説明する図である。客Fは、5%tile女性である。客Mは、男性客の一例であって、客Fよりも長身の人物が想定される。符号A4は客Fの安定注視野であり、符号A5は客Mの安定注視野である。高さgは、客用表示部40の表示中心の床からの高さである。高さgは、客Fの目線以下であって、例えば1205.1mmである。
【0040】
図9に示すように、客用表示部40は、客F(5%tile女性)の目線以下に配置されている。これにより、客F,Mによる客用表示部40の視認性に問題は生じない。
【0041】
図10は、客用表示部40のヒンジ部43の構成を示す分解斜視図である。ヒンジ部43は、客用表示部40の背面側と本体部10とを接続するものであって、本体部10に対して客用表示部40を所定の角度範囲内でチルトおよびスイーベル自在に支持する。
【0042】
ヒンジ部43を構成する個々の部品401~408について説明する。部品401は、客用表示部40の背面に取り付けられる。部品401は、二つの部分4011と、一つの部分4012とからなる。部分4011は、客用表示部40の背面の両側部近傍に沿う。部分4012は、二つの部分4011の間に位置し、二つの部分4011を繋ぐ。
【0043】
部品402は、チルトを実現するヒンジであって、二つの部分4021,4022からなる。各部分4021,4022は、いずれもコ字型(C字型)をなし、各々の端部が互いに回動自在に接続されている。なお、この各部分を回動自在に接続した箇所が、客用表示部40の回動軸4023となる。回動軸4023は、回動軸23(
図3参照)と同一直線状に存在する。一方の部分4021は、中央部を、部分4012に取り付けられる。他方の部分4022には、部品403が取り付けられる。
【0044】
部品403と部品405とは、スイーベルを実現する部品である。部品405は、円形であって、中央部4051が突出している。この中央部4051は、部品403の中央部に、取り付けられる。
【0045】
部品405の外周部4052と部品403との間には、部品404、406,407が介在している。外周部4052および部品403は、部品404に対して摺動自在である。
【0046】
部品404は、一端部4041が長く形成されている。一端部4041は、本体部10の上端に固定される。これにより部品404が本体部10に固定される。そして、これにより、客用表示部40が本体部10に対して回動自在となる。
【0047】
部品406~408は、カバーである。部品406は、部品404を上から覆う。部品407は、部品403の周囲を覆う。部品407は、部品406の上面に乗っているだけである。これにより、部品407は、客用表示部40の回動に伴い、部品406に対して回動する。
【0048】
部品408は、部品401および部品402を覆う。
【0049】
なお、詳細な説明を省略するが、表示部20についても、
図10に示す構成と似た構成によって、チルトおよびスイーベルを実現していてもよい。
【0050】
このように、第1の実施形態によれば、オペレータOpにとって操作性および視認性がよく、さらに、客F,Mにとって視認性のよい商品データ登録装置1を実現することができる。
【0051】
なお、本実施形態で示した各寸法の具体的数値は、一例であって、ある程度前後してもよく、実施にあたってはこれに限らないが、各々、基準とするオペレータOpの例えば身長やひじの高さなどに応じて、当該オペレータOpとって人間工学的に問題ない配置となる値に定める。
【0052】
(第2の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態の変形例である。本実施形態の説明にあたって、第1の実施形態と同じ部分は同じ符号で示して説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0053】
図11は、プリンタ90を備える商品データ登録装置1の外観を示す正面図である。
図12は、商品データ登録装置1が備えるプリンタ90の外観を示す左側面図である。
図13は、プリンタ90の用紙交換時の様子を示す商品データ登録装置1の左側面図である。
【0054】
プリンタ90は、本体部10に内蔵された印字部および用紙収納部(いずれも不図示)と、本体部10の前面に設けられた発行口91および蓋92とを有している。プリンタ90は、制御部60の制御に従い、印字部によって印字しされたものを発行口91から発行する。蓋92は、用紙収納部を開閉するものであって、用紙交換時に、オペレータOpによって手前側に開放される。
【0055】
プリンタ90は、撮像部50の下に配置されているので、買物籠3の上縁よりも下に位置するが、印字物の発行時には買物籠3は本体部10の前になく本体部10よりも客の移動方向下流側へ移動しているので、印字発行物が買物籠3につかえるなどの不都合は起こらない。
【0056】
このように、第2の実施形態の商品データ登録装置1によれば、レシートや、精算のための会計装置5の指定を記録した控え書きなどの印字物を、発行して客に手渡すことができる。
【0057】
(第3の実施形態)
本実施形態は、第1の実施形態の変形例である。本実施形態の説明にあたって、第1の実施形態と同じ部分は同じ符号で示して説明を省略し、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0058】
図14は、決済装置6を備える商品データ登録装置1の外観を示す背面図である。
図15は、決済装置6を備える商品データ登録装置1の外観を示す左側面図である。決済装置6は、決済部の一例である。
【0059】
決済装置6は、決済カードを使用して、電子情報の送受信で、一取引に係る決済を行う組み込み機器である。ここで、決済カードとは、クレジットカードや、デビットカード、非接触ICカードなど、現金によらない決済に使用されるカードである。決済カードは、ICカードであって、決済装置6は、ICカードが備えるICチップに対して情報を読み書きするリーダライタを備えている。
【0060】
決済装置6は、表示部20の下であって客用表示部40の奥側である位置に、配置されている。また、決済装置6は、登録済みの商品が入れられる買物籠3の高さよりも高く配置され、買物籠3の邪魔にならない。
【0061】
このような構成の商品データ登録装置1によれば、客がカード決済を申し出た場合に、商品データ登録装置1においてカード決済を行うことができる。
【0062】
以上説明したとおり、第1から第3の実施形態によれば、オペレータOpや客F,Mの体格を想定した寸法に構成することにより、操作性、視認性、使い勝手のよい商品データ登録装置1を提供することができる。
【0063】
また、第1から第3の実施形態によれば、商品データ登録装置1を一体型として構成できるので、設置現場での組み立て作業が不要となるので設置が容易である。また、一体型の商品データ登録装置1は、移動が容易である。さらに、一体型の商品データ登録装置1は、設置面積が少なくて済むので、チェックアウトレーンのスペース削減に寄与できる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
1 …商品データ登録装置
10…本体部
20…表示部、21…画面、22…タッチパネル
30…キーボード、31…ハードウェアキー、32…カードリーダ
40…客用表示部、41…画面、42…タッチパネル、43…ヒンジ部
50…撮像部、51…読取窓
60…制御部、601…識別部、602…登録部
61…CPU、62…ROM、63…RAM
70…HDD、71…プログラム、72…PLUファイル
81…バスライン、82…I/O機器制御部
83…通信I/F、84…ネットワーク
90…プリンタ、91…発行口
2 …チェックカウンタ
3 …買物籠
4 …磁気カード
5 …会計装置
6 …決済装置
A1…読取可能領域
A2…安定注視野
A3…操作領域
【先行技術文献】
【特許文献】
【0066】
【特許文献1】特開2006-268036号公報
【特許文献2】特開2017-054547号公報
【特許文献3】特開2003-275078号公報
【手続補正書】
【提出日】2024-05-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦型の筐体と、
前記筐体に内蔵され、商品を撮像して画像データを得る撮像部と、
前記筐体の上部に取り付けられて、前記撮像部が撮像する側に画面を向け、チルト可能に構成された第1表示部と、
前記筐体の上部に取り付けられて、前記第1表示部のものと反対側に画面を向け、前記第1表示部のチルトの回動軸に沿ってずれた位置に位置し、前記第1表示部のチルトの回動軸と同一直線上に前記第1表示部のチルトの回動軸と別体の自身のチルトの回動軸を有してチルト可能に構成された第2表示部と、
を備える商品データ登録装置。
【請求項2】
前記第1表示部の側部に設けられ、オペレータによる操作を受け付けるキーボードをさらに備える
請求項1に記載の商品データ登録装置。
【請求項3】
前記第1表示部および前記第2表示部は、スイーベル可能である
請求項1または2に記載の商品データ登録装置。
【請求項4】
請求項1に記載の商品データ登録装置と、
前記商品データ登録装置で登録された商品の決済を、客自身で行うための装置である会計装置と、
を含むチェックアウトレーン。
【請求項5】
前記商品データ登録装置は、前記会計装置の指定を記録した印字物を発行する
請求項4に記載のチェックアウトレーン。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明の実施形態は、商品データ登録装置およびチェックアウトレーンに関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、商品データ登録装置の使い勝手を向上させる上で生じる各構成要素の配置に関する問題を解決し、従来よりも好適な商品データ登録装置およびチェックアウトレーンを提供することである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
実施形態の商品データ登録装置は、縦型の筐体と、撮像部と、第1表示部と、第2表示部と、を備える。撮像部は、前記筐体に内蔵され、商品を撮像して画像データを得る。第1表示部は、前記筐体の上部に取り付けられて、前記撮像部が撮像する側に画面を向け、チルト可能に構成されている。第2表示部は、前記筐体の上部に取り付けられて、前記第1表示部のものと反対側に画面を向け、前記第1表示部のチルトの回動軸に沿ってずれた位置に位置し、前記第1表示部のチルトの回動軸と同一直線上に前記第1表示部のチルトの回動軸と別体の自身のチルトの回動軸を有してチルト可能に構成されている。