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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092007
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】管切断方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 55/00 20060101AFI20240628BHJP
   F16L 41/06 20060101ALI20240628BHJP
   F16L 41/08 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
F16L55/00 C
F16L41/06
F16L41/08
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024074223
(22)【出願日】2024-05-01
(62)【分割の表示】P 2020134488の分割
【原出願日】2020-08-07
(71)【出願人】
【識別番号】000105556
【氏名又は名称】コスモ工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】金田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】笠原 太郎
(57)【要約】
【課題】筐体内でカッターにより流体管を切断する際に、当該流体管を安定的に支持して高い密封性を維持しながら所期の切断工程を行うことができる管切断方法及びその装置を提供する。
【解決手段】流体管2を密封状に囲む筐体4と、筐体4の中で流体管2を切断するカッター72とを備える管切断装置1を用いて、不断流状態で流体管2を切断する管切断方法であって、筐体4は、筐体4内部に連通する開口部41dを備えた首部41aよりも管軸方向に突出した側部が、流体管2の管径よりも短い延長に突出形成されており、筐体4の首部41aを管軸方向に挟む位置にて取付けられる一対の取付部31,32と、該取付部31,32同士に架け渡されて管軸方向に延設される延設部33,33とからなる支持部材3を取付ける取付工程と、筐体4の中でカッター72により流体管2を切断する切断工程と、流体管2の切断時に発生する切粉を筐体4の外部に排出する排出工程とを有する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体管を密封状に囲む筐体と、該筐体の中で流体管を切断するカッターとを備える管切断装置を用いて、不断流状態で流体管を切断する管切断方法であって、
前記筐体は、該筐体内部に連通する開口部を備えた首部よりも管軸方向に突出した側部が、前記流体管の管径よりも短い延長に突出形成されており、
前記筐体の前記首部を管軸方向に挟む位置にて取付けられる一対の取付部と、該取付部同士に架け渡されて管軸方向に延設される延設部とからなる支持部材を取付ける取付工程と、前記筐体の中で前記カッターにより流体管を切断する切断工程と、前記流体管の切断時に発生する切粉を前記筐体の外部に排出する排出工程とを有することを特徴とする管切断方法。
【請求項2】
前記切断工程の後に、前記筐体内に管内流路を開閉可能な弁部材を設置することを特徴とする請求項1に記載の管切断方法。
【請求項3】
前記筐体の前記側部に、前記流体管の前記筐体からの離脱を防止する離脱防止具を取付けることを特徴とする請求項1または2に記載の管切断方法。
【請求項4】
前記切断工程の後に、前記離脱防止具が取付けられた状態で、前記支持部材を取外すことを特徴とする請求項3に記載の管切断方法。
【請求項5】
流体管を密封状に囲む筐体と、該筐体の中で流体管を切断するカッターとを備え、不断流状態で流体管を切断する管切断装置であって、
前記筐体は、該筐体内部に連通する開口部を備えた首部よりも管軸方向に突出した側部が、前記流体管の管径よりも短い延長に突出形成されており、前記筐体の底部に、前記流体管の切断時に発生する切粉を前記筐体の外部に排出可能な排出部が設けられ、
前記筐体の前記首部を管軸方向に挟む位置にて取付けられる一対の取付部と、該取付部同士に架け渡されて管軸方向に延設される延設部とからなる支持部材を有することを特徴とする管切断装置。
【請求項6】
前記筐体の前記側部に、前記流体管の前記筐体からの離脱を防止する離脱防止具が取付けられていることを特徴とする請求項5に記載の管切断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体管を密封状に囲う筐体の中で流体管をカッターにて不断流状態で切断する管切断方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、流体管を密封状に囲む筐体の中で流体管を円筒状のカッターにて不断流状態で切断する管切断方法にあっては、当該施工の簡素化を図り、小型化及び軽量化した筐体の内部で、可能な限り小径の円筒状のカッターにより流体管を切断して管軸方向に分断していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2006-515406号公報(第6頁、第1-5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1にあっては、流体管に取付けられる筐体の小型化及び軽量化により、その延長寸法が短く設計されていることから、当該筐体がカッターの両側で流体管を支持する支持力を十分に得ることができず、円筒状のカッターが管径方向に進行し流体管を切断するに際し、流体管の切断部の近傍がカッターに押圧され沈み込むように弾性変形したり、或いは流体管が傾いてしまうことがあり、その反動でカッターが流体管の切断部に噛み込んで過大な負荷を受け、不具合の原因となるばかりか、密封性を確保できずに流体漏洩の虞も生じるという問題があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、筐体内でカッターにより流体管を切断する際に、当該流体管を安定的に支持して高い密封性を維持しながら所期の切断工程を行うことができる管切断方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の管切断方法は、
流体管を密封状に囲む筐体と、該筐体の中で流体管を切断するカッターとを備える管切断装置を用いて、不断流状態で流体管を切断する管切断方法であって、
前記筐体を管軸方向に挟む位置にて流体管に取付けられる一対の取付部と、該取付部同士に架け渡されて管軸方向に延設される延設部とからなる支持部材を、流体管に取付ける取付工程と、前記筐体の中で前記カッターにより流体管を切断する切断工程とを有することを特徴としている。
この特徴によれば、流体管に取付けた筐体を管軸方向に挟む一対の取付部と、これら取付部同士に架設される延設部とからなる支持部材を取付工程で取付けることで、この筐体内でカッターにより切断される流体管を管軸方向に沿って安定的に支持することができるため、この切断工程においてカッターに過大な負荷を掛けることなく、かつ高い密封性を維持しながら流体管を切断することができる。
【0007】
前記支持部材は、流体管周囲の支持面から離間して流体管に取付けられることを特徴としている。
この特徴によれば、支持部材が周囲の支持面からの支持力を得ることなく、一対の取付部同士を管軸方向に架け渡す延設部によって流体管を支持することができる。
【0008】
前記切断工程の後に、前記筐体内に管内流路を開閉可能な弁部材を設置することを特徴としている。
この特徴によれば、支持部材による流体管の安定した支持状態を維持したまま弁部材の設置を完了することができる。
【0009】
前記切断工程の後に、前記支持部材を流体管から取り外すことを特徴としている。
この特徴によれば、切断施工後の流体管から支持部材を取り外すことで、流体管に取付けた筐体周辺を簡素化するとともに、取り外した支持部材を再使用することができる。
【0010】
前記筐体を流体管に外嵌した後に、前記取付工程を行うことを特徴としている。
この特徴によれば、流体管の切断箇所を囲む筐体を外嵌した後に、支持部材の取付工程を行うことで、施工を容易に行うことができるばかりか、取付位置の精度を高めることができる。
【0011】
前記課題を解決するために、本発明の管切断装置は、
流体管を密封状に囲む筐体と、該筐体の中で流体管を切断するカッターとを備え、不断流状態で流体管を切断する管切断装置であって、
前記筐体を管軸方向に挟む位置にて流体管に取付けられる一対の取付部と、該取付部同士に架け渡されて管軸方向に延設される延設部とからなる支持部材を有することを特徴としている。
この特徴によれば、流体管に取付けた筐体を管軸方向に挟む一対の取付部と、これら取付部同士に架設される延設部とからなる支持部材を取付けることで、この筐体内でカッターにより切断される流体管を管軸方向に沿って安定的に支持することができるため、カッターに過大な負荷を掛けることなく、かつ高い密封性を維持しながら流体管を切断することができる。
【0012】
前記一対の取付部はそれぞれ分割構造を有し、前記延設部が設けられた第1分割部と、該第1分割部に接続される第2分割部とから少なくとも構成されることを特徴としている。
この特徴によれば、取付部が分割構造を有していることで、流体管の任意の位置に容易に取付けることができる。
【0013】
前記第1分割部と前記延設部とは一体に構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、一対の第1分割部と延設部とが一体に構成されていることで、支持部材の剛性を高めることができる。
【0014】
前記支持部材は、異なる流体管の外面に応じた内面をそれぞれ備えた複数の第2分割部を有することを特徴としている。
この特徴によれば、流体管の外面に応じた第2分割部を適宜選択することで、支持部材の汎用性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】既設流体管に筐体及び実施例1における支持部材を取り付けた状態を示す一部断面正面図である。
図2図1と同じく平面図である。
図3図1と同じく側面図である。
図4】筐体に固定フランジを取り付けた状態を示す正面断面図である。
図5】筐体に作業弁及び穿孔装置を取り付けた状態を示す正面断面図である。
図6】カッターで既設流体管を切断した状態を示す正面断面図である。
図7】筐体に弁部材挿入装置を取り付けた状態を示す正面断面図である。
図8】筐体内に弁部材を挿入した状態を示す正面断面図である。
図9図8と同じく側面断面図である。
図10】筐体から作業弁及び弁部材挿入装置を取り外した状態を示す正面断面図である。
図11】筐体から固定フランジを取り外した状態を示す側面図である。
図12】筐体から支持部材を取り外している状態を示す正面断面図である。
図13】弁装置を示す正面断面図である。
図14図13と同じく側面図である。
図15】変形例1の支持部材を示す正面図である。
図16図15と同じく平面図である。
図17図15と同じく側面図である。
図18】変形例1の支持部材の別態様を示す側面図である。
図19】変形例2の支持部材を示す正面図である。
図20図19と同じく側面図である。
図21】変形例3の支持部材を示す正面図である。
図22図21と同じく側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係る管切断方法及びその装置を実施するための形態を、図1から図22を参照して説明する。
【0017】
図5に示されるように、本発明に係る管切断装置1は、既設流体管2(以下、単に流体管2という)を密封状に囲む筐体4と、この筐体4を管軸方向に挟む設置位置にて流体管2に固定に取付けられる支持部材3と、筐体4の上方に作業弁60を介して接続される穿孔装置70と、から主として構成されている。なお、本発明で流体管の切断とは、筐体4内の流体管2を管軸方向に分断すること、すなわち流体管2の全切りを意味する。
【0018】
ここで、流体管2は、例えば、地中に埋設される上水道用のダクタイル鋳鉄製であり、断面視略円形状に形成され、内周面がエポキシ樹脂層で被覆されている。尚、本発明に係る流体管は、その他鋳鉄、鋼等の金属製等、あるいはコンクリート製、塩化ビニール、ポリエチレン若しくはポリオレフィン製等であってもよい。更に尚、流体管の内周面はエポキシ樹脂層に限らず、例えばモルタル等により被覆されてもよく、若しくは適宜の材料を粉体塗装により流体管の内周面に被覆してもよい。また、本実施例では流体管内の流体は上水であるが、本実施例の上水に限らず、例えば工業用水や農業用水、下水等の他、ガスやガスと液体との気液混合体であっても構わない。また、筐体4、弁部材5の材質も上記に適合するものとしてもよい。
【0019】
図1~3に示されるように、流体管2の外周面に取り付けられる筐体4は、いわゆる割T字管であって、流体管2の径方向(本実施例では上下方向)に筐体上部41と筐体下部42に分割された構造となっている。また、筐体4の管軸方向の両側には、流体管2の離脱を防止する離脱防止金具6、6を備えている。離脱防止金具6は、径方向(本実施例では上下方向)に分割された構造となっており、流体管2の外面に接する離脱防止金具6の内周部には、周方向に沿って離脱防止爪6bが内装されている。この離脱防止金具6の取付けによって離脱防止爪6bが流体管2の外面に食い込み、該流体管2の離脱が防止されるようになっている。
【0020】
筐体上部41には首部41a、該首部41aに連なるフランジ部41b、該フランジ部41bに連なり筐体内部に連通する筐体開口部41dが形成されている。そして、フランジ部41bには後述する固定フランジ51、作業弁60を介して穿孔装置70(図5,6参照)、弁部材挿入装置80(図7~9参照)等を取付けることができる。
【0021】
一方、筐体下部42は鉢状の筐体底部42dを有し、筐体底部42dの中央には排出孔42bが形成されている。該排出孔42bは、開閉可能な排出口49aを備えたバルブ49が接続可能となっており、後述するようにバルブ49を操作することで、流体管2の切断時に発生する切粉を排出孔42b及び排出口49aを介して流体とともに排出可能となっている。
【0022】
なお、本実施例では筐体上部41、筐体下部42等と称して説明するが、筐体の分割方向は上下に限らず、例えば水平方向や所定角度の傾斜方向であってもよい。また、筐体の分割数は3以上であってもよい。同じく流体管2の配管方向も水平に限らず、例えば垂直方向であってもよい。さらに、後述するカッター72の切断方向も上下に限らず、例えば水平方向であってもよい。以下の実施例において、カッター72は、作業効率の良いホールソー等の円筒状のカッターを使用する例について説明するが、筐体4内部で流体管2を管軸方向に分断するカッターであれば、例えばワイヤーソー、エンドミルやバイト等を使用してもよい。
【0023】
次に、本実施例の支持部材3について説明する。図1~3に示されるように支持部材3は、筐体4及び離脱防止金具6,6を管軸方向に挟む両側の位置にて流体管2の外周面に取付けられる一対の取付部31,32と、これらの取付部31,32同士に架け渡されて管軸方向にシャフト状に延設される複数の延設部33,33とから主として構成される。
【0024】
一方の取付部31は、流体管2の外面に接する内面を有する略円筒状に形成されるとともに、流体管2の径方向(本実施例では上下方向であるが、水平方向や斜め方向でも構わない)に分割された構造を有しており、流体管2を挟んで互いに接続される上部取付部31aと下部取付部31bとから構成される。また他方の取付部32は、取付部31と同じ形状であって、上部取付部32aと下部取付部32bとから構成される。ここで本実施例の下部取付部31b,32bは本発明の第1分割部を構成し、また上部取付部31a,32aは本発明の第2分割部を構成する。このように、取付部31,32が分割構造を有していることで、流体管2の任意の位置に容易に取付けることができる。なお、流体管2の外面に対向する取付部31,32の内面に滑り防止のための凹凸部を形成してもよい。また、取付部31,32の内部に上述した離脱防止爪6bに類する部材を内装してもよい(後述の変形例の支持部材についても同様にしてもよい)。
【0025】
また一対の下部取付部31b,32bと、本実施例では2本の延設部33,33とは一体構造を有している。詳述すると、それぞれの下部取付部31b,32bの筐体4寄りの下面には、斜め下方に向け外側方に延出された板状の鍔部35,35が管軸方向に互いに対向するように設けられ、それぞれの延設部33、33の両端がこれらの鍔部35,35を貫通した状態にて溶接等で固定されている。すなわち、本実施例の下部取付部31b,32b及び延設部33,33は一体に構成されている。このようにすることで、支持部材3の剛性を高めることができる。なお、これに限らず、延設部33,33と下部取付部31b,32bとは別体に構成され、ボルト等で着脱可能に取付けられるものであってもよい。
【0026】
また図1,3に示されるように、本実施例の延設部33,33は、筐体4の下部と略同じ高さ位置にて筐体4を左右に挟むように略平行に、流体管2を中心に略対称に延設されている。このようにすることで、支持部材3により流体管2を偏りなく均一に支持することができる。
【0027】
更に延設部33の両端部には、周方向に沿って複数の補強リブ36a,36aが設けられ鍔部35,35の内側面に溶接等で固定されている。更に鍔部35,35の外側面と下部取付部31b,32bの下面とに架けて補強リブ36b,36bが設けられている。延設部33は、断面視略円形の比較的肉厚で中空の略円柱状に構成されており、更に前述した補強リブ36a,36bと相俟って撓み等が生じ難く高い構造強度を有している。
【0028】
上部取付部31a,32aと下部取付部31b,32bとは、互いに対向するフランジ部同士に挿通されるボルト・ナット34を締結することで、流体管2の外周面の任意の位置に着脱可能に取付けられている。
【0029】
また図1,2に示されるように、支持部材3を構成する一対の取付部31,32は、筐体4及び離脱防止金具6,6に接することなく管軸方向に離間して設けられている。同様に延設部33,33は筐体4及び離脱防止金具6,6に接することなく管径方向に離間して設けられている。更に支持部材3は、流体管2周囲の図示しない原地面、掘削地面、擁壁や構造物の下面、側面等の支持面に接することなく離間した状態で、すなわちこれらの支持面からの支持力を得ることなく流体管2に取付けられている。
【0030】
以下、固定フランジ51、作業弁60及び穿孔装置70について説明する。図4~10に示されるように、流体管2に筐体4及び支持部材3を密封して取付けた状態で、筐体上部41のフランジ部41bには固定フランジ51、作業弁60及び穿孔装置70が取付けられる。
【0031】
図4に示されるように、固定フランジ51とフランジ部41bとの接合面には、シール部材53が介挿されている。固定フランジ51の内部には、周方向に亘り内径方向に突出した突出部51aが形成され、また固定フランジ51の下部には、周方向に所定の間隔を隔てて、複数の支持ピン54が径方向に密封状に取付けられており、これら突出部51a及び支持ピン54によって筐体上部41のフランジ部41b及びシール部材53を上下に挟持することで、固定フランジ51は筐体4に密封状に固定できるようになっている。また固定フランジ51の上部には、周方向に所定の間隔を隔てて、複数の固定ピン52が径方向に密封状に取付けられており(図9参照)、後述するように、筐体4に弁部材5を挿入した際に、弁部材5を一時的に固定できるようになっている。
【0032】
図5に示されるように、作業弁60の作業弁筐体61と固定フランジ51との接合面は、シール部材63が介挿され、図示しないボルトによって緊締されることで、作業弁60と固定フランジ51とは密封される。作業弁60の作業弁筐体61には、水平方向にスライド移動することで筐体4と穿孔装置70との間を開閉自在とする作業弁体62が密封状に取り付けられている。
【0033】
また、穿孔装置70と作業弁60との間の接合面は、シール部材73が介挿され、ボルト74によって緊締されることで、穿孔装置70と作業弁60との間は密封される。さらに穿孔装置70は、カッター軸75に取付けられたカッター72が穿孔装置筐体71に密封状に、上下に移動可能かつ回転可能に取付けられている。カッター72及びカッター軸75は穿孔装置70の外部から図示しない駆動装置により上下駆動及び回転駆動できるようになっている。
【0034】
以下、管切断装置1の取付工程、流体管2の切断工程、及び弁部材5の設置工程について説明する。
【0035】
最初に管切断装置1の取付工程について説明する。先ず、流体管2が構成されている管路のうち、後述する流体管2の切断及び弁部材5の取付が予定されている箇所を掘削して当該箇所を露出させる。掘削深さは、筐体4の下方に位置する支持部材3が掘削地面に接することなく離間して、取付・取外し作業を行うことができる程度の深さである。露出した流体管2の外周面は清掃して付着物等を除去しておく。
【0036】
次に、図1~3に示されるように、流体管2に筐体4を取り付ける。詳しくは、筐体4を構成する前述した筐体上部41と筐体下部42とで流体管2を上下に挟持するように外嵌し、これら筐体上部41及び筐体下部42が互いに対向するフランジに挿通した締結ボルト43によって締結する。筐体上部41及び筐体下部42の対向面、及び流体管2の外面に接する内面には、密封部材45が設けられており、筐体4は流体管2の所定位置に密封状に取り付けられる。
【0037】
次に、筐体4の管軸方向の両端部に離脱防止金具6、6を取り付ける。詳しくは、離脱防止金具6を構成する分割部材6a、6aで、筐体4の端部に嵌合するとともに流体管2を上下に挟持するように外嵌し、これら分割部材6a,6aが互いに対向するフランジに挿通した締結ボルト6dによって締結する。この締結によって離脱防止金具6の内部に装着された離脱防止爪6bが、流体管2の外面に食い込んでおり、後述するように切断される流体管2の筐体4からの離脱が防止されている。
【0038】
次に、上述した筐体4及び離脱防止金具6、6を管軸方向に挟むように支持部材3を取付ける。詳しくは、支持部材3を構成する上部取付部31a,32aと、一体に構成された下部取付部31b,32b及び延設部33,33とによって、流体管2を上下に挟持するように外嵌し、これら取付部同士で対向するボルト・ナット34によって締結する。この締結によって支持部材3は流体管2に対し固定に且つ着脱可能に取付けられる。なお、このとき、一対の取付部31,32のうち一方の取付部を構成する上部取付部31a,32aと下部取付部31b,32bとのボルト・ナット34を緩く取付けておき、流体管2に被せるように取付けてもよい。このように、流体管2の切断箇所を囲む筐体4を外嵌した後に、支持部材3の取付工程を行うことで、施工を容易に行うことができるばかりか、支持部材3の取付位置の精度を高めることができる。
【0039】
続いて、図4に示されるように、フランジ部41bに上下方向に貫通形成された複数の貫通孔のそれぞれに、先細り状の先端部を上方に向けたガイドピン56を、周方向に沿って着脱可能に取り付ける。また、筐体4のフランジ部41bに固定フランジ51を密封状に取付け、更に図5に示されるように、下方から順に作業弁60及び穿孔装置70を密封状に取り付ける。
【0040】
なお本実施例では、流体管2に筐体4及び離脱防止金具6、6を取り付けた後に、支持部材3を取付け、更にその後に、筐体4に固定フランジ51、作業弁60及び穿孔装置70を取付けたが、支持部材3の取り付け順序はこれに限らない。例えば、筐体4の取付けよりも前に、あるいは離脱防止金具6、6の取付けよりも前に、支持部材3を流体管2に取り付けても良いし、若しくは、筐体4に固定フランジ51、作業弁60及び穿孔装置70を取付けた後に、支持部材3を流体管2に取り付けても良い。
【0041】
次に流体管2の切断工程について説明する。図5,6に示されるように、作業弁体62を開放した状態でカッター72により、流体管2を不断流状態で切断する。カッター72は円筒形状をしているので、流体管2の管切断部は、カッター軸75方向から見ると円筒形状のカッター72に沿った円弧状に形成される。またこの施工の簡素化を図るため、上記した筐体4は小型化及び軽量化されており、この筐体4内を進行するカッター72は、少なくとも流体管2よりも大径であるが、可能な限り小径の円筒状に形成されている。流体管2を切断する際に発生する切粉は、筐体下部42の中央に設けられた排出孔42bに取付けられたバルブ49を操作して、流体とともに切粉を排出する。
【0042】
ここで図6に示されるように、流体管2は、回転しながら下方に進行するカッター72により、その管頂部より漸次切削されるに伴い、下方に向けて押圧力が負荷されるが、上記したように筐体4を管軸方向に挟む両側にて流体管2に固定された支持部材3によって支持されているため、カッター72により管軸方向に切断途中の流体管2が下方に沈みこむことなく、管軸方向に略直線形状を維持している。
【0043】
したがって、筐体4内部の密封性が高く維持されるとともに、カッター72が切断途中の流体管2により過大な負荷を受けることなく、設計通りに正確且つ容易に切断することができる。
【0044】
更にカッター72により流体管2が全切りされ、すなわち管軸方向に分断された状態にあっても、図6に示されるように、分断された流体管2,2に取付けられた支持部材3の取付部31,32に延設部33が架け渡された状態となるため、流体管2,2の直線性が維持される。したがって、切断工程後においても、筐体4内部の密封性を保ったまま後述する弁部材を挿入することができる。このように、本発明に係る管切断方法及び管切断装置1によれば、流体管2に取付けた筐体4を管軸方向に挟む一対の取付部31,32と、これら取付部31,32同士に架設される延設部33とからなる支持部材3を取付工程で取付けることで、この筐体4内でカッター72により切断される流体管2を管軸方向に沿って安定的に支持することができるため、この切断工程においてカッター72に過大な負荷を掛けることなく、かつ高い密封性を維持しながら流体管2を切断することができる。
【0045】
また支持部材3が、流体管2周囲の原地面、掘削地面、擁壁や構造物の下面、側面等の支持面から離間して流体管2に取付けられることで、支持部材3が当該支持面からの支持力を得ることなく、周囲の環境によらずに一対の取付部31,32同士を管軸方向に架け渡す延設部33によって流体管2を支持することができる。
【0046】
流体管2を切断した後、カッター72を上昇させ、作業弁筐体61内の作業弁体62を閉塞し、筐体4と穿孔装置70との間を密封する。その後、穿孔装置70内の流体を排出し、作業弁60から穿孔装置70を取り外して、流体管2の切断工程作業を終了する。
【0047】
つぎに、弁部材5の設置工程について説明する。図7に示されるように、作業弁60の上部に弁部材挿入装置80が密封状に取り付けられる。この弁部材挿入装置80は、挿入装置筐体86、挿入軸87、該挿入軸87の一方の端には弁部材5を保持する保持部83が取付けボルト88によって取付けられ、挿入軸87の他端には、該挿入軸87に螺入されるネジ部89、該ネジ部89を回動操作するハンドル90を備え、該ハンドル90を回動操作して挿入軸87を昇降させ、弁部材5を筐体4に対し挿入及び撤去することができる。
【0048】
図8,9に示されるように、ハンドル90を回動操作して挿入軸87を降下させ、弁部材5を筐体4に対し挿入すると、筐体4のフランジ部41bに設けられたガイドピン56が弁部材5の外蓋5dに形成された挿通孔に沿って挿通され、この挿通に伴い弁部材5が筐体4に対しガイドされながら所定位置に設置される。次に図9に示されるように、固定フランジ51に設けられた固定ピン52をねじ込み、弁部材5の外蓋5dの外周部に形成された傾斜面を固定ピン52によって仮固定する。その後、弁部材挿入装置80内の流体を排出し、挿入装置蓋84を取外し、作業用孔85から保持部83と挿入軸87とを結合する取付けボルト88を取外し、弁部材挿入装置80を作業弁60から取外した後、弁部材挿入装置80の保持部83を弁部材5から撤去する。更に固定フランジ51から作業弁60を取り外す(図10参照)。
【0049】
つぎに、図11に示されるように、フランジ部41bの貫通孔からガイドピン56を取り外し、これに替えて当該貫通孔と弁部材5の外蓋5dの挿通孔とに掛けてボルト・ナット57を締結する。このようにすることで、弁部材5が筐体4に対し固定に設置される。その後、固定ピン52や支持ピン54を緩めて(図9参照)、固定フランジ51を筐体4から取り外す。
【0050】
ここで図10に示されるように、筐体4内に流体管2の切断後に挿入される挿入体としての弁部材5は、筐体4の筐体開口部41dを閉塞する弁蓋5a、前述のように筐体4のフランジ部41bに接続される外蓋5d、弁座孔部5fを有する弁座体5b、弁座孔部5fを開閉する弁体5v、該弁体5vの上部に接続される弁操作軸5j、及び弁座体5bと筐体4との間を密封する密封部材5eを備える。そして、弁装置は、弁部材5が筐体4に密封状に挿入され、弁操作軸5jを回動操作し、弁体5vを可動させることによって、弁体5vは弁座体5bに設けられた弁座孔部5fを開閉して流体管2の流れを制御することができる。ただし、弁体5vと弁座体5bとの間の密封はパッキンに限らず、たとえば、金属同士の密封としてもよい。
【0051】
弁部材5の設置の際には、弁体5vを上部に引き上げ弁座孔部5fを開放した状態にしておく(図10参照)。このようにすることで、弁部材5の設置時においても流体管2内の流路を遮断することがなく不断流状態を維持できるばかりか、弁部材5自体に大きな流体圧が負荷されずに、弁部材5と流体管2の切断面との離間状態を保持しながら容易に設置することができる。また、支持部材3が流体管2に取付けられた状態で弁部材5を設置することで、支持部材3による流体管2の安定した支持状態を維持したまま弁部材5の設置を完了することができる。
【0052】
次に、図12に示されるように、流体管2から支持部材3を取り外す。このように、支持部材3を流体管2から取外すことができるので、支持部材3が筐体4の両側に残置され経年劣化することなく筐体4周辺を簡素化するとともに、取外した支持部材3を他の流体管の施工箇所に取付ける等、再使用することができる。
【0053】
支持部材3を取り外した後では、弁部材5の弁体5vを閉止する際に加わる圧力は離脱防止金具6,6で受けることができるため、前述したように支持部材3を取り外すことができる。
【0054】
図13,14に示されるように、筐体4の排出孔42bからバルブ49を取り外し、これに替えてプラグ48を取り付ける。なお、筐体4の内底部と弁座体5bとの密封が確認できていれば、支持部材3よりも先にバルブ49を取り外しても構わない。
【0055】
最後に、特に図示しないが、図13,14の状態から流体管2、筐体4及び弁部材5を埋め戻す。なお、埋め戻し前に必要に応じて筐体4の下部と掘削地面との間にジャッキ等を介設してもよい。
【0056】
次に、本発明に係る支持部材の変形例につき図15図22を参照して説明する。尚、前記実施例と同一構成で重複する説明を省略する。
【0057】
まず、変形例1の支持部材103について説明する。図15,16に示されるように支持部材103は、筐体4及び離脱防止金具6,6を管軸方向に挟む両側の位置にて流体管2の外周面に取付けられる一対の取付部131,132と、これらの取付部131,132同士に架け渡されて管軸方向に延設される複数の延設部133,133とから主として構成される。
【0058】
一方の取付部131は、流体管2の外面に接する内面を有する略半円筒状に形成された上部取付部131aと、管軸直交方向に延設され断面視略正方形の内空の角柱管138,138を、管軸方向に複数並設した下部取付部131bとに分割された構造を有し、流体管2を挟んで互いに接続されている。また他方の取付部132は、取付部131と同じ形状であって、上部取付部132aと下部取付部132bとから構成される。ここで本変形例の下部取付部131b,132bは本発明の第1分割部を構成し、また上部取付部131a,132a及び後述する上部取付部131a’は本発明の第2分割部を構成する。このように、取付部131,132が分割構造を有していることで、流体管2の任意の位置に容易に取付けることができる。
【0059】
なお、本変形例の下部取付部131bは、2本の角柱管138を管軸方向に並設して構成されているが、下部取付部はこれに限らず、1本のみの角柱管若しくは3本以上の角柱管を並設してもよい。また、本変形例の下部取付部を構成する角柱管の断面視形状は、略正方形に限らず長方形状等であってもよいし、あるいは角柱管に限らず円柱管であってもよく、更に中空構造に限らず中実構造であっても構わない。
【0060】
また一対の下部取付部131b,132bと、本実施例では2本の延設部133,133とは締結部材135で締結された別体構造を有している。詳述すると、下部取付部131b,132bの左右両端部に形成された上下方向に貫通する貫通孔と、延設部133の管軸方向の両端部に形成された上下方向に貫通する貫通孔とに、締結部材135を構成する締結ボルトを挿通し、これにナットを緊締することで、一対の下部取付部131b,132bと、2本の延設部133,133とが固定に接続されている。
【0061】
また図15,17に示されるように、本変形例の延設部133,133は、筐体4の下部と略同じ高さ位置にて筐体4を左右に挟むように略平行に、流体管2を中心に略対称に延設されている。このようにすることで、支持部材103により流体管2を偏りなく均一に支持することができる。
【0062】
図16に示されるように、延設部133,133は、左右方向に延設される下部取付部131b,132bと略直交に接続されており、すなわちこれらの延設部133,133と下部取付部131b,132bとは、平面視で井形に構成されている。延設部133は、角柱管138と同じ断面形状の断面視略正方形で中空の略角柱状に構成され、下部取付部131b,132bと面接触で接続されて応力を分散し易く、更に前述のように井形の構造と相俟って撓み等が生じ難く高い構造強度を有している。
【0063】
上部取付部131a,132aと下部取付部131b,132bとは、互いに対向する箇所に形成された貫通孔同士に挿通されるボルト・ナット134を締結することで、流体管2の外周面の任意の位置に着脱可能に取付けられている。また、下部取付部131b,132bの上面には、凹状に湾曲した凹曲部137が設けられ、流体管2の下部の外面に面接触するように構成されている。
【0064】
また、図18に示されるように、本変形例の支持部材103を構成する延設部133,133及び下部取付部131b,132bは、流体管2よりも大径の流体管(以下、大径管2’と称する)に対しても取り付け可能に構成されている。詳しくは、前述した上部取付部131a,132aに替えて、大径管2’の外面に接する内面を有する略半円筒状に形成された上部取付部131a’と、下部取付部131bとに、互いに対向する箇所に形成された貫通孔同士に挿通されるボルト・ナット136を締結することで、大径管2’の外周面の任意の位置に着脱可能に取付けられている。すなわち本変形例の支持部材103は、異なる外径の流体管2、大径管2’の外面に応じた径の内面をそれぞれ備えた複数の上部取付部131a,131a’を有している。下部取付部131b,132bには、前述した上部取付部131aと対向する箇所とは別の箇所に、上部取付部131a’と対向してボルト・ナット136を挿通するための貫通孔が形成されている。このようにすることで、延設部133,133及び下部取付部131b,132bを共通化して支持部材103の汎用性を高めることができる。
【0065】
なお、本変形例の支持部材103は、2種類の流体管2、大径管2’の外面にそれぞれ応じた内面を備える2つの上部取付部131a,131a’を有しているが、これに限らず支持部材103は、3種類以上の流体管の外面にそれぞれ応じた内面を備える3つ以上の上部取付部を有してもよい。
【0066】
また図15,16に示されるように、支持部材103を構成する一対の取付部131,132は、筐体4及び離脱防止金具6,6に接することなく管軸方向に離間して設けられている。同様に延設部133,133は筐体4及び離脱防止金具6,6に接することなく管径方向に離間して設けられている。更に支持部材103は、流体管2周囲の図示しない原地面、掘削地面、擁壁や構造物の下面、側面等の支持面に接することなく離間した状態で、すなわちこれらの支持面からの支持力を得ることなく流体管2に取付けられている。
【0067】
次に、変形例2の支持部材203について説明する。図19,20に示されるように支持部材203は、筐体4及び離脱防止金具6,6を管軸方向に挟む両側の位置にて流体管2の外周面に取付けられる一対の取付部231,232と、これらの取付部231,232同士に架け渡されて管軸方向に延設される一つの延設部233とから主として構成される。
【0068】
一方の取付部231は、流体管2の外面に接する内面を有する略円筒状に形成されるとともに、流体管2の径方向(本変形例では上下方向であるが、水平方向や斜め方向でも構わない)に分割された構造を有しており、流体管2を挟んで互いに接続される上部取付部231aと下部取付部231bとから構成される。また他方の取付部232は、取付部231と同じ形状であって、上部取付部232aと下部取付部232bとから構成される。ここで本実施例の下部取付部231b,232bは本発明の第1分割部を構成し、また上部取付部231a,232aは本発明の第2分割部を構成する。このように、取付部231,232が分割構造を有していることで、流体管2の任意の位置に容易に取付けることができる。
【0069】
また一対の下部取付部231b,232bと、本変形例では1本の延設部233とは一体構造を有している。詳述すると、それぞれの下部取付部231b,232bの筐体4寄りの下面には、鉛直下方に向け長く延出された板状の鍔部235,235が管軸方向に互いに対向するように設けられ、延設部233の両端部がこれらの鍔部235,235を貫通した状態にて溶接等で固定されている。すなわち、本変形例の下部取付部231b,232b及び延設部233は一体に構成されている。このようにすることで、支持部材203の剛性を高めることができる。なお、これに限らず、延設部233と下部取付部231b,232bとは別体に構成され、ボルト等で着脱可能に取付けられるものであってもよい。
【0070】
また図19,20に示されるように、本変形例の延設部233は、筐体4の下端に設けられたバルブ249から略鉛直下方に離間した高さ位置にて流体管2と略平行に延設されている。なお本変形例のバルブ249によって開閉される排出口249aは、管軸に対し略直交方向を向いて開口している。このようにすることで、バルブ249よりも下方にて管軸方向に延びる延設部233によって干渉されることなく、管軸略直交方向を向く排出口249aを介し、筐体4内の流体を容易に排出することができる。
【0071】
更に延設部233の両端部は、鍔部235の内側面に溶接等で固定されている。また鍔部235の内側面には、延設部233を上下に挟むように補強リブ236aが設けられるとともに、鍔部235の外側面と下部取付部231b,232bの下面とに架けて、管軸方向視で延設部233を左右に挟むように補強リブ236b,236bが設けられている。延設部233は、断面視略円形の比較的肉厚で中空の略円柱状に構成されており、更に前述した補強リブ236a,236bと相俟って撓み等が生じ難く高い構造強度を有している。
【0072】
上部取付部231a,232aと下部取付部231b,232bとは、互いに対向するフランジ部同士に挿通されるボルト・ナット234を締結することで、流体管2の外周面の任意の位置に着脱可能に取付けられている。
【0073】
また図19に示されるように、支持部材203を構成する一対の取付部231,232は、筐体4及び離脱防止金具6,6に接することなく管軸方向に離間して設けられている。同様に延設部233は筐体4及び離脱防止金具6,6に接することなく管径方向に離間して設けられている。更に支持部材203は、流体管2周囲の図示しない原地面、掘削地面、擁壁や構造物の下面、側面等の支持面に接することなく離間した状態で、すなわちこれらの支持面からの支持力を得ることなく流体管2に取付けられている。
【0074】
次に、変形例3の支持部材303について説明する。図21,22に示されるように支持部材303は、筐体4及び離脱防止金具6,6を管軸方向に挟む両側の位置にて流体管2の外周面に取付けられる一対の取付部331,332と、これらの取付部331,332同士に架け渡されて管軸方向に延設される複数の延設部333,333とから主として構成される。
【0075】
一方の取付部331は、流体管2の外面に接する内面を有する略円筒状に形成されるとともに、流体管2の径方向(本変形例では上下方向であるが、水平方向や斜め方向でも構わない)に分割された構造を有しており、流体管2を挟んで互いに接続される上部取付部331aと下部取付部331bとから構成される。また他方の取付部332は、取付部331と同じ形状であって、上部取付部332aと下部取付部332bとから構成される。ここで本変形例の上部取付部331a,332aは本発明の第1分割部を構成し、また下部取付部331b,332bは本発明の第2分割部を構成する。このように、取付部331,332が分割構造を有していることで、流体管2の任意の位置に容易に取付けることができる。
【0076】
また一対の上部取付部331a,332aと、本変形例では2本の延設部333,333とは一体構造を有している。詳述すると、それぞれの上部取付部331a,331aの筐体4寄りの上面には、斜め上方に向け外側方に延出された板状の鍔部335,335が管軸方向に互いに対向するように設けられ、それぞれの延設部333,333の両端がこれらの鍔部335,335を貫通した状態にて溶接等で固定されている。すなわち、本実施例の上部取付部331a,332a及び延設部333,333は一体に構成されている。このようにすることで、支持部材303の剛性を高めることができる。なお、これに限らず、延設部333,333と上部取付部331a,332aとは別体に構成され、ボルト等で着脱可能に取付けられるものであってもよい。
【0077】
また図21,22に示されるように、本実施例の延設部333,333は、筐体4の上部と略同じ高さ位置にて筐体4を左右に挟むように略平行に、流体管2を中心に略対称に延設されている。このようにすることで、支持部材303により流体管2を偏りなく均一に支持することができる。
【0078】
更に延設部333の両端部は、鍔部335の内側面に溶接等で固定されている。また鍔部335の内側面には、延設部333を上下に挟むように補強リブ336aが設けられるとともに、鍔部335の外側面と上部取付部331a,332aの上面とに架けて補強リブ336bが設けられている。延設部333は、断面視略円形の比較的肉厚で中空の略円柱状に構成されており、更に前述した補強リブ336a,336bと相俟って撓み等が生じ難く高い構造強度を有している。
【0079】
上部取付部331a,332aと下部取付部331b,332bとは、互いに対向するフランジ部同士に挿通されるボルト・ナット334を締結することで、流体管2の外周面の任意の位置に着脱可能に取付けられている。
【0080】
また図21に示されるように、支持部材303を構成する一対の取付部331,332は、筐体4及び離脱防止金具6,6に接することなく管軸方向に離間して設けられている。同様に延設部333,333は筐体4及び離脱防止金具6,6に接することなく管径方向に離間して設けられている。更に支持部材303は、流体管2周囲の図示しない原地面、掘削地面、擁壁や構造物の下面、側面等の支持面に接することなく離間した状態で、すなわちこれらの支持面からの支持力を得ることなく流体管2に取付けられている。
【0081】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0082】
例えば、前記実施例で支持部材3は、筐体4内でカッター72により切断される途中の流体管2及び切断後の流体管2を支持し、更に筐体4内に弁部材5を設置する際に流体管2を支持していたが、これに限らず支持部材3は、少なくとも切断途中及び切断後の流体管2を支持していればよく、切断後に取り外してもよい。あるいは支持部材3は、弁部材5の設置後に流体管2から取り外すことなく、筐体4及び弁部材5とともに流体管2に取付けられた状態で施工を終えてもよい。
【0083】
また例えば、前記実施例で支持部材3を構成する一対の取付部31,32は、筐体4及び離脱防止金具6,6に接することなく管軸方向に離間して設けられ、同様に延設部33,33は、筐体4及び離脱防止金具6,6に接することなく管径方向に離間して設けられているが、これに限らず、一対の取付部31,32と筐体4若しくは離脱防止金具6,6との間や、延設部33,33筐体4若しくは離脱防止金具6,6との間に介在物を設けても良いし、或いはこれらが直接に接してもよい。
【0084】
また例えば、前記実施例で支持部材3は、流体管2周囲の図示しない原地面、掘削地面、擁壁や構造物の下面、側面等の支持面に接することなく離間した状態で、すなわちこれらの支持面からの支持力を得ることなく流体管2に取り付けられていたが、これに限らず、支持力を得ない状態で、離間した隙間を埋める介在物(例えば地面と支持部材3との間に支持力を得ない状態で載置した木材等)を介設することも、離間して設けられているものの意味に含まれる。
【0085】
更に例えば、前記実施例で筐体4内に流体管2の切断後に挿入される挿入体としての弁部材5は、いわゆるソフトシール弁として説明されているが、これに限らず、スルース弁、バタフライ弁、ボール弁、切換弁、あるいはプラグであってもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 管切断装置
2 既設流体管(流体管)
2’ 大径管(流体管)
3 支持部材
4 筐体
5 弁部材
6 離脱防止金具
31,32 取付部
31a,32a 上部取付部(第2分割部)
31b,32b 下部取付部(第1分割部)
33 延設部
60 作業弁
70 穿孔装置
72 カッター
80 弁部材挿入装置
103 支持部材
131,132 取付部
131a,131a’,132a 上部取付部(第2分割部)
131b,132b 下部取付部(第1分割部)
133 延設部
203 支持部材
231,232 取付部
231a,232a 上部取付部(第2分割部)
231b,232b 下部取付部(第1分割部)
233 延設部
303 支持部材
331,332 取付部
331a,332a 上部取付部(第1分割部)
331b,332b 下部取付部(第2分割部)
333 延設部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22