(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092021
(43)【公開日】2024-07-05
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/60 20060101AFI20240628BHJP
H01L 23/48 20060101ALI20240628BHJP
【FI】
H01L21/60 301B
H01L23/48 G
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024074421
(22)【出願日】2024-05-01
(62)【分割の表示】P 2021520729の分割
【原出願日】2020-05-13
(31)【優先権主張番号】P 2019094797
(32)【優先日】2019-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019097989
(32)【優先日】2019-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】林 健二
(72)【発明者】
【氏名】神田 沢水
(72)【発明者】
【氏名】安部 英俊
(57)【要約】
【課題】インダクタンスを低減できる半導体装置を提供すること。
【解決手段】半導体装置1は、主面10a及び裏面を有する導電性の金属板10と、素子表面40a側に形成された第1電極41及び制御電極43と、素子裏面側に形成された第2電極と、を有する半導体素子40と、平面視で金属板10と離れて配置される第1リード21、第2リード31、及び第3リード81と、第1電極41と第1リード21を接続するとともに平面視で最も離間するように配置された第1ワイヤ61及び第2ワイヤ62と、制御電極43と第2リード31を接続する第3ワイヤ70と、第1電極41と第3リード81を接続する第4ワイヤ90とを含む。第1ワイヤ61及び第2ワイヤ62は、第1電極41側の接続部の間隔よりも第1リード21のワイヤ接続部側の接続部の間隔の方が離れるように接続されている。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚さ方向となる第1方向に離間した主面及び裏面を有する導電性の金属板と、
前記主面と同じ方向を向く素子表面、及び前記素子表面と対向する素子裏面と、前記素子表面側に形成された第1電極及び制御電極と、前記素子裏面側に形成された第2電極と、を有し、前記素子裏面が前記主面に実装される半導体素子と、
前記第1方向にみた平面視で前記金属板と離れて配置されるワイヤ接続部をそれぞれ有する第1リード、第2リード、及び第3リードと、
前記第1電極と前記第1リードの前記ワイヤ接続部とを接続する複数のワイヤのうち前記平面視で最も離間するように配置された第1ワイヤ及び第2ワイヤと、
前記制御電極と前記第2リードの前記ワイヤ接続部とを接続する第3ワイヤと、
前記第1電極と前記第3リードの前記ワイヤ接続部とを接続する第4ワイヤと
を備え、
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤは、前記第1電極側の接続部の間隔よりも前記第1リードの前記ワイヤ接続部側の接続部の間隔の方が離れるように接続されている
半導体装置。
【請求項2】
前記第1電極上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の一部に前記第1電極を露出するように形成された開口部と、
を有し、
前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記第1リード、前記第2リード、及び前記第3リードと、前記金属板とは、前記第2方向において対向し、
前記第3方向における前記第1リードの前記ワイヤ接続部の大きさは、前記第3方向における前記開口部の大きさよりも大きい
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記開口部は、前記平面視において、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成される
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記半導体素子はSiCを含み、
前記金属板は、アルミニウム(Al)又は銅(Cu)を含む
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記半導体素子、前記第1ワイヤ、前記第2ワイヤ、前記第3ワイヤ、前記第4ワイヤ、前記金属板、前記第1リード、前記第2リード、及び前記第3リードの少なくとも一部を封止する封止樹脂をさらに備え、
前記金属板の前記裏面は前記封止樹脂から前記金属板が露出する露出面を含む
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記露出面は前記第2電極に電気的に接続されている
請求項5に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1リード、前記第2リード、及び前記第3リードはそれぞれ、前記主面と平行な方向に前記封止樹脂の第1側面から突出し、
前記金属板の前記裏面には、前記平面視で前記半導体素子の前記第1側面側の側面と重なる位置から前記金属板の前記第1側面側の端部に至る窪みが形成され、
前記封止樹脂の一部は、前記窪みに入り込んでおり、
前記金属板の前記裏面のうちの前記第1側面側の露出面から前記金属板の前記第1側面側の端部までの前記窪みの長さは、前記金属板の前記裏面のうちの他の側面側の露出面から前記金属板の他の側面側の端部までの窪みの長さよりも長い
請求項5に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記第3方向における前記第1リードの前記ワイヤ接続部の大きさは、前記第3方向における前記半導体素子の大きさよりも大きい
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤはそれぞれ、前記第1電極に接続されている第1電極側端部と、前記第1リードの前記ワイヤ接続部に接続されているワイヤ接続部側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤのそれぞれの前記第1電極側端部は、前記第2方向において揃った状態で前記第3方向に配列されている
請求項2~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤはそれぞれ、前記第1電極に接続されている第1電極側端部と、前記第1リードの前記ワイヤ接続部に接続されているワイヤ接続部側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤのそれぞれの前記第1電極側端部は、前記第2方向にずれている
請求項2~8のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項11】
前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、
前記第1電極は、前記開口部によって露出している露出領域を有し、
前記露出領域は、前記第3方向の両端部である第1露出端部及び第2露出端部を有し、
前記第1ワイヤは、前記露出領域の前記第3方向の中央部よりも前記第1露出端部側に接続され、
前記第2ワイヤは、前記露出領域の前記第3方向の中央部よりも前記第2露出端部側に接続されている
請求項2に記載の半導体装置。
【請求項12】
前記半導体素子と前記第1リードの前記ワイヤ接続部とは少なくとも前記第2方向にずれており、
前記第1電極と前記第1リードの前記ワイヤ接続部とを接続する前記複数のワイヤは、前記第3方向に離間して配列されており、
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤは、前記複数のワイヤのうちの前記第3方向の両端にあるワイヤである
請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第3方向における前記第1リードの前記ワイヤ接続部の大きさは、前記第3方向における前記開口部の大きさよりも大きい
請求項11に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤはそれぞれ、前記第1電極に接続されている第1電極側端部と、前記第1リードの前記ワイヤ接続部に接続されているワイヤ接続部側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤのそれぞれの前記第1電極側端部は、前記第2方向において揃った状態で前記第3方向に配列されている
請求項11~13のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤはそれぞれ、前記第1電極に接続されている第1電極側端部と、前記第1リードの前記ワイヤ接続部に接続されているワイヤ接続部側端部とを有し、
前記第1リードの前記ワイヤ接続部は、前記第3方向の両端部である第1端部及び第2端部を有し、
前記第1ワイヤの前記ワイヤ接続部側端部は、前記第1リードの前記ワイヤ接続部の前記第3方向の中央部よりも前記第1端部側に接続されており、
前記第2ワイヤの前記ワイヤ接続部側端部は、前記第1リードの前記ワイヤ接続部の前記第3方向の中央部よりも前記第2端部側に接続されている
請求項11~13のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項16】
前記第1ワイヤの前記ワイヤ接続部側端部は、前記第1端部に接続されており、
前記第2ワイヤの前記ワイヤ接続部側端部は、前記第2端部に接続されている
請求項15に記載の半導体装置。
【請求項17】
前記第1方向からみて、前記第1電極は、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状である
請求項11~13又は16のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、基板と、基板に実装されたパワートランジスタ等の半導体素子と、半導体素子のソース電極と複数の駆動ワイヤを介して接続される駆動パッドを有する駆動リードと、半導体素子のゲート電極と制御ワイヤを介して接続される制御パッドを有する制御リードと、半導体素子を少なくとも封止する封止樹脂とを備える(例えば、特許文献1及び2参照)。また、特許文献2において、駆動リードは、封止樹脂から突出する駆動端子を備える。半導体素子は、半田によって基板に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-174951号公報
【特許文献2】特開2016-152242号公報
【0004】
[概要]
例えば特許文献1の半導体装置では、3本の駆動ワイヤが僅かに離間した状態で隣り合うように配置されている。このため、3本の駆動ワイヤがソース電極と駆動パッドとに接続されることにより、1本の駆動ワイヤの構成と比較して、インダクタンスを低減できるものの、複数の駆動ワイヤの配置関係に起因するインダクタンスの低減についてはなお改善の余地がある。なお、このような問題は、スイッチング素子に限られず、スイッチング素子に代えてダイオードを備える半導体装置についても同様に生じる場合がある。
【0005】
また、例えば特許文献2の半導体装置では、基板が封止樹脂の裏面から露出することによって半導体素子の放熱性を向上させている。しかし、基板が封止樹脂の裏面から露出しているため、駆動端子と基板との間の絶縁耐力の向上について改善の余地がある。
【0006】
本開示の一態様の半導体装置は、厚さ方向となる第1方向に離間した主面及び裏面を有する導電性の金属板と、前記主面と同じ方向を向く素子表面、及び前記素子表面と対向する素子裏面と、前記素子表面側に形成された第1電極及び制御電極と、前記素子裏面側に形成された第2電極と、を有し、前記素子裏面が前記主面に実装される半導体素子と、前記第1方向にみた平面視で前記金属板と離れて配置されるワイヤ接続部をそれぞれ有する第1リード、第2リード、及び第3リードと、前記第1電極と前記第1リードの前記ワイヤ接続部とを接続する複数のワイヤのうち前記平面視で最も離間するように配置された第1ワイヤ及び第2ワイヤと、前記制御電極と前記第2リードの前記ワイヤ接続部とを接続する第3ワイヤと、前記第1電極と前記第3リードの前記ワイヤ接続部とを接続する第4ワイヤとを備え、前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤは、前記第1電極側の接続部の間隔よりも前記第1リードの前記ワイヤ接続部側の接続部の間隔の方が離れるように接続されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1実施形態の半導体装置の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の半導体装置の内部構造を示す平面図である。
【
図6】
図6は、
図2の半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図11】
図11は、第1実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態の半導体装置の斜視図である。
【
図16】
図16は、第2実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図17】
図17は、第2実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図18】
図18は、第2実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図19】
図19は、第2実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図20】
図20は、第2実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図21】
図21は、第2実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図22】
図22は、第3実施形態の半導体装置の斜視図である。
【
図26】
図26は、第3実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図27】
図27は、第3実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図28】
図28は、第3実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図29】
図29は、第3実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図30】
図30は、第3実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図31】
図31は、第3実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図32】
図32は、第4実施形態の半導体装置について、その内部構造を示す平面図である。
【
図33】
図33は、第4実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図34】
図34は、各実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図35】
図35は、第5実施形態の半導体装置の斜視図である。
【
図43】
図43は、第5実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図44】
図44は、第5実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図45】
図45は、第5実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図46】
図46は、第5実施形態の半導体装置の斜視図である。
【
図52】
図52は、第6実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図53】
図53は、第6実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図54】
図54は、第6実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図55】
図55は、第6実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図56】
図56は、第6実施形態の半導体装置の変更例について、半導体装置の模式的な断面図である。
【
図57】
図57は、第6実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図59】
図59は、各実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図60】
図60は、各実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図62】
図62は、各実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図63】
図63は、各実施形態の半導体装置の変更例について、半導体素子及びその周辺の拡大図である。
【
図64】
図64は、各実施形態の半導体装置の変更例について、半導体装置の模式的な断面図である。
【
図65】
図65は、各実施形態の半導体装置の変更例について、半導体装置の模式的な断面図である。
【0008】
[詳細な説明]
以下、半導体装置の実施形態について図面を参照して説明する。以下に示す実施形態は、技術的思想を具体化するための構成や方法を例示するものであり、各構成部品の材質、形状、構造、配置、寸法等を下記のものに限定するものではない。以下の実施形態は、種々の変更を加えることができる。
【0009】
(第1実施形態)
図1~
図11を参照して、半導体装置の第1実施形態について説明する。なお、
図4及び
図5の断面図について、便宜上、ハッチングを省略して示している。
【0010】
図1に示すように、半導体装置1は、基板10と、駆動リード20と、制御リード30と、基板10の主面10aに実装された半導体素子40と、半導体素子40を封止する封止樹脂50とを備える。駆動リード20は、封止樹脂50から突出したアウターリード20A、及び封止樹脂50内に設けられ、アウターリード20Aと電気的に接続されたインナーリード20Bを有する。本実施形態では、アウターリード20A及びインナーリード20Bは一体化された単一部品である。制御リード30は、封止樹脂50から突出したアウターリード30A、及び封止樹脂50内に設けられ、アウターリード30Aと電気的に接続されたインナーリード30Bを有する。本実施形態では、アウターリード30A及びインナーリード30Bは一体化された単一部品である。半導体装置1の封止樹脂50の横寸法L2は、10mm以下が好ましい。本実施形態の半導体装置1は、パッケージ外形規格(JEITA規格)がTO(Transistor Outline)-252のパッケージである。詳細には、半導体装置1の縦寸法L1が9.5mm~10.50mm、横寸法L2が6.4mm~6.8mm、厚さ寸法L3が2.1mm~2.3mmである。また、半導体装置1は、封止樹脂50の1つの面から駆動リード20のアウターリード20A及び制御リード30のアウターリード30Aがそれぞれ延びる、いわゆるSIP(Single Inline Package)タイプである。
【0011】
図1に示すとおり、封止樹脂50の形状は、直方体である。封止樹脂50は、電気絶縁性を有する合成樹脂である。一例では、封止樹脂50は、エポキシ樹脂である。封止樹脂50は、第1封止樹脂側面51、第2封止樹脂側面52、第3封止樹脂側面53、第4封止樹脂側面54、封止樹脂裏面55、及び封止樹脂天面56の6面を有する。第1封止樹脂側面51及び第2封止樹脂側面52は、間隔をあけて互いに反対側を向いている。第3封止樹脂側面53及び第4封止樹脂側面54は、間隔をあけて互いに反対側を向いている。封止樹脂裏面55及び封止樹脂天面56は、間隔をあけて互いに反対側を向いている。以降の説明において、封止樹脂裏面55と封止樹脂天面56とが配列される方向を厚さ方向Zとし、第1封止樹脂側面51と第2封止樹脂側面52とが配列される方向を縦方向Xとし、第3封止樹脂側面53と第4封止樹脂側面54とが配列される方向を横方向Yとする。縦方向X及び横方向Yは、厚さ方向Zと直交する方向である。縦方向Xは、横方向Yと直交する方向である。ここで、厚さ方向Zは第1方向に相当し、縦方向Xは第2方向に相当し、横方向Yは第3方向に相当する。
【0012】
封止樹脂50は、モールド成形によって形成されている。封止樹脂50の各側面51~54は、封止樹脂50の成形時に金型を抜き易くするような抜き勾配を設けるため、厚さ方向Zに対して傾斜する傾斜面が設けられている。具体的には、各側面51~54は、金型の上型を抜き易くするような抜き勾配を設けた第1傾斜面と、金型の下型を抜き易くするような抜き勾配を設けた第2傾斜面とを有する。金型の上型は、封止樹脂天面56と各側面51~54のうちの封止樹脂天面56側の部分を形成する。下型は、封止樹脂裏面55と各側面51~54のうちの封止樹脂裏面55側の部分を形成する。一例では、
図4及び
図5に示すように、第1封止樹脂側面51は、第1傾斜面51a及び第2傾斜面51bを有する。第1傾斜面51aは、封止樹脂天面56に向かうにつれて第2封止樹脂側面52に向けて傾斜している。第2傾斜面51bは、封止樹脂裏面55に向かうにつれて第2封止樹脂側面52に向けて傾斜している。第1傾斜面51aの長さは、第2傾斜面51bの長さよりも長い。第2封止樹脂側面52は、第1傾斜面52a及び第2傾斜面52bを有する。第1傾斜面52aは、封止樹脂天面56に向かうにつれて第1封止樹脂側面51に向けて傾斜している。第2傾斜面52bは、封止樹脂裏面55に向かうにつれて第1封止樹脂側面51に向けて傾斜している。第1傾斜面52aの長さは、第2傾斜面52bの長さよりも長い。第2傾斜面52bは、基板10よりも封止樹脂天面56側にわたり形成されている。なお、第1傾斜面51aの長さ及び第2傾斜面51bの長さはそれぞれ任意に変更可能である。また第1傾斜面52aの長さ及び第2傾斜面52bの長さはそれぞれ任意に変更可能である。
【0013】
図2は、半導体装置1を厚さ方向Zの封止樹脂天面56からみた図である。
図2では、便宜上、封止樹脂50を二点鎖線にて示し、封止樹脂50内の部品を実線で示している。
図2に示すとおり、半導体装置1を厚さ方向Zの封止樹脂天面56からみて(以下、「平面視」という)、封止樹脂50の形状は、縦方向Xが長辺方向となり、横方向Yが短辺方向となる略矩形状である。平面視において、第1封止樹脂側面51及び第2封止樹脂側面52は横方向Yに沿う側面であり、第3封止樹脂側面53及び第4封止樹脂側面54は縦方向Xに沿う側面である。
【0014】
基板10は、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く主面10a及び裏面10b(
図3参照)を有する。主面10aは、封止樹脂天面56と同じ方向を向き、裏面10bは、封止樹脂裏面55と同じ方向を向いている。基板10は、例えばアルミニウム(Al)又は銅(Cu)によって形成されている。基板10は、平板状の基板本体部11と、リード部16とを有する。本実施形態では、基板本体部11とリード部16とが一体化した単一部品である。
【0015】
基板本体部11は、封止樹脂50に覆われた内側本体部12と、封止樹脂50から突出した突出部13とに区分できる。内側本体部12及び突出部13は、縦方向Xに隣り合っている。突出部13は、第1封止樹脂側面51から縦方向Xに突出している。本実施形態では、突出部13の横方向Yの大きさは、内側本体部12の横方向Yの大きさよりも小さい。なお、突出部13の横方向Yの大きさは任意に変更可能である。一例では、突出部13の横方向Yの大きさは、内側本体部12の横方向Yの大きさと等しくてもよい。
【0016】
平面視において、内側本体部12は、その縦方向Xの中心が封止樹脂50の縦方向Xの中心よりも第1封止樹脂側面51寄りとなるように配置されている。内側本体部12は、主面12a、裏面12b(
図3参照)、第1側面12c、第2側面12d、及び第3側面12eを有する。主面12aと裏面12bとは、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向いている。主面12aは基板10の主面10aの一部を構成し、裏面12bは基板10の裏面10bを構成している。このため、主面12aは封止樹脂天面56側に面し、裏面12bは封止樹脂裏面55側を面している。また、第1側面12cは第2封止樹脂側面52に面し、第2側面12dは第3封止樹脂側面53に面し、第3側面12eは第4封止樹脂側面54に面している。第1側面12cは横方向Yに沿って延びている。第2側面12d及び第3側面12eは、横方向Yにおいて間隔をあけて対向している。第2側面12d及び第3側面12eは、縦方向Xに沿って延びている。
【0017】
内側本体部12において突出部13側の端部には、幅狭部14が形成されている。幅狭部14は、第2側面12dから横方向Yの第4封止樹脂側面54側に向けて凹む湾曲状の凹部14aと、第3側面12eから横方向Yの第3封止樹脂側面53側に向けて凹む湾曲状の凹部14bとによって形成されている。幅狭部14の横方向Yの大きさは、内側本体部12のうちの幅狭部14以外の部分の横方向Yの大きさよりも小さい。また幅狭部14の横方向Yの大きさは、突出部13の横方向Yの大きさよりも小さい。幅狭部14は、封止樹脂50の第1封止樹脂側面51と縦方向Xに隣り合うように設けられている。幅狭部14には、厚さ方向Zにおいて幅狭部14を貫通している貫通孔15が設けられている。平面視における貫通孔15の形状は、横方向Yが長手方向となる長円である。
【0018】
内側本体部12には、内側本体部12の本体側面から突出する複数のフランジ部19が設けられている。
複数のフランジ部19は、第1フランジ部19a、第2フランジ部19b、第3フランジ部19c、及び第4フランジ部19dを含む。第1フランジ部19aは、内側本体部12の第1側面12cから第2封止樹脂側面52に向けて突出している。第2フランジ部19bは、内側本体部12の第2側面12dから第3封止樹脂側面53に向けて突出している。第3フランジ部19cは、内側本体部12の第3側面12eから第4封止樹脂側面54に向けて突出している。第4フランジ部19dは、幅狭部14の横方向Yの両端部と、貫通孔15の第2封止樹脂側面52側の部分とに設けられている。
【0019】
第1フランジ部19a、第2フランジ部19b、第3フランジ部19c、及び第4フランジ部19dはそれぞれ、内側本体部12の主面12aと面一となるように設けられている。このため、基板10の主面10aは、内側本体部12の主面12aと、第1フランジ部19a、第2フランジ部19b、第3フランジ部19c、及び第4フランジ部19dとによって構成されている。また、第1フランジ部19a、第2フランジ部19b、第3フランジ部19c、及び第4フランジ部19dはそれぞれ、内側本体部12の裏面12bよりも主面12a側となるように設けられている。このため、基板10の裏面10bは、内側本体部12の裏面12bによって構成されている。このような各フランジ部19a~19dの構成によれば、基板10と封止樹脂50との分離を抑制できる。
【0020】
図3に示すように、基板10の裏面10b(内側本体部12の裏面12b)は、封止樹脂裏面55から露出している。これにより、基板10の放熱性を向上できる。封止樹脂50は、内側本体部12の幅狭部14の凹部14a,14b及び貫通孔15のそれぞれに入り込んでいる。これにより、基板10と封止樹脂50との分離を一層抑制できる。
【0021】
図2及び
図4に示すように、リード部16は、内側本体部12の第1側面12c側の端部から第2封止樹脂側面52に向けて延びているとともに第2封止樹脂側面52から突出している。リード部16は、第2封止樹脂側面52から突出した端子部17と、端子部17と内側本体部12とを連結している連結部18とに区分できる。
【0022】
連結部18は、横方向Yにおいて内側本体部12の中央部よりも第2側面12d側の部分に位置している。連結部18は、第1フランジ部19aから連続している。すなわち、連結部18のうちの第1フランジ部19aに接続されている部分の厚さは、第1フランジ部19aの厚さと等しい。連結部18は、傾斜部18aを有する。傾斜部18aは、第1フランジ部19aから第2封止樹脂側面52に向かうにつれて封止樹脂天面56に向けて傾斜している。連結部18のうちの傾斜部18aと端子部17との間の中間部18bは、内側本体部12の主面12aよりも封止樹脂天面56側に位置している。平面視において、中間部18bは、第4封止樹脂側面54側に屈曲する屈曲部18cを有する。中間部18bのうちの第2封止樹脂側面52と接触する部分は、横方向Yにおいて第2封止樹脂側面52の中央部に位置している。
【0023】
端子部17は、第2封止樹脂側面52の横方向Yの中央部から突出している。厚さ方向Zにおいて、端子部17の位置は、中間部18bの位置と同じである。すなわち端子部17は、内側本体部12の主面12aよりも封止樹脂天面56側に位置している。
【0024】
図2に示すように、平面視において、基板10よりも封止樹脂50の第2封止樹脂側面52側には、駆動リード20及び制御リード30が基板10に対して縦方向Xに離間した状態で配置されている。駆動リード20及び制御リード30は、横方向Yにおいて互いに離間した状態で配置されている。駆動リード20と制御リード30との横方向Yの間には、リード部16が配置されている。
【0025】
駆動リード20は、駆動パッド21、駆動端子22、及び、駆動パッド21と駆動端子22とを連結する連結部23を有する。駆動パッド21及び連結部23はインナーリード20Bを構成し、駆動端子22はアウターリード20Aを構成している。駆動パッド21及び連結部23は、縦方向Xにおいて基板10と第2封止樹脂側面52との間に配置されている。駆動パッド21及び連結部23は、横方向Yにおいて封止樹脂50の横方向Yの中央部よりも第4封止樹脂側面54側に配置されている。
【0026】
平面視における駆動パッド21の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる略矩形状である。駆動パッド21は、横方向Yの両端部である第1端部21a及び第2端部21bを有する。第1端部21aは、駆動パッド21のうちの第3封止樹脂側面53側の端部である。第2端部21bは、駆動パッド21のうちの第4封止樹脂側面54側の端部である。第1端部21aは、縦方向Xからみて、リード部16の屈曲部18cと重なるように配置されている。第2端部21bは、内側本体部12の第3側面12eよりも第4封止樹脂側面54側に位置している。本実施形態では、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさは、横方向Yにおける半導体素子40の大きさよりも小さい。
図5に示すように、駆動パッド21は、厚さ方向Zにおいて、内側本体部12の主面12aよりも封止樹脂天面56側に位置している。また駆動パッド21は、厚さ方向Zにおいて、半導体素子40の表面40aよりも封止樹脂天面56側に位置している。
図4及び
図5に示すように、本実施形態では、駆動パッド21は、厚さ方向Zにおいてリード部16の中間部18bと同じ位置である。
【0027】
図2に示すように、連結部23は、駆動パッド21のうちの第2封止樹脂側面52側の端部から連続している。連結部23は、横方向Yにおいて駆動パッド21の中央部よりも第4封止樹脂側面54側に位置している。駆動端子22は、ソース端子を構成している。
図5に示すように、駆動端子22は、第2封止樹脂側面52の第1傾斜面52aから突出している。
【0028】
図2に示すように、制御リード30は、制御パッド31、制御端子32、及び、制御パッド31と制御端子32とを連結する連結部33を有する。制御パッド31及び連結部33はインナーリード30Bを構成し、制御端子32はアウターリード30Aを構成している。制御パッド31及び連結部33は、縦方向Xにおいて基板10と第2封止樹脂側面52との間に配置されている。制御パッド31及び連結部33は、横方向Yにおいて封止樹脂50の中央部よりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。
【0029】
平面視における制御パッド31の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる略矩形状である。横方向Yにおける制御パッド31の大きさは、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさよりも小さい。このため、駆動パッド21の横方向Yの大きさを大きくすることができる。制御パッド31は、厚さ方向Zにおいて、内側本体部12の主面12aよりも封止樹脂天面56側に位置している。また制御パッド31は、厚さ方向Zにおいて、半導体素子40の表面40aよりも封止樹脂天面56側に位置している。本実施形態では、制御パッド31は、厚さ方向Zにおいてリード部16の中間部18bと同じ位置である。
【0030】
連結部33は、制御パッド31のうちの第2封止樹脂側面52側の端部から連続している。連結部33は、横方向Yにおいて制御パッド31のうちの第3封止樹脂側面53寄りに位置している。制御端子32は、ゲート端子を構成している。制御端子32は、第2封止樹脂側面52の第1傾斜面52aから突出している。
【0031】
図4及び
図5に示すように、半導体素子40は、内側本体部12の主面12aに半田SDによって実装されている。
図2に示すように、本実施形態では、半導体素子40は、内側本体部12の中央部に配置されている。具体的には、平面視において、半導体素子40と内側本体部12のうちの第1フランジ部19aの第2封止樹脂側面52側の端縁との間の第1距離D1と、半導体素子40と内側本体部12の幅狭部14との間の第2距離D2とが互いに等しい。また、半導体素子40と内側本体部12のうちの第2フランジ部19bの第3封止樹脂側面53側の端縁との間の第3距離D3と、半導体素子40と内側本体部12のうちの第3フランジ部19cの第4封止樹脂側面54側の端縁との間の第4距離D4とが互いに等しい。ここで、第1距離D1と第2距離D2とが互いに等しいとは、例えば第1距離D1の5%の誤差を含む。ここで、第1距離D1と第2距離D2とのずれ量が例えば第1距離D1の5%以内であれば、第1距離D1と第2距離D2とが互いに等しいと言える。また、第3距離D3と第4距離D4のずれ量が例えば第3距離D3の5%以内であれば、第3距離D3と第4距離D4とが互いに等しいと言える。また、
図2に示すとおり、半導体素子40と駆動パッド21とは縦方向Xにずれている。また半導体素子40と制御パッド31とは縦方向Xにずれている。
【0032】
半導体素子40は、炭化シリコン(SiC)を含む。本実施形態では、半導体素子40はSiCMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)が用いられている。半導体素子40(SiCMOSFT)は、1kHz以上かつ数百kHz以下の周波数の駆動信号に応答した高速スイッチングが可能な素子である。好ましくは、半導体素子40は、1kHz以上かつ100kHz以下の周波数の駆動信号に応答した高速スイッチングが可能な素子である。本実施形態では、半導体素子40は、100kHzの周波数の駆動信号に応じて高速スイッチングを行う。
【0033】
半導体素子40は、平板状に形成されている。具体的には、平面視において、半導体素子40の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる矩形状である。本実施形態では、横方向Yにおける半導体素子40の大きさは、3mmである。ここで、横方向Yにおける半導体素子40の大きさは、3mmの5%の誤差(±0.15mm)を含む。
【0034】
図2及び
図4に示すように、半導体素子40は、表面40a、裏面40b、第1側面40c、第2側面40d、第3側面40e、及び第4側面40fを有する。表面40a及び裏面40bは、厚さ方向Zにおいて互いに反対方向を向いている。表面40aは、封止樹脂天面56に面している。すなわち、表面40aは、基板10の主面10aと同じ方向を向いている。裏面40bは、封止樹脂裏面55に面している。裏面40bは、内側本体部12の主面12aに対向している。第1側面40cは第1封止樹脂側面51に面し、第2側面40dは第2封止樹脂側面52に面し、第3側面40eは第3封止樹脂側面53に面し、第4側面40fは第4封止樹脂側面54に面している。
【0035】
表面40aには、主面側駆動電極41及び制御電極43が形成されている。裏面40bには、裏面側駆動電極42(
図4参照)が形成されている。本実施形態では、主面側駆動電極41がソース電極を構成し、裏面側駆動電極42がドレイン電極を構成している。制御電極43はゲート電極を構成している。裏面側駆動電極42は、半田SDによって内側本体部12に電気的に接続されている。
【0036】
主面側駆動電極41は、表面40aの大部分にわたり形成されている。平面視において、主面側駆動電極41の形状は、縦方向Xを短辺方向とし、横方向Yを長辺方向とする略矩形状である。主面側駆動電極41は、第3封止樹脂側面53に向けて開口する凹部41aが形成されている。凹部41aは、主面側駆動電極41のうちの第3封止樹脂側面53側の端部かつ縦方向Xの中央部に形成されている。凹部41a内には、制御電極43が形成されている。
【0037】
半導体素子40は、主面側駆動電極41及び制御電極43上に形成された絶縁膜であるパッシベーション膜44を有する。パッシベーション膜44には、主面側駆動電極41の一部及び制御電極43の一部を露出する開口部45が形成されている。
【0038】
平面視における開口部45の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる矩形状である。横方向Yにおける開口部45の大きさは、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさよりも小さい。言い換えれば、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさは、横方向Yにおける開口部45の大きさよりも大きい。
【0039】
開口部45は、半導体素子40の表面40aの縦方向Xの中央部に設けられている。具体的には、開口部45と半導体素子40の第1側面40cとの間の第1距離DC1と、開口部45と半導体素子40の第2側面40dとの間の第2距離DC2と、開口部45と半導体素子40の第3側面40eとの間の第3距離DC3と、開口部45と半導体素子40の第4側面40fとの間の第4距離DC4とは互いに等しい。ここで、第1距離DC1、第2距離DC2、第3距離DC3、及び第4距離DC4の最大のずれ量が例えば第1距離DC1の5%以内であれば、第1距離DC1、第2距離DC2、第3距離DC3、及び第4距離DC4が互いに等しいと言える。
【0040】
主面側駆動電極41は、開口部45によって露出している露出領域46を有する。露出領域46は、横方向Yの両端部である第1露出端部46a及び第2露出端部46bを有する。第1露出端部46aは、露出領域46のうちの半導体素子40の第3側面40e側の端部である。第2露出端部46bは、露出領域46のうちの半導体素子40の第4側面40f側の端部である。
【0041】
半導体装置1は、複数の駆動ワイヤ60と1本の制御ワイヤ70を備える。本実施形態では、複数の駆動ワイヤ60は、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の2本の駆動ワイヤから構成されている。すなわち、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離間している組み合わせを構成している。第1駆動ワイヤ61は、第2駆動ワイヤ62に対して制御ワイヤ70側に配置されている。
【0042】
第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、同一の金属からなる。本実施形態では、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、アルミニウムを含む。第1駆動ワイヤ61の線径は、第2駆動ワイヤ62の線径と等しい。ここで、第1駆動ワイヤ61の線径と第2駆動ワイヤ62の線径とのずれ量が例えば第1駆動ワイヤ61の線径の5%以内であれば、第1駆動ワイヤ61の線径が第2駆動ワイヤ62の線径と等しいと言える。本実施形態では、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径は、制御ワイヤ70の線径と等しい。ここで、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径と制御ワイヤ70の線径とのずれ量が例えば制御ワイヤ70の線径の5%以内であれば、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径が制御ワイヤ70の線径と等しいと言える。第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び制御ワイヤ70のそれぞれの線径の一例は、125μm~250μmである。本実施形態では、第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び制御ワイヤ70のそれぞれの線径は、125μmである。
【0043】
第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、互いに離間した状態で半導体素子40の主面側駆動電極41と駆動パッド21とを接続している。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62はそれぞれ、例えばワイヤボンディングによって主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、横方向Yに離間して配列されている。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの横方向Yの両端にある駆動ワイヤである。
【0044】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21側に向かうにつれて広がっている。以下、このような第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の構成について詳細に説明する。
【0045】
図6に示すように、第1駆動ワイヤ61は、駆動電極側端部61a及び駆動パッド側端部61bを有する。第2駆動ワイヤ62は、駆動電極側端部62a及び駆動パッド側端部62bを有する。平面視において、駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2は、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとの間の距離DW1よりも大きい。
図6に示すとおり、平面視において、距離DW1は第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離の最小値であり、距離DW2は第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離の最大値である。
【0046】
駆動電極側端部61aから縦方向Xに沿う補助線LS1と、駆動パッド側端部61bから縦方向Xに沿う補助線LS2との横方向Yの間の距離を距離DY1とし、駆動電極側端部62aから縦方向Xに沿う補助線LS3と、駆動パッド側端部62bから縦方向Xに沿う補助線LS4との横方向Yの間の距離を距離DY2とする。この場合、距離DY2は、距離DY1よりも大きい。
【0047】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第1露出端部46a側に接続されている。本実施形態では、駆動電極側端部61aは、第1露出端部46aに接続されている。具体的には、駆動電極側端部61aは、横方向Yにおいて主面側駆動電極41のうちの制御電極43と隣り合う部分、すなわち主面側駆動電極41の凹部41aの底部を構成する部分に接続されている。
【0048】
第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第1端部21a側に接続されている。本実施形態では、駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aに接続されている。一例では、駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3封止樹脂側面53側の限界位置となるように配置されている。具体的には、ワイヤボンディング装置における第1駆動ワイヤ61を供給するキャピラリが駆動パッド21の第1端部21aの第3封止樹脂側面53側の端縁に位置するように駆動パッド側端部61bの第1端部21aに対する横方向Yの位置が設定される。駆動パッド側端部61bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に配置されている。駆動パッド側端部61bは、駆動電極側端部61aよりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。
【0049】
第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第2露出端部46b側に接続されている。本実施形態では、駆動電極側端部62aは、第2露出端部46bに接続されている。一例では、駆動電極側端部62aは、横方向Yにおいて開口部45のうちの半導体素子40の第4側面40f側の端部としてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4側面40f側の限界位置となるように配置されている。具体的には、ワイヤボンディング装置における第2駆動ワイヤ62を供給するキャピラリが露出領域46の第4側面40f側の端縁に位置するように駆動電極側端部62aの露出領域46の第2露出端部46bに対する横方向Yの位置が設定される。縦方向Xにおいて、駆動電極側端部62aは、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと揃った状態で横方向Yに配列されている。ここで、駆動電極側端部62aと駆動電極側端部61aとが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動電極側端部61a,62aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、両駆動電極側端部61a,62aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、両駆動電極側端部61a,62aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0050】
第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第2端部21b側に接続されている。本実施形態では、駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bに接続されている。一例では、駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4封止樹脂側面54側の限界位置となるように配置されている。具体的には、ワイヤボンディング装置における第2駆動ワイヤ62を供給するキャピラリが駆動パッド21の第2端部21bの第4封止樹脂側面54側の端縁に位置するように駆動パッド側端部62bの第2端部21bに対する横方向Yの位置が設定される。駆動パッド側端部62bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に配置されている。駆動パッド側端部62bは、駆動電極側端部62aよりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。駆動パッド側端部62bは、横方向Yにおいて半導体素子40よりも第4封止樹脂側面54側に配置されている。また、本実施形態では、駆動パッド側端部62bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド側端部61bと揃った状態で横方向Yに配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動パッド側端部62bと駆動パッド側端部61bとが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動パッド側端部61b,62bが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、両駆動パッド側端部61b,62bにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、両駆動パッド側端部61b,62bが縦方向Xに揃っていると言える。
【0051】
制御ワイヤ70は、半導体素子40の制御電極43と制御パッド31とを接続している。制御ワイヤ70は、例えばワイヤボンディングによって制御電極43と制御パッド31とに接続されている。制御ワイヤ70は、複数の駆動ワイヤ60と同一の材料が用いられている。制御ワイヤ70は、制御電極側端部71と制御パッド側端部72とを有する。制御電極側端部71は、制御ワイヤ70のうちの制御電極43に接続される端部である。制御パッド側端部72は、制御ワイヤ70のうちの制御パッド31に接続される端部である。制御電極側端部71は、制御ワイヤ70のうちの制御電極側端部71と第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW3は、距離DW1よりも小さい。制御電極側端部71から縦方向Xに沿う補助線LS5と、制御パッド側端部72から縦方向Xに沿う補助線LS6との間の距離DY3は、距離DY1よりも大きく、距離DY2よりも小さい。なお、距離DY3の大きさは任意に変更可能である。一例では、距離DY3は、距離DY1以下である。
【0052】
本実施形態の作用について説明する。
SiCを含む半導体素子を備える半導体装置では、インダクタンスがナノヘンリー(nH)のオーダーであっても半導体装置の特性に対する影響が大きい。このため、半導体装置におけるインダクタンスを低減できる構成が望まれている。
【0053】
ところで、半導体装置においてソース電極からソース端子までに含まれるインダクタンスは、ソース電極とソース端子とを接続する導体の平面視における幅が広くなるにつれて低下する。導体が複数の駆動ワイヤから構成される場合、複数の駆動ワイヤのうちの最も離間している組み合わせを構成する2つの駆動ワイヤの間を導体の平面視における幅として規定される。
【0054】
ちなみに、複数の駆動ワイヤのうちの最も離間している組み合わせを構成する2つの駆動ワイヤとは、本実施形態のように駆動ワイヤ60が2本であれば、当該2本の駆動ワイヤ61,62が複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離間している組み合わせを構成する。
【0055】
そして、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41(ソース電極)側よりも駆動パッド21(ソース端子)側の方が離れている。詳細には、駆動パッド側端部61b及び駆動パッド端部62b間の距離DW2は、駆動電極側端部61a及び駆動電極側端部62a間の距離DW1よりも大きい。これにより、平面視において第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62が平行となる構成と比較して、導体の平面視における幅を広くすることができる。
【0056】
また本実施形態では、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aが主面側駆動電極41のうちの制御電極43と横方向Yに隣り合う部分に接続され、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aが開口部45によって露出された主面側駆動電極41のうちの第4側面40f側の端部に接続されている。これにより、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離の最小値である距離DW1を大きく取ることができるため、導体の平面視における幅を広くすることができる。
【0057】
本実施形態の半導体装置1によれば、以下の効果が得られる。
(1-1)平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。この構成によれば、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離を大きく取ることができるため、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。本実施形態では、平面視において第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62とが距離DW1だけ離間した状態で平行となる構成と比較して、インダクタンスが5~7(nH)減少する結果が得られた。なお、距離DW1は、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離である。
【0058】
(1-2)横方向Yにおける駆動パッド21の大きさは、横方向Yにおける開口部45の大きさよりも大きい。この構成によれば、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2を大きく取ることができる。したがって、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。
【0059】
(1-3)第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aに接続されており、第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bに接続されている。この構成によれば、駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2を大きく取ることができる。したがって、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離を大きく取ることができるため、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。
【0060】
(1-4)第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aが主面側駆動電極41の露出領域46の第1露出端部46aに接続され、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aが露出領域46の第2露出端部46bに接続されている。この構成によれば、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとの間の距離DW1を大きく取ることができる。したがって、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離を大きく取ることができるため、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。
【0061】
(1-5)第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61b及び第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bはそれぞれ、縦方向Xにおいて駆動パッド21の中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。この構成によれば、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62をそれぞれ短くすることができるため、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスをより低減できる。
【0062】
(1-6)第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は同一の材料が用いられている。第1駆動ワイヤ61の線径と第2駆動ワイヤ62の線径とは互いに等しい。この構成によれば、各駆動ワイヤ61,62の主面側駆動電極41及び駆動パッド21への接続作業を同一のワイヤにて実施できるため、その作業工程を簡素化できる。
【0063】
(1-7)複数の駆動ワイヤ60及び制御ワイヤ70は同一の材料が用いられている。複数の駆動ワイヤ60の線径と制御ワイヤ70の線径とは互いに等しい。この構成によれば、複数の駆動ワイヤ60の主面側駆動電極41及び駆動パッド21への接続作業、及び制御ワイヤ70の制御電極43及び制御パッド31への接続作業を同一のワイヤにて実施できるため、それらの作業工程を簡素化できる。
【0064】
(第1実施形態の変更例)
第1実施形態の半導体装置1は例えば以下のように変更できる。以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、互いに組み合せることができる。なお、以下の変更例において、第1実施形態と共通する部分については、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0065】
・駆動ワイヤ60の数は、2本に限られず、任意に変更可能である。一例では、
図7に示すように、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び第3駆動ワイヤ63の3本の駆動ワイヤから構成されてもよい。第3駆動ワイヤ63は、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間に配置されている。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離間している組み合わせを構成している。
【0066】
すなわち、駆動ワイヤの数が3本以上である場合、最も離間している組み合わせとは、最も離れた位置にある2つの駆動ワイヤである。例えば、3本以上の駆動ワイヤが横方向Yに配列されている場合には、最も離間している組み合わせとは、横方向Yの両端にある駆動ワイヤの組み合わせである。
【0067】
第3駆動ワイヤ63は、駆動電極側端部63a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部63aは、第3駆動ワイヤ63のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。駆動パッド側端部63bは、第3駆動ワイヤ63のうちの駆動パッド21に接続される端部である。駆動電極側端部63aと第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW4と、駆動電極側端部63aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離DW5とは互いに等しい。ここで、距離DW4と距離DW5とのずれ量が例えば距離DW4の5%以内であれば、距離DW4と距離DW5とが互いに等しいと言える。
図7では、距離DW4,DW5は、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと制御ワイヤ70の制御電極側端部71との間の距離DW3よりも大きい。
【0068】
また
図7では、縦方向Xにおいて第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61a、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62a、及び第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63aは互いに揃った状態で横方向Yに配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに揃った状態とは、縦方向Xにおける駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,62a,63aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,62a,63aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0069】
第3駆動ワイヤ63の駆動パッド側端部63bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に配置されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW6は、距離DW4よりも大きい。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW7は、距離DW5よりも大きい。
図7では、距離DW6は、距離DW7と等しい。ここで、距離DW6と距離DW7とのずれ量が例えば距離DW6の5%以内であれば、距離DW6と距離DW7とが互いに等しいと言える。
【0070】
第1駆動ワイヤ61及び第3駆動ワイヤ63は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。第3駆動ワイヤ63及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第3駆動ワイヤ63と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。なお、駆動パッド側端部63bの駆動パッド21に対する位置は任意に変更可能である。一例では、距離DW6が距離DW7よりも小さくなるように駆動パッド側端部63bが駆動パッド21に接続されてもよい。
【0071】
・半導体素子40のサイズは任意に変更可能である。一例では、
図8に示すように、半導体素子40のサイズを第1実施形態の半導体素子40のサイズよりも大きくしてもよい。
図8では、半導体素子40の縦方向Xのサイズ及び横方向Yのサイズのそれぞれが第1実施形態の半導体素子40のサイズよりも大きい。また、半導体素子40のサイズが大きくなることに伴い表面40aに形成された主面側駆動電極41及び開口部45の大きさをそれぞれ縦方向X及び横方向Yのそれぞれに大きくすることができる。
図8では、開口部45の横方向Yの大きさは、駆動パッド21の横方向Yの大きさよりも大きい。
【0072】
半導体素子40は、内側本体部12の中央部に配置されている。具体的には、平面視において、半導体素子40と内側本体部12のうちの第1フランジ部19aの第2封止樹脂側面52側の端縁との間の第1距離D1と、半導体素子40と内側本体部12の幅狭部14との間の第2距離D2と、半導体素子40と内側本体部12のうちの第2フランジ部19bの第3封止樹脂側面53側の端縁との間の第3距離D3と、半導体素子40と内側本体部12のうちの第3フランジ部19cの第4封止樹脂側面54側の端縁との間の第4距離D4とが互いに等しい。ここで、第1距離D1、第2距離D2、第3距離D3、及び第4距離D4の最大のずれ量が例えば第1距離D1の5%以内であれば、第1距離D1、第2距離D2、第3距離D3、及び第4距離D4が互いに等しいと言える。
【0073】
半導体装置1は、第1実施形態と同様に、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62を有する。第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、第1実施形態の駆動電極側端部61aと同様に、主面側駆動電極41の露出領域46の第1露出端部46aに接続されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、第1実施形態の駆動パッド側端部61bと同様に、駆動パッド21の第1端部21aに接続されている。第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、第1実施形態の駆動電極側端部62aと同様に、主面側駆動電極41の露出領域46の第2露出端部46bに接続されている。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、第1実施形態の駆動パッド側端部62bと同様に、駆動パッド21の第2端部21bに接続されている。また第1実施形態と同様に、縦方向Xにおいて、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとは互いに揃った状態で横方向Yに配列されている。駆動パッド側端部61b及び駆動パッド側端部62bはそれぞれ、縦方向Xにおいて駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。
【0074】
平面視において、駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2は、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとの間の距離DW1よりも小さい。
図8では、駆動電極側端部61aから縦方向Xに沿う補助線LS1と駆動パッド側端部61bから縦方向Xに沿う補助線LS2との横方向Yの間の距離DY1は、駆動電極側端部62aから縦方向Xに沿う補助線LS3と駆動パッド側端部62bから縦方向Xに沿う補助線LS4との横方向Yの間の距離DY2よりも大きい。また、平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が近づくように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。また、平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に狭くなっている。
【0075】
この構成によれば、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離を大きくすることができるため、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスを低減できる。
【0076】
なお、距離DW1と距離DW2との関係は任意に変更可能である。一例では、距離DW1は、距離DW2と等しくてもよい。この場合、平面視において、第1駆動ワイヤ61は、第2駆動ワイヤ62と平行となる。
【0077】
・
図8の変更例において、駆動ワイヤ60の数は、2本に限られず、任意に変更可能である。一例では、
図9に示すように、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び第3駆動ワイヤ63の3本の駆動ワイヤから構成されてもよい。第3駆動ワイヤ63は、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間に配置されている。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62が、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離間している組み合わせを構成している。第3駆動ワイヤ63は、駆動電極側端部63a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部63aと第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW4と、駆動電極側端部63aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離DW5とは互いに等しい。ここで、距離DW4と距離DW5とのずれ量が例えば距離DW4の5%以内であれば、距離DW4と距離DW5とが互いに等しいと言える。
【0078】
また
図9では、
図7の半導体装置1と同様に、縦方向Xにおいて第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61a、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62a、及び第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63aは互いに揃った状態で配列されている。
【0079】
第3駆動ワイヤ63の駆動パッド側端部63bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に配置されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW6は、距離DW4よりも小さい。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW7は、距離DW5と等しい。ここで、距離DW7と距離DW5とのずれ量が例えば距離DW7の5%以内であれば、距離DW7が距離DW5と等しいと言える。
【0080】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第3駆動ワイヤ63は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が近づくように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に狭くなっている。第3駆動ワイヤ63は、第2駆動ワイヤ62と平行となる。
【0081】
・半導体素子40の内側本体部12に対する配置位置は任意に変更可能である。第1例では、
図10に示すように、半導体素子40を内側本体部12のうちの第2封止樹脂側面52寄りの部分に配置してもよい。詳細には、半導体素子40と内側本体部12のうちの第1フランジ部19aの第2封止樹脂側面52側の端縁との間の第1距離D1が半導体素子40と内側本体部12の幅狭部14との間の第2距離D2よりも小さくなる。
【0082】
横方向Yにおいて、半導体素子40は、内側本体部12の中央部に配置されている。具体的には、半導体素子40と内側本体部12のうちの第2フランジ部19bの第3封止樹脂側面53側の端縁との間の第3距離D3と、半導体素子40と内側本体部12のうちの第3フランジ部19cの第4封止樹脂側面54側の端縁との間の第4距離D4とが互いに等しい。ここで、第3距離D3と第4距離D4とのずれ量が例えば第3距離D3の5%以内であれば、第3距離D3と第4距離D4とが互いに等しいと言える。
【0083】
このような構成によれば、半導体素子40の開口部45と駆動パッド21との間の距離が小さくなることによって、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62をそれぞれ短くできる。したがって、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスをより低減できる。
【0084】
第2例では、
図11に示すように、半導体素子40を内側本体部12のうちの第2封止樹脂側面52寄りかつ第4封止樹脂側面54寄りの部分に配置してもよい。詳細には、半導体素子40と内側本体部12のうちの第1フランジ部19aの第2封止樹脂側面52側の端縁との間の第1距離D1が半導体素子40と内側本体部12の幅狭部14との間の第2距離D2よりも小さい。また、半導体素子40と内側本体部12のうちの第2フランジ部19bの第3封止樹脂側面53側の端縁との間の第3距離D3が半導体素子40と内側本体部12のうちの第3フランジ部19cの第4封止樹脂側面54側の端縁との間の第4距離D4よりも大きい。
【0085】
このような構成によれば、半導体素子40の開口部45と駆動パッド21との間の距離がさらに小さくなることによって、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62をそれぞれさらに短くできる。したがって、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスをより一層低減できる。
【0086】
・第1実施形態の半導体装置1の基板10からリード部16を省略してもよい。この場合、横方向Yにおいて、駆動パッド21と制御パッド31とが隣り合っている。また、リード部16を省略した分、駆動パッド21の横方向Yの大きさを大きくしてもよい。この構成によれば、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2を大きく取ることができるため、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。
【0087】
(第2実施形態)
図12~
図21を参照して、半導体装置1の第2実施形態について説明する。本実施形態の半導体装置1は、第1実施形態の半導体装置1と比較して、基板10、駆動リード20、制御リード30、及び封止樹脂50の形状がそれぞれ異なる点、並びに、センスリード80が追加された点が異なる。本実施形態では、便宜上、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0088】
図12に示すように、本実施形態の半導体装置1は、パッケージ外形規格(JEITA規格)がTO-263のパッケージである。詳細には、半導体装置1の縦寸法L1が14.7mm~15.5mm、横寸法L2が10.06mm~10.26mm、厚さ寸法L3が4.40mm~4.70mmである。また、半導体装置1は、SIPタイプである。このように、本実施形態の半導体装置1のサイズは、第1実施形態の半導体装置1のサイズよりも大きい。
【0089】
図12に示すとおり、封止樹脂50の形状は、直方体である。封止樹脂50は、モールド成形によって形成されている。封止樹脂50の各側面51~54は、封止樹脂50の成形時に金型を抜き易くするような抜き勾配を設けるため、厚さ方向Zに対して傾斜する傾斜面が設けられている。具体的には、各側面51~54は、金型の上型を抜き易くするような抜き勾配を設けた第1傾斜面と、金型の下型を抜き易くするような抜き勾配を設けた第2傾斜面とを有する。金型の上型は、封止樹脂天面56と各側面51~54のうちの封止樹脂天面56側の部分を形成する。下型は、封止樹脂裏面55と各側面51~54のうちの封止樹脂裏面55側の部分を形成する。第1封止樹脂側面51と封止樹脂天面56との間には、抜き勾配よりも傾斜角度が大きい傾斜面57が形成されている。
【0090】
封止樹脂50の横方向Yの両端部には、凹部58が形成されている。封止樹脂50の第3封止樹脂側面53側の凹部58は、第3封止樹脂側面53から横方向Yに湾曲状に凹んでいる。封止樹脂50の第4封止樹脂側面54側の凹部58は、第4封止樹脂側面54から横方向Yに湾曲状に凹んでいる。凹部58は、封止樹脂天面56から基板10の主面10aまでにわたり形成されている。すなわち、凹部58によって、基板10の主面10aの一部が露出している。凹部58は、封止樹脂50の縦方向Xの中心よりも第2封止樹脂側面52寄りに設けられている。
【0091】
図13は、半導体装置1を厚さ方向Zの封止樹脂天面56からみた図である。
図13では、便宜上、封止樹脂50を二点鎖線で示し、封止樹脂50内の部品を実線で示している。
図13に示すとおり、平面視において、封止樹脂50の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる矩形状である。
【0092】
図12及び
図13に示すように、基板10は、封止樹脂50内に配置された内側本体部12と、封止樹脂50から突出した突出部13とに区分できる。内側本体部12及び突出部13は、縦方向Xに隣り合っている。基板10は、例えばアルミニウム(Al)又は銅(Cu)によって形成されている。
【0093】
内側本体部12において突出部13側の端部には、第1幅広部12fが形成されている。第1幅広部12fの横方向Yの大きさは、内側本体部12のうちの第1幅広部12f以外の部分の横方向Yの大きさよりも大きい。第1幅広部12fは、封止樹脂50の第1封止樹脂側面51と縦方向Xに隣り合うように設けられている。
【0094】
内側本体部12において第2封止樹脂側面52側の端部には、第2幅広部12gが形成されている。第2幅広部12gの横方向Yの大きさは、内側本体部12のうちの第1幅広部12f以外の部分の横方向Yの大きさよりも大きい。また第2幅広部12gの横方向Yの大きさは、第1幅広部12fの横方向Yの大きさよりも小さい。
【0095】
突出部13は、第1封止樹脂側面51から縦方向Xに突出している。本実施形態では、突出部13の横方向Yの大きさは、内側本体部12の第1幅広部12fの横方向Yの大きさと等しい。なお、突出部13の横方向Yの大きさは任意に変更可能である。一例では、突出部13の横方向Yの大きさは、内側本体部12の第1幅広部12fの横方向Yの大きさよりも小さくてもよい。
【0096】
内側本体部12には、内側本体部12の本体側面から突出する複数のフランジ部19が設けられている。本実施形態では、内側本体部12及び複数のフランジ部19は一体化された単一部品である。
【0097】
複数のフランジ部19は、第1フランジ部19a、第2フランジ部19b、及び第3フランジ部19cを含む。第1フランジ部19aは、内側本体部12の第1側面12cから第2封止樹脂側面52に向けて突出している。第1フランジ部19aは、第2幅広部12gの一部を構成している。第2フランジ部19bは、内側本体部12の第2側面12dから第3封止樹脂側面53に向けて突出している。第2フランジ部19bの一部は、第2幅広部12gの一部を構成している。第3フランジ部19cは、内側本体部12の第3側面12eから第4封止樹脂側面54に向けて突出している。第3フランジ部19cは、第2幅広部12gの一部を構成している。
【0098】
第1フランジ部19a、第2フランジ部19b、及び第3フランジ部19cはそれぞれ、内側本体部12の主面12aと面一となるように設けられている。このため、基板10の主面10aは、内側本体部12の主面12aと、第1フランジ部19a、第2フランジ部19b、及び第3フランジ部19cとによって構成されている。また、第1フランジ部19a、第2フランジ部19b、及び第3フランジ部19cはそれぞれ、内側本体部12の裏面12b(
図13参照)よりも主面12a側となるように設けられている。このため、基板10の裏面10b(
図13参照)は、内側本体部12の裏面12bによって構成されている。このような各フランジ部19a~19cの構成によれば、基板10と封止樹脂50との分離を抑制できる。
【0099】
図14に示すように、基板10の裏面10b(内側本体部12の裏面12b)は、封止樹脂裏面55から露出している。具体的には、内側本体部12のうちの第1幅広部12fの一部及び第2幅広部12g以外の部分の裏面12bが封止樹脂裏面55から露出している。これにより、基板10の放熱性を向上できる。また、基板10の裏面10bと封止樹脂50の封止樹脂裏面55とは面一である。
【0100】
図13に示すように、平面視において、基板10よりも封止樹脂50の第2封止樹脂側面52側には、駆動リード20、制御リード30、及びセンスリード80が配置されている。本実施形態では、平面視において、駆動リード20、制御リード30、及びセンスリード80のそれぞれの第1封止樹脂側面51側の端縁は、内側本体部12の第2封止樹脂側面52側の端縁と重なっている。駆動リード20、制御リード30、及びセンスリード80は、横方向Yにおいて互いに離間して配置されている。駆動リード20と制御リード30との横方向Yの間には、センスリード80が配置されている。
【0101】
駆動リード20は、駆動パッド21、複数の駆動端子22、及び駆動パッド21と複数の駆動端子22とを接続する複数の連結部23を有する。
平面視における駆動パッド21の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる略矩形状である。駆動パッド21の第1端部21aは、内側本体部12の横方向Yの中央部よりも第3封止樹脂側面53側に位置している。縦方向Xからみて、駆動パッド21の第2端部21bは、内側本体部12のうちの第4封止樹脂側面54側の端部と重なるように設けられている。このように、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさは、横方向Yにおける内側本体部12の大きさの1/2よりも大きい。
図12に示すように、駆動パッド21は、厚さ方向Zにおいて、基板10の主面10aよりも封止樹脂天面56側に位置している。また駆動パッド21は、厚さ方向Zにおいて、半導体素子40よりも封止樹脂天面56側に位置している。
【0102】
図13に示すように、本実施形態では、複数の駆動端子22は、駆動端子22a,22b,22c,22d,22eの5つの駆動端子を含む。複数の連結部23は、連結部23a,23b,23c,23d,23eの5つの連結部を含む。駆動端子22a~22eは、横方向Yに互いに離間して配置されている。駆動端子22a~22eは、駆動パッド21の第1端部21aから第2端部21bに向けて、駆動端子22a,22b,22c,22d,22eの順に配置されている。連結部23a~23eは、横方向Yに互いに離間して配置されている。連結部23aは駆動パッド21と駆動端子22aとを連結し、連結部23bは駆動パッド21と駆動端子22bとを連結し、連結部23cは駆動パッド21と駆動端子22cとを連結し、連結部23dは駆動パッド21と駆動端子22dとを連結し、連結部23eは駆動パッド21と駆動端子22eとを連結している。
【0103】
図13に示すとおり、駆動端子22a~22e、制御端子32、及び後述するセンス端子82が等ピッチとなる。駆動端子22aは、駆動パッド21の第1端部21aよりも第3封止樹脂側面53側の部分を含むように配置されている。駆動端子22aは、内側本体部12の横方向Yの中央部よりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。
【0104】
駆動端子22bは、内側本体部12の横方向Yの中央部と同じ位置となるように配置されている。具体的には、駆動端子22bの横方向Yの中央部において縦方向Xに沿う仮想線LV1が内側本体部12の横方向Yの中央部において縦方向Xに沿う仮想線LV2と一致している。駆動端子22c~22eは、内側本体部12の横方向Yの中央部よりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。本実施形態では、駆動端子22d,22eは、半導体素子40よりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。駆動端子22a,22c~22eは、互いに同一形状である。駆動端子22bは、駆動端子22a,22c~22eよりも短い。
【0105】
制御リード30は、縦方向Xからみて、内側本体部12のうちの第3封止樹脂側面53側の端部と重なるように配置されている。制御リード30は、半導体素子40よりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。
【0106】
図12に示すように、制御パッド31は、厚さ方向Zにおいて、基板10の主面10aよりも封止樹脂天面56側に位置している。また制御パッド31は、厚さ方向Zにおいて、半導体素子40よりも封止樹脂天面56側に位置している。
図13に示すように、平面視における制御パッド31の形状は、縦方向Xが長辺方向となり、横方向Yが短辺方向となる略矩形状である。横方向Yにおける制御パッド31の大きさは、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさよりも小さい。このため、駆動パッド21の横方向Yの大きさを大きくすることができる。制御リード30の制御端子32は、ゲート端子を構成している。制御端子32は、駆動端子22a,22c~22eと同一形状である。
【0107】
センスリード80は、本実施形態では制御電極43(ゲート電極)と主面側駆動電極41(ソース電極)とを電気的に接続するためのリードである。平面視において、センスリード80は、半導体素子40よりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。センスリード80は、センスパッド81、センス端子82、及び、センスパッド81とセンス端子82とを連結する連結部83を有する。
【0108】
センスパッド81は、縦方向Xにおいて半導体素子40に離間して配置されている。センスパッド81は、縦方向Xにおいて基板10と第2封止樹脂側面52との間に配置されている。センスパッド81は、横方向Yにおいて、駆動パッド21と制御パッド31との間に配置されている。平面視におけるセンスパッド81の形状は、縦方向Xが長辺方向となり、横方向Yが短辺方向となる略矩形状である。横方向Yにおけるセンスパッド81の大きさは、横方向Yにおける制御パッド31の大きさと等しい。すなわち横方向Yにおけるセンスパッド81の大きさは、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさよりも小さい。このため、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさを大きくすることができる。
図12に示すように、センスパッド81は、厚さ方向Zにおいて、基板10の主面10aよりも封止樹脂天面56側に位置している。またセンスパッド81は、厚さ方向Zにおいて、半導体素子40よりも封止樹脂天面56側に位置している。なお、横方向Yにおけるセンスパッド81の大きさ、及び横方向Yにおける制御パッド31の大きさはそれぞれ、任意に変更可能である。一例では、横方向Yにおけるセンスパッド81の大きさが横方向Yにおける制御パッド31の大きさよりも小さくてもよい。
【0109】
図13に示すように、連結部83は、縦方向Xにおいてセンスパッド81のうちの第2封止樹脂側面52側の端部から連続している。連結部83は、横方向Yにおいてセンスパッド81のうちの第3封止樹脂側面53側の端部に位置している。センス端子82は、第2封止樹脂側面52から突出している。センス端子82は、駆動端子22a,22c~22e及び制御端子32と同一形状である。
【0110】
半導体素子40は、第1実施形態と同様に、SiCMOSFETが用いられている。また半導体素子40は、第1実施形態と同様に、1kHz以上かつ数百kHz以下の周波数の駆動信号に応答した高速スイッチングが可能な素子である。好ましくは、半導体素子40は、1kHz以上かつ100kHz以下の周波数の駆動信号に応答した高速スイッチングが可能な素子である。本実施形態では、半導体素子40は、100kHzの周波数の駆動信号に応じて高速スイッチングを行う。半導体素子40の形状及びサイズは、第1実施形態の半導体素子40の形状及びサイズと同様である。
【0111】
半導体素子40は、縦方向Xにおいて、内側本体部12に対して第2封止樹脂側面52寄りに配置されている。具体的には、平面視において、半導体素子40と内側本体部12のうちの第1フランジ部19aの第2封止樹脂側面52側の端縁との縦方向Xの間の第1距離D1が半導体素子40と内側本体部12の第1幅広部12fとの縦方向Xの間の第2距離D2よりも小さい。
【0112】
半導体素子40は、横方向Yにおいて、内側本体部12の中央部に配置されている。具体的には、半導体素子40と内側本体部12のうちの第2フランジ部19bの第3封止樹脂側面53側の端縁との横方向Yの間の第3距離D3と、半導体素子40と内側本体部12のうちの第3フランジ部19cの第4封止樹脂側面54側の端縁との横方向Yの間の第4距離D4とが互いに等しい。ここで、第3距離D3と第4距離D4とのずれ量が例えば第3距離D3の5%以内であれば、第3距離D3及び第4距離D4が互いに等しいと言える。
【0113】
半導体装置1は、複数の駆動ワイヤ60と、制御ワイヤ70と、センスワイヤ90とを備える。本実施形態では、複数の駆動ワイヤ60は、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の2本の駆動ワイヤから構成されている。すなわち、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成している。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、横方向Yに離間して配列されている。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの横方向Yの両端にある駆動ワイヤである。制御ワイヤ70と、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、横方向Yに離間して配列されている。第1駆動ワイヤ61は、第2駆動ワイヤ62に対して制御ワイヤ70側に配置されている。
【0114】
第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、同一の金属からなる。本実施形態では、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、アルミニウムを含む。第1駆動ワイヤ61の線径は、第2駆動ワイヤ62の線径と等しい。ここで、第1駆動ワイヤ61の線径と第2駆動ワイヤ62の線径とのずれ量が例えば第1駆動ワイヤ61の線径の5%以内であれば、第1駆動ワイヤ61の線径が第2駆動ワイヤ62の線径と等しいと言える。本実施形態では、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径は、制御ワイヤ70の線径と等しい。ここで、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径と制御ワイヤ70の線径とのずれ量が例えば制御ワイヤ70の線径の5%以内であれば、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径が制御ワイヤ70の線径と等しいと言える。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62はそれぞれ、例えばワイヤボンディングによって主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。
【0115】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21側に向かうにつれて広がっている。以下、このような第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の構成について詳細に説明する。
【0116】
図15に示すように、平面視において、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2は、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離DW1よりも大きい。本実施形態では、駆動パッド側端部61bは、横方向Yにおいて駆動電極側端部61aよりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。駆動パッド側端部62bは、横方向Yにおいて駆動電極側端部62aよりも第4封止樹脂側面54側に配置されている。このように、平面視において、第1駆動ワイヤ61の縦方向Xに対する傾斜方向と、第2駆動ワイヤ62の縦方向Xに対する傾斜方向とは逆になる。
【0117】
駆動電極側端部61aから縦方向Xに沿う補助線LS1と、駆動パッド側端部61bから縦方向Xに沿う補助線LS2との横方向Yの間の距離を距離DY1とし、駆動電極側端部62aから縦方向Xに沿う補助線LS3と、駆動パッド側端部62bから縦方向Xに沿う補助線LS4との横方向Yの間の距離を距離DY2とする。この場合、距離DY2は、距離DY1よりも大きい。
【0118】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第1露出端部46a側に接続されている。本実施形態では、横方向Yにおいて主面側駆動電極41の露出領域46の第1露出端部46aよりも露出領域46の中央部側に接続されている。換言すれば、駆動電極側端部61aは、露出領域46のうちの制御電極43から離間した部分、すなわち主面側駆動電極41の凹部41aの底部から離間した部分に接続されている。また、駆動電極側端部61aは、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23bと重なっている。
【0119】
第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第1端部21a側に接続されている。本実施形態では、駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aに接続されている。駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21のうちの横方向Yにおいて連結部23bよりも第3封止樹脂側面53側の部分に接続されている。本実施形態では、駆動パッド側端部61bは、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23aと重なっている。駆動パッド側端部61bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。
【0120】
なお、駆動パッド側端部61bは、横方向Yにおいて、駆動パッド21の第1端部21aとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3封止樹脂側面53側の限界位置となるように第1端部21aに接続されてもよい。
【0121】
第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第2露出端部46b側に接続されている。本実施形態では、駆動電極側端部62aは、露出領域46の第2露出端部46bに接続されている。本実施形態では、駆動電極側端部62aは、縦方向Xからみて、連結部23bと連結部23cとの横方向Yの間の部分と重なっている。一例では、駆動電極側端部62aは、横方向Yにおいて露出領域46の第2露出端部46bとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4側面40f側の限界位置となるように駆動電極側端部62aの露出領域46に対する位置が設定されている。縦方向Xにおいて、駆動電極側端部62aは、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと揃った状態となるように配置されている。なお、縦方向Xにおいて駆動電極側端部62aと駆動電極側端部61aとが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動電極側端部61a,62aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、両駆動電極側端部61a,62aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、両駆動電極側端部61a,62aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0122】
第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第2端部21b側に接続されている。本実施形態では、駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bに接続されている。駆動パッド側端部62bは、半導体素子40よりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。本実施形態では、駆動パッド側端部62bは、縦方向Xからみて、連結部23eと重なっている。なお、駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4封止樹脂側面54側の限界位置となるように駆動パッド21に対する位置が設定されてもよい。駆動パッド側端部62bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。
【0123】
制御ワイヤ70は、半導体素子40の制御電極43と制御パッド31とを接続している。制御ワイヤ70は、例えばワイヤボンディングによって制御電極43と制御パッド31とに接続されている。第1実施形態と同様に、制御ワイヤ70は、複数の駆動ワイヤ60と同一の材料が用いられている。制御ワイヤ70の線径は、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径と等しい。ここで、制御ワイヤ70の線径と第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径とのずれ量が例えば制御ワイヤ70の線径の5%以内であれば、制御ワイヤ70の線径と第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径とが等しいと言える。
【0124】
制御ワイヤ70は、制御電極側端部71と制御パッド側端部72とを有する。制御電極側端部71と第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW3は、距離DW1よりも小さい。制御電極側端部71から縦方向Xに沿う補助線LS5と、制御パッド側端部72から縦方向Xに沿う補助線LS6との間の距離DY3は、距離DY1よりも大きく、距離DY2よりも僅かに小さい。なお、距離DY3は任意に変更可能である。一例では、距離DY3は、距離DY2以上であってもよい。
【0125】
センスワイヤ90は、半導体素子40の主面側駆動電極41とセンスパッド81とを接続している。センスワイヤ90は、例えばワイヤボンディングによって主面側駆動電極41とセンスパッド81とに接続されている。センスワイヤ90は、第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び制御ワイヤ70と同一の材料が用いられている。センスワイヤ90の線径は、例えば制御ワイヤ70の線径と等しい。ここで、センスワイヤ90の線径と制御ワイヤ70の線径のずれ量が例えばセンスワイヤ90の線径の5%以内であれば、センスワイヤ90の線径と制御ワイヤ70の線径とが互いに等しいと言える。
【0126】
センスワイヤ90は、駆動電極側端部91とセンスパッド側端部92とを有する。駆動電極側端部91は、センスワイヤ90のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。センスパッド側端部92は、センスワイヤ90のうちのセンスパッド81に接続される端部である。センスパッド側端部92は、横方向Yにおいて駆動電極側端部91よりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。
【0127】
駆動電極側端部91は、主面側駆動電極41のうちの第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと制御電極43との横方向Yの間の部分に接続されている。駆動電極側端部91と第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW8は、駆動電極側端部91と制御ワイヤ70の制御電極側端部71との間の距離DW9よりも小さい。
【0128】
駆動電極側端部91から縦方向Xに沿う補助線LS7と、センスパッド側端部92から縦方向Xに沿う補助線LS8との間の距離DY4は、距離DY1よりも大きく、距離DY2よりも小さい。また距離DY4は、距離DY3よりも小さい。
【0129】
本実施形態の半導体装置1によれば、第1実施形態の(1-1)~(1-7)の効果と同様の効果に加え、以下の効果が得られる。
(2-1)半導体装置1は、半導体素子40の主面側駆動電極41(ソース電極)と、制御電極43(ゲート電極)とを電気的に接続するためのセンスリード80及びセンスワイヤ90を備える。この構成によれば、主面側駆動電極41の電圧が変動しても、制御電極43の電圧が追従して変動するため、半導体素子40のソース-ゲート間の電圧の変動が抑制される。したがって、半導体素子40のしきい値電圧の変動を抑制できる。
【0130】
(2-2)半導体素子40が基板10の内側本体部12に対して第2封止樹脂側面52寄りに位置している。この構成によれば、半導体素子40の開口部45と駆動パッド21との間の距離を短くすることができるため、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の長さをそれぞれ短くすることができる。したがって、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。
【0131】
(2-3)横方向Yにおける駆動パッド21の大きさは、横方向Yにおける半導体素子40の大きさよりも大きい。この構成によれば、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bとの間の距離を一層大きく取ることができる。したがって、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを一層低減できる。
【0132】
(2-4)駆動パッド21の横方向Yの大きさは、基板10の内側本体部12の1/2よりも大きい。この構成によれば、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2を大きく取ることができる。したがって、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。
【0133】
(2-5)縦方向Xからみて、半導体素子40の開口部45の全てが駆動パッド21と重なるように、半導体素子40及び駆動パッド21が配置されている。この構成によれば、第1駆動ワイヤ61の長さを短くすることができるとともに、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離を大きく取ることができる。したがって、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。
【0134】
(2-6)複数の駆動ワイヤ60、制御ワイヤ70、及びセンスワイヤ90は、同一の材料が用いられている。また複数の駆動ワイヤ60、制御ワイヤ70、及びセンスワイヤ90の線径は互いに等しい。この構成によれば、複数の駆動ワイヤ60の主面側駆動電極41及び駆動パッド21への接続作業、制御ワイヤ70の制御電極43及び制御パッド31への接続作業、及びセンスワイヤ90の主面側駆動電極41及びセンスパッド81への接続作業を同一のワイヤにて実施できるため、それらの作業工程を簡素化できる。
【0135】
(第2実施形態の変更例)
第2実施形態の半導体装置1は例えば以下のように変更できる。以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合せることができる。なお、以下の変更例において、第2実施形態と共通する部分については、第2実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0136】
・駆動ワイヤ60の数は、2本に限られず、任意に変更可能である。一例では、
図16に示すように、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び第3駆動ワイヤ63の3本の駆動ワイヤから構成されてもよい。第3駆動ワイヤ63は、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間に配置されている。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成している。
【0137】
すなわち、駆動ワイヤの数が3本以上である場合、最も離間している組み合わせとは、最も離れた位置にある2つの駆動ワイヤである。例えば、3本以上の駆動ワイヤが横方向Yに配列されている場合には、最も離間している組み合わせとは、横方向Yの両端にある駆動ワイヤの組み合わせである。
【0138】
第3駆動ワイヤ63は、駆動電極側端部63a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部63aは、第3駆動ワイヤ63のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。駆動パッド側端部63bは、第3駆動ワイヤ63のうちの駆動パッド21に接続される端部である。
図16では、駆動電極側端部63aは、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23bと重なっている。駆動パッド側端部63bは、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23cと重なっている。すなわち、駆動パッド側端部63bは、駆動電極側端部63aよりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。
【0139】
図16では、駆動電極側端部63aと第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW4は、駆動電極側端部63aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離DW5よりも小さい。距離DW4及び距離DW5は、駆動電極側端部91と第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW8よりも大きい。なお、駆動電極側端部63aの横方向Yの位置は任意に変更可能である。一例では、距離DW4及び距離DW5が互いに等しくなるように駆動電極側端部63aが主面側駆動電極41に接続されてもよい。
【0140】
また
図16では、縦方向Xにおいて第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61a、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62a、及び第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63aは互いに揃った状態で配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに揃った状態とは、縦方向Xにおける駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,62a,63aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,62a,63aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0141】
第3駆動ワイヤ63の駆動パッド側端部63bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW6は、距離DW4よりも大きい。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW7は、距離DW5よりも大きい。
図16では、距離DW7は、距離DW6よりも大きい。
【0142】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第3駆動ワイヤ63は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。平面視において、第3駆動ワイヤ63及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第3駆動ワイヤ63と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。
【0143】
・半導体素子40のサイズは任意に変更可能である。第1例では、
図17に示すように、半導体素子40のサイズを第2実施形態の半導体素子40のサイズよりも大きくしてもよい。第2例では、
図19に示すように、半導体素子40のサイズを
図17の半導体素子40のサイズよりも大きくしてもよい。
【0144】
図17に示す第1例では、半導体素子40の縦方向Xのサイズ及び横方向Yのサイズのそれぞれが第2実施形態の半導体素子40のサイズよりも大きい。また、半導体素子40のサイズが大きくなることに伴い表面40aに形成された開口部45の大きさを縦方向X及び横方向Yのそれぞれに大きくすることができる。
図17では、開口部45の横方向Yの大きさは、駆動パッド21の横方向Yの大きさよりも小さい。駆動パッド21の横方向Yの大きさは、半導体素子40の横方向Yの大きさよりも大きい。開口部45は、縦方向Xからみて、駆動パッド21の第1端部21aと重なっている。より詳細には、開口部45のうちの第3側面40e側の端縁は、駆動パッド21よりも第3封止樹脂側面53側に位置している。また開口部45は、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23cと重なっている。
【0145】
また
図17では、半導体素子40の第3側面40eは、縦方向Xからみて、センスリード80のうちの第4封止樹脂側面54側の端部と重なっている。半導体素子40の第4側面40fは、縦方向Xからみて、駆動パッド21のうちの連結部23cと連結部23dとの横方向Yの間の部分と重なっている。
【0146】
半導体装置1は、第2実施形態と同様に、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62を有する。第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、第2実施形態の駆動電極側端部61aと同様に、主面側駆動電極41のうちの横方向Yにおいて制御電極43と離間した部分に接続されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、第2実施形態の駆動パッド側端部61bと同様に、駆動パッド21の第1端部21aに接続されている。第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、第2実施形態の駆動電極側端部62aと同様に、横方向Yにおいて開口部45のうちの半導体素子40の第4側面40f側の端部に接続されている。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、第2実施形態の駆動パッド側端部62bと同様に、駆動パッド21の第2端部21bに接続されている。縦方向Xにおいて、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとは互いに揃った状態で横方向Yに配列されている。駆動パッド側端部61b及び駆動パッド側端部62bはそれぞれ、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。
【0147】
図17では、駆動電極側端部61aから縦方向Xに沿う補助線LS1と駆動パッド側端部61bから縦方向Xに沿う補助線LS2との横方向Yの間の距離DY1は、駆動電極側端部62aから縦方向Xに沿う補助線LS3と駆動パッド側端部62bから縦方向Xに沿う補助線LS4との横方向Yの間の距離DY2よりも小さい。平面視において、駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2は、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとの間の距離DW1よりも大きい。このように、平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広くなっている。
【0148】
この構成によれば、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離を大きくすることができるため、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスを低減できる。
【0149】
・
図17の変更例において、駆動ワイヤ60の数は、2本に限られず、任意に変更可能である。一例では、
図18に示すように、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び第3駆動ワイヤ63の3本の駆動ワイヤから構成されてもよい。第3駆動ワイヤ63は、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間に配置されている。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成している。第3駆動ワイヤ63は、駆動電極側端部63a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部63aと第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW4は、駆動電極側端部63aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離DW5よりも大きい。なお、主面側駆動電極41に対する駆動電極側端部63aの配置位置は任意に変更可能である。一例では、距離DW4と距離DW5とが互いに等しくなるように、駆動電極側端部63aが主面側駆動電極41に接続されてもよい。
【0150】
また
図18では、縦方向Xにおいて第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61a、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62a、及び第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63aは互いに揃った状態で配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに揃った状態とは、縦方向Xにおける駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,62a,63aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,62a,63aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0151】
第3駆動ワイヤ63の駆動パッド側端部63bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に配置されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW6は、距離DW4よりも大きい。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW7は、距離DW5よりも大きい。
図18では、距離DW7は、距離DW6よりも大きい。
【0152】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第3駆動ワイヤ63は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広くなっている。平面視において、第3駆動ワイヤ63及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第3駆動ワイヤ63と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広くなっている。
【0153】
なお、平面視において、第3駆動ワイヤ63の縦方向Xに対する傾斜角度は任意に変更可能である。一例では、平面視において、第3駆動ワイヤ63の縦方向Xに対する傾斜角度は第1駆動ワイヤ61の縦方向Xに対する傾斜角度又は第2駆動ワイヤ62の縦方向Xに対する傾斜角度と等しくてもよい。
【0154】
図19に示す第2例では、平面視における半導体素子40の形状は、正方形である。半導体素子40の表面40aに形成された主面側駆動電極41(ソース電極)の平面視における形状は、略正方形である。半導体素子40の第2側面40dかつ第3側面40e側の端部に切欠部41bが形成されている。制御電極43は、切欠部41bに形成されている。また、パッシベーション膜44に形成された開口部45の平面視における形状は、正方形である。開口部45は、第2実施形態と同様に、主面側駆動電極41の一部及び制御電極43の一部を露出している。主面側駆動電極41は、開口部45によって露出された露出領域46を有する。
【0155】
図19に示す第2例の半導体装置1は、複数の駆動ワイヤ60として、第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、第3駆動ワイヤ63、及び第4駆動ワイヤ64を有する。第3駆動ワイヤ63及び第4駆動ワイヤ64は、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間に配置されている。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成している。第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、第3駆動ワイヤ63、及び第4駆動ワイヤ64は、横方向Yに離間して配列されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61は、横方向Yにおいて第2駆動ワイヤ62、第3駆動ワイヤ63、及び第4駆動ワイヤ64よりも半導体素子40の第3側面40e側に配置されている。第2駆動ワイヤ62は、横方向Yにおいて第1駆動ワイヤ61、第3駆動ワイヤ63、及び第4駆動ワイヤ64よりも半導体素子40の第4側面40f側に配置されている。第3駆動ワイヤ63は、第4駆動ワイヤ64よりも半導体素子40の第3側面40e側に配置されている。このように、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成する第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの横方向Yの両端にある駆動ワイヤである。
【0156】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bよりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。具体的には、駆動電極側端部61aは、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23aと重なっている。駆動パッド側端部61bは、縦方向Xからみて、駆動パッド21のうちの連結部23aと連結部23bとの間の部分と重なっている。
【0157】
第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bよりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。具体的には、駆動電極側端部62aは、縦方向Xからみて、駆動パッド21のうちの連結部23cと連結部23dとの間の部分と重なっている。駆動パッド側端部62bは、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23eと重なっている。
【0158】
第3駆動ワイヤ63は、駆動電極側端部63a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部63aは、第3駆動ワイヤ63のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。駆動パッド側端部63bは、第3駆動ワイヤ63のうちの駆動パッド21に接続される端部である。駆動電極側端部63aは、駆動パッド側端部63bよりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。具体的には、駆動電極側端部63aは、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23bと重なっている。駆動パッド側端部63bは、縦方向Xからみて、駆動パッド21のうちの連結部23bと連結部23cとの間の部分と重なっている。
【0159】
第4駆動ワイヤ64は、駆動電極側端部64a及び駆動パッド側端部64bを有する。駆動電極側端部64aは、第4駆動ワイヤ64のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。駆動パッド側端部64bは、第4駆動ワイヤ64のうちの駆動パッド21に接続される端部である。駆動電極側端部64aは、駆動パッド側端部64bよりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。具体的には、駆動電極側端部64aは、縦方向Xからみて、駆動パッド21のうちの連結部23bと連結部23cとの間の部分と重なっている。駆動パッド側端部64bは、縦方向Xからみて、駆動パッド21のうちの連結部23cと連結部23dとの間の部分と重なっている。
【0160】
駆動電極側端部61a及び駆動電極側端部63aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第1露出端部46a側に接続されている。駆動電極側端部61aは、横方向Yにおいて駆動電極側端部63aよりも第1露出端部46a側に接続されている。駆動電極側端部64a及び駆動電極側端部62aは、露出領域46の横方向Yの中央部よりも第2露出端部46b側に接続されている。駆動電極側端部62aは、駆動電極側端部64aよりも第2露出端部46b側に接続されている。
【0161】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61a及び第4駆動ワイヤ64の駆動電極側端部64aは、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62a及び第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63aと縦方向Xにずれている。具体的には、駆動電極側端部61a,64aは、駆動電極側端部62a,63aよりも半導体素子40の第1側面40c側となるように配置されている。このため、第1駆動ワイヤ61及び第4駆動ワイヤ64の長さは、第2駆動ワイヤ62及び第3駆動ワイヤ63の長さよりも長い。また、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部64aとは、縦方向Xにおいて互いに揃った状態で横方向Yに配列されている。駆動電極側端部62aと駆動電極側端部63aとは、縦方向Xにおいて互いに揃った状態で横方向Yに配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部61a,64aが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動電極側端部61a,64aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,64aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,64aが縦方向Xに揃っていると言える。また、縦方向Xにおいて駆動電極側端部62a,63aが互いに揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動電極側端部62a,63aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部62a,63aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部62a,63aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0162】
なお、駆動電極側端部61a~64aの縦方向Xにおける配置位置は任意に変更可能である。一例では、駆動電極側端部61a~64aが互いにずれてもよい。また、駆動電極側端部61a~64aが互いに揃った状態で横方向Yに配列されてもよい。
【0163】
駆動電極側端部61aから縦方向Xに沿う補助線LS1と、駆動電極側端部63aから縦方向Xに沿う補助線LS9との間の距離DW10は、補助線LS9と駆動電極側端部64aから縦方向Xに沿う補助線LS11との間の距離DW11よりも小さい。駆動電極側端部62aから縦方向Xに沿う補助線LS3と補助線LS11との横方向Yの間の距離DW12は、距離DW10よりも僅かに小さい。なお、駆動電極側端部61a~64aの横方向Yにおける配置位置は、駆動電極側端部61a~64aのうちの最も第3封止樹脂側面53側に駆動電極側端部61aが位置し、最も第4封止樹脂側面54側に駆動電極側端部62aが位置する限定において任意に変更可能である。一例では、駆動電極側端部61a~64aは、距離DW12と距離DW10とが互いに等しくなるように配置されてもよい。
【0164】
補助線LS1と駆動パッド側端部61bから縦方向Xに沿う補助線LS2との横方向Yの間の距離DY1は、補助線LS3と駆動パッド側端部62bから縦方向Xに沿う補助線LS4との横方向Yの間の距離DY2よりも小さい。補助線LS9と駆動パッド側端部63bから縦方向Xに沿う補助線LS10との横方向Yの間の距離DY3は、補助線LS11と駆動パッド側端部64bから縦方向Xに沿う補助線LS12との横方向Yの間の距離DY4よりも小さい。
図19では、距離DY1は、距離DY3よりも小さい。距離DY2は、距離DY4よりも大きい。
【0165】
なお、駆動電極側端部61aは、横方向Yにおいて開口部45のうちの半導体素子40の第3側面40e側の端部としてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4側面40f側の限界位置となるように配置されてもよい。駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3封止樹脂側面53側の限界位置となるように配置されてもよい。
【0166】
また、駆動電極側端部62aは、横方向Yにおいて開口部45のうちの半導体素子40の第4側面40f側の端部としてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4側面40f側の限界位置となるように配置されてもよい。駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4封止樹脂側面54側の限界位置となるように配置されてもよい。
【0167】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第3駆動ワイヤ63は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63との横方向Yの間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。平面視において、第3駆動ワイヤ63及び第4駆動ワイヤ64は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第3駆動ワイヤ63と第4駆動ワイヤ64との横方向Yの間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。平面視において、第4駆動ワイヤ64及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第4駆動ワイヤ64と第2駆動ワイヤ62との横方向Yの間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。平面視において、第3駆動ワイヤ63及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第3駆動ワイヤ63と第2駆動ワイヤ62との横方向Yの間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。
【0168】
センスワイヤ90の駆動電極側端部91は、主面側駆動電極41のうちの横方向Yにおいて制御ワイヤ70の制御電極側端部71と第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の部分に接続されている。また、駆動電極側端部91は、主面側駆動電極41のうちの第2側面40d側の端部に接続されている。すなわち、駆動電極側端部91は、主面側駆動電極41のうちの制御電極43と横方向Yに隣り合う部分に接続されている。この構成によれば、センスワイヤ90の長さを短くできる。
【0169】
・半導体素子40の内側本体部12に対する配置位置は任意に変更可能である。第1例では、
図20に示すように、半導体素子40を内側本体部12のうちの第2封止樹脂側面52寄りの部分に配置してもよい。詳細には、半導体素子40と内側本体部12のうちの第1フランジ部19aの第2封止樹脂側面52側の端縁との縦方向Xの間の第1距離D1が半導体素子40と内側本体部12の第1幅広部12fとの縦方向Xの間の第2距離D2の1/2よりも小さい。第1距離D1は、第2距離D2の1/3よりも小さい。
図20では、第1距離D1は、第2距離D2の約1/6である。
【0170】
横方向Yにおいて、半導体素子40は、内側本体部12の中央部に配置されている。具体的には、半導体素子40と内側本体部12のうちの第2フランジ部19bの第3封止樹脂側面53側の端縁との横方向Yの間の第3距離D3が半導体素子40の内側本体部12のうちの第3フランジ部19cの第4封止樹脂側面54側の端縁との横方向Yの間の第4距離D4と等しい。ここで、第3距離D3と第4距離D4とのずれ量が例えば第3距離D3の5%以内であれば、第3距離D3が第4距離D4と等しいと言える。
【0171】
このような構成によれば、半導体素子40の開口部45と駆動パッド21との間の距離が小さくなることによって、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62をそれぞれ短くできる。したがって、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスをより低減できる。加えて、半導体素子40の開口部45とセンスパッド81との間の距離が小さくなることによって、センスワイヤ90の長さを短くできるため、主面側駆動電極41と裏面側駆動電極42との電気的な接続経路のインダクタンスを低減できる。
【0172】
第2例では、
図21に示すように、半導体素子40を内側本体部12のうちの第2封止樹脂側面52寄りかつ第4封止樹脂側面54寄りの部分に配置してもよい。詳細には、半導体素子40と内側本体部12のうちの第1フランジ部19aの第2封止樹脂側面52側の端縁との縦方向Xの間の第1距離D1が半導体素子40と内側本体部12の第1幅広部12fとの間の第2距離D2の1/2よりも小さい。第1距離D1は、第2距離D2の1/3よりも小さい。
図20では、第1距離D1は、第2距離D2の約1/6である。
【0173】
横方向Yにおいて、半導体素子40は、内側本体部12のうちの第3側面12e寄りの部分に配置されている。具体的には、半導体素子40と内側本体部12のうちの第2フランジ部19bの第3封止樹脂側面53側の端縁との横方向Yの間の第3距離D3が半導体素子40と内側本体部12のうちの第3フランジ部19cの第4封止樹脂側面54側の端縁との横方向Yの間の第4距離D4よりも大きい。第4距離D4は、第3距離D3の1/2よりも小さい。第4距離D4は、第3距離D3の1/3よりも小さい。
図21では、第4距離D4は、第3距離D3の約1/6である。
【0174】
このような構成によれば、半導体素子40の開口部45と駆動パッド21との間の距離がさらに小さくなることによって、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62をそれぞれさらに短くできる。したがって、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスをより一層低減できる。
【0175】
・駆動ワイヤ60、制御ワイヤ70、及びセンスワイヤ90の材料及び線径は任意に変更可能である。一例では、駆動ワイヤ60、制御ワイヤ70、及びセンスワイヤ90の少なくとも1つの線径が他の線径と異なってもよい。また、駆動ワイヤ60、制御ワイヤ70、及びセンスワイヤ90の少なくとも1つの材料が他の材料と異なってもよい。
【0176】
・厚さ方向Zにおけるセンスパッド81の配置位置は任意に変更可能である。センスパッド81は、厚さ方向Zにおいて駆動パッド21及び制御パッド31の少なくとも一方に対してずれていてもよい。一例では、センスパッド81は、厚さ方向Zにおいて半導体素子40と揃った状態で配置されている。
【0177】
・基板10の内側本体部12から第1幅広部12fを省略してもよい。この場合、縦方向Xにおいて、突出部13と封止樹脂50の第1封止樹脂側面51とが当接してもよい。
・基板10の内側本体部12から第2幅広部12gを省略してもよい。
【0178】
(第3実施形態)
図22~
図31を参照して、半導体装置1の第3実施形態について説明する。本実施形態の半導体装置1は、第1実施形態の半導体装置1と比較して、基板10、駆動リード20、制御リード30、及び封止樹脂50の形状がそれぞれ異なる。本実施形態では、便宜上、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0179】
図22に示すように、本実施形態の半導体装置1は、パッケージ外形規格(JEITA規格)がTO-247のパッケージである。詳細には、半導体装置1の縦寸法L1が19.18mm~20.57mm、横寸法L2が15.75mm~16.13mm、厚さ寸法L3が4.83mm~5.21mmである。また、半導体装置1は、SIPタイプである。このように、本実施形態の半導体装置1のサイズは、第1実施形態の半導体装置1のサイズよりも大きい。
【0180】
図22に示すように、封止樹脂50の形状は、平板状である。封止樹脂50は、モールド成形によって形成されている。封止樹脂50の各側面51~54は、封止樹脂50の成形時に金型を抜き易くするような抜き勾配を設けるため、厚さ方向Zに対して傾斜する傾斜面が設けられている。具体的には、各側面51~54は、金型の上型を抜き易くするような抜き勾配を設けた第1傾斜面と、金型の下型を抜き易くするような抜き勾配を設けた第2傾斜面とを有する。金型の上型は、封止樹脂天面56と各側面51~54のうちの封止樹脂天面56側の部分を形成する。下型は、封止樹脂裏面55と各側面51~54のうちの封止樹脂裏面55側の部分を形成する。
【0181】
封止樹脂50の横方向Yの両端部には、凹部58が形成されている。封止樹脂50の第3封止樹脂側面53側の凹部58は、第3封止樹脂側面53から横方向Yに湾曲状に凹んでいる。封止樹脂50の第4封止樹脂側面54側の凹部58は、第4封止樹脂側面54から横方向Yに湾曲状に凹んでいる。凹部58は、厚さ方向Zにおいて、封止樹脂天面56から基板10の主面10aまでにわたり形成されている。すなわち、凹部58によって、基板10の主面10aが露出している。凹部58は、封止樹脂50の縦方向Xの中心よりも第1封止樹脂側面51寄りに設けられている。
【0182】
封止樹脂50の横方向Yの中央部には、貫通孔59が形成されている。貫通孔59は、厚さ方向Zにおいて封止樹脂50を貫通している。貫通孔59は、封止樹脂50の縦方向Xの中心よりも第1封止樹脂側面51寄りに設けられている。平面視における貫通孔59の形状は円形である。本実施形態では、貫通孔59は、凹部58と縦方向Xに同じ位置となるように設けられている。貫通孔59にボルトやねじを挿通することによって、半導体装置1を回路基板又はヒートシンク(ともに図示略)に取り付けることができる。
【0183】
図23は、半導体装置1を厚さ方向Zの封止樹脂天面56からみた図である。
図23では、便宜上、封止樹脂50を二点鎖線で示し、封止樹脂50内の部品を実線で示している。
図23に示すとおり、平面視において、封止樹脂50の形状は、縦方向Xが長辺方向となり、横方向Yが短辺方向となる略矩形状である。
【0184】
図22及び
図23に示すように、基板10は、封止樹脂50内に配置された基板本体部11と、リード部16とを有する。基板10は、例えばアルミニウム(Al)又は銅(Cu)によって形成されている。
【0185】
基板本体部11には、貫通孔10cが設けられている。貫通孔10cは、基板10の縦方向Xの中心よりも第1封止樹脂側面51寄りに設けられている。平面視における貫通孔10cの形状は円形である。貫通孔10cは、封止樹脂50の貫通孔59と同心円となるように設けられている。貫通孔10cの直径は、貫通孔59の直径よりも大きい。また基板本体部11には、平面視において半円状に凹む一対の第1凹部10dと、平面視において矩形状に凹む第2凹部10eとが設けられている。一対の第1凹部10dは、基板10の縦方向Xの中心よりも第1封止樹脂側面51寄りに設けられている。一対の第1凹部10dは、封止樹脂50の凹部58によって外部に露出されている。第2凹部10eは、基板本体部11のうちの第1封止樹脂側面51側の端部に設けられている。
【0186】
基板本体部11には、複数のフランジ部19が設けられている。複数のフランジ部19は、第1フランジ部19a、第2フランジ部19b、及び第3フランジ部19cを含む。第1フランジ部19aは、基板本体部11の第1側面11aから第2封止樹脂側面52に向けて突出している。第2フランジ部19bは、基板本体部11のうちの縦方向Xにおける貫通孔10cよりも第2封止樹脂側面52側の領域において、基板本体部11の第2側面11bから第3封止樹脂側面53に向けて突出している。第3フランジ部19cは、基板本体部11のうちの縦方向Xにおける貫通孔10cよりも第2封止樹脂側面52側の領域において、基板本体部11の第3側面11cから第4封止樹脂側面54に向けて突出している。
【0187】
図24に示すように、基板10の裏面10b(基板本体部11の裏面)は、封止樹脂裏面55から露出している。これにより、基板10の放熱性を向上できる。基板10の貫通孔10cの外周側には、封止樹脂50によって覆われている。
【0188】
図23に示すように、リード部16は、基板本体部11の第1側面12c側の端部から第2封止樹脂側面52に向けて延びているとともに第2封止樹脂側面52から突出している。リード部16は、第2封止樹脂側面52から突出した端子部17と、端子部17と基板本体部11とを連結している連結部18とに区分できる。
【0189】
連結部18は、横方向Yにおいて基板本体部11の中央部に位置している。連結部18は、傾斜部18aを有する。傾斜部18aは、基板本体部11から第2封止樹脂側面52に向かうにつれて封止樹脂天面56に向けて傾斜している。連結部18のうちの傾斜部18aと端子部17との間の中間部18bは、基板本体部11よりも封止樹脂天面56側に位置している。平面視において、中間部18bは、縦方向Xに沿って延びている。中間部18bのうちの第2封止樹脂側面52と接触する部分は、横方向Yにおいて第2封止樹脂側面52の中央部に位置している。
【0190】
端子部17は、第2封止樹脂側面52の横方向Yの中央部から突出している。端子部17は、厚さ方向Zにおいて中間部18bと同じ位置である。すなわち端子部17は、基板本体部11よりも封止樹脂天面56側に位置している。
【0191】
図23に示すように、平面視において、基板10よりも封止樹脂50の第2封止樹脂側面52側には、駆動リード20及び制御リード30が基板10に対して縦方向Xに離間した状態で配置されている。駆動リード20及び制御リード30は、横方向Yにおいて互いに離間して配置されている。駆動リード20と制御リード30との横方向Yの間には、リード部16が配置されている。本実施形態では、平面視において、駆動リード20及び制御リード30は、半導体装置1の縦方向Xの中央部から縦方向Xに沿う中心線Cに対して対称となる形状である。なお、平面視における駆動リード20及び制御リード30の形状は任意に変更可能である。一例では、平面視における駆動リード20の形状と平面視における制御リード30の形状とが互いに異なってもよい。
【0192】
駆動リード20の駆動パッド21及び連結部23は、縦方向Xにおいて基板10と第2封止樹脂側面52との間に配置されている。駆動パッド21及び連結部23は、横方向Yにおいて封止樹脂50の中央部よりも第4封止樹脂側面54側に配置されている。駆動パッド21は、半導体素子40よりも第4封止樹脂側面54側に配置されている。平面視における駆動パッド21の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる略矩形状である。本実施形態では、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさは、横方向Yにおける開口部45の大きさよりも大きい。また横方向Yにおける駆動パッド21の大きさは、横方向Yにおける半導体素子40の大きさよりも大きい。厚さ方向Zにおいて、駆動パッド21は、基板本体部11よりも封止樹脂天面56側に位置している。また、厚さ方向Zにおいて、駆動パッド21は、半導体素子40よりも封止樹脂天面56側に位置している。本実施形態では、駆動パッド21は、厚さ方向Zにおいてリード部16の中間部18bと同じ位置である。
【0193】
連結部23は、駆動パッド21のうちの第2封止樹脂側面52側の端部から連続している。連結部23は、横方向Yにおいて駆動パッド21の中央部よりも第4封止樹脂側面54側に位置している。駆動端子22は、ソース端子を構成している。駆動端子22は、第2封止樹脂側面52から突出している。
【0194】
制御パッド31及び連結部33は、縦方向Xにおいて基板10と第2封止樹脂側面52との間に配置されている。制御パッド31及び連結部33は、横方向Yにおいて封止樹脂50の中央部よりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。厚さ方向Zにおいて、制御パッド31は、基板本体部11よりも封止樹脂天面56側に位置している。また、厚さ方向Zにおいて、制御パッド31は、半導体素子40よりも封止樹脂天面56側に位置している。本実施形態では、制御パッド31は、厚さ方向Zにおいてリード部16の中間部18bと同じ位置である。
【0195】
連結部33は、制御パッド31のうちの第2封止樹脂側面52側の端部から連続している。連結部33は、横方向Yにおいて制御パッド31のうちの第3封止樹脂側面53寄りに位置している。制御端子32は、ゲート端子を構成している。制御端子32は、第2封止樹脂側面52から突出している。
【0196】
半導体素子40は、第1実施形態と同様に、SiCMOSFETが用いられている。また半導体素子40は、第1実施形態と同様に、1kHz以上かつ数百kHz以下の周波数の駆動信号に応答した高速スイッチングが可能な素子である。好ましくは、半導体素子40は、1kHz以上かつ100kHz以下の周波数の駆動信号に応答した高速スイッチングが可能な素子である。本実施形態では、半導体素子40は、100kHzの周波数の駆動信号に応じて高速スイッチングを行う。半導体素子40の形状及びサイズは、第1実施形態の半導体素子40の形状及びサイズと同様である。
【0197】
半導体素子40は、基板本体部11(基板10の主面10a)に半田SDによって実装されている。
図23に示すように、本実施形態では、半導体素子40は、基板本体部11の縦方向Xの中央部よりもリード部16側となるように配置されている。具体的には、半導体素子40と基板本体部11のうちの第1フランジ部19aの第2封止樹脂側面52側の端縁との間の第1距離D1が半導体素子40と基板本体部11の貫通孔10cにおける第2封止樹脂側面52側の端縁との間の第2距離D2よりも小さくなる。
【0198】
半導体素子40は、横方向Yにおいて、基板本体部11の中央部に配置されている。具体的には、半導体素子40と基板本体部11の第2側面11bとの間の第3距離D3と、半導体素子40と基板本体部11の第3側面11cとの間の第4距離D4とが互いに等しい。ここで、第3距離D3と第4距離D4とのずれ量が例えば第3距離D3の5%以内であれば、第3距離D3及び第4距離D4が互いに等しいと言える。
【0199】
半導体装置1は、複数の駆動ワイヤ60と1本の制御ワイヤ70を備える。本実施形態では、複数の駆動ワイヤ60は、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の2本の駆動ワイヤから構成されている。すなわち、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成している。第1駆動ワイヤ61は、第2駆動ワイヤ62に対して制御ワイヤ70側に配置されている。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、互いに離間した状態で半導体素子40の主面側駆動電極41と駆動パッド21とを接続している。平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、横方向Yに離間して配列されている。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの横方向Yの両端にある駆動ワイヤである。
【0200】
第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、同一の金属からなる。本実施形態では、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、アルミニウムを含む。第1駆動ワイヤ61の線径は、第2駆動ワイヤ62の線径と等しい。ここで、第1駆動ワイヤ61の線径と第2駆動ワイヤ62の線径とのずれ量が例えば第1駆動ワイヤ61の線径の5%以内であれば、第1駆動ワイヤ61の線径が第2駆動ワイヤ62の線径と等しいと言える。本実施形態では、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径は、制御ワイヤ70の線径と等しい。ここで、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径と制御ワイヤ70の線径とのずれ量が例えば制御ワイヤ70の線径の5%以内であれば、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径が制御ワイヤ70の線径と等しいと言える。
【0201】
第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62はそれぞれ、半導体素子40の主面側駆動電極41と駆動パッド21とを接続している。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62はそれぞれ、例えばワイヤボンディングによって主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。
【0202】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21側に向かうにつれて広がっている。以下、このような第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の構成について詳細に説明する。
【0203】
図25に示すように、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bよりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bよりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。平面視において、駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2は、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとの間の距離DW1よりも大きい。
【0204】
駆動電極側端部61aから縦方向Xに沿う補助線LS1と、駆動パッド側端部61bから縦方向Xに沿う補助線LS2との横方向Yの間の距離を距離DY1とし、駆動電極側端部62aから縦方向Xに沿う補助線LS3と、駆動パッド側端部62bから縦方向Xに沿う補助線LS4との横方向Yの間の距離を距離DY2とする。この場合、距離DY2は、距離DY1よりも大きい。
【0205】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第1露出端部46a側に接続されている。本実施形態では、駆動電極側端部61aは、第1露出端部46aに接続されている。具体的には、駆動電極側端部61aは、横方向Yにおいて主面側駆動電極41のうちの制御電極43と隣り合う部分、すなわち主面側駆動電極41の凹部41a(
図2参照)の底部を構成する部分に接続されている。
【0206】
第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第1端部21a側に接続されている。本実施形態では、駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aに接続されている。一例では、駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3封止樹脂側面53側の限界位置となるように配置されている。駆動パッド側端部61bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。
【0207】
第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第2露出端部46b側に接続されている。本実施形態では、駆動電極側端部62aは、第2露出端部46bに接続されている。一例では、駆動電極側端部62aは、横方向Yにおいて開口部45のうちの半導体素子40の第4側面40f側の端部としてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4側面40f側の限界位置となるように配置されている。縦方向Xにおいて、駆動電極側端部62aは、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと揃った状態で配列されている。なお、縦方向Xにおいて駆動電極側端部62aと駆動電極側端部61aとが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動電極側端部61a,62aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,62aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,62aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0208】
第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第2端部21b側に接続されている。本実施形態では、駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bに接続されている。一例では、駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4封止樹脂側面54側の限界位置となるように配置されている。駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に配置されている。
【0209】
制御ワイヤ70は、半導体素子40の制御電極43と制御パッド31とを接続している。制御ワイヤ70は、例えばワイヤボンディングによって制御電極43と制御パッド31とに接続されている。第1実施形態と同様に、制御ワイヤ70は、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62と同一の材料が用いられている。制御ワイヤ70の線径は、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径と等しい。ここで、制御ワイヤ70の線径と第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径とのずれ量が例えば制御ワイヤ70の線径の5%以内であれば、制御ワイヤ70の線径が第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径と等しいと言える。制御ワイヤ70は、制御電極側端部71と制御パッド側端部72とを有する。制御電極側端部71は、制御パッド側端部72よりも第4封止樹脂側面54側に配置されている。
【0210】
制御電極側端部71と第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW3は、距離DW1よりも小さい。制御電極側端部71から縦方向Xに沿う補助線LS5と、制御パッド側端部72から縦方向Xに沿う補助線LS6との間の距離DY3は、距離DY1よりも大きく、距離DY2よりも小さい。なお、本実施形態の半導体装置1によれば、第1実施形態の(1-1)~(1-7)の効果と同様の効果が得られる。
【0211】
(第3実施形態の変更例)
第3実施形態の半導体装置1は例えば以下のように変更できる。以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合せることができる。なお、以下の変更例において、第3実施形態と共通する部分については、第3実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0212】
・駆動ワイヤ60の数は、2本に限られず、任意に変更可能である。一例では、
図26に示すように、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び第3駆動ワイヤ63の3本の駆動ワイヤから構成されてもよい。第3駆動ワイヤ63は、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間に配置されている。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成している。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、互いに離間した状態で半導体素子40の主面側駆動電極41と駆動パッド21とを接続している。平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、横方向Yに離間して配列されている。このように、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成する第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの横方向Yの両端にある駆動ワイヤである。
【0213】
第3駆動ワイヤ63は、駆動電極側端部63a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部63aは、第3駆動ワイヤ63のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。駆動パッド側端部63bは、第3駆動ワイヤ63のうちの駆動パッド21に接続される端部である。駆動パッド側端部63bは、駆動電極側端部63aよりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。
【0214】
図26では、駆動電極側端部63aと第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW4は、駆動電極側端部63aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離DW5と等しい。ここで、距離DW4と距離DW5とのずれ量が例えば距離DW4の5%以内であれば、距離DW4と距離DW5とが等しいと言える。距離DW4及び距離DW5は、制御ワイヤ70の制御電極側端部71と第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW3よりも大きい。
【0215】
なお、駆動電極側端部63aの横方向Yの位置は任意に変更可能である。一例では、距離DW4及び距離DW5が互いに異なるように駆動電極側端部63aが主面側駆動電極41に接続されてもよい。
【0216】
また
図26では、縦方向Xにおいて第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61a、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62a、及び第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63aは互いに揃った状態で配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに揃った状態とは、縦方向Xにおける駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,62a,63aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,62a,63aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0217】
第3駆動ワイヤ63の駆動パッド側端部63bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に配置されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW6は、距離DW4よりも大きい。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW7は、距離DW5よりも大きい。
【0218】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第3駆動ワイヤ63は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。平面視において、第3駆動ワイヤ63及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第3駆動ワイヤ63と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。
【0219】
・半導体素子40のサイズは任意に変更可能である。第1例では、
図27に示すように、半導体素子40のサイズを第3実施形態の半導体素子40のサイズよりも大きくしてもよい。第2例では、
図29に示すように、半導体素子40のサイズを
図27の半導体素子40のサイズよりも大きくしてもよい。
【0220】
図27に示す第1例では、半導体素子40の縦方向Xのサイズ及び横方向Yのサイズのそれぞれが第3実施形態の半導体素子40のサイズよりも大きい。また、半導体素子40のサイズが大きくなることに伴い表面40aに形成された開口部45の大きさを縦方向X及び横方向Yのそれぞれに大きくすることができる。
図27では、開口部45の横方向Yの大きさは、駆動パッド21の横方向Yの大きさよりも小さい。駆動パッド21の横方向Yの大きさは、半導体素子40の横方向Yの大きさよりも大きい。
【0221】
半導体装置1は、第3実施形態と同様に、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62を有する。第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、第3実施形態の駆動電極側端部61aと同様に、露出領域46の第1露出端部46aに接続されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、第3実施形態の駆動パッド側端部61bと同様に、駆動パッド21の第1端部21aに接続されている。第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、第3実施形態の駆動電極側端部62aと同様に、横方向Yにおいて開口部45のうちの半導体素子40の第4側面40f側の端部に接続されている。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、第3実施形態の駆動パッド側端部62bと同様に、駆動パッド21の第2端部21bに接続されている。第3実施形態と同様に、縦方向Xにおいて、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとは互いに揃った状態で横方向Yに配列されている。駆動パッド側端部61b及び駆動パッド側端部62bはそれぞれ、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。
【0222】
平面視において、駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2は、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとの横方向Yの間の距離DW1よりも大きい。
図27では、駆動電極側端部61aから縦方向Xに沿う補助線LS1と駆動パッド側端部61bから縦方向Xに沿う補助線LS2との横方向Yの間の距離DY1は、駆動電極側端部62aから縦方向Xに沿う補助線LS3と駆動パッド側端部62bから縦方向Xに沿う補助線LS4との横方向Yの間の距離DY2よりも小さい。このように、平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広くなっている。
【0223】
この構成によれば、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離を大きくすることができるため、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスを低減できる。
【0224】
・
図27の変更例において、駆動ワイヤ60の数は、2本に限られず、任意に変更可能である。一例では、
図28に示すように、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び第3駆動ワイヤ63の3本の駆動ワイヤから構成されてもよい。第3駆動ワイヤ63は、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間に配置されている。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成している。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、互いに離間した状態で半導体素子40の主面側駆動電極41と駆動パッド21とを接続している。平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、横方向Yに離間して配列されている。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの横方向Yの両端にある駆動ワイヤである。
【0225】
第3駆動ワイヤ63は、駆動電極側端部63a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部63aと第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW4は、駆動電極側端部63aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離DW5と等しい。ここで、距離DW4と距離DW5とのずれ量が例えば距離DW4の5%以内であれば、距離DW4と距離DW5とが等しいと言える。
【0226】
なお、主面側駆動電極41に対する駆動電極側端部63aの配置位置は任意に変更可能である。一例では、距離DW4と距離DW5とが互いに異なるように、駆動電極側端部63aが主面側駆動電極41に接続されてもよい。
【0227】
また
図28では、縦方向Xにおいて第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61a、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62a、及び第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63aは互いに揃った状態で配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに揃った状態とは、縦方向Xにおける駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,62a,63aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,62a,63aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0228】
第3駆動ワイヤ63の駆動パッド側端部63bは、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に配置されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW6は、距離DW4よりも大きい。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW7は、距離DW5よりも大きい。
【0229】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第3駆動ワイヤ63は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。平面視において、第3駆動ワイヤ63及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第3駆動ワイヤ63と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。
【0230】
なお、平面視において、第3駆動ワイヤ63の縦方向Xに対する傾斜角度は任意に変更可能である。一例では、第3駆動ワイヤ63の縦方向Xに対する傾斜角度は第1駆動ワイヤ61の縦方向Xに対する傾斜角度又は第2駆動ワイヤ62の縦方向Xに対する傾斜角度と等しくてもよい。
【0231】
図29に示す第2例では、平面視における半導体素子40の形状は、正方形である。半導体素子40の表面40aに形成された主面側駆動電極41(ソース電極)は、半導体素子40の第2側面40dかつ第3側面40e側の端部に切欠部41bが形成されている。制御電極43は、切欠部41bに形成されている。
【0232】
図29に示す第2例の半導体装置1は、複数の駆動ワイヤ60として、第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、第3駆動ワイヤ63、及び第4駆動ワイヤ64を有する。第3駆動ワイヤ63及び第4駆動ワイヤ64は、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間に配置されている。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成している。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの横方向Yの両端にある駆動ワイヤである。縦方向Xからみて、各駆動ワイヤ61~64は、互いに重なるように配置されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63とが交差している。第4駆動ワイヤ64と第2駆動ワイヤ62とが交差している。
【0233】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bよりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bよりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。
【0234】
第3駆動ワイヤ63は、駆動電極側端部63a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部63aは、第3駆動ワイヤ63のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。駆動パッド側端部63bは、第3駆動ワイヤ63のうちの駆動パッド21に接続される端部である。第4駆動ワイヤ64は、駆動電極側端部64a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部64aは、第4駆動ワイヤ64のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。駆動パッド側端部64bは、第4駆動ワイヤ64のうちの駆動パッド21に接続される端部である。
【0235】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、各駆動ワイヤ62~64の駆動電極側端部61b~61dよりも第3側面40e側となるように配置されている。第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63aは、第4駆動ワイヤ64の駆動電極側端部64a及び第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aよりも第3側面40e側となるように配置されている。駆動電極側端部64aは、駆動電極側端部62aよりも第3側面40e側となるように配置されている。駆動電極側端部61a及び駆動電極側端部63aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第1露出端部46a側に接続されている。駆動電極側端部61aは、横方向Yにおいて駆動電極側端部63aよりも第1露出端部46a側に接続されている。駆動電極側端部64a及び駆動電極側端部62aは、露出領域46の横方向Yの中央部よりも第2露出端部46b側に接続されている。駆動電極側端部62aは、駆動電極側端部64aよりも第2露出端部46b側に接続されている。
【0236】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61a及び第4駆動ワイヤ64の駆動電極側端部64aは、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62a及び第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63aと縦方向Xにおいてずれている。また、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部64aとは、縦方向Xにおいて互いに揃った状態で配列されている。駆動電極側端部62aと駆動電極側端部63aとは、縦方向Xにおいて互いに揃った状態で配列されている。具体的には、駆動電極側端部61a,64aは、駆動電極側端部62a,63aよりも半導体素子40の第1側面40c側となるように配置されている。このため、第1駆動ワイヤ61及び第4駆動ワイヤ64の長さは、第2駆動ワイヤ62及び第3駆動ワイヤ63の長さよりも長い。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部61a,64aが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動電極側端部61a,64aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,64aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,64aが縦方向Xに揃っていると言える。また、縦方向Xにおいて駆動電極側端部62a,63aが互いに揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動電極側端部62a,63aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部62a,63aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部62a,63aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0237】
なお、駆動電極側端部61a~64aの縦方向Xにおける配置位置は任意に変更可能である。一例では、駆動電極側端部61a~64aが互いにずれてもよい。また、駆動電極側端部61a~64aが互いに揃った状態で横方向Yに配列されてもよい。
【0238】
第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、各駆動ワイヤ62~64の駆動パッド側端部62b~64bよりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。第3駆動ワイヤ63の駆動パッド側端部63bは、第4駆動ワイヤ64の駆動パッド側端部64b及び第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bよりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。駆動パッド側端部64bは、駆動パッド側端部62bよりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。駆動パッド側端部61b及び駆動パッド側端部63bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第1端部21a側に接続されている。駆動パッド側端部61bは、駆動パッド側端部63bよりも第1端部21a側に接続されている。駆動パッド側端部64b及び駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第2端部21b側に接続されている。駆動パッド側端部62bは、駆動パッド側端部62bよりも第2端部21b側に接続されている。
【0239】
駆動電極側端部61aから縦方向Xに沿う補助線LS1と、駆動電極側端部63aから縦方向Xに沿う補助線LS9との横方向Yの間の距離DW10は、補助線LS9と駆動電極側端部64aから縦方向Xに沿う補助線LS11との横方向Yの間の距離DW11よりも小さい。駆動電極側端部62aから縦方向Xに沿う補助線LS3と補助線LS11との横方向Yの間の距離DW12は、距離DW10よりも僅かに小さい。なお、駆動電極側端部61a~64aの横方向Yにおける配置位置は、駆動電極側端部61a~64aのうちの最も第3封止樹脂側面53側に駆動電極側端部61aが位置し、最も第4封止樹脂側面54側に駆動電極側端部62aが位置する限定において任意に変更可能である。一例では、駆動電極側端部61a~64aは、距離DW12と距離DW10とが互いに等しくなるように配置されてもよい。
【0240】
補助線LS1と駆動パッド側端部61bから縦方向Xに沿う補助線LS2との横方向Yの間の距離DY1は、補助線LS3と駆動パッド側端部62bから縦方向Xに沿う補助線LS4との横方向Yの間の距離DY2よりも小さい。補助線LS9と駆動パッド側端部63bから縦方向Xに沿う補助線LS10との横方向Yの間の距離DY3は、補助線LS11と駆動パッド側端部64bから縦方向Xに沿う補助線LS12との横方向Yの間の距離DY4よりも小さい。
図29では、距離DY1は、距離DY3よりも小さい。距離DY2は、距離DY4よりも大きい。
【0241】
なお、駆動電極側端部61aは、横方向Yの主面側駆動電極41の露出領域46の第1露出端部46aのうちのワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4側面40f側の限界位置となるように配置されてもよい。駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3封止樹脂側面53側の限界位置となるように配置されてもよい。
【0242】
また、駆動電極側端部62aは、横方向Yにおいて主面側駆動電極41の露出領域46の第2露出端部46bのうちのワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4側面40f側の限界位置となるように配置されてもよい。駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4封止樹脂側面54側の限界位置となるように配置されてもよい。
【0243】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との横方向Yの間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。
【0244】
・半導体素子40の基板本体部11に対する配置位置は任意に変更可能である。第1例では、
図30に示すように、半導体素子40を基板本体部11のうちの第2封止樹脂側面52寄りの部分に配置してもよい。詳細には、半導体素子40と基板本体部11のうちの第1フランジ部19aの第2封止樹脂側面52側の端縁との縦方向Xの間の第1距離D1が半導体素子40と基板本体部11の貫通孔10cのうちの第2封止樹脂側面52側の端部との縦方向Xの間の第2距離D2の1/2よりも小さい。第1距離D1は、第2距離D2の1/3よりも小さい。
図30では、第1距離D1は、第2距離D2の約1/7である。
【0245】
横方向Yにおいて、半導体素子40は、基板本体部11の中央部に配置されている。具体的には、半導体素子40と基板本体部11のうちの第2フランジ部19bの第3封止樹脂側面53側の端縁との横方向Yの間の第3距離D3が半導体素子40と基板本体部11のうちの第3フランジ部19cの第4封止樹脂側面54側の端縁との横方向Yの間の第4距離D4と等しい。
【0246】
このような構成によれば、半導体素子40の開口部45と駆動パッド21との間の距離が小さくなることによって、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62をそれぞれ短くできる。したがって、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスをより低減できる。
【0247】
第2例では、
図31に示すように、半導体素子40を基板本体部11のうちの第2封止樹脂側面52寄りかつ第4封止樹脂側面54寄りの部分に配置してもよい。詳細には、半導体素子40と基板本体部11のうちの第1フランジ部19aの第2封止樹脂側面52側の端縁との縦方向Xの間の第1距離D1が半導体素子40と基板本体部11の貫通孔10cのうちの第2封止樹脂側面52側の端部との縦方向Xの間の第2距離D2の1/2よりも小さい。第1距離D1は、第2距離D2の1/3よりも小さい。
図31では、第1距離D1は、第2距離D2の約1/7である。また、半導体素子40と基板本体部11のうちの第2フランジ部19bの第3封止樹脂側面53側の端縁との横方向Yの間の第3距離D3が半導体素子40と基板本体部11のうちの第3フランジ部19cの第4封止樹脂側面54側の端縁との横方向Yの間の第4距離D4よりも大きい。第4距離D4は、第3距離D3の1/2よりも小さい。第4距離D4は、第3距離D3の1/3よりも小さい。
図31では、第4距離D4は、第3距離D3の約1/10である。
【0248】
このような構成によれば、半導体素子40と駆動パッド21との間の距離がさらに小さくなることによって、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62をそれぞれさらに短くできる。したがって、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスをより一層低減できる。
【0249】
・第3実施形態の半導体装置1の基板10からリード部16を省略してもよい。この場合、横方向Yにおいて、駆動パッド21と制御パッド31とが隣り合っている。また、リード部16を省略した分、駆動パッド21の横方向Yの大きさを大きくしてもよい。この構成によれば、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2を大きく取ることができるため、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。
【0250】
(第4実施形態)
図32を参照して、半導体装置1の第4実施形態について説明する。本実施形態の半導体装置1は、第1実施形態の半導体装置1と比較して、半導体素子40としてMOSFETに代えてショットキーバリアダイオードを搭載した点と、駆動リード20及び制御リード30に代えて第1駆動リード20C及び第2駆動リード20Dが設けられた点とが主に異なる。本実施形態では、便宜上、第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0251】
図32に示すように、平面視において、基板10よりも封止樹脂50の第2封止樹脂側面52側には、第1駆動リード20C及び第2駆動リード20Dが基板10に対して縦方向Xに離間した状態で配置されている。第1駆動リード20C及び第2駆動リード20Dは、横方向Yにおいて互いに離間して配置されている。第1駆動リード20Cと第2駆動リード20Dとの横方向Yの間には、リード部16が配置されている。平面視において、第1駆動リード20C及び第2駆動リード20Dは、半導体装置1の縦方向Xの中央部から縦方向Xに沿う中心線Cに対して対称となる形状である。以降の説明において、第1駆動リード20C及び第2駆動リード20Dの各構成要素には符号の後にアルファベットC,Dを付して説明する。
【0252】
第1駆動リード20Cは、リード部16に対して第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。第1駆動リード20Cは、第1駆動パッド21C、第1駆動端子22C、及び第1駆動パッド21Cと第1駆動端子22Cとを連結する第1連結部23Cを有する。第1駆動パッド21C及び第1連結部23Cは、縦方向Xにおいて基板10と第2封止樹脂側面52との間に配置されている。第1駆動パッド21C及び第1連結部23Cは、横方向Yにおいて封止樹脂50の中央部よりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。第1駆動端子22Cは、アノード端子を構成している。
【0253】
平面視における第1駆動パッド21Cの形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる略矩形状である。第1駆動パッド21Cは、横方向Yの両端部である第1端部21c及び第2端部21dを有する。第1端部21cは、第1駆動パッド21Cの第3封止樹脂側面53側の端部である。第2端部21dは、第1駆動パッド21Cの第4封止樹脂側面54側の端部である。
【0254】
第2駆動リード20Dは、リード部16に対して第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。第2駆動リード20Dは、第2駆動パッド21D、第2駆動端子22D、及び第2駆動パッド21Dと第2駆動端子22Dとを連結する第2連結部23Dを有する。第2駆動パッド21D及び第2連結部23Dは、縦方向Xにおいて基板10と第2封止樹脂側面52との間に配置されている。第2駆動パッド21D及び第2連結部23Dは、横方向Yにおいて封止樹脂50の中央部よりも第4封止樹脂側面54側に配置されている。第2駆動端子22Dは、アノード端子を構成している。
【0255】
第2駆動パッド21Dは、横方向Yの両端部である第1端部21e及び第2端部21fを有する。第1端部21eは、第2駆動パッド21Dの第3封止樹脂側面53側の端部である。第2端部21fは、第2駆動パッド21Dの第4封止樹脂側面54側の端部である。
【0256】
第1駆動パッド21C及び第2駆動パッド21Dはそれぞれ、厚さ方向Zにおいて基板10の主面10aよりも封止樹脂天面56側に配置されている。第1駆動パッド21C及び第2駆動パッド21Dはそれぞれ、厚さ方向Zにおいて半導体素子40の表面40aよりも封止樹脂天面56側に配置されている。
【0257】
半導体素子40は、SiCを含む。本実施形態では、半導体素子40は、ショットキーバリアダイオードが用いられている。半導体素子40は、平板状に形成されている。具体的には、平面視において、半導体素子40の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる矩形状である。本実施形態では、半導体素子40は、内側本体部12の中央部に配置されている。具体的には、平面視において、半導体素子40と内側本体部12のうちの第1フランジ部19aの第2封止樹脂側面52側の端縁との間の第1距離D1と、半導体素子40と内側本体部12の幅狭部14との間の第2距離D2とが互いに等しい。また、半導体素子40と内側本体部12のうちの第2フランジ部19bの第3封止樹脂側面53側の端縁との間の第3距離D3と、半導体素子40と内側本体部12のうちの第3フランジ部19cの第4封止樹脂側面54側の端縁との間の第4距離D4とが互いに等しい。ここで、第1距離D1と第2距離D2とのずれ量が例えば第1距離D1の5%以内であれば、第1距離D1と第2距離D2とが互いに等しいと言える。また、第3距離D3と第4距離D4とのずれ量が例えば第3距離D3の5%以内であれば、第3距離D3及び第4距離D4が互いに等しいと言える。
【0258】
半導体素子40の表面40aには主面側駆動電極41が形成され、厚さ方向Zにおいて表面40aとは反対側を向く裏面には裏面側駆動電極(図示略)が形成されている。主面側駆動電極41はアノード電極を構成し、裏面側駆動電極はカソード電極を構成している。
【0259】
半導体素子40の主面側駆動電極41上には絶縁膜としてのパッシベーション膜44が形成されている。パッシベーション膜44には開口部45が形成されている。開口部45は、主面側駆動電極41を露出している。
【0260】
平面視における開口部45の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる矩形状である。開口部45の横方向Yの大きさは、第1駆動パッド21Cの横方向Yの大きさ及び第2駆動パッド21Dの横方向Yの大きさよりも小さい。言い換えれば、第1駆動パッド21Cの横方向Yの大きさ及び第2駆動パッド21Dの横方向Yの大きさは、開口部45の横方向Yの大きさよりも大きい。
【0261】
開口部45は、半導体素子40の表面40aの縦方向Xの中央部に設けられている。具体的には、開口部45と半導体素子40の第1側面40cとの間の第1距離DC1と、開口部45と半導体素子40の第2側面40dとの間の第2距離DC2と、開口部45と半導体素子40の第3側面40eとの間の第3距離DC3と、開口部45と半導体素子40の第4側面40fとの間の第4距離DC4とは互いに等しい。ここで、第1距離DC1、第2距離DC2、第3距離DC3、及び第4距離DC4の最大のずれ量が例えば第1距離DC1の5%以内であれば、第1距離DC1、第2距離DC2、第3距離DC3、及び第4距離DC4が互いに等しいと言える。
【0262】
主面側駆動電極41は、開口部45によって露出している露出領域46を有する。露出領域46は、横方向Yの両端部である第1露出端部46a及び第2露出端部46bを有する。第1露出端部46aは、露出領域46のうちの半導体素子40の第3側面40e側の端部である。第2露出端部46bは、露出領域46のうちの半導体素子40の第4側面40f側の端部である。
【0263】
半導体装置1は、複数の駆動ワイヤ60を備える。本実施形態では、複数の駆動ワイヤ60は、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の2本の駆動ワイヤから構成されている。すなわち、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成している。第1駆動ワイヤ61は、第2駆動ワイヤ62に対して制御ワイヤ70側に配置されている。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、互いに離間した状態で半導体素子40の主面側駆動電極41と駆動パッド21とを接続している。平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、横方向Yに離間して配列されている。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの横方向Yの両端にある駆動ワイヤである。
【0264】
第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、同一の金属からなる。本実施形態では、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、アルミニウムを含む。第1駆動ワイヤ61の線径は、第2駆動ワイヤ62の線径と等しい。ここで、第1駆動ワイヤ61の線径と第2駆動ワイヤ62の線径とのずれ量が例えば第1駆動ワイヤ61の線径の5%以内であれば、第1駆動ワイヤ61の線径が第2駆動ワイヤ62の線径と等しいと言える。
【0265】
第1駆動ワイヤ61は、半導体素子40の主面側駆動電極41と第1駆動パッド21Cとを接続している。第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41と第2駆動パッド21Dとを接続している。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62はそれぞれ、例えばワイヤボンディングによって主面側駆動電極41と各駆動パッド21C,21Dとに接続されている。
【0266】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21側に向かうにつれて広がっている。以下、このような第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の構成について詳細に説明する。
【0267】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bよりも第4封止樹脂側面54側に配置されている。第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bよりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。平面視において、駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2は、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとの間の距離DW1よりも大きい。
【0268】
駆動電極側端部61aから縦方向Xに沿う補助線LS1と、駆動パッド側端部61bから縦方向Xに沿う補助線LS2との横方向Yの間の距離を距離DY1と、駆動電極側端部62aから縦方向Xに沿う補助線LS3と、駆動パッド側端部62bから縦方向Xに沿う補助線LS4との横方向Yの間の距離を距離DY2とは互いに等しい。ここで、距離DY1と距離DY2とのずれ量が例えば距離DY1の5%以内であれば、距離DY1と距離DY2とが互いに等しいと言える。
【0269】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第1露出端部46a側に接続されている。本実施形態では、駆動電極側端部61aは、第1露出端部46aに接続されている。一例では、駆動電極側端部61aは、主面側駆動電極41の露出領域46の第1露出端部46aとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3側面40e側の限界位置となるように配置されている。
【0270】
第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、第1駆動パッド21Cの横方向Yの中央部よりも第1端部21c側に接続されている。本実施形態では、駆動パッド側端部61bは、第1駆動パッド21Cの第1端部21cに接続されている。一例では、駆動パッド側端部61bは、第1駆動パッド21Cの第1端部21cとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3封止樹脂側面53側の限界位置となるように配置されている。駆動パッド側端部61bは、縦方向Xにおいて、第1駆動パッド21Cの縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。
【0271】
第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第2露出端部46b側に接続されている。本実施形態では、駆動電極側端部62aは、第2露出端部46bに接続されている。一例では、駆動電極側端部62aは、横方向Yにおいて開口部45のうちの半導体素子40の第4側面40f側の端部としてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4側面40f側の限界位置となるように配置されている。縦方向Xにおいて、駆動電極側端部62aは、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと揃った状態で横方向Yに配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部62aと駆動電極側端部61aとが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動電極側端部61a,62aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,62aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,62aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0272】
第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、第2駆動パッド21Dの横方向Yの中央部よりも第2端部21f側に接続されている。本実施形態では、駆動パッド側端部62bは、第2駆動パッド21Dの第2端部21fに接続されている。一例では、駆動パッド側端部62bは、第2駆動パッド21Dの第2端部21fとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4封止樹脂側面54側の限界位置となるように配置されている。駆動パッド側端部62bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。
【0273】
本実施形態の半導体装置1によれば、第1実施形態の(1-1)、(1-5)、及び(1-7)の効果に加え、以下の効果が得られる。
(4-1)第1駆動リード20Cの第1駆動パッド21Cと第2駆動リード20Dの第2駆動パッド21Dとが横方向Yにおいて離間した状態で配置されている。この構成によれば、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2を大きく取ることができる。したがって、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。
【0274】
(4-2)駆動パッド側端部61bは、第1駆動パッド21Cのうちの第1端部21eに接続され、駆動パッド側端部62bは、第2駆動パッド21Dのうちの第2端部21fに接続されている。この構成によれば、駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2をより大きく取ることができる。したがって、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを一層低減できる。
【0275】
(第4実施形態の変更例)
第4実施形態の半導体装置1は例えば以下のように変更できる。以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合せることができる。なお、以下の変更例において、第3実施形態と共通する部分については、第4実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0276】
・駆動ワイヤ60の数は、2本に限られず、任意に変更可能である。一例では、
図33に示すように、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、第3駆動ワイヤ63、及び第4駆動ワイヤ64の4本の駆動ワイヤから構成されてもよい。第3駆動ワイヤ63及び第4駆動ワイヤ64は、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間に配置されている。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成している。第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、第3駆動ワイヤ63、及び第4駆動ワイヤ64は、横方向Yにおいて離間して配列されている。このように、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成する第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの横方向Yの両端の駆動ワイヤである。
【0277】
第3駆動ワイヤ63は、駆動電極側端部63a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部63aは、第3駆動ワイヤ63のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。駆動パッド側端部63bは、第3駆動ワイヤ63のうちの第1駆動パッド21Cに接続される端部である。駆動パッド側端部63bは、駆動電極側端部63aよりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。第4駆動ワイヤ64は、駆動電極側端部64a及び駆動パッド側端部64bを有する。駆動電極側端部64aは、第4駆動ワイヤ64のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。駆動パッド側端部64bは、第4駆動ワイヤ64のうちの第2駆動パッド21Dに接続される端部である。駆動パッド側端部64bは、駆動電極側端部64aよりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。
図33では、駆動パッド側端部63bは、第1駆動パッド21Cの第2端部21dに接続されている。駆動パッド側端部64bは、第2駆動パッド21Dの第1端部21eに接続されている。
【0278】
また
図33では、縦方向Xにおいて第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61a、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62a、第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63a、及び第4駆動ワイヤ64の駆動電極側端部64aは互いに揃った状態で横方向Yに配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部61a、駆動電極側端部62a、駆動電極側端部63a、及び駆動電極側端部64aが互いに揃った状態とは、縦方向Xにおける駆動電極側端部61a,62a,63a,64aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,62a,63a,64aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,62a,63a,64aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0279】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第3駆動ワイヤ63は、主面側駆動電極41側よりも第1駆動パッド21C側の方が離れるように主面側駆動電極41と第1駆動パッド21Cとに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。平面視において、第4駆動ワイヤ64及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも第2駆動パッド21D側の方が離れるように主面側駆動電極41と第2駆動パッド21Dとに接続されている。平面視において、第4駆動ワイヤ64と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。第3駆動ワイヤ63及び第4駆動ワイヤ64は、主面側駆動電極41側よりも第1駆動パッド21C及び第2駆動パッド21D側の方が離れるように主面側駆動電極41と第1駆動パッド21C及び第2駆動パッド21Dとに接続されている。平面視において、第3駆動ワイヤ63と第4駆動ワイヤ64との間隔は、主面側駆動電極41から第1駆動パッド21C及び第2駆動パッド21Dに向かうにつれて徐々に広がっている。
【0280】
・半導体素子40のサイズは任意に変更可能である。半導体素子40のサイズを第4実施形態の半導体素子40のサイズよりも縦方向X及び横方向Yの少なくとも一方において大きくしてもよい。
【0281】
・半導体素子40の基板10に対する配置位置は任意に変更可能である。
第1例では、半導体素子40を内側本体部12のうちの第2封止樹脂側面52寄りの部分に配置してもよい。詳細には、半導体素子40と内側本体部12のうちの第1フランジ部19aの第2封止樹脂側面52側の端縁との縦方向Xの間の第1距離D1が半導体素子40と内側本体部12の幅狭部14との縦方向Xの間の第2距離D2よりも小さい。
【0282】
この構成によれば、半導体素子40の開口部45と駆動パッド21との間の距離が小さくなることによって、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62をそれぞれ短くできる。したがって、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスをより低減できる。
【0283】
第2例では、半導体素子40を内側本体部12のうちの第2封止樹脂側面52寄りかつ第4封止樹脂側面54寄りの部分に配置してもよい。詳細には、半導体素子40と内側本体部12のうちの第1フランジ部19aの第2封止樹脂側面52側の端縁との縦方向Xの間の第1距離D1が半導体素子40と内側本体部12の幅狭部14との縦方向Xの間の第2距離D2よりも小さい。また、半導体素子40と内側本体部12のうちの第2フランジ部19bの第3封止樹脂側面53側の端縁との横方向Yの間の第3距離D3が半導体素子40と内側本体部12のうちの第3フランジ部19cの第4封止樹脂側面54側の端縁との横方向Yの間の第4距離D4よりも大きい。
【0284】
このような構成によれば、半導体素子40と駆動パッド21との間の距離がさらに小さくなることによって、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62をそれぞれさらに短くできる。したがって、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスをより一層低減できる。
【0285】
(各実施形態に共通した変更例)
上記各実施形態の半導体装置1は例えば以下のように変更できる。
・上記各実施形態において、厚さ方向Zにおける駆動パッド21及び制御パッド31の位置はそれぞれ任意に変更可能である。一例では、駆動パッド21及び制御パッド31の少なくとも一方は、厚さ方向Zにおいて半導体素子40に揃った状態であってもよい。また一例では、駆動パッド21及び制御パッド31の少なくとも一方は、厚さ方向Zにおいて基板10に揃った状態であってもよい。
【0286】
・上記各実施形態において、平面視における駆動パッド21及び制御パッド31の配置位置はそれぞれ任意に変更可能である。一例では、駆動パッド21及び制御パッド31の少なくとも一方は、基板10に対して横方向Yにずれていてもよい。すなわち、駆動パッド21及び制御パッド31の少なくとも一方は、基板10よりも封止樹脂50の第3封止樹脂側面53側又は第4封止樹脂側面54側に配置されてもよい。これにより、駆動パッド21及び制御パッド31の少なくとも一方は、半導体素子40に対して横方向Yにずれることになる。
【0287】
・上記各実施形態において、基板10から複数のフランジ部19を省略してもよい。
・上記各実施形態において、複数の駆動ワイヤ60と制御ワイヤ70とは異なる金属によって形成されてもよい。一例では、複数の駆動ワイヤ60は、アルミニウムからなり、制御ワイヤ70は金(Au)からなる。
【0288】
・上記各実施形態において、複数の駆動ワイヤ60の線径と制御ワイヤ70の線径とは互いに異なってもよい。一例では、複数の駆動ワイヤ60の線径は、制御ワイヤ70の線径よりも大きい。
【0289】
・上記各実施形態において、複数の駆動ワイヤ60の線径は、125μm~250μmに限られず、任意に変更可能である。一例では、複数の駆動ワイヤ60の線径は、250μm~400μmである。
【0290】
・上記各実施形態において、半導体素子40は、平面視において矩形状の1つの開口部45によって主面側駆動電極41及び制御電極43を露出するように構成されたが、開口部45の数はこれに限られない。例えば、
図34に示すように、半導体素子40の表面40aには、主面側駆動電極41を露出する第1開口部45Aと、制御電極43を露出する第2開口部45Bとが形成されてもよい。平面視における第1開口部45Aの形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる矩形状である。平面視における第2開口部45Bの形状は、縦方向Xが長辺方向となり、横方向Yが短辺方向となる矩形状である。第1開口部45Aは、縦方向Xにおいて半導体素子40の第1側面40c寄りとなるように設けられている。第1開口部45Aは、横方向Yにおいて半導体素子40の表面40aの大部分を開口している。第2開口部45Bは、半導体素子40の第2側面40d側の端部かつ第3側面40e側の端部に設けられている。
【0291】
主面側駆動電極41は、第1開口部45Aによって露出している露出領域46を有する。露出領域46は、横方向Yの両端部である第1露出端部46a及び第2露出端部46bを有する。第1露出端部46aは、露出領域46のうちの半導体素子40の第3側面40e側の端部である。第2露出端部46bは、露出領域46のうちの半導体素子40の第4側面40f側の端部である。
【0292】
第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41の露出領域46と駆動リード20の駆動パッド21とに接続されている。
図34では、平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62とは平行となる。なお、平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっていてもよいし、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に狭くなってもよい。
【0293】
平面視において、駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2は、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとの間の距離DW1と等しい。ここで、距離DW1と距離DW2とのずれ量が例えば距離DW2の5%以内であれば、距離DW2と距離DW1とが互いに等しいと言える。
【0294】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、露出領域46の横方向Yの中央部よりも第1露出端部46a側に配置されている。
図34では、駆動電極側端部61aは、露出領域46の第1露出端部46aに接続されている。一例では、駆動電極側端部61aは、露出領域46の第1露出端部46aとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3側面40e側の限界位置となるように配置されている。
【0295】
第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第1端部21a側に接続されている。
図34では、駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aに接続されている。一例では、駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3封止樹脂側面53側の限界位置となるように配置されている。駆動パッド側端部61bは、縦方向Xにおいて駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。駆動パッド側端部61bは、駆動電極側端部61aよりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。
【0296】
第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、露出領域46の横方向Yの中央部よりも第2露出端部46b側に配置されている。
図34では、駆動電極側端部62aは、露出領域46の第2露出端部46bに接続されている。一例では、駆動電極側端部62aは、露出領域46の第2露出端部46bとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4側面40f側の限界位置となるように配置されている。縦方向Xにおいて、駆動電極側端部62aは、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと揃った状態で横方向Yに配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部62aと駆動電極側端部61aとが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動電極側端部61a,62aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,62aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,62aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0297】
第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第2端部21b側に接続されている。
図34では、駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bに接続されている。一例では、駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4封止樹脂側面54側の限界位置となるように配置されている。駆動パッド側端部62bは、縦方向Xにおいて駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。駆動パッド側端部62bは、駆動電極側端部62aよりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。また、
図34では、駆動パッド側端部62bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド側端部61bと揃った状態で横方向Yに配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動パッド側端部62bと駆動パッド側端部61bとが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動パッド側端部61b,62bが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動パッド側端部61b,62bにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動パッド側端部61b,62bが縦方向Xに揃っていると言える。
【0298】
この構成によれば、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離DW1を大きく取ることができるため、主面側駆動電極41と駆動パッド21との間のインダクタンスを低減できる。
【0299】
・
図34の変更例の半導体装置1において、縦方向Xにおける第1開口部45A及び第2開口部45Bの位置関係を逆にしてもよい。すなわち、第1開口部45Aが第2開口部45Bよりも半導体素子40の第2側面40d側に形成されてもよい。この構成によれば、第1開口部45Aと駆動パッド21との間の距離が小さくなることにより、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62をそれぞれ短くすることができる。したがって、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスをより低減できる。
【0300】
(付記)
次に、上記各実施形態及び各変更例に基づく技術的思想を以下に記載する。
(付記1)主面を有する基板と、前記主面に実装され、前記主面と同じ方向を向く表面と、前記表面に形成された駆動電極とを有し、SiCを含む半導体素子と、駆動パッドと、互いに離間した状態で前記駆動電極と前記駆動パッドとを接続する複数の駆動ワイヤと、を備え、前記複数の駆動ワイヤのうちの最も離間している組み合せを構成する第1駆動ワイヤ及び第2駆動ワイヤは、前記主面に対して垂直な方向である第1方向からみて、前記駆動電極側よりも前記駆動パッド側の方が近づくように前記駆動電極と前記駆動パッドとに接続されている、半導体装置。
【0301】
(付記2)前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、前記半導体素子と前記駆動パッドとは少なくとも前記第2方向にずれており、前記複数の駆動ワイヤは、前記第3方向に離間して配列されており、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤは、前記複数の駆動ワイヤのうちの前記第3方向の両端にある駆動ワイヤである、付記1に記載の半導体装置。
【0302】
(付記3)前記半導体装置は、前記駆動電極上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の一部に前記駆動電極を露出するように形成された開口部と、を有し、前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、前記第3方向における前記開口部の大きさは、前記第3方向における前記駆動パッドの大きさよりも大きい、付記1又は2に記載の半導体装置。
【0303】
(付記4)前記半導体装置は、前記駆動電極上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の一部に前記駆動電極を露出するように形成された開口部と、を有し、前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、前記駆動電極は、前記開口部によって露出している露出領域を有し、前記露出領域は、前記第3方向の両端部である第1露出端部及び第2露出端部を有し、前記第1駆動ワイヤは、前記露出領域の前記第3方向の中央部よりも前記第1露出端部側に接続され、前記第2駆動ワイヤは、前記露出領域の前記第3方向の中央部よりも前記第2露出端部側に接続されている、付記1~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0304】
(付記5)前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、前記駆動パッドは、前記第3方向の両端部である第1端部及び第2端部を有し、前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも第1端部側に接続されており、前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも第2端部側に接続されている、付記2~4のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0305】
(付記6)前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第1端部に接続されており、前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第2端部に接続されている、付記5に記載の半導体装置。
【0306】
(付記7)主面を有する基板と、前記主面に実装され、前記主面と同じ方向を向く表面と、前記表面に形成された駆動電極とを有し、SiCを含む半導体素子と、駆動パッドと、互いに離間した状態で前記駆動電極と前記駆動パッドとを接続する複数の駆動ワイヤと、を備え、前記複数の駆動ワイヤは、前記複数の駆動ワイヤのうちの最も離間している組み合わせを構成する第1駆動ワイヤ及び第2駆動ワイヤを含み、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、前記主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、前記半導体素子と前記駆動パッドとは少なくとも前記第2方向にずれており、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤは、前記第3方向に離間して配置されており、前記駆動パッドは、前記第3方向の両端部である第1端部及び第2端部を有し、前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第1端部側に接続されており、前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第2端部側に接続されている、半導体装置。
【0307】
(付記8)前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第1端部に接続されており、前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第2端部に接続されている、付記7に記載の半導体装置。
【0308】
(付記9)前記半導体装置は、前記駆動電極上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の一部に前記駆動電極を露出するように形成された開口部と、を有し、前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記開口部の大きさよりも大きい、付記7又は8に記載の半導体装置。
【0309】
(付記10)前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記半導体素子の大きさよりも大きい、付記9に記載の半導体装置。
(付記11)前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記基板の大きさの1/2よりも大きい、付記7又は8に記載の半導体装置。
【0310】
(付記12)前記駆動パッドは、第1駆動パッド及び第2駆動パッドを含み、前記第1駆動パッドには前記第1駆動ワイヤの駆動パッド側端部が接続され、前記第2駆動パッドには前記第2駆動ワイヤの駆動パッド側端部が接続され、前記第3方向において、前記第1駆動パッド及び前記第2駆動パッドは、離間して配置されている、付記7又は8に記載の半導体装置。
【0311】
(第5実施形態)
図35~
図45を参照して、半導体装置の第5実施形態について説明する。
図35に示すように、半導体装置1は、基板10と、駆動リード20と、制御リード30と、基板10の主面10aに実装された半導体素子40と、半導体素子40を封止する封止樹脂50とを備える。本実施形態では、基板10、駆動リード20、及び制御リード30は、同一の金属製の母材をプレス加工することによって形成されている。駆動リード20は、封止樹脂50の第1側面から突出したアウターリード20A、及び封止樹脂50内に設けられ、アウターリード20Aと電気的に接続されたインナーリード20Bを有する。本実施形態では、アウターリード20A及びインナーリード20Bは一体化された単一部品である。制御リード30は、封止樹脂50の第1側面から突出したアウターリード30A、及び封止樹脂50内に設けられ、アウターリード30Aと電気的に接続されたインナーリード30Bを有する。本実施形態では、アウターリード30A及びインナーリード30Bは一体化された単一部品である。半導体装置1の横寸法LYは、10mm以下が好ましい。本実施形態の半導体装置1は、パッケージ外形規格(JEITA規格)がTO(Transistor Outline)-252のパッケージである。詳細には、半導体装置1の縦寸法LXが9.5mm~10.50mm、横寸法LYが6.4mm~6.8mm、厚さ寸法LZが2.1mm~2.3mmである。横寸法LY及び厚さ寸法LZは、封止樹脂50の横寸法LRY及び厚さ寸法LRZに相当する。また封止樹脂50の縦寸法LRXは、6.0mm~6.4mmである。また、半導体装置1は、封止樹脂50の1つの面から駆動リード20のアウターリード20A及び制御リード30のアウターリード30Aがそれぞれ延びる、いわゆるSIP(Single Inline Package)タイプである。
【0312】
図35に示すとおり、封止樹脂50の形状は、略直方体である。封止樹脂50は、電気絶縁性を有する合成樹脂である。一例では、封止樹脂50は、エポキシ樹脂である。封止樹脂50は、第1封止樹脂側面51、第2封止樹脂側面52、第3封止樹脂側面53、第4封止樹脂側面54、封止樹脂裏面55、及び封止樹脂天面56の6面を有する。駆動リード20の後述する駆動端子22及び制御リード30の後述する制御端子32はそれぞれ、第2封止樹脂側面52から突出している。本実施形態では、第2封止樹脂側面52は、封止樹脂の第1側面の一例である。第1封止樹脂側面51及び第2封止樹脂側面52は、間隔をあけて互いに反対側を向いている。本実施形態では、第1封止樹脂側面51は、封止樹脂の第2側面の一例である。第3封止樹脂側面53及び第4封止樹脂側面54は、間隔をあけて互いに反対側を向いている。封止樹脂裏面55及び封止樹脂天面56は、間隔をあけて互いに反対側を向いている。封止樹脂天面56は、基板10の主面10aと同じ方向を向いている。封止樹脂裏面55は、基板10の裏面10b(
図37参照)と同じ方向を向いている。以降の説明において、封止樹脂裏面55と封止樹脂天面56とが配列される方向を厚さ方向Zとし、第1封止樹脂側面51と第2封止樹脂側面52とが配列される方向を縦方向Xとし、第3封止樹脂側面53と第4封止樹脂側面54とが配列される方向を横方向Yとする。縦方向X及び横方向Yは、厚さ方向Zと直交する方向である。縦方向Xは、横方向Yと直交する方向である。ここで、厚さ方向Zは第1方向に相当し、縦方向Xは第2方向に相当し、横方向Yは第3方向に相当する。
【0313】
封止樹脂50は、モールド成形によって形成されている。封止樹脂50の各側面51~54は、封止樹脂50の成形時に金型を抜き易くするような抜き勾配を設けるため、厚さ方向Zに対して傾斜する傾斜面が設けられている。具体的には、各側面51~54は、金型の上型を抜き易くするような抜き勾配を設けた第1傾斜面と、金型の下型を抜き易くするような抜き勾配を設けた第2傾斜面とを有する。金型の上型は、封止樹脂天面56と各側面51~54のうちの封止樹脂天面56側の部分を形成する。下型は、封止樹脂裏面55と各側面51~54のうちの封止樹脂裏面55側の部分を形成する。一例では、
図38及び
図39に示すように、第1封止樹脂側面51は、第1傾斜面51a及び第2傾斜面51bを有する。第1傾斜面51aは、封止樹脂天面56に向かうにつれて第2封止樹脂側面52に向けて傾斜している。第2傾斜面51bは、封止樹脂裏面55に向かうにつれて第2封止樹脂側面52に向けて傾斜している。第1傾斜面51aの長さは、第2傾斜面51bの長さよりも長い。第2封止樹脂側面52は、第1傾斜面52a及び第2傾斜面52bを有する。第1傾斜面52aは、封止樹脂天面56に向かうにつれて第1封止樹脂側面51に向けて傾斜している。第2傾斜面52bは、封止樹脂裏面55に向かうにつれて第1封止樹脂側面51に向けて傾斜している。第1傾斜面52aの長さは、第2傾斜面52bの長さよりも長い。第2傾斜面52bは、基板10よりも封止樹脂天面56側にわたり形成されている。第3封止樹脂側面53は、第1傾斜面53a及び第2傾斜面53bを有する。第1傾斜面53aは、封止樹脂天面56に向かうにつれて第4封止樹脂側面54に向けて傾斜している。第2傾斜面53bは、封止樹脂裏面55に向かうにつれて第4封止樹脂側面54に向けて傾斜している。第1傾斜面53aの長さは、第2傾斜面53bの長さよりも長い。第4封止樹脂側面54は、第1傾斜面54a及び第2傾斜面54bを有する。第1傾斜面54aは、封止樹脂天面56に向かうにつれて第3封止樹脂側面53に向けて傾斜している。第2傾斜面54bは、封止樹脂裏面55に向かうにつれて第3封止樹脂側面53に向けて傾斜している。
【0314】
なお、第1傾斜面51aの長さ及び第2傾斜面51bの長さはそれぞれ任意に変更可能である。また第1傾斜面52aの長さ及び第2傾斜面52bの長さはそれぞれ任意に変更可能である。また第1傾斜面53aの長さ及び第2傾斜面53bの長さはそれぞれ任意に変更可能である。また第1傾斜面54aの長さ及び第2傾斜面54bの長さはそれぞれ任意に変更可能である。
【0315】
図36は、半導体装置1を厚さ方向Zの封止樹脂天面56からみた図である。
図36では、便宜上、封止樹脂50を二点鎖線にて示し、封止樹脂50内の部品を実線で示している。
【0316】
図36に示すとおり、半導体装置1を厚さ方向Zの封止樹脂天面56からみて(以下、「平面視」という)、封止樹脂50の形状は、縦方向Xが長辺方向となり、横方向Yが短辺方向となる略矩形状である。第1封止樹脂側面51及び第2封止樹脂側面52は横方向Yに沿う側面であり、第3封止樹脂側面53及び第4封止樹脂側面54は縦方向Xに沿う側面である。
【0317】
基板10は、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向く主面10a及び裏面10b(
図37参照)を有する。主面10aは、封止樹脂天面56と同じ方向を向き、裏面10bは、封止樹脂裏面55(
図37参照)と同じ方向を向いている。基板10は、例えばアルミニウム(Al)又は銅(Cu)によって形成されている。
【0318】
基板10は、封止樹脂50に覆われた内側本体部111と、封止樹脂50から突出した突出部112とに区分できる。内側本体部111及び突出部112は、縦方向Xに隣り合っている。突出部112は、第1封止樹脂側面51から縦方向Xに突出している。本実施形態では、突出部112の横方向Yの大きさは、内側本体部111の横方向Yの大きさよりも小さい。なお、突出部112の横方向Yの大きさは任意に変更可能である。一例では、突出部112の横方向Yの大きさは、内側本体部111の横方向Yの大きさと等しくてもよい。
【0319】
平面視において、内側本体部111は、その縦方向Xの中心が封止樹脂50の縦方向Xの中心よりも第1封止樹脂側面51寄りとなるように配置されている。内側本体部111は、主面111a、裏面111b(
図37参照)、第1側面111c、第2側面111d、及び第3側面111eを有する。主面111aと裏面111bとは、厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向いている。主面111aは基板10の主面10aを構成し、裏面111bは基板10の裏面10bを構成している。このため、主面111aは封止樹脂天面56側に面し、裏面111bは封止樹脂裏面55側を面している。第1側面111cは第2封止樹脂側面52に面し、第2側面111dは第3封止樹脂側面53に面し、第3側面111eは第4封止樹脂側面54に面している。第1側面111cは横方向Yに沿って延びている。第2側面111d及び第3側面111eは、横方向Yにおいて間隔をあけて対向している。第2側面111d及び第3側面111eは、縦方向Xに沿って延びている。
【0320】
内側本体部111において突出部112側の端部には、幅狭部113が形成されている。幅狭部113は、第2側面111dから横方向Yの第4封止樹脂側面54側に向けて凹む湾曲状の凹部113aと、第3側面111eから横方向Yの第3封止樹脂側面53側に向けて凹む湾曲状の凹部113bとによって形成されている。幅狭部113の横方向Yの大きさは、内側本体部111のうちの幅狭部113以外の部分の横方向Yの大きさよりも小さい。また幅狭部113の横方向Yの大きさは、突出部112の横方向Yの大きさよりも小さい。幅狭部113は、封止樹脂50の第1封止樹脂側面51と縦方向Xに隣り合うように設けられている。幅狭部113には、厚さ方向Zにおいて幅狭部113を貫通している貫通孔114が設けられている。平面視における貫通孔114の形状は、横方向Yが長手方向となる略長円である。
【0321】
図37に示すように、内側本体部111の裏面111bの一部は、封止樹脂裏面55から露出している。内側本体部111の裏面111bのうちの封止樹脂裏面55から露出している面である露出面111xは、内側本体部111の裏面111bのうちの第1封止樹脂側面51側の部分である。露出面111xのうちの第2封止樹脂側面52側の端縁111xeは、封止樹脂50の縦方向Xの中央部よりも第1封止樹脂側面51側となるように形成されている。本実施形態では、露出面111xの端縁111xeは、横方向Yに沿って延びている。露出面111xは、封止樹脂裏面55と面一となる。内側本体部111の裏面111bのうちの露出面111x以外の部分は、封止樹脂裏面55から露出しない非露出面111yを構成している。
【0322】
図36に示すように、平面視において、基板10よりも封止樹脂50の第2封止樹脂側面52側には、駆動リード20及び制御リード30が基板10に対して縦方向Xに離間した状態で配置されている。駆動リード20及び制御リード30は、横方向Yにおいて互いに離間した状態で配置されている。
【0323】
駆動リード20は、駆動パッド21、駆動端子22、及び、駆動パッド21と駆動端子22とを連結する連結部23を有する。駆動パッド21及び連結部23はインナーリード20Bを構成し、駆動端子22はアウターリード20Aを構成している。駆動パッド21及び連結部23は、縦方向Xにおいて基板10と第2封止樹脂側面52との間に配置されている。より詳細には、駆動パッド21及び連結部23は、縦方向Xにおいて封止樹脂50の縦方向Xの中央部よりも第2封止樹脂側面52側となるように配置されている。駆動パッド21は、その横方向Yの中央部が封止樹脂50の横方向Yの中央部よりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。連結部23は、横方向Yにおいて封止樹脂50の横方向Yの中央部よりも第4封止樹脂側面54側に配置されている。
【0324】
平面視における駆動パッド21の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる略矩形状である。横方向Yにおける駆動パッド21の大きさは、横方向Yにおける半導体素子40の大きさよりも大きい。本実施形態では、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさは、横方向Yにおける内側本体部111の大きさの1/2よりも大きい。
【0325】
駆動パッド21は、横方向Yの端部として第1端部21a及び第2端部21bを有する。第1端部21aは、駆動パッド21のうちの第3封止樹脂側面53側の端部である。本実施形態では、第1端部21aは、内側本体部111の横方向Yの中央部よりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。第2端部21bは、駆動パッド21のうちの第4封止樹脂側面54側の端部である。第2端部21bは、内側本体部111の第3側面111eよりも第4封止樹脂側面54側に位置している。
図38に示すように、駆動パッド21は、厚さ方向Zにおいて、内側本体部111の主面111aよりも封止樹脂天面56側に位置している。また駆動パッド21は、厚さ方向Zにおいて、半導体素子40の表面40aよりも封止樹脂天面56側に位置している。
【0326】
図36に示すように、連結部23は、駆動パッド21のうちの第2封止樹脂側面52側の端部から連続している。連結部23は、横方向Yにおいて駆動パッド21の中央部よりも第4封止樹脂側面54側に位置している。駆動端子22は、ソース端子を構成している。
図38に示すように、駆動端子22は、第2封止樹脂側面52の第1傾斜面52aから突出している。すなわち、駆動端子22は、駆動端子22のうちの第2封止樹脂側面52側の端部である端子基端部22xを有する。端子基端部22xは、第1傾斜面52aから突出している。厚さ方向Zにおいて、端子基端部22xは、駆動パッド21及び連結部23と揃った状態となるように設けられている。
【0327】
図36に示すように、制御リード30は、制御パッド31、制御端子32、及び、制御パッド31と制御端子32とを連結する連結部33を有する。制御パッド31及び連結部33はインナーリード30Bを構成し、制御端子32はアウターリード30Aを構成している。制御パッド31及び連結部33は、縦方向Xにおいて基板10と第2封止樹脂側面52との間に配置されている。制御パッド31及び連結部33は、横方向Yにおいて封止樹脂50の中央よりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。
【0328】
平面視における制御パッド31の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる略矩形状である。横方向Yにおける制御パッド31の大きさは、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさよりも小さい。このため、駆動パッド21の横方向Yの大きさを大きくすることができる。
図35に示すように、制御パッド31は、厚さ方向Zにおいて、内側本体部111の主面111aよりも封止樹脂天面56側に位置している。また制御パッド31は、厚さ方向Zにおいて、半導体素子40の表面40aよりも封止樹脂天面56側に位置している。
【0329】
図36に示すように、連結部33は、制御パッド31のうちの第2封止樹脂側面52側の端部から連続している。連結部33は、横方向Yにおいて制御パッド31のうちの第3封止樹脂側面53寄りに位置している。制御端子32は、ゲート端子を構成している。
図35に示すように、制御端子32は、第2封止樹脂側面52の第1傾斜面52aから突出している。
【0330】
図38及び
図39に示すように、半導体素子40は、内側本体部111の主面111aに半田SDによって実装されている。
図36に示すとおり、半導体素子40は、内側本体部111のうちの第1封止樹脂側面51寄りの部分に配置されている。具体的には、平面視において、半導体素子40と内側本体部111の第1側面111cとの間の第1距離D1が半導体素子40と内側本体部111の幅狭部113との間の第2距離D2よりも大きい。一例では、半導体素子40は、内側本体部111において幅狭部113と縦方向Xに隣り合う部分に配置されている。本実施形態では、半導体素子40は、内側本体部111のうちの幅狭部113と縦方向Xに隣り合う部分に配置されている。
【0331】
半導体素子40は、内側本体部111の横方向Yの中央部に配置されている。具体的には、半導体素子40と内側本体部111の第2側面111dとの間の第3距離D3と、半導体素子40と内側本体部111の第3側面111eとの間の第4距離D4とが互いに等しい。ここで、第3距離D3と第4距離D4のずれ量が例えば第3距離D3の5%以内であれば、第3距離D3と第4距離D4とが互いに等しいと言える。本実施形態では、第1距離D1は、第3距離D3及び第4距離D4よりも大きい。第2距離D2は、第3距離D3及び第4距離D4よりも小さい。
【0332】
半導体素子40は、炭化シリコン(SiC)を含む。本実施形態では、半導体素子40はSiCMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)が用いられている。半導体素子40(SiCMOSFT)は、1kHz以上かつ数百kHz以下の周波数の駆動信号に応答した高速スイッチングが可能な素子である。好ましくは、半導体素子40は、1kHz以上かつ100kHz以下の周波数の駆動信号に応答した高速スイッチングが可能な素子である。本実施形態では、半導体素子40は、100kHzの周波数の駆動信号に応じて高速スイッチングを行う。
【0333】
半導体素子40は、平板状に形成されている。具体的には、平面視において、半導体素子40の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる矩形状である。本実施形態では、横方向Yにおける半導体素子40の大きさは、3mmである。ここで、横方向Yにおける半導体素子40の大きさは、3mmの5%の誤差(±0.15mm)を含む。
【0334】
図36、
図38、及び
図39に示すように、半導体素子40は、表面40a、裏面40b、第1側面40c、第2側面40d、第3側面40e、及び第4側面40fを有する。表面40a及び裏面40bは、厚さ方向Zにおいて互いに反対方向を向いている。表面40aは、封止樹脂天面56に面している。すなわち、表面40aは、基板10の主面10aと同じ方向を向いている。裏面40bは、封止樹脂裏面55に面している。裏面40bは、内側本体部111の主面111aに対向している。第1側面40cは第1封止樹脂側面51に面し、第2側面40dは第2封止樹脂側面52に面し、第3側面40eは第3封止樹脂側面53に面し、第4側面40fは第4封止樹脂側面54に面している。
【0335】
表面40aには、主面側駆動電極41及び制御電極43が形成されている。裏面40bには、裏面側駆動電極42が形成されている。本実施形態では、主面側駆動電極41がソース電極を構成し、裏面側駆動電極42がドレイン電極を構成している。制御電極43はゲート電極を構成している。裏面側駆動電極42は、半田SDによって内側本体部111に電気的に接続されている。
【0336】
主面側駆動電極41は、表面40aの大部分にわたり形成されている。平面視において、主面側駆動電極41の形状は、縦方向Xを短辺方向とし、横方向Yを長辺方向とする略矩形状である。主面側駆動電極41は、第3封止樹脂側面53に向けて開口する凹部41aが形成されている。凹部41aは、主面側駆動電極41のうちの第3封止樹脂側面53側の端部かつ縦方向Xの中央部に形成されている。凹部41a内には、制御電極43が形成されている。
【0337】
半導体素子40は、主面側駆動電極41及び制御電極43上に形成された絶縁膜であるパッシベーション膜44を有する。パッシベーション膜44には、主面側駆動電極41の一部及び制御電極43の一部を露出する開口部45が形成されている。
【0338】
平面視における開口部45の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる矩形状である。横方向Yにおける開口部45の大きさは、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさよりも小さい。言い換えれば、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさは、横方向Yにおける開口部45の大きさよりも大きい。
【0339】
開口部45は、半導体素子40の表面40aの縦方向Xの中央部に設けられている。具体的には、開口部45と半導体素子40の第1側面40cとの間の第1距離DC1と、開口部45と半導体素子40の第2側面40dとの間の第2距離DC2と、開口部45と半導体素子40の第3側面40eとの間の第3距離DC3と、開口部45と半導体素子40の第4側面40fとの間の第4距離DC4とは互いに等しい。ここで、第1距離DC1、第2距離DC2、第3距離DC3、及び第4距離DC4の最大のずれ量が例えば第1距離DC1の5%以内であれば、第1距離DC1、第2距離DC2、第3距離DC3、及び第4距離DC4が互いに等しいと言える。
【0340】
主面側駆動電極41は、開口部45によって露出している露出領域46を有する。露出領域46は、横方向Yの両端部である第1露出端部46a及び第2露出端部46bを有する。第1露出端部46aは、露出領域46のうちの半導体素子40の第3側面40e側の端部である。第2露出端部46bは、露出領域46のうちの半導体素子40の第4側面40f側の端部である。
【0341】
半導体装置1は、複数の駆動ワイヤ60と1本の制御ワイヤ70を備える。本実施形態では、複数の駆動ワイヤ60は、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の2本の駆動ワイヤから構成されている。すなわち、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離間している組み合わせを構成している。第1駆動ワイヤ61は、第2駆動ワイヤ62に対して制御ワイヤ70側に配置されている。
【0342】
第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、同一の金属からなる。本実施形態では、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、アルミニウムを含む。第1駆動ワイヤ61の線径は、第2駆動ワイヤ62の線径と等しい。ここで、第1駆動ワイヤ61の線径と第2駆動ワイヤ62の線径とのずれ量が例えば第1駆動ワイヤ61の線径の5%以内であれば、第1駆動ワイヤ61の線径が第2駆動ワイヤ62の線径と等しいと言える。本実施形態では、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径は、制御ワイヤ70の線径と等しい。ここで、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径と制御ワイヤ70の線径とのずれ量が例えば制御ワイヤ70の線径の5%以内であれば、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径が制御ワイヤ70の線径と等しいと言える。第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び制御ワイヤ70のそれぞれの線径の一例は、125μm~250μmである。本実施形態では、第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び制御ワイヤ70のそれぞれの線径は、125μmである。
【0343】
第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62はそれぞれ、半導体素子40の主面側駆動電極41と駆動パッド21とを接続している。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62はそれぞれ、例えばワイヤボンディングによって主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、横方向Yに離間して配列されている。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの横方向Yの両端にある駆動ワイヤである。
【0344】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21側に向かうにつれて広がっている。以下、このような第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の構成について詳細に説明する。
【0345】
図40に示すように、第1駆動ワイヤ61は、駆動電極側端部61a及び駆動パッド側端部61bを有する。第2駆動ワイヤ62は、駆動電極側端部62a及び駆動パッド側端部62bを有する。平面視において、駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2は、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとの間の距離DW1よりも大きい。平面視において、距離DW1は第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離の最小値であり、距離DW2は第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離の最大値である。
【0346】
駆動電極側端部61aから縦方向Xに沿う補助線LS1と、駆動パッド側端部61bから縦方向Xに沿う補助線LS2との横方向Yの間の距離を距離DY1とし、駆動電極側端部62aから縦方向Xに沿う補助線LS3と、駆動パッド側端部62bから縦方向Xに沿う補助線LS4との横方向Yの間の距離を距離DY2とする。この場合、距離DY2は、距離DY1よりも大きい。
【0347】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第1露出端部46a側に接続されている。本実施形態では、駆動電極側端部61aは、第1露出端部46aに接続されている。具体的には、駆動電極側端部61aは、横方向Yにおいて主面側駆動電極41のうちの制御電極43と隣り合う部分、すなわち主面側駆動電極41の凹部41aの底部を構成する部分に接続されている。
【0348】
第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第1端部21a側に接続されている。本実施形態では、駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aに接続されている。一例では、駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3封止樹脂側面53側の限界位置となるように配置されている。具体的には、ワイヤボンディング装置における第1駆動ワイヤ61を供給するキャピラリが駆動パッド21の第1端部21aの第3封止樹脂側面53側の端縁に位置するように駆動パッド側端部61bの第1端部21aに対する横方向Yの位置が設定される。駆動パッド側端部61bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に配置されている。駆動パッド側端部61bは、駆動電極側端部61aよりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。
【0349】
第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第2露出端部46b側に接続されている。本実施形態では、駆動電極側端部62aは、第2露出端部46bに接続されている。一例では、駆動電極側端部62aは、横方向Yにおいて開口部45のうちの半導体素子40の第4側面40f側の端部としてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4側面40f側の限界位置となるように配置されている。具体的には、ワイヤボンディング装置における第2駆動ワイヤ62を供給するキャピラリが露出領域46の第4側面40f側の端縁に位置するように駆動電極側端部62aの露出領域46の第2露出端部46bに対する横方向Yの位置が設定される。縦方向Xにおいて、駆動電極側端部62aは、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと揃った状態で横方向Yに配列されている。ここで、駆動電極側端部62aと駆動電極側端部61aとが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動電極側端部61a,62aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、両駆動電極側端部61a,62aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、両駆動電極側端部61a,62aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0350】
第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第2端部21b側に接続されている。本実施形態では、駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bに接続されている。一例では、駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4封止樹脂側面54側の限界位置となるように配置されている。具体的には、ワイヤボンディング装置における第2駆動ワイヤ62を供給するキャピラリが駆動パッド21の第2端部21bの第4封止樹脂側面54側の端縁に位置するように駆動パッド側端部62bの第2端部21bに対する横方向Yの位置が設定される。駆動パッド側端部62bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に配置されている。駆動パッド側端部62bは、駆動電極側端部62aよりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。駆動パッド側端部62bは、横方向Yにおいて半導体素子40よりも第4封止樹脂側面54側に配置されている。また、本実施形態では、駆動パッド側端部62bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド側端部61bと揃った状態で横方向Yに配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動パッド側端部62bと駆動パッド側端部61bとが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動パッド側端部61b,62bが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、両駆動パッド側端部61b,62bにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、両駆動パッド側端部61b,62bが縦方向Xに揃っていると言える。
【0351】
制御ワイヤ70は、半導体素子40の制御電極43と制御パッド31とを接続している。制御ワイヤ70は、例えばワイヤボンディングによって制御電極43と制御パッド31とに接続されている。制御ワイヤ70は、複数の駆動ワイヤ60と同一の材料が用いられている。制御ワイヤ70は、制御電極側端部71と制御パッド側端部72とを有する。制御電極側端部71は、制御ワイヤ70のうちの制御電極43に接続される端部である。制御パッド側端部72は、制御ワイヤ70のうちの制御パッド31に接続される端部である。制御電極側端部71は、制御ワイヤ70のうちの制御電極側端部71と第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW3は、距離DW1よりも小さい。制御電極側端部71から縦方向Xに沿う補助線LS5と、制御パッド側端部72から縦方向Xに沿う補助線LS6との間の距離DY3は、距離DY1よりも大きく、距離DY2よりも小さい。なお、距離DY3の大きさは任意に変更可能である。一例では、距離DY3は、距離DY1以下である。
【0352】
次に、半導体装置1におけるドレイン端子(基板10の裏面10b)とソース端子(駆動端子22)との間の沿面距離の延長構造について説明する。
図36及び
図38に示すように、基板10の裏面10b(内側本体部111の裏面111b)における第2封止樹脂側面52側の部分には、窪み115aが設けられている。窪み115aは、内側本体部111の裏面111bから主面111aに向けて段差状に凹むことによって形成されている。窪み115aは、縦方向Xにおいて内側本体部111の第1側面111cから内側本体部111の縦方向Xの中央部よりも第2封止樹脂側面52側の部分までにわたり形成されている。本実施形態では、窪み115aは、その第1封止樹脂側面51側の端縁が半導体素子40の第2側面40dと縦方向Xにおいて揃った状態となるように形成されている。換言すると、半導体素子40は、窪み115aの第1封止樹脂側面51側の端縁と半導体素子40の第2側面40dとが縦方向Xに揃うように内側本体部111の主面111aに実装されている。本実施形態では、窪み115aの第1封止樹脂側面51側の端縁は、露出面111xの端縁111xeと一致している。また、本実施形態では、窪み115aは、内側本体部111の裏面111bにおける第2封止樹脂側面52側の部分の横方向Yの全体にわたり形成されている。
【0353】
窪み115aの深さH1は、基板10の厚さ(内側本体部111の厚さT)の1/2以下である。本実施形態では、深さH1は、内側本体部111の厚さTの1/3である。ここで、深さH1と厚さTの1/3とのずれ量が例えば深さH1の5%以内であれば、深さH1が厚さTの1/3であると言える。本実施形態では、深さH1は、0.9mmである。窪み115aには、封止樹脂50の一部が入り込んでいる。
【0354】
図39に示すように、内側本体部111の裏面111bのうちの窪み115aよりも第1封止樹脂側面51側の部分における第3封止樹脂側面53側の端部には、窪み115bが設けられている。内側本体部111の裏面111bのうちの窪み115aよりも第1封止樹脂側面51側の部分における第4封止樹脂側面54側の端部には、窪み115cが設けられている。窪み115b,115cはそれぞれ、内側本体部111の裏面111bから主面111aに向けて段差状に凹むことによって形成されている。
図36に示すように、窪み115bは、横方向Yにおいて内側本体部111の第2側面111dから第3距離D3の1/2よりも第3封止樹脂側面53側の部分までにわたり形成されている。窪み115cは、横方向Yにおいて内側本体部111の第3側面111eから第4距離D4の1/2よりも第4封止樹脂側面54側の部分までにわたり形成されている。ここで、上述のとおり、第3距離D3は半導体素子40と内側本体部111の第2側面111dとの間の距離であり、第4距離D4は半導体素子40と内側本体部111の第3側面111eとの間の距離である。また、窪み115bは、窪み115aの横方向Yの第2側面111d側の端部と繋がっている。窪み115cは、窪み115aの横方向Yの第3側面111e側の端部と繋がっている。
【0355】
窪み115bの深さH2は窪み115cの深さH3と等しい。ここで、深さH2と深さH3とのずれ量が例えば深さH2の5%以内であれば、深さH2が深さH3と等しいと言える。深さH2,H3は、内側本体部111の厚さTの1/2以下である。本実施形態では、深さH2,H3は、厚さTの1/3である。すなわち、深さH2,H3は、深さH1と等しい。本実施形態では、深さH2,H3はそれぞれ、0.9mmである。窪み115b,115cには、封止樹脂50の一部が入り込んでいる。
【0356】
図36及び
図38に示すように、内側本体部111の凹部113a,113b及び貫通孔114の一部にはそれぞれ、窪み115dが設けられている。凹113a,113bに設けられた窪み115dは、凹部113a,113bに沿って形成されている。貫通孔114に設けられた窪み115dは、貫通孔114を構成する内側面のうちの第2封止樹脂側面52かつ横方向Yの中央部に設けられている。これら窪み115dの深さH4は窪み115b,115cの深さH2,H3と等しい。ここで、深さH4と深さH2とのずれ量及び深さH4と深さH3とのずれ量が例えば深さH4の5%以内であれば、深さH4が深さH2,H3と等しいと言える。これら窪み115dにはそれぞれ、封止樹脂50の一部が入り込んでいる。
【0357】
これら窪み115a,115b,115c,115dは、基板10をプレス加工(パンチング)することによって形成されている。このため、窪み115a,115b,115c,115dは、一工程において同時に形成される。
【0358】
図36に示すように、内側本体部111は、厚さ方向Zにおける窪み115aと主面111aとの間の部分である第1薄肉部116aと、厚さ方向Zにおける窪み115bと主面111aとの間の部分である第2薄肉部116bと、厚さ方向Zにおける窪み115cと主面111aとの間の部分である第3薄肉部116cと、厚さ方向Zにおける窪み115dと主面111aとの間の部分である第4薄肉部116dとを有する。
図38及び
図39に示すように、窪み115a,115b,115c,115dの深さH1,H2,H3,H4が互いに等しいため、第1薄肉部116aの厚さT1、第2薄肉部116bの厚さT2、第3薄肉部116cの厚さT3、及び第4薄肉部116dの厚さT4は互いに等しい。ここで、厚さT1,T2,T3,T4のうちの最大のずれ量が例えば厚さT1の5%以内であれば、厚さT1,T2,T3,T4が互いに等しいと言える。
【0359】
縦方向Xにおける第1薄肉部116aの長さL1は、横方向Yにおける第2薄肉部116bの長さL2及び横方向Yにおける第3薄肉部116cの長さL3よりも長い。また、長さL1は、第4薄肉部116dの長さL4よりも長い。長さL1は、長さL2,L3,L4の2倍以上である。好ましくは、長さL1は、長さL2,L3,L4の3倍以上である。本実施形態では、長さL1は、長さL2,L3,L4の約10倍である。また本実施形態では、長さL2,L3,L4は互いに等しい。ここで、長さL2,L3,L4のうちの最大のずれ量が例えば長さL2の5%以内であれば、長さL2,L3,L4は互いに等しいと言える。
【0360】
図38及び
図39に示すように、内側本体部111の裏面111bの非露出面111yは、第1薄肉部116aにおいて露出面111xと同じ側を向く第1非露出面111ya、第2薄肉部116bにおいて露出面111xと同じ側を向く第2非露出面111yb、第3薄肉部116cにおいて露出面111xと同じ側を向く第3非露出面111yc、及び第4薄肉部116dにおいて露出面111xと同じ側を向く第4非露出面111ydを含む。
【0361】
図37に示すように、縦方向Xにおける第2封止樹脂側面52から基板10の裏面10b(内側本体部111の露出面111x)までの最短距離を距離DP1とし、横方向Yにおける第3封止樹脂側面53から基板10の裏面10b(内側本体部111の露出面111x)までの最短距離を距離DP2とし、横方向Yにおける第4封止樹脂側面54から基板10の裏面10b(内側本体部111の露出面111x)までの最短距離を距離DP3とする。この場合、距離DP1は、距離DP2及び距離DP3よりも長い。好ましくは、距離DP1は、距離DP2及び距離DP3の2倍以上である。さらに好ましくは、距離DP1は、距離DP2及び距離DP3の3倍以上である。より好ましくは、距離DP1は、距離DP2及び距離DP3の4倍以上である。より一層好ましくは、距離DP1は、距離DP2及び距離DP3の5倍以上である。本実施形態では、距離DP1は、距離DP2及び距離DP3の約6倍である。
【0362】
図38に示すように、駆動端子22において第2封止樹脂側面52と接触している端子基端部22xは、駆動リード20の駆動パッド21及び連結部23と厚さ方向Zにおいて揃った状態となるように配置されている。すなわち、端子基端部22xは、厚さ方向Zにおいて基板10の主面10aよりも封止樹脂天面56側となるように配置されている。また端子基端部22xは、厚さ方向Zにおいて半導体素子40の表面40aよりも封止樹脂天面56側となるように配置されている。本実施形態では、端子基端部22xは、厚さ方向Zにおいて、封止樹脂50の厚さ方向Zの中央部よりも封止樹脂天面56側となるように配置されている。
【0363】
ここで、半導体装置1におけるドレイン端子(基板10の裏面10b)とソース端子(駆動端子22)との間の沿面距離DPは、駆動端子22から封止樹脂裏面55までの第2封止樹脂側面52に沿う距離DP4と、上述の距離DP1との合計によって規定される。なお、距離DP4は、端子基端部22xから第2傾斜面52bのうちの第1傾斜面52a側の端縁までの第2傾斜面52bに沿う距離DPAと、第1傾斜面52aのうちの第2傾斜面52b側の端縁から封止樹脂裏面55のうちの第2傾斜面52b側の端縁までの第1傾斜面52aに沿う距離DPBとの合計の距離(DP4=DPA+DPB)である。
【0364】
本実施形態では、駆動端子22は、半導体素子40の表面40aよりも封止樹脂天面56側となるように配置されているため、厚さ方向Zにおいて駆動端子22と基板10とが揃った状態となるように駆動端子22が配置される構成と比較して、距離DP4が長くなる。また第1薄肉部116aの長さが第2薄肉部116b及び第3薄肉部116cの長さよりも長くなるため、第1薄肉部116aの長さが第2薄肉部116b及び第3薄肉部116cの長さ以下の構成と比較して、距離DP1が長くなる。
【0365】
本実施形態の作用について説明する。
図41及び
図42は、比較例の半導体装置200の構成を示している。比較例の半導体装置200は、本実施形態の半導体装置1と比較して、基板210の形状が主に異なる。このため、比較例の半導体装置200では、基板210以外の構成要素について、半導体装置1の構成要素の形状と多少異なった形状であったとしても、便宜上、本実施形態の半導体装置1と共通の符号を付し、その説明を省略する。
【0366】
基板210には、本実施形態の基板10と同様に窪み211a,211b,211c,211dが形成されている。すなわち基板210は、窪み211aによって形成された第1薄肉部212a、窪み211bによって形成された第2薄肉部212b、窪み211cによって形成された第3薄肉部212c、及び窪み211dによって形成された第4薄肉部212dを有する。ここで、本実施形態の基板10とは異なり、第1薄肉部212aの長さLR1と、第2薄肉部212bの長さLR2と、第3薄肉部212cの長さLR3と、第4薄肉部212dの長さLR4とは、互いに等しい。
【0367】
このため、比較例の半導体装置200において縦方向Xにおける第2封止樹脂側面52から基板210の裏面210bまでの距離DRが、距離DP1(
図37参照)よりも小さくなる。すなわち、本実施形態の半導体装置1の沿面距離DPは、比較例の半導体装置200の沿面距離DPRよりも長くなる。その結果、本実施形態の半導体装置1は、比較例の半導体装置200よりも高耐圧となる。ここで、耐圧は、駆動端子と基板の裏面とが短絡するまでの電圧を示している。なお、沿面距離DPRは、距離DP4と距離DRとの合計によって規定される。
【0368】
本実施形態の半導体装置1によれば、以下の効果が得られる。
(1-1)内側本体部111の裏面111bは、封止樹脂裏面55から露出している。また、内側本体部111の裏面111bにおける第2封止樹脂側面52側の部分には窪み115aが形成されており、窪み115aには、封止樹脂50の一部が入り込んでいる。これにより、封止樹脂50の第2封止樹脂側面52から内側本体部111の裏面111bまでの最短距離である距離DP1は、第3封止樹脂側面53から内側本体部111の裏面111bまでの最短距離である距離DP2及び第4封止樹脂側面54から内側本体部111の裏面111bまでの最短距離である距離DP3よりも大きくなる。このため、封止樹脂50における駆動端子22が突出した部分から基板10の裏面10bまでの沿面距離DPを長くすることができる。したがって、半導体装置1の絶縁耐力を向上できる。
【0369】
ところで、距離DP1を距離DP2及び距離DP3よりも大きく取るため、内側本体部111の第1側面111cから第1封止樹脂側面51までの縦方向Xの長さを短くする構成が考えられる。しかし、内側本体部111の体積が小さくなるため、基板10による半導体素子40の放熱能力が低下してしまう。
【0370】
この点に鑑み、本実施形態では、内側本体部111の裏面111bにおける第2封止樹脂側面52側の部分に窪み115aが形成されることによって第1薄肉部116aが形成されている。これにより、内側本体部111の体積の減少を抑制できるため、基板10による半導体素子40の放熱能力の低下を抑制できる。
【0371】
(1-2)封止樹脂50の封止樹脂裏面55から露出した内側本体部111の裏面111b(露出面111x)のうちの第2封止樹脂側面52側の端縁(端縁111xe)は、縦方向Xにおいて封止樹脂50の縦方向Xの中心よりも第1封止樹脂側面51側に配置されている。この構成によれば、距離DP1を大きく取ることができるため、半導体装置1の絶縁耐力を向上できる。
【0372】
(1-3)半導体素子40は、基板10の主面10aにおいて窪み115aよりも第1封止樹脂側面51側の部分に配置されている。この構成によれば、基板10における半導体素子40直下の部分の厚さが窪み115aによって薄くなっていないため、半導体素子40を効果的に放熱できる。
【0373】
(1-4)半導体素子40の第1側面40cは、基板10の主面10aにおいて封止樹脂50の縦方向Xの中央よりも第1封止樹脂側面51側に位置している。この構成によれば、縦方向Xにおいて窪み115aをより第1封止樹脂側面51側に形成できるため、封止樹脂50の封止樹脂裏面55から露出した内側本体部111の裏面111b(露出面111x)のうちの第2封止樹脂側面52側の端縁(端縁111xe)をより第1封止樹脂側面51側に形成できる。したがって、距離DP1を大きく取ることができ、半導体装置1の絶縁耐力を向上できる。
【0374】
(1-5)窪み115aの深さH1は、基板10の厚さ(内側本体部111の厚さT)の1/2以下である。この構成によれば、内側本体部111の体積の減少を抑制できるため、基板10による半導体素子40の放熱能力の低下を抑制できる。
【0375】
(1-6)窪み115aの深さH1は、基板10の厚さ(内側本体部111の厚さT)の1/3以下である。この構成によれば、内側本体部111の体積の減少を一層抑制できるため、基板10による半導体素子40の放熱能力の低下を一層抑制できる。
【0376】
(1-7)基板10は、窪み115aによって形成された第1薄肉部116a、窪み115bによって形成された第2薄肉部116b、及び窪み115cによって形成された第3薄肉部116cを有する。この構成によれば、窪み115a,115b,115cのそれぞれに封止樹脂50の一部が入り込むことによって、基板10と封止樹脂50との分離を抑制できる。
【0377】
(1-8)駆動端子22のうちの第2封止樹脂側面52と接触している端子基端部22xは、厚さ方向Zにおいて基板10の主面10aよりも封止樹脂天面56側となるように設けられている。この構成によれば、端子基端部22xから封止樹脂裏面55までの距離DP4を大きく取ることができるため、半導体装置1の絶縁耐力を向上できる。
【0378】
(1-9)駆動端子22のうちの第2封止樹脂側面52と接触している端子基端部22xは、厚さ方向Zにおいて半導体素子40の表面40aよりも封止樹脂天面56側となるように設けられている。この構成によれば、端子基端部22xから封止樹脂裏面55までの距離DP4をより大きく取ることができるため、半導体装置1の絶縁耐力を一層向上できる。
【0379】
(1-10)駆動端子22のうちの第2封止樹脂側面52と接触している端子基端部22xは、厚さ方向Zにおいて封止樹脂50の厚さ方向Zの中央部よりも封止樹脂天面56側となるように設けられている。この構成によれば、端子基端部22xから封止樹脂裏面55までの距離DP4を大きく取ることができるため、半導体装置1の絶縁耐力を向上できる。
【0380】
(1-11)SiCを含む半導体素子を備える半導体装置では、インダクタンスがナノヘンリー(nH)のオーダーであっても半導体装置の特性に対する影響が大きい。このため、半導体装置におけるインダクタンスを低減できる構成が望まれている。
【0381】
ところで、半導体装置においてソース電極からソース端子までに含まれるインダクタンスは、ソース電極とソース端子とを接続する導体の平面視における幅が広くなるにつれて低下する。導体が複数の駆動ワイヤから構成される場合、複数の駆動ワイヤのうちの最も離間している組み合わせを構成する2つの駆動ワイヤの間を導体の平面視における幅として規定される。
【0382】
ちなみに、複数の駆動ワイヤのうちの最も離間している組み合わせを構成する2つの駆動ワイヤとは、本実施形態のように駆動ワイヤ60が2本であれば、当該2本の駆動ワイヤ61,62が複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離間している組み合わせを構成する。
【0383】
そして本実施形態では、平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。詳細には、駆動パッド側端部61b及び駆動パッド端部62b間の距離DW2は、駆動電極側端部61a及び駆動電極側端部62a間の距離DW1よりも大きい。この構成によれば、平面視において第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62が平行となる構成と比較して、導体の平面視における幅を広くすることができる。これにより、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離を大きく取ることができるため、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。本実施形態では、平面視において第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62とが距離DW1だけ離間した状態で平行となる構成と比較して、インダクタンスが5~7(nH)減少する結果が得られた。なお、距離DW1は、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離である。
【0384】
(1-12)横方向Yにおける駆動パッド21の大きさは、横方向Yにおける開口部45の大きさよりも大きい。この構成によれば、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2を大きく取ることができる。したがって、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。
【0385】
(1-13)第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aに接続されており、第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bに接続されている。この構成によれば、駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2を大きく取ることができる。したがって、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離を大きく取ることができるため、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。
【0386】
(1-14)第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aが主面側駆動電極41の露出領域46の第1露出端部46aに接続され、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aが露出領域46の第2露出端部46bに接続されている。この構成によれば、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとの間の距離DW1を大きく取ることができる。したがって、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離を大きく取ることができるため、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。
【0387】
(1-15)第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61b及び第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bはそれぞれ、縦方向Xにおいて駆動パッド21の中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。この構成によれば、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62をそれぞれ短くすることができるため、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスをより低減できる。
【0388】
(1-16)第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は同一の材料が用いられている。第1駆動ワイヤ61の線径と第2駆動ワイヤ62の線径とは互いに等しい。この構成によれば、各駆動ワイヤ61,62の主面側駆動電極41及び駆動パッド21への接続作業を同一のワイヤにて実施できるため、その作業工程を簡素化できる。
【0389】
(1-17)複数の駆動ワイヤ60及び制御ワイヤ70は同一の材料が用いられている。複数の駆動ワイヤ60の線径と制御ワイヤ70の線径とは互いに等しい。この構成によれば、複数の駆動ワイヤ60の主面側駆動電極41及び駆動パッド21への接続作業、及び制御ワイヤ70の制御電極43及び制御パッド31への接続作業を同一のワイヤにて実施できるため、それらの作業工程を簡素化できる。
【0390】
(1-18)駆動リード20及び基板10は、同一の金属板を例えばプレス加工することによって形成されている。この構成によれば、駆動リード20及び基板10を個別の金属板によって形成する場合と比較して、駆動リード20及び基板10の加工工程を簡素化できる。
【0391】
(1-19)駆動リード20、制御リード30、及び基板10は、同一の金属板を例えばプレス加工することによって形成されている。この構成によれば、駆動リード20、制御リード30、及び基板10を個別の金属板によって形成する場合と比較して、駆動リード20、制御リード30、及び基板10の加工工程を簡素化できる。
【0392】
(第5実施形態の変更例)
第5実施形態の半導体装置1は例えば以下のように変更できる。以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、互いに組み合せることができる。なお、以下の変更例において、第5実施形態と共通する部分については、第5実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0393】
・駆動ワイヤ60の数は、2本に限られず、任意に変更可能である。一例では、
図43に示すように、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び第3駆動ワイヤ63の3本の駆動ワイヤから構成されてもよい。第3駆動ワイヤ63は、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間に配置されている。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離間している組み合わせを構成している。
【0394】
すなわち、駆動ワイヤの数が3本以上である場合、最も離間している組み合わせとは、最も離れた位置にある2つの駆動ワイヤである。例えば、3本以上の駆動ワイヤが横方向Yに配列されている場合には、最も離間している組み合わせとは、横方向Yの両端にある駆動ワイヤの組み合わせである。
【0395】
第3駆動ワイヤ63は、駆動電極側端部63a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部63aは、第3駆動ワイヤ63のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。駆動パッド側端部63bは、第3駆動ワイヤ63のうちの駆動パッド21に接続される端部である。駆動電極側端部63aと第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW4と、駆動電極側端部63aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離DW5とは互いに等しい。ここで、距離DW4と距離DW5とのずれ量が例えば距離DW4の5%以内であれば、距離DW4と距離DW5とが互いに等しいと言える。
図43では、距離DW4,DW5は、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと制御ワイヤ70の制御電極側端部71との間の距離DW3よりも大きい。
【0396】
また
図43では、縦方向Xにおいて第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61a、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62a、及び第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63aは互いに揃った状態で横方向Yに配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに揃った状態とは、縦方向Xにおける駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,62a,63aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,62a,63aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0397】
第3駆動ワイヤ63の駆動パッド側端部63bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に配置されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW6は、距離DW4よりも大きい。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW7は、距離DW5よりも大きい。
図43では、距離DW6は、距離DW7よりも大きい。
【0398】
第1駆動ワイヤ61及び第3駆動ワイヤ63は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。第3駆動ワイヤ63及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第3駆動ワイヤ63と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。なお、駆動パッド側端部63bの駆動パッド21に対する配置位置は任意に変更可能である。一例では、距離DW6が距離DW7以下となるように駆動パッド側端部63bが駆動パッド21に接続されてもよい。
【0399】
・半導体素子40のサイズは任意に変更可能である。一例では、
図44に示すように、半導体素子40のサイズを第5実施形態の半導体素子40のサイズよりも大きくしてもよい。
図44では、半導体素子40の縦方向Xのサイズ及び横方向Yのサイズのそれぞれが第5実施形態の半導体素子40のサイズよりも大きい。また、半導体素子40のサイズが大きくなることに伴い表面40aに形成された主面側駆動電極41及び開口部45の大きさをそれぞれ縦方向X及び横方向Yのそれぞれに大きくすることができる。
図44では、開口部45の横方向Yの大きさは、駆動パッド21の横方向Yの大きさよりも大きい。
【0400】
半導体素子40は、内側本体部111のうちの第1封止樹脂側面51寄りの部分に配置されている。具体的には、平面視において、半導体素子40と内側本体部111の第1側面111cとの間の第1距離D1が半導体素子40と内側本体部111の幅狭部113との間の第2距離D2よりも大きい。一例では、半導体素子40は、内側本体部111において幅狭部113と縦方向Xに隣り合う部分に配置されている。本実施形態では、半導体素子40は、内側本体部111のうちの幅狭部113と縦方向Xに隣り合う部分に配置されている。
【0401】
半導体素子40は、内側本体部111の横方向Yの中央部に配置されている。具体的には、半導体素子40と内側本体部111の第2側面111dとの間の第3距離D3と、半導体素子40と内側本体部111の第3側面111eとの間の第4距離D4とが互いに等しい。ここで、第3距離D3と第4距離D4のずれ量が例えば第3距離D3の5%以内であれば、第3距離D3と第4距離D4とが互いに等しいと言える。本実施形態では、第1距離D1は、第3距離D3及び第4距離D4よりも大きい。第2距離D2は、第3距離D3及び第4距離D4よりも小さい。
【0402】
半導体装置1は、第5実施形態と同様に、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62を有する。第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、第5実施形態の駆動電極側端部61aと同様に、主面側駆動電極41の露出領域46の第1露出端部46aに接続されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、第5実施形態の駆動パッド側端部61bと同様に、駆動パッド21の第1端部21aに接続されている。第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、第5実施形態の駆動電極側端部62aと同様に、主面側駆動電極41の露出領域46の第2露出端部46bに接続されている。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、第5実施形態の駆動パッド側端部62bと同様に、駆動パッド21の第2端部21bに接続されている。また第5実施形態と同様に、縦方向Xにおいて、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとは互いに揃った状態で横方向Yに配列されている。駆動パッド側端部61b及び駆動パッド側端部62bはそれぞれ、縦方向Xにおいて駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。
【0403】
平面視において、駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2は、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとの間の距離DW1よりも大きい。
図44では、駆動電極側端部61aから縦方向Xに沿う補助線LS1と駆動パッド側端部61bから縦方向Xに沿う補助線LS2との横方向Yの間の距離DY1は、駆動電極側端部62aから縦方向Xに沿う補助線LS3と駆動パッド側端部62bから縦方向Xに沿う補助線LS4との横方向Yの間の距離DY2よりも小さい。また、平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。また、平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広くなっている。
【0404】
この構成によれば、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離を大きくすることができるため、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスを低減できる。
【0405】
なお、距離DW1と距離DW2との関係は任意に変更可能である。一例では、距離DW1は、距離DW2と等しくてもよい。この場合、平面視において、第1駆動ワイヤ61は、第2駆動ワイヤ62と平行となる。また、距離DW1は、距離DW2よりも大きくてもよい。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第3駆動ワイヤ63は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が近づくように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に狭くなっている。
【0406】
・
図44の変更例において、駆動ワイヤ60の数は、2本に限られず、任意に変更可能である。一例では、
図45に示すように、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び第3駆動ワイヤ63の3本の駆動ワイヤから構成されてもよい。第3駆動ワイヤ63は、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間に配置されている。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62が、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離間している組み合わせを構成している。第3駆動ワイヤ63は、駆動電極側端部63a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部63aと第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW4と、駆動電極側端部63aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離DW5とは互いに等しい。ここで、距離DW4と距離DW5とのずれ量が例えば距離DW4の5%以内であれば、距離DW4と距離DW5とが互いに等しいと言える。
【0407】
また
図45では、
図43の半導体装置1と同様に、縦方向Xにおいて第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61a、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62a、及び第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63aは互いに揃った状態で配列されている。
【0408】
第3駆動ワイヤ63の駆動パッド側端部63bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に配置されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW6は、距離DW4よりも大きい。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW7は、距離DW5と等しい。ここで、距離DW7と距離DW5とのずれ量が例えば距離DW7の5%以内であれば、距離DW7が距離DW5と等しいと言える。
【0409】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第3駆動ワイヤ63は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広くなっている。第3駆動ワイヤ63は、第2駆動ワイヤ62と平行となる。
【0410】
・窪み115a,115b,115c,115dの深さH1,H2,H3,H4は任意に変更可能である。一例では、窪み115a,115b,115c,115dの深さH1,H2,H3,H4の少なくとも1つは、基板10の厚さTの1/3以上であり、かつ厚さTよりも薄くてもよい。この構成によれば、封止樹脂50の一部が窪み115a,115b,115c,115dの少なくとも1つに入り込み易くなる。したがって、封止樹脂50の成形性が向上するため、半導体装置1の歩留まり率を向上できる。また一例では、窪み115a,115b,115c,115dの深さH1,H2,H3,H4の少なくとも1つは、基板10の厚さTの1/3以上かつ1/2以下であってもよい。この構成によれば、半導体装置1の歩留まり率の向上及び内側本体部111の放熱性能の向上を両立できる。
【0411】
・窪み115aの深さH1は、窪み115b,115c,115dの深さH2,H3,H4と異なってもよい。一例では、深さH1は、深さH2,H3,H4よりも浅い。この構成によれば、第1薄肉部116aの厚さT1が第2薄肉部116bの厚さT2、第3薄肉部116cの厚さT3、及び第4薄肉部116dの厚さT4のそれぞれよりも厚くなるため、厚さT1,T2,T3,T4が互いに等しい構成と比較して、内側本体部111の体積を増加させることができる。したがって、内側本体部111の放熱性能を向上できる。また一例では、深さH1は、深さH2,H3,H4よりも深い。この構成によれば、封止樹脂50の一部が窪み115aに入り込み易くなる。したがって、封止樹脂50の成形性が向上するため、半導体装置1の歩留まり率を向上できる。
【0412】
・窪み115b,115cの少なくとも一方を省略してもよい。また、凹部113aに形成された窪み115d、凹部113bに形成された窪み115d、及び貫通孔114に形成された窪み115dの少なくとも1つを省略してもよい。
【0413】
・基板10、駆動パッド21、及び制御パッド31の少なくとも1つは、別の金属板から形成されてもよい。また例えば、基板10及び駆動パッド21が同一の金属板から形成され、制御パッド31が別の金属板から形成されてもよい。
【0414】
(第6実施形態)
図46~
図58を参照して、半導体装置1の第6実施形態について説明する。本実施形態の半導体装置1は、第5実施形態の半導体装置1と比較して、基板10、駆動リード20、制御リード30、及び封止樹脂50の形状がそれぞれ異なる点、並びに、センスリード80が追加された点が異なる。本実施形態では、便宜上、第5実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0415】
図46に示すように、本実施形態の半導体装置1は、パッケージ外形規格(JEITA規格)がTO-263のパッケージである。詳細には、半導体装置1の縦寸法LXが14.7mm~15.5mm、横寸法LYが10.06mm~10.26mm、厚さ寸法LZが4.40mm~4.70mmである。また、半導体装置1は、SIPタイプである。このように、本実施形態の半導体装置1のサイズは、第5実施形態の半導体装置1のサイズよりも大きい。
【0416】
図46に示すとおり、封止樹脂50の形状は、直方体である。封止樹脂50は、モールド成形によって形成されている。封止樹脂50の各封止樹脂側面51~54は、封止樹脂50の成形時に金型を抜き易くするような抜き勾配を設けるため、厚さ方向Zに対して傾斜する傾斜面が設けられている。具体的には、第1封止樹脂側面51は、金型の上型を抜き易くするような抜き勾配を設けた第1傾斜面を有し、各封止樹脂側面52~54は、金型の上型を抜き易くするような抜き勾配を設けた第1傾斜面と、金型の下型を抜き易くするような抜き勾配を設けた第2傾斜面とを有する。金型の上型は、封止樹脂天面56と各側面51~54のうちの封止樹脂天面56側の部分を形成する。下型は、封止樹脂裏面55と各側面51~54のうちの封止樹脂裏面55側の部分を形成する。一例では、
図49及び
図50に示すように、第1封止樹脂側面51は、第1傾斜面51aを有する。第1傾斜面51aは、封止樹脂天面56に向かうにつれて第2封止樹脂側面52に向けて傾斜している。第1傾斜面51aは、封止樹脂天面56から基板10の主面10aまでにわたり形成されている。第2封止樹脂側面52は、第1傾斜面52a及び第2傾斜面52bを有する。第1傾斜面52aは、封止樹脂天面56に向かうにつれて第1封止樹脂側面51に向けて傾斜している。第2傾斜面52bは、封止樹脂裏面55に向かうにつれて第1封止樹脂側面51に向けて傾斜している。第1傾斜面52aの長さは、第2傾斜面52bの長さよりも短い。第2傾斜面52bは、基板10よりも封止樹脂天面56側にわたり形成されている。第2傾斜面52bは、半導体素子40の表面40aよりも封止樹脂天面56側にわたり形成されている。換言すれば、第1傾斜面52aは、半導体素子40の表面40aよりも封止樹脂天面56側となるように設けられている。第3封止樹脂側面53は、第1傾斜面53a及び第2傾斜面53bを有する。第1傾斜面53aは、封止樹脂天面56に向かうにつれて第4封止樹脂側面54に向けて傾斜している。第2傾斜面53bは、封止樹脂裏面55に向かうにつれて第4封止樹脂側面54に向けて傾斜している。第1傾斜面53aの長さは、第2傾斜面53bの長さよりも長い。第4封止樹脂側面54は、第1傾斜面54a及び第2傾斜面54bを有する。第1傾斜面54aは、封止樹脂天面56に向かうにつれて第3封止樹脂側面53に向けて傾斜している。第2傾斜面54bは、封止樹脂裏面55に向かうにつれて第3封止樹脂側面53に向けて傾斜している。第1傾斜面54aの長さは、第2傾斜面53bの長さよりも長い。
【0417】
なお、第1傾斜面51aの長さは任意に変更可能である。また第1傾斜面52aの長さ及び第2傾斜面52bの長さはそれぞれ任意に変更可能である。また第1傾斜面53aの長さ及び第2傾斜面53bの長さはそれぞれ任意に変更可能である。また第1傾斜面54aの長さ及び第2傾斜面54bの長さはそれぞれ任意に変更可能である。
【0418】
第1封止樹脂側面51と封止樹脂天面56との間には、抜き勾配よりも傾斜角度が大きい傾斜面57が形成されている。
図46及び
図50に示すように、封止樹脂50の横方向Yの両端部には、凹部58が形成されている。封止樹脂50の第3封止樹脂側面53側の凹部58は、第3封止樹脂側面53から横方向Yに湾曲状に凹んでいる。封止樹脂50の第4封止樹脂側面54側の凹部58は、第4封止樹脂側面54から横方向Yに湾曲状に凹んでいる。凹部58は、封止樹脂天面56から基板10の主面10aまでにわたり形成されている。すなわち、凹部58によって、基板10の主面10aの一部が露出している。凹部58は、封止樹脂50の縦方向Xの中心よりも第2封止樹脂側面52寄りに設けられている。
【0419】
図47は、半導体装置1を厚さ方向Zの封止樹脂天面56からみた図である。
図47では、便宜上、封止樹脂50を二点鎖線で示し、封止樹脂50内の部品を実線で示している。
図47に示すとおり、平面視において、封止樹脂50の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる略矩形状である。
【0420】
図46及び
図47に示すように、基板10は、封止樹脂50内に配置された内側本体部111と、封止樹脂50から突出した突出部112とに区分できる。内側本体部111及び突出部112は、縦方向Xに隣り合っている。基板10は、例えばアルミニウム(Al)又は銅(Cu)によって形成されている。
【0421】
内側本体部111において突出部112側の端部には、第1幅広部111fが形成されている。第1幅広部111fの横方向Yの大きさは、内側本体部111のうちの第1幅広部111f以外の部分の横方向Yの大きさよりも大きい。第1幅広部111fは、封止樹脂50の第1封止樹脂側面51と縦方向Xに隣り合うように設けられている。
【0422】
内側本体部111において第2封止樹脂側面52側の端部には、第2幅広部111gが形成されている。第2幅広部111gの横方向Yの大きさは、内側本体部111のうちの第1幅広部111f以外の部分の横方向Yの大きさよりも大きい。また第2幅広部111gの横方向Yの大きさは、第1幅広部111fの横方向Yの大きさよりも小さい。
【0423】
突出部112は、第1封止樹脂側面51から縦方向Xに突出している。本実施形態では、突出部112の横方向Yの大きさは、内側本体部111の第1幅広部111fの横方向Yの大きさと等しい。なお、突出部112の横方向Yの大きさは任意に変更可能である。一例では、突出部112の横方向Yの大きさは、内側本体部111の第1幅広部111fの横方向Yの大きさよりも小さくてもよい。
【0424】
図48に示すように、内側本体部111の裏面111bの一部は、封止樹脂裏面55から露出している。内側本体部111の裏面111bのうちの封止樹脂裏面55から露出している面である露出面111xは、内側本体部111の裏面111bのうちの第1封止樹脂側面51側の部分である。露出面111xのうちの第2封止樹脂側面52側の端縁111xeは、封止樹脂50の縦方向Xの中央部よりも第2封止樹脂側面52側となるように形成されている。本実施形態では、露出面111xの端縁111xeは、横方向Yに沿って延びている。露出面111xは、封止樹脂裏面55と面一となる。内側本体部111の裏面111bのうちの露出面111x以外の部分は、封止樹脂裏面55から露出しない非露出面111yを構成している。
【0425】
図47に示すように、平面視において、基板10よりも封止樹脂50の第2封止樹脂側面52側には、駆動リード20、制御リード30、及びセンスリード80が配置されている。本実施形態では、平面視において、駆動リード20、制御リード30、及びセンスリード80のそれぞれの第1封止樹脂側面51側の端縁は、内側本体部111の第2封止樹脂側面52側の端縁と重なっている。駆動リード20、制御リード30、及びセンスリード80は、横方向Yにおいて互いに離間して配置されている。駆動リード20と制御リード30との横方向Yの間には、センスリード80が配置されている。本実施形態では、基板10、駆動リード20、制御リード30、及びセンスリード80は、同一の金属製の母材をプレス加工することによって形成されている。
【0426】
駆動リード20は、駆動パッド21、複数の駆動端子22、及び駆動パッド21と複数の駆動端子22とを接続する複数の連結部23を有する。
平面視における駆動パッド21の形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる略矩形状である。駆動パッド21の第1端部21aは、内側本体部111の横方向Yの中央部よりも第3封止樹脂側面53側に位置している。縦方向Xからみて、駆動パッド21の第2端部21bは、内側本体部111のうちの第4封止樹脂側面54側の端部と重なるように設けられている。このように、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさは、横方向Yにおける内側本体部111の大きさの1/2よりも大きい。
図49に示すように、駆動パッド21は、厚さ方向Zにおいて、基板10の主面10aよりも封止樹脂天面56側に位置している。また駆動パッド21は、厚さ方向Zにおいて、半導体素子40よりも封止樹脂天面56側に位置している。
【0427】
図47に示すように、本実施形態では、複数の駆動端子22は、駆動端子22a,22b,22c,22d,22eの5つの駆動端子を含む。複数の連結部23は、連結部23a,23b,23c,23d,23eの5つの連結部を含む。駆動端子22a~22eは、横方向Yに互いに離間して配置されている。駆動端子22a~22eは、駆動パッド21の第1端部21aから第2端部21bに向けて、駆動端子22a,22b,22c,22d,22eの順に配置されている。連結部23a~23eは、横方向Yに互いに離間して配置されている。連結部23aは駆動パッド21と駆動端子22aとを連結し、連結部23bは駆動パッド21と駆動端子22bとを連結し、連結部23cは駆動パッド21と駆動端子22cとを連結し、連結部23dは駆動パッド21と駆動端子22dとを連結し、連結部23eは駆動パッド21と駆動端子22eとを連結している。
【0428】
駆動端子22a~22e、制御端子32、及び後述するセンス端子82は、等ピッチとなるように配置されている。駆動端子22aは、駆動パッド21の第1端部21aよりも第3封止樹脂側面53側の部分を含むように配置されている。駆動端子22aは、内側本体部111の横方向Yの中央部よりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。
【0429】
駆動端子22bは、内側本体部111の横方向Yの中央部と同じ位置となるように配置されている。具体的には、駆動端子22bの横方向Yの中央部において縦方向Xに沿う仮想線LV1が内側本体部111の横方向Yの中央部において縦方向Xに沿う仮想線LV2と一致している。駆動端子22c~22eは、内側本体部111の横方向Yの中央部よりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。本実施形態では、駆動端子22d,22eは、半導体素子40よりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。駆動端子22a,22c~22eは、互いに同一形状である。駆動端子22bは、駆動端子22a,22c~22eよりも短い。
【0430】
図48に示すように、駆動端子22aは第2封止樹脂側面52と接触する部分である端子基端部22xaを有し、駆動端子22bは第2封止樹脂側面52と接触する部分である端子基端部22xbを有し、駆動端子22cは第2封止樹脂側面52と接触する部分である端子基端部22xcを有し、駆動端子22dは第2封止樹脂側面52と接触する部分である端子基端部22xdを有し、駆動端子22eは第2封止樹脂側面52と接触する部分である端子基端部22xeを有する。厚さ方向Zにおいて、端子基端部22xa~22xeは互いに揃った状態で横方向Yに離間して配置されている。一例では、
図49に示すように、端子基端部22xcは、第2封止樹脂側面52の第1傾斜面52aに接触している。端子基端部22xa,22xb,22xd,22xeも端子基端部22xcと同様に、第1傾斜面52aに接触している。
【0431】
図47に示すように、制御リード30は、縦方向Xからみて、内側本体部111のうちの第3封止樹脂側面53側の端部と重なるように配置されている。制御リード30は、半導体素子40よりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。
【0432】
図46に示すように、制御パッド31は、厚さ方向Zにおいて、基板10の主面10aよりも封止樹脂天面56側に位置している。また制御パッド31は、厚さ方向Zにおいて、半導体素子40よりも封止樹脂天面56側に位置している。
図47に示すように、平面視における制御パッド31の形状は、縦方向Xが長辺方向となり、横方向Yが短辺方向となる略矩形状である。横方向Yにおける制御パッド31の大きさは、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさよりも小さい。このため、駆動パッド21の横方向Yの大きさを大きくすることができる。制御リード30の制御端子32は、ゲート端子を構成している。制御端子32は、駆動端子22a,22c~22eと同一形状である。
【0433】
センスリード80は、本実施形態では制御電極43(ゲート電極)と主面側駆動電極41(ソース電極)とを電気的に接続するためのリードである。平面視において、センスリード80は、半導体素子40よりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。センスリード80は、センスパッド81、センス端子82、及び、センスパッド81とセンス端子82とを連結する連結部83を有する。
【0434】
センスパッド81は、縦方向Xにおいて半導体素子40に離間して配置されている。センスパッド81は、縦方向Xにおいて基板10と第2封止樹脂側面52との間に配置されている。センスパッド81は、横方向Yにおいて、駆動パッド21と制御パッド31との間に配置されている。平面視におけるセンスパッド81の形状は、縦方向Xが長辺方向となり、横方向Yが短辺方向となる略矩形状である。横方向Yにおけるセンスパッド81の大きさは、横方向Yにおける制御パッド31の大きさと等しい。すなわち横方向Yにおけるセンスパッド81の大きさは、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさよりも小さい。このため、横方向Yにおける駆動パッド21の大きさを大きくすることができる。
図46に示すように、センスパッド81は、厚さ方向Zにおいて、基板10の主面10aよりも封止樹脂天面56側に位置している。またセンスパッド81は、厚さ方向Zにおいて、半導体素子40よりも封止樹脂天面56側に位置している。なお、横方向Yにおけるセンスパッド81の大きさ、及び横方向Yにおける制御パッド31の大きさはそれぞれ、任意に変更可能である。一例では、横方向Yにおけるセンスパッド81の大きさが横方向Yにおける制御パッド31の大きさよりも小さくてもよい。
【0435】
図47に示すように、連結部83は、縦方向Xにおいてセンスパッド81のうちの第2封止樹脂側面52側の端部から連続している。連結部83は、横方向Yにおいてセンスパッド81のうちの第3封止樹脂側面53側の端部に位置している。センス端子82は、第2封止樹脂側面52から突出している。センス端子82は、駆動端子22a,22c~22e及び制御端子32と同一形状である。
【0436】
半導体素子40は、第5実施形態と同様に、SiCMOSFETが用いられている。また半導体素子40は、第5実施形態と同様に、1kHz以上かつ数百kHz以下の周波数の駆動信号に応答した高速スイッチングが可能な素子である。好ましくは、半導体素子40は、1kHz以上かつ100kHz以下の周波数の駆動信号に応答した高速スイッチングが可能な素子である。本実施形態では、半導体素子40は、100kHzの周波数の駆動信号に応じて高速スイッチングを行う。半導体素子40の形状及びサイズは、第5実施形態の半導体素子40の形状及びサイズと同様である。
【0437】
図47に示すように、半導体素子40は、縦方向Xにおいて、内側本体部111に対して第2封止樹脂側面52寄りに配置されている。具体的には、平面視において、半導体素子40と内側本体部111の第1側面111cとの縦方向Xの間の第1距離D1が半導体素子40と内側本体部111の第1幅広部111fとの縦方向Xの間の第2距離D2よりも小さい。
【0438】
半導体素子40は、横方向Yにおいて、内側本体部111の中央部に配置されている。具体的には、半導体素子40と内側本体部111の第2側面111dとの横方向Yの間の第3距離D3と、半導体素子40と内側本体部111の第3側面111eとの横方向Yの間の第4距離D4とが互いに等しい。ここで、第3距離D3と第4距離D4とのずれ量が例えば第3距離D3の5%以内であれば、第3距離D3及び第4距離D4が互いに等しいと言える。
【0439】
半導体装置1は、複数の駆動ワイヤ60と、制御ワイヤ70と、センスワイヤ90とを備える。本実施形態では、複数の駆動ワイヤ60は、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の2本の駆動ワイヤから構成されている。すなわち、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成している。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、横方向Yに離間して配列されている。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの横方向Yの両端にある駆動ワイヤである。制御ワイヤ70と、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、横方向Yに離間して配列されている。第1駆動ワイヤ61は、第2駆動ワイヤ62に対して制御ワイヤ70側に配置されている。
【0440】
第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、同一の金属からなる。本実施形態では、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、アルミニウムを含む。第1駆動ワイヤ61の線径は、第2駆動ワイヤ62の線径と等しい。ここで、第1駆動ワイヤ61の線径と第2駆動ワイヤ62の線径とのずれ量が例えば第1駆動ワイヤ61の線径の5%以内であれば、第1駆動ワイヤ61の線径が第2駆動ワイヤ62の線径と等しいと言える。本実施形態では、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径は、制御ワイヤ70の線径と等しい。ここで、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径と制御ワイヤ70の線径とのずれ量が例えば制御ワイヤ70の線径の5%以内であれば、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径が制御ワイヤ70の線径と等しいと言える。第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62はそれぞれ、例えばワイヤボンディングによって主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。
【0441】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21側に向かうにつれて徐々に広がっている。以下、このような第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の構成について詳細に説明する。
【0442】
図51に示すように、平面視において、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2は、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離DW1よりも大きい。本実施形態では、駆動パッド側端部61bは、横方向Yにおいて駆動電極側端部61aよりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。駆動パッド側端部62bは、横方向Yにおいて駆動電極側端部62aよりも第4封止樹脂側面54側に配置されている。このように、平面視において、第1駆動ワイヤ61の縦方向Xに対する傾斜方向と、第2駆動ワイヤ62の縦方向Xに対する傾斜方向とは逆になる。
【0443】
駆動電極側端部61aから縦方向Xに沿う補助線LS1と、駆動パッド側端部61bから縦方向Xに沿う補助線LS2との横方向Yの間の距離を距離DY1とし、駆動電極側端部62aから縦方向Xに沿う補助線LS3と、駆動パッド側端部62bから縦方向Xに沿う補助線LS4との横方向Yの間の距離を距離DY2とする。この場合、距離DY2は、距離DY1よりも大きい。
【0444】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第1露出端部46a側に接続されている。本実施形態では、横方向Yにおいて主面側駆動電極41の露出領域46の第1露出端部46aよりも露出領域46の中央部側に接続されている。換言すれば、駆動電極側端部61aは、露出領域46のうちの制御電極43から離間した部分、すなわち主面側駆動電極41の凹部41aの底部から離間した部分に接続されている。また、駆動電極側端部61aは、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23bと重なっている。
【0445】
第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第1端部21a側に接続されている。本実施形態では、駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aに接続されている。駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21のうちの横方向Yにおいて連結部23bよりも第3封止樹脂側面53側の部分に接続されている。本実施形態では、駆動パッド側端部61bは、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23aと重なっている。駆動パッド側端部61bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。
【0446】
なお、駆動パッド側端部61bは、横方向Yにおいて、駆動パッド21の第1端部21aとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3封止樹脂側面53側の限界位置となるように第1端部21aに接続されてもよい。
【0447】
第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第2露出端部46b側に接続されている。本実施形態では、駆動電極側端部62aは、露出領域46の第2露出端部46bに接続されている。本実施形態では、駆動電極側端部62aは、縦方向Xからみて、連結部23bと連結部23cとの横方向Yの間の部分と重なっている。一例では、駆動電極側端部62aは、横方向Yにおいて露出領域46の第2露出端部46bとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4側面40f側の限界位置となるように駆動電極側端部62aの露出領域46に対する位置が設定されている。縦方向Xにおいて、駆動電極側端部62aは、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと揃った状態となるように配置されている。なお、縦方向Xにおいて駆動電極側端部62aと駆動電極側端部61aとが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動電極側端部61a,62aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、両駆動電極側端部61a,62aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、両駆動電極側端部61a,62aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0448】
第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第2端部21b側に接続されている。駆動パッド側端部62bは、半導体素子40よりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。本実施形態では、駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bに接続されている。本実施形態では、駆動パッド側端部62bは、縦方向Xからみて、連結部23eと重なっている。なお、駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4封止樹脂側面54側の限界位置となるように駆動パッド21に対する位置が設定されてもよい。駆動パッド側端部62bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。
【0449】
制御ワイヤ70は、半導体素子40の制御電極43と制御パッド31とを接続している。制御ワイヤ70は、例えばワイヤボンディングによって制御電極43と制御パッド31とに接続されている。第5実施形態と同様に、制御ワイヤ70は、複数の駆動ワイヤ60と同一の材料が用いられている。制御ワイヤ70の線径は、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径と等しい。ここで、制御ワイヤ70の線径と第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径とのずれ量が例えば制御ワイヤ70の線径の5%以内であれば、制御ワイヤ70の線径と第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の線径とが等しいと言える。
【0450】
制御ワイヤ70は、制御電極側端部71と制御パッド側端部72とを有する。制御電極側端部71と第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW3は、距離DW1よりも小さい。制御電極側端部71から縦方向Xに沿う補助線LS5と、制御パッド側端部72から縦方向Xに沿う補助線LS6との間の距離DY3は、距離DY1よりも大きく、距離DY2よりも僅かに小さい。なお、距離DY3は任意に変更可能である。一例では、距離DY3は、距離DY2以上であってもよい。
【0451】
センスワイヤ90は、半導体素子40の主面側駆動電極41とセンスパッド81とを接続している。センスワイヤ90は、例えばワイヤボンディングによって主面側駆動電極41とセンスパッド81とに接続されている。センスワイヤ90は、第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び制御ワイヤ70と同一の材料が用いられている。センスワイヤ90の線径は、例えば制御ワイヤ70の線径と等しい。ここで、センスワイヤ90の線径と制御ワイヤ70の線径のずれ量が例えばセンスワイヤ90の線径の5%以内であれば、センスワイヤ90の線径と制御ワイヤ70の線径とが互いに等しいと言える。
【0452】
センスワイヤ90は、駆動電極側端部91とセンスパッド側端部92とを有する。駆動電極側端部91は、センスワイヤ90のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。センスパッド側端部92は、センスワイヤ90のうちのセンスパッド81に接続される端部である。センスパッド側端部92は、横方向Yにおいて駆動電極側端部91よりも第3封止樹脂側面53側に配置されている。
【0453】
駆動電極側端部91は、主面側駆動電極41のうちの第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと制御電極43との横方向Yの間の部分に接続されている。駆動電極側端部91と第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW8は、駆動電極側端部91と制御ワイヤ70の制御電極側端部71との間の距離DW9よりも小さい。
【0454】
駆動電極側端部91から縦方向Xに沿う補助線LS7と、センスパッド側端部92から縦方向Xに沿う補助線LS8との間の距離DY4は、距離DY1よりも大きく、距離DY2よりも小さい。また距離DY4は、距離DY3よりも小さい。
【0455】
次に、半導体装置1におけるドレイン端子(基板10の裏面10b)とソース端子(駆動端子22)との間の沿面距離の延長構造について説明する。
図47~
図49に示すように、基板10の裏面10b(内側本体部111の裏面111b)における第2封止樹脂側面52側の部分には、窪み115aが設けられている。窪み115aは、内側本体部111の裏面111bから主面111aに向けて段差状に凹むことによって形成されている。窪み115aは、縦方向Xにおいて内側本体部111の第1側面111cから内側本体部111の縦方向Xの中央部よりも第2封止樹脂側面52側の部分までにわたり形成されている。窪み115aのうちの第1封止樹脂側面51側の端縁は、露出面111xの端縁111xeと一致する。本実施形態では、窪み115aは、その第1封止樹脂側面51側の端縁(露出面111xの端縁111xe)が半導体素子40の第2側面40dと縦方向Xにおいて揃った状態となるように形成されている。換言すると、半導体素子40は、窪み115aの第1封止樹脂側面51側の端縁(露出面111xの端縁111xe)と半導体素子40の第2側面40dとが縦方向Xに揃うように内側本体部111の主面111aに実装されている。また、本実施形態では、窪み115aは、内側本体部111の裏面111bにおける第2封止樹脂側面52側の部分の横方向Yの全体にわたり形成されている。
【0456】
窪み115aの深さH1は、基板10の厚さ(内側本体部111の厚さT)の1/2以下である。好ましくは、深さH1は、内側本体部111の厚さTの1/3以下である。本実施形態では、深さH1は、内側本体部111の厚さTの1/4以下である。窪み115aには、封止樹脂50の一部が入り込んでいる。
【0457】
図47及び
図50に示すように、内側本体部111の裏面111bのうちの窪み115aよりも第1封止樹脂側面51側の部分における第3封止樹脂側面53側の端部には窪み115bが設けられている。内側本体部111の裏面111bのうちの窪み115aよりも第1封止樹脂側面51側の部分における第4封止樹脂側面54側の端部には窪み115cが設けられている。窪み115b,115cはそれぞれ、内側本体部111の裏面111bから主面111aに向けて段差状に凹むことによって形成されている。窪み115bは、横方向Yにおいて内側本体部111の第2側面111dから第3距離D3の1/2よりも第3封止樹脂側面53側の部分までにわたり形成されている。窪み115cは、横方向Yにおいて内側本体部111の第3側面111eから第4距離D4の1/2よりも第4封止樹脂側面54側の部分までにわたり形成されている。ここで、上述のとおり、第3距離D3は半導体素子40と内側本体部111の第2側面111dとの間の距離であり、第4距離D4は半導体素子40と内側本体部111の第3側面111eとの間の距離である。また、窪み115bは、窪み115aの横方向Yの第2側面111d側の端部と繋がっている。窪み115cは、窪み115aの横方向Yの第3側面111e側の端部と繋がっている。
【0458】
窪み115bの深さH2は窪み115cの深さH3と等しい。ここで、深さH2と深さH3とのずれ量が例えば深さH2の5%以内であれば、深さH2が深さH3と等しいと言える。深さH2,H3は、内側本体部111の厚さTの1/2以下である。好ましくは、深さH2,H3は、内側本体部111の厚さTの1/3以下である。本実施形態では、深さH2,H3は、内側本体部111の厚さTの1/4以下である。深さH2,H3は、深さH1と等しい。窪み115b,115cには、封止樹脂50の一部が入り込んでいる。
【0459】
図47に示すように、内側本体部111は、厚さ方向Zにおける窪み115aと主面111aとの間の部分である第1薄肉部116aと、厚さ方向Zにおける窪み115bと主面111aとの間の部分である第2薄肉部116bと、厚さ方向Zにおける窪み115cと主面111aとの間の部分である第3薄肉部116cとを有する。
図49及び
図50に示すように、窪み115a,115b,115cの深さH1,H2,H3が互いに等しいため、第1薄肉部116aの厚さT1、第2薄肉部116bの厚さT2、及び第3薄肉部116cの厚さT3は互いに等しい。ここで、厚さT1,T2,T3のうちの最大のずれ量が例えば厚さT1の5%以内であれば、厚さT1,T2,T3が互いに等しいと言える。
【0460】
縦方向Xにおける第1薄肉部116aの長さL1は、横方向Yにおける第2薄肉部116bの長さL2及び横方向Yにおける第3薄肉部116cの長さL3よりも長い。長さL1は、長さL2,L3の2倍以上である。好ましくは、長さL1は、長さL2,L3の3倍以上である。本実施形態では、長さL1は、長さL2,L3の約10倍である。
【0461】
内側本体部111の裏面111bの非露出面111yは、第1薄肉部116aにおいて露出面111xと同じ側を向く第1非露出面111ya、第2薄肉部116bにおいて露出面111xと同じ側を向く第2非露出面111yb、及び第3薄肉部116cにおいて露出面111xと同じ側を向く第3非露出面111ycを含む。
【0462】
図49に示すように、第1薄肉部116aのうちの第2封止樹脂側面52側の端部には、窪み115eが形成されている。窪み115eは、内側本体部111の横方向Yの全体にわたり形成されている。
図49に示す断面視において、窪み115eは、厚さ方向Zに沿って延びる第1面115fと、第1面115fよりも第1側面111c側に形成され、縦方向Xに沿って延びる第2面115gとを有する。第1面115fと第2面115gとの連結部分には、曲面部115hが形成されている。
【0463】
窪み115eの深さH5は、例えば窪み115aの深さH1よりも深い。第1薄肉部116aには、窪み115dによって第5薄肉部116eが形成されている。第5薄肉部116eは、厚さ方向Zにおける窪み115eの第2面115gと主面111aとの間の部分である。本実施形態では、第5薄肉部116eの厚さT5は、第1薄肉部116aの厚さT1の1/2以上である。
【0464】
なお、深さH5は任意に変更可能である。一例では、深さH5は、深さH1と等しくてもよい。ここで、深さH5と深さH1とのずれ量が例えば深さH1の5%以内であれば、深さH5が深さH1と等しいと言える。
【0465】
これら窪み115a,115b,115c,115eは、基板10をプレス加工(パンチング)することによって形成されている。このため、窪み115a,115b,115c,115eは、一工程において同時に形成される。
【0466】
図48に示すように、縦方向Xにおける第2封止樹脂側面52から基板10の裏面10b(内側本体部111の裏面111b)までの最短距離を距離DP1とし、横方向Yにおける第3封止樹脂側面53から基板10の裏面10b(内側本体部111の裏面111b)までの最短距離を距離DP2とし、横方向Yにおける第4封止樹脂側面54から基板10の裏面10b(内側本体部111の裏面111b)までの最短距離を距離DP3とする。この場合、距離DP1は、距離DP2及び距離DP3よりも長い。好ましくは、距離DP1は、距離DP2及び距離DP3の2倍以上である。さらに好ましくは、距離DP1は、距離DP2及び距離DP3の3倍以上である。本実施形態では、距離DP1は、距離DP2及び距離DP3の約4倍である。
【0467】
半導体装置1におけるドレイン端子(基板10の裏面10b)とソース端子(駆動端子22a~22e)との間の沿面距離DPは、駆動端子22a~22eから露出面111xの端縁111xeまでの封止樹脂50の第2封止樹脂側面52及び封止樹脂裏面55に沿う距離のうちの最短距離である。
【0468】
本実施形態では、駆動端子22a~22eにおいて第2封止樹脂側面52と接触している端子基端部22xa~22xeはそれぞれ、駆動リード20の駆動パッド21及び連結部23a~23eと厚さ方向Zにおいて揃った状態となるように配置されている。すなわち、端子基端部22xa~22xeはそれぞれ、厚さ方向Zにおいて基板10の主面10aよりも封止樹脂天面56側となるように配置されている。また端子基端部22xa~22xeはそれぞれ、厚さ方向Zにおいて半導体素子40の表面40aよりも封止樹脂天面56側となるように配置されている。本実施形態では、端子基端部22xa~22xeは、厚さ方向Zにおいて、封止樹脂50の厚さ方向Zの中央部よりも封止樹脂天面56側となるように配置されている。加えて、露出面111xの端縁111xeは、横方向Yに沿って延びている。このように、駆動端子22a~22eについて、駆動端子から露出面111xの端縁111xeまでの沿面距離DPは互いに等しく、例えば駆動端子22aから封止樹脂裏面55までの第2封止樹脂側面52に沿う距離DP4と、上述の距離DP1との合計によって規定される。
【0469】
本実施形態では、駆動端子22a~22eの端子基端部22xa~22xeは、半導体素子40の表面40aよりも封止樹脂天面56側となるように配置されているため、厚さ方向Zにおいて端子基端部22xa~22xeと基板10とが揃った状態となるように駆動端子22a~22eが配置される構成と比較して、距離DP4が長くなる。また第1薄肉部116aの長さL1が第2薄肉部116bの長さL2及び第3薄肉部116cの長さL3よりも長くなるため、第1薄肉部116aの長さL1が第2薄肉部116bの長さL2及び第3薄肉部116cの長さL3以下の構成と比較して、距離DP1が長くなる。
【0470】
本実施形態の半導体装置1によれば、第5実施形態の(1-1)及び(1-5)~(1-19)の効果と同様の効果に加え、以下の効果が得られる。
(2-1)半導体装置1は、半導体素子40の主面側駆動電極41(ソース電極)と、制御電極43(ゲート電極)とを電気的に接続するためのセンスリード80及びセンスワイヤ90を備える。この構成によれば、主面側駆動電極41の電圧が変動しても、制御電極43の電圧が追従して変動するため、半導体素子40のソース-ゲート間の電圧の変動が抑制される。したがって、半導体素子40のしきい値電圧の変動を抑制できる。
【0471】
(2-2)半導体素子40が基板10の内側本体部111に対して第2封止樹脂側面52寄りに位置している。この構成によれば、半導体素子40の開口部45と駆動パッド21との間の距離を短くすることができるため、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62の長さをそれぞれ短くすることができる。したがって、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。
【0472】
(2-3)横方向Yにおける駆動パッド21の大きさは、横方向Yにおける半導体素子40の大きさよりも大きい。この構成によれば、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bとの間の距離を一層大きく取ることができる。したがって、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを一層低減できる。
【0473】
(2-4)縦方向Xからみて、半導体素子40の開口部45の全てが駆動パッド21と重なるように、半導体素子40及び駆動パッド21が配置されている。この構成によれば、第1駆動ワイヤ61の長さを短くすることができるとともに、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離を大きく取ることができる。したがって、主面側駆動電極41から駆動パッド21までのインダクタンスを低減できる。
【0474】
(2-5)複数の駆動ワイヤ60、制御ワイヤ70、及びセンスワイヤ90は、同一の材料が用いられている。また複数の駆動ワイヤ60、制御ワイヤ70、及びセンスワイヤ90の線径は互いに等しい。この構成によれば、複数の駆動ワイヤ60の主面側駆動電極41及び駆動パッド21への接続作業、制御ワイヤ70の制御電極43及び制御パッド31への接続作業、及びセンスワイヤ90の主面側駆動電極41及びセンスパッド81への接続作業を同一のワイヤにて実施できるため、それらの作業工程を簡素化できる。
【0475】
(2-6)駆動リード20、制御リード30、センスパッド81、及び基板10は、同一の金属板を例えばプレス加工することによって形成されている。この構成によれば、駆動リード20、制御リード30、センスパッド81、及び基板10を個別の金属板によって形成する場合と比較して、駆動リード20、制御リード30、センスパッド81、及び基板10の加工工程を簡素化できる。
【0476】
(第6実施形態の変更例)
第6実施形態の半導体装置1は例えば以下のように変更できる。以下の各変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、組み合せることができる。なお、以下の変更例において、第6実施形態と共通する部分については、第6実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0477】
・駆動ワイヤ60の数は、2本に限られず、任意に変更可能である。一例では、
図52に示すように、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び第3駆動ワイヤ63の3本の駆動ワイヤから構成されてもよい。第3駆動ワイヤ63は、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間に配置されている。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成している。
【0478】
すなわち、駆動ワイヤの数が3本以上である場合、最も離間している組み合わせとは、最も離れた位置にある2つの駆動ワイヤである。例えば、3本以上の駆動ワイヤが横方向Yに配列されている場合には、最も離間している組み合わせとは、横方向Yの両端にある駆動ワイヤの組み合わせである。
【0479】
第3駆動ワイヤ63は、駆動電極側端部63a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部63aは、第3駆動ワイヤ63のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。駆動パッド側端部63bは、第3駆動ワイヤ63のうちの駆動パッド21に接続される端部である。
図52では、駆動電極側端部63aは、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23bと重なっている。駆動パッド側端部63bは、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23cと重なっている。すなわち、駆動パッド側端部63bは、駆動電極側端部63aよりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。
【0480】
図52では、駆動電極側端部63aと第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW4は、駆動電極側端部63aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離DW5よりも小さい。距離DW4及び距離DW5は、駆動電極側端部91と第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW8よりも大きい。なお、駆動電極側端部63aの横方向Yの位置は任意に変更可能である。一例では、距離DW4及び距離DW5が互いに等しくなるように駆動電極側端部63aが主面側駆動電極41に接続されてもよい。
【0481】
また
図52では、縦方向Xにおいて第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61a、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62a、及び第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63aは互いに揃った状態で配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに揃った状態とは、縦方向Xにおける駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,62a,63aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,62a,63aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0482】
第3駆動ワイヤ63の駆動パッド側端部63bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW6は、距離DW4よりも大きい。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW7は、距離DW5よりも大きい。
図52では、距離DW7は、距離DW6よりも大きい。
【0483】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第3駆動ワイヤ63は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。平面視において、第3駆動ワイヤ63及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第3駆動ワイヤ63と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。
【0484】
・半導体素子40のサイズは任意に変更可能である。第1例では、
図53に示すように、半導体素子40のサイズを第6実施形態の半導体素子40のサイズよりも大きくしてもよい。第2例では、
図55に示すように、半導体素子40のサイズを
図53の半導体素子40のサイズよりも大きくしてもよい。
【0485】
図53に示す第1例では、半導体素子40の縦方向Xのサイズ及び横方向Yのサイズのそれぞれが第6実施形態の半導体素子40のサイズよりも大きい。また、半導体素子40のサイズが大きくなることに伴い表面40aに形成された開口部45の大きさを縦方向X及び横方向Yのそれぞれに大きくすることができる。
図53では、開口部45の横方向Yの大きさは、駆動パッド21の横方向Yの大きさよりも小さい。駆動パッド21の横方向Yの大きさは、半導体素子40の横方向Yの大きさよりも大きい。開口部45は、縦方向Xからみて、駆動パッド21の第1端部21aと重なっている。より詳細には、開口部45のうちの第3側面40e側の端縁は、駆動パッド21よりも第3封止樹脂側面53側に位置している。また開口部45は、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23cと重なっている。
【0486】
また
図53では、半導体素子40の第3側面40eは、縦方向Xからみて、センスリード80のうちの第4封止樹脂側面54側の端部と重なっている。半導体素子40の第4側面40fは、縦方向Xからみて、駆動パッド21のうちの連結部23cと連結部23dとの横方向Yの間の部分と重なっている。
【0487】
半導体装置1は、第6実施形態と同様に、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62を有する。第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、第6実施形態の駆動電極側端部61aと同様に、主面側駆動電極41のうちの横方向Yにおいて制御電極43と離間した部分に接続されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、第6実施形態の駆動パッド側端部61bと同様に、駆動パッド21の第1端部21aに接続されている。第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、第6実施形態の駆動電極側端部62aと同様に、横方向Yにおいて開口部45のうちの半導体素子40の第4側面40f側の端部に接続されている。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、第6実施形態の駆動パッド側端部62bと同様に、駆動パッド21の第2端部21bに接続されている。縦方向Xにおいて、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとは互いに揃った状態で横方向Yに配列されている。駆動パッド側端部61b及び駆動パッド側端部62bはそれぞれ、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に接続されている。
【0488】
平面視において、駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2は、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとの間の距離DW1よりも大きい。
図53では、駆動電極側端部61aから縦方向Xに沿う補助線LS1と駆動パッド側端部61bから縦方向Xに沿う補助線LS2との横方向Yの間の距離DY1は、駆動電極側端部62aから縦方向Xに沿う補助線LS3と駆動パッド側端部62bから縦方向Xに沿う補助線LS4との横方向Yの間の距離DY2よりも小さい。このように、平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広くなっている。
【0489】
この構成によれば、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間の距離を大きくすることができるため、主面側駆動電極41(ソース電極)から駆動リード20の駆動端子22(ソース端子)までの間のインダクタンスを低減できる。
【0490】
・
図53の変更例において、駆動ワイヤ60の数は、2本に限られず、任意に変更可能である。一例では、
図54に示すように、複数の駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、及び第3駆動ワイヤ63の3本の駆動ワイヤから構成されてもよい。第3駆動ワイヤ63は、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間に配置されている。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成している。第3駆動ワイヤ63は、駆動電極側端部63a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部63aと第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の距離DW4は、駆動電極側端部63aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離DW5よりも大きい。なお、主面側駆動電極41に対する駆動電極側端部63aの配置位置は任意に変更可能である。一例では、距離DW4と距離DW5とが互いに等しくなるように、駆動電極側端部63aが主面側駆動電極41に接続されてもよい。
【0491】
また
図54では、縦方向Xにおいて第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61a、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62a、及び第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63aは互いに揃った状態で配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに揃った状態とは、縦方向Xにおける駆動電極側端部61a,62a,63aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,62a,63aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,62a,63aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0492】
第3駆動ワイヤ63の駆動パッド側端部63bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド21の縦方向Xの中央部よりも半導体素子40側の部分に配置されている。第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW6は、距離DW4よりも大きい。第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bと駆動パッド側端部63bとの間の距離DW7は、距離DW5よりも大きい。
図54では、距離DW7は、距離DW6よりも大きい。
【0493】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第3駆動ワイヤ63は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広くなっている。平面視において、第3駆動ワイヤ63及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第3駆動ワイヤ63と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広くなっている。
【0494】
なお、平面視において、第3駆動ワイヤ63の縦方向Xに対する傾斜角度は任意に変更可能である。一例では、平面視において、第3駆動ワイヤ63の縦方向Xに対する傾斜角度は第1駆動ワイヤ61の縦方向Xに対する傾斜角度又は第2駆動ワイヤ62の縦方向Xに対する傾斜角度と等しくてもよい。
【0495】
図55に示す第2例では、平面視における半導体素子40の形状は、正方形である。半導体素子40の表面40aに形成された主面側駆動電極41(ソース電極)の平面視における形状は、略正方形である。半導体素子40の第2側面40dかつ第3側面40e側の端部に切欠部41bが形成されている。制御電極43は、切欠部41bに形成されている。また、パッシベーション膜44に形成された開口部45の平面視における形状は、正方形である。開口部45は、第6実施形態と同様に、主面側駆動電極41の一部及び制御電極43の一部を露出している。主面側駆動電極41は、開口部45によって露出された露出領域46を有する。
【0496】
図55に示す第2例の半導体装置1は、複数の駆動ワイヤ60として、第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、第3駆動ワイヤ63、及び第4駆動ワイヤ64を有する。第3駆動ワイヤ63及び第4駆動ワイヤ64は、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間に配置されている。この場合、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成している。第1駆動ワイヤ61、第2駆動ワイヤ62、第3駆動ワイヤ63、及び第4駆動ワイヤ64は、横方向Yに離間して配列されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61は、横方向Yにおいて第2駆動ワイヤ62、第3駆動ワイヤ63、及び第4駆動ワイヤ64よりも半導体素子40の第3側面40e側に配置されている。第2駆動ワイヤ62は、横方向Yにおいて第1駆動ワイヤ61、第3駆動ワイヤ63、及び第4駆動ワイヤ64よりも半導体素子40の第4側面40f側に配置されている。第3駆動ワイヤ63は、第4駆動ワイヤ64よりも半導体素子40の第3側面40e側に配置されている。このように、複数の駆動ワイヤ60のうちの最も離れた組み合わせを構成する第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、複数の駆動ワイヤ60のうちの横方向Yの両端にある駆動ワイヤである。
【0497】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bよりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。具体的には、駆動電極側端部61aは、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23aと重なっている。駆動パッド側端部61bは、縦方向Xからみて、駆動パッド21のうちの連結部23aと連結部23bとの間の部分と重なっている。
【0498】
第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bよりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。具体的には、駆動電極側端部62aは、縦方向Xからみて、駆動パッド21のうちの連結部23cと連結部23dとの間の部分と重なっている。駆動パッド側端部62bは、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23eと重なっている。
【0499】
第3駆動ワイヤ63は、駆動電極側端部63a及び駆動パッド側端部63bを有する。駆動電極側端部63aは、第3駆動ワイヤ63のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。駆動パッド側端部63bは、第3駆動ワイヤ63のうちの駆動パッド21に接続される端部である。駆動電極側端部63aは、駆動パッド側端部63bよりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。具体的には、駆動電極側端部63aは、縦方向Xからみて、駆動リード20の連結部23bと重なっている。駆動パッド側端部63bは、縦方向Xからみて、駆動パッド21のうちの連結部23bと連結部23cとの間の部分と重なっている。
【0500】
第4駆動ワイヤ64は、駆動電極側端部64a及び駆動パッド側端部64bを有する。駆動電極側端部64aは、第4駆動ワイヤ64のうちの主面側駆動電極41に接続される端部である。駆動パッド側端部64bは、第4駆動ワイヤ64のうちの駆動パッド21に接続される端部である。駆動電極側端部64aは、駆動パッド側端部64bよりも第3封止樹脂側面53側となるように配置されている。具体的には、駆動電極側端部64aは、縦方向Xからみて、駆動パッド21のうちの連結部23bと連結部23cとの間の部分と重なっている。駆動パッド側端部64bは、縦方向Xからみて、駆動パッド21のうちの連結部23cと連結部23dとの間の部分と重なっている。
【0501】
駆動電極側端部61a及び駆動電極側端部63aは、主面側駆動電極41の露出領域46の横方向Yの中央部よりも第1露出端部46a側に接続されている。駆動電極側端部61aは、横方向Yにおいて駆動電極側端部63aよりも第1露出端部46a側に接続されている。駆動電極側端部64a及び駆動電極側端部62aは、露出領域46の横方向Yの中央部よりも第2露出端部46b側に接続されている。駆動電極側端部62aは、駆動電極側端部64aよりも第2露出端部46b側に接続されている。
【0502】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61a及び第4駆動ワイヤ64の駆動電極側端部64aは、第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62a及び第3駆動ワイヤ63の駆動電極側端部63aと縦方向Xにずれている。具体的には、駆動電極側端部61a,64aは、駆動電極側端部62a,63aよりも半導体素子40の第1側面40c側となるように配置されている。このため、第1駆動ワイヤ61及び第4駆動ワイヤ64の長さは、第2駆動ワイヤ62及び第3駆動ワイヤ63の長さよりも長い。また、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部64aとは、縦方向Xにおいて互いに揃った状態で横方向Yに配列されている。駆動電極側端部62aと駆動電極側端部63aとは、縦方向Xにおいて互いに揃った状態で横方向Yに配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部61a,64aが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動電極側端部61a,64aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,64aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,64aが縦方向Xに揃っていると言える。また、縦方向Xにおいて駆動電極側端部62a,63aが互いに揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動電極側端部62a,63aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部62a,63aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部62a,63aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0503】
なお、駆動電極側端部61a~64aの縦方向Xにおける配置位置は任意に変更可能である。一例では、駆動電極側端部61a~64aが互いにずれてもよい。また、駆動電極側端部61a~64aが互いに揃った状態で横方向Yに配列されてもよい。
【0504】
駆動電極側端部61aから縦方向Xに沿う補助線LS1と、駆動電極側端部63aから縦方向Xに沿う補助線LS9との間の距離DW10は、補助線LS9と駆動電極側端部64aから縦方向Xに沿う補助線LS11との間の距離DW11よりも小さい。駆動電極側端部62aから縦方向Xに沿う補助線LS3と補助線LS11との横方向Yの間の距離DW12は、距離DW10よりも僅かに小さい。なお、駆動電極側端部61a~64aの横方向Yにおける配置位置は、駆動電極側端部61a~64aのうちの最も第3封止樹脂側面53側に駆動電極側端部61aが位置し、最も第4封止樹脂側面54側に駆動電極側端部62aが位置する限定において任意に変更可能である。一例では、駆動電極側端部61a~64aは、距離DW12と距離DW10とが互いに等しくなるように配置されてもよい。
【0505】
補助線LS1と駆動パッド側端部61bから縦方向Xに沿う補助線LS2との横方向Yの間の距離DY1は、補助線LS3と駆動パッド側端部62bから縦方向Xに沿う補助線LS4との横方向Yの間の距離DY2よりも小さい。補助線LS9と駆動パッド側端部63bから縦方向Xに沿う補助線LS10との横方向Yの間の距離DY3は、補助線LS11と駆動パッド側端部64bから縦方向Xに沿う補助線LS12との横方向Yの間の距離DY4よりも小さい。
図55では、距離DY1は、距離DY3よりも小さい。距離DY2は、距離DY4よりも大きい。
【0506】
なお、駆動電極側端部61aは、横方向Yにおいて開口部45のうちの半導体素子40の第3側面40e側の端部としてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3側面40e側の限界位置となるように配置されてもよい。駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3封止樹脂側面53側の限界位置となるように配置されてもよい。
【0507】
また、駆動電極側端部62aは、横方向Yにおいて開口部45のうちの半導体素子40の第4側面40f側の端部としてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4側面40f側の限界位置となるように配置されてもよい。駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4封止樹脂側面54側の限界位置となるように配置されてもよい。
【0508】
平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第3駆動ワイヤ63は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第3駆動ワイヤ63との横方向Yの間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。平面視において、第3駆動ワイヤ63及び第4駆動ワイヤ64は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第3駆動ワイヤ63と第4駆動ワイヤ64との横方向Yの間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。平面視において、第4駆動ワイヤ64及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第4駆動ワイヤ64と第2駆動ワイヤ62との横方向Yの間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。平面視において、第3駆動ワイヤ63及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第3駆動ワイヤ63と第2駆動ワイヤ62との横方向Yの間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広がっている。
【0509】
センスワイヤ90の駆動電極側端部91は、主面側駆動電極41のうちの横方向Yにおいて制御ワイヤ70の制御電極側端部71と第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aとの間の部分に接続されている。また、駆動電極側端部91は、主面側駆動電極41のうちの第2側面40d側の端部に接続されている。すなわち、駆動電極側端部91は、主面側駆動電極41のうちの制御電極43と横方向Yに隣り合う部分に接続されている。この構成によれば、センスワイヤ90の長さを短くできる。
【0510】
・駆動ワイヤ60、制御ワイヤ70、及びセンスワイヤ90の材料及び線径は任意に変更可能である。一例では、駆動ワイヤ60、制御ワイヤ70、及びセンスワイヤ90の少なくとも1つの線径が他の線径と異なってもよい。また、駆動ワイヤ60、制御ワイヤ70、及びセンスワイヤ90の少なくとも1つの材料が他の材料と異なってもよい。
【0511】
・厚さ方向Zにおけるセンスパッド81の配置位置は任意に変更可能である。センスパッド81は、厚さ方向Zにおいて駆動パッド21及び制御パッド31の少なくとも一方に対してずれていてもよい。一例では、センスパッド81は、厚さ方向Zにおいて半導体素子40と揃った状態で配置されている。
【0512】
・基板10の内側本体部111から第1幅広部111fを省略してもよい。この場合、縦方向Xにおいて、突出部112と封止樹脂50の第1封止樹脂側面51とが当接してもよい。
【0513】
・基板10の内側本体部111から第2幅広部111gを省略してもよい。
・
図56に示すように、封止樹脂50のうちの内側本体部111の第1側面111cよりも第2封止樹脂側面52側、かつ、駆動パッド21、制御パッド31、及びセンスパッド81よりも封止樹脂裏面55側の部分である封止部59には、凹部59aが設けられてもよい。凹部59aは、縦方向Xにおいて内側本体部111の第1側面111cから離間して設けられている。
【0514】
凹部59aは、厚さ方向Zにおいて封止樹脂裏面55から封止樹脂天面56に向けて凹んでいる。凹部59aは、横方向Yにおいて第3封止樹脂側面53から第4封止樹脂側面54までにわたり形成されている。厚さ方向Zからみて、凹部59aは、駆動パッド21、制御パッド31、及びセンスパッド81と重なっている。一例では、
図56に示すとおり、縦方向X及び厚さ方向Zに沿う平面で切った断面視における凹部59aの形状は、矩形状である。凹部59aの深さHr1は、例えば窪み115aの深さH1よりも深い。また、深さHr1は、窪み115b,115cの深さH2,H3(
図50参照)よりも深い。
【0515】
凹部59aは、底面59bを有する。底面59bは、窪み115eの第2面115gよりも封止樹脂天面56側となるように設けられている。底面59bは、内側本体部111の主面111aよりも封止樹脂裏面55側となるように設けられている。なお、厚さ方向Zにおける底面59bの位置、すなわち凹部59aの深さHr1は、任意に変更可能である。一例では、底面59bは、厚さ方向Zにおいて内側本体部111の主面111aと揃った状態としてもよいし、主面111aよりも封止樹脂天面56側となるように設けられてもよい。
【0516】
・縦方向X及び厚さ方向Zに沿う平面で切った断面視における凹部59aの形状は任意に変更可能である。一例では、縦方向X及び厚さ方向Zに沿う平面で切った断面視における凹部59aの形状は湾曲状であってもよいし、V字状であってもよい。
【0517】
・上記第6実施形態及び上記第6実施形態の変更例において、縦方向Xにおける半導体素子40の配置位置は任意に変更可能である。一例では、
図57に示すように、半導体素子40は、縦方向Xにおいて内側本体部111の主面111aのうちの第1封止樹脂側面51側の部分に配置されている。具体的には、平面視において、半導体素子40と内側本体部111の第1側面111cとの間の第1距離D1が半導体素子40と第1幅広部111fとの間の第2距離D2よりも大きい。
【0518】
半導体素子40は、内側本体部111の横方向Yの中央部に配置されている。具体的には、半導体素子40と内側本体部111の第2側面111dとの間の第3距離D3と、半導体素子40と内側本体部111の第3側面111eとの間の第4距離D4とが互いに等しい。ここで、第3距離D3と第4距離D4のずれ量が例えば第3距離D3の5%以内であれば、第3距離D3と第4距離D4とが互いに等しいと言える。本実施形態では、第1距離D1は、第3距離D3及び第4距離D4よりも大きい。第2距離D2は、第3距離D3及び第4距離D4よりも小さい。
【0519】
図57に示すように、内側本体部111の主面111aのうちの半導体素子40よりも第1封止樹脂側面51側の部分には、溝117Aが設けられている。内側本体部111の主面111aのうちの半導体素子40よりも第2封止樹脂側面52側の部分には、溝117Bが設けられている。溝117A,117Bは、縦方向Xにおいて半田SDと隣接している。溝117A,117Bは、横方向Yにおいて内側本体部111の第2側面111dから第3側面111eまでにわたり形成されている。半田SDが溝117Aに入り込むことによって、半田SDが溝117Aよりも第1封止樹脂側面51側に進入することを抑制できる。また半田SDが溝117Bに入り込むことによって半田SDが溝117Bよりも第2封止樹脂側面52側に進入することを抑制できる。
【0520】
図57及び
図58に示すように、溝117A,117Bは互いに同一形状である。以下、溝117Aの一例について説明し、溝117Bについては溝117Aと同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0521】
図58に示すように、溝117Aは、第1溝部117a及び第2溝部117bを有する。第1溝部117aは、内側本体部111の主面111aから裏面111bに向けて凹んでいる。半導体装置1を縦方向X及び厚さ方向Zに沿う平面で切った断面視における第1溝部117aの形状は、矩形状である。第2溝部117bは、第1溝部117aの底面117cから裏面111bに向けて凹んでいる。半導体装置1を縦方向X及び厚さ方向Zに沿う平面で切った断面視における第2溝部117bの形状は、裏面111bから主面111aに向かうにつれて先細るテーパ状である。
【0522】
溝117A,117Bには、封止樹脂50の一部が入り込んでいる。この構成によれば、溝117A,117Bに入り込んだ封止樹脂50によって、基板10と封止樹脂50との分離を一層抑制できる。加えて、裏面111bから主面111aに向かうにつれて先細るテーパ状の第2溝部117bに封止樹脂50が入り込むことによって、基板10と封止樹脂50とが厚さ方向Zにおいてより一層分離し難くなる。
【0523】
なお、溝117A,117Bの形状はそれぞれ、任意に変更可能である。一例では、溝117A,117Bの少なくとも一方について、半導体装置1を縦方向X及び厚さ方向Zに沿う平面で切った断面視における第1溝部117aの形状は、湾曲状であってもよいし、主面111aから裏面111bに向かうにつれて先細るテーパ状であってもよい。溝117A,117Bの少なくとも一方について、半導体装置1を縦方向X及び厚さ方向Zに沿う平面で切った断面視における第2溝部117bの形状は、矩形状であってもよいし、湾曲状であってもよいし、主面111aから裏面111bに向かうにつれて先細るV字状であってもよい。溝117A,117Bの少なくとも一方から第2溝部117bを省略してもよい。
【0524】
・窪み115b,115cの少なくとも一方を省略してもよい。
・窪み115a,115b,115cの深さH1,H2,H3は任意に変更可能である。一例では、窪み115a,115b,115cの深さH1,H2,H3の少なくとも1つは、基板10の厚さTの1/3以上であり、かつ厚さTよりも薄くてもよい。この構成によれば、封止樹脂50の一部が窪み115a,115b,115cの少なくとも1つに入り込み易くなる。したがって、封止樹脂50の成形性が向上するため、半導体装置1の歩留まり率を向上できる。また一例では、窪み115a,115b,115cの深さH1,H2,H3の少なくとも1つは、基板10の厚さTの1/3以上かつ1/2以下であってもよい。この構成によれば、半導体装置1の歩留まり率の向上及び内側本体部111の放熱性能の向上を両立できる。
【0525】
・窪み115aの深さH1は、窪み115b,115cの深さH2,H3と異なってもよい。一例では、深さH1は、深さH2,H3よりも浅い。この構成によれば、第1薄肉部116aの厚さT1が第2薄肉部116bの厚さT2、及び第3薄肉部116cの厚さT3のそれぞれよりも厚くなるため、厚さT1,T2,T3が互いに等しい構成と比較して、内側本体部111の体積を増加させることができる。したがって、内側本体部111の放熱性能を向上できる。また一例では、深さH1は、深さH2,H3よりも深い。この構成によれば、封止樹脂50の一部が窪み115aに入り込み易くなる。したがって、封止樹脂50の成形性が向上するため、半導体装置1の歩留まり率を向上できる。
【0526】
・基板10、駆動パッド21、制御パッド31、及びセンスパッド81の少なくとも1つは、別の金属板から形成されてもよい。また例えば、基板10及び駆動パッド21が同一の金属板から形成され、制御パッド31及びセンスパッド81が別の金属板から形成されてもよい。
【0527】
(各実施形態に共通した変更例)
上記各実施形態の半導体装置1は例えば以下のように変更できる。なお、以下の変更例は、技術的な矛盾が生じない限り、互いに組み合せることができるし、第5実施形態の変更例又は第6実施形態の変更例と組み合せることができる。
【0528】
・上記各実施形態において、厚さ方向Zにおける駆動パッド21及び制御パッド31の位置はそれぞれ任意に変更可能である。一例では、駆動パッド21及び制御パッド31の少なくとも一方は、厚さ方向Zにおいて半導体素子40に揃った状態であってもよい。
【0529】
・上記各実施形態及び変更例において、平面視における駆動パッド21及び制御パッド31の配置位置はそれぞれ任意に変更可能である。一例では、駆動パッド21及び制御パッド31の少なくとも一方は、基板10に対して横方向Yにずれていてもよい。すなわち、駆動パッド21及び制御パッド31の少なくとも一方は、基板10よりも封止樹脂50の第3封止樹脂側面53側又は第4封止樹脂側面54側に配置されてもよい。これにより、駆動パッド21及び制御パッド31の少なくとも一方は、半導体素子40に対して横方向Yにずれることになる。
【0530】
・上記各実施形態及び変更例において、複数の駆動ワイヤ60と制御ワイヤ70とは異なる金属によって形成されてもよい。一例では、複数の駆動ワイヤ60は、アルミニウムからなり、制御ワイヤ70は金(Au)からなる。
【0531】
・上記各実施形態及び変更例において、複数の駆動ワイヤ60の線径と制御ワイヤ70の線径とは互いに異なってもよい。一例では、複数の駆動ワイヤ60の線径は、制御ワイヤ70の線径よりも大きい。
【0532】
・上記各実施形態及び変更例において、複数の駆動ワイヤ60の線径は、125μm~250μmに限られず、任意に変更可能である。一例では、複数の駆動ワイヤ60の線径は、250μm~400μmである。
【0533】
・上記各実施形態及び変更例において、半導体素子40は、平面視において矩形状の1つの開口部45によって主面側駆動電極41及び制御電極43を露出するように構成されたが、開口部45の数はこれに限られない。例えば、
図59に示すように、半導体素子40の表面40aには、主面側駆動電極41を露出する第1開口部45Aと、制御電極43を露出する第2開口部45Bとが形成されてもよい。平面視における第1開口部45Aの形状は、横方向Yが長辺方向となり、縦方向Xが短辺方向となる矩形状である。平面視における第2開口部45Bの形状は、縦方向Xが長辺方向となり、横方向Yが短辺方向となる矩形状である。第1開口部45Aは、縦方向Xにおいて半導体素子40の第1側面40c寄りとなるように設けられている。第1開口部45Aは、横方向Yにおいて半導体素子40の表面40aの大部分を開口している。第2開口部45Bは、半導体素子40の第2側面40d側の端部かつ第3側面40e側の端部に設けられている。
【0534】
主面側駆動電極41は、第1開口部45Aによって露出している露出領域46を有する。露出領域46は、横方向Yの両端部である第1露出端部46a及び第2露出端部46bを有する。第1露出端部46aは、露出領域46のうちの半導体素子40の第3側面40e側の端部である。第2露出端部46bは、露出領域46のうちの半導体素子40の第4側面40f側の端部である。
【0535】
第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41の露出領域46と駆動リード20の駆動パッド21とに接続されている。平面視において、駆動パッド側端部61bと駆動パッド側端部62bとの間の距離DW2は、駆動電極側端部61aと駆動電極側端部62aとの間の距離DW1よりも大きい。
図59では、平面視において、第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62は、主面側駆動電極41側よりも駆動パッド21側の方が離れるように主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されている。平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔は、主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に広くなる。なお、平面視において、第1駆動ワイヤ61と第2駆動ワイヤ62との間隔が主面側駆動電極41から駆動パッド21に向かうにつれて徐々に狭くなるように第1駆動ワイヤ61及び第2駆動ワイヤ62がそれぞれ主面側駆動電極41と駆動パッド21とに接続されてもよい。
【0536】
第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aは、露出領域46の横方向Yの中央部よりも第1露出端部46a側に配置されている。
図59では、駆動電極側端部61aは、露出領域46の第1露出端部46aに接続されている。一例では、駆動電極側端部61aは、露出領域46の第1露出端部46aとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3側面40e側の限界位置となるように配置されている。
【0537】
第1駆動ワイヤ61の駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第1端部21a側に接続されている。
図59では、駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aに接続されている。一例では、駆動パッド側端部61bは、駆動パッド21の第1端部21aとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第3封止樹脂側面53側の限界位置となるように配置されている。駆動パッド側端部61bは、縦方向Xにおいて駆動パッド21の縦方向Xの中央よりも半導体素子40側の部分に接続されている。駆動パッド側端部61bは、駆動電極側端部61aよりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。
【0538】
第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aは、露出領域46の横方向Yの中央部よりも第2露出端部46b側に配置されている。
図59では、駆動電極側端部62aは、露出領域46の第2露出端部46bに接続されている。一例では、駆動電極側端部62aは、露出領域46の第2露出端部46bとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4側面40f側の限界位置となるように配置されている。縦方向Xにおいて、駆動電極側端部62aは、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと揃った状態で横方向Yに配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動電極側端部62aと駆動電極側端部61aとが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動電極側端部61a,62aが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動電極側端部61a,62aにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動電極側端部61a,62aが縦方向Xに揃っていると言える。
【0539】
第2駆動ワイヤ62の駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の横方向Yの中央部よりも第2端部21b側に接続されている。
図59では、駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bに接続されている。一例では、駆動パッド側端部62bは、駆動パッド21の第2端部21bとしてワイヤボンディングが実行可能な領域のうちの第4封止樹脂側面54側の限界位置となるように配置されている。駆動パッド側端部62bは、縦方向Xにおいて駆動パッド21の縦方向Xの中央よりも半導体素子40側の部分に接続されている。駆動パッド側端部62bは、駆動電極側端部62aよりも第4封止樹脂側面54側となるように配置されている。また、
図59では、駆動パッド側端部62bは、縦方向Xにおいて、駆動パッド側端部61bと揃った状態で横方向Yに配列されている。ここで、縦方向Xにおいて駆動パッド側端部62bと駆動パッド側端部61bとが揃った状態とは、縦方向Xにおける両駆動パッド側端部61b,62bが互いに重なり合うこと、ワイヤボンディングに起因する製造誤差に応じて一部分が重なり合うことを含む。換言すれば、駆動パッド側端部61b,62bにおける縦方向Xのずれ量が、ワイヤボンディングを行う上でのばらつき程度であれば、駆動パッド側端部61b,62bが縦方向Xに揃っていると言える。
【0540】
この構成によれば、第1駆動ワイヤ61の駆動電極側端部61aと第2駆動ワイヤ62の駆動電極側端部62aとの間の距離DW1を大きく取ることができるため、主面側駆動電極41と駆動パッド21との間のインダクタンスを低減できる。
【0541】
・上記各実施形態及び変更例において、内側本体部111の形状は任意に変更可能である。一例では、
図60に示すように、内側本体部111は、延長部118A,118Bをさらに有してもよい。縦方向Xにおいて、延長部118A,118Bはそれぞれ、内側本体部111のうちの窪み115aよりも第1幅広部111f側の部分に設けられている。延長部118Aは、内側本体部111の第2側面111dから第3封止樹脂側面53に向けて横方向Yに沿って延びている。延長部118Bは、内側本体部111の第3側面111eから第4封止樹脂側面54に向けて横方向Yに沿って延びている。平面視における延長部118A,118Bの形状は矩形状である。
【0542】
図61に示すように、延長部118Bは、第4封止樹脂側面54から露出している。詳細には、延長部118Bは、第4封止樹脂側面54の第2傾斜面54bのうちの厚さ方向Zの第1傾斜面54a側の端部から露出している。延長部118Bは、第4封止樹脂側面54と面一となってもよい。なお、図示していないが、延長部118Aも同様に、第3封止樹脂側面53から露出している。詳細には、延長部118Aは、第3封止樹脂側面53の第2傾斜面53bのうちの厚さ方向Zの第1傾斜面53a側の端部から露出している。延長部118Aは、第3封止樹脂側面53と面一となってもよい。
【0543】
なお、縦方向Xにおける延長部118A,118Bの位置はそれぞれ、任意に変更可能である。延長部118A,118Bの少なくとも一方は、横方向Yからみて、内側本体部111のうちの窪み115aと重なる位置に設けられてもよい。
【0544】
・上記各実施形態及び変更例において、第1薄肉部116aには、厚さ方向Zにおいて第1薄肉部116aを貫通する1又は複数の貫通孔119が設けられてもよい。一例では、
図62に示すように、第1薄肉部116aには、3個の貫通孔119が設けられている。3個の貫通孔119は、横方向Yにおいて離間して設けられている。平面視における各貫通孔119の形状は、円形である。各貫通孔119には、封止樹脂50の一部が入り込んでいる。この構成によれば、各貫通孔119に入り込んだ封止樹脂50により、基板10と封止樹脂50との分離を一層抑制できる。なお、平面視における貫通孔119の形状は任意に変更可能である。また第1薄肉部116aに対する貫通孔119の位置は任意に変更可能である。
【0545】
・上記各実施形態及び変更例において、窪み115aの形状は任意に変更可能である。一例では、
図63に示すように、窪み115aは、駆動リード側窪み115i及び制御リード側窪み115jを含む。平面視において、駆動リード側窪み115iは、駆動リード20の駆動端子22の端子基端部22xにおける横方向Yの中央部を中心C1とした円弧状に形成されている。平面視において、制御リード側窪み115jは、制御リード30の制御端子32の端子基端部32xにおける横方向Yの中央部を中心C2とした円弧状に形成されている。
図63では、駆動リード側窪み115iの半径R1と制御リード側窪み115jの半径R2とは互いに等しい。ここで、半径R1と半径R2とのずれ量が5%以内であれば、半径R1と半径R2とは互いに等しいと言える。
【0546】
この構成によれば、縦方向Xにおける第2封止樹脂側面52から基板10の裏面10b(内側本体部111の露出面111x)までの最短距離である距離DP1は、駆動リード側窪み115iの半径R1と概ね等しく、上記各実施形態と概ね同じ長さとすることができる。このため、上記各実施形態と同様に、沿面距離DPを延長した状態で内側本体部111の体積を上記各実施形態よりも増加させることができる。したがって、基板10の放熱性を向上できる。
【0547】
なお、駆動リード側窪み115iの半径R1及び制御リード側窪み115jの半径R2はそれぞれ任意に変更可能である。一例では、半径R1は、縦方向Xにおける中心C1から半導体素子40の第2側面40dまでの距離に設定してもよい。また半径R2は、縦方向Xにおける中心C1から第2側面40dまでの距離に設定してもよい。この場合、駆動リード側窪み115iと制御リード側窪み115jとの接触部(平面視における駆動リード側窪み115iと制御リード側窪み115jとの交点)は、縦方向Xにおいて、内側本体部111の第1側面111cよりも半導体素子40側に位置する。この構成によれば、沿面距離DPを長くすることができるため、半導体装置1の絶縁耐力を向上できる。
【0548】
・上記各実施形態及び変更例において、第2薄肉部116bの長さL2及び第3薄肉部116cの長さL3はそれぞれ、第1薄肉部116aの長さL1未満の範囲において任意に変更可能である。例えば、長さL2を第2距離D2の1/2よりも長くしてもよい。長さL3を第3距離D3の1/2よりも長くしてもよい。ここで、第2薄肉部116bを構成する窪み115bは、厚さ方向Zからみて、半導体素子40の第3側面40eと揃った状態、もしくは半導体素子40の第3側面40eよりも第3封止樹脂側面53側に位置することが好ましい。また第3薄肉部116cを構成する窪み115cは、厚さ方向Zからみて、半導体素子40の第4側面40fと揃った状態、もしくは半導体素子40の第4側面40fよりも第4封止樹脂側面54側に位置することが好ましい。
【0549】
・上記各実施形態及び変更例において、駆動ワイヤ60は複数本に限られず、1本であってもよい。この場合、例えば、駆動ワイヤ60として第1駆動ワイヤ61を含む場合、駆動電極側端部61aは半導体素子40の露出領域46の横方向Yの中央部に接続され、駆動パッド側端部61bは駆動パッド21の横方向Yの中央部に接続されている。また、駆動ワイヤ60に代えて、リボン状の接続部材を用いてもよい。
【0550】
・上記各実施形態において、基板10に対するX方向における半導体素子40の配置位置は任意に変更可能である。一例では、
図64に示すように、半導体素子40は、その一部が第1薄肉部116aと重なる位置に配置されてもよい。つまり、半導体発光素子40の第2側面40dは基板10の主面10aにおいて基板10の窪み115aよりも第2封止樹脂側面52の近くに位置し、第1側面40cは主面10aにおいて窪み115aよりも第1封止樹脂側面51の近くに位置していてもよい。
図64に示すとおり、半導体素子40は、X方向において窪み115aよりも第1封止樹脂側面51寄りの部分と、窪み115aよりも第2封止樹脂側面52寄りの部分と、を有している。
【0551】
また一例では、
図65に示すように、半導体素子40の全体が第1薄肉部116aと重なる位置に配置されてもよい。つまり、半導体発光素子40の第1側面40cは、基板10の主面10aにおいて基板10の窪み115aよりも第2封止樹脂側面52の近くに位置していてもよい。
【0552】
このような構成によれば、半導体素子40と駆動パッド21との間の距離が短くなるため、第1駆動ワイヤ61および第2駆動ワイヤ62のそれぞれを短くすることができる。したがって、各駆動ワイヤ61,62の長さに起因するインダクタンスを低減できる。
【0553】
(付記)
上記各実施形態及び上記各変更例から把握できる技術的思想を以下に記載する。
(付記13)互いに反対側を向く主面及び裏面を有する基板と、前記基板の主面に実装され、前記主面と同じ方向を向く表面と、前記表面に形成された駆動電極とを有し、SiCを含む半導体素子と、駆動パッドと、互いに離間した状態で前記駆動電極と前記駆動パッドとを接続する複数の駆動ワイヤと、前記半導体素子を封止する封止樹脂と、前記主面と平行な方向を向く前記封止樹脂の第1側面から突出している端子と、を備え、前記複数の駆動ワイヤのうちの最も離間している組み合せを構成する第1駆動ワイヤ及び第2駆動ワイヤは、前記主面に対して垂直な方向である第1方向からみて、前記駆動電極側よりも前記駆動パッド側の方が近づくように前記駆動電極と前記駆動パッドとに接続されており、前記基板の裏面における前記第1側面側の部分には、前記裏面から前記主面に向かう窪みが形成されており、前記封止樹脂の一部が前記窪みに入り込むことによって、前記第1側面から前記基板の裏面のうちの前記封止樹脂から露出する露出面までの距離が、前記封止樹脂の他の側面から前記露出面までの距離よりも長い、半導体装置。
【0554】
(付記14)前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、前記半導体素子と前記駆動パッドとは少なくとも前記第2方向にずれており、前記複数の駆動ワイヤは、前記第3方向に離間して配列されており、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤは、前記複数の駆動ワイヤのうちの前記第3方向の両端にある駆動ワイヤである、付記13に記載の半導体装置。
【0555】
(付記15)前記半導体装置は、前記駆動電極上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の一部に前記駆動電極を露出するように形成された開口部と、を有し、前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、前記第3方向における前記開口部の大きさは、前記第3方向における前記駆動パッドの大きさよりも大きい、付記13又は14に記載の半導体装置。
【0556】
(付記16)前記半導体装置は、前記駆動電極上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の一部に前記駆動電極を露出するように形成された開口部と、を有し、前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、前記駆動電極は、前記開口部によって露出している露出領域を有し、前記露出領域は、前記第3方向の両端部である第1露出端部及び第2露出端部を有し、前記第1駆動ワイヤは、前記露出領域の前記第3方向の中央部よりも前記第1露出端部側に接続され、前記第2駆動ワイヤは、前記露出領域の前記第3方向の中央部よりも前記第2露出端部側に接続されている、付記13~15のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0557】
(付記17)前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、前記駆動パッドは、前記第3方向の両端部である第1端部及び第2端部を有し、前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも第1端部側に接続されており、前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも第2端部側に接続されている、付記14~16のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0558】
(付記18)前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第1端部に接続されており、前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第2端部に接続されている、付記17に記載の半導体装置。
【0559】
(付記19)前記封止樹脂は、前記第1側面と反対側を向く第2側面を有し、前記半導体素子は、前記基板の主面のうちの前記窪みよりも前記第2側面側の部分に実装されている、付記13~18のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0560】
(付記20)前記窪みの深さは、前記基板の厚さの1/2以下である、付記13~19のいずれか1つに記載の半導体装置。
(付記21)前記窪みの深さは、前記基板の厚さの1/3以下である、付記20に記載の半導体装置。
【0561】
(付記22)前記基板の主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向において前記第1側面及び前記第2側面の配列方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向として、前記基板は、前記窪みによって形成された第1薄肉部と、前記基板における前記窪みよりも前記第2側面側の部分において前記基板の前記第3方向の両端部に形成された窪みによって形成された第2薄肉部及び第3薄肉部とを有する、付記13~21のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0562】
(付記23)前記第2方向における前記第1薄肉部の長さは、前記第3方向における前記第2薄肉部の長さ及び前記第3方向における前記第3薄肉部の長さよりも長い、付記22に記載の半導体装置。
【0563】
(付記24)前記封止樹脂は、前記主面と同じ方向を向く封止樹脂天面、及び前記裏面と同じ方向を向く封止樹脂裏面を有し、前記端子のうちの前記第1側面側の基端部である端子基端部は、前記主面よりも前記封止樹脂天面側に配置されている、付記13~23のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0564】
(付記25)前記端子基端部は、前記半導体素子の前記表面よりも前記封止樹脂天面側に配置されている、付記24に記載の半導体装置。
(付記26)互いに反対側を向く主面及び裏面を有する基板と、前記基板の主面に実装され、前記主面と同じ方向を向く表面と、前記表面に形成された駆動電極とを有し、SiCを含む半導体素子と、駆動パッドと、互いに離間した状態で前記駆動電極と前記駆動パッドとを接続する複数の駆動ワイヤと、前記半導体素子を封止する封止樹脂と、前記主面と平行な方向を向く前記封止樹脂の第1側面から突出している端子と、を備え、前記複数の駆動ワイヤは、前記複数の駆動ワイヤのうちの最も離間している組み合わせを構成する第1駆動ワイヤ及び第2駆動ワイヤを含み、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、前記主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、前記半導体素子と前記駆動パッドとは少なくとも前記第2方向にずれており、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤは、前記第3方向に離間して配置されており、前記駆動パッドは、前記第3方向の両端部である第1端部及び第2端部を有し、前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第1端部側に接続されており、前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第2端部側に接続されており、前記基板の裏面における前記第1側面側の部分には、前記裏面から前記主面に向かう窪みが形成されており、前記封止樹脂の一部が前記窪みに入り込むことによって、前記第1側面から前記基板の裏面のうちの前記封止樹脂から露出する露出面までの距離が、前記封止樹脂の他の側面から前記露出面までの距離よりも長い、半導体装置。
【0565】
(付記27)前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第1端部に接続されており、前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第2端部に接続されている、付記26に記載の半導体装置。
【0566】
(付記28)前記半導体装置は、前記駆動電極上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の一部に前記駆動電極を露出するように形成された開口部と、を有し、前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記開口部の大きさよりも大きい、付記26又は27に記載の半導体装置。
【0567】
(付記29)前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記半導体素子の大きさよりも大きい、付記28に記載の半導体装置。
(付記30)前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記基板の大きさの1/2よりも大きい、付記28又は29に記載の半導体装置。
【0568】
(付記31)前記駆動パッドは、第1駆動パッド及び第2駆動パッドを含み、前記第1駆動パッドには前記第1駆動ワイヤの駆動パッド側端部が接続され、前記第2駆動パッドには前記第2駆動ワイヤの駆動パッド側端部が接続され、前記第3方向において、前記第1駆動パッド及び前記第2駆動パッドは、離間して配置されている、付記26に記載の半導体装置。
【0569】
(付記32)前記封止樹脂は、前記第1側面と反対側を向く第2側面を有し、前記半導体素子は、前記基板の主面のうちの前記窪みよりも前記第2側面側の部分に実装されている、付記26~31のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0570】
(付記33)前記窪みの深さは、前記基板の厚さの1/2以下である、付記26~32のいずれか1つに記載の半導体装置。
(付記34)前記窪みの深さは、前記基板の厚さの1/3以下である、付記33に記載の半導体装置。
【0571】
(付記35)前記基板の主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向において前記第1側面及び前記封止樹脂の側面のうちの前記第1側面と対向する第2側面の配列方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向として、前記基板は、前記窪みによって形成された第1薄肉部と、前記基板における前記窪みよりも前記第2側面側の部分において前記基板の前記第3方向の両端部に形成された窪みによって形成された第2薄肉部及び第3薄肉部とを有する、付記26~34のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0572】
(付記36)前記第2方向における前記第1薄肉部の長さは、前記第3方向における前記第2薄肉部の長さ及び前記第3方向における前記第3薄肉部の長さよりも長い、付記35に記載の半導体装置。
【0573】
(付記37)前記封止樹脂は、前記主面と同じ方向を向く封止樹脂天面、及び前記裏面と同じ方向を向く封止樹脂裏面を有し、前記端子のうちの前記第1側面側の基端部である端子基端部は、前記主面よりも前記封止樹脂天面側に配置されている、付記26~36のいずれか1つに記載の半導体装置。
【0574】
(付記38)前記端子基端部は、前記半導体素子の前記表面よりも前記封止樹脂天面側に配置されている、付記37に記載の半導体装置。
(付記2-1)主面を有する基板と、
前記主面に実装され、前記主面と同じ方向を向く表面と、前記表面に形成された駆動電極とを有し、SiCを含む半導体素子と、
駆動パッドと、
互いに離間した状態で前記駆動電極と前記駆動パッドとを接続する複数の駆動ワイヤと、を備え、
前記複数の駆動ワイヤは、最も離間している組み合せを構成する第1駆動ワイヤ及び第2駆動ワイヤを含み、
該第1駆動ワイヤ及び第2駆動ワイヤは、前記主面に対して垂直な方向である第1方向からみて、前記駆動電極側よりも前記駆動パッド側の方が離れるように前記駆動電極と前記駆動パッドとに接続されている
半導体装置。
【0575】
(付記2-2)前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記半導体素子と前記駆動パッドとは少なくとも前記第2方向にずれており、
前記複数の駆動ワイヤは、前記第3方向に離間して配列されており、
前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤは、前記複数の駆動ワイヤのうちの前記第3方向の両端にある駆動ワイヤである
付記2-1に記載の半導体装置。
【0576】
(付記2-3)前記半導体装置は、
前記駆動電極上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の一部に前記駆動電極を露出するように形成された開口部と、を有し、
前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、
前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記開口部の大きさよりも大きい
付記2-2に記載の半導体装置。
【0577】
(付記2-4)前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記半導体素子の大きさよりも大きい
付記2-3に記載の半導体装置。
【0578】
(付記2-5)前記第1駆動ワイヤは、前記第3方向における前記開口部の端部に露出した前記駆動電極に接続されている
付記2-3又は付記2-4に記載の半導体装置。
【0579】
(付記2-6)前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤのそれぞれの前記駆動電極側端部は、前記第2方向において揃った状態で前記第3方向に配列されている
付記2-2~付記2-5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0580】
(付記2-7)前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤのそれぞれの前記駆動電極側端部は、前記第2方向にずれている
付記2-2~付記2-5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0581】
(付記2-8)前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、
前記駆動パッドは、前記第3方向の両端部である第1端部及び第2端部を有し、
前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第1端部側に接続されており、
前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第2端部側に接続されている
付記2-2~付記2-7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0582】
(付記2-9)前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第1端部に接続されており、
前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第2端部に接続されている
付記2-8に記載の半導体装置。
【0583】
(付記2-10)前記駆動電極は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状である
付記2-2~付記2-9のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0584】
(付記2-11)前記半導体装置は、前記半導体素子を封止する封止樹脂を備え、
前記封止樹脂は、前記基板の裏面が露出する封止樹脂裏面と、前記第1方向において前記封止樹脂裏面と反対側を向く封止樹脂天面とを有し、
前記第1方向において、前記駆動パッドは、前記半導体素子よりも前記封止樹脂天面側に配置されている
付記2-1~付記2-10のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0585】
(付記2-12)主面を有する基板と、
前記主面に実装され、前記主面と同じ方向を向く表面と、前記表面に形成された駆動電極とを有し、SiCを含む半導体素子と、
駆動パッドと、
互いに離間した状態で前記駆動電極と前記駆動パッドとを接続する複数の駆動ワイヤと、を備え、
前記半導体素子は、
前記駆動電極上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の一部に前記駆動電極を露出するように形成された開口部と、を有し、
前記主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、
前記複数の駆動ワイヤは、最も離間している組み合わせを構成する第1駆動ワイヤ及び第2駆動ワイヤを含み、
前記駆動電極は、前記開口部によって露出している露出領域を有し、
前記露出領域は、前記第3方向の両端部である第1露出端部及び第2露出端部を有し、
前記第1駆動ワイヤは、前記露出領域の前記第3方向の中央部よりも前記第1露出端部側に接続され、
前記第2駆動ワイヤは、前記露出領域の前記第3方向の中央部よりも前記第2露出端部側に接続されている
半導体装置。
【0586】
(付記2-13)前記半導体素子と前記駆動パッドとは少なくとも前記第2方向にずれており、
前記複数の駆動ワイヤは、前記第3方向に離間して配列されており、
前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤは、前記複数の駆動ワイヤのうちの前記第3方向の両端にある駆動ワイヤである
付記2-12に記載の半導体装置。
【0587】
(付記2-14)前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記開口部の大きさよりも大きい
付記2-12又は付記2-13に記載の半導体装置。
【0588】
(付記2-15)前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤのそれぞれの前記駆動電極側端部は、前記第2方向において揃った状態で前記第3方向に配列されている
付記2-12~付記2-14のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0589】
(付記2-16)前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、
前記駆動パッドは、前記第3方向の両端部である第1端部及び第2端部を有し、
前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第1端部側に接続されており、
前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第2端部側に接続されている
付記2-12~付記2-15のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0590】
(付記2-17)前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第1端部に接続されており、
前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第2端部に接続されている
付記2-16に記載の半導体装置。
【0591】
(付記2-18)前記第1方向からみて、前記駆動電極は、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状である
付記2-12~付記2-17のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0592】
(付記2-19)前記半導体素子は、前記表面に形成された制御電極を有し、
前記半導体装置は、
制御パッドと、
前記制御電極と前記制御パッドとを接続する制御ワイヤと、
を備える
付記2-1~付記2-18のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0593】
(付記2-20)前記複数の駆動ワイヤの線径はそれぞれ、前記制御ワイヤの線径と等しい
付記2-19に記載の半導体装置。
【0594】
(付記2-21)前記制御ワイヤは、前記制御電極に接続される制御電極側端部と、前記制御パッドに接続される制御パッド側端部とを有し、
前記制御電極側端部と前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤのうちの前記制御ワイヤに近い側の駆動ワイヤの前記駆動電極側端部との間の距離は、前記第1駆動ワイヤの駆動電極側端部と前記第2駆動ワイヤの駆動電極側端部との間の距離よりも小さい
付記2-19又は付記2-20に記載の半導体装置。
【0595】
(付記2-22)前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記駆動パッド及び前記制御パッドと前記半導体素子とは、少なくとも前記第2方向にずれており、
前記駆動パッドは、前記第3方向において前記制御パッドと隣り合っている
付記2-19~付記2-21のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0596】
(付記2-23)前記半導体装置は、
センスパッドと、
前記駆動電極と前記センスパッドとを接続するセンスワイヤと、を有する
付記2-19~付記2-22のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0597】
(付記2-24)前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記駆動パッド、前記制御パッド、及び前記センスパッドと前記半導体素子とは、少なくとも前記第2方向にずれており、
前記センスパッドは、前記第3方向において前記駆動パッドと前記制御パッドとの間に配置されている
付記2-23に記載の半導体装置。
【0598】
(付記2-25)前記複数の駆動ワイヤの線径は、前記センスワイヤの線径と等しい
付記2-23又は付記2-24に記載の半導体装置。
(付記2-26)前記複数の駆動ワイヤはそれぞれ、同一の金属からなる
付記2-1~付記2-25のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0599】
(付記2-27)前記複数の駆動ワイヤ及び前記制御ワイヤはそれぞれ、同一の金属からなる
付記2-19~付記2-25のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0600】
(付記2-28)前記複数の駆動ワイヤ、前記制御ワイヤ、及び前記センスワイヤはそれぞれ、同一の金属からなる
付記2-23~付記2-25のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0601】
(付記2-29)前記複数の駆動ワイヤ、前記制御ワイヤ、及び前記センスワイヤの線径は互いに等しい
付記2-23~付記2-25及び付記2-28のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0602】
(付記2-30)前記複数の駆動ワイヤは、アルミニウムを含む
付記2-1~付記2-29のいずれか一項に記載の半導体装置。
(付記2-31)前記半導体素子は、SiCMOSFETである
付記2-1~付記2-30のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0603】
(付記2-32)前記SiCMOSFETは、1kHz以上100kHz以下の信号にてスイッチングする
付記2-31に記載の半導体装置。
【0604】
(付記2-33)前記半導体素子は、ショットキーバリアダイオードである
付記2-1~付記2-19のいずれか一項に記載の半導体装置。
(付記2-34)前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記第3方向における前記半導体装置の大きさは、10mm以下である
付記2-1~付記2-33のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0605】
(付記2-35)互いに反対側を向く主面及び裏面を有する基板と、
前記基板の主面に実装され、SiCを含む半導体素子と、
前記半導体素子を封止する封止樹脂と、
前記主面と平行な方向を向く前記封止樹脂の第1側面から突出している端子と、を備え、
前記基板の裏面における前記第1側面側の部分には、前記裏面から前記主面に向かう窪みが形成されており、
前記封止樹脂の一部が前記窪みに入り込むことによって、前記第1側面から前記基板の裏面のうちの前記封止樹脂から露出する露出面までの距離が、前記封止樹脂の他の側面から前記露出面までの距離よりも長い
半導体装置。
【0606】
(付記2-36)前記封止樹脂は、前記第1側面と反対側を向く第2側面を有し、
前記基板の主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向において前記第1側面及び前記第2側面の配列方向を第2方向とすると、
前記第1方向からみて、前記露出面の前記第1側面側の端縁は、前記第2方向において、前記封止樹脂の前記第2方向の中央部よりも前記第2側面側に配置されている
付記2-35に記載の半導体装置。
【0607】
(付記2-37)前記封止樹脂は、前記第1側面と反対側を向く第2側面を有し、
前記半導体素子は、前記基板の主面のうちの前記窪みよりも前記第2側面側の部分に実装されている
付記2-35又は付記2-36に記載の半導体装置。
【0608】
(付記2-38)前記基板の主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向において前記第1側面及び前記第2側面の配列方向を第2方向とすると、
前記第1方向からみて、前記半導体素子のうちの前記第1側面側の端部は、前記第2方向において、前記基板の主面のうちの前記封止樹脂の前記第2方向の中央部よりも前記第2側面側の部分に位置している
付記2-37に記載の半導体装置。
【0609】
(付記2-39)前記基板の主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向において前記第1側面及び前記第2側面の配列方向を第2方向とすると、
前記第1方向からみて、前記基板は、前記第2方向において前記第2側面と隣り合う幅狭部を有し、
前記第1方向からみて、前記半導体素子は、前記第2方向において前記幅狭部と隣り合うように配置されている
付記2-37又は付記2-38に記載の半導体装置。
【0610】
(付記2-40)前記窪みの深さは、前記基板の厚さの1/2以下である
付記2-35~付記2-39のいずれか一項に記載の半導体装置。
(付記2-41)前記窪みの深さは、前記基板の厚さの1/3以下である
付記2-40に記載の半導体装置。
【0611】
(付記2-42)前記窪みの深さは、前記基板の厚さの1/3以上であり、かつ前記基板の厚さよりも薄い
付記2-35~付記2-39のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0612】
(付記2-43)前記基板の主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向において前記第1側面及び前記封止樹脂の側面のうちの前記第1側面と反対側を向く第2側面の配列方向を第2方向とすると、
前記基板は、前記窪みによって形成された第1薄肉部と、前記第2方向において前記基板のうちの前記窪みよりも前記第2側面側の部分における前記基板の前記第3方向の両端部に形成された窪みによって形成された第2薄肉部及び第3薄肉部とを有する
付記2-35~付記2-42のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0613】
(付記2-44)前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記第2方向における前記第1薄肉部の長さは、前記第3方向における前記第2薄肉部の長さ及び前記第3方向における前記第3薄肉部の長さよりも長い
付記2-43に記載の半導体装置。
【0614】
(付記2-45)前記第1薄肉部には、前記第1方向に前記第1薄肉部を貫通する貫通孔が設けられ、
前記貫通孔には、前記封止樹脂の一部が入り込んでいる
付記2-43又は付記2-44に記載の半導体装置。
【0615】
(付記2-46)前記封止樹脂は、前記主面と同じ方向を向く封止樹脂天面を有し、
前記基板の主面に対して垂直な方向を第1方向とすると、
前記端子のうちの前記第1側面側の基端部である端子基端部は、前記第1方向において、前記主面よりも前記封止樹脂天面側に配置されている
付記2-35~付記2-45のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0616】
(付記2-47)前記半導体素子は、前記主面と同じ方向を向く表面を有し、
前記端子基端部は、前記第1方向において、前記半導体素子の前記表面よりも前記封止樹脂天面側に配置されている
付記2-46に記載の半導体装置。
【0617】
(付記2-48)前記基板の主面に対して垂直な方向を第1方向とすると、
前記第1方向において、前記端子基端部は、前記封止樹脂の前記第1方向の中央部よりも前記封止樹脂天面側に配置されている
付記2-46に記載の半導体装置。
【0618】
(付記2-49)前記封止樹脂は、前記基板の裏面と同じ方向を向く封止樹脂裏面を有し、
前記封止樹脂のうちの前記第1側面と前記露出面との間の部分には、前記封止樹脂裏面から凹む凹部が設けられている
付記2-35~付記2-48のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0619】
(付記2-50)前記封止樹脂は、前記第1側面と反対側を向く第2側面を有し、
前記基板は、前記封止樹脂の側面のうちの前記第1側面及び前記第2側面とは異なる側面に露出している延長部を有する
付記2-35~付記2-49のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0620】
(付記2-51)前記延長部は、前記基板において前記窪みよりも前記第2側面側の部分に設けられている
付記2-50に記載の半導体装置。
【0621】
(付記2-52)前記半導体素子は、前記主面と同じ方向を向く表面と、前記表面に形成された駆動電極とを有し、
前記半導体装置は、駆動パッドと、互いに離間した状態で前記駆動電極と前記駆動パッドとを接続する複数の駆動ワイヤを備え、
前記複数の駆動ワイヤのうちの最も離間している組み合せを構成する第1駆動ワイヤ及び第2駆動ワイヤは、前記主面に対して垂直な方向である第1方向からみて、前記駆動電極側よりも前記駆動パッド側の方が離れるように前記駆動電極と前記駆動パッドとに接続されている
付記2-35~付記2-51のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0622】
(付記2-53)前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記半導体素子と前記駆動パッドとは少なくとも前記第2方向にずれており、
前記複数の駆動ワイヤは、前記第3方向に離間して配列されており、
前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤは、前記複数の駆動ワイヤのうちの前記第3方向の両端にある駆動ワイヤである
付記2-52に記載の半導体装置。
【0623】
(付記2-54)前記基板及び前記駆動パッドは、同一の金属からなる
付記2-52又は付記2-53に記載の半導体装置。
(付記2-55)前記半導体素子は、
前記駆動電極上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の一部に前記駆動電極を露出するように形成された開口部と、を有し、
前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、
前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記開口部の大きさよりも大きい
付記2-52~付記2-54のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0624】
(付記2-56)前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記半導体素子の大きさよりも大きい
付記2-55に記載の半導体装置。
【0625】
(付記2-57)前記第1駆動ワイヤは、前記第3方向における前記開口部の端部に露出した前記駆動電極に接続されている
付記2-55又は付記2-56に記載の半導体装置。
【0626】
(付記2-58)前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤのそれぞれの前記駆動電極側端部は、前記第2方向において揃った状態で前記第3方向に配列されている
付記2-55~付記2-57のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0627】
(付記2-59)前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤのそれぞれの前記駆動電極側端部は、前記第2方向にずれている
付記2-55~付記2-57のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0628】
(付記2-60)前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、
前記駆動パッドは、前記第3方向の両端部である第1端部及び第2端部を有し、
前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第1端部側に接続されており、
前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第2端部側に接続されている
付記2-55~付記2-59のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0629】
(付記2-61)前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第1端部に接続されており、
前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第2端部に接続されている
付記2-60に記載の半導体装置。
【0630】
(付記2-62)前記駆動電極は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状である
付記2-55~付記2-61のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0631】
(付記2-63)前記半導体素子は、
前記主面と同じ方向を向く表面と、
前記表面に形成された駆動電極と、
前記駆動電極上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の一部に前記駆動電極を露出するように形成された開口部と、を有し、
前記半導体装置は、駆動パッドと、互いに離間した状態で前記駆動電極と前記駆動パッドとを接続する複数の駆動ワイヤを備え、
前記主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、
前記複数の駆動ワイヤは、前記複数の駆動ワイヤのうちの最も離間している組み合わせを構成する第1駆動ワイヤ及び第2駆動ワイヤを含み、
前記駆動電極は、前記開口部によって露出している露出領域を有し、
前記露出領域は、前記第3方向の両端部である第1露出端部及び第2露出端部を有し、
前記第1駆動ワイヤは、前記露出領域の前記第3方向の中央部よりも前記第1露出端部側に接続され、
前記第2駆動ワイヤは、前記露出領域の前記第3方向の中央部よりも前記第2露出端部側に接続されている
付記2-35~付記2-51のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0632】
(付記2-64)前記半導体素子と前記駆動パッドとは少なくとも前記第2方向にずれており、
前記複数の駆動ワイヤは、前記第3方向に離間して配列されており、
前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤは、前記複数の駆動ワイヤのうちの前記第3方向の両端にある駆動ワイヤである
付記2-63に記載の半導体装置。
【0633】
(付記2-65)前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記開口部の大きさよりも大きい
付記2-63又は付記2-64に記載の半導体装置。
【0634】
(付記2-66)前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤのそれぞれの前記駆動電極側端部は、前記第2方向において揃った状態で前記第3方向に配列されている
付記2-63~付記2-65のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0635】
(付記2-67)前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、
前記駆動パッドは、前記第3方向の両端部である第1端部及び第2端部を有し、
前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第1端部側に接続されており、
前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第2端部側に接続されている
付記2-63~付記2-66のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0636】
(付記2-68)前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第1端部に接続されており、
前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第2端部に接続されている
付記2-67に記載の半導体装置。
【0637】
(付記2-69)前記第1方向からみて、前記駆動電極は、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状である
付記2-63~付記2-68のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0638】
(付記2-70)前記半導体素子は、前記表面に形成された制御電極を有し、
前記半導体装置は、
制御パッドと、
前記制御電極と前記制御パッドとを接続する制御ワイヤと、
を備える
付記2-52~付記2-69のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0639】
(付記2-71)前記複数の駆動ワイヤの線径はそれぞれ、前記制御ワイヤの線径と等しい
付記2-70に記載の半導体装置。
【0640】
(付記2-72)前記制御ワイヤは、前記制御電極に接続される制御電極側端部と、前記制御パッドに接続される制御パッド側端部とを有し、
前記制御電極側端部と前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤのうちの前記制御ワイヤに近い側の駆動ワイヤの前記駆動電極側端部との間の距離は、前記第1駆動ワイヤの駆動電極側端部と前記第2駆動ワイヤの駆動電極側端部との間の距離よりも小さい
付記2-70又は付記2-71に記載の半導体装置。
【0641】
(付記2-73)前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記駆動パッド及び前記制御パッドと前記半導体素子とは、少なくとも前記第2方向にずれており、
前記駆動パッドは、前記第3方向において前記制御パッドと隣り合っている
付記2-70~付記2-72のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0642】
(付記2-74)前記基板、前記駆動パッド、及び前記制御パッドは、同一の金属からなる
付記2-70~付記2-73のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0643】
(付記2-75)前記半導体装置は、
センスパッドと、
前記駆動電極と前記センスパッドとを接続するセンスワイヤと、を有する
付記2-70~付記2-74のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0644】
(付記2-76)前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記駆動パッド、前記制御パッド、及び前記センスパッドと前記半導体素子とは、少なくとも前記第2方向にずれており、
前記センスパッドは、前記第3方向において前記駆動パッドと前記制御パッドとの間に配置されている
付記2-75に記載の半導体装置。
【0645】
(付記2-77)前記基板、前記駆動パッド、前記制御パッド、及び前記センスパッドは、同一の金属からなる
付記2-75又は付記2-76に記載の半導体装置。
【0646】
(付記2-78)前記複数の駆動ワイヤの線径は、前記センスワイヤの線径と等しい
付記2-75~付記2-77のいずれか一項に記載の半導体装置。
(付記2-79)前記複数の駆動ワイヤはそれぞれ、同一の金属からなる
付記2-52~付記2-78のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0647】
(付記2-80)前記複数の駆動ワイヤ及び前記制御ワイヤはそれぞれ、同一の金属からなる
付記2-70~付記2-78のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0648】
(付記2-81)前記複数の駆動ワイヤ、前記制御ワイヤ、及び前記センスワイヤはそれぞれ、同一の金属からなる
付記2-76~付記2-78のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0649】
(付記2-82)前記複数の駆動ワイヤ、前記制御ワイヤ、及び前記センスワイヤの線径は互いに等しい
付記2-76~付記2-78及び付記2-81のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0650】
(付記2-83)前記複数の駆動ワイヤは、アルミニウムを含む
付記2-52~付記2-82のいずれか一項に記載の半導体装置。
(付記2-84)前記半導体素子は、SiCMOSFETである
付記2-35~付記2-83のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0651】
(付記2-85)前記SiCMOSFETは、1kHz以上100kHz以下の信号にてスイッチングする
付記2-84に記載の半導体装置。
【0652】
(付記2-86)前記基板の主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記第3方向における前記半導体装置の大きさは、10mm以下である
付記2-35~付記2-85のいずれか一項に記載の半導体装置。
【0653】
(付記3-1)
主面を有する基板と、
前記主面に実装され、前記主面と同じ方向を向く表面と、前記表面に形成された駆動電極とを有し、SiCを含む半導体素子と、
駆動パッドと、
互いに離間した状態で前記駆動電極と前記駆動パッドとを接続する複数の駆動ワイヤと、を備え、
前記複数の駆動ワイヤは、最も離間している組み合せを構成する第1駆動ワイヤ及び第2駆動ワイヤを含み、
該第1駆動ワイヤ及び第2駆動ワイヤは、前記主面に対して垂直な方向である第1方向からみて、前記駆動電極側よりも前記駆動パッド側の方が離れるように前記駆動電極と前記駆動パッドとに接続されている
半導体装置。
【0654】
(付記3-2)
前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記半導体素子と前記駆動パッドとは少なくとも前記第2方向にずれており、
前記複数の駆動ワイヤは、前記第3方向に離間して配列されており、
前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤは、前記複数の駆動ワイヤのうちの前記第3方向の両端にある駆動ワイヤである
付記3-1に記載の半導体装置。
【0655】
(付記3-3)
前記半導体装置は、
前記駆動電極上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の一部に前記駆動電極を露出するように形成された開口部と、を有し、
前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、
前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記開口部の大きさよりも大きい
付記3-2に記載の半導体装置。
【0656】
(付記3-4)
前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記半導体素子の大きさよりも大きい
付記3-3に記載の半導体装置。
【0657】
(付記3-5)
前記第1駆動ワイヤは、前記第3方向における前記開口部の端部に露出した前記駆動電極に接続されている
付記3-3又は3-4に記載の半導体装置。
【0658】
(付記3-6)
前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤのそれぞれの前記駆動電極側端部は、前記第2方向において揃った状態で前記第3方向に配列されている
付記3-2~3-5のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0659】
(付記3-7)
前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤのそれぞれの前記駆動電極側端部は、前記第2方向にずれている
付記3-2~3-5のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0660】
(付記3-8)
主面を有する基板と、
前記主面に実装され、前記主面と同じ方向を向く表面と、前記表面に形成された駆動電極とを有し、SiCを含む半導体素子と、
駆動パッドと、
互いに離間した状態で前記駆動電極と前記駆動パッドとを接続する複数の駆動ワイヤと、を備え、
前記半導体素子は、
前記駆動電極上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の一部に前記駆動電極を露出するように形成された開口部と、を有し、
前記主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、
前記複数の駆動ワイヤは、最も離間している組み合わせを構成する第1駆動ワイヤ及び第2駆動ワイヤを含み、
前記駆動電極は、前記開口部によって露出している露出領域を有し、
前記露出領域は、前記第3方向の両端部である第1露出端部及び第2露出端部を有し、
前記第1駆動ワイヤは、前記露出領域の前記第3方向の中央部よりも前記第1露出端部側に接続され、
前記第2駆動ワイヤは、前記露出領域の前記第3方向の中央部よりも前記第2露出端部側に接続されている
半導体装置。
【0661】
(付記3-9)
前記半導体素子と前記駆動パッドとは少なくとも前記第2方向にずれており、
前記複数の駆動ワイヤは、前記第3方向に離間して配列されており、
前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤは、前記複数の駆動ワイヤのうちの前記第3方向の両端にある駆動ワイヤである
付記3-8に記載の半導体装置。
【0662】
(付記3-10)
前記第3方向における前記駆動パッドの大きさは、前記第3方向における前記開口部の大きさよりも大きい
付記3-8又は3-9に記載の半導体装置。
【0663】
(付記3-11)
前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤのそれぞれの前記駆動電極側端部は、前記第2方向において揃った状態で前記第3方向に配列されている
付記3-8~3-10のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0664】
(付記3-12)
前記第1駆動ワイヤ及び前記第2駆動ワイヤはそれぞれ、前記駆動電極に接続されている駆動電極側端部と、前記駆動パッドに接続されている駆動パッド側端部とを有し、
前記駆動パッドは、前記第3方向の両端部である第1端部及び第2端部を有し、
前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第1端部側に接続されており、
前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記駆動パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第2端部側に接続されている
付記3-8~3-11のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0665】
(付記3-13)
前記第1駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第1端部に接続されており、
前記第2駆動ワイヤの前記駆動パッド側端部は、前記第2端部に接続されている
付記3-12に記載の半導体装置。
【0666】
(付記3-14)
前記第1方向からみて、前記駆動電極は、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状である
付記3-8~3-13のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0667】
(付記3-15)
互いに反対側を向く主面及び裏面を有する基板と、
前記基板の主面に実装され、SiCを含む半導体素子と、
前記半導体素子を封止する封止樹脂と、
前記主面と平行な方向を向く前記封止樹脂の第1側面から突出している端子と、を備え、
前記基板の裏面における前記第1側面側の部分には、前記裏面から前記主面に向かう窪みが形成されており、
前記封止樹脂の一部が前記窪みに入り込むことによって、前記第1側面から前記基板の裏面のうちの前記封止樹脂から露出する露出面までの距離が、前記封止樹脂の他の側面から前記露出面までの距離よりも長い
半導体装置。
【0668】
(付記3-16)
前記封止樹脂は、前記第1側面と反対側を向く第2側面を有し、
前記基板の主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向において前記第1側面及び前記第2側面の配列方向を第2方向とすると、
前記第1方向からみて、前記露出面の前記第1側面側の端縁は、前記第2方向において、前記封止樹脂の前記第2方向の中央部よりも前記第2側面側に配置されている
付記3-15に記載の半導体装置。
【0669】
(付記3-17)
前記封止樹脂は、前記第1側面と反対側を向く第2側面を有し、
前記半導体素子は、前記基板の主面のうちの前記窪みよりも前記第2側面側の部分に実装されている
付記3-15又は3-16に記載の半導体装置。
【0670】
(付記3-18)
前記基板の主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向において前記第1側面及び前記第2側面の配列方向を第2方向とすると、
前記第1方向からみて、前記半導体素子のうちの前記第1側面側の端部は、前記第2方向において、前記基板の主面のうちの前記封止樹脂の前記第2方向の中央部よりも前記第2側面側の部分に位置している
付記3-17に記載の半導体装置。
【0671】
(付記3-19)
前記基板の主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向において前記第1側面及び前記第2側面の配列方向を第2方向とすると、
前記第1方向からみて、前記基板は、前記第2方向において前記第2側面と隣り合う幅狭部を有し、
前記第1方向からみて、前記半導体素子は、前記第2方向において前記幅狭部と隣り合うように配置されている
付記3-17又は3-18に記載の半導体装置。
【0672】
(付記3-20)
前記窪みの深さは、前記基板の厚さの1/2以下である
付記3-15~3-19のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0673】
(付記4-1)
主面を有する基板と、
前記主面に実装され、前記主面と同じ方向を向く表面と、前記表面に形成された第1電極とを有し、SiCを含む半導体素子と、
前記基板と離れて配置される第1パッドと、
前記第1電極と前記第1パッドとを接続する互いに離間した複数のワイヤと、を備え、
前記第1電極上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の一部に前記第1電極を露出するように形成された開口部と、
を有し、
前記主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、
前記複数のワイヤは、前記第3方向に最も離間している組み合せを構成する第1ワイヤ及び第2ワイヤを含み、
該第1ワイヤ及び第2ワイヤの間隔は、前記第1方向からみて、前記第1電極側の間隔よりも前記第1パッド側の間隔の方が離れるように前記第1電極と前記第1パッドとに接続され、
前記第3方向における前記第1パッドの大きさは、前記第3方向における前記開口部の大きさよりも大きい、
半導体装置。
【0674】
(付記4-2)
前記第3方向における前記第1パッドの大きさは、前記第3方向における前記半導体素子の大きさよりも大きい
付記4-1に記載の半導体装置。
【0675】
(付記4-3)
前記第1ワイヤは、前記開口部に露出した前記第1電極の前記第3方向における端部に接続されている
付記4-1又は付記4-2に記載の半導体装置。
【0676】
(付記4-4)
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤはそれぞれ、前記第1電極に接続されている第1電極側端部と、前記第1パッドに接続されている第1パッド側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤのそれぞれの前記第1電極側端部は、前記第2方向において揃った状態で前記第3方向に配列されている
付記4-1~4-3のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0677】
(付記4-5)
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤはそれぞれ、前記第1電極に接続されている第1電極側端部と、前記第1パッドに接続されている第1パッド側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤのそれぞれの前記第1電極側端部は、前記第2方向にずれている
付記4-1~4-3のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0678】
(付記4-6)
主面を有する基板と、
前記主面に実装され、前記主面と同じ方向を向く表面と、前記表面に形成された第1電極とを有し、SiCを含む半導体素子と、
前記基板と離れて配置される第1パッドと、
前記第1電極と前記第1パッドとを接続する互いに離間した複数のワイヤと、を備え、
前記半導体素子は、
前記第1電極上に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の一部に前記第1電極を露出するように形成された開口部と、
を有し、
前記主面に対して垂直な方向を第1方向とし、前記第1方向と直交する方向を第2方向とし、前記第1方向及び前記第2方向と直交する方向を第3方向とすると、
前記開口部は、前記第1方向からみて、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状に形成され、
前記複数のワイヤは、前記長辺方向に沿って配置され、前記第3方向に最も離間している組み合わせを構成する第1ワイヤ及び第2ワイヤを含み、
前記第1電極は、前記開口部によって露出している露出領域を有し、
前記露出領域は、前記第3方向の両端部である第1露出端部及び第2露出端部を有し、
前記第1ワイヤの前記露出領域に接続される部分は、前記露出領域の前記長辺方向の中央部よりも前記第1露出端部側に接続され、
前記第2ワイヤは、前記露出領域の前記長辺方向の中央部よりも前記第2露出端部側に接続され、
前記第3方向における前記第1パッドの大きさは、前記第3方向における前記開口部の大きさよりも大きい、
半導体装置。
【0679】
(付記4-7)
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤはそれぞれ、前記第1電極に接続されている第1電極側端部と、前記第1パッドに接続されている第1パッド側端部とを有し、
前記第1方向からみて、前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤのそれぞれの前記第1電極側端部は、前記第2方向において揃った状態で前記第3方向に配列されている
付記4-6に記載の半導体装置。
【0680】
(付記4-8)
前記第1ワイヤ及び前記第2ワイヤはそれぞれ、前記第1電極に接続されている第1電極側端部と、前記第1パッドに接続されている第1パッド側端部とを有し、
前記第1パッドは、前記第3方向の両端部である第1端部及び第2端部を有し、
前記第1ワイヤの前記第1パッド側端部は、前記第1パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第1端部側に接続されており、
前記第2ワイヤの前記第1パッド側端部は、前記第1パッドの前記第3方向の中央部よりも前記第2端部側に接続されている
付記4-6又は付記4-7に記載の半導体装置。
【0681】
(付記4-9)
前記第1ワイヤの前記第1パッド側端部は、前記第1端部に接続されており、
前記第2ワイヤの前記第1パッド側端部は、前記第2端部に接続されている
付記4-8に記載の半導体装置。
【0682】
(付記4-10)
前記第1方向からみて、前記第1電極は、前記第2方向を短辺方向とし、前記第3方向を長辺方向とする矩形状である
付記4-6~4-9のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0683】
(付記4-11)
前記半導体素子及び前記基板の少なくとも一部を封止し、前記主面と前記第1方向に直交する第1側面を有する封止樹脂と、
前記第1側面から前記主面と平行な方向に前記封止樹脂から突出する第1端子と、
を備え、前記基板は導電性の金属板であり、互いに反対側を向く基板主面および基板裏面を有し、
前記基板裏面における前記第1側面側の部分には、前記半導体素子の下の前記基板裏面の部分から前記基板の前記第1側面側の端部に向かう窪みが形成されており、
前記封止樹脂の一部が前記窪みに入り込むことによって、前記第1側面から前記基板裏面のうちの前記封止樹脂から露出する露出面までの距離が、前記封止樹脂の他の側面から前記露出面までの距離よりも長い
付記4-1~4-10のいずれか一つに記載の半導体装置。
【0684】
(付記4-12)
前記封止樹脂は、前記第1側面と対向する第2側面を有し、
前記半導体装置の第2端子は前記第2側面から突出しており、
前記露出面の前記第1側面側の端縁は、前記封止樹脂の前記第2方向の中央部よりも前記第2側面側に配置されている
付記4-11に記載の半導体装置。
【0685】
(付記4-13)
前記封止樹脂は、前記第1側面と対向する第2側面を有し、
前記第2側面は前記第1側面の反対側に位置しており、
前記半導体素子は、前記基板主面のうちの前記窪みよりも前記第2側面側の部分に実装されている
付記4-11又は付記4-12に記載の半導体装置。
【0686】
(付記4-14)
前記半導体素子のうちの前記第1側面側の端部は、前記基板の主面のうちの前記封止樹脂の前記第2方向の中央部よりも前記第2側面側の部分に位置している
付記4-13に記載の半導体装置。
【0687】
(付記4-15)
前記半導体装置の第2端子は前記第2側面から突出しており、
前記第1方向からみて、前記基板は、前記第2方向において前記第2側面から突出する前記第2端子の部分に繋がるとともに前記第2側面に沿って互いに隣り合う複数の幅狭部を有し、
前記第1方向からみて、前記半導体素子は、前記第2方向において前記幅狭部から離れた位置に配置されている
付記4-13又は付記4-14に記載の半導体装置。
【0688】
(付記4-16)
前記窪みの深さは、前記基板の厚さの1/2以下である
付記4-11~4-15のいずれか一つに記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0689】
1…半導体装置
10…基板
10a…主面
10b…裏面
21…駆動パッド
21C…第1駆動パッド(駆動パッド)
21D…第2駆動パッド(駆動パッド)
21a…第1端部
21b…第2端部
21c…第1端部
21d…第2端部
21e…第1端部
21f…第2端部
22…駆動端子(端子)
22x…端子基端部
22xa~22xe…端子基端部
31…制御パッド
40…半導体素子
40a…表面
41…主面側駆動電極(駆動電極)
43…制御電極
44…パッシベーション膜(絶縁膜)
45…開口部
45A…第1開口部(開口部)
46…露出領域
46a…第1露出端部
46b…第2露出端部
50…封止樹脂
51…第1封止樹脂側面(第2側面)
52…第2封止樹脂側面(第1側面)
55…封止樹脂裏面
56…封止樹脂天面
59a…凹部
60…複数の駆動ワイヤ
61…第1駆動ワイヤ(駆動ワイヤ)
61a…駆動電極側端部
61b…駆動パッド側端部
62…第2駆動ワイヤ(駆動ワイヤ)
62a…駆動電極側端部
62b…駆動パッド側端部
63…第3駆動ワイヤ(駆動ワイヤ)
63a…駆動電極側端部
63b…駆動パッド側端部
64…第4駆動ワイヤ(駆動ワイヤ)
64a…駆動電極側端部
64b…駆動パッド側端部
70…制御ワイヤ
81…センスパッド
90…センスワイヤ
111x…露出面
113…幅狭部
115a…窪み
115b…窪み
115c…窪み
116a…第1薄肉部
116b…第2薄肉部
116c…第3薄肉部
118A,118B…延長部
119…貫通孔
X…縦方向(第2方向)
Y…横方向(第3方向)
Z…厚さ方向(第1方向)