IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社セフト研究所の特許一覧

<>
  • 特開-空調衣服 図1
  • 特開-空調衣服 図2
  • 特開-空調衣服 図3
  • 特開-空調衣服 図4
  • 特開-空調衣服 図5
  • 特開-空調衣服 図6
  • 特開-空調衣服 図7
  • 特開-空調衣服 図8
  • 特開-空調衣服 図9
  • 特開-空調衣服 図10
  • 特開-空調衣服 図11
  • 特開-空調衣服 図12
  • 特開-空調衣服 図13
  • 特開-空調衣服 図14
  • 特開-空調衣服 図15
  • 特開-空調衣服 図16
  • 特開-空調衣服 図17
  • 特開-空調衣服 図18
  • 特開-空調衣服 図19
  • 特開-空調衣服 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024009203
(43)【公開日】2024-01-19
(54)【発明の名称】空調衣服
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/002 20060101AFI20240112BHJP
   A41D 13/00 20060101ALI20240112BHJP
   A41D 1/00 20180101ALI20240112BHJP
【FI】
A41D13/002 105
A41D13/00 102
A41D13/00 112
A41D1/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023198115
(22)【出願日】2023-11-22
(62)【分割の表示】P 2022012609の分割
【原出願日】2017-05-12
(71)【出願人】
【識別番号】592171005
【氏名又は名称】株式会社セフト研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】市ヶ谷 弘司
(57)【要約】
【課題】表示の確認や操作等の際に、逐一電源装置を取り出す必要のない空調衣服を提供する。
【解決手段】服本体1と、服本体1の内部に空気を導入するファン2,2と、ファン2,2に電力を供給する電源部3と、電源部3に有線通信又は無線通信により接続され、ファン2,2に供給される電力の制御を行う制御部4と、制御部4を服本体1の前身頃に着脱自在に保持する制御部保持手段と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
服本体と、
前記服本体の内部に空気を導入する空気導入手段と、
前記空気導入手段に電力を供給する電源部と、
前記電源部に有線通信又は無線通信により接続され、前記空気導入手段に供給される電力の制御を行う制御部と、
前記制御部を前記服本体の前身頃に着脱自在に保持する制御部保持手段と、
を備えることを特徴とする空調衣服。
【請求項2】
前記制御部は、前記制御部保持手段によって保持された状態で着用者によって視認可能な表示手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の空調衣服。
【請求項3】
前記表示手段は、前記制御部の上面に備えられた複数のライトであることを特徴とする請求項2に記載の空調衣服。
【請求項4】
前記制御部は、前記制御部保持手段によって保持された状態で着用者によって操作可能な操作手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の空調衣服。
【請求項5】
前記服本体は前身頃に形成された前身頃開口部を備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の空調衣服。
【請求項6】
前記制御部保持手段は、前記前身頃開口部を覆うポケットであることを特徴とする請求項5に記載の空調衣服。
【請求項7】
前記制御部は、後面側に、前記前身頃開口部と外部空間との間の空気の流通路を確保する空間確保手段を備えることを特徴とする請求項6に記載の空調衣服。
【請求項8】
前記制御部は前記前身頃開口部を貫通して前記服本体に取り付けられ、前記制御部と前記前身頃開口部との間に、前記服本体の内部と外部空間とを接続する空気の流通路が形成されることを特徴とする請求項5に記載の空調衣服。
【請求項9】
前記制御部は、
前記電源部及び前記空気導入手段と接続ケーブルによって接続され、
前記空気導入手段に供給する電力の強度を変換する電力変換手段を備えることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の空調衣服。
【請求項10】
前記制御部は、
前記電源部の電池残量を測定する電池残量測定手段と、
前記電力変換手段に対し電力強度を指示する電力強度指示手段と、を備えることを特徴とする請求項9に記載の空調衣服。
【請求項11】
前記空気導入手段はファンであり、
前記服本体は前身頃に形成された前身頃開口部を備え、
前記ファンは、前記前身頃開口部に向くように傾いた状態で、前記服本体に取り付けられることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の空調衣服。
【請求項12】
生体情報の測定を行う生体センサーを備え、
前記制御部は、前記生体センサーと通信を行うための通信手段を備え、前記生体センサーから受信した情報を基に着用者の体調に関する表示を行うことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の空調衣服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調衣服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、身体を冷却する空調衣服が実用化され、急速に普及しつつある。従来の空調衣服は、通気性の低い素材で形成された服本体と、服本体の後側の下方に取り付けられた2つのファンと、2つのファンに電力を供給するための電源装置と、電源装置と2つのファンとを電気的に接続するための電源ケーブルと、を備える。
【0003】
ファンを作動させると、大量の空気がファンから服本体内に取り込まれる。取り込まれた空気の圧力により服本体と着用者の身体との間に空気流通路が自動的に形成され、取り込まれた空気は、形成された空気流通路を着用者の身体又は下着の表面に沿って流通し、例えば、襟部や袖部の開口部から外部に排出される。
そして、取り込まれた空気が、服本体と着用者の身体又は下着との間の空気流通路を流通する間に、身体から出た汗を蒸発させ、蒸発する際の気化熱により身体が冷却される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/063065号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の空調衣服において、ファンに供給する電力の強度の調整等を行うための制御部は、電源装置に一体的に設けられ、これが服本体の内側に備えられていた。したがって、着用者が制御部に備えられた表示手段の表示を確認したり、制御部に備えられた操作手段を操作したりする際には、電源装置を逐一取り出す必要があり、非常に不便であった。
【0006】
本発明の課題は、表示の確認や操作等の際に、逐一電源装置を取り出す必要のない空調衣服を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、空調衣服において、
服本体と、
前記服本体の内部に空気を導入する空気導入手段と、
前記空気導入手段に電力を供給する電源部と、
前記電源部に有線通信又は無線通信により接続され、前記空気導入手段に供給される電力の制御を行う制御部と、
前記制御部を前記服本体の前身頃に着脱自在に保持する制御部保持手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の空調衣服において、
前記制御部は、前記制御部保持手段によって保持された状態で着用者によって視認可能な表示手段を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の空調衣服において、
前記表示手段は、前記制御部の上面に備えられた複数のライトであることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の空調衣服において、
前記制御部は、前記制御部保持手段によって保持された状態で着用者によって操作可能な操作手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の空調衣服において、
前記服本体は前身頃に形成された前身頃開口部を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の空調衣服において、
前記制御部保持手段は、前記前身頃開口部を覆うポケットであることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の空調衣服において、
前記制御部は、後面側に、前記前身頃開口部と外部空間との間の空気の流通路を確保する空間確保手段を備えることを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の空調衣服において、
前記制御部は前記前身頃開口部を貫通して前記服本体に取り付けられ、前記制御部と前記前身頃開口部との間に、前記服本体の内部と外部空間とを接続する空気の流通路が形成されることを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の空調衣服において、
前記制御部は、
前記電源部及び前記空気導入手段と接続ケーブルによって接続され、
前記空気導入手段に供給する電力の強度を変換する電力変換手段を備えることを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の空調衣服において、
前記制御部は、
前記電源部の電池残量を測定する電池残量測定手段と、
前記電力変換手段に対し電力強度を指示する電力強度指示手段と、を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項11に記載の発明は、請求項1~10のいずれか一項に記載の空調衣服において、
前記空気導入手段はファンであり、
前記服本体は前身頃に形成された前身頃開口部を備え、
前記ファンは、前記前身頃開口部に向くように傾いた状態で、前記服本体に取り付けられることを特徴とする。
【0018】
請求項12に記載の発明は、請求項1~11のいずれか一項に記載の空調衣服において、
生体情報の測定を行う生体センサーを備え、
前記制御部は、前記生体センサーと通信を行うための通信手段を備え、前記生体センサーから受信した情報を基に着用者の体調に関する表示を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、表示の確認や操作等の際に、逐一電源装置を取り出す必要のない空調衣服を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態に係る空調衣服の開閉手段を閉じた状態における正面図(a)及び背面図(b)である。
図2】第1実施形態に係る空調衣服の開閉手段を開いた状態における正面図である。
図3】第1実施形態に係る空調衣服の電気系統の接続状態を示す模式図である。
図4図1(a)のIV-IV部における断面図である。
図5】第1実施形態に係る空調衣服のファンを示す図である。
図6】第1実施形態に係る空調衣服の制御部の背面図(a)及び平面図(b)である。
図7】第1実施形態に係る空調衣服の空気の流れを示す図であり、(a)は正面図、(b)は背面図である。
図8】第2実施形態に係る空調衣服の開閉手段を開いた状態における正面図である。
図9】第2実施形態に係る空調衣服の電気系統の接続状態を示す模式図である。
図10】第3実施形態に係る空調衣服の開閉手段を開いた状態における正面図である。
図11】第3実施形態に係る空調衣服の電気系統の接続状態を示す模式図である。
図12】変形例1に係る空調衣服の制御部の正面図(a)及び側面図(b)である。
図13】変形例1に係る空調衣服の正面図である。
図14図13のXIV-XIV部における断面図である。
図15】変形例1に係る空調衣服の前身頃開口部及び覆い布を示す正面図である。なお、破線は縫い目を表し、点線は覆い布の後方の前身頃開口部を表す。
図16図13のXVI-XVI部における断面図である。
図17】その他の変形例に係る制御部及びその周囲を示す断面図である。
図18】その他の変形例に係る制御部及びその周囲を示す断面図である
図19】その他の変形例に係る制御部及びその周囲を示す断面図である
図20】その他の変形例に係るファンを示す図である
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態である空調衣服について、図1から図15に基づいて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は図示例に限定されない。
なお、以下においては、着用者が空調衣服を着用した状態を基準として、着用者の前側を前、着用者の後側を後、着用者の上側を上、着用者の下側を下、着用者の右手側を右、着用者の左手側を左と定めて説明する。
【0022】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る空調衣服100について、図1から図7に基づいて説明する。
【0023】
{実施形態の構成}
第1実施形態に係る空調衣服100は、図1図3に示すように、服本体1と、服本体1内部に空気を導入するファン2,2と、ファン2,2に電力を供給する電源部3と、空調衣服100の制御を行う制御部4と、電源部3と制御部4とを接続する電源部~制御部接続ケーブル5と、ファン2,2と制御部4とを接続する制御部~ファン接続ケーブル6と、を備える。
【0024】
(服本体)
服本体1は、図1及び図2に示すように、服地部11と、開閉手段12と、裾部空気漏れ防止手段13と、制御部収納ポケット14と、電源部収納ポケット15と、開口孔補強部材16,16と、を備える。
【0025】
(服地部)
服地部11は、図1及び図2に示すように、通気性のないシート状部材又はファン2、2による空気の導入によって膨らませることができる程度の通気性を有するシート状部材によって、着用者の胴部及び腕部を覆う形状に形成されている。本実施形態では、服地部11をブルゾン型の上衣の形状に形成しているが、服地部11の形状はこれに限られず、例えば着用者の胴部のみを覆うベスト型に形成してもよい。
服地部11には、2つの開口孔111、111と、襟部空気排出部112と、袖部空気排出部113、113と、前身頃開口部114と、が形成されている。
【0026】
開口孔111、111は、図1に示すように、服地部11の着用者の腰の左右に対応する位置に形成された、空調衣服100の着用時において、外部と、服地部11と着用者の身体BDとの間の空間と、を繋ぐこととなる孔部である。2つの開口孔111,111は、略同一の高さに形成されている。そして、開口孔111,111にはファン2,2が取り付けられる。
なお、開口孔111,111が形成される位置としては、上記の位置に限られず、服地部11の側面、前面等に形成することも可能である。また、開口孔111が形成される個数は、2か所に限られず、これより少数又は多数の開口孔111を形成し、これに対応した数のファン2を備えてもよい。
【0027】
襟部空気排出部112は、ファン2、2によって開口孔111,111から導入された空気を着用者の身体又は下着に沿って流通させた後に排出するため、着用者の首と服地部11の襟部の端部との間に形成された開口部である。
【0028】
袖部空気排出部113、113は、ファン2、2によって開口孔111、111から導入された空気を着用者の身体又は下着に沿って流通させた後に排出するため、着用者の腕と服地部11の袖部の端部との間に形成された開口部である。
【0029】
前身頃開口部114は、図2に示すように、服地部11の前身頃に設けられた、空調衣服100の着用時において、外部と、服地部11と着用者の身体BDとの間の空間と、を繋ぐこととなる孔部であり、図1(a)に示すように、服地部11の外側から制御部収納ポケット14によって覆われている。
【0030】
図1及び図2においては、前身頃開口部114が着用者の胸部の開閉手段12近傍の左側に設けられた場合について図示したが、前身頃開口部114及びこれを覆う制御部収納ポケット14が備えられる位置はこれに限られず、前身頃の任意の位置に備えることが可能である。
また、図2においては、前身頃開口部114を略四角形状に形成した場合について図示したが、前身頃開口部114は、制御部収納ポケット14によって覆うことができ、かつ十分な空気の流通路を確保することができれば、任意の形状及び大きさを採用可能である。ただし、制御部4が服本体1内に落下しない程度の大きさに形成されることが望ましい。
【0031】
(開閉手段)
開閉手段12は、図1及び図2に示すように、服地部11の前部に備えられ、空調衣服100を着用する際に、服本体1の前部を開閉するためのものである。開閉手段12としては、例えば、ファスナー等が用いられる。
【0032】
(裾部空気漏れ防止手段)
裾部空気漏れ防止手段13は、図1及び図2に示すように、服地部11下部に備えられた、服地部11と着用者の身体BDとの間の空間内の空気が服地部11の裾部から外部に漏れることを防止するための部材であり、例えば、服地部11の下部の端部付近に、ゴム紐等の伸縮性のある部材を、着用者の身体を周回するように備えることによって形成される。空調衣服100の着用時においては、裾部空気漏れ防止手段13によって、服地部11の裾部が絞り込まれて着用者の身体BDに密着し、服地部11下部から空気が外部に漏れることを防止することができる。
【0033】
(制御部収納ポケット)
制御部収納ポケット14は、図1及び図4に示すように、服地部11の前身頃の表面側に、前身頃開口部114を覆うように形成されたポケットであり、制御部4が収納される。すなわち、本実施形態においては、制御部収納ポケット14が本発明における制御部保持手段として機能する。
制御部収納ポケット14は、シート状の部材を左右及び下部において服地部11に縫合等の方法によって固定することによって形成され、上部に開口部が形成されている。
【0034】
また、制御部収納ポケット14は、図4に示すように、上下方向の長さが制御部4より僅かに長く形成され、制御部4の全体が制御部収納ポケット14に収納されることが、制御部4の落下防止の観点から望ましいが、制御部4の上部が制御部収納ポケット14から露出していてもよい。
【0035】
(電源部収納ポケット)
電源部収納ポケット15は、図2に示すように、服地部11の裏面側に形成されたポケットであり、電源部3が収納される。図2においては、電源部収納ポケット15が、前身頃の前身頃開口部114の下方の位置に備えられた場合について図示したが、これに限られず、服地部11裏面側の任意の位置に備えることが可能である。
なお、電源部3を服本体1に保持するための手段としては、必ずしもポケットを用いる必要はなく、電源部3を服本体1に着脱自在に保持することが可能であれば、任意の構成を使用することができる。また、例えばズボンのベルトに電源部3を取り付ける等の構成により、電源部3が服本体1に保持されないようにすることも可能である。
【0036】
(開口孔補強部材)
開口孔補強部材16,16は、例えばプラスチック等によって形成された扁平な環状の部材であり、中心に開口孔111,111と大きさが略一致する孔部161,161を有する。図2に示すように、開口孔補強部材16,16は、開口孔111,111に孔部161,161が重なるように、服地部11の裏面側に取り付けられる。これによって、服地部11の開口孔111,111周辺が補強され、ファン2,2を開口孔111,111に取り付けることが可能となる。
開口孔補強部材16,16の服地部11,11への取り付けには、縫合、接着等任意の方法を用いることができ、また、開口孔補強部材16,16を裏面側から覆う裏地が備えられていてもよい。
【0037】
(ファン)
ファン2,2は、図1及び図2に示すように、開口孔111,111に取り付けられ、開口孔111,111を通して、服地部11と着用者の身体BDとの間の空間に空気を導入するためのものである。すなわち、ファン2,2が本発明における空気導入手段として機能する。
ファン2,2には、電源部3より、電源部~制御部接続ケーブル5と、制御部4と、制御部~ファン接続ケーブル6と、を通じて必要な電力が供給される。
【0038】
ファン2,2は、図5に示すように、ファン本体21と、これを服本体1に固定するためのリング状の取付けリング22と、を備える。
【0039】
ファン本体21は、内部にプロペラ(不図示)とプロペラを回転させるモーター(不図示)とを収納し、図5に示すように、ファン2、2の使用時において空気が取り込まれる側を構成する空気取込部211と、ファン2、2の使用時において空気が送出される側を構成する空気送出部212と、空気取込部211と空気送出部212の間の筒状の連結部である筒状部213と、筒状部213の空気取込部211側の端部から筒状部213の側面と略垂直な方向に突出するフランジ部214とを有する。筒状部213は、その中心軸に垂直な平面で切った際の断面の外形が円形となる円筒状に形成され、その外径は、開口孔111,111の内径と同一か極僅かに小さくなるように形成されている。
【0040】
また、ファン本体21は、空気送出部212側の所定の位置に、制御部~ファン接続ケーブル6と接続されるファン接続端子215を有する。ファン接続端子215は制御部~ファン接続ケーブル6に対応した端子である必要があり、本実施形態においては、2芯端子が用いられている。
【0041】
取付けリング22は、ファン本体21を服地部11の開口孔111に取り付けるためのリング状の部材であり、その内径が筒状部213の外形と同一か、極僅かに大きくなるように形成されている。
【0042】
筒状部213の外面と、取付けリング22の内面とには、例えば、取付けリング22の内面側に凸部が形成され、筒状部213の外面側に当該凸部と係合する凹部を形成することにより、係止手段(不図示)が形成されている。
【0043】
ファン2,2を服本体1に取り付ける際には、図5に示すように、ファン本体21の空気送出部212側を、開口孔111に服地部11の外面側から挿入して、フランジ部214が、服地部11の開口孔111周囲の部分と接するようにする。次に、取付けリング22を、服地部11の内面側から筒状部213の外側に差し込むことにより、フランジ部214と取付けリング22とによって、服地部11の開口孔111周囲の部分及び開口孔補強部材16の孔部161周囲の部分を挟み込み、その状態で係止手段によって取付けリング22をファン本体21に固定する。
これによって、ファン2を服本体1に固定することができる。
【0044】
(電源部)
電源部3は、ファン2,2及び制御部4に電力を供給するための部材であり、例えば、安全保護回路が付加されたリチウムイオン組電池が内蔵され、図3に示すように、電源部~制御部接続ケーブル5を通じて制御部4と接続するための、電源部第1接続端子31を備える。
電源部第1接続端子31は電源部~制御部接続ケーブル5に対応した端子である必要があり、本実施形態においては、2芯端子が用いられている。
また、図2に示したように、本実施形態においては、電源部3は、電源部収納ポケット15に収納されているが、上記のように電源部3を保持するための手段はこれに限られない。
【0045】
(制御部)
制御部4は、空調衣服100の制御を行うための部材であり、従来の空調衣服と異なり、電源部3と一体的に形成されることなく、独立して備えられている。
【0046】
制御部4には、電源部3から供給された電力を複数段階の強度でファンに供給する電力変換回路(不図示)と、電源部3の電池の残量を測定する残量測定回路(不図示)と、電力変換回路に強度を指示する強度指示回路(不図示)と、が内蔵されている。すなわち、電力変換回路が本発明における電力変換手段として機能し、残量測定回路が本発明における電池残量測定手段として機能し、強度指示回路が本発明における電力強度指示手段として機能する。
【0047】
また、図6に示すように、制御部4の上面には複数のLEDからなる表示手段41が備えられ、右側面には操作手段42としてのタクタイルスイッチが備えられ、後面下部には、制御部第1接続端子43と、制御部第2接続端子44と、が備えられている。
【0048】
制御部4の外形は、図6(a)に示す様に背面視において上下方向に長く、また図6(b)に示すように平面視において左右方向に長い略直方体状に形成され、後面側の左右方向両端部には、後方に向けて延出する壁部である空間確保手段45,45が形成されている。
制御部4の外形は、上下方向の幅が左右方向の幅よりも広く、左右方向の幅が前後方向の幅よりも広くなるように形成されていることが望ましい。
【0049】
(表示手段)
表示手段41は、制御部4上面に備えられた複数(図6(b)においては4つ)のLEDからなり、操作手段42による着用者の操作に応じて、電池の残量、ファンに供給する電力の強度、回路の異常等についての表示を行う。
なお、表示手段41の位置及び表示方法は図示したものに限られず、空調衣服100の着用者が、制御部4を制御部収納ポケット14に収納した状態のままで視認可能であれば、任意の位置及び表示方法を選択可能である。
例えば、表示手段41として液晶等で構成されたディスプレイを設けてもよい。また、制御部4の上下方向の長さが制御部収納ポケット14の上下方向の長さよりも長い場合においては、表示手段41を、制御部4の前面上部又は側面上部の外部に露出した部分に備えることも可能である。
【0050】
(操作手段)
操作手段42は、例えばタクタイルスイッチからなり、電源のオン/オフの切り替え、ファン2,2に供給する電力の強度の切り替え等の操作に使用される。
具体的には、例えば、操作手段42のタクタイルスイッチを長押しすると電源が入り、電源が入った状態では、これを、一度押すと表示手段41の表示がファン2,2に供給する電力の強度の表示に切り替わり、更に押すとファン2,2に供給する電力の強度が切り替わり、長押しすると電源が切れるように構成される。
また、これに対応して、表示手段41は、例えば、電源が入った状態では通常は電池の残量が表示され、操作手段42としてのタクタイルスイッチを押すとファン2,2に供給する電力の強度の表示に切り替わり、操作から数秒が経過すると電池の残量の表示に切り替わるように構成される。
【0051】
なお、操作手段42は、必ずしもタクタイルスイッチには限られず、制御部収納ポケット14に制御部4を収納した状態のまま操作できるものであれば各種の一般的なスイッチを使用可能である。
また、操作手段42は、制御部収納ポケット14に制御部4を収納した状態のまま操作できる位置であれば、制御部4の任意の位置に設置可能である。ただし、特に前面に設置する場合においては、例えば着用者が荷物を抱えた際等に、操作手段42に外部の物体が触れて誤作動が生じることを防止するための手段を講じることが望ましい。具体的には、例えば、制御部4に凹部を設け、当該凹部中に操作手段42を外部に大きく突出しないように備えることができる。
また、操作手段42の数は一つには限られず、用途ごとに複数の操作手段42を備えてもよく、例えば、電源のオン/オフの切り替えに用いられるスイッチと、ファン2,2に供給する電力の強度の切り替えに用いられるスイッチを別のスイッチとすることができる。
【0052】
(接続端子)
制御部4の後面側には、電源部~制御部接続ケーブル5と接続するための端子である制御部第1接続端子43と、制御部~ファン接続ケーブル6と接続するための端子である制御部第2接続端子44と、が備えられている。
【0053】
制御部第1接続端子43は電源部~制御部接続ケーブル5に対応した端子である必要があり、本実施形態においては、2芯端子が用いられている。また、制御部第2接続端子44は、制御部~ファン接続ケーブル6に対応した端子である必要があり、本実施形態においては、2芯端子が用いられている。
なお、制御部第1接続端子43と、制御部第2接続端子44とは、差し間違い防止のため、異なる形状の端子とすることが望ましい。
【0054】
(空間確保手段)
制御部4の後面側の左右方向両端部には、図4及び図6に示すように、後方に向けて延出する壁面状の空間確保手段45,45が備えられている。空間確保手段45,45は、制御部4を制御部収納ポケット14に収納した状態において、前身頃開口部114と制御部収納ポケット14の外部の空間との間の空気の流通路を確保するためのものである。
なお、空間確保手段45,45の形状は、図示したものに限られず、制御部4後面側に間隙を生じさせ、前身頃開口部114と外部空間との間に空気の流通路を形成させることができるものであれば、任意の形状を使用可能である。
【0055】
なお、空調衣服100を着用して行う作業内容によっては、前身頃開口部114から排出される空気が作業の妨げとなる場合がある。したがって、必要に応じて前身頃開口部114からの空気の排出を止めることができる空気漏れ防止手段が備えられることが望ましい。
空気漏れ防止手段としては、例えば、制御部4に、空間確保手段45,45の間の空気流通路を埋めるための、スポンジ等で形成された開閉自在の蓋を備えることができる。
【0056】
図4に示すように、制御部4は、制御部収納ポケット14に、表示手段41が備えられた上面側が、制御部収納ポケット14上部の開口部を向き、空間確保手段45,45が備えられた後面側が着用者の身体BD側を向くように収納される。
また、制御部4には、前身頃開口部114を通じて、制御部第1接続端子43に電源部~制御部接続ケーブル5が接続され、制御部第2接続端子44に制御部~ファン接続ケーブル6が接続される。
【0057】
(電源部~制御部接続ケーブル)
電源部~制御部接続ケーブル5は、電源部3と制御部4とを接続するケーブルであり、2芯ケーブルが用いられる。電源部~制御部接続ケーブル5を通じて、電源部3から制御部4に対して、制御部4及びファン2,2の稼働に必要な電力が供給されると共に、電池残量に関する情報が送信される。
【0058】
電源部~制御部接続ケーブル5は、図3に示すように、一方の端部に、電源部第1接続端子31と接続するための2芯端子である電源部~制御部接続ケーブル第1接続端子51を有し、他方の端部に、制御部第1接続端子43と接続するための2芯端子である電源部~制御部接続ケーブル第2接続端子52を有し、前身頃開口部114を通って、電源部3の電源部第1接続端子31と、制御部4の制御部第1接続端子43と、を接続する。
なお、電源部~制御部接続ケーブル5としては、2芯ケーブルに限られず、上記の機能を果たすことが可能であれば、任意のケーブルを使用可能である。この場合、電源部第1接続端子31及び制御部第1接続端子43についても、これに対応した端子とする必要がある。
【0059】
(制御部~ファン接続ケーブル)
制御部~ファン接続ケーブル6は、制御部4とファン2,2とを接続するケーブルであり、2芯ケーブルが用いられる。制御部~ファン接続ケーブル6を通じて、制御部4からファン2,2に対して、ファン2,2の稼働に必要な電力が供給される。
【0060】
制御部~ファン接続ケーブル6は、図3に示すように、一方の端部に、制御部第2接続端子44と接続するための2芯端子である制御部~ファン接続ケーブル第1接続端子61を有し、他方の端部は二股に枝分かれし、夫々の端部に、ファン接続端子215,215と接続するための2芯端子である制御部~ファン接続ケーブル第2接続端子62,62を有し、前身頃開口部114を通って、制御部4の制御部第2接続端子44と、ファン2,2のファン接続端子215,215とを接続する。
なお、制御部~ファン接続ケーブル6としては、2芯ケーブルに限られず、上記の機能を果たすことが可能であれば、任意のケーブルを使用可能である。この場合、制御部第2接続端子44及びファン接続端子215,215についても、これに対応した端子とする必要がある。
【0061】
{制御部の着脱方法}
制御部4は、以下の手順を経て、服本体1に取り付けられる。
(1) 制御部収納ポケット14に制御部4を入れる。この際には、空間確保手段45,45が備えられた面が着用者の身体BD側を向き、また、表示手段41が備えられた面が、制御部収納ポケット14上部の開口部を向くように収納する必要がある。
(2) ファン2,2のファン接続端子215,215と、制御部~ファン接続ケーブル6の制御部~ファン接続ケーブル第2接続端子62,62とを接続する。
(3) 電源部3の電源部第1接続端子31と、電源部~制御部接続ケーブル5の電源部~制御部接続ケーブル第1接続端子51とを接続する。
(4) 制御部4の制御部第2接続端子44と、制御部~ファン接続ケーブル6の制御部~ファン接続ケーブル第1接続端子61とを接続する。
(5) 制御部4の制御部第1接続端子43と、電源部~制御部接続ケーブル5の電源部~制御部接続ケーブル第2接続端子52とを接続する。
なお、制御部4の取り外しの際には、上記の逆の手順によって行えばよい。
【0062】
{実施形態の効果}
本実施形態によれば、電源部3と制御部4とが夫々独立して形成され、制御部4が制御部収納ポケット14に収納されているため、制御部収納ポケット14を形成するシート状部材の上から操作手段42のタクタイルスイッチを押すことによって、制御部4を制御部収納ポケット14に収納したままで、操作手段42を操作することができる。また、表示手段41は、制御部収納ポケット14上部の開口部を向いているため、着用者は視線を下に向けるのみで、空調衣服100の使用中には電池の残量を確認でき、また、操作手段42を用いてファン2,2に供給する電力の強度を切り替える際には、電力強度の表示を確認することができる。
【0063】
したがって、制御部が電源部と一体的に形成された従来の空調衣服とは異なり、表示手段41の表示を確認する際や、操作手段42の操作を行う際に、逐一電源部を取り出す必要がなくなり、表示の確認や操作の際の煩わしさを解消することができると共に、操作中に誤って電源部を落下させてしまうことも防止できる。
【0064】
また、従来の空調衣服のように制御部が電源部と一体的に形成されている場合、機器が破損した際等には、これを一括して交換するしかなく、要する費用が高額であった。しかし、本実施形態によれば、操作部と電源部とが個別に形成されているため、夫々を個別に交換することが可能となり、機器を交換する際に要する費用を低減することができる。
【0065】
また、制御部4を取り出す際には、これと接続された各ケーブルが引っ張られることとなるため、ケーブルや接続端子に負担が掛かるが、本実施形態によれば、空調衣服100の着用中に制御部4を取り出す必要がなくなるため、ケーブルや接続端子に掛かる負担を軽減でき、その使用可能期間を延ばすことが出来る。
【0066】
また、服地部11の前身頃には、前身頃開口部114が備えられており、また、制御部4の後面側には空間確保手段45,45が備えられているため、制御部収納ポケット14に制御部4を収納した状態においても、服地部11の前身頃に、前身頃開口部114及び空間確保手段45,45の間の空間を介した一定の空気の流通路が確保される。
これによって、空調衣服100の使用中は、ファン2,2が外気を取り込み服本体1の内部が陽圧となっているため、当該流通路を介して、常に服本体1内部から外部に空気が排出されることなる。
したがって、前身頃開口部114が、前身頃における空気抵抗の安定した空気排出部として機能することとなり、図7に示すように空気が流通し、着用者の腹部付近を効率よく冷却することができる。
【0067】
また、制御部収納ポケット14によって前身頃開口部114が覆われるため、前身頃開口部114によって空調衣服100の外観を悪化させることがない。また、簡易な構造で前身頃に空気の流通路を形成することができるため、製造コストを大きく増加させてしまうこともない。
【0068】
また、図4に示すように、制御部収納ポケット14の上下方向の長さを、制御部4の上下方向の長さより長く形成した場合、制御部4の上端が制御部収納ポケット14の上端よりも下に位置し、太陽光の下で使用した場合でも制御部4上部に設けられた表示手段41への日差しが遮られる。これによって、屋外における表示手段41の視認性を向上させることができる。
【0069】
また、電源部3が独立しているため、電源部3のみを容易に交換することができる。したがって、用途に応じて、必要な容量の電源部3を選択的に使用することが可能となる。
また、電源部3と、制御部4とが独立しているため、電源部3の取り出し易さを考慮する必要がなくなり、任意の位置に電源部3を備えることが可能となる。これによって、例えば、大容量で重い電源部3を使用する場合には、電源部3をベルトクリップでズボンのベルトに取り付けることによって、重量の負担を軽減することができる。
【0070】
また、電源部3と制御部4とを切り離すことによって、待機電力がなくなり、追加の充電を行うことなく、空調衣服100を使用可能な状態で長期間保存しておくことが可能となる。
【0071】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る空調衣服100Aについて、図8及び図9に基づいて説明する。なお、第1実施形態に係る空調衣服100と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0072】
{実施形態の構成}
第2実施形態に係る空調衣服100Aは、図9に示すように、ファン2,2と電源部3Aとを直接接続したものである。
【0073】
(電源部)
電源部3Aは、電力変換回路を備える。すなわち、第1実施形態に係る空調衣服100においては制御部4に備えられていた電力変換回路が、第2実施形態に係る空調衣服100Aにおいては、電源部3Aに備えられている。
また、電源部3Aは、ファン2,2との接続に用いられる2芯端子である電源部第2接続端子32を有する。
また、制御部4Aとの接続に用いられる電源部第1接続端子31Aは、後述のように多芯ケーブルである電源部~制御部接続ケーブル5Aに対応した多芯端子となっている。
なお、電源部第1接続端子31Aと、電源部第2接続端子32とは、差し間違い防止のため、異なる形状の端子とすることが望ましい。
その余の構成は第1実施形態にかかる電源部3と同様である。
【0074】
(制御部)
制御部4Aは、図9に示すように、第1実施形態に係る制御部4と異なり、ファン2,2と接続されない。したがって、ファン2,2との接続に用いられる制御部第2接続端子44は備えられていない。
また、本実施形態においては、電力変換回路は電源部3Aに備えられるため、制御部4Aには備えられていない。
また、電源部3Aとの接続に用いられる制御部第1接続端子43Aは、後述のように多芯ケーブルである電源部~制御部接続ケーブル5Aに対応した多芯端子となっている。
その余の構成は第1実施形態にかかる制御部4と同様である。
【0075】
(電源部~制御部接続ケーブル)
電源部~制御部接続ケーブル5Aは、電源部3Aと制御部4Aとを接続するケーブルであり、多芯ケーブルが用いられる。電源部~制御部接続ケーブル5Aを通じて、制御部4Aに備えられた強度指示回路の指示が電源部3Aに備えられた電力変換回路に送信され、また、電源部3Aから制御部4Aに対し、制御部4Aの稼働に必要な電力が供給されると共に、電池残量に関する情報が送信される。
【0076】
電源部~制御部接続ケーブル5Aは、図9に示すように、一方の端部に、電源部第1接続端子31Aと接続するための多芯端子である電源部~制御部接続ケーブル第1接続端子51Aを有し、他方の端部に、制御部第1接続端子43Aと接続するための多芯端子である電源部~制御部接続ケーブル第2接続端子52Aを有し、前身頃開口部114を通って、電源部3Aの電源部第1接続端子31Aと、制御部4Aの制御部第1接続端子43Aと、を接続する。
なお、電源部~制御部接続ケーブル5Aとしては、必ずしも多芯ケーブルを用いる必要はなく、例えばグランド線と信号線による2芯ケーブル等、上記の機能を果たすことが可能であれば、任意のケーブルを使用可能である。この場合、電源部第1接続端子31A及び制御部第1接続端子43Aについても、これに対応した端子とする必要がある。
【0077】
(電源部~ファン接続ケーブル)
電源部~ファン接続ケーブル7は、電源部3Aと、ファン2,2と、を接続するケーブルであり、2芯ケーブルが用いられる。電源部~ファン接続ケーブル7を通じて、電源部3Aからファン2,2に対して、ファン2,2の稼働に必要な電力が供給される。
【0078】
電源部~ファン接続ケーブル7は、図9に示すように、一方の端部に、電源部第2接続端子32と接続するための2芯端子である電源部~ファン接続ケーブル第1接続端子71を有し、他方の端部は二股に枝分かれし、夫々の端部に、ファン接続端子215,215と接続するための2芯端子である電源部~ファン接続ケーブル第2接続端子72,72を有し、電源部3Aの電源部第2接続端子32と、ファン2,2のファン接続端子215,215とを接続する。
なお、電源部~ファン接続ケーブル7としては、2芯ケーブルに限られず、上記の機能を果たすことが可能であれば、任意のケーブルを使用可能である。この場合、電源部第2接続端子32及びファン接続端子215,215についても、これに対応した端子とする必要がある。
【0079】
{実施形態の効果}
本実施形態によれば、第1実施形態と異なり、制御部4Aには電力変換回路が備えられておらず、代わりに電源部3Aに電力変換回路が備えられている。これによって、制御部4Aに内蔵されている主要な回路は、電源部3Aの電池の残量を測定する残量測定回路及び電源部3Aに備えられた電力変換回路に強度を指示する強度指示回路のみであり、強度指示回路の指示が、電源部~制御部接続ケーブル5Aを通じて、制御部4Aから電源部3Aに送られ、電源部3Aにおいて電力の変換が行われることとなる。
そして、電源部3Aとファン2,2とが直接接続され、変換された電力を、電源部3Aがファン2,2に直接供給する。
【0080】
したがって、本実施形態においては、制御部4Aは、電力変換回路を内蔵しない分、小型・軽量化することが可能となり、服地部11の前身頃の外側に備えられる制御部4Aを小型・軽量化することで、空調衣服100の着用者の負担を軽減するとともに、制御部が着用者の作業の妨げとなる可能性を低減することができる。
【0081】
なお、本実施形態においては、電源部と制御部との間で双方向の通信を行うための手段として、電源部~制御部接続ケーブル5Aを用いる場合について説明したが、電源部及び制御部の双方に無線通信用の通信手段を設けることにより、電源部と制御部とを無線通信で接続して使用することも可能である。この場合、制御部には独立して稼働するためのバッテリー等の電源手段が備えられる必要がある。
この場合、電源部と制御部との間を繋ぐケーブルがなくなるため、各機器を自由に配置でき、ケーブルが着用者の邪魔になることも防止できる。
【0082】
[第3実施形態]
第3実施形態に係る空調衣服100Bについて、図10及び図11に基づいて説明する。なお、第1実施形態に係る空調衣服100と同一の部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0083】
{実施形態の構成}
第3実施形態に係る空調衣服100Bは、図11に示すように、独立した電力変換部8を備えたものである。
【0084】
(制御部)
制御部4Bは、図11に示すように、ファン2,2及び電源部3と接続されない。したがって、制御部第1接続端子43及び制御部第2接続端子44は備えられていない。
また、本実施形態においては、電力変換回路は電力変換部8に備えられるため、制御部4Bには備えられていない。
【0085】
また、制御部4Bは、無線通信用の通信手段(不図示)を備え、無線通信によって電力変換部8と接続される。これによって、制御部4Bは、無線通信によって、電力変換部8に対して強度指示回路の指示を送信するとともに、電力変換部8から、電源部3の電池残量に関する情報を受信することとなる。なお、制御部4Bは、電源部と有線接続されないため、独立して稼働するためのバッテリー等の電源手段(不図示)が備えられている。
その余の構成は第1実施形態にかかる制御部4と同様である。
なお、制御部4Bと電力変換部8とが、接続ケーブルによって有線接続されるようにすることも可能である。
【0086】
(電力変換部)
電力変換部8は、電力変換回路を備え、制御部4Bの強度指示回路の指示に応じて、電源部3から供給された電力を所定の強度に変換の上、ファン2,2に供給する。また、電源部3から受信した電池残量に関する情報を、制御部4Bに送信する。
【0087】
電力変換部8には、電源部~電力変換部接続ケーブル9と接続するための端子である電力変換部第1接続端子81と、電力変換部~ファン接続ケーブル10と接続するための端子である電力変換部第2接続端子82とが備えられている。また、制御部4Bとの無線通信を行うための通信手段(不図示)が備えられている。
【0088】
電力変換部第1接続端子81は電源部~電力変換部接続ケーブル9の電源部~電力変換部接続ケーブル第2接続端子92に対応した端子である必要があり、本実施形態においては、2芯端子が用いられている。また、電力変換部第2接続端子82は、電力変換部~ファン接続ケーブル10の電力変換部~ファン接続ケーブル第1接続端子101に対応した端子である必要があり、本実施形態においては、2芯端子が用いられている。
なお、電力変換部第1接続端子81と、電力変換部第2接続端子82とは、差し間違い防止のため、異なる形状の端子とすることが望ましい。
【0089】
電力変換部8は、図10に示すように、服地部11内側の所定の位置において、例えば服地部11内側に備えられた電力変換部収納ポケット17に収納される形で、服本体1に備えられる。また、電源部収納ポケット15内に、電源部3と共に収納されるようにしてもよい。
なお、電力変換部8を服本体1に保持するための手段としては、必ずしもポケットを用いる必要はなく、電力変換部8を服本体1に着脱自在に保持することが可能であれば、任意の構成を使用することができる。また、例えばズボンのベルトに電力変換部8を取り付ける等の構成により、電力変換部8が服本体1に保持されないようにすることも可能である。
【0090】
(電源部~電力変換部接続ケーブル)
電源部~電力変換部接続ケーブル9は、電源部3と電力変換部8とを接続するケーブルであり、2芯ケーブルが用いられる。電源部~電力変換部接続ケーブル9を通じて、電源部3から電力変換部8に対して、電力変換部8及びファン2,2の稼働に必要な電力が供給されると共に、電力変換部8から制御部4Bに送信されることとなる電池残量に関する情報が送信される。
【0091】
電源部~電力変換部接続ケーブル9は、図11に示すように、一方の端部に、電源部第1接続端子31と接続するため電源部~電力変換部接続ケーブル第1接続端子91を有し、他方の端部に、電力変換部第1接続端子81と接続するための電源部~電力変換部接続ケーブル第2接続端子92を有し、電源部3の電源部第1接続端子31と、電力変換部8の電力変換部第1接続端子81と、を接続する。
なお、電源部~電力変換部接続ケーブル9としては、2芯ケーブルに限られず、上記の機能を果たすことが可能であれば、任意のケーブルを使用可能である。この場合、電源部第1接続端子31及び電力変換部第1接続端子81についても、これに対応した端子とする必要がある。
【0092】
(電力変換部~ファン接続ケーブル)
電力変換部~ファン接続ケーブル10は、電力変換部8とファン2,2とを接続するケーブルであり、2芯ケーブルが用いられる。電力変換部~ファン接続ケーブル10を通じて、電力変換部8からファン2,2に対して、ファン2,2の稼働に必要な電力が供給される。
【0093】
電力変換部~ファン接続ケーブル10は、図11に示すように、一方の端部に、電力変換部第2接続端子82と接続するための2芯端子である電力変換部~ファン接続ケーブル第1接続端子101を有し、他方の端部は二股に枝分かれし、夫々の端部に、ファン接続端子215,215と接続するための2芯端子である電力変換部~ファン接続ケーブル第2接続端子102,102を有し、電力変換部8の電力変換部第2接続端子82と、ファン2,2のファン接続端子215,215とを接続する。
なお、電力変換部~ファン接続ケーブル10としては、2芯ケーブルに限られず、上記の機能を果たすことが可能であれば、任意のケーブルを使用可能である。この場合、電力変換部第2接続端子82及びファン接続端子215,215についても、これに対応した端子とする必要がある。
【0094】
{実施形態の効果}
本実施形態によれば、第2実施形態と同様に制御部4Bを小型・軽量化でき、さらに電源部と電力変換回路が別個に形成されることによって、電源部の構成が複雑化し、電源部が大型かつ高価なものとなることも防止できる。
また、制御部4Bが電力変換部8と無線通信を行うようにした場合、制御部4Bと電力変換部8とをケーブルによって接続する必要がなくなり、各機器を自由に配置でき、ケーブルが着用者の邪魔になることも防止できる。
【0095】
[変形例]
以下、上記実施形態の変形例について説明する。
【0096】
{変形例1}
第1実施形態においては、制御部及び服本体の制御部が取り付けられる部分について、以下のように構成することも可能である。
【0097】
(制御部)
制御部4Cは、図12(a)に示すように、略直方体状の主部4Caと、主部4Ca下部に連なるように略直方体状に形成され、正面視において主部4Caと比較して幅の狭い端子取付部4Cbと、により構成されている。
端子取付部4Cbの右側面には制御部第1接続端子43が備えられ、端子取付部4Cbの左側面には制御部第2接続端子44が備えらており、電源部~制御部接続ケーブル5を端子取付部4Cbの右側面に、制御部~ファン接続ケーブル6を端子取付部4Cbの左側面に接続する。
【0098】
また、図12(b)に示すように、操作手段42Aとしてのタクタイルスイッチは、主部4Ca前面に配置されている。
【0099】
主部4Caの前面には、図12(a)及び図12(b)に示すように、クリップ46が備えられ、図13及び図14に示すように、これを用いて、覆い布18及び服地部11Aの前身頃開口部114Aの縁部を挟むことによって、制御部4Cを服地部11Aに固定するように構成されている。すなわち、本変形例においては、クリップ46が本発明における制御部保持手段として機能する。
【0100】
クリップ46の、操作手段42Aのタクタイルスイッチに対向する部分は、図12(b)及び図14に示すように後方に凸となっており、操作手段42Aのタクタイルスイッチと近接するようになっている。
【0101】
(前身頃開口部)
前身頃開口部114Aは、服地部11Aの前身頃において、図15に示すように、左右方向の切り込みとして形成され、覆い布18によって覆われている。
【0102】
(覆い布)
覆い布18は、図13及び図15に示すように、略矩形状に形成されたシート状の部材であり、左右方向に前身頃開口部114Aより長く形成され、図15に示すように、左右方向及び下方向の縁部付近並びに前身頃開口部114Aの僅かに下の部分において、服地部11Aに縫い付けられている。
【0103】
(前身頃開口部及び覆い布の作成手順)
前身頃開口部114A及び覆い布18の具体的作成手順について、制御部4Cの主部4Caの左右方向の幅が2cmの場合を例として説明する。
(1) 服地部11Aに、左右方向に3cmの切り込みを入れ、前身頃開口部114Aを形成する
(2) 服地部11Aと同じ材質の、上下方向2cm、左右方向4cmの略矩形状のシート状の部材である覆い布18を、前身頃開口部114Aを覆うように配置する。
(3) 覆い布18を、左右方向及び下方向の縁部付近並びに前身頃開口部114Aの僅かに下の部分において、服地部11Aに縫い付ける。
【0104】
(制御部の取り付け手順)
次に制御部4Cの取り付け手順について説明する。
(1) 覆い布18の上端から、制御部4Cを、クリップ付のボールペンを胸ポケットに差し込むようにして、前身頃開口部114Aを貫通して下部が服本体1A内に至るように差し込む。
(2) クリップ46によって覆い布18及び服地部11Aを挟むようにして、制御部4Cを服本体1Aに固定する。
(3) 服本体1Aの内側から、電源部~制御部接続ケーブル5を制御部第1接続端子43に接続し、制御部~ファン接続ケーブル6を制御部第2接続端子44に接続する。
【0105】
(変形例1の効果)
本変形例によれば、制御部4Cを服本体1Aに取り付けた状態においても、図16に示すように、制御部4Cの左右に空間が生じることとなる。したがって、制御部の後面側に空間確保手段としての壁部を設けずとも、いわば制御部4Cの前後方向の厚みそのものが空間確保手段として機能し、制御部4Cの左右の側面と、服地部11A及び覆い布18との間に空気排出部が形成され、ここから空気を排出することが可能となる。
【0106】
また、本変形例においても、図16に示すように表示手段41は制御部4Cの上面側に備えられているため、着用者は視線を下方に向けるのみでこれを確認することができる。
また、クリップ46の、操作手段42Aのタクタイルスイッチに対向する部分は、図12(a)及び図14に示すように後方に凸となり、操作手段42Aのタクタイルスイッチと近接するようになっている。したがって、前方からクリップ46の当該部分を押すことにより、覆い布18を介して操作手段42Aを操作することができ、操作性が向上する。
また、正面視においては、図13に示すように、覆い布18及びクリップ46のみが視認されるようになり、スーツの胸ポケットの左右方向の幅を狭くした形状と類似した外観となり、見栄えがよい。
【0107】
なお、上記においては第1実施形態の変形例を例に挙げて説明したが、同様の構成を、第2実施形態又は第3実施形態において用いることも可能である。
【0108】
{その他の変形例}
(制御部保持手段)
いずれの実施形態においても、本発明における制御部保持手段は、制御部収納ポケット14に限られず、制御部4を服本体1の前身頃に着脱自在に保持できるものであれば、任意の構成を採用可能である。
具体的には、例えば、実施形態1について、以下のように構成することが可能である。
【0109】
図17に示すように、前面側に制御部保持手段としてのクリップ46Aを備え、その余は制御部4と同様に構成された制御部4Dを用い、クリップ46Aによって、服地部11Aの前身頃に左右方向の切り込みとして形成された前身頃開口部114Aの縁部を挟むことによって、制御部4Dを服地部11Aに固定してもよい。この際、制御部4Dの上部が、前身頃開口部114Aから外部に露出するようにする。
この場合、クリップ46Aは、制御部4Dを服地部11Aに固定することが可能であれば任意の形状でよく、例えば図17に示したように、上下方向に略直線状に形成されたクリップを用いることができる。
また、前身頃開口部は、左右方向の切り込みに限られず、制御部4Dを通すことができるものであれば任意の形状に形成することができる。
【0110】
また、図18に示すように、制御部保持手段として、服地部11Aの裏面側の前身頃開口部114Aの直下の位置に、保持用ループ19を備えてもよい。保持用ループ19は、例えば、シート状の材料によって、その内周の長さが制御部4の外周の長さと同一か、ごく僅かに大きくなるように形成された環状の部材である。
制御部4を上方から保持用ループ19に通すことによって、制御部4を、上部が前身頃開口部114Aから外部に露出した状態で、服地部11Aに固定することができる。
この場合も、前身頃開口部は、左右方向の切り込みに限られず、制御部4を通すことができるものであれば任意の形状に形成することができる。
また、制御部に制御部保持手段としてのクリップを備えた上で、さらに服地部11Aに保持用ループ19を備えてもよい。
【0111】
また、図19に示したように、制御部保持手段として、服地部11A裏面の前身頃開口部114Aの直下に備えられ、後面側に後面側孔部141を備えた制御部収納ポケット14Aを備え、制御部収納ポケット14Aに収納された制御部4の上部が前身頃開口部114Aを通って外部に露出し、各接続ケーブルは後面側孔部141を通って制御部4に接続されるようにしてもよい。
この場合も、前身頃開口部は、左右方向の切り込みに限られず、制御部4を通すことができるものであれば任意の形状に形成することができる。
【0112】
また、制御部を前身頃開口部とは離れた位置において服本体に保持するように構成することも可能である。
例えば、制御部保持手段としてのクリップを備えた制御部を用い、当該クリップによって、制御部を服本体外面側の襟等の所定の位置に固定してもよい。この場合、接続ケーブルが邪魔にならないように、制御部は、ケーブルを用いず無線通信によって他の機器と接続されることが望ましい。
また、制御部保持手段を、服地部の前身頃裏面の任意の位置に備えられたポケットとし、これに制御部を収納してもよい。ただし、この場合、表示手段の確認時には、開閉手段のファスナーを開く必要があるため、空調衣服の使用状態においては、表示手段を確認することができなくなる。
【0113】
なお、上記においては第1実施形態の変形例を例に挙げて説明したが、同様の構成を、第2実施形態又は第3実施形態において用いることも可能である。
【0114】
(ファン)
服本体内部における前身頃開口部への空気の流量を増加させるため、ファンの取り付け角度を変え、ファンによって服本体内部に導入される空気の向きを前身頃開口部に向けてもよい。
【0115】
例えば、図1及び図7に示したように、ファンが、着用者の腰部付近の左右両側に備えられ、前身頃開口部が着用者の胸部付近の開閉手段12近傍に備えられた場合には、左側のファンを左斜め上方に傾けて服地部に固定し、右側のファンを右斜め上方に傾けて服地部に固定することが望ましい。
【0116】
ファンを服地部に対し傾けて取り付けるためには、例えば、図15に示すファン2Aのように、フランジ部214Aを、筒状部213の側面と垂直な方向から所定の各度で傾斜させて形成する。さらに、取付けリング22Aの服本体1と当接する側の端部を、取付けリング22Aの中心軸に垂直な平面から、フランジ部214Aの傾斜角度と一致する角度で傾斜させて形成する。
この場合、筒状部213が服地部の開口孔に斜めに通されることとなり、筒状部213の開口孔を通る部分の断面形状が楕円形状となる。したがって、服地部11Bの開口孔111A及び開口孔補強部材16Aの孔部161Aも、これと一致する楕円形状に形成される必要がある。
【0117】
なお、ファンを服地部に対して傾けて取り付けた場合、ファン本体21Aの空気送出部212から斜めに空気が送出されるため、空調衣服の使用中にファン2Aが回転してしまうおそれがある。したがって回転防止手段(図示せず)を備えることが望ましい。回転防止手段としては、例えば、以下の3つの方法を用いることができるが、その他の一般的な方法も用いることも出来る。
【0118】
(1) ファン本体の筒状部の外面の開口孔補強部材の孔部を通る部分の適所に凸部又は凹部を形成し、開口孔補強部材の孔部の内周にこれと係合する凹部又は凸部を形成する。
(2) ファン本体のフランジ部の服地部と当接する側又は取付リングの開口孔補強部材と当接する端部の適所に凸部又は凹部を形成し、開口孔補強部材にこれと係合する凹部又は凸部を形成する。
(3) ファン近傍の服地部の裏面の適所とファン本体又は取付リングの適所とを紐等の連結手段により連結する。
【0119】
(表示手段)
いずれの実施形態においても、表示手段41の表示は必ずしも常時表示されている必要はなく、スイッチの操作によって短時間のみ表示されるようにしてもよい。これによって、電源部のバッテリーの減少を抑制することができる。
【0120】
(接続ケーブル)
上記においては、各接続ケーブルが両端部に接続端子を備え、両端部が着脱自在に形成された場合につき説明したが、いずれの実施形態においても、ケーブルの一方の端部が、ファン、電源部、制御部又は電力変換部のいずれかに直接接続されていてもよい。
【0121】
(取出防止機構)
いずれの実施形態においても、各接続ケーブルが取り付けられた状態では制御部を制御部収納ポケットから取り出せなくするための取出防止機構が備えられることが望ましい。これによって、ケーブルが取り付けられたままの状態で制御部が取り出され、各接続ケーブル及び端子に負荷が掛かることを防止できる。
【0122】
(落下防止機構)
いずれの実施形態においても、制御部が制御部収納ポケット14内部から、前身頃開口部114を通って服本体1内部に落下しないようにするための、落下防止機構が備えられることが望ましい。
【0123】
(警告手段)
いずれの実施形態においても、制御部は、電源部の電池残量が少なくなった場合や、いずれかの部材に異常が生じた場合に、音、振動等で警告を発する警告手段を備えることが望ましい。
【0124】
(ケーブル通し)
いずれの実施形態においても、各接続ケーブルを服地部内側において保持するためのケーブル通しを、服地部内側の所定の一又は複数の位置に備えることが望ましい。これによって、各接続ケーブルが服地部内側において安定的に保持されるようになる。
【0125】
(生体センサー)
いずれの実施形態においても、服本体の所定の位置に、生体情報の測定を行う生体センサーを備えると共に、制御部に、生体センサーと通信を行うための通信手段を備え、制御部の表示手段が、生体センサーから受信した情報を基に着用者の体調に関する表示を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0126】
100、100A、100B、100C 空調衣服
1、1A 服本体
114,114A 前身頃開口部
14、14A 制御部収納ポケット(ポケット、制御部保持手段)
19 保持用ループ(制御部保持手段)
2、2A ファン(空気導入手段)
3、3A 電源部
4、4A、4B、4C、4D 制御部
41 表示手段
42、42A 操作手段
45 空間確保手段
46、46A クリップ(制御部保持手段)
5、5A 電源部~制御部接続ケーブル(接続ケーブル)
6 制御部~ファン接続ケーブル(接続ケーブル)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20