(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024092066
(43)【公開日】2024-07-08
(54)【発明の名称】GHG排出量算出方法およびGHG排出量算出システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240701BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022124555
(22)【出願日】2022-08-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和3年8月5日に、ウェブサイト(https://www.marubeni.com/jp/news/2021/release/00065.html)にて公開 (2)令和4年3月31日に、ウェブサイト(https://www.tis.co.jp/news/2021/tis_news/20220331_1.html)にて公開 (3)令和3年8月30日に、ウェブサイト(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC179LB0X10C21A8000000/)にて公開 (4)発行者名/有限会社古紙ジャーナル社 刊行物名/古紙ジャーナル 令和4年2月21日付、第1~2面 発行年月日/令和4年2月21日 (5)集会名/2022古紙ジャーナルオンラインセミナー「脱炭素・資源インフレ時代の古紙・段ボール市場」 開催日/令和4年3月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000005854
【氏名又は名称】丸紅株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100161908
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 依子
(72)【発明者】
【氏名】安田 洋介
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】統一的な基準によってScope3排出量を可視化し、段ボール調達の実態に近いより詳細なGHG排出量を算出すること。
【解決手段】段ボール調達に伴うGHG排出量算出方法であって、エンドユーザから、対象となる段ボール規格に関する情報、製紙工場および加工工場に関する情報、および段ボール規格ごとの調達量の入力を受け付け、製紙工場から、製紙プロセスに関わる物質の量、並びに製紙工場から加工工場までの輸送に関する情報の入力を受け付け、加工工場から、加工プロセスに関わる物質の量、並びに加工工場からエンドユーザまでの輸送に関する情報の入力を受け付けるステップと、製紙工場における製紙プロセスに関わる物質の量と、加工工場における加工プロセスに関わる物質の量と、排出係数マスタデータとを用いて、段ボール規格ごとに段ボール調達に伴うGHG排出量を算出するステップと、を含む方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムによって実行される段ボール調達に伴うGHG(Greenhouse Gas)排出量算出方法であって、
段ボールが納入されるエンドユーザから、GHG排出量算出の対象となる段ボール規格に関する情報、前記段ボール規格の調達に関わる製紙工場および加工工場に関する情報、および前記エンドユーザの前記段ボール規格ごとの調達量の入力を受け付けるステップと、
前記製紙工場から、前記段ボール規格ごとに、前記製紙工場における製紙プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量、並びに前記製紙工場から前記加工工場までの前記製紙プロセスの生産物の輸送に関する情報の入力を受け付けるステップと、
前記加工工場から、前記段ボール規格ごとに、前記加工工場における加工プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量、並びに前記加工工場から前記エンドユーザまでの前記加工プロセスの生産物の輸送に関する情報の入力を受け付けるステップと、
前記製紙工場における製紙プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量と、前記加工工場における加工プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量と、排出係数マスタデータと、を用いて、前記段ボール規格ごとに、段ボール調達に伴うGHG排出量を算出するステップと、
を含む、GHG排出量算出方法。
【請求項2】
前記製紙工場における製紙プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量は、前記製紙工場全体における第1の物質の量と、前記製紙工場で稼働するマシンごとの第2の物質の量と、を含む、請求項1に記載のGHG排出量算出方法。
【請求項3】
前記製紙工場における製紙プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量は、エネルギー、マテリアル、または水の量である、請求項1に記載のGHG排出量算出方法。
【請求項4】
前記製紙工場から、前記製紙工場における製紙プロセスにおいて発生する廃棄物に関する情報の入力を受け付けるステップをさらに含む、請求項1に記載のGHG排出量算出方法。
【請求項5】
前記加工工場における加工プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量は、エネルギー、マテリアル、または水の量である、請求項1に記載のGHG排出量算出方法。
【請求項6】
前記加工工場から、前記加工工場における加工プロセスにおいて発生する廃棄物に関する情報の入力を受け付けるステップをさらに含む、請求項1に記載のGHG排出量算出方法。
【請求項7】
前記エンドユーザの前記段ボール規格の調達量は、前記段ボール規格が前記エンドユーザに納入されるまでの前記製紙工場から前記加工工場、および前記加工工場から前記エンドユーザまでの取引ルートごとの調達量であり、
前記段ボール調達に伴うGHG排出量を算出するステップは、前記取引ルートごとに前記GHG排出量を算出する、請求項1に記載のGHG排出量算出方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の方法を実行するコンピュータシステム。
【請求項9】
請求項1から7のいずれかに記載の方法をコンピュータシステムに実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GHG排出量算出方法およびGHG排出量算出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球温暖化の原因とされる温室効果ガス(GHG:Greenhouse Gas)の削減が重要視されている。また、例えば非特許文献1に示されるように、事業者自らのGHG排出量(Scope1、Scope2)のみならず、Scope3排出量を含む、サプライチェーンにおける事業活動に伴って発生する一連のGHG排出量(サプライチェーン排出量)を考慮するという考え方がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】環境省,“グリーン・バリューチェーンプラットフォーム:サプライチェーン排出量算定をはじめる方へ”,[online],環境省,[令和4年6月20日検索],インターネット<https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/supply_chain.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、段ボール業界においても、従来よりGHG排出量の算出を行おうとする試みがなされてきた。しかしながら、GHG排出量は段ボールの製紙メーカや加工メーカなどのサプライヤ企業ごとに算出されるのが一般的であった。また、GHG排出量を算出する際の明確な基準がなく、サプライヤ企業ごとに異なる基準に基づいてGHG排出量が算出されていた。すなわち、各企業のGHG排出量は統一的な基準により算出されていなかった。また、従来段ボール業界においてなされていたGHG排出量の算出は、各企業のGHG排出量についてなされたものであり、Scope3排出量を含むサプライチェーン排出量を算出するようなシステムは存在しなかった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、統一的な基準によってScope3排出量を可視化し、段ボール調達の実態に近いより詳細なGHG排出量を算出することを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、コンピュータシステムによって実行される段ボール調達に伴うGHG(Greenhouse Gas)排出量算出方法であって、段ボールが納入されるエンドユーザから、GHG排出量算出の対象となる段ボール規格に関する情報、前記段ボール規格の調達に関わる製紙工場および加工工場に関する情報、および前記エンドユーザの前記段ボール規格ごとの調達量の入力を受け付けるステップと、前記製紙工場から、前記段ボール規格ごとに、前記製紙工場における製紙プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量、並びに前記製紙工場から前記加工工場までの前記製紙プロセスの生産物の輸送に関する情報の入力を受け付けるステップと、前記加工工場から、前記段ボール規格ごとに、前記加工工場における加工プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量、並びに前記加工工場から前記エンドユーザまでの前記加工プロセスの生産物の輸送に関する情報の入力を受け付けるステップと、前記製紙工場における製紙プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量と、前記加工工場における加工プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量と、排出係数マスタデータと、を用いて、前記段ボール規格ごとに、段ボール調達に伴うGHG排出量を算出するステップと、を含む、GHG排出量算出方法である。
【0007】
本発明の他の態様は、上記の方法を実行するコンピュータシステムである。
本発明の他の態様は、上記の方法をコンピュータシステムに実行させるコンピュータプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係るGHG排出量算出システムおよびGHG排出量算出方法の概要を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るGHG排出量算出システムにおいて実行されるGHG排出量算出方法における処理ステップの一例を示す図である。
【
図3】段ボール規格の材質情報の一例を示す図である。
【
図8】排出係数・GJ換算係数マスタデータの一例を示す図である。
【
図9】製紙メーカの各工場から加工メーカの各工場までの片道輸送距離の一例である。
【
図10】加工メーカの各工場からエンドユーザの各工場までの片道輸送距離の一例である。
【
図11】製品ごとに利用可能な段ボールの箇所と各マテリアルの含有の有無を示す情報の一例を示す図である。
【
図13】各製紙メーカの工場ごとに入力される一次情報(工場別エネルギーデータ)の一例を示す図である。
【
図14】各製紙メーカの工場ごとに入力される一次情報(工場別廃棄物情報)の一例を示す図である。
【
図15】各製紙メーカの工場ごとに入力される一次情報(工場別マシン別情報)の一例を示す図である。
【
図16】各製紙メーカの工場ごとに入力される一次情報(各マシンにおける製品別の年間生産量)の一例を示す図である。
【
図17】各製紙メーカの工場ごとに入力される一次情報(加工メーカの各工場への製品別年間納入量)の一例を示す図である。
【
図18】各加工メーカの工場ごとに入力される一次情報(工場別エネルギー情報)の一例を示す図である。
【
図19】各加工メーカの工場ごとに入力される一次情報(工場別水・マテリアル情報)の一例を示す図である。
【
図20】各加工メーカの工場ごとに入力される一次情報(工場別廃棄物情報)の一例を示す図である。
【
図21】各加工メーカの工場ごとに入力される一次情報(各規格におけるエンドユーザ工場別の年間納入量)の一例を示す図である。
【
図22】各製紙メーカの工場ごとに入力される一次情報(製紙工場別輸送燃料情報)または各加工メーカの工場ごとに入力される一次情報(加工工場別輸送燃料情報)の一例を示す図である
【
図23】エンドユーザ工場から予め入力される一次情報の一種であって、エンドユーザ工場ごとの各規格の調達量を示す情報の一例を示す図である。
【
図24】GHG排出量算出システムの構成の一例を示す図である。
【
図25】GHG排出量算出システムに含まれる各コンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
(GHG排出量算出システムの概要)
本実施形態においては、段ボール調達におけるScope3排出量の算出を行うGHG排出量算出方法、および当該GHG排出量算出方法を実行するGHG排出量算出システムについて説明する。本実施形態に係るGHG排出量算出方法およびシステムは、例えば飲料メーカなどのエンドユーザが自社製品を梱包するための段ボールを調達する際に、段ボール調達に係るGHG排出量をより正確に把握することを可能とする。また、従来はサプライヤ企業ごとにGHG排出量を算出するのが一般的であったが、本実施形態に係るGHG排出量算出方法およびGHG排出量算出システムでは、段ボール製造に関わる製紙メーカおよび加工メーカのサプライヤ企業の工場ごとに、かつ各工場における製品ごとにGHG排出量を算出することを可能とする。
【0010】
図1は、本実施形態に係るGHG排出量算出システムおよびGHG排出量算出方法の概要を示す図である。本実施形態においては、段ボール調達に関わるサプライヤ企業として、段ボール用の製紙を行う複数の製紙メーカ50の各工場(サプライヤA社A工場50a、サプライヤB社B工場50b)と加工を行う複数の加工メーカ60の各工場(サプライヤX社X工場60x、サプライヤY社Y工場60y)とが存在するものとする。コンピュータシステムである本実施形態に係るGHG排出量算出システム1は、製紙メーカ50と加工メーカ60とから工場ごとに、GHG排出量の算出に必要な情報の入力を受け付ける。そして、コンピュータ装置上で動作するコンピュータプログラムとして実現されるGHG排出量算出アルゴリズム10によってA社A工場、B社B工場、X社X工場、Y社Y工場において生産される製品ごとのScope3排出量が算出される。算出結果は、例えばエンドユーザ40のコンピュータ装置に出力される等して、エンドユーザ40は自身が使用している製品ごとのGHG排出量を確認することができる。また、製品ごとのGHG排出量に基づいて、いずれの製紙メーカと加工メーカとを組合せるべきかの最適化を行うことも可能である。
【0011】
(GHG排出量算出方法における処理ステップ)
図2は、本実施形態に係るGHG排出量算出システム1(以下の説明において「システム1」と略す場合がある)において実行されるGHG排出量算出方法における処理ステップの一例を示す図である。システム1において実行されるGHG排出量算出方法は、STEP0~STEP3の各ステップからなる。
【0012】
STEP0では、GHG排出量の算出前にマスタデータの整備が予め行われる。より具体的には、STEP0において、GHG排出量の算出前に、エンドユーザ企業40から段ボール規格の材質情報および取引経路一覧情報がGHG排出量算出システム1に入力される。これらの情報は、例えばエンドユーザ企業40のコンピュータ装置から有線または無線のネットワーク通信によってシステム1に入力される。また、GHG排出量の算出前に、排出係数マスタデータおよび輸送距離マスタデータ等の各種マスタデータがGHG排出量算出システム1に設定される。
【0013】
STEP1では、製紙メーカおよび加工メーカの工場ごとの製品別排出原単位が算出される。まず、システム1には、製紙メーカ50の各工場50a、50bおよび加工メーカ60の各工場60x、60yから、予め製品別排出原単位を算出するために必要な情報である一次情報が入力される。一次情報は、製紙メーカ50の各工場50a、50bおよび加工メーカ60の各工場60x、60yにおけるエネルギー、マテリアル、水、廃棄物、等に関する情報である。GHG排出量算出アルゴリズム10によって、入力された一次情報を用いて、製紙メーカ50の各工場50a、50bおよび加工メーカ60の各工場60x、60yにおける(製品別)年間GHG排出量が算出される。また、算出された(製品別)年間GHG排出量と各工場における年間生産量に基づいて、製紙メーカ50の各工場50a、50bおよび加工メーカ60の各工場60x、60yにおける製品別排出原単位が算出される。
【0014】
STEP2では、STEP1で算出された各工場の製品別排出原単位を用いて、段ボール規格別または取引ルート別の統合原単位が算出される。
STEP3では、STEP2で算出された規格別または取引ルート別の統合原単位を用いて、エンドユーザ40の段ボール調達に伴うScope3排出量が算出される。
以下、STEP0~STEP3の各ステップにおける処理について詳述する。
【0015】
1.STEP0-マスターデータの整備
以下、STEP0について説明する。
[材質情報]
図3は、段ボール規格の材質情報の一例を示す図である。段ボール規格の材質情報は、エンドユーザの工場ごとに扱っている段ボールの規格ごとの材質に関係するデータを含む情報である。段ボール規格の材質情報は、本例においては、GHG排出量算定の対象となる各ダンボール規格の材質組成(g/m
2)、フルート、才数(m
2/枚)、表ライナー、裏ライナー、および中芯の使用原紙重量(kg/枚)、の情報を含む。ここで、使用原紙重量(表ライナー)=材質組成(表ライナー)×才数/1000、である。また、使用原紙重量(裏ライナー)=材質組成(裏ライナー)×才数/1000、である。また、使用原紙重量(中芯)=材質組成(中芯)×フルート×才数/1000、である。なお、規格ごとに才数は予め定められている。
【0016】
そして、これらの情報に基づいて、段ボール1枚当たりの重量(kg/枚)および段ボール1m2当たりの重量(kg/m2)の数値が算出される。段ボール1枚当たりの重量=使用原紙重量の合計=使用原紙重量(表ライナー)+使用原紙重量(裏ライナー)+使用原紙重量(中芯)、と算出されうる。また、段ボール1m2当たりの重量=(材質組成(表ライナー)+材質組成(裏ライナー)+(材質組成(中芯)×フルート))/1000、と算出されうる。
【0017】
[取引経路別情報]
取引経路別情報は、各エンドユーザ40の工場ごとに各加工メーカの各工場から納品される各段ボール規格において使用される表ライナー、裏ライナー、および中芯の各原紙種別を表す情報である原紙種別情報、仕入先の製紙メーカの各工場(以下略して「製紙工場」という場合もある)および加工メーカの各工場(以下略して「加工工場」という場合もある)、並びに納入先であるエンドユーザの各工場(以下略して「エンドユーザ工場」という場合もある)の情報を含む。
図4は、取引経路別情報の一例を示す図である。例えば、
図4の取引経路別情報では、エンドユーザI社I工場は、規格1の段ボールを加工メーカX社X工場から納品され、この規格1の段ボールは、表ライナーおよび裏ライナーは製紙メーカA社A工場においてKライナーで、中芯は製紙メーカA社A工場において一般中芯で製造されることが示されている。
図5は、製紙メーカ情報の一例を示す図である。製紙メーカ情報は、エンドユーザ40が選択しうる(取引している)製紙メーカの各工場を示す情報である。
図6は、加工メーカ情報の一例を示す図である。加工メーカ情報は、エンドユーザ40が選択しうる(取引している)加工メーカの各工場を示す情報である。
図7は、エンドユーザ情報の一例を示す図である。エンドユーザ情報は、本実施形態に係るGHG排出量算出システム1が提供するGHG排出量算出のサービスを受けるエンドユーザの各工場を示す情報である。
【0018】
なお、システム1は、本実施形態に係るGHG排出量算出方法を実行することによって複数のエンドユーザに対してGHG排出量の情報を提供することができる。すなわち、
図5および
図6の情報は、各エンドユーザの工場ごとに保持されうる。
【0019】
[排出係数・GJ換算係数マスタデータ]
図8は、排出係数およびGJ換算係数マスタデータの一例を示す図である。排出係数マスタデータは、
図8に示される各項目の排出係数を示すデータである。本例の排出係数マスタデータは、カテゴリとして、エネルギー、水、マテリアル、廃棄物処理、排水、および輸送が存在し、各カテゴリには複数の項目が存在する。例えば、「エネルギー」カテゴリには、液化天然ガス、CNG、都市ガス、LPG、灯油、ガソリン、軽油、A重油、C重油、石炭、廃プラ(RDF)、RPF、およびバイオマスが存在する、という具合である。各排出係数の値は、適宜、環境省のデータ、公知のインベントリデータベースIDEA(https://riss.aist.go.jp/lca-consortium/activity/lca-idea/)等を参照することで適宜決定されうる。また一部の項目の値は製紙メーカに設定させるようになっていてもよい。また、カテゴリ「エネルギー量(GJ換算係数)」は、カテゴリ「エネルギー」の各項目についてのGJ換算係数である。
【0020】
[輸送距離の取得]
システム1は、エンドユーザ40から取得した取引経路一覧情報の製紙メーカ情報(
図5)、加工メーカ情報(
図6)、およびエンドユーザ情報(
図7)を用いて、製紙メーカ50の各工場から加工メーカ60の各工場までの陸上輸送および海上輸送にかかる片道輸送距離、および加工メーカ60の各工場からエンドユーザ40の各工場までの陸上輸送および海上輸送にかかる片道輸送距離を取得する。これらの値は、例えばシステム1に予め入力される。
図9は、製紙メーカ50の各工場から加工メーカ60の各工場までの陸上輸送および海上輸送にかかる片道輸送距離の一例を示す図である。また、
図10は、加工メーカ60の各工場からエンドユーザ40の各工場までの陸上輸送および海上輸送にかかる片道輸送距離の一例を示す図である。
【0021】
[各種マテリアルの投入対象製品の分類情報]
製紙工場で製造される一般中芯、強化芯、Cライナー、Kライナー、白ライナー、およびコートボール原紙、等の製品は、製品ごとに投入されるマテリアルの種類が異なる。そのため、製品ごとに、古紙、サイズ剤、硫酸バンド、染料、バージンパルプ、製紙チップ、および紙力増強剤の含有の有無を示す分類情報がシステム1に予め入力される。
図11は、製品ごとに利用可能な段ボールの箇所と各マテリアルの含有の有無を示す情報の一例を示す図である。なお、これらの分類情報は、例えばシステム1の運営者が予め生成しておき、システム1に含まれるコンピュータ装置に当該分類情報を予め保存しておく。
【0022】
[その他マスタデータ]
その他マスタデータとして、システム1には、エネルギー設備種別、廃棄物種別、排出原単位出所、輸送燃料種別、およびエンドユーザ工場、等の情報が事前に設定される。
図12は、各マスタデータの一例を示す図である。
図12に示される各マスタデータは、本実施形態に係るシステム1において実行されるGHG排出量算出方法において使用されるエネルギー設備種別、廃棄物種別、排出原単位出所、輸送燃料種別、およびエンドユーザ工場を規定している。
【0023】
2.STEP1-カテゴリ1-製紙工場における製品別排出原単位の算定
以下、STEP1において実行されるカテゴリ1にかかる製紙工場における製品別排出原単位の算定について説明する。
【0024】
[各製紙メーカの工場ごとの一次情報の入力]
システム1は、各製紙メーカの工場ごとにScope3カテゴリ1に関する一次情報の入力を要求する。より具体的には、例えばシステム1は、これらの情報を入力するための入力画面を各製紙工場のコンピュータ装置に表示させるWebベースの入力画面を提供する。そして、各製紙工場のコンピュータ装置のオペレータは、当該入力画面を操作するための認証情報をシステム1に送信することでシステムにログインする。当該オペレータが入力画面において各情報(一次情報)を入力すると、入力された一次情報を用いて各種処理が実行される。一次情報は複数種類の情報を含み、以下各情報の具体例について詳述する。
【0025】
図13~
図17は、各製紙メーカの工場ごとに入力されるScope3カテゴリ1に関する各一次情報の一例を示す図である。
図13~
図15に示される一次情報は、製紙メーカの工場ごとまたは各工場で稼働しているマシンごとに、年間のエネルギーや水・マテリアルの投入量、廃棄物や排水の排出量を示す情報である。また、
図16に示される一次情報は、製紙メーカの各工場の各マシンにおける製品別の年間生産量を示す情報である。また、
図17に示される一次情報は、製紙メーカの各工場から加工メーカの各工場への各製品の年間納入量を示す情報である。
【0026】
図13は、工場別エネルギーデータの一例を示す図である。工場別エネルギーデータは、各製紙工場において使用されるエネルギーに関する情報である。
図13に示される一次情報は、大項目として「エネルギー投入燃料量」(年間での投入量)、「エネルギー設備別発生エネルギー」(年間での発生エネルギー量)、「外部へのエネルギー販売年間販売量」、および「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」が設けられている。また、大項目「エネルギー投入燃料量」は、中項目として、「コジェネ(コジェネレーション)」、「熱供給」、および「発電」を有する。中項目「コジェネ」は、小項目として、「液化天然ガス」、「CNG」、「都市ガス」、「LPG」、「灯油」、「ガソリン」、「軽油」、「A重油」、「C重油」、「石炭」、「廃プラ(RDF)」、「RPF」、および「バイオマス(黒液含む)」を有する(
図13においては簡潔化するため一部の表記を省略している)。なお、
図8に例示された排出係数マスタの「エネルギー」カテゴリ項目は、これらの小項目に対応するように設定されている。
【0027】
また、大項目「エネルギー設備別発生エネルギー」は、中項目「コジェネ」、「熱供給」、「火力発電」、および「再エネ発電」を有し、各中項目はそれぞれ1または複数の小項目を有する。大項目「外部へのエネルギー販売年間販売量」および「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」についても同様である。
【0028】
図14は、工場別廃棄物情報の一例を示す図である。工場別廃棄物情報は、各製紙工場において排出される廃棄物に関する情報である。
図14に示される一次情報は、大項目として「廃棄物種別の処理方法」、「自家焼却処理の廃棄物に関する情報」、「委託処理の廃棄物種別の年間発生量」、「排水処理方法」、「自家処理以外の場合の排水処理委託量」、および「自家処理の場合の排水処理設備での所要電力量」が設けられている。また、各大項目は、1または複数の中項目を有する。大項目「廃棄物種別の処理方法」は、各廃棄物の処理方法を示し、各中項目について、“自家焼却”“外部委託:焼却処理”“外部委託:埋立処理”“外部委託:埋立処理(焼却灰)”および“外部委託:リサイクル”のいずれかの値が入力される。
図8に例示された排出係数マスタのカテゴリ「廃棄物処理」の各項目は、この中項目の取りうる値に対応するよう設定されている。大項目「排水処理方法」は、各工場における排水処理の方法を示し、“自家処理”または“自家処理以外”のいずれかの値を取りうる。排水処理方法が“自家処理以外”である場合には、大項目「自家処理以外の場合の排水処理委託量」に値が入力される。排水処理方法が“自家処理”である場合には、大項目「自家処理の場合の排水処理設備での所要電力量」の中項目「電力」に、排水の自家処理にかかる年間電力量が入力される。システム1は、各製紙工場ごとに、各中項目について製紙工場からの入力値を取得する。
【0029】
図15は、工場別マシン別情報の一例を示す図である。工場別マシン別情報は、各工場で稼働するマシンごとのエネルギー、水、およびマテリアルの年間合計投入値と、原料の排出係数と、を示す情報である。なお、
図15に示される一次情報は、一例として、1号機、2号機、および6号機の3つのマシンが記載されているが、マシンの数は実際の稼働状況に応じて増減されうる。
【0030】
図16は、各製紙工場の各マシンにおける製品別の年間生産量の一例を示す図である。各製紙工場の各マシンにおいては複数種類の製品が生産されうるが、
図16に示される情報は、各マシンの製品ごとの年間生産量を示す情報である。
【0031】
図17は、各製紙メーカの工場ごとに入力される一次情報(加工メーカの各工場への製品別年間納入量)の一例を示す図である。
図17に示される情報は、中項目で示される各製紙工場の製品ごとに、小項目で示される各加工工場へ納入される年間納入量を示す。
【0032】
[各製紙工場の製品ごとの排出原単位の算出]
次に、下記(1)~(3)の手順に沿って各製紙工場の製品ごとの排出原単位が算出される。
(1)各製紙工場によって入力された一次情報(
図13~
図17)を用いて製造工程ごとに出されるGHG排出量(t-CO2eq/yr)を算出する。
(2)(1)で算出されたGHG排出量を生産量で除算することにより各製造工程での排出原単位を算出する。
(3)(2)で算出された各製造工程での排出原単位を統合し、製品ごとの統合排出原単位を算出する。
【0033】
製品ごとの排出原単位の算出方法はいずれの製品においても同様であるため、ここでは一般中芯を例にとって、以下、(1)~(3)ごとに詳述する。
(1)製造工場によって入力された一次情報に製造工程ごとに出されるGHG排出量(t-CO2eq/yr)の算出(一般中芯の製造工程で排出されるGHG排出量を製造工程別に算出する)
(1-1)一般中芯の廃棄物によるGHG排出量(t-CO2eq/yr)
まず、一般中芯の廃棄物によるGHG排出量を以下の式により算出する。
【0034】
【0035】
・・・式(1)
ここで、上記式(1)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
スクリーン粕発生量:
図14の大項目「委託処理の廃棄物種別の年間発生量」の中項目「スクリーン粕(1)」~「スクリーン粕(3)」の値
パルパー粕発生量:
図14の大項目「委託処理の廃棄物種別の年間発生量」の中項目「パルパー粕(1)」~「パルパー粕(3)」の値
排水処理汚泥発生量:
図14の大項目「委託処理の廃棄物種別の年間発生量」の中項目「排水処理汚泥」の値
焼却灰発生量:
図14の大項目「委託処理の廃棄物種別の年間発生量」の中項目「焼却灰」の値
製造ロス(段原紙):
図14の大項目「委託処理の廃棄物種別の年間発生量」の中項目「製造ロス(段原紙)」の値
各排出係数:
図14の大項目「廃棄物種別の処理方法」の各中項目の値に対応する
図8の各項目の排出係数の値(例えば、式(1)の“スクリーン粕(スクリーン粕(1))発生量×排出係数”における排出係数は、
図14の大項目「廃棄物種別の処理方法」の中項目「スクリーン粕(1)」の値が“自家焼却”であれば、
図8のカテゴリ「廃棄物処理」の項目「自家焼却」の値となる。以下に説明する各式における排出係数も同様に
図8の対応する項目の排出係数を用いる。)
廃棄物自家焼却処理にかかるGHG年間排出量:
図14の大項目「自家焼却処理の廃棄物に関する情報」の中項目「GHG年間発生量」の値
なお、
図14に例示される大項目「委託処理の廃棄物種別の年間発生量」の中項目「スクリーン粕」および「パルパー粕」にはそれぞれ(1)~(3)と複数存在するが、この場合には、上記式(1)の“スクリーン粕発生量×排出係数”および“パルパー粕×排出係数”の項をそれぞれ複数回(
図14の例では(1)~(3))の分だけ繰り返す。
【0036】
上記式(1)で算出された「Σ廃棄物処理方法・廃棄物種別GHG排出量」の値を用いて、一般中芯の廃棄物によるGHG排出量が以下の式(2)により算出される。
【0037】
【0038】
・・・式(2)
ここで、上記式(2)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
ΣA製紙工場のマシン別一般中芯の生産量:A製紙工場(算出対象である特定の製紙工場。以下、各式では、A製紙工場によって入力された一次情報を用いる。)によって入力された
図16の各マシンについての小項目「一般中芯」の値の合計値
ΣA製紙工場のマシン別総生産量:A製紙工場によって入力された
図16の大項目「マシン別製品別の年間生産量」、中項目の全マシン(
図16の例では「マシン1」~「マシン3」)の全ての小項目の値の総和
(1-2)一般中芯の排水によるGHG排出量(t-CO2eq/yr)
次に、一般中芯の排水によるGHG排出量を以下の式により算出する。
【0039】
【0040】
・・・式(3)
ここで、上記式(3)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
自家処理の場合の排水処理設備での所要電力量:
図14の大項目「排水処理方法」が“自家処理”の場合の大項目「自家処理の場合の排水処理設備での所要電力量」の中項目「電力」の値
工場別電力排出係数(証書考慮):後述する式(28)によって算出される
自家処理以外の場合の排水処理委託量:
図14の大項目「排水処理方法」が“自家処理以外”の場合の大項目「自家処理以外の場合の排水処理委託量」の値
排出係数:
図8の項目「自家処理以外」の値(以下、数式中の「排出係数」については特に言及しない限り、
図8の排出係数マスタから該当する値が読み込まれる)
(1-2)一般中芯の排水によるGHG排出量(t-CO2eq/yr)
上記式(3)で算出された「Σ排水処理関連GHG排出量(t-CO2eq/yr)」の値を用いて、一般中芯の排水によるGHG排出量(t-CO2eq/yr)が以下の式(4)により算出される。
【0041】
【0042】
・・・式(4)
ここで、上記式(4)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
ΣA製紙工場のマシン別一般中芯の生産量:A製紙工場によって入力された
図16のマシン1~3についての小項目「一般中芯」の値を合計した値
ΣA製紙工場のマシン別総生産量:A製紙工場によって入力された
図16の各マシンについての全ての小項目の値の合計値を算出した後、全マシンの当該算出値を合計した値
(1-3)一般中芯の主原料によるGHG排出量(t-CO2eq/yr)
次に、一般中芯の主原料によるGHG排出量を算出する。
【0043】
【0044】
・・・式(5)
ここで、上記式(5)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
Σ(A製紙工場のマシンごとで製造される一般中芯に使用される共通主原料‘(=古紙)×排出係数):
図15の大項目「マシン別マテリアル投入量(共通項目)」の中項目「マシン」(「マシン1」~「マシン3」)の小項目「古紙」の値に、
図8の項目「古紙」の値(排出係数)または、古紙の排出係数を自社で把握している場合は
図15の大項目「原料の排出係数」の中項目「古紙」の小項目「排出係数」を乗算した後、全マシンの当該乗算値を合計した値
Σ(A製紙工場のマシンごとで製造される一般中芯に使用される製品固有項目(主原料)×排出係数):
図15の大項目「マシン別マテリアル投入量(製品固有項目)」の中項目「マシン」(「マシン1」~「マシン3」)の小項目「バージンパルプ(外部調達)」、「バージンパルプ(自社製造)」および「製紙チップ」の値に、排出係数を乗算した後、全マシンの当該乗算値を合計した値。ここで、「製品固有項目(主原料)」は、バージンパルプ(外部調達)、バージンパルプ(自社製造)、製紙チップ、のいずれかである。各製品に含まれる製品固有項目が異なるため、
図11に示される分類情報が参照されて数式に用いるべき製品固有項目が決定される。排出係数に関しては、
図8の項目「バージンパルプ(外部調達)」、「バージンパルプ(自社製造)」および「製紙チップ」の値(排出係数)または、排出係数を自社で把握している場合は
図15の大項目「原料の排出係数」の中項目「バージンパルプ(外部調達)」、「バージンパルプ(自社製造)」および「製紙チップ」の小項目「排出係数」が用いられる。
(1-4)一般中芯の薬品によるGHG排出量(t-CO2eq/yr)
次に、各製紙工場のマシンごとの薬品由来GHG排出量が算出される。一例として、マシン1(1号機)の一般中芯における共通薬品投入量に伴うGHG排出量は以下のようにして算出される。
【0045】
【0046】
・・・式(6)
ここで、上記式(6)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
マシン1共通薬品投入量(サイズ剤):
図15の大項目「マシン別マテリアル投入量(共通項目)」の中項目「マシン1(1号機)」の小項目「サイズ剤」の値
マシン1共通薬品投入量(硫酸バンド):
図15の大項目「マシン別マテリアル投入量(共通項目)」の中項目「マシン1(1号機)」の小項目「硫酸バンド」の値
マシン1の一般中芯の生産量:
図16のマシン1についての小項目「一般中芯」の値
マシン1の総生産量:
図16のマシン1についての全ての小項目の値の合計値
次に、マシン1の一般中芯における製品固有薬品投入量に伴うGHG排出量が算出される。
【0047】
【0048】
・・・式(7)
ここで、上記式(7)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
マシン1製品固有薬品投入量(紙力増強剤):
図15の大項目「マシン別マテリアル投入量(製品固有項目)」の中項目「マシン1(1号機)」の小項目「紙力増強剤」の値
そして、上記式(6)で算出されるマシン1~3の各計算値と式(7)で算出されるマシン1~3の各計算値とを足し合わせてA製紙工場で製造される一般中芯に使用される薬品由来のGHG排出量が算定されうる。
【0049】
【0050】
・・・式(8)
(1-5)一般中芯の染料投入によるGHG排出量(t-CO2eq/yr)
次に、各製紙工場のマシンごとの染料由来GHG排出量が算出される。一例として、マシン1の一般中芯における染料由来GHG排出量は以下のようにして算出される。
【0051】
【0052】
・・・式(9)
ここで、上記式(9)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
マシン1染料投入量:
図15の大項目「マシン別マテリアル投入量(製品固有項目)」の中項目「マシン1(1号機)」の小項目「染料」の値
(1-6)一般中芯の水投入量によるGHG排出量(t-CO2eq/yr)
次に、各製紙工場のマシンごとの水由来GHG排出量が算出される。一例として、マシン1の一般中芯における水由来GHG排出量は以下のようにして算出される。
【0053】
【0054】
・・・式(10)
ここで、上記式(10)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
マシン1工業用水投入量:
図15の大項目「マシン別水投入量」の中項目「マシン1(1号機)」についての小項目「工業用水」の値
マシン1地下水・河川水投入量:
図15の大項目「マシン別水投入量」の中項目「マシン1(1号機)」についての小項目「地下水・河川水」の値
次に、式(10)によって算出されたΣマシン1水由来GHG排出量(工業用水・地下水・河川水)を用いてマシン1の一般中芯の水由来GHG排出量が算出される
【0055】
【0056】
・・・式(11)
A製紙工場のマシン2および3についても式(11)を用いて一般中芯の水投入量によるGHG排出量が算出される。そして、マシン1~3についての一般中芯の水投入量によるGHG排出量を足し合わせることにより、A製紙工場で製造される一般中芯に使用される水由来のGHG排出量が算定される。
【0057】
【0058】
・・・式(12)
(1-7)一般中芯のエネルギー(自家蒸気)によるGHG排出量(t-CO2eq/yr)
次に、一般中芯のエネルギー(自家蒸気)によるGHG排出量が算出される。まず、自家蒸気排出係数は以下の式(13)により算出されうる。
【0059】
【0060】
・・・式(13)
ここで、上記式(13)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
コジェネ向け投入燃料量×排出係数:
図13の大項目「エネルギー投入燃料量」の中項目「コジェネ」の各小項目の値と各小項目に対応する
図8の排出係数の値とを乗算した後、全ての小項目についての当該乗算値を合計した値
コジェネ設備蒸気発生エネルギー:
図13の大項目「エネルギー設備別発生エネルギー」の中項目「コジェネ」の小項目「熱としてそのまま利用する蒸気」の値
コジェネ設備総発生エネルギー:
図13の大項目「エネルギー設備別発生エネルギー」の中項目「コジェネ」の小項目「熱としてそのまま利用する蒸気」と「発電向けに利用する蒸気」の値の合計値
蒸気(熱)供給設備向け投入燃料量×排出係数:
図13の大項目「エネルギー投入燃料量」の中項目「熱供給」の各小項目の値と各小項目に対応する
図8の排出係数の値とを乗算した後、全ての小項目についての当該乗算値を合計した値
コジェネ設備蒸気発生量:
図13の大項目「エネルギー設備別発生エネルギー」の中項目「コジェネ」の小項目「熱としてそのまま利用する蒸気」の値
蒸気(熱)供給システム蒸気発生量:
図13の大項目「エネルギー設備別発生エネルギー」の中項目「熱供給」の小項目「熱(蒸気)」の値
次に、上記式(13)によって算出された自家蒸気排出係数を用いて、以下の式(14)によってA製紙工場のマシン別自家蒸気由来GHG排出量が算出される。
【0061】
【0062】
・・・式(14)
ここで、上記式(14)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
マシン別自家蒸気発生量:
図15の大項目「マシン別エネルギー投入量」の各マシン(中項目「マシン1」~「マシン3」)の小項目「蒸気」の値。
【0063】
一例として、マシン1の一般中芯における自家蒸気由来GHG排出量は、式(14)によって算出されたマシン1についてのマシン別自家蒸気由来GHG排出量を用いて、以下の式(15)により算出される。
【0064】
【0065】
・・・式(15)
A製紙工場のマシン2および3についても式(15)を用いて一般中芯の自家蒸気によるGHG排出量が算出される。そして、マシン1~3についての一般中芯の自家蒸気によるGHG排出量を足し合わせることにより、A製紙工場で製造される一般中芯に使用される自家蒸気由来GHG排出量が算定される。
【0066】
【0067】
・・・式(16)
(1-8)一般中芯のエネルギー(自家電力)によるGHG排出量(t-CO2eq/yr)
次に、一般中芯のエネルギー(自家電力)によるGHG排出量が算出される。まず、A製紙工場のマシン別自家発電向けエネルギー投入量が、以下の式(17)によって算出される
【0068】
【0069】
・・・式(17)
ここで、上記式(17)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
マシン別エネルギー投入量:
図15の大項目「マシン別エネルギー投入量」の各マシンについての小項目「電力」の値
コジェネ発生電力:
図13の大項目「エネルギー設備別発生エネルギー」の中項目「コジェネ」の小項目「電力」の値
発電システム発生電力:
図13の大項目「エネルギー設備別発生エネルギー」の中項目「火力発電」の小項目「電力」の値
外部からの購入電力量:
図13の大項目「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」の中項目「電力」の小項目「購入先と年間購入量」の値
外部へのエネルギー販売量:
図13の大項目「外部へのエネルギー販売年間販売量」の中項目「電力」の値
また、自家発電排出係数は以下の式(18)により算出されうる。
【0070】
【0071】
・・・式(18)
ここで、上記式(18)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
コジェネ設備発電エネルギー:
図13の大項目「エネルギー設備別発生エネルギー」の中項目「コジェネ」の小項目「発電向けに利用する蒸気」の値
発電システム向け投入燃料量×排出係数:
図13の大項目「エネルギー投入燃料量」の中項目「発電」の各小項目の値と各小項目に対応する
図8の排出係数の値とを乗算した後、全ての小項目についての当該乗算値を合計した値
コジェネ設備発電量:
図13の大項目「エネルギー設備別発生エネルギー」の中項目「コジェネ」の小項目「電力」の値
発電システム電力発生量:
図13の大項目「エネルギー設備別発生エネルギー」の中項目「火力発電」の小項目「電力」の値
次に、上記式(17)によって算出されたマシン別自家発電向けエネルギー投入量と、上記式(18)によって算出された自家発電排出係数とを用いて、以下の式(19)によってA製紙工場のマシン別自家電力由来GHG排出量が算出される。
【0072】
【0073】
・・・式(19)
一例として、マシン1の一般中芯における自家発電由来GHG排出量は、式(19)によって算出されたマシン1についてのマシン別自家発電由来GHG排出量を用いて、以下の式(20)により算出される。
【0074】
【0075】
・・・式(20)
A製紙工場のマシン2および3についても式(20)を用いて一般中芯の自家発電によるGHG排出量が算出される。そして、マシン1~3についての一般中芯の自家発電によるGHG排出量を足し合わせることにより、A製紙工場で製造される一般中芯に使用される自家発電由来GHG排出量が算定される。
【0076】
【0077】
・・・式(21)
(1-9)一般中芯のエネルギー(購入電力)によるGHG排出量(t-CO2eq/yr)
次に、一般中芯のエネルギー(購入電力)によるGHG排出量が算出される。まず、A製紙工場のマシン別購入電力発生量が、以下の式(22)によって算出される。
【0078】
【0079】
・・・式(22)
ここで、上記式(22)で用いられる各パラメータの値については、上述の式(17)の説明において述べた通りである。
【0080】
式(22)において算出されたマシン別購入電力発生量を用いて、以下の式(23)によって、A製紙工場のマシン別購入電力由来GHG排出量が算出される。
【0081】
【0082】
・・・式(23)
購入電力排出係数:
図13の大項目「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」の小項目「購入電力排出係数」の値
一例として、マシン1の一般中芯における購入電力由来GHG排出量は、式(23)によって算出されたマシン1についてのマシン別購入電力由来GHG排出量を用いて、以下の式(24)により算出される。
【0083】
【0084】
・・・式(24)
A製紙工場のマシン2および3についても式(24)を用いて一般中芯の購入電力によるGHG排出量が算出される。そして、マシン1~3についての一般中芯の購入電力によるGHG排出量を足し合わせることにより、A製紙工場で製造される一般中芯に使用される購入電力由来GHG排出量が算定される。
【0085】
【0086】
・・・式(25)
(1-10)一般中芯のエネルギー(証書)によるGHG排出量(t-CO2eq/yr)
次に、一般中芯のエネルギー(証書)によるGHG排出量が算出される。まず、マシン別証書GHG年間排出量が、以下の式(26)によって算出される。
【0087】
【0088】
・・・式(26)
ここで、上記式(26)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
Σマシン別エネルギー投入量:
図15の大項目「マシン別エネルギー投入量」の各マシンごとの小項目「電力」の値の総和
証書年間購入量:
図13の大項目「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」の中項目「グリーン電力証書」の小項目「購入証書の電源種別を入力」(電源種別ごとの年間購入量)の値と、大項目「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」の中項目「再エネ由来 J-クレジット」の小項目「購入クレジットの電源種別を入力」(電源種別ごとの年間購入量)の値との総和
また、上記式(26)の「工場別電力排出係数(証書未考慮)」は、下の式(27)によって算出されうる。
【0089】
【0090】
・・・式(27)
ここで、上記式(27)で用いられる各パラメータの値は、上述した式(17)および式(18)において説明した通りである。
【0091】
また、「工場別電力排出係数(証書考慮)」は、下の式(28)によって算出されうる。
【0092】
【0093】
・・・式(28)
(2)上記(1-1)~(1-10)において算出されたGHG排出量の各々を各製紙工場における各製品の年間製造量で除算することにより、各製品の排出原単位内訳を算出する。
【0094】
例えば、上記(1-1)において算出された一般中芯の廃棄物によるGHG排出量について、以下の式によって一般中芯の廃棄物による排出原単位(t-CO2eq/t)が算出される。
【0095】
【0096】
・・・式(29)
上記(1-2)~(1-10)において算出されたGHG排出量についても、同様に各製品の排出原単位内訳が算出されうる。
(3)カテゴリ1における一般中芯の統合排出原単位を加算していき、製品ごとにおける単位プロセス排出原単位を算定する。
【0097】
【0098】
・・・式(30)
ここでの「製品各排出原単位内訳」とは、上記(2)において算出された上記(1-1)~(1-10)についての排出原単位を指す。((1-1)廃棄(廃棄物、(1-2)廃棄(排水)、(1-3)マテリアル(主原料)、(1-4)マテリアル(薬品)、(1-5)マテリアル(染料)、(1-6)水、(1-7)エネルギー(自家蒸気)、(1-8)エネルギー(自家電力)、(1-9)エネルギー(購入電力)、(1-10)エネルギー(証書))
3.STEP1-カテゴリ1-加工工場における製品別排出原単位の算定
以下、STEP1において実行されるカテゴリ1にかかる加工工場における製品別排出原単位の算定について説明する。
【0099】
[各加工メーカの工場ごとの一次情報の入力]
システム1は、各加工メーカの工場ごとにScope3カテゴリ1に関する一次情報の入力を要求する。上述した各製紙メーカの工場ごとに一次情報の入力を要求したのと同様に、例えばシステム1は、これらの情報を入力するための入力画面を各加工工場のコンピュータ装置に表示させるWebベースの入力画面を提供する。そして、各加工工場のコンピュータ装置のオペレータは、当該入力画面を操作するための認証情報をシステム1に送信することでシステムにログインする。当該オペレータが入力画面において各情報(一次情報)を入力すると、入力された一次情報を用いて各種処理が実行される。一次情報は複数種類の情報からなり、以下各情報の具体例について詳述する。
【0100】
図18~
図21は、各加工メーカの工場ごとに入力されるScope3カテゴリ1に関する各一次情報の一例を示す図である。
図18~
図20に示される一次情報は、加工メーカの工場ごとに、年間のエネルギーや水・マテリアルの投入量、廃棄物や排水の排出量を示す情報である。また、
図21に示される一次情報は、加工メーカの各工場からエンドユーザの各工場への規格ごとの年間納入量を示す情報である。
【0101】
図18は、工場別エネルギー情報の一例を示す図である。工場別エネルギー情報は、各加工工場ごとのエネルギーに関する情報である。
図18に示される一次情報は、大項目として「エネルギー投入燃料量」(各エネルギーの年間投入量)、「エネルギー設備別発生エネルギー」(各エネルギー設備におけるエネルギーの年間発生量)、「外部へのエネルギー年間販売量」、および「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」が設けられている。また、大項目「エネルギー投入燃料量」は、中項目として、「コジェネ」、「熱供給」、および「発電」を有する。中項目「コジェネ」は、小項目として、「液化天然ガス」、「CNG」、「都市ガス」、「LPG」、「灯油」、「ガソリン」、「軽油」、「A重油」、「C重油」、「石炭」、「廃プラ(RDF)」、「RPF」、および「バイオマス(黒液含む)」を有する(
図18においては簡潔化するため一部の表記を省略している)。なお、
図8に例示された排出係数マスタの「エネルギー」カテゴリ項目は、これらの小項目に対応するように設定されている。
【0102】
また、大項目「エネルギー設備別発生エネルギー」は、中項目「コジェネ」、「熱供給」、および「発電」を有する。大項目「外部へのエネルギー年間販売量」は、中項目「蒸気」および「電力」の年間販売量が入力される。大項目「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」は、中項目「電力」、「蒸気」、「グリーン電力証書」、「非化石証書」、および「再エネ由来J-クレジット」を有する。中項目「電力」は、小項目「購入先と年間購入量」および「購入電力排出係数」を有する。中項目「蒸気」は、小項目「年間購入量」および「購入蒸気排出係数」を有する。中項目「グリーン電力証書」および「非化石証書」は、小項目「購入証書の電源種別」(電源種別ごとの年間購入量)を有する。中項目「再エネ由来J-クレジット」は、小項目「購入クレジットの電源種別」(電源種別ごとの年間購入量)を有する。
【0103】
図19は、工場別水・マテリアル情報の一例を示す図である。工場別水・マテリアル情報は、各加工工場において使用される各種の水およびマテリアルの年間使用量を示す情報である。
【0104】
図20は、工場別廃棄物情報の一例を示す図である。工場別廃棄物情報は、各加工工場において排出される廃棄物に関する情報である。
図20に示される工場別廃棄物情報は、大項目として「廃棄物種別の処理方法」、「自家焼却処理の廃棄物のGHG年間発生量」、「委託処理の廃棄物種別の年間発生量」、「排水処理方法」、「自家処理以外の場合の排水処理委託量」、および「自家処理の場合の排水処理設備での所要電力量」が設けられている。また、各大項目は、1または複数の中項目を有する。大項目「廃棄物種別の処理方法」は、中項目「排水処理汚泥」、「焼却灰」、「製造ロス(段原紙)」、および「製造ロス(段ボール端材)」の廃棄物ごとに処理方法を示す情報が入力され、具体的には、“自家焼却”“外部委託:焼却処理”“外部委託:埋立処理”“外部委託:埋立処理(焼却灰)”および“外部委託:リサイクル”のいずれかが入力される。
図8に例示された排出係数マスタのカテゴリ「廃棄物処理」の各項目は、この中項目の取りうる値に対応するよう設定されている。また、大項目「排水処理方法」は、各加工工場における排水処理の方法を示し、“自家処理”または“自家処理以外”のいずれかの値を取りうる。排水処理方法が“自家処理以外”である場合には、大項目「自家処理以外の場合の排水処理委託量」に排水の自家処理以外による年間処理量が入力される。排水処理方法が“自家処理”である場合には、大項目「自家処理の場合の排水処理設備での所要電力量」の中項目「電力」において排水処理が自家処理の場合の電力量が入力される。
【0105】
図21は、各加工メーカの工場ごとに入力される一次情報(各規格におけるエンドユーザ工場別の年間納入量)の一例を示す図である。
図21に示される情報は、中項目で示される規格ごとに、小項目で示される各エンドユーザ工場へ納入される年間納入量を示す。
【0106】
[加工工場からエンドユーザ工場へ納入される各規格の排出原単位の算出]
次に、下記(1)~(3)の手順に沿って加工工場からエンドユーザ工場へ納入される段ボールの規格ごとの排出原単位が算出される。ここでは一例として、加工メーカのX工場(GHG排出量の算出の対象となる特定の加工工場。以下「X加工工場」という)からエンドユーザ企業(飲料メーカ)のI工場(特定のエンドユーザ工場。以下「Iエンドユーザ工場」という)に納入される規格1について排出原単位を算出するものとして、以下、算出方法について説明する(他の規格についても同様の方法で算出しうる)。
【0107】
(1)各加工工場によって入力された一次情報(
図18~
図20)を用いて加工工場におけるGHG年間排出量を算出する。
各加工工場における廃棄物や各マテリアルの投入量ごとのGHG年間排出量などの各種のGHG年間排出量を以下の(1-1)~(1-11)に説明されるように算出し、当該算出値を合算することで、X加工工場の年間GHG総排出量(t-CO2eq/yr)が算出されうる。
(1-1)X加工工場における廃棄物処理にかかるGHG年間排出量(t-CO2eq/yr)
X加工工場における廃棄物処理にかかるGHG年間排出量を以下の式により算出する。
【0108】
【0109】
・・・式(31)
ここで、上記式(31)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
排水処理汚泥発生量:
図20の大項目「委託処理の廃棄物種別の年間発生量」の中項目「排水処理汚泥」の値
焼却灰発生量:
図20の大項目「委託処理の廃棄物種別の年間発生量」の中項目「焼却灰」の値
製造ロス(段原紙)発生量:
図20の大項目「委託処理の廃棄物種別の年間発生量」の中項目「製造ロス(段原紙)」の値
製造ロス(段ボール端材)発生量:
図20の大項目「委託処理の廃棄物種別の年間発生量」の中項目「製造ロス(段ボール端材)」の値
廃棄物自家焼却処理にかかるGHG年間排出量:
図20の大項目「自家焼却処理の廃棄物のGHG年間発生量」の中項目「GHG年間発生量」の値
排出係数A~D:
図20の大項目「廃棄物種別の処理方法」の各小項目の値に対応する
図8の各項目の排出係数の値(例えば、式(31)の排出係数Aは、
図20の大項目「廃棄物種別の処理方法」の中項目「排水処理汚泥」の値が“自家焼却”であれば、
図8のカテゴリ「廃棄物処理」の項目「自家焼却」の値となる。排出係数B~Dについても同様である。以下に説明する各式における排出係数も特段の記載がない場合は同様に
図8の対応する項目の排出係数を用いる。)
(1-2)X加工工場の廃棄_排水処理によるGHG年間排出量(t-CO2eq/yr)
X加工工場における排水処理によるGHG年間排出量を以下の式により算出する。
【0110】
【0111】
・・・式(32)
ここで、上記式(32)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
自家処理の場合の排水処理設備での所要電力量:
図20の大項目「自家処理の場合の排水処理設備での所要電力量」の中項目「電力」の値
自家処理以外の場合の排水処理委託量:
図20の大項目「自家処理以外の場合の排水処理委託量」の値
排出係数A:工場別電力排出係数(証書考慮)(後述の式(39)により算出される)が用いられる
排出係数B:
図8のカテゴリ「排水」の項目「自家処理以外」の値
(1-3)X加工工場のマテリアル_スターチ投入量によるGHG年間排出量(t-CO2eq/yr)
X加工工場のマテリアル_スターチ投入量によるGHG年間排出量を以下の式により算出する。
【0112】
【0113】
・・・式(33)
ここで、上記式(33)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
X加工工場のスターチ使用量:
図19の大項目「マテリアル使用量」の中項目「スターチ」の値
排出係数:
図8のカテゴリ「マテリアル」の項目「スターチ」の値
(1-4)X加工工場のマテリアル_インク投入量によるGHG年間排出量(t-CO2eq/yr)
X加工工場のマテリアル_インク投入量によるGHG年間排出量を以下の式により算出する。
【0114】
【0115】
・・・式(34)
ここで、上記式(34)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
X加工工場のインク使用量:
図19の大項目「マテリアル使用量」の中項目「インク」の値
排出係数:
図8のカテゴリ「マテリアル」の項目「インク」の値
(1-5)X加工工場のマテリアル_ニス投入量によるGHG年間排出量(t-CO2eq/yr)
X加工工場のマテリアル_ニス投入量によるGHG年間排出量を以下の式により算出する。
【0116】
【0117】
・・・式(35)
ここで、上記式(35)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
X加工工場のニス使用量:
図19の大項目「マテリアル使用量」の中項目「ニス」の値
排出係数:
図8のカテゴリ「マテリアル」の項目「ニス」の値
(1-6)X加工工場のマテリアル_水投入量によるGHG年間排出量(t-CO2eq/yr)
X加工工場のマテリアル_水投入量によるGHG年間排出量を以下の式により算出する。
【0118】
【0119】
・・・式(36)
ここで、上記式(36)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
X加工工場の工業用水使用量:
図19の大項目「水使用量」の中項目「工業用水」の値
X加工工場の地下水・河川水使用量:
図19の大項目「水使用量」の中項目「地下水・河川水」の値
排出係数A、B:
図8のカテゴリ「水」の項目「工業用水」および項目「地下水・河川水」の各値が排出係数A、Bとしてそれぞれ用いられる。
(1-7)X加工工場の自家蒸気発生によるGHG年間排出量(t-CO2eq/yr)
X加工工場の自家蒸気発生によるGHG年間排出量を以下の式により算出する。
【0120】
【0121】
・・・式(37)
ここで、上記式(37)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
Σコジェネ向け投入燃料×排出係数A:
図18の大項目「エネルギー投入燃料量」の中項目「コジェネ」の各小項目と
図8の各項目の排出係数との乗算値の総和
コジェネ設備発電エネルギー:
図18の大項目「エネルギー設備別発生エネルギー」の中項目「コジェネ」の小項目「電力」
Σ(コジェネ向け投入燃料×各エネルギーGJ換算係数):
図18の大項目「エネルギー投入燃料量」の中項目「コジェネ」の各小項目と
図8の各項目のGJ換算係数(ID=34~46の各項目の値)との乗算値の総和
Σ(蒸気(熱)供給システム向け投入燃料×排出係数B):
図18の大項目「エネルギー投入燃料量」の中項目「熱供給」の各小項目と
図8の各項目の排出係数との乗算値の総和
また、式(37)における“0.27”は、エネルギー発生効率の値である。本例では、エネルギー発生効率は、電力需要、蒸気需要ともに製紙工場ほど大きくないため、大型のボイラーと蒸気タービンによる発電ではなくガスタービンによるコジェネを想定しており、一般的な値を参照して決定された。
(1-8)X加工工場の自家電力によるGHG年間排出量(t-CO2eq/yr)
X加工工場の自家電力によるGHG年間排出量を以下の式により算出する。
【0122】
【0123】
・・・式(38)
ここで、上記式(38)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
排水自家処理にかかる所要電力:
図20の大項目「自家処理の場合の排水処理設備での所要電力量」の中項目「電力」の値
外部からの購入電力量:
図18の大項目「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」の中項目「電力」の小項目「購入先と年間購入量」の値
排出係数C:
図18の大項目「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」の中項目「電力」の小項目「購入電力排出係数」の値
また、式(38)における「工場別電力排出係数(証書考慮)」の値は、以下の式によって算出されうる。
【0124】
【0125】
・・・式(39)
ここで、上記式(39)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
コジェネ発生電力:
図18の大項目「エネルギー設備別発生エネルギー」の中項目「コジェネ」の小項目「電力」の値
発電システム発生電力:
図18の大項目「エネルギー設備別発生エネルギー」の中項目「発電」の小項目「電力」の値
外部からの購入電力量:
図18の大項目「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」の中項目「電力」の小項目「購入先の年間購入量」
外部へのエネルギー販売量:
図18の大項目「外部へのエネルギー年間販売量」の中項目「電力」の値
電力証書:
図18の大項目「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」の中項目「グリーン電力証書」の小項目「購入証書の電源種別」、中項目「非化石証書」の小項目「購入証書の電源種別」、および、中項目「再エネ由来J-クレジット」の小項目「購入クレジットの電源種別」の総和
また、「工場別電力排出係数(証書未考慮)」の値は、以下の式により算出されうる。
【0126】
【0127】
・・・式(40)
ここで、「購入電力排出係数」は、
図18の大項目「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」の中項目「電力」の小項目「購入電力排出係数」の値が読み込まれる。
【0128】
また、「自家発電排出係数」の値は、以下の式により算出されうる
【0129】
【0130】
・・・式(41)
なお、式(41)における上記以外のパラメータの値は式(37)と共通である。
(1-9)X加工工場のエネルギー_購入電力によるGHG年間排出量(t-CO2eq/yr)
X加工工場のエネルギー_購入電力によるGHG年間排出量を以下の式により算出する。
【0131】
【0132】
・・・式(42)
(1-10)X加工工場のエネルギー_証書によるGHG年間排出量(t-CO2eq/yr)
X加工工場のエネルギー_証書によるGHG年間排出量を以下の式により算出する。
【0133】
【0134】
・・・式(43)
ここで、上記式(43)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
証書年間購入量:
図18の大項目「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」の中項目「グリーン電力証書」の小項目「購入証書の電源種別」の値、中項目「非化石証書」の小項目「購入証書の電源種別」の値、および、中項目「再エネ由来J-クレジット」の小項目「購入クレジットの電源種別」の値の総和
(1-11)X加工工場のエネルギー_購入蒸気によるGHG年間排出量(t-CO2eq/yr)
X加工工場のエネルギー_購入蒸気によるGHG年間排出量を以下の式により算出する。
【0135】
【0136】
・・・式(44)
ここで、上記式(44)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
外部からの購入蒸気量:
図18の大項目「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」の中項目「蒸気」の小項目「年間購入量」の値
購入蒸気排出係数:
図18の大項目「外部からの購入エネルギー/証書と年間購入量」の中項目「蒸気」の小項目「購入蒸気排出係数」の値
上記(1-1)~(1-11)において算出された各GHG年間排出量を合算することにより、X加工工場の年間GHG総排出量(t-CO2eq/yr)を算出することができる。
【0137】
(2)規格別GHG年間排出量(t-CO2eq/yr)を算定する。
上記(1)において算出されたX加工工場の年間GHG総排出量を用いて、以下の式により、X加工工場による規格1のGHG年間排出量(t-CO2eq/yr)が算出されうる。
【0138】
【0139】
・・・式(45)
ここで、式(45)における「X加工工場の規格1の出荷量」は、
図21の中項目「規格1」の小項目「エンドユーザI社I工場」の値(m
2/yr)に
図3エンドユーザI社I工場向け規格1の段ボール1m
2あたりの重量(kg/m
2)を1,000(kgからtへの単位換算)で除算した値が読み込まれる。また、式(45)における「X加工工場による全規格の年間総出荷量」は、
図21の小項目が「エンドユーザI社I工場」の値の総計と、
図3エンドユーザ各工場向け各規格の段ボール1m
2あたりの重量(kg/m
2)を1,000(kgからtへの単位換算のため)で除算した値が読み込まれる。
(3)X加工工場が納入する規格1の排出原単位を算定する.
上記(2)において算出されたX加工工場による規格1のGHG年間排出量を用いて、以下の式により、X加工工場における規格1の排出原単位が算出されうる。
【0140】
【0141】
・・・式(46)
ここで、式(46)における「X加工工場による規格1の年間総納入量は、
図21の中項目「規格1」の全ての小項目の合算値である。また、「段ボール1m
2あたりの重量(t/m
2)」は、
図3の「規格1」の「段ボール1m
2あたりの重量」の値(を1000で除算して単位をt/m
2に変換した値)が読み込まれる。規格2のように同じ規格でもエンドユーザ工場ごとによって「段ボール1m
2あたりの重量」の値は異なる。
4.STEP1-カテゴリ4-製紙工場における輸送にかかる排出原単位の算定
以下、STEP1において実行されるカテゴリ4にかかる製紙工場における輸送にかかる排出原単位の算定について説明する。
【0142】
[各製紙メーカの工場ごとの一次情報の入力]
システム1は、各製紙メーカの工場ごとに製紙工場別輸送燃料情報(一次情報)の入力を要求する。製紙工場別輸送燃料情報は、各製紙メーカの各工場における輸送燃料の年間消費量を示す情報である。例えばシステム1は、製紙工場別輸送燃料情報を入力するための入力画面を各製紙工場のコンピュータ装置に表示させるWebベースの入力画面を提供する。そして、各製紙工場のコンピュータ装置のオペレータは、当該入力画面を操作するための認証情報をシステム1に送信することでシステムにログインする。当該オペレータが入力画面において製紙工場別輸送燃料情報を入力すると、入力された製紙工場別輸送燃料情報を用いて各種処理が実行される。
【0143】
図22は、製紙工場別輸送燃料情報の一例を示す図である。
図22に示される製紙工場別輸送燃料情報は、大項目「輸送燃料年間消費量」を有し、その下に中項目として、「ガソリン」、「軽油」、「CNG(圧縮天然ガス)」、「電力」、「C重油」、「鉄道輸送を利用している取引先」、および「鉄道輸送距離」を有する。「ガソリン」、「軽油」、「CNG」、「電力」、および「C重油」には、各輸送燃料の各製紙工場における年間消費量が入力され、輸送由来排出量の算定に使用される。「CNG」はCNG車を用いた輸送において使用されるCNGの年間消費量が入力される。「電力」は電気自動車を用いた輸送において使用される電気の年間消費量が入力される。「C重油」は船舶輸送において使用されるC重油の年間消費量が入力される。また、「鉄道輸送を利用している取引先」には、製品の輸送先であって鉄道輸送を利用する加工工場を一意に識別する情報が入力される。「鉄道輸送距離」には、製紙工場から輸送先の加工工場までの輸送距離が入力される。なお、取引先(加工工場)が複数存在する場合は、中項目「鉄道輸送を利用している取引先」と「鉄道輸送距離」との組が複数入力される。
【0144】
[各製紙工場のカテゴリ4の排出原単位の算出]
次に、各製紙工場から取得した製紙工場別輸送燃料情報を用いて各製紙工場のカテゴリ4の排出原単位が算出される。算出方法は各製紙工場について同様であるため、ここでは一例として、A製紙工場で製造した一般中芯をX加工工場に納品する場合について説明する。
【0145】
まず、A製紙工場のX加工工場への全段原紙製品納入にかかる燃料由来GHG年間排出量が以下の式によって算出されうる。納入先への輸送由来GHG年間排出量(t-CO2eq/yr)とは、納入先への陸上輸送由来排出量、海上輸送由来排出量、鉄道輸送由来排出量の総和となる。
【0146】
【0147】
・・・式(47)
ここで、上記式(47)における「(a)A製紙工場からX加工工場への陸上輸送由来排出量((t-CO2eq)/yr)」は以下のように算出されうる。
【0148】
【0149】
・・・式(48)
ここで、上記式(48)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
工場全体での陸上輸送燃料:製紙工場別輸送燃料情報(
図22)の大項目「輸送燃料年間消費量」の中項目「ガソリン」、「軽油」、「CNG(圧縮天然ガス)」、「電力」の各値(陸上輸送にかかる輸送燃料)
排出係数:製紙工場別輸送燃料情報(
図22)の各中項目に対応する
図8の各排出係数の値
X加工工場への納入量:
図17の小項目がX加工工場(「加工メーカX社X工場」)である全ての中項目の年間納入量を全て合算した値
X加工工場への陸上輸送距離:
図9のA製紙工場(「製紙メーカA社A工場」)からX加工工場(「加工メーカX社X工場」)までの陸上片道輸送距離
Σ(行き先工場別総納入量×行き先工場別陸上輸送距離):
図17の加工工場ごとの全ての中項目の年間納入量と、
図9のA製紙工場から各加工工場までの陸上片道輸送距離とを乗算し、全ての加工工場についての当該乗算値の総和をとったもの
また、上記式(47)における「(b)A製紙工場からX加工工場への海上輸送由来排出量((t-CO2eq)/yr)」は以下のように算出されうる。
【0150】
【0151】
・・・式(49)
ここで、上記式(49)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
工場全体での海上輸送燃料:製紙工場別輸送燃料情報(
図22)の大項目「輸送燃料年間消費量」の中項目「C重油」(海上輸送にかかる輸送燃料)
排出係数:
図8の項目「C重油」に対応する値
X加工工場への海上輸送距離:
図9のA製紙工場(「製紙メーカA社A工場」)からX加工工場(「加工メーカX社X工場」)までの海上片道輸送距離
Σ(行き先工場別総納入量×行き先工場別海上輸送距離):
図17の加工工場ごとの全ての中項目の年間納入量と、
図9のA製紙工場から各加工工場までの海上片道輸送距離とを乗算し、全ての加工工場についての当該乗算値の総和をとったもの
また、上記式(47)における「(c)A製紙工場からX加工工場への鉄道輸送由来排出量((t-CO2eq)/yr)」は以下のように算出されうる。
【0152】
【0153】
・・・式(50)
ここで、上記式(50)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
X加工工場への鉄道輸送距離:加工工場別輸送燃料情報(
図22)の大項目「輸送燃料年間消費量」の中項目「鉄道輸送を利用している取引先」=“X加工工場”である中項目「鉄道輸送距離」の値
排出係数:
図8の項目「鉄道輸送」に対応する値
Σ(行き先工場別総納入量×行き先工場別鉄道輸送距離):
図17の加工工場ごとの全ての中項目の年間納入量と、各加工工場への鉄道輸送距離とを乗算し、全ての加工工場についての当該乗算値の総和をとったもの
上記式(47)によって算出されたA製紙工場のX加工工場への全段原紙製品納入にかかる燃料由来GHG年間排出量を用いて、A製紙工場で製造した一般中芯をX加工工場に納品するまでにかかるカテゴリ4排出原単位は、以下の式によって算出される。
【0154】
【0155】
・・・式(51)
ここで、上記式(51)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
A製紙工場で製造した一般中芯のX加工工場への年間総納入量:
図17の中項目「一般中芯」の小項目「加工メーカX社X工場」の値
A製紙工場で製造したX加工工場への年間総納入量:
図17の小項目が「加工メーカX社X工場」である中項目の値の総和
上記説明においては、A製紙工場で製造した一般中芯をX加工工場に納品するまでにかかるカテゴリ4排出原単位を算出したが、同様に、各製紙工場で製造した各製品を各加工工場に納品するまでにかかるカテゴリ4排出原単位がそれぞれ算出される。
5.STEP1-カテゴリ4-加工工場における輸送にかかる排出原単位の算定
以下、STEP1において実行されるカテゴリ4にかかる加工工場における輸送にかかる排出原単位の算定について説明する。
【0156】
[各加工メーカの工場ごとの一次情報の入力]
システム1は、各加工メーカの工場ごとに加工工場別輸送燃料情報(一次情報)の入力を要求する。加工工場別輸送燃料情報は、加工メーカの各工場における輸送燃料の年間消費量を示す情報である。例えばシステム1は、加工工場別輸送燃料情報を入力するための入力画面を各加工工場のコンピュータ装置に表示させるWebベースの入力画面を提供する。そして、各加工工場のコンピュータ装置のオペレータは、当該入力画面を操作するための認証情報をシステム1に送信することでシステムにログインする。当該オペレータが入力画面において加工工場別輸送燃料情報を入力すると、入力された加工工場別輸送燃料情報を用いて各種処理が実行される。加工工場別輸送燃料情報のフォーマットは
図22と同様である。すなわち、小項目「ガソリン」、「軽油」、「CNG」、「電力」、および「C重油」には、各輸送燃料の各加工工場における年間消費量が入力される。また、「鉄道輸送を利用している取引先」には、製品の輸送先であるエンドユーザ工場を一意に識別する情報が入力される。「鉄道輸送距離」には、加工工場から輸送先のエンドユーザ工場までの輸送距離が入力される。
【0157】
[各加工工場のカテゴリ4の排出原単位の算出]
次に、各加工工場から取得した加工工場別輸送燃料情報を用いて各加工工場のカテゴリ4の排出原単位が算出される。算出方法は各加工工場について同様であるため、ここでは一例として、X加工工場で製造した一般中芯をIエンドユーザ工場に納品するものとする。
【0158】
まず、X加工工場で製造した規格1をIエンドユーザ工場に納入するまでにかかる輸送燃料年間GHG排出量が以下の式によって算出されうる。納入先への輸送由来年間GHG排出量(t-CO2eq/yr)は、納入先への陸上輸送由来排出量、海上輸送由来排出量、鉄道輸送由来排出量の総和となる。
【0159】
【0160】
・・・式(52)
ここで、上記式(52)における「(d)X加工工場からIエンドユーザ工場への陸上輸送由来排出量」は以下のように算出されうる。
【0161】
【0162】
・・・式(53)
ここで、上記式(53)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
工場全体での陸上輸送燃料:加工工場別輸送燃料情報(
図22)の大項目「輸送燃料年間消費量」の中項目「ガソリン」、「軽油」、「CNG(圧縮天然ガス)」、「電力」の各値(陸上輸送にかかる輸送燃料)
排出係数:加工工場別輸送燃料情報(
図22)の各中項目に対応する
図8の各項目の値
X加工工場のIエンドユーザ工場への規格1納入量:
図21の中項目「規格1」の小項目「エンドユーザI社I工場」の値と、
図3「エンドユーザI社I工場」向け「規格1」の「段ボール1m
2あたりの重量」の値(を1000で除算して単位をt/m
2に変換した値)との積
X加工工場からIエンドユーザ工場までの陸上距離:
図10の加工メーカX社X工場からエンドユーザI社I工場までの陸上片道輸送距離
Σ(X加工工場の各エンドユーザ工場への総納入量×X加工工場から各エンドユーザ工場までの陸上距離):
図21の各エンドユーザ工場について全ての規格の年間納入量と、
図3各エンドユーザ工場向け各規格の「段ボール1m
2あたりの重量」の値(を1000で除算して単位をt/m
2に変換した値)と、の乗算値の総和と、
図10のX加工工場からIエンドユーザ工場までの陸上片道輸送距離とを乗算し、全てのエンドユーザ工場についての当該乗算値の総和をとったもの
また、上記式(52)における「(e)X加工工場からIエンドユーザ工場への海上輸送由来排出量((t-CO2eq)/yr)」は以下のように算出されうる。
【0163】
【0164】
・・・式(54)
ここで、上記式(54)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
工場全体での海上輸送燃料:加工工場別輸送燃料情報(
図22)の大項目「輸送燃料年間消費量」の中項目「C重油」(海上輸送にかかる輸送燃料)
排出係数:
図8の項目「C重油」に対応する値
X加工工場からIエンドユーザ工場までの海上輸送距離:
図10の加工メーカX社X工場からエンドユーザI社I工場までの海上片道輸送距離
Σ(X加工工場の各エンドユーザ工場への総納入量×X加工工場から各エンドユーザ工場までの海上距離):
図21の各エンドユーザ工場について全ての規格の年間納入量と、
図3の各エンドユーザ工場向け各規格の「段ボール1m
2あたりの重量」の値(を1000で除算して単位をt/m
2に変換した値)と、の乗算値の総和と、
図10のX加工工場からIエンドユーザ工場までの海上片道輸送距離とを乗算し、全てのエンドユーザ工場についての当該乗算値の総和をとったもの
また、上記式(52)における「(f)X加工工場からIエンドユーザへの鉄道輸送由来排出量((t-CO2eq)/yr)」は以下のように算出されうる。
【0165】
【0166】
・・・式(55)
ここで、上記式(55)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
Iエンドユーザ工場までの鉄道輸送距離:加工工場別輸送燃料情報(
図22)の大項目「輸送燃料年間消費量」の中項目「鉄道輸送を利用している取引先」=“Iエンドユーザ工場”である中項目「鉄道輸送距離」の値
排出係数:
図8の項目「鉄道輸送」に対応する値
Σ(納入工場別総納入量×納入工場別鉄道輸送距離):
図21のエンドユーザ工場ごとの全ての中項目の年間納入量と
図3の各エンドユーザ工場向け各規格の「段ボール1m
2あたりの重量」の値(を1000で除算して単位をt/m
2に変換した値)とを乗算し、さらに、当該乗算値と、各エンドユーザ工場への鉄道輸送距離とを乗算して、全てのエンドユーザ工場についての当該乗算値の総和をとったもの
上記式(52)によって算出されたX加工工場で製造した規格1をIエンドユーザ工場に納入するまでにかかる輸送燃料年間GHG排出量を用いて、X加工工場で製造した規格1をIエンドユーザ工場に納品するまでにかかるカテゴリ4排出原単位は、以下の式によって算出される。
【0167】
【0168】
・・・式(56)
上記説明においては、X加工工場で製造した規格1をIエンドユーザ工場に納入するまでにかかるカテゴリ4排出原単位を算出したが、同様に、各加工工場で製造した各規格を各エンドユーザ工場に納品するまでにかかるカテゴリ4排出原単位がそれぞれ算出される。
【0169】
6.STEP2-統合排出原単位の算定
次に、カテゴリ1の統合排出原単位が算出される。カテゴリ1の統合排出原単位(kg-CO2eq/t)は、以下の式により算出される。
【0170】
【0171】
・・・式(57)
例えば、A製紙工場が製造する一般中芯、A製紙工場が製造する表ライナー、およびB製紙工場が製造する裏ライナーを使用して、X加工工場で段ボール規格1が加工される場合には、式(57)は具体的には以下のような式となる。
【0172】
【0173】
・・・式(58)
ここで、上記式(58)で用いられる「各製紙工場の各製品(一般中芯、表ライナー、裏ライナー)の製造でかかる排出原単位」は、各製紙工場の各製品について式(30)で算出された統合排出原単位である。また、「各規格の1枚当たりにかかる各製品(一般中芯、表ライナー、裏ライナー)の重量」は、
図3の各規格における「使用原紙重量」の各製品の値である。また、「各加工工場が納入する各規格の排出原単位」は、各加工工場の各製品について式(46)で算出された統合排出原単位である。
【0174】
7.STEP3-SCOPE3の算定
次に、SCOPE3排出量の算定が行われる。SCOPE3排出量は、(1)製紙および加工について算出されたカテゴリ1統合排出原単位(t-CO2eq/yr)および(2)製紙および加工について算出されたカテゴリ4統合排出原単位(t-CO2eq/yr)にそれぞれ調達量を乗算したものを合算したものとなる。(1)および(2)は、それぞれ以下の式により算出されうる。
(1)カテゴリ1統合排出原単位(t-CO2eq/yr)
以下の式により、各エンドユーザ工場に納入される規格ごとのカテゴリ1統合排出原単位である規格別カテゴリ1統合排出原単位が算出される。
【0175】
【0176】
・・・式(59)
ここで、上記式(59)で用いられる各パラメータの値は以下の通り決定される。
規格別カテゴリ1排出原単位:式(58)によって算出される。
エンドユーザ工場規格別調達量:
図23の各規格の「調達量」の値。なお、
図23は、エンドユーザ工場から予め入力される一次情報の一種であって、エンドユーザ工場ごとの各規格の調達量を示す情報である。同じ規格でも使用原紙を製造する製紙工場、加工工場が異なる場合、材質組成に違いが生じる為、例えば同じ規格2でも規格2―(1)、2-(2)とそれぞれ設定されて算出される。
段ボール1枚当たり重量:
図3の各規格の「段ボール1枚当たり重量」の値。同じエンドユーザー工場に納品される同じ規格でも使用原紙を製造する製紙工場、加工工場が異なる場合、材質組成に違いが生じる為、例えば同じ規格2でも規格2―(1)、2-(2)とそれぞれ設定されて算出される。
(2)カテゴリ4排出原単位(t-CO2eq/yr)
以下の式により、各エンドユーザ工場に納入される規格ごとのカテゴリ4統合排出単位である規格別カテゴリ4統合排出原単位が算出される。
【0177】
【0178】
・・・式(60)
ここで、上記式(60)の「規格別カテゴリ4排出原単位」は、式(48)による算出値と式(56)による算出値とを足し合わせた値である。
【0179】
(GHG排出量算出システムの構成)
図24は、GHG排出量算出システムの構成の一例を示す図である。本実施形態に係るGHG排出量算出システム1は、各製紙工場50a、50bおよび各加工工場60x、60yにおいてそれぞれユーザに操作される製紙工場コンピュータ装置20aおよび加工工場コンピュータ装置20b(以下、略して「コンピュータ装置20」という場合がある)と、サーバ装置30と、エンドユーザ(飲料メーカ等)40においてユーザに操作されるエンドユーザ工場コンピュータ装置20cと、を含んで構成されうる。コンピュータ装置20においてウェブブラウザが起動されると、コンピュータ装置20は、特定のURL(Uniform Resource Locator)を介してサーバ装置30にアクセスする。サーバ装置30は、ウェブページとして、GHG排出量算出アルゴリズム10が実現されるアプリケーションを、製紙工場コンピュータ装置20aおよび加工工場コンピュータ装置20bに配布する。また、サーバ装置30は、コンピュータ装置20a及び20bのユーザのユーザ認証が成功すると、コンピュータ装置20a及び20bに対して一次情報をユーザが入力するための入力画面をウェブページの形で出力する。コンピュータ装置20a及び20bのユーザは、当該入力画面に必要な一次情報を入力する。入力された一次情報は、コンピュータ装置20a及び20bのハードディスク装置や不揮発性メモリ等のローカルストレージ25に保存される。そして、GHG排出量算出アルゴリズム10によって当該一次情報を用いて上記各式を用いて説明したGHG排出量算出処理がコンピュータ装置20a及び20bのローカルにて実行される。また、マスタデータ等のデータはサーバ装置30のハードディスク装置や不揮発性メモリ等のローカルストレージ35に事前に保存される。そして、GHG排出量算出処理が実行される際に、必要に応じてサーバ装置30のローカルストレージ35からマスタデータが読み出され、コンピュータ装置20a及び20bに送信される。GHG排出量算出の結果は、サーバ装置30に送信され、当該算出結果は、ローカルストレージ35に保存される。また、エンドユーザ工場コンピュータ装置20cは、製紙工場コンピュータ装置20aおよび加工工場コンピュータ装置20bと同様に、ウェブブラウザを介してサーバ装置30にアクセスすることができる。また、サーバ装置30から提供される入力画面を介して、GHG排出量の算出に必要な情報のユーザからの入力を受け付け、サーバ装置30に送信することができる。また、エンドユーザ工場コンピュータ装置20cは、サーバ装置30にアクセスして、GHG排出量算出結果をウェブブラウザに表示することができる。これにより、エンドユーザのオペレータは、自身が取引している製品ごとのGHG排出量を確認することができる。
【0180】
本実施形態に係るGHG排出量算出システム1は、以上のような構成により、製紙工場コンピュータ装置20aおよび加工工場コンピュータ装置20bが入力した一次情報については、各コンピュータ装置のローカルストレージ25、35に保存されるのみであってサーバ装置30には送信されないため、データの秘匿性が保たれるという利点がある。(なお、
図24に示される構成はあくまで一例であって、これに限定されない。)
より具体的には、サーバ装置30においては、
図3~
図12に例示される情報がマスタデータとして予め記憶されている(サーバ装置30の管理者が入力する等)。また、製紙工場コンピュータ装置20aにおいては、
図13~
図17および
図22(製紙工場別輸送燃料情報)に例示される情報が製紙工場(コンピュータ装置20aのオペレータ)によって入力されうる。また、加工工場コンピュータ装置20bにおいては、
図18~
図22(加工紙工場別輸送燃料情報)に例示される情報が加工工場(コンピュータ装置20bのオペレータ)によって入力されうる。また、エンドユーザ工場コンピュータ装置20cにおいては、
図23の情報がエンドユーザ工場(コンピュータ装置20cのオペレータ)によって入力されうる。
【0181】
(ハードウェア構成)
図25は、GHG排出量算出システム1に含まれる各コンピュータ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。上記説明された製紙工場コンピュータ装置20a、加工工場コンピュータ装置20b、エンドユーザ工場コンピュータ装置20c、およびサーバ装置30は、一般的なコンピュータ装置と同様のハードウェア構成によって実現可能である。
図25は、各コンピュータ装置に適用されうるハードウェア構成の一例を示す図である。
図25に示されるコンピュータ装置70は、一例として、プロセッサ71と、RAM(Random Access Memory)72と、ROM(Read Only Memory)73と、内蔵のハードディスク装置74と、外付けハードディスク装置、CD、DVD、USBメモリ、メモリスティック、SDカード等のリムーバブルメモリ75と、ユーザがコンピュータ装置70とデータのやり取りを行うための入出力ユーザインタフェース76(キーボード、マウス、タッチパネル、スピーカ、マイク、LED(light emitting diode)、等)と、他のコンピュータ装置と通信可能な有線/無線の通信インタフェース77と、ディスプレイ78と、を備える。例えば、ROM73、ハードディスク装置74、およびリムーバブルメモリ75のいずれか、またはこれらの組合せは、
図24のローカルストレージ25、35を構成しうる。また、本実施形態に係る各コンピュータ装置の各機能は、例えば、プロセッサ71が、ハードディスク装置74、ROM73、リムーバブルメモリ75、等の記憶領域に格納されているプログラムおよび処理に必要なデータを、RAM72等のメモリに適宜読み出して実行することで実現されうる。
【0182】
なお、
図25においては、コンピュータ装置70は1つの装置として図示されているが、
図24に説明された各コンピュータ装置は、2つ以上のコンピュータ装置が協働することによって構成されてもよい。
図25に示されるハードウェア構成はあくまで一例であって、これに限定されない。
【0183】
また、コンピュータ装置70は、プロセッサ71のようなコンピュータプログラムを実行可能な制御部を有する様々なコンピュータ装置であってよい。具体的には、コンピュータ装置70は、デスクトップコンピュータ、ノート型パソコン、スマートフォン、タブレット端末、等であってもよい。
【0184】
また、本実施形態に係るサーバ装置30と、製紙工場コンピュータ装置20a、加工工場コンピュータ装置20b、およびエンドユーザ工場コンピュータ装置20cとは、有線または無線の通信によって各種データを送受信することができる。
【0185】
以上説明した本実施形態に係るGHG排出量算出方法およびGHG排出量算出システムによれば、統一的な基準によってScope3排出量を可視化し、段ボール調達の実態に近いより詳細なGHG排出量を算出することが可能である。また、従来のGHG排出方法では企業ごと(製紙メーカまたは加工メーカごと)にしかGHG排出量が算出されなかった。これに対し、本実施形態のGHG排出量算出方法等によれば、各企業の各工場ごとに、さらには各工場の段ボール規格ごとに、GHG排出量が算出される。
【0186】
また、本実施形態のGHG排出量算出方法によれば、各製紙工場で稼働するマシンごとにGHG排出量が算出されうる。また、各製紙工場または各加工工場で排出される廃棄物を考慮したGHG排出量が算出されうる。
【0187】
なお、上述した実施形態においては、GHG排出量の計算に用いられる各種データおよび算出されるGHG排出量は年間単位のものとして説明したが、これに限定されない。例えば、各種データが、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、3年、などの特定の期間についてのデータであり、当該特定の期間についてGHG排出量が算出されるようになっていてもよい。
【0188】
ここまで、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内において種々異なる形態にて実施されてよいことは言うまでもない。
【0189】
また、本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。
【0190】
(付記)
なお、以下のような構成も本発明の技術的範囲に属する。
(1)
コンピュータシステムによって実行される段ボール調達に伴うGHG(Greenhouse Gas)排出量算出方法であって、
段ボールが納入されるエンドユーザから、GHG排出量算出の対象となる段ボール規格に関する情報、前記段ボール規格の調達に関わる製紙工場および加工工場に関する情報、および前記エンドユーザの前記段ボール規格ごとの調達量の入力を受け付けるステップと、
前記製紙工場から、前記段ボール規格ごとに、前記製紙工場における製紙プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量、並びに前記製紙工場から前記加工工場までの前記製紙プロセスの生産物の輸送に関する情報の入力を受け付けるステップと、
前記加工工場から、前記段ボール規格ごとに、前記加工工場における加工プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量、並びに前記加工工場から前記エンドユーザまでの前記加工プロセスの生産物の輸送に関する情報の入力を受け付けるステップと、
前記製紙工場における製紙プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量と、前記加工工場における加工プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量と、排出係数マスタデータと、を用いて、前記段ボール規格ごとに、段ボール調達に伴うGHG排出量を算出するステップと、
を含む、GHG排出量算出方法。
(2)
前記製紙工場における製紙プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量は、前記製紙工場全体における第1の物質の量と、前記製紙工場で稼働するマシンごとの第2の物質の量と、を含む、付記(1)に記載のGHG排出量算出方法。
(3)
前記製紙工場における製紙プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量は、エネルギー、マテリアル、または水の量である、付記(1)または付記(2)に記載のGHG排出量算出方法。
(4)
前記製紙工場から、前記製紙工場における製紙プロセスにおいて発生する廃棄物に関する情報の入力を受け付けるステップをさらに含む、付記(1)から付記(3)のいずれかに記載のGHG排出量算出方法。
(5)
前記加工工場における加工プロセスにおいて用いられる、および発生する物質の量は、エネルギー、マテリアル、または水の量である、付記(1)から付記(4)のいずれかに記載のGHG排出量算出方法。
(6)
前記加工工場から、前記加工工場における加工プロセスにおいて発生する廃棄物に関する情報の入力を受け付けるステップをさらに含む、付記(1)から付記(5)のいずれかに記載のGHG排出量算出方法。
(7)
前記エンドユーザの前記段ボール規格の調達量は、前記段ボール規格が前記エンドユーザに納入されるまでの前記製紙工場から前記加工工場、および前記加工工場から前記エンドユーザまでの取引ルートごとの調達量であり、
前記段ボール調達に伴うGHG排出量を算出するステップは、前記取引ルートごとに前記GHG排出量を算出する、付記(1)から付記(6)のいずれかに記載のGHG排出量算出方法。
(8)
付記(1)から(7)のいずれかに記載の方法を実行するコンピュータシステム。
(9)
付記(1)から(7)のいずれかに記載の方法をコンピュータシステムに実行させるコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0191】
1 GHG排出量算出システム
10 GHG排出量算出アルゴリズム
20a 製紙工場コンピュータ装置
20b 加工工場コンピュータ装置
20c エンドユーザ工場コンピュータ装置
25、35 ローカルストレージ
30 サーバ装置
40 エンドユーザ
50、50a、50b 製紙メーカ工場
60、60x、60y 加工メーカ工場
70 コンピュータ装置
71 プロセッサ
72 RAM
73 ROM
74 ハードディスク装置
75 リムーバブルメモリ
76 入出力ユーザインタフェース
77 通信インタフェース
78 ディスプレイ